説明

ステント

【課題】種々の体通路に使用できかつ配置、取出しおよび製造が容易なステントを提供することにある。
【解決手段】ステントは、体通路内に挿入されたときに、通路のサイズに基づいて、ステント自体が可変度合いでカールするように構成されている。これにより、単一サイズのステントを異なるサイズの通路に使用できる。ステントは、全体として長方形または他の形状にすることができる。ステントは1つ以上の材料で作ることができる。例えばステントの脊柱は、ステントの外縁部に使用される材料とは異なる材料で作ることができる。ステントの縁部は、ステントを更に操作することなくまたは何らかの機械的付加手段を用いることなく、通路内に挿入する間に脊柱に向かってカールする。ステントは、その長手方向軸線に沿って厚さおよび/または幅を変化させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、2008年9月16日付米国仮特許出願第61/097,514号(名称「ステント」)の利益を主張する。上記参照出願の開示は本願の開示の一部であり、本願に援用する。
【0002】
本発明は、広くは医療器具に関し、より詳しくはステントに関する。
【背景技術】
【0003】
ステントとして一般に知られている医療器具は、尿管、尿道、胆管、血管、気管、冠状動脈、胃腸管および食道のような損傷を受けた体通路(管腔)を補強および強化するのに使用されている。例えば血管は、病気その他の原因により圧縮され、広げられ、部分的に閉塞されまたは損傷を受けることがある。血管の動脈瘤または狭窄は、しばしば、損傷を受けた領域の血管壁を強化するステントを必要とする。ステントはまた、静脈または動脈のような血管の屈曲または閉塞の防止および拡張その他の治療後の圧縮の防止にも使用できる。
【0004】
ステントは、大まかに2つの主なカテゴリ、すなわちバルーン拡大ステントおよび自己拡大ステントに分類される。バルーン拡大ステントの場合、ステントの材料がバルーンの膨張により変形され、このためバルーンが収縮された後、ステントは配置された状態を維持する。このようなステントは、容易に配給(デリバリ)できるように圧縮された状態すなわちデリバリ状態に製造され、体通路内に入ったときに配置状態に拡大される。
【0005】
自己拡大ステントはデリバリ状態で配給され、拘束デリバリシステムから解放されると、所定サイズの配置状態に拡大する。この作用は、しばしば、材料の弾性および/または形状記憶効果を用いて達成される。
【0006】
伝統的なステントは固定直径を有している。このため、病院は、個々の患者が異なるサイズの体通路を有するため、個々が異なる直径をもつ多数の在庫を維持する必要がある。また、伝統的なステントは、体通路内に嵌合させるためデリバリ状態にプリセットしておく必要があるため、体通路内に配置しかつ体通路から取出すのが困難である。伝統的なステントは、配置された後は、体通路から取出すことができるように、デリバリ状態にリセットされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、種々の体通路に使用できかつ配置、取出しおよび製造が容易なステントが要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態では、管腔内に挿入するステントが提供される。このステントは近位側部分および遠位側部分を有している。ステントは更に、近位側部分と遠位側部分との間に配置されかつ上面および下面を備えた本体部分とを有しており、下面は、本体部分が体腔内面に挿入されたときに、体腔の内面に実質的に一致する。
【0009】
他の実施形態では、管腔内に配置するための自己配置ステントが提供される。このステントは、しなやかな材料からなる本体部材を有し、該本体部材はデリバリ状態にあるときの第1断面形状と配置状態にあるときの第2断面形状との間で移動でき、第1断面形状は管腔の内径より大きい全幅を有し、本体部材は、ステントが管腔内に挿入される間に、第1断面形状から第2断面形状へと移動できる。
【0010】
更に別の実施形態では、管腔内に配置するための自己配置ステントが提供される。このステントは、本体部材を有し、該本体部材は第1断面形状と第2断面形状との間で移動でき、本体部材の第1部分が管腔内に配置されかつ第2部分が管腔外に配置されているとき、第1部分は第2断面形状を有しかつ第2部分は第1断面形状を有し、第1断面形状は管腔の内径より大きい全幅を有する。
【0011】
他の実施形態では、ステントを使用する方法が提供される。この方法は、管腔の幅より大きい全幅を有するステントを、管腔内への開口に整合させる段階を有している。この方法は更に、ステントの一部を開口を通して管腔内に押込む段階を有し、ステントが開口に入るときに、ステント全体が管腔内に挿入される前にステントの挿入部分をカールさせて、管腔の内面に実質的に一致させる段階を更に有している。
【0012】
添付図面およびステントの幾つかの実施形態を参照して、本発明の上記および他の特徴を説明する。ステントの図示の実施形態は例示であって、本発明を限定するものではない。添付図面には次の図面が含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるステントの斜視図であり、近位側部分、主本体部分および遠位側部分を示すものである。
【図2】図1のステントの近位側部分を示す拡大図である。
【図3】図1のステントの側面図である。
【図4】図1のステントの近位側部分を示す正面図である。
【図5】図1のステントの遠位側部分を示す後面図である。
【図6】図1のステントを示す平面図である。
【図7】図1のステントを示す底面図である。
【図8】図3の8−8線に沿う断面図である。
【図9】膀胱、腎臓および尿管内に配置された図1のステントを示す側面図である。
【図10】例示の通路または管腔内にステントを挿入する直前の図1のステントを示す斜視図である。
【図11】図10のステントの斜視図であり、ステントが通路に入るときに通路の内面に一致するようにカールした近位側部分を示すものである。
【図12】近位側部分および遠位側部分がそれぞれ腎臓および膀胱内に配置され、ステントが通路内に配置された後の図11のステントを示す斜視図である。
【図13】本発明の他の好ましい実施形態によるスカラップ状縁部を有するステントを示す斜視図である。
【図14】ステントが通路内に配置されかつカール状態を形成した後の図13のステントを示す斜視図である。
【図15】ステントが湾曲通路内に配置された後の図14のステントを示す斜視図である。
【図16】本発明の他の好ましい実施形態によるステントの斜視図であり、ステントの主本体部分の中心部に形成された開口を示すものである。
【図17】ステントが通路内に配置された後の図16のステントを示す底面斜視図である。
【図18】本発明の他の好ましい実施形態によるステントの斜視図であり、ステントが通路に入るときに通路の内面に一致してカールした近位側部分を示すものである。
【図19】ステントが通路に入る前のステントの部分を、図18の19−19線に沿って切断した断面図である。
【図20】ステントが通路に入った後のステントの部分を、図18の20−20線に沿って切断した断面図である。
【図21】本発明の他の好ましい実施形態によるステントの側面図であり、ステントの長手方向長さに沿って変化する厚さT1、T2を示すものである。
【図22】ステントの長手方向長さに沿って変化する厚さを有する他のステントを示す側面図である。
【図23】本発明の他の好ましい実施形態によるステントの斜視図であり、ステントの長手方向長さに沿って変化する幅W1、W2を示すものである。
【図24】本発明の他の好ましい実施形態によるステントの斜視図であり、テーパ状の近位側部分およびテーパ状の遠位側部分を示すものである。
【図25】ステントの近位側端部および遠位側端部の円錐形状を形成すべく、ステントが通路内に配置された後の図24のステントを示す斜視図である。
【図26】本発明の他の好ましい実施形態によるステントの斜視図であり、通路からのステントの取出しを容易にすべく縫合糸または他の構造物を受入れるように構成されたタブまたは孔を示すものである。
【図27】縫合糸ではなくフックによりステントを通路から取出している点を除き、図26と同様な図面である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の説明および例は、例示の通路または管腔に使用するものとして開示されたステントの或る実施形態を示すものである。より詳しくは、本発明の実施形態は種々の体通路に使用されるステントに関するものである。ステントは、体通路に容易に配置されかつ容易に取出されるように構成されている。ステントの実施形態は、挿入前は横方向に全体として平らな形状を有し、挿入後は全体として湾曲した形状を有するものとして示されている。しかしながら、本発明は、全体として平らな形状または幾何学的形状を有するステントに限定されるものではなく、挿入前に横方向に僅かに湾曲した形状を有するステントをも含むものである。横方向の湾曲は、ステントが挿入される通路の直径より大きく、このため、ステントが、挿入前の湾曲ステントの直径より小さい直径を形成すべくカールすることが好ましい。したがって、本発明は、平らなステントおよび湾曲ステントの両方を含むものである。
【0015】
ステントはまた、種々の直径を有する種々の体通路に使用できるように構成することもできる。しかしながら、本発明の原理は、図示のような体通路に限定されるものではない。本願の開示から当業者ならば、本願に説明するステントは、ガイドカテーテル、プッシュカテーテル、バルーンカテーテル、およびステントと組合せて使用される他の任意の装置または物品(但しこれらに限定されるものではない)を含む他の形式の医療器具および種々のサイズの医療器具にも使用できることは理解されよう。かくして、本願で説明するステントの図面および説明は、ステントの可能な用途の単なる例示である。
【0016】
ステントおよびその使用方法の実施形態について、以下に詳細に説明する。図1を参照すると、ステント5の一実施形態は、近位側部分10と、主本体部分15と、遠位側部分20とを有している。ステント5は、体通路内に配置されるように構成されている。主本体部分15は幅より大きい長さを有し、このため細長い形状を有している。近位側部分10には、通路内へのステントの挿入を容易にするテーパ状フレーム11およびガイド部分12を設けることができる。しかしながら、本発明のステントはテーパ状フレーム11を備えた実施形態に限定されるものではない。
【0017】
図示の実施形態では、近位側部分10および遠位側部分20の各々に保持湾曲部が設けられている。保持湾曲部は、挿入後にステントの移動を防止するように構成され、かつステントを選択した体腔内に係止する機能を有している。ステントを配置する手術中および医療処置中に、ステントは移動できる。保持湾曲部は、ひとたび配置されると、ステントの移動を防止できる。保持湾曲部は、体通路の開口に対する抵抗を付与し、これにより、ステントが体通路を通って移動することを防止する。
【0018】
図1に示す実施形態では、近位側部分10および遠位側部分20は、ステントを図3のような側面図で見たとき、S型保持湾曲部を自然に維持するように構成されている。近位側部分10および遠位側部分20は引っ張られると平らになるが、引っ張りから生じる力が緩められると、S型に復元する。この復元は、ステント5の材料の弾性および/または形状記憶効果により達成される。図1に示す実施形態ではS型保持湾曲部が説明されているが、当業者ならば、保持湾曲部を創出するのに種々の形状を使用できることは理解されよう。例えば豚尾状湾曲部(pig-tailed shape curved)を使用できる。図1に示すS型保持湾曲部は、使用できる形状の一つの単なる例示である。更に、ステント5にはいかなる保持湾曲部も設ける必要がなく、したがってステントの長手方向全長に沿って全体的に平らな形状にすることができる。
【0019】
ステント5の近位側部分10は、体通路内へのステントの配置を補助するように構成されている。テーパ状フレーム11は、体通路内へのステント5の挿通を容易にする。ガイド部分12は、ステント5が体通路内に挿入されるときにステント5を案内するのに使用されるガイドワイヤを受入れるように構成されている。ガイド部分12はまた、ステント5を体通路内に配置するのに使用されるプッシュカテーテルを受入れるようにも構成されている。
【0020】
ステント5は、少なくとも1種類の柔軟なおよび/またはしなやかな材料を有している。この材料は、ステント5が体通路内に挿入されるときに、材料が体通路の管腔に一致するのに充分な柔軟性を有している。この材料はまた、ステント5が体通路をサポートし、ある直径に体通路を維持するのに充分な剛性を有している。ステントの材料として、シリコーン、ポリウレタン、ポリエチレンブレンド、ステンレス鋼、金属、合金およびニチノール(Nitinol:登録商標)材料のうちの少なくとも1つを使用できる。ステントの材料はまた、弾性および伸縮性を有するもの、形状記憶効果を有するもの、および熱を受けると軟化するもので形成することもできる。
【0021】
ステント5の実施形態のコンポーネンツの説明を補助するため、図1に示した座標軸を基準として座標用語を説明する。「長手方向軸線(longitudinal axis)」は、ステント5の長さに対してほぼ平行である。「横方向軸線(lateral axis)」は、長手方向軸線に対して垂直でありかつステント5の長さに対してほぼ垂直である。ステント5が体通路内に配置されるとき、横方向軸線は体通路に対してほぼ垂直(すなわち、体通路の左側から体通路の右側)である。ステント5は、通路内に配置されるとき、横方向軸線に沿ってほぼ湾曲した形状を形成する。
【0022】
「縦方向軸線(transverse axis)」は、長手方向軸線および横方向軸線の両方に対して垂直に延びる。ステント5が通路内に配置されるとき、縦方向軸線は、通路の長さおよび幅に対してほぼ縦方向(すなわち、通路の頂から通路の底)になる。また、本明細書で使用するとき、「長手方向(longitudinal direction)」とは、長手方向軸線に対して実質的に平行な方向をいい、「横方向(lateral direction)」とは、横方向軸線に対して実質的に平行な方向をいい、「縦方向(transverse direction)」とは、縦方向軸線に対して実質的に平行な方向をいう。
【0023】
図2〜図8は、図1のステント5を示す種々の図面である。図2は、図1のステント5の近位側部分10を示す拡大斜視図である。近位側部分10は、テーパ状フレーム11およびガイド部分12を有している。テーパ状フレーム11の幅は、ガイド部分12に向かって徐々に減少している。この幾何学的形状により、ステント5をより容易に体通路内に挿入できるようにする尖った形状をもつテーパ状フレームが得られる。図2に最も明瞭に示すように、ガイド部分12は、孔13およびプッシュ面14を有している。一実施形態では、ステント5が体通路内に挿入されるときにステント5を案内するため、ガイドワイヤが孔13を通って供給される。ステント5を、体通路を通しかつ孔13を通るガイドワイヤに沿って押出しまたは前進させるため、プッシュカテーテルをプッシュ面14に当接させることができる。
【0024】
図3は、図1のステントを示す側面図である。図3に示す実施形態では、ステント5は、その長手方向長さに沿って均一な厚さを有している。近位側部分10は、図2に関して前述したようなテーパ状フレーム11およびガイド部分12を有している。図4は図1のステント5の正面図であり、その近位側部分10を示すものである。図5は図1のステント5の後面図であり、その遠位側部分20を示すものである。
【0025】
図6は図1のステント5を示す平面図、図7は底面図、および図8は図3の8−8線に沿う断面を正面から見た図面である。図8には、主本体部分15の断面16が示されかつステント5の近位側部分10も示されている。
【0026】
ステント5を挿入する方法を図9に関連して説明する。図9は、膀胱35、尿管30および腎臓25内に配置された図1のステント5を示す側面図である。ステント5の挿入前に、ガイドワイヤが尿道内に挿入され、次に膀胱35内に前進される。次にガイドワイヤが尿管30内に連続的に前進され、ここで、器具がステント腎臓25に到達するまで送られる。次に、ステント5のガイド部分12が、ガイドワイヤ上にバック装填される。ステント5のテーパ状フレーム11およびガイド部分12が、尿道内に挿入される。次に、プッシュカテーテルがガイドワイヤ上に装填されかつステント5のプッシュ面14に接触するまで前進される。次に、ステント5の近位側部分10が膀胱35内に挿入され、プッシュカテーテルにより尿管30を通して腎臓25内に押出される。
【0027】
重要なことは、ステント5が尿管30に入るときに、ステント5を更に全く操作することなく、またはいかなる機械的手段をも用いることなく、ステント5の断面形状が変化することである。ステント5は、尿管30に入るときに、尿管30の内径に一致する湾曲形状を形成することが好ましい。挿入位置にあるときに生じるステント5の曲率または直径の度合いは、尿管30または他の選択された通路の直径に基づいて定められる。ステント5の実施形態の一般的な特徴は、ステント5が選択された通路に入るときにステント5の断面が変化することである。
【0028】
ステント5の近位側部分10は、ステント5が膀胱35、尿管30および腎臓25内に配置されるときに押されて真直にされる(すなわち、S型保持湾曲部が真直化される)。ステント5が膀胱35、尿管30および腎臓25を通して完全に配置された後に、プッシュカテーテルが取出される。プッシュカテーテルを取出した後、ステント5の近位側部分10は、配置の間に、その真直状態からS型保持湾曲部の形状に復元する。図1において前述したように、近位側部分10の保持湾曲部およびステント5の遠位側部分20は、ステント5の移動を防止することを補助する。
【0029】
図10は、通路40内へのステント5の挿入の直前のステント5を示す斜視図である。ガイドワイヤ50が、ガイド部分12の孔13およびプッシュカテーテル60に挿通されている。ガイドワイヤ50は通路40にも挿通されている。この実施形態では、ステント5の近位側部分が通路40内に押し込まれすなわち挿入されようとするとき、近位側部分10の保持湾曲部は引っ張られて平らになっている。近位側部分10のテーパ状フレーム11は尖端部を形成しており、該尖端部は通路40内への近位側部分10の導入を容易にしかつ主本体部分15を案内する。プッシュカテーテル60は、ステント5の材料よりも剛性の大きい材料からなる中空チューブであり、通路40を通してステント5を押出すように構成されている。
【0030】
図11は、ステント5が通路40を通して配置されているところを示す斜視図である。近位側部分10並びに主本体部分15の一部が、通路40内に押込まれている。ステント5が通路40内に挿入されるときにステント5の断面がいかに変化すなわち湾曲するかの理解を容易にするため、通路40は破断した態様で示されている。図10に関連して説明したように、ステント5は、プッシュカテーテル60を用いて通路40を通して押込まれると同時にガイドワイヤ50により案内される。
【0031】
図11に示すように、ステント5は横方向縁部16を有し、該横方向縁部16は、脊柱部分すなわち中心部17の両側で長手方向軸線の少なくとも一部に沿って延びている。通路40の破断部から理解されようが、ステント5が通路40に入るとき、横方向縁部16は中心部17に向かってカールする。ステント5が通路40内に挿入されるとき、ステント5の上面または下面は通路40の内径に接触し、その形状を、通路40の管腔すなわち内面に一致させる。図示の実施形態では、主本体部分15の下面は通路40の内面41と接触して、内面41の形状すなわち直径にほぼ一致する。挿入後は、ステント5の縁部16と中心部17はオーバーラップしてもよいし、しなくてもよい。ステント5は、通路40の内面41に一致するため、少なくとも溝または部分的チャネルを形成する。ステント5の横方向幅が通路の内周より大きい場合には、通路がステント5の全横方向幅を収容するのに充分なほど拡大しないように、ステントの縁部がオーバーラップする。例えば、ステント5の横方向幅が通路の内周を超える場合には、ステントはカールしてスパイラル形状を形成し、この場合にもステント5の両縁部は互いにオーバーラップする。他の例では、ステント5の横方向幅が通路の内周より小さい場合には、ステントの下面が通路の内面に一致し、ステントはC型を形成する。他の例では、ステント5の横方向幅が通路の内周にほぼ等しい場合には、ステントの下面が通路の内面に一致して、ステントは管状を形成する。
【0032】
ステント5は、配置された状態にあるとき、ステントが通路の断面積を減少させるため、ステントが通路から取外されている場合に比べて通路を通る流れを部分的に妨げる。腎臓と膀胱との間の流体の流量は比較的少なく、このため、大きい流量が流れる通路と比較して、影響は僅かである。ステント5が配置されたときに通路を通る流量を増大させるため、ステント5の表面にコーティングまたは物質を用いることができる。
【0033】
ステント5の幅を選択することにより、通路を通る流量の低下を低減させることができる。例えば、配置されたときに、オーバーラップする縁部によりスパイラル形状を形成するステントを生じさせるステントの幅を選択するよりも、C型を形成するステントを生じさせるステントの幅を選択する方が有利である。C型形状は、スパイラル形状よりも、通路を通る流れをより多く導くことができる。
【0034】
前述のように、ステント5は少なくとも2つの異なる材料で構成でき、例えば第1材料を第2材料よりも柔軟および/またはしなやかなものとすることができる。ステント5に使用される材料は、通路40の壁によりステント5に圧力が加えられるときに変形しかつ形状を変えることができるように充分柔らかいものが好ましい。ステント5が通路40内に挿入されるとき、ステント5の下面が通路40の内面41に対して押付けられる。この結果生じた圧力により、ステント5の柔軟でしなやかな材料は形状を変えられる。主本体部分15の縁部16は通路40の内面41に一致し、中心部17に向かってカールする。このカーリングまたは内面への一致により、通路40内にあるステントの部分は全体として溝のような形状または管状形状を形成する。図示されていないが、ステント5の縁部16は、これらの縁部16が体通路40の内面41に一致するときに互いにオーバーラップする。
【0035】
本発明の実施形態によるステントは種々の利益をもたらす。例えば、ステント5が全体として平らな形状を有するため、製造が簡単化される。一般的な円形断面のステントを製造する間、ステントの内径および外径は、ステントの真円度および同心度とともに維持されなくてはならない。ステント5の実施形態の幾何学的形状には、厚さおよび幅が含まれる。かくして、ステント5は、モールディングまたは押出法を用いて低コストで作ることができる。また、ステント5は上面および下面の両方にアクセスできるため、例えば付着物腐食防止剤(encrustation inhibitor)または医薬を容易にコーティングできる。医薬の塗布層は溶解し、かつステントが体通路内に配置されるときに医薬を配給する。一般的な管状ステントでは、ステントの外径面のみをコーティングに利用できる。
【0036】
ステント5は、通路40の直径に基づいて可変量で湾曲できるため、異なるサイズを有する通路40に単一サイズのステント5を使用できる。単一サイズのステント5は、種々の異なる直径をもつ通路に使用できる。一般的な管状ステントは一定の外径を有し、患者の体通路の直径に基づいて使用される。このため、病院その他の施設は、種々の直径のステントの在庫を維持している。しかしながら、本願に開示のステント5は、上記のようにステント自体がカールまたはロールして可変直径のステントを創出し、1つのステントを種々の体通路直径に使用できるものである。
【0037】
或る実施形態によるステント5の他の長所は、ステントの材料が柔軟でしなやかであるため、体通路へのステントの容易な配置および体通路からのステントの容易な取出しが可能なことである。一般的な可変サイズのステントは、デリバリ状態で配置される。デリバリ状態では、ステントは縁部がオーバーラップするようにロールされ、ロールされたステントの直径は体通路の管腔の直径より小さい。ロールされた可変サイズのステントが管腔内に配置された後、ステントをそのロールされた状態に維持する構造が解放され、可変サイズのステントは、その材料の弾性および/または形状記憶効果により自己拡大するか、バルーンカテーテルを用いて配置状態に拡大させる。手術または医療処置が完了したならば、可変サイズのステントはデリバリ状態に再ロールされ、体通路から取出される。
【0038】
ステント5は柔軟な材料および/またはしなやかな材料で形成される。これらの材料は、前述のように、ステントを体通路の内面に一致させることができる。したがって、ステント5はデリバリ状態に予ロールしておく必要はなく、体通路内にそのまま挿入できる。また、柔軟および/またはしなやかな材料であるため、ステントを体通路から取出すのに、ステントをデリバリ状態に再ロールする必要もない。図11には示されていないが、ステントが体通路40から取出されるときに、ステント5の遠位側部分20を真直に引っ張ることができる。例えば、遠位側部分20には、フック、縫合糸または他の構造を取付けるための開口またはタブを設けることができる。フックを使用する場合には、ステント5がもはや不要になった後に、フックを膀胱内に挿入し、開口を介してステントに係止することができる。次に、フックを使用してステント5を取り出すことができる。他の実施形態では、ステント5の遠位側部分20に設けられた開口または突出部に縫合糸を取付けることができる。ステントがもはや不要になったならば、縫合糸を用いてステント5を取り出すことができる。
【0039】
図12は、通路40内に配置されたステント5を示す斜視図である。主本体部分15の縁部16は、ステント5の下面が通路40内面41に一致するように、中心部17に向かってカールされている。近位側部分10および遠位側部分20はS型保持湾曲部を有し、ステント5が通路40を通っていずれの方向にも移動しないように防止している。
【0040】
図13は、本発明の他の実施形態によるステント6を示す斜視図である。図13に示すステント6は、このステント6の縁部がスカラップ状(ホタテ貝の縁の波型)になっている点を除き図1のステント5と同じである。主本体部分15の縁部18、19は、周期的な波型を形成する一連の湾曲突出部を有している。図14は、図13に示したステント6が通路40内に配置された後の状態を示す斜視図である。縁部18、19は、波状縁部18の山が、波状縁部19の谷内に嵌合(またはこの逆の関係で嵌合)するように形成されている。
【0041】
図15は、図14に示したステント6が湾曲通路42内に配置された後の状態を示す斜視図である。両縁部18、19はステント6の主本体部分15の中心部17に向かってカールし、かつ湾曲通路42の内面43に一致している。スカラップ状縁部18、19は、ステント6が長手方向軸線に沿って湾曲形状を形成することを容易にする。
【0042】
図16は、本発明の他の実施形態によるステント7の斜視図であり、主本体部分15の中心部17内に配置された開口21を示している。図16に示すステント7は、主本体部分15に1つ以上の開口21が設けられている点を除き、図1に示したステント5と同じである。図17は、ステント7が通路40内に配置された後の状態をステント7の底部から見た斜視図である。ステント7の縁部16は、ステント7の下面が通路40の内面41に一致するように中心部17に向かってカールしている。中心部17に形成された開口21は、ステントが配置されている間に体通路を通って流れる流体のドレナージを容易にする。
【0043】
図18は、本発明の他の実施形態によるステント8を示す斜視図である。図18に示すステント8は、該ステント8が少なくとも2つの異なる材料からなる点を除き、図1に示したステント5と同じである。例えば、ステント8は、該ステント8の長手方向長さの少なくとも一部に沿って延びる1つ以上の脊柱23用の第1材料を有している。ステント8は更に第2の材料を有しており、該第2の材料は、第1の材料よりフレキシブルであり、脊柱23の一方側または両側の縁部22に使用される。図示の挿入箇所では、近位側部分10および主本体部分15の一部が通路40内に押込まれている。通路40は、該通路内でのステント8の配置状態を示すため破断して示されている。
【0044】
通路40の破断部分に示すように、ステント8の主本体部分15の縁部22は、ステント8の脊柱23に向かってカールしている。ステント8の主本体部分15の下面は、通路40の内面41に一致している。この実施形態では、縁部22が脊柱23より柔軟な材料からなり、ステント8の長さに沿って比較的剛性の大きい脊柱23を依然として維持すると同時に、縁部が湾曲形状を形成することを容易にしている。縁部22に使用される柔軟材料は、縁部22が中心部17に向かって一層容易にカールすることを可能にする。脊柱23に使用される剛性の大きい材料は、ステント8が通路40内に配置されたときに溝状または管状の形状を維持することを補助する。2種類の材料のみを示したが、当業者ならば、3種類以上の材料をステント8に使用できることは理解されよう。縁部22自体を多種類の材料で形成すること、すなわち、縁部22の縁に近い部分により柔軟な材料を使用し、脊柱23に近い部分により剛性の大きい材料を使用することができる。他の例では、脊柱23を、縁部22より柔軟な材料で形成できる。
【0045】
図19は、図18の19−19線に沿う断面図であり、ステント8が通路に入る前の部分を示すものである。縁部22および脊柱23に使用された異なる材料が、異なるクロスハッチングで示されている。図20は、図18の20−20線に沿う断面図であり、ステント8が通路に入った後の部分を示すものである。図20に最も明瞭に示すように、ステント8の下面が通路40の内面41に一致するように、縁部22がステント8の脊柱23に向かってカールしている。縁部22の柔軟な材料は、該縁部22が脊柱23に向かってカールすることを容易にし、一方、剛性の大きい脊柱23は、ステント8が通路40内に配置されている間にステント8を管状の形状に維持することを補助する。
【0046】
図21は、本発明の他の好ましい実施形態によるステント24の側面図であり、ステントの厚さT1、T2がステントの長手方向長さに沿って変化しているところを示すものである。例えば、主本体部分15は、近位側部分10および遠位側部分20の厚さT2より厚い厚さT1を有している。図22は、長手方向長さに沿って厚さが変化している他のステント25を示す側面図である。図22のステント25は、主本体部分15の厚さの方が、近位側部分10および遠位側部分20の厚さよりも薄い。主本体部分15は、近位側部分10および遠位側部分20の厚さT4よりも薄い厚さT3を有している。近位側部分10、主本体部分15および遠位側部分20の変化する厚さにより、ステントが構造を維持することが容易になり、かつステントの移動の防止を更に容易にできる。例えば、厚い主本体部分15は、ステントが通路内に配置されているときの管状構造の維持を補助する。同様に、厚い近位側部分10および厚い遠位側部分20は、ステントが配置された後にステントが移動することを防止する補助をする。図示されていないが、当業者ならばステントを3つ以上の異なる厚さにできることは容易に理解されよう。例えば、近位側部分10を第1の厚さにし、主本体部分15を第2の厚さにし、遠位側部分20を第3の厚さにすることもできる。
【0047】
図23は、本発明の他の好ましい実施形態によるステント26の斜視図であり、ステントの幅W1、W2がその長手方向長さに沿って変化しているところを示している。ステント26は、近位側部分10、主本体部分15および遠位側部分20を有している。主本体部分15は2つの異なる幅を有している。主本体部分15は、近位側部分10および遠位側部分20に向かって幅W2を有し、残部は幅W1を有している。ステント26の異なる幅は、ステントを固定位置に保持することを補助し、かつステントが体通路内に配置されているときにステントが移動することを防止する補助をする。図示されていないが、ステント26の種々の部分は、幅を異ならせることができる。例えば、ステント26の主本体部分15は、近位側部分10に向かう第1の幅、近位側部分10と遠位側部分20との間の第2の幅と、遠位側部分20に向かう第3の幅をもたせることができる。
【0048】
図24は、本発明の他の好ましい実施形態によるステント27の斜視図であり、テーパ状近位側部分28およびテーパ状遠位側部分29を示している。近位側部分28および遠位側部分29は、ステント27の端部に向かって幅広になり、中央に向かって細くなるようにテーパしている。
【0049】
図25は、通路内に配置された後の図24のステント27の斜視図であり、ステントの近位端および遠位端の両端部に円錐状の形状が形成されているところを示している。主本体部分15の両縁部は中心部に向かってカールし、全体として管状の構造を形成している。テーパ状近位側部分28およびテーパ状遠位側部分29の縁部も中心部に向かってカールし、コーンすなわち円錐状の構造を形成している。近位側部分28および遠位側部分29により形成されたコーン状の構造は、ステント27が配置されたときに、ステントの移動を防止する補助をする。コーン状構造はまた、ステントの両端部に幅広開口を創出し、これは、体通路40内への流体、医療器具および他の装置の挿入を補助する。ステント27の円錐状端部は更に、両端部間の細い部分がカールした形状を維持することを補助する。
【0050】
図26は、本発明の他の好ましい実施形態によるステント30の斜視図であり、通路からのステントの取出しを容易にする縫合糸33または他の構造を受入れるように構成されたタブ、孔または開口32を示している。開口32は遠位側部分31に配置されている。縫合糸33は、開口32に通して結ぶことにより遠位側部分31に取付けることができる。ステントがもはや不要になったならば、縫合糸33を用いてステントを体通路から引出すことができる。フックのような他の器具を用いてステントを取出すことができる。
【0051】
図27は、通路からステントを取出すのに縫合糸ではなくフック34を使用している点を除き、図26と同様な図面である。ステントが体通路から引出されるとき、遠位側部分31の保持湾曲部は引っ張られて平らになる。
【0052】
かくして、本発明による上記ステントの種々の実施形態は、手術または医療的処置の前および後に、患者の体通路の強化および維持を補助する手段を提供する。本発明のステントは容易に構成でき、かつ種々の異なる直径の体通路に対して同じステントを使用できる。本発明のステントはまた、種々の体通路に容易に配置しかつ取出すことができる。
【0053】
もちろん、本発明の任意の特定実施形態により必ずしも全ての目的または長所を達成できるものではないことは理解すべきである。かくして、例えば当業者ならば、本発明は、本願で教示しまたは示唆したようにして必ずしも他の目的または長所を達成することなく、1つの長所または一群の長所を達成しまたは最適化する方法で具現化すなわち実施できるものであることは理解されよう。
【0054】
以上、或る好ましい実施形態および例に関連して本発明を開示したが、当業者ならば、本発明が、特別に開示した実施形態を超えて他の実施形態および/または本発明の使用および本発明の種々の変更および均等物まで及ぶことは理解されよう。また、本発明の多数の変更例について詳細に示しかつ説明したが、当業者ならば、本発明の範囲内にある他の変更は、本願の開示に基づいて容易に考え得るであろう。また、本発明の実施形態の特定の特徴および長所の種々の組合せまたは細部の組合せも考え得るであろうし、それらは本発明の範囲内に包含されるものである。したがって、開示した実施形態の種々の特徴および長所は、開示された本発明の変化した態様を形成すべく互いに組合せまたは置換できるものであることを理解すべきである。かくして、本願に開示された本発明の範囲は、上記特別に開示した実施形態により制限されるものではなく、本願の開示を公正に読むことによってのみ決定されるべきものである。
【符号の説明】
【0055】
5 ステント
10 近位側部分
11 テーパ状フレーム
12 ガイド部分
15 主本体部分
20 遠位側部分
13 孔
14 プッシュ面
40 通路
60 プッシュカテーテル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位側部分と、
遠位側部分と、
近位側部分と遠位側部分との間に配置されかつ上面および下面を備えた本体部分とを有し、本体部分が体腔内面に挿入されたときに、下面が体腔の内面に実質的に一致することを特徴とする体腔内に挿入するステント。
【請求項2】
前記本体部分が、シリコーン、ポリウレタン、ポリエチレンブレンド、ステンレス鋼、金属、合金およびニチノール材料の少なくとも1つからなることを特徴とする請求項1記載のステント。
【請求項3】
前記本体部分は、デリバリ状態にあるときは実質的に平らであることを特徴とする請求項1記載のステント。
【請求項4】
前記本体部分は、デリバリ状態にある本体部分の長さに対して垂直な断面で見たときに湾曲していることを特徴とする請求項1記載のステント。
【請求項5】
前記近位側部分および遠位側部分の少なくとも一方は保持湾曲部を有していることを特徴とする請求項1記載のステント。
【請求項6】
前記管腔内へのステントの配置を容易にするように構成されたガイド部分を更に有していることを特徴とする請求項1記載のステント。
【請求項7】
前記ガイド部分はプッシュカテーテルを受入れるように構成されていることを特徴とする請求項6記載のステント。
【請求項8】
前記近位側部分は、管腔内にステントを容易に配置できるようにテーパ状になっていることを特徴とする請求項1記載のステント。
【請求項9】
前記本体部分の左側縁部および右側縁部の少なくとも一方が周期的な湾曲部を有していることを特徴とする請求項1記載のステント。
【請求項10】
前記本体部分は少なくとも1つの孔を有していることを特徴とする請求項1記載のステント。
【請求項11】
前記本体部分が少なくとも2つの材料からなり、第1材料の方が第2材料より剛性が大きいことを特徴とする請求項1記載のステント。
【請求項12】
前記本体部分は第1厚さを有し、近位側部分は第2厚さを有し、遠位側部分は第3厚さを有し、第1厚さは、第2厚さおよび第3厚さの少なくとも一方とは異なることを特徴とする請求項1記載のステント。
【請求項13】
前記本体部分の第1部分は第1幅を有し、本体部分の第2部分は第2幅を有し、第1幅は第2幅とは異なることを特徴とする請求項1記載のステント。
【請求項14】
前記遠位側部分は少なくとも1つの孔を有していることを特徴とする請求項1記載のステント。
【請求項15】
前記上面および下面の少なくとも一方に、管腔内で溶解するように投薬層が配置されていることを特徴とする請求項1記載のステント。
【請求項16】
前記本体部分は、配置状態にあるとき、C型断面を形成することを特徴とする請求項1記載のステント。
【請求項17】
前記本体部分は、配置状態にあるとき、管状の形状を形成することを特徴とする請求項1記載のステント。
【請求項18】
前記本体部分は、配置状態にあるときに、本体部分の第1縁部が本体部分の第2縁部上にオーバーラップするようなスパイラル形状を形成することを特徴とする請求項1記載のステント。
【請求項19】
管腔内に配置するための自己配置ステントにおいて、
しなやかな材料からなる本体部材を有し、該本体部材はデリバリ状態にあるときの第1断面形状と配置状態にあるときの第2断面形状との間で移動でき、第1断面形状は管腔の内径より大きい全幅を有し、本体部材は、ステントが管腔内に挿入される間に、第1断面形状から第2断面形状へと移動できることを特徴とする自己配置ステント。
【請求項20】
前記ステントは、管腔の外にあるときにデリバリ状態にあることを特徴とする請求項19記載のステント。
【請求項21】
前記ステントは、管腔内にあるときに配置状態にあることを特徴とする請求項19記載のステント。
【請求項22】
管腔内に配置するための自己配置ステントにおいて、
本体部材を有し、該本体部材は第1断面形状と第2断面形状との間で移動でき、本体部材の第1部分が管腔内に配置されかつ第2部分が管腔外に配置されているとき、第1部分は第2断面形状を有しかつ第2部分は第1断面形状を有し、第1断面形状は管腔の内径より大きい全幅を有することを特徴とする自己配置ステント。
【請求項23】
前記本体部材は、少なくともステントが管腔内に挿入されるときに第1部分と第2部分との間に配置される遷移領域を有し、該遷移領域は、ステントが管腔内に挿入されるときにステントの長さに沿って移動するが、開口と全体的に整合していることを特徴とする請求項22記載のステント。
【請求項24】
管腔の幅より大きい全幅を有するステントを、管腔内への開口に整合させる段階と、
ステントの一部を開口を通して管腔内に押込む段階と、
ステントが開口に入るときに、ステント全体が管腔内に挿入される前にステントの挿入部分をカールさせて、管腔の内面に実質的に一致させる段階とを有することを特徴とするステントの使用方法。
【請求項25】
前記ステントを管腔から取出す段階を更に有し、管腔から取出したときに、ステントのカールした部分を、管腔の幅より大きい幅に復元することを特徴とする請求項24記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公表番号】特表2012−502746(P2012−502746A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−527934(P2011−527934)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【国際出願番号】PCT/US2009/057156
【国際公開番号】WO2010/033592
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(510014755)シー.アール.バード,インコーポレイテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】C.R.BARD,INC.
【住所又は居所原語表記】Bard Medical Division,8195 Industrial Blvd.,Covington,Georgia 30014 United States of America
【Fターム(参考)】