説明

スティック型包装袋の製造方法と装置

【課題】シール部に粉体が付着することを防止するとともに、包装袋の膨潤化を防止できるスティック型包装袋製造方法と装置を提供すること。
【解決手段】包装機(スティック型包装袋製造装置)1には、粉体送り出し装置5の下方にシール装置10を配置している。シール装置10には、縦シール形成部11と横シール形成部12との間に、包装フィルムFを挟持する一対のレバー131,131を有する挟持部13を備えている。挟持部13の挟持タイミングを横シール直後に行うことによって、次の粉体Wを先の半包装袋F1に浸入するのを防止する。一方、粉体Wを供給案内する粉体供給管14内に吸引装置20に接続するパイプ15を配置して、挟持タイミングより前に半包装袋F1から空気をパイプ15を介して除去することによって包装袋FEの膨潤化を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体や液体等の内容物を包装袋に充填してスティック型包装袋を製造するための製造方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、スティック型包装袋を製造する場合、粉体や液体等の内容物を定量計測装置にて定量計測後、内容物送り出し部によって一定量の内容物ごと、製袋中の包装フィルム側に供給していた。一方、包装フィルムは、熱シールしつつ内容物を充填するために、まず、包装フィルムを幅方向に巻き込んで重ね合わせた後、縦シールして筒状体を形成し、その後、横シールした後、内容物を充填して半包装袋を形成する。内容物が充填された半包装袋を1サイクルごと送り出して、さらに横シールすることによって、スティック型包装袋を形成する。このスティック型包装袋の横シール部を切断して1袋ごとのスティック型包装袋を製造していた。
【0003】
この製造方法においては、一定量計測された内容物が内容物送り出し部から半包装袋に供給する際、内容物が、内容物の供給経路中に残って、所定のサイクル内ですべてが供給されないことがある。この残された内容物が、次のサイクル中、特に横シールの形成工程中に浸入するとスティック型包装袋の横シール部に付着してしまう虞れがあり、横シール部に付着することによってシールが弱くなったり、シール不良となったりして品質を低下することとなってしまう。
【0004】
そのために従来においては、特許文献1に示す技術が提供されていた。これによると、横シールした半包装袋に一定量の内容物を充填した後、次の横シールをする前に、横シール部位より上流位置において、内容物が充填された半包装袋の上流位置を挟持する挟持手段が配置されていた。これによって、残されていた内容物が、次に製造する包装袋に浸入することを防止することができた。
【0005】
しかし、この構成では、挟持手段で半包装袋を挟持することによって、次に製造する包装袋内に空気が残って、形成された包装袋自体が膨潤化してしまう。包装袋の必要以上の膨潤は、品質不良となって除去されることになるから、包装袋内の空気を除去する必要が生じていた。このために、特許文献2に示す技術が新たに提供されることとなった。
【0006】
これによると、従来の挟持手段を改良して、一方の挟持部材に形成された凹部に他方の挟持部材の凸部を挿入することによって、内容物が充填された半包装袋の上流部を屈曲するようにしていた。この構成は、内容物送り出し装置からの内容物を次の工程に浸入するのを防止できるとともに屈曲部にはわずかな隙間が形成され、横シール部をシールする際、包装袋から屈曲部の隙間を通って空気を除去することができることとなっていた。
【特許文献1】特公昭54−715号公報(1〜3頁、第4図参照)
【特許文献2】特開2004−175391公報(4〜8頁、図3参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献2に示す挟持手段では、残されている内容物の浸入を防止することはできるものの、挟持部材で挟持する際に半包装袋の包装フィルムを屈曲させるだけであり、横シールする際、屈曲部の隙間から空気を除去するものであることから、一部の空気は除去されるものの必要な空気が除去されるとは限らなかった。そのため、不安定な品質の包装袋を製造する可能性があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、残されていた内容物の浸入を防止するとともに、包装袋内の空気を積極的に除去して品質の安定したスティック型包装袋を製造できる製造方法と装置を提供することを目的とする。そのために、本発明に係るスティック型包装袋の製造方法は、以下のように行うものである。すなわち、
請求項1記載の発明では、包装フィルムを縦シールして筒状体フィルムを形成する筒状体形成工程と、前記筒状体フィルムを横シールして上部を開口した袋状に形成する半包装袋形成工程と、袋状の半包装袋に内容物を充填する内容物充填工程と、前記内容物を充填した半包装袋を横シールする包装袋形成工程と、を含み、さらに前記内容物が充填された前記半包装袋の上流部で、前記半包装袋を挟持する挟持工程を含むスティック型包装袋製造方法であって、
前記挟持工程の前に、前記内容物が充填されている前記半包装袋に負圧状態を形成する負圧手段を有して、前記半包装袋から空気を除去する脱気工程を含むことを特徴とするものである。
【0009】
請求項2記載の発明では、前記負圧手段が、パイプを介して、外部に空気を排出させる吸引装置を備えていることを特徴としている。
【0010】
請求項3記載の発明では、前記挟持工程が、前記袋状の半包装袋を平板状に形成するように案内するガイド部を有した挟持部材を備えていることを特徴としている。
【0011】
また、請求項4記載の発明では、内容物を一定量にして送り出す内容物送出し装置と、包装フィルムを縦シールする縦シール形成部及び横シールする横シール形成部を有するシール装置と、縦シール形成部と横シール形成部との間に配置されて半包装袋を挟持する挟持装置と、を備えるスティック型包装袋製造装置であって、
前記内容物が充填された半包装袋からパイプ内の通気路を通って空気を除去する吸引装置が配設され、
前記吸引装置が、前記挟持装置で前記半包装袋を挟持する前に、前記内容物が充填された前記半包装袋から空気を除去することを特徴とするものである。
【0012】
請求項5記載の発明では、前記挟持装置が、前記袋状の半包装袋を平板状に形成するように案内するガイド部を有した挟持部材を備えていることを特徴としている。
【0013】
請求項6記載の発明では、前記挟持部材が、揺動可能な一対の揺動レバーであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明によれば、内容物を充填した半包装袋の上流部で、挟持手段で半包装袋の上流部を挟持する前に、内容物を充填した半包装袋に負圧手段で負圧を掛ける。これによって半包装袋から空気を除去できることから、半包装袋内には必要以上の空気が残らない状態で、半包装袋の上流部で挟持工程を行うことができる。その後、横シールを行って内容物が充填されたスティック型包装袋を形成できることから、形成されたスティック型包装袋には、残された内容物が浸入してシール部に付着することを防止でき、シール不良を防止できる。
【0015】
また、請求項2記載の発明によれば、脱気工程は、吸引装置を作用することによって行われることから、内容物が充填された半包装袋内の空気を積極的に除去することができる。また、除去された空気は、パイプ内を通って外部に排出されることから、複雑に構成しなくても簡単な構成で行なうことができる。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、筒状体に形成された包装フィルムは、挟持工程を行う前に、挟持部材のガイド部に案内されて筒状から平板状に形成される。これによって、横シールによって半包装袋を形成する際に、挟持部材のガイド部によって形成された細長状の口元から充填された内容物が平板状の半包装袋に均一に入ることとなる。そのため半包装袋が膨らむことなく期待される厚みとなり仕上がり状態を向上できる。また、挟持手段に配置されている挟持部材には、筒状体に形成された包装フィルムを平板状に形成するガイド部を有していることから、半包装袋の上流部を挟持する役目と兼用することができ、廉価な構成で挟持工程を行うことができる。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、この発明は、スティック型包装袋の製造装置であって、内容物を一定量送り出す内容物送り出し装置と、包装フィルムを縦シール及び横シールするシール装置と、残された内容物の浸入防止をする挟持手段と、内容物が充填された半包装袋から空気を除去する吸引装置と、を備えている。内容物が充填されている半包装袋に横シールをしてスティック型包装袋を形成する前に、吸引装置が作動して、半包装袋内から空気を除去し、空気が除去された後、内容物送り出し装置内に残された内容物の浸入を防止するために、挟持手段で半包装袋の上流部を挟持するから、横シールする際にシール部に内容物が付着することがない。そのため、シール部のシール不良の防止及び形成されたスティック型包装袋の膨潤化の防止をすることができる。
【0018】
請求項5乃至6記載の発明によれば、請求項3と同様、挟持手段に配置されている挟持部材には、筒状体に形成された包装フィルムを平板状に形成するガイド部を有していることから、横シールによって半包装袋を形成する際に、細長状の口から充填された内容物が平板状の半包装袋に均一に入ることとなる。そのため半包装袋が膨らむことなく期待される厚みとなり仕上がり状態を向上できる。また、挟持手段に配置されている挟持部材には、筒状体に形成された包装フィルムを平板状に形成するガイド部を有していることから、半包装袋の上流部を挟持する役目と兼用することができ、廉価な構成で挟持工程を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
以下の説明にあたっては、包装袋に充填する内容物が粉体であるもので説明するが、もちろん内容物が液体であってもよい。従って、内容物送り出し装置は粉体送り出し装置として説明する。
【0021】
実施形態のスティック型包装袋製造装置(以下、包装機という。)は、供給リールから送られた包装フィルムを、筒状の包装フィルムに形成するとともに熱シールしつつ、粉体送り出し装置から供給された一定量の粉体を袋状の包装フィルムに充填できるように構成するものである。
【0022】
この際、包装フィルムは各種の工程を経ることにより、徐々にその形状が変化するので、本実施形態では、変化した形状を各段階別に区別する。つまり、リールに巻き付けられて正面側に送り込まれる材料を包装フィルムF(筒状体のものも含む)と呼び、包装フィルムFが袋状に形成されて粉体を充填可能に形成する状態(縦シールと横シールがされて上方が開口している状態)の包装袋を半包装袋F1と呼び、半包装袋F1に粉体を充填して切断可能な状態あるいは1個に切断された状態のものを包装袋FEと呼びそれぞれ区別する。
【0023】
図1に示すように、包装機1は、機枠3と、一定量の粉体Wを送り出す粉体送り出し装置5と、包装フィルムFを熱シールするシール装置10と、吸引装置20とを備えて構成されている。機枠3の上部には粉体Wを貯溜するホッパ7が配置されている。
【0024】
実施形態の粉体送出し装置5は、ホッパ7の下方に配置されて、一定量の粉体Wを計測する定量計測部51と、定量計測部51で計測された粉体Wを下方の半包装袋F1に送り出す送り出し部52と、を備えている。
【0025】
実施形態のシール装置10は、上方から順に縦シール形成部11・横シール形成部12を有して構成され、縦シール形成部11と横シール形成部12との間には、図2に示すように、挟持部13が配置されている。縦シール形成部11を挿通するように粉体供給管14が配置され、粉体供給管14内にパイプ15が挿通されている。パイプ15の一端は縦シール形成部11の下方まで延設され、他端は図3に示す吸引装置20に接続されている。
【0026】
粉体供給管14は上部において、略Y状に形成され、一方では上方に広がるように形成された粉体受け部141を装着して粉体送り出し装置5の送り出し部52に対向して配置され、他方で包装フィルムFを半筒状に巻付けるフィルムガイド部142を形成している。
【0027】
縦シール形成部11は、一対のシール部材111、111を有し、お互いを接近させることによって、半筒状に形成された包装フィルムFを筒状に形成するために長手方向に沿って開口側の一端を熱シールする。
【0028】
横シール形成部12は、一対のシール部材121、121を有し、お互いを接近することによって縦方向に熱シールされた筒状の半包装袋F1の縦シール部と直交する方向に熱シールする。
【0029】
横シール形成部12は、横シールした状態(一対のシール部材121、121が閉じている状態)で、1包装袋の長さ分、下方に移動し、開放した状態(一対のシール部材121、121を開いた状態)で、元の位置に復帰するように構成されている。
【0030】
挟持部13は、上端が支承された一対の揺動レバー131、131を筒状の包装フィルムFを間にして対向するように配置している。そしてそれぞれの揺動レバー131、131の下端部がお互いに接近する方向に揺動すると、間の包装フィルムFを挟持するように構成されている。なお、それぞれの揺動レバー131、131は包装フィルムFを筒状から平板状の袋体に形成するようにガイドするガイド部を兼ねている。
【0031】
実施形態の吸引装置20は、図3に示すように、切替え弁20Aを有して構成されている。切換弁20Aは、機枠3に装着された支持プレート21と、支持プレート21に支持される固定プレート22と、支持プレート23と固定プレート22との間に配置される可動プレート23とを有している。支持プレート21には、パイプ14に接続される通気孔211が形成され、固定プレート22には、通気孔211に対向する通気孔221が形成されている。通気孔221には、図示しない吸引ポンプに接続される空気継手24が接続されている。
【0032】
また、可動プレート23には、支持プレート21の通気孔211と固定プレート22の通気孔221とを連通又は遮断可能な通し孔231が形成されている。そして、可動プレート23を固定プレート22に対して前後方向(図3における紙面に対して直交する方向)に移動することにより、可動プレート23に形成された通し孔231を、支持プレート21の通気孔211と固定プレート22の通気孔211とを連通したり遮断したりする。
【0033】
固定プレート22の通気孔221が支持プレート21の通気孔211と連通することによって、半包装袋F1から吸引された空気が吸引ポンプで吸引されることとなる。
【0034】
次に、上記のように構成された包装機1の作用について説明する。
【0035】
ホッパ7に充填された粉体Wは、その重量によって粉体送出し装置5内に自然落下する。そして、ホッパ7から送給された粉体は、粉体送り出し装置5の定量計測部51で定量計測された後、送り出し部52から粉体供給管14の粉体受け部141内に投入される。
【0036】
一方、図示しない包装フィルム供給リールから送り出された帯状の包装フィルムFは、粉体送り出し装置5の下方に送られると、粉体供給管14のフィルムガイド部142に導入され、帯状の包装フィルムFが粉体受け部141側を開口する半筒状に巻かれて、粉体供給管14内に沿って下方に送られる。そして、粉体供給管14内を下方に送られる包装フィルムFは、縦シール形成部11で開口された側を長手方向に熱シールされて筒状に形成され、さらに横シール形成部12で上方を開口する半包装袋F1として形成される。
【0037】
粉体受け部141内に投入された粉体Wは、パイプ15の周りにおいて、粉体供給管14内に送られた半筒状の包装フィルムF、縦シールされた筒状のフィルムF内を通って、挟持部13で、一旦、堰き止められた後、下端部が横シールされた半包装袋F1内に充填される。
【0038】
これ以降の作用については、図4〜7及び図8におけるタイミングチャートに基づいて詳細に説明する。
【0039】
図4は、タイミング角度約0度付近の位置を示すものであり、縦シールされて粉体Wが充填されている半包装袋F1の下部に、横シール形成部12の一対のシール部材121、121が圧接して横シールが行われシール部Fs形成している状態である。この状態では挟持部13の各揺動レバー131、131は、開いて包装フィルムFを挟持していない。但し、揺動レバー131、131の先端が包装フィルムFを押圧して包装フィルムFを筒状から平板状に形成している。半包装袋F1の先には、粉体Wが充填されて上下に横シールされた包装袋FEが連接されている。
【0040】
タイミング角度が0度を越えると、横シール形成部12においては、シール部材121、121が、半包装袋F1のシール部Fsを把持したまま下方に移動する。タイミング角度が145度付近に達すると、図5に示すように、シール部材121、121はストローク下端に達し、半包装袋F1は、1ストローク分下降移動される。この状態において吸引装置20が半包装袋F1内の空気を吸引するように作動される。これによって、半包装袋F1が負圧状態を形成することになり、半包装袋F1における粉体W上の空気が除去される。
【0041】
一方、吸引装置20の切換え弁20Aにおいては、図3に示すように、可動プレート23が固定プレート22に対して、可動プレート23の通し孔231を固定プレート22の通気孔221に対向する位置に水平方向に移動する。これによって、支持プレート21の通気孔211と固定プレート22の通気孔221とが連通することになり、図示しない吸引ポンプが作動していることによって、半包装袋F1内の空気が吸引される。
【0042】
この際、シール装置10においては挟持部13の各揺動レバー131、131はまだ開いたままの状態にある。
【0043】
次に、タイミング角度160度付近に達すると、横シール形成部12においては、シール部Fsを把持していたシール部材121、121が開いてストローク上端位置に向かって上昇し始め、ほぼ同時に切換え弁20Aでは、可動プレート23の通し孔231が移動して支持プレート21の通気孔211と固定プレート22の通気孔221との連通を遮断することから吸引が停止される。
【0044】
そして、図6に示すように、挟持部13の一対の揺動レバー131、131がお互いに接近する方向に揺動して半包装袋F1の上方位置を挟持する。これによって、挟持部13の下方に移動している半包装袋F1には、新たな粉体Wが浸入することがなく、また、空気は除去されていることから半包装袋F1の膨潤化を防止した状態にある。
【0045】
タイミング角度が180度付近に達すると、粉体送り出し装置5から粉体Wが供給され、一対の揺動レバー131、131で挟持している包装フィルムFの挟持部位より上方で粉体Wが充填される。なお、粉体Wの供給タイミングは約255度付近まで行われ、また、一対の揺動レバー131、131が包装フィルムFを挟持しているタイミングはシール部材121、121が次の横シールするために接近移動するタイミング(300度付近)まで行われているが、定量に計測された粉体Wのほとんどは、供給タイミングの開始時に充填されてしまう。
【0046】
そして、300度付近でシール部材121、121がストローク上端位置において横シールが再び行われることによって1サイクルが終了する。
【0047】
なお、上記のタイミングはあくまで一形態を示すものであり、必要に応じてタイミングを変えることができる。例えば、粉体送り出し装置5から挟持部13までの距離が長いことから、1サイクルの時間を短縮するために、粉体Wを供給する開始時のタイミングを、横シール終了付近(145度付近)あるいは吸引終了後(160度付近)まで早めるようにしてもよい。
【0048】
上述のように、実施形態の包装機1には、縦シール形成部11と横シール形成部12との間に揺動可能な一対の揺動レバー131、131を有する挟持部13が配置されている。そして、粉体Wが充填された半包装袋F1の上方で包装フィルムFを挟持可能とするとともに、挟持部13で包装フィルムFを挟持する直前に粉体Wが充填された半包装袋F1から空気を除去することから、上部と下部が横シールされた包装袋FEは膨潤化を防止することができる。しかも、半包装袋F1の上方を横シールする前に挟持部13で包装フィルムFを挟持することから、粉体Wの供給経路中に残された粉体Wが、半包装袋F1内に浸入することがない。そのため包装袋Fのシール部Fsに粉体Wを付着させることがなくシール不良を防止できる。
【0049】
さらに、挟持部13に配置された一対の揺動レバー131、131は、流れてきた包装フィルムFを平板状に形成するようにガイドしながら下方に送ることから、横シールによって半包装袋F1を形成する際に、細長状の口から充填された粉体が平板状の半包装袋F1に均一に入ることとなる。そのため半包装袋F1が膨らむことなく期待される厚みとなり仕上がり状態を向上することができる。
【0050】
なお、本発明のスティック型包装袋製造装置は、上記の形態に限定するものではない。例えば、横シール形成部12において、一対のシール部材を1ストローク長さの上端位置と下端位置とにそれぞれ配置し、ストローク下端位置に配置したシール部材を下方に1往復移動させるようにして半包装袋F1の1サイクル分の送りを行なうように構成してもよい。また、粉体送り出し装置の構成は、例えば、スクリュー軸で下方に送るタイプのものであってもよい。また、内容物が液体である場合、液体送り出し装置はポンプ式で送り出す構成のものであってもよい。さらに、挟持部材の一形態で説明した揺動レバーは、包装フィルムを挟持して平板状に形成できるようにガイドできるものであれば特に限定するものではなく、例えば、包装フィルムを挟持する先端部に改良を加えたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明による一形態によるスティック型包装袋製造装置を示す正面図である。
【図2】図1における要部拡大図である。
【図3】図1における吸引装置を示す正面図である。
【図4】シール装置における第1の作用を示す正面図である。
【図5】同第2の作用を示す正面図である。
【図6】同第3の作用を示す正面図である。
【図7】同第4の作用を示す正面図である。
【図8】各タイミングを示すタイミングチャート図である。
【符号の説明】
【0052】
1 包装機
5 粉体送り出し装置
10 シール装置
11 縦シール形成部
111 シール部材
12 横シール形成部
121 シール部材
13 挟持部
131 揺動レバー
14 粉体供給管
15 パイプ
20 吸引装置
20A 切換え弁
F 包装フィルム
F1 半包装袋
FE 包装袋
Fs シール部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装フィルムを縦シールして筒状体フィルムを形成する筒状体形成工程と、前記筒状体フィルムを横シールして上部を開口した袋状に形成する半包装袋形成工程と、袋状の半包装袋に内容物を充填する内容物充填工程と、前記内容物を充填した半包装袋を横シールする包装袋形成工程と、を含み、さらに前記内容物が充填された前記半包装袋の上流部で、前記半包装袋を挟持する挟持工程を含むスティック型包装袋製造方法であって、
前記挟持工程の前に、前記内容物が充填されている前記半包装袋に負圧状態を形成する負圧手段を有して、前記半包装袋から空気を除去する脱気工程を含むことを特徴とするスティック型包装袋製造方法。
【請求項2】
前記負圧手段が、パイプを介して、外部に空気を排出させる吸引装置を備えていることを特徴とする請求項1記載のスティック型包装袋製造方法。
【請求項3】
前記挟持工程が、前記袋状の半包装袋を平板状に形成するように案内するガイド部を有した挟持部材を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載のスティック型包装袋製造方法。
【請求項4】
内容物を一定量にして送り出す内容物送出し装置と、包装フィルムを縦シールする縦シール形成部及び横シールする横シール形成部を有するシール装置と、縦シール形成部と横シール形成部との間に配置されて半包装袋を挟持する挟持装置と、を備えるスティック型包装袋製造装置であって、
前記内容物が充填された半包装袋からパイプ内の通気路を通って空気を除去する吸引装置が配設され、
前記吸引装置が、前記挟持装置で前記半包装袋を挟持する前に、前記内容物が充填された前記半包装袋から空気を除去することを特徴とするスティック型包装袋製造装置。
【請求項5】
前記挟持装置が、前記袋状の半包装袋を平板状に形成するように案内するガイド部を有した挟持部材を備えていることを特徴とする請求項4記載のスティック型包装袋製造装置。
【請求項6】
前記挟持部材が、揺動可能な一対の揺動レバーであることを特徴とする請求項5記載のスティック型包装袋製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−151422(P2006−151422A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−342264(P2004−342264)
【出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【出願人】(592242660)株式会社東陽機械製作所 (20)
【Fターム(参考)】