ステント搬送システム
胆道ステントを配置するための押圧カテーテルはハブアセンブリから延びる長尺状シャフトを備える。長尺状シャフトは挿通されるルーメンを有する先端側区分と、挿通される複数のルーメンを有する基端側区分とを含む。基端側区分は、基端側区分の複数のルーメンが先端側区分のルーメンと連結するように先端側区分に固定される。基端側区分の先端部は長尺状シャフトの長手軸に対して斜角をなして形成される。付加的に、長尺状シャフトは基端側区分の複数のルーメンのうち1つ以上に接近させるサイドポートを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医療装置に関する。より詳細には本発明は体腔内にステントを搬送する場合に使用されるシステム、アセンブリ、及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療処置において、ステントは閉塞した体腔の処置や体腔の開存性の保持に使用されてきた。ステントは様々な医療の応用において使用されてもよい。ステントの好適な例は尿道ステント、脾臓ステント、血管ステント、神経血管ステント、及び胃腸ステントを含むがこれらに限定されるものではない。腎臓の処置において使用されるステントは、例えば胆道系の導管や尿管等の閉塞したルーメンをバイパスさせたり、開くために使用可能であり、通常ルーメン内に長期間にわたって配置されるように構成される。上述したステントは排水カテーテルとしても公知であるが、腎臓通路を通過する特許を受ける流れを再構築することに有用である。血管の処置において使用されるその他のステントは例えば血管の狭窄部等の閉塞部を開くことに使用可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ステントや排水カテーテルが非常に有用であることは明らかとなっている。しかしながら、ステントや排水カテーテルを体腔内に配置する場合に使用される処置及び装置のうち少なくともいずれか一方は通常非常に時間のかかるものであり、且つ/又は1回以上の装置の交換を要するものである。従って、ステントや排水カテーテルを体腔内に搬送するための向上したシステム、アセンブリ、及び/又は装置が要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は体腔内にステントを位置させるためのシステム、アセンブリ、装置、及び方法に関する。
即ち、実施例において長尺状シャフトは挿通されるルーメンを有する先端側区分と、挿通される複数のルーメンを有する多ルーメン基端側区分とを含む。先端側区分は、基端側区分の複数のルーメンがそれぞれ先端側区分のルーメンと連結するように先端側区分に固定される。多ルーメン基端側区分の先端部は斜面を形成する斜角をなして形成される。
【0005】
別例において胆道ステントを配置するための押圧カテーテルが開示される。押圧カテーテルはハブアセンブリとハブアセンブリから延びる長尺状シャフトを備える。長尺状シャフトは挿通されるルーメンを有する先端側区分と、第1のルーメン及び第2のルーメンを有する基端側区分とを含む。先端側区分は基端側区分の第1のルーメン及び第2のルーメンがそれぞれ先端側区分のルーメンと連結するように基端側区分に固定される。基端側区分の先端部は斜面を形成する斜角をなして形成される。長尺状シャフトは基端側区分の側壁を通じて延び第1のルーメンに接近させるサイドポートを更に備える。
【0006】
更なる別例において、胆道ステント搬送システムは管状部材及び張引ワイヤを有するガイドカテーテルと、ガイドカテーテルの管状部材の周囲に位置されるステントと、押圧カテーテルとを含む。押圧カテーテルは挿通されるルーメンを有する先端側区分と、第1のルーメン及び第2のルーメンを有する基端側区分とを含む。先端側区分は基端側区分の第1のルーメン及び第2のルーメンがそれぞれ先端側区分のルーメンと連結するように基端側区分に固定される。ガイドカテーテルの張引ワイヤは押圧カテーテルの基端側区分の第2のルーメン内に位置される。基端側区分の先端部は基端側区分の長手軸に対して斜角をなして形成され、斜面を形成する。
【0007】
更なる実施例において、カテーテルの長尺状シャフトを湾曲した配向に付勢するツールが開示される。ツールは本体と、固定部と、付勢部とからなる。固定部は本体から延びる第1の脚部と、本体から延びる第2の脚部とを含む。第2の脚部は第1の脚部及び第2の脚部が間に長尺状シャフトを保持すべく構成されるように第1の脚部から離間して設けられる。付勢部は本体から延びる第3の脚部を備える。第3の脚部は第1の脚部及び第2の脚部からずらして設けられ、これにより長尺状シャフトを第3の脚部に隣接して位置させることによって長尺状シャフトを湾曲した配向に付勢する。
【0008】
幾つかの実施例に関する上記の概要は、本発明の開示された実施例や実施の全てについて記載している訳ではない。本明細書の実施例は胆道ステント搬送システムを開示しているが、その他の好適な実施例は、尿管ステント、尿道ステント、脾臓ステント、血管ステント、神経血管ステント、胃腸ステント等を含み、もちろんこれらに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例におけるステント搬送システムを示す平面図。
【図2】実施例における搬送カテーテルを示す平面図。
【図3】図2の実施例における搬送カテーテルを示す断面図。
【図4】実施例における押圧カテーテルを示す平面図。
【図5】図4の実施例における押圧カテーテルの一部を示す拡大断面図。
【図5A】図5の5A−5A線における断面図。
【図5B】図5の5B−5B線における断面図。
【図6】図4の実施例における押圧カテーテルの一部の変形例を示す拡大断面図。
【図6A】図6の6A−6A線における断面図。
【図6B】図6の6B−6B線における断面図。
【図7】実施例における押圧カテーテルの一部の変形例を示す拡大断面図。
【図7A】図7の7A−7A線における断面図。
【図7B】図7の7B−7B線における断面図。
【図8】実施例における押圧カテーテルの一部の変形例を示す拡大断面図。
【図8A】図8の8A−8A線における断面図。
【図8B】図8の8B−8B線における断面図。
【図9A】ガイドワイヤをルーメンを通じてカテーテルシャフトのサイドポートから退出させることを連続して示す図。
【図9B】ガイドワイヤをルーメンを通じてカテーテルシャフトのサイドポートから退出させることを連続して示す図。
【図9C】ガイドワイヤをルーメンを通じてカテーテルシャフトのサイドポートから退出させることを連続して示す図。
【図9D】ガイドワイヤをルーメンを通じてカテーテルシャフトのサイドポートから退出させることを連続して示す図。
【図10】実施例においてカテーテルシャフトを湾曲させるツールを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、添付の図面に関して以下の様々な実施形態についての詳細な説明を鑑みてより深く理解されるであろう。
本発明は、様々な変更物や代替物へ変更可能であるが、その詳細は図面において実施例として示されており、以下に詳述される。しかしながら、本発明は、記載された特定の実施例に限定されるものではない。本発明は、その趣旨および範囲内に含まれる全ての変更物や均等物や代替物を包含するものである。
【0011】
以下に定義する用語については、請求項または本明細書のいずれかの個所に異なる定義がある場合を除き、以下の定義が適用されるものとする。
本願に記載されるすべての数字は、明示的に記載されているか否かにかかわらず、「約(about)」という語を含んでいるものとされる。「約」という語は、通常、記載された数値と同等であると当業者が判断するであろう数値の範囲(即ち、同一の機能または結果を生ずる数値の範囲)を指す。多くの場合において、「約」という語は、最も近い有効数字の周囲の数字を含むことを示す。
【0012】
指標となる数値による範囲指定を行う場合、当該範囲のすべての数値を含むものとする。(例えば、1乃至5の場合、1,1.5,2,2.75,3,3.80,4,5を含む。)
【0013】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、内容が明らかにそうではないものを示さない限りは、複数形の対象物を含むことに留意すべきである。本明細書および添付の特許請求の範囲に使用される場合において、「又は」という語は、内容が明らかにそうではないものを示さない限りは、「及び/又は」という意味で用いられる。
【0014】
以下の詳細な説明は、図面を参照して読まれるべきであり、各図面において、類似する要素には同じ符号が付されている。図面は必ずしも寸法比率が等しいものではなく、詳細な説明及び図面は、例示する実施例を表すためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。説明される実施例は例示することを意図したものに過ぎない。例示する実施例の選択された特徴は明確に言及されない場合に付加的な実施例に組み込まれてもよい。
【0015】
図1にステントを搬送するためのシステムを示す。ステント搬送システム10は製造業者又は医師によって患者の体内に挿入するに先立って組立可能であるが、ステント20と、搬送カテーテル30と、押圧カテーテル50とを備える。基端部22及び先端部24を含むステント20は搬送カテーテル30の本体32に設けられてもよい。押圧カテーテル50は押圧カテーテル50の先端部52がステント20の基端部22に隣接するように搬送カテーテル20を越えて延びてもよい。
【0016】
ステント20は金属材料やポリマー材料等の好適な材料から形成可能である。好適な金属材料はステンレス鋼、タングステン、例えばニチノール、ニッケル−クロム合金、ニッケル−クロム−鉄合金と呼ばれる形状記憶合金等のニッケル−チタン合金や、その他の好適な金属、これらの組み合わせ、或いは合金を含むが、これらに限定されるものではない。好適なポリマー材料はポリアミド、ポリエーテルブロックアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、及びコポリマー、混合体、或いはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。
【0017】
ステント20はステント20が体腔内にて移動することを防止する保持構造体を備える。例えば実施例においてステント20は第1の返し部26及び第2の返し部28の少なくともいずれか一方を備え、これらはステント20を体腔内の所望の位置に配置することを補助する。実施例において、返し部26,28は対向して配向され、これにより返し部26,28はステント20が軸方向のいずれにも移動することを防止する。別例において、ステント20は付加的な保持手段及び代替的保持手段のうち少なくともいずれか一方を備え、これらはステント20が体腔内において配置された後にずれることを防止する。
【0018】
ステント20は縫合糸等の保持具(図示しない)を使用して押圧カテーテル50に選択的に連結されてもよい。例えばDesmond III等による米国特許第6264624号明細書及びAlvarez de Toledo等による米国特許第6562024号明細書は上記保持具としての縫合糸の使用を開示する。これらの明細書はその全体がここで開示されたものとする。当業者はステント20を押圧カテーテル50に対して選択的に、且つ取り外し自在に連結すべく別の保持具が使用可能であることを認識するだろう。
【0019】
図2,3に搬送カテーテル30を更に示す。搬送カテーテル30は本体32及び張引ワイヤ34を備える。実施例において本体32は内部を通過して延びるルーメン38を有する管状部材であってもよい。実施例において張引ワイヤ34は単繊維ワイヤであっても編み込んだワイヤ等の多繊維ワイヤであってもよい。本体32及び張引ワイヤ34はそれぞれ本明細書において列挙した材料を含むポリマー材料や金属材料等の好適な材料から形成可能であるが、それらに限定されるものではない。実施例において本体32は張引ワイヤ34の材料とは非類似の材料から形成される。例えば実施例において本体32はポリマー材料から形成され、張引ワイヤ34は金属材料から形成される。本体32がポリマー材料からなり、張引ワイヤ34が金属材料からなる場合において、連結体36は本体32を張引ワイヤ34に連結させるために使用可能である。実施例において連結体36は張引ワイヤ34の金属材料に適合する金属材料からなってもよい。従って、張引ワイヤ34は取付部35にて連結体36に取り付け可能である。例えば張引ワイヤ34は連結体36に溶接、ろう接、はんだ付け等により取り付け可能である。別例において連結体36及び張引ワイヤ34は、連結体36が張引ワイヤ34と一体的となるように1つの部材からなる。図3に示すように連結体36は内部を通過して延びるルーメン39を有する管状部材であってもよい。実施例において連結体36のルーメン39は本体32のルーメン38の同軸上にあり、ガイドワイヤ等の別の医療装置を配置するために通過させる通路をなす。
【0020】
連結体36は例えば連結体36の周囲を延びる環状突起部のような1つ以上の返し部37を含む。例えば図3に示す連結体36は長手方向において互いに離間した2つの箇所に位置された2つの返し部37を備える。返し部37は連結体36の周囲全体を延びるか、或いは返し部37は例えば径方向に離間した部分にて連結体36の周囲を部分的にのみ延びてもよい。返し部37は搬送カテーテル30の本体32を連結体36に、即ち張引ワイヤ34に固定するために使用可能である。例えば本体32の基端側部分は、本体32の一部が返し部37を越えて延びるように、連結体36を越えて挿入され、基端側に移動されてもよい。
【0021】
返し部37の径方向の範囲は、返し部37が本体32に締めしろにより係合するように、本体32の内径より大きい。返し部37の配向により本体32の連結体36に対する先端側への移動が妨害され、これにより本体32が張引ワイヤ34から分離することが防止される。実施例において、熱収縮チューブ(図示しない)の長手方向の部分が連結体36に重合する本体32の周囲に位置され、この位置にて本体32を連結体36に更に強く保持するために熱収縮が生じる。
【0022】
図4に押圧カテーテル50を更に示す。押圧カテーテル50はハブアセンブリ54と、ハブアセンブリ54から先端側に延びる長尺状シャフト56とを備える。実施例において長尺状シャフト56は長尺状シャフト56の先端部52の基端側に、或いは長尺状シャフト56の別の部位に放射線不透過性マーカー55を備える。放射線不透過性マーカー55が設けられる場合に、医師が医療処置において(図1に示す)ステント20を配置することが補助される。
【0023】
長尺状シャフト56は基端側区分51及び先端側区分53等の多数の区分を含む。実施例において基端側区分51は管状部材の押し出し成形物であり、先端側区分53は基端側区分51とは区別される管状部材の押し出し成形物である。同実施例において、押し出し成形後の工程の間に基端側区分51は連結部59にて先端側区分53に取り付けられる。基端側区分51は先端側区分53に、例えば接合(例、レーザー接合)、接着剤による接着、RF溶接、圧着、熱収縮による結合等のいかなる好適な方法により取り付けられてもよい。
【0024】
実施例において基端側区分51は、先端側区分53のポリマー材料とは異なるポリマー材料から形成可能である。別例において、基端側区分51及び先端側区分53は同様なポリマー材料から形成されてもよい。実施例において基端側区分51は、先端側区分53のデュロメータ硬さとは異なるデュロメータ硬さを有してもよい。例えば基端側区分51のデュロメータ硬さは先端側区分53のデュロメータ硬さより大きくても小さくてもよい。
【0025】
実施例において基端側区分51のデュロメータ硬さはショア硬さの尺度において約60D乃至約90Dの範囲にあり、約70D乃至約80Dの範囲にあり、或いは約70D乃至約75Dの範囲にある。実施例において先端側区分53のデュロメータ硬さはショア硬さの尺度において約40D乃至約80Dの範囲にあり、約50D乃至約70Dの範囲にあり、或いは約60D乃至約70Dの範囲にある。好適な硬さの値が開示されたが、本明細書により当業者は所望の値が上述した値を逸脱する可能性があることを理解するだろう。
【0026】
実施例において2つ以上の異なる剛性からなる区分を有することが可能である。例えば実施例において長尺状シャフト56は異なる剛性からなる3つ、4つ、或いはそれ以上の区分又は領域を有してもよい。例えば実施例において長尺状シャフト56は第1のデュロメータ硬さを有する第1の区分と、第1のデュロメータ硬さより高い第2のデュロメータ硬さを有する第2の区分と、第1のデュロメータ硬さ及び第2のデュロメータ硬さより高い第3のデュロメータ硬さを有する第3の区分とを有してもよい。別例において、例えば第1のデュロメータ硬さ、第2のデュロメータ硬さ、及び第3のデュロメータ硬さより高い第4のデュロメータ硬さを有する第4の区分等の付加的な区分を備えてもよい。
【0027】
別例において、異なる剛性からなる多数の区分又は領域を備える押圧カテーテル50の長尺状シャフト56を提供すべく別の手段が使用されてもよい。例えば長尺状シャフト56の1つ以上の区分の押し出し成形において、第1のポリマーから異なる剛性を有する第2のポリマーに切り替わってもよい。これに代えて、長尺状シャフト56は長手方向に沿って材料の多数の層から形成されてもよい。従って、材料のより少ない層及びより肉薄な層のうち少なくともいずれか一方が、例えば長尺状シャフト56の隣接する領域よりも柔軟であることを要求される領域にわたって設けられてもよい。別例において、長尺状シャフト56の1つ以上の部分は共押し出し材料の編み組、コイル、ストリップ、熱収縮スリーブ、長尺状繊維、肋材等の1つ以上の補強部材により補強されてもよい。
【0028】
更なる別例において、長尺状シャフト56の1つ以上の選択部分の側壁は長尺状シャフト56の隣接部分と比較して減少した厚みを有する。従って、減少した厚みからなる1つ以上の領域は長尺状シャフト56の隣接したより厚みを有する領域と比較して剛性を有さない(即ちより大きな可撓性を有する)。更なる別例の設計事項において、長尺状シャフト56は異なる可撓性又はその他の所望の特性を有する多数の領域を備える。
【0029】
長尺状シャフト56は長尺状シャフト56の内部に接近するためのサイドポート58を備える。例えばサイドポート58はガイドワイヤを長尺状シャフト56のルーメン内に配置するためのガイドワイヤポートをなす。実施例において、サイドポート58は例えば長尺状シャフト56の薄く取り除いた部分からなる。実施例において、サイドポート58は長尺状シャフト56の基端側区分51に形成される。しかしながら別例においてサイドポート58は所望に応じて先端側区分53に形成されてもよい。
【0030】
図5は先端側区分53及び基端側区分51の間の連結部59とサイドポート58とを含む(図4に示す)押圧カテーテル50の長尺状シャフト56の一部を示す拡大断面図である。図5に示すような実施例において先端側区分53は1つのルーメンの管状部材であり、基端側区分51は2つ以上のルーメンを有する多数のルーメンの管状部材である。例えば図5に示すように、先端側区分53は基端側区分51の一部を受承するためのルーメン63を備える。更に図5Bに示すように、基端側区分51は第1のルーメン61及び第2のルーメン62を有する2つのルーメンの管状部材である。第1のルーメン61及び第2のルーメン62はそれぞれ先端側区分53のルーメン63と連結する(即ち連通する)。サイドポート58は基端側区分51の第1のルーメン61への通路となる。
【0031】
図5Aに示すように、基端側区分51は第1のルーメン61の周囲(即ち外周)が先端側区分53のルーメン63の周囲(即ち外周)に正接するように、先端側区分53のルーメン63内に位置される。付加的に、或いはこれに代えて、基端側区分51は第2のルーメン62の周囲(即ち外周)が先端側区分53のルーメン63の周囲(即ち外周)に正接するように、先端側区分53のルーメン63内に位置される。ここで使用されるように、用語「正接」は直線、曲線、又は面が接点にて別の直線、曲線、又は面に交わること、及び/又は接点にて共通する接線又は接面を共有することを示すことを意図している。
【0032】
従って図5Aに示すようにルーメン63の内側表面の周囲の湾曲部は第1のルーメン61の内側表面の周囲の湾曲部及び第2のルーメン62の内側表面の周囲の湾曲部のうち少なくともいずれか一方と交わる。ルーメン63は第1のルーメン61及び第2のルーメン62のうち少なくともいずれか一方と接点にて共通の接線又は接面を共有する。このような配向により先端側区分53のルーメン63から基端側区分51の第1のルーメン61及び第2のルーメン62のうち少なくともいずれか一方に長尺状シャフト、ガイドワイヤ等を容易に前進させることができる。
【0033】
実施例においてガイドワイヤルーメンと考えられる第1のルーメン61は長尺状シャフト56の基端部に延びる。本実施例において、押圧カテーテル50は任意によりオーバーザワイヤタイプのカテーテル(ガイドワイヤが第1のルーメン61内に位置され長尺状シャフト56の部分にわたって延びる)及び迅速交換タイプのカテーテル(ガイドワイヤが第1のルーメン61内にて押圧カテーテル50の先端側部分を通じて位置され、サイドポート58にて押圧カテーテル50を退出し、押圧カテーテル50の外部に押圧カテーテル50の一部を通過してサイドポート58の基端側に延びる)のいずれとしても使用可能である。従って、医師やその他の操作者の判断により押圧カテーテル50は迅速交換カテーテルとしてもオーバーザワイヤカテーテルとしても操作可能である。
【0034】
図5に示すように実施例において基端側区分51の先端部65は基端側区分51の長手軸に対して斜角θにて形成可能である。例えば実施例において斜角θは約10°乃至約60°の範囲、約20°乃至約50°の範囲、或いは約30°乃至約45°の範囲にある。好適な値が開示されたが、本明細書により当業者は所望の値が上述した値を逸脱する可能性があることを理解するだろう。
【0035】
基端側区分51の先端部65の斜角θはガイドワイヤを先端側区分53の1つのルーメン63から基端側区分51の第1のルーメン61に容易に配向できるように使用可能な斜面57をなす。図5Aの断面図において斜面57も先端側区分53のルーメン63を通じて示される。図9A乃至9Dを参照して斜面57の機能について更に後述する。
【0036】
図5に示すような実施例において、サイドポート58は基端側区分51及び先端側区分53の間の連結部59、即ち斜面57とは離間して設けられる。例えばサイドポート58は斜面57の基端側から距離を置いて設けられる。実施例において、サイドポート58は斜面57の基端側から約2cm乃至約10cm、約4cm乃至約6cm、或いは約5cm距離を置いて設けられる。好適な寸法が開示されたが、本明細書により当業者は所望の寸法が上述した寸法を逸脱する可能性があることを理解するだろう。サイドポート58を斜面57の基端側の箇所に設けることにより長尺状シャフト56が捩れる可能性を低減することができる。
【0037】
図5における実施例に示すように、基端側区分51の先端部65は先端側区分53のルーメン63及び先端側区分53に固定される基端側区分51の先端側部分の外側表面の内部に位置される。従って、基端側区分51の外径は先端側区分53のルーメン63に嵌入するような寸法に形成される。実施例において先端側区分53のルーメン63は先端側区分53の基端部64の基端側に段部67を有し、これにより基端側区分51の先端側部分を受承する。内側段部67は開口が設けられるか、或いは先端側区分53のより先端側の部分と比較して大きな内径を有する。従って、本実施例において、基端側区分51の外径は内側段部67の内径と同様であり、即ち先端側区分53のより先端側の部分の内径よりも大きい。
【0038】
上記実施例において、先端側区分53のルーメン63の内側壁部66、並びに基端側区分51の第1のルーメン61の内側壁部68及び基端側区分51の第2のルーメン62の内側壁部69のうち少なくともいずれか一方の間の径方向の距離は低減されるか、除去される。従って、ガイドワイヤをルーメン63を通じて基端側区分51の第1のルーメン61内に向かって基端側に前進させることを妨害し得る基端側区分51の先端部65のへりは低減されるか取り払われる。
【0039】
図5Bに示すように第1のルーメン61の外側壁部71は第2のルーメン62の外側壁部72より肉薄である。実施例において第1のルーメン61の外側壁部71は約0.075mm乃至約0.125mm(0.003インチ乃至約0.005インチ)の厚みである。好適な寸法が開示されたが、本明細書により当業者は所望の寸法が上述した寸法を逸脱する可能性があることを理解するだろう。後述するが、ずらした第1のルーメン61及び比較的肉薄な外側壁部71により、ガイドワイヤを第1のルーメン61及びサイドポート58のうち少なくともいずれか一方を通じて容易に前進させることができる。
【0040】
図6に別例における先端側区分153と基端側区分151との間の連結部159及びサイドポート158を備える長尺状シャフト156の一部を示す。多くの態様において、長尺状シャフト156の部分は図5に示す押圧カテーテル50の長尺状シャフト56の部分と同様である。例えば、基端側区分151は先端側区分153とは異なる可撓性を有する。従って、説明が重複するため図6に示す長尺状シャフト156の部分と図5に示す長尺状シャフト56の部分との類似点は繰り返しを差し控える。
【0041】
図6において斜面170はサイドポート158の基端側にて第1のルーメン161内に位置される。斜面170はガイドワイヤが第1のルーメン161を通じて長尺状シャフト156の外側にサイドポート158を通過して延びるように第1のルーメン161内に位置される。斜面170は第1のルーメン161内に位置され固定される別体の部材であってもよく、或いは斜面170はサイドポート158の形成時等に長尺状シャフト156の基端側区分151に一体的に形成されてもよい。
【0042】
基端側区分151は先端側区分153に連結部159等にて取り付けられ、これにより基端側区分151の第1のルーメン161及び第2のルーメン162はそれぞれ先端側区分153のルーメン163と連結する(即ち連通する)。付加的に、基端側区分151の先端部165は基端側区分151の長手軸に対して斜角θをなして形成される。実施例において例えば斜角θは約10°乃至約60°の範囲、約20°乃至約50°の範囲、或いは約30°乃至約45°の範囲にある。好適な値が開示されたが、本明細書により当業者は所望の値が上述した値を逸脱する可能性があることを理解するだろう。
【0043】
基端側区分151の先端部165の斜角θはガイドワイヤを先端側区分153の1つのルーメン163から基端側区分151の第1のルーメン161に容易に配向できるように使用可能な斜面157をなす。図6Aの断面図において斜面157も先端側区分153のルーメン163を通じて示される。
【0044】
図6に示す実施例において、基端側区分151の先端部165は先端側区分153の基端部164に隣接し、固定される。従って、基端側区分151の外径は先端側区分153の外径と略等しい。図6に示すように実施例において任意により熱収縮チューブの部分等の連結体175が基端側区分151及び先端側区分153の間の連結部159にわたって設けられ、これにより基端側区分151を先端側区分に更に強く固定する。
【0045】
図6に示すような実施例において、サイドポート158は基端側区分151及び先端側区分153の間の連結部159、即ち斜面157とは離間して設けられる。例えばサイドポート158は斜面157の基端側から距離を置いて設けられる。実施例において、サイドポート158は斜面157の基端側から約2cm乃至約10cm、約4cm乃至約6cm、或いは約5cm距離を置いて設けられる。好適な寸法が開示されたが、本明細書により当業者は所望の寸法が上述した寸法を逸脱する可能性があることを理解するだろう。サイドポート158を斜面157の基端側の箇所に設けることにより長尺状シャフト156が捩れる可能性を低減することができる。
【0046】
図6Aに示すように、斜面157は先端側区分153のルーメン163の一部を横断して位置される。更に、基端側区分151は第1のルーメン161の周囲(即ち外周)が先端側区分153のルーメン163の周囲(即ち外周)に正接するように、先端側区分153のルーメン163内に位置される。付加的に、或いはこれに代えて、基端側区分151は第2のルーメン162の周囲(即ち外周)が先端側区分153のルーメン163の周囲(即ち外周)に正接するように、先端側区分153のルーメン163内に位置される。ここで使用されるように、用語「正接」は直線、曲線、又は面が接点にて別の直線、曲線、又は面に交わること、及び/又は接点にて共通する接線又は接面を共有することを示すことを意図している。
【0047】
従って図6Aに示すようにルーメン163の内側表面の周囲の湾曲部は第1のルーメン161の内側表面の周囲の湾曲部及び第2のルーメン162の内側表面の周囲の湾曲部のうち少なくともいずれか一方と交わる。ルーメン163は第1のルーメン161及び第2のルーメン162のうち少なくともいずれか一方と接点にて共通の接線又は接面を共有する。このような配向により先端側区分153のルーメン163から基端側区分151の第1のルーメン161及び第2のルーメン162のうち少なくともいずれか一方に長尺状シャフト、ガイドワイヤ等を容易に前進させることができるものと理解されるであろう。
【0048】
図6Bに示すように第1のルーメン161の他第2のルーメン162も基端側区分151の長手軸からずらして設けられる。ずらした第1のルーメン161によりガイドワイヤを第1のルーメン161及びサイドポート158のうち少なくともいずれか一方を通じて容易に前進させることができる。更に図6Bにおいて斜面170は基端側区分151の第1のルーメン161を遮蔽する。
【0049】
図7に別例における先端側区分253と基端側区分251との間の連結部259を備える長尺状シャフト256の一部を示す。多くの態様において、長尺状シャフト256の部分は図5に示す押圧カテーテル50の長尺状シャフト56の部分と同様である。例えば、基端側区分251は先端側区分253とは異なる可撓性を有する。従って、説明が重複するため図7に示す長尺状シャフト256の部分と図5に示す長尺状シャフト56の部分との類似点は繰り返しを差し控える。
【0050】
図7Bに示すように、図7に示す長尺状シャフト256の基端側区分251は内部を通過するガイドワイヤを受承するためのルーメンをなす「U」字状又は「C」字状溝261及び第2のルーメン262を備える。長手方向部分に沿って、或いはその一部に沿って延びる基端側区分251の長尺状スロット280により、基端側区分251の側壁を通じて基端側区分251の「U」字状又は「C」字状溝261に接近可能となる。
【0051】
先端側区分253は内部を通過するルーメン263を有する管状部材である。基端側区分251の「U」字状又は「C」字状溝261及びルーメン262はそれぞれ先端側区分253のルーメン263と連結する(即ち連通する)。「U」字状又は「C」字状溝261により医療処置において所望に応じてガイドワイヤを選択的に「U」字状又は「C」字状溝内に保持するか、或いは「U」字状又は「C」字状溝から取り払うことができる。従って、「U」字状又は「C」字状溝261を含む押圧カテーテルは選択的にオーバーザワイヤタイプとしても迅速交換タイプとしても使用可能である。
【0052】
図7に示すように実施例において基端側区分251の先端部265は基端側区分251の長手軸に対して斜角θにて形成可能である。例えば実施例において斜角θは約10°乃至約60°の範囲、約20°乃至約50°の範囲、或いは約30°乃至約45°の範囲にある。好適な値が開示されたが、本明細書により当業者は所望の値が上述した値を逸脱する可能性があることを理解するだろう。
【0053】
基端側区分251の先端部265の斜角θはガイドワイヤを先端側区分253の1つのルーメン263から基端側区分251の「C」字状又は「U」字状溝261に容易に配向できるように使用可能な斜面257をなす。図7Aの断面図において斜面257も先端側区分253のルーメン263を通じて示される。
【0054】
図7における実施例に示すように、基端側区分251の先端部265は先端側区分253のルーメン263及び先端側区分253に固定される基端側区分251の先端側部分の外側表面の内部に位置される。従って、基端側区分251の外径は先端側区分253のルーメン263に嵌入するような寸法に形成される。実施例において先端側区分253のルーメン263は先端側区分253の基端部264の基端側に段部267を有し、これにより基端側区分251の先端部を受承する。内側段部267は開口が設けられるか、或いは先端側区分253のより先端側の部分と比較して大きな内径を有する。従って、本実施例において、基端側区分251の外径は内側段部267の内径と同様であり、即ち先端側区分253のより先端側の部分の内径よりも大きい。
【0055】
図8に別例における先端側区分353と基端側区分351との間の連結部359を備える長尺状シャフト356の一部を示す。多くの態様において、長尺状シャフト356の部分は図5に示す押圧カテーテル50の長尺状シャフト56の部分と同様である。例えば、基端側区分351は先端側区分353とは異なる可撓性を有する。従って、説明が重複するため図8に示す長尺状シャフト356の部分と図5に示す長尺状シャフト56の部分の類似点は繰り返しを差し控える。
【0056】
図8Aに示すように図8の長尺状シャフト356の先端側区分353は先端側区分353の長手方向部分に沿って、又はその一部に沿って延びる長尺状スロット382を含む管状部材を備え、これにより先端側区分353の側壁を通じて先端側区分353のルーメン363に向かって接近可能である。
【0057】
図8Bに示すように、図8に示す長尺状シャフト356の基端側区分351は内部を通過するガイドワイヤを受承するためのルーメンをなす「U」字状又は「C」字状溝6361及び第2のルーメン362を備える。長手方向部分に沿って、或いはその一部に沿って延びる基端側区分351の長尺状スロット380により、基端側区分351の側壁を通じて基端側区分351の「U」字状又は「C」字状溝361に接近可能となる。図8Aに示すように長尺状スロット380は長尺状スロット382に並んで位置される。
【0058】
「U」字状又は「C」字状溝361及びルーメン362はそれぞれ先端側区分353のルーメン363と連結する(即ち連通する)。先端側区分353の長尺状スロット382により所望に応じてガイドワイヤを選択的に先端側区分353のルーメン363の拘束から取り払うか、先端側区分353のルーメン363内に挿入することができる。付加的に、且つ/又はこれに代えて、基端側区分351の「U」字状又は「C」字状溝361により医療処置において所望に応じてガイドワイヤを選択的に「U」字状又は「C」字状溝361内に保持するか、ガイドワイヤを「U」字状又は「C」字状溝361及び先端側区分353のルーメン363のうち少なくともいずれか一方から取り払うことができる。従って、長尺状スロット380又は382及び「U」字状又は「C」字状溝361のうち少なくともいずれか一方を含む押圧カテーテルは選択的にオーバーザワイヤタイプとしても迅速交換タイプとしても使用可能である。
【0059】
図8に示すように実施例において基端側区分351の先端部365は基端側区分351の長手軸に対して斜角θにて形成可能である。例えば実施例において斜角θは約10°乃至約60°の範囲、約20°乃至約50°の範囲、或いは約30°乃至約45°の範囲にある。好適な値が開示されたが、本明細書により当業者は所望の値が上述した値を逸脱する可能性があることを理解するだろう。
【0060】
基端側区分351の先端部365の斜角θはガイドワイヤを先端側区分353の1つのルーメン363から基端側区分351の「C」字状又は「U」字状溝361に容易に配向できるように使用可能な斜面357をなす。図8Aの断面図において斜面357も先端側区分353のルーメン363を通じて示される。
【0061】
図8に開示する実施例において示すように、基端側区分351の先端部365は先端側区分353のルーメン363及び先端側区分353に固定される基端側区分351の先端側部分の外側表面の内部に位置される。従って、基端側区分351の外径は先端側区分353のルーメン363に嵌入するような寸法に形成される。実施例において先端側区分353のルーメン363は基端側区分351の先端側部分を受承するような寸法に形成される先端側区分353の基端部364に近似する内径を有する。実施例において基端側区分351の先端部365の近位の基端側区分351の先端側部分の外径は先端側区分353の基端部364の近位の先端側区分353の内径に略等しい。
【0062】
図9A乃至9Dはガイドワイヤ90を押圧カテーテル50の長尺状シャフト56を通じて前進させる一方長尺状シャフト56の湾曲部の外半径に位置されるサイドポート58において長尺状シャフト56を湾曲した配向に保持することを連続して示す図である。図示のように張引ワイヤ34は基端側区分51の第2のルーメン62及び先端側区分53のルーメン63の内部に位置される。張引ワイヤ34は長尺状シャフト56の湾曲した配向により長尺状シャフト56の湾曲部の内側半径に沿って設けられる。
【0063】
図9Aにおいてガイドワイヤ90は基端側区分51の先端部65の斜角θによってなされる斜面57に接近するが、なお先端側区分53内に十分に位置される。張引ワイヤ34の部分は先端側区分53のルーメン63を部分的に閉塞し、これによりガイドワイヤ90はルーメン63の湾曲部の径方向外側の部分に位置される。第2のルーメン62が張引ワイヤ34によって略閉塞されると、ガイドワイヤ90は第2のルーメン62に進入することを防止される。図9Aに示すように長尺状シャフト56の湾曲部によりガイドワイヤ90の案内端92は湾曲部の外半径に沿ってルーメン63の内側表面と接触する。ガイドワイヤ90が基端側区分51の斜面57に接近すると、斜面57によりガイドワイヤ90は容易に基端側区分51の第1のルーメン51内に容易に前進可能となる。
【0064】
図9Bに示すように斜面57の基端側に前進されると、ガイドワイヤ90の案内端92は更に湾曲部の外半径に沿って第1のルーメン61の内側表面に接触した状態を保持する。ガイドワイヤ90が自然な傾向により直線的な通路を前進するため、湾曲部の外半径に沿った第1のルーメン61の内側表面はガイドワイヤ90の自然な傾向を変化させてガイドワイヤ90を第1のルーメン61の湾曲部を伝って移動させる。ガイドワイヤ90が第1のルーメン61内において基端側に更に前進されると、ガイドワイヤ90の案内端92は、同様に長尺状シャフト56の湾曲部の外半径の沿って設けられるサイドポート58に至る。ガイドワイヤ90の案内端92がサイドポート58に至ると、図9Cに示すようにガイドワイヤ90はサイドポート58を通じてルーメン61を退出する。これはサイドポート58の領域を通過したため第1のルーメン61はガイドワイヤ90が直線的な通路を前進することをもはや妨害しないことによる。
【0065】
図9Dに示すようにガイドワイヤ90が長尺状シャフト56をサイドポート58を通じて退出すると、ガイドワイヤ90は更に長尺状シャフト56の外側に基端側に前進させることができる。この配置に位置された場合に、押圧カテーテル50及びガイドワイヤ90は押圧カテーテル50が迅速交換カテーテルとして使用できるように配置される。
【0066】
実施例において、押圧カテーテル50が迅速交換カテーテルとして使用される場合に略第2のルーメン62を閉塞する断面を有する張引ワイヤ34として使用される単繊維ワイヤは長尺状シャフト56の基端側部分にガイドワイヤのような剛性を付与する。ガイドワイヤ90は長尺状シャフト56の外側に位置される。従って、張引ワイヤ34はオーバーザワイヤカテーテル構造体に関連する特性を付与する(ガイドワイヤは基端側部分に剛性及び押圧性を付与する)が、迅速交換カテーテル構造体の特徴も保持する。
【0067】
押圧カテーテル50がオーバーザワイヤカテーテルとして使用されることが要求される処置において、サイドポート58を含む長尺状シャフト56の部分はガイドワイヤ90を長尺状シャフト56を通じて前進させる間に直線的な構造に保持される。従って、ガイドワイヤ90を前進させる間に、サイドポート58を通じて長尺状シャフト56を退出することに代えてガイドワイヤは基端側区分51のサイドポート58を通過し、サイドポート58の基端側に第1のルーメン61を通じて前進する。これはガイドワイヤ90が自然な傾向により直線的な通路を前進するため、ガイドワイヤ90は第1のルーメン61によって形成された直線的な通路に保持されることによる。
【0068】
図10に押圧カテーテル50の長尺状シャフト56を付勢して湾曲した配向にするために使用されるツール400を示す。ツール400は本体440と、第1の脚部410及び第2の脚部420を含む固定部450と、第3の脚部430を含む付勢部460とを備える。第1の脚部410、第2の脚部420、及び第3の脚部430はそれぞれ本体440から延びる。第1の脚部410及び第2の脚部420は第1の脚部410及び第2の脚部420が長尺状シャフト56を対向する側にて拘束するように位置される。第1の脚部410及び第2の脚部420は対向するか相互に対して僅かにずれて設けられる。第1の脚部410及び第2の脚部420は陥凹面、突出部等の湾曲部を含むか、或いは長尺状シャフト56を第1の脚部410及び第2の脚部420の間に保持するための構造体を備える。従って、実施例において第1の脚部410及び第2の脚部420は長尺状シャフト56に対して妨害するか、連結して適合する。
【0069】
第3の脚部430は第1の脚部410及び第2の脚部420とは離間して位置される。第3の脚部430は、第1の脚部410及び第2の脚部420とはずらして設けられてもよい。従って長尺状シャフト56を第3の脚部430に隣接して位置させることにより、長尺状シャフト56を付勢し、長尺状シャフト56を湾曲させる。第3の脚部430は付加的に、又はこれに代えて陥凹面、突出部等の湾曲部を備えるか、或いは長尺状シャフト56を保持する構造体を備えてもよい。
【0070】
長尺状シャフト56はサイドポート58がツール400の固定部450(即ち第1の脚部410及び第2の脚部420)及び付勢部460(即ち第3の脚部430)の間に位置されるように配置されてもよい。従って、サイドポート58は図9A乃至9Dに示すものと類似の配向に、第1の脚部410及び第2の脚部420と、第3の脚部430との間に形成される長尺状シャフト56の湾曲部の外半径に沿って位置されてもよい。従って、ガイドワイヤ90が長尺状シャフト56を通じて前進されると、図9A乃至9Dに示すように長尺状シャフト56を湾曲させるツール400によりガイドワイヤ90はサイドポート58を通じて容易に長尺状シャフト56を退出することができる。
【0071】
当業者には、本発明は、本願に記載され、意図される特定の実施例以外にも、様々な形態で実施できることが理解されるであろう。したがって、請求の範囲に記載される本発明の範囲および精神から逸脱することなく、形態および詳細を変更することができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は医療装置に関する。より詳細には本発明は体腔内にステントを搬送する場合に使用されるシステム、アセンブリ、及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療処置において、ステントは閉塞した体腔の処置や体腔の開存性の保持に使用されてきた。ステントは様々な医療の応用において使用されてもよい。ステントの好適な例は尿道ステント、脾臓ステント、血管ステント、神経血管ステント、及び胃腸ステントを含むがこれらに限定されるものではない。腎臓の処置において使用されるステントは、例えば胆道系の導管や尿管等の閉塞したルーメンをバイパスさせたり、開くために使用可能であり、通常ルーメン内に長期間にわたって配置されるように構成される。上述したステントは排水カテーテルとしても公知であるが、腎臓通路を通過する特許を受ける流れを再構築することに有用である。血管の処置において使用されるその他のステントは例えば血管の狭窄部等の閉塞部を開くことに使用可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ステントや排水カテーテルが非常に有用であることは明らかとなっている。しかしながら、ステントや排水カテーテルを体腔内に配置する場合に使用される処置及び装置のうち少なくともいずれか一方は通常非常に時間のかかるものであり、且つ/又は1回以上の装置の交換を要するものである。従って、ステントや排水カテーテルを体腔内に搬送するための向上したシステム、アセンブリ、及び/又は装置が要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は体腔内にステントを位置させるためのシステム、アセンブリ、装置、及び方法に関する。
即ち、実施例において長尺状シャフトは挿通されるルーメンを有する先端側区分と、挿通される複数のルーメンを有する多ルーメン基端側区分とを含む。先端側区分は、基端側区分の複数のルーメンがそれぞれ先端側区分のルーメンと連結するように先端側区分に固定される。多ルーメン基端側区分の先端部は斜面を形成する斜角をなして形成される。
【0005】
別例において胆道ステントを配置するための押圧カテーテルが開示される。押圧カテーテルはハブアセンブリとハブアセンブリから延びる長尺状シャフトを備える。長尺状シャフトは挿通されるルーメンを有する先端側区分と、第1のルーメン及び第2のルーメンを有する基端側区分とを含む。先端側区分は基端側区分の第1のルーメン及び第2のルーメンがそれぞれ先端側区分のルーメンと連結するように基端側区分に固定される。基端側区分の先端部は斜面を形成する斜角をなして形成される。長尺状シャフトは基端側区分の側壁を通じて延び第1のルーメンに接近させるサイドポートを更に備える。
【0006】
更なる別例において、胆道ステント搬送システムは管状部材及び張引ワイヤを有するガイドカテーテルと、ガイドカテーテルの管状部材の周囲に位置されるステントと、押圧カテーテルとを含む。押圧カテーテルは挿通されるルーメンを有する先端側区分と、第1のルーメン及び第2のルーメンを有する基端側区分とを含む。先端側区分は基端側区分の第1のルーメン及び第2のルーメンがそれぞれ先端側区分のルーメンと連結するように基端側区分に固定される。ガイドカテーテルの張引ワイヤは押圧カテーテルの基端側区分の第2のルーメン内に位置される。基端側区分の先端部は基端側区分の長手軸に対して斜角をなして形成され、斜面を形成する。
【0007】
更なる実施例において、カテーテルの長尺状シャフトを湾曲した配向に付勢するツールが開示される。ツールは本体と、固定部と、付勢部とからなる。固定部は本体から延びる第1の脚部と、本体から延びる第2の脚部とを含む。第2の脚部は第1の脚部及び第2の脚部が間に長尺状シャフトを保持すべく構成されるように第1の脚部から離間して設けられる。付勢部は本体から延びる第3の脚部を備える。第3の脚部は第1の脚部及び第2の脚部からずらして設けられ、これにより長尺状シャフトを第3の脚部に隣接して位置させることによって長尺状シャフトを湾曲した配向に付勢する。
【0008】
幾つかの実施例に関する上記の概要は、本発明の開示された実施例や実施の全てについて記載している訳ではない。本明細書の実施例は胆道ステント搬送システムを開示しているが、その他の好適な実施例は、尿管ステント、尿道ステント、脾臓ステント、血管ステント、神経血管ステント、胃腸ステント等を含み、もちろんこれらに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例におけるステント搬送システムを示す平面図。
【図2】実施例における搬送カテーテルを示す平面図。
【図3】図2の実施例における搬送カテーテルを示す断面図。
【図4】実施例における押圧カテーテルを示す平面図。
【図5】図4の実施例における押圧カテーテルの一部を示す拡大断面図。
【図5A】図5の5A−5A線における断面図。
【図5B】図5の5B−5B線における断面図。
【図6】図4の実施例における押圧カテーテルの一部の変形例を示す拡大断面図。
【図6A】図6の6A−6A線における断面図。
【図6B】図6の6B−6B線における断面図。
【図7】実施例における押圧カテーテルの一部の変形例を示す拡大断面図。
【図7A】図7の7A−7A線における断面図。
【図7B】図7の7B−7B線における断面図。
【図8】実施例における押圧カテーテルの一部の変形例を示す拡大断面図。
【図8A】図8の8A−8A線における断面図。
【図8B】図8の8B−8B線における断面図。
【図9A】ガイドワイヤをルーメンを通じてカテーテルシャフトのサイドポートから退出させることを連続して示す図。
【図9B】ガイドワイヤをルーメンを通じてカテーテルシャフトのサイドポートから退出させることを連続して示す図。
【図9C】ガイドワイヤをルーメンを通じてカテーテルシャフトのサイドポートから退出させることを連続して示す図。
【図9D】ガイドワイヤをルーメンを通じてカテーテルシャフトのサイドポートから退出させることを連続して示す図。
【図10】実施例においてカテーテルシャフトを湾曲させるツールを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、添付の図面に関して以下の様々な実施形態についての詳細な説明を鑑みてより深く理解されるであろう。
本発明は、様々な変更物や代替物へ変更可能であるが、その詳細は図面において実施例として示されており、以下に詳述される。しかしながら、本発明は、記載された特定の実施例に限定されるものではない。本発明は、その趣旨および範囲内に含まれる全ての変更物や均等物や代替物を包含するものである。
【0011】
以下に定義する用語については、請求項または本明細書のいずれかの個所に異なる定義がある場合を除き、以下の定義が適用されるものとする。
本願に記載されるすべての数字は、明示的に記載されているか否かにかかわらず、「約(about)」という語を含んでいるものとされる。「約」という語は、通常、記載された数値と同等であると当業者が判断するであろう数値の範囲(即ち、同一の機能または結果を生ずる数値の範囲)を指す。多くの場合において、「約」という語は、最も近い有効数字の周囲の数字を含むことを示す。
【0012】
指標となる数値による範囲指定を行う場合、当該範囲のすべての数値を含むものとする。(例えば、1乃至5の場合、1,1.5,2,2.75,3,3.80,4,5を含む。)
【0013】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、内容が明らかにそうではないものを示さない限りは、複数形の対象物を含むことに留意すべきである。本明細書および添付の特許請求の範囲に使用される場合において、「又は」という語は、内容が明らかにそうではないものを示さない限りは、「及び/又は」という意味で用いられる。
【0014】
以下の詳細な説明は、図面を参照して読まれるべきであり、各図面において、類似する要素には同じ符号が付されている。図面は必ずしも寸法比率が等しいものではなく、詳細な説明及び図面は、例示する実施例を表すためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。説明される実施例は例示することを意図したものに過ぎない。例示する実施例の選択された特徴は明確に言及されない場合に付加的な実施例に組み込まれてもよい。
【0015】
図1にステントを搬送するためのシステムを示す。ステント搬送システム10は製造業者又は医師によって患者の体内に挿入するに先立って組立可能であるが、ステント20と、搬送カテーテル30と、押圧カテーテル50とを備える。基端部22及び先端部24を含むステント20は搬送カテーテル30の本体32に設けられてもよい。押圧カテーテル50は押圧カテーテル50の先端部52がステント20の基端部22に隣接するように搬送カテーテル20を越えて延びてもよい。
【0016】
ステント20は金属材料やポリマー材料等の好適な材料から形成可能である。好適な金属材料はステンレス鋼、タングステン、例えばニチノール、ニッケル−クロム合金、ニッケル−クロム−鉄合金と呼ばれる形状記憶合金等のニッケル−チタン合金や、その他の好適な金属、これらの組み合わせ、或いは合金を含むが、これらに限定されるものではない。好適なポリマー材料はポリアミド、ポリエーテルブロックアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、及びコポリマー、混合体、或いはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。
【0017】
ステント20はステント20が体腔内にて移動することを防止する保持構造体を備える。例えば実施例においてステント20は第1の返し部26及び第2の返し部28の少なくともいずれか一方を備え、これらはステント20を体腔内の所望の位置に配置することを補助する。実施例において、返し部26,28は対向して配向され、これにより返し部26,28はステント20が軸方向のいずれにも移動することを防止する。別例において、ステント20は付加的な保持手段及び代替的保持手段のうち少なくともいずれか一方を備え、これらはステント20が体腔内において配置された後にずれることを防止する。
【0018】
ステント20は縫合糸等の保持具(図示しない)を使用して押圧カテーテル50に選択的に連結されてもよい。例えばDesmond III等による米国特許第6264624号明細書及びAlvarez de Toledo等による米国特許第6562024号明細書は上記保持具としての縫合糸の使用を開示する。これらの明細書はその全体がここで開示されたものとする。当業者はステント20を押圧カテーテル50に対して選択的に、且つ取り外し自在に連結すべく別の保持具が使用可能であることを認識するだろう。
【0019】
図2,3に搬送カテーテル30を更に示す。搬送カテーテル30は本体32及び張引ワイヤ34を備える。実施例において本体32は内部を通過して延びるルーメン38を有する管状部材であってもよい。実施例において張引ワイヤ34は単繊維ワイヤであっても編み込んだワイヤ等の多繊維ワイヤであってもよい。本体32及び張引ワイヤ34はそれぞれ本明細書において列挙した材料を含むポリマー材料や金属材料等の好適な材料から形成可能であるが、それらに限定されるものではない。実施例において本体32は張引ワイヤ34の材料とは非類似の材料から形成される。例えば実施例において本体32はポリマー材料から形成され、張引ワイヤ34は金属材料から形成される。本体32がポリマー材料からなり、張引ワイヤ34が金属材料からなる場合において、連結体36は本体32を張引ワイヤ34に連結させるために使用可能である。実施例において連結体36は張引ワイヤ34の金属材料に適合する金属材料からなってもよい。従って、張引ワイヤ34は取付部35にて連結体36に取り付け可能である。例えば張引ワイヤ34は連結体36に溶接、ろう接、はんだ付け等により取り付け可能である。別例において連結体36及び張引ワイヤ34は、連結体36が張引ワイヤ34と一体的となるように1つの部材からなる。図3に示すように連結体36は内部を通過して延びるルーメン39を有する管状部材であってもよい。実施例において連結体36のルーメン39は本体32のルーメン38の同軸上にあり、ガイドワイヤ等の別の医療装置を配置するために通過させる通路をなす。
【0020】
連結体36は例えば連結体36の周囲を延びる環状突起部のような1つ以上の返し部37を含む。例えば図3に示す連結体36は長手方向において互いに離間した2つの箇所に位置された2つの返し部37を備える。返し部37は連結体36の周囲全体を延びるか、或いは返し部37は例えば径方向に離間した部分にて連結体36の周囲を部分的にのみ延びてもよい。返し部37は搬送カテーテル30の本体32を連結体36に、即ち張引ワイヤ34に固定するために使用可能である。例えば本体32の基端側部分は、本体32の一部が返し部37を越えて延びるように、連結体36を越えて挿入され、基端側に移動されてもよい。
【0021】
返し部37の径方向の範囲は、返し部37が本体32に締めしろにより係合するように、本体32の内径より大きい。返し部37の配向により本体32の連結体36に対する先端側への移動が妨害され、これにより本体32が張引ワイヤ34から分離することが防止される。実施例において、熱収縮チューブ(図示しない)の長手方向の部分が連結体36に重合する本体32の周囲に位置され、この位置にて本体32を連結体36に更に強く保持するために熱収縮が生じる。
【0022】
図4に押圧カテーテル50を更に示す。押圧カテーテル50はハブアセンブリ54と、ハブアセンブリ54から先端側に延びる長尺状シャフト56とを備える。実施例において長尺状シャフト56は長尺状シャフト56の先端部52の基端側に、或いは長尺状シャフト56の別の部位に放射線不透過性マーカー55を備える。放射線不透過性マーカー55が設けられる場合に、医師が医療処置において(図1に示す)ステント20を配置することが補助される。
【0023】
長尺状シャフト56は基端側区分51及び先端側区分53等の多数の区分を含む。実施例において基端側区分51は管状部材の押し出し成形物であり、先端側区分53は基端側区分51とは区別される管状部材の押し出し成形物である。同実施例において、押し出し成形後の工程の間に基端側区分51は連結部59にて先端側区分53に取り付けられる。基端側区分51は先端側区分53に、例えば接合(例、レーザー接合)、接着剤による接着、RF溶接、圧着、熱収縮による結合等のいかなる好適な方法により取り付けられてもよい。
【0024】
実施例において基端側区分51は、先端側区分53のポリマー材料とは異なるポリマー材料から形成可能である。別例において、基端側区分51及び先端側区分53は同様なポリマー材料から形成されてもよい。実施例において基端側区分51は、先端側区分53のデュロメータ硬さとは異なるデュロメータ硬さを有してもよい。例えば基端側区分51のデュロメータ硬さは先端側区分53のデュロメータ硬さより大きくても小さくてもよい。
【0025】
実施例において基端側区分51のデュロメータ硬さはショア硬さの尺度において約60D乃至約90Dの範囲にあり、約70D乃至約80Dの範囲にあり、或いは約70D乃至約75Dの範囲にある。実施例において先端側区分53のデュロメータ硬さはショア硬さの尺度において約40D乃至約80Dの範囲にあり、約50D乃至約70Dの範囲にあり、或いは約60D乃至約70Dの範囲にある。好適な硬さの値が開示されたが、本明細書により当業者は所望の値が上述した値を逸脱する可能性があることを理解するだろう。
【0026】
実施例において2つ以上の異なる剛性からなる区分を有することが可能である。例えば実施例において長尺状シャフト56は異なる剛性からなる3つ、4つ、或いはそれ以上の区分又は領域を有してもよい。例えば実施例において長尺状シャフト56は第1のデュロメータ硬さを有する第1の区分と、第1のデュロメータ硬さより高い第2のデュロメータ硬さを有する第2の区分と、第1のデュロメータ硬さ及び第2のデュロメータ硬さより高い第3のデュロメータ硬さを有する第3の区分とを有してもよい。別例において、例えば第1のデュロメータ硬さ、第2のデュロメータ硬さ、及び第3のデュロメータ硬さより高い第4のデュロメータ硬さを有する第4の区分等の付加的な区分を備えてもよい。
【0027】
別例において、異なる剛性からなる多数の区分又は領域を備える押圧カテーテル50の長尺状シャフト56を提供すべく別の手段が使用されてもよい。例えば長尺状シャフト56の1つ以上の区分の押し出し成形において、第1のポリマーから異なる剛性を有する第2のポリマーに切り替わってもよい。これに代えて、長尺状シャフト56は長手方向に沿って材料の多数の層から形成されてもよい。従って、材料のより少ない層及びより肉薄な層のうち少なくともいずれか一方が、例えば長尺状シャフト56の隣接する領域よりも柔軟であることを要求される領域にわたって設けられてもよい。別例において、長尺状シャフト56の1つ以上の部分は共押し出し材料の編み組、コイル、ストリップ、熱収縮スリーブ、長尺状繊維、肋材等の1つ以上の補強部材により補強されてもよい。
【0028】
更なる別例において、長尺状シャフト56の1つ以上の選択部分の側壁は長尺状シャフト56の隣接部分と比較して減少した厚みを有する。従って、減少した厚みからなる1つ以上の領域は長尺状シャフト56の隣接したより厚みを有する領域と比較して剛性を有さない(即ちより大きな可撓性を有する)。更なる別例の設計事項において、長尺状シャフト56は異なる可撓性又はその他の所望の特性を有する多数の領域を備える。
【0029】
長尺状シャフト56は長尺状シャフト56の内部に接近するためのサイドポート58を備える。例えばサイドポート58はガイドワイヤを長尺状シャフト56のルーメン内に配置するためのガイドワイヤポートをなす。実施例において、サイドポート58は例えば長尺状シャフト56の薄く取り除いた部分からなる。実施例において、サイドポート58は長尺状シャフト56の基端側区分51に形成される。しかしながら別例においてサイドポート58は所望に応じて先端側区分53に形成されてもよい。
【0030】
図5は先端側区分53及び基端側区分51の間の連結部59とサイドポート58とを含む(図4に示す)押圧カテーテル50の長尺状シャフト56の一部を示す拡大断面図である。図5に示すような実施例において先端側区分53は1つのルーメンの管状部材であり、基端側区分51は2つ以上のルーメンを有する多数のルーメンの管状部材である。例えば図5に示すように、先端側区分53は基端側区分51の一部を受承するためのルーメン63を備える。更に図5Bに示すように、基端側区分51は第1のルーメン61及び第2のルーメン62を有する2つのルーメンの管状部材である。第1のルーメン61及び第2のルーメン62はそれぞれ先端側区分53のルーメン63と連結する(即ち連通する)。サイドポート58は基端側区分51の第1のルーメン61への通路となる。
【0031】
図5Aに示すように、基端側区分51は第1のルーメン61の周囲(即ち外周)が先端側区分53のルーメン63の周囲(即ち外周)に正接するように、先端側区分53のルーメン63内に位置される。付加的に、或いはこれに代えて、基端側区分51は第2のルーメン62の周囲(即ち外周)が先端側区分53のルーメン63の周囲(即ち外周)に正接するように、先端側区分53のルーメン63内に位置される。ここで使用されるように、用語「正接」は直線、曲線、又は面が接点にて別の直線、曲線、又は面に交わること、及び/又は接点にて共通する接線又は接面を共有することを示すことを意図している。
【0032】
従って図5Aに示すようにルーメン63の内側表面の周囲の湾曲部は第1のルーメン61の内側表面の周囲の湾曲部及び第2のルーメン62の内側表面の周囲の湾曲部のうち少なくともいずれか一方と交わる。ルーメン63は第1のルーメン61及び第2のルーメン62のうち少なくともいずれか一方と接点にて共通の接線又は接面を共有する。このような配向により先端側区分53のルーメン63から基端側区分51の第1のルーメン61及び第2のルーメン62のうち少なくともいずれか一方に長尺状シャフト、ガイドワイヤ等を容易に前進させることができる。
【0033】
実施例においてガイドワイヤルーメンと考えられる第1のルーメン61は長尺状シャフト56の基端部に延びる。本実施例において、押圧カテーテル50は任意によりオーバーザワイヤタイプのカテーテル(ガイドワイヤが第1のルーメン61内に位置され長尺状シャフト56の部分にわたって延びる)及び迅速交換タイプのカテーテル(ガイドワイヤが第1のルーメン61内にて押圧カテーテル50の先端側部分を通じて位置され、サイドポート58にて押圧カテーテル50を退出し、押圧カテーテル50の外部に押圧カテーテル50の一部を通過してサイドポート58の基端側に延びる)のいずれとしても使用可能である。従って、医師やその他の操作者の判断により押圧カテーテル50は迅速交換カテーテルとしてもオーバーザワイヤカテーテルとしても操作可能である。
【0034】
図5に示すように実施例において基端側区分51の先端部65は基端側区分51の長手軸に対して斜角θにて形成可能である。例えば実施例において斜角θは約10°乃至約60°の範囲、約20°乃至約50°の範囲、或いは約30°乃至約45°の範囲にある。好適な値が開示されたが、本明細書により当業者は所望の値が上述した値を逸脱する可能性があることを理解するだろう。
【0035】
基端側区分51の先端部65の斜角θはガイドワイヤを先端側区分53の1つのルーメン63から基端側区分51の第1のルーメン61に容易に配向できるように使用可能な斜面57をなす。図5Aの断面図において斜面57も先端側区分53のルーメン63を通じて示される。図9A乃至9Dを参照して斜面57の機能について更に後述する。
【0036】
図5に示すような実施例において、サイドポート58は基端側区分51及び先端側区分53の間の連結部59、即ち斜面57とは離間して設けられる。例えばサイドポート58は斜面57の基端側から距離を置いて設けられる。実施例において、サイドポート58は斜面57の基端側から約2cm乃至約10cm、約4cm乃至約6cm、或いは約5cm距離を置いて設けられる。好適な寸法が開示されたが、本明細書により当業者は所望の寸法が上述した寸法を逸脱する可能性があることを理解するだろう。サイドポート58を斜面57の基端側の箇所に設けることにより長尺状シャフト56が捩れる可能性を低減することができる。
【0037】
図5における実施例に示すように、基端側区分51の先端部65は先端側区分53のルーメン63及び先端側区分53に固定される基端側区分51の先端側部分の外側表面の内部に位置される。従って、基端側区分51の外径は先端側区分53のルーメン63に嵌入するような寸法に形成される。実施例において先端側区分53のルーメン63は先端側区分53の基端部64の基端側に段部67を有し、これにより基端側区分51の先端側部分を受承する。内側段部67は開口が設けられるか、或いは先端側区分53のより先端側の部分と比較して大きな内径を有する。従って、本実施例において、基端側区分51の外径は内側段部67の内径と同様であり、即ち先端側区分53のより先端側の部分の内径よりも大きい。
【0038】
上記実施例において、先端側区分53のルーメン63の内側壁部66、並びに基端側区分51の第1のルーメン61の内側壁部68及び基端側区分51の第2のルーメン62の内側壁部69のうち少なくともいずれか一方の間の径方向の距離は低減されるか、除去される。従って、ガイドワイヤをルーメン63を通じて基端側区分51の第1のルーメン61内に向かって基端側に前進させることを妨害し得る基端側区分51の先端部65のへりは低減されるか取り払われる。
【0039】
図5Bに示すように第1のルーメン61の外側壁部71は第2のルーメン62の外側壁部72より肉薄である。実施例において第1のルーメン61の外側壁部71は約0.075mm乃至約0.125mm(0.003インチ乃至約0.005インチ)の厚みである。好適な寸法が開示されたが、本明細書により当業者は所望の寸法が上述した寸法を逸脱する可能性があることを理解するだろう。後述するが、ずらした第1のルーメン61及び比較的肉薄な外側壁部71により、ガイドワイヤを第1のルーメン61及びサイドポート58のうち少なくともいずれか一方を通じて容易に前進させることができる。
【0040】
図6に別例における先端側区分153と基端側区分151との間の連結部159及びサイドポート158を備える長尺状シャフト156の一部を示す。多くの態様において、長尺状シャフト156の部分は図5に示す押圧カテーテル50の長尺状シャフト56の部分と同様である。例えば、基端側区分151は先端側区分153とは異なる可撓性を有する。従って、説明が重複するため図6に示す長尺状シャフト156の部分と図5に示す長尺状シャフト56の部分との類似点は繰り返しを差し控える。
【0041】
図6において斜面170はサイドポート158の基端側にて第1のルーメン161内に位置される。斜面170はガイドワイヤが第1のルーメン161を通じて長尺状シャフト156の外側にサイドポート158を通過して延びるように第1のルーメン161内に位置される。斜面170は第1のルーメン161内に位置され固定される別体の部材であってもよく、或いは斜面170はサイドポート158の形成時等に長尺状シャフト156の基端側区分151に一体的に形成されてもよい。
【0042】
基端側区分151は先端側区分153に連結部159等にて取り付けられ、これにより基端側区分151の第1のルーメン161及び第2のルーメン162はそれぞれ先端側区分153のルーメン163と連結する(即ち連通する)。付加的に、基端側区分151の先端部165は基端側区分151の長手軸に対して斜角θをなして形成される。実施例において例えば斜角θは約10°乃至約60°の範囲、約20°乃至約50°の範囲、或いは約30°乃至約45°の範囲にある。好適な値が開示されたが、本明細書により当業者は所望の値が上述した値を逸脱する可能性があることを理解するだろう。
【0043】
基端側区分151の先端部165の斜角θはガイドワイヤを先端側区分153の1つのルーメン163から基端側区分151の第1のルーメン161に容易に配向できるように使用可能な斜面157をなす。図6Aの断面図において斜面157も先端側区分153のルーメン163を通じて示される。
【0044】
図6に示す実施例において、基端側区分151の先端部165は先端側区分153の基端部164に隣接し、固定される。従って、基端側区分151の外径は先端側区分153の外径と略等しい。図6に示すように実施例において任意により熱収縮チューブの部分等の連結体175が基端側区分151及び先端側区分153の間の連結部159にわたって設けられ、これにより基端側区分151を先端側区分に更に強く固定する。
【0045】
図6に示すような実施例において、サイドポート158は基端側区分151及び先端側区分153の間の連結部159、即ち斜面157とは離間して設けられる。例えばサイドポート158は斜面157の基端側から距離を置いて設けられる。実施例において、サイドポート158は斜面157の基端側から約2cm乃至約10cm、約4cm乃至約6cm、或いは約5cm距離を置いて設けられる。好適な寸法が開示されたが、本明細書により当業者は所望の寸法が上述した寸法を逸脱する可能性があることを理解するだろう。サイドポート158を斜面157の基端側の箇所に設けることにより長尺状シャフト156が捩れる可能性を低減することができる。
【0046】
図6Aに示すように、斜面157は先端側区分153のルーメン163の一部を横断して位置される。更に、基端側区分151は第1のルーメン161の周囲(即ち外周)が先端側区分153のルーメン163の周囲(即ち外周)に正接するように、先端側区分153のルーメン163内に位置される。付加的に、或いはこれに代えて、基端側区分151は第2のルーメン162の周囲(即ち外周)が先端側区分153のルーメン163の周囲(即ち外周)に正接するように、先端側区分153のルーメン163内に位置される。ここで使用されるように、用語「正接」は直線、曲線、又は面が接点にて別の直線、曲線、又は面に交わること、及び/又は接点にて共通する接線又は接面を共有することを示すことを意図している。
【0047】
従って図6Aに示すようにルーメン163の内側表面の周囲の湾曲部は第1のルーメン161の内側表面の周囲の湾曲部及び第2のルーメン162の内側表面の周囲の湾曲部のうち少なくともいずれか一方と交わる。ルーメン163は第1のルーメン161及び第2のルーメン162のうち少なくともいずれか一方と接点にて共通の接線又は接面を共有する。このような配向により先端側区分153のルーメン163から基端側区分151の第1のルーメン161及び第2のルーメン162のうち少なくともいずれか一方に長尺状シャフト、ガイドワイヤ等を容易に前進させることができるものと理解されるであろう。
【0048】
図6Bに示すように第1のルーメン161の他第2のルーメン162も基端側区分151の長手軸からずらして設けられる。ずらした第1のルーメン161によりガイドワイヤを第1のルーメン161及びサイドポート158のうち少なくともいずれか一方を通じて容易に前進させることができる。更に図6Bにおいて斜面170は基端側区分151の第1のルーメン161を遮蔽する。
【0049】
図7に別例における先端側区分253と基端側区分251との間の連結部259を備える長尺状シャフト256の一部を示す。多くの態様において、長尺状シャフト256の部分は図5に示す押圧カテーテル50の長尺状シャフト56の部分と同様である。例えば、基端側区分251は先端側区分253とは異なる可撓性を有する。従って、説明が重複するため図7に示す長尺状シャフト256の部分と図5に示す長尺状シャフト56の部分との類似点は繰り返しを差し控える。
【0050】
図7Bに示すように、図7に示す長尺状シャフト256の基端側区分251は内部を通過するガイドワイヤを受承するためのルーメンをなす「U」字状又は「C」字状溝261及び第2のルーメン262を備える。長手方向部分に沿って、或いはその一部に沿って延びる基端側区分251の長尺状スロット280により、基端側区分251の側壁を通じて基端側区分251の「U」字状又は「C」字状溝261に接近可能となる。
【0051】
先端側区分253は内部を通過するルーメン263を有する管状部材である。基端側区分251の「U」字状又は「C」字状溝261及びルーメン262はそれぞれ先端側区分253のルーメン263と連結する(即ち連通する)。「U」字状又は「C」字状溝261により医療処置において所望に応じてガイドワイヤを選択的に「U」字状又は「C」字状溝内に保持するか、或いは「U」字状又は「C」字状溝から取り払うことができる。従って、「U」字状又は「C」字状溝261を含む押圧カテーテルは選択的にオーバーザワイヤタイプとしても迅速交換タイプとしても使用可能である。
【0052】
図7に示すように実施例において基端側区分251の先端部265は基端側区分251の長手軸に対して斜角θにて形成可能である。例えば実施例において斜角θは約10°乃至約60°の範囲、約20°乃至約50°の範囲、或いは約30°乃至約45°の範囲にある。好適な値が開示されたが、本明細書により当業者は所望の値が上述した値を逸脱する可能性があることを理解するだろう。
【0053】
基端側区分251の先端部265の斜角θはガイドワイヤを先端側区分253の1つのルーメン263から基端側区分251の「C」字状又は「U」字状溝261に容易に配向できるように使用可能な斜面257をなす。図7Aの断面図において斜面257も先端側区分253のルーメン263を通じて示される。
【0054】
図7における実施例に示すように、基端側区分251の先端部265は先端側区分253のルーメン263及び先端側区分253に固定される基端側区分251の先端側部分の外側表面の内部に位置される。従って、基端側区分251の外径は先端側区分253のルーメン263に嵌入するような寸法に形成される。実施例において先端側区分253のルーメン263は先端側区分253の基端部264の基端側に段部267を有し、これにより基端側区分251の先端部を受承する。内側段部267は開口が設けられるか、或いは先端側区分253のより先端側の部分と比較して大きな内径を有する。従って、本実施例において、基端側区分251の外径は内側段部267の内径と同様であり、即ち先端側区分253のより先端側の部分の内径よりも大きい。
【0055】
図8に別例における先端側区分353と基端側区分351との間の連結部359を備える長尺状シャフト356の一部を示す。多くの態様において、長尺状シャフト356の部分は図5に示す押圧カテーテル50の長尺状シャフト56の部分と同様である。例えば、基端側区分351は先端側区分353とは異なる可撓性を有する。従って、説明が重複するため図8に示す長尺状シャフト356の部分と図5に示す長尺状シャフト56の部分の類似点は繰り返しを差し控える。
【0056】
図8Aに示すように図8の長尺状シャフト356の先端側区分353は先端側区分353の長手方向部分に沿って、又はその一部に沿って延びる長尺状スロット382を含む管状部材を備え、これにより先端側区分353の側壁を通じて先端側区分353のルーメン363に向かって接近可能である。
【0057】
図8Bに示すように、図8に示す長尺状シャフト356の基端側区分351は内部を通過するガイドワイヤを受承するためのルーメンをなす「U」字状又は「C」字状溝6361及び第2のルーメン362を備える。長手方向部分に沿って、或いはその一部に沿って延びる基端側区分351の長尺状スロット380により、基端側区分351の側壁を通じて基端側区分351の「U」字状又は「C」字状溝361に接近可能となる。図8Aに示すように長尺状スロット380は長尺状スロット382に並んで位置される。
【0058】
「U」字状又は「C」字状溝361及びルーメン362はそれぞれ先端側区分353のルーメン363と連結する(即ち連通する)。先端側区分353の長尺状スロット382により所望に応じてガイドワイヤを選択的に先端側区分353のルーメン363の拘束から取り払うか、先端側区分353のルーメン363内に挿入することができる。付加的に、且つ/又はこれに代えて、基端側区分351の「U」字状又は「C」字状溝361により医療処置において所望に応じてガイドワイヤを選択的に「U」字状又は「C」字状溝361内に保持するか、ガイドワイヤを「U」字状又は「C」字状溝361及び先端側区分353のルーメン363のうち少なくともいずれか一方から取り払うことができる。従って、長尺状スロット380又は382及び「U」字状又は「C」字状溝361のうち少なくともいずれか一方を含む押圧カテーテルは選択的にオーバーザワイヤタイプとしても迅速交換タイプとしても使用可能である。
【0059】
図8に示すように実施例において基端側区分351の先端部365は基端側区分351の長手軸に対して斜角θにて形成可能である。例えば実施例において斜角θは約10°乃至約60°の範囲、約20°乃至約50°の範囲、或いは約30°乃至約45°の範囲にある。好適な値が開示されたが、本明細書により当業者は所望の値が上述した値を逸脱する可能性があることを理解するだろう。
【0060】
基端側区分351の先端部365の斜角θはガイドワイヤを先端側区分353の1つのルーメン363から基端側区分351の「C」字状又は「U」字状溝361に容易に配向できるように使用可能な斜面357をなす。図8Aの断面図において斜面357も先端側区分353のルーメン363を通じて示される。
【0061】
図8に開示する実施例において示すように、基端側区分351の先端部365は先端側区分353のルーメン363及び先端側区分353に固定される基端側区分351の先端側部分の外側表面の内部に位置される。従って、基端側区分351の外径は先端側区分353のルーメン363に嵌入するような寸法に形成される。実施例において先端側区分353のルーメン363は基端側区分351の先端側部分を受承するような寸法に形成される先端側区分353の基端部364に近似する内径を有する。実施例において基端側区分351の先端部365の近位の基端側区分351の先端側部分の外径は先端側区分353の基端部364の近位の先端側区分353の内径に略等しい。
【0062】
図9A乃至9Dはガイドワイヤ90を押圧カテーテル50の長尺状シャフト56を通じて前進させる一方長尺状シャフト56の湾曲部の外半径に位置されるサイドポート58において長尺状シャフト56を湾曲した配向に保持することを連続して示す図である。図示のように張引ワイヤ34は基端側区分51の第2のルーメン62及び先端側区分53のルーメン63の内部に位置される。張引ワイヤ34は長尺状シャフト56の湾曲した配向により長尺状シャフト56の湾曲部の内側半径に沿って設けられる。
【0063】
図9Aにおいてガイドワイヤ90は基端側区分51の先端部65の斜角θによってなされる斜面57に接近するが、なお先端側区分53内に十分に位置される。張引ワイヤ34の部分は先端側区分53のルーメン63を部分的に閉塞し、これによりガイドワイヤ90はルーメン63の湾曲部の径方向外側の部分に位置される。第2のルーメン62が張引ワイヤ34によって略閉塞されると、ガイドワイヤ90は第2のルーメン62に進入することを防止される。図9Aに示すように長尺状シャフト56の湾曲部によりガイドワイヤ90の案内端92は湾曲部の外半径に沿ってルーメン63の内側表面と接触する。ガイドワイヤ90が基端側区分51の斜面57に接近すると、斜面57によりガイドワイヤ90は容易に基端側区分51の第1のルーメン51内に容易に前進可能となる。
【0064】
図9Bに示すように斜面57の基端側に前進されると、ガイドワイヤ90の案内端92は更に湾曲部の外半径に沿って第1のルーメン61の内側表面に接触した状態を保持する。ガイドワイヤ90が自然な傾向により直線的な通路を前進するため、湾曲部の外半径に沿った第1のルーメン61の内側表面はガイドワイヤ90の自然な傾向を変化させてガイドワイヤ90を第1のルーメン61の湾曲部を伝って移動させる。ガイドワイヤ90が第1のルーメン61内において基端側に更に前進されると、ガイドワイヤ90の案内端92は、同様に長尺状シャフト56の湾曲部の外半径の沿って設けられるサイドポート58に至る。ガイドワイヤ90の案内端92がサイドポート58に至ると、図9Cに示すようにガイドワイヤ90はサイドポート58を通じてルーメン61を退出する。これはサイドポート58の領域を通過したため第1のルーメン61はガイドワイヤ90が直線的な通路を前進することをもはや妨害しないことによる。
【0065】
図9Dに示すようにガイドワイヤ90が長尺状シャフト56をサイドポート58を通じて退出すると、ガイドワイヤ90は更に長尺状シャフト56の外側に基端側に前進させることができる。この配置に位置された場合に、押圧カテーテル50及びガイドワイヤ90は押圧カテーテル50が迅速交換カテーテルとして使用できるように配置される。
【0066】
実施例において、押圧カテーテル50が迅速交換カテーテルとして使用される場合に略第2のルーメン62を閉塞する断面を有する張引ワイヤ34として使用される単繊維ワイヤは長尺状シャフト56の基端側部分にガイドワイヤのような剛性を付与する。ガイドワイヤ90は長尺状シャフト56の外側に位置される。従って、張引ワイヤ34はオーバーザワイヤカテーテル構造体に関連する特性を付与する(ガイドワイヤは基端側部分に剛性及び押圧性を付与する)が、迅速交換カテーテル構造体の特徴も保持する。
【0067】
押圧カテーテル50がオーバーザワイヤカテーテルとして使用されることが要求される処置において、サイドポート58を含む長尺状シャフト56の部分はガイドワイヤ90を長尺状シャフト56を通じて前進させる間に直線的な構造に保持される。従って、ガイドワイヤ90を前進させる間に、サイドポート58を通じて長尺状シャフト56を退出することに代えてガイドワイヤは基端側区分51のサイドポート58を通過し、サイドポート58の基端側に第1のルーメン61を通じて前進する。これはガイドワイヤ90が自然な傾向により直線的な通路を前進するため、ガイドワイヤ90は第1のルーメン61によって形成された直線的な通路に保持されることによる。
【0068】
図10に押圧カテーテル50の長尺状シャフト56を付勢して湾曲した配向にするために使用されるツール400を示す。ツール400は本体440と、第1の脚部410及び第2の脚部420を含む固定部450と、第3の脚部430を含む付勢部460とを備える。第1の脚部410、第2の脚部420、及び第3の脚部430はそれぞれ本体440から延びる。第1の脚部410及び第2の脚部420は第1の脚部410及び第2の脚部420が長尺状シャフト56を対向する側にて拘束するように位置される。第1の脚部410及び第2の脚部420は対向するか相互に対して僅かにずれて設けられる。第1の脚部410及び第2の脚部420は陥凹面、突出部等の湾曲部を含むか、或いは長尺状シャフト56を第1の脚部410及び第2の脚部420の間に保持するための構造体を備える。従って、実施例において第1の脚部410及び第2の脚部420は長尺状シャフト56に対して妨害するか、連結して適合する。
【0069】
第3の脚部430は第1の脚部410及び第2の脚部420とは離間して位置される。第3の脚部430は、第1の脚部410及び第2の脚部420とはずらして設けられてもよい。従って長尺状シャフト56を第3の脚部430に隣接して位置させることにより、長尺状シャフト56を付勢し、長尺状シャフト56を湾曲させる。第3の脚部430は付加的に、又はこれに代えて陥凹面、突出部等の湾曲部を備えるか、或いは長尺状シャフト56を保持する構造体を備えてもよい。
【0070】
長尺状シャフト56はサイドポート58がツール400の固定部450(即ち第1の脚部410及び第2の脚部420)及び付勢部460(即ち第3の脚部430)の間に位置されるように配置されてもよい。従って、サイドポート58は図9A乃至9Dに示すものと類似の配向に、第1の脚部410及び第2の脚部420と、第3の脚部430との間に形成される長尺状シャフト56の湾曲部の外半径に沿って位置されてもよい。従って、ガイドワイヤ90が長尺状シャフト56を通じて前進されると、図9A乃至9Dに示すように長尺状シャフト56を湾曲させるツール400によりガイドワイヤ90はサイドポート58を通じて容易に長尺状シャフト56を退出することができる。
【0071】
当業者には、本発明は、本願に記載され、意図される特定の実施例以外にも、様々な形態で実施できることが理解されるであろう。したがって、請求の範囲に記載される本発明の範囲および精神から逸脱することなく、形態および詳細を変更することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療処置において使用されるカテーテルシャフトであって、
基端部及び先端部、並びに両端部に貫挿されるルーメンを有する先端側区分と、
基端部、先端部、第1のルーメン及び第2のルーメンを有する多ルーメン基端側区分とを備え、同基端側区分の先端部は斜面を形成する斜角をなして形成されることと、
該先端側区分は基端側区分の第1のルーメン及び第2のルーメンが先端側区分のルーメンと連結するように基端側区分に固定されることとを特徴とするカテーテルシャフト。
【請求項2】
前記基端側区分は同基端側区分の第1のルーメンへ接近させるサイドポートを更に備えることを特徴とする請求項1に記載のカテーテルシャフト。
【請求項3】
前記サイドポートは斜面の基端側から約2cm乃至約10cm離間して設けられることを特徴とする請求項2に記載のカテーテルシャフト。
【請求項4】
前記サイドポートは斜面の基端側から約4cm乃至約6cm離間して設けられることを特徴とする請求項2に記載のカテーテルシャフト。
【請求項5】
前記基端側区分は先端側区分のルーメン内に固定されることを特徴とする請求項1に記載のカテーテルシャフト。
【請求項6】
前記先端側区分のルーメンは内側段部を備え、基端側区分の先端側部分は内側段部に位置されることを特徴とする請求項5に記載のカテーテルシャフト。
【請求項7】
前記基端側区分は外径を有し、先端側区分は該基端側区分の外径より大きな外径を有することを特徴とする請求項1に記載のカテーテルシャフト。
【請求項8】
前記基端側区分はデュロメータ硬さを有し、先端側区分は該基端側区分のデュロメータ硬さより大きなデュロメータ硬さを有することを特徴とする請求項1に記載のカテーテルシャフト。
【請求項9】
前記基端側区分はショア硬さの尺度において約70D乃至約80Dの範囲のデュロメータ硬さを有することを特徴とする請求項8に記載のカテーテルシャフト。
【請求項10】
前記先端側区分はショア硬さの尺度において約50D乃至約70Dの範囲のデュロメータ硬さを有することを特徴とする請求項8に記載のカテーテルシャフト。
【請求項11】
前記基端側区分は第1のポリマーから形成され、先端側区分は第1のポリマーとは異なる第2のポリマーから形成されることを特徴とする請求項8に記載のカテーテルシャフト。
【請求項12】
前記基端側区分の第1のルーメンは内側表面を有し、先端側区分のルーメンは内側表面を有し、該基端側区分の第1のルーメンの内側表面は先端側区分のルーメンの内側表面に正接することを特徴とする請求項1に記載のカテーテルシャフト。
【請求項13】
前記基端側区分は同基端側区分の第1のルーメンへ接近させる長尺状スロットを備えることを特徴とする請求項1に記載のカテーテルシャフト。
【請求項14】
前記先端側区分は同先端側区分のルーメンへ接近させる長尺状スロットを備えることを特徴とする請求項13に記載のカテーテルシャフト。
【請求項15】
前記基端側区分の長尺状スロットは先端側区分の長尺状スロットと並べられることを特徴とする請求項14に記載のカテーテルシャフト。
【請求項16】
胆道ステントを配置するための押圧カテーテルであって、
ハブアセンブリと、
同ハブアセンブリに固定され同ハブアセンブリから延びる長尺状シャフトとを備え、同長尺状シャフトは、
基端部及び先端部、並びに両端部に貫挿されるルーメンを有する先端側区分と、
基端部、先端部、先端部からハブアセンブリに延びる第1のルーメン、及び先端部からハブアセンブリに延びる第2のルーメンを有する基端側区分と、該基端側区分の先端部は斜面を形成する斜角をなして形成されることと、
該基端側区分の側壁を通じて延び第1のルーメンに接近させるサイドポートとを含むことと、
該先端側区分は基端側区分の第1のルーメン及び第2のルーメンが先端側区分のルーメンと連結するように基端側区分に固定されることとを特徴とする押圧カテーテル。
【請求項17】
前記長尺状シャフトの基端側区分の先端部は約20°乃至約50°の角度をなして形成されることを特徴とする請求項16に記載の押圧カテーテル。
【請求項18】
前記長尺状シャフトの基端側区分の先端部は約30°乃至約45°の角度をなして形成されることを特徴とする請求項16に記載の押圧カテーテル。
【請求項19】
前記サイドポートは斜面の基端側から約2cm乃至約10cm離間して設けられることを特徴とする請求項16に記載の押圧カテーテル。
【請求項20】
前記サイドポートは斜面の基端側から約4cm乃至約6cm離間して設けられることを特徴とする請求項16に記載の押圧カテーテル。
【請求項21】
前記先端側区分は第1の内径を有し、先端側区分は該第1の内径より大きな第2の内径を有する段部を備えることを特徴とする請求項16に記載の押圧カテーテル。
【請求項22】
前記基端側区分は先端側区分の第1の内径より大きな外径を有し、これにより基端側区分の先端側部分は先端側区分の段部内に位置されることを特徴とする請求項21に記載の押圧カテーテル。
【請求項23】
前記基端側区分の第1のルーメンは内側表面を有し、先端側区分のルーメンは内側表面を有し、該基端側区分の第1のルーメンの内側表面は先端側区分のルーメンの内側表面に正接することを特徴とする請求項16に記載の押圧カテーテル。
【請求項24】
前記基端側区分は同基端側区分の第1のルーメンへ接近させる長尺状スロットを備えることを特徴とする請求項16に記載の押圧カテーテル。
【請求項25】
前記先端側区分は同先端側区分のルーメンへ接近させる長尺状スロットを備えることを特徴とする請求項24に記載の押圧カテーテル。
【請求項26】
前記基端側区分の長尺状スロットは先端側区分の長尺状スロットと並べられることを特徴とする請求項25に記載の押圧カテーテル。
【請求項27】
管状部材及び張引ワイヤを含むガイドカテーテルと、
該ガイドカテーテルの管状部材の周囲に位置されるステントと、
押圧カテーテルとを備え、同押圧カテーテルは、
基端部及び先端部、並びに両端部に貫挿されるルーメンを有する先端側区分と、
同先端側区分から基端側に延びる基端側区分とを含むことと、同基端側区分は基端部、先端部、第1のルーメン、及び第2のルーメンを有することと、
該張引ワイヤは押圧カテーテルの基端側区分の第2のルーメン内に位置されることとを特徴とする胆道ステント搬送システム。
【請求項28】
前記基端側区分の先端部は斜面を形成する斜角をなして形成されることを特徴とする請求項27に記載の胆道ステント搬送システム。
【請求項29】
前記ガイドカテーテルの管状部材は押圧カテーテルの先端側区分のルーメンに嵌入する寸法に形成されることを特徴とする請求項27に記載の胆道ステント搬送システム。
【請求項30】
前記押圧カテーテルの基端側区分は同基端側区分の第1のルーメンへ接近させるサイドポートを更に備えることを特徴とする請求項27に記載の胆道ステント搬送システム。
【請求項31】
前記サイドポートは斜面の基端側から約2cm乃至約10cm離間して設けられることを特徴とする請求項30に記載の胆道ステント搬送システム。
【請求項32】
前記サイドポートは斜面の基端側から約4cm乃至約6cm離間して設けられることを特徴とする請求項30に記載の胆道ステント搬送システム。
【請求項33】
前記押圧カテーテルの基端側区分の先端部は約20°乃至約50°の角度をなして形成されることを特徴とする請求項27に記載の胆道ステント搬送システム。
【請求項34】
前記押圧カテーテルの基端側区分の先端部は約30°乃至約45°の角度をなして形成されることを特徴とする請求項27に記載の胆道ステント搬送システム。
【請求項35】
前記張引ワイヤは中実の単繊維ワイヤであることを特徴とする請求項27に記載の胆道ステント搬送システム。
【請求項36】
前記張引ワイヤは押圧カテーテルの基端側区分の第2のルーメンを略閉塞することを特徴とする請求項35に記載の胆道ステント搬送システム。
【請求項37】
前記基端側区分の第1のルーメンは内側表面を有し、先端側区分のルーメンは内側表面を有し、該基端側区分の第1のルーメンの内側表面は先端側区分のルーメンの内側表面に正接することを特徴とする請求項27に記載の胆道ステント搬送システム。
【請求項38】
前記基端側区分は同基端側区分の第1のルーメンへ接近させる長尺状スロットを備えることを特徴とする請求項27に記載の胆道ステント搬送システム。
【請求項39】
前記先端側区分は同先端側区分の第1のルーメンへ接近させる長尺状スロットを備えることを特徴とする請求項38に記載の胆道ステント搬送システム。
【請求項40】
前記基端側区分の長尺状スロットは先端側区分の長尺状スロットと並べられることを特徴とする請求項39に記載の胆道ステント搬送システム。
【請求項41】
カテーテルの長尺状シャフトを湾曲した配向に付勢するためのツールであって、
本体と、
固定部と、同固定部は本体から延びる第1の脚部、本体から延びる第2の脚部とを含み、第2の脚部は、第1の脚部及び第2の脚部が間に長尺状シャフトを保持すべく構成されるように第1の脚部から離間して設けられることと、
付勢部とを備え、同付勢部は本体から延びる第3の脚部を含むことと、
該第3の脚部は第1の脚部及び第2の脚部からずらして設けられ、これにより長尺状シャフトを第3の脚部に隣接して位置させることによって長尺状シャフトを湾曲した配向に付勢することとを特徴とするカテーテルの長尺状シャフトを湾曲した配向に付勢するためのツール。
【請求項42】
前記第1の脚部及び第2の脚部は相互に対向することを特徴とする請求項41に記載のツール。
【請求項43】
前記第1の脚部及び第2の脚部は相互にずれて設けられることを特徴とする請求項41に記載のツール。
【請求項44】
前記第1の脚部及び第2の脚部は長尺状シャフトに対して干渉するか、相互にロックすることを特徴とする請求項41に記載のツール。
【請求項1】
医療処置において使用されるカテーテルシャフトであって、
基端部及び先端部、並びに両端部に貫挿されるルーメンを有する先端側区分と、
基端部、先端部、第1のルーメン及び第2のルーメンを有する多ルーメン基端側区分とを備え、同基端側区分の先端部は斜面を形成する斜角をなして形成されることと、
該先端側区分は基端側区分の第1のルーメン及び第2のルーメンが先端側区分のルーメンと連結するように基端側区分に固定されることとを特徴とするカテーテルシャフト。
【請求項2】
前記基端側区分は同基端側区分の第1のルーメンへ接近させるサイドポートを更に備えることを特徴とする請求項1に記載のカテーテルシャフト。
【請求項3】
前記サイドポートは斜面の基端側から約2cm乃至約10cm離間して設けられることを特徴とする請求項2に記載のカテーテルシャフト。
【請求項4】
前記サイドポートは斜面の基端側から約4cm乃至約6cm離間して設けられることを特徴とする請求項2に記載のカテーテルシャフト。
【請求項5】
前記基端側区分は先端側区分のルーメン内に固定されることを特徴とする請求項1に記載のカテーテルシャフト。
【請求項6】
前記先端側区分のルーメンは内側段部を備え、基端側区分の先端側部分は内側段部に位置されることを特徴とする請求項5に記載のカテーテルシャフト。
【請求項7】
前記基端側区分は外径を有し、先端側区分は該基端側区分の外径より大きな外径を有することを特徴とする請求項1に記載のカテーテルシャフト。
【請求項8】
前記基端側区分はデュロメータ硬さを有し、先端側区分は該基端側区分のデュロメータ硬さより大きなデュロメータ硬さを有することを特徴とする請求項1に記載のカテーテルシャフト。
【請求項9】
前記基端側区分はショア硬さの尺度において約70D乃至約80Dの範囲のデュロメータ硬さを有することを特徴とする請求項8に記載のカテーテルシャフト。
【請求項10】
前記先端側区分はショア硬さの尺度において約50D乃至約70Dの範囲のデュロメータ硬さを有することを特徴とする請求項8に記載のカテーテルシャフト。
【請求項11】
前記基端側区分は第1のポリマーから形成され、先端側区分は第1のポリマーとは異なる第2のポリマーから形成されることを特徴とする請求項8に記載のカテーテルシャフト。
【請求項12】
前記基端側区分の第1のルーメンは内側表面を有し、先端側区分のルーメンは内側表面を有し、該基端側区分の第1のルーメンの内側表面は先端側区分のルーメンの内側表面に正接することを特徴とする請求項1に記載のカテーテルシャフト。
【請求項13】
前記基端側区分は同基端側区分の第1のルーメンへ接近させる長尺状スロットを備えることを特徴とする請求項1に記載のカテーテルシャフト。
【請求項14】
前記先端側区分は同先端側区分のルーメンへ接近させる長尺状スロットを備えることを特徴とする請求項13に記載のカテーテルシャフト。
【請求項15】
前記基端側区分の長尺状スロットは先端側区分の長尺状スロットと並べられることを特徴とする請求項14に記載のカテーテルシャフト。
【請求項16】
胆道ステントを配置するための押圧カテーテルであって、
ハブアセンブリと、
同ハブアセンブリに固定され同ハブアセンブリから延びる長尺状シャフトとを備え、同長尺状シャフトは、
基端部及び先端部、並びに両端部に貫挿されるルーメンを有する先端側区分と、
基端部、先端部、先端部からハブアセンブリに延びる第1のルーメン、及び先端部からハブアセンブリに延びる第2のルーメンを有する基端側区分と、該基端側区分の先端部は斜面を形成する斜角をなして形成されることと、
該基端側区分の側壁を通じて延び第1のルーメンに接近させるサイドポートとを含むことと、
該先端側区分は基端側区分の第1のルーメン及び第2のルーメンが先端側区分のルーメンと連結するように基端側区分に固定されることとを特徴とする押圧カテーテル。
【請求項17】
前記長尺状シャフトの基端側区分の先端部は約20°乃至約50°の角度をなして形成されることを特徴とする請求項16に記載の押圧カテーテル。
【請求項18】
前記長尺状シャフトの基端側区分の先端部は約30°乃至約45°の角度をなして形成されることを特徴とする請求項16に記載の押圧カテーテル。
【請求項19】
前記サイドポートは斜面の基端側から約2cm乃至約10cm離間して設けられることを特徴とする請求項16に記載の押圧カテーテル。
【請求項20】
前記サイドポートは斜面の基端側から約4cm乃至約6cm離間して設けられることを特徴とする請求項16に記載の押圧カテーテル。
【請求項21】
前記先端側区分は第1の内径を有し、先端側区分は該第1の内径より大きな第2の内径を有する段部を備えることを特徴とする請求項16に記載の押圧カテーテル。
【請求項22】
前記基端側区分は先端側区分の第1の内径より大きな外径を有し、これにより基端側区分の先端側部分は先端側区分の段部内に位置されることを特徴とする請求項21に記載の押圧カテーテル。
【請求項23】
前記基端側区分の第1のルーメンは内側表面を有し、先端側区分のルーメンは内側表面を有し、該基端側区分の第1のルーメンの内側表面は先端側区分のルーメンの内側表面に正接することを特徴とする請求項16に記載の押圧カテーテル。
【請求項24】
前記基端側区分は同基端側区分の第1のルーメンへ接近させる長尺状スロットを備えることを特徴とする請求項16に記載の押圧カテーテル。
【請求項25】
前記先端側区分は同先端側区分のルーメンへ接近させる長尺状スロットを備えることを特徴とする請求項24に記載の押圧カテーテル。
【請求項26】
前記基端側区分の長尺状スロットは先端側区分の長尺状スロットと並べられることを特徴とする請求項25に記載の押圧カテーテル。
【請求項27】
管状部材及び張引ワイヤを含むガイドカテーテルと、
該ガイドカテーテルの管状部材の周囲に位置されるステントと、
押圧カテーテルとを備え、同押圧カテーテルは、
基端部及び先端部、並びに両端部に貫挿されるルーメンを有する先端側区分と、
同先端側区分から基端側に延びる基端側区分とを含むことと、同基端側区分は基端部、先端部、第1のルーメン、及び第2のルーメンを有することと、
該張引ワイヤは押圧カテーテルの基端側区分の第2のルーメン内に位置されることとを特徴とする胆道ステント搬送システム。
【請求項28】
前記基端側区分の先端部は斜面を形成する斜角をなして形成されることを特徴とする請求項27に記載の胆道ステント搬送システム。
【請求項29】
前記ガイドカテーテルの管状部材は押圧カテーテルの先端側区分のルーメンに嵌入する寸法に形成されることを特徴とする請求項27に記載の胆道ステント搬送システム。
【請求項30】
前記押圧カテーテルの基端側区分は同基端側区分の第1のルーメンへ接近させるサイドポートを更に備えることを特徴とする請求項27に記載の胆道ステント搬送システム。
【請求項31】
前記サイドポートは斜面の基端側から約2cm乃至約10cm離間して設けられることを特徴とする請求項30に記載の胆道ステント搬送システム。
【請求項32】
前記サイドポートは斜面の基端側から約4cm乃至約6cm離間して設けられることを特徴とする請求項30に記載の胆道ステント搬送システム。
【請求項33】
前記押圧カテーテルの基端側区分の先端部は約20°乃至約50°の角度をなして形成されることを特徴とする請求項27に記載の胆道ステント搬送システム。
【請求項34】
前記押圧カテーテルの基端側区分の先端部は約30°乃至約45°の角度をなして形成されることを特徴とする請求項27に記載の胆道ステント搬送システム。
【請求項35】
前記張引ワイヤは中実の単繊維ワイヤであることを特徴とする請求項27に記載の胆道ステント搬送システム。
【請求項36】
前記張引ワイヤは押圧カテーテルの基端側区分の第2のルーメンを略閉塞することを特徴とする請求項35に記載の胆道ステント搬送システム。
【請求項37】
前記基端側区分の第1のルーメンは内側表面を有し、先端側区分のルーメンは内側表面を有し、該基端側区分の第1のルーメンの内側表面は先端側区分のルーメンの内側表面に正接することを特徴とする請求項27に記載の胆道ステント搬送システム。
【請求項38】
前記基端側区分は同基端側区分の第1のルーメンへ接近させる長尺状スロットを備えることを特徴とする請求項27に記載の胆道ステント搬送システム。
【請求項39】
前記先端側区分は同先端側区分の第1のルーメンへ接近させる長尺状スロットを備えることを特徴とする請求項38に記載の胆道ステント搬送システム。
【請求項40】
前記基端側区分の長尺状スロットは先端側区分の長尺状スロットと並べられることを特徴とする請求項39に記載の胆道ステント搬送システム。
【請求項41】
カテーテルの長尺状シャフトを湾曲した配向に付勢するためのツールであって、
本体と、
固定部と、同固定部は本体から延びる第1の脚部、本体から延びる第2の脚部とを含み、第2の脚部は、第1の脚部及び第2の脚部が間に長尺状シャフトを保持すべく構成されるように第1の脚部から離間して設けられることと、
付勢部とを備え、同付勢部は本体から延びる第3の脚部を含むことと、
該第3の脚部は第1の脚部及び第2の脚部からずらして設けられ、これにより長尺状シャフトを第3の脚部に隣接して位置させることによって長尺状シャフトを湾曲した配向に付勢することとを特徴とするカテーテルの長尺状シャフトを湾曲した配向に付勢するためのツール。
【請求項42】
前記第1の脚部及び第2の脚部は相互に対向することを特徴とする請求項41に記載のツール。
【請求項43】
前記第1の脚部及び第2の脚部は相互にずれて設けられることを特徴とする請求項41に記載のツール。
【請求項44】
前記第1の脚部及び第2の脚部は長尺状シャフトに対して干渉するか、相互にロックすることを特徴とする請求項41に記載のツール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10】
【公表番号】特表2010−515486(P2010−515486A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−544884(P2009−544884)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2007/088695
【国際公開番号】WO2008/085714
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(500332814)ボストン サイエンティフィック リミテッド (627)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2007/088695
【国際公開番号】WO2008/085714
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(500332814)ボストン サイエンティフィック リミテッド (627)
【Fターム(参考)】
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