説明

スクリュー式流体装置、およびスクリュー回転子構造

【課題】本発明はスクリュー式流体装置、およびスクリュー回転子構造に関し、スクリュー圧縮機、真空ポンプとして使用され、流体を圧縮、膨張させて圧送したり、状態変化させ、最終段における温度上昇を抑え、温度上昇に伴う接触を防ぎ、スクリュー部の前面側と後面側の稜線間の流路での流体シール性能を向上させ、動力消費を少なくする。
【解決手段】スクリュー回転子3のスクリュー部5,5・・・が、縦断面において、入り口1a側の稜線7Aの方が出口7B側の稜線7Bの外向きの鋭角度θ1よりも軸芯Xに交差する垂線H1、H2に対して大きな鋭角度θ2に形成され、スクリュー部の山頂部8相互を繋ぐ母線L1が、軸芯Xに対して入り口1aから出口1bに向けて先窄まりに形成され、谷部6相互を繋ぐ母線L2が、軸芯Xに対して前記入り口1aから前記出口1bに向けて径大に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスクリュー式流体装置、およびスクリュー回転子構造に関し、スクリュー圧縮機、真空ポンプとして使用され、流体を圧縮、膨張させて圧送したり、状態変化させ、最終段における温度上昇を抑えて均等な温度分布が得られるとともに、スクリュー部とケーシングの静止部との温度上昇に伴う接触を防ぎ、スクリュー部の前面側および後面側の稜線間に形成される流路での流体シール性能を向上させ、動力消費を少なくしようとするものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばスクリュー圧縮機、真空ポンプでは、ケーシング内に収納されたスクリュー回転子の回転作用により、流体を圧縮、膨張させて圧送したり、状態変化させていた。しかし、特に気体を圧縮させて排気を行う真空装置にスクリューを使用した場合、既存の装置ではスクリュー部の各ピッチ間に設けられた流路断面積が一定であるため、温度上昇も最終段で大きくなり、温度上昇によるスクリュー回転子と、ケーシング等の静止部との接触による運転不具合、最終段だけの断熱圧縮のため動力消費が増大するという問題があった。
【0003】
従来、上記問題点を解決するためのデュアルスクリュー回転子装置としての発明がある。この発明は、1つの入り口および1つの出口を有するケーシングと、前記ケーシング内に相互に噛み合って回転可能に設けられた一対のスクリュー回転子とを備え、各一つのスクリュー回転子のスクリュー部の山頂部が環状の外周径を形成し、該外周径が該ケーシングの内環壁と密接に当接し、該スクリュー部の谷部の溝底が環状に谷径を形成し、該山頂部と谷径との間にスクリュー部の高さが形成され、流路となる気室が、前記ケーシングの内環壁とスクリュー部の前記谷部とスクリュー部のピッチ間に位置する前面および後面の稜線間とに囲まれて形成され、これらの流路となる気室の縦断面の体積がケーシングの入口端より出口端に向けて徐徐に減少する、前記一対のスクリュー回転子を備えているものである。そして、前記スクリュー部の前記稜線は、入り口側の稜線の方が出口側の稜線よりも小さな外向きの鋭角度により形成されているものである。(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−320470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の従来のデュアルスクリュー回転子装置は、ケーシングの内環壁とスクリュー回転子の谷部とスクリュー部の山頂部の側壁の間とに囲まれることにより形成された流路となる気室の断面積が、ケーシングの入口端より出口端に向けて徐徐に減少するように形成されているので、入口端から出口端にかけて、均等に圧縮作用が行われるため、スクリュー部の最終段における温度上昇を抑えることが可能である。しかしながら、特許文献1に記載の従来のデュアルスクリュー回転子装置は、気室の断面積がケーシングの入口端より出口端に向けて徐徐に減少するように形成されているので、入り口からの最初の段階から各スクリュー部間でのピッチ間で圧縮作用が生ずることになるため、前記ピッチ間での流体シール性能を向上させることが重要な問題となるが、シール性能を向上させるための何等の手段が施されてはいない。そして、互いに噛み合うスクリュー部の稜線間の間隙が大きくなれば、流体のピッチ間におけるリーク量が増大し、圧縮作用を逆に低下するという、問題があった。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するために、最終段における温度上昇を抑えて均等な温度分布が得られ、スクリュー部とケーシングの静止部との温度上昇に伴う接触を防ぎ、スクリュー部の前面側および後面側の稜線間に形成される流路での流体シール性能を向上させ、動力消費を少なくし、圧縮作用を向上させるスクリュー式流体装置、およびスクリュー回転子構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題に鑑みなされ、請求項1に記載の発明は、
入り口および出口を有するケーシングと、該ケーシング内に互いに平行に設置された複数の回転軸に取付けられて相互に噛み合わせ可能に設けられたスクリュー回転子を備え、流体の流路が、ケーシングの内環壁と前記スクリュー回転子のスクリュー部間の谷部と前記スクリュー部間に位置する前面および後面に外向きの鋭角度をなす稜線との間に形成され、前記流路の縦断面がケーシングの入口端より出口端に向けて徐徐に減少しているスクリュー式流体装置において、
前記スクリュー回転子の前記スクリュー部が、縦断面において、前記入り口側の稜線の方が前記出口側の稜線よりも軸芯に交差する垂線に対して外向きの大きな鋭角度に形成され、
前記スクリュー回転子の前記スクリュー部の山頂部相互を繋ぐ母線が、前記スクリュー回転子の軸芯に対して入り口から出口に向けて先窄まりに形成され、
かつ、前記スクリュー回転子の谷部相互を繋ぐ母線が、前記スクリュー回転子の軸芯に対して前記入り口から前記出口に向けて径大に形成されている
ことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、
スクリュー回転子が、入り口および出口を有するケーシング内に互いに平行に設置された複数の回転軸に取付けられて相互に噛み合わせ可能に設けられ、流体の流路が、ケーシングの内環壁と前記スクリュー回転子のスクリュー部間の谷部と前記スクリュー部の前面および後面に設けられる外向きの鋭角度をなす稜線との間に形成され、前記流路の縦断面がケーシングの入口端より出口端に向けて徐徐に減少しているスクリュー回転子構造において、
前記スクリュー回転子の前記スクリュー部が、縦断面において、前記入り口側の稜線の方が前記出口側の稜線よりも軸芯に交差する垂線に対して外向きの大きな鋭角度により形成され、
前記スクリュー回転子が、そのスクリュー部の山頂部相互を繋ぐ母線は、前記スクリュー回転子の軸芯に対して入り口から出口に向けて先窄まりに形成され、
かつ、前記スクリュー回転子の谷部相互を繋ぐ母線は、前記スクリュー回転子の軸芯に対して前記入り口から前記出口に向けて径大に形成されている
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、入り口および出口を有するケーシングと、該ケーシング内に互いに平行に設置された複数の回転軸に取付けられて相互に噛み合わせ可能に設けられたスクリュー回転子を備え、流体の流路が、ケーシングの内環壁と前記スクリュー回転子のスクリュー部間の谷部と前記スクリュー部間に位置する前面および後面に外向きの鋭角度をなす稜線との間に形成され、前記流路の縦断面がケーシングの入口端より出口端に向けて徐徐に減少しているスクリュー式流体装置において、前記スクリュー回転子の前記スクリュー部が、縦断面において、前記入り口側の稜線の方が前記出口側の稜線よりも軸芯に交差する垂線に対して外向きの大きな鋭角度により形成され、前記スクリュー回転子の前記スクリュー部の山頂部相互を繋ぐ母線が、前記スクリュー回転子の軸芯に対して入り口から出口に向けて先窄まりに形成され、かつ、前記スクリュー回転子の谷部相互を繋ぐ母線が、前記スクリュー回転子の軸芯に対して前記入り口から前記出口に向けて径大に形成されているので、スクリュー回転子の谷部径を最初から最終段に向かって連続的に大きくでき、また各谷部に噛み合う他のスクリュー回転子のスクリュー部の山頂径を最初から最終段に向かって連続的に小さくし、スクリュー部の稜線間の流路を小さく管理し易い形状にして流路の断面積を小さくし、スクリュー回転子の最初から最後まで均等に流体を圧縮でき、スクリュー回転子の最終段における温度上昇を抑えて均等な温度分布が得られ、スクリュー回転子とケーシングの静止部との温度上昇に伴う接触を防ぐことができる。また、スクリュー回転子の前記スクリュー部が、縦断面において、前記入り口側の稜線の方が前記出口側の稜線よりも軸芯に交差する垂線に対して外向きの大きな鋭角度に形成されているので、スクリュー部の前面側および後面側の稜線間に形成される流路は、歯高さの低い部分、すなわち、後面側の稜線の角度を小さくして最短の稜線に形成されることにより流路の縦断面積をコンパクト化でき、隣接する流路への漏洩が軽減されるため、流体シール性能を向上させることができ、動力消費を少なくできる。また、スクリュー回転子のピッチ間での流体シール性能を向上させて圧縮作用を向上させることができる。そして、スクリュー回転子の流路の断面積の変化は、相互に噛み合うスクリュー回転子のスクリュー部の山頂径と谷部の谷径を変えることにより容易に実現することができるため、処理流体の状態量変化に忠実に合わせた流路の断面積を得ることができる。また、スクリュ−部の前面および後面の稜線は、軸芯に対する垂線に対して外向きの鋭角に設けられているので、相互にスクリュー部と谷部とが噛み合うスクリュー回転子のスクリュー部は、歯先から歯元にかけて外側に広がり、スクリュー部の稜線間の間隙のチェックが外部から容易に確認でき、管理が行い易くなる。
【0010】
また、請求項2に記載の発明によれば、スクリュー回転子が、入り口および出口を有するケーシング内に互いに平行に設置された複数の回転軸に取付けられて相互に噛み合わせ可能に設けられ、流体の流路が、ケーシングの内環壁と前記スクリュー回転子のスクリュー部間の谷部と前記スクリュー部の前面および後面に設けられる外向きの鋭角度をなす稜線との間に形成され、前記流路の縦断面がケーシングの入口端より出口端に向けて徐徐に減少しているスクリュー回転子構造において、前記スクリュー回転子の前記スクリュー部が、縦断面において、前記入り口側の稜線の方が前記出口側の稜線よりも軸芯に交差する垂線に対して外向きの大きな鋭角度により形成され、前記スクリュー回転子が、そのスクリュー部の山頂部相互を繋ぐ母線は、前記スクリュー回転子の軸芯に対して入り口から出口に向けて先窄まりに形成され、かつ、前記スクリュー回転子の谷部相互を繋ぐ母線は、前記スクリュー回転子の軸芯に対して前記入り口から前記出口に向けて径大に形成されているので、スクリュー回転子の谷部径を最初から最終段に向かって連続的に大きくでき、また各谷部に噛み合う他のスクリュー回転子のスクリュー部の山頂径を最初から最終段に向かって連続的に小さくし、スクリュー部の稜線間の流路を小さく管理し易い形状にして流路断面積を小さくし、スクリュー回転子の最初から最後まで均等に流体を圧縮でき、スクリュー回転子の最終段における温度上昇を抑えて均等な温度分布が得られ、スクリュー回転子とケーシングの静止部との温度上昇に伴う接触を防ぐことができる。また、スクリュー回転子の前記スクリュー部が、縦断面において、前記入り口側の稜線の方が前記出口側の稜線よりも軸芯に交差する垂線に対して外向きの大きな鋭角度に形成されているので、スクリュー部の前面側および後面側の稜線間に形成される流路は、歯高さの低い部分、すなわち、後面側の稜線の角度を小さくして最短の稜線に形成されることにより流路の縦断面積がコンパクト化でき、隣接する流路への漏洩が軽減されるため、流体シール性能を向上させることができ、動力消費を少なくできる。また、スクリュー回転子のピッチ間での流体シール性能を向上させて圧縮作用を向上させることができる。そして、スクリュー回転子の流路断面積の変化は、相互に噛み合うスクリュー回転子のスクリュー部の山頂径と谷部の谷径を変えることにより容易に実現することができるため、処理流体の状態量変化に忠実に合わせた流路断面積を得ることができる。また、スクリュ−部の前面および後面の稜線は、軸芯に対する垂線に対して外向きの鋭角に設けられているので、スクリュー部と谷部とが相互に噛み合うスクリュー回転子のスクリュー部は、歯先から歯元にかけて外側に広がり、スクリュー部の稜線間の間隙のチェックが外部から容易に確認でき、管理が行い易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は本発明のスクリュー式流体装置の実施形態を示す縦断面である。
【図2】図2は同じくスクリュー回転子相互が噛み合っている状態を示す説明的な拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に従って本発明の実施の最良の形態により、本発明の詳細を説明する。
【0013】
本発明の実施形態は、入り口1aおよび出口1bを有するケーシング1と、該ケーシング1内に互いに平行に設置された複数の回転軸2に取付けられて相互に噛み合わせ可能に設けられたスクリュー回転子3を備え、流体Wの流路4が、ケーシング1の内環壁1cと前記スクリュー回転子3のスクリュー部5,5・・・間の谷部6と前記スクリュー部5,5・・・間に位置する前面および後面に外向きの鋭角度をなす稜線7A,7Bとの間に形成され、前記流路4の縦断面がケーシング1の入口端Iより出口端Oに向けて徐徐に減少している点は、特許文献1に記載の従来のデュアルスクリュー回転子装置と同様の構成である。
【0014】
しかしならが、本実施形態のスクリュー式流体装置では、前記スクリュー回転子3の前記スクリュー部5,5・・・が、図2に示すように縦断面において、前記入り口1a側の稜線7Aの方が前記出口1b側の稜線7Bの外向きの鋭角度θ1よりも軸芯Xに交差する垂線H1、H2に対して外向きの大きな鋭角度θ2に形成されている。
【0015】
そして、前記スクリュー回転子3の前記スクリュー部5,5・・・の山頂部8相互を繋ぐ母線L1が、前記スクリュー回転子3の軸芯Xに対して入り口1aから出口1bに向けて先窄まりに形成され、かつ、前記スクリュー回転子3の谷部6,6・・・相互を繋ぐ母線L2が、前記スクリュー回転子3の軸芯Xに対して前記入り口1aから前記出口1bに向けて径大に形成されている。
【0016】
P1,P2・・・は各スクリュー部5,5間のピッチである。また、φ1は谷径であり、φ2は山頂径である。h1は歯高さである。
【0017】
本発明のスクリュー式流体装置の実施形態は以上の構成からなり、前記スクリュー回転子3のスクリュー部5,5・・・の山頂部8,8・・・相互を繋ぐ母線L1が、前記スクリュー回転子3の軸芯Xに対して入り口1aから出口1bに向けて先窄まりに形成され、前記スクリュー回転子3の谷部6,6・・・相互を繋ぐ母線L2が、前記スクリュー回転子3の軸芯Xに対して前記入り口1aから前記出口1bに向けて径大に形成しているので、スクリュー回転子3の谷部6,6・・・の谷径φ1は最初から最終段に向かって連続的に大きくなり、スクリュー部5,5・・・の山頂部8,8・・・相互を繋ぐ母線L1が、前記スクリュー回転子3の軸芯Xに対して入り口1aから出口1bに向けて先窄まりに形成されたことによりスクリュー回転子3の最初から最終段に向かって連続的に山頂径φ2を小さくしたため、スクリュー部5,5・・・の前面および後面の稜線7A,7B間の流路4は小さく管理し易い形状になる。また、流路4の縦断面積は、入り口1aから出口1bに向かって小さく連続して変化されるので、スクリュー回転子3により、最初から最後段まで均等に流体Wを圧縮できる。こうして、スクリュー回転子3の最終段における温度上昇は抑えられて均等な温度分布が得られ、スクリュー回転子3とケーシング1の静止部との温度上昇に伴う接触を防ぐことができる。そして、スクリュー回転子3のスクリュー部4間に形成される流路断面積が等しく最終段だけで断熱変化に近い作用を生み出す従来のスクリュー回転子に較べ流体の圧縮時に必要となる外部から供給する動力の動力消費を少なくでき、省エネルギー効果が期待できる。
【0018】
また、スクリュー回転子3のピッチP1,P2・・・は不変とすることができるため、リード角が一定となり、稜線7A,7Bを含むスクリュー部斜線内に不連続線がなくなり、滑らかに仕上げることができるので、噛み合うスクリュー回転子3相互におけるスクリュー面の間隙を小さく設定でき、スクリュー回転子3のピッチP1,P2・・・間での流体シール性能を向上させ、圧縮作用を向上させることができる。そして、スクリュー回転子3の流路断面積の変化は、相互に噛み合うスクリュー回転子3のスクリュー部5,5・・・の山頂径φ2と谷部6,6・・・の谷径φ1を変えることにより容易に実現することができるため、処理流体の状態量変化に忠実に合わせた流路断面積を得ることができる。
【0019】
また、図2に示すように、前記スクリュー回転子3の前記スクリュー部5,5・・・が、縦断面において、前記入り口1a側の稜線7Aの方が前記出口1b側の稜線7Bの外向きの鋭角度θ1よりも軸芯Xに交差する垂線H1,H2に対して外向きの大きな鋭角度θ2に形成されているので、スクリュー部5,5・・・の前面側および後面側の稜線7A,7B間に形成される流路4は、歯高さh1の低い部分、すなわち、後面側の稜線7Bの角度θ1を小さくして最短の稜線7Bに形成されることにより流路4の縦断面積がコンパクト化でき、隣接する流路4への漏洩が軽減されるため、流体シール性能を向上させることができ、動力消費を少なくできる。
【0020】
そして、前記スクリュー回転子3の前記スクリュー部5,5・・・が、縦断面において、両側に配置される稜線7A,7Bの角度θ1,θ2を軸芯Xに対する垂線H1、H2に対して外向きの鋭角に設けられている構成により、スクリュー部5,5・・・と谷部6,6・・・とが相互に噛み合うスクリュー回転子3のスクリュー部5,5・・・は、歯先から歯元にかけて外側に広がり、スクリュー部5,5・・・の稜線7A,7B間の間隙のチェックが外部から容易に確認でき、管理が行い易くなるという効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は最終段における温度上昇を抑えて均等な温度分布が得られ、スクリュー部とケーシングの静止部との温度上昇に伴う接触を防ぎ、スクリュー部の前面側および後面側の稜線間に形成される流路での流体シール性能を向上させ、動力消費を少なくし、圧縮作用を向上させることができるという用途・機能に適する。
【符号の説明】
【0022】
1 ケーシング
1a 入り口
1b 出口
2 回転軸
3 スクリュー回転子
4 流路
5 スクリュー部
6 谷部
8 山頂部
L1 母線
L2 母線
P1 ピッチ
P2 ピッチ
X 軸芯
φ1 谷径
φ2 山頂径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入り口および出口を有するケーシングと、該ケーシング内に互いに平行に設置された複数の回転軸に取付けられて相互に噛み合わせ可能に設けられたスクリュー回転子を備え、流体の流路が、ケーシングの内環壁と前記スクリュー回転子のスクリュー部間の谷部と前記スクリュー部間に位置する前面および後面に外向きの鋭角度をなす稜線との間に形成され、前記流路の縦断面がケーシングの入口端より出口端に向けて徐徐に減少しているスクリュー式流体装置において、
前記スクリュー回転子の前記スクリュー部が、縦断面において、前記入り口側の稜線の方が前記出口側の稜線よりも軸芯に交差する垂線に対して外向きの大きな鋭角度に形成され、
前記スクリュー回転子の前記スクリュー部の山頂部相互を繋ぐ母線が、前記スクリュー回転子の軸芯に対して入り口から出口に向けて先窄まりに形成され、
かつ、前記スクリュー回転子の谷部相互を繋ぐ母線が、前記スクリュー回転子の軸芯に対して前記入り口から前記出口に向けて径大に形成されている
ことを特徴とするスクリュー式流体装置。
【請求項2】
スクリュー回転子が、入り口および出口を有するケーシング内に互いに平行に設置された複数の回転軸に取付けられて相互に噛み合わせ可能に設けられ、流体の流路が、ケーシングの内環壁と前記スクリュー回転子のスクリュー部間の谷部と前記スクリュー部の前面および後面に設けられる外向きの鋭角度をなす稜線との間に形成され、前記流路の縦断面がケーシングの入口端より出口端に向けて徐徐に減少しているスクリュー回転子構造において、
前記スクリュー回転子の前記スクリュー部が、縦断面において、前記入り口側の稜線の方が前記出口側の稜線よりも軸芯に交差する垂線に対して外向きの大きな鋭角度により形成され、
前記スクリュー回転子が、そのスクリュー部の山頂部相互を繋ぐ母線は、前記スクリュー回転子の軸芯に対して入り口から出口に向けて先窄まりに形成され、
かつ、前記スクリュー回転子の谷部相互を繋ぐ母線は、前記スクリュー回転子の軸芯に対して前記入り口から前記出口に向けて径大に形成されている
ことを特徴とするスクリュー回転子構造。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−174672(P2010−174672A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−16164(P2009−16164)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(000205144)大晃機械工業株式会社 (8)
【Fターム(参考)】