説明

ステアリングホイール用ポリウレタン発泡体

【課題】自動車用ステアリングホイールに使用されるポリウレタン発泡体に関し、従来のフッ素系発泡剤やペンタン系発泡剤を使用することによる環境問題を未然に防止し、合せて耐加水分解性などの耐久性を向上させる。
【解決手段】ポリウレタン発泡体を形成することにおいて、多様な官能基およびOH値を有するポリオールを特定含量で使用し、特定機能を有するイソシアネートを特定含量で使用し、発泡剤として水を使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車のステアリングホイール用ポリウレタン発泡体に係り、さらに詳しくは、水を発泡剤として使用したポリウレタン発泡体であり、耐加水分解性が改善された自動車のステアリングホイール用ポリウレタン発泡体に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタン樹脂は液状のポリオールと液状のイソシアネートの化学反応により形成され、前記各成分はヒドロキシ官能基(−OH)とイソシアネート官能基(−NCO)を分子内に含んでいる。ポリオールは分子内のヒドロキシ官能基の数によってモノオール、ジオール、トリオールなどに区分され、イソシアネートもまた分子内の官能基の数によってモノイソシアネート、ジイソシアネートなどに区分される。
【0003】
ポリウレタン樹脂を製造するには一般的に、2官能基以上のポリオールと2官能基以上のイソシアネートを反応させなければならず、反応時に各成分は分子末端で官能基間の反応によりウレタン基を形成する。これを簡略に表現すると(化1)の通りとなる。
[化1]
R−NCO + R’−OH → R−NH−COO−R’
前記のような反応により分子内にウレタン基を含んでいる樹脂をポリウレタン樹脂という。
【0004】
前記のようなウレタン形成反応過程で、水を含ませると、水はイソシアネート分子と反応して不安定な構造のカルバミン酸を形成し、これは直ちに分解されてアミンと二酸化炭素を形成する(化2)。
この時形成されたアミンは再びイソシアネートと反応してウレア基(−NHCONH−)を形成し(化3)、二酸化炭素気体はポリウレタン樹脂内で小さな気泡を形成し、最終的にポリウレタン内に分散されたセル構造を形成する。
[化2]
R−NCO + HO → R−NH−COOH → R−NH +CO
[化3]
R−NH + R’−NCO → R−NH−CO−NH−R’
【0005】
このようなポリウレタン発泡体は低い密度、高い機械的物性、高い耐熱性などの優れた特性により、自動車用部品の素材として広く使用されており、特にステアリングホイールの場合は、レザーのような外観をかもし出すことのできるインテグラルスキンフォームとして広く使用されている。
【0006】
ポリウレタンは適用方式によって発泡ポリウレタンと非発泡ポリウレタンに区分することができるが、自動車部品に使用されるポリウレタンは発泡ポリウレタンが主に使用される。発泡のためには原料成分であるポリオール内に発泡剤を含ませて反応させる。このような発泡剤としては物理的発泡剤と化学的発泡剤がある。物理的発泡剤は低い沸点を有する液状化学物質を高温で蒸発させることにより発泡性を有するようにするものであり、このような物理的発泡剤としては従来のCFC、HCFCなどのフッ化炭素系化合物とペンタン、シクロペンタンなどペンタン系化合物が主に使用されてきた。
【0007】
しかし、前記フッ化炭素系化合物は地球温暖化防止とオゾン層保護のためのモントリオール議定書など国際会議を通してその使用が規制されており、これを代替するためのペンタン系化合物は引火性が強く、爆発危険性があるなど取り扱い上の問題がある。更に、前記フッ化炭素系化合物とペンタン系化合物は作業場の安全問題および使用者の健康問題などを引き起こし得るため使用が制限される。
従って、最近はこのような問題点を解決するために水のような化学的発泡剤を利用した水発泡製品に関して研究が進められており、製品化されている場合もある。
【0008】
しかしながら、従来の水発泡ポリウレタン発泡体は図1に示す通り、耐久性の面で改善の余地がある。即ち、最近自動車の保証期間の増大および地球温暖化による過酷な環境条件と自動車販売地域のグローバル化による多様な運行条件による老化加速化、湿気による加水分解などの問題点が報告されている。このような問題点を改善するために、従来はインモールドペイント(in mold paint)を通して水分および汗の露出および磨耗による剥がれ落ち、ひびなどの現象を最小化しようとする努力があったが、過酷な運行条件でインモールドペイント層が損傷を受けると、ポリウレタンは加水分解に脆弱となるため、ペイント以外にポリウレタン自体の耐久性を強化させる必要性がある。
【特許文献1】特開2001−199348号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の発明者は前記問題を解決するために、多様な数の官能基およびOH値を有するポリオールを特定含量で使用し、特定機能を有するイソシアネートを特定含量で使用し、特定鎖延長剤と架橋剤を使用してポリウレタン樹脂を製造する際に、発泡剤として水を使用することで環境問題を未然に防止すると同時に、耐加水分解性などの耐久性を向上させることができることの知見を得て本発明を完成させた。
【0010】
従って、本発明の目的は、水を発泡剤として使用したポリウレタン発泡体で、耐加水分解性が改善されたポリウレタン発泡体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために本発明は、プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドの化学結合により形成されたポリオールであり、官能基が3個でありOH値が20〜40mgKOH/gであるポリオール60.0〜95.0重量%、官能基が2個でありOH値が50〜400mgKOH/gであるポリオール2.0〜10.0重量%、官能基が4個でありOH値が500〜800mgKOH/gであるポリオール1.0〜10.0重量%、およびプロピレンオキシド、エチレンオキシドおよびスチレン単量体の化学結合により形成されたポリオールであり、平均官能基が3個でありOH値が10〜30mgKOH/gであり、固体値(solid value)が30〜50%であるポリオール2.0〜20重量%からなるポリオール100重量部、メチレンジフェニルジイソシアネート単量体(MMDI)0.1〜30重量%、カルボジイミド含有メチレンジフェニルジイソシアネート5〜70重量%、分子量が6,000〜15,000であるメチレンジフェニルジイソシアネート重合体(PMDI)0.1〜90重量%、および分子量が2,000〜6,000であるメチレンジフェニルジイソシアネート(MMDI)のプリポリマー0.1〜90重量%からなるイソシアネート混合物30〜70重量部、OH値が1500〜2500mgKOH/gであるグリコール1〜10重量部、OH値が500〜1500mgKOH/gであるブタンジオール0.1〜1.0重量部、OH値が1500〜2500mgKOH/gであるグリセロール0〜5重量部、および水が0.01〜4重量部を混合して発泡することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によるポリウレタン発泡体は水を発泡体として使用するため、環境に優しく、これを自動車のステアリングホイールの素材として使用する場合、耐久性が強化され、頻繁な内部洗車と手から発生する汗、化粧品、長時間の日光露出のような過酷な条件でもひび、磨耗、剥れのような現象を著しく減少させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の内容を詳しく説明する。
本発明によるポリウレタン発泡体はポリオール、イソシアネート、鎖延長剤、架橋剤および発泡剤である水を混合した混合物を加熱することにより反応および発泡させて製造する。
この時、使用されるポリオールは、耐加水分解性を向上させるために互いに異なる性質を有する数種のポリオールを混合使用する。即ち、プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドの化学結合により形成されたポリオールを使用するが、官能基が3個でありOH値が20〜40mgKOH/gであるポリオール、官能基が2個でありOH値が50〜400mgKOH/gであるポリオール、官能基が4個でありOH値が500〜800mgKOH/gであるポリオールおよびプロピレンオキシド、エチレンオキシドおよびスチレン単量体の化学結合により形成されたポリオールであり、平均官能基が3個でありOH値が10〜30mgKOH/gであり、固体値(solid value)が30〜50%であるポリオールの混合物を使用する。
【0014】
前記官能基が3個でありOH値が20〜40KOH/gであるポリオールは、ウレタン樹脂の弾性に付与する役割をし、プロピレンオキシドとエチレンオキシドをグリセロール、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、1,2,6−ヘキサントリオール、リン酸、トリイソプロパノールアミンとからなる群から選択される1種以上の化合物を開始剤として使用して反応させて形成される。更に、その使用量は全体ポリオール中、60〜95重量%で使用することが好ましい。前記使用量が60重量%未満の場合、弾性が落ちるため、ステアリングホイールをつかむ時、硬い感覚を与えてしまい、95重量%を超過する場合、ステアリングホイールの強性低下の原因となるため好ましくない。
【0015】
更に、前記官能基が2個でありOH値が50〜400mgKOH/gであるポリオールは、有機溶媒などに対する耐化学性を強化させ、強性を補完する役割をし、プロピレンオキシドとエチレンオキシドをメチルジエタノールアミンを開始剤として使用して反応させて形成される。更に、その使用量は全体ポリオール中、2.0〜10.0重量%で使用することが好ましい。前記使用量が2.0重量%未満の場合、有機溶媒に対する耐化学性強化の効果を発現させることが難しく、10.0重量%を超過すると、水分による化学的分解に脆弱となるため好ましくない。
【0016】
また、前記官能基が4個でありOH値が500〜800mgKOH/gであるポリオールは強性補強および水分による化学的分解を防ぐ役割をし、プロピレンオキシドとエチレンオキシドをペンタエリトロール、エチレンジアミン、トルエンジアミンおよびエチルグルコシドとからなる群から選択された1種以上の化合物を開始剤として使用して反応させて形成される。更に、その使用量は全体ポリオール中、1.0〜10.0重量%で使用されることが好ましい。前記使用量が1.0重量%未満の場合、強性補強および分解防止の効果を得ることが難しく、10.0重量%を超過すると、過度に硬くなり、長時間使用する際、表面のクラックが発生するため、好ましくない。
【0017】
また、エチレンオキシドおよびスチレン単量体の化学結合により形成されたポリオールであり、官能基が3個でありOH値が10〜30mgKOH/gであり、固体値が30〜50%であるポリオールは、熱と太陽光に対する抵抗性を高める役割をし、その使用量は全体ポリオール中、2.0〜20重量%であることが好ましい。前記使用量が2.0重量%未満の場合、耐熱および耐光効果を得ることが難しく、20.0重量%を超過する場合、ステアリングホイールの製造時、成形性が低下する問題があるため好ましくない。前記ポリオールの固体はその含量によって硬度およびセルの開化と原料の粘度に影響を与えるため、前記ポリオールの重量の30〜50%を使用することが好ましい。
【0018】
本発明で使用されるイソシアネートは生成されるポリウレタン発泡体の耐加水分解性を向上させるために、互いに異なる性質を有する数種のイソシアネートを混合使用する。即ち、メチレンジフェニルジイソシアネート単量体(MMDI)、カルボジイミド含有メチレンジフェニルジイソシアネート、分子量が6,000〜15,000であるメチレンジフェニルジイソシアネート重合体(PMDI)、および分子量が2,000〜6,000であるメチレンジフェニルジイソシアネート(MMDI)のプリポリマーを混合して使用する。
【0019】
前記メチレンジフェニルジイソシアネート単量体(MMDI)は、ポリウレタン形成時、官能基が高いポリオール、鎖延長剤および架橋剤の使用によりポリウレタンの柔らかい特性の低下を補完するために使用され、その使用量は全体イソシアネートの0.1〜30重量%で使用することが好ましい。前記使用量が0.1重量%未満の場合、柔らかい特性の補完効果がなく、30重量%を超過する場合、強性が過度に落ち、耐化学性が低下するという問題があるため好ましくない。
【0020】
更に、前記カルボジイミド含有メチレンジフェニルジイソシアネートは、メチレンジフェニルジイソシアネート単量体の低温保管安定性の問題を補完するために使用され、前記化合物に含まれたカルボジイミドは加水分解を誘発する水とまず反応し、ポリウレタン発泡体の化学的結合を維持させる役割をする。前記カルボジイミド含有メチレンジフェニルジイソシアネートの使用量は全体イソシアネートの中で5〜70重量%で使用することが好ましい。前記使用量が5重量%未満の場合、低温保管安定性効果がなく、70重量%を超過すると、カルボジイミドと水との反応が過度に多くなり、付加的に耐化学性を低下させるため好ましくない。
【0021】
また、前記分子量が6,000〜15,000であるメチレンジフェニルジイソシアネート重合体(PMDI)はポリウレタンの形成時、架橋を増大させ、耐化学性の強化および強性補強の役割をし、その使用量は全体イソシアネートの0.1〜90重量%で使用することが好ましい。前記使用量が0.1重量%未満の場合、架橋増大効果がなく、90重量%を超過すると、過度な架橋により硬くなり、長時間使用する時、表面クラックが発生し得るため、好ましくない。
【0022】
更に、前記分子量が2,000〜6,000であるメチレンジフェニルジイソシアネート(MMDI)のプリポリマーはポリウレタンの微細特性を調節する役割をし、その使用量は全体イソシアネートの0.1〜90重量%で使用することが好ましい。前記使用量が0.1重量%未満の場合、特性調節効果がなく、90重量%を超過すると、全体ステアリングホイールの強性が低くなり、耐加水分解性および耐化学性が落ちる問題が発生するため、好ましくない。
【0023】
本発明で使用する前記イソシアネート混合物は、前記ポリオール100重量部を基準として30〜70重量部であることが好ましい。前記使用量が30重量部未満の場合、反応しなかったポリオールが過度に多くなり、粘性などの問題が発生し、70重量部を超過すると、過量のイソシアネートが空気中の水分などと追加反応し、表面クラックや表面効果などの問題が発生するため、好ましくない。
【0024】
本発明では前記ポリオールとイソシアネートを反応させる際、互いに異なる性質を有する2種の鎖延長剤と1種の架橋剤を使用する。
即ち、OH値が1500〜2500mgKOH/gであるグリコールとOH値が500〜1500mgKOH/gであるブタンジオールを混合して鎖延長剤として使用する。この時、架橋度の向上のためにOH値が1500〜2500mgKOH/gであるグリセロールを称量添加して使用することができる。このように、鎖延長剤を混合して使用する理由は、ステアリングホイールの弾性と触感を調節するためであり、架橋剤を使用する理由は架橋度を高め、強性と耐化学性を高めるためである。
【0025】
前記OH値が1500〜2500mgKOH/gであるグリコールの使用量は、前記ポリオール100重量部に対して1〜10重量部であることが好ましい。前記使用量が1重量部未満の場合、弾性が低下し、10重量部を超過すると、過度な弾性によりステアリングホイールの強性およびグリップ感が低下するため、好ましくない。
また、前記OH値が500〜1500mgKOH/gであるブタンジオールの使用量は前記ポリオール100重量部に対して0.1〜1.0重量部であることが好ましい。前記使用量が0.1重量部未満の場合、グリップ時の触感向上効果を期待することができず、1.0重量部を超過すると、長時間使用する際、変形が発生し得るため、好ましくない。
【0026】
更に、前記1500〜2500mgKOH/gであるグリセロール架橋剤の使用量は、前記ポリオール100重量部に対して0〜5重量部であることが好ましい。前記使用量が5重量部を超過すると、過度な架橋により長時間使用する際、表面クラックが発生する問題があるため、好ましくない。
【0027】
本発明で前記ポリオール、イソシアネートおよび鎖延長剤を反応させる時は、発泡剤として水を含ませて反応させる。水は数2〜3に示されるように、反応過程中にイソシアネートと反応して二酸化炭素を形成させることで、ポリウレタン樹脂内部に気孔を形成する役割を有する。この時使用される水の量は、ポリオール100重量部に対して0.01〜4重量部であることが好ましい。前記使用量が0.01重量部未満の場合、二酸化炭素の生成量が少ないため発泡体としての意味がなく、4重量部を超過すると、生成されるポリウレタン樹脂の耐久性が著しく低くなるため、好ましくない。
【0028】
本発明では、前記反応物を本発明が属する分野で通常的に使用する任意の反応器に配置式または連続式で投入して加熱することにより反応させ、ポリウレタン発泡体を形成する。この時、反応させる温度、圧力などの条件は、本発明が属する分野で通常的に使用する条件を使用することができ、このような条件により、本発明が制限されない。
本発明によるポリウレタン発泡体を製造する場合は、硬化触媒、発泡触媒、紫外線安定剤のような添加剤を単独または2種以上混合して使用することができる。
【実施例1】
【0029】
下表に示す反応物を使用し、ポリウレタン発泡体を形成した。ポリウレタン形成反応は高圧発泡気を使用し、温度25℃、吐出圧160barで2分間反応させて形成した。


【0030】
前記イソシアネートは前記ポリオール混合物100重量部に対して50重量部の含量で使用した。



その他添加剤として、触媒、UV安定剤、燃料を少量添加してポリウレタン樹脂を製造した。
【0031】
[比較例1]
実施例1と同様の方法で製造するが、ポリオール、鎖延長剤、架橋剤およびイソシアネートの成分および組成を従来法と同様とし、ポリウレタン樹脂を製造した。各々の成分および組成を下表に示す。

【0032】
実施例1と比較例1で形成されたポリウレタン発泡体を自動車ステアリングホイールに使用し、ポリウレタンインテグラルスキンフォームを形成した後、原料注入部を基準として、反対部位の試片を5〜15cmのサイズで採取し、下記試験条件により耐加水分解性を評価した。
【0033】
耐加水分解性の評価
1リットルのオートクレーブを準備して内部に約300ccの水を満たした後、試片を内部に垂直に装着し(図4)、オートクレーブを完全に密封した後、120℃で48時間滞留させた。この時、オートクレーブの内部圧力は1〜2barに維持した。滞留時間が終了した後、試片を爪で引っ掻き、ひび、粘性および硬度変化などを肉眼でまず検査した後、試片の両先端をつかみ、180°に曲げた時、破損有無を肉眼で確認した。
更に、試片を図5の(a、b)のように圧縮し、クラック発生有無を肉眼で観察した。
【0034】
前記試験結果、実施例1による試片は切開面を爪で引っ掻いてもひび割れたり、粘性が見られなかった。
また、両先端を曲げた時と試片を図5のような方法で圧縮した時、実施例1による試片は全く変化がなかったが、比較例1の試片はクラックが発生することを確認した(図2)。
従って、本発明によるポリウレタン発泡体を使用したステアリングホイールは、従来のポリウレタン発泡体を使用した場合に比べ、耐加水分解性が改善されることを確認した。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】従来の水発泡ポリウレタン発泡体の破損状況を示す図である。
【図2】実施例1と比較例1の試片のクラック発生状況を示す図である。
【図3】オートクレーブの外観図である。
【図4】オートクレーブ内部に試片を吊るした状況を示す図である。
【図5】実施例1と比較例1の試片の圧縮状況を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドの化学結合により形成されたポリオールであり、官能基が3個でありOH値が20〜40mgKOH/gであるポリオール60.0〜95.0重量%、官能基が2個でありOH値が50〜400mgKOH/gであるポリオール2.0〜10.0重量%、官能基が4個でありOH値が500〜800mgKOH/gであるポリオール1.0〜10.0重量%、およびプロピレンオキシド、エチレンオキシドおよびスチレン単量体の化学結合により形成されたポリオールであり、官能基が3個でありOH値が10〜30mgKOH/gであり、固体値(solid value)が30〜50%であるポリオール2.0〜20重量%からなるポリオール100重量部、
メチレンジフェニルジイソシアネート単量体(MMDI)0.1〜30重量%、カルボジイミド含有メチレンジフェニルジイソシアネート5〜70重量%、分子量が6,000〜15,000であるメチレンジフェニルジイソシアネート重合体(PMDI)0.1〜90重量%、および分子量が2,000〜6,000であるメチレンジフェニルジイソシアネート(MMDI)の分子量を増大させたプリポリマー0.1〜90重量%からなるイソシアネート30〜70重量部、
OH値が1500〜2500mgKOH/gであるグリコール1〜10重量部、
OH値が500〜1500mgKOH/gであるブタンジオール0.1〜1.0重量部、
OH値が1500〜2500mgKOH/gであるグリセロール0〜5重量部、および
水をポリオール重量対比0.01〜4重量%混合して発泡することを特徴とするステアリングホイール用ポリウレタン発泡体。
【請求項2】
前記官能基が3個でありOH値が20〜40mgKOH/gであるポリオールは、プロピレンオキシドとエチレンオキシドをグリセロール、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、1,2,6−ヘキサントリオール、リン酸、トリイソプロパノールアミンとからなる群から選択された1種以上の化合物を開始剤として使用して反応させて形成することを特徴とする、請求項1記載のステアリングホイール用ポリウレタン発泡体。
【請求項3】
前記官能基が2個でありOH値が50〜400mgKOH/gであるポリオールは、プロピレンオキシドとエチレンオキシドをメチルジエタノールアミンを開始剤として使用して反応させて形成することを特徴とする請求項1記載のステアリングホイール用ポリウレタン発泡体。
【請求項4】
前記官能基が4個でありOH値が500〜800mgKOH/gであるポリオールは、プロピレンオキシドとエチレンオキシドをペンタエリトロール、エチレンジアミン、トルエンジアミンおよびメチルグルコシドとからなる群から選択された1種以上の化合物を開始剤として使用して反応させて形成することを特徴とする請求項1記載のステアリングホイール用ポリウレタン発泡体。
【請求項5】
硬化触媒、発泡触媒および紫外線安定剤とからなる群から選択された1種以上の添加剤を更に含めて形成することを特徴とする請求項1記載のステアリングホイール用ポリウレタン発泡体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−143527(P2009−143527A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−118299(P2008−118299)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(591251636)現代自動車株式会社 (1,064)
【Fターム(参考)】