スプレーキャニスタ
トリガ作動クリーニングデバイスは、加圧されたキャニスタからエアゾール洗浄剤を散布する。キャニスタは雌型バルブアセンブリを備えている。1つの態様では、オーバーキャップがキャニスタのバルブに嵌まっており、オーバーキャップはピボット可能な部分に雄型ステムを有する。遠隔のトリガに連結されたロッドによって雄型ステムが移動されると、雄型ステムはバルブを開く。ステムは、オーバーキャップと一体的に形成されるか、オーバーキャップに形成されたステムソケットに着脱可能に取り付けられる。他の態様では、アクチュエータは雌型バルブ内に嵌まるステムを有するボタンである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2001年9月14日出願の米国特許出願09/951,632号(現在は特許)の一部継続出願である。
【0002】
政府委託の研究/開発に関する記述
該当せず
【0003】
本発明はエアゾールスプレー缶等に関する。より詳細には、本発明は、このような缶をとりわけ遠隔からのトリガ作動に適したものにする、改良されたオーバーキャップ/バルブ構造に関する。
【背景技術】
【0004】
住宅、オフィスビルや一定の他の構造物は、天井が高かったり、室内に家具が置かれていたり、他の構造的な特徴を有するために清掃が難しい場合がある。例えば、種々の家具の物理的な寸法によって家具の下を清掃する能力が限られてしまったり、天井の隅に届きにくかったり、床を清掃するために背中を曲げたりかがんだりすることで腰を痛めたりする場合がある。
【0005】
また、定期的に清掃作業を行う人々は、清掃用製剤にみられる種々の薬品に頻繁に触れることを懸念する場合がある。このことが単なる消費者の認識の問題であるか否か、又は、実際に医学や安全上の問題(皮膚のかぶれなど)に関連するか否かにかかわらず、このことは消費者の選択に影響しうる。このような薬品に触れることへの懸念は、消費者がディスペンサの噴出口に指を近づけて薬品を散布する必要のあるときや、薬品が頭部付近に噴霧されたときに一層大きく感じられる。
【0006】
このため、エアゾール缶のトリガを(時には数フィート分)噴出口から離すための多くの試みがなされている。例えば、米国特許第3,679,319号、第3,794,217号、第4,789,084号、第4,886,191号及び第5,779,155号を参照されたい。これらの特許の開示内容や前述の優先権出願は、本明細書に完全に記載されているかの如く本明細書に援用される。
【0007】
大人は、動作が直観的に理解できて比較的使いやすいエアゾール缶用のオーバーキャップとバルブを一般に好むが、これがいかなる場合でも最適というわけではない、という懸念が更にある。例えば、エアゾール缶のトリガの作動があまりに容易であると、偶発的に、又は許可なくして中身が放出してしまう場合がある。特に、遠隔トリガ作動システム、即ちエアゾールのオーバーキャップがエアゾール缶を作動させる場合、容易な作動に対する要求と、使用の制御に対する欲求とのバランスをとるのは難しい場合がある。
【0008】
特に、遠隔トリガ作動システムの使用にあたって生じる特定の問題は、エアゾール缶が概して有する突出したバルブステムである。このようなステムは、使用中に折れて取れてしまうなどの問題を生じる場合がある。また、製造後は散布バルブに常に連結しているため、不要な散布をしてしまう可能性がある。
【0009】
関連していない別の研究において、サミットパッケージングシステムズ社(Summit Packaging Systems, Inc.)はエアゾール容器用の雌型バルブを開発している。このバルブは、下方に突出した一体型のバルブステムを有する押しボタンによって作動される。この構造は前述の問題のいくつかに対処しているが、知る限りでは、雌型エアゾールバルブには、清掃に用いる遠隔トリガ作動式噴霧器と併用するための構成はなされておらず、オーバーキャップアクチュエータと併用するための構成もなされていない。
【0010】
よって、特に遠隔トリガ作動式噴霧器やオーバーキャップアクチュエータに依存する噴霧器に関連して、これらの懸念により良く対処する一方で中心的な散布を行う能力を保持するデバイスを提供する必要がある。
【特許文献1】米国特許第3,679,319号明細書
【特許文献2】米国特許第3,794,217号明細書
【特許文献3】米国特許第4,789,084号明細書
【特許文献4】米国特許第4,886,191号明細書
【特許文献5】米国特許第5,779,155号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の第1の態様では、本発明は、キャニスタの内部キャビティから所望の位置に薬品を送出するエアゾールキャニスタアセンブリを提供する。前記アセンブリは、加圧された高圧ガスと混合された薬品の保持に適したキャニスタを含む。
【0012】
送出される特定の薬品は限定的ではない。薬品は、エアゾール容器から送出される公知の薬剤のうちいずれでもよい(エス.シー.ジョンソン(S.C. Johnson)社のGo Mop(登録商標)システムで床の手入れに使用される界面活性剤ベースの清掃薬品や、一般にエアゾールスプレーによって送出される殺虫剤が最も好ましい)。
【0013】
高圧ガスも同様に限定的ではない。高圧ガスは、一般にエアゾール容器と共に使用される公知の高圧ガスのうちいずれでもよい。特に好ましい高圧ガスは、プロパン、ブタンガス、イソプロパン、イソブタン及びこれらの混合物などの炭化水素系高圧ガスであるが、その他の高圧ガスを用いてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によると、キャニスタは、開放された(一般には上方に開放された)雌型キャビティを有するバルブを備えている。バルブは、薬品が高圧ガスと共にキャニスタ内に含まれる際にキャニスタから外部への薬品の送出制御に適している。オーバーキャップはキャニスタのバルブ上に配置することができる。アクチュエータはノズル開口を有し、バルブステムに連結されている。
【0015】
バルブステムが軸方向の(一般には軸方向下方への)相対移動によって雌型キャビティに挿入されると、バルブステムは薬品の噴出経路を定める。薬品はバルブとバルブステムを通過し、ノズル開口から出る。ノズル開口は半径方向の開口であってもよいし、軸方向の開口であってもよい。
【0016】
バルブステムはオーバーキャップと一体化した部品であるか、オーバーキャップに着脱可能に接続されている。後者の場合、オーバーキャップはノズル開口と連通するステムソケットを備えており、ステムソケットはバルブステムを受けるように寸法決めされている。ステムソケットは、オーバーキャップの頂壁の一方の側まで延びる円筒状の壁によって定められた内部に向かって開放されている。
【0017】
最も好ましい形態において、オーバーキャップは半径方向に周壁を有し、この周壁には、バルブステムに作用してバルブを変位させるのに適したレバーアームがヒンジで連結されている。レバーアームはノズル開口を含み、バルブステムを受けるように寸法決めされたステムソケットを含む。
【0018】
他の態様において、本発明はクリーニングデバイスを提供する。このクリーニングデバイスは、クリーニングヘッドと、クリーニングヘッドに接続され、スプレーキャニスタを保持するハウジングと、一方の端部でハウジングに接続され、反対側の端部でトリガを有するハンドルに取り付けられたシャフトと、を備える。
【0019】
更に、キャニスタの内部キャビティからクリーニングヘッドに隣接する所望の位置に薬品を送出するエアゾールキャニスタアセンブリも設けられる。このアセンブリは、加圧された高圧ガスと混合された薬品の保持に適したキャニスタを有し、キャニスタは軸方向に開放された雌型キャビティを有するバルブを備えている。バルブは、薬品が高圧ガスと共にキャニスタ内に含まれる際にキャニスタからキャニスタ外部への薬品の送出制御に適している。
【0020】
また、このキャニスタアセンブリには、バルブに隣接してキャニスタに配置可能なアクチュエータも設けられ、このアクチュエータはノズル開口を有し、バルブステムに連結されている。バルブステムは、軸方向の相対移動によって雌型キャビティに挿入可能である。バルブステムは、バルブがバルブステムによって開かれた際にキャニスタ内の薬品をノズル開口から噴出するための経路を定める。
【0021】
また、クリーニングデバイスは、薬品を散布する際にトリガの移動によってアクチュエータの一部を移動させるイニシエータアセンブリを有する。このため、清掃薬品を遠隔噴霧装置によって噴霧することができる。
【0022】
クリーニングデバイスの好ましい形態において、シャフトは中空であり、イニシエータアセンブリは、シャフト内をスライド可能なコアと、ハウジングにピボット(旋回)可能に取り付けられ、スライド可能なコアと結合されたピボットリンクと接触してハウジング内に配置されたロッドと、を含む。トリガが作動されてスライド可能なコアがスライドし、コアはピボットリンクをピボットさせてロッドをアクチュエータに接触させる。また、ロッド及びスライド可能なコアはほぼ反対の方向に移動する。
【0023】
クリーニングデバイスの他の好ましい形態において、ハウジングは位置合わせ突起を含み、アクチュエータはオーバーキャップの形状をとる。オーバーキャップは、位置合わせ突起を収容するように寸法決めされた凹部を含む頂壁を有し、これによりオーバーキャップは正しい向きでハウジング内に収容される。この実施の形態において、バルブステムは、扇状の噴霧をもたらすように構成されたスプレーノズルと連通する通路を定める。
【0024】
クリーニングデバイスの他の態様において、アクチュエータは、バルブステムが一体的に形成されるか又は着脱可能に接続されたボタンの形状をとることができる。
【0025】
本発明は、エアゾールキャニスタ及びそのトリガシステム、特に遠隔トリガ作動やオーバーキャップとの併用に好適なものを改善することが理解されるであろう。アクチュエータが(例えば、製造、出荷又は保管の際に)キャニスタと分離されている場合は、キャニスタを容易に作動させることができない。よって、このようなときに製品が不意に放出されたり、製品の使用許可を与えられていない者によって放出されたりする可能性は低くなる。
【0026】
更に、バルブステムが折れて取れてしまっても、キャニスタからバルブステムを容易に取り除き、代わりのアクチュエータによってキャニスタを作動させることができる。これにより、遠隔トリガ作動装置によってステムが従来の缶から折れて取れてしまっても消費者の不満は最小になる。
【0027】
本発明の前述の利点や他の利点は下記の説明で明らかになる。この説明では、本発明の好ましい実施の形態を参照する。これらの実施の形態は、本発明の完全な範囲を表すものではない。本発明の完全な範囲を解釈するには本明細書中の請求の範囲を参照すべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1乃至図12は本発明のモップを示している。このモップは上部トリガを有し、この上部トリガを用いて下部のエアゾールキャニスタを遠隔から作動させ、清掃薬品をモップヘッドに近接して噴霧することができる。アクチュエータ/バルブの接続部分を除き、このシステムの構造及び作用を優先権出願(2001年9月14日出願の米国出願09/951,632号、現在は特許)に本願よりも若干詳しく説明している。
【0029】
図1は、好ましい実施の形態に従った本発明を示している。トリガ作動モップ1は、モップヘッド100、ハウジング200、シャフトアセンブリ300及びハンドル400を含む。モップヘッド100は、限定しない例としてスポンジや使い捨て/取替可能な布などのクリーニングデバイスを保持する。ハウジング200は、モップヘッド100上で突起と玉継手を係合させるU形ヒンジ202によってモップヘッド100につながっている。
【0030】
図2に示すように、ハウジング200は、好ましくはねじ(図示せず)によって互いに結合された前部パネル204及び後部パネル206からなる。2枚のパネル204、206が結合されるとガイド穴217が生じるように、これらのパネル204、206の各々は上部(即ち近位端)に半円筒部を含む。しかし、これらの半円筒部は接触せず、ガイド穴217にスロットを残している。カラー219がガイド穴217内にスライドし、カラー219の2つのフィン221がスロット内にスライドする。
【0031】
カラー219及びパネル204、206はねじによって結合されることが好ましい。接着剤やプラスチックファスナなど、パネル及びカラーを結合する他の手段も可能である。また、玉継手、多軸ヒンジ継手、単軸ヒンジ継手、固定接続、可撓性部材等を含むがこれらに限定されない種々の手段によって、ハウジング200をモップヘッド100に取り付けることができる。
【0032】
パネル204、206は、アクチュエータロッド208がスライド可能に装着されるスペースを有する。アクチュエータロッド208は2つの突起210上でスライド可能に支持されることが好ましいが、これよりも多いか又は少ない数の突起を設けてもよい。また、アクチュエータロッド208の移動の際にこれを導くのを促すように、溝などのアクチュエータロッドガイド部(図示せず)を1つ以上の突起に形成してもよい。アクチュエータロッド208の下端部212はJ形に曲げられており、座金228を支持する平坦部240を含む一方、上端部214はある角度(好ましくは直角)に曲げられており、ピボットリンク216と接触している。
【0033】
アクチュエータロッド208の平坦部240は、座金228の止め具として作用する。即ち、座金228は、アクチュエータロッド208上を平坦部240までしかスライドすることができない。もちろん、限定しない例として、アクチュエータロッド208上に形成されたくぼみやビード、又は座金と共に使用されるアクチュエータロッド208の減少断面部(座金はアクチュエータロッド208の減少断面と噛み合うような断面を有する)など、他の止め具を用いて座金228を位置決めしてもよい。
【0034】
アクチュエータロッド208の下端部212は、前部パネル204の開口213を通って突出し、例えばエアゾールタイプ等のスプレーキャニスタであることが好ましいキャニスタ5上のオーバーキャップ500に接触する。座金228は、アクチュエータロッド208をオーバーキャップ500から離れるように下方に付勢するばね230のベースとして作用する。
【0035】
図3はオーバーキャップ500を示し、オーバーキャップ500は概して、上面502、ノズル503、上面502から延びる円筒状の壁504、レバーアーム508及びアクチュエータポート505を含む。アクチュエータポート505は、アクチュエータロッド208の下端部212の終端を収容するように構成されており、これにより、アクチュエータロッド208はパッド509においてレバーアーム508と接触することができる。
【0036】
図3は、D形の凹部506を含む上面502を更に示している。D形凹部506は、オーバーキャップ500がハウジング200内で常に正しく配向されていることを確実にする。図5に示すように、ハウジング200は、D形凹部506の壁を受けるか又は凹部506の壁と噛み合う位置合わせ突起232を含む。このようにして、オーバーキャップ500の向きを確実にする。もちろん、D形凹部506及び位置合わせ突起232は種々の形状をとることができ、完全に図示の通りにする必要はない。例えば、複数の穴やポストを用いてもよい。
【0037】
図6に示すように、レバーアーム508は上面502の直径をほぼ横断し、D形凹部506と反対側の端部に配置されたピボット点520で円筒壁504に取り付けられている。ピボット式レバーアーム508は、上面502及びD形凹部506から分離されている。図3及び図4に示すように、レバーアーム508はD形凹部506内で終端をなし、D形凹部506の床部507には接続されていない。このため、ピボット式レバーアーム508はD形凹部506の床部507の面から離れて自由に動作することができる。レバーアーム508がピボット点520を中心としてピボットするのに必要な力を小さくするために、レバーアーム508の厚みは図6に示すようにピボット点520で薄くなっている。
【0038】
レバーアーム508が、知らないうちに又は偶発的に動作してしまうリスクを最小にするために、レバーアーム508は上面502よりも下に配置されることが好ましいが、上面と同じ高さか上面より上にあってもよい。また、図4に示すように、レバーアーム508は、剛性を高めるために裏面にリブ560を有することが好ましい。
【0039】
図4に示すように、円筒壁504の内側表面の底部には複数のリブ516がある。これらのリブ516はキャニスタ5のリムと係合し、オーバーキャップ500がキャニスタ5にしっかりと固定されるように保つ。もちろん、接着剤など、オーバーキャップ500をキャニスタ5に固定する他の手段を用いてもよいし、オーバーキャップ500とキャニスタ5を一体形成することも可能である。
【0040】
図3に示すオーバーキャップ500を見てみると、子供がオーバーキャップ500を容易に作動させることができない、ということがオーバーキャップ500の利点の1つであるのが明らかである。子供がハウジング200からキャニスタ5を取り出すことができたとしても、レバーアーム508にはキャニスタ5の作動に用いる容易にアクセス可能なグリップやボタンがないため、キャニスタ5から内容物を放出させようとして無意識にレバーアーム508を押すことは子供には難しいであろう。
【0041】
図7(図6の領域Aの詳細図)及び図8(図3の8−8線に沿った部分断面図)に示すように、オーバーキャップ500のノズル503は、上面502から測定して所定の角度で扇状の噴霧をもたらすように構成されている。この角度を40°乃至90°の間とすることができ、 好ましくは70°乃至85°、より好ましくは78.5°とすることができる。図7から明らかなように、開口510が、角度づけされた噴霧を得るように上面502に対して傾斜されている。
【0042】
扇状の噴霧を得るために、開口510は第2の方向よりも第1の方向に広い(第1の方向は第2の方向に対してほぼ直交である)。具体的には、図7に示す開口部510の幅xは、図8に示す幅yよりも大きい。これにより、レバーアーム508の長手と平行な方向よりも、レバーアーム508の長手に垂直な方向において広い噴霧が生じる。もちろん、本発明の範囲から逸脱することなく、幅がいずれの方向にも向くように噴霧を任意の方向に回転させることができる。
【0043】
図7に示すように、キャニスタ5に最も近いノズル503の端部でステムソケットを形成する前記端部は、傾斜したアンダーカット517内に導く面取り開口514を含む。ステムソケットのアンダーカット517と一体形成され、これを越えて延びる円筒状のキャビティ518は、キャニスタ5のバルブステム7の外径よりも小さい内径を有するように構成されており、よってバルブステム7の止め具として作用し、バルブステム7が円筒キャビティ518に入るのを防止する。
【0044】
レバーアーム508の作動時、即ちレバーアーム508が上面502に対して下方に押された際に傾斜したアンダーカット517とバルブステム7の上部との間の密閉係合を行うために、傾斜したアンダーカット517は約5°の角度で傾斜していることが好ましいが、他の角度を用いてもよい。
【0045】
図2、図5及び図9に示すように、ハウジング200は、リテーナ218及び位置合わせ突起232を用いてキャニスタ5/オーバーキャップ500アセンブリを保持する。位置合わせ突起232は、オーバーキャップ500の適切な配向をもたらすように作用するだけでなく支持具(例えば、「ピン状」支持具)としても作用し、キャニスタ5/オーバーキャップ500アセンブリのオーバーキャップ端をハウジング200内に保持する。キャニスタ5/オーバーキャップ500アセンブリのキャニスタ端は、リテーナ218によってハウジング200内に保持される。
【0046】
リテーナ218は、ばね220によってキャニスタ5に抗するようにばね付勢されており、リテーナ218とキャニスタ底部との間の摩擦力によってキャニスタ5を保持する。また、図2に示すように、リテーナ218は外周に沿ってリップ222を含み、リップ222はキャニスタ5の外側表面と接触し、キャニスタ5/オーバーキャップ500アセンブリがハウジング200から外れたり「抜け落ちる」のを防止する。
【0047】
リテーナ218は、リテーナ218の表面から突出する当接部224を更に含む。当接部224はキャニスタ5の底面と接触し、同じくキャニスタ5/オーバーキャップ500アセンブリがハウジング200から自由に外されたり「抜け落ちる」のを防止する。図9に示すように、リテーナ218は舌部又はハンドル226を含むことが好ましく、これにより、使用者はリテーナ218をばね220に抗するように容易に付勢し、キャニスタ5をハウジング200から取り出すことができる。
【0048】
キャニスタ5/オーバーキャップ500アセンブリをハウジング200内に取り付けるには、使用者はまずキャニスタ5/オーバーキャップ500アセンブリのオーバーキャップ端をハウジング200に挿入し、D形凹部506に位置合わせ突起232を噛み合わせながら収容させる。この位置では、オーバーキャップ500のD形凹部506は位置合わせ突起232と接している。次いで、使用者は、リテーナ218がキャニスタ5/オーバーキャップ500アセンブリのキャニスタ端と嵌まって係合するまでキャニスタ5/オーバーキャップ500アセンブリのキャニスタ端をハウジング200内に押し込む。
【0049】
キャニスタ5/オーバーキャップ500のキャニスタ端を保持する他の手段も考慮され、本発明の範囲から逸脱せずにリテーナ218を省略することができる。例えば、クリップを前部パネル204に一体的に形成し、これによってキャニスタ5をハウジング200に嵌め込むことができる。また、弾性のあるストラップによって、キャニスタ5をハウジング200に固定させてもよい。当接部224、ハンドル226及びリップ222が全くないか又はこれらのうちいずれかがないリテーナ218など、図示するリテーナ218を変形したものを用いてもよい。
【0050】
次に図10及び図11を参照すると、シャフトアセンブリ300は、(後述するように)好ましくは着脱可能な態様でハウジング200のカラー219につながっており、スライド可能な下部コア304を嵌め込んだ下部中空シャフト302と、スライド可能な上部コア305を嵌め込んだ上部中空シャフト303を含む。下部コア304は、下部コア304を下部中空シャフト302の中心に保つ複数のフランジ306を有する。
【0051】
ハウジングプラグ308が、ハウジング200に最も近い下部中空シャフト302の端部に設けられており、下部中空シャフト302の前記端部と係合している。限定しない例として、摩擦嵌合、接着結合、熱溶融又は超音波溶融による結合、ピン、ねじ、圧着等により、このような係合を行うことができる。
【0052】
ハウジング200から最も離れた下部中空シャフト302の遠位端には雌型プラグ307がある。また、雌型プラグ307は、ハウジングプラグ308に関して前述した態様と同様の態様で下部中空シャフト302と係合している。複数のフランジ306のうちの1つとハウジングプラグ308との間にあるばね310は、下部コア304をハウジングプラグ308から離れるように付勢された状態に保つ。
【0053】
図11に示すように、上部中空シャフト303は、スライド可能に配置された上部コア305を収容している。上部コア305は、下部コア304と同様に複数のフランジ320を有する。接続プラグ318が、ハウジングプラグ308に関して前述した態様と同様の態様で、上部中空シャフト303の接続端(即ち、下部中空シャフト302に最も近い端部)において上部中空シャフト303と係合している。
【0054】
ハウジングプラグ308及び接続プラグ318はそれぞれ長手方向リブによって結合された複数のリングを含み、大きなリング309によって概ね上半分312及び下半分314に分けられている。ハウジングプラグ308及び接続プラグ318の各々の上半分312は、下部中空シャフト302及び上部中空シャフト303の各々にそれぞれぴったりと嵌まるように成形され、寸法決めされている。
【0055】
下半分314は断面が弾丸形(即ち、一辺が平坦)であり、ハウジングプラグ308がハウジング200のカラー219又は雌型プラグ307に一方向でしか挿入できないことを確実にする。各プラグ308、318には、連続する円形のキャビティがプラグを貫通するように形成されており、このキャビティは適切なコア304、305が通過できるように成形されている。接続プラグ318及び上部中空シャフト303を誤ってハウジング200に挿入することができなくなるように、ハウジングプラグ308及び接続プラグ318をわずかに異なるように成形することが好ましい。
【0056】
各プラグ308、318の下半分314には傾斜キー316があり、このキー316は、カラー219(ハウジングプラグ308の場合)又は雌型プラグ307(接続プラグ318の場合)の内壁に形成された凹部、くぼみ、切欠、窓等に嵌まる。窓及び傾斜キーのメカニズムによって、ハウジングプラグ308がハウジング200に、そして接続プラグ318が中空シャフト302に、永久的に又は着脱可能に固定される。
【0057】
1つの例では、永久接続をもたらす傾斜キー316は可撓性の翼状の突起であり、この突起は、カラー219又は雌型プラグ307に挿入されると内方へ曲がる終端を有する。翼状の突起は、窓に達するまで内方へ曲がったままになり、窓に達すると翼状突起の終端が窓の中に広がり、よって永久接続が生じる。
【0058】
着脱可能な接続をもたらす傾斜キー316としては、内方傾斜面と一体形成された外方傾斜面を有し、これらの間にピークが形成された翼状の突起(例えば、「>」という標準のキーボード文字と類似した形状の突起)が可能である。この翼状突起は、カラー219又は雌型プラグ307に挿入されると窓に達するまで曲がったままになり、窓に達すると翼状突起のピークが窓の中に広がる。
【0059】
この翼状突起は内方傾斜面によって着脱可能になっている。カラー219又は雌型プラグ307から下半分314を引き抜くために力を加えると、内方傾斜面によって翼状突起が再び内方に曲がり、これによってピークが窓から引き抜かれ、取り外しが可能になる。もちろん、限定しない例として、固定ピン、ねじ、留め金、ばね付きピン、ボルト、ひねり−ロック接続など、下半分314をカラー219又は雌型プラグ307に永久的に又は着脱可能に取り付ける他の手段を用いてもよい。
【0060】
図11に示すように、下部コア304と同様に、ばね322は、フランジ320のうちの1つを押圧することによって上部コア305を接続プラグ318から離れるように付勢する。作動ブロック324が、上部コア305のグリップ端、即ち遠位端に取り付けられることが好ましい。もちろん、取付方法は、ハウジングプラグ308に関して前述したもののうちいずれを含んでもよい。
【0061】
図11に示すように、上部中空シャフト303のグリップ端はシャフトを貫通する複数の穴326を含む。また、上部中空シャフト303は、上部切欠328及び下部切欠330を備える(上部及び下部は、穴326の位置を側部として定義されている)。もちろん、材料を取り除いたり、切欠き328、330が形成された上部中空シャフト303を成型したりすることによって切欠328、330が形成可能であるため、「切欠」という用語は切欠の形成方法を示すものではない。むしろ、この用語は上部中空シャフト303内のスペースを指したものである。
【0062】
図11は、右パネル402及び左パネル404からなるハンドル400を示している。右パネル402及び左パネル404の各々は3つの突起406を含むことが好ましい(そのうち2つは、上部中空シャフト303の穴326を通って延びて互いに接触するほど十分に長い)。右パネル402及び左パネル404は、ねじがパネル402、404のうち一方の突起406を貫通し、他方のパネル402又は404の突起406内に入ることによって共に固定される。もちろん、限定しない例として、ボルト、圧入ピン、接着剤など、右パネル402及び左パネル404を共に固定する他の手段を用いてもよく、3つよりも多いか又は少ない数の突起や穴を設けてもよい。更に、右パネル及び左パネルのみが説明されているが、好ましくは軟質材からなるグリップインサート405を設けることもできる。
【0063】
パネル402、404がねじによって共に固定されてハンドル400を形成する際に底部にトリガ開口410が形成されるよう、左パネル402及び右パネル404の各々は湾曲部を含む。トリガ開口410は、トリガ開口410を通るトリガ412を受ける。トリガ412は、パネル402、404を貫通するか又はパネル402、404内に入り、トリガ412の穴を貫通するピン(図示せず)によって所定の位置にピボット可能に保持される。
【0064】
もちろん、限定しない例として、ボルト、ねじ、中空チューブなど、トリガ412をピボット可能に支持する他の手段を用いてもよい。トリガ412は、U形の拡張部、即ちリップ416を含み、その前面418は長方形でサイドレール420を有する。長方形の前面418は作動ブロック324に接触し、レール420は作動ブロック324が横方向に移動するのを防止する。もちろん、レールを設けなくてもよいし、前面418は長方形でなくてもよい。更に、カム及びフォロアやラック歯車など、ピボット動作を線形動作に変換するいずれの手段も許容可能である。
【0065】
また、パネル402、404が共に固定されるとロック開口414が形成されるように、パネル402、404の各々は上部に湾曲部を含む。ロック開口414はトリガロック415を受け、トリガロック415を導くリブ(図示せず)を含む。トリガロック415は、図11に示すように水平プレート422及び垂直スイッチ424を含む。使用者が指で垂直スイッチ424に触れることができるように、垂直スイッチ424はロック開口414から出てハンドル400の外側表面の上に突出すると共に、水平プレート422の下に延びて上部中空シャフト303内に入っている。水平プレート422は、上部中空シャフト303の長手軸に平行な軸に沿ってスライドし、このようなスライド動作の際はリブによって導かれる。
【0066】
使用者が垂直スイッチ424を押すか又は引っ張ると、水平プレート422は上部中空シャフト303に沿ってハンドル400のリブ内でスライドする。ロック位置では、トリガロック415はモップヘッド100側の最も前方の位置にある。ロック解除位置では、トリガロック415は最も後方の位置にあり、モップヘッド100から最も遠くにある。ロック位置では、垂直スイッチ424はトリガ412と接触するか又は接触しそうになる。そのため、使用者がトリガ412を握りしめようとすると、トリガ412の上部が垂直スイッチ424と接触し、トリガ412の更なる移動を防止する。
【0067】
本発明のクリーニングデバイスの利点はそのモジュール構造である。モップヘッド100、ハウジング200及びシャフトアセンブリ300の全てを、個別にコンパクトに梱包可能な個々の部品とすることができる。好ましい実施の形態では、シャフトアセンブリ300を2つの部品、即ち下部中空シャフト302及び上部中空シャフト303として梱包することができる。下部中空シャフト302及び上部中空シャフト303の各々は、プラグ308、318、ばね310、322及び内部コア304、305をそれぞれ含むように梱包されることが好ましい。
【0068】
下部中空シャフト302の遠位端には雌型プラグ307が取り付けられていることが好ましく、上部中空シャフト303の遠位端にはハンドル400が取り付けられていることが好ましい。同様に、アクチュエータロッド208、座金228、ばね230、ピボットリンク216及びリテーナ218を含んだ完成ユニットとしてハウジング200を梱包することができる。そのため、使用者がパッケージからクリーニングデバイス1を取り出した際、使用者は下部中空シャフト302をハウジング200に嵌め込み、上部中空シャフト303を下部中空シャフト302に嵌め込むだけでよい。
【0069】
作用としては、使用者は概ね従来のモップのようにトリガ作動モップを利用する。しかし、使用者が清掃中の表面に容器5の内容物(例えば、洗浄液)を塗布したい場合、使用者はトリガ412を握りしめるだけでよい。このとき、トリガ412がピボットしてリップ416が作動ブロック324に対して押圧され、作動ブロック324はモップヘッド100に向けて上部コア305を下方に移動させる。上部コア305は接続プラグ318内の円形キャビティを介して移動し、雌型プラグ307を通って下部コア304と接触する。
【0070】
その結果、下部コア304はスライドしてハウジングプラグ308を通過し、ハウジング200内に入る。下部コア304の底部がピボットリンク216と接触してピボットリンク216を回転させ、これにより、アクチュエータロッド208を中央に向けて作動方向に(即ち、下部コア304のスライド方向とほぼ反対の方向に)移動させる。アクチュエータロッド208の下端部212の終端は、前部パネル204の開口213を介して上にスライドし、オーバーキャップ500のレバーアーム508のパッド509と接触する。
【0071】
レバーアーム508はキャニスタ5のバルブステム7に向かってピボットし、ステムソケット内の円筒キャビティ518の上部に形成された肩部がバルブステム7を押圧してキャニスタ5のバルブ(図示せず)を開き、キャニスタ5の内容物をノズル503を介して清掃対象面に噴出させる。トリガ412が放されると、中空シャフト302、303内のばね310、322は、それぞれコア304、305をトリガ412に抗するように上方へ付勢し、トリガ412をピボットさせて元の非作動位置に戻す。この動作によってアクチュエータロッド208にかかる力が軽減され、ばね230がアクチュエータロッド208をオーバーキャップ500から離れるように付勢する。キャニスタ5のバルブ内のばね(図示せず)がバルブステム7を元の位置に戻し、バルブを閉じてキャニスタ5の内容物がキャニスタ5から出るのを止める。
【0072】
モップヘッド100、ハウジング200、シャフトアセンブリ300、ハンドル400及びオーバーキャップ500のような本発明の部品は、プラスチック(例えば、その光沢度及び強度のためにABS樹脂など)から成型されることが好ましい。しかし、低コストという理由から、これらの成型部品を好ましくはポリプロピレンで製造することもできる。
【0073】
特に、前記の優先権出願に関連する本願の付加的な開示内容に従って、本発明者らは図12乃至図16の改良型キャニスタアセンブリの概念を提案する。これらの概念は全て、キャニスタ自体の上端部に雌型バルブが設けられ、アクチュエータと共に別個の/着脱可能なバルブステム(例えば、図13のオーバーキャップレバー、図14のオーバーキャップ一体型ステム、図15のオーバーキャップ分離可能バルブステム、及び図16のボタンアクチュエータ)によって雌型バルブが作動される構成である。
【0074】
図12及び図13はキャニスタ5’及びオーバーキャップ500’を示している。これらは前述のものと非常に似ているが、キャニスタ5’は雌型バルブアセンブリを有し、オーバーキャップ500’は雄型バルブステムを有する。キャニスタ5’は、(全体のサイズ及び構造が同一である)上記のアセンブリ及び図14乃至図16に示す本発明の3つの更なる実施の形態との併用に適している。図12及び図13に示すオーバーキャップ500’は、図14の一体型バルブステムの実施の形態と図15の別個のバルブステムの実施の形態に用いることができる。オーバーキャップ500’は、図16のボタンアクチュエータの実施の形態には不要である。
【0075】
図12及び図13を参照すると、オーバーキャップ500’は、上面502’、ノズル503’、上面502’から延びる円筒壁504’、レバーアーム508’、及び切欠505’を有するD形凹部506’を備えている。D形凹部506’は、前述し、図5に示したように位置合わせ突起232を収容することによって、オーバーキャップ500’がハウジング200’内で常に正しく配向されていることを確実にする。
【0076】
前述と同様に、レバーアーム508’は上面502’の直径をほぼ横断し、D形凹部506’の反対側にあるピボット点520’で円筒壁504’にヒンジで連結されている。これにより、レバーアーム502’はD形凹部506’の床507’の面から離れて自由に動作する。また、前述と同様に、レバーアーム508の厚みは、作動に必要な力を小さくするようにピボット点520’で薄くなっている。
【0077】
オーバーキャップ500’のノズル503’は、上面502’から測定して所定の角度で扇状の噴霧をもたらすように構成されており、この角度は40°乃至90°が好ましく、70°乃至85°がより好ましく、78.5°が更に好ましい。開口510’は、角度づけされた噴霧を得るように上面502’に対して傾斜されている。扇状の噴霧は、前述と同様に、開口510’ の第1の方向をこれに直交する第2の方向よりも広くすることによって得られる(図8を参照)。
【0078】
ここで図14を参照すると、キャニスタ5’に最も近いノズル503’の端部は、細長くほぼ管状の一体型バルブステム600を形成している。図15のオーバーキャップの実施の形態では、キャニスタ5’に最も近いノズル503’の端部は、円筒状の内径702を有するよう内方にテーパー付けされたステムソケット700を構成している。この内径702は別個の管状バルブステム704よりもわずかに大きく寸法決めされており、管状バルブステム704を締まり嵌めで受け入れる。一体型バルブステム600又は分離可能バルブステム704は、キャニスタ5’の雌型バルブ802のオリフィス800と連結しており、レバーアーム508’が押し下げられた際にキャニスタ5’の内容物をノズル503’を介して噴霧する。
【0079】
雌型バルブ802は、エアゾールキャニスタの公知の構造からなる。バルブ802は、オリフィス800を定めてキャニスタ5’の端部を覆う外側バルブカップ804を有し、ガスケット(図示せず)をこのバルブカップ/キャニスタの境界に設けて密閉性を更に高めてもよい。バルブカップ804の下にはガスケット806があり、このガスケット806はバルブステムを囲み、バルブカップ804と円筒状バルブハウジング808との間に位置する。
【0080】
バルブハウジング808は、開放された上端部と、キャニスタ5’の底部付近まで延びる浸漬チューブ(図示せず)を取り付けるホースバーブタイプの下端部810とを有する。また、バルブハウジング808はフランジ付きの上端部を有し、この上端部はバルブカップ804のハブ内のひだによって捕らえられ、所定の位置に固定される。バルブハウジング808は、ばね814及びステムカップ816を支持する。ステムカップ816は、ばね814が外嵌する下端部と、バルブステムの底部をしっかりと受ける円形の溝を含む開放された上端部とを有する。ステムカップ816のこの上端部の外径は、バルブハウジング808の内径よりもわずかに小さく、これらの間に環状の流路820が定められる。
【0081】
バルブ802の作動前では、キャニスタ5’の加圧された内容物の漏れは、ガスケット806とステムカップ816の上部との間に生じるシール(密閉)によって防止される。しかし、バルブステムがステムカップ816を下方に押すとこのシールは破られ、ある量の加圧内容物が環状流路820を通り、ノズル503’と連通するバルブステムの底部付近の開口822に達することができる。バルブステムにかかる下向きの力を取り除くことによって、ばね814はガスケット806に抗するようにステムカップ816を元の位置に戻すことができ、これによってシールが回復する。
【0082】
図14及び図15に示す2つの他のオーバーキャップの実施の形態を用いたアセンブリの作用は、前述のものと同一である。(図1、図2、図10及び図11を更に参照して)簡潔にいうと、使用者はトリガ412を握りしめればよく、これによって、リップ416が作動ブロック324に対して押圧され、作動ブロック324は上部コア305をモップヘッド100に向かって下方に移動させ、上部コア305は接続プラグ318内の円形キャビティを介して移動し、雌型プラグ307を通って下部コア304と接触する。その結果、下部コア304はスライドしてハウジングプラグ308を通過し、ハウジング200内に入る。
【0083】
下部コア304の底部がピボットリンク216と接触することによってピボットリンク216が回転し、これによりアクチュエータロッド208が作動方向に移動してレバーアーム508’のパッド509’と接触する。レバーアーム508’はキャニスタ5’に向かってピボットし、これによってバルブステムがステムカップ816を移動させ、キャニスタ5’の内容物をノズル503’を介して清掃対象面に噴出させることができる。トリガ412が解放されると、中空シャフト302、303内のばね310、322は、それぞれコア304、305をトリガ412に抗するように上方へ付勢し、トリガ412をピボットさせて元の非作動位置に戻す。この動作により、アクチュエータロッド208にかかる力が軽減され、ばね230がアクチュエータロッド208をオーバーキャップ500から離れるように付勢する。バルブのばね814がバルブステムを元の位置に戻し、バルブを閉じてキャニスタ5’の内容物がキャニスタ5’から出るのを止める。
【0084】
オーバーキャップの代わりにボタンアクチュエータ900を用いる図16の他の実施の形態は同様に作用するが、アクチュエータロッド208はオーバーキャップの中間ピボット部材ではなくボタンアクチュエータ900の上端部に直接接触する。下部開口906からノズル908までの通路904を含む雄型バルブステム902を有し、前述のようにキャニスタ5’に対して斜角で幅広の噴霧パターンを好ましくもたらすのであれば、ボタンアクチュエータ900は従来の構造からなっていてもよい。
【0085】
前述の説明は、本発明の好適な実施の形態の説明にすぎない。当業者は、本発明の要旨及び範囲に入る他の実施の形態を容易に理解するであろう。例えば、本明細書には詳しく説明されていないが、別個のステム状ボタンアクチュエータに接触してこれを作動させるピボット式レバーアームを有するオーバーキャップを用いた本発明の実施の形態も本発明の範囲内である。よって、本発明の完全な範囲を理解するためには請求項に注意を向けなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0086】
床や壁のような硬い表面の清掃を容易にするデバイスと、これらのデバイスと共に使用する清掃物質の供給に適したエアゾールキャニスタが開示される。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明のトリガ作動スプレーキャニスタを有するモップの斜視図である。
【図2】本発明と共に使用するハウジングの分解斜視図である。
【図3】本発明のオーバーキャップの平面図である。
【図4】本発明のオーバーキャップの裏面の斜視図である。
【図5】オーバーキャップがハウジング内に配置された際の、図2の5−5線に沿って切り取った組立形態の断面図である。
【図6】図3の6−6線に沿った断面図である。
【図7】図6の領域Aの詳細図である。
【図8】図3の8−8線に沿って切り取った部分断面図であり、ノズルを示している。
【図9】キャニスタを保持する本発明のハウジングの断面図である。
【図10】本発明のシャフトアセンブリの下端部の分解斜視図である。
【図11】本発明のシャフトアセンブリの上端部及びハンドルの分解斜視図である。
【図12】本発明のアセンブリと共に使用する、雌型バルブを有する洗剤含有キャニスタの他の実施の形態を示す部分斜視図であり、アクチュエータロッドが部分仮想線で示されている。
【図13】上記アセンブリにおいて使用される際の、図12の13−13線に沿って切り取った本発明のオーバーキャップの部分断面図である。
【図14】一体型バルブステムを有するオーバーキャップの他の実施の形態の部分断面図である、
【図15】図14に類似しているが、分離可能なバルブステムを有するオーバーキャップの他の実施の形態の図である。
【図16】図14に類似しているが、バルブステムを有するボタンアクチュエータがオーバーキャップの代わりに用いられる本発明の更に他の実施の形態の図である。
【技術分野】
【0001】
本願は、2001年9月14日出願の米国特許出願09/951,632号(現在は特許)の一部継続出願である。
【0002】
政府委託の研究/開発に関する記述
該当せず
【0003】
本発明はエアゾールスプレー缶等に関する。より詳細には、本発明は、このような缶をとりわけ遠隔からのトリガ作動に適したものにする、改良されたオーバーキャップ/バルブ構造に関する。
【背景技術】
【0004】
住宅、オフィスビルや一定の他の構造物は、天井が高かったり、室内に家具が置かれていたり、他の構造的な特徴を有するために清掃が難しい場合がある。例えば、種々の家具の物理的な寸法によって家具の下を清掃する能力が限られてしまったり、天井の隅に届きにくかったり、床を清掃するために背中を曲げたりかがんだりすることで腰を痛めたりする場合がある。
【0005】
また、定期的に清掃作業を行う人々は、清掃用製剤にみられる種々の薬品に頻繁に触れることを懸念する場合がある。このことが単なる消費者の認識の問題であるか否か、又は、実際に医学や安全上の問題(皮膚のかぶれなど)に関連するか否かにかかわらず、このことは消費者の選択に影響しうる。このような薬品に触れることへの懸念は、消費者がディスペンサの噴出口に指を近づけて薬品を散布する必要のあるときや、薬品が頭部付近に噴霧されたときに一層大きく感じられる。
【0006】
このため、エアゾール缶のトリガを(時には数フィート分)噴出口から離すための多くの試みがなされている。例えば、米国特許第3,679,319号、第3,794,217号、第4,789,084号、第4,886,191号及び第5,779,155号を参照されたい。これらの特許の開示内容や前述の優先権出願は、本明細書に完全に記載されているかの如く本明細書に援用される。
【0007】
大人は、動作が直観的に理解できて比較的使いやすいエアゾール缶用のオーバーキャップとバルブを一般に好むが、これがいかなる場合でも最適というわけではない、という懸念が更にある。例えば、エアゾール缶のトリガの作動があまりに容易であると、偶発的に、又は許可なくして中身が放出してしまう場合がある。特に、遠隔トリガ作動システム、即ちエアゾールのオーバーキャップがエアゾール缶を作動させる場合、容易な作動に対する要求と、使用の制御に対する欲求とのバランスをとるのは難しい場合がある。
【0008】
特に、遠隔トリガ作動システムの使用にあたって生じる特定の問題は、エアゾール缶が概して有する突出したバルブステムである。このようなステムは、使用中に折れて取れてしまうなどの問題を生じる場合がある。また、製造後は散布バルブに常に連結しているため、不要な散布をしてしまう可能性がある。
【0009】
関連していない別の研究において、サミットパッケージングシステムズ社(Summit Packaging Systems, Inc.)はエアゾール容器用の雌型バルブを開発している。このバルブは、下方に突出した一体型のバルブステムを有する押しボタンによって作動される。この構造は前述の問題のいくつかに対処しているが、知る限りでは、雌型エアゾールバルブには、清掃に用いる遠隔トリガ作動式噴霧器と併用するための構成はなされておらず、オーバーキャップアクチュエータと併用するための構成もなされていない。
【0010】
よって、特に遠隔トリガ作動式噴霧器やオーバーキャップアクチュエータに依存する噴霧器に関連して、これらの懸念により良く対処する一方で中心的な散布を行う能力を保持するデバイスを提供する必要がある。
【特許文献1】米国特許第3,679,319号明細書
【特許文献2】米国特許第3,794,217号明細書
【特許文献3】米国特許第4,789,084号明細書
【特許文献4】米国特許第4,886,191号明細書
【特許文献5】米国特許第5,779,155号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の第1の態様では、本発明は、キャニスタの内部キャビティから所望の位置に薬品を送出するエアゾールキャニスタアセンブリを提供する。前記アセンブリは、加圧された高圧ガスと混合された薬品の保持に適したキャニスタを含む。
【0012】
送出される特定の薬品は限定的ではない。薬品は、エアゾール容器から送出される公知の薬剤のうちいずれでもよい(エス.シー.ジョンソン(S.C. Johnson)社のGo Mop(登録商標)システムで床の手入れに使用される界面活性剤ベースの清掃薬品や、一般にエアゾールスプレーによって送出される殺虫剤が最も好ましい)。
【0013】
高圧ガスも同様に限定的ではない。高圧ガスは、一般にエアゾール容器と共に使用される公知の高圧ガスのうちいずれでもよい。特に好ましい高圧ガスは、プロパン、ブタンガス、イソプロパン、イソブタン及びこれらの混合物などの炭化水素系高圧ガスであるが、その他の高圧ガスを用いてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によると、キャニスタは、開放された(一般には上方に開放された)雌型キャビティを有するバルブを備えている。バルブは、薬品が高圧ガスと共にキャニスタ内に含まれる際にキャニスタから外部への薬品の送出制御に適している。オーバーキャップはキャニスタのバルブ上に配置することができる。アクチュエータはノズル開口を有し、バルブステムに連結されている。
【0015】
バルブステムが軸方向の(一般には軸方向下方への)相対移動によって雌型キャビティに挿入されると、バルブステムは薬品の噴出経路を定める。薬品はバルブとバルブステムを通過し、ノズル開口から出る。ノズル開口は半径方向の開口であってもよいし、軸方向の開口であってもよい。
【0016】
バルブステムはオーバーキャップと一体化した部品であるか、オーバーキャップに着脱可能に接続されている。後者の場合、オーバーキャップはノズル開口と連通するステムソケットを備えており、ステムソケットはバルブステムを受けるように寸法決めされている。ステムソケットは、オーバーキャップの頂壁の一方の側まで延びる円筒状の壁によって定められた内部に向かって開放されている。
【0017】
最も好ましい形態において、オーバーキャップは半径方向に周壁を有し、この周壁には、バルブステムに作用してバルブを変位させるのに適したレバーアームがヒンジで連結されている。レバーアームはノズル開口を含み、バルブステムを受けるように寸法決めされたステムソケットを含む。
【0018】
他の態様において、本発明はクリーニングデバイスを提供する。このクリーニングデバイスは、クリーニングヘッドと、クリーニングヘッドに接続され、スプレーキャニスタを保持するハウジングと、一方の端部でハウジングに接続され、反対側の端部でトリガを有するハンドルに取り付けられたシャフトと、を備える。
【0019】
更に、キャニスタの内部キャビティからクリーニングヘッドに隣接する所望の位置に薬品を送出するエアゾールキャニスタアセンブリも設けられる。このアセンブリは、加圧された高圧ガスと混合された薬品の保持に適したキャニスタを有し、キャニスタは軸方向に開放された雌型キャビティを有するバルブを備えている。バルブは、薬品が高圧ガスと共にキャニスタ内に含まれる際にキャニスタからキャニスタ外部への薬品の送出制御に適している。
【0020】
また、このキャニスタアセンブリには、バルブに隣接してキャニスタに配置可能なアクチュエータも設けられ、このアクチュエータはノズル開口を有し、バルブステムに連結されている。バルブステムは、軸方向の相対移動によって雌型キャビティに挿入可能である。バルブステムは、バルブがバルブステムによって開かれた際にキャニスタ内の薬品をノズル開口から噴出するための経路を定める。
【0021】
また、クリーニングデバイスは、薬品を散布する際にトリガの移動によってアクチュエータの一部を移動させるイニシエータアセンブリを有する。このため、清掃薬品を遠隔噴霧装置によって噴霧することができる。
【0022】
クリーニングデバイスの好ましい形態において、シャフトは中空であり、イニシエータアセンブリは、シャフト内をスライド可能なコアと、ハウジングにピボット(旋回)可能に取り付けられ、スライド可能なコアと結合されたピボットリンクと接触してハウジング内に配置されたロッドと、を含む。トリガが作動されてスライド可能なコアがスライドし、コアはピボットリンクをピボットさせてロッドをアクチュエータに接触させる。また、ロッド及びスライド可能なコアはほぼ反対の方向に移動する。
【0023】
クリーニングデバイスの他の好ましい形態において、ハウジングは位置合わせ突起を含み、アクチュエータはオーバーキャップの形状をとる。オーバーキャップは、位置合わせ突起を収容するように寸法決めされた凹部を含む頂壁を有し、これによりオーバーキャップは正しい向きでハウジング内に収容される。この実施の形態において、バルブステムは、扇状の噴霧をもたらすように構成されたスプレーノズルと連通する通路を定める。
【0024】
クリーニングデバイスの他の態様において、アクチュエータは、バルブステムが一体的に形成されるか又は着脱可能に接続されたボタンの形状をとることができる。
【0025】
本発明は、エアゾールキャニスタ及びそのトリガシステム、特に遠隔トリガ作動やオーバーキャップとの併用に好適なものを改善することが理解されるであろう。アクチュエータが(例えば、製造、出荷又は保管の際に)キャニスタと分離されている場合は、キャニスタを容易に作動させることができない。よって、このようなときに製品が不意に放出されたり、製品の使用許可を与えられていない者によって放出されたりする可能性は低くなる。
【0026】
更に、バルブステムが折れて取れてしまっても、キャニスタからバルブステムを容易に取り除き、代わりのアクチュエータによってキャニスタを作動させることができる。これにより、遠隔トリガ作動装置によってステムが従来の缶から折れて取れてしまっても消費者の不満は最小になる。
【0027】
本発明の前述の利点や他の利点は下記の説明で明らかになる。この説明では、本発明の好ましい実施の形態を参照する。これらの実施の形態は、本発明の完全な範囲を表すものではない。本発明の完全な範囲を解釈するには本明細書中の請求の範囲を参照すべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1乃至図12は本発明のモップを示している。このモップは上部トリガを有し、この上部トリガを用いて下部のエアゾールキャニスタを遠隔から作動させ、清掃薬品をモップヘッドに近接して噴霧することができる。アクチュエータ/バルブの接続部分を除き、このシステムの構造及び作用を優先権出願(2001年9月14日出願の米国出願09/951,632号、現在は特許)に本願よりも若干詳しく説明している。
【0029】
図1は、好ましい実施の形態に従った本発明を示している。トリガ作動モップ1は、モップヘッド100、ハウジング200、シャフトアセンブリ300及びハンドル400を含む。モップヘッド100は、限定しない例としてスポンジや使い捨て/取替可能な布などのクリーニングデバイスを保持する。ハウジング200は、モップヘッド100上で突起と玉継手を係合させるU形ヒンジ202によってモップヘッド100につながっている。
【0030】
図2に示すように、ハウジング200は、好ましくはねじ(図示せず)によって互いに結合された前部パネル204及び後部パネル206からなる。2枚のパネル204、206が結合されるとガイド穴217が生じるように、これらのパネル204、206の各々は上部(即ち近位端)に半円筒部を含む。しかし、これらの半円筒部は接触せず、ガイド穴217にスロットを残している。カラー219がガイド穴217内にスライドし、カラー219の2つのフィン221がスロット内にスライドする。
【0031】
カラー219及びパネル204、206はねじによって結合されることが好ましい。接着剤やプラスチックファスナなど、パネル及びカラーを結合する他の手段も可能である。また、玉継手、多軸ヒンジ継手、単軸ヒンジ継手、固定接続、可撓性部材等を含むがこれらに限定されない種々の手段によって、ハウジング200をモップヘッド100に取り付けることができる。
【0032】
パネル204、206は、アクチュエータロッド208がスライド可能に装着されるスペースを有する。アクチュエータロッド208は2つの突起210上でスライド可能に支持されることが好ましいが、これよりも多いか又は少ない数の突起を設けてもよい。また、アクチュエータロッド208の移動の際にこれを導くのを促すように、溝などのアクチュエータロッドガイド部(図示せず)を1つ以上の突起に形成してもよい。アクチュエータロッド208の下端部212はJ形に曲げられており、座金228を支持する平坦部240を含む一方、上端部214はある角度(好ましくは直角)に曲げられており、ピボットリンク216と接触している。
【0033】
アクチュエータロッド208の平坦部240は、座金228の止め具として作用する。即ち、座金228は、アクチュエータロッド208上を平坦部240までしかスライドすることができない。もちろん、限定しない例として、アクチュエータロッド208上に形成されたくぼみやビード、又は座金と共に使用されるアクチュエータロッド208の減少断面部(座金はアクチュエータロッド208の減少断面と噛み合うような断面を有する)など、他の止め具を用いて座金228を位置決めしてもよい。
【0034】
アクチュエータロッド208の下端部212は、前部パネル204の開口213を通って突出し、例えばエアゾールタイプ等のスプレーキャニスタであることが好ましいキャニスタ5上のオーバーキャップ500に接触する。座金228は、アクチュエータロッド208をオーバーキャップ500から離れるように下方に付勢するばね230のベースとして作用する。
【0035】
図3はオーバーキャップ500を示し、オーバーキャップ500は概して、上面502、ノズル503、上面502から延びる円筒状の壁504、レバーアーム508及びアクチュエータポート505を含む。アクチュエータポート505は、アクチュエータロッド208の下端部212の終端を収容するように構成されており、これにより、アクチュエータロッド208はパッド509においてレバーアーム508と接触することができる。
【0036】
図3は、D形の凹部506を含む上面502を更に示している。D形凹部506は、オーバーキャップ500がハウジング200内で常に正しく配向されていることを確実にする。図5に示すように、ハウジング200は、D形凹部506の壁を受けるか又は凹部506の壁と噛み合う位置合わせ突起232を含む。このようにして、オーバーキャップ500の向きを確実にする。もちろん、D形凹部506及び位置合わせ突起232は種々の形状をとることができ、完全に図示の通りにする必要はない。例えば、複数の穴やポストを用いてもよい。
【0037】
図6に示すように、レバーアーム508は上面502の直径をほぼ横断し、D形凹部506と反対側の端部に配置されたピボット点520で円筒壁504に取り付けられている。ピボット式レバーアーム508は、上面502及びD形凹部506から分離されている。図3及び図4に示すように、レバーアーム508はD形凹部506内で終端をなし、D形凹部506の床部507には接続されていない。このため、ピボット式レバーアーム508はD形凹部506の床部507の面から離れて自由に動作することができる。レバーアーム508がピボット点520を中心としてピボットするのに必要な力を小さくするために、レバーアーム508の厚みは図6に示すようにピボット点520で薄くなっている。
【0038】
レバーアーム508が、知らないうちに又は偶発的に動作してしまうリスクを最小にするために、レバーアーム508は上面502よりも下に配置されることが好ましいが、上面と同じ高さか上面より上にあってもよい。また、図4に示すように、レバーアーム508は、剛性を高めるために裏面にリブ560を有することが好ましい。
【0039】
図4に示すように、円筒壁504の内側表面の底部には複数のリブ516がある。これらのリブ516はキャニスタ5のリムと係合し、オーバーキャップ500がキャニスタ5にしっかりと固定されるように保つ。もちろん、接着剤など、オーバーキャップ500をキャニスタ5に固定する他の手段を用いてもよいし、オーバーキャップ500とキャニスタ5を一体形成することも可能である。
【0040】
図3に示すオーバーキャップ500を見てみると、子供がオーバーキャップ500を容易に作動させることができない、ということがオーバーキャップ500の利点の1つであるのが明らかである。子供がハウジング200からキャニスタ5を取り出すことができたとしても、レバーアーム508にはキャニスタ5の作動に用いる容易にアクセス可能なグリップやボタンがないため、キャニスタ5から内容物を放出させようとして無意識にレバーアーム508を押すことは子供には難しいであろう。
【0041】
図7(図6の領域Aの詳細図)及び図8(図3の8−8線に沿った部分断面図)に示すように、オーバーキャップ500のノズル503は、上面502から測定して所定の角度で扇状の噴霧をもたらすように構成されている。この角度を40°乃至90°の間とすることができ、 好ましくは70°乃至85°、より好ましくは78.5°とすることができる。図7から明らかなように、開口510が、角度づけされた噴霧を得るように上面502に対して傾斜されている。
【0042】
扇状の噴霧を得るために、開口510は第2の方向よりも第1の方向に広い(第1の方向は第2の方向に対してほぼ直交である)。具体的には、図7に示す開口部510の幅xは、図8に示す幅yよりも大きい。これにより、レバーアーム508の長手と平行な方向よりも、レバーアーム508の長手に垂直な方向において広い噴霧が生じる。もちろん、本発明の範囲から逸脱することなく、幅がいずれの方向にも向くように噴霧を任意の方向に回転させることができる。
【0043】
図7に示すように、キャニスタ5に最も近いノズル503の端部でステムソケットを形成する前記端部は、傾斜したアンダーカット517内に導く面取り開口514を含む。ステムソケットのアンダーカット517と一体形成され、これを越えて延びる円筒状のキャビティ518は、キャニスタ5のバルブステム7の外径よりも小さい内径を有するように構成されており、よってバルブステム7の止め具として作用し、バルブステム7が円筒キャビティ518に入るのを防止する。
【0044】
レバーアーム508の作動時、即ちレバーアーム508が上面502に対して下方に押された際に傾斜したアンダーカット517とバルブステム7の上部との間の密閉係合を行うために、傾斜したアンダーカット517は約5°の角度で傾斜していることが好ましいが、他の角度を用いてもよい。
【0045】
図2、図5及び図9に示すように、ハウジング200は、リテーナ218及び位置合わせ突起232を用いてキャニスタ5/オーバーキャップ500アセンブリを保持する。位置合わせ突起232は、オーバーキャップ500の適切な配向をもたらすように作用するだけでなく支持具(例えば、「ピン状」支持具)としても作用し、キャニスタ5/オーバーキャップ500アセンブリのオーバーキャップ端をハウジング200内に保持する。キャニスタ5/オーバーキャップ500アセンブリのキャニスタ端は、リテーナ218によってハウジング200内に保持される。
【0046】
リテーナ218は、ばね220によってキャニスタ5に抗するようにばね付勢されており、リテーナ218とキャニスタ底部との間の摩擦力によってキャニスタ5を保持する。また、図2に示すように、リテーナ218は外周に沿ってリップ222を含み、リップ222はキャニスタ5の外側表面と接触し、キャニスタ5/オーバーキャップ500アセンブリがハウジング200から外れたり「抜け落ちる」のを防止する。
【0047】
リテーナ218は、リテーナ218の表面から突出する当接部224を更に含む。当接部224はキャニスタ5の底面と接触し、同じくキャニスタ5/オーバーキャップ500アセンブリがハウジング200から自由に外されたり「抜け落ちる」のを防止する。図9に示すように、リテーナ218は舌部又はハンドル226を含むことが好ましく、これにより、使用者はリテーナ218をばね220に抗するように容易に付勢し、キャニスタ5をハウジング200から取り出すことができる。
【0048】
キャニスタ5/オーバーキャップ500アセンブリをハウジング200内に取り付けるには、使用者はまずキャニスタ5/オーバーキャップ500アセンブリのオーバーキャップ端をハウジング200に挿入し、D形凹部506に位置合わせ突起232を噛み合わせながら収容させる。この位置では、オーバーキャップ500のD形凹部506は位置合わせ突起232と接している。次いで、使用者は、リテーナ218がキャニスタ5/オーバーキャップ500アセンブリのキャニスタ端と嵌まって係合するまでキャニスタ5/オーバーキャップ500アセンブリのキャニスタ端をハウジング200内に押し込む。
【0049】
キャニスタ5/オーバーキャップ500のキャニスタ端を保持する他の手段も考慮され、本発明の範囲から逸脱せずにリテーナ218を省略することができる。例えば、クリップを前部パネル204に一体的に形成し、これによってキャニスタ5をハウジング200に嵌め込むことができる。また、弾性のあるストラップによって、キャニスタ5をハウジング200に固定させてもよい。当接部224、ハンドル226及びリップ222が全くないか又はこれらのうちいずれかがないリテーナ218など、図示するリテーナ218を変形したものを用いてもよい。
【0050】
次に図10及び図11を参照すると、シャフトアセンブリ300は、(後述するように)好ましくは着脱可能な態様でハウジング200のカラー219につながっており、スライド可能な下部コア304を嵌め込んだ下部中空シャフト302と、スライド可能な上部コア305を嵌め込んだ上部中空シャフト303を含む。下部コア304は、下部コア304を下部中空シャフト302の中心に保つ複数のフランジ306を有する。
【0051】
ハウジングプラグ308が、ハウジング200に最も近い下部中空シャフト302の端部に設けられており、下部中空シャフト302の前記端部と係合している。限定しない例として、摩擦嵌合、接着結合、熱溶融又は超音波溶融による結合、ピン、ねじ、圧着等により、このような係合を行うことができる。
【0052】
ハウジング200から最も離れた下部中空シャフト302の遠位端には雌型プラグ307がある。また、雌型プラグ307は、ハウジングプラグ308に関して前述した態様と同様の態様で下部中空シャフト302と係合している。複数のフランジ306のうちの1つとハウジングプラグ308との間にあるばね310は、下部コア304をハウジングプラグ308から離れるように付勢された状態に保つ。
【0053】
図11に示すように、上部中空シャフト303は、スライド可能に配置された上部コア305を収容している。上部コア305は、下部コア304と同様に複数のフランジ320を有する。接続プラグ318が、ハウジングプラグ308に関して前述した態様と同様の態様で、上部中空シャフト303の接続端(即ち、下部中空シャフト302に最も近い端部)において上部中空シャフト303と係合している。
【0054】
ハウジングプラグ308及び接続プラグ318はそれぞれ長手方向リブによって結合された複数のリングを含み、大きなリング309によって概ね上半分312及び下半分314に分けられている。ハウジングプラグ308及び接続プラグ318の各々の上半分312は、下部中空シャフト302及び上部中空シャフト303の各々にそれぞれぴったりと嵌まるように成形され、寸法決めされている。
【0055】
下半分314は断面が弾丸形(即ち、一辺が平坦)であり、ハウジングプラグ308がハウジング200のカラー219又は雌型プラグ307に一方向でしか挿入できないことを確実にする。各プラグ308、318には、連続する円形のキャビティがプラグを貫通するように形成されており、このキャビティは適切なコア304、305が通過できるように成形されている。接続プラグ318及び上部中空シャフト303を誤ってハウジング200に挿入することができなくなるように、ハウジングプラグ308及び接続プラグ318をわずかに異なるように成形することが好ましい。
【0056】
各プラグ308、318の下半分314には傾斜キー316があり、このキー316は、カラー219(ハウジングプラグ308の場合)又は雌型プラグ307(接続プラグ318の場合)の内壁に形成された凹部、くぼみ、切欠、窓等に嵌まる。窓及び傾斜キーのメカニズムによって、ハウジングプラグ308がハウジング200に、そして接続プラグ318が中空シャフト302に、永久的に又は着脱可能に固定される。
【0057】
1つの例では、永久接続をもたらす傾斜キー316は可撓性の翼状の突起であり、この突起は、カラー219又は雌型プラグ307に挿入されると内方へ曲がる終端を有する。翼状の突起は、窓に達するまで内方へ曲がったままになり、窓に達すると翼状突起の終端が窓の中に広がり、よって永久接続が生じる。
【0058】
着脱可能な接続をもたらす傾斜キー316としては、内方傾斜面と一体形成された外方傾斜面を有し、これらの間にピークが形成された翼状の突起(例えば、「>」という標準のキーボード文字と類似した形状の突起)が可能である。この翼状突起は、カラー219又は雌型プラグ307に挿入されると窓に達するまで曲がったままになり、窓に達すると翼状突起のピークが窓の中に広がる。
【0059】
この翼状突起は内方傾斜面によって着脱可能になっている。カラー219又は雌型プラグ307から下半分314を引き抜くために力を加えると、内方傾斜面によって翼状突起が再び内方に曲がり、これによってピークが窓から引き抜かれ、取り外しが可能になる。もちろん、限定しない例として、固定ピン、ねじ、留め金、ばね付きピン、ボルト、ひねり−ロック接続など、下半分314をカラー219又は雌型プラグ307に永久的に又は着脱可能に取り付ける他の手段を用いてもよい。
【0060】
図11に示すように、下部コア304と同様に、ばね322は、フランジ320のうちの1つを押圧することによって上部コア305を接続プラグ318から離れるように付勢する。作動ブロック324が、上部コア305のグリップ端、即ち遠位端に取り付けられることが好ましい。もちろん、取付方法は、ハウジングプラグ308に関して前述したもののうちいずれを含んでもよい。
【0061】
図11に示すように、上部中空シャフト303のグリップ端はシャフトを貫通する複数の穴326を含む。また、上部中空シャフト303は、上部切欠328及び下部切欠330を備える(上部及び下部は、穴326の位置を側部として定義されている)。もちろん、材料を取り除いたり、切欠き328、330が形成された上部中空シャフト303を成型したりすることによって切欠328、330が形成可能であるため、「切欠」という用語は切欠の形成方法を示すものではない。むしろ、この用語は上部中空シャフト303内のスペースを指したものである。
【0062】
図11は、右パネル402及び左パネル404からなるハンドル400を示している。右パネル402及び左パネル404の各々は3つの突起406を含むことが好ましい(そのうち2つは、上部中空シャフト303の穴326を通って延びて互いに接触するほど十分に長い)。右パネル402及び左パネル404は、ねじがパネル402、404のうち一方の突起406を貫通し、他方のパネル402又は404の突起406内に入ることによって共に固定される。もちろん、限定しない例として、ボルト、圧入ピン、接着剤など、右パネル402及び左パネル404を共に固定する他の手段を用いてもよく、3つよりも多いか又は少ない数の突起や穴を設けてもよい。更に、右パネル及び左パネルのみが説明されているが、好ましくは軟質材からなるグリップインサート405を設けることもできる。
【0063】
パネル402、404がねじによって共に固定されてハンドル400を形成する際に底部にトリガ開口410が形成されるよう、左パネル402及び右パネル404の各々は湾曲部を含む。トリガ開口410は、トリガ開口410を通るトリガ412を受ける。トリガ412は、パネル402、404を貫通するか又はパネル402、404内に入り、トリガ412の穴を貫通するピン(図示せず)によって所定の位置にピボット可能に保持される。
【0064】
もちろん、限定しない例として、ボルト、ねじ、中空チューブなど、トリガ412をピボット可能に支持する他の手段を用いてもよい。トリガ412は、U形の拡張部、即ちリップ416を含み、その前面418は長方形でサイドレール420を有する。長方形の前面418は作動ブロック324に接触し、レール420は作動ブロック324が横方向に移動するのを防止する。もちろん、レールを設けなくてもよいし、前面418は長方形でなくてもよい。更に、カム及びフォロアやラック歯車など、ピボット動作を線形動作に変換するいずれの手段も許容可能である。
【0065】
また、パネル402、404が共に固定されるとロック開口414が形成されるように、パネル402、404の各々は上部に湾曲部を含む。ロック開口414はトリガロック415を受け、トリガロック415を導くリブ(図示せず)を含む。トリガロック415は、図11に示すように水平プレート422及び垂直スイッチ424を含む。使用者が指で垂直スイッチ424に触れることができるように、垂直スイッチ424はロック開口414から出てハンドル400の外側表面の上に突出すると共に、水平プレート422の下に延びて上部中空シャフト303内に入っている。水平プレート422は、上部中空シャフト303の長手軸に平行な軸に沿ってスライドし、このようなスライド動作の際はリブによって導かれる。
【0066】
使用者が垂直スイッチ424を押すか又は引っ張ると、水平プレート422は上部中空シャフト303に沿ってハンドル400のリブ内でスライドする。ロック位置では、トリガロック415はモップヘッド100側の最も前方の位置にある。ロック解除位置では、トリガロック415は最も後方の位置にあり、モップヘッド100から最も遠くにある。ロック位置では、垂直スイッチ424はトリガ412と接触するか又は接触しそうになる。そのため、使用者がトリガ412を握りしめようとすると、トリガ412の上部が垂直スイッチ424と接触し、トリガ412の更なる移動を防止する。
【0067】
本発明のクリーニングデバイスの利点はそのモジュール構造である。モップヘッド100、ハウジング200及びシャフトアセンブリ300の全てを、個別にコンパクトに梱包可能な個々の部品とすることができる。好ましい実施の形態では、シャフトアセンブリ300を2つの部品、即ち下部中空シャフト302及び上部中空シャフト303として梱包することができる。下部中空シャフト302及び上部中空シャフト303の各々は、プラグ308、318、ばね310、322及び内部コア304、305をそれぞれ含むように梱包されることが好ましい。
【0068】
下部中空シャフト302の遠位端には雌型プラグ307が取り付けられていることが好ましく、上部中空シャフト303の遠位端にはハンドル400が取り付けられていることが好ましい。同様に、アクチュエータロッド208、座金228、ばね230、ピボットリンク216及びリテーナ218を含んだ完成ユニットとしてハウジング200を梱包することができる。そのため、使用者がパッケージからクリーニングデバイス1を取り出した際、使用者は下部中空シャフト302をハウジング200に嵌め込み、上部中空シャフト303を下部中空シャフト302に嵌め込むだけでよい。
【0069】
作用としては、使用者は概ね従来のモップのようにトリガ作動モップを利用する。しかし、使用者が清掃中の表面に容器5の内容物(例えば、洗浄液)を塗布したい場合、使用者はトリガ412を握りしめるだけでよい。このとき、トリガ412がピボットしてリップ416が作動ブロック324に対して押圧され、作動ブロック324はモップヘッド100に向けて上部コア305を下方に移動させる。上部コア305は接続プラグ318内の円形キャビティを介して移動し、雌型プラグ307を通って下部コア304と接触する。
【0070】
その結果、下部コア304はスライドしてハウジングプラグ308を通過し、ハウジング200内に入る。下部コア304の底部がピボットリンク216と接触してピボットリンク216を回転させ、これにより、アクチュエータロッド208を中央に向けて作動方向に(即ち、下部コア304のスライド方向とほぼ反対の方向に)移動させる。アクチュエータロッド208の下端部212の終端は、前部パネル204の開口213を介して上にスライドし、オーバーキャップ500のレバーアーム508のパッド509と接触する。
【0071】
レバーアーム508はキャニスタ5のバルブステム7に向かってピボットし、ステムソケット内の円筒キャビティ518の上部に形成された肩部がバルブステム7を押圧してキャニスタ5のバルブ(図示せず)を開き、キャニスタ5の内容物をノズル503を介して清掃対象面に噴出させる。トリガ412が放されると、中空シャフト302、303内のばね310、322は、それぞれコア304、305をトリガ412に抗するように上方へ付勢し、トリガ412をピボットさせて元の非作動位置に戻す。この動作によってアクチュエータロッド208にかかる力が軽減され、ばね230がアクチュエータロッド208をオーバーキャップ500から離れるように付勢する。キャニスタ5のバルブ内のばね(図示せず)がバルブステム7を元の位置に戻し、バルブを閉じてキャニスタ5の内容物がキャニスタ5から出るのを止める。
【0072】
モップヘッド100、ハウジング200、シャフトアセンブリ300、ハンドル400及びオーバーキャップ500のような本発明の部品は、プラスチック(例えば、その光沢度及び強度のためにABS樹脂など)から成型されることが好ましい。しかし、低コストという理由から、これらの成型部品を好ましくはポリプロピレンで製造することもできる。
【0073】
特に、前記の優先権出願に関連する本願の付加的な開示内容に従って、本発明者らは図12乃至図16の改良型キャニスタアセンブリの概念を提案する。これらの概念は全て、キャニスタ自体の上端部に雌型バルブが設けられ、アクチュエータと共に別個の/着脱可能なバルブステム(例えば、図13のオーバーキャップレバー、図14のオーバーキャップ一体型ステム、図15のオーバーキャップ分離可能バルブステム、及び図16のボタンアクチュエータ)によって雌型バルブが作動される構成である。
【0074】
図12及び図13はキャニスタ5’及びオーバーキャップ500’を示している。これらは前述のものと非常に似ているが、キャニスタ5’は雌型バルブアセンブリを有し、オーバーキャップ500’は雄型バルブステムを有する。キャニスタ5’は、(全体のサイズ及び構造が同一である)上記のアセンブリ及び図14乃至図16に示す本発明の3つの更なる実施の形態との併用に適している。図12及び図13に示すオーバーキャップ500’は、図14の一体型バルブステムの実施の形態と図15の別個のバルブステムの実施の形態に用いることができる。オーバーキャップ500’は、図16のボタンアクチュエータの実施の形態には不要である。
【0075】
図12及び図13を参照すると、オーバーキャップ500’は、上面502’、ノズル503’、上面502’から延びる円筒壁504’、レバーアーム508’、及び切欠505’を有するD形凹部506’を備えている。D形凹部506’は、前述し、図5に示したように位置合わせ突起232を収容することによって、オーバーキャップ500’がハウジング200’内で常に正しく配向されていることを確実にする。
【0076】
前述と同様に、レバーアーム508’は上面502’の直径をほぼ横断し、D形凹部506’の反対側にあるピボット点520’で円筒壁504’にヒンジで連結されている。これにより、レバーアーム502’はD形凹部506’の床507’の面から離れて自由に動作する。また、前述と同様に、レバーアーム508の厚みは、作動に必要な力を小さくするようにピボット点520’で薄くなっている。
【0077】
オーバーキャップ500’のノズル503’は、上面502’から測定して所定の角度で扇状の噴霧をもたらすように構成されており、この角度は40°乃至90°が好ましく、70°乃至85°がより好ましく、78.5°が更に好ましい。開口510’は、角度づけされた噴霧を得るように上面502’に対して傾斜されている。扇状の噴霧は、前述と同様に、開口510’ の第1の方向をこれに直交する第2の方向よりも広くすることによって得られる(図8を参照)。
【0078】
ここで図14を参照すると、キャニスタ5’に最も近いノズル503’の端部は、細長くほぼ管状の一体型バルブステム600を形成している。図15のオーバーキャップの実施の形態では、キャニスタ5’に最も近いノズル503’の端部は、円筒状の内径702を有するよう内方にテーパー付けされたステムソケット700を構成している。この内径702は別個の管状バルブステム704よりもわずかに大きく寸法決めされており、管状バルブステム704を締まり嵌めで受け入れる。一体型バルブステム600又は分離可能バルブステム704は、キャニスタ5’の雌型バルブ802のオリフィス800と連結しており、レバーアーム508’が押し下げられた際にキャニスタ5’の内容物をノズル503’を介して噴霧する。
【0079】
雌型バルブ802は、エアゾールキャニスタの公知の構造からなる。バルブ802は、オリフィス800を定めてキャニスタ5’の端部を覆う外側バルブカップ804を有し、ガスケット(図示せず)をこのバルブカップ/キャニスタの境界に設けて密閉性を更に高めてもよい。バルブカップ804の下にはガスケット806があり、このガスケット806はバルブステムを囲み、バルブカップ804と円筒状バルブハウジング808との間に位置する。
【0080】
バルブハウジング808は、開放された上端部と、キャニスタ5’の底部付近まで延びる浸漬チューブ(図示せず)を取り付けるホースバーブタイプの下端部810とを有する。また、バルブハウジング808はフランジ付きの上端部を有し、この上端部はバルブカップ804のハブ内のひだによって捕らえられ、所定の位置に固定される。バルブハウジング808は、ばね814及びステムカップ816を支持する。ステムカップ816は、ばね814が外嵌する下端部と、バルブステムの底部をしっかりと受ける円形の溝を含む開放された上端部とを有する。ステムカップ816のこの上端部の外径は、バルブハウジング808の内径よりもわずかに小さく、これらの間に環状の流路820が定められる。
【0081】
バルブ802の作動前では、キャニスタ5’の加圧された内容物の漏れは、ガスケット806とステムカップ816の上部との間に生じるシール(密閉)によって防止される。しかし、バルブステムがステムカップ816を下方に押すとこのシールは破られ、ある量の加圧内容物が環状流路820を通り、ノズル503’と連通するバルブステムの底部付近の開口822に達することができる。バルブステムにかかる下向きの力を取り除くことによって、ばね814はガスケット806に抗するようにステムカップ816を元の位置に戻すことができ、これによってシールが回復する。
【0082】
図14及び図15に示す2つの他のオーバーキャップの実施の形態を用いたアセンブリの作用は、前述のものと同一である。(図1、図2、図10及び図11を更に参照して)簡潔にいうと、使用者はトリガ412を握りしめればよく、これによって、リップ416が作動ブロック324に対して押圧され、作動ブロック324は上部コア305をモップヘッド100に向かって下方に移動させ、上部コア305は接続プラグ318内の円形キャビティを介して移動し、雌型プラグ307を通って下部コア304と接触する。その結果、下部コア304はスライドしてハウジングプラグ308を通過し、ハウジング200内に入る。
【0083】
下部コア304の底部がピボットリンク216と接触することによってピボットリンク216が回転し、これによりアクチュエータロッド208が作動方向に移動してレバーアーム508’のパッド509’と接触する。レバーアーム508’はキャニスタ5’に向かってピボットし、これによってバルブステムがステムカップ816を移動させ、キャニスタ5’の内容物をノズル503’を介して清掃対象面に噴出させることができる。トリガ412が解放されると、中空シャフト302、303内のばね310、322は、それぞれコア304、305をトリガ412に抗するように上方へ付勢し、トリガ412をピボットさせて元の非作動位置に戻す。この動作により、アクチュエータロッド208にかかる力が軽減され、ばね230がアクチュエータロッド208をオーバーキャップ500から離れるように付勢する。バルブのばね814がバルブステムを元の位置に戻し、バルブを閉じてキャニスタ5’の内容物がキャニスタ5’から出るのを止める。
【0084】
オーバーキャップの代わりにボタンアクチュエータ900を用いる図16の他の実施の形態は同様に作用するが、アクチュエータロッド208はオーバーキャップの中間ピボット部材ではなくボタンアクチュエータ900の上端部に直接接触する。下部開口906からノズル908までの通路904を含む雄型バルブステム902を有し、前述のようにキャニスタ5’に対して斜角で幅広の噴霧パターンを好ましくもたらすのであれば、ボタンアクチュエータ900は従来の構造からなっていてもよい。
【0085】
前述の説明は、本発明の好適な実施の形態の説明にすぎない。当業者は、本発明の要旨及び範囲に入る他の実施の形態を容易に理解するであろう。例えば、本明細書には詳しく説明されていないが、別個のステム状ボタンアクチュエータに接触してこれを作動させるピボット式レバーアームを有するオーバーキャップを用いた本発明の実施の形態も本発明の範囲内である。よって、本発明の完全な範囲を理解するためには請求項に注意を向けなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0086】
床や壁のような硬い表面の清掃を容易にするデバイスと、これらのデバイスと共に使用する清掃物質の供給に適したエアゾールキャニスタが開示される。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明のトリガ作動スプレーキャニスタを有するモップの斜視図である。
【図2】本発明と共に使用するハウジングの分解斜視図である。
【図3】本発明のオーバーキャップの平面図である。
【図4】本発明のオーバーキャップの裏面の斜視図である。
【図5】オーバーキャップがハウジング内に配置された際の、図2の5−5線に沿って切り取った組立形態の断面図である。
【図6】図3の6−6線に沿った断面図である。
【図7】図6の領域Aの詳細図である。
【図8】図3の8−8線に沿って切り取った部分断面図であり、ノズルを示している。
【図9】キャニスタを保持する本発明のハウジングの断面図である。
【図10】本発明のシャフトアセンブリの下端部の分解斜視図である。
【図11】本発明のシャフトアセンブリの上端部及びハンドルの分解斜視図である。
【図12】本発明のアセンブリと共に使用する、雌型バルブを有する洗剤含有キャニスタの他の実施の形態を示す部分斜視図であり、アクチュエータロッドが部分仮想線で示されている。
【図13】上記アセンブリにおいて使用される際の、図12の13−13線に沿って切り取った本発明のオーバーキャップの部分断面図である。
【図14】一体型バルブステムを有するオーバーキャップの他の実施の形態の部分断面図である、
【図15】図14に類似しているが、分離可能なバルブステムを有するオーバーキャップの他の実施の形態の図である。
【図16】図14に類似しているが、バルブステムを有するボタンアクチュエータがオーバーキャップの代わりに用いられる本発明の更に他の実施の形態の図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャニスタの内部キャビティから所望の位置に薬品を送出するエアゾールキャニスタアセンブリであって、前記アセンブリは、
加圧された高圧ガスと混合された薬品の保持に適したキャニスタであって、上方に開放された雌型キャビティを備えたバルブを有し、前記バルブは、前記薬品が前記高圧ガスと共に前記キャニスタ内に配置された際に前記キャニスタから前記キャニスタの外部への前記薬品の送出制御に適している、キャニスタと、
前記キャニスタの前記バルブ上に配置可能であり、ノズル開口を有し、バルブステムに連結されたオーバーキャップと、を有し、
前記バルブステムは、前記雌型キャビティとの間の軸方向相対移動によって前記雌型キャビティに挿入可能であり、前記薬品が高圧ガスと共に前記キャニスタ内に配置されている場合、前記バルブが前記バルブステムによって開かれると、前記バルブステムは前記キャニスタ内の前記薬品を前記ノズル開口から噴出させるための通路を定める、
エアゾールキャニスタアセンブリ。
【請求項2】
前記バルブステムが前記オーバーキャップと一体化した部品である、請求項1のエアゾールキャニスタアセンブリ。
【請求項3】
前記バルブステムが前記オーバーキャップに着脱可能に接続されている、請求項1のエアゾールキャニスタアセンブリ。
【請求項4】
前記オーバーキャップが前記ノズル開口と連通するステムソケットを有し、前記ステムソケットが前記バルブステムを受けるように寸法決めされている、請求項3のエアゾールキャニスタアセンブリ。
【請求項5】
前記ステムソケットが、前記オーバーキャップの頂壁の一方の側まで延びる円筒状の壁によって定められる内部に向かって開放されている、請求項4のエアゾールキャニスタアセンブリ。
【請求項6】
前記オーバーキャップが半径方向に周壁を有し、前記バルブステムを作用させてバルブを変位させるのに適したレバーアームが前記周壁にヒンジで連結されている、請求項1のエアゾールキャニスタアセンブリ。
【請求項7】
前記レバーアームが前記ノズル開口を含み、前記バルブステムを受けるように寸法決めされたステムソケットを定める、請求項6のエアゾールキャニスタアセンブリ。
【請求項8】
クリーニングヘッドと、
前記クリーニングヘッドに接続され、スプレーキャニスタを保持するハウジングと、
一方の端部で前記ハウジングに接続され、反対側の端部でトリガを有するハンドルに取り付けられるシャフトと、
キャニスタの内部キャビティから前記クリーニングヘッドに隣接する所望の位置に薬品を送出するエアゾールキャニスタアセンブリであって、加圧された高圧ガスと混合された薬品の保持に適したキャニスタであって、軸方向に開放された雌型キャビティを備えたバルブを有し、前記バルブは、前記薬品が前記高圧ガスと共に前記キャニスタ内に配置された際に前記キャニスタから前記キャニスタの外部への前記薬品の送出制御に適している、前記キャニスタと、前記バルブの近傍で前記キャニスタに配置可能であり、ノズル開口を有し、バルブステムに連結されたアクチュエータと、を有し、前記バルブステムは、前記雌型キャビティとの間の軸方向相対移動によって前記雌型キャビティに挿入可能であり、前記薬品が高圧ガスと共に前記キャニスタ内に配置されている場合、前記バルブが前記バルブステムによって開かれると、前記バルブステムは前記キャニスタ内の前記薬品を前記ノズル開口から噴出させるための通路を定める、前記エアゾールキャニスタアセンブリと、
前記薬品を散布する際に前記トリガを動作させ、前記アクチュエータの一部を移動させるイニシエータアセンブリと、
を有する、クリーニングデバイス。
【請求項9】
前記シャフトが中空であり、前記イニシエータアセンブリが、前記シャフト内をスライド可能なコアと、前記ハウジングにピボット可能に取り付けられ、前記スライド可能なコアと結合するピボットリンクと接触して前記ハウジング内に配置されたロッドとを含み、
前記トリガが作動されて前記スライド可能なコアがスライドし、前記スライド可能なコアは前記ピボットリンクをピボットさせて前記ロッドを前記アクチュエータに接触させる、
請求項8のクリーニングデバイス。
【請求項10】
前記ロッド及び前記スライド可能なコアがほぼ反対の方向に移動する、請求項9のクリーニングデバイス。
【請求項11】
前記ハウジングが位置合わせ突起を含み、前記アクチュエータがオーバーキャップの形状をとり、前記オーバーキャップが、前記位置合わせ突起を収容するように寸法決めされた凹部が定められる頂壁を有し、これにより前記オーバーキャップが正しい向きで前記ハウジング内に収容される、請求項8のクリーニングデバイス。
【請求項12】
前記バルブステムが、扇状の噴霧をもたらすように構成されたスプレーノズルと連通する通路を定める、請求項8のクリーニングデバイス。
【請求項13】
前記アクチュエータは、バルブステムが一体的に形成されたボタンの形状をとる、請求項8のクリーニングデバイス。
【請求項14】
前記アクチュエータがボタンの形状をとり、前記バルブステムが前記ボタンに着脱可能に接続された、請求項8のクリーニングデバイス。
【請求項1】
キャニスタの内部キャビティから所望の位置に薬品を送出するエアゾールキャニスタアセンブリであって、前記アセンブリは、
加圧された高圧ガスと混合された薬品の保持に適したキャニスタであって、上方に開放された雌型キャビティを備えたバルブを有し、前記バルブは、前記薬品が前記高圧ガスと共に前記キャニスタ内に配置された際に前記キャニスタから前記キャニスタの外部への前記薬品の送出制御に適している、キャニスタと、
前記キャニスタの前記バルブ上に配置可能であり、ノズル開口を有し、バルブステムに連結されたオーバーキャップと、を有し、
前記バルブステムは、前記雌型キャビティとの間の軸方向相対移動によって前記雌型キャビティに挿入可能であり、前記薬品が高圧ガスと共に前記キャニスタ内に配置されている場合、前記バルブが前記バルブステムによって開かれると、前記バルブステムは前記キャニスタ内の前記薬品を前記ノズル開口から噴出させるための通路を定める、
エアゾールキャニスタアセンブリ。
【請求項2】
前記バルブステムが前記オーバーキャップと一体化した部品である、請求項1のエアゾールキャニスタアセンブリ。
【請求項3】
前記バルブステムが前記オーバーキャップに着脱可能に接続されている、請求項1のエアゾールキャニスタアセンブリ。
【請求項4】
前記オーバーキャップが前記ノズル開口と連通するステムソケットを有し、前記ステムソケットが前記バルブステムを受けるように寸法決めされている、請求項3のエアゾールキャニスタアセンブリ。
【請求項5】
前記ステムソケットが、前記オーバーキャップの頂壁の一方の側まで延びる円筒状の壁によって定められる内部に向かって開放されている、請求項4のエアゾールキャニスタアセンブリ。
【請求項6】
前記オーバーキャップが半径方向に周壁を有し、前記バルブステムを作用させてバルブを変位させるのに適したレバーアームが前記周壁にヒンジで連結されている、請求項1のエアゾールキャニスタアセンブリ。
【請求項7】
前記レバーアームが前記ノズル開口を含み、前記バルブステムを受けるように寸法決めされたステムソケットを定める、請求項6のエアゾールキャニスタアセンブリ。
【請求項8】
クリーニングヘッドと、
前記クリーニングヘッドに接続され、スプレーキャニスタを保持するハウジングと、
一方の端部で前記ハウジングに接続され、反対側の端部でトリガを有するハンドルに取り付けられるシャフトと、
キャニスタの内部キャビティから前記クリーニングヘッドに隣接する所望の位置に薬品を送出するエアゾールキャニスタアセンブリであって、加圧された高圧ガスと混合された薬品の保持に適したキャニスタであって、軸方向に開放された雌型キャビティを備えたバルブを有し、前記バルブは、前記薬品が前記高圧ガスと共に前記キャニスタ内に配置された際に前記キャニスタから前記キャニスタの外部への前記薬品の送出制御に適している、前記キャニスタと、前記バルブの近傍で前記キャニスタに配置可能であり、ノズル開口を有し、バルブステムに連結されたアクチュエータと、を有し、前記バルブステムは、前記雌型キャビティとの間の軸方向相対移動によって前記雌型キャビティに挿入可能であり、前記薬品が高圧ガスと共に前記キャニスタ内に配置されている場合、前記バルブが前記バルブステムによって開かれると、前記バルブステムは前記キャニスタ内の前記薬品を前記ノズル開口から噴出させるための通路を定める、前記エアゾールキャニスタアセンブリと、
前記薬品を散布する際に前記トリガを動作させ、前記アクチュエータの一部を移動させるイニシエータアセンブリと、
を有する、クリーニングデバイス。
【請求項9】
前記シャフトが中空であり、前記イニシエータアセンブリが、前記シャフト内をスライド可能なコアと、前記ハウジングにピボット可能に取り付けられ、前記スライド可能なコアと結合するピボットリンクと接触して前記ハウジング内に配置されたロッドとを含み、
前記トリガが作動されて前記スライド可能なコアがスライドし、前記スライド可能なコアは前記ピボットリンクをピボットさせて前記ロッドを前記アクチュエータに接触させる、
請求項8のクリーニングデバイス。
【請求項10】
前記ロッド及び前記スライド可能なコアがほぼ反対の方向に移動する、請求項9のクリーニングデバイス。
【請求項11】
前記ハウジングが位置合わせ突起を含み、前記アクチュエータがオーバーキャップの形状をとり、前記オーバーキャップが、前記位置合わせ突起を収容するように寸法決めされた凹部が定められる頂壁を有し、これにより前記オーバーキャップが正しい向きで前記ハウジング内に収容される、請求項8のクリーニングデバイス。
【請求項12】
前記バルブステムが、扇状の噴霧をもたらすように構成されたスプレーノズルと連通する通路を定める、請求項8のクリーニングデバイス。
【請求項13】
前記アクチュエータは、バルブステムが一体的に形成されたボタンの形状をとる、請求項8のクリーニングデバイス。
【請求項14】
前記アクチュエータがボタンの形状をとり、前記バルブステムが前記ボタンに着脱可能に接続された、請求項8のクリーニングデバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2006−519736(P2006−519736A)
【公表日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506954(P2006−506954)
【出願日】平成16年3月5日(2004.3.5)
【国際出願番号】PCT/US2004/007044
【国際公開番号】WO2004/080824
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年3月5日(2004.3.5)
【国際出願番号】PCT/US2004/007044
【国際公開番号】WO2004/080824
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】
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