説明

スパウト付き収容体および栓体

【課題】内容物注出時に外気などが入り込むことを防止して再封止が可能なスパウト付き収容体を提供する。
【解決手段】本発明のスパウト付き収容体1は、収容本体1aに取着されて内容物を取り出し可能にするスパウト5を有し、このスパウト5は、内容物を外部に注出するための注出口部6を備える。注出口部6内には弾性を有するホルダ9が支持され、ホルダ9内には、互いに面接して圧接される一対の栓体部から成る割り栓20が嵌挿される。割り栓20は、内容物の押圧力によって栓体部同士が離間するように押し広げられることにより内容物の注出流路を確保し、ホルダ9の弾性復元力によって互いに圧接して前記注出流路を閉じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物を取り出し可能にするスパウトを取着したスパウト付き収容体に係わり、特に、スパウト構造に特徴を有するスパウト付き収容体に関する。また、本発明は、前記特徴的なスパウト構造を有する栓体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば合成樹脂製のシート(プラスチックフイルムなど)を重ねて溶着(熱溶着)すると共に、これにスパウトと称される注出口を溶着(熱溶着)したスパウト付き収容体が知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなスパウト付き収容体は、内部(収容部)に液体や半流動体などの内容物を充填し、スパウトを介して内容物が注出されるようになっており、医療分野、食品分野、日用品分野等、様々な分野で使用されている。
【0003】
また、上記したスパウト付きの収容体では、内容物を取り出した後、再封止できるように、キャップのような閉塞体を設けることが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−291549号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したようなスパウト付きの収容体を利用するに際し、特定の分野では、スパウトを介して内容物を取り出す際に、収容部内に外気などが入り込むのを防止したいことがある。これは、外気が入り込むことで内容物と反応し、内容物の性質が変化してしまう可能性があるためである。
【0006】
従来のようなスパウト付き収容体では、使用時において、閉塞体を外し、そのまま内容物を注出した後、再び閉塞体を取着しても、閉塞体を開封して注出操作をする際に、必然的に外気が収容部に入り込んでしまう。
【0007】
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、内容物注出時に外気などが入り込むことを防止して再封止が可能なスパウト付き収容体、および各種の収容体に装着可能な栓体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するために、本発明は、シート状部材を重ねて周囲を溶着することにより内容物を収容するための収容部を形成する収容本体と、収容本体に取着されて内容物を取り出し可能にするスパウトとを有するスパウト付き収容体であって、前記スパウトは、内容物を外部に注出するための注出口部と、収容本体に取着される取着部とを備え、前記注出口部内には弾性を有するホルダが支持され、前記ホルダ内には、互いに面接して圧接される一対の栓体部から成る割り栓が嵌挿され、前記割り栓は、前記内容物の押圧力によって前記栓体部同士が離間するように押し広げられることにより前記内容物の注出流路を確保し、前記ホルダの弾性復元力によって互いに圧接して前記注出流路を閉じることを特徴とする。
【0009】
上記した構造によれば、ホルダ内に嵌挿された割り栓は、栓体部同士が互いに面接して圧接された状態にある。そして、例えば、収容本体に対して外圧を作用させるなど、割り栓に対して内容物による押圧力が生じると、面接している栓体部が押し広げられるようになり、栓体部同士の間に注出流路が確保され、注出口部からの内容物の注出が可能となる。一方、収容本体に対する前記外圧が解除されると、前記ホルダの弾性復元力によって栓体部同士が圧接することが可能となり、再び注出流路が封止される。このため、スパウトを介して内容物を取り出す際に、外部から気体や液体などが収容本体内に流入することがなく、内容物の性質が変化してしまうといった事態を防止できる。
【0010】
上記した構成において、前記割り栓を形成する各栓体部は、互いに対向する側に、前記収容本体内の圧力を受ける凹陥状の受圧部と、相対する栓体部に圧接される圧接面とを有し、内容物の押圧力が前記受圧部に作用して前記圧接面同士が離間することにより注出流路が確保されるように構成することが好ましい。
【0011】
このような構成では、例えば、収容本体に外圧を加えて内容物による押圧力を作用させた際、栓体部同士を効果的に離間させることが可能となり、割り栓の注出流路の開栓応答性を高めることができ、また、外圧を取り除いた際の割り栓の封止応答性も同様に高めることが可能となる。
【0012】
また、上記した構成においては、前記収容本体内の内容物を前記受圧部へと案内するためのガイド手段を更に有することが好ましい。
【0013】
このような構成では、ガイド手段によって内容物が受圧部へと確実に案内されるため、割り栓を効率的に開栓でき、内容物を無駄なく注出できる。
【0014】
また、本発明は、上記した目的を達成するために、所定の内容物を収容する収容容器の注出口部に着脱自在に取り付けられ、内容物が連通する連通孔を具備した栓体を提供する。この栓体の連通孔内には、弾性を有するホルダが支持されており、前記ホルダ内には、互いに面接して圧接される一対の栓体部から成る割り栓が嵌挿され、前記割り栓は、前記内容物の押圧力によって前記栓体部同士が離間するように押し広げられることにより前記内容物の注出流路を確保し、前記ホルダの弾性復元力によって互いに圧接して前記注出流路を閉じることを特徴とする。
【0015】
このような栓体によれば、前述した特徴を有する構造を、既存の任意の容器に対して自在に適用することが可能となる。
【0016】
また、上述したホルダ内には、ホルダ自身の弾性変形を利用して、ホルダ内面との間に注出流路が確保できれば、嵌挿されるのは、割り栓構造でなくても良い。また、ホルダ自身が弾性変形しない構成であっても、内部に嵌挿される栓部が弾性変形する構造であっても良い。或いは、ホルダを設けることなく、弾性変形するような割り栓構造を注出口部内に嵌挿する構造であっても良い。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、内容物注出時に外気などが入り込むことを防止して再封止が可能なスパウト付き収容体および栓体が得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係るスパウト付き収容体の一実施形態を示す図であり、主要構造を示す概略斜視図。
【図2】(a)は図1のスパウト付き収容体のスパウトの注出口部を上側から見た図、(b)はスパウトの注出口部を下側から見た図。
【図3】図1のスパウト付き収容体の主要構造を示す概略側面図。
【図4】(a)は図1のスパウト付き収容体のホルダに嵌挿される割り栓の栓体部の正面図、(b)は栓体部の平面図、(c)は栓体部の側面図。
【図5】割り栓の斜視図。
【図6】本発明に係る栓体の一実施形態を示す図であり、収容容器に取り付けた状態を示す概略斜視図。
【図7】割り栓の第1の変形例の分解斜視図。
【図8】割り栓の第2の変形例の分解斜視図。
【図9】(a)及び(b)は、それぞれ割り栓の第3及び第4の変形例を示す図。
【図10】スパウト付き収容体の第2の実施形態を示す図であり、スパウト付き収容体の主要構造を示す概略斜視図。
【図11】図10のスパウト付き収容体において、ホルダ内に設置される栓部(流出制御部)の構成を示す図。
【図12】スパウト付き収容体の第3の実施形態を示す図であり、スパウト付き収容体の主要構造を示す概略斜視図。
【図13】図12のスパウト付き収容体において、ホルダ内に設置される栓部の構成を示す図。
【図14】本発明に係る栓体の別の実施形態を示す図であり、収容容器の構成を示す図。
【図15】図14に示す栓体の内部に設けられるホルダ構造を示す図。
【図16】図14に示す栓体を収容容器に取り付けた状態を示す概略斜視図。
【図17】スパウト付き収容体の第4の実施形態を示す図であり、スパウト付き収容体の主要構造を示す概略斜視図。
【図18】図17のスパウト付き収容体において、注出口内に設置される栓体部の構成を示す図。
【図19】図18に示す栓体部を構成する割り栓を示す概略斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、図1から図5は、スパウト付き収容体の第1の実施形態を示しており、図1は、スパウト付き収容体の主要構造を示す概略斜視図、図2の(a)は、図1のスパウト付き収容体のスパウトの注出口部を上側から見た図、図2の(b)は、スパウトの注出口部を下側から見た図、図3は、図1のスパウト付き収容体の主要構造を示す概略側面図、図4は、スパウト付き収容体に嵌挿される割り栓構造を示す図であり、(a)は、割り栓の栓体部の正面図、(b)は栓体部の平面図、(c)は栓体部の側面図、そして、図5は割り栓の斜視図である。
【0020】
図1は、スパウト付き収容体1の略上半部を示しており、スパウト5を取着した状態を示す図である。スパウト付き収容体1の収容本体1aは、例えば合成樹脂のような比較的柔軟な材質で構成されているシート状部材8a,8bを重ね、これを周囲で溶着(熱溶着)することによって形成される。溶着部分は、斜線部3で示されており、それ以外の部分が袋状になって、例えば流体状の内容物が収容される収容部Sを形成する。ここで、収容本体1aについては、その全体形状、大きさ、溶着領域等について、特に限定されることはなく、各種のものが含まれる。例えば、収容本体1aの全体形状としては、底面部を有して直立可能ないわゆる自立体容器、或いは、2枚のシート状部材8a,8bの周囲領域を溶着しただけのいわゆる三方体等が含まれる。
【0021】
そして、シート状部材8a,8bが溶着される際、その上端部には、内容物を取り出し可能にするスパウト5が溶着される。このスパウト5は、合成樹脂等によって予め一体成形されており、2枚のシート状部材8a,8bの上端部を溶着する際、その間に介在されて取着される。スパウト5は、収容本体1から外部に突出して内容物を外部に注出するための筒状の注出口部6と、収容本体1の各シート状部材に取着される断面船形(円形状であっても良い)に形成された取着部7とを備えている。
【0022】
なお、前記シート状部材8a,8bは、前述したように柔軟性を有する合成樹脂製のシート(プラスチックフイルム)であり、例えば、溶着し易いようにポリエチレンやポリプロピレンなどによって構成され、公知のように、その表面側に、内容物に対するバリア性(ガスバリア性および遮光性)を高めるように、ナイロン、アルミホイルなどを積層した、いわゆる複合層で構成されることが好ましい。
【0023】
また、注出口部6には、図示されていない閉塞部材、例えば、スクリュー式のキャップや、プル式のキャップが装着される。
【0024】
上記したスパウト5において、その注出口部6内(収容部Sに通じる連通孔部分)には、弾性を有するホルダ9が支持されている。このホルダ9は、後述する割り栓を嵌挿して保持するものであり、割り栓が開く方向に対して弾性変形可能に構成されている。具体的に、本実施形態のホルダ9は、断面略矩形状に形成された筒状の弾性薄膜(例えば、厚さが0.3mm程度で構成される)で構成されており、注出口部6側に挿入開口9a(図2参照)を有する。なお、この挿入開口9aについては、例えば、2mm程度の幅を有している。また、この筒状のホルダ9は、挿入開口9aの両側に位置され、注出口部6に沿って延出する支持膜片9b,9bによって、注出口部6の内面に固着されて支持されている。
【0025】
上記したようなホルダ構造によれば、その肉厚、及び両端を支持する支持膜片9b,9bによって、筒状の部分が撓み易くなり、嵌挿される割り栓が開くように保持することが可能となる。なお、ホルダの大きさ、形状、肉厚等に関しては、内容物の種類、収容体の大きさ等によって適宜変形することが可能である。
【0026】
また、このようなホルダ9内には、注出口部6の開口6a及び挿入開口9aを通じて、割り栓20が嵌挿される。割り栓20は、図4及び図5に示されるように、互いに面接して圧接される一対の栓体部22,24によって構成されている。
【0027】
各栓体部22,24は、例えば、樹脂によって一体成形されており、互いに面接した状態で上記したホルダ9内に挿入される。各栓体部22,24は、例えば、収容本体1aに対して外力が加わることで、その内容物による押圧力によって互いが離間するように撓み、これにより面接した境界部分が互いに離間するように押し広げられて注出流路が確保される構造となっている。すなわち、割り栓20は、栓体部22,24が面接した部分の境界部29(図5参照)から、内容物が注出可能となるように構成されている。
【0028】
本実施形態では、収容本体1aに対して外力が加わった際、注出流路が確保され易いように、各栓体部22,24は、互いに対向する側に、収容部S内の圧力を受ける凹陥状の受圧部22b,24bと、相対する栓体部24,22に圧接される圧接面22c,24cとを有している(図4参照)。また、各栓体部22,24は、互いに対向する側と反対側に、ホルダ9の内面に圧着される圧着面22a,24aを有する。
【0029】
そして、このような栓体部22,24は、受圧部22b,24b同士を対向させ、且つ圧接面22c,24c同士を面接させた組み合わせ状態で、ホルダ9内の所定の位置で圧着面22a,24aがホルダ9の内面に嵌挿されることで装着される。このとき、割り栓20には、前記受圧部22b,24bにより、収容本体1a内へ面する開口部20a(図5参照)が形成される。
【0030】
なお、上記した構成では、栓体部22,24は、互いに面接した状態でホルダ9内に嵌挿されて割り栓20を構成することから、例えば、各栓体部22,24に位置決め用のフランジ27を形成しておいても良い。このフランジ27は、ホルダ9の上端縁に当接することにより、割り栓20をホルダ9に対して位置決め、支持する機能を果たす。
【0031】
また、本実施形態において、スパウト5の注出口部6内には、収容本体1a内の内容物を栓体部22,24の受圧部22b,24bへと案内するためのガイド手段13が設けられている。このガイド手段13は、例えば、スパウト5の注出口部6に一体的に設けられ且つ受圧部22b,24bへ向かって内側の空洞部が狭くなるドーム形状体として構成することが可能である。
【0032】
以上のように構成されるスパウト付き収容体1においては、まず、手で収容本体1aを挟圧するなどして収容本体1aに対して外圧を加えると、その外圧に伴って内容物がスパウト5側に向かって押し出され、その際の押圧力により、栓体部22,24同士が離間するように押し広げられて、互いに面接した部分に注出流路が確保される(割り栓20が開栓する)。具体的には、外圧に伴う内容物の押圧力(収容本体1a内の圧力)は、ガイド手段(ドーム形状体)13を介して次第に絞り込まれるように案内され、押圧力が高まった状態で開口部20aを通じて、各栓体部22,24の凹陥状の受圧部22b,24bに作用する。これにより、栓体部22,24がホルダ9の弾性力に抗して互いに拡がる方向に撓むことができ、圧接面22c,24c同士が離間して注出流路が確保される。
【0033】
なお、このときの内容物の注出量(流出量)については、ホルダ9の弾性力(ホルダ部分の肉厚や支持膜片9b,9bの構成など)によって調整することができる。或いは、それ以外にも、収容本体1a内の内圧(挟圧力)を制御することにより調整することも可能である。このように、割り栓20の開栓時には、収容本体1a内の内容物が圧接面22c,24c間の注出流路を通じて注出口部6の開口6aから流出することが可能である。
【0034】
一方、収容本体1aに対して加えていた外圧を解除すると、受圧部22b,24bに作用する押圧力がなくなり、したがって、栓体部22,24は、ホルダ9の弾性復元力によって圧接面22c,24c同士が再び圧接し、割り栓20が封止される。このように、外圧を解除することで、圧接面22c,24c同士は、ホルダ9の弾性力によって再び面接するため、外気が収容部内に入り込むことはない。すなわち、収容本体1aに対して外圧を加えることで、内容物は流出するものの、このとき、外気が収容部内に入り込むことはなく、かつ、外圧を解除することで、直ちに注出流路が閉塞されるため、内容物と外気が反応するようなことはない。
【0035】
以上のように、本実施形態のスパウト付き収容体1によれば、一対の栓体部22,24から成る割り栓20をホルダ9内に嵌挿し、例えば、外圧に伴う内容物の押圧力によって面接状態の栓体部22,24同士を押し広げて割り栓20を開栓するようにしているため、簡単な構造で内容物注出時の開栓が可能となる。また、本実施形態の構成では、収容本体1a内の内圧の低下(外圧の除去)により、割り栓20が閉栓するため、収容部に外気などが入り込むことはなく、更に、開封後において、収容体1が転倒しても、内容物の流出を防止することが可能となる。
【0036】
さらに、本実施形態では、割り栓20を構成する各栓体部22,24は、互いに対向する側に、収容本体1a内の圧力を受ける凹陥状の受圧部22b,24bと、相対する栓体に圧接される圧接面22c,24cとを有し、外圧に伴う内容物の押圧力が受圧部22b,24bに作用して圧接面22c,24c同士が離間することにより割り栓20が開栓するようになっている。このため、外圧に伴う内容物の押圧力を、栓体部22,24同士を離間させる作用力へと効率的且つ効果的に変換できるため、割り栓20の開栓応答性を高めることができ、更には、割り栓20の閉栓応答性も同様に高めることができる。
【0037】
図6は、本発明に係る栓体の一実施形態を示している。本実施形態では、前述した実施形態におけるスパウト構造を、独立した栓体50として、既存の任意の収容容器に着脱自在に装着できるようになっている。具体的には、本実施形態の栓体50は、所定の内容物を収容するボトル状の収容容器40の注出口部40aに着脱自在に螺着や圧入等によって取り付けられるようになっており、前述したスパウト5と同様の内部構造(ドーム状のガイド手段13は設けられていてもよく、或いは設けられていなくてもよい)を有している。
【0038】
前記栓体50は、上述した実施形態と同様、連通孔50a内に弾性を有するホルダ9を支持しており、ホルダ9内には、互いに面接して圧接される一対の栓体部22,24から成る割り栓20が嵌挿されている。この場合、割り栓20は、収容容器40を傾けるなど、内容物による押圧力によって栓体部22,24同士が離間するように押し広げられる程度に構成されており、これにより内容物の注出流路が確保される。また、上述したように、ホルダ9の弾性復元力によって互いに圧接して注出流路を閉じるようになっている。なお、栓体50には、螺着等によって閉塞キャップ60が取り付けられるようになっている。
【0039】
このような栓体50によれば、前述した特徴を有する構造を、既存の任意の容器40に自在に適用することが可能となる。すなわち、ペットボトルなど、様々な収容体に対しても、内容物に空気が流入しない構造の栓体を容易に装着することが可能となる。
【0040】
上述した割り栓20については、様々な形態で実施することが可能である。以下、割り栓の変形例について説明する。なお、以下に説明する割り栓では、上記した割り栓と同様な部分については、同一の参照符号を付すこととする。
【0041】
図7は割り栓20の第1の変形例を示している。本変形例では、各栓体部22,24を部分的に薄肉厚化することで、各栓体部22,24を撓み易くして、注出流路を通じた流出量を多くできるようにしている。具体的には、各栓体22,24の外面の中央部に、縦方向に沿って溝22e,24eを形成することで、各栓体部22,24を、互いに離間する方向に撓み易くして注出流路を拡げることが可能となっている。このような構成によれば、収容本体1aに対してそれ程大きな押圧力を作用させなくても、内容物を注出することが可能となる。もちろん、このように薄肉厚化する部分については、適宜変形することが可能であり、その形成位置によっては、収容本体1aを傾けるだけで内容物を注出できるように構成することも可能である。なお、各栓体部22,24が撓み易くなっても、内容物を注出した後は、再び、ホルダ9の弾性復元力によって面接するため、内容物を再封止することが可能である。
【0042】
また、図7に示すように、割り栓20を構成する各栓体部22,24の注出部側に、内容物を保留可能にする凹所22f,24fを形成しておくことが好ましい。
【0043】
このような凹所22f,24fは、内容物を注出した後、収容本体1aを元の状態に自立させた際、その部分に内容物を保留させておくことが可能となる。このように、内容物を保留させておくような凹所を形成しておくことで、収容部内に外気等が流入することを確実に防止することが可能となる。すなわち、収容体が乾燥状態になっても、外気と接触する領域に、内容物が保留されているため、外気などの流入を確実に抑制することが可能となる。
【0044】
図8は割り栓20の第2の変形例を示している。本変形例の割り栓20を構成する各栓体部22,24は、側面視で略五角形状を成しており、収容本体1a内の圧力を受ける凹陥状の受圧部22b,24bの反対側に突出部22h,24hが形成されている。
【0045】
また、各栓体部22,24の互いに面接する圧接面22c,24c(片方の24cのみ図示する)には、受圧部22b,24bから所定の間隔(この間隔は各栓体が圧接する領域となる)をおいて、同じ形状にくり抜かれた溝22g,24g(片方の24gのみ図示する)が形成されている。この溝22g,24gは、各栓体部22,24が面接した際、内容物が流れる流路となり、前記突出部22h,24hの領域に至るまで形成されて、各栓体部22,24の端面に開口した状態となっている。
【0046】
この場合、溝22g,24gは、収容本体1a内の圧力を受けて受圧部22b,24bを介して圧接面22c,24c同士が離間して割り栓20が開栓した際、大きな流量が確保されるように幅方向に広がって形成されると共に、その中央部において、突出部22h,24hに延出するように形成されている。突出部22h,24hは、例えばスパウト5の外部に突出するように位置されていてもよい。
【0047】
上記した構成の割り栓20によれば、各栓体22,24の突出部22h,24hが外部に露出した状態で、収容本体1aの収容部Sに対して外圧を加えると、受圧部22b,24bを介して各栓体22,24が互いに拡がる方向に撓み、圧接面22c,24c同士が離間して内容物が流れることが可能となる。
【0048】
そして、拡がった状態の圧接面22c,24cを通過した内容物は、前記溝22g,24gに沿って流れ、その端部の開口から注出することが可能となる。この場合、圧接面22c,24cに流路となる溝を形成しているため、それ程大きな押圧力を作用させなくても、内容物を注出することが可能となる。また、本構成では、突出部22h,24hが、スパウト5から露出した状態となるため、内容物を注出した後の液切れが良好になる。
【0049】
上記した実施形態において、割り栓20の構成(受圧部の形状や薄肉厚部の形状、溝の形状など)については、所望の流出量や内容物の粘度などに応じて、適宜変形することが可能である。具体的には、例えば、図9の(a)(b)に示されるような形状の溝22g,24gが形成されていても良い。
【0050】
また、上記したホルダ9については、割り栓の構成に応じて適宜変形することが可能であり、その断面形状、肉厚、注出口部に対する支持方法については、適宜変形することが可能である。また、ガイド手段13については、割り栓に対して、内容物が案内できる構成であれば良く、ドーム状に形成することなく、単に平坦な面によって構成しても良い。
【0051】
図10及び図11は、スパウト付き収容体の第2の実施形態を示しており、図10は、スパウト付き収容体の主要構造を示す概略斜視図、図11は、図10のスパウト付き収容体において、ホルダ内に設置される栓部(流出制御部)の構成を示す図である。なお、以下に説明する実施形態において、上記した実施形態と同様な構成については、同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0052】
本実施形態では、スパウト5Aの注出口部6内(収容部Sに通じる連通孔部分)に弾性を有する円筒形状のホルダ9Aを支持している。このホルダ9Aには、その内部に、ホルダ9Aの内周面に密着する栓部(流出制御部)70が抜け止めされた状態で嵌挿される。この場合、栓部70は、図11に示すように、略円柱形状の中実体として構成されており、ホルダ9Aの内周面に密着する密着部70a、収容部側から密着部70aに向けて次第に拡径する傾斜面70b、及び密着部70aの上方側(開口6a側)に向けて次第に縮径する傾斜面70cが形成されている。
【0053】
上記した栓部70は、ホルダ9Aの下側から嵌入され、その下端には、栓部70が収容部側に抜けないように、スパウト5Aの注出口部6の連通孔の内面に取着される円板状のストッパ75が固定されている。また、このストッパ75には、内容物を通過させる通過孔75a(形成個数は限定されることはない)が形成されている。
【0054】
そして、前記栓部70は、内容物に押圧力が作用して、前記ストッパ75の通過孔75aを介して密着部分に流入した際、密着部70aとホルダ9Aの内面との間で、ホルダ9Aが撓むことで、密着部70aが離間するように機能する。これにより、上述した実施形態と同様、内容物の注出流路が確保される。また、内容物の押圧力がなくなると、ホルダ9Aの弾性復元力によって、密着部70aがホルダ9Aの内面と密着し、注出流路が閉じられるようになっている。
【0055】
このような構成によれば、栓部70をホルダ9Aに対して、容易に組み付けることが可能となる。
【0056】
図12及び図13は、スパウト付き収容体の第3の実施形態を示しており、図12は、スパウト付き収容体の主要構造を示す概略斜視図、図13は、図12のスパウト付き収容体において、ホルダ内に設置される栓部の構成を示す図である。
【0057】
本実施形態では、前記第2実施形態と同様、スパウト5Bの注出口部6内(収容部Sに通じる連通孔部分)に円筒形状のホルダ9Aを支持している。このホルダ9Aには、その内部に、ホルダ9Aの内周面に密着する略円筒形状の栓部(流出制御部)80が抜け止めされた状態で嵌挿されている。この場合、栓部80は、弾性変形可能な材料(例えば、ゴム)によって、図13に示すように、中空状に構成されており、ホルダ9Aの内周面に密着するいずれかの部分に開口80aが形成されている。
【0058】
上記した栓部80は、ホルダ9Aと略同一の径を備えており、ホルダの下側から嵌入することが可能である。この場合、栓部80は、弾性変形可能な材料で形成されているため、前記ホルダ9Aを多少、厚肉に形成することが可能となり、栓部80をホルダ内に圧入した際、その栓部80の弾性力によって、抜けを防止するようにしている。従って、第2実施形態のようなストッパを設ける必要がなく、組み付け作業をより簡易化することが可能となる。
【0059】
そして、前記栓部80は、内容物に押圧力が作用して、内容物が栓部80内に流入すると、栓部80の外周面とホルダ9Aの内面との間で栓部80が撓むようになり、両者の間が離間するように機能する。これにより、上述した実施形態と同様、開口80aを介して内容物の注出流路が確保される。また、内容物の押圧力がなくなると、栓部80の弾性復元力によって、栓部80の外周面がホルダ9Aの内面と密着し、注出流路が閉じられるようになっている。
【0060】
このような構成によれば、栓部80をホルダ9Aに対して、更に容易に組み付けることが可能となる。また、ホルダ9Aは、弾性変形しない構成でも良いため、肉厚を厚くしても良いし、上述した実施形態のような支持膜片9b,9bを形成することなく、注出口部6の内面に嵌入する構成であっても良い。
【0061】
図14から図16は、本発明に係る栓体の別の実施形態を示している。この実施形態では、上述したスパウト付き収容体の第3の実施形態におけるスパウト構造を、独立した栓体90として、既存の任意の収容容器に着脱自在に装着できるようになっている。具体的には、本実施形態の栓体90は、図6に示した構造と同様、所定の内容物を収容するボトル状の収容容器40の注出口部40aに着脱自在に螺着や圧入等によって取り付けられるようになっており、前述したスパウト5Bと同様の内部構造を有している。
【0062】
すなわち、前記栓体90の連通孔90a内には、上述した第3の実施形態と同様、円筒形状のホルダ9Aを内部に支持しており(圧入されていても良い)、このホルダ9Aには、その内部に、ホルダ9Aの内周面に密着する栓部80が抜け止めされた状態で嵌挿されている。この場合、栓部80は、上述した第3実施形態と同様、中空状で弾性変形可能な材料によって構成されており、ホルダ9Aの内周面に密着するいずれかの部分に開口80aが形成されている。
【0063】
このような栓体90によれば、第3の実施形態の特徴を有する構造を、既存の任意の容器40に自在に適用することが可能となる。すなわち、ペットボトルなど、様々な収容体に対しても、内容物に空気が流入しない構造の栓体を容易に装着することが可能となる。
【0064】
もちろん、上述した第2の実施形態の特徴を有する構造を、既存の任意の容器40に適用しても良い。
【0065】
図17から図19は、スパウト付き収容体の第4の実施形態を示しており、図17は、スパウト付き収容体の主要構造を示す概略斜視図、図18は、図17のスパウト付き収容体において、注出口内に設置される栓体部の構成を示す図、そして、図19は、図18に示す栓体部を構成する割り栓を示す概略斜視図である。
【0066】
本実施形態では、スパウト5Cの注出口部6内(収容部Sに通じる連通孔部分)に、互いに面接して圧接される一対の栓体部122,124からなる略円筒形状(円柱形状)の割り栓120が嵌挿されて構成されている。この場合、両栓体部122,124は、例えば、ゴムのように弾性変形可能な材料によって一体形成されており、互いに面接した状態で注出口部6内に挿入される。
【0067】
上述した第1の実施形態と同様、各栓体部122,124は、例えば、収容本体1aに対して外力が加わることで、その内容物による押圧力によって互いが離間するように弾性変形することができ、これにより、上述した実施形態と同様、面接した境界部分が互いに離間するように押し広げられて注出流路(図19の斜線で示す領域150が、互いに対向する圧接面となって注出流路となる)が確保される構造となっている。すなわち、割り栓120は、栓体部122,124が面接した部分の境界部129から、内容物が注出可能となっており、かつ各栓体部122,124の弾性復元力によって互いに圧接して前記注出流路を閉じ、空気が内部に入らないようになっている。
【0068】
なお、上記した境界部129は、各栓体部122,124の上面の接合領域を、略三角形状となるように隆起させておき(隆起部を122a,124aで示す)、その頂部に境界部129が形成されるようにしておくことが好ましい。このように構成しておくことで、注出時に、液が垂れることを防止することが可能となる。
【0069】
また、このような構成においても、上述した割り栓20の構成と同様、収容本体1aに対して外力が加わった際、前記注出流路が確保され易いように、各栓体部122,124には、互いに対向する側に、収容部S内の圧力を受ける凹陥状の受圧部122b,124bを形成しておくことが好ましい。これにより、栓体部122,124は、受圧部122b,124b同士を対向させ、且つ圧接面150同士を面接させた組み合わせ状態で、注出口部6内に圧入される。
【0070】
さらに、上記したような構成では、各栓体部122,124が弾性変形し易いように、各栓体部122,124には、圧接面150の領域が弾性変形して離間し易いように、肉厚を薄くした薄肉厚部を形成しておくことが好ましい。本実施形態では、このような薄肉厚部は、各上面に凹所122A,124Aを形成することで構成されている。すなわち、このような凹所122A,124Aを形成しておくことで、圧接面150の領域が弾性変形しやすくなり、注出流路が開閉し易くなる。
【0071】
また、このようなスパウト構造については、上述した実施形態と同様、独立した栓体構造に適用することができ、図6や図14に示すような収容容器に適用することも可能である。
【0072】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。例えば、割り栓20,120の構成(受圧部の形状や薄肉厚部の形状、溝の形状など)、及び栓部70,80の構成(形状、材質、ホルダに対する嵌入方法など)については、所望の流出量や内容物の粘度などに応じて、適宜変形することが可能である。
【0073】
また、上記したホルダ9,9Aについては、内部に嵌挿される割り栓や栓部の構成に応じて適宜変形することが可能であり、その断面形状、肉厚、注出口部に対する支持方法については、適宜変形することが可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 スパウト付き収容体
1a 収容本体
5,5A,5B,5C スパウト
6,40a 注出口部
7 取着部
8a,8b シート状部材
9,9A ホルダ
13 ガイド手段
20,120 割り栓
22,24、122,124 栓体部
22b,24b 受圧部
40 収容容器
50 栓体
70,80 栓部(流出制御部)
S 収容部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状部材を重ねて周囲を溶着することにより内容物を収容するための収容部を形成する収容本体と、収容本体に取着されて内容物を取り出し可能にするスパウトとを有するスパウト付き収容体であって、
前記スパウトは、内容物を外部に注出するための注出口部と、収容本体に取着される取着部とを備え、
前記注出口部内には弾性を有するホルダが支持され、
前記ホルダ内には、互いに面接して圧接される一対の栓体部から成る割り栓が嵌挿され、
前記割り栓は、前記内容物の押圧力によって前記栓体部同士が離間するように押し広げられることにより前記内容物の注出流路を確保し、前記ホルダの弾性復元力によって互いに圧接して前記注出流路を閉じることを特徴とするスパウト付き収容体。
【請求項2】
前記割り栓を構成する各栓体部は、互いに対向する側に、前記収容本体内の圧力を受ける凹陥状の受圧部と、相対する栓体部に圧接される圧接面とを有しており、
内容物の押圧力が前記受圧部に作用して前記圧接面同士が離間することにより前記注出流路が確保されることを特徴とする請求項1に記載のスパウト付き収容体。
【請求項3】
前記収容本体内の内容物を前記受圧部へと案内するためのガイド手段を更に有することを特徴とする請求項2に記載のスパウト付き収容体。
【請求項4】
所定の内容物を収容する収容容器の注出口部に着脱自在に取り付けられ、内容物が連通する連通孔を具備した栓体であって、
前記連通孔内には、弾性を有するホルダが支持され、
前記ホルダ内には、互いに面接して圧接される一対の栓体部から成る割り栓が嵌挿され、
前記割り栓は、前記内容物の押圧力によって前記栓体部同士が離間するように押し広げられることにより前記内容物の注出流路を確保し、前記ホルダの弾性復元力によって互いに圧接して前記注出流路を閉じることを特徴とする栓体。
【請求項5】
前記割り栓を構成する各栓体部は、互いに対向する側に、前記収容本体内の圧力を受ける凹陥状の受圧部と、相対する栓体部に圧接される圧接面とを有しており、
内容物の押圧力が前記受圧部に作用して前記圧接面同士が離間することにより前記注出流路が確保されることを特徴とする請求4に記載の栓体。
【請求項6】
前記収容容器内の内容物を前記受圧部へと案内するためのガイド手段を更に有することを特徴とする請求項5に記載の栓体。
【請求項7】
シート状部材を重ねて周囲を溶着することにより内容物を収容するための収容部を形成する収容本体と、収容本体に取着されて内容物を取り出し可能にするスパウトとを有するスパウト付き収容体であって、
前記スパウトは、内容物を外部に注出するための注出口部と、収容本体に取着される取着部とを備え、
前記注出口部内には、弾性を有する円筒形状のホルダが支持され、
前記ホルダ内には、前記ホルダの内周面に密着する栓部が抜け止めされた状態で嵌挿され、
前記栓部は、前記内容物の押圧力によって、前記ホルダと栓部との密着部分が離間するように押し広げられることにより前記内容物の注出流路を確保し、前記ホルダの弾性復元力によって前記注出流路を閉じることを特徴とするスパウト付き収容体。
【請求項8】
シート状部材を重ねて周囲を溶着することにより内容物を収容するための収容部を形成する収容本体と、収容本体に取着されて内容物を取り出し可能にするスパウトとを有するスパウト付き収容体であって、
前記スパウトは、内容物を外部に注出するための注出口部と、収容本体に取着される取着部とを備え、
前記注出口部内には、ホルダが支持され、
前記ホルダ内には、前記ホルダの内周面に密着し、かつ、弾性変形可能で開口が形成された栓部が抜け止めされた状態で嵌挿され、
前記栓部は、前記内容物の押圧力によって、前記開口を介してホルダと栓部との密着部分が離間するように押し広げられることにより前記内容物の注出流路を確保し、前記栓部の弾性復元力によって前記注出流路を閉じることを特徴とするスパウト付き収容体。
【請求項9】
所定の内容物を収容する収容容器の注出口部に着脱自在に取り付けられ、内容物が連通する連通孔を具備した栓体であって、
前記連通孔内には、弾性を有する円筒形状のホルダが支持され、
前記ホルダ内には、前記ホルダの内周面に密着する栓部が抜け止めされた状態で嵌挿され、
前記栓部は、前記内容物の押圧力によって、前記ホルダと栓部との密着部分が離間するように押し広げられることにより前記内容物の注出流路を確保し、前記ホルダの弾性復元力によって前記注出流路を閉じることを特徴とする栓体。
【請求項10】
所定の内容物を収容する収容容器の注出口部に着脱自在に取り付けられ、内容物が連通する連通孔を具備した栓体であって、
前記連通孔内には、ホルダが支持され、
前記ホルダ内には、内周面に密着し、かつ、弾性変形可能で開口が形成された栓部が抜け止めされた状態で嵌挿され、
前記栓部は、前記内容物の押圧力によって、前記開口を介してホルダと栓部との密着部分が離間するように押し広げられることにより前記内容物の注出流路を確保し、前記栓部の弾性復元力によって前記注出流路を閉じることを特徴とする栓体。
【請求項11】
シート状部材を重ねて周囲を溶着することにより内容物を収容するための収容部を形成する収容本体と、収容本体に取着されて内容物を取り出し可能にするスパウトとを有するスパウト付き収容体であって、
前記スパウトは、内容物を外部に注出するための注出口部と、収容本体に取着される取着部とを備え、
前記注出口部内には、互いに面接して圧接される一対の栓体部から成る弾性を有する割り栓が嵌挿され、
前記割り栓は、前記内容物の押圧力によって前記栓体部同士が離間するように押し広げられることにより前記内容物の注出流路を確保し、各栓体部の弾性復元力によって互いに圧接して前記注出流路を閉じることを特徴とするスパウト付き収容体。
【請求項12】
前記割り栓を構成する各栓体部は、互いに対向する側に、前記収容本体内の圧力を受ける凹陥状の受圧部と、相対する栓体部に圧接される圧接面とを有しており、
内容物の押圧力が前記受圧部に作用して前記圧接面同士が離間することにより前記注出流路が確保されることを特徴とする請求11に記載のスパウト付き収容体。
【請求項13】
前記各栓体部には、圧接面が弾性変形して離間し易いように、肉厚を薄くした薄肉厚部を有することを特徴とする請求項11又は12に記載のスパウト付き収容体。
【請求項14】
所定の内容物を収容する収容容器の注出口部に着脱自在に取り付けられ、内容物が連通する連通孔を具備した栓体であって、
前記連通孔内には、互いに面接して圧接される一対の栓体部から成る弾性を有する割り栓が嵌挿され、
前記割り栓は、前記内容物の押圧力によって前記栓体部同士が離間するように押し広げられることにより前記内容物の注出流路を確保し、各栓体部の弾性復元力によって互いに圧接して前記注出流路を閉じることを特徴とする栓体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−189968(P2011−189968A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−58202(P2010−58202)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000228408)日本キム株式会社 (37)
【Fターム(参考)】