スタンピングされたシート(stampedsheet)をロール成形する連続プロセス
装置は、材料を主として幅方向からドローイングすることによって材料のストリップを変形するように構成されるダイを有するプレスと、変形されたストリップを均一な所望の幅寸法にカットするように設定されるスリッターと、変形され均一な幅となったストリップの直線状部分を連続ビームに成形するように構成されるロールを有するロール成形機とを備える。当該装置はさらに、シートの隣接する縁部を共に溶接し恒久的なチューブを形成する溶接機と、長手方向の形状を連続ビームに与えるスイープステーションと、連続ビームを車両のバンパービームとして使用可能なセグメントにカットする切断装置とを備える。コントローラが各種構成要素のタイミングを制御する。ビームセグメントは、特定領域において局部強度及び最小化した重量が最適化され、特徴部は、同一平面上にある取付面等のビームセグメントに組み入れられることが可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予めスタンピングされた(pre-stamped)様々な形状をロール成形する連続プロセスに関し、より詳細には、連続プロセスにおいてスタンピング/変形プロセスをロール成形装置と組み合わせてそれらのプロセス双方の利点を得るプロセスに関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、「CONTINUOUS PROCESS OF ROLL-FORMING PRE-STAMPED VARYING SHAPES」と題する、同一人に譲渡されていると共に同時係属中の米国実用特許出願第11/330,301号(2006年2月11日出願)の一部継続出願であり、この米国実用特許出願第11/330,301号は、「CONTINUOUS PROCESS OF ROLL-FORMING PRE-STAMPED VARYING SHAPES」と題する、米国仮特許出願第60/723,393号(2005年10月4日出願)の特許請求の範囲の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0003】
ロール成形に関連する利点により、ロール成形が複数の開放構造セクション及び筒状構造セクションに好適な製造方法となっている。自動車のバンパービームは、軽量、低コスト、そして性能ベースであり、広く認められると共に商業的に使用される設計をもたらすように、ロール成形の利点を利用した製品の一例である。ロール成形された筒状バンパービームは、バンパービーム市場の大半を代表し、普及し続けている。それは、バンパービームが、スタンピングやクロムめっきされたビーム等のAクラス表面(Class A surface)設計からプラスチック製フェイシアの背後に位置する構造的ビームに移行しているからである。別の形態のバンパーは開放セクション(場合によっては「C」セクションバンパーと呼ばれる)であり、これはバンパービーム設計にも一般に用いられる。これらの開放セクションは通常、戦略的に配置された内部のバルクヘッド(bulkhead)及びストラップ(strapping)を挿入且つ溶接するのにさらなる二次的な処理を必要とする。バルクヘッド及びストラップの使用は、最少限の重量の付加で断面の構造的な完全性を高めるためである。これらのバルクヘッド及びストラップは開断面の曲げ剛性を高めるが、この高められた性能は二次的な処理というコストを要して達成されるものである。
【0004】
ロール成形プロセスは、当該プロセスを、筒状ビームを製造する費用対効果の高い方法にする多くの利点を有する。ロール成形のいくつかの利点は、高強度鋼及び超高強度鋼(UHSS)を成形することができることを含む。予穿孔(pre-pierce)、中間穿孔(mid-pierce)、及び/又は後穿孔(post-pierce)の作業は、ロール成形前にシート材料の平坦部分に用いることができる。また、これらの作業は、インライン溶接及び切断等のロール成形プロセスによりインラインで行うことができる。しかしながら、ロール成形には、部品内で材料特性を変えることができないこと、また、部品の長さに沿って断面を変えることができないこと等の限界がある。部品の長さに沿って断面を変えることができないことにより、通常、必要とされない領域で過剰な材料が用いられ、必要とされる他の領域での性能要件を満たすことになる。また、過剰な材料により、部品の重量が増し、材料コストがかさむ。具体的には、試験及びコンピュータ分析により、端が拘束されると共に中心に負荷がかかる筒状ビームが自由体図(free body diagram)を示し、この自由体図ではビームの中心でセクションの深さ(すなわち慣性モーメント)が大きくなればなるほど剛性のあるビームがもたらされることが示される。ロール成形された筒状ビームの断面を当該ビームの長さに沿って変えることができないため、筒状ビームが一定の慣性モーメントを有することになる。一定の慣性モーメントにより、筒状ビームの長さに沿った、当該ビームの全体の曲げ剛性に関与しない領域に、過剰な材料及び形状が生じる。
【0005】
スタンピングプロセスは、断面が不均一なビームを作製することができるという点でロール成形に比して利点を有する。しかしながら、スタンピング作業には限界があり、通常ロール成形よりも効率が低く、その理由は、個々のシートブランクが側方に移動せねばならず、また、各ダイストロークの後で正確に位置決めされねばならないからである。また、ダイはかなりの困難さ及び複雑さを伴わずには筒状ビームを作製することをできず、また、二次的な作業を伴ったとしても筒状ビームを作製することができない。さらに、高強度及び超高強度のシート材料は、当該シート材料に与えられる形状変形量に応じて、また、その材料の強度に応じてダイは非常に摩耗する。
【0006】
現行のロール成形プロセスは場合によっては、ロール成形プロセス前に比較的低い力で、高速稼働するスタンピングプレスを用いるが、これらのスタンピングプレスは、材料が平坦である間であって、ロール成形を用いて部品を成形する前に、穴及び溝等の特徴部を材料に穿孔及びカットするために使用されることに注目されたい。
【0007】
金属を成形する典型的な(たいていの)スタンピングプレス法はコールドスタンピングと呼ばれ得る。コールドスタンピングでは、材料がダイ間で成形され、材料及びダイはほぼ室温に保たれる。別のタイプの成形はホットスタンピングと呼ばれる。ホットスタンピングプロセスでは、金属はそのオーステナイト温度(Ac3)に加熱され、次いで、成形がダイにおいて完了した後で急速冷却される。所要のオーステナイト温度、及び材料を焼き入れするのに必要な時間は、化学的性質又は材料、及び所望の最終的な特性に応じて決まる。例えば、0.2%の質量パーセントのカーボンを含む鋼を850℃に(又は880℃〜950℃のようにより高温に)加熱してそれら鋼のオーステナイト領域に至らせてから、まだ十分高温であるうちに、それらをスタンピングプレス内の冷却ダイに通して成形することが既知である。高温の鋼は、スタンピングダイを用いて成形され、次いで、ダイの温度及び/又は水による焼き入れによって急速に冷却される。例えば、材料は、鋼が所望の材料強度を維持する程度の低い温度に達するまで、フルストローク位置でのプレス状態にあるダイ内に置いたままにすることができる。しかしながら、上述のホットスタンピング技法は、間欠的な「ストップアンドゴー(stop-and-go)」のプロセスである傾向が高く、このプロセスはこれまで、比較的高いライン速度での連続プロセス作業における使用にはあまり適さない(すなわちロール成形装置と共にインラインで使用するにはあまり適さない)と考えられている。さらに、本発明者は上述の理由から、スタンピングをロール成形と組み合わせている者はいないと考える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、上記の利点を有すると共に上記の課題を解決するシステムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様では、強化ビームを成形するようになっている装置は、材料のドローイング及び移動によって加熱金属材料の平坦なストリップを三次元形状の変形ストリップに変形するように構成されるダイを有するプレスと、当該プレスと関連すると共に変形ストリップの加熱金属材料を冷却するように構成される冷却システムとを備える。ロール成形機がプレス及び冷却システムの下流に位置し、変形ストリップの縁部を連続ビームに成形するように構成されるロールを有する。
【0010】
本発明の別の態様では、強化ビームを成形するようになっている装置は、鋼材料を少なくとも約850℃の温度に加熱するように構成される加熱器を備える。プレスが高温鋼材料の連続ストリップを変形するように構成されるダイを有する。冷却システムが高温鋼材料を焼入れ且つ硬化するためにプレスと関連する。ロール成形機が、プレスとインラインに位置し、且つ冷却システムの下流にあり、ストリップを送り方向で受け取ると共に変形ストリップの縁部を強化ビームに成形するように構成及び配置されるロールを有する。
【0011】
本発明の別の態様では、方法は、第1の引張強度を有する加熱鋼材料のシートをホットスタンピングするステップを含み、当該ステップは当該材料をドローイング及び引き伸ばしすることを含む。当該方法はさらに、より高い引張強度を材料に持たせるように、スタンピングされたシートを焼き入れすることを含む。当該方法はさらに、ロール成形ミルの使用により、スタンピングされたシートの部分をビームにロール成形することを含む。
【0012】
本発明のさらに別の態様では、強化ビームを成形する方法は、加熱器を提供するステップと、加熱器の下流の位置に成形ダイを有するプレス及び当該プレスと関連する冷却システムも提供するステップと、プレスとインラインであり且つ当該プレスの下流にあるロールを有するロール成形機を提供するステップとを備える。当該方法は、材料のストリップを加熱すること、ダイを動作させ、高温材料をドローイングした後で当該材料を急速冷却することによって当該材料のストリップを変形すること、並びに、ロール成形ミルのロールを動作させ、ストリップを送り方向で受け取ると共に変形ストリップの縁部を強化ビームに成形することを含む。
【0013】
本発明のいくつかの概念は、筒状セクションに主眼を置いているが、これらの概念及びそれらの特性を開放セクションに当てはめることもできることがわかるはずである。
【0014】
本発明のこれらのそして他の態様、目的、並びに特徴は、以下の記載、特許請求の範囲、及び添付の図面を検討すれば当業者には理解され且つ正しく評価されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、80ksi引張強度を超える材料、さらには140ksi引張強度を超える超高強度鋼(場合によっては「UHHS」又は「AUHSS」材料と呼ばれる)の材料等の高強度シート材料から、様々な断面を有するロール成形筒状ビームを製造する方法を定義する。例えば、DP980(DF140)材料が支障なく用いられてきた。ビームの長さに沿って断面を変えることができることは、スタンピングによる予成形プロセスをロール成形と組み合わせることによって達成される。スタンピングプロセス及びロール成形の作業はインラインで連続的に行われる。二次的な処理を必要とすることのないインラインでの連続プロセスにより、非常にコスト効率の高い製造プロセスが生じる。スタンピングプレスを用いて、材料がロール成形ツーリングを通って移動する前に、材料を予成形し、また、シート材料を予穿孔し、そして特徴部を加える。材料が平坦である間に材料をスタンピングすることにより、部品の長さにわたって深さ(depth)及び表面形状(geometry)が変わる形状がもたらされる。例えば、成形された形状により、筒状パンバーセクションの後方セクションを表すことができる。特徴部のスタンピングと様々な形状の成形とを組み合わせるスタンピングプレスは、特徴部を材料にスタンピングする典型的な予穿孔プレスよりも大きなトン数(tonnage)を有するであろう。本発明のスタンピングプレスはまた、特徴部をスタンピングするのに必要なパンチ及びボタンを上回る(beyond)スタンピング用のダイを有する必要もあるであろう。UHSS材料のような軟鋼を上回る材料グレードを用いて筒状パンパーシステムが製造されることが考えられるため、形状を成形するのに一回打ちの(one-hit)スタンピング作業で十分でなければならないと仮定される。USSH等のより高度なグレードの材料はかなりの加工硬化を受け、所望の最終の形状を生成するのに多数回のスタンピングが必要とされると、この加工硬化により材料が割れやすくなる。スタンピングプロセスが大量の成形を必要とし、そのかわり材料を著しく加工硬化させる場合、スタンピングによる形状が一回打ちの作業で形成されて、加工硬化材料の多数回のスタンピングに起因して起こるいかなる材料の割れも回避するようにすることができる。加工硬化を最小限度に保持するように成形速度に注意を払うのであれば、スタンピングによるアグレッシブな成形を多数回行うことができる。UHSSをスタンピングする際には、曲げ半径に関する設計ガイドラインの適用の十分な理解がなされるべきである。UHSS材料によって成形される場合、形状は主として材料を移動させることによって成形されるのであって、材料を伸張又は押し出すことによるのではないことにも留意すべきである。UHSS等の材料は降伏強度及び引張強度が高く、そのかわり伸びは低い。伸びが低いということは延性が低いということに直接言い換えられ、延性が低いということは、材料の薄肉化、すなわち押し出し/ドローイングによる成形の妨げとなる。
【0016】
スタンピングプロセス中に形状を成形するのに用いられる材料は、コイルの幅から引き出すのであってコイルの長さからではない。このことは、スタンピングプレスを送るコイルの幅は、スタンピングによる形状成形を可能にするために、かつさらに形状を筒状の表面形状に仕上げるのに用いられるロール成形作業のために、十分なブランク幅を与えるために、過剰サイズにされることを必要とする。逃し溝が、成形された形状の端部に導入される必要があるということも考えられる。これらの逃し溝は、ブランク幅の縁から材料を引き出すのに役立つのであって、成形された形状の長さから材料を引き出すのに役立つのではない。逃し溝はまた、各部分に形状がスタンピングされる前後において、ブランクの、スタンピングされず変形されない領域における、ブランクの平坦さを維持する。材料がコイル幅にわたって移動し、材料がロール成形機を通過する前にサイズの変更が必要になるため、プレスでの成形作業は、不規則な幅のブランクをもたらす。ロール成形は、材料の縁を用いて、その材料をパスから次のパスまで案内し、それぞれのパスにおいて曲げが行われている間において材料を捕らえている。ブランク幅のサイズ変更は、製造プロセスに沿って1つ又は複数の位置で行うことができる。材料がスタンピングプレスを出た直後に不規則なブランクがスリットされることが意図されている。スリット作業はオフセットしていなければならず、その作業では一方の縁がスリットされ、それが他方の縁をスリットするための基準縁として用いられる。材料はまた、ロール成形機による作業におけるはじめの方の一つ又は複数のパスの後でスリットされてもよい。不規則なブランクがスリット作業によりサイズ変更される前であり、かつロール成形プロセスが完了する前に、ロール成形ミルにおいて何らかの初期成形を開始することにいくつかの利点があると考えられる。さらなる追加の選択肢は、多段ステーションのスタンピング作業における1つのステーションにおいて不規則なブランクをサイズ変更することである。一方の選択肢は、スタンピングプレスの床(bed)を典型的な部品の長さの少なくとも2倍にすることであり、又、他方の選択肢は、2つのプレスをインラインで用いることであろう。スタンピングプレスの第1のステーション或いは第1のプレスは、部品の長さの両端に必要とされる逃し溝をスタンピングし、完全な形状を成形すると考えられる。そのプレスの第2のステーション或いは第2のプレスは、成形された形状に特徴部(穴、溝等)をスタンピングし、不規則なブランクをロール成形プロセスに適したサイズにトリミングし、このロール成形プロセスでは、部品の長さに沿って横断面形状が変わる筒状ビームセクションに部品を仕上げる。
【0017】
部品に必要とされる成形量により、プレス後、またロール成形プロセスの前に、材料を蓄積する必要がある場合がある。材料が平坦である間に特徴部が材料に加えられる典型的な予穿孔作業では、ダイは材料と一緒に移動するように構成される(すなわち予穿孔用フライングダイ[flying pre-pierce die])。好ましくは、成形ダイは、移動中の材料と共に長手方向に移動しながらスタンピングするように構成される(すなわちフライングダイ構成)。その代わりとしては、形状成形ダイが材料と一緒に移動するには重すぎる場合、プレス後でありロール成形プロセスの前に、材料を蓄積することが必要になるであろう。過度に重いダイの場合の別の選択肢は、プレス後に材料の蓄積を行わず、ロール成形作業と共に停止/始動(stop-start)のプロセスを用いることである。停止/始動の繰り返しの動きを用いてロール成形ミルを支障なく効率的に稼動することができるが、停止/始動の動きは、インラインでの高周波誘導溶接が用いられる場合にはあまり相補的なプロセスではない。停止/始動プロセスはレーザー溶接及び接触溶接のいずれかにとってより適し得る。
【0018】
次に、成形された形状と、トリミングされていない(untrimmed)ブランク及びトリミングされた(trimmed)ブランクのいずれか一方とをロール成形プロセスに送ることができる。ロール成形ツーリングは成形された形状にクリアランスを与えるように設計される。ロール成形ツーリングの上部のみを用いてロール成形により一定な部品の表面形状を完成し、スタンピング成形された部品の周囲は周囲の残りがロール成形されている間において支持されることが考えられる。成形された形状の深さ及び形状自体は部品の長さに沿って変わることが考えられる。何らかの所与の位置、そして最も好ましくはスタンピング成形されるセクションとロール成形されるセクションとの移行部付近の位置での幅は、部品の長さに沿って一定のままである。この共通の幅は重要であり、それは、残りの材料がロール成形プロセスにおいて成形される際に材料が拘束される可能性がある場所をこの共通の幅が与えるからである。ロール成形プロセスが続行している際に、ロール成形プロセスに沿ったある地点において部品の個々の脚部(legs)が収束して筒状形状を形成するため、成形部品が拘束されることはなくなる。この時点では、ロール成形プロセスが筒状の表面形状を完成する間、スタンピングにより成形された形状を拘束するために内部マンドレルが必要とされるであろう。
【0019】
部品の個々の脚部は、ロール成形プロセスにより接触地点にもたらされ、この地点にて2つの個々の脚部が溶接されて、部品の長さに沿って横断面が変わるワンピースの筒状部品を形成する。溶接は、用いる溶接プロセスのタイプが複数の因子、すなわち表面形状、所望のサイクル時間等に基づく様々な方法で行うことができる。溶接のいくつかの選択肢としては、高周波誘導溶接、接触溶接、又は筒状セクション用のレーザーが挙げられ得る。他の溶接の選択肢、例えばインパルスシーム溶接(impulse seam welding)(回転スポット)、プラズマアーク溶接、又はレーザー等が不規則な成形形状に適している。これらの溶接法の全てが、市販の一定の横断面を有する筒状であり不規則である形状を作るのに今日広く用いられている。
【0020】
自動車のバンパービームは典型的に、車両スタイリングに相補的な或る程度の曲率を必要とする。スタイリングが変わり、よりアグレッシブになるにつれ、複数の半径を有するバンパービームは利用可能な外装(envelope)内にパッケージングしやすくなる。バンパービームに複数の半径を与えることは、複合的曲部(compound swept)バンパーと呼ばれる。このようにインライン及び製造プロセスの間において複合的曲部バンパービームを製造することができることは、サーボを用い、駆動され、且つコンピュータ制御される装置により達成される。このタイプの装置は、曲率をビームに与えるのに用いられる曲げローラのリアルタイム調整を可能とする。曲げローラのリアルタイム調整により、複数の半径がビームの長さに沿った所与の位置に与えられ得る。最後のインライン作業はビームセクションを所定の長さにカットすることである。この切断作業は様々な方法で行うことができる。バンパービームを所定の長さにカットする最も一般的な方法は、フライング切断装置(flying cutoff apparatus)を用いることである。フライング切断装置は、部品と一緒に移動し、部品がライン速度で移動している際に切断作業を行う。典型的なフライング切断装置は部品取付鋼枠(part clamping steel forms)、空気圧或いは油圧シリンダ、及びせん断ブレードを含む。
【0021】
本発明の特性は、部品の長さに沿って断面が変わるワンピース構造のロール成形ビーム又は開放セクション構造のロール成形ビームを製造することができることである。ビームの長さに沿って横断面を変えることができることは、成形ダイ、並びに、ロール成形プロセスの上流でありインラインに位置するスタンピングプレスの使用によって達成される。ロール(成形)ツーリングの革新的な設計により、スタンピングされて予成形された形状は、今からスタンピング成形される中央セクションに歪みも変形も起こすことなく、同一平面上にある平坦な縁セクションを、制限を受けずに個々のロール成形パスを通って移動させることが可能である。ロール成形プロセスの各パスは、縁セクションの材料を、スタンピングされた形態を組み込んだ最終的な形状に成形することを続ける。現行のロール成形プロセスはロール成形プロセス前である比較的低い力であったり、高速稼働するスタンピングプレスを用いるが、これらのスタンピングプレスは、材料が平坦である間、そしてロール成形を用いて部品を成形する前に、穴、溝等の特徴部を材料に穿孔及びカットするために使用される。本発明は、上流のスタンピングプレスのトン数を増大させ、成形ダイをスタンピングプレスに組み込む。1つ或いは複数のスタンピングプレスを用いて、次のような形状を有する鋼が成形され、その形状は、ロール成形を用いて表面形状において閉じられた場合、部品の長さに沿って横断面が変わる筒状ビームセクションをもたらすものである。スタンピング作業が部品の長さにわたって不規則な形状を与え、ロール成形作業が部品の形状の残りを加工する開放セクションに同じ概念を適用することができる。部品の長さに沿って横断面が変わることにより、性能要件を達成するために材料及び表面形状を効率的に使用する機会が与えられる。この結果、連続した費用対効果の高い製造プロセスで製造されて、重量及び性能が最適化された構造部材が得られる。
【0022】
図1は、本発明を具現するプロセスを示すフローチャートであり、図1Aは、対応する装置を示す。記載の通り、プロセスはステップ30(図1)から始まり、ステップ30ではコイル状シート31(図1A)が広げられ、展開状態(uncoiled)のストリップ/シート32が前進方向に送られる。プロセスはステップ33に進み、そこでシート32に対しダイ35及び36を共に作動させるスタンピングプレス34の使用によりシート32を予穿孔すると共に成形(shape form)する。プレス34、並びに/又は、ダイ35及び36は、好ましくは、スタンピングプロセスの間、シート32と共に側方に移動可能であり、また、比較的高速に動作する。代わりに、ロール成形動作はスタンピング動作の間、低速にすることができるか又は停止することができる。ダイ35及び36はシート材料をスタンピングするように構成及び設計され、主として、シート32の長手方向ではなく幅方向から材料を引っ張り移動する。好適な材料は、超高強度鋼(UHSS)であり、それは曲げられるが基本的に絞られる(drawn)ことも引き伸ばされることもできないものであることが注目される。したがって、材料を(長手方向ではない)側方に引っ張り且つ移動させることは、USHH材料を用いる場合の有意な概念である。(将来の)バンパーセクションにおける各端部でのシートのスリットを用いて、ステップ33の3次元変形プロセス中におけるシート材料の長手方向移動を減少することができる。
【0023】
プロセスはスリッター39を通過するステップ38に進み、このスリッター39は、シート32の縁部を同一平面上で平坦な状態のままとして、成形されたシート32の縁を特定の既知の幅寸法にスリット/カットする。
【0024】
次いで、プロセスは、ロール成形ステーション43〜48’を有するロールミル42によって図示されるようなロール成形作業を通過するステップ41に進む。特に図示するロールミル42は、シートを筒形状(図7を参照)に成形するように構成されるロールを有し、この筒形状は、ステップ50のプロセスにおいて隣接している縁51、52(図8)にて溶接される、そして、溶接ステーション53(図1A)において位置82にて溶接される。必要又は所望ならば、内部マンドレルは、断面形状の維持に役立つように、又は、ロール成形作業による曲げ或いは成形のための支持を与えるように、上流或いは下流に位置することができる。例えば、内部マンドレルは位置54で固定されることができ、マンドレルに支持を与えるために固定用のタイバー又はコードが下流(又は上流)に延びることができる。スタンピング作業により、断面の中間部又は下部は長手方向及び側方方向に形状に変化させ、そのため、最終的なビーム72の最終断面はその長さに沿って深さ寸法及び形状が多様になる(図3〜図6を参照)。
【0025】
次いで、プロセスはステップ60に進み、ここでは、溶接された連続筒状ビーム61は、安定化/動作(motivating)用のロール49、及び調整可能な外部マンドレル63と(必要であれば)内部マンドレル64とを持つスイープ(sweep)ステーション62を通って移動する際に、長手方向にスイープされる。その後、連続ビーム61は、ステップ70において切断装置71によって所定の長さに切断され、車両の衝撃強化バンパービームとして使用できる個々のビーム72にされる。プロセス全体は、最適であり、協調的であり、同時である動作を行うコントローラによって制御される。
【0026】
特に、一定断面の筒状ビームをロール成形、溶接、且つスイープする1つの全体の装置及びプロセスは、Sturrusの米国特許第5,092,512号及び第5,454,504号に図示及び記載されており、例示的な切断装置はHeinzの米国特許第5,305,625号において示される。読む者はそれらのプロセスについてさらなる詳細を望むのであればそれらの開示を参照されたい。また、それらの教示は、本発明を十分に開示及び教示するために本明細書に全体を援用される。本概念は、当該分野において既知であるもの等の出力調整可変スイープステーションと共に用いることができる。
【0027】
図2は、切断装置71から外した際の本発明を具現する車両バンパービームの側面図である。
【0028】
図3〜図6は図2の断面図である。特に、これらの断面は、連続ビーム61(図7を参照)をスイープするステップの前の当該ビーム61の同様の位置でとられた断面と同様である。
【0029】
図7は、ロール成形されているが長手方向にスイープされる前の車両のバンパービームの側面図である。特に、ビームの頂部「半体」セクションは、直線状で断面が一定であり(図3〜図6の上側部を比較、図8も参照)、一方、ビームの底部「半体」セクションは、三次元的に変化して長手方向に異なる形状(図3〜図6を比較)に変形される。各種特徴部をビーム72に取り入れることができることが意図されている。例えば、複数の傾斜面73(図2)は、ビーム61がスイープされて個々のビーム72になると、同一平面となって位置合わせされた取付面74となる。同一平面上の取付面74は、取付ボルト又は留め具等によって車両のフレームレールの前に取り付けられるようになっており、取付ボルト及び留め具用に予穿孔された穴を有することができる。
【0030】
図8は、例示的なロール成形ステーションを通って移動する図7のビームの端面図であり、この端面図は、底部成形ロール80及び側部拘束ロール81によって係合されるビーム61を示す。ステーション53で見られる溶接ジョイント82が、隣接している縁51及び52に示される。シートの上部「ウイング」又はシートの側部フランジ84の連続的な形成を位置85〜88により示す。また、底部形成ロール80及び/又は側部拘束ロール81は、固定ガイドブロック及び/又はロール(複数可)と、完全に又は部分的に交換することができることが意図されている。特に、頂部のロール成形ツーリングのみが用いられ、底部は、ブロック、(非形成)ロール、あるいはブロックとロールの組み合わせのいずれかによってしっかり支えられる変形が考えられる。
【0031】
本プロセスは、その長さに沿って不均一な断面を有する高度なビームを製造するのに用いることができ、車のインテリアクロス構造ビーム(interior cross car structural beam)、フレーム構成部材、車のエクステリアクロス構造ビーム(exterior cross car structural beam)、屋根はり(roof bows)、ウィンドシールドヘッダ、ロッカーパネル/シル、ドアビーム、エンジンクレードル、及び計測器パネル支持体等の各種用途のためにビームが「カスタマイズされ」且つ最適化されることを可能にすることが意図されている。本概念はハイドロ成形プロセスよりもコスト競争力があり、効率的でより高い処理量を有し、スタンピングプロセスを超える設計の柔軟性も与えることが意図されている。
【0032】
変更形態.
フローチャート(図9)及び装置(図9A)は、それぞれ図1及び図1Aと同様に示されているが、機械のロール成形部の前にホットスタンピングするように変更及び適合されている。具体的には、高強度材料(high material strength)に対してホットスタンピングされて焼き入れされることが可能な展開状態のシート材料32は、ステップ(100)において加熱器101により少なくとも約850℃(材料の化学的性質に応じて好ましくは約880℃〜950℃)の温度に加熱される。加熱プロセスの継続時間は、加熱器のBTU能力(BTU capability)に応じて、そして、プロセスが停止と起動とを繰り返すロール成形プロセスであるか又は連続プロセスであるかに応じて、変化し得る。加熱器の長さは機械(machine)/プロセスの速度を一致させるために必要に応じて延ばされる。加熱器101はシート32を穿孔且つ成形するステップ33の直前であり、スタンピングプレス34に隣接したその上流の位置に位置付けされる。成形シートがダイ35/36の間にある状態の間か、又は成形シートがダイ35/36を出る際に、ダイ35/36は冷却システム103によって冷却され、且つ/又は、水/冷却剤が焼き入れ(冷却)システム103によって成形シートに適用される。冷却のタイミングは重要である。材料温度が非許容温度に低下する前に冷却がなされねばならない。通常、焼き入れは、ダイ間で圧縮される間に鋼に適用される冷却ダイ及び/又は冷却剤等によって、成形作業の間或いは成形作業の後の数秒以内になされねばならない。
【0033】
ホットスタンピング加工に適した通常の鋼はUsinor社の被覆済み(pre-coated)USIBOR1500である。プレス34内で受け取られて成形されるような材料は、降伏強度が好ましくは370MPaよりも大きく、好ましくは引張強度が550MPAよりも大きく、14%よりも大きい伸びを有する。「受け取った状態のままの」USIBOR1500の特性は、プレス成形に非常に適しているが、その理由は、材料が絞られる(すなわち「伸張される」か、又は押し出しされるかされて、材料の厚みが減る)ことができるからである。同時に、この材料の焼き入れ後の特性は著しく高くなり、降伏(強度)が1000MPaの範囲内にあり、引張強度が1500MPaの範囲内にあり、伸びが5%の範囲内にある。これらのより高い材料特性は、エネルギー吸収、耐衝撃性において改善された部品性能によく適しており、優れた強度対重量比をもたらす。この材料を用いることにより、(スリッター39においてスリットするステップ38の前である)最終的なシートにおける幅の大きさだけ損失することなく、スタンピング加工におけるシートにおいてより深い変形を行うことが可能であり、したがって、材料の廃棄が減る。また、超高強度鋼は曲げられると加工硬化するため、それらの鋼を2回以上曲げることが制限されることは注目される。この問題は、ホットスタンピングのプロセスによって回避されるが、その理由は、材料は、絞られることができて、シート材料の急速な加工硬化に関係する同じ問題を有さないからである。軟鋼材料をホットスタンピングすることにより、スタンピングダイにおける材料の移動方法の選択肢がより多くなり、このため、スタンピングプロセスが容易になり、シート材料を、もっと深さのあるセクションに絞り/成形することが可能になる。例えば、鋼シートを、30%〜50%、さらに深さのあるセクションに絞ることができる。
【0034】
本発明の概念の独自性としては、より競争力のある部品を生成するように2つの全く異なる製造プロセスの利益を組み合わせることができることが挙げられる。利点としては、部品の長さに沿って断面が変化することができることが挙げられる。部品の強度がより高いこと及び部品の重量が低減されることは、材料特性が増えて断面が筒状である場合に得られる利点を示す。コールドスタンピング或いはホットスタンピングのスタンピングプロセスは、部品の長さにわたって形状を変えることができる。ホットスタンピングしたプロセスは、成形に適した受け取ったままの軟鋼(as received mild steel)で作業することがさらにでき、次いで、加工の間に材料を非常に高い特性を有する材料に変換する(transform)ことができる。この変換は、加熱されて成形された鋼に焼き入れした後に達成される。これにより、高強度材料がスタンピングされたときに起こり得る加工硬化に関係する問題が回避されるが、このことは、シート材料がスタンピング作業後に焼き入れされたときだけ高強度となるためである。本プロセスでは、ロール成形を用いて、スタンピングシートを受け取り、部品の成形を完了させる。ロール成形プロセスに関係する段階的な成形ステージは、高強度鋼及び超高強度鋼を含む非常に高い強度レベルにある材料を成形することができる。これにより、スタンピングプレスにおいて加熱成形されており、開放状態又は筒状のプレスされた形態を最終的に成形するのに、ロール成形が所望の方法となる。
【0035】
ホットスタンピングしたプロセスは、成形が1つの材料グレード/強度で行われ、最終的な部品はより高い別のグレード/強度であるため、コールドスタンピングに比してより優れた能力を与える。ホットスタンピングのプロセスのために受け取られるような材料は一般に、軟鋼として分類され、スタンピング成形に非常に適した特性を有する。高温の鋼は成形されて、次いで(又はその後迅速に)、ダイ内において焼き入れされる、ダイは、マルテンサイト顆粒組織(martensitic grain structure)、及び1500MPaよりも高い引張強度を有するマルテンサイト系鋼に多く見られる材料特性をもたらす。
【0036】
本発明の概念から逸脱することなく上記の構造に関して変形形態及び変更形態を行うことができること、さらに、かかる概念は、添付の特許請求の範囲がその文言によりはっきりと別記されない限りこの特許請求の範囲によって包含されることを理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明を具現するプロセスを示すフローチャートである。
【図1A】図1のプロセスのためのロール成形ミル、スタンピングステーション、溶接ステーション、及びスイープステーションを組み込んでいる装置の側面図である。
【図2】本発明を具現する車両バンパービームの側面図である。
【図3】図2の横断面図である。
【図4】図2の横断面図である。
【図5】図2の横断面図である。
【図6】図2の横断面図である。
【図7】ロール成形後であるが長手方向にスイープされる前である車両パンパービームの側面図である。
【図8】例示的なロール成形ステーションを通って移動する、図7のビームの端面図であり、ビーム、ロール、及び溶接ジョイントを示す図である。
【図9】機械のロール成形部の前において鋼シート材料をホットスタンピングするようになっている、図1と同様の対応する機械のフローチャートである。
【図9A】機械のロール成形部の前において鋼シート材料をホットスタンピングするようになっている、図1Aと同様の対応する機械の側面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、予めスタンピングされた(pre-stamped)様々な形状をロール成形する連続プロセスに関し、より詳細には、連続プロセスにおいてスタンピング/変形プロセスをロール成形装置と組み合わせてそれらのプロセス双方の利点を得るプロセスに関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、「CONTINUOUS PROCESS OF ROLL-FORMING PRE-STAMPED VARYING SHAPES」と題する、同一人に譲渡されていると共に同時係属中の米国実用特許出願第11/330,301号(2006年2月11日出願)の一部継続出願であり、この米国実用特許出願第11/330,301号は、「CONTINUOUS PROCESS OF ROLL-FORMING PRE-STAMPED VARYING SHAPES」と題する、米国仮特許出願第60/723,393号(2005年10月4日出願)の特許請求の範囲の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0003】
ロール成形に関連する利点により、ロール成形が複数の開放構造セクション及び筒状構造セクションに好適な製造方法となっている。自動車のバンパービームは、軽量、低コスト、そして性能ベースであり、広く認められると共に商業的に使用される設計をもたらすように、ロール成形の利点を利用した製品の一例である。ロール成形された筒状バンパービームは、バンパービーム市場の大半を代表し、普及し続けている。それは、バンパービームが、スタンピングやクロムめっきされたビーム等のAクラス表面(Class A surface)設計からプラスチック製フェイシアの背後に位置する構造的ビームに移行しているからである。別の形態のバンパーは開放セクション(場合によっては「C」セクションバンパーと呼ばれる)であり、これはバンパービーム設計にも一般に用いられる。これらの開放セクションは通常、戦略的に配置された内部のバルクヘッド(bulkhead)及びストラップ(strapping)を挿入且つ溶接するのにさらなる二次的な処理を必要とする。バルクヘッド及びストラップの使用は、最少限の重量の付加で断面の構造的な完全性を高めるためである。これらのバルクヘッド及びストラップは開断面の曲げ剛性を高めるが、この高められた性能は二次的な処理というコストを要して達成されるものである。
【0004】
ロール成形プロセスは、当該プロセスを、筒状ビームを製造する費用対効果の高い方法にする多くの利点を有する。ロール成形のいくつかの利点は、高強度鋼及び超高強度鋼(UHSS)を成形することができることを含む。予穿孔(pre-pierce)、中間穿孔(mid-pierce)、及び/又は後穿孔(post-pierce)の作業は、ロール成形前にシート材料の平坦部分に用いることができる。また、これらの作業は、インライン溶接及び切断等のロール成形プロセスによりインラインで行うことができる。しかしながら、ロール成形には、部品内で材料特性を変えることができないこと、また、部品の長さに沿って断面を変えることができないこと等の限界がある。部品の長さに沿って断面を変えることができないことにより、通常、必要とされない領域で過剰な材料が用いられ、必要とされる他の領域での性能要件を満たすことになる。また、過剰な材料により、部品の重量が増し、材料コストがかさむ。具体的には、試験及びコンピュータ分析により、端が拘束されると共に中心に負荷がかかる筒状ビームが自由体図(free body diagram)を示し、この自由体図ではビームの中心でセクションの深さ(すなわち慣性モーメント)が大きくなればなるほど剛性のあるビームがもたらされることが示される。ロール成形された筒状ビームの断面を当該ビームの長さに沿って変えることができないため、筒状ビームが一定の慣性モーメントを有することになる。一定の慣性モーメントにより、筒状ビームの長さに沿った、当該ビームの全体の曲げ剛性に関与しない領域に、過剰な材料及び形状が生じる。
【0005】
スタンピングプロセスは、断面が不均一なビームを作製することができるという点でロール成形に比して利点を有する。しかしながら、スタンピング作業には限界があり、通常ロール成形よりも効率が低く、その理由は、個々のシートブランクが側方に移動せねばならず、また、各ダイストロークの後で正確に位置決めされねばならないからである。また、ダイはかなりの困難さ及び複雑さを伴わずには筒状ビームを作製することをできず、また、二次的な作業を伴ったとしても筒状ビームを作製することができない。さらに、高強度及び超高強度のシート材料は、当該シート材料に与えられる形状変形量に応じて、また、その材料の強度に応じてダイは非常に摩耗する。
【0006】
現行のロール成形プロセスは場合によっては、ロール成形プロセス前に比較的低い力で、高速稼働するスタンピングプレスを用いるが、これらのスタンピングプレスは、材料が平坦である間であって、ロール成形を用いて部品を成形する前に、穴及び溝等の特徴部を材料に穿孔及びカットするために使用されることに注目されたい。
【0007】
金属を成形する典型的な(たいていの)スタンピングプレス法はコールドスタンピングと呼ばれ得る。コールドスタンピングでは、材料がダイ間で成形され、材料及びダイはほぼ室温に保たれる。別のタイプの成形はホットスタンピングと呼ばれる。ホットスタンピングプロセスでは、金属はそのオーステナイト温度(Ac3)に加熱され、次いで、成形がダイにおいて完了した後で急速冷却される。所要のオーステナイト温度、及び材料を焼き入れするのに必要な時間は、化学的性質又は材料、及び所望の最終的な特性に応じて決まる。例えば、0.2%の質量パーセントのカーボンを含む鋼を850℃に(又は880℃〜950℃のようにより高温に)加熱してそれら鋼のオーステナイト領域に至らせてから、まだ十分高温であるうちに、それらをスタンピングプレス内の冷却ダイに通して成形することが既知である。高温の鋼は、スタンピングダイを用いて成形され、次いで、ダイの温度及び/又は水による焼き入れによって急速に冷却される。例えば、材料は、鋼が所望の材料強度を維持する程度の低い温度に達するまで、フルストローク位置でのプレス状態にあるダイ内に置いたままにすることができる。しかしながら、上述のホットスタンピング技法は、間欠的な「ストップアンドゴー(stop-and-go)」のプロセスである傾向が高く、このプロセスはこれまで、比較的高いライン速度での連続プロセス作業における使用にはあまり適さない(すなわちロール成形装置と共にインラインで使用するにはあまり適さない)と考えられている。さらに、本発明者は上述の理由から、スタンピングをロール成形と組み合わせている者はいないと考える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、上記の利点を有すると共に上記の課題を解決するシステムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様では、強化ビームを成形するようになっている装置は、材料のドローイング及び移動によって加熱金属材料の平坦なストリップを三次元形状の変形ストリップに変形するように構成されるダイを有するプレスと、当該プレスと関連すると共に変形ストリップの加熱金属材料を冷却するように構成される冷却システムとを備える。ロール成形機がプレス及び冷却システムの下流に位置し、変形ストリップの縁部を連続ビームに成形するように構成されるロールを有する。
【0010】
本発明の別の態様では、強化ビームを成形するようになっている装置は、鋼材料を少なくとも約850℃の温度に加熱するように構成される加熱器を備える。プレスが高温鋼材料の連続ストリップを変形するように構成されるダイを有する。冷却システムが高温鋼材料を焼入れ且つ硬化するためにプレスと関連する。ロール成形機が、プレスとインラインに位置し、且つ冷却システムの下流にあり、ストリップを送り方向で受け取ると共に変形ストリップの縁部を強化ビームに成形するように構成及び配置されるロールを有する。
【0011】
本発明の別の態様では、方法は、第1の引張強度を有する加熱鋼材料のシートをホットスタンピングするステップを含み、当該ステップは当該材料をドローイング及び引き伸ばしすることを含む。当該方法はさらに、より高い引張強度を材料に持たせるように、スタンピングされたシートを焼き入れすることを含む。当該方法はさらに、ロール成形ミルの使用により、スタンピングされたシートの部分をビームにロール成形することを含む。
【0012】
本発明のさらに別の態様では、強化ビームを成形する方法は、加熱器を提供するステップと、加熱器の下流の位置に成形ダイを有するプレス及び当該プレスと関連する冷却システムも提供するステップと、プレスとインラインであり且つ当該プレスの下流にあるロールを有するロール成形機を提供するステップとを備える。当該方法は、材料のストリップを加熱すること、ダイを動作させ、高温材料をドローイングした後で当該材料を急速冷却することによって当該材料のストリップを変形すること、並びに、ロール成形ミルのロールを動作させ、ストリップを送り方向で受け取ると共に変形ストリップの縁部を強化ビームに成形することを含む。
【0013】
本発明のいくつかの概念は、筒状セクションに主眼を置いているが、これらの概念及びそれらの特性を開放セクションに当てはめることもできることがわかるはずである。
【0014】
本発明のこれらのそして他の態様、目的、並びに特徴は、以下の記載、特許請求の範囲、及び添付の図面を検討すれば当業者には理解され且つ正しく評価されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、80ksi引張強度を超える材料、さらには140ksi引張強度を超える超高強度鋼(場合によっては「UHHS」又は「AUHSS」材料と呼ばれる)の材料等の高強度シート材料から、様々な断面を有するロール成形筒状ビームを製造する方法を定義する。例えば、DP980(DF140)材料が支障なく用いられてきた。ビームの長さに沿って断面を変えることができることは、スタンピングによる予成形プロセスをロール成形と組み合わせることによって達成される。スタンピングプロセス及びロール成形の作業はインラインで連続的に行われる。二次的な処理を必要とすることのないインラインでの連続プロセスにより、非常にコスト効率の高い製造プロセスが生じる。スタンピングプレスを用いて、材料がロール成形ツーリングを通って移動する前に、材料を予成形し、また、シート材料を予穿孔し、そして特徴部を加える。材料が平坦である間に材料をスタンピングすることにより、部品の長さにわたって深さ(depth)及び表面形状(geometry)が変わる形状がもたらされる。例えば、成形された形状により、筒状パンバーセクションの後方セクションを表すことができる。特徴部のスタンピングと様々な形状の成形とを組み合わせるスタンピングプレスは、特徴部を材料にスタンピングする典型的な予穿孔プレスよりも大きなトン数(tonnage)を有するであろう。本発明のスタンピングプレスはまた、特徴部をスタンピングするのに必要なパンチ及びボタンを上回る(beyond)スタンピング用のダイを有する必要もあるであろう。UHSS材料のような軟鋼を上回る材料グレードを用いて筒状パンパーシステムが製造されることが考えられるため、形状を成形するのに一回打ちの(one-hit)スタンピング作業で十分でなければならないと仮定される。USSH等のより高度なグレードの材料はかなりの加工硬化を受け、所望の最終の形状を生成するのに多数回のスタンピングが必要とされると、この加工硬化により材料が割れやすくなる。スタンピングプロセスが大量の成形を必要とし、そのかわり材料を著しく加工硬化させる場合、スタンピングによる形状が一回打ちの作業で形成されて、加工硬化材料の多数回のスタンピングに起因して起こるいかなる材料の割れも回避するようにすることができる。加工硬化を最小限度に保持するように成形速度に注意を払うのであれば、スタンピングによるアグレッシブな成形を多数回行うことができる。UHSSをスタンピングする際には、曲げ半径に関する設計ガイドラインの適用の十分な理解がなされるべきである。UHSS材料によって成形される場合、形状は主として材料を移動させることによって成形されるのであって、材料を伸張又は押し出すことによるのではないことにも留意すべきである。UHSS等の材料は降伏強度及び引張強度が高く、そのかわり伸びは低い。伸びが低いということは延性が低いということに直接言い換えられ、延性が低いということは、材料の薄肉化、すなわち押し出し/ドローイングによる成形の妨げとなる。
【0016】
スタンピングプロセス中に形状を成形するのに用いられる材料は、コイルの幅から引き出すのであってコイルの長さからではない。このことは、スタンピングプレスを送るコイルの幅は、スタンピングによる形状成形を可能にするために、かつさらに形状を筒状の表面形状に仕上げるのに用いられるロール成形作業のために、十分なブランク幅を与えるために、過剰サイズにされることを必要とする。逃し溝が、成形された形状の端部に導入される必要があるということも考えられる。これらの逃し溝は、ブランク幅の縁から材料を引き出すのに役立つのであって、成形された形状の長さから材料を引き出すのに役立つのではない。逃し溝はまた、各部分に形状がスタンピングされる前後において、ブランクの、スタンピングされず変形されない領域における、ブランクの平坦さを維持する。材料がコイル幅にわたって移動し、材料がロール成形機を通過する前にサイズの変更が必要になるため、プレスでの成形作業は、不規則な幅のブランクをもたらす。ロール成形は、材料の縁を用いて、その材料をパスから次のパスまで案内し、それぞれのパスにおいて曲げが行われている間において材料を捕らえている。ブランク幅のサイズ変更は、製造プロセスに沿って1つ又は複数の位置で行うことができる。材料がスタンピングプレスを出た直後に不規則なブランクがスリットされることが意図されている。スリット作業はオフセットしていなければならず、その作業では一方の縁がスリットされ、それが他方の縁をスリットするための基準縁として用いられる。材料はまた、ロール成形機による作業におけるはじめの方の一つ又は複数のパスの後でスリットされてもよい。不規則なブランクがスリット作業によりサイズ変更される前であり、かつロール成形プロセスが完了する前に、ロール成形ミルにおいて何らかの初期成形を開始することにいくつかの利点があると考えられる。さらなる追加の選択肢は、多段ステーションのスタンピング作業における1つのステーションにおいて不規則なブランクをサイズ変更することである。一方の選択肢は、スタンピングプレスの床(bed)を典型的な部品の長さの少なくとも2倍にすることであり、又、他方の選択肢は、2つのプレスをインラインで用いることであろう。スタンピングプレスの第1のステーション或いは第1のプレスは、部品の長さの両端に必要とされる逃し溝をスタンピングし、完全な形状を成形すると考えられる。そのプレスの第2のステーション或いは第2のプレスは、成形された形状に特徴部(穴、溝等)をスタンピングし、不規則なブランクをロール成形プロセスに適したサイズにトリミングし、このロール成形プロセスでは、部品の長さに沿って横断面形状が変わる筒状ビームセクションに部品を仕上げる。
【0017】
部品に必要とされる成形量により、プレス後、またロール成形プロセスの前に、材料を蓄積する必要がある場合がある。材料が平坦である間に特徴部が材料に加えられる典型的な予穿孔作業では、ダイは材料と一緒に移動するように構成される(すなわち予穿孔用フライングダイ[flying pre-pierce die])。好ましくは、成形ダイは、移動中の材料と共に長手方向に移動しながらスタンピングするように構成される(すなわちフライングダイ構成)。その代わりとしては、形状成形ダイが材料と一緒に移動するには重すぎる場合、プレス後でありロール成形プロセスの前に、材料を蓄積することが必要になるであろう。過度に重いダイの場合の別の選択肢は、プレス後に材料の蓄積を行わず、ロール成形作業と共に停止/始動(stop-start)のプロセスを用いることである。停止/始動の繰り返しの動きを用いてロール成形ミルを支障なく効率的に稼動することができるが、停止/始動の動きは、インラインでの高周波誘導溶接が用いられる場合にはあまり相補的なプロセスではない。停止/始動プロセスはレーザー溶接及び接触溶接のいずれかにとってより適し得る。
【0018】
次に、成形された形状と、トリミングされていない(untrimmed)ブランク及びトリミングされた(trimmed)ブランクのいずれか一方とをロール成形プロセスに送ることができる。ロール成形ツーリングは成形された形状にクリアランスを与えるように設計される。ロール成形ツーリングの上部のみを用いてロール成形により一定な部品の表面形状を完成し、スタンピング成形された部品の周囲は周囲の残りがロール成形されている間において支持されることが考えられる。成形された形状の深さ及び形状自体は部品の長さに沿って変わることが考えられる。何らかの所与の位置、そして最も好ましくはスタンピング成形されるセクションとロール成形されるセクションとの移行部付近の位置での幅は、部品の長さに沿って一定のままである。この共通の幅は重要であり、それは、残りの材料がロール成形プロセスにおいて成形される際に材料が拘束される可能性がある場所をこの共通の幅が与えるからである。ロール成形プロセスが続行している際に、ロール成形プロセスに沿ったある地点において部品の個々の脚部(legs)が収束して筒状形状を形成するため、成形部品が拘束されることはなくなる。この時点では、ロール成形プロセスが筒状の表面形状を完成する間、スタンピングにより成形された形状を拘束するために内部マンドレルが必要とされるであろう。
【0019】
部品の個々の脚部は、ロール成形プロセスにより接触地点にもたらされ、この地点にて2つの個々の脚部が溶接されて、部品の長さに沿って横断面が変わるワンピースの筒状部品を形成する。溶接は、用いる溶接プロセスのタイプが複数の因子、すなわち表面形状、所望のサイクル時間等に基づく様々な方法で行うことができる。溶接のいくつかの選択肢としては、高周波誘導溶接、接触溶接、又は筒状セクション用のレーザーが挙げられ得る。他の溶接の選択肢、例えばインパルスシーム溶接(impulse seam welding)(回転スポット)、プラズマアーク溶接、又はレーザー等が不規則な成形形状に適している。これらの溶接法の全てが、市販の一定の横断面を有する筒状であり不規則である形状を作るのに今日広く用いられている。
【0020】
自動車のバンパービームは典型的に、車両スタイリングに相補的な或る程度の曲率を必要とする。スタイリングが変わり、よりアグレッシブになるにつれ、複数の半径を有するバンパービームは利用可能な外装(envelope)内にパッケージングしやすくなる。バンパービームに複数の半径を与えることは、複合的曲部(compound swept)バンパーと呼ばれる。このようにインライン及び製造プロセスの間において複合的曲部バンパービームを製造することができることは、サーボを用い、駆動され、且つコンピュータ制御される装置により達成される。このタイプの装置は、曲率をビームに与えるのに用いられる曲げローラのリアルタイム調整を可能とする。曲げローラのリアルタイム調整により、複数の半径がビームの長さに沿った所与の位置に与えられ得る。最後のインライン作業はビームセクションを所定の長さにカットすることである。この切断作業は様々な方法で行うことができる。バンパービームを所定の長さにカットする最も一般的な方法は、フライング切断装置(flying cutoff apparatus)を用いることである。フライング切断装置は、部品と一緒に移動し、部品がライン速度で移動している際に切断作業を行う。典型的なフライング切断装置は部品取付鋼枠(part clamping steel forms)、空気圧或いは油圧シリンダ、及びせん断ブレードを含む。
【0021】
本発明の特性は、部品の長さに沿って断面が変わるワンピース構造のロール成形ビーム又は開放セクション構造のロール成形ビームを製造することができることである。ビームの長さに沿って横断面を変えることができることは、成形ダイ、並びに、ロール成形プロセスの上流でありインラインに位置するスタンピングプレスの使用によって達成される。ロール(成形)ツーリングの革新的な設計により、スタンピングされて予成形された形状は、今からスタンピング成形される中央セクションに歪みも変形も起こすことなく、同一平面上にある平坦な縁セクションを、制限を受けずに個々のロール成形パスを通って移動させることが可能である。ロール成形プロセスの各パスは、縁セクションの材料を、スタンピングされた形態を組み込んだ最終的な形状に成形することを続ける。現行のロール成形プロセスはロール成形プロセス前である比較的低い力であったり、高速稼働するスタンピングプレスを用いるが、これらのスタンピングプレスは、材料が平坦である間、そしてロール成形を用いて部品を成形する前に、穴、溝等の特徴部を材料に穿孔及びカットするために使用される。本発明は、上流のスタンピングプレスのトン数を増大させ、成形ダイをスタンピングプレスに組み込む。1つ或いは複数のスタンピングプレスを用いて、次のような形状を有する鋼が成形され、その形状は、ロール成形を用いて表面形状において閉じられた場合、部品の長さに沿って横断面が変わる筒状ビームセクションをもたらすものである。スタンピング作業が部品の長さにわたって不規則な形状を与え、ロール成形作業が部品の形状の残りを加工する開放セクションに同じ概念を適用することができる。部品の長さに沿って横断面が変わることにより、性能要件を達成するために材料及び表面形状を効率的に使用する機会が与えられる。この結果、連続した費用対効果の高い製造プロセスで製造されて、重量及び性能が最適化された構造部材が得られる。
【0022】
図1は、本発明を具現するプロセスを示すフローチャートであり、図1Aは、対応する装置を示す。記載の通り、プロセスはステップ30(図1)から始まり、ステップ30ではコイル状シート31(図1A)が広げられ、展開状態(uncoiled)のストリップ/シート32が前進方向に送られる。プロセスはステップ33に進み、そこでシート32に対しダイ35及び36を共に作動させるスタンピングプレス34の使用によりシート32を予穿孔すると共に成形(shape form)する。プレス34、並びに/又は、ダイ35及び36は、好ましくは、スタンピングプロセスの間、シート32と共に側方に移動可能であり、また、比較的高速に動作する。代わりに、ロール成形動作はスタンピング動作の間、低速にすることができるか又は停止することができる。ダイ35及び36はシート材料をスタンピングするように構成及び設計され、主として、シート32の長手方向ではなく幅方向から材料を引っ張り移動する。好適な材料は、超高強度鋼(UHSS)であり、それは曲げられるが基本的に絞られる(drawn)ことも引き伸ばされることもできないものであることが注目される。したがって、材料を(長手方向ではない)側方に引っ張り且つ移動させることは、USHH材料を用いる場合の有意な概念である。(将来の)バンパーセクションにおける各端部でのシートのスリットを用いて、ステップ33の3次元変形プロセス中におけるシート材料の長手方向移動を減少することができる。
【0023】
プロセスはスリッター39を通過するステップ38に進み、このスリッター39は、シート32の縁部を同一平面上で平坦な状態のままとして、成形されたシート32の縁を特定の既知の幅寸法にスリット/カットする。
【0024】
次いで、プロセスは、ロール成形ステーション43〜48’を有するロールミル42によって図示されるようなロール成形作業を通過するステップ41に進む。特に図示するロールミル42は、シートを筒形状(図7を参照)に成形するように構成されるロールを有し、この筒形状は、ステップ50のプロセスにおいて隣接している縁51、52(図8)にて溶接される、そして、溶接ステーション53(図1A)において位置82にて溶接される。必要又は所望ならば、内部マンドレルは、断面形状の維持に役立つように、又は、ロール成形作業による曲げ或いは成形のための支持を与えるように、上流或いは下流に位置することができる。例えば、内部マンドレルは位置54で固定されることができ、マンドレルに支持を与えるために固定用のタイバー又はコードが下流(又は上流)に延びることができる。スタンピング作業により、断面の中間部又は下部は長手方向及び側方方向に形状に変化させ、そのため、最終的なビーム72の最終断面はその長さに沿って深さ寸法及び形状が多様になる(図3〜図6を参照)。
【0025】
次いで、プロセスはステップ60に進み、ここでは、溶接された連続筒状ビーム61は、安定化/動作(motivating)用のロール49、及び調整可能な外部マンドレル63と(必要であれば)内部マンドレル64とを持つスイープ(sweep)ステーション62を通って移動する際に、長手方向にスイープされる。その後、連続ビーム61は、ステップ70において切断装置71によって所定の長さに切断され、車両の衝撃強化バンパービームとして使用できる個々のビーム72にされる。プロセス全体は、最適であり、協調的であり、同時である動作を行うコントローラによって制御される。
【0026】
特に、一定断面の筒状ビームをロール成形、溶接、且つスイープする1つの全体の装置及びプロセスは、Sturrusの米国特許第5,092,512号及び第5,454,504号に図示及び記載されており、例示的な切断装置はHeinzの米国特許第5,305,625号において示される。読む者はそれらのプロセスについてさらなる詳細を望むのであればそれらの開示を参照されたい。また、それらの教示は、本発明を十分に開示及び教示するために本明細書に全体を援用される。本概念は、当該分野において既知であるもの等の出力調整可変スイープステーションと共に用いることができる。
【0027】
図2は、切断装置71から外した際の本発明を具現する車両バンパービームの側面図である。
【0028】
図3〜図6は図2の断面図である。特に、これらの断面は、連続ビーム61(図7を参照)をスイープするステップの前の当該ビーム61の同様の位置でとられた断面と同様である。
【0029】
図7は、ロール成形されているが長手方向にスイープされる前の車両のバンパービームの側面図である。特に、ビームの頂部「半体」セクションは、直線状で断面が一定であり(図3〜図6の上側部を比較、図8も参照)、一方、ビームの底部「半体」セクションは、三次元的に変化して長手方向に異なる形状(図3〜図6を比較)に変形される。各種特徴部をビーム72に取り入れることができることが意図されている。例えば、複数の傾斜面73(図2)は、ビーム61がスイープされて個々のビーム72になると、同一平面となって位置合わせされた取付面74となる。同一平面上の取付面74は、取付ボルト又は留め具等によって車両のフレームレールの前に取り付けられるようになっており、取付ボルト及び留め具用に予穿孔された穴を有することができる。
【0030】
図8は、例示的なロール成形ステーションを通って移動する図7のビームの端面図であり、この端面図は、底部成形ロール80及び側部拘束ロール81によって係合されるビーム61を示す。ステーション53で見られる溶接ジョイント82が、隣接している縁51及び52に示される。シートの上部「ウイング」又はシートの側部フランジ84の連続的な形成を位置85〜88により示す。また、底部形成ロール80及び/又は側部拘束ロール81は、固定ガイドブロック及び/又はロール(複数可)と、完全に又は部分的に交換することができることが意図されている。特に、頂部のロール成形ツーリングのみが用いられ、底部は、ブロック、(非形成)ロール、あるいはブロックとロールの組み合わせのいずれかによってしっかり支えられる変形が考えられる。
【0031】
本プロセスは、その長さに沿って不均一な断面を有する高度なビームを製造するのに用いることができ、車のインテリアクロス構造ビーム(interior cross car structural beam)、フレーム構成部材、車のエクステリアクロス構造ビーム(exterior cross car structural beam)、屋根はり(roof bows)、ウィンドシールドヘッダ、ロッカーパネル/シル、ドアビーム、エンジンクレードル、及び計測器パネル支持体等の各種用途のためにビームが「カスタマイズされ」且つ最適化されることを可能にすることが意図されている。本概念はハイドロ成形プロセスよりもコスト競争力があり、効率的でより高い処理量を有し、スタンピングプロセスを超える設計の柔軟性も与えることが意図されている。
【0032】
変更形態.
フローチャート(図9)及び装置(図9A)は、それぞれ図1及び図1Aと同様に示されているが、機械のロール成形部の前にホットスタンピングするように変更及び適合されている。具体的には、高強度材料(high material strength)に対してホットスタンピングされて焼き入れされることが可能な展開状態のシート材料32は、ステップ(100)において加熱器101により少なくとも約850℃(材料の化学的性質に応じて好ましくは約880℃〜950℃)の温度に加熱される。加熱プロセスの継続時間は、加熱器のBTU能力(BTU capability)に応じて、そして、プロセスが停止と起動とを繰り返すロール成形プロセスであるか又は連続プロセスであるかに応じて、変化し得る。加熱器の長さは機械(machine)/プロセスの速度を一致させるために必要に応じて延ばされる。加熱器101はシート32を穿孔且つ成形するステップ33の直前であり、スタンピングプレス34に隣接したその上流の位置に位置付けされる。成形シートがダイ35/36の間にある状態の間か、又は成形シートがダイ35/36を出る際に、ダイ35/36は冷却システム103によって冷却され、且つ/又は、水/冷却剤が焼き入れ(冷却)システム103によって成形シートに適用される。冷却のタイミングは重要である。材料温度が非許容温度に低下する前に冷却がなされねばならない。通常、焼き入れは、ダイ間で圧縮される間に鋼に適用される冷却ダイ及び/又は冷却剤等によって、成形作業の間或いは成形作業の後の数秒以内になされねばならない。
【0033】
ホットスタンピング加工に適した通常の鋼はUsinor社の被覆済み(pre-coated)USIBOR1500である。プレス34内で受け取られて成形されるような材料は、降伏強度が好ましくは370MPaよりも大きく、好ましくは引張強度が550MPAよりも大きく、14%よりも大きい伸びを有する。「受け取った状態のままの」USIBOR1500の特性は、プレス成形に非常に適しているが、その理由は、材料が絞られる(すなわち「伸張される」か、又は押し出しされるかされて、材料の厚みが減る)ことができるからである。同時に、この材料の焼き入れ後の特性は著しく高くなり、降伏(強度)が1000MPaの範囲内にあり、引張強度が1500MPaの範囲内にあり、伸びが5%の範囲内にある。これらのより高い材料特性は、エネルギー吸収、耐衝撃性において改善された部品性能によく適しており、優れた強度対重量比をもたらす。この材料を用いることにより、(スリッター39においてスリットするステップ38の前である)最終的なシートにおける幅の大きさだけ損失することなく、スタンピング加工におけるシートにおいてより深い変形を行うことが可能であり、したがって、材料の廃棄が減る。また、超高強度鋼は曲げられると加工硬化するため、それらの鋼を2回以上曲げることが制限されることは注目される。この問題は、ホットスタンピングのプロセスによって回避されるが、その理由は、材料は、絞られることができて、シート材料の急速な加工硬化に関係する同じ問題を有さないからである。軟鋼材料をホットスタンピングすることにより、スタンピングダイにおける材料の移動方法の選択肢がより多くなり、このため、スタンピングプロセスが容易になり、シート材料を、もっと深さのあるセクションに絞り/成形することが可能になる。例えば、鋼シートを、30%〜50%、さらに深さのあるセクションに絞ることができる。
【0034】
本発明の概念の独自性としては、より競争力のある部品を生成するように2つの全く異なる製造プロセスの利益を組み合わせることができることが挙げられる。利点としては、部品の長さに沿って断面が変化することができることが挙げられる。部品の強度がより高いこと及び部品の重量が低減されることは、材料特性が増えて断面が筒状である場合に得られる利点を示す。コールドスタンピング或いはホットスタンピングのスタンピングプロセスは、部品の長さにわたって形状を変えることができる。ホットスタンピングしたプロセスは、成形に適した受け取ったままの軟鋼(as received mild steel)で作業することがさらにでき、次いで、加工の間に材料を非常に高い特性を有する材料に変換する(transform)ことができる。この変換は、加熱されて成形された鋼に焼き入れした後に達成される。これにより、高強度材料がスタンピングされたときに起こり得る加工硬化に関係する問題が回避されるが、このことは、シート材料がスタンピング作業後に焼き入れされたときだけ高強度となるためである。本プロセスでは、ロール成形を用いて、スタンピングシートを受け取り、部品の成形を完了させる。ロール成形プロセスに関係する段階的な成形ステージは、高強度鋼及び超高強度鋼を含む非常に高い強度レベルにある材料を成形することができる。これにより、スタンピングプレスにおいて加熱成形されており、開放状態又は筒状のプレスされた形態を最終的に成形するのに、ロール成形が所望の方法となる。
【0035】
ホットスタンピングしたプロセスは、成形が1つの材料グレード/強度で行われ、最終的な部品はより高い別のグレード/強度であるため、コールドスタンピングに比してより優れた能力を与える。ホットスタンピングのプロセスのために受け取られるような材料は一般に、軟鋼として分類され、スタンピング成形に非常に適した特性を有する。高温の鋼は成形されて、次いで(又はその後迅速に)、ダイ内において焼き入れされる、ダイは、マルテンサイト顆粒組織(martensitic grain structure)、及び1500MPaよりも高い引張強度を有するマルテンサイト系鋼に多く見られる材料特性をもたらす。
【0036】
本発明の概念から逸脱することなく上記の構造に関して変形形態及び変更形態を行うことができること、さらに、かかる概念は、添付の特許請求の範囲がその文言によりはっきりと別記されない限りこの特許請求の範囲によって包含されることを理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明を具現するプロセスを示すフローチャートである。
【図1A】図1のプロセスのためのロール成形ミル、スタンピングステーション、溶接ステーション、及びスイープステーションを組み込んでいる装置の側面図である。
【図2】本発明を具現する車両バンパービームの側面図である。
【図3】図2の横断面図である。
【図4】図2の横断面図である。
【図5】図2の横断面図である。
【図6】図2の横断面図である。
【図7】ロール成形後であるが長手方向にスイープされる前である車両パンパービームの側面図である。
【図8】例示的なロール成形ステーションを通って移動する、図7のビームの端面図であり、ビーム、ロール、及び溶接ジョイントを示す図である。
【図9】機械のロール成形部の前において鋼シート材料をホットスタンピングするようになっている、図1と同様の対応する機械のフローチャートである。
【図9A】機械のロール成形部の前において鋼シート材料をホットスタンピングするようになっている、図1Aと同様の対応する機械の側面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
強化ビームを成形するようになっている装置であって、
材料の平坦ストリップを、前記材料を主として幅方向に移動させることによって、三次元形状をもつ変形ストリップに変形するように構成されるダイを有する、プレスと、
前記変形ストリップを所望の一定の寸法をもつ均一な幅にカットするように設定される、スリッターと、
前記均一な幅の前記変形ストリップの直線状部分を連続ビームに成形するように構成されるロールを有する、ロール成形機と
を備える、装置。
【請求項2】
前記ロールは、前記ストリップの対向する縁部を成形するように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ロールは、前記ストリップの前記対向する縁部を隣接させるように構成及び配置される、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記対向する縁部を共に溶接して前記ビームを恒久的な連続チューブとして形成するように構成される溶接機を含む、
請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記恒久的な連続チューブを複数のビームセグメントにカットする切断装置を含む、
請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記プレス、前記ロール成形機、前記溶接機、及び前記切断装置を協調させて制御するコントローラを含む、
請求項5に記載の装置。
【請求項7】
長手方向に湾曲した形状を前記ビームに与えるように構成されるスイープステーションを含む、
請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ダイは平坦な取付面を成形するように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記連続ビームを複数のビームセグメントにカットする切断装置を含み、
前記ロール成形機は前記連続ビームを長手方向に湾曲した形状に変形するスイープステーションを含み、
前記取付面は個々の前記セグメントにおいて同一平面上にある、
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記連続ビームを複数のビームセグメントにカットする切断装置を含み、
前記複数のビームセグメントの端部の横断面が第1の筒状セクションを画定し、
前記複数のビームセグメントの中央領域の横断面が、前記第1の筒状セクションより前又は後の方向において前記第1の筒状セクションとは異なる第2の筒状セクションを画定し、そのため、前記強化ビームが前記ビームの長さの少なくともいくつかの部分に沿って変化する断面形状をもつ、
請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記ロールは、前記ビームの長さに沿って深さが異なる開放セクションを成形するように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項12】
強化ビームを成形するようになっている装置であって、
材料の連続ストリップを前記ストリップの長さによって画定される送り方向に対して垂直な方向に主として移動させることによって、前記ストリップを変形するように構成されるダイを有する、プレスと、
前記プレスとインラインに位置し、且つ、前記ストリップを前記送り方向で受け取ると共に前記変形ストリップの縁部を強化ビームに成形するように構成及び配置されるロールを有する、ロール成形機と
を備える、装置。
【請求項13】
方法であって、
平面を画定し、共に一体に連結される第1のストリップ部、第2のストリップ部、及び第3のストリップ部を有する、1つの細長いシートを提供するステップと、
前記第1のストリップ部をスタンピングし、主として前記平面に対して垂直な方向に材料を移動させることによって前記第1のストリップ部を変形させる、前記第1のストリップ部をスタンピングするステップと、
ロール成形ミルの使用により前記第2のストリップ部及び前記第3のストリップ部をビームにロール成形するステップと
を含む、方法。
【請求項14】
前記スタンピングするステップは、前記材料を長手方向からではなく主として前記ストリップの幅方向からドローイングすることを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2のストリップ部及び前記第3のストリップ部は、前記第1のストリップ部の対向する両側から延び、
前記ロール成形するステップは、前記第2のストリップ部の縁部及び前記第3のストリップ部の縁部を隣接して接触させるように成形することを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項16】
恒久的な連続ビームを形成するために前記縁部を溶接するステップを含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
長手方向に曲線形状になるように前記連続ビームをスイープするステップを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記スタンピングするステップは、前記第1のストリップ部に取付面を成形することを含み、
前記取付面は、車両のフレームレールに係合し固定されるように構成される、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ロール成形するステップは、深さ寸法が様々である開放セクションを有するように前記ビームを成形することを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項20】
筒状強化ビームであって、
中央セクション、対向する取付セクション、及び前記中央セクションの外側端部を前記取付セクションの関連する端部に連結する中間セクションをもつ長さを有する筒状ビームに成形される、材料シートと、
周囲に第1の長さ寸法である第1の壁長を画定する、前記中央セクションにおける第1の横断面セクションと、
周囲に第2の長さ寸法である第2の壁長を画定する、前記取付セクションの内側縁部における第2の横断面セクションと、
周囲に第3の長さ寸法である第3の壁長を画定する、前記中間セクションの中間における第3の横断面セクションと
を備え、
前記第2の長さ寸法は、前記第1の長さ寸法及び前記第3の長さ寸法とは異なり、
前記第1の長さ寸法、前記第2の長さ寸法、及び前記第3の長さ寸法は、ビームの局部強度を最適にすると共に重量及び廃棄される材料を最小限に抑えるように選択される、筒状強化ビーム。
【請求項21】
前記第1の長さ寸法、前記第2の長さ寸法、及び前記第3の長さ寸法はそれぞれ異なる、
請求項20に記載の筒状強化ビーム。
【請求項22】
強化ビームを成形する方法であって、
ロールを有するロール成形機とインラインの位置に、及び前記ロール成形機の上流に成形ダイを有するプレスを提供するステップと、
材料の連続ストリップについて、主として前記ストリップの長さによって画定される送り方向に対して垂直な方向に前記材料を移動させることによって、前記ストリップを変形するように、前記ダイを動作させるステップと、
前記ストリップを前記送り方向で受け取ると共に前記変形ストリップの縁部を強化ビームに成形するように、ロール成形ミルのロールを動作させるステップと
を含む、方法。
【請求項23】
強化ビームを成形するようになっている装置であって、
平坦なストリップである加熱金属材料をドローイング及び移動させることによって、三次元形状をもつ変形ストリップに前記材料を変形するように構成されるダイを有する、プレスと、
前記プレスと関連すると共に、前記変形ストリップの前記加熱金属材料を冷却するように構成される、冷却システムと、
前記プレス及び前記冷却システムの下流にあり、前記変形ストリップの縁部を連続ビームに成形するように構成されるロールを有する、ロール成形機と
を備える、装置。
【請求項24】
前記冷却システムの少なくとも一部を内部に有するスタンピングダイを前記プレス内に含む、
請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記変形ストリップを所望の一定の寸法をもつ均一な幅にカットするように設定されるスリッターを含む、
請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記ダイは前記材料を側方方向に伸張及び押し出すように構成される、
請求項24に記載の装置。
【請求項27】
前記冷却システムは前記ダイに接続される、
請求項23に記載の装置。
【請求項28】
前記ロールは、前記ストリップの対向する前記縁部を隣接させるように構成及び配置される、
請求項23に記載の装置。
【請求項29】
前記対向する縁部分を共に溶接して前記ビームを恒久的な連続チューブとして形成するように構成される溶接機を含む、
請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記恒久的な連続チューブを複数のビームセグメントにカットする切断装置を含む、
請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記プレス、前記ロール成形機、及び前記冷却システムを協調させて制御するコントローラを含む、
請求項23に記載の装置。
【請求項32】
長手方向に湾曲した形状を前記ビームに与えるように構成されるスイープステーションを含む、
請求項23に記載の装置。
【請求項33】
前記ダイは平坦な取付面を成形するように構成される、
請求項23に記載の装置。
【請求項34】
強化ビームを成形するようになっている装置であって、
鋼材料を少なくとも約850℃の温度に加熱するように構成される、加熱器と、
高温の鋼材料の連続ストリップを変形するように構成されるダイを有する、プレスと、
前記高温の鋼材料を焼入れし硬化させるために前記プレスと関連する冷却システムと、
前記プレスとインラインに位置し且つ前記冷却システムの下流に位置しており、前記ストリップを送り方向で受け取ると共に変形された前記ストリップの縁部を強化ビームに成形するように構成及び配置されるロールを有する、ロール成形機と
を備える、装置。
【請求項35】
方法であって、
第1の引張強度を有する加熱鋼材料のシートを、前記材料をドローイング及び伸張することを含んだホットスタンピングするステップと、
前記材料の引張強度を高くするように前記スタンピングされたシートを焼き入れするステップと、
ロール成形ミルの使用により前記スタンピングされたシートの部分をビームにロール成形するステップと
を含む、方法。
【請求項36】
前記ロール成形するステップは、前記シートの中央部の概ね外側となる、前記シートの縁部に沿って行われる、
請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記材料は少なくとも約1000MPaの、焼き入れ後の降伏強度を有する、
請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記材料は少なくとも約1500MPaの、焼き入れ後の引張強度を有する、
請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記シートの縁部同士を隣接させ、次いで前記縁部同士を共に溶接し、恒久的なチューブを形成することを含む、
請求項35に記載の方法。
【請求項40】
長手方向に曲線形状になるように連続する前記ビームをスイープするステップを含む、
請求項35に記載の方法。
【請求項41】
前記スタンピングするステップは、第1のストリップ部上で取付面を成形することを含み、
前記取付面は車両のフレームレールに係合し固定されるように構成される、
請求項40に記載の方法。
【請求項42】
強化ビームを成形する方法であって、
加熱器を提供するステップと、
前記加熱器の下流位置に成形ダイを有するプレスと、前記プレスと関連する冷却システムも提供するステップと、
前記プレスとインラインにあり且つ前記プレスの下流にあるロールを有する、ロール成形機を提供するステップと、
材料のストリップを加熱するステップと、
高温の前記材料をドローイングした後で前記材料を急速冷却することによって、前記材料のストリップを変形するようにダイを動作させるステップと、
前記ストリップを送り方向で受け取ると共に変形された前記ストリップの縁部を強化ビームに成形するようにロール成形ミルのロールを動作させるステップと
を含む、方法。
【請求項1】
強化ビームを成形するようになっている装置であって、
材料の平坦ストリップを、前記材料を主として幅方向に移動させることによって、三次元形状をもつ変形ストリップに変形するように構成されるダイを有する、プレスと、
前記変形ストリップを所望の一定の寸法をもつ均一な幅にカットするように設定される、スリッターと、
前記均一な幅の前記変形ストリップの直線状部分を連続ビームに成形するように構成されるロールを有する、ロール成形機と
を備える、装置。
【請求項2】
前記ロールは、前記ストリップの対向する縁部を成形するように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ロールは、前記ストリップの前記対向する縁部を隣接させるように構成及び配置される、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記対向する縁部を共に溶接して前記ビームを恒久的な連続チューブとして形成するように構成される溶接機を含む、
請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記恒久的な連続チューブを複数のビームセグメントにカットする切断装置を含む、
請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記プレス、前記ロール成形機、前記溶接機、及び前記切断装置を協調させて制御するコントローラを含む、
請求項5に記載の装置。
【請求項7】
長手方向に湾曲した形状を前記ビームに与えるように構成されるスイープステーションを含む、
請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ダイは平坦な取付面を成形するように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記連続ビームを複数のビームセグメントにカットする切断装置を含み、
前記ロール成形機は前記連続ビームを長手方向に湾曲した形状に変形するスイープステーションを含み、
前記取付面は個々の前記セグメントにおいて同一平面上にある、
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記連続ビームを複数のビームセグメントにカットする切断装置を含み、
前記複数のビームセグメントの端部の横断面が第1の筒状セクションを画定し、
前記複数のビームセグメントの中央領域の横断面が、前記第1の筒状セクションより前又は後の方向において前記第1の筒状セクションとは異なる第2の筒状セクションを画定し、そのため、前記強化ビームが前記ビームの長さの少なくともいくつかの部分に沿って変化する断面形状をもつ、
請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記ロールは、前記ビームの長さに沿って深さが異なる開放セクションを成形するように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項12】
強化ビームを成形するようになっている装置であって、
材料の連続ストリップを前記ストリップの長さによって画定される送り方向に対して垂直な方向に主として移動させることによって、前記ストリップを変形するように構成されるダイを有する、プレスと、
前記プレスとインラインに位置し、且つ、前記ストリップを前記送り方向で受け取ると共に前記変形ストリップの縁部を強化ビームに成形するように構成及び配置されるロールを有する、ロール成形機と
を備える、装置。
【請求項13】
方法であって、
平面を画定し、共に一体に連結される第1のストリップ部、第2のストリップ部、及び第3のストリップ部を有する、1つの細長いシートを提供するステップと、
前記第1のストリップ部をスタンピングし、主として前記平面に対して垂直な方向に材料を移動させることによって前記第1のストリップ部を変形させる、前記第1のストリップ部をスタンピングするステップと、
ロール成形ミルの使用により前記第2のストリップ部及び前記第3のストリップ部をビームにロール成形するステップと
を含む、方法。
【請求項14】
前記スタンピングするステップは、前記材料を長手方向からではなく主として前記ストリップの幅方向からドローイングすることを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2のストリップ部及び前記第3のストリップ部は、前記第1のストリップ部の対向する両側から延び、
前記ロール成形するステップは、前記第2のストリップ部の縁部及び前記第3のストリップ部の縁部を隣接して接触させるように成形することを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項16】
恒久的な連続ビームを形成するために前記縁部を溶接するステップを含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
長手方向に曲線形状になるように前記連続ビームをスイープするステップを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記スタンピングするステップは、前記第1のストリップ部に取付面を成形することを含み、
前記取付面は、車両のフレームレールに係合し固定されるように構成される、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ロール成形するステップは、深さ寸法が様々である開放セクションを有するように前記ビームを成形することを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項20】
筒状強化ビームであって、
中央セクション、対向する取付セクション、及び前記中央セクションの外側端部を前記取付セクションの関連する端部に連結する中間セクションをもつ長さを有する筒状ビームに成形される、材料シートと、
周囲に第1の長さ寸法である第1の壁長を画定する、前記中央セクションにおける第1の横断面セクションと、
周囲に第2の長さ寸法である第2の壁長を画定する、前記取付セクションの内側縁部における第2の横断面セクションと、
周囲に第3の長さ寸法である第3の壁長を画定する、前記中間セクションの中間における第3の横断面セクションと
を備え、
前記第2の長さ寸法は、前記第1の長さ寸法及び前記第3の長さ寸法とは異なり、
前記第1の長さ寸法、前記第2の長さ寸法、及び前記第3の長さ寸法は、ビームの局部強度を最適にすると共に重量及び廃棄される材料を最小限に抑えるように選択される、筒状強化ビーム。
【請求項21】
前記第1の長さ寸法、前記第2の長さ寸法、及び前記第3の長さ寸法はそれぞれ異なる、
請求項20に記載の筒状強化ビーム。
【請求項22】
強化ビームを成形する方法であって、
ロールを有するロール成形機とインラインの位置に、及び前記ロール成形機の上流に成形ダイを有するプレスを提供するステップと、
材料の連続ストリップについて、主として前記ストリップの長さによって画定される送り方向に対して垂直な方向に前記材料を移動させることによって、前記ストリップを変形するように、前記ダイを動作させるステップと、
前記ストリップを前記送り方向で受け取ると共に前記変形ストリップの縁部を強化ビームに成形するように、ロール成形ミルのロールを動作させるステップと
を含む、方法。
【請求項23】
強化ビームを成形するようになっている装置であって、
平坦なストリップである加熱金属材料をドローイング及び移動させることによって、三次元形状をもつ変形ストリップに前記材料を変形するように構成されるダイを有する、プレスと、
前記プレスと関連すると共に、前記変形ストリップの前記加熱金属材料を冷却するように構成される、冷却システムと、
前記プレス及び前記冷却システムの下流にあり、前記変形ストリップの縁部を連続ビームに成形するように構成されるロールを有する、ロール成形機と
を備える、装置。
【請求項24】
前記冷却システムの少なくとも一部を内部に有するスタンピングダイを前記プレス内に含む、
請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記変形ストリップを所望の一定の寸法をもつ均一な幅にカットするように設定されるスリッターを含む、
請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記ダイは前記材料を側方方向に伸張及び押し出すように構成される、
請求項24に記載の装置。
【請求項27】
前記冷却システムは前記ダイに接続される、
請求項23に記載の装置。
【請求項28】
前記ロールは、前記ストリップの対向する前記縁部を隣接させるように構成及び配置される、
請求項23に記載の装置。
【請求項29】
前記対向する縁部分を共に溶接して前記ビームを恒久的な連続チューブとして形成するように構成される溶接機を含む、
請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記恒久的な連続チューブを複数のビームセグメントにカットする切断装置を含む、
請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記プレス、前記ロール成形機、及び前記冷却システムを協調させて制御するコントローラを含む、
請求項23に記載の装置。
【請求項32】
長手方向に湾曲した形状を前記ビームに与えるように構成されるスイープステーションを含む、
請求項23に記載の装置。
【請求項33】
前記ダイは平坦な取付面を成形するように構成される、
請求項23に記載の装置。
【請求項34】
強化ビームを成形するようになっている装置であって、
鋼材料を少なくとも約850℃の温度に加熱するように構成される、加熱器と、
高温の鋼材料の連続ストリップを変形するように構成されるダイを有する、プレスと、
前記高温の鋼材料を焼入れし硬化させるために前記プレスと関連する冷却システムと、
前記プレスとインラインに位置し且つ前記冷却システムの下流に位置しており、前記ストリップを送り方向で受け取ると共に変形された前記ストリップの縁部を強化ビームに成形するように構成及び配置されるロールを有する、ロール成形機と
を備える、装置。
【請求項35】
方法であって、
第1の引張強度を有する加熱鋼材料のシートを、前記材料をドローイング及び伸張することを含んだホットスタンピングするステップと、
前記材料の引張強度を高くするように前記スタンピングされたシートを焼き入れするステップと、
ロール成形ミルの使用により前記スタンピングされたシートの部分をビームにロール成形するステップと
を含む、方法。
【請求項36】
前記ロール成形するステップは、前記シートの中央部の概ね外側となる、前記シートの縁部に沿って行われる、
請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記材料は少なくとも約1000MPaの、焼き入れ後の降伏強度を有する、
請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記材料は少なくとも約1500MPaの、焼き入れ後の引張強度を有する、
請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記シートの縁部同士を隣接させ、次いで前記縁部同士を共に溶接し、恒久的なチューブを形成することを含む、
請求項35に記載の方法。
【請求項40】
長手方向に曲線形状になるように連続する前記ビームをスイープするステップを含む、
請求項35に記載の方法。
【請求項41】
前記スタンピングするステップは、第1のストリップ部上で取付面を成形することを含み、
前記取付面は車両のフレームレールに係合し固定されるように構成される、
請求項40に記載の方法。
【請求項42】
強化ビームを成形する方法であって、
加熱器を提供するステップと、
前記加熱器の下流位置に成形ダイを有するプレスと、前記プレスと関連する冷却システムも提供するステップと、
前記プレスとインラインにあり且つ前記プレスの下流にあるロールを有する、ロール成形機を提供するステップと、
材料のストリップを加熱するステップと、
高温の前記材料をドローイングした後で前記材料を急速冷却することによって、前記材料のストリップを変形するようにダイを動作させるステップと、
前記ストリップを送り方向で受け取ると共に変形された前記ストリップの縁部を強化ビームに成形するようにロール成形ミルのロールを動作させるステップと
を含む、方法。
【図1】
【図1A】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図9A】
【図1A】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図9A】
【公表番号】特表2009−509775(P2009−509775A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−534623(P2008−534623)
【出願日】平成18年10月3日(2006.10.3)
【国際出願番号】PCT/US2006/038609
【国際公開番号】WO2007/044327
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(591187162)シエイプ コーポレイション (25)
【氏名又は名称原語表記】SHAPE CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月3日(2006.10.3)
【国際出願番号】PCT/US2006/038609
【国際公開番号】WO2007/044327
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(591187162)シエイプ コーポレイション (25)
【氏名又は名称原語表記】SHAPE CORPORATION
【Fターム(参考)】
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