スプリングコネクタ及び端末装置
【課題】スプリングコネクタによる接触不良をなくす。
【解決手段】導電体で構成された内導体110と、その内導体を収納した外導体150とでスプリングコネクタを構成する。内導体110は、細径部111と太径部112と弾性部113とが軸状に一体的に連続した形状とする。外導体150は、所定の内径の孔154を持つ。そして、孔154の先端から細径部111が突出した状態で、太径部112と弾性部113とを、外導体150の孔154内に納める構成とする。
【解決手段】導電体で構成された内導体110と、その内導体を収納した外導体150とでスプリングコネクタを構成する。内導体110は、細径部111と太径部112と弾性部113とが軸状に一体的に連続した形状とする。外導体150は、所定の内径の孔154を持つ。そして、孔154の先端から細径部111が突出した状態で、太径部112と弾性部113とを、外導体150の孔154内に納める構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯電話端末のバッテリ端子に適用して好適なスプリングコネクタ及びこのスプリングコネクタを備えた端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話端末等の電子機器において、バッテリ、部分的な回路の基板等の電気部品を主たる回路基板に接続する場合として、主たる回路基板にスプリングコネクタを表面実装したものがある。スプリングコネクタは、バネで付勢されている可動端に電気部品の端子電極を押し当てて組み付けているものである。これにより、電気的な接続を得ることが行われている。
【0003】
図10及び図11は、この従来のスプリングコネクタの一例を示したものである。図11はスプリングコネクタ40の全体構成を示し、図10は、図11のI−I線に沿う縦断面図である。図10に示すようにスプリングコネクタ40は、内側が中空のチューブ13で、プランジャ11とコイルバネ12を収容している。プランジャ11とコイルバネ12とチューブ13は、導電性を有する金属で構成させてある。チューブ13は、台座部13aを若干太い径としてあり、円形の中空筒13bの底部13cを台座部13a内に円錐形に形成させてある。この中空筒13b内の基端側(底部13c)側には、コイルスプリング12が配置してあり、中空筒13b内の先端側にはプランジャ11が配置してある。プランジャ11は、中空筒13bに収まる太径部11aと、チューブ13から先端が露出する細径部11bとを構成させてある。チューブ13の先端13dは絞ってあり、プランジャ11の太径部11aと細径部11bとの間の段差部11cは、このチューブ13の先端13dに係止させて、プランジャ11がチューブ13に収容される構成としてある。
【0004】
チューブ13内では、コイルスプリング12が圧縮させた状態で配置してあり、コイルスプリング12がプランジャ11を先端側(図10での上側)に押し上げるようにしてある。このように構成されたプリングコネクタ40は、プランジャ11がチューブ13の内径に接触する接触点1と、コイルバネ12とチューブ13との接触点2と、プランジャ11とコイルバネ12の接触点3とでの接触で導通し、プランジャ11とチューブ13とが導通する。
【0005】
従って、チューブ13の台座部13aを図示しない回路基板側に接続し、プランジャ11の細径部11bの先端を、電池の導電部などの目的とする部分に接触させることで、電気的な接続が確保される。
この場合、プランジャ11はコイルスプリング12が縮むことができる分だけチューブ13の内部に押し込まれることができる。
【0006】
特許文献1には、この種のスプリングコネクタの一例についての記載がある。特許文献1に記載のものは、プランジャを押し出しているコイルスプリングを長くすることで安定的な導通経路の確保をしている構成についての記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−192968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、従来のスプリングコネクタは、チューブにコイルバネとプランジャを順にいれて、チューブの上縁を内側に絞ってプランジャの段差部を押さえ、プランジャが抜け落ちないように保持している。そのため、チューブ内部に電気的な接点を多くもつことになる。例えば、図10に示したように、プランジャ11とチューブ13との間に接触点1、プランジャ11とコイルバネ12の接触点3、コイルバネ12とチューブ13との接触点2を持つ。このような接触点は、いずれも導通状態の安定性という観点からは、接触信頼性に劣るという問題点があった。即ち、プランジャ11に外部から何らかの力が加わって、プランジャ11が動こうとした場合、上述した接触点1,2,3の接触状態が不安定になり、結局、スプリングコネクタのコネクタとしての機能が安定して確保できない場合が多々あった。また、例えばスプリングコネクタが携帯電話端末などの電子機器の電池部に使用されていた場合には、その端末を地面に落下させる等して該携帯電話端末に外部から衝撃を加えた際に、プランジャ11とコイルバネ12との接触が瞬間的に断絶する、いわゆる瞬断現象が発生する。そして、この瞬断現象が発生した場合、携帯電話端末の設定内容がリセットされたり、一部のデータが消失する等の不具合が発生するという問題があった。
【0009】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、スプリングコネクタの接触信頼性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、導電体で構成された内導体と、その内導体を収納した外導体とでスプリングコネクタを構成する。内導体は、細径部と太径部と弾性部とが軸状に一体的に連続した形状とする。外導体は、所定の内径の孔を持つ。そして、孔の先端から細径部が突出した状態で、内導体の太径部と弾性部とを、外導体の孔内に納める構成とする。
【0011】
このようにしたことで、内導体の細径部と太径部とがプランジャとして機能し、太径部と一体化された弾性部で、そのプランジャを押し上げるように作用し、スプリングコネクタとして機能する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、スプリングコネクタのプランジャを構成する内導体が、弾性部と一体化してあるため、プランジャである太径部及び細径部とスプリングである弾性部とが確実に導通し、スプリングコネクタとしての電気的接続状態が良好な状態に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態の例のスプリングコネクタの断面図であり、図2のI−I線に沿う断面を示す。
【図2】本発明の第1の実施の形態の例のスプリングコネクタの斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態のスプリングコネクタが設けられた端末の斜視図であり、(a)は電池を外した状態、(b)は電池を嵌めた状態の図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態のスプリングコネクタの集合容器に実装した例を示す斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の例のピン付スプリングの製造工程を示す説明図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態の例のスプリングコネクタの製造工程を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施の形態の変形例の断面図を示す説明図である。
【図8】本発明の一実施の形態の変形例のピン付スプリングの製造工程を示す説明図である。
【図9】本発明の一実施の形態の変形例のスプリングコネクタの製造工程を示す説明図である。
【図10】従来のスプリングコネクタの断面図であり、図11のII−II線に沿う断面を示す。
【図11】従来のスプリングコネクタの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、以下の順序で説明する。
1.第1の実施の形態のスプリングコネクタの構成例:図1〜2
2.第1の実施の形態のスプリングコネクタの製造工程:図5〜6
3.スプリングコネクタを備えた端末の構成例:図3〜4
4.第2の実施の形態のスプリングコネクタの構成例:図7
5.第2の実施の形態のスプリングコネクタの機能
6.一実施の形態の変形例の製造方法:図8〜9
【0015】
[1.スプリングコネクタの構成例]
以下、本発明の第1の実施の形態の例を、図1〜6を参照して説明する。
【0016】
図1及び図2は、本実施の形態の例のスプリングコネクタの形状を示したものである。図2はスプリングコネクタ40の全体形状を斜視図で示し、図1は、図2のII−II線に沿う縦断面図である。なお、以下の説明で上下の方向を示した場合には、図1及び図2に示した位置関係を示す。
図1に示すようにスプリングコネクタ100は、導電体で構成された内導体と、その内導体を収納した外導体とで構成される。即ち、金属などの導電体で構成された内側が中空のチューブ150で、金属などの導電体で構成されたピン付スプリング110を収容している。このピン付スプリング110は、プランジャとしての機能と弾性体(スプリング)としての機能を備えたもので、具体的な構成については後述する。
【0017】
ピン付スプリング110は、細径部111と太径部112とコイルスプリング部113とチューブ接続部114とで構成され、同軸状に連続させて一体に構成させてある。ピン付スプリング110を収容するチューブ150は、基端側が台座部151となり、その台座部151の内部に円形の細径透孔部152が設けてある。その細径透孔部152に連続して、円形の太径透孔部154が形成させてある。細径透孔部152と太径透孔部154との間は、円錐形状部153で接続させてある。台座部151の下端には、台座部151から若干突出したカシメ部160を設けて、ピン付スプリング110のチューブ接続部114の先端115をカシメ止めする構成としてある。
【0018】
ピン付スプリング110の細径部111は、チューブ150の太径透孔部154の上側の先端155から外側に露出させてある。チューブ150の先端155は絞った形状としてあり、ピン付スプリング110の太径部112が外側に飛び出さない構成としてある。
また、ピン付スプリング110のコイルスプリング部113には、留め具130を取付けてあり、この留め具130でチューブ150内の太径透孔部154に固定させてある。留め具130についても金属などの導電体で構成するのが好ましいが、合成樹脂などで構成してもよい。
図2に示すように、チューブ150の先端155から突出した細径部111は、チューブ150内のコイルスプリング部113が弾性変形できる(縮むことができる)範囲で、下側に動いて、チューブ150内に沈むことができる。
【0019】
[2.第1の実施の形態のスプリングコネクタの製造工程]
次に、本実施の形態のピン付スプリング110の製造工程を、図5及び図6を参照して説明する。
本例においては、ピン付スプリング110は、線材をスプリング状に巻回させて構成させる。即ち、図5(a)に示すように、導通性を有するメタルケーブル310が巻いてあるドラム300から、メタルケーブル310を引き出す。
【0020】
そして、図5(b)に示すように、その引き出されたメタルケーブル310を、先端から順に螺旋状に円形に巻回させて、細径部111と太径部112とコイルスプリング部113とチューブ接続部114とを構成させる。この場合、細径部111と太径部112については、隙間を設けず密着させた状態で巻回させてある。コイルスプリング部113については、ある程度の隙間を設けて巻回させて、弾性力を有する圧縮コイルスプリングとして機能させる。チューブ接続部114についても、ある程度の隙間を設けて巻回させてある。その後、ドラム300からピン付スプリング110として形成されたメタルケーブル310を切断する。
【0021】
次に、図6を参照して、ピン付スプリング110を、チューブ150内に配置する工程について説明する。
図5に示した工程で得られたピン付スプリング110のコイルスプリング部113とチューブ接続部114との間には、図6(a)に示すように、留め具130を取付ける。図6では留め具130を渦巻き形状として示してあるが、留め具として機能する形状であれば、どのような形状のものでもよい。
【0022】
そして、図6(a)に矢印Aで示すように、ピン付スプリング110のチューブ接続部114の先端を、チューブ150の上側から挿入し、細径透孔部152に挿入させる。なお、チューブ150の先端は、この作業時には未だ絞られていない。
【0023】
図6(b)は、このようにしてピン付スプリング110がチューブ150内に配置された状態である。この状態で、ピン付スプリング110のチューブ接続部114の先端115を、カシメ部160内の孔161と挿通させた上で、図6(b)に矢印Bで示すように、カシメ部160を締め付け、図6(c)に示すように、ピン付スプリング110の先端115をチューブ150側にカシメ止めさせる。
また、図6(b)に矢印Cで示すように、チューブ150の先端155を内側に絞り、図6(c)に示すように、ピン付スプリング110の太径部112が外側に飛び出さない形状とする。
【0024】
[3.スプリングコネクタを備えた端末の構成例]
次に、図3及び図4を参照して、本実施の形態のスプリングコネクタ100を実装している携帯電話端末10の構成例について説明する。
本例では、携帯電話端末10のバッテリ20の装着部の端子として、スプリングコネクタ100を使用してある。
即ち、図4に示すように、それぞれが先に説明したスプリングコネクタ100で構成される5本のスプリングコネクタ100a,100b,100c,100d,100eを用意して、その5本のスプリングコネクタ100a〜100eを、合成樹脂などで構成された集合容器30に収納させる。各スプリングコネクタ100a〜100eは、図2に示した細径部111だけが、集合容器30の各配置箇所の孔31〜35から平行に突出した状態で配置してある。
【0025】
この図4に示した構成の集合容器30を、図3(a)に示すように、バッテリ装着部50内に配置してある。ここでは、破線の矢印で示すように、バッテリ装着部50内にバッテリ20を収納させる際のバッテリ移動方向と平行になるように、各スプリングコネクタ100a〜100eの細径部111を並べてある。
なお、このようにバッテリ装着部50に配置された状態では、各スプリングコネクタ100a〜100eの台座部151(図1,図2参照)を、図示しない回路基板の電源供給用の回路パターン及び電池制御用の回路パターンと接続させてある。この接続は、例えばハンダ付けで行う。また、各スプリングコネクタ100a〜100eの配置間隔は、バッテリ20の電極部20a,20b,20c,20d,20eの配置間隔に対応した間隔としてある。
【0026】
そして、図3(b)に示すように、バッテリ装着部50にバッテリ20を収納させることで、各スプリングコネクタ100a〜100eの細径部111の先端が、バッテリ20の電極部20a〜20eと接触する。このとき、各スプリングコネクタ100a〜100eの細径部111の先端が、若干内側(図1での下側)に押し下げられる位置関係としてあり、ピン付スプリング110のコイルスプリング部113の弾性力で、バッテリ20側の電極部20a〜20eと強固に密着する。
そして、図3(b)に示すフタ50′をバッテリ装着部50に取付ける構成としてある。
【0027】
以上説明した構成の携帯電話端末10は、スプリングコネクタ100を備えたことで、バッテリ20とスプリングコネクタ100との電気的な接続状態を、良好に保つことができる。即ち、スプリングコネクタ100内のプランジャとコイルスプリングとが、ピン付スプリング110として一体化させてあるため、それだけランジャである細径部111からチューブ150までの導通状態が不安定になることがない形状である。特に本例の場合には、ピン付スプリング110のチューブ接続部114の先端115を、カシメ部160でチューブ150側に直接接続してあるため、どのような衝撃がスプリングコネクタ100に加わっても、スプリングコネクタ100内で瞬断が起きることがなく、安定した導通経路の確保、及び外部からの衝撃による瞬断現象の防止を行うことができる。
従って、本例の携帯電話端末10は、衝撃によりバッテリからの電源が瞬断して通話が途切れたりデータが消えるなどのトラブルを確実に防止できる。
また、図5に示したようにプランジャとコイルスプリングを一本の金属線で形成することで、部品点数の削減となり、コスト削減の効果を有する。
【0028】
[4.第2の実施の形態の構成例]
次に、本発明の第2の実施の形態の例を、図7〜図9を参照して説明する。
【0029】
図7は、本実施の形態の例のスプリングコネクタの形状を断面で示したものである。
図7に示すようにスプリングコネクタ200は、導電体で構成された内導体と、その内導体を収納した外導体とで構成される。即ち、金属などの導電体で構成された内側が中空のチューブ250で、金属などの導電体で構成されたピン付スプリング210を収容している。このピン付スプリング210は、プランジャとしての機能と弾性体(スプリング)としての機能を備えたもので、具体的な構成については後述する。
【0030】
ピン付スプリング210は、細径部211と太径部212と段差部213とコイルスプリング部214とチューブ接続部215とで構成され、同軸状に連続させて一体に構成させてある。ピン付スプリング210を収容するチューブ250は、基端側が台座部251となり、その台座部251の内部に円形の細径透孔部252が設けてある。その細径透孔部252に連続して、円形の太径透孔部254が形成させてある。細径透孔部252と太径透孔部254との間は、円錐形状部253で接続させてある。台座部251の下端には、台座部251から若干突出したカシメ部260を設けて、ピン付スプリング210のチューブ接続部215の先端216をカシメ止めする構成としてある。
【0031】
ピン付スプリング210の細径部211は、チューブ250の太径透孔部254の上側の先端255から外側に露出させてある。チューブ250の先端255は絞った形状としてあり、ピン付スプリング210の太径部212が外側に飛び出さない構成としてある。
また、ピン付スプリング210のコイルスプリング部213には、留め具230を取付けてあり、この留め具230でチューブ250内の太径透孔部254に固定させてある。留め具230についても金属などの導電体で構成するのが好ましいが、合成樹脂などで構成してもよい。
チューブ250の先端255から突出した細径部211は、チューブ250内のコイルスプリング部214が弾性変形できる(縮むことができる)範囲で、下側に動いて、チューブ250内に沈むことができる。
【0032】
[5.第2の実施の形態のスプリングコネクタの製造工程]
次に、本実施の形態のピン付スプリング210の製造工程を、図8及び図9を参照して説明する。
本例においては、ピン付スプリング210は、線材を切削加工して構成させる。即ち、図8(a)に示すように、導通性を有するメタルケーブル310′が巻いてあるドラム300′から、メタルケーブル310′を引き出す。ここでのメタルケーブル310′の太さは、ピン付スプリング210の太径部212の太さと等しくしてある。
【0033】
そして、図8(b)に示すように、その引き出されたメタルケーブル310′を切削加工して、先端から順に、細径部211と太径部212と段差部213とスプリング用細線部320とを得る。この状態で、ドラム300′からメタルケーブル310′を切断する。
【0034】
その後、図8(c)に示すように、スプリング用細線部320を、ある程度の隙間を設けて巻回させて、コイルスプリング部214とチューブ接続部215とを構成させ、弾性力を有する圧縮コイルスプリングとして機能させる。
【0035】
次に、図9を参照して、ピン付スプリング210を、チューブ250内に配置する工程について説明する。
図8に示した工程で得られたピン付スプリング210のコイルスプリング部214とチューブ接続部115との間には、図9(a)に示すように、留め具230を取付ける。
【0036】
そして、図9(a)に示すように、ピン付スプリング210のチューブ接続部214の先端を、チューブ250の上側から挿入し、細径透孔部252に挿入させる。なお、チューブ250の先端は、この作業時には未だ絞られていない。
【0037】
図9(b)は、このようにしてピン付スプリング210がチューブ250内に配置された状態である。この状態で、ピン付スプリング210のチューブ接続部215の先端216を、カシメ部260内の孔261と挿通させた上で、図9(b)に示すように、カシメ部260を締め付け、図9(c)に示すように、ピン付スプリング210の先端216をチューブ250側にカシメ止めさせる。
また、図9(b)に示すように、チューブ250の先端255を内側に絞り、図9(c)に示すように、ピン付スプリング210の太径部212が外側に飛び出さない形状とする。
【0038】
このように構成した本例のスプリングコネクタ200は、第1の実施の形態のスプリングコネクタ100と同様に端末などに使用でき、第1の実施の形態の例と同様の効果を得ることができる。つまり、安定した導通経路の確保、及び外部からの衝撃による瞬断現象の防止を行うことができる。また、プランジャとコイルスプリングを一本の金属線で形成することで、部品点数の削減となり、コスト削減の効果を有する。
【0039】
以上、本発明の実施形態例について説明したが、本発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含む。例えば、上述した実施の形態では携帯電話端末のバッテリ接続部に使用した例について説明したが、携帯電話端末のその他の接続部に使用してもよい。例えば、携帯電話端末のアンテナと給電部との接続部に使用してもよい。また、携帯電話端末以外の端末装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0040】
1,2,3…接触点、10…携帯電話端末、20…バッテリ、20a,20b,20c,20d,20e…バッテリ用接続端子、30…集合容器、40…スプリングコネクタ、50…フタ、100,100a,100b,100c,100d,100e…スプリングコネクタ、110…ピン付スプリング、150…チューブ、211…細径部、212…太径部、214…コイルスプリング部、215…チューブ接続部、115…先端部、130…留め具、150…チューブ、160…カシメ部、200…スプリングコネクタ、210…ピン付スプリング、211…細径部、212…太径部、213…コイルスプリング部、214…チューブ接続部、215…先端部、230…留め具、250…チューブ、260…カシメ部、300,300’…ドラム、310,310’…メタルケーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯電話端末のバッテリ端子に適用して好適なスプリングコネクタ及びこのスプリングコネクタを備えた端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話端末等の電子機器において、バッテリ、部分的な回路の基板等の電気部品を主たる回路基板に接続する場合として、主たる回路基板にスプリングコネクタを表面実装したものがある。スプリングコネクタは、バネで付勢されている可動端に電気部品の端子電極を押し当てて組み付けているものである。これにより、電気的な接続を得ることが行われている。
【0003】
図10及び図11は、この従来のスプリングコネクタの一例を示したものである。図11はスプリングコネクタ40の全体構成を示し、図10は、図11のI−I線に沿う縦断面図である。図10に示すようにスプリングコネクタ40は、内側が中空のチューブ13で、プランジャ11とコイルバネ12を収容している。プランジャ11とコイルバネ12とチューブ13は、導電性を有する金属で構成させてある。チューブ13は、台座部13aを若干太い径としてあり、円形の中空筒13bの底部13cを台座部13a内に円錐形に形成させてある。この中空筒13b内の基端側(底部13c)側には、コイルスプリング12が配置してあり、中空筒13b内の先端側にはプランジャ11が配置してある。プランジャ11は、中空筒13bに収まる太径部11aと、チューブ13から先端が露出する細径部11bとを構成させてある。チューブ13の先端13dは絞ってあり、プランジャ11の太径部11aと細径部11bとの間の段差部11cは、このチューブ13の先端13dに係止させて、プランジャ11がチューブ13に収容される構成としてある。
【0004】
チューブ13内では、コイルスプリング12が圧縮させた状態で配置してあり、コイルスプリング12がプランジャ11を先端側(図10での上側)に押し上げるようにしてある。このように構成されたプリングコネクタ40は、プランジャ11がチューブ13の内径に接触する接触点1と、コイルバネ12とチューブ13との接触点2と、プランジャ11とコイルバネ12の接触点3とでの接触で導通し、プランジャ11とチューブ13とが導通する。
【0005】
従って、チューブ13の台座部13aを図示しない回路基板側に接続し、プランジャ11の細径部11bの先端を、電池の導電部などの目的とする部分に接触させることで、電気的な接続が確保される。
この場合、プランジャ11はコイルスプリング12が縮むことができる分だけチューブ13の内部に押し込まれることができる。
【0006】
特許文献1には、この種のスプリングコネクタの一例についての記載がある。特許文献1に記載のものは、プランジャを押し出しているコイルスプリングを長くすることで安定的な導通経路の確保をしている構成についての記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−192968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、従来のスプリングコネクタは、チューブにコイルバネとプランジャを順にいれて、チューブの上縁を内側に絞ってプランジャの段差部を押さえ、プランジャが抜け落ちないように保持している。そのため、チューブ内部に電気的な接点を多くもつことになる。例えば、図10に示したように、プランジャ11とチューブ13との間に接触点1、プランジャ11とコイルバネ12の接触点3、コイルバネ12とチューブ13との接触点2を持つ。このような接触点は、いずれも導通状態の安定性という観点からは、接触信頼性に劣るという問題点があった。即ち、プランジャ11に外部から何らかの力が加わって、プランジャ11が動こうとした場合、上述した接触点1,2,3の接触状態が不安定になり、結局、スプリングコネクタのコネクタとしての機能が安定して確保できない場合が多々あった。また、例えばスプリングコネクタが携帯電話端末などの電子機器の電池部に使用されていた場合には、その端末を地面に落下させる等して該携帯電話端末に外部から衝撃を加えた際に、プランジャ11とコイルバネ12との接触が瞬間的に断絶する、いわゆる瞬断現象が発生する。そして、この瞬断現象が発生した場合、携帯電話端末の設定内容がリセットされたり、一部のデータが消失する等の不具合が発生するという問題があった。
【0009】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、スプリングコネクタの接触信頼性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、導電体で構成された内導体と、その内導体を収納した外導体とでスプリングコネクタを構成する。内導体は、細径部と太径部と弾性部とが軸状に一体的に連続した形状とする。外導体は、所定の内径の孔を持つ。そして、孔の先端から細径部が突出した状態で、内導体の太径部と弾性部とを、外導体の孔内に納める構成とする。
【0011】
このようにしたことで、内導体の細径部と太径部とがプランジャとして機能し、太径部と一体化された弾性部で、そのプランジャを押し上げるように作用し、スプリングコネクタとして機能する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、スプリングコネクタのプランジャを構成する内導体が、弾性部と一体化してあるため、プランジャである太径部及び細径部とスプリングである弾性部とが確実に導通し、スプリングコネクタとしての電気的接続状態が良好な状態に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態の例のスプリングコネクタの断面図であり、図2のI−I線に沿う断面を示す。
【図2】本発明の第1の実施の形態の例のスプリングコネクタの斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態のスプリングコネクタが設けられた端末の斜視図であり、(a)は電池を外した状態、(b)は電池を嵌めた状態の図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態のスプリングコネクタの集合容器に実装した例を示す斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の例のピン付スプリングの製造工程を示す説明図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態の例のスプリングコネクタの製造工程を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施の形態の変形例の断面図を示す説明図である。
【図8】本発明の一実施の形態の変形例のピン付スプリングの製造工程を示す説明図である。
【図9】本発明の一実施の形態の変形例のスプリングコネクタの製造工程を示す説明図である。
【図10】従来のスプリングコネクタの断面図であり、図11のII−II線に沿う断面を示す。
【図11】従来のスプリングコネクタの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、以下の順序で説明する。
1.第1の実施の形態のスプリングコネクタの構成例:図1〜2
2.第1の実施の形態のスプリングコネクタの製造工程:図5〜6
3.スプリングコネクタを備えた端末の構成例:図3〜4
4.第2の実施の形態のスプリングコネクタの構成例:図7
5.第2の実施の形態のスプリングコネクタの機能
6.一実施の形態の変形例の製造方法:図8〜9
【0015】
[1.スプリングコネクタの構成例]
以下、本発明の第1の実施の形態の例を、図1〜6を参照して説明する。
【0016】
図1及び図2は、本実施の形態の例のスプリングコネクタの形状を示したものである。図2はスプリングコネクタ40の全体形状を斜視図で示し、図1は、図2のII−II線に沿う縦断面図である。なお、以下の説明で上下の方向を示した場合には、図1及び図2に示した位置関係を示す。
図1に示すようにスプリングコネクタ100は、導電体で構成された内導体と、その内導体を収納した外導体とで構成される。即ち、金属などの導電体で構成された内側が中空のチューブ150で、金属などの導電体で構成されたピン付スプリング110を収容している。このピン付スプリング110は、プランジャとしての機能と弾性体(スプリング)としての機能を備えたもので、具体的な構成については後述する。
【0017】
ピン付スプリング110は、細径部111と太径部112とコイルスプリング部113とチューブ接続部114とで構成され、同軸状に連続させて一体に構成させてある。ピン付スプリング110を収容するチューブ150は、基端側が台座部151となり、その台座部151の内部に円形の細径透孔部152が設けてある。その細径透孔部152に連続して、円形の太径透孔部154が形成させてある。細径透孔部152と太径透孔部154との間は、円錐形状部153で接続させてある。台座部151の下端には、台座部151から若干突出したカシメ部160を設けて、ピン付スプリング110のチューブ接続部114の先端115をカシメ止めする構成としてある。
【0018】
ピン付スプリング110の細径部111は、チューブ150の太径透孔部154の上側の先端155から外側に露出させてある。チューブ150の先端155は絞った形状としてあり、ピン付スプリング110の太径部112が外側に飛び出さない構成としてある。
また、ピン付スプリング110のコイルスプリング部113には、留め具130を取付けてあり、この留め具130でチューブ150内の太径透孔部154に固定させてある。留め具130についても金属などの導電体で構成するのが好ましいが、合成樹脂などで構成してもよい。
図2に示すように、チューブ150の先端155から突出した細径部111は、チューブ150内のコイルスプリング部113が弾性変形できる(縮むことができる)範囲で、下側に動いて、チューブ150内に沈むことができる。
【0019】
[2.第1の実施の形態のスプリングコネクタの製造工程]
次に、本実施の形態のピン付スプリング110の製造工程を、図5及び図6を参照して説明する。
本例においては、ピン付スプリング110は、線材をスプリング状に巻回させて構成させる。即ち、図5(a)に示すように、導通性を有するメタルケーブル310が巻いてあるドラム300から、メタルケーブル310を引き出す。
【0020】
そして、図5(b)に示すように、その引き出されたメタルケーブル310を、先端から順に螺旋状に円形に巻回させて、細径部111と太径部112とコイルスプリング部113とチューブ接続部114とを構成させる。この場合、細径部111と太径部112については、隙間を設けず密着させた状態で巻回させてある。コイルスプリング部113については、ある程度の隙間を設けて巻回させて、弾性力を有する圧縮コイルスプリングとして機能させる。チューブ接続部114についても、ある程度の隙間を設けて巻回させてある。その後、ドラム300からピン付スプリング110として形成されたメタルケーブル310を切断する。
【0021】
次に、図6を参照して、ピン付スプリング110を、チューブ150内に配置する工程について説明する。
図5に示した工程で得られたピン付スプリング110のコイルスプリング部113とチューブ接続部114との間には、図6(a)に示すように、留め具130を取付ける。図6では留め具130を渦巻き形状として示してあるが、留め具として機能する形状であれば、どのような形状のものでもよい。
【0022】
そして、図6(a)に矢印Aで示すように、ピン付スプリング110のチューブ接続部114の先端を、チューブ150の上側から挿入し、細径透孔部152に挿入させる。なお、チューブ150の先端は、この作業時には未だ絞られていない。
【0023】
図6(b)は、このようにしてピン付スプリング110がチューブ150内に配置された状態である。この状態で、ピン付スプリング110のチューブ接続部114の先端115を、カシメ部160内の孔161と挿通させた上で、図6(b)に矢印Bで示すように、カシメ部160を締め付け、図6(c)に示すように、ピン付スプリング110の先端115をチューブ150側にカシメ止めさせる。
また、図6(b)に矢印Cで示すように、チューブ150の先端155を内側に絞り、図6(c)に示すように、ピン付スプリング110の太径部112が外側に飛び出さない形状とする。
【0024】
[3.スプリングコネクタを備えた端末の構成例]
次に、図3及び図4を参照して、本実施の形態のスプリングコネクタ100を実装している携帯電話端末10の構成例について説明する。
本例では、携帯電話端末10のバッテリ20の装着部の端子として、スプリングコネクタ100を使用してある。
即ち、図4に示すように、それぞれが先に説明したスプリングコネクタ100で構成される5本のスプリングコネクタ100a,100b,100c,100d,100eを用意して、その5本のスプリングコネクタ100a〜100eを、合成樹脂などで構成された集合容器30に収納させる。各スプリングコネクタ100a〜100eは、図2に示した細径部111だけが、集合容器30の各配置箇所の孔31〜35から平行に突出した状態で配置してある。
【0025】
この図4に示した構成の集合容器30を、図3(a)に示すように、バッテリ装着部50内に配置してある。ここでは、破線の矢印で示すように、バッテリ装着部50内にバッテリ20を収納させる際のバッテリ移動方向と平行になるように、各スプリングコネクタ100a〜100eの細径部111を並べてある。
なお、このようにバッテリ装着部50に配置された状態では、各スプリングコネクタ100a〜100eの台座部151(図1,図2参照)を、図示しない回路基板の電源供給用の回路パターン及び電池制御用の回路パターンと接続させてある。この接続は、例えばハンダ付けで行う。また、各スプリングコネクタ100a〜100eの配置間隔は、バッテリ20の電極部20a,20b,20c,20d,20eの配置間隔に対応した間隔としてある。
【0026】
そして、図3(b)に示すように、バッテリ装着部50にバッテリ20を収納させることで、各スプリングコネクタ100a〜100eの細径部111の先端が、バッテリ20の電極部20a〜20eと接触する。このとき、各スプリングコネクタ100a〜100eの細径部111の先端が、若干内側(図1での下側)に押し下げられる位置関係としてあり、ピン付スプリング110のコイルスプリング部113の弾性力で、バッテリ20側の電極部20a〜20eと強固に密着する。
そして、図3(b)に示すフタ50′をバッテリ装着部50に取付ける構成としてある。
【0027】
以上説明した構成の携帯電話端末10は、スプリングコネクタ100を備えたことで、バッテリ20とスプリングコネクタ100との電気的な接続状態を、良好に保つことができる。即ち、スプリングコネクタ100内のプランジャとコイルスプリングとが、ピン付スプリング110として一体化させてあるため、それだけランジャである細径部111からチューブ150までの導通状態が不安定になることがない形状である。特に本例の場合には、ピン付スプリング110のチューブ接続部114の先端115を、カシメ部160でチューブ150側に直接接続してあるため、どのような衝撃がスプリングコネクタ100に加わっても、スプリングコネクタ100内で瞬断が起きることがなく、安定した導通経路の確保、及び外部からの衝撃による瞬断現象の防止を行うことができる。
従って、本例の携帯電話端末10は、衝撃によりバッテリからの電源が瞬断して通話が途切れたりデータが消えるなどのトラブルを確実に防止できる。
また、図5に示したようにプランジャとコイルスプリングを一本の金属線で形成することで、部品点数の削減となり、コスト削減の効果を有する。
【0028】
[4.第2の実施の形態の構成例]
次に、本発明の第2の実施の形態の例を、図7〜図9を参照して説明する。
【0029】
図7は、本実施の形態の例のスプリングコネクタの形状を断面で示したものである。
図7に示すようにスプリングコネクタ200は、導電体で構成された内導体と、その内導体を収納した外導体とで構成される。即ち、金属などの導電体で構成された内側が中空のチューブ250で、金属などの導電体で構成されたピン付スプリング210を収容している。このピン付スプリング210は、プランジャとしての機能と弾性体(スプリング)としての機能を備えたもので、具体的な構成については後述する。
【0030】
ピン付スプリング210は、細径部211と太径部212と段差部213とコイルスプリング部214とチューブ接続部215とで構成され、同軸状に連続させて一体に構成させてある。ピン付スプリング210を収容するチューブ250は、基端側が台座部251となり、その台座部251の内部に円形の細径透孔部252が設けてある。その細径透孔部252に連続して、円形の太径透孔部254が形成させてある。細径透孔部252と太径透孔部254との間は、円錐形状部253で接続させてある。台座部251の下端には、台座部251から若干突出したカシメ部260を設けて、ピン付スプリング210のチューブ接続部215の先端216をカシメ止めする構成としてある。
【0031】
ピン付スプリング210の細径部211は、チューブ250の太径透孔部254の上側の先端255から外側に露出させてある。チューブ250の先端255は絞った形状としてあり、ピン付スプリング210の太径部212が外側に飛び出さない構成としてある。
また、ピン付スプリング210のコイルスプリング部213には、留め具230を取付けてあり、この留め具230でチューブ250内の太径透孔部254に固定させてある。留め具230についても金属などの導電体で構成するのが好ましいが、合成樹脂などで構成してもよい。
チューブ250の先端255から突出した細径部211は、チューブ250内のコイルスプリング部214が弾性変形できる(縮むことができる)範囲で、下側に動いて、チューブ250内に沈むことができる。
【0032】
[5.第2の実施の形態のスプリングコネクタの製造工程]
次に、本実施の形態のピン付スプリング210の製造工程を、図8及び図9を参照して説明する。
本例においては、ピン付スプリング210は、線材を切削加工して構成させる。即ち、図8(a)に示すように、導通性を有するメタルケーブル310′が巻いてあるドラム300′から、メタルケーブル310′を引き出す。ここでのメタルケーブル310′の太さは、ピン付スプリング210の太径部212の太さと等しくしてある。
【0033】
そして、図8(b)に示すように、その引き出されたメタルケーブル310′を切削加工して、先端から順に、細径部211と太径部212と段差部213とスプリング用細線部320とを得る。この状態で、ドラム300′からメタルケーブル310′を切断する。
【0034】
その後、図8(c)に示すように、スプリング用細線部320を、ある程度の隙間を設けて巻回させて、コイルスプリング部214とチューブ接続部215とを構成させ、弾性力を有する圧縮コイルスプリングとして機能させる。
【0035】
次に、図9を参照して、ピン付スプリング210を、チューブ250内に配置する工程について説明する。
図8に示した工程で得られたピン付スプリング210のコイルスプリング部214とチューブ接続部115との間には、図9(a)に示すように、留め具230を取付ける。
【0036】
そして、図9(a)に示すように、ピン付スプリング210のチューブ接続部214の先端を、チューブ250の上側から挿入し、細径透孔部252に挿入させる。なお、チューブ250の先端は、この作業時には未だ絞られていない。
【0037】
図9(b)は、このようにしてピン付スプリング210がチューブ250内に配置された状態である。この状態で、ピン付スプリング210のチューブ接続部215の先端216を、カシメ部260内の孔261と挿通させた上で、図9(b)に示すように、カシメ部260を締め付け、図9(c)に示すように、ピン付スプリング210の先端216をチューブ250側にカシメ止めさせる。
また、図9(b)に示すように、チューブ250の先端255を内側に絞り、図9(c)に示すように、ピン付スプリング210の太径部212が外側に飛び出さない形状とする。
【0038】
このように構成した本例のスプリングコネクタ200は、第1の実施の形態のスプリングコネクタ100と同様に端末などに使用でき、第1の実施の形態の例と同様の効果を得ることができる。つまり、安定した導通経路の確保、及び外部からの衝撃による瞬断現象の防止を行うことができる。また、プランジャとコイルスプリングを一本の金属線で形成することで、部品点数の削減となり、コスト削減の効果を有する。
【0039】
以上、本発明の実施形態例について説明したが、本発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含む。例えば、上述した実施の形態では携帯電話端末のバッテリ接続部に使用した例について説明したが、携帯電話端末のその他の接続部に使用してもよい。例えば、携帯電話端末のアンテナと給電部との接続部に使用してもよい。また、携帯電話端末以外の端末装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0040】
1,2,3…接触点、10…携帯電話端末、20…バッテリ、20a,20b,20c,20d,20e…バッテリ用接続端子、30…集合容器、40…スプリングコネクタ、50…フタ、100,100a,100b,100c,100d,100e…スプリングコネクタ、110…ピン付スプリング、150…チューブ、211…細径部、212…太径部、214…コイルスプリング部、215…チューブ接続部、115…先端部、130…留め具、150…チューブ、160…カシメ部、200…スプリングコネクタ、210…ピン付スプリング、211…細径部、212…太径部、213…コイルスプリング部、214…チューブ接続部、215…先端部、230…留め具、250…チューブ、260…カシメ部、300,300’…ドラム、310,310’…メタルケーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電体で構成され、細径部と太径部と弾性部とが軸状に一体的に連続した内導体と、
導電体で構成され、所定の内径の孔を有し、前記孔の先端から前記細径部が突出した状態で、前記太径部と前記弾性部とを前記孔内に納める外導体とを備える
スプリングコネクタ。
【請求項2】
前記内導体の弾性部はコイルスプリングで構成し、そのコイルスプリングを構成する線材を隙間無く巻回させて、前記細径部と前記太径部とを一体的に連続させた
請求項1に記載のスプリングコネクタ。
【請求項3】
前記外導体の孔は、前記内導体の太径部と弾性部とを収める第1の孔部と、前記第1の孔部に連続して、前記第1の孔部より径が細い第2の孔部とを設け、
前記内導体のコイルスプリングの先端を、前記第2の孔部に挿入可能な径として、そのコイルスプリングの先端を前記第2の孔部に挿入させた状態で係止させた
請求項2に記載のスプリングコネクタ。
【請求項4】
前記内導体を前記外導体の第1の孔部内に係止させる留め具を備えた
請求項3に記載のスプリングコネクタ。
【請求項5】
前記内導体の細径部と太径部は、線材を切削加工して形成させ、前記弾性部は、前記太径部に連続した前記線材を細径に切削した上で巻回させてコイルスプリングとした
請求項1に記載のスプリングコネクタ。
【請求項6】
導電体で構成され、細径部と太径部と弾性部とが一体的に連続した内導体と、
導電体で構成され、所定の内径の孔を持ち、前記孔の先端から前記細径部が突出した状態とで、前記太径部と前記弾性部とを収める外導体とで構成されるスプリングコネクタと、
前記スプリングコネクタを配置した接続端子部とを備えた
端末装置。
【請求項1】
導電体で構成され、細径部と太径部と弾性部とが軸状に一体的に連続した内導体と、
導電体で構成され、所定の内径の孔を有し、前記孔の先端から前記細径部が突出した状態で、前記太径部と前記弾性部とを前記孔内に納める外導体とを備える
スプリングコネクタ。
【請求項2】
前記内導体の弾性部はコイルスプリングで構成し、そのコイルスプリングを構成する線材を隙間無く巻回させて、前記細径部と前記太径部とを一体的に連続させた
請求項1に記載のスプリングコネクタ。
【請求項3】
前記外導体の孔は、前記内導体の太径部と弾性部とを収める第1の孔部と、前記第1の孔部に連続して、前記第1の孔部より径が細い第2の孔部とを設け、
前記内導体のコイルスプリングの先端を、前記第2の孔部に挿入可能な径として、そのコイルスプリングの先端を前記第2の孔部に挿入させた状態で係止させた
請求項2に記載のスプリングコネクタ。
【請求項4】
前記内導体を前記外導体の第1の孔部内に係止させる留め具を備えた
請求項3に記載のスプリングコネクタ。
【請求項5】
前記内導体の細径部と太径部は、線材を切削加工して形成させ、前記弾性部は、前記太径部に連続した前記線材を細径に切削した上で巻回させてコイルスプリングとした
請求項1に記載のスプリングコネクタ。
【請求項6】
導電体で構成され、細径部と太径部と弾性部とが一体的に連続した内導体と、
導電体で構成され、所定の内径の孔を持ち、前記孔の先端から前記細径部が突出した状態とで、前記太径部と前記弾性部とを収める外導体とで構成されるスプリングコネクタと、
前記スプリングコネクタを配置した接続端子部とを備えた
端末装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−251255(P2010−251255A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−102244(P2009−102244)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】
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