説明

スタンドアローンネットワークオペレーションのための機構

【課題】バックボーンネットワークと基地局接続のない基地局カバー範囲内の移動局とのローカル接続を提供する。
【解決手段】ワイヤレスネットワークがバックボーン接続を失うときにローカル接続を維持する。バックボーン接続のないワイヤレスネットワークにおいて、新しいスタンドアローン移動局が基地局のカバー範囲に入り、基地局と新しい参加ノードとの間の接続を確立する。バックボーン接続のないワイヤレスネットワークおよびバックボーン接続のある複数個のネットワークにおいて、バックボーン接続のあるセルからの新しい移動局がスタンドアローンネットワーク基地局のカバー範囲へ移動し、新しいネットワーク参加ノードをスタンドアローンネットワーク基地局へハンドオーバーする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に基地局カバー範囲を持ちバックボーン接続を持たないワイヤレスネットワークシステムに関し、特に、基地局を持つスタンドアローンネットワークに入るスタンドアローンノードのための接続を確立するためのオペレーション機構と、バックボーンネットワークの支援なしにスタンドアローンネットワークへ別のセルからハンドオーバーするための手順を定義することに関する。
【背景技術】
【0002】
新しいネットワークノードのワイヤレスアドホックネットワークあるいはワイヤレスMESHネットワークへの初期関連付けおよび確立は802.16−2004に定義されている。
【0003】
16mドラフト標準文献第16.2.6項がバックボーンネットワークサポートを伴うハンドオーバー手順を規定している。
【発明の概要】
【0004】
バックボーンネットワークとの基地局接続なく基地局のカバー範囲内の移動局へローカル接続を提供するためのオペレーティング機構について説明する。スタンドアローンノードがスタンドアローンネットワークBSカバー範囲に入るとき、新しいノードと基地局間の接続を確立するプロセスを説明する。移動局が別のBSネットワークからスタンドアローンネットワーク内へ移動するとき、ハンドオーバープロシージャを提案する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、スタンドアローンネットワークのローカル接続のメンテナンスプログラムである。
【図2】図2は、スタンドアローンノードがスタンドアローンネットワークへ入るためのメッセージを示す(エントリーリクエストプロセスは図1ステップA3に定義)。
【図3】図3は、スタンドアローンネットワークハンドオーバープロセスのための機構を示す。
【図4】図4は、スタンドアローンネットワークのハンドオーバープロシージャのためのメッセージを示す(ハンドオーバープロセスは図1ステップA5に定義)。
【発明を実施するための形態】
【0006】
基地局がバックボーンネットワークとの接続を失いスタンドアローンネットワークになる場合、基地局のカバー範囲内の移動局にローカル接続を提供しなければならない。基地局がバックボーン接続を失う場合、基地局のカバー範囲内の移動局間に確立されているサービスフローは維持される。
【0007】
1.ローカル接続の維持
【0008】
図1に示すように、ローカル接続を獲得するため、基地局はセル内の局すべてへ定期的にSTN−REQメッセージを送信する(ステップA1)。メッセージにはセルID情報が含まれる。STN−REQ受信後、MS/RSは、関連セルIDが空いているかチェックする(ステップA2)。空いている場合、エントリーリクエストのプロセスに進む(ステップA3)。空いていない場合、関連BSセルIDが受信したものと同じである場合、STN−ACKメッセージを送り応答する(ステップA4、A6)。関連BSセルIDが受信したものと同じでない場合、ハンドオーバープロセスに進む(ステップA5)。STN−ACKメッセージには、局タイプ(MSあるいはRS)および作業モード(中継モードオペレーションかどうか)の情報が含まれる。
BSはセル内のノード(BSおよびRS)のルート表を更新、維持しなければならない。ルート表にリストされるノードについて、ある一定時間のうちにSTN−ACKが受信されない場合、BSはそのルート表からそのノードを削除する。
【0009】
本明細書に定義されるBSはBSモードで動作するMSの場合もある。
【0010】
2.スタンドアローンネットワークへのエントリープロセス
【0011】
ネットワークがスタンドアローンのとき、BSのカバー範囲内のMSすべてとのローカル接続を確実にするため、ネットワークは、新しいMSのネットワーク参加を許し、BSと新しいMS間の接続を確立する。
【0012】
図2に示すように、1.STN−REQおよび対応するセルID情報をBSから受信後、セルIDが空いている場合、MSは2.ENT−REQメッセージにより応答し、ネットワークに参加する許可を得、BSとの関連を確立する。BSは3.ENT−GNTメッセージにより回答し、リクエストを許可する。ENT−GNT受信時、MSは関連セルIDを更新し、局タイプとオペレーションモードを含む4.STN−ACKにより回答し、BSとMSの間に関連を確立する。
【0013】
3.スタンドアローンネットワークへのハンドオーバープロセス
【0014】
BSからのSTN−REQ受信時、含まれるセルIDがMSの関連するものと異なる場合、MSは、スタンドアローンネットワークBSへのハンドオーバーを行うか、関連する既存のBSにとどまるか決断する。プロシージャは、以下の項目に定義するハンドオーバープロシージャにしたがう。
【0015】
BSがバックボーンネットワークと接続を持つ場合、ハンドオーバーは16mドラフト標準文献第16.2.6項に定義するように実施する。BSがバックボーンネットワークとの接続を失う場合、BSとBSのカバー範囲内の局はスタンドアローンネットワークになる。移動局がスタンドアローンネットワークカバー範囲に移動するとき、ハンドオーバープロシージャが必要な場合があり、以下のとおり提案される。
【0016】
移動局はスタンドアローンネットワークBSからSTN−REQを受信する。移動局は、スタンドアローンネットワークからの受信パワーを測定することによりスタンドアローンネットワークへのハンドオーバーを実施するか決断する。スタンドアローンネットワークBSの受信パワーが設定された閾値αを上回り、既存の関連BSの受信パワーが別の閾値β(このときβ<α)を下回る場合、ハンドオーバープロシージャは開始される。
【0017】
図3は、スタンドアローンネットワークハンドオーバープロシージャの開始状態を説明する。実線(−)はBSのカバー範囲を示す。二重点線(−..−)は受信パワーがαに等しい範囲を示し、破線(−−)は受信パワーがβに等しい範囲を示す。理想的には、βはPr1=Pr2の範囲である。表1は、HR移動局が位置A、B、C、D間で移動するときのハンドオーバー開始条件を示す。Pr1はBS1から受信するパワー、Pr2はBS2から受信するパワーの測定値である。
【表1】

【0018】
図4に示すように、いったんハンドオーバープロシージャが開始されると、5.HO−REQメッセージが既存関連RSへ送られる。HO−REQ受信後、既存RSは6.HO−ACKにより応答する。HO−ACKメッセージ受信後、移動局はENT−REQメッセージをBSへ送り、BSはENT−GNTにより応答する。移動局は続いて局タイプとオペレーションモード情報を含むSTN−ACKメッセージを送る。ハンドオーバープロセスは完了し、局とスタンドアローンネットワークBS間の接続が確立する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレスネットワークで実施する方法において、ネットワークがバックボーン接続を失うときにローカル接続を維持することを特徴とする方法。
【請求項2】
バックボーン接続のないワイヤレスネットワークにおいて実施され、新しいスタンドアローン移動局が基地局のカバー範囲に入り、BSと新しいネットワーク参加ノード間の接続を確立することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
バックボーン接続のないワイヤレスネットワークおよびバックボーン接続のある複数個のネットワークにおいて実施され、バックボーン接続のあるセルからの新しい移動局がスタンドアローンネットワーク基地局のカバー範囲へ移動し、新しいネットワーク参加ノードをスタンドアローンネットワークBSへハンドオーバーすることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
図2に定義する基地局Aから基地局Bへの受信パワーを閾値と比較することによりハンドオーバーを決断する条件を確認し、移動局が表1に規定するように、(a)位置AからB、(b)位置BからC、(c)位置CからD、(d)位置DからC、(e)位置CからB、(f)位置BからAへ移動するとき、ハンドオーバーを決断することから成ることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
基地局がバックボーンネットワークとの接続を失うとき、ローカル接続を維持するプロセスをコントロールするためのコンピュータプログラムにおいて、前記プロセスが、(a)基地局から定期的にステータスリクエストメッセージを受信することと;(b)移動局がいずれかのBSと関連するか確認することとから成ることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記移動局がスタンドアローンで、スタンドアローンネットワークのBSへのエントリーリクエストを行うことを特徴とする請求項5に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
移動局がスタンドアローンBSに関連し、ステータスを更新することから成ることを特徴とする請求項5に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
移動局が隣接セルのBSに関連し、ハンドオーバーリクエストを行い、前記ハンドオーバーリクエストが、(a)既存の関連BSおよびハンドオーバー候補のBSの両方の受信信号パワーを測定することと;(b)表1に定義される開始条件にしたがってハンドオーバーを決断することとから成ることを特徴とする請求項5に記載のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−217115(P2012−217115A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−92458(P2011−92458)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(301022471)独立行政法人情報通信研究機構 (1,071)
【Fターム(参考)】