説明

ステージのドリフト制御装置

【課題】超音波モータによってステージを一次元方向に動かす場合に、ステージ停止後のステージのドリフトを抑える。
【解決手段】1次元方向に動くステージ2に接触可能な接触部材3又はそれに連結された基材9aを一つの電極として、前記一次元方向の前又は後の位置に他の固定電極13,14を対向させて2つのコンデンサを形成し、前記2つのコンデンサに交流電圧を印加して、当該コンデンサの静電容量の変化に基づく信号を取り出し、この変化信号に基づいて、所定の停止位置にステージ2を停止させるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精密加工機械、精密測定装置、半導体製造装置、測長SEM(走査型電子顕微鏡)などにおける一次元運動体(以下「ステージ」という)の停止位置において発生するドリフト量を制御するステージのドリフト制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基台にクロスローラガイドのようなガイド部材を備え、このガイド部材の上に直線的に往復運動することのできるステージを設置した構造において、前記ステージを移動させるための駆動源として、超音波モータ(USM)が用いられる。
超音波モータは、振動体に圧電素子を取り付けて、この振動体の一部をステージの側面に加圧しながら接触させて、圧電素子に交流電圧を印加して振動体を運動させる。この運動が、摩擦力でステージに伝わり、ステージを一次元方向に動かす。ステージが所定の位置まで動くと、超音波モータの駆動をオフして、ステージを止める。
【0003】
図8は、超音波モータの構造を示す平面図である。超音波モータは、基台に固定された3つの固定部4,5,6を備えている。正面の固定部4には、平行ヒンジ7を介して振動体8が取り付けられる。前記平行ヒンジ7は、そのたわみにより、振動体8が左右に振動することができる程度の弾性のある部材で形成されている。
前記振動体8の先端部には、ステージ2の移動方向Aに垂直な方向に振動を発生される第1の圧電素子部9が設けられる。また、振動体8の左右側面と、前記左右固定部5,6との間には、ステージ2の移動方向Aに平行な方向に移動を発生させる第2及び第3の圧電素子部10,11が設けられている。そして、第1の圧電素子部9の先端には基材9aが接合され、基材9aの先端面には、ステージ2と接触しながら、摩擦力でステージ2を移動させるための接触部材3が取り付けられている。
【0004】
前記第2及び第3の圧電素子部10,11に互いに逆位相の交流振動を印加し、かつ、前記第1の圧電素子部9に、前記第2及び第3の圧電素子部10,11に与えられる交流信号と90度位相の遅れた又は進んだ交流信号を印加することにより、前記接触部材を楕円振動させる。ここで「逆位相」とは第2の圧電素子部10を一方向に動かせば、第3の圧電素子部11も同方向に動くような位相関係をいう。前記楕円振動は、接触部材3とステージ2との摩擦力によりステージ2に伝わり、これにより、ステージ2を任意の方向に移動させることができる。
【0005】
ステージ2を停止させるときは、各圧電素子部9,10,11への電圧の印加を停止する。電圧の印加を停止することにより、前記振動体8には前記第2及び第3の圧電素子部10,11からの力がかからなくなり、前記振動体8は、前記平行ヒンジ7の復元力により、正面固定部4に対して所定の位置関係を保って静止する。また、振動体8内の第1の圧電素子部9も電圧の印加が停止されるので、第1の圧電素子部9及びその先端に固定された接触部材3も、振動体8に対して所定の位置関係を保ったまま静止する。この結果、接触部材3は、基台1に対して所定の位置を保持しながら静止することとなる。接触部材3とステージ2との間には、両者の接触により静止摩擦力が働いているので、その摩擦力によりステージ2を基台1の所定位置に停止させることができる。
【0006】
なお、実際には、ステージ2の移動量の制御あるいは停止位置の決定は、ステージ2の移動量をリニアスケール及びレーザ干渉計で測定し、その測定結果を、超音波モータの駆動装置にフィードバック制御することにより行っている。
このような超音波モータは、制御可能な最小移動量がナノメートルのオーダーになり、精密なステージの位置制御ができるという特長がある。
【0007】
そこで、最近では、精密加工機械、精密測定装置、半導体製造装置などの一次元運動系の駆動装置として好適に用いられている。
【特許文献1】特開2002-341248号公報
【特許文献2】特開2003-369123号公報
【特許文献3】特開平2-60474号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記超音波モータを使ったステージの移動制御系では、ステージを位置決めした後、温度の変化、駆動力伝達手段の弾性変化などで、位置決め後の停止位置が、時間の経過とともに変動することがある。これを「ドリフト」という。
図9は、ステージ2を停止させた後に発生するドリフト量を示したグラフである。横軸に時間を縦軸にドリフト量をとっている。ドリフト量の計測は、前述したレーザ干渉計により行っている。このグラフに示されるように、発生するドリフト量は、数十秒経過すれば、10nmあるいはそれ以上となる。
【0009】
最近、精密機械の精度や半導体回路の集積度が上がって、1ナノメートルのオーダーの精度が必要とされている。そこで、この程度のドリフトでも、発生を抑えたいという要望がある。
前述したリニアスケール及びレーザ干渉計を用いて、ステージの停止位置を精密に制御することも考えられるが、制御装置全体が重く、大きく、かつ高価になる。
【0010】
そこで、本発明は、簡単な構成で、ステージのドリフト量を抑えることのできるステージのドリフト制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のステージのドリフト制御装置は、1次元方向に動くステージと、前記ステージに接触可能な接触部材と、前記接触部材を動かす駆動手段と、前記接触部材又はそれに連結された基材を一つの電極として、前記一次元方向の前又は後の位置に他の固定電極を対向させて形成されたコンデンサと、前記コンデンサに交流電圧を印加して、当該コンデンサの静電容量の変化に基づく信号を取り出す信号処理部と、前記信号処理部から出力される信号に基づいて、所定の停止位置に前記ステージを停止させるように、前記駆動手段を制御する停止位置制御手段とを備えるものである。
【0012】
この構成によれば、ステージに接触する部材又はそれに連結された基材を一つの電極として、前記一次元方向の前又は後の位置に他の固定電極を対向させてコンデンサを形成し、当該コンデンサの静電容量の変化に基づく信号を取り出して、この信号に基づき所定の停止位置に前記ステージを停止させるように停止位置制御することができる。したがって、簡単な構成で、ステージのドリフト量を正確に制御することができる。
【0013】
前記接触部材は、前記ステージに接触して運動することにより、前記ステージを1次元方向に移動させる部材である場合は、ステージの移動とステージを停止位置制御とを、同一部材を使って実施することができる。したがって、レーザ干渉計などの測定系を別に用意しなくても、コンパクトな構造でステージの停止位置制御を行うことができる。
前記コンデンサは、1つの静電容量で構成してもよいが、前記接触部材又はそれに連結された基材を一つの電極として、前記一次元方向の前及び後の位置にそれぞれ他の電極を固定した2つの静電容量で形成すれば、両静電容量の静電容量の差動信号を取り出すことができるので、位置検出の感度を上げることができる。
【0014】
前記接触部材は、前記ステージに接触した摩擦力で、前記ステージを移動させるものであってもよい。
前記ステージの駆動は、超音波モータで行ってもよい。この場合は、前記駆動手段は圧電素子になり、前記接触部材はこの圧電素子に装着され、運動しながら前記ステージに接触した摩擦力でステージを移動させる構造になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の静電容量を利用してステージの停止位置制御を行うドリフト制御装置の全体構成を示すブロック図である。このドリフト制御装置は、精密加工機械、精密測定装置、半導体製造装置などにおける、ステージの移動制御を行うステージ移動装置の一部として設けられる。
【0016】
このドリフト制御装置には、ステージを移動させるための超音波モータMが設けられている。
図2は、超音波モータMの構造を示す平面図である。
超音波モータMは、ステージ2を1次元方向(x方向とする)に移動可能に設置した基台1上に配置されている。超音波モータMのステージ2に接触する部位には、接触部材3が介在されている。この接触部材3と反対側のステージ2の背後、並びにステージ移動方向の前である上流側及びステージ移動方向の後である下流側に、合計3つの固定部が備えられている。これらの固定部を背後固定部4、左固定部5、右固定部6という。各固定部4,5,6は、それぞれ基台1に固定されている。
【0017】
背後固定部4には、平行ヒンジ7を介して振動体8が取り付けられている。前記平行ヒンジ7は、そのたわみにより、振動体8がx方向に振動することができる程度の弾性を持つような形状に形成されている。
振動体8には、有底状の凹部が形成されており、この凹部の底面に前記x方向に垂直なy方向に沿った振動を発生する第1の圧電素子部9が固定されている。また、振動体8の左右側面と、前記左右固定部5,6との間には、x方向に沿った振動を発生させる第2及び第3の圧電素子部10,11が固定されている。
【0018】
また、第1の圧電素子部9の先端部には銅などの材質からなる円柱基材9aが結合されており、この円柱基材9aの先端面には、ステージ2と接触しながら、摩擦力でステージ2を移動させる前記接触部材3が取り付けられている。前記接触部材3は、アルミナやジルコニア、あるいはアルミナと炭化チタンとの複合材料であるアルティック等により形成されている。
【0019】
前記圧電素子部9,10,11を構成する圧電材料は、PZT、チタン酸バリウムなどが用いられる。
ステージ移動装置(図示せず)から、前記第2及び第3の圧電素子部10,11に互いに逆位相の交流信号を印加し、かつ、前記第1の圧電素子部9に、前記第2及び第3の圧電素子部10,11に与える交流信号と90度位相の遅れた、又は進んだ交流信号を印加することにより、前記接触部材3をx−y平面内で楕円振動させる。これにより、ステージ2を、接触部材3との摩擦力を用いて+x方向又は−x方向に移動させることができる。ステージ2の移動速度は、交流信号の周波数を調整することにより任意に設定できる。
【0020】
以下、本発明の特徴となるコンデンサの構造を説明する。
前記円柱基材9aの側面は、窒化チタン又は炭化チタンなどの金属膜でコーティングされている。なお、円柱基材9aそのものを金属材質で形成してもよい。
そして、前記円柱基材9aの周囲を取り囲む状態で、固定電極体12が基台1に固定されている。この固定電極体12には、図3に示すように、円筒状に繰り抜かれた孔12aが形成されている。
【0021】
前記固定電極体12は、セラミックスや合成樹脂などの絶縁体で形成されているが、繰り抜いて形成された孔12aの内部は、左右2極に分離された状態で窒化チタン又は炭化チタンなどの金属膜でコーティングされている。これらの金属膜コーティングを、図3に、"13,14"で示す。
なお、金属膜コーティングするのではなく、固定電極体12の本体を左右分離された2つの金属部材で形成することも可能である。この場合、左右分離された金属部材がそれぞれコンデンサの電極を構成する。
【0022】
前記円柱基材9aは、固定電極体12の繰り抜き孔12aを貫通している。固定電極体12の繰り抜き孔12aの内径は、前記円柱基材9aの円柱の半径よりもわずかに大きく、このため円柱基材9aと金属膜13,14との間には、隙間が存在する。この隙間によって、静電容量を形成する。
このようにして、前記円柱基材9aと、前記固定電極体12との間に2つのコンデンサが形成される。ここで、前記円柱基材9aとその+x側にある固定電極体12の金属膜13との静電容量をC1、前記円柱基材9aとその−x側にある固定電極体12の金属膜14との静電容量をC2と表記する。
【0023】
その静電容量の差(C1−C2)は、前記第1の圧電素子部9の円柱基材9aの+x方向又は−x方向への移動量に比例する。すなわち静電容量の差(C1−C2)は、前記第1の圧電素子部9が+x方向に動けば正の方向に増大し、前記第1の圧電素子部9が−x方向に動けば、負の方向に増大する。
本発明のドリフト制御装置は、図1に示すように、前記静電容量C1,C2と、基板20に搭載したチップコンデンサなどの容量固定コンデンサの静電容量C3,C4とによってブリッジ回路を構成している。このブリッジ回路には発振器21から高周波信号が印加され、ブリッジ回路から前記静電容量C1,C2の差(C1−C2)に応じた差分信号が取り出される。
【0024】
この差分信号は、差動増幅器22、増幅器23を通して、ローパスフィルタ24に入力される。ローパスフィルタ24は、電源ラインなどから制御回路に入ってくる高周波ノイズや、空気中を伝わる誘導ノイズ、あるいは半導体回路で発生するノイズを除去する。この結果、ローパスフィルタ24から、ノイズのない差分信号が出力される。
このローパスフィルタ24から出力された差分信号は、加算器25に入力される。一方、この加算器25には、静電容量差分目標値が入力される。これらの差信号は、アナログPID器26に入力されてアナログ信号処理される。そして、両信号の差に比例した信号が出力され、直流ドライバ27において、超音波モータMの駆動信号が生成される。
【0025】
なお、以上の説明では、静電容量C1,C2と容量固定コンデンサの静電容量C3,C4とによってブリッジ回路を構成し、静電容量C1,C2の差(C1−C2)に応じた差分信号を取り出しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、前記円柱基材9aと前記固定電極体12の片側とで単一の容量可変コンデンサを形成し、その他基板20に搭載した3つの容量固定コンデンサとでブリッジ回路を構成しても、コンデンサの静電容量の変化に基づく信号を取り出すことができる。
【0026】
次に、この超音波モータMの駆動信号に基づいて、前記第2及び第3の圧電素子部10,11に互いに逆符号の電圧Vが印加される。この印加により、前記接触部材を+x方向又は−x方向に移動させる。このx方向への移動量は、ステージ移動装置がステージ2を所定の停止位置まで移動させるときの移動量よりもはるかに微小なものである。この移動によって、停止しようとするステージ2の停止位置を微調整して、ステージ2を所望の位置に精度よく停止させることができる。
【0027】
なお、「前記第2及び第3の圧電素子部10,11に互いに逆符号の電圧Vが印加される」と説明したが、この電圧Vは、ステージ2のドリフト量を補正できればよいので、その波形はなんら限定されない。具体的には、図4(a)に示すように短時間持続する矩形パルスであってもよい。あるいは、矩形でなく、図4(b)のように滑らかな形のパルスでもよい。パルスの個数も1つに限定されない。また、前記第2及び第3の圧電素子部10,11の移動量は、電圧Vを時間積分した積分値に応じて決まるので、電圧Vは必ずしも直流でなくてもよい。図4(c)のように1又は複数サイクル連続した減衰する交流信号であってもよい。
【0028】
図5は、今まで述べてきたドリフト制御装置における停止位置制御を含む、ステージの移動制御の全体を説明するためのフローチャートである。
まず、ステージ2が停止した状態で(ステップS1)、ステージ移動装置が、精密加工機械、精密測定装置、半導体製造装置などの親制御装置からステージ移動指示を受ける(ステップS2)。ステージ移動装置は、前記楕円振動を実施して、レーザ干渉計を使いながら、ステージ2を移動させ、目標値への位置決め制御を開始する(ステップS3)。ステージ2が所定の位置まで移動したと判定すると(ステップS4のOK)、ドリフト制御装置は、ステージ移動装置からドリフト制御の開始指示を待つ(ステップS5)。
【0029】
ドリフト制御装置は、ドリフト制御の指示信号を受けると(ステップS6)、ドリフト制御を開始する(ステップS7)。
ドリフト制御装置は、所定時間にわたって前述したドリフト制御を行う。これにより、ステージ停止位置と、前記静電容量差分目標値との差が所定の範囲に入るようになる。ドリフト制御装置は、ステージ移動装置から本発明のドリフト制御終了指示を受信すれば(ステップS8)、ドリフト制御を終了させる(ステップS9)。
【0030】
以上の手順により、停止しようとするステージの停止位置を微調整して、ステージ2を所望の位置に停止させることができる。
以上で、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施は、前記の形態に限定されるものではない。例えば、前記円柱基材9aと、その周囲を取り囲む固定電極体12の形状は、円筒状でなくてもよく、円柱基材9aと固定電極体12の間に、静電容量が形成可能な形状であれば、どのような形状でもよい。また、この静電容量は、円柱基材9aとその両側の金属膜13,14とで2個形成する場合に限らない。前述したように、円柱基材9aとその片側の金属膜13又は14とで1個のみ形成してもよい。また、静電容量を形成する1つの電極を円柱基材9aにより形成していたが、これに限定されず、円柱基材9aに連結する接触部材3で電極を形成してもよい。この場合は、接触部材3の材質として耐磨耗性の導電性材料、例えばサーメット、超硬、高炭素クロム鋼、マルテンサイトを用いればよい。その他、本発明の範囲内で種々の変更を施すことが可能である。
【実施例】
【0031】
ステージ2を一次元方向に移動させることができる基台1を製作した。ステージ2の重量は15kg、ガイドはクロスローラガイドを用いた。ステージ2の移動距離は、波長633nmのレーザ干渉計を設置して測定した。測定の分解能は、0.6nmである。
ステージ2の移動距離は100mm、移動速度は最大値で200mm/秒である。
ステージ2の停止位置の制御には、静電容量の差を計測する図1のドリフト制御装置を採用した。ドリフト制御装置における発振器21の発振周波数は500kHz、チップコンデンサの容量C3,C4はそれぞれ100pF、ローパスフィルタ24の遮断周波数は2.5kHzとした。
【0032】
図6は、ステージ2の移動中における時間ごとの位置変化を示すグラフである。
図7は、ステージ2停止時のドリフト量を示す拡大図である。図7における縦軸のステージ2の位置の測定は、前記レーザ干渉計を用いている。
図7によれば、ステージ2が停止直後には、3nmほどのオーバーシュートが見られたが、その後のステージ2の停止位置のドリフトは1nm未満に収まっている。したがって、ドリフトはほぼ完全に収束したといえる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の静電容量を利用してステージのドリフト制御を行うドリフト制御装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】超音波モータMの構造を示す平面図である。
【図3】ステージ側から見た超音波モータMの正面図である。
【図4】第2及び第3の圧電素子部10,11に印加されるドリフト制御電圧Vの波形を示すグラフである。
【図5】本発明の停止位置制御を含むステージの移動制御の全体を説明するためのフローチャートである。
【図6】ステージ移動中の時間ごとの位置変化を示すグラフである。
【図7】ステージが止まってからのドリフトを示す拡大図である。
【図8】一般的な超音波モータMの構造を示す平面図である。
【図9】ステージを止めた後に発生するドリフト量を示したグラフである。
【符号の説明】
【0034】
1 基台
2 ステージ
3 接触部材
4 背後固定部
5 左固定部
6 右固定部
7 平行ヒンジ
8 振動体
9 第1の圧電素子部
9a 円柱基材
10 第2の圧電素子部
11 第3の圧電素子部
12 固定電極体
12a 孔
13,14 金属膜コーティング
20 基板
21 発振器
22 差動増幅器
23 増幅器
24 ローパスフィルタ
25 加算器
26 アナログPID器
27 直流ドライバ
M 超音波モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次元方向に動くステージと、
前記ステージに接触可能な接触部材と、
前記接触部材を動かす駆動手段と、
前記接触部材又はそれに連結された基材を一つの電極として、前記一次元方向の前又は後の位置に他の固定電極を対向させて形成したコンデンサと、
前記コンデンサに交流電圧を印加して、当該コンデンサの静電容量の変化に基づく信号を取り出す信号処理部と、
前記信号処理部から出力される信号に基づいて、所定の停止位置に前記ステージを停止させるように、前記駆動手段を制御する停止位置制御手段とを備えることを特徴とするステージのドリフト制御装置。
【請求項2】
前記接触部材は、前記ステージに接触して運動することにより、前記ステージを1次元方向に移動させるものである請求項1記載のステージのドリフト制御装置。
【請求項3】
前記コンデンサは、前記接触部材又はそれに連結された基材を一つの電極として、前記一次元方向の前及び後の位置にそれぞれ他の電極を固定して2つの静電容量を形成し、前記信号処理部における静電容量の変化に基づく信号は、前記2つの静電容量の差による差動信号である請求項1又は請求項2記載のステージのドリフト制御装置。
【請求項4】
前記接触部材は、前記ステージに接触した摩擦力で、前記ステージを移動させる請求項1〜請求項3のいずれかに記載のステージのドリフト制御装置。
【請求項5】
前記接触部材及び前記駆動手段は、超音波モータの構成部材である請求項4記載のステージのドリフト制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−42502(P2006−42502A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−219220(P2004−219220)
【出願日】平成16年7月27日(2004.7.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】