説明

スピーカ

【課題】 構成が比較的単純で、振動を振動板に効率良く伝播させ、振動板全体を十分に振動させることで、優れた音響特性を得ることができるスピーカを提供する。
【解決手段】楽音信号Sに応じた楽音を放音するスピーカ21であって、楽音信号Sの振幅情報を微分し、速度情報に変換する微分回路6と、振動板2と、振動板2に設けられた取付部22と、振動板2との間に間隙G2を存した状態で、取付部22を介して振動板2に取り付けられ、微分回路6からの楽音信号Sの速度情報に応じて振動し、速度情報を加速度情報に変換した状態で、音波Wを間隙G2を介して振動板2に放射し、振動板2を振動させる第1の振動子3と、振動板2に直接、取り付けられ、楽音信号Sの振幅情報に応じて振動し、振動板2を振動させる第2の振動子23と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立したスピーカユニットや電子楽器などに用いられ、楽音を放音するスピーカに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、この種のスピーカを、例えば特願2004−163668号(特開2005−347964号公報)ですでに提案している。このスピーカは、木質の単板で構成された振動板と、振動板に直接、取り付けられた2つの電磁式アクチュエータ(以下「アクチュエータ」という)などを備えている。このアクチュエータは、電子楽器などによって生成された楽音信号が入力されることにより駆動され、振動板を振動させる。それにより、楽音信号に応じた楽音が振動板から放音される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−347964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のスピーカは、振動板全体を効率良く振動させ、良好な音響特性を得るという点で改善の余地がある。すなわち、このスピーカでは、振動板に直接、取り付けられた2つのアクチュエータによって、振動板を振動させる。このように、アクチュエータにより点状に発生した振動を振動板全体に伝播させるように構成されているので、特に、アクチュエータから遠い位置に振動が伝播しにくく、振動板全体を十分に振動させることができないため、良好な音響特性を得ることができない。特に、振動板を合板で構成した場合や、振動板の質量が大きい場合には、加速度振動が伝播しにくく、不足がちになるため、上記の問題が顕著になる。また、アクチュエータが振動板に直接、取り付けられているので、アクチュエータの振動を振動板にできるだけ伝播させやすくするために、アクチュエータを、その接触面を振動板に適度に押圧した状態で、振動板にしっかりと取り付ける必要があり、アクチュエータの取り付けや調整が煩雑になる。同じ理由から、アクチュエータの作動時に、ノイズ成分が混入することなどによって、音響特性に悪影響を与えるおそれがある。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、構成が比較的単純で、振動を振動板に効率良く伝播させ、振動板全体を十分に振動させることによって、優れた音響特性を得ることができるスピーカを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、振幅情報を表す楽音信号に応じた楽音を放音するスピーカであって、楽音信号の振幅情報を微分することによって、速度情報に変換する微分回路と、振動板と、振動板に設けられた取付部と、振動板との間に間隙を存した状態で、取付部を介して振動板に取り付けられ、微分回路から入力された楽音信号の速度情報に応じて振動し、速度情報を加速度情報に変換した状態で、音波を間隙を介して振動板に放射することによって、振動板を振動させる第1の振動子と、振動板に直接、取り付けられ、入力された楽音信号の振幅情報に応じて振動することによって、振動板を直接、振動させる第2の振動子と、を備えることを特徴とする。
【0007】
このスピーカでは、振動板に設けられた取付部を介して、第1の振動子が振動板に取り付けられており、第1の振動子と振動板の間には間隙すなわち空気層が形成されている。また、振動板には第2の振動子が直接、取り付けられている。
【0008】
振幅情報を表す楽音信号は、微分回路および第2の振動子に出力される。第2の振動子は、入力された楽音信号の振幅情報に応じて振動することによって、振動板を直接、振動させる。また、微分回路は、楽音信号の振幅情報を微分することによって、速度情報に変換した後、第1の振幅子に出力する。第1の振幅子は、入力された楽音信号の速度情報に応じて振動し、この速度情報を加速度情報に変換した状態で、音波を間隙を介して振動板に放射することによって、振動板を振動させる。
【0009】
以上のように、第1の振動子と振動板の間に形成された空気層を介して、楽音信号の加速度情報を表す音波が、第1の振動子から振動板に面状の拡がりをもって伝播されるので、加速度振動が振動板に効率良く与えられる。また、第1の振動子に加えて、楽音信号の振動情報に応じて振動板を直接、振動させる第2の振動子を併用するので、第1および第2の振動子の近くはもとより、両振動子から遠い位置まで、振動板を十分に振動させることができる。以上の結果、振動板全体を十分に振動させることができ、優れた音響特性を得ることができる。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のスピーカにおいて、取付部が金属で構成されていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態によるスピーカの斜視図である。
【図2】図1のスピーカの部分拡大図である。
【図3】本発明の第2実施形態によるスピーカの斜視図である。
【図4】図3のスピーカの部分拡大図である。
【図5】図3のスピーカにおいて、金属板および振動板に設けたアクチュエータの双方を駆動したときの、アクチュエータ付近における振動板の周波数特性を示す図である。
【図6】図3のスピーカにおいて、金属板に設けたアクチュエータのみを駆動したときの、アクチュエータ付近における振動板の周波数特性を示す図である。
【図7】図3のスピーカにおいて、振動板に設けたアクチュエータのみを駆動したときの、アクチュエータ付近における振動板の周波数特性を示す図である。
【図8】図3のスピーカにおいて、金属板および振動板に設けたアクチュエータの双方を駆動したときの、アクチュエータから遠い位置における振動板の周波数特性を示す図である。
【図9】図3のスピーカにおいて、金属板に設けたアクチュエータのみを駆動したときの、アクチュエータから遠い位置における振動板の周波数特性を示す図である。
【図10】図3のスピーカにおいて、振動板に設けたアクチュエータのみを駆動したときの、アクチュエータから遠い位置における振動板の周波数特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1および図2は、本発明の第1実施形態によるスピーカ1を示している。このスピーカ1は、スピーカユニット(図示せず)として組み立てられ、スピーカユニットは、電子楽器やオーディオ機器などに内蔵され、あるいはこれらに接続され、独立した状態で用いられる。
【0013】
図1に示すように、スピーカ1は、振動板2と、振動板2を振動させる2つの電磁式アクチュエータ(以下「アクチュエータ」という)3,3(振動子)と、振動板2に各アクチュエータ3を取り付けるための2つの取付ボルト4,4(取付部)と、2つのパワーアンプ5,5と、2つの微分回路6,6などで構成されている。
【0014】
振動板2は、例えば、シトカスプルースやエゾマツなどの天然木材の単板や、合板などの木製の板で構成されており、長方形に形成されている。また、振動板2には、その長さ方向の両端から所定の距離、離れた2つの位置に、前後2つのボルト孔7(図2参照)がそれぞれ形成されている。
【0015】
アクチュエータ3は、例えばラウドスピーカに用いられる電磁式アクチュエータで構成されており、図2に示すように、支持板8と、支持板8の下面に取り付けられ、支持されたフェライト磁石9と、フェライト磁石9の左右に対向するように設けられた複数の電磁コイル10(2つのみ図示)と、これらの電磁コイル10に連結され、フェライト磁石9を下側から覆うダイアフラム11と、フェライト磁石9およびダイアフラム11の間に設けられた複数のダンパ12(2つのみ図示)などで構成されている。この電磁コイル10は、電子楽器やオーディオ機器などの楽音再生装置16から出力された楽音信号Sに応じて励磁されることによって駆動され、電磁コイル10の振動がダイアフラム11に伝達されることによって、ダイアフラム11が振動する。支持板8の端部には、2つのボルト孔8a,8aが形成されている。
【0016】
取付ボルト4は、振動板2のボルト孔7に下方から通されており、取付ボルト4に螺合したナット14を振動板2の上面に対して締め付けることによって、振動板2に固定されている。取付ボルト4の頭部と振動板2の下面との間、およびナット14と振動板2の上面の間には、硬質ゴムなどからなる防振材13が介在している。また、取付ボルト4の上端部は、支持板8のボルト孔8aに通されており、これに螺合した上下2つのナット15,15で支持板8を挟持している。これにより、アクチュエータ3が取付ボルト4を介して振動板2に取り付けられ、振動板2とアクチュエータ3の間には、間隙G1(空気層)が形成されている。
【0017】
パワーアンプ5は、楽音再生装置16から出力された振幅情報を表す楽音信号Sを所定の利得で増幅した後、微分回路6に出力する。微分回路6は、増幅された楽音信号Sを微分することによって、楽音信号Sの振幅情報を速度情報に変換した後、アクチュエータ3に出力する。アクチュエータ3は、入力された楽音信号Sに応じて振動し、ダイアフラム11から空気層に音波Wを放射する。
【0018】
この音波Wは、以下の理由により、楽音信号Sの速度情報が加速度情報に変換された状態で、アクチュエータ3から放射される。次式(1)および(2)は、アクチュエータ3から空気中に音波を放射したときの、アクチュエータ3からの距離rの位置における音圧Pおよび粒子速度Vをそれぞれ表す。
【0019】
【数1】

ここで、kは波数、ρは音響インピーダンスのスカラ分、cは音速、Aは体積速度である。したがって、このときの音響インピーダンス(=P/V)Zは、次式(3)によって与えられる。また、波数kを角周波数ω/音速cで表し、角周波数の複素数jωをラプラス演算子sに置換した後、展開すると、音響インピーダンスZは、式(4)のように表される。すなわち、音速c/距離rに極を有する不完全微分で表すことができる。
【数2】

【0020】
以上により、振幅情報を表す楽音信号Sを微分回路6で微分した後、アクチュエータ3に出力することによって、アクチュエータ3からは楽音信号Sを2回微分した加速度情報を表す音波Wが間隙G1、すなわち空気層を介して振動板2に放射される。
【0021】
以上のように、本実施形態によれば、アクチュエータ3と振動板2の間に形成された空気層を介して、楽音信号Sに応じた音波Wを、アクチュエータ3から振動板2に面状の拡がりをもって伝播させるので、振動が振動板2に効率良く与えられ、振動板2全体に効率良く十分に伝播される。その結果、振動板2全体を十分に振動させることができ、優れた音響特性を得ることができる。
【0022】
また、楽音信号Sを微分回路6によって微分し、アクチュエータ3からの音波Wの放射によりさらに微分することによって、加速度振動を振動板2全体に効率良く十分に与えることができる。
【0023】
さらに、アクチュエータ3として、ラウドスピーカに用いられる比較的安価な電磁式アクチュエータを用いているので、スピーカ1を安価に構成することができる。また、振動板2を空気層を介して振動させるので、振動板2へのアクチュエータ3の取り付けや調整が容易になり、スピーカ1の構成を単純化することができる。同じ理由から、ノイズ成分の混入を防止できる。
【0024】
図3および図4は、本発明の第2実施形態によるスピーカ21を示している。なお、以下の説明において、上述した第1実施形態と同じ構成については、同じ参照番号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。図3に示すように、スピーカ21は、振動板2と、振動板2に取り付けられた2つの金属板22,22と、各金属板22に取り付けられた第1アクチュエータ3(1つのみ図示)と、振動板2に取り付けられた第2アクチュエータ23などで構成されている。振動板2の幅方向の各端部には、それらの長さ方向に間隔を存して5つのボルト孔24(図4に1つのみ図示)がそれぞれ形成されている。
【0025】
金属板22は、金属製(例えば鋼製)の細長いアングル材で構成され、振動板2の長さ方向の全体にわたって延びている。図3および図4に示すように、金属板22は、L字形の断面形状を有しており、本体部22aと、本体部22aから上方に直角に立ち上がる立上り部22bとによって構成されている。本体部22aには、振動板2のボルト孔24に対応する位置に、5つのボルト孔25(図4に1つのみ図示)が形成されている。そして、振動板2および金属板22の本体部22aのボルト孔24,25に下側から通したボルト26とナット14によって、金属板22が振動板2に固定されている。
【0026】
第1アクチュエータ3は、楽音信号Sの加速度情報を与えるためのものであり、各金属板22の一端から所定の距離、離れた位置に配置されている。図4に示すように、第1アクチュエータ3は、その支持板8の上端部および下端部において、断面L形の取付金具27,27を介して、金属板22の立上り部22bおよび本体部22aに固定されている。これにより、第1アクチュエータ3のダイアフラム11と金属板22との間には、間隙G2が形成されている。第1アクチュエータ3は、楽音再生装置16に、パワーアンプ5および微分回路6を介して接続されている。
【0027】
第2アクチュエータ23は、楽音信号Sの振幅情報を与えるためのものであり、第1アクチュエータ3と同様に構成され、振動板2の上面に直接、取り付けられている。図3に示すように、第2アクチュエータ23は、振動板2の一端から、第1アクチュエータ3と同じ距離、離れた位置に配置されている。第2アクチュエータ23は、楽音再生装置16に、パワーアンプ5のみを介して接続されている。
【0028】
以上の構成により、楽音再生装置16から出力された振幅情報を表す楽音信号Sは、パワーアンプ5で所定の利得に増幅された後、第2アクチュエータ23および微分回路6に出力される。第2アクチュエータ23は、入力された楽音信号Sに応じて振動し、その振動によって振動板2を直接、振動させる。また、微分回路6は、入力された楽音信号Sを微分した後、第1アクチュエータ3に出力する。これにより、第1アクチュエータ3からは、楽音信号Sを2回微分した加速度情報を表す音波Wが、間隙G2を介して金属板22に放射される。放射された音波Wによって金属板22が振動し、その振動は、金属板22の長さ方向に沿って伝播し(矢印A)、金属板22全体に拡がる。このように、金属板22全体に拡がった振動はさらに、振動板2に面接触する本体部22aから振動板2に伝達される(矢印B)。
【0029】
また、金属板22の機械インピーダンスをZm、振動板2の機械インピーダンスをZoとすると、これらの機械インピーダンスZm、Zoはそれぞれ、圧力Pを粒子速度Vで除算する(=P/V)ことによって算出される。また、圧力Pおよび粒子速度Vは、金属板22および振動板2の弾性率にそれぞれ依存するため、金属板22の機械インピーダンスZmと振動板2の機械インピーダンスZoは、互いに異なる特性を有している。このため、金属板22の本体部22aが振動板2に面接触した境界面では、第1アクチュエータ3からの振動が、反射、透過や屈曲などの現象を生じながら振動板2に伝達され、それにより、加速度振動を振動板2に効率良く十分に与えることができる。
【0030】
図5〜図7は、第1および第2アクチュエータ3,23付近の位置(以下「近傍位置」という)における振動板2の周波数特性の測定結果を、図8〜図10は、第1および第2アクチュエータ3,23から遠い位置(以下「遠方位置」という)における振動板2の周波数特性の測定結果をそれぞれ示している。また、これらの図のうち、図5および図8は、第1および第2アクチュエータ3,23の双方を駆動したとき、図6および図9は、第1アクチュエータ3のみを駆動したとき、図7および図10は、第2アクチュエータ23のみを駆動したときのものをそれぞれ示してる。
【0031】
これらの図から明らかなように、第1および第2アクチュエータ3,23の双方を駆動した場合(図5および図8)と第1アクチュエータ3のみを駆動した場合(図6および図9)を比較すると、より高い周波数帯域、すなわち加速度成分の多い帯域では、近傍位置および遠方位置のいずれにおいても、同等の音圧レベルが得られている。これに対し、第2アクチュエータ23のみを駆動した場合(図7および図10)、加速度成分の多い帯域では、近傍位置および遠方位置のいずれにおいても、音圧レベルが大きく減衰している。
【0032】
また、第1および第2アクチュエータ3,23の双方を駆動したときの近傍位置と遠方位置の周波数特性を比較すると(図5および図8)、遠方位置において、加速度成分の多い帯域の音圧レベルが若干減衰してる。このことは、第1アクチュエータ3のみを駆動したときも同様である(図6および図9)。これに対し、第2アクチュエータ23のみを駆動したときには、遠方の位置において、加速度成分の多い帯域の音圧レベルが大きく減衰している(図7および図10)。
【0033】
以上の結果から、第1および第2アクチュエータ3,23を併用することによって、第1および第2アクチュエータ3,23の近くはもとより、第1および第2アクチュエータ3,23から遠い位置まで振動板2を十分に振動させることができることが確認された。
【0034】
以上のように、本実施形態によれば、立上り部22bは、第1アクチュエータ3の振動によって振動しやすいとともに、その振動が金属板22の長さ方向に沿って伝播される。また、本体部22aが振動板22に面接触状態で取り付けられているので、立上り部22bから伝播された振動を本体部22aとの接触面から線状の拡がりをもって振動板2に効率良く伝達させることができる。その結果、振動板2全体に振動を効率良く伝播させ、振動板2全体を十分に振動させることができ、優れた音響特性を得ることができる。また、第1アクチュエータ3によって、金属板22に加速度情報が与えられるので、加速度振動を振動板2に効率良く十分に与えることができる。
【0035】
また、振動板2と第1アクチュエータ3の間に金属板22を付加するだけでよいので、比較的単純な構成でスピーカ21を実現することができる。さらに、第1および第2アクチュエータ3,23を併用することによって、振動板2を、第1および第2アクチュエータ3,23の近くはもとより、第1および第2アクチュエータ3,23から遠い位置においても十分に振動させることができ、より優れた音響特性を得ることができる。
【0036】
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、微分回路6を、パワーアンプ5とアクチュエータ3の間に設けているが、楽音再生装置16とパワーアンプ5の間に設けてもよい。また、実施形態では、振動板2を木材で構成しているが、これに限らず、例えばアクリルや、金属板22と異なる機械インピーダンス特性を有する他の金属などで構成してもよい。さらに、第2実施形態では、第1アクチュエータ3を金属板22の本体部22aと立上り部22bにまたがるように取り付けているが、立上り部22bにのみ取り付けてもよい。また、第2実施形態では、第1アクチュエータ3を各金属板22に、第2アクチュエータ23を振動板2にそれぞれ1つずつ取り付けているが、これに限らず、その数は任意である。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部を適宜、変更することが可能である。
【符号の説明】
【0037】
2 振動板
3 第1アクチュエータ(第1の振動子)
6 微分回路
21 スピーカ
22 金属板(取付部)
23 第2アクチュエータ(第2の振動子)
G2 間隙
S 楽音信号
W 音波

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振幅情報を表す楽音信号に応じた楽音を放音するスピーカであって、
前記楽音信号の前記振幅情報を微分することによって、速度情報に変換する微分回路と、
振動板と、
当該振動板に設けられた取付部と、
前記振動板との間に間隙を存した状態で、前記取付部を介して前記振動板に取り付けられ、前記微分回路から入力された前記楽音信号の前記速度情報に応じて振動し、当該速度情報を加速度情報に変換した状態で、音波を前記間隙を介して前記振動板に放射することによって、前記振動板を振動させる第1の振動子と、
前記振動板に直接、取り付けられ、入力された前記楽音信号の前記振幅情報に応じて振動することによって、前記振動板を直接、振動させる第2の振動子と、
を備えることを特徴とするスピーカ。
【請求項2】
前記取付部が金属で構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のスピーカ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−50085(P2011−50085A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−233477(P2010−233477)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【分割の表示】特願2005−186338(P2005−186338)の分割
【原出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【出願人】(000001410)株式会社河合楽器製作所 (563)
【Fターム(参考)】