説明

スプレー缶の再充填装置

【課題】充填タンクへの再補充も複雑な構造なしに簡単にでき、スプレー缶の安全、適正にスプレー缶を再充填できる再補充装置を提供すること
【解決手段】スプレー缶1に充填する洗浄液を貯留する充填タンク2と、負圧を発生するエジェクタ真空ポンプ3により充填タンクを減圧する減圧ライン4aと、高圧空気の供給源16aにより充填タンク2を加圧する加圧ライン7aと、充填タンク2内に配置され洗浄液の水位により減圧ライン4aとの連通を閉止する液面制御バルブ8と、スプレー缶1をカプラを介して充填する充填ライン10と、再補充タンク12から、充填タンク2に洗浄液を再補充する再補充ライン13とを備え、高圧空気だけで充填タンク2を減圧して再補充タンク12から洗浄液を吸い上げ、液面制御バルブ8で規定量を測り取り、加圧ライン7aで充填タンク2を加圧してスプレー缶1に洗浄剤を再充填する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプレー缶の再充填装置に係り、詳しくは、使用済みのスプレー缶に液体及び高圧空気を充填する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ブレーキライニングやブレーキドラム等の洗浄に際して、これらに付着したオイルやグリース等の汚れ、ブレーキライニングの粉塵、カーボンなどを効果的に洗浄するだけでなく、粉塵を巻き上げることなく、比較的安全性が高く、速乾性で、かつオゾン層の破壊や環境汚染の原因となるフロン及びトリクロロエタンも含まない洗浄剤が望まれる。そこで、シクロヘキサン、イソヘキサン、エタノールなどの有機溶剤を高圧の空気と一緒にスプレー缶に充填して、これを噴射するいわゆるパーツクリーナーなどと呼ばれるものがある。このようなものは、洗浄力も高く、人体への影響も低く、環境にも影響が少ない。
【0003】
ところが、使用量に応じた缶の準備や、使用済みの廃缶の発生及び処理が問題となるため、このようなスプレー缶を再充填することが考えられた。
そこで、例えば、特許文献1に記載されているような再充填可能な散布容器と充填装置が提案された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−206057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような再充填可能な散布容器と充填装置であれば、スプレー缶に洗浄剤とともに高圧空気を充填できる。
しかしながら、スプレー缶(散布容器)に充填する充填タンク(投与容器)等には、再補充タンク(貯蔵タンク)から重力を利用して再補充しており、この貯蔵タンクが高い位置にあるため、貯蔵タンクへの洗浄剤の再補充は困難を伴っていた。
【0006】
また、自動化を進めるあまり可動部分も多いため、比較的装置が複雑となり、かつメンテナンスも煩雑となるという問題もあった。
特に、いわゆるパーツクリーナーと呼ばれる有機溶剤を用いたスプレーの再充填では、引火の問題から電気駆動のポンプなどは使うことは好ましくないという事情もある。
【0007】
本発明は、シンプルな構成でありながら、スプレー缶への再充填及び充填タンクへの再補充が、複雑な構造なしに簡単且つ安全、適正にスプレー缶を再充填できるスプレー缶の再補充装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載のスプレー缶の再充填装置では、スプレー缶に充填する液体を貯留する充填タンクと、負圧を発生する負圧発生器と、前記負圧発生器と前記充填タンクとを連通する減圧ラインと、当該減圧ラインを開閉するように操作可能な減圧バルブと、高圧空気の供給源と前記充填タンクとを連通する加圧ラインと、当該加圧ラインを開閉するように操作可能な加圧バルブと、前記充填タンク内に配置され当該充填タンク内の液体の水位により前記減圧ラインとの連通を閉止する液面制御バルブと、充填するスプレー缶と前記充填タンクとを連通可能な充填ラインと、前記スプレー缶を前記充填ラインに装着した場合に当該スプレー缶と当該充填ラインを連通させる急速継手と、当該充填タンクに液体を再補充するための液体を貯留している再補充タンクと、当該再補充タンクと前記充填タンクとを連通する再補充ラインとを備えたことを要旨とする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、液面制御バルブを備えたため、負圧を利用して充填タンクへの再補充が、複雑な構造なしに簡単且つ安全にでき、そのため簡単、安全、適正にスプレー缶を再充填できる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のスプレー缶の再充填装置において、前記負圧発生器は、前記高圧空気の供給源からの高圧空気を用いて負圧を発生させるエジェクタ真空ポンプであることを要旨とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載のスプレー缶の再充填装置の効果に加え、高圧空気さえあれば、スプレー缶の再充填装置として稼働でき、さらに安全かつ簡単にスプレー缶を再充填できる。
【0012】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載のスプレー缶の再充填装置において、前記再補充ラインから前記充填タンクに液体を再補充する際に、液体の液面の移動に伴い前記液面制御バルブを動作させる調整部材を備えたことを要旨とする。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載のスプレー缶の再充填装置の効果に加え、液体の液面の移動に伴い前記液面制御バルブを動作させる調整部材を備えたため、充填タンクの再補充において液体の量を適正に調整することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載のスプレー缶の再充填装置において、前記調整部材の一部又は全部が前記液面制御バルブと一体に形成されていることを要旨とする。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載のスプレー缶の再充填装置の効果に加え、調整部材と記液面制御バルブと一体に形成することで構成が簡易にできる。
請求項5に記載の発明では、請求項3又は4に記載のスプレー缶の再充填装置において、前記充填タンク内の上部に設けられたガイド部材と、前記ガイド部材にガイドされて移動可能に構成され変位可能な移動部材とを備え、前記移動部材は、前記再補充ラインから再補充され前記充填タンク内に流入された液体により押圧されて当該移動部材を移動させるレシーバを備え、当該レシーバにより変位して、前記液面制御バルブを閉止させることを要旨とする。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、請求項3又は4に記載のスプレー缶の再充填装置の効果に加え、ガイド部材と移動部材により安定して液面バルブを作動させることができる。とくに、レシーバにより再補充ラインから充填タンク内に流入された液体の液面を正確に感知することができる。
【0017】
請求項6に記載の発明では、請求項3乃至5のいずれか1項に記載のスプレー缶の再充填装置において、前記充填タンクは筒状に形成されるとともに、前記充填タンク内に流入された液体の流動を抑制するとともに液体の流動を許容する流通孔を有するバッフルプレートを備えたことを要旨とする。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、請求項3乃至5のいずれか1項に記載のスプレー缶の再充填装置の効果に加え、バッフルプレートを備えたため、再補充ラインから充填タンク内に流入された液体が減圧ラインに流入しないように効果的に抑制することができる。
【0019】
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載のスプレー缶の再充填装置において、前記レシーバと前記移動部材は、伝達部材を備えたことを要旨とする。
請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載のスプレー缶の再充填装置の効果に加え、伝達部材を備えたため、レシーバの動きを移動部材に伝達できるばかりでなく、その動作を緩衝することで液面制御バルブを円滑に動作させることができる。
【0020】
請求項8に記載の発明では、請求項5に記載されたスプレー缶の再充填装置において、前記レシーバは、前記充填タンクに再補充された液体の液面に浮上するフロートを備え、当該フロートが前記調整部材を移動させることを要旨とする。
【0021】
請求項8に記載の発明によれば、請求項3乃至5のいずれか1項に記載されたスプレー缶の再充填装置の効果に加え、フロートを備えたため、再補充ラインから充填タンク内に流入された液体の液面を正確かつ敏感に感知することができる。
【0022】
請求項9に記載の発明は、請求項5に記載のスプレー缶の再充填装置において、前記ガイド部材は筒状に形成され、前記移動部材には、前記筒状のガイド部材内を変位するピストン状に形成されたレシーバが設けられ、液面の移動により前記液面制御バルブを閉止させることを要旨とする。
【0023】
請求項9に記載の発明によれば、請求項5に記載のスプレー缶の再充填装置の効果に加え、再補充ラインから充填タンク内に流入された液体の液面を極めて簡易な構造で感知することができる。
【0024】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のスプレー缶の再充填装置において、前記ピストン状に形成されたレシーバは、オリフィスが形成されて空気の流通を許容し、空気の流通によっては前記液面制御バルブは閉止させることなく、液面の移動により前記液面制御バルブを閉止させることを要旨とする。
【0025】
請求項10に記載の発明によれば、請求項9に記載のスプレー缶の再充填装置の効果に加え、レシーバの動作を、空気の流れによる誤動作を抑制しつつ再補充ラインから充填タンク内に流入された液体の液面により液面制御バルブを動作させることができる。
【0026】
請求項11に記載の発明は、スプレー缶に充填する液体を貯留する鉛直方向に延びる筒状の充填タンクと、負圧を発生する負圧発生器と、前記負圧発生器と前記充填タンクとを連通する減圧ラインと、当該減圧ラインを開閉するように操作可能な減圧バルブと、高圧空気の供給源と前記充填タンクとを連通する加圧ラインと、当該加圧ラインを開閉するように操作可能な加圧バルブと、前記充填タンク内を上下に隔離するように設けられ、当該充填タンク内を上下に摺動するフリーピストンと、当該充填タンクの底部に設けられ充填するスプレー缶と前記充填タンクとを連通可能な第1の充填ラインと、前記充填タンク内の前記フリーピストンが、下死点まで下がった場合に、当該フリーピストンの上端部より上方の当該充填タンク内の壁面に設けられ充填するスプレー缶と前記充填タンクとを連通可能な第2の充填ラインとを備えた充填ラインと、前記スプレー缶を前記充填ラインに装着した場合に当該スプレー缶と当該充填ラインを連通させる急速継手と、当該充填タンクに液体を再補充するための液体を貯留している再補充タンクと、当該再補充タンクと前記充填タンクとを連通する再補充ラインとを備えたことを要旨とする。
【0027】
請求項11に記載の発明によれば、フリーピストンと、2つの充填ラインとを備えたため、負圧を利用して充填タンクへの再補充が、複雑な構造なしに簡単且つ安全にでき、そのため簡単、安全、適正にスプレー缶を再充填できる。
【0028】
請求項12に記載の発明は、請求項1から11のいずれか1項に記載のスプレー缶の再充填装置において、スプレー缶を前記急速継手と連通可能に装着するスプレー缶ホルダと、前記充填タンクを大気開放する大気開放バルブとを備え、前記スプレー缶を前記スプレー缶ホルダに装着したときに、前記大気開放バルブを閉止して前記充填タンクを密閉するとともに、前記スプレー缶を前記スプレー缶ホルダから離脱させたときに、前記大気開放バルブを開放し、前記充填タンクを大気開放することを要旨とする。
【0029】
請求項12に記載の発明によれば、請求項1から11のいずれか1項に記載のスプレー缶の再充填装置の効果に加え、再充填が完了したスプレー缶をスプレー缶ホルダから離脱させたときに自動的に大気開放バルブが開放されて、充填タンクに充填用の高圧空気が残っている場合には、これを大気開放して充填タンク内の気圧を下げる。このため、次に再充填するときに充填タンク内に高圧空気が残っていないので直ちに充填タンク内を負圧とすることができる。また、スプレー缶をスプレー缶ホルダに装着するだけで、自動的に大気開放バルブを閉止して充填タンクを密閉するので、減圧ラインにより直ちに充填タンク内を負圧とすることができる。
【0030】
請求項13に記載の発明は、請求項1から12のいずれか1項に記載のスプレー缶の再充填装置において、スプレー缶を前記急速継手と連通可能に装着するスプレー缶ホルダと、充填ラインと再補充タンクを連通させるドレインラインに設けられ、当該ドレインラインを閉止若しくは連通するドレインバルブとを備え、当該ドレインバルブを操作することで前記スプレー缶ホルダに装着されたスプレー缶に残留した液体を排出可能に構成したことを要旨とする。
【0031】
請求項13に記載の発明によれば、スプレー缶に液体が残留していると、充填タンクに計り取った所定量の液体を全量充填できない。このため、残留している液体を排出する必要がある。この場合、スプレー缶側の急速継手によっては、これを手動で開通することが困難である場合がある。この場合、スプレー缶の急速継手と対応する急速継手を用いて急速継手のオスとメスとを連通させることでスプレー缶の内部に残留した液体を排出できるが、極めて煩雑である。本請求項に係る発明であれば、再充填のためにスプレー缶ホルダに装着されたスプレー缶に残留した液体をドレインバルブを操作するだけで、簡単に排出でき、そのまま再充填を開始できる。また、内部の高圧空気が抜けてドレインバルブを操作しても液体が排出できないような場合でも、再充填のためにスプレー缶ホルダに装着されたスプレー缶であれば、加圧バルブのみを操作すれば、加圧ライン、充填タンク、充填ラインを経由して高圧空気を補充することができ、ドレインバルブでスプレー缶に残留した液体を簡単に排出することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明のスプレー缶の再補充装置によれば、シンプルな構成でありながら、貯蔵タンクへの再補充が、複雑な構造なしに簡単且つ安全、適正にスプレー缶を再充填できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1の実施形態の実体図
【図2】第1の実施形態の充填タンクを示す断面図
【図3】第1の実施形態の液面制御バルブを示す分解斜視図
【図4】第1の実施形態の構成を示す回路図
【図5】第1の実施形態の動作を示すフローチャート
【図6】本発明の第2の実施形態を示す実体図
【図7】第2の実施形態の液面制御バルブを示す部分断面図
【図8】第2の実施形態の液面制御バルブを示す平面図及び正面図
【図9】本発明の第3の実施形態を示す実体図
【図10】第3の実施形態の液面制御バルブを示す部分断面図
【図11】本発明の第4の実施形態を示す実体図
【発明を実施するための形態】
【0034】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化したスプレー缶の再充填装置の一実施形態を図1〜図5にしたがって説明する。図1は本実施形態の実体図で、図2は充填タンクの断面図を示し、図3では液面制御バルブ8・調整部材9の分解斜視図を示し、図4では本実施形態の回路図を示す。
【0035】
(スプレー缶1) 図1に示すように、スプレー缶1は、頭部に押しボタン式のノズル1bを設け、図4に示すリターンスプリングを備えたバルブにより洗浄液を噴射できる金属製の円筒状の高圧容器1aを備えた周知のスプレー缶であるが、本実施形態では特に再充填が可能なようにその底部に、急速継手であるプラグ(オス)1cが装着されている。このプラグ(オス)1cは、周知のセルフシール型のコネクタとして、例えば日東工器株式会社製のカプラ(迅速流体継手(急速継手))などが例に挙げられる。このカプラは、プラグ(オス)とソケット(メス)から構成され、通常はセルフシール機構によりいずれも気密に閉止されている。そして、これらのプラグ(オス)とソケット(メス)とを相互に押し付けることで、ワンタッチで気密に連通するように接続できる。
【0036】
(スプレー缶充填ポート11) 本実施形態のスプレー缶の再充填装置(以下適宜「本装置」と略記する。)は、このスプレー缶1を載置するスプレー缶の充填ポート(以下、適宜「充填ポート」という。)11を備える。充填ポート11には、スプレー缶1を載置する円形のトレー状のスプレー缶ホルダ11bを備える。このスプレー缶ホルダ11bは、皿状の円盤で、その中央にスプレー缶1の底部を嵌め込むようにして位置を特定する凹部11cがあり、この凹部11cに再充填したいスプレー缶1を載置する。そして、このスプレー缶ホルダ11bの中央部には、開口部11dが設けられている。この開口部11dには、急速継手である前記カプラのソケット(メス)11aが配置されている。このソケット(メス)11aには、スプレー缶1に液体及び高圧空気を充填するパイプである充填ライン10が連通されている。スプレー缶1をスプレー缶ホルダ11bにセットして押し下げると、ソケット(メス)11aに備えられたばね(不図示)を押し下げてスプレー缶1と接続されて気密に連通する。手を離すと、スプレー缶ホルダ11bはソケット(メス)11aに備えられたばね(不図示)により僅かに上方に押し戻され、プラグ(オス)1cとソケット(メス)11aは接続された状態で、スプレー缶1は、スプレー缶ホルダ11bに支持される。
【0037】
なお、外す場合は、スプレー缶1とともにスプレー缶ホルダ11bを押し下げて、スプレー缶ホルダ11bだけを押し下げたままでスプレー缶1を外せばよい。
(充填タンク2) 本装置は、スプレー缶1に、再充填するための1回分の液体を貯留するための、鉛直方向に延びて設けられた円筒状の密閉容器である充填タンク2を備える。この充填タンク2の底部には、充填タンク2への流入を防止する逆止弁15を介して、充填ライン10が前記充填ポート11のソケット(メス)11aに連通されている。
【0038】
また、充填タンク2の頂部には、液面制御バルブ8を介して、減圧ライン4a兼加圧ライン7aであるパイプが連通されている。液面制御バルブ8は、調整部材9により作動するが、これらの詳細は後述する。
【0039】
(再補充タンク12) 充填タンク2の底部には、充填タンク2からの流出を防止する逆止弁14を介して再補充タンク12から液体を再補充するためのパイプである再補充ライン13が連通されている。再補充タンク12は、大気開放型のタンクであり、本実施形態では、洗浄液が販売されている市販の18リットルの金属缶をそのまま開封して、密閉することなく本装置の下において、再補充ライン13の先端を挿入すれば、そのまま使用できるようにしている。そのため、洗浄液のセットがきわめて簡単にできるものである。
【0040】
(大気開放バルブ6b) 充填タンク2の頂部には、大気開放ライン6aを介して大気開放バルブ6bが連通されている。
大気開放バルブ6bは、図4に示すようにリターンスプリングを備え、スプレー缶ホルダ11bの動きに連動するプランジャを備え、充填ポート11に配置される。大気開放ライン6aは、充填タンク2を大気開放するようにその一端が外気に開放されている。スプレー缶1をスプレー缶ホルダ11bにセットして押し下げると、プラグ(オス)1cとソケット(メス)11aが接続されると同時に、大気開放バルブ6bのプランジャを押し下げ、充填タンク2が大気に開放された状態から、充填タンク2を気密に密閉する。つまり、この大気開放バルブ6bは、スプレー缶1をスプレー缶ホルダ11bに装着したときに、充填タンク2を密閉し、離脱させたときには充填タンク2を大気開放する。
【0041】
このため、再充填が完了したスプレー缶1をスプレー缶ホルダ11bから外すときに、充填タンク2が大気開放されて次の再充填の準備が完了し、次のスプレー缶1をセットしたときには充填タンク2が密閉され、直ちに再充填の作業が開始できる。
【0042】
(加圧ライン7a、加圧バルブ7b) 実施形態の高圧空気の供給源16aは一般の工場などに設置されたセルフシールのコンセント形式の周知の構成であり、高圧空気の供給源16aの空気圧は、0.7MPa(約7kgf/cm)以上、0.8MPa(8kgf/cm)程度とする。この高圧空気の供給源16aの接続口に高圧空気供給ライン16bが接続され、さらに、エジェクタ真空ポンプ3に分岐する三方継手19を介して、加圧ライン7aが連通して接続される。この下流の加圧ライン7aには、リターンスプリングを備え押しボタンを押している間は開放する加圧バルブ7bが設けられる。そして、さらに、下流では、減圧ライン4aと分岐する三方継手20を介して充填タンク2の頂部に接続されている。
【0043】
(エジェクタ真空ポンプ3、減圧ライン4a、減圧バルブ4b) 高圧空気の供給源16aは接続口(不図示)を備え、この接続口に高圧空気供給ライン16bが接続され、さらに加圧ライン7aと分岐すると三方継手19を介してエジェクタ真空ポンプ3に連通されている。その間には、減圧バルブ4bが設けられている。
【0044】
エジェクタ真空ポンプ3は、モータでポンプを回転させるような機械的運動によらずに、高圧空気から直接真空を作ることができる装置である。高圧空気が供給されると、この空気がノズルから噴射され、ディフューザーにより高速の空気の流れとなる。ノズルとディフューザーは適当な距離をおいて向き合っている。ノズルとディフューザーの間の隙間はベルヌーイの定理で説明される負の静圧が生じ、これが真空となる。この静圧に加え、ディフューザーの入口に飛び込む空気噴流に周囲の空気が空気の粘性により引き込まれる。供給された圧縮空気と真空ポートから吸い込まれた空気はディフューザーを共に通過し、排気ポートから排出される。
【0045】
例えば、株式会社妙徳の真空発生装置コンバムシリーズ、株式会社日本ピスコのエジェクタ式の真空発生装置などが挙げられる。本実施形態では、例えば、ノズル径10mm程度で、真空度−66kPa、ISOの標準状態:温度20°C、絶対圧力0.1MPa(=1bar)、相対湿度65%(ANR)での吸込流量42l/min、消費流量46l/min程度のものである。
【0046】
このエジェクタ真空ポンプ3により発生した負圧は、減圧ライン4aにより、加圧ライン7aと統合される三方継手20を介して充填タンク2の頂部に連通されている。エジェクタ真空ポンプ3と三方継手20との間の減圧ライン4aには、減圧バルブ4bが設けられる。
【0047】
また、減圧バルブ4bと三方継手20との間には、圧力計17が配設され、減圧ライン4a及び減圧時の充填タンク2内の負圧が計測できる。
減圧バルブ4bは、2ポートのリターンスプリングを備えた押しボタン式の切換え弁で、押圧するとエジェクタ真空ポンプ3と高圧空気の供給源16aと連通させエジェクタ真空ポンプ3に高圧空気を供給する。これと同時にエジェクタ真空ポンプ3と充填タンク2を連通させ、発生した負圧により充填タンク2内を空気を排除して充填タンク2内を負圧とする。
【0048】
(液面制御バルブ8、調整部材9) 次に、液面制御バルブ8、調整部材9について、詳細に説明する。
ここで、図2は、図1に示す充填タンク2を詳細に示した図である。図3は、液面制御バルブ8と調整部材9の分解斜視図である。
【0049】
充填タンク2は鉛直方向に延びる円筒形の金属製の本体2aを備え、その上部は蓋部2bで、その下部は底部2cで密封されている。
充填タンク2の底部2cは、その内壁中央部に液体及び空気が流通する流通路2fが設けられており、この流通路2fは、逆止弁14、15と連通している。
【0050】
加圧・減圧ライン接続部2dは、蓋部2bを鉛直方向に貫通するように頂部に設けられている。蓋部2bの内側ほぼ中央には、この貫通孔と連通するように、液面制御バルブ8、調整部材9が設けられる。
【0051】
まず、液面制御バルブ8は、蓋部2bの下部中央に弁座8bを備える。下部が六角柱でその上部に円筒形の部分を備える。上部には外周に雄ねじが切ってあり、蓋部2bに設けられた雌ネジに螺入されている。
【0052】
(ガイド部材91) この弁座8bの下部には、概ね円筒状に形成されたガイド部材91が配設される。ガイド部材91の内壁部91bは鉛直方向に貫通した開口部を備える。ガイド部材91の上部には雌ねじが刻設されてねじ部91dが形成されており、六角形状の弁座8bの下部は、このねじ部91dと螺合する雌ねじが刻設されている。
【0053】
ガイド部材91は、円筒状の本体91aの上部には、4つの流通孔91cが開口されている。この流通孔91cは、減圧ライン4aに流出する空気の流通路となり、本体91aと、ここに収容された移動部材92のフランジ部92bとの間隙を通る空気の量を減らすためのバイパスとなっている。このため、空気が減圧ライン4aに大量に吸い込まれても、この空気の流れで移動部材92が変位することがないようになっている。つまり、空気の移動だけでは液面制御バルブ8が誤動作して閉止されないようになっている。
【0054】
(移動部材92) このガイド部材91には、移動部材92が鉛直方向に移動可能に挿入される。移動部材92は、全体が鉛直方向に延びた円柱状の形状で、中央やや下部に径の太いフランジ部92bが形成される。ガイド部材91の内壁部91bは、上部の内径が、このフランジ部92bの外形とほぼ等しく、ガイド部材91の内壁部91bの下部は、フランジ部92bより径が細くなっている。そのため、移動部材92は下方に抜け落ちることがない。
【0055】
移動部材92の上端は、液面制御バルブ8が一体に設けられている。液面制御バルブ8の弁体8aは、上端が円錐状で、その底面に続くように円柱の部分が形成される。そしてその下部には、環状の奥部が形成され、Oリング8cが装着される。このため、移動部材92が上方に変位すると、弁体8aが弁座8bに挿入され、Oリング8cによりシールされて、この間の空気の流通を完全に阻止する。
【0056】
(レシーバ93、コイルスプリング97、バッフルプレート96) 移動部材92の下部の径の細い部分に、伝達部材としてのコイルスプリング97の一端が巻きつけられて固定されている。このコイルスプリング97の他端は、ガイド部材91の下部の開口部から下方に突出している。そして、このコイルスプリング97の下端には、下方に開口した碗形のレシーバ93が装着されている。
【0057】
また、図2に示すように、充填タンク2の内壁に沿って上下するバッフルプレート96が挿入されている。バッフルプレート96は、充填タンク2の本体2a内壁には、固定されておらず上下に移動可能となっている。バッフルプレート96の本体96aは上方に向けて凸状の円盤状に形成されている。周囲は、充填タンク2の内壁部に沿って周縁部96bが形成されているが、充填タンク2の内壁部と、この周縁部96bの間には間隙が設けられている。このため、この周縁部96bにおいても液体の流通を妨げるものではない。つまり、このバッフルプレート96は、充填タンク2の底部2cに設けられた流通路2fから流入する液体が、直接減圧ライン4aに入らないようにその勢いを殺ぐものであるが、洗浄液の充填タンク2への流入を阻止するものではない。したがって、ピストンや隔壁とは機能が異なる。
【0058】
また、このバッフルプレート96を底部2cから所定距離離間して、緩衝用の空間を設けるため、バッフルプレート96の下方の充填タンク2の内壁に沿って、円筒形のスペーサ2gが配設されている。
【0059】
(バッフルプレート96、レシーバ93、コイルスプリング97、移動部材92、液面制御バルブ8の作用) このバッフルプレート96の機能は、充填タンク2内の内圧が負圧になると、流通路2fから液体が流入するが、バッフルプレート96の下部の空間内で液体が跳ねても、減圧ライン4aには、決して流入するようなことはないように阻止する。
【0060】
さらに負圧により液体の液面が上昇してくると、液体はバッフルプレート96の周縁部96bと中央に設けられた流通孔96cからバッフルプレート96を越えて水面が上昇する。このとき、周縁部96bを通った液体は、勢いが殺がれ、飛び跳ねることなく静かに洗浄液の液面が上昇する。
【0061】
一方、流通孔96cを通過する液体は、レシーバ93に向かってある程度勢いを持って流れるが、その流れはレシーバ93により受け止められ、その勢いは殺がれ、やはり減圧ライン4aに流入するようなことがない。この液体が略バッフルプレート96の下方に充填されてくる頃には、充填タンク2内の負圧は適正な規定圧以下になっている。ちょうどその頃に、流通孔96cからの液体によりレシーバ93は上方に押圧されることになる。そして、レシーバ93が押圧されると伝達部材としてのコイルスプリング97が移動部材92を押し上げる。
【0062】
すると、液面制御バルブ8の弁体8aが弁座8bに挿入される。このとき弁座8b内は負圧が生じているので、弁体8aは、弁座8bに吸い込まれるように固定され、液面制御バルブ8は閉じる。特にOリング8cにより、気密に閉止される。つまり、液面制御バルブ8は、逆止弁として機能している。したがって、液面制御バルブ8の接続された減圧ライン4a兼加圧ライン7aに負圧が生じている間は、完全に液面制御バルブ8は閉止しており、後に減圧ライン4a兼加圧ライン7aに正圧が生じると、液面制御バルブ8が開放する、つまりパイロット弁のような作用を備える。
【0063】
液面制御バルブ8が閉じた直後は、充填タンク2内は負圧となっているので、液体の液面は上昇するが、このときもバッフルプレート96は、液体の速やかな流通を妨げることはない。そして、上部に僅かな間隙を残す程度まで液面は上昇し、スプレー缶1の再充填に必要な規定量が自動的に計り取られる。
【0064】
(ドレインライン5a、ドレインバルブ5b) スプレー缶1への再充填に先立って、スプレー缶ホルダ11bにセットされたスプレー缶1は、プラグ(オス)1cがソケット(メス)11aと連通可能に装着される。充填ライン10には、三方継手18により分岐されたドレインライン5aが設けられ、その一端は再補充タンク12に連通されている。このドレインライン5aには、リターンスプリングを備え押しボタンの操作でドレインライン5aを閉止から開放に切り替えるドレインバルブ5bgが設けられている。このドレインバルブ5bを操作することでスプレー缶ホルダ11bに装着されたスプレー缶1と再補充タンク12が連通し、スプレー缶1内に高圧空気とともに残留した洗浄液が存在する場合はこれを、その内圧により排出し、再補充タンク12に流入させる。
【0065】
(高圧空気のみの再補充) なお、スプレー缶1の内部の空気を先に使い切ってしまったような場合には、スプレー缶1に残液があるが高圧空気がなく、その内圧が十分に高くない場合はその内圧によりスプレー缶1に残留する洗浄液を排出することができない。ところでスプレー缶1をスプレー缶ホルダ11bにセットしたときの充填タンク2の初期状態は、充填タンク2内には、洗浄液は存在せず、空になっている。また、大気開放バルブ6bにより内圧も大気圧に等しい。このとき、加圧バルブ7bを開放すると、スプレー缶1がスプレー缶ホルダ11bにセットしてあるため、大気開放バルブ6bは閉止されているため、高圧空気の供給源16から充填タンク2に高圧空気が充填される。そして、この充填タンク2と充填ライン10を接続する逆止弁15は、充填タンク2から流出することを許容するため、結局、高圧空気の供給源16から供給された高圧空気は、スプレー缶1に充填される。このように、スプレー缶1に残液があるが、高圧空気がない場合には、スプレー缶1を充填ポート11にセットして加圧バルブ7bを操作し、スプレー缶1の内圧を高めれば、上述のようにドレインバルブ5bを操作するだけで、スプレー缶ホルダ11bに保持したままでスプレー缶1内の残液を排出することができる。なお高圧空気の再補充をした場合は、一旦、スプレー缶1をスプレー缶ホルダ11bから外して大気開放バルブ6bを作動させて充填タンク2内の内圧を下げることが好ましい。
【0066】
(スプレー缶の再充填装置の作用)
このように構成された本装置の作用について説明する。
図4は、本装置の回路図であり、図5は本装置の動作を示すフローチャートである。まず、高圧空気の供給源16aの空気圧を確認する(S1)。高圧空気は、0.7MPa以上あることを確かめる。また、再補充タンク12に、洗浄液の残液が十分(少なくともスプレー1缶の充填量)が貯留されているかも確認する(S1)。
【0067】
次に、スプレー缶1を充填ポート11のスプレー缶ホルダ11bにセットする(S2)。
スプレー缶内に残液があるか確認する(S3)。もし、残液があるときは(S3;YES)、さらにスプレー缶1内に十分な高圧空気が残っているかを確認する(S4)。もし、スプレー缶1に空気が十分なければ(S4;NO)、加圧バルブを操作して高圧空気を補充する(S5)。スプレー缶1に空気があるか(S4;YES)、空気が無くても高圧空気を補充したときには(S4;NO→S5)、ドレインバルブ5bを操作して、スプレー缶1内の洗浄剤を空気と一緒に再補充タンク12に排出する。
【0068】
スプレー缶1に、残液がないか(S3;NO)、残液があっても排出した場合は(S6)、減圧バルブ4bを操作しながら(S7)、充填タンク2内の内圧を減圧しながら、圧力計17で規定の圧力に達したか否かを判断する(S8)。負圧が規定圧に達しない場合は(S8;NO)、引き続き減圧バルブ4bを操作し(S7)、負圧が規定圧に達した場合は(S8;YES)、減圧バルブ4bの操作を中止して、減圧バルブを閉止する(S9)。
【0069】
次に、この状態では、減圧され負圧となった充填タンク2に再補充タンク12から再補充ライン13を通って洗浄剤が吸い上げられ、逆止弁14を通り充填タンク2に流入する。そして、およそ5秒経過すると充填タンク2への洗浄剤の再補充が完了するため、5秒経過していないときは(S10;NO)、5秒の経過を待ち、5秒経過したときは(S10;YES)、加圧バルブ7bを操作して充填タンク2に高圧空気を送り込む(S11)。そうすると、充填タンク2に再補充された洗浄液が、充填ライン10からスプレー缶1に再充填される。このとき、まず洗浄液が先に充填され、続いて高圧空気が充填され、高圧空気の供給源16aの圧力とスプレー缶1の内圧が均衡した時点で充填が終了する。この充填時には充填音がするため、充填音が停止したか否かを判断しながら(S12)、充填音が停止するまで待ち(S12;NO)、充填音が停止したら(S12;YES)、充填が終了したと判断して、加圧バルブ7bを閉止する(S13)。これで、スプレー缶1への洗浄液の再充填は完了する。
【0070】
そして、スプレー缶1を充填ポート11のスプレー缶ホルダ11bから取り外す(S14)。このとき、大気開放バルブ6bが開放され、充填タンク2の中の空気が大気に開放され、次の再充填の準備が完了する。
【0071】
以上で本実施形態のスプレー缶の再充填装置による再充填作業が完了する。
上記第1の実施形態のスプレー缶の再充填装置によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0072】
(1)上記実施形態のスプレー缶の再充填装置によれば、液面制御バルブ8を備えたため、負圧を利用して充填タンク2への再補充ができるため、再補充タンク12を低い位置に設置できる。
【0073】
(2)また、工場に配管された高圧空気や、可搬型のエアコンプレッサさえあれば、他の動力なしに、簡単にスプレー缶1を再充填できる。
(3)複雑な構造がなく、ピストンや摺動部品もないため、メンテナンスが容易となる。
【0074】
(4)液体の液面の移動に伴い液面制御バルブ8を動作させる調整部材9を備えたため、充填タンクの再補充において液体の量を自動的に適正に調整することができる。また、エジェクタ真空ポンプ3に洗浄液を流入させることもない。
【0075】
(5)また、調整部材と液面制御バルブとを一体に形成することで構成が簡易にできる。
(6)移動部材92をガイド部材91でガイドするため、安定して液面制御バルブ8を作動させることができる。
【0076】
(7)特に、バッフルプレート96を備えたため、再補充ライン13から充填タンク2内に流入された液体が減圧ライン4aに流入しないように効果的に抑制することができる。
【0077】
(8)また、レシーバ93により、再補充ライン13から充填タンク2内に流入された液体が減圧ライン4aに流入しないようにしつつ、再補充ライン13から充填タンク2内に流入された液体の液面を正確に感知することができる。
【0078】
(9)コイルスプリング97(伝達部材)を備えたため、適当な位置でのレシーバ93の動きを移動部材92に伝達できるばかりでなく、その動作を緩衝することで液面制御バルブ8を円滑に動作させることができる。
【0079】
(10)再充填が完了したスプレー缶1をスプレー缶ホルダ11bから離脱させたときに自動的に大気開放バルブ6bが開放されて、充填タンク2に充填用の高圧空気が残っている場合には、これを大気開放して充填タンク2内の気圧を下げる。このため、次に再充填するときに充填タンク2内に高圧空気が残っていないので直ちに充填タンク2内を負圧とすることができる。また、スプレー缶1をスプレー缶ホルダ11bに装着するだけで、自動的に大気開放バルブ6bを閉止して充填タンク2を密閉するので、減圧ライン4aにより直ちに充填タンク2内を負圧とすることができる。
【0080】
(11)再充填のためにスプレー缶ホルダ11bに装着されたスプレー缶1に残留した液体をドレインバルブ5bを操作するだけで、簡単に排出でき、そのまま再充填を開始できる。
【0081】
(12)また、内部の高圧空気が抜けてドレインバルブ5bを操作しても液体が排出できないような場合には、再充填のためにスプレー缶ホルダ11bに装着されたスプレー缶1に、加圧バルブを操作することで、簡単に高圧空気を補充することができ、その後ドレインバルブ5bでスプレー缶1に残留した液体を簡単に排出することができる。
【0082】
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化したスプレー缶の再充填装置の第2の実施形態を図6〜図8にしたがって説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態の調整部材9、大気開放バルブ6b、ドレインバルブ5bを変更したのみの構成である。
【0083】
具体的には、第1の実施形態のようなバッフルプレートや伝達部材なしで簡易な構成となっている。また、ガイド部材91の上端に設けられた流通孔91cもない。
以下、第1の実施形態と同様の部分については同じ符号を付して若しくは符号を省略してその詳細な説明を省略する。
【0084】
図6に示す調整部材109には、図7に示すように筒状のガイド部材191内を変位する移動部材192にフランジ状のピストンとして一体に形成されたレシーバ193を備える。この移動部材192の上部は第1の実施形態と同様に液面制御バルブ8の弁体8aとして構成されている。
【0085】
図8に示すように、弁体8aから図示を省略したOリングの装着溝に続き小径の第1の軸部192aが連続して形成され概ね中央部に大径のフランジ状の第1のレシーバ193aが形成される。そして続いて第1の軸部192aと同径の第2の軸部192cが形成され、下端部には、第1のレシーバ193aと同様な第2のレシーバ193bが形成される。
【0086】
この第1のレシーバ193a、第2のレシーバ193bには、それぞれ移動部材192の移動方向(長手方向)に沿って、小径の貫通孔であるオリフィス193cが等間隔に4つ穿設されている。
【0087】
次に、図6に示すように、スプレー缶充填ポート自体が省略され、大気開放バルブ6bは、充填タンク2から連通された大気開放ライン6aに設けられ、押しボタンで任意に大気開放する構成とされている。また、ドレインラインとドレインバルブについても省略されている。このため、簡易な構成とすることができる。
【0088】
第2の実施形態の作用について説明する。第2の実施形態では、減圧バルブ4bを操作すると、エジェクタ真空ポンプ3により減圧ライン4aにより充填タンク2から空気が排出され、充填タンク2内は減圧され、負圧が生じる。この空気は、第1のレシーバ193a、第2のレシーバ193bに設けられたオリフィス193cを通過して、第1のレシーバ193a、第2のレシーバ193b自体には大きな圧力を掛けることなく排出される。そのため、移動部材192は変位することはない。
【0089】
このとき、底部2cの流通路2fから洗浄液が充填タンク2内に吸入される。このとき、負圧が大きければ、洗浄液が飛び散ることもありうるが、ガイド部材191に収容された第2のレシーバ193bにより、その勢いは殺がれ、さらに第2のレシーバ193bの周縁やオリフィス193cから漏れた洗浄液も、既に勢いがないため、第2のレシーバ193bを越えて減圧ライン4aに洗浄液が入り込むことはない。なお、ガイド部材191の側面には孔はないので、ここから洗浄液が入り込むこともない。
【0090】
さらに洗浄液が吸入されると、液面が上昇し、第2のレシーバ193bに達すると、洗浄液はオリフィス193cから侵入しようとするが、空気より洗浄液の流体抵抗が大きいため、第2のレシーバ193bに洗浄液の圧力が掛かり、移動部材192は、液面制御バルブ8側に変位し、液面制御バルブ8は閉止される。
【0091】
従って、第2の実施形態によれば、第1の実施形態に記載の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(13)第2の実施形態では、移動部材192に一体に設けられたレシーバ193の動作を、空気の流れによる誤動作を抑制しつつ再補充ライン13から充填タンク2内に流入された液体の液面により液面制御バルブ8を動作させることができる。つまり、より簡単な構成で、第1の実施形態と同じような効果を奏することができる。
【0092】
(第3の実施形態)
次に、本発明を具体化したスプレー缶1の再充填装置の第3の実施形態を図9〜図10にしたがって説明する。なお、第3の実施形態は、第2の実施形態のレシーバ193の構成を変更したのみの構成であるため、同様の部分については否時符号を付して、もしくは符号を省略してその詳細な説明を省略する。
【0093】
図9に示す第3の実施形態の調整部材209は、図10に示すように、ガイド部材291と移動部材292、レシーバとしてのフロート293を備える。
ガイド部材291は、第2の実施形態のものより短い部材291aに、大径の筒状の部材291bを下方に延長するように設けている。移動部材292は、第2の実施形態の移動部材192と同じ構成で、第2のレシーバ193bは、短い部材291aより突出し、大径の部材291bに覆われている。この大径の部材291bの内部に、球形の中空ボールからなるフロート293が上下方向に移動可能に収容されている。この球形のフロート293は、有機溶剤に耐性のある金属、合成樹脂等から形成されている。なお、大径の部材291bの下端開口部は内側にフランジ状の突起が形成されており、この球形のフロート293が外部に落ちないようになっている。
【0094】
次にこのように構成された第3の実施形態の作用について説明する。
まず、充填タンク2内が負圧にされ、流通路2fから洗浄液が勢い良く流入しても、ガイド部材291の大径の部材291bと、ここに収容された球形のフロート293により蓋がされ激しい流入が阻止されるため、洗浄液が減圧ライン4aに入り込むことはない。
【0095】
また、洗浄液の液面が上昇してきたとき、このフロート293は、二点鎖線で示す位置にあり液面制御バルブ8は開放している。そして洗浄液の液面が球形のフロート293に達すると、洗浄液はフロート293を浮かせる。このため、フロート293は移動部材192を強力に押し上げ、実線で示した位置まで移動し、この上端近傍に形成されている液面制御バルブ8を閉止する。
【0096】
従って、第3の実施形態によれば、第1、2の実施形態に記載の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(14)第3の実施形態では、移動部材192とは別体で設けられた球状のフロート293を備えるため、再補充ライン13から充填タンク2内に流入された洗浄剤の液面により液面制御バルブ8を浮力の力でより確実に動作させることができる。
【0097】
(第4の実施形態)
次に、本発明を具体化したスプレー缶の再充填装置の第4の実施形態を図11にしたがって説明する。なお、第4の実施形態は、第1〜3の実施形態のスプレー缶の再充填装置とは、液面制御バルブ8、調整部材9、109,209を備えないで、フリーピストン308を備える点が異なるものである。その他の、第1〜3と同様の構成部分については、同一の符号を付し、または符号を省略してその詳細な説明を省略する。
【0098】
図11に示すように、充填タンク2の内部には、充填タンク2の本体2a内部を摺動しつつ上下に移動可能なフリーピストン308が配設される。フリーピストン308は、フロート状に設けられている。
【0099】
充填タンク2の底部2cには流出のみを許容する逆止弁15aが設けられ、第1の充填ライン110aがソケット(メス)11aを介してスプレー缶1に連通している。また、本体2aの下端よりフリーピストン308の厚みよりやや上方の壁面にも流出のみを許容する逆止弁15bが設置されており、第2の充填ライン110bがソケット(メス)11aを介してスプレー缶1に連通している。
【0100】
減圧バルブ4bを操作し、減圧ライン4aから空気が排出され、充填タンク2内が負圧となると、フリーピストン308は上方に移動する。そして、上方に移動したフリーピストン308の下方は、同様に負圧となり、再補充タンク12から再補充ライン13、逆止弁14を介して洗浄液を吸い上げる。このようにしてフリーピストン308が充填タンク2のほぼ上端の上死点まで移動すると停止して、充填タンク2内には、スプレー缶1に再充填するための洗浄液が所定量計り取られる。
【0101】
次に、加圧バルブ7bを操作すると加圧ライン7aから高圧空気が充填タンク2の頂部から流入しフリーピストン308を押し下げる。そうすると底部2cの逆止弁15aから第1の充填ライン110aを通って洗浄液がスプレー缶1に再充填される。また、同時に逆止弁15bからも洗浄液が第2の充填ライン110bを通って洗浄液がスプレー缶1に再充填される。
【0102】
さらにフリーピストン308が下降していくと、一旦上方の逆止弁15bはフリーピストン308の側面に塞がれ第2の充填ライン110bからの充填は停止し、下方の逆止弁15aからのみ第1の充填ライン110aを通ってスプレー缶1に洗浄液を再充填する。
【0103】
さらにフリーピストン308が下降して下死点に達すると、第1の充填ライン110aから洗浄液の充填は終了し、逆止弁15bが再びフリーピストン308の上方に露出する。そして、フリーピストン308の上方に注入された高圧空気が逆止弁15bから第2の充填ライン110bを通って、スプレー缶1に高圧空気が規定圧まで再充填され、再充填作業が完了する。
【0104】
従って、第4の実施形態によれば、第1〜3の実施形態に記載の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(15)第4の実施形態では、負圧を利用して充填タンクへの再補充が、複雑な弁構造なしに簡単且つ安全にでき、そのため簡単、安全、適正にスプレー缶を再充填できる。
【0105】
(16) なお第4の実施形態のスプレー缶の再充填装置では、充填タンク2を傾けた状態でも使用できる。
(実施形態の変形例) なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
【0106】
○ レシーバは、椀状のもの(93)、ピストン状のもの(193)、フロートによるもの(293)を挙げたが、充填タンク2内の液面の変化により移動部材を変位できればこれに限定されるものではない。
【0107】
○ 筒状のガイド部材91と、その内部に配置された移動部材92を例に挙げたが、軸状のガイド部材に、筒状の移動部材などその形状は限定されず、その機能さえ発揮できれば各種の形状が採用できる。
【0108】
○ バッフルプレートも、充填タンク2に流入される液体の流れを調整さえできれば、その形状は限定されさまざまな形状や大きさとすることができる。
○ 液体は洗浄液に限らず、高圧空気に代えて他の気体でもよい。さらに粘度の低い液体に替えてゲル状のものや流動性の高い微粉末により本発明を実施してもよい。
【0109】
○ 加圧バルブ7bと減圧バルブ4bは、別体のバルブとなっているが、これらを統合して、多ポート式にしたり切り替え式のバルブなどで構成してもよい。逆に減圧バルブ4bを2つのバルブから構成してもよい。
【0110】
○ 負圧発生器は、エジェクタ型の真空ポンプを例に挙げているが、負圧さえ、発生できれば容積型のポンプなど如何なる形式であるかは問わない。また、工場の設備として配管されたバキューム用のプラグに接続するようなものであってもよい。
【0111】
○ スプレー缶1は、底部に専用のカプラを備えるが、この急速継手は、噴射ノズルを利用して、ここに押し付けて洗浄剤(液体)と高圧空気(気体)を押し付けるような構成でも実施できる。何らかの形で再充填できれば、セルフシール式に限らず本願で言う急速継手として機能しうる。
【0112】
○ 本実施形態では、圧力計17を見ながら、減圧バルブ4aを操作しているが、圧力センサを設けて自動で判断、停止するようにしてもよい。
○ 加圧ライン7a、減圧ライン4a、高圧空気の供給ライン16b、大気開放ライン6a、充填ライン10、ドレインライン5aなどの配管は、同様の機能を有する範囲で適宜分離・統合できることは言うまでもない。
【0113】
○ その他本発明は当業者により特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲で適宜追加し、省略し、変更し、置換して実施できることは、言うまでもない。
【符号の説明】
【0114】
1…スプレー缶、1a…高圧容器、1b…ノズル、1c…プラグ(オス)、2…充填タンク、2a…本体、2b…蓋部、2c…底部、2d…加圧・減圧ライン接続部、2e…大気開放ライン接続部、2f…流通路、2g…スペーサ、3…(負圧発生器としての)エジェクタ真空ポンプ、4a…減圧ライン、4b…減圧バルブ、5a…ドレインライン、5b…ドレインバルブ、6a…大気開放ライン、6b…大気開放バルブ、7a…加圧ライン、7b…加圧バルブ、8…液面制御バルブ、8a…弁体、8b…弁座、8c…Oリング、9…調整部材、91…ガイド部材、91a…本体、91b…内壁部、91c…流通孔、91d…ねじ部、92…移動部材、92a…軸部、92b…フランジ部、92c…スプリング取付部、93…レシーバ、293…(レシーバとしての)フロート、193…レシーバ、193a…オリフィス、96…バッフルプレート、96a…本体、96b…周縁部、96c…流通孔、97…(伝達部材としての)コイルスプリング、10、110…充填ライン、110a…第1の充填ライン、110b…第2の充填ライン、11…(スプレー缶)充填ポート、11a…(急速継手である)ソケット(メス)、11b…スプレー缶ホルダ、11c…凹部、11d…開口部、12…再補充タンク、13…再補充ライン、14…(再補充ライン)逆止弁、15,15a,15b…(充填ライン)逆止弁、16a…高圧空気の供給源、16b…高圧空気の供給ライン、17…圧力計、18…(充填ライン/ドレインライン)三方継手、19…(加圧ライン/エジェクタ)三方継手、20…(加圧ライン/減圧ライン)三方継手、308…フリーピストン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプレー缶(1)に充填する液体を貯留する充填タンク(2)と、
負圧を発生する負圧発生器(3)と、
前記負圧発生器(3)と前記充填タンク(2)とを連通する減圧ライン(4a)と、
当該減圧ライン(4a)を開閉するように操作可能な減圧バルブ(4b)と、
高圧空気の供給源(16a)と前記充填タンク(2)とを連通する加圧ライン(7a)と、
当該加圧ライン(7a)を開閉するように操作可能な加圧バルブ(7b)と、
前記充填タンク(2)内に配置され当該充填タンク(2)内の液体の水位により前記減圧ライン(4)との連通を閉止する液面制御バルブ(8)と、
充填するスプレー缶(1)と前記充填タンク(2)とを連通可能な充填ライン(10)と、
前記スプレー缶(1)を前記充填ライン(10)に装着した場合に当該スプレー缶(1)と当該充填ライン(10)を連通させる急速継手(11a)と、
当該充填タンク(2)に液体を再補充するための液体を貯留している再補充タンク(12)と、
当該再補充タンク(12)と前記充填タンク(2)とを連通する再補充ライン(13)とを備えたことを特徴とするスプレー缶の再充填装置。
【請求項2】
前記負圧発生器(3)は、前記高圧空気の供給源(16)からの高圧空気を用いて負圧を発生させるエジェクタ真空ポンプであることを特徴とする請求項1に記載のスプレー缶の再充填装置。
【請求項3】
前記再補充ライン(13)から前記充填タンク(2)に液体を再補充する際に、液体の液面の移動に伴い前記液面制御バルブ(8)を動作させる調整部材(9)を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のスプレー缶の再充填装置。
【請求項4】
前記調整部材(9)の一部又は全部が前記液面制御バルブ(8)と一体に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のスプレー缶の再充填装置。
【請求項5】
前記調整部材(9、109、209)は、
前記充填タンク(2)内の上部に設けられたガイド部材(91、191、291)と、
前記ガイド部材(91)にガイドされて移動可能に構成され変位可能な移動部材(92、192)とを備え、

前記移動部材は、前記再補充ライン(13)から再補充され前記充填タンク(2)内に流入された液体により押圧されて当該移動部材(92)を移動させるレシーバ(93、193、293)を備え、当該レシーバにより変位して、前記液面制御バルブ(8)を閉止させることを特徴とする請求項3又は4に記載のスプレー缶の再充填装置。
【請求項6】
前記充填タンク(2)は筒状に形成されるとともに、前記充填タンク(2)内に流入された液体の流動を抑制するとともに液体の流動を許容する流通孔(96c)を有するバッフルプレート(96)を備えたことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載のスプレー缶の再充填装置。
【請求項7】
前記レシーバ(93)と前記移動部材は、当該レシーバ(93)の動きを当該移動部材(92)に伝達するとともに、その動作を緩衝する伝達部材(97)を備えたことを特徴とする請求項6に記載のスプレー缶の再充填装置。
【請求項8】
前記レシーバは、前記充填タンク(2)に再補充された液体の液面に浮上するフロート(293)を備え、当該フロート(293)が前記調整部材(9)を移動させることを特徴とする請求項5に記載されたスプレー缶の再充填装置。
【請求項9】
前記ガイド部材(191)は筒状に形成され、
前記移動部材(192)には、前記筒状のガイド部材(191)内を変位するピストン状に形成されたレシーバ(193)が設けられ、液面の移動により前記液面制御バルブ(8)を閉止させる
ことを特徴とする請求項5に記載のスプレー缶の再充填装置。
【請求項10】
前記ピストン状に形成されたレシーバ(193)は、オリフィス(193a)が形成されて空気の流通を許容し、空気の流通によっては前記液面制御バルブ(8)は閉止させることなく、液面の移動により前記液面制御バルブ(8)を閉止させる
ことを特徴とする請求項9に記載のスプレー缶の再充填装置。
【請求項11】
スプレー缶(1)に充填する液体を貯留する鉛直方向に延びる筒状の充填タンク(2)と、
負圧を発生する負圧発生器(3)と、
前記負圧発生器(3)と前記充填タンク(2)とを連通する減圧ライン(4a)と、
当該減圧ライン(4a)を開閉するように操作可能な減圧バルブ(4b)と、
高圧空気の供給源(16)と前記充填タンク(2)とを連通する加圧ライン(7a)と、
当該加圧ライン(7a)を開閉するように操作可能な加圧バルブ(7b)と、
前記充填タンク(2)内を上下に隔離するように設けられ、当該充填タンク内を上下に摺動するフリーピストン(308)と、
当該充填タンク(2)の底部に設けられ充填するスプレー缶(1)と前記充填タンク(2)とを連通可能な第1の充填ライン(110a)と、前記充填タンク(2)内の前記フリーピストン(308)が、下死点まで下がった場合に、当該フリーピストン(308)の上端部より上方の当該充填タンク(2)内の壁面に設けられ充填するスプレー缶(1)と前記充填タンク(2)とを連通可能な第2の充填ライン(110b)とを備えた充填ライン(110)と、
前記スプレー缶(1)を前記充填ライン(110)に装着した場合に当該スプレー缶(1)と当該充填ライン(110)を連通させる急速継手(11a)と、
当該充填タンク(2)に液体を再補充するための液体を貯留している再補充タンク(12)と、
当該再補充タンク(12)と前記充填タンク(2)とを連通する再補充ライン(13)と
を備えたことを特徴とするスプレー缶の再充填装置。
【請求項12】
スプレー缶(1)を前記急速継手(11a)と連通可能に装着するスプレー缶ホルダ(11b)と、前記充填タンク(2)を大気開放する大気開放バルブ(6b)とを備え、
前記スプレー缶(1)を前記スプレー缶ホルダ(11b)に装着したときに、前記大気開放バルブ(6b)を閉止して前記充填タンク(2)を密閉するとともに、前記スプレー缶(1)を前記スプレー缶ホルダ(11b)から離脱させたときに、前記大気開放バルブ(6b)を開放し、前記充填タンク(2)を大気開放することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のスプレー缶の再充填装置。
【請求項13】
スプレー缶(1)を前記急速継手(11a)と連通可能に装着するスプレー缶ホルダ(11b)と、
充填ライン(10)と再補充タンク(12)を連通させるドレインライン(5a)に設けられ、当該ドレインライン(5a)を閉止若しくは連通するドレインバルブ(5b)とを備え、
当該ドレインバルブ(5b)を操作することで前記スプレー缶ホルダ(11b)に装着されたスプレー缶(1)に残留した液体を排出可能に構成したことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のスプレー缶の再充填装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−202222(P2010−202222A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−47210(P2009−47210)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(592140540)中央交易株式会社 (1)
【Fターム(参考)】