説明

ストレージシステム

【課題】光ディスクの入ったマガジン内の不良ディスクをチェンジャシステムで交換する。
【解決手段】ストレージシステムは、複数の可搬性のある記録メディアが入れられたマガジンと、マガジンを装填、排出し、記録メディアを読み書きする少なくとも2台のドライブと、記録メディアをマガジンとドライブの間で移送するチェンジャ機構を有し、マガジン内に記録スペースを有する交換用記録メディアを持つ第1マガジンと、マガジン内に交換が必要な不良記録メディアを有する第2マガジンとの間で、ドライブを経由して、不良記録メディアと交換用記録メディアとを交換するとともに、不良記録メディアのデータを復元し交換用記録メディアに記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はストレージシステムに係り、特に可搬性の記録メディアを交換するためのチェンジャ機構を有するストレージシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、計算機上の情報システムの活用度合いが増加するにつれ、長期にわたり、電子データを記録し保存するための記録メディアの必要性が増加している。その目的に沿う記録メディアの1つである光ディスクは、長期に電子データを記録し保存でき、また、読み書きするドライブから取り出し、オフラインで保管できる記録メディアであることから、省エネ効果もある記録メディアとして活用される場面が増えてきている。
また、記録する電子データ量が多くなることから、例えば、特許文献1に記載のように、光ディスクを複数枚纏めて、1つのマガジンに入れ、マガジン単位で扱う技術も開発されてきている。これは、1枚ずつ管理する場合に比べ、管理単位当たりの記録容量が増す、別の言い方をすれば、管理単位が、枚数分の1になり、保管管理が容易になるとも言える。
【0003】
加えて、記録メディアが複数枚で1つの纏まりとなる場合、例えば、特許文献1では、複数枚の記録メディアで1つのバックアップデータとなる場合、1枚でも欠けると元のデータを復元できない。このため、関連のある可搬媒体が1つのマガジンに纏めて挿入されるようにすれば、運用管理面でのメリットが大きい。更に、マガジンに入っていることで防塵対策にもなり、また、1枚ずつケースに入れる場合と比較して、トータルの厚みを薄くできる。このため、ストレージシステムの小型化を進め、オフラインで保管するマガジンの置き場所を小さくできるというメリットもある。
なお、特許文献2では、上記した事項に関連して、複数の記録メディアを入れたマガジンと複数のドライブとの間で、記録メディアを移動するストレージシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−353053号公報
【特許文献2】特願2010−218057号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光メディアは、下方互換性を重んじた開発が進められ、古い世代のメディアも最新のドライブで読み書きすることができる。このため、新世代のメディアが生まれるたびに、古いメディアからデータを移しかえるという手間が省け、長期の保管に向くというメリットを利用者に提供してきた。しかし、データを書き込むメディア表面が指紋や埃などによって汚れ、またメディアを長期或いは頻繁に使用することにより、読み書きエラー率が高くなることがある。一般に、光メディアには、記録されるデータの保全のため、あるビットが不正かどうか確認し、また復元するための冗長なデータを付加して記録されるが、エラー率が高くなると復元できなくなる可能性が高まる。このため、エラー率が高まった際には、新しい光メディアに交換することが望ましい。
【0006】
一方、記録するデータ量の増加、運用管理のし易さ等の観点から、複数枚の光メディアを1つのマガジンに入れて用いる場合が増えてきている。この際、マガジン内の光メディアの1枚が、読み書きエラー率が高くなり交換を必要とするとき、マガジン全体を新しいマガジンに交換すると、コストが掛りすぎる。これを避けるために、不良な記録メディアを選んで人手で交換すると、記録メディアの表面に指紋が付いて汚れたり、間違った記録メディアを交換したり、新たに異質な記録メディアが混在するといった問題があった。
【0007】
特許文献1では、複数の記録メディアを入れたマガジンと、1台の読み書き装置(以下、ドライブと記す)との間で、記録メディアを移動させるチェンジャ機構を有するストレージシステムにおいて、バックアップデータを記録する場合に、マガジン内に、記録メディアが全て装填されていないとき、或いは、異質の記録メディアが装填されているときでも、適切にバックアップできる方法を示している。ここでは、マガジンとドライブとは1対1であり、マガジン内に存在する記録メディアだけを使い、適正にバックアップ処理する方法が記載されている。しかし、マガジン内の記録メディアの自動交換は、物理的にできないという問題がある。
特許文献2においても、人手によらずチェンジャ機構を使って、マガジン内の不良記録メディアを自動交換する方法は開示されていない。
本発明の目的は、前記した問題に鑑み、人手によらずチェンジャ機構を使って、マガジン内の不良記録メディアを自動交換するストレージシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため本発明は、少なくとも1枚の記録メディアを有するマガジンが装填され、該マガジンが有する記録メディアを他の記録メディアと交換するためのストレージシステムであって、前記記録メディアに対してデータを読み書きする複数のドライブと、外部から挿入された前記マガジンを前記ストレージシステム内に装填し、前記マガジンが有する記録メディアを前記マガジンと前記ドライブとの間で移送し、及び、装填された前記マガジンを外部に搬出する移送部と、前記ストレージシステムの動作を制御するプログラムを有する制御部を備え、
前記制御部のプログラムは、
記録メディアの交換に際し新たに使用される第1の記録メディアを有する装填された第1のマガジンより、前記移送部を介して前記第1の記録メディアを前記複数のドライブが含む第1のドライブに移送して、前記第1の記録メディアの状態を判定する第1の判定ステップと、
記録メディアの交換に際し使用を中止される第2の記録メディアを有する装填された第2のマガジンより、前記移送部を介して前記第2の記録メディアを前記複数のドライブが含む前記第1のドライブとは異なる第2のドライブに移送して、前記第2の記録メディアの状態を判定する第2の判定ステップと、
前記第1と第2の判定ステップによる判定の結果、前記第1と第2の記録メディアの状態が所定の条件を満足する場合には、前記移送部を介して前記第1の記録メディアを前記第2のマガジンに移送し前記第2の記録メディアを前記第1のマガジンに移送して交換する記録メディア交換ステップを有することを特徴としている。
【0009】
また本発明は、少なくとも1枚の記録メディアを有するマガジンが装填され、該マガジンが有する記録メディアを他の記録メディアと交換するためのストレージシステムであって、前記記録メディアに対してデータを読み書きする複数のドライブと、外部から挿入された前記マガジンを前記ストレージシステム内に装填し、前記マガジンが有する記録メディアを前記マガジンと前記ドライブとの間で移送し、及び、装填された前記マガジンを外部に搬出する移送部と、前記ストレージシステムの動作を制御するプログラムを有する制御部を備え、
前記制御部のプログラムは、
記録メディアの交換に際し新たに使用される第1の記録メディアを有する装填された第1のマガジンより、前記移送部を介して前記第1の記録メディアを前記複数のドライブが含む第1のドライブに移送して、前記第1の記録メディアの状態を判定する第1の判定ステップと、
記録メディアの交換に際し使用を中止される第2の記録メディアを有する装填された第2のマガジンより、前記移送部を介して前記第2の記録メディアを前記複数のドライブが含む前記第1のドライブとは異なる第2のドライブに移送して、前記第2の記録メディアの状態を判定する第2の判定ステップと、
前記第1と第2の判定ステップによる判定の結果、前記第1と第2の記録メディアの状態が所定の条件を満足する場合には、前記第2の記録メディアに記録されたデータを前記第1の記録メディアにコピーするコピーステップと、
該コピーステップにおけるコピーが完了した後、前記移送部を介して前記第1の記録メディアを前記第2のマガジンに移送し前記第2の記録メディアを前記第1のマガジンに移送する記録メディア交換ステップを有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、人手によらずチェンジャ機構を使って、マガジン内の不良記録メディアを自動交換するストレージシステムを提供でき、大容量なデータの保管や管理を容易にすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1におけるストレージシステムの全体構成図である。
【図2】実施例1におけるチェンジャ部の構成図である。
【図3】実施例1におけるマガジンと蓋とのロック機構の見取り図である。
【図4】実施例1における記録メディア交換プログラムの処理フロー図である。
【図5】実施例1における記録メディア交換プログラムの別の処理フロー図である。
【図6】実施例2におけるストレージシステムの全体構成図である。
【図7】実施例2における記録メディア交換プログラムの処理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を図面に基づきながら説明する。
図1は、実施例1におけるストレージシステムの全体構成図であり、チェンジャ機構を有するストレージシステムの全体構成図である。
記録メディア交換プログラム1がインストールされたコンピュータ2、チェンジャ部3が組み込まれたチェンジャシステム装置4、記録メディア交換プログラム1を実行させながら該プログラムからのメッセージを表示する入力表示装置5、および、これらを接続するコード類から構成される。チェンジャ部3には、複数枚の記録メディア12が入ったマガジン7を外部から投入しチェンジャ内に装填、あるいは、装填されたマガジン7を外部に排出するための投入口6が設けられる。チェンジャシステム装置4に表示パネルや入力ボタンを設けることで、これと入力表示装置5が一体化して実現されても良い。また、チェンジャシステム装置4内にコンピュータのマザーボードが組み込まれ、記録メディア交換プログラム1がインストールされ、コンピュータ2とチェンジャシステム装置4が一体化して実現される構成でも良い。
【0013】
また、ストレージシステムが、チェンジャ装置と、1台以上のハードディスクで構成されるネットワークストレージ装置とで構成され、前記ネットワークストレージ装置のハードディスク内の全て、または一部のデータをバックアップし、或いはアーカイブする先として前記チェンジャ装置内の記録メディアが用いられるような応用システムであっても良い。
また、コンピュータ2、チェンジャシステム装置4、入力表示装置5との接続方法は、ローカル接続やネットワークを介した接続など、いずれであっても良い。
【0014】
図2は、実施例1におけるチェンジャ部の構成図である。チェンジャ部3の内部は、図2に示すように、2枚以上の記録メディア12が詰め込まれたマガジン7と、マガジン内の記録メディア12からローラ9側へ移動する記録メディアを選別するフィルタ8と、フィルタ8で選別され通り抜けてきた記録メディア12aをドライブ10へ移送し、またドライブ10から吐き出された記録メディア12aをマガジン7へ送り届ける働きをするローラ9と、記録メディア12に対してデータを読み書きする装置である少なくとも2台以上のドライブ10を備える。また、図示してはいないが、利用者が投入口6から投入したマガジン7を、チェンジャ部3内に取り込んでマガジン保持機構に装填するための装着機構と、装填が完了したことを検知するセンサーを備える。前記センサーからの情報に基づき、記録メディア交換プログラム1に制御信号を送る制御回路、記録メディア交換プログラム1からの指示を受けて、マガジン7をチェンジャ部3から排出するための制御回路や排出機構を備える。
【0015】
図3は、実施例1におけるマガジンと蓋とのロック機構の見取り図である。図3に例示するように、マガジン7に蓋13がある場合は、その蓋13を開ける機構が設けられる。また、その蓋13とマガジンケースとに、ロック機構を複数個設けても良い。即ち、バネ14によりロック15が通常は蓋13を開けられない位置に保持され、バネ14を圧縮する方向にロック15を動かす力が働き続けると蓋13が開くロック機構を複数個設ける。これにより、利用者が蓋13を開けにくくなり、他と異なる記録メディアや、品質の異なる記録メディアをマガジン7に挿入する問題を回避できる。ロック機構は、図3に限定されず、例えば、マガジン7の外面に複数のスイッチを設け、その全てのスイッチが押え続けられると、電気回路が閉じて、電流が流れ、電磁的に蓋を動かないようにしていたロックが外れるロック機構など、そのロック方法は何れであっても良い。利用者がマガジン7内の記録メディア12を容易には取り換えることができにくい仕掛けであればよい。
【0016】
また、ローラ9を回転させる機構や、ドライブ10を動作させ、記録メディア12に対してデータを読出し書き込むための機構や、マガジン7、フィルタ8、ローラ9あるいはドライブ10を保持する。さらに、それらを上下させて、記録メディア交換プログラム1が指定したマガジン7内のいずれかの記録メディア12が、同様に指定されたいずれかのドライブ10に移動、あるいは、反対にドライブ10からマガジン7へ移動できるように、高さを調整する機構を具備する。前記した内で、上下させるための構成要素を限定しても、全ての構成要素を上下させても良いことは言うまでもない。
【0017】
また、マガジン7内には、記録メディア12をマガジン10から外に送り出し、また戻したりするための記録メディア移動機構11が設けられる。なお、ドライブ10には、記録メディア12が入っていくと、ドライブ10内の所定の場所に自動的に位置付ける、いわゆるスロットイン機能が設けられていることが望ましい。また、ローラ9は、記録メディア12を上下で挟んでローラ9の回転により記録メディア12を移動させる機構である。マガジン7からドライブ10の方向と、ドライブ10からマガジン7の方向の2方向に、記録メディア12を移動できるよう、記録メディア交換プログラム1からの指示により、ローラ9の回転方向を制御する制御回路が設けられていることは言うまでもない。
また、チェンジャ部3は、図2にあるように、例えば、ローラ9が上下方向に並ぶように置かれても良いし、水平方向となるようにチェンジャ部3全体が90度回転して置かれ、或いは、天地逆転して置かれるなど、どの位置にあっても良い。
【0018】
図2では、上から3番目の記録メディア12aだけが、スリット8を通り抜け、ローラ9により、上から2番目のドライブ10aに移動、あるいは、上から2番目のドライブ10aからローラ9やスリット8を経由してマガジン7の上から3番目の場所に戻っているところを示している。
【0019】
図2では、1枚の記録メディア12が移動しているが、記録メディア12の移動が1枚ずつであっても、複数枚同時であっても良い。以下では、記録メディア交換プログラム1によって指示された1枚ずつの記録メディア12がマガジン7とドライブ10の間を移動する場合で説明するが、それに限定されない。また、ドライブ10は、少なくとも2台あるものとし、マガジン7内の記録メディア12に、データを記録し、また読み出す場合に、各記録メディアを、いずれかのドライブ10に移動し、それぞれ独立に、読み書きがなされる場合であっても、複数の記録メディア12がひと組として扱われる。例えば、同じデータが、2つのドライブ10の各記録メディア12に書き込まれる、いわゆるRAID1(Redundant Arrays of Independent Disks 1)としての使われ方であっても、3台以上のドライブ10を用いてRAID5やRAID6の方式で記録される方式であっても良い。
【0020】
図4は、実施例1における記録メディア交換プログラムの処理フロー図である。
記録メディア交換プログラム1は、マガジン7内の記録メディア12を他のマガジン7の記録メディアに交換するため、利用者によって起動されても良い。あるいは、利用者や他の応用プログラムが、マガジン7内の記録メディア12のデータを利用するために読み書きした際、記録メディアのローディングエラーや、読込みエラーや書込みエラーが発生し、該記録メディアの交換とデータの復元を必要として、応用プログラムやオペレーティングシステムに代表されるシステムプログラムから起動されても良い。
また、ストレージシステムが、ハードディスクを用いたネットワークストレージ装置と、チェンジャ装置とで構成され、前記ネットワークストレージ装置が利用されているバックグラウンドで、記録メディア交換プログラム1が起動されても良い。
【0021】
図4において、記録メディア交換プログラム1が起動されると、チェンジャ3内にマガジン7が装填されているかを判定し(ステップS1:以下では“ステップ”の表示を省略することがある)、装填されていれば(S1:YES)ステップS4以降を実施し、装填されていなければ(S1:NO)、空き領域のある交換用の新しい記録メディア12を含むマガジン7を装填するように、利用者が見る入力表示装置5にメッセージを送り(S2)、第1マガジン装填されたことを示す信号を受け取る(S3)と、ステップS4以降を実施する。
ここで、説明を容易にするため、交換用の新しい記録メディア12が入っているマガジン7を第1マガジン7aと称し、該記録メディア12を交換用記録メディア12aと称する。
【0022】
ステップS4では、第1マガジン7aから1つの記録メディアを取り出し、チェンジャの記録メディア移動メカニズムを用いて第1ドライブ10aへ移動する。
ドライブ10にセットされた記録メディアは、第1ドライブ10aにより、記録メディア12内の管理情報を参照し、或いは実際に読み書きをするなどして、空き領域があり、正常に読み書きできる交換用記録メディア12aであるかが判定される(S5)。空き領域が無い、或いはエラー率が高く使えない場合(S5:NO)は、前記記録メディア移動メカニズムは該記録メディア12を第1マガジン7a内の元の位置に戻す(S6)。
【0023】
ステップS5において、記録メディア12が、異質な記録メディア、例えば、読み書き可能な25GBのブルーレイディスクの中に、DVD−RAMディスクが混ざっており、或いは異なるメーカのブルーレイディスクが混入していた場合には、S5:NOと判定するようにしても良い。即ち、ステップS2で、第1マガジン7aを投入するよう促すメッセージに加えて、利用者が許可する記録メディア12の種類やメーカ情報等を入力するようメッセージを表示し、利用者が入力した情報に基づいて、ステップS5で、第1ドライブ10aの記録メディア12に記録されたメーカ情報やメディアの読み書きを実施して、種別が一致しているかを判定する実施例であっても良い。
【0024】
また、これらのデータ構成や、マガジン7内における複数の記録メディア間の関係を示す情報は、コンピュータ2の中の記憶装置に記録される実施例でも良いし、各記録メディア12内に管理データとして記録される実施例でも良いし、各マガジン7のそれらの情報を他のストレージに記録する実施例でも良い。記録メディア交換プログラム1は、これらの情報を読み込んで、マガジン7内の各記録メディア12の関連情報に基づき、ある記録メディア12を修復するにはどの記録メディア12が必要かを的確に選択するように処理されることは言うまでもない。これらのように、本実施例に固有な処理ステップではない場合には、詳細な説明を省略する。
【0025】
先のステップS6に引続き記録メディア交換プログラム1は、第1マガジン7a内に他に記録メディア12が存在するかを判定し(S7)、存在しなければ(S7:NO)、該第1マガジン7aを排出し(S8)、ステップS2以降を繰り返し、存在すれば(S7:YES)、ステップS4以降を繰り返す。
先のステップS5で、ドライブ10にセットされた記録メディアに空き領域があり、正常に読み書きできる交換用記録メディア12aであると判定された際は(S5:YES)、ステップS9から始まる次のフローに到る。
ステップS9では、前記交換用記録メディア12aを第1ドライブ10aに残した状態で、現在チェンジャ部3に装填されているマガジン7を排出し、利用者が見る入力表示装置5に、例えばエラー率が高いなどの理由により交換したい記録メディアが入っている第2マガジン7bを装填するようにメッセージを送り、装填されるのを待つ(S10)。
ここで、説明を容易にするため、信頼性の低い記録メディアを不良記録メディア12bと称し、その不良記録メディア12bが入っているマガジンを第2マガジン7bと称する。
【0026】
第2マガジン7bが装填されたことを知らせる信号を受け取る(S11)と、第2マガジン7b内の1枚の記録メディア12を第2ドライブに移動し(S12)、不良記録メディア12bか否か判定する(S13)。ここで、信頼性の低い記録メディア、即ち、不良記録メディア12bとは、全く読み書きできない記録メディアであっても、あるいは、読み書きのエラー率が所定値より高い記録メディアであっても、製造日からの経過日数が所定値より長い記録メディアであっても、あるいは、使用回数やローディング回数が所定値より多い記録メディアであって良く、即ち新しい記録メディア12aへの交換が期待される記録メディアであって良い。
【0027】
また、記録メディアの製造メーカや種別が所定のものではない場合に、不良記録メディアとする実施例でも良い。また、エラー率、経過日数、使用回数、ローディング回数、製造メーカ名、記録メディア種別が予め記録メディアに記録される実施例でも良いし、例えば、エラー率は、ここで、実際に読み書きを実施し、エラー率を調べる実施例であっても良い。あるいは、ステップS10で、利用者が見る入力表示装置5を介して、使用実態を入力させる実施例でも良い。また、判定に用いるエラー率、経過日数、使用回数、ローディング回数の上限を利用者に指定させる実施例であっても良い。さらに、これらの組み合わせで、不良記録メディアを定義する実施例であっても良い。
【0028】
なお、以下の説明では、説明を簡潔にするため、第2マガジン7bには1つの不良記録メディア12bがあるものとするが、複数の不良メディアがあった場合には、交換用記録メディアとの交換処理を繰り返すステップを持つ実施例であっても良いことは言うまでもない。
また、第2マガジン7b内の各記録メディア12に記録されていたデータは、他の記録メディア12によって、復元できるものとする。例えば、マガジン内の2枚の記録メディア12が同じデータをもち、一方の記録メディア12が不良となっても、他方の記録メディア12のデータを、交換用記録メディア12aにコピーして不良記録メディア12bと交換し、新たな2枚組を実現する、いわゆるRAID1のデータ構成や、例えば、マガジン内の3枚の記録メディア12にデータとパリティデータを分割して書込み、いずれか1枚の記録メディア12が読み書きできなくても、他の2枚記録メディア12のデータで、不良記録メディア12bのデータを復元できる、いわゆるRAID5のデータ構成や、パリティデータを二重に持ち、2枚の記録メディア12が不良になった場合でも復元可能となる、いわゆるRAID6のデータ構成であっても良い。以降では、簡単のため、4枚の記録メディア12で、RAID5のデータ構成となっている場合を例に説明するが、他の復元可能なデータ構成を取る場合であっても良いことは言うまでもない。
【0029】
先のステップS13の判定で、第2マガジン7b内の1枚の記録メディア12が不良記録メディア12bならば(S13:YES)、ステップS16から始まる次のフローに到る。また、不良記録メディア12bでなければ(S13:NO)、該記録メディアを第2マガジン7b内の元の場所に戻し(S14)、他の記録メディア12があるか判定する(S15)。記録メディア12があれば(S15:YES)、ステップS12以降を繰り返し、他に記録メディア12が第2マガジン7b内になければ(S15:NO)、ステップS9以降を繰り返す。その際、ステップS9の第1マガジンは第2マガジンと、ステップS10以下の第2マガジンは第3マガジンと読替えられて実行される。
【0030】
ステップS16では、第2ドライブ10bの不良記録メディア12bからデータを読み込めるか判定し、読み込めなければ(S16:NO)、ステップS19以降を実施し、読み込めれば(S16:YES)、読み込まれたデータを第1ドライブ10aの交換用記録メディア12aに書込み、即ち、コピーし、全てのデータがコピーできたか否かを判定する(S18)。完全にコピーできれば(S18:YES)、ステップS24から始まる次のフローに到る。これにより、不良記録メディア12bのエラーの度合いが軽い場合や、経過年数により不良記録メディア12bと見做した場合などで、該不良記録メディア12bからデータが全て読み込めるときは、交換用記録メディア12aへの復元処理が容易、かつ、相対的に短時間に済むため、利用者に、交換用記録メディア12aへの早めの交換を促すことができる。また、経過年数によりマガジン7内の記録メディア12の全てか大部分を新しい記録メディアに入れ替えたい場合には、先のステップS3からステップS7において、チェンジャ部3が有するドライブ10の1つを除いた他のドライブ10に、複数の交換用記録メディア12aを移動し、ステップS17で1枚の不良記録メディア12bのデータを交換用記録メディア12aにコピー後、先のステップS12以降を繰り返すことで、ドライブ10内にある交換用記録メディア12aの数だけ、まとめて交換するようなフローとしてもよい。
【0031】
先のステップS18で、全てを交換用記録メディア12aにコピーできない場合には(S18:NO)、第2ドライブ10bの不良記録メディア12bを一旦第2マガジン7bの元の場所に戻し(S19)、第2マガジン7b内の他の記録メディアを、ドライブ10に移動する(S20)。ここでは、4台のドライブのうち、第1ドライブ10aには、交換用記録メディア12aが入っているので、他の3台のドライブに、第2マガジン7b内の不良記録メディア12bを復元するのに必要な3枚の記録メディア12を移動させる。
【0032】
これら3枚の記録メディア12のデータやパリティデータを読込み、交換用記録メディア12aに記録すべきデータを復元する(S21)。その方法は、RAIDでの復元処理と同様であり省略する。また、交換用記録メディア12aには不良記録メディア12bの一部のデータが既にコピー出来ている場合には、復元できていない部分のみを、3枚の記録メディア12のデータやパリティデータで復元する処理方法であっても良い。
復元処理が終了したら、3枚の正常な記録メディア12を第2マガジン7b内の元の場所に戻し(S22)、第2マガジン7b内の不良記録メディア12bを第2ドライブ10bに移動する(S23)。
【0033】
次にステップS24では、第1ドライブ10a内の復元された交換用記録メディア12aを、第2ドライブ10bにある不良記録メディア12bが置かれていた第2マガジン7bの場所に移動し(S24)、第2マガジン7bを排出する(S25)。利用者が見る入力表示装置5に、不良記録メディア12bを収納するために第1マガジン7aを装填するようメッセージを送る(S26)。ここでは、交換用記録メディア12aが入っていた第1マガジン7aとしたが、不良記録メディアだけを入れる第3マガジン10cを設け、それを装填させる実施例であっても良い。
第1マガジン7aが装填されると(S27)、第1マガジン7a内に、不良記録メディア12bを戻す空きスペースがあるかを判定する(S28)。空きスペースがなければ(S28:NO)、第1マガジン7aを排出し(S29)、ステップ(S26)以降を繰り返し、空いている場所があれば(S28:YES)、その場所に、第2ドライブ10b内の不良記録メディア12bを移動し(S30)、第1マガジン7aを排出して(S31)プログラムを終了する。
なお、第1マガジン7aは、いずれ不良記録メディアのみを有するようになるので、その段階でユーザが廃棄しても良く、交換するための技術を有する者が良品の記録メディアと交換し再利用しても良い。
【0034】
図5は、実施例1における記録メディア交換プログラムの、図4とは別の処理フロー図である。
実施例1での記録メディア交換プログラム1の、次に示す処理フローは、図5に例示するように、交換用記録メディア12aを第1ドライブ10aに移動するステップと、不良記録メディア12bを第2ドライブ10bに移動するステップの順序を、図4から入れ替えたものでもよい。即ち、記録メディア交換プログラム1は、起動されると、チェンジャ3内にマガジン7が装填されているかを判定し(S51)、装填されていれば(S51:YES)ステップS54以降を実施し、装填されていなければ(S51:NO)、利用者が見る入力表示装置5に、エラー率の高い記録メディアが入っているマガジンを装填するようにメッセージを送り、装填されるのを待つ(S52)。
【0035】
第2マガジン7bが装填されたことを知らせる信号を受け取る(S53)と、第2マガジン7b内の1枚の記録メディア12を第2ドライブに移動し(S54)、不良記録メディア12bか否か判定する(S55)。不良記録メディア12bならば(S55:YES)、ステップS59で始まる次のフローに到る。不良記録メディア12bでなければ(S55:NO)、該記録メディア12を第2マガジン7b内の元の場所に戻し(S56)、他の記録メディア12があるか判定する(S57)。記録メディア12があれば(S57:YES)、ステップS54以降を繰り返し、他に記録メディア12が第2マガジン7b内になければ(S57:NO)、第2マガジン7bを排出(S58)し、ステップS52以降を繰り返す。
【0036】
ステップS59では、現在チェンジャ部3に装填されているマガジン7を排出し、空き領域のある交換用の新しい記録メディア12を含む第1マガジン7aを装填するように、利用者が見る入力表示装置5にメッセージを送る(S60)。第1マガジン装填されたことを示す信号を受け取る(S61)と、ステップS62以降を実施する。ステップS62では、第1ドライブ10aは、記録メディア12内の管理情報を参照し、或いは実際に読み書きをするなどして、空き領域があり、正常に読み書きできる交換用記録メディア12aであるかが判定される。空き領域があり、正常に読み書きできる交換用記録メディアである場合(S62:YES)は、S65に始まる次のフローに到る。
【0037】
空き領域が無く、或いはエラー率が高く使えない場合(S62:NO)は、該記録メディア12を第1マガジン7a内の元の位置に戻す(S63)。なお、ステップS62において、記録メディア12が、異質な記録メディア、例えば、読み書き可能な25GBのブルーレイディスクの中に、DVD−RAMディスクが混さり、或いは、異なるメーカのブルーレイディスクが混入していた場合には、S62:NOと判定するようにしても良い。即ち、ステップS60で、第1マガジン7aを投入するよう促すメッセージに加えて、利用者が許可する記録メディア12の種類やメーカ情報等を入力するようメッセージを表示し、利用者が指定した情報に基づいて、ステップS62で、第1ドライブ10aの記録メディア12に記録されたメーカ情報やメディアの読み書きを実施して、種別が一致しているかを判定する実施例であっても良い。
【0038】
引続きステップS64では、第1マガジン7a内に他に記録メディア12が存在するかを判定し、存在しなければ(S64:NO)、ステップS59以降を繰り返し、存在すれば(S64:YES)、ステップS62以降を繰り返す。
続いてステップS65では、第2ドライブ10bの不良記録メディア12bからデータを読み込めるか判定し、読み込めなければ(S65:NO)、ステップS67以降を実施し、読み込めれば(S65:YES)、読み込まれたデータを第1ドライブ10aの交換用記録メディア12aに書込み、即ちコピーし(S66)、第2ドライブ10bの不良記録メディア12bを第1マガジン7内の交換用記録メディア12aが置かれていた場所に戻し(S67)、第1マガジン7aを排出する(S68)。
【0039】
次に、利用者が見る入力表示装置5に、交換用記録メディア12bを収納する第2マガジン7bを装填するようメッセージを送る(S69)。マガジン7が装填された場合には(S70)、先の第2マガジン7bかを判定し(S71)、第2マガジン7bでなければ(S71:NO)、マガジン7を排出し(S72)、ステップS69以降を繰り返し、第2マガジンであれば(S71:YES)、全てのデータがコピーできたか否かを判定する(S73)。完全にコピーできていれば(S73:YES)、ステップ(S77)以降を実施する。
【0040】
全てを交換用記録メディア12aにコピーできていない場合には(S73:NO)、不良記録メディア12bのデータを復元するのに必要な第2マガジン7b内の記録メディア12を、ドライブ10に移動する(S74)。記録メディア12のデータやパリティデータを読込み、復元データを生成して、第1ドライブ10a内の交換用記録メディア12aにコピーし(S75)、復元に用いた記録メディア12を第2マガジン7b内の元の場所に戻し(S76)、ステップS77以降を実施する。
ステップS77では、第1ドライブ10a内の交換用記録メディア12aを、不良記録メディア12bが置かれていた第2マガジン7bの場所に戻し、第2マガジン7bを排出して(S78)、プログラムを終了する。
【0041】
これにより、第2マガジン7b内の不良記録メディア12bと、第1マガジン7a内の交換用記録メディア12aとの交換を、人手によらず、チェンジャシステムによって行わせることで、記録メディア12の表面を人手で汚す可能性を排除できると共に、不良記録メディア12bのデータの復元も合わせて実施できるので、利用者には、一枚だけの記録メディアに比べ大容量で、かつ、関連性のあるデータが記録された各記録メディアを1つのマガジンに纏めて、一括して運用管理できる。更に、ケースにロック機構を設けて、マガジン内の記録メディアを人手で交換できなくするマガジン仕様とすることもでき、マガジン内への異質な記録メディアの混入や、間違った記録メディアの交換の可能性を回避して、信頼性や耐久性の高いマガジンの運用を実現することもできる。
【0042】
図6は、実施例2におけるストレージシステムの全体構成図である。
本実施例では、チェンジャ部3が、少なくとも2個のマガジン7を装填できることが、実施例1と異なる。
実現方法は、ドライブ10全体を上下に動かすことで夫々のマガジン7との間で、記録メディア7を移動させる実施例でも良く、2つのマガジン7を上下に動かして、空いているドライブ10へ記録メディア7を移動させることで、実現させても良い。
この場合、交換用記録メディア12aが入った第1マガジン7aと、不良記録メディア12bが入っている第2マガジン7bとを、同時にチェンジャ部3に装填できるので、実施例1のように、第1マガジン7aと第2マガジン7bを排他的にチェンジャ部3に装填する手間が不要となる。
【0043】
図7は、実施例2における記録メディア交換プログラムの処理フロー図である。
記録メディア交換プログラム1は、起動されると、チェンジャ部3内にマガジン7が装填されているかを判定し(S101)、装填されていれば(S101:YES)ステップS104以降を実施し、装填されていなければ(S101:NO)、交換用記録メディア12aを含む第1マガジン7aを装填するように、利用者が見る入力表示装置5にメッセージを送り(S102)、第1マガジン7a装填されたことを示す信号を受け取ると(S103)、ステップS104以降を実施する。
【0044】
ステップS104では、第1マガジン7aから1つの記録メディア12を取り出し、第1ドライブ10aへ移動する。第1ドライブ10aにセットされた記録メディア12は、第1ドライブ10aにおいて、空き領域があり、正常に読み書きできる交換用記録メディア12aであるかが判定される(S105)。空き領域が無く、或いはエラーレートが高く使えない場合は(S105:NO)、該記録メディア12を第1マガジン7a内の元の位置に戻し(S106)、第1マガジン7a内に他に記録メディア12が存在するか判定し(S107)、存在しなければ(S107:NO)、該第1マガジン7aを排出し(S108)、ステップS102以降を繰り返し、存在すれば(S107:YES)、ステップS104以降を繰り返す。ステップS105で、空き領域があり、正常に読み書きできる交換用記録メディアと判定された場合は(S105:YES)、ステップS109で始まる次のフローに到る。
【0045】
ステップS109では、利用者が見る入力表示装置5に、不良記録メディア12bが入っている第2マガジン7bを装填するようにメッセージを送り、装填されるのを待つ。
マガジンが装填されたことを知らせる信号を受け取る(S110)と、第2マガジン7b内の1枚の記録メディア12を第2ドライブ10bに移動し(S111)、不良記録メディア12bか否か判定する(S112)。なお、以下では、説明を簡潔にするため、第2マガジン7bには1つの不良記録メディア12bがあるものとする。また、第2マガジン7b内では、2枚の記録メディア12が同じコピーをもち、一方の記録メディア12が不良となっても、対となっている他方の記録メディア12のデータを交換用記録メディア12aにコピーすることで復元できる場合、すなわち、RAID1のデータ構成の場合を例に説明する。なお、他のRAIDのデータ構成による復元方法でも良いことは言うまでもない。
【0046】
ステップS112での判定の結果、不良記録メディア12bならば(S112:YES)、ステップS115で始まる次のフローに到る。不良記録メディア12bでなければ(S112:NO)、該記録メディアを第2マガジン7b内の元の場所に戻し(S113)、第2マガジン7b内に他の記録メディア12があるかを判定する(S114)。記録メディア12があれば(S114:YES)、ステップS111以降を繰り返し、他記録メディア12が第2マガジン7b内になければ(S114:NO)、ステップS109以降を繰り返す。
ステップS115では、第2ドライブ10bの不良記録メディア12bからデータを読み込めるか判定し、読み込めなければ(S115:NO)、ステップS118以降を実施し、読み込めれば(S115:YES)、読み込まれたデータを第1ドライブ10aの交換用記録メディア12aに書込み、即ち、コピーし(S116)、全てのデータがコピーできたか否かを判定する(S117)。完全にコピーできれば(S117:YES)、ステップS122で始まる次のフローに到る。これにより、不良記録メディア12bの不良の度合いが軽く、該不良記録メディア12bからデータが全て読み込める場合は、交換用記録メディア12aへの復旧処理が容易に、かつ、相対的に短時間で可能であり、利用者に交換用記録メディア12aへの早めの交換を促すことができる。
【0047】
ステップS117で、全てを交換用記録メディア12aにコピーできない場合には(S117:NO)、不良記録メディア12bを第1マガジン7aの交換用記録メディア12aがあった場所に移動し(S118)、第2マガジン7b内の他の正常な記録メディア12を、ドライブに移動する(S119)。ここでは、第1ドライブ10aには、交換用記録メディア12aが入っているので、第2ドライブ10bに、第2マガジン7b内の不良記録メディア12bと対となっている復元に必要な他の1枚の記録メディア12を移動させる。
第2ドライブ10bの記録メディア12から記録されているデータを読込み、第1ドライブ10a内の、交換用記録メディア12aに書き出してデータを復元する(S120)。
【0048】
復元処理が終了したら、復元に用いた第2ドライブ10b内の記録メディア12を第2マガジン7b内の元の場所に戻す(S121)。
ステップS122では、第1ドライブ内の復元された交換用記録メディア12aを、以前不良記録メディア12bが置かれていた第2マガジン7bの場所に移動して、第2マガジン7bを排出し(S123)、更に、第1マガジン7aを排出して(S124)、プログラムを終了する。
尚、ステップS102からステップS108と、ステップS109からステップS114とを入れ替えて、交換用記録メディアを第1ドライブ10aに移動させるステップと不良記録メディアを第2ドライブ10bに移動させるステップの順番を入れ替えても良い。
【0049】
さらに、経過年数やエラー率に基づき、第2マガジン7b内の全て又は多くの記録メディア12bを、第1マガジン7a内の交換用記録メディア12aと一括して交換するため、ステップS111からステップS114の不良記録メディア12bを第2ドライブ10bに移動する処理と、ステップS104からステップS108の交換用記録メディア12aを第1ドライブ10aに移動する処理と、ステップS116以降の復元処理とを、第1マガジン7aや第2マガジン7bを排出するステップS123とステップS124の前で、第2マガジン7b内の記録メディア12の数だけ繰り返す実施例としてもよい。
【0050】
これにより、実施例1と同様に、人手によらず、マガジン内の不良記録メディアを交換用の新しい記録メディアに交換でき、不要記録メディアのデータを復元できるとともに、不良記録メディアの入っている第2マガジンと交換用記録メディアの入っている第1マガジンとを同時にチェンジャ部に装填できるので、実施例1のように第1マガジンと第2のマガジンとを排他的に用いるための各マガジンの装填、排出を繰り返す手間を省くことができ、一層、使い勝手の良い管理方法を提供できる。
また、マガジン内の全ての、または多くの記録メディアを、交換用記録メディアに交換する場合にも、各マガジンの装填、排出を繰り返す手間を省くことができる。
【符号の説明】
【0051】
1:記録メディア交換プログラム、2:コンピュータ、3:チェンジャ部、4:チェンジャシステム装置、5:入力表示装置、6:投入口、7:マガジン、8:スリット、9:ローラ、10:ドライブ、11:記録メディア移動機構、12:マガジン、13:マガジンの蓋、14:ロック、15:バネ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1枚の記録メディアを有するマガジンが装填され、該マガジンが有する記録メディアを他の記録メディアと交換するためのストレージシステムであって、
前記記録メディアに対してデータを読み書きする複数のドライブと、
外部から挿入された前記マガジンを前記ストレージシステム内に装填し、前記マガジンが有する記録メディアを前記マガジンと前記ドライブとの間で移送し、及び、装填された前記マガジンを外部に搬出する移送部と、
前記ストレージシステムの動作を制御するプログラムを有する制御部
を備え、
前記制御部のプログラムは、
記録メディアの交換に際し新たに使用される第1の記録メディアを有する装填された第1のマガジンより、前記移送部を介して前記第1の記録メディアを前記複数のドライブが含む第1のドライブに移送して、前記第1の記録メディアの状態を判定する第1の判定ステップと、
記録メディアの交換に際し使用を中止される第2の記録メディアを有する装填された第2のマガジンより、前記移送部を介して前記第2の記録メディアを前記複数のドライブが含む前記第1のドライブとは異なる第2のドライブに移送して、前記第2の記録メディアの状態を判定する第2の判定ステップと、
前記第1と第2の判定ステップによる判定の結果、前記第1と第2の記録メディアの状態が所定の条件を満足する場合には、前記移送部を介して前記第1の記録メディアを前記第2のマガジンに移送し前記第2の記録メディアを前記第1のマガジンに移送して交換する記録メディア交換ステップ
を有することを特徴とするストレージシステム。
【請求項2】
少なくとも1枚の記録メディアを有するマガジンが装填され、該マガジンが有する記録メディアを他の記録メディアと交換するためのストレージシステムであって、
前記記録メディアに対してデータを読み書きする複数のドライブと、
外部から挿入された前記マガジンを前記ストレージシステム内に装填し、前記マガジンが有する記録メディアを前記マガジンと前記ドライブとの間で移送し、及び、装填された前記マガジンを外部に搬出する移送部と、
前記ストレージシステムの動作を制御するプログラムを有する制御部
を備え、
前記制御部のプログラムは、
記録メディアの交換に際し新たに使用される第1の記録メディアを有する装填された第1のマガジンより、前記移送部を介して前記第1の記録メディアを前記複数のドライブが含む第1のドライブに移送して、前記第1の記録メディアの状態を判定する第1の判定ステップと、
記録メディアの交換に際し使用を中止される第2の記録メディアを有する装填された第2のマガジンより、前記移送部を介して前記第2の記録メディアを前記複数のドライブが含む前記第1のドライブとは異なる第2のドライブに移送して、前記第2の記録メディアの状態を判定する第2の判定ステップと、
前記第1と第2の判定ステップによる判定の結果、前記第1と第2の記録メディアの状態が所定の条件を満足する場合には、前記第2の記録メディアに記録されたデータを前記第1の記録メディアにコピーするコピーステップと、
該コピーステップにおけるコピーが完了した後、前記移送部を介して前記第1の記録メディアを前記第2のマガジンに移送し前記第2の記録メディアを前記第1のマガジンに移送する記録メディア交換ステップ
を有することを特徴とするストレージシステム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のストレージシステムにおいて、
前記記録メディア交換ステップは、前記第1の記録メディアを前記第2のマガジンにおける前記第2の記録メディアが置かれていた場所に移送し、前記第2の記録メディアを前記第1のマガジンにおける前記第1の記録メディアが置かれていた場所に移送することを特徴とするストレージシステム。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のストレージシステムにおいて、
前記第1の判定ステップにおける判定のための所定の条件とは、前記第1の記録メディアがデータを記録するための空領域を有することを特徴とするストレージシステム。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載のストレージシステムにおいて、
前記第2の判定ステップにおける判定のための所定の条件とは、前記第2の記録メディアに対してデータを読み書きする際のエラー率が所定値以上であることを特徴とするストレージシステム。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載のストレージシステムにおいて、
前記第2の判定ステップにおける判定のための所定の条件とは、前記第2の記録メディアにおける製造後の経過日数が所定値以上であることを特徴とするストレージシステム。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載のストレージシステムにおいて、
前記第2の判定ステップにおける判定のための所定の条件とは、前記第2の記録メディアにおける使用回数が所定値以上であることを特徴とするストレージシステム。
【請求項8】
請求項1または請求項2に記載のストレージシステムにおいて、
前記第1の判定ステップにおける判定のための所定の条件とは、前記第1の記録メディアにおける製造メーカが所定の製造メーカとは異なる場合であることを特徴とするストレージシステム。
【請求項9】
請求項1または請求項2に記載のストレージシステムにおいて、
前記第1の判定ステップにおける判定のための所定の条件とは、前記第1の記録メディアにおける記録媒体としての種類が所定の種類とは異なる場合であることを特徴とするストレージシステム。
【請求項10】
請求項2に記載のストレージシステムにおいて、
前記第2のマガジンは、前記第2の記録メディアを含む複数の記録メディアを有し、一つの記録メディアに記録されているデータは、該データを読み出すことができない場合においても前記第2のマガジンが有する他の記録メディアに記録されているデータにより復元されるデータであって、
前記制御部のプログラムは、
前記第2の判定ステップによる判定の結果、前記第2の記録メディアの状態が所定の条件を満足し、かつ前記第2の記録メディアから前記データを読み出せない場合には、前記コピーステップは、前記他の記録メディアに記録されたデータを前記第1の記録メディアにコピーすることを特徴とするストレージシステム。
【請求項11】
請求項1または請求項2に記載のストレージシステムにおいて、
該ストレージシステムに装填される前記マガジンは一個であって、
前記制御部のプログラムは、
前記第1の判定ステップで前記第1の記録メディアの状態を判定した後に、前記第1の記録メディアを前記第1のドライブに入れたまま、前記移送部を介して前記第1のマガジンを移送して外部に搬出し、次いで装填された前記第2のマガジンから前記移送部を介して前記第2の記録メディアを前記第2のドライブに移送し、前記第2の判定ステップで前記第2の記録メディアの状態を判定することを特徴とするストレージシステム。
【請求項12】
請求項1または請求項2に記載のストレージシステムにおいて、
該ストレージシステムに装填される前記マガジンは一個であって、
前記制御部のプログラムは、
前記第2の判定ステップで前記第2の記録メディアの状態を判定した後に、前記第2の記録メディアを前記第2のドライブに入れたまま、前記移送部を介して前記第2のマガジンを移送して外部に搬出し、次いで装填された前記第1のマガジンから前記移送部を介して前記第1の記録メディアを前記第1のドライブに移送し、前記第1の判定ステップで前記第1の記録メディアの状態を判定することを特徴とするストレージシステム。
【請求項13】
請求項11に記載のストレージシステムにおいて、
前記第2のマガジンは、前記第2の記録メディアを含む複数の記録メディアを有し、一つの記録メディアに記録されているデータは、該データを読み出すことができない場合においても前記第2のマガジンが有する他の記録メディアに記録されているデータにより復元されるデータであって、
前記制御部のプログラムは、
前記第2の判定ステップによる判定の結果、前記第2の記録メディアの状態が所定の条件を満足し、かつ前記第2の記録メディアから前記データを読み出せない場合には、前記第2のドライブから前記移送部を介して前記第2の記録メディアを前記第2のマガジンに移送し、次いで前記第2のマガジンから前記移送部を介して前記他の記録メディアを前記第2のドライブに移送した後、
前記コピーステップは、前記他の記録メディアに記録されたデータを前記第1の記録メディアにコピーし、
次いで、前記第2のドライブから前記移送部を介して前記他の記録メディアを前記第2のマガジンに移送し、前記第2のマガジンから前記移送部を介して前記第2の記録メディアを前記第2のドライブに移送し、前記第1のドライブから前記移送部を介して前記第1の記録メディアを前記第2のマガジンに移送することを特徴とするストレージシステム。
【請求項14】
請求項12に記載のストレージシステムにおいて、
前記第2のマガジンは、前記第2の記録メディアを含む複数の記録メディアを有し、一つの記録メディアに記録されているデータは、該データを読み出すことができない場合においても前記第2のマガジンが有する他の記録メディアに記録されているデータにより復元されるデータであって、
前記制御部のプログラムは、
前記第1の判定ステップによる判定の結果、前記第1の記録メディアの状態が所定の条件を満足し、かつ前記第2の記録メディアから前記データを読み出せない場合には、前記第2のドライブから前記移送部を介して前記第2の記録メディアを前記第1のマガジンに移送して外部に搬出し、次いで装填された前記第2のマガジンから前記移送部を介して前記他の記録メディアを前記第2のドライブに移送した後、
前記コピーステップは、前記他の記録メディアに記録されたデータを前記第1の記録メディアにコピーし、
次いで、前記第2のドライブから前記移送部を介して前記他の記録メディアを前記第2のマガジンに移送し、前記第1のドライブから前記移送部を介して前記第1の記録メディアを前記第2のマガジンに移送することを特徴とするストレージシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−45475(P2013−45475A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181386(P2011−181386)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】