説明

ステロイドスルファターゼ阻害剤としてのベンゾチオフェンスルファミン酸塩誘導体

【課題】ステロイドスルファターゼ阻害剤としてのスルファメートベンゾチオフェン誘導体の提供。
【解決手段】Rが水素、(C−C)アルコキシ基又はハロゲンである6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)


又は対応の5−メトキシ−ベンゾチオフェンから出発して、数段階の工程からなる方法によって得ることができるスルファメートベンゾチオフェン誘導体。具体的には、3−シクロペンチルル−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステル等が当該化合物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的にステロイドホルモンに関し、より具体的には、酵素ステロイドスルファターゼの阻害剤である新規ベンゾチオフェンスルファミン酸塩誘導体に関する。また、本発明は、上記誘導体を含む医薬組成物及びその使用方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
酵素ステロイドスルファターゼ(E.C.3.1.6.2.、STS)は、エストロン硫酸からエストロンへの、及び、DHEA硫酸からDHEAへの加水分解を触媒する(非特許文献1及び2)。
【0003】
ステロイドスルファターゼ経路は、乳ガンとの関連で、豊富な循環エストロン硫酸(ES)プールからのエストロゲンの組織内局所的形成に関して、近年関心が集中している(非特許文献3及び4)。
【0004】
この酵素の阻害により、ESからの遊離のエストロン(E)(酵素的還元によってエストラジオール(E)に転換可能)の生成が妨げられるであろう。エストロンスルファターゼ経路に加えて、現在、DHEA−Sが加水分解されたDHEAから得られるアンドロステンジオール(アジオール(adiol))という別の潜在的なエストロゲンが、ホルモン依存性の乳房腫瘍の増殖及び発育を促進するもう一つの重要な経路である可能性があると考えられている。
【0005】
ヒトにおけるエストロゲンの形成を、図1中に概略的に表す。
【0006】
現在、ホルモン依存性のガン患者において、エストロゲン合成を阻害するためにアロマターゼ阻害剤が使用される。しかし、臨床試験によって、アロマターゼ阻害剤はエストロゲン受容体陽性腫瘍患者に対する効力が相対的に低いことが示された(非特許文献5及び6)。このことは、ステロイドスルファターゼ経路が乳房腫瘍においてエストロゲン形成の別の重要な経路である可能性があることから説明される。
【0007】
EMATE(非特許文献7)、すなわちエストロン−3−スルファミン酸塩は歴史上標準的なステロイドスルファターゼ阻害剤であるが、その阻害機構(酵素が不活性化される過程でスルファミン酸塩部が切断され、EがESからではなくEMATE自身から放出される)からエストロゲン様であるという深刻な問題点を有する(非特許文献8)。
【0008】
【化1】

【0009】
許容される薬剤の候補として、エストロゲン様特性を有さない誘導体を放出する他の非ステロイド系スルファミン酸塩化合物、特に6,6,7−COUMATEという標準的な非エストロゲン様スルファターゼ阻害剤が、文献中に提示されている(非特許文献9)。
【0010】
【化2】

【0011】
従って、特にエストロゲン依存性疾患の治療という視点から、ステロイドスルファターゼ阻害剤が必要とされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Dibbelt L,Biol.Chem,Hoppe−Seyler,1991,372,173−185
【非特許文献2】Stein C,J.Biol.Chem.,1989,264,13865−13872
【非特許文献3】Pasqualini JR,J.Steroid Biochem.Mol.Biol.,1999,69,287−292
【非特許文献4】Purohit A,Mol.Cell.Endocrinol.,2001,171,129−135
【非特許文献5】Castiglione−Gertsch M,Eur.J.Cancer,1996,32A,393−395
【非特許文献6】Jonat W,Eur.J.Cancer,1996,32A,404−412
【非特許文献7】Ahmed S,Curr.Med.Chem.,2002,9,2,263−273
【非特許文献8】Ahmed S,J.Steroid Biochem.Mol.Biol.,2002,80,429−440
【非特許文献9】Purohit A,Cancer Res.,2000,60,3394−3396
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、有力なステロイドスルファターゼ阻害剤であるベンゾチオフェンスルファミン酸塩誘導体の提供である。
【0014】
本発明の別の目的は、有効成分として上記のベンゾチオフェンスルファミン酸塩誘導体を含む医薬組成物の提供である。
【0015】
本発明の更に別の目的は、様々な疾患を治療又は予防するための、並びに、女性、男性、及び、雌及び雄の野生動物又は家畜の生殖機能を管理するための薬の製造における、ベンゾチオフェンスルファミン酸塩誘導体の使用の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明のベンゾチオフェンスルファミン酸塩誘導体は、下記の一般式(I):
【0017】
【化3】

【0018】
(式中:
−Rは水素、(C−C)アルキル基、(C−C)アルケン、(C−C12)シクロアルキル基又は(C−C12)シクロアルケンであり、上記シクロアルキル基及びシクロアルケンは任意に(C−C)アルキル基により一置換又は二置換されている;
−Rは水素、(C−C)アルキル基又は(C−C12)シクロアルキル基である;
−Rは水素、(C−C)アルコキシ基又はハロゲンである;
−mは0、1、2である;
−nは0、1、2である;
−mが0である場合、R及びRは一緒になって、pが3、4又は5である−(CH−基も形成可能である;
−破線は、スルファミン酸塩部(OSO(NH))がベンゾチオフェン環の5位又は6位にあることを示す)
により表すことができる。
【0019】
式(I)の化合物のうち、下記条件の少なくとも一つを満たす化合物が特に好ましい:
−Rが水素、(C−C)アルキル基、又は、任意に(C−C)アルキル基により一置換又は二置換された(C−C12)シクロアルキル基であり、好ましくはRが任意に(C−C)アルキル基により一置換又は二置換された(C−C10)シクロアルキル基である;
−mが0又は1である;
−Rが水素である;
−Rが水素である;
−nが0又は2である;
−スルファミン酸塩部がベンゾチオフェン基の6位にある。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、有力なステロイドスルファターゼ阻害剤であるベンゾチオフェンスルファミン酸塩誘導体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】ヒトにおけるエストロゲンの形成を概略的に表す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書及び特許請求の範囲において、「(C−C)又は(C−C)アルキル基」は、炭素原子をそれぞれ1〜4個又は1〜6個有する直鎖又は分岐の飽和炭化水素鎖を意味するものとする。このようなアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基又はヘキシル基である。
【0023】
「(C−C)アルコキシ基」は、Rが上記(C−C)アルキル基である−OR基を意味するものとする。
【0024】
「(C−C12)シクロアルキル基」は、炭素原子を3〜12個有する飽和の単環式又は二環式炭化水素を意味するものとする。(C−C12)シクロアルキル基は、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基又はアダマンチル基である。
【0025】
「ハロゲン」は、塩素原子、臭素原子、フッ素原子又はヨウ素原子を意味するものとする。
【0026】
「(C−C)アルケン」は、炭素原子を2〜6個有する直鎖又は分岐の不飽和炭化水素鎖を意味するものとする。(C−C)アルケンは、例えば、エチレン、又は、プロペン、ブテン、ペンテン若しくはヘキセンである。
【0027】
「(C−C12)シクロアルケン」は、炭素原子を3〜12個有する不飽和の単環式又は二環式炭化水素を意味するものとする。(C−C12)シクロアルケンは、例えば、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、シクロデセン又はアダマンテンである。
【0028】
ステロイドスルファターゼを阻害でき、従ってアロマターゼ阻害剤と比較して内因性エストロゲンの他の供給源を枯渇させることができることを考慮して、本発明の化合物は、単独で、又は、エストロゲン阻害剤、SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)、アロマターゼ阻害剤、アンドロゲン阻害剤、リアーゼ阻害剤、プロゲスチン若しくはLH−RHアゴニスト/アンタゴニスト等の一種又は数種の他の性内分泌腺治療薬と併用して、エストロゲン依存性の障害又は疾患の治療又は予防に使用することができる。また、本発明の化合物は、単独で、又は、LH−RHアゴニスト/アンタゴニスト、発情妊娠前(estroprogestative)避妊薬、プロゲスチン、プロゲスチン阻害剤又はプロスタグランジン等の一種又は数種の他の治療薬と併用して、人間及び野生動物又は家畜の、雄又は雌の生殖能力、妊娠、堕胎又は出産等のエストロゲンに調節される生殖機能の制御又は管理に使用することができる。
【0029】
乳房はエストロゲンに刺激される増殖及び/又は分化の影響を受けるため、本発明の化合物は、女性の良性胸部疾患、男性の女性化乳房、並びに、女性及び男性における又は雄若しくは雌の家畜における、転移を伴う又は伴わない良性又は悪性の乳房腫瘍の治療又は予防に使用することができる。また、本発明の化合物は、良性又は悪性の子宮又は卵巣の疾患の治療又は予防にも使用することができる。いずれの場合においても、本発明の化合物は、単独で、又は、上記のもの等の一種又は数種の他の性内分泌腺治療薬と併用して使用することができる。
【0030】
酵素ステロイドスルファターゼがDHEA硫酸を活性型男性ホルモン(テストステロン及びジヒドロテストステロン)の前駆体であるDHEAに転換することから、本発明の化合物は、単独で、又は、アンドロゲン阻害剤、エストロゲン阻害剤、SERM、アロマターゼ阻害剤、プロゲスチン、リアーゼ阻害剤若しくはLH−RHアゴニスト/アンタゴニスト等の一種又は数種の他の性内分泌腺治療薬と併用して、男性ホルモン性脱毛症(男性型の脱毛)(Hoffman Rら,J.Invest.Dermatol.,2001,117,1342−1348)又は座瘡(Billich Aら,1999,WO9952890)等の男性ホルモン依存性疾患、前立腺又は睾丸の良性又は悪性疾患(Reed MJ,Rev.Endocr.Relat.Cancer 1993,45,51−62)の治療又は予防に使用することができる。
【0031】
また、ステロイドスルファターゼの阻害剤は、ラットにおいて学習及び空間記憶力を増強できることから、認知機能障害の治療に関与する可能性もある(Johnson DA,Brain Res,2000,865,286−290)。神経ステロイドであるDHEA硫酸は、アセチルコリン、グルタミン酸塩及びGABAに関与するものを含む多くの神経伝達系に影響を及ぼし、その結果、神経細胞の興奮を増大させる(Wolf OT,Brain Res.Rev,1999,30,264−288)。
【0032】
また、エストロゲンは、主要な免疫機能であるThとThとの間のバランス調節に関与しているため、狼瘡、多発性硬化症及び慢性関節リウマチ等の性依存性自己免疫疾患の治療又は予防において有用である可能性がある(Daynes RA,J.Exp.Med,1990,171,979−996)。ステロイドスルファターゼの阻害は、接触アレルギー及びコラーゲン誘発性関節炎のげっ歯類モデルにおいて保護的な役割を果たすことが分かった(Suitters AJ,Immunology,1997,91,314−321)。
【0033】
2−MeOEMATEを使用した研究により、ステロイドスルファターゼ阻害剤は強力なエストラジオール非依存性の増殖阻害効果を有することが示された(MacCARTHY−MOOROGH L,Cancer Research,2000,60,5441−5450)。本発明の化合物によって、予想外にも、腫瘍ステロイドスルファターゼはあまり阻害されていないのに腫瘍が小さくなった。これを考慮すると、本発明の化合物により、乳房、子宮内膜、子宮、前立腺若しくは睾丸又は転移組織を含む任意の組織のガン細胞内において上記新規化学物質と微小管ネットワークとが大きく相互作用し、これによって細胞分裂が減少したのであろう。従って、本発明の化合物は、エストロゲン非依存性のガンの治療に有用である可能性がある。
【0034】
従って、本発明の別の目的は、上記疾患又は障害、特に、エストロゲン依存性疾患又は障害、すなわちエストロゲン誘発性又はエストロゲン刺激性の疾患又は障害を治療する方法の提供である(GOLOB T,Bioorg.Med.Chem.,2002,10,3941−3953)。上記方法は、治療を要する患者(人間又は動物)に治療上有効な量の式(I)の化合物を投与することを含む。
【0035】
上記有効成分を含む医薬組成物は、例えば錠剤、トローチ剤、甘味入り錠剤、水性若しくは油性懸濁液、分散可能粉末若しくは顆粒、エマルション、硬質若しくは軟質カプセル、又は、シロップ若しくはエリキシル剤等の、経口使用に適した形態のものであってよい。経口使用するための組成物は、医薬組成物を製造するための従来既知の任意の方法によって調製することができ、このような組成物は、高品質で味の良好な医薬品とするために、甘味料、着香料、着色料及び防腐剤からなる群より選択される一種以上の物質を含んでいてよい。錠剤は、錠剤の製造に適切な、医薬品に許容される非毒性の補形薬と有効成分とを混合して含む。上記補形薬は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム若しくはリン酸ナトリウム等の活性のない賦形剤;例えばコーンスターチ若しくはアルギン酸等の顆粒化剤及び崩壊剤;例えばデンプン、ゼラチン若しくはアラビアゴム等の結合剤;並びに、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸若しくはタルク等の滑剤であってよい。錠剤は、被覆されていなくてもよいし、公知の方法で被覆して胃腸管内での崩壊及び吸収を遅らせることにより効果を長時間持続させたものであってもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリン又はジステアリン酸グリセリン等の時間遅延用物質を使用してよい。また、米国特許No.4,256,108、No.4,166,452又はNo.4,265,874中に記載されている方法で錠剤を被覆して、制御放出用の浸透性治療用錠剤を形成してもよい。
【0036】
また、経口使用用の製剤は、(例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリン等の)活性のない固体の賦形剤と有効成分とを混合して含む硬質ゼラチンカプセルとして、又は、水若しくは(例えば落花生油、流動パラフィン又はオリーブ油等の)油状媒体と有効成分とを混合して含む軟質ゼラチンカプセルとして提示してもよい。
【0037】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適切な補形薬と有効成分とを混合して含むものである。このような補形薬とは、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム及びアラビアゴム等の懸濁剤;例えば(レシチン等の)天然リン脂質、又は、(例えばステアリン酸ポリオキシエチレン等の)アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合物、又は、(例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール等の)エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合物、又は、(モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンエステル等の)エチレンオキシドと脂肪酸由来の部分エステルとヘキシトールとの縮合物、又は、(例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンエステル等の)エチレンオキシドと脂肪酸由来の部分エステルとヘキシトール無水物との縮合物等の分散剤又は湿潤剤である。また、上記水性懸濁液は、例えばp−ヒドロキシ安息香酸エチル又はp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル等の一種以上の防腐剤、一種以上の着色料、一種以上の着香料、及び、スクロース、サッカリン又はアスパルテーム等の一種以上の甘味料を含んでいてもよい。
【0038】
油性懸濁液は、有効成分を、例えば落花生油、オリーブ油、ゴマ油若しくはヤシ油等の植物油中に、又は、流動パラフィン等の鉱物油中に懸濁することによって調製してよい。上記油性懸濁液は、例えば密蝋、固形パラフィン又はセチルアルコール等の増粘剤を含んでいてよい。上記甘味料及び着香料を添加することによって、味の良好な経口製剤を調製してよい。このような組成物は、アスコルビン酸等の抗酸化剤を添加することによって保存してよい。
【0039】
水を添加して水性懸濁液を調製するのに適切な分散可能な粉末及び顆粒において、有効成分は、分散剤又は湿潤剤、懸濁剤及び一種以上の防腐剤と混合されている。適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤の例としては、既に上述したものが挙げられる。また、上記以外の補形薬、例えば甘味料、着香料及び着色料等を使用してもよい。また、本発明の医薬組成物は、水中油型エマルションの形態であってもよい。油相は、例えばオリーブ油若しくは落花生油等の植物油、又は、例えば流動パラフィン等の鉱物油、又は、これらの混合物であってよい。適切な乳化剤は、例えば大豆レシチン等の天然リン脂質、及び、(例えばモノオレイン酸ソルビタン等の)脂肪酸とヘキシトール無水物とに由来するエステル又は部分エステル、及び、(例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等の)上記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合物であってよい。また、上記エマルションは、甘味料及び着香料を含んでいてよい。
【0040】
本発明の医薬組成物は、注射可能な無菌の水性懸濁液又は油性懸濁液の形態であってよい。この懸濁液は、上記適切な分散剤又は湿潤剤及び上述の懸濁剤を使用して公知の方法によって調製してよい。また、上記注射可能な無菌の製剤は、非経口経路において許容される非毒性の賦形剤又は溶媒中に溶解又は懸濁した、注射可能な無菌の溶液又は懸濁液(例えば1,3−ブタンジオール溶液等)であってもよい。許容される媒体及び溶媒のうちで使用できるものとして、水、リンガー溶液及び等張性塩化ナトリウム溶液を挙げることができる。また、無菌の不揮発性油が、溶媒又は懸濁媒体として従来から使用される。この目的のために、合成のモノグリセリド又はジグリセリドを含む任意の弱刺激性の不揮発性油を使用してもよい。また、オレイン酸等の脂肪酸を注射可能薬剤の調製に使用することもできる。
【0041】
本発明の化合物は、一日当たり約0.0001mg〜約10mg/体重kg、又は、患者1人につき一日当たり約0.01mg〜約100mgの投薬量で上記に示す疾患又は障害の治療に使用することができる。
【0042】
基材物質と併用することにより単回投与用の形態を調製可能な有効成分の量は、治療対象及び各投与法によって異なるであろう。
【0043】
しかし、当然のことながら、任意の特定の患者に対する特定の投与量は、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、排出速度、薬の組み合わせ、及び、治療中の特定の疾患の重症度を含む様々な要因によって異なるであろう。
【0044】
式(I)のベンゾチオフェンスルファミン酸塩誘導体は、次の概略的なスキーム1に従って調製できる。
【0045】
【化4】

【0046】
スキーム1によれば、3−メトキシチオフェノール(1)と2−ブロモ−1,1−ジエトキシエタンとが縮合され、また、チオ化合物中間体(2)が様々な酸(ポリリン酸(Bioor.Med.Chem.Lett,1999,9,759−64)又はメタンスルホン酸)により環化されて6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)が生成する。また、この化合物は、S.Grahamの記載する条件(J.Med.Chem,1989,32,2548−54)に従ってルイス酸(三フッ化ホウ素)と化合物(2)を反応させることによっても調製できる。
【0047】
6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)は、Y.Fortの記載する条件(Tetrahedron.1994,50,11893−902)に従い、N−ブロモスクシンイミド及びAPTSによってブロモ誘導体(4)に変換される。(4)は有機マグネシウム臭化物に転換され、その後、標準的な条件に従い、ケトン又はアルデヒドと共に縮合されて、一置換ベンゾチオフェン(5)が生成する。
【0048】
二置換ベンゾチオフェン(9)は、Kano.Sの記載する条件(Heterocycles,1982,19,6,1033−37)に従って、一置換化合物(5)をアルキル化することによって調製できる。
【0049】
7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロジベンゾチオフェン(p=4)等の、R及びRが一緒になって−(CH−基を形成する化合物は、Oliveira.Mの記載する条件(Tetrahedron,2002,58,1709−18)に従って調製できる。
【0050】
メトキシベンゾチオフェンの三臭化ホウ素による一置換体(5)又は二置換体(9)を脱保護することによって、McOmie.J.F.Wの記載する条件(Tetrahedron,1968,24,2289−92)に従いヒドロキシ化合物(6)及び(10)が得られた。これらの化合物は、水素化ナトリウムで処理することによって、クロロスルホン酸アミドで処理することによって(Nussbaumer.P,J Med Chem,2002,45,4310−20)、又は、ジメチルアセトアミド(DMAc)中においてスルファモイルクロライドと反応させることによって(Makoto.O,Tetrahedron letters,2000,41,7047−51)、対応するスルファミン酸塩(7)及び(11)に転換された。
【0051】
GRIVAS S.及びRONNE E.の記載する条件(Acta Chemica Scandinavia,1995,49,225−229)に従ってトリフルオロ酢酸中で(7)及び(11)を過酸化水素によって酸化することにより、最終生成物ベンゾチオフェン(8)及び(12)が得られた。
【0052】
スルファミン酸塩部がベンゾチオフェン環の5位にある式(I)の化合物は、同様の方法で、4−メトキシチオフェノールを出発物質として調製できる。
【実施例】
【0053】
以下の例示は、本発明の範囲を説明するものであるが、制限を加えるものではない。
【0054】
「3−ブロモ−6−メトキシベンゾチオフェン(4)の調製」
【実施例1】
【0055】
<6−メトキシベンゾチオフェン(3)>
ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール(16.50ml、0.11mol)を、m−メトキシベンゼンチオール(1)(15ml、0.12mol)及びKCO(16.60g、0.12mol)をアセトン(150ml)中に混合した混合物に室温で滴下した。この反応混合物を16時間撹拌した後、ろ過した。固体をアセトンで洗浄し、ろ液を合わせて真空下で濃縮した。残渣を水で希釈し、EtOで抽出した。0.5MのKOH、水及びブラインで有機相を洗浄し、NaSOで乾燥させてろ過し、真空下で濃縮して、暗黄色油状の化合物(2)27.40gを得た。
【0056】
H−NMR(CDCl):1.18(t,6H),3.13(d,2H),3.43−3.73(m,4H),3.77(s,3H),4.67(t,1H),6.60−7.27(m,4H).
【0057】
(2)(13.00g、0.051mol)をCHCl(100ml)中に溶解した溶液を、BF・EtO(6.70ml,0.054mol)をCHCl(1000ml)中に溶解した溶液に室温で窒素雰囲気下において滴下した。加水分解後、両相が透明になるまでこの反応混合物を撹拌した。CHCl層を分離し、水層をCHClで抽出した。有機相を合わせてNaSOで乾燥させてろ過し、真空下で濃縮して、暗褐色油状の4−及び6−メトキシベンゾチオフェン(3)の1:10混合物8.68gを得た。粗生成物は精製せずに使用した。
【0058】
主要な異性体(3)
H−NMR(CDCl):3.85(s,3H),6.98(dd,1H),7.23(s,2H),7.35(d,1H),7.68(d,1H).
【実施例2】
【0059】
<3−ブロモ−6−メトキシベンゾチオフェン(4)>
N−ブロモスクシンイミド(14.70g、82.59mmol)及びp−トルエンスルホン酸(2.70g、15.68mmol)を、ベンゾチオフェン(3)(15.10g、92.07mmol)を1,2−ジクロロエタン(300ml)中に溶解した溶液に添加した。この混合物を70℃で35分間維持して氷浴中で冷却し、スクシンイミドをろ過によって除去した。この溶液を飽和重炭酸ナトリウム溶液で抽出し、NaSOで乾燥させてろ過し、真空下で濃縮して、油状物22.00gを得た。ペンタンから結晶化させることによって、白色の固体(16.50g,74%)を得た(mp:62℃)。
【0060】
H−NMR(CDCl):3.85(s,3H),6.9(dd,1H),7.50(m,2H),7.65(d,1H)
【0061】
「一置換ベンゾチオフェン(5)の調製」
【実施例3】
【0062】
<3−シクロヘキシル−6−メトキシベンゾチオフェン>
臭化物(4)(2.00g、8.23mmol)をEtO(20ml)中に溶解した溶液を、アルゴンガス下でMg(0.22g、9.05mmol)をEtO(20ml)中に溶解したものに滴下した。この混合物を2時間還流させ、シクロヘキサノン(1.00ml、9.87mmol)をEtO(5ml)中に溶解した溶液を添加し、この混合物を2時間還流させた。これを氷冷水中に添加した。この溶液を酢酸エチルで抽出し、NaSOで乾燥させてろ過し、真空下で濃縮して、油状物8.00gを得た。ジイソプロピルエーテルから粉砕することによって、白色の粉末状の3−(1−ヒドロキシシクロヘキシル)−6−メトキシベンゾチオフェン(0.90g、65%)を得た。
【0063】
H−NMR(DMSOd):1.20−2.00(m,10H),3.80(s,3H),5.30(s,1H),6.93(dd,1H),7.10(s,1H),7.42(d,1H),7.60(d,1H).
【0064】
トリエチルシラン(0.22ml、1.37mmol)を、アルゴンガス下で3−(1−ヒドロキシシクロヘキシル)−6−メトキシベンゾチオフェン(0.30g、1.14mmol)をジクロロメタン(10ml)中に溶解したものに滴下した。その後、この溶液を0℃で撹拌し、トリフルオロ酢酸(5.00ml、67.31mmol)を添加した。室温で2時間経過した後、この混合物を飽和NaHCO水溶液と氷の中に添加し、酢酸エチルで抽出し、NaSOで乾燥させてろ過し、真空下で濃縮して、油状物0.30gを得た(100%)。ジイソプロピルエーテルから結晶化させることによって、白色の結晶(0.20g,70%)を得た。
【0065】
H−NMR(DMSOd):1.00−2.20(m,11H),2.72(m,1H),3.75(s,3H),6.93(dd,1H),7.01(s,1H),7.43(d,1H),7.58(d,1H).
【0066】
シクロヘキサノンを
・シクロペンタノン、
・シクロヘプタノン、
・シクロオクタノン、
・シクロデカノン、
・4−メチルシクロヘキサノン、
・2−メチルシクロヘキサノン、
・2,2−ジメチルシクロペンタノン、
・2−アダマンタノン(2−adamantanone)、
・プロパノン、
・ヘキサノン、
・シクロヘキサンカルボキシアルデヒド、
・シクロヘプタンカルボキシアルデヒド(J.G.Traynhamらの方法(Tetrahedron,7,1959,165−72)に従って調製)
で置き換える以外は上記と同じ手順で、次の化合物をそれぞれ得た。
【実施例4】
【0067】
<3−シクロペンチル−6−メトキシベンゾチオフェン>
H−NMR(DMSOd):1.40−2.20(m,8H),2.72(m,1H),3.80(s,3H),6.94(dd,1H),7.13(s,1H),7.45(d,1H),7.64(d,1H).
【実施例5】
【0068】
<3−シクロヘプチル−6−メトキシベンゾチオフェン>
H−NMR(DMSOd):1.40−2.20(m,12H),3.05(m,1H),3.80(s,3H),6.90(dd,1H),7.00(s,1H),7.41(d,1H),7.57(d,1H).
【実施例6】
【0069】
<3−シクロオクチル−6−メトキシベンゾチオフェン>
H−NMR(DMSOd):1.20−2.15(m,14H),3.10(m,1H),3.77(s,3H),6.92(dd,1H),7.01(s,1H),7.41(d,1H),7.58(d,1H).
【実施例7】
【0070】
<3−シクロデシル−6−メトキシベンゾチオフェン>
H−NMR(DMSOd):1.20−2.15(m,18H),3.12(m,1H),3.75(s,3H),6.92(dd,1H),7.01(s,1H),7.40(d,1H),7.55(d,1H).
【実施例8】
【0071】
<3−(4−メチルシクロヘキシル)−6−メトキシベンゾチオフェン>
H−NMR(DMSOd):0.70−2.15(m,12H),2.72(m,0.5H,ジアステレオマー),2.99(m,0.5H,ジアステレオマー),3.76(s,3H),6.92(dd,1H),7.02(s,1H),7.41(d,1H),7.58(d,1H).
【実施例9】
【0072】
<3−(2−メチルシクロヘキシル)−6−メトキシベンゾチオフェン>
H−NMR(DMSOd):0.70−2.20(m,12H),2.70(m,0.5H,ジアステレオマー),3.02(m,0.5H,ジアステレオマー),3.75(s,3H),6.92(dd,1H),7.02(s,1H),7.40(d,1H),7.55(d,1H).
【実施例10】
【0073】
<3−(2,2−ジメチルシクロペンチル)−6−メトキシベンゾチオフェン>
H−NMR(DMSOd):0.70(s,3H),1.10(s,3H),1.45−2.20(m,6H),2.93(m,1H),3.78(s,3H),7.02(dd,1H),7.04(s,1H),7.43(d,1H),7.60(d,1H).
【実施例11】
【0074】
<3−(2−アダマンチル)−6−メトキシベンゾチオフェン>
H−NMR(DMSOd):1.40−2.40(m,14H),3.19(br s,1H),3.79(s,3H),6.92(dd,1H),7.08(s,1H),7.43(d,1H),7.60(d,1H).
【実施例12】
【0075】
<3−プロピル−6−メトキシベンゾチオフェン>
H−NMR(DMSOd):0.95(t,3H),1.68(m,2H),2.78(t,2H),3.79(s,3H),6.92(dd,1H),7.00(s,1H),7.43(d,1H),7.58(d,1H).
【実施例13】
【0076】
<3−ヘキシル−6−メトキシベンゾチオフェン>
H−NMR(DMSOd):0.85(t,3H),1.10−1.80(m,8H),2.82(t,2H),3.79(s,3H),6.92(dd,1H),7.01(s,1H),7.45(d,1H),7.58(d,1H).
【実施例14】
【0077】
<3−シクロヘキシルメチル−6−メトキシベンゾチオフェン>
H−NMR(DMSOd):0.75−1.85(m,11H),2.70(d,2H),3.80(s,3H),6.92(dd,1H),7.00(s,1H),7.42(d,1H),7.59(d,1H).
【実施例15】
【0078】
<3−シクロヘプチルメチル−6−メトキシベンゾチオフェン>
H−NMR(DMSOd):1.00−1.90(m,13H),2.71(d,2H),3.80(s,3H),6.93(dd,1H),7.00(s,1H),7.42(d,1H),7.59(d,1H).
【0079】
「一置換ベンゾチオフェノール(6)の調製」
【実施例16】
【0080】
<3−シクロヘキシル−ベンゾチオフェン−6−オール>
3−シクロヘキシル−6−メトキシベンゾチオフェン(4.00g、16.0mmol)をジクロロメタン40ml中に溶解した溶液を、室温で、三臭化ホウ素溶液(24ml、24mmol)に添加する。室温で2時間経過した後、この混合物を飽和NaHCO水溶液で加水分解し、ジクロロメタンで抽出して、NaSOで乾燥させてろ過し、真空で濃縮して、アルコールを得た(油状で3.60g、97%)。
【0081】
H−NMR(CDCl):1.10−2.10(m,10H),2.80(m,1H),6.78(dd,1H),6.94(s,1H),7.17(d,1H),7.48(d,1H),9.42(s,1H,OH).
【0082】
3−シクロヘキシル−6−メトキシベンゾチオフェンを
・3−シクロペンチル−6−メトキシベンゾチオフェン、
・3−シクロヘプチル−6−メトキシベンゾチオフェン、
・3−シクロオクチル−6−メトキシベンゾチオフェン、
・3−シクロデシル−6−メトキシベンゾチオフェン、
・3−(4−メチルシクロヘキシル)−6−メトキシベンゾチオフェン、
・3−(2−メチルシクロヘキシル)−6−メトキシベンゾチオフェン、
・3−(2,2−ジメチルシクロペンチル)−6−メトキシベンゾチオフェン、
・3−(2−アダマンチル)−6−メトキシベンゾチオフェン、
・3−プロピル−6−メトキシベンゾチオフェン、
・3−ヘキシル−6−メトキシベンゾチオフェン、
・3−シクロヘキシルメチル−6−メトキシベンゾチオフェン、
・3−シクロヘプチルメチル−6−メトキシベンゾチオフェン
で置き換える以外は上記と同じ手順で、次の化合物をそれぞれ得た。
【実施例17】
【0083】
<3−シクロペンチル−ベンゾチオフェン−6−オール>
mp:116℃
H−NMR(DMSOd):1.45−2.20(m,8H),3.25(m,1H),6.78(dd,1H),6.96(s,1H),7.15(d,1H),7.47(d,1H),9,45(s,1H,OH).
【実施例18】
【0084】
<3−シクロヘプチル−ベンゾチオフェン−6−オール>
mp:140℃
H−NMR(DMSOd):1.35−2.15(m,12H),3.00(m,1H),6.79(dd,1H),6.94(s,1H),7.17(d,1H),7.48(d,1H),9,45(s,1H,OH).
【実施例19】
【0085】
<3−シクロオクチル−ベンゾチオフェン−6−オール>
mp:100℃
H−NMR(DMSOd):1.35−2.10(m,14H),3.07(m,1H),6.78(dd,1H),6.95(s,1H),7.15(d,1H),7.47(d,1H),9,42(s,1H,OH).
【実施例20】
【0086】
<3−シクロデシル−ベンゾチオフェン−6−オール>
mp:108℃
H−NMR(DMSOd):1.30−2.10(m,18H),3.22(m,1H),6.79(dd,1H),6.99(s,1H),7.15(d,1H),7.48(d,1H),9,42(s,1H,OH).
【実施例21】
【0087】
<3−(4−メチルシクロヘキシル)−ベンゾチオフェン−6−オール>
mp:132℃
H−NMR(DMSOd):0.70−2.10(m,12H),2.70(m,1H),6.80(dd,1H),6.92(s,1H),7.15(d,1H),7.48(d,1H),9,42(s,1H,OH).
【実施例22】
【0088】
<3−(2−メチルシクロヘキシル)−ベンゾチオフェン−6−オール>
mp:125℃
H−NMR(DMSOd):0.60−2.20(m,12H),3.05(m,1H),6.80(dd,1H),6.90(s,1H),7.16(d,1H),7.50(d,1H),9,45(s,1H,OH).
【実施例23】
【0089】
<3−(2,2−ジメチルシクロペンチル)−ベンゾチオフェン−6−オール>
mp:90℃
H−NMR(DMSOd):0.70(s,3H),1.09(s,3H),1.45−2.20(m,6H),2.92(dd,1H),6.80(dd,1H),6.99(s,1H),7.17(d,1H),7.51(d,1H),9.45(s,1H,OH).
【実施例24】
【0090】
<3−(2−アダマンチル)−ベンゾチオフェン−6−オール>
mp:184℃
H−NMR(DMSOd):1.40−2.40(m,14H),3.16(br s,1H),6.80(dd,1H),7.00(s,1H),7.17(d,1H),7.50(d,1H),9,43(s,1H,OH).
【実施例25】
【0091】
<3−プロピル−ベンゾチオフェン−6−オール>
mp:56℃
H−NMR(DMSOd):0.97(t,3H),1.68(m,2H),2.79(t,2H),6.80(dd,1H),6.96(s,1H),7.17(d,1H),7.50(d,1H),9.46(s,1H,OH).
【実施例26】
【0092】
<3−ヘキシル−ベンゾチオフェン−6−オール>
mp:68℃
H−NMR(DMSOd):0.85(t,3H),1.10−1.80(m,8H),2.78(t,2H),6.79(dd,1H),6.95(s,1H),7.16(d,1H),7.48(d,1H),9.45(s,1H,OH).
【実施例27】
【0093】
<3−シクロヘキシルメチル−ベンゾチオフェン−6−オール>
mp:97℃
H−NMR(DMSOd):0.75−1.80(m,11H),2.68(d,2H),6.78(dd,1H),6.91(s,1H),7.16(d,1H),7.49(d,1H),9.45(s,1H,OH).
【実施例28】
【0094】
<3−シクロヘプチルメチル−ベンゾチオフェン−6−オール>
mp:82℃
H−NMR(DMSOd):1.00−1.90(m,13H),2.72(d,2H),6.80(dd,1H),6.92(s,1H),7.18(d,1H),7.49(s,1H),9.48(s,1H,OH).
【0095】
「一置換ベンゾチオフェニルスルファミン酸エステル(7)の調製」
【実施例29】
【0096】
<3−シクロヘキシル−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステル>
水素化ナトリウム(0.60g、24.8mmol)を、3−シクロヘキシル−ベンゾチオフェン−6−オール(3.60g、15.50mmol)を乾燥DMF(36ml)中に溶解した溶液に0℃において注意深く添加した。室温で30分間撹拌し、50℃で30分間撹拌した後、この混合物を冷却して(氷/水)、クロロスルホン酸アミド(4.45g、38.00mmol)を添加した。室温で3時間経過した後、この混合物を飽和NHCl水溶液で加水分解し、酢酸エチルで抽出し、NaSOで乾燥させてろ過し、真空下で濃縮して、粗生成物(油状物4.80g)を得た。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(トルエン/1,4−ジオキサン:8/2)にかけて透明な油状物を得、これをエタノールから結晶化させて、表題の物質(0.50g、10%、mp:128℃)を得た。
【0097】
H−NMR(CDCl):1.15−2.20(m,10H),2.90(m,1H),7.18(s,1H),7.24(dd,1H),7.30(d,1H),7.32(s,1H),7.98(s,2H,NH).
【0098】
3−シクロヘキシルベンゾチオフェン−6−オールを
・3−シクロペンチルベンゾチオフェン−6−オール、
・3−シクロヘプチルベンゾチオフェン−6−オール、
・3−シクロオクチルベンゾチオフェン−6−オール、
・3−シクロデシルベンゾチオフェン−6−オール、
・3−(4−メチルシクロヘキシル)−ベンゾチオフェン−6−オール、
・3−(2−メチルシクロヘキシル)−ベンゾチオフェン−6−オール、
・3−(2,2−ジメチルシクロペンチル)−ベンゾチオフェン−6−オール、
・3−(2−アダマンチル)−ベンゾチオフェン−6−オール、
・3−プロピル−ベンゾチオフェン−6−オール、
・3−ヘキシル−ベンゾチオフェン−6−オール、
・3−シクロヘキシルメチル−ベンゾチオフェン−6−オール、
・3−シクロヘプチルメチル−ベンゾチオフェン−6−オール
で置き換える以外は上記と同じ手順で、次の化合物をそれぞれ得た。
【実施例30】
【0099】
<3−シクロペンチルル−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステル>
mp:110℃
H−NMR(DMSOd):1.50−2.30(m,8H),3.39(m,1H),7.20(s,1H),7.72(dd,1H),7.78(d,1H),7.95(s,2H,NH).
【実施例31】
【0100】
<3−シクロヘプチル−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステル>
mp:132℃
H−NMR(DMSOd):1.35−2.20(m,12H),3.12(m,1H),7.19(s,1H),7.24(dd,1H),7.75(d,1H),7.80(d,1H),7.95(s,2H,NH).
【実施例32】
【0101】
<3−シクロオクチル−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステル>
mp:126℃
H−NMR(DMSOd):0.90−2.20(m,14H),3.18(m,1H),7.17(s,1H),7.23(dd,1H),7.76(d,1H),7.80(d,1H),7.95(s,2H,NH).
【実施例33】
【0102】
<3−シクロデシル−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステル>
mp:98℃
H−NMR(DMSOd):1.30−2.10(m,18H),3.31(m,1H),7.20(s,1H),7.23(dd,1H),7.76(d,1H),7.79(d,1H),7.96(s,2H,NH).
【実施例34】
【0103】
<3−(4−メチルシクロヘキシル)−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステル>
mp:132℃
H−NMR(DMSOd):0.75−2.15(m,12H),2.55(m,1H),7.25(s,1H),7.55(dd,1H),7.60(d,1H),7.70(d,1H),8.25(s,2H,NH).
【実施例35】
【0104】
<3−(2−メチルシクロヘキシル)−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステル>
mp:110℃
H−NMR(DMSOd):0.65−2.30(m,12H),3.15(m,1H),7.05−7.35(m,2H),7.70−7.89(m,2H),7.97(s,2H,NH).
【実施例36】
【0105】
<3−(2,2−ジメチルシクロペンチル)−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステル>
mp:72℃
H−NMR(DMSOd):0.70(s,3H),1.10(s,3H),1.45−2.30(m,6H),3.02(dd,1H),7.20(s,1H),7.23(dd,1H),7.78(d,1H),7.80(s,1H),7.96(s,2H,NH).
【実施例37】
【0106】
<3−(2−アダマンチル)−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステル>
mp:185℃
H−NMR(DMSOd):1.50−2.40(m,12H),3.37(br s,1H),7.24(m,2H),7.80(d,1H),7.82(s,1H),7.97(s,2H,NH).
【実施例38】
【0107】
<3−プロピル−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステル>
mp:112℃
H−NMR(DMSOd):0.96(t,3H),1.70(m,2H),2.88(t,2H),7.19(s,1H),7.24(dd,1H),7.78(d,1H),7.80(s,1H),7.97(s,2H,NH).
【実施例39】
【0108】
<3−ヘキシル−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステル>
mp:125℃
H−NMR(DMSOd):0.95(t,3H),1.10−1.80(m,8H),2.88(t,2H),7.19(s,1H),7.22(dd,1H),7.77(d,1H),7.79(s,1H),7.96(s,2H,NH).
【実施例40】
【0109】
<3−シクロヘキシルメチル−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステル>
mp:115℃
H−NMR(DMSOd):0.80−1.80(m,11H),2.78(d,2H),7.16(s,1H),7.24(dd,1H),7.77(d,1H),7.79(s,1H),7.97(s,2H,NH).
【実施例41】
【0110】
<3−シクロヘプチルメチル−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステル>
mp:90℃
H−NMR(DMSOd):1.00−2.00(m,13H),2.82(d,2H),7.18(s,1H),7.22(dd,1H),7.78(d,1H),7.80(s,1H),7.97(s,2H,NH).
【0111】
「一酸化又は二酸化型の一置換化合物(8)の調製」
【実施例42】
【0112】
<3−シクロヘキシル−ベンゾチオフェン−6−イル−1−オキシド,スルファミン酸エステル>
35%過酸化水素水(0.35ml、3.42mmol、1.05等量)を、3−シクロヘキシル−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステル(1.00g、3.21mmol)をジクロロメタン(20ml)及びトリフルオロ酢酸(5ml)中に溶解した溶液に添加した。50℃で2時間経過した後、この混合物を飽和NaHCO水溶液で加水分解し、ジクロロメタンで抽出し、NaSOで乾燥させてろ過し、真空下で濃縮して、粗生成物を得た。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(トルエン/1,4−ジオキサン:6/4)にかけて透明な油状物を得、これをエタノールから結晶化させて、表題の物質(0.25g,24%,mp:110℃)を得た。
【0113】
H−NMR(DMSOd):1.10−2.15(m,10H),2.72(m,1H),7.10(s,1H),7.45(dd,1H),7.64(d,1H),7.84(d,1H),8.16(s,2H,NH).
【0114】
3−シクロヘキシル−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステルを3−シクロデシル−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステルで置き換える以外は上記と同じ手順で、次の化合物を得た。
【実施例43】
【0115】
<3−シクロデシル−ベンゾチオフェン−6−イル−1−オキシド,スルファミン酸エステル>
mp:146℃
H−NMR(DMSOd):1.35−2.10(m,18H),3.12(m,1H),7.15(s,1H),7.45(dd,1H),7.62(d,1H),7.83(d,1H),8.15(s,2H,NH).
【0116】
過酸化水素2.2等量を使用する以外は実施例42と同じ手順で、次の化合物を得た。
【実施例44】
【0117】
<3−シクロヘキシル−ベンゾチオフェン−6−イル−1,1−ジオキシド,スルファミン酸エステル>
mp:180℃
H−NMR(DMSOd):1.15−2.15(m,10H),2.52(m,1H),7.30(s,1H),7.53(dd,1H),7.63(d,1H),7.71(d,1H),8.25(s,2H,NH).
【0118】
3−シクロヘキシル−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステルを
・3−シクロヘプチル−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステル、
・3−シクロオクチル−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステル、
・3−シクロデシル−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステル、
・3−(4−メチルシクロヘキシル)−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステル、
・3−(2−メチルシクロヘキシル)−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステル、
・3−(2,2−ジメチルシクロペンチル)−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステル、
・3−(2−アダマンチル)−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステル、
・3−プロピル−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステル、
・3−ヘキシル−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステル、
・3−シクロヘキシルメチル−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステル、
・3−シクロヘプチルメチル−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステル
で置き換える以外は上記と同じ手順で、次の化合物をそれぞれ得た。
【実施例45】
【0119】
<3−シクロヘプチル−ベンゾチオフェン−6−イル−1,1−ジオキシド,スルファミン酸エステル>
mp:137℃
H−NMR(DMSOd):1.35−2.15(m,12H),2.75(m,1H),7.32(s,1H),7.52(dd,1H),7.61(d,1H),7.70(d,1H),8.25(s,2H,NH).
【実施例46】
【0120】
<3−シクロオクチル−ベンゾチオフェン−6−イル−1,1−ジオキシド,スルファミン酸エステル>
mp:122℃
H−NMR(DMSOd):1.35−2.10(m,14H),2.81(m,1H),7.32(s,1H),7.52(dd,1H),7.61(d,1H),7.70(d,1H),8.22(s,2H,NH).
【実施例47】
【0121】
<3−シクロデシル−ベンゾチオフェン−6−イル−1,1−ジオキシド,スルファミン酸エステル>
mp:102℃
H−NMR(DMSOd):1.35−2.10(m,18H),2.97(m,1H),7.38(s,1H),7.52(dd,1H),7.60(d,1H),7.70(d,1H),8.22(s,2H,NH).
【実施例48】
【0122】
<3−(4−メチルシクロヘキシル)−ベンゾチオフェン−6−イル−1,1−ジオキシド,スルファミン酸エステル>
mp:170℃
H−NMR(DMSOd):0.75−2.20(m,12H),2.83(m,1H),7.18(s,1H),7.22(dd,1H),7.78(d,1H),7.80(d,1H),7.95(s,2H,NH).
【実施例49】
【0123】
<3−(2−メチルシクロヘキシル)−ベンゾチオフェン−6−イル−1,1−ジオキシド,スルファミン酸エステル>
mp:92℃
H−NMR(DMSOd):0.70−2.45(m,12H),2.85(m,1H),7.25(s,1H),7.52(m,3H),8.25(s,2H,NH).
【実施例50】
【0124】
<3−(2,2−ジメチルシクロペンチル)−ベンゾチオフェン−6−イル−1,1−ジオキシド,スルファミン酸エステル>
mp:172℃
H−NMR(DMSOd):0.90(s,3H),1.16(s,3H),1.50−2.15(m,6H),2.66(t,1H),7.49(s,1H),7.52(dd,1H),7.61(d,1H),7.70(d,1H),8.24(s,2H,NH).
【実施例51】
【0125】
<3−(2−アダマンチル)−ベンゾチオフェン−6−イル−1,1−ジオキシド,スルファミン酸エステル>
mp:230℃
H−NMR(DMSOd):1.45−2.45(m,14H),3.04(br s,1H),7.38(s,1H),7.53(d,1H),7.64(d,1H),7.70(d,1H),8.25(s,2H,NH).
【実施例52】
【0126】
<3−プロピル−ベンゾチオフェン−6−イル−1,1−ジオキシド,スルファミン酸エステル>
mp:159℃
H−NMR(DMSOd):0.99(t,3H),1.70(m,2H),2.49(t,2H),7.29(s,1H),7.52(dd,1H),7.63(d,1H),7.73(d,1H),8.50(s,2H,NH).
【実施例53】
【0127】
<3−ヘキシル−ベンゾチオフェン−6−イル−1,1−ジオキシド,スルファミン酸エステル>
mp:98℃
H−NMR(DMSOd):0.85(t,3H),1.10−1.80(m,8H),2.50(t,2H),7.30(s,1H),7.52(dd,1H),7.62(d,1H),7.73(d,1H),8.27(s,2H,NH).
【実施例54】
【0128】
<3−シクロヘキシルメチル−ベンゾチオフェン−6−イル−1,1−ジオキシド,スルファミン酸エステル>
mp:132℃
H−NMR(DMSOd):0.80−1.95(m,11H),2.40(d,2H),7.30(s,1H),7.53(dd,1H),7.62(d,1H),7.72(d,1H),8.25(s,2H,NH).
【実施例55】
【0129】
<3−シクロヘプチルメチル−ベンゾチオフェン−6−イル−1,1−ジオキシド,スルファミン酸エステル>
mp:135℃
H−NMR(DMSOd):1.00−2.15(m,13H),2.45(d,2H),7.29(s,1H),7.53(dd,1H),7.62(d,1H),7.73(d,1H),8.25(s,2H,NH).
【0130】
「二置換6−メトキシ−ベンゾチオフェン(9)の調製」
【実施例56】
【0131】
<3−シクロヘプチル−6−メトキシ−2−メチル−ベンゾチオフェン>
n−ブチルリチウムをヘキサン(5ml、12.16mmol)中に溶解した2.5M溶液を、3−シクロヘプチル−6−メトキシ−ベンゾチオフェン(2.00g、7.69mmol)を乾燥THF(20ml)中に溶解した−70℃の溶液に滴下した。その後、この混合物を10分間かけて−30℃まで加温し、−70℃に冷却して、ヨードメタン(1.0ml、15.38mmol)を添加した。この混合物を一晩かけて室温まで加温した。これを飽和NHCl水溶液で加水分解し、酢酸エチルで抽出し、NaSOで乾燥させてろ過し、真空下で濃縮して、油状物2.1gを得た。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル:1/1)にかけて透明な油状物(1.50g,72%)を得、これを更に精製せずに使用した。
【0132】
H−NMR (DMSOd):1.35−2.15(m,12H),2.29(s,3H),3.00(m,1H),3.80(s,3H),7.00(s,1H),7.04(d,1H),7.49(d,1H).
【0133】
ヨードメタンをブロモブタンで置き換える以外は上記と同じ手順で、次の化合物を得た。
【実施例57】
【0134】
<3−シクロヘプチル−6−メトキシ−2−ブチル−ベンゾチオフェン>
H−NMR (DMSOd):0.90(t,3H),1.10−2.20(m,16H),2.75(t,2H),3.04(m,1H),3.80(s,3H),7.00(s,1H),7.05(d,1H),7.51(d,1H).
【実施例58】
【0135】
<7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ジベンゾチオフェン>
この化合物はOliveira.Mの記載する条件(Tetrahedron,2002,58,1709−18)に従って調製した。
【0136】
H−NMR (CDCl):1.92(m,4H),2.72(m,2H),2.83(m,2H),3.89(s,3H),6.97(dd,1H),7.30(d,1H),7.47(d,1H).
【0137】
「二置換ベンゾチオフェン−オール(10)の調製」
3−シクロヘキシル−6−メトキシベンゾチオフェンを
・3−シクロヘプチル−2−メチル−6−メトキシ−ベンゾチオフェン、
・3−シクロヘプチル−6−メトキシ−2−ブチル−ベンゾチオフェン、
・7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ジベンゾチオフェン
で置き換える以外は一置換化合物の場合と同じ手順で、次の化合物をそれぞれ得た。
【実施例59】
【0138】
<3−シクロヘプチル−2−メチル−ベンゾチオフェン−6−オール>
mp:96℃
H−NMR(DMSOd):1.30−2.15(m,12H),2.44(s,3H),3.01(m,1H),6.87(d,1H),6.97(s,1H),7.34(d,1H),9.31(s,1H,OH).
【実施例60】
【0139】
<3−シクロヘプチル−2−ブチル−ベンゾチオフェン−6−オール>
透明な油状物
H−NMR(DMSOd):0.92(t,3H),1.15−2.20(m,16H),2.80(t,2H),3.02(m,1H),6.85(d,1H),6.95(s,1H),7.32(d,1H),9.22(s,1H,OH).
【実施例61】
【0140】
<1,2,3,4−テトラヒドロ−ジベンゾチオフェン−7−オール>
mp:116℃
H−NMR (CDCl):1.90(m,4H),2.68(m,2H),2.79(m,2H),4.98(br s,1H,OH),6.88(dd,1H),7.20(d,1H),7.42(d,1H).
【0141】
「二置換ベンゾチオフェニルスルファミン酸エステル(11)の調製」
3−シクロヘキシル−ベンゾチオフェン−6−オールを
・3−シクロヘプチル−2−メチル−ベンゾチオフェン−6−オール、
・3−シクロヘプチル−2−ブチル−ベンゾチオフェン−6−オール、
・1,2,3,4−テトラヒドロ−ジベンゾチオフェン−7−オール
で置き換える以外は一置換化合物の場合と同じ手順で、次の化合物をそれぞれ得た。
【実施例62】
【0142】
<3−シクロヘプチル−2−メチル−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステル>
mp:107℃
H−NMR(DMSOd):1.40−2.20(m,12H),2.46(s,3H),3.14(m,1H),7.20(s,1H),7.30(dd,1H),7.60(d,1H),8.00(s,2H,NH).
【実施例63】
【0143】
<3−シクロヘプチル−2−ブチル−ベンゾチオフェン−6−イル,スルファミン酸エステル>
透明な油状物
H−NMR(DMSOd):0.91(t,3H),1.15−2.20(m,16H),2.77(t,2H),3.11(m,1H),7.15(s,1H),7.32(d,1H),7.59(d,1H),8.04(s,2H,NH).
【実施例64】
【0144】
<1,2,3,4−テトラヒドロ−ジベンゾチオフェン−7−イル,スルファミン酸エステル>
mp:165℃
H−NMR (DMSOd):1.87(m,4H),2.70(m,2H),2.82(m,2H),7.28(dd,1H),7.66(d,1H),7.72(d,1H).
【0145】
「二酸化型の二置換化合物(12)の調製」
3−シクロヘプチル−ベンゾチオフェン−6−オール,スルファミン酸エステルを
・3−シクロヘプチル−2−メチル−ベンゾチオフェン−6−オール,スルファミン酸エステル、
・3−シクロヘプチル−2−ブチル−ベンゾチオフェン−6−オール,スルファミン酸エステル、
・1,2,3,4−テトラヒドロ−ジベンゾチオフェン−7−オール,スルファミン酸エステル
で置き換える以外は一置換化合物の場合と同じ手順で、次の化合物をそれぞれ得た。
【実施例65】
【0146】
<3−シクロヘプチル−2−メチル−ベンゾチオフェン−6−イル−1,1−ジオキシド,スルファミン酸エステル>
mp:90℃
H−NMR(DMSOd):1.30−2.20(m,12H),2.48(s,3H),2.76(m,1H),7.28(s,1H),7.41(d,1H),7.52(d,1H),8.27(s,2H,NH).
【実施例66】
【0147】
<3−シクロヘプチル−2−ブチル−ベンゾチオフェン−6−イル−1,1−ジオキシド,スルファミン酸エステル>
透明な油状物
H−NMR(DMSOd):0.91(t,3H),1.15−2.15(m,16H),2.75(m,1H),2.90(t,2H),7.25(s,1H),7.40(d,1H),7.56(d,1H),8.31(s,2H,NH).
【実施例67】
【0148】
<1,2,3,4−テトラヒドロ−ジベンゾチオフェン−7−イル−1,1−ジオキシド,スルファミン酸エステル>
mp:229℃
H−NMR(DMSO):1.78(m,4H),2.30−2.70(m,4H),7.54(dd,1H),7.61(d,1H),7.74(d,1H).
【0149】
「生物学的試験の結果」
<<in vitroにおけるステロイドスルファターゼの阻害>>
エストロン硫酸(ES)は主要な循環血漿エストロゲンであり、酵素ステロイドスルファターゼによってエストロン(E)に変換された後、酵素的還元によってエストラジオール(E)に転換される可能性がある。ステロイドスルファターゼ活性は大部分の組織(子宮、肝臓、乳房等)中に見られるが、正常な乳房組織よりも悪性腫瘍において著しく高い。エストロゲンが乳ガンの増殖及び発育の促進と密接に関連しているということは従来から認識されており、従って、ステロイドスルファターゼは、エストロゲンのin situにおける形成を阻害する際の潜在的なターゲットであるようである。
【0150】
ステロイドスルファターゼに含まれるスルファミン酸塩部はこの酵素の不可逆的な阻害に関与すると考えられるが、この酵素の効果的な阻害剤が合成された。現在のところ最も活性の高い化合物はEMATE(エストロン−3−スルファミン酸塩)であるが、この化合物はエストロゲン様活性を有するためにホルモン依存性腫瘍の治療に使用するには適切でない。構造の異なる多数のステロイドスルファターゼ阻害剤が報告されており、この中には、エストロゲン様特性を有していない標準的な非ステロイド系阻害剤である6,6,7−COUMATEが含まれる。
【0151】
<in vitroにおける結果>
全細胞についての二種のin vitroモデルを使用した。ヒト胎盤の絨毛ガン由来のJEG−3細胞株は、本質的にヒトエストロンスルファターゼを非常に多量に含んでいるため、96ウェルマイクロプレート中で多数の化合物をスクリーニングしてステロイドスルファターゼ阻害剤と推定される化合物をin vitroにおいて評価する際の有用で実用的な生物系である。また、ステロイドスルファターゼ活性はこれよりも低いが、MCF−7細胞も、ステロイドスルファターゼ阻害剤のヒト乳腺ガン細胞に対する効果を試験する際のモデルとして適切である。また、これらの細胞は、ホルモン依存的に誘発された異種移植片のin vivoモデルにおいても使用した。
【0152】
<細胞についてのエストロンスルファターゼアッセイ>
全細胞アッセイを、Duncanら(Cancer Res.,1993,53:298−303)が当初記載したように完全なMCF−7細胞単層について実施した。対数増殖期の細胞について96ウェル(JEG−3)又は24ウェル(MCF−7)のマイクロプレート上でアッセイを実施した。アッセイの24時間前(JEG−3)又は72時間(MCF−7)前に、何も補足していないウシ胎仔血清(dFCS)補足培地中に細胞を播種した。その後、播種した培地を除去して細胞をPBSで洗浄し、dFCSを完全に除去した。その後、H−ESを添加し、続いて試験化合物を10−12M〜10−5M添加した。処理して4時間後(JEG−3)又は20時間後(MCF−7)に、96深ウェルマイクロプレート(JEG−3)又はプラスチックチューブ(MCF−7)のいずれかに培地を移し、200×gで10分間遠心分離して細胞をペレット状にした後、トルエンで抽出した。培地の分画をトルエンで抽出し、結合している基質と結合していない物質とを分離した。トルエン相中の放射活性を液体シンチレーションカウンター(LSC)によって測定した。最後に、エストロンスルファターゼ活性を、4時間又は20時間でDNA1μg当たりに形成された「(H−E)+(H−E)」(pmole)で示し、また、エストロンスルファターゼ阻害を阻害剤を使用しないコントロールの活性に対する割合で示した。阻害剤濃度に対する阻害割合%の非線形の適合度分析(GraphPad Prism Software)によって、50%阻害濃度(IC50)を決定できる:IC50が最も小さい阻害剤が最も効果的である(表1)。
【0153】
表1:全細胞アッセイにおけるエストロンスルファターゼの阻害
【0154】
【表1】

【0155】
試験した化合物のうち、実施例42、実施例44、実施例48、実施例49、実施例50、実施例54及び実施例55について、JEG−3細胞においてヒトエストロンスルファターゼ活性が強く阻害された(IC50:約10nM)。これらの化合物は、思春期前の雌のラットにおいて経口経路で3日間投与した後に、古典的な子宮アッセイを使用してin vivoにおける残留エストロゲン様活性を確認した。
【0156】
<<in vivoにおけるステロイドスルファターゼの阻害>>
<in vivoにおける残留エストロゲン様活性>
思春期前の雌のラットに、1mg/ラット/日の割合で3日間経口投与した。最後に投与した翌日に、子宮を摘出して含水重量を記録した。
【0157】
結果を、コントロールと比較した子宮重量変化の刺激割合%として表す。
【0158】
表2:残留エストロゲン様活性
【0159】
【表2】

【0160】
<子宮阻害活性/抗スルファターゼ活性>
Purohitの方法に由来する簡単なモデルを、非エストロゲン様ステロイドスルファターゼ阻害剤をin vivoにおいて評価するために開発した。
【0161】
ウィスター系雌ラットの卵巣を切除し、機能を停止させるために4週間静置した。投与する前に、周期的な機能がないことを膣スミアにより確認した。
【0162】
単独で、又は、潜在的スルファターゼ阻害剤を1mg/kg/日の割合で4日間経口投与するのと併用して、エストロン硫酸(ES)を50μg/kg/日の割合で皮下注射によってラットに投与した。子宮を摘出し、隣接する組織から分離して含水重量を計量した。
【0163】
結果を、ESに誘発された刺激の阻害割合%で表す。
【0164】
表3:子宮阻害活性
【0165】
【表3】

【0166】
実施例55はエストロゲン様でなく、またESに刺激された子宮重量変化を著しく阻害しないため、これをステロイドスルファターゼ活性の潜在的な阻害剤として選択した。これらのin vivoにおける結果は、JEG−3及びMCF−7全細胞アッセイにおいて得られたin vitroにおける結果とよく一致した。
【0167】
<実施例55の効果の評価>
Sに刺激された子宮重量変化に対する実施例55の活性を、0.03mg/kg/日〜1mg/kg/日の割合で経口投与した標準的な阻害剤6,6,7−COUMATEについて評価した。
【0168】
この試験において、最後の投与を解剖の24時間前に実施して、ES及びEの血清中濃度アッセイを実施した。子宮を摘出し、隣接する組織から分離して含水重量を計量し、急速冷凍して、スルファターゼ活性を測定するまで冷凍しておいた。
【0169】
*ESに刺激された子宮重量変化の阻害
【0170】
【表4】

【0171】
*子宮におけるエストロンスルファターゼ活性の測定
エストロンスルファターゼ活性を、Purohitらの記載する方法を少し変えた方法で比較した。簡単に述べると、子宮を解凍して計量し、ホモジナイズした。上清を分取して、デキストランで被覆した炭で処理し、スルファターゼについてアッセイした。基質である5nMのH−ES及び20μMの非標識ESと共に30分間インキュベートした後に、ES活性を評価した。放射活性をLSCによって測定した。
【0172】
エストロンスルファターゼ活性はpmol/時間/タンパク質mgとして表し、ESに対する阻害の割合として報告した。
【0173】
【表5】

【0174】
*血清中のエストロゲン濃度
S及びEの濃度を、供給元の標準的な分析法によって測定した(DSL、アメリカ合衆国テキサス州ウェブスター)。
【0175】
表6:ES濃度(ng/ml)
【0176】
【表6】

【0177】
表7:E濃度(pg/ml)
【0178】
【表7】

【0179】
<ホルモン依存的に誘発された異種移植片>
ヒト乳腺ガン由来のMCF−7細胞を、卵巣を切除してエストロン硫酸(0.5mg/90日の割合で放出するペレット剤)を投与した胸腺欠損ヌードマウスに皮下注射した。異種移植片の容積を週一回測定した。腫瘍の容積が著しく増加するようになった際に、6,6,7−COUMATE及び実施例55を0.1mg/kg/日の割合で6週間経口投与した。
【0180】
異種移植片を測定して取り出し、計量して冷凍し、ステロイドスルファターゼ活性を測定するまで冷凍しておいた。
【0181】
表8:異種移植片の容積(mm
【0182】
【表8】

【0183】
Sに誘発された刺激は、6,6,7−COUMATEを0.1mg/kg/日の割合で6週間経口投与しても阻害されなかった。これとは対照的に、同じ投与量の実施例55では18%阻害された。
【0184】
表9:異種移植片の重量(mg)
【0185】
【表9】

【0186】
6,6,7−COUMATEによっては異種移植片の重量変化は阻害されなかったが、一方、実施例55では35%阻害された。
【0187】
表10:異種移植片のステロイドスルファターゼ活性(pmol/時間/タンパク質mg)
【0188】
【表10】

【0189】
腫瘍内のステロイドスルファターゼ活性の阻害は、6,6,7−COUMATE(67%)より実施例55(84%)の方が高かった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に
1)Rが水素、(C−C)アルコキシ基又はハロゲンである6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)
【化1】

又は対応の5−メトキシ−ベンゾチオフェンを、標準的な条件を用いてN−ブロモスクシンイミド及びAPTSによって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)アルゴンガス下、マグネシウムを用いてEtO中で前記モノブロモ誘導体を有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これを、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、シクロデカノン、4−メチルシクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,2−ジメチルシクロペンタノン、2−アダマンタノン(2−adamantanone)、プロパナール、ヘキサナール、シクロヘキサンカルボキシアルデヒド、及び、シクロヘプタンカルボキシアルデヒドからなる群より選択されるケトン又はアルデヒドとEtO中で縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)アルゴンガス下、ジクロロメタン中で前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンをトリエチルシランに作用させ、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)必要に応じて、一般的な条件を用いて前記置換メトキシベンゾチオフェンをアルキル化して、(C−C)アルキル基又は(C−C12)シクロアルキル基を有する対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
5)工程3)又は工程4)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンを、一般的な条件を用いて三臭化ホウ素により脱保護し、
6)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウムとアミドクロロスルホン酸を用いた処理、又は、ジメチルアセトアミド中スルファモイルクロライドとの反応によって対応のスルファメートに変換し、
7)必要に応じて、得られた化合物を、一般的な条件を用いてトリフルオロ酢酸中で過酸化水素によって酸化する
工程からなる方法によって得ることができるスルファメートベンゾチオフェン誘導体。
【請求項2】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中シクロヘキサノンと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)工程3)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
5)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ128℃の融点を示す誘導体。
【請求項3】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中シクロヘキサノンと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)工程3)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
5)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換し、
6)得られた化合物を、トリフルオロ酢酸及びジクロロメタン中で1.05当量の過酸化水素によって酸化する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ110℃の融点を示す誘導体。
【請求項4】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中シクロデカノンと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)工程3)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
5)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ98℃の融点を示す誘導体。
【請求項5】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中シクロデカノンと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)工程3)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
5)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換し、
6)得られた化合物を、トリフルオロ酢酸及びジクロロメタン中で1.05当量の過酸化水素によって酸化する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ146℃の融点を示す誘導体。
【請求項6】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中シクロヘキサノンと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)工程3)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
5)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換し、
6)得られた化合物を、トリフルオロ酢酸及びジクロロメタン中で2.2当量の過酸化水素によって酸化する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ180℃の融点を示す誘導体。
【請求項7】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中シクロヘプタノンと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)工程3)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
5)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ132℃の融点を示す誘導体。
【請求項8】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中シクロヘプタノンと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)工程3)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
5)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換し、
6)得られた化合物を、トリフルオロ酢酸及びジクロロメタン中で2.2当量の過酸化水素によって酸化する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ137℃の融点を示す誘導体。
【請求項9】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中シクロオクタノンと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)工程3)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
5)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ126℃の融点を示す誘導体。
【請求項10】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中シクロオクタノンと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)工程3)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
5)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換し、
6)得られた化合物を、トリフルオロ酢酸及びジクロロメタン中で2.2当量の過酸化水素によって酸化する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ122℃の融点を示す誘導体。
【請求項11】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中シクロデカノンと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)工程3)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
5)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換し、
6)得られた化合物を、トリフルオロ酢酸及びジクロロメタン中で2.2当量の過酸化水素によって酸化する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ102℃の融点を示す誘導体。
【請求項12】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中4−メチルシクロヘキサノンと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)工程3)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
5)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ132℃の融点を示す誘導体。
【請求項13】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中4−メチルシクロヘキサノンと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)工程3)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
5)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換し、
6)得られた化合物を、トリフルオロ酢酸及びジクロロメタン中で2.2当量の過酸化水素によって酸化する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ170℃の融点を示す誘導体。
【請求項14】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中2−メチルシクロヘキサノンと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)工程3)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
5)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ110℃の融点を示す誘導体。
【請求項15】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中2−メチルシクロヘキサノンと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)工程3)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
5)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換し、
6)得られた化合物を、トリフルオロ酢酸及びジクロロメタン中で2.2当量の過酸化水素によって酸化する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ92℃の融点を示す誘導体。
【請求項16】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中2,2−ジメチルシクロペンタノンと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)工程3)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
5)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ72℃の融点を示す誘導体。
【請求項17】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中2,2−ジメチルシクロペンタノンと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)工程3)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
5)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換し、
6)得られた化合物を、トリフルオロ酢酸及びジクロロメタン中で2.2当量の過酸化水素によって酸化する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ172℃の融点を示す誘導体。
【請求項18】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中2−アダマンタノンと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)工程3)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
5)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ185℃の融点を示す誘導体。
【請求項19】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中2−アダマンタノンと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)工程3)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
5)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換し、
6)得られた化合物を、トリフルオロ酢酸及びジクロロメタン中で2.2当量の過酸化水素によって酸化する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ230℃の融点を示す誘導体。
【請求項20】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中プロパナールと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)工程3)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
5)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ112℃の融点を示す誘導体。
【請求項21】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中プロパナールと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)工程3)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
5)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換し、
6)得られた化合物を、トリフルオロ酢酸及びジクロロメタン中で2.2当量の過酸化水素によって酸化する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ159℃の融点を示す誘導体。
【請求項22】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中ヘキサナールと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)工程3)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
5)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ125℃の融点を示す誘導体。
【請求項23】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中ヘキサナールと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)工程3)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
5)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換し、
6)得られた化合物を、トリフルオロ酢酸及びジクロロメタン中で2.2当量の過酸化水素によって酸化する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ98℃の融点を示す誘導体。
【請求項24】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中シクロヘキサンカルボキシアルデヒドと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)工程3)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
5)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ115℃の融点を示す誘導体。
【請求項25】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中シクロヘキサンカルボキシアルデヒドと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)工程3)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
5)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換し、
6)得られた化合物を、トリフルオロ酢酸及びジクロロメタン中で2.2当量の過酸化水素によって酸化する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ132℃の融点を示す誘導体。
【請求項26】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中シクロヘプタンカルボキシアルデヒドと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)工程3)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
5)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ90℃の融点を示す誘導体。
【請求項27】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中シクロヘプタンカルボキシアルデヒドと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)工程3)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
5)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換し、
6)得られた化合物を、トリフルオロ酢酸及びジクロロメタン中で2.2当量の過酸化水素によって酸化する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ135℃の融点を示す誘導体。
【請求項28】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中シクロヘプタノンと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)前記置換メトキシベンゾチオフェンと、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液との混合物に、ヨードメタンを添加することで、置換メトキシベンゾチオフェンをアルキル化して対応のメトキシベンゾチオフェンを得、
5)工程4)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
6)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ107℃の融点を示す誘導体。
【請求項29】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中シクロヘプタノンと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)前記置換メトキシベンゾチオフェンと、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液との混合物に、ヨードメタンを添加することで、置換メトキシベンゾチオフェンをアルキル化して対応のメトキシベンゾチオフェンを得、
5)工程4)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
6)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換し、
7)得られた化合物を、トリフルオロ酢酸及びジクロロメタン中で2.2当量の過酸化水素によって酸化する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ90℃の融点を示す誘導体。
【請求項30】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中シクロヘプタノンと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)前記置換メトキシベンゾチオフェンと、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液との混合物に、ブロモブタンを添加することで、置換メトキシベンゾチオフェンをアルキル化して対応のメトキシベンゾチオフェンを得、
5)工程4)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
6)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ透明な油状物である誘導体。
【請求項31】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中シクロヘプタノンと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)前記置換メトキシベンゾチオフェンと、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液との混合物に、ブロモブタンを添加することで、置換メトキシベンゾチオフェンをアルキル化して対応のメトキシベンゾチオフェンを得、
5)工程4)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
6)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換し、
7)得られた化合物を、トリフルオロ酢酸及びジクロロメタン中で2.2当量の過酸化水素によって酸化する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ透明な油状物である誘導体。
【請求項32】
請求項1記載のスルファメートベンゾチオフェン誘導体であって、実質的に
1)6−メトキシ−ベンゾチオフェン(3)を、N−ブロモスクシンイミド及びp−トルエンスルホン酸によって、対応のモノブロモ誘導体に変換し、
2)前記モノブロモ誘導体を、アルゴン下でEtO中マグネシウムを用いて有機マグネシウム臭化物に変換し、その後、これをEtO中シクロペンタノンと縮合して、標準的な条件を用いて対応のヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを得、
3)前記ヒドロキシ置換メトキシベンゾチオフェンを、アルゴン下でジクロロメタン中トリエチルシランを用いて処理し、対応の置換メトキシベンゾチオフェンを得、
4)工程3)で得られた置換メトキシベンゾチオフェンのジクロロメタン溶液を、三臭化ホウ素溶液に添加し、対応のヒドロキシベンゾチオフェンを得、
5)得られたヒドロキシ化合物を、水素化ナトリウム及びアミドクロロスルホン酸を用いた処理によって対応のスルファメートに変換する
工程からなる方法によって得ることができ、かつ110℃の融点を示す誘導体。
【請求項33】
請求項1〜32のいずれか1項に記載の化合物、及び、医薬品に許容される基材を含む医薬組成物。
【請求項34】
請求項1〜32のいずれか1項に記載の化合物を含むステロイドスルファターゼ阻害剤。
【請求項35】
エストロゲン依存性の障害を治療又は予防するための薬の製造における請求項1〜32のいずれか1項に記載の化合物の使用であって、
前記化合物を、エストロゲン阻害剤、SERM、アロマターゼ阻害剤、アンドロゲン阻害剤、リアーゼ阻害剤、プロゲスチン、及び、LH−RHアゴニスト又はアンタゴニストからなる群より選択される一種又は数種の性内分泌腺治療薬と任意に併用する
ことを特徴とする使用。
【請求項36】
良性又は悪性の乳房、子宮又は卵巣の疾患を治療又は予防するための薬の製造における請求項1〜32のいずれか1項に記載の化合物の使用であって、
前記化合物を、エストロゲン阻害剤、SERM、アロマターゼ阻害剤、アンドロゲン阻害剤、リアーゼ阻害剤、プロゲスチン、及び、LH−RHアゴニスト又はアンタゴニストからなる群より選択される一種又は数種の性内分泌腺治療薬と任意に併用する
ことを特徴とする使用。
【請求項37】
男性ホルモン依存性疾患、前立腺又は睾丸の良性又は悪性疾患を治療又は予防するための薬の製造における請求項1〜32のいずれか1項に記載の化合物の使用であって、
前記化合物を、アンドロゲン阻害剤、プロゲスチン、リアーゼ阻害剤、及び、LH−RHアゴニスト又はアンタゴニストからなる群より選択される一種又は数種の性内分泌腺治療薬と任意に併用する
ことを特徴とする使用。

【図1】
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【公開番号】特開2011−157371(P2011−157371A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−59439(P2011−59439)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【分割の表示】特願2004−571781(P2004−571781)の分割
【原出願日】平成15年5月16日(2003.5.16)
【出願人】(501130143)ラボラトワール テラメックス (6)
【Fターム(参考)】