説明

スタイレット器具及びその製造方法

装置の内腔に少なくとも部分的に配置し得るスタイレットを開示する。かかるスタイレットは、近位端、遠位端及び少なくとも1つの磁性材料を具える伸長体を含む。ある種の実施形態において、伸長体は、少なくとも1つのコア要素、かかるコア要素の少なくとも一部の周囲に配設した管状部材、及び/又は、コア要素の少なくとも一部の周囲に配設した少なくとも1つの支持部材を更に含む。また、コア要素と管状部材との間にマトリックス材が配設され、伸長体内に磁性材料が保持される。また、スタイレットを含むカテーテルアセンブリと、その製造方法が開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スタイレット器具及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スタイレットの1つの機能は、カテーテルに剛性又は硬度を提供(付与)して、患者の脈管系等、患者の選択部分内にて、カテーテル、カニューレ、中空針又はその類似物の操作を容易とすることにある。例えば、スタイレットは、細長、固形及び/又は中空の金属部材を具え、かかる金属部材をカテーテルの内腔に配設することで、カテーテルが充分に強固となり、患者の体内にカテーテルを配置することが可能となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この発明の目的は、施術者にとっての操作を容易とするスタイレット器具及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明の少なくとも一実施形態において、装置の内腔に少なくとも部分的に配設し得るスタイレットは、近位端、遠位端及び少なくとも1つの磁性材料を有する伸長体を具え得る。かかる伸長体は、少なくとも1つのコア要素、かかるコア要素の少なくとも一部の周囲に配設された管状部材、及び/又は、かかるコア要素の少なくとも一部の周囲に配設された支持要素を更に具え得る。また、コア要素と管状部材間にマトリックス材を配設して、磁性材料を伸長体内に保持させ得る。
【0005】
また、ある種の実施形態において、コア要素は、第一領域、第一領域よりも小径の第二領域、及び、かかる第一領域および第二領域間を連結する移行領域を具え得る。磁性材料は、コア要素の第二領域の少なくとも一部の周囲に配設、管状部材内に配設、スタイレットの伸長体の遠位端の近位にて配置、或いは、スタイレットの伸長体の内部に配置される。例えば、ある種の実施形態において、少なくとも1つのコア要素、管状部材及び支持部材は、磁性領域及び非磁性領域を具え得る。また、磁性材料は、スタイレットの伸長体に連結した少なくとも1つの永久磁石を具え得る。
【0006】
更に、ある種の実施形態では、管状部材は支持部材の少なくとも一部の周囲に配設され得る。付加的な実施形態では、支持部材が管状部材の少なくとも一部の周囲に配設され得る。また、管状部材は、管状部材内に設けられた補強要素及び/又は溝を具え得る。伸長体は、少なくとも1つのコア要素、並びに、コア要素の少なくとも一部及び磁性材料の少なくとも一部の周囲に配設されたコーティングを更に具え得る。
【0007】
更にまた、ある種の実施形態において、スタイレットを製造する方法は、近位端、遠位端及び少なくとも1つの磁性材料を具える伸長体を形成するステップを含み得る。少なくとも一実施形態において、伸長体を形成するステップは、伸長体の少なくとも一部を磁化するステップを更に含み得る。伸長体を形成するステップは、コア要素の少なくとも一部の周りに支持部材を配設する、及び/又は、コア要素と管状部材との間にマトリックス材を配設して、伸長体内に磁性材料を保持するステップを更に含み得る。また、伸長体を形成するステップは、少なくとも1つのコア要素を準備し、コア要素の少なくとも一部の周りに管状部材を配設し、かかる管状部材内に磁性材料を配設するステップを更に含み得る。
【0008】
加えて、少なくとも一実施形態において、カテーテルアセンブリは、内腔を画定するカテーテル、カテーテルの内腔にその少なくとも一部が配設される少なくとも1つのスタイレットを具え得る。ある種の実施形態において、かかる少なくとも1つのスタイレットは、近位端、遠位端及び少なくとも1つの磁性材料を有する伸長体を具え得る。
【0009】
なお、当該開示に従い、上述したいずれの実施形態の特徴についても、相互に組み合わせて実施することが可能である。また、当該開示のその他の特徴及び利点は、以下の記載の要件、添付の図面及び添付の特許請求の範囲から、当業者にとって明らかであることに留意されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
添付の図面は複数の例示的な実施形態を図示するものであり、この明細書の一部をなす。それら図面は、以下の記載とともに、当該開示の多様な原理を実例によって示し、説明するものである。
【0011】
全ての図において、同一の参照符号及び記載は、完全に同一である必要はないが、類似した要素を示す。ここに、説明されている例示的な実施形態は、多様な修正及び変更形態を許容し得るものであるが、図示例及び以下の記載においては特定の実施形態として示している。しかしながら、当業者であれば、ここに開示されている例示的な実施形態が、特定の形態へと制限することを意図したものではないことは、容易に理解されることには留意されたい。それどころか、当該開示は、添付の請求項の範囲内にある、全ての修正態様、均等態様及び変更態様を含むものである。
【0012】
図1は、一実施形態における例示的なスタイレット10の概略図である。当該開示において、「スタイレット」は、少なくとも部分的に、カテーテル、カニューレ、中空針又はその他の適当な装置の内腔に配置又は配設されることで、硬度又は剛性を提供(すなわち、付与)し得る形態又は型式の構造を含むよう広義に解釈されるものである。図1に示すように、少なくとも一実施形態において、スタイレット10は、近位端14と遠位端16との間を延在する伸長体11を具え得る。かかる伸長体11は、任意の形状又は寸法とすることができる。例えば、ある種の実施形態において、伸長体11は、かかる伸長体11の長手方向軸線に対し直交した断面が、実質的に一定の断面寸法となるようにすることができる。また、図1に示すように、伸長体11は、近位端14から遠位端16にかけて延在する長さLを有し得る。ある種の実施形態では、タブ要素12が伸長体11の近位端14に設けられており、かかる要素により、スタイレット10の操作時に、使用者が簡便かつ容易に掴むことができる構造が付与される。
【0013】
スタイレット10の伸長体11は、任意の数の組み合わせも材料も含み得る。例えば、以下に詳細に説明する、少なくとも1つの実施形態では、伸長体11の少なくとも一部は、少なくとも1つの磁性材料を含み得る。一般に、かかる磁性材料は、永久磁石材料及び電磁材料の任意の種類又は形態の磁性材料を含み得る。例えば、一実施形態において、スタイレット10の伸長体11は、(サマリウムコバルト及び/又はネオジウム鉄ホウ素などの)希土類磁石を具え得る。その他の実施形態では、スタイレット10の伸長体11は、AlNiCo磁性材料、(PANiCNQなどの)プラスチック磁性材料、或いは、バリウムフェライト(BaOFe)、又はストロンチウムフェライト(SrOFe)及び酸化鉄(Fe)などのセラミック磁性材料を具え得る。また、ある種の実施形態において、スタイレット10の伸長体11は、電流を流すと磁場が発生するようなソレノイドなどの電磁材料を具え得る。
【0014】
以下により詳細に説明するように、スタイレット10の伸長体11は、(柔軟性を有する固形及び硬い固形の双方を含む)固形又は非固形の磁性材料の双方を具え得る。例えば、スタイレット10の伸長体11は、パテ、ポリマー、シリコン、高粘度液、又はその他の適当な材料などの柔軟性を有する材料内に分散した複数の磁性粒子を有する磁性材料を具え得る。付加的な実施形態では、スタイレット10の伸長体11は、マトリックス、懸濁液又はスラリ内に含まれる複数の磁性粒子を有する磁性材料を具え得る。かかる例示的な磁性懸濁液又はスラリは、粒子状磁性材料などの、任意の種類の磁性材料と組み合わせられる、(油、水、グリセリン、アルコール、ポリマー、又はその類似物などの)任意の液体を含み得る。
【0015】
また、少なくとも一実施形態において、例示的なスタイレット10は、磁性材料の位置及び/又は配向を提供し、例示的なスタイレット10の少なくとも一部の位置及び/又は配向を提供する、(夫々の磁気双極子又は複数の磁石が集約した磁気双極子などの)観察可能な双極子となる磁性材料を具え得る。例えば、スタイレット10は、スタイレット10が患者の体内に挿入された場合に、(以下に詳細に説明する)検出技術により、患者の体の外側から検出して、それによりスタイレット10の患者の体内における位置及び/又は配向の表示が提供されるような、磁気双極子を有する磁性材料を具え得る。多くの実施形態において、スタイレット10の磁性材料は、所定の大きさにて、相当に大きな磁場を形成するので、磁気双極子の配向を容易に検出することが可能となる。
【0016】
一般的に言えば、スタイレット10の磁性材料の極は、任意の位置又は配向とすることができる。例えば、例示的なスタイレット10の磁性材料の双極子は、スタイレット10の長手方向軸線(すなわち、スタイレット10の近位端14から遠位端16まで延在している軸線)に実質的に平行となる配向にある、または、スタイレット10の長手方向軸線に実質的に直交する配向にある。また、スタイレット10の磁性材料の北極は、スタイレット10の遠位端16の近傍に位置しており、磁性材料の南極は、スタイレット10の近位端14と対向している。
【0017】
一般に、任意の種類又は形状の検出システムは、スタイレット10の磁性材料の双極子を検出し、磁性材料の位置及び/又は配向の表示を提供し、そのことから、患者の体内にあるスタイレット10の位置及び/又は配向の表示を提供するために使用される。適当な検出器具は、以下に制限するわけではないが、ここにその全体を援用する、Haynorらによる(いわゆる「ハイノール特許」を記載した)特許文献1〜4に開示されている多様な検出器具を含むものである。例えば、例示的な検出装置は、スタイレット10の磁性材料(又は複数の磁性材料)により発生した磁場の強度及び配向に基づく一連の信号を発生させることが公知である方向に配向した、複数の磁気センサを具え得る。その後、プロセッサは、磁気センサにより発生する一連の信号に由来する磁性座量の推定及び実際の磁場強度に基づき、スタイレット10の磁性材料の推定位置を3次元空間的に算出することができる。例えば、スタイレット10の磁性材料の配置及び/又は配向は、磁性材料の推定の磁場強度と実際に測定された磁場強度との差を比較することにより算出することができる。ある種の実施形態では、プロセッサに接続されたディスプレイが、スタイレット10の磁性材料の位置を3次元空間的に表示し得る。そのことから、ここに示す例示的な検出装置などの検出装置は、患者の体内に配置したスタイレット10の磁性材料から発生する磁場を検出し、スタイレット10の少なくとも一部における位置及び/又は配向を特定することができる。
【特許文献1】米国特許5,879,297号明細書
【特許文献2】米国特許6,129,668号明細書
【特許文献3】米国特許6,216,028号明細書
【特許文献4】米国特許6,263,230号明細書
【0018】
また、図2は、少なくとも一実施形態における、例示的なスタイレット10の部分断面の側面図である。この図に示すように、例示的なスタイレット10は、延在したコア要素60の少なくとも一部の周囲に配設した管状部材54を具え得る。かかるコア要素60は、例えば、ステンレススチールなどの従来のスタイレット材を含む、任意の材料の組み合わせから、任意の形状及び寸法に形成され得る。同様に、コア要素60の少なくとも一部を少なくとも部分的に取り囲む構造を一般に表す管状部材54は、例えば、(ポリイミド、シリコン、熱収縮チュービングなどの)ポリマー、金属又はその他の適当な材料を含む、任意の材料の組み合わせにて形成され得る。管状部材54は、コア要素60の長さの、全体にわたって又は単に一部にわたって取り囲むように配置され得る。例えば、図2に示す例示的な実施形態において、管状部材54は、コア要素60の遠位領域56を少なくとも部分的に取り囲んで連結し得る。また、以下に図示し、説明する、付加的に実施形態において、管状部材54は、コア要素60の長手方向の全体にわたり、すなわち遠位端16から近位端14まで延在し得る。管状部材54は、例えば、接着、溶解、又は、管状部材54をコア要素60の外面に取り付けることを含む、任意の方法により、コア要素60の少なくとも一部に連結又は取り付けられ得る。
【0019】
更に、少なくとも一実施形態において、例示的なスタイレット10は、1つ以上の磁性要素70を具え得る。詳細に上述したように、磁性要素70は、例えば、希土類磁石、セラミック磁性材料などの、任意の種類又は形態の磁性材料から構成することができる。一般に、磁性要素70は、伸長体11の選択領域内又はその全体に配置され得る。例えば、図2に示す例示的な実施形態において、磁性要素70は、スタイレット10の遠位領域20内に配置され得る。また、ある種の実施形態において、磁性要素70は、管状部材54内に収容され得る。一般に、磁性要素70は、例えば、スタイレット10の遠位端16に閉塞要素62を配設する方法を含む任意の方法により、管状部材54内に保持され得る。また、付加的な実施形態において、磁性要素70は、接着剤、ポリマー、ゲル、又はその他の適当な材料により管状部材54に連結し得る。
【0020】
更にまた、少なくとも1つの実施形態において、長手方向に隣接する磁性要素70間には、1つ以上のギャップ52が提供され得る。ある種の実施形態において、ギャップ52は、スタイレット10の遠位端20の可撓性を増大させ、長手方向に隣接する磁性要素70が互いに接触することなく、管状部材54を曲げることを可能とする。また、ギャップ52の寸法及び構成は、スタイレット10の遠位端20に所望水準の硬度又は可撓性を付与するよう、必要に応じて修正し得る。ある種の実施形態において、ギャップ52は、例示的なスタイレット10が、カテーテルとともに患者内の弧状の皮下経路を通過することを可能としている。
【0021】
上述したように、管状部材54は、任意の材料の任意の組み合わせにより形成することができる。例えば、少なくとも一実施形態において、管状部材54は、所望水準の剛性を付与する金属又は金属材料を含み得る。かかる例示的な実施形態において、管状部材54の剛性又は可撓性は、以下に詳細に説明するように、金属製の管状部材54の外壁厚さを修正すること、及び/又は、管状部材54の外壁に溝、孔、切欠若しくはその他の特徴を設けることで調整することができる。
【0022】
加えて、図3は、付加的な実施形態における、例示的なスタイレット10の部分断面の側面図である。かかる例示的な実施形態において、例示的なスタイレット10は、延在したコア要素60及び複数の磁性要素70の周囲に配設された管状部材54を具え得る。図2に示す例示的な実施形態に対し、かかる管状部材54は、実質的にコア要素60の全長にわたり、その周囲に沿って延在し得る。言い換えると、かかる管状要素54は、例示的なスタイレット10の近位端14から遠位端16まで実質的に延在し得る。ある種の実施形態において、この構成は、コア要素60と管状部材54との相対移動の抑制に役立ち得る。
【0023】
加えてまた、図4は、付加的な実施形態における、例示的なスタイレット10の部分断面の側面図である。この例示的な実施形態にあるように、例示的なスタイレット10は、延在したコア要素、コア要素60の遠位領域56の周囲に配置された管状部材54、及び、遠位領域20の近位にある管状部材54内に収容された複数の磁性要素70を具え得る。少なくとも一実施形態において、例示的なスタイレット10は、コア要素60の少なくとも一部に配設された、少なくとも1つの支持要素80を具え得る。一般に、支持要素80は、選択された水準の可撓性又は硬度を、コア要素60及び/又は例示的なスタイレット10に提供し得る、任意の形状又は種類の構造又は要素とすることができる。支持要素80としては、例えば、支持コイル、ワイアやその他の類似物が挙げられる。ある種の実施形態において、支持要素80をコア要素60の外面の少なくとも一部に取り付ける又は接着することで、支持要素80により提供される剛性又は硬度の適合性を選択することが可能となる。任意選択的に、支持要素80は、コア要素60の少なくとも一部に、一体的に形成され得る、又は内包され得る。図4に示すような、ある種の実施形態において、支持要素80の遠位端は、管状部材54の近位端の近位すなわち近傍に配置され得る。
【0024】
また、図5は、付加的な実施形態における、例示的なスタイレット10の部分断面の側面図である。例示的な実施形態にあるように、例示的なスタイレット10は、延在したコア要素60、コア要素60の実質的に全長にわたって配置された管状部材54、及び、遠位領域20の近位にある管状部材54内に収容された複数の磁性要素70を具え得る。少なくとも一実施形態において、例示的なスタイレット10の管状部材54は、補強要素55を更に具え得る。一般に、補強要素55は、選択された水準の可撓性又は硬度を、コア要素60及び/又は例示的なスタイレット10に提供し得る、任意の形状又は種類の構造又は要素である。補強要素55は、補強コイル又は紐、可撓性補強ワイア等を含む。補強要素55は、任意の多数の方法により、管状部材54の内部に配置したり、それと一体に形成したり、それに接着したり、それに取り付けたりすることができる。補強要素55は、例えば、スタイレット10の全長(すなわち、スタイレット10の延在軸に沿った長手方向)の少なくとも一部の長手方向に沿って、又は、スタイレット10の一部において放射状(すなわち、放射状、螺旋状、又は、スタイレット10の一部を覆うよう)とするなどの、任意の方法により、例示的なスタイレット10に対し配向し得る。また、補強要素55は、管状部材54に連結していても、していなくても良い。管状部材54において、補強要素55は、領域56内にて、コア要素60の一部に沿って延在し得る、又は、コア要素60の全長(すなわち、スタイレット10の近位端14から遠位端16まで)にわたって延在し得る。ある種の実施例において、補強要素55を適用される寸法、長さ、硬度及び/又は材料は、所望される水準のスタイレット10の可撓性又は剛性に基づき選択することができる。
【0025】
更に、図6は、付加的な実施形態における、例示的なスタイレット10の部分断面の側面図である。例示的な実施形態にあるように、例示的なスタイレット10は、延在したコア要素60、コア要素60の遠位端56の周囲に配置された管状部材54、及び、遠位領域20の近位にある管状部材54内に収容された複数の磁性要素70を具える。上述したように、管状部材54は、可撓性又は硬度に影響する特徴を有し得る。例えば、図6に示すように、管状部材54に所望される水準の可撓性を提供する1つ以上の溝97を管状部材54の外面に設けることができる。溝97は、一般に、溝、窪み、孔、開口部、切欠などの任意の形状として示される、多数の形状及び寸法とすることができる。以下に制限するものではないが、溝97の形状は、例えば、周囲の溝、長手方向に延在する溝、切欠き溝、孔又はその他の適当な形状とすることができる。溝97は、レーザ加工、電極放電加工、エッチング加工、研磨加工、又は、(例えば、ダイヤモンド・コートのウェハ・ダイシングソーにより)を鋸で切る加工などを含む、従来の任意の工程により管状部材54に沿ったもの又は通過するものとして設けることができる。図5及び図6に示す例示的な実施形態と同様、管状部材54は、溶接要素30により、スタイレット10の遠位端16を閉塞することができる。閉塞要素62と同様、溶接要素30は、一般に、管状部材54内に磁性要素70を保持するよう任意の形状又は種類の構造にて設け得る。
【0026】
更にまた、図7は、付加的な実施形態における、例示的なスタイレット10の部分断面の側面図である。図にて示すように、例示的なスタイレット10は、延在したコア要素60、かかるコア要素60の少なくとも一部の周囲に配置された支持要素80、かかるコア要素60の遠位領域56の周囲に配置された補強要素55を有する管状部材54、及び、遠位領域20の近位にある管状部材54内に収容された複数の磁性要素70を具え得る。詳細に上述したように、例示的なスタイレット10を所望の硬度又は剛性とするために、支持要素80、管状部材54及び/又は補強要素55を追加、削除するような、修正又は調整をすることが可能である。図7に示す例示的な実施形態では、これら個々の要素を、組み合わせて使用することで、スタイレット10により向上した剛性及び硬度を付与することが可能である。
【0027】
加えて、図8は、付加的な実施形態における、例示的なスタイレット10の部分断面の側面図である。図に示すように、例示的なスタイレット10は、延在したコア要素60、かかるコア要素60の周囲に配置された管状部材54、及び、遠位領域20の近位にある管状部材54内に収容された複数の磁性要素70を具え得る。また、溶接要素30や閉塞要素62を具えるのではなく、管状部材54は閉塞端58を具え得る。管状部材54が、溶接要素30や閉塞要素62を具えるのではなく、閉塞端58を具え得ることから、溶接要素30や閉塞要素62を形成する付加的な工程を回避することができる。
【0028】
加えてまた、図9は、付加的な実施形態における、例示的なスタイレット10の部分断面の側面図である。例示的な実施形態に示すように、例示的なスタイレット10は、延在したコア要素60、コア要素60の少なくとも一部の周囲に配置された支持要素80、コア要素60の周囲に配置された管状部材54、及び、遠位領域20の近位にある管状部材54内に収容された複数の磁性要素70を具え得る。図9に示すように、管状部材54は、支持要素80及びコア要素60の全長(すなわち、スタイレット10の遠位端16から近位端14まで)にわたり、周囲に配置され得る。また、図8に示す例示的な実施形態と同様、管状部材54は閉塞端58を具え得る。これまでの実施形態と同様、充填材71は、管状部材54内の磁性要素70間に配置し得る。詳細に上述したように、充填材71を任意の柔軟性を有する材料から構成して、隣接する磁性要素70の分離を促進することで、スタイレット10の遠位領域に所望の水準の可撓性を提供し得る。付加的な実施形態では、充填材71が配置される場所である、磁性要素70の近傍の長手方向間に、(以下、図23にて併せて説明される離間要素92などの)離間要素を配置することができる。
【0029】
また、図10は、付加的な実施形態における、例示的なスタイレット10の部分断面の側面図である。例示的な実施形態に示すように、例示的なスタイレット10は、延在したコア要素60、コア要素60の実質的に全長にわたって配置された支持要素80を具え得る。少なくとも一実施形態において、支持要素80、コア要素60、又はその双方の少なくとも一部は、磁性要素を具え得る。例えば、図10に示すように、支持要素80は、磁性領域40にて磁性要素を具え、非磁性領域41にて非磁性要素を具え得る。ある種の実施形態において、支持要素80は、非磁性材料からなる第一の形成支持要素80から製造され、次いで、支持要素80の選択位置(例えば、磁性領域40)にて磁化することができる。その他の実施形態において、支持要素80は、磁性材料が領域40に最初から含まれるよう形成することができる。磁性領域40を磁化は、従来技術により、磁化するための公知材料又は加工工程を利用することにより達成することができる。
【0030】
更に、図11は、付加的な実施形態における、例示的なスタイレット10の部分断面の側面図である。例示的な実施形態に示すように、例示的なスタイレット10は、延在したコア要素60、かかるコア要素60の実質的に全長にわたってその周囲に配置された支持要素80を具え得る。少なくとも一実施形態において、スタイレット10は、コア要素60の選択位置の周囲に磁性コイル81を具え得る。例えば、図11に示すように、磁性コイル81は、コア要素60の遠位領域の周囲に配置され、磁性領域40を形成し得る。ある種の実施形態において、磁性コイル81は、支持要素80の一部(例えばコイル)間に長手方向に配置され得る。任意選択的に、磁性コイル81は、支持要素80の周囲(すなわち、放射状に取り囲むよう)に配置し得る。
【0031】
更にまた、図12は、付加的な実施形態における、例示的なスタイレット10の部分断面の側面図である。例示的な実施形態に示すように、例示的なスタイレット10は、延在したコア要素60、コア要素60の実質的に全長にわたってその周囲に配置された支持要素80を具え得る。少なくとも一実施形態において、コア要素60の少なくとも一部は磁性材料を具え得る。例えば、図12に示すように、コア要素60は、スタイレット10の非磁性領域41にて非磁性部分を具え、スタイレット10の磁性領域40にて磁性部分を具え得る。ある種の実施形態において、コア要素60は、磁性材料をコア要素60の磁性領域40内に含むよう最初から形成することも可能である。任意選択的には、コア要素60は、コア要素60の選択された部分(すなわち、磁性領域40)を磁化することで形成され得る。管状部材内に複数の磁性要素70を収容するのではなく、例示的なスタイレット10の選択部分(例えば、支持要素80、コア要素60又はその双方)を磁化することは、例示的なスタイレット10の可撓性を大幅に向上させる点で好ましい。
【0032】
加えて、図13は、付加的な実施形態における、例示的なスタイレット10の部分断面の側面図である。この図に示すように、例示的なスタイレット10は、延在したコア要素60、かかるコア要素60の少なくとも一部の周囲に配置された支持要素80、並びに、支持要素80及びコア要素60の双方の少なくとも一部の周囲に配置された管状部材54を具え得る。少なくとも一実施形態において、管状部材54の少なくとも一部は、磁性を有し得る。例えば、図13に示すように、管状部材54は、非磁性部分57及び磁性部分59を具え得る。コア要素60と同様、管状部材54の磁性部分59は、任意の種類又は形態の磁性材料から形成することができる。
【0033】
加えてまた、図14は、付加的な実施形態における、例示的なスタイレット10の部分断面の側面図である。この図に示すように、例示的なスタイレット10は、延在したコア要素60、かかるコア要素60の少なくとも一部の周囲に配置された支持要素80、並びに、かかる支持要素80及びコア要素60の双方の少なくとも一部の周囲に配置された管状部材54を具え得る。図14に示すように、少なくとも一実施形態において、管状部材54の少なくとも一部は、少なくとも部分的に溶解し、支持要素80の隣接する部分(例えばコイル)間を流れ得る。なお、ここで使用する「溶解」という用語は、管状部材54のガラス転移温度を超過させる任意の工程又は方法として、広義に使用されるものである。ある種の実施形態において、管状部材54は、少なくとも部分的に溶解し、モールド又はマンドレルにより形成又は成形され得る。
【0034】
また、図15は、付加的な実施形態における、例示的なスタイレット10の部分断面の側面図である。この図に示すように、例示的なスタイレット10は、延在したコア要素60、かかるコア要素60の少なくとも一部の周囲に配置された支持要素80を具え得る。少なくとも一実施形態において、コア要素60は、第一領域63、第二領域66、かかる第一領域63および第二領域66間を延在する移行領域64を具え得る。図15に示すように、第二領域66は、第一領域63の第一直径D1よりも小さな第二直径D2を有し得る。ある種の実施形態において、移行領域64、第二領域66又はその双方は、心無し研削又はその他の公知の工程により形成することができる。その他の実施形態において、第一領域63及び第二領域66は、相互に連結又は接続している個別の要素とすることができる。また、領域63、64及び66は、夫々に、相互に連結又は接続する個別の要素とすることができる。スタイレット10の遠位領域20の近位にて、第二領域の直径が減少していることは、可撓性を向上させて、患者内の弧状の皮下経路を通過させることを可能とすることから好ましい。
【0035】
更に、図16は、付加的な実施形態における、例示的なスタイレット10の部分断面の側面図である。この図に示すように、例示的なスタイレット10は、延在したコア要素60、かかるコア要素60の少なくとも一部の周囲に配置された支持要素80を具え得る。図15の例示的な実施形態に示すように、コア要素60は、第一領域63、かかる第一領域の直径よりも小さな直径の第二領域66、並びに、第一領域63及び第二領域66間を延在する移行領域64を具え得る。また、例示的なスタイレット10は、第二領域66の周囲に配設される1つ以上の磁性要素70を具え得る。少なくとも一実施形態において、磁性要素70は、一般にシリンダ状又はトロイド状の形状を有する。また、溶接要素30は、スタイレット10の遠位端16に設けられ、コア要素60の第二領域66の周りに磁性要素70を配置され得る。付加的な実施形態において、磁性要素70は、例えば、接着剤、ねじ、ピン、又はその他の適当な取り付け手段により、第二領域66に連結させることができる。
【0036】
更にまた、図17は、付加的な実施形態における、例示的なスタイレット10の部分断面の側面図である。この図に示すように、例示的なスタイレット10は、延在したコア要素60、かかるコア要素60の少なくとも一部の周囲に配置された支持要素80を具え得る。図15及び図16の例示的な実施形態に示すように、コア要素60は、第一領域63、かかる第一領域の直径よりも小さな直径の第二領域66、並びに、第一領域63及び第二領域66間を延在する移行領域64を具え得る。少なくとも一実施形態において、磁性材料は、コア要素60の第二領域66の周りに押圧嵌合又は焼結され得る。例えば、図17に示すように、磁性スラグ74は、コア要素60の第二領域66の周りに押圧嵌合又は焼結され得る。ある種の実施形態において、所望される水準の可撓性を磁性スラグ74に付与するために、1つ以上の溝75を磁性スラグ74の外面に設けることができる。溝97と同様、溝75は任意の形状又は寸法にて形成され得る。溝75としては、例えば、以下には制限はされないが、周囲溝、長手方向に延在する溝、切欠き溝、孔又はその他の適当な特徴を有する溝が含まれる。
【0037】
加えて、図18及び図19は、付加的な実施形態における、例示的なスタイレット10の部分断面の側面図である。図18に示すように、例示的なスタイレット10は、延在したコア要素60、かかるコア要素60の周囲に配置された管状部材54、及び管状部材54内に収容された複数の磁性要素70を具え得る。少なくとも一実施形態において、少なくとも1つの磁性要素70は、変形、押圧又は焼結によりコア要素60に連結され得る、或いは、管状部材54の少なくとも一部が、コア要素60及び磁性要素70の双方に取り付けられ得る。また、図19に示すように、管状部材54を、隣接する磁性要素70間の少なくとも一部に配置することで、隣接する磁性要素70間における長手方向への分離(すなわちギャップ52)を維持することが可能である。
【0038】
加えてまた、図20は、付加的な実施形態における、例示的なスタイレット10の部分断面の側面図である。図に示すように、例示的なスタイレット10は、延在したコア要素60を具え、かかるコア要素60は、第一領域63、かかる第一領域の直径よりも小さな直径の第二領域66、並びに、第一領域63及び第二領域66間を延在する移行領域64を具え得る。少なくとも一実施形態において、(コア要素60の遠位端56などの)コア要素60の少なくとも一部にコーティング76を設けることができる。コーティング76は、1つ以上の磁性要素70の周囲に配設され、磁性要素70がコア要素60に効果的に連結することができる。一般に任意の種類又は形状のコーティング76は、例えば、(ポリイミド、シリコン又はいわゆる熱収縮チュービングなどの)ポリマー、金属又はその他の適当な材料などの、多数の材料の組み合わせにより形成することができる。一般に、コーティング76は、噴き付け、成形、浸漬により、或いは、コーティング76をコア要素60及び/又は磁性要素70に取り付けることにより、コア要素60及び/又は磁性要素の周りに配置することができる。ある種の実施形態において、コーティング76は、スタイレット10の遠位端に所望の水準の可撓性及び剛性を付与するために、柔軟性を有する材料を具えることができる。
【0039】
また、図21は、付加的な実施形態における、例示的なスタイレット10の部分断面の側面図である。例示的な実施形態に示すように、例示的なスタイレット10は、延在したコア要素60、かかるコア要素60の周囲の少なくとも一部に配置した切欠き部材24、及び、かかる切欠き部材24内に収容された複数の磁性要素70を具え得る。一般に、切欠き部材24は、コア要素60及び/又は時勢部材70の少なくとも一部を切り欠きにて取り囲む任意の種類又は形状の構造を具え得る。少なくとも一実施形態において、切欠き部材24は、コア要素60、磁性要素70又はその双方に取り付けられ得る。ある種の実施形態において、切り欠きの構成及び材料により、スタイレット10に所望される水準の可撓性を提供することができる。また、図21に示すように、コア要素60は、拡大した遠位端68を有するいわゆるマンドレルを更に具えることができる。
【0040】
更に、図22は、付加的な実施形態における、例示的なスタイレット10の部分断面の側面図である。この図に示すように、例示的なスタイレット10は、延在したコア要素60、スタイレット10の遠位領域20の近位に配置された管状部材54、及び、管状部材54内に収容された複数の磁性要素70を具え得る。少なくとも一実施形態において、支持要素80は、コア要素60と管状部材54の双方の実質的に全長にわたって周囲に配設されており、管状部材54(及びその内部に収容された磁性要素70)をコア要素60に効果的に連結させることができる。管状部材54内に磁性要素70を効果的に保持するために、スタイレット10の遠位端16の近位に溶接要素30を設けることができる。ある種の実施形態では、支持要素80は、溶接要素30に溶接したり、あるいは取り付けたりできる。
【0041】
更にまた、図23は、付加的な実施形態における、例示的なスタイレット10の部分断面の側面図である。この図に示すように、例示的なスタイレット10は、延在したコア要素60、かかるコア要素60の少なくとも一部の周囲に配設された支持部材80、コア要素60及び支持部材80の実質的に全長にわたって配設された管状部材54、スタイレット10の遠位領域の近位にて管状部材54内に収容された複数の磁性要素70を具え得る。図15〜図17に示す例示的な実施形態において、コア要素60は、第一領域63、かかる第一領域63の直径よりも小さな直径を有する第二領域66、並びに、第一領域63及び第二領域66間を延在する移行領域64を具え得る。上記した実施形態にあるように、磁性要素70は、コア要素60の第二領域66周辺に配置され得る。また、少なくとも一実施形態において、1つ以上の離間要素92は長手方向にて第一領域63と第二領域66との間に配置され得る。任意の組み合わせの材料から形成される離間要素92は、長手方向に隣接する磁性要素70を離間させ得る、任意の種類又は形状の構造にて一般に設けられる。ある種の実施形態では、溶接要素30が遠位端16の近位に設けられていることから、磁性要素及び離間要素を、管状部材54内であって、コア要素60の第二領域66周辺に効果的に保持することができる。
【0042】
加えて、図24は、付加的な実施形態における、例示的なスタイレット10の部分断面の側面図である。図に示すように、例示的なスタイレット10は、延在したコア要素60、かかるコア要素60の少なくとも一部の周囲に配設された支持部材80、コア要素60及び支持部材80の実質的に全長にわたって配設された管状部材54、及び、スタイレット10の遠位領域の近位にて管状部材54内に収容された複数の磁性要素70を具え得る。上述した実施形態にあるように、管状部材54内に磁性要素70を効果的に保持するために、キャプチャ要素62を遠位端16の近位に設けることができる。少なくとも一実施形態において、夫々の磁性要素70の近位面及び遠位面に保護コーティング78を施すことができる。任意の組み合わせの材料から形成される保護コーティング78は、一般に、隣接する磁性要素間の直接の接触を防止し得る任意の種類の材料から構成することができる。ある種の実施形態では、磁性要素70に保護コーティング78が施され、磁性要素70の遠位端及び近位端が弧状の形状となるので、スタイレットの遠位領域を曲げることを促進することが可能となる。上記した実施形態において、詳細に記述してきたように、隙間空間44は、シリコン、ゴム、流体、その他の適当な材料などの充填材により充填することができる。
【0043】
加えてまた、図25は、付加的な実施形態における、例示的なスタイレット10の部分断面の側面図である。この図に示すように、例示的なスタイレット10は、延在したコア要素60、かかるコア要素60の周囲に配設され、スタイレット10の近位端14から遠位端16まで延在する管状部材54、スタイレット10の遠位領域の近位にて管状部材54内に収容された複数の磁性要素70、並びに、管状部材54及びコア要素60の実質的に全長にわたって配設された支持部材80を具え得る。ある種の実施形態において、溶接要素30を、遠位端16の近位に設けることで、磁性要素及び離間要素を、管状部材54内であって、コア要素60の第二領域66周辺に効果的に保持することが可能となる。
【0044】
また、図26は、付加的な実施形態における、例示的なスタイレット10の部分断面の側面図である。この図に示すように、例示的なスタイレット10は、延在したコア要素60を具え、かかるコア要素60は、第一領域63、かかる第一領域63の直径よりも小さな直径の第二領域66、並びに、第一領域63及び第二領域66間を延在する移行領域64を具え得る。少なくとも一実施形態において、コア要素60の少なくとも一部に磁性コーティング72を配設することができる。例えば、図26に示すように、磁性コーティング72を、コア領域60の第二領域66の周囲に配設することができる。付加的な実施形態において、磁性コーティング72は、以下に制限されるわけではないが、その全長を含む、コア要素60の任意の部分に延在させて配設することができる。
【0045】
更に、図27は、付加的な実施形態における、例示的なスタイレット10の部分断面の側面図である。この図に示すように、例示的なスタイレット10は、第一の及び第二の延在したコア要素部分60、並びに、これらコア要素60間に配設された1つ以上の磁性要素70を具え得る。少なくとも一実施形態において、管状部材54を、磁性要素70及び夫々のコア要素部分60の少なくとも一部の周囲に配設して、磁性要素70をスタイレット10内に効果的に保持することができる。ある種の実施形態では、夫々のコア要素部分60の少なくとも一部の周囲に支持部材80を配設することができる。
【0046】
更にまた、図28は、付加的な実施形態における、例示的なスタイレット10の部分断面の側面図である。図に示すように、例示的なスタイレット10は、延在したコア要素60、かかるコア要素60の周囲に配設され、スタイレット10の実質的に全長にわたって(すなわち、スタイレット10の近位端14から遠位端16まで)延在する管状部材54、及び、スタイレット10の遠位領域の近位にて管状部材54内に収容された複数の磁性要素70を具え得る。少なくとも一実施形態において、管状部材54は、コア要素60及び磁性要素70の少なくとも一部に直接に接着又は取り付けられるので、磁性要素70がコア要素60に効果的に連結され得る。また、付加的な実施形態において、コア要素60、管状部材54、及び/又は隣接する磁性要素70間にマトリックス材88を配設することができる。一般に、マトリックス材88は、コア要素60、管状部材54、及び/又は隣接する磁性要素70間に配設し得るスラリー懸濁液などの任意の種類又は形態の材料からなる。マトリックス材88は、以下に限定されないが、例えば、シアノアクリル酸、エポキシ、ポリウレタン、ウレタン、フォトポリマー、熱硬化材料、シリコン、ゴム又はその他の適当な材料を含む任意の組み合わせの材料から形成され得る。少なくとも一実施形態において、マトリックス材88は、充填材、安定剤、接着剤又はその類似物として機能され得る。また、ある種の実施形態において、マトリックス材88は、スタイレット10の遠位端16の近位にて弧状端86を形成し、管状部材54内に磁性要素70を効果的に保持することができる。
【0047】
加えて、図29は、付加的な実施形態における、例示的なスタイレット10の部分断面の側面図である。図に示すように、例示的なスタイレット10は、延在したコア要素60、かかるコア要素60の周囲に配設され、スタイレット10の実質的に全長にわたって(すなわち、スタイレット10の近位端14から遠位端16まで)延在する管状部材54、及び、スタイレット10の遠位領域20の近位にて管状部材54内に収容された単一の磁性要素70を具え得る。管状部材54と同様、磁性要素70も所望される水準の硬度又は可撓性となるよう構成することができる。ある種の実施形態において、管状部材54は、コア要素60及び/又は磁性要素70の少なくとも一部に直接に接着する或いは取り付けられ、磁性要素70をコア要素60へと効果的に取り付けることができる。また、付加的な実施形態において、マトリックス材88を、コア要素60、管状部材54及び/又は隣接する磁性要素70間に配設することができる。
【0048】
加えてまた、図30は、付加的な実施形態における、例示的なスタイレット10の部分断面の側面図である。図に示すように、例示的なスタイレット10は、延在したコア要素60、かかるコア要素60の周囲に配設され、スタイレット10の実質的に全長にわたって(すなわち、スタイレット10の近位端14から遠位端16まで)延在する管状部材54、及び、スタイレット10の遠位領域20の近位にて管状部材54内に収容された複数の磁性要素70を具え得る。少なくとも一実施形態において、コア要素60は、拡大した先導端68を有するいわゆるマンドレルを具え得る。また、一般的な弧状端86を形成する閉塞要素31を、スタイレット10の遠位端の近位に設け、管状部材54内に磁性要素70を効果的に保持することができる。閉塞要素31は、例えば、溶接、結合、粘着すること、或いは閉塞要素31を管状部材54に機械的に結合することを含む、任意の方法により管状部材54に固定あるいは取り付けることができる。閉塞要素31を、エポキシなどの1つ以上の粘着材から形成して、管状部材54に結合させることができる。
【0049】
また、ある種の実施形態において、管状スリーブ94は、コア要素60の拡大した先導端68及び磁性要素70の少なくとも一部の双方の周囲にて配設され、管状スリーブ94は、それらと機械的または化学的に連結して、磁性要素70をコア要素60に効果的に連結することができる。一般に、管状スリーブ94は、任意の種類又は形態の材料からなり、コア要素60及び/又は少なくとも1つの磁性要素70の周囲に配設することができる。ある種の実施形態において、管状スリーブは、1つ以上の磁性材料70をコア要素60に効果的に連結するために過熱されると、収縮すなわち寸法が減少する(言い換えると「縮む」)ような材料を具え得る。少なくとも一実施形態において、例示的なスタイレット10は、管状スリーブ94をコア要素60の拡大した先導端68の周囲に配設し、管状スリーブ94の少なくとも一部を、拡大した先導端68の周りで(例えば、ヒートガンを用いて管状スリーブ94の選択部分を過熱して)収縮させることで組み付けることができる。また、磁性要素70は、磁性要素70の周りで管状スリーブ94の少なくとも一部を(例えば、管状スリーブ94の選択部分を過熱して)収縮させることで、管状スリーブ94内に保持することができる。更に、付加的な実施形態において、管状スリーブ94は、磁性要素70と係合させることなく閉塞要素31の少なくとも一部の周りで収縮(すなわち、周囲にて係合)させる構成とすることができる。
【0050】
更に、図31〜図34は、例示的なスタイレット10の部分断面における端面図である。これら図面に示されているように、スタイレット10は1つ以上の延在したコア要素60を具え得る。例えば、スタイレット10は、単一のコア要素(図31)、2つのコア要素60(図32)、3つのコア要素60(図33)、4つのコア要素60(図34)又はそれ以上のコア要素60を具え得る。ある種の実施形態において、例示的なスタイレット10における夫々のコア要素60は、実質的に相互に同一となるよう形成することができる。付加的な実施形態において、スタイレット10のコア要素60の形状は、夫々に固有のものとすることもできる。また、上述したいずれの例示的な実施形態においても、1つ以上のコア要素60は、磁性部分を具え得る。なお、固有の磁性構成とした複数のコア要素60を採用することは、使用者がスタイレット10の遠位端16の位置を、選択されたx、y及びz軸(すなわち、ピッチ角、ヨー角及びロール角)に沿って正確に同定し得ることから好ましい。
【0051】
更にまた、図35は、少なくとも一実施形態に従う、例示的なカテーテルアセンブリ100の部分断面の端面図である。この図に示すように、カテーテルアセンブリ100は、カテーテル90内に複数のスタイレット10を具え得る。カテーテルアセンブリ100のカテーテル90内には、制限されることなく、任意の構成のスタイレット10を配設することができる。例えば、カテーテルアセンブリ100は、例示的なカテーテル90内に配設された1つ、2つ、3つ、4つ又はそれ以上の数のスタイレット10を具え得る。図31〜図34に示す例示的な実施形態にあるように、カテーテル90内に配設された夫々のスタイレット10は、実質的に相互に同一としたり、夫々に固有のものとすることができる。また、有利には、固有の磁性要素の構成を有する複数のコア要素60を採用して、使用者がスタイレット10の遠位端16の位置を、選択されたx、y及びz軸(すなわち、ピッチ角、ヨー角及びロール角)に沿って正確に同定することが可能となる。
【0052】
なお、上述した実施形態は、磁性材料を具える例示的なスタイレットの特定の構成を示しただけであり、それら実施形態はあくまで例示的なものに過ぎない。そのことから、当該開示から、多くの異なる実施形態が予測され、それらが包含されることとなる。また、ここに説明及び/又は図示してきた、1つ以上の例示的なスタイレットの実施形態は、カテーテル、カニューレ、中空針又はその他の適当な装置の内腔に少なくとも部分的に配設され、装置の硬度又は剛性の向上を提供(すなわち付与)し得るものである。例えば、図36に示すように、1つ以上のスタイレット10は、カテーテルアセンブリ100のカテーテル90内に配置され、患者の選択部分におけるカテーテル90の操作を容易とし得る。例えば、末梢穿刺中心カテーテル(PICC)などのように、少なくとも1つのスタイレット10がカテーテル90の内腔に挿入され、患者の上大静脈(SVC)内にカテーテル90を案内することに役立たせることができる。カテーテルアセンブリ100は、必要に応じてその他の適当な用途に使用することもできる
【0053】
上述してきた記載は、当業者がここに記載の例示的な実施形態の多様な面を最も有利に利用し得るよう提供したものである。かかる例示的な記載は、網羅的なものではなく、開示されている厳密な形状に限定されることを意図したものではない。ここに開示されている思想及び範囲内であれば、多くの修正及び変更を施すことができる。ここに記載の実施形態を、限定的することなく、あらゆる観点から考察し、添付の特許請求の範囲及びその均等物を参照することで当該開示の範囲が決定される。また、その使用を容易とすべく、明細書及び特許請求の範囲にて使用されている「含む(including)」と「有する(having)」は相互に交換可能であり、それらは、「具える(comprising)」と同義である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】少なくとも一実施形態における、例示的なスタイレットの概略図である。
【図2】少なくとも一実施形態における、複数の磁性要素を具える例示的なスタイレットの部分断面の側面図である。
【図3】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の側面図である。
【図4】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の側面図である。
【図5】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の側面図である。
【図6】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の側面図である。
【図7】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の側面図である。
【図8】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の側面図である。
【図9】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の側面図である。
【図10】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の側面図である。
【図11】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の側面図である。
【図12】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の側面図である。
【図13】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の側面図である。
【図14】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の側面図である。
【図15】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の側面図である。
【図16】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の側面図である。
【図17】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の側面図である。
【図18】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の側面図である。
【図19】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の側面図である。
【図20】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の側面図である。
【図21】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の側面図である。
【図22】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の側面図である。
【図23】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の側面図である。
【図24】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の側面図である。
【図25】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の側面図である。
【図26】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の側面図である。
【図27】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の側面図である。
【図28】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の側面図である。
【図29】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の側面図である。
【図30】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の側面図である。
【図31】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の端面図である。
【図32】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の端面図である。
【図33】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の端面図である。
【図34】付加的な実施形態における、例示的なスタイレットの部分断面の端面図である。
【図35】少なくとも一実施形態における、例示的なカテーテルアセンブリの部分断面の端面図である。
【図36】少なくとも一実施形態における、例示的なカテーテルアセンブリの斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置の内腔に少なくとも部分的に配置し得るスタイレットにおいて、該スタイレットは、
近位端、遠位端及び少なくとも1つの磁性材料からなる伸長体を具えることを特徴とするスタイレット。
【請求項2】
請求項1に記載のスタイレットであって、少なくとも1つのコア要素、及び該コア要素の少なくとも一部の周囲にて配設された管状部材を更に具えるスタイレット。
【請求項3】
請求項2に記載のスタイレットであって、前記コア要素は、第一領域、該第一領域よりも小径の第二領域、及び該第一領域と第二領域との間を延在する移行領域を具えるスタイレット。
【請求項4】
請求項3に記載のスタイレットであって、前記磁性材料を、前記コア要素の第二領域の少なくとも一部の周りに配設してなるスタイレット。
【請求項5】
請求項2に記載のスタイレットであって、前記磁性材料を前記管状部材内に配設してなるスタイレット。
【請求項6】
請求項2に記載のスタイレットであって、前記伸長体は、前記コア要素の少なくとも一部の周りに配設された少なくとも1つの支持部材を更に具えるスタイレット。
【請求項7】
請求項6に記載のスタイレットであって、前記コア要素、管状部材及び支持部材の少なくとも1つは、磁性領域及び非磁性領域を有するスタイレット。
【請求項8】
請求項6に記載のスタイレットであって、前記管状部材を、前記支持部材の少なくとも一部の周囲に配設してなるスタイレット。
【請求項9】
請求項6に記載のスタイレットであって、前記支持部材を、前記管状部材の少なくとも一部の周囲に配設してなるスタイレット。
【請求項10】
請求項2に記載のスタイレットであって、前記管状部材は、補強要素を具えるスタイレット。
【請求項11】
請求項2に記載のスタイレットであって、前記管状部材内に形成される少なくとも一本の溝を有するスタイレット。
【請求項12】
請求項1に記載のスタイレットであって、前記伸長体は、少なくとも1つのコア要素、並びに該コア要素の少なくとも一部の周囲及び前記磁性材料の少なくとも一部の周囲に配設されたコーティングを更に具えるスタイレット。
【請求項13】
請求項2に記載のスタイレットであって、前記コア要素と管状部材との間に配設されたマトリックス材を具え、該マトリックス材は、前記伸長体内に該磁性材料を保持するよう構成してなるスタイレット。
【請求項14】
請求項1に記載のスタイレットであって、前記磁性材料を、前記スタイレットの伸長体の遠位端の近傍に配置してなるスタイレット。
【請求項15】
請求項1に記載のスタイレットであって、前記磁性材料は、前記スタイレットの伸長体に結合した少なくとも1つの永久磁石を具えるスタイレット。
【請求項16】
スタイレットの製造方法であって、
近位端、遠位端及び少なくとも1つの磁性材料を具える伸長体を形成するステップを含むことを特徴とする製造方法。
【請求項17】
請求項16に記載の製造方法であって、前記伸長体を形成するステップは、該伸長体の少なくとも一部を磁化するステップを更に含む製造方法。
【請求項18】
請求項16に記載の製造方法であって、前記伸長体を形成するステップは、
少なくとも1つのコア要素を準備し、該コア要素の少なくとも一部の周囲に管状部材を配設し、そして、該管状部材内に前記磁性材料を配設するステップを更に含む製造方法。
【請求項19】
請求項18に記載の製造方法であって、前記伸長体を形成するステップは、前記コア要素の少なくとも一部の周囲に管状部材を配設するステップを更に含む製造方法。
【請求項20】
請求項18に記載の製造方法であって、前記伸長体を形成するステップは、前記コア要素と管状部材との間にマトリックス材を配設し、該伸長体内に磁性材料を保持するステップを更に含む製造方法。
【請求項21】
カテーテルを画定する内腔、及び、該カテーテルの内腔にその少なくとも一部が配設された少なくとも1つのスタイレットを具えるカテーテルアセンブリにおいて、
前記少なくとも1つのスタイレットは、近位端、遠位端及び少なくとも1つの磁性材料を有する伸長体を具えることを特徴とするカテーテルアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公表番号】特表2009−505744(P2009−505744A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528151(P2008−528151)
【出願日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際出願番号】PCT/US2006/033079
【国際公開番号】WO2007/025046
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(591018693)シー・アール・バード・インコーポレーテッド (106)
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
【Fターム(参考)】