スポットカラー補正方法
【課題】 プリンタなどの画像出力装置において、ジョブ出力の前工程として、スポットカラー補正を行うのではなく、ジョブ出力と同時に補正も行い、その結果を適用して出力すること。それによりユーザの手間を軽減する。
【解決手段】 プリント命令後、ジョブをホールドし、スポットカラー補正テーブルを作成する。ジョブホールドを解除後、それを適用して出力する。
【解決手段】 プリント命令後、ジョブをホールドし、スポットカラー補正テーブルを作成する。ジョブホールドを解除後、それを適用して出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラープリンタに出力する際に、ある特定の色に対して安定した出力を得るために行うキャリブレーションまたはプリンタプロファイルの調整技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラープリンタを使ってある目標色を忠実に再現する技術として、スポットカラーマッチング技術などがある。これは、初期状態でプリンタプロファイルが適切に調整されていることが前提で成り立つ技術であり、プリンタの状態が環境変動などの影響を受けると、安定した出力が得られないことがある。その解決案として、プリンタプロファイルの再作成が考えられるが、これはプリンタの色再現空間全体に対して最適化したプロファイルを生成するものであるため、その作業の手間と時間がかかることが問題となる。
【0003】
そこで、初期プロファイルにおいてデバイス非依存色空間からプリンタ色再現空間への対応関係で目標色の変換に影響する部分を変更し、目標色に対して上記推定したプリンタ色が対応するようにプリンタプロファイルの調整を行うという手法が提案された。また、特開2006-157294公報では、プリンタプロファイル自体を書き換えずに別途スポットカラー補正テーブルを作成し、それを適用して補正を行う方法が提案された。
【特許文献1】特開2006-157294号公報
【特許文献2】特開2001−324846号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記提案では、画像出力前に補正処理を行わなければならなかったため、ユーザに手間がかかってしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような目的を達成するために、本発明は、
プリンタプロファイルを使ったカラーマッチングによりプリンタにカラー画像を出力させるシステムにおいて、
ジョブチケットデータにスポットカラー補正設定情報を持たせる手段と、
ジョブを一旦ホールドし、上記ジョブチケットデータ中のスポットカラー補正設定情報を解析する手段と、
上記スポットカラー設定情報に記載された目標値を実現するためにスポットカラー補正処理を行う手段と、
上記スポットカラー補正処理の結果からスポットカラー補正テーブルを作成する手段と、
上記ホールドされていたジョブを解除し、上記スポットカラー補正テーブルを前記ジョブに適用し出力する手段手段と
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、ジョブ出力を行う前に補正処理を行う作業がなくなり、ジョブに合わせて、スポットカラー補正処理とジョブへの適用処理、出力作業を同時に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に本発明の実施例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0008】
図1は本発明の一実施例によるネットワークシステムの構成を示す図である。
【0009】
図1のように、本実施例によるネットワークシステムは、LAN等のサイトAに、プリンタコントローラとなるフロントエンドサーバ1、プリンタエンジン2(フロントエンドサーバでネットワークに接続)、クライアントA(PCとモニタを含む)が接続され、構成されている。クライアントAは、ユーザに対して情報表示やデータ入力の受け付けをするUIが接続されており、また、画像処理に必要なCPU・VRAM等及びネットワーク上の通信に必要な通信機能を備えている。
【0010】
図2は前出のフロントエンドサーバ1、プリンタエンジン2の構成を示す図である。
【0011】
図2のように、フロントエンドサーバ1はネットワークに接続するためのネットワークI/F(インタフェース)部10、ジョブデータを制御するジョブ制御部11、PDL(ページ記述言語)を解析して中間データを生成するPDLインタプリタ部12、PDLインタプリタ部で生成された中間データが格納される中間データ格納部13、中間データ格納部に格納された中間データをビットマップイメージデータに変換するレンダリング部14、プリンタエンジン2とのデータのやり取りを行うための通信インタフェース部15、ユーザが設定するデバイス非依存色空間の色値である目標色を格納する目標色格納部16、目標色に対して生成される複数の色から構成されるカラーパッチチャートを生成するカラーパッチ生成部17、該カラーパッチを格納するカラーパッチデータ格納部17A、ジョブに対して指定されたカラーマッチング及びキャリブレーション処理を行うカラーマネージメント処理部18、カラーマッチングに使用されるプロファイルが格納されるプロファイル格納部18A、キャリブレーションデータのうち、一次元LUTが格納されるキャリブレーション一次元LUT(Look Up Table)格納部18B、デバイス非依存のカラーパッチデータをプリンタ色に変換したデバイス色パッチデータの保存場所であるデバイス色パッチデータ格納部19、現在の状態ではプリンタが目標色をどんな色で出力するかを、カラーセンサの測色結果を元に推測するデバイス色推定部20、該デバイス色を格納するデバイス色格納部20A、初期プリンタプロファイルを現在の状態に合わせるためのスポット補正値テーブルを生成・更新するスポット補正テーブル調整部21、該スポット補正テーブルを格納するスポット補正テーブル格納部21A、目標色をカラーセンサが読み取ったデータが格納される測色値格納部22から構成される。
【0012】
また、ジョブ制御部11は、ジョブをホールドする等の管理を行うジョブ管理部11A、ジョブ中のジョブチケットを解析するジョブ解析部11Bから構成されている。
【0013】
プリンタエンジン2は、フロントエンドサーバ1とデータをやりとりする通信I/F部23、出力部24、カラーセンサを制御するカラーセンサ制御部25、パッチ出力を読み取るカラーセンサ26、カラーセンサで読み取られたデータが格納される測色値格納部27から成る。
【0014】
図3は、画像データの処理の流れを示す図である。通常のカラーマネージメント処理においてRGBデータもしくはCMYKデータが入力されるとソースプロファイル、プリンタプロファイルを通してカラーマッチングされ、その後キャリブレーション一次元LUTに通され、補正されたCMYKデータとなって出力される。スポットカラー補正の結果を適用する場合は、スポットカラー補正テーブルの目標色の補正データとプリンタプロファイルの両方を参照して、該画像データを出力する。
【0015】
図4は、本発明で使用されるスポットカラー補正テーブルの一例である。色票毎にテーブルを分け、各テーブルはそれぞれ、色番号、該当する色度、該色票色を出力する際の初期プリンタプロファイルとの差分値(デバイス色の補正値)を項目として保持する。
【0016】
図5は、本発明の一実施例を説明するLab色空間の模式図である。目標色 (L1,a1,b1) に対してプリンタプロファイルのルックアップテーブル(Lab→CMYK)の目標色を囲む8点のグリッドを示している。変動前は初期プロファイルによるマッチング結果 (C1,M1,Y1,K1) で目標色 (L1,a1,b1) が再現できていた。プリンタの変動により目標色 (L1,a1,b1) を再現するためにマッチング結果が (C2,M2,Y2,K2) となるようにスポットカラー補正テーブルの調整を行う。
【0017】
図6は、本提案で使用されるカラーセンサの例である。特開2001−324846号公報の図8で示されたようなカラーセンサを使用してもよい。カラーセンサ28はホルダー28C内に、LEDなどの発光素子28A、およびフォトダイオード、CdSなどの受光素子28Bに組み込んで成っている。カラーセンサ28は、発光素子28Aから光を転写ベルト29上のパッチTに照射し、パッチTからの反射光を受光素子28Bで受け取ることにより、パッチTの色度を測定するものである。
【0018】
図7は、ジョブデータが、ジョブに対して処理を指示する内容が記述されているジョブチケットデータと、PDF、PS、TIFF、JPEG等の実際のデータであるジョブデータファイルから構成されていることを示している。
【0019】
図8は、ジョブチケットデータの一例を示している。ここでは、レイアウト情報には用紙サイズ設定情報、用紙種類の情報、ページオリエンテーション情報等が含まれる。またカラーマネージメント情報は、RGBとCMYKのソースプロファイル、プリンタプロファイル、キャリブレーション設定などで構成されている。
【0020】
図9は、ジョブチケットデータ中のキャリブレーション設定表示の一例を示している。ここには、スポットカラー補正を行うか行わないかを選ぶスポットカラー補正フラグや、補正したい色番号もしくは色度などが含まれる。
【0021】
図10は、図2の構成を用いて本発明のスポットカラー補正テーブルの生成工程を説明するフローチャートである。
【0022】
ステップ100において、クライアントAのUIからフロントエンドサーバ1にプリント命令が出され、ジョブデータをネットワークを通じて送信してステップ101に進む。
【0023】
ステップ101で、ジョブ制御部11が制御し、ジョブ管理部11Aに該ジョブデータを一旦ホールドし、ジョブファイルのデータ処理を待機状態にして、ステップ102に進む。
【0024】
ステップ102で該ジョブデータ中のジョブチケットデータのみを取り出し、ジョブ解析部11Bで解析する。ここで目標色の色番号が取り出され、ステップ103へ進む。
【0025】
ステップ103において、目標色とプロファイル格納部18Aに格納されている初期プリンタプロファイルを使って、カラーパッチ生成部17によりデバイス非依存色のカラーパッチデータが生成される。該カラーパッチデータはカラーパッチデータ格納部17Aに格納される。
【0026】
ステップ104において、カラーマネージメント処理部18により、カラーパッチ格納部17Aに格納されているデバイス非依存色のカラーパッチデータが、初期プリンタプロファイルを使ってデバイス色パッチデータに変換される。例えば、目標色 (L1,a1,b1) に対しては、 (C1,M1,K1,Y1) という結果が得られる。これをデバイス色パッチデータ格納部19に格納する。
【0027】
ステップ105で、先ほどのデバイス色パッチデータがプリンタエンジン2に転送され、出力部24が該デバイス色パッチデータを使ってカラーチャート出力物を出力する。
【0028】
ステップ106で、カラーセンサ制御部25がカラーセンサ26を使ってカラーチャート出力物の測色を行い、カラーチャート測色値を求め、測色値格納部27に格納する。
【0029】
ステップ107において、測色値格納部27にあるカラーチャート測色値がフロントエンドサーバ1に転送され、デバイス色推定部20がデバイス色パッチデータと該カラーチャート測色値から目標色を再現するためのデバイス色を推定する。例えばデバイス非依存色空間において補間計算をすればよい。ここでの計算例は、図10の説明の後に、詳細に説明する。ここで得られたデバイス色推定値を(C2,M2,K2,Y2)とし、デバイス色格納部20Aに格納される。
【0030】
ステップ108において、スポット補正テーブル調整部21が目標色(L1,a1,b1)に対してのマッチング結果が、デバイス色(C2,M2,K2,Y2)になるように、スポット補正テーブルに初期プリンタプロファイルとの差分値(C2-C1, M2-M1, Y2-Y1, K2-K1)を書き込む。更新したテーブルは、スポット補正テーブル格納部21Aに格納し、ステップ109に進む。
【0031】
ステップ109において、ホールドしていたジョブを解除し、更新したスポットカラー補正テーブルと初期プリンタプロファイルを該ジョブに適用し、印刷して処理を終了する。
【0032】
図11は、ステップ102におけるジョブチケット解析処理を詳細に説明するフローチャートである。
【0033】
ステップ110において、該ジョブデータ中のジョブチケットデータのみを取り出し、ステップ111へ進む。
【0034】
ステップ111において該ジョブチケットデータをジョブ解析部11Bで解析し、キャリブレーション設定内のスポットカラー補正フラグの値を確認する。フラグがONの場合は、補正色番号を抽出し、プロファイル格納部18Aにあるスポットカラー用ソースプロファイルを参照して、対応するデバイス非依存の色値を得て、ステップ112に進む。
【0035】
ステップ112において、補正したい色番号と対応するデバイス非依存の色値を、目標色格納部16に保持させ、処理を終了する。
【0036】
図12は、ステップ103におけるカラーパッチデータ作成処理を詳細に説明するフローチャートである。
【0037】
ステップ120において、目標色格納部16に格納された目標色を (L1,a1,b1) とし、それを取り出す。ただし、
0≦L1≦100, -128≦a1≦128, -128≦b1≦128
とする。続いてステップ121に進む。
【0038】
ステップ121において、プロファイルのルックアップテーブルのグリッド数から1を減算した値を n とする。例えばグリッド数が33であれば n = 32 である。
【0039】
i = L1/100 * n
j = (a1+128)/256 * n
k = (b1+128)/256 * n
(小数点以下切捨て)
上記式によりLab色空間グリッドのインデックス i, j, k を求める。0≦i, j, k≦n
ステップ122において、初期プリンタプロファイルの BToA1Tag の3次元ルックアップテーブルから
(i, j, k) (i, j, k+1) (i, j+1, k) (i, j+1, k+1)
(i+1, j, k) (i+1, j, k+1) (i+1, j+1, k) (i+1, j+1, k+1)
上記のインデックスで示される8点グリッドのデータをカラーパッチデータとし、順に P11, P12, P13, P14, P15, P16, P17, P18 とする。これで処理を終了する。
【0040】
ここで、ステップ107におけるデバイス色の推定処理例を詳細に説明する。
上記8点のカラーパッチ P11〜P18 のデバイス色パッチデータをそれぞれ(C11,M11,Y11,K11)〜(C18,M18,Y18,K18)とし、カラーチャート測色値をそれぞれ(L11,a11,b11)〜(L18,a18,b18)とする。またP21〜P27は、デバイス色推定値P2を求めるための中間データとする。
【0041】
(P11,P12からP21を求める)
L21 = (L12-L11)*(b1-b11)/(b12-b11) + L11
a21 = (a12-a11)*(b1-b11)/(b12-b11) + a11
C21 = (C12-C11)*(b1-b11)/(b12-b11) + C11
M21 = (M12-M11)*(b1-b11)/(b12-b11) + M11
Y21 = (Y12-Y11)*(b1-b11)/(b12-b11) + Y11
K21 = (K12-K11)*(b1-b11)/(b12-b11) + K11
(P13,P14からP22を求める)
L22 = (L14-L13)*(b1-b13)/(b14-b13) + L13
a22 = (a14-a13)*(b1-b13)/(b14-b13) + a13
C22 = (C14-C13)*(b1-b13)/(b14-b13) + C13
M22 = (M14-M13)*(b1-b13)/(b14-b13) + M13
Y22 = (Y14-Y13)*(b1-b13)/(b14-b13) + Y13
K22 = (K14-K13)*(b1-b13)/(b14-b13) + K13
(P21,P22からP23を求める)
L23 = (L22-L21)*(a1-a21)/(a22-a21) + L21
C23 = (C22-C21)*(a1-a21)/(a22-a21) + C21
M23 = (M22-M21)*(a1-a21)/(a22-a21) + M21
Y23 = (Y22-Y21)*(a1-a21)/(a22-a21) + Y21
K23 = (K22-K21)*(a1-a21)/(a22-a21) + K21
(P15,P16からP24を求める)
L24 = (L16-L15)*(b1-b15)/(b16-b15) + L15
a24 = (a16-a15)*(b1-b15)/(b16-b15) + a15
C24 = (C16-C15)*(b1-b15)/(b16-b15) + C15
M24 = (M16-M15)*(b1-b15)/(b16-b15) + M15
Y24 = (Y16-Y15)*(b1-b15)/(b16-b15) + Y15
K24 = (K16-K15)*(b1-b15)/(b16-b15) + K15
(P17,P18からP25を求める)
L25 = (L18-L17)*(b1-b17)/(b18-b17) + L17
a25 = (a18-a17)*(b1-b17)/(b18-b17) + a17
C25 = (C18-C17)*(b1-b17)/(b18-b17) + C17
M25 = (M18-M17)*(b1-b17)/(b18-b17) + M17
Y25 = (Y18-Y17)*(b1-b17)/(b18-b17) + Y17
K25 = (K18-K17)*(b1-b17)/(b18-b17) + K17
(P24,P25からP26を求める)
L26 = (L25-L24)*(a1-a24)/(a25-a24) + L24
C26 = (C25-C24)*(a1-a24)/(a25-a24) + C24
M26 = (M25-M24)*(a1-a24)/(a25-a24) + M24
Y26 = (Y25-Y24)*(a1-a24)/(a25-a24) + Y24
K26 = (K25-K24)*(a1-a24)/(a25-a24) + K24
(P23,P26からP27を求める)
C27 = (C26-C23)*(L1-L23)/(L26-L23) + C23
M27 = (M26-M23)*(L1-L23)/(L26-L23) + M23
Y27 = (Y26-Y23)*(L1-L23)/(L26-L23) + Y23
K27 = (K26-K23)*(L1-L23)/(L26-L23) + K23
(C27,M27,Y27,K27)が推定されたデバイス色(C2,M2,Y2,K2)である。
【0042】
図13は、ステップ109におけるジョブの印刷再開処理の詳細を説明するフローチャートである。
【0043】
ステップ130で、ジョブ管理部11Aにホールドしてあったジョブファイルの処理を再開する。
【0044】
ステップ131において、PDLインタプリタ部12でジョブファイルのデータを解析して、中間データを生成して、ステップ132に進む。
【0045】
ステップ132で、ステップ131で生成された中間データを中間データ格納部13に格納し、ステップ133へ進む。
【0046】
ステップ133において、中間データ格納部13に格納された中間データに対して、カラーマネージメント処理部18において、スポットカラー補正テーブルを使用して、入力データに対してカラーマッチング及びキャリブレーション処理を行うフローを適用してステップ134に進む。
【0047】
ステップ134において、ステップ133の中間データを、レンダリング部14でビットマップイメージデータに展開してステップ135に進む。
【0048】
ステップ135において、前記展開されたビットマップイメージデータをプリンタエンジン2に転送し、ステップ136に進む。
【0049】
ステップ136において、Info_media情報に基づいて用紙を選択してステップ137に進む。
【0050】
ステップ137で、前記選択された用紙に印刷し、処理を終了する。
【0051】
図14は、ステップ133のスポットカラー補正テーブルを用いた補正処理の詳細を示すフローチャートである。
【0052】
ステップ140において、目標色の色番号が目標格納部16から取り出される。
【0053】
ステップ141において、スポットカラー用ソースプロファイルから、入力した色番号に対応した目標色 (L1,a1,b1)を得て、ステップ142に進む。
【0054】
ステップ142において、 プロファイル格納部18Aにある初期プリンタプロファイルより目標色 (L1,a1,b1)に対応するデバイス依存のデバイス色を得る。その結果を (C1,M1,K1,Y1) とする。また、スポットカラー補正テーブル格納部21Aにあるスポットカラー補正テーブルより、初期プリンタプロファイル作成時のデバイス色と現在の状態でのデバイス色との差分値(C2-C1, M2-M1, Y2-Y1, K2-K1)を得る。
【0055】
ステップ143において、初期プロファイルの3次元ルックアップテーブルのグリッドでLab色空間上において目標色 (L1,a1,b1) を囲む上述の P11〜P18 の8点に対して、(C2-C1, M2-M1, Y2-Y1, K2-K1) を加算して、ステップ144に進む。
【0056】
ステップ144で、カラーマネージメント処理部18にてカラーマッチングを行い、処理を終了する。
【0057】
(他の実施例)
本実施例では、出力パッチの読み取り手段として、カラーセンサ(RGB)を例として挙げているが、色度を測定可能な測色計を代用することも可能である。
また本実施例では、1つのサイトによる処理を挙げているが、カラーセンサのように自動的に測色する測色機を利用することにより、WAN等の大規模ネットワークで結ばれた複数のサイトで構成されるネットワーク上においてリモート処理を行うことも可能である。
【0058】
また本実施例では、目標色を色票の色番号によって指定する例を挙げているが、デバイス非依存の色値をインデックスとしたスポットカラー補正テーブルへの拡張も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施例によるネットワークシステムの構成を示す図である。
【図2】フロントエンドサーバ1、プリンタエンジン2の構成を示す図である。
【図3】カラーマネージメント処理のフロー図である。
【図4】スポット補正テーブルの一例である。
【図5】本発明の一実施例を説明するLab色空間の模式図である。
【図6】本発明において使用されるカラーセンサの一例である。
【図7】ジョブデータの内部構成を示す図である。
【図8】ジョブチケットデータの内部構成を示す図である。
【図9】ジョブチケットデータ内のスポットカラー補正に関する設定を示す図である。
【図10】本発明のメイン処理のフローチャートである。
【図11】ステップ102でジョブチケットを解析する処理の詳細を示すフローチャートである。
【図12】ステップ103でのカラーパッチデータ作成処理の詳細を示すフローチャートである。
【図13】ステップ109でのジョブのホールドを解除する処理の詳細を示すフローチャートである。
【図14】ステップ133でのスポットカラー補正テーブルによるCMS処理の詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
10 ネットワークI/F部
11 ジョブ制御部
11A ジョブ管理部
11B ジョブ解析部
12 PDLインタプリタ部
13 中間データ格納部
14 レンダリング部
15 (フロントエンドサーバ1)通信I/F部
16 目標値格納部
17 カラーパッチ生成部
17A カラーパッチデータ格納部
18 カラーマネージメント処理部
18A プロファイル格納部
18B キャリブレーション一次元LUT
19 デバイス色パッチデータ格納部
20 デバイス色推定部
20A デバイス色格納部
21 スポットカラー補正テーブル調整部
21A スポットカラー補正テーブル格納部
22 測色値格納部
23 (プリンタエンジン2)通信I/F部
24 出力部
25 カラーセンサ制御部
26 カラーセンサ
27 (プリンタエンジン2)測色値格納部
28 カラーセンサ
28A 発光素子
28B 受光素子
28C ホルダー
29 転写ベルト
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラープリンタに出力する際に、ある特定の色に対して安定した出力を得るために行うキャリブレーションまたはプリンタプロファイルの調整技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラープリンタを使ってある目標色を忠実に再現する技術として、スポットカラーマッチング技術などがある。これは、初期状態でプリンタプロファイルが適切に調整されていることが前提で成り立つ技術であり、プリンタの状態が環境変動などの影響を受けると、安定した出力が得られないことがある。その解決案として、プリンタプロファイルの再作成が考えられるが、これはプリンタの色再現空間全体に対して最適化したプロファイルを生成するものであるため、その作業の手間と時間がかかることが問題となる。
【0003】
そこで、初期プロファイルにおいてデバイス非依存色空間からプリンタ色再現空間への対応関係で目標色の変換に影響する部分を変更し、目標色に対して上記推定したプリンタ色が対応するようにプリンタプロファイルの調整を行うという手法が提案された。また、特開2006-157294公報では、プリンタプロファイル自体を書き換えずに別途スポットカラー補正テーブルを作成し、それを適用して補正を行う方法が提案された。
【特許文献1】特開2006-157294号公報
【特許文献2】特開2001−324846号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記提案では、画像出力前に補正処理を行わなければならなかったため、ユーザに手間がかかってしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような目的を達成するために、本発明は、
プリンタプロファイルを使ったカラーマッチングによりプリンタにカラー画像を出力させるシステムにおいて、
ジョブチケットデータにスポットカラー補正設定情報を持たせる手段と、
ジョブを一旦ホールドし、上記ジョブチケットデータ中のスポットカラー補正設定情報を解析する手段と、
上記スポットカラー設定情報に記載された目標値を実現するためにスポットカラー補正処理を行う手段と、
上記スポットカラー補正処理の結果からスポットカラー補正テーブルを作成する手段と、
上記ホールドされていたジョブを解除し、上記スポットカラー補正テーブルを前記ジョブに適用し出力する手段手段と
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、ジョブ出力を行う前に補正処理を行う作業がなくなり、ジョブに合わせて、スポットカラー補正処理とジョブへの適用処理、出力作業を同時に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に本発明の実施例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0008】
図1は本発明の一実施例によるネットワークシステムの構成を示す図である。
【0009】
図1のように、本実施例によるネットワークシステムは、LAN等のサイトAに、プリンタコントローラとなるフロントエンドサーバ1、プリンタエンジン2(フロントエンドサーバでネットワークに接続)、クライアントA(PCとモニタを含む)が接続され、構成されている。クライアントAは、ユーザに対して情報表示やデータ入力の受け付けをするUIが接続されており、また、画像処理に必要なCPU・VRAM等及びネットワーク上の通信に必要な通信機能を備えている。
【0010】
図2は前出のフロントエンドサーバ1、プリンタエンジン2の構成を示す図である。
【0011】
図2のように、フロントエンドサーバ1はネットワークに接続するためのネットワークI/F(インタフェース)部10、ジョブデータを制御するジョブ制御部11、PDL(ページ記述言語)を解析して中間データを生成するPDLインタプリタ部12、PDLインタプリタ部で生成された中間データが格納される中間データ格納部13、中間データ格納部に格納された中間データをビットマップイメージデータに変換するレンダリング部14、プリンタエンジン2とのデータのやり取りを行うための通信インタフェース部15、ユーザが設定するデバイス非依存色空間の色値である目標色を格納する目標色格納部16、目標色に対して生成される複数の色から構成されるカラーパッチチャートを生成するカラーパッチ生成部17、該カラーパッチを格納するカラーパッチデータ格納部17A、ジョブに対して指定されたカラーマッチング及びキャリブレーション処理を行うカラーマネージメント処理部18、カラーマッチングに使用されるプロファイルが格納されるプロファイル格納部18A、キャリブレーションデータのうち、一次元LUTが格納されるキャリブレーション一次元LUT(Look Up Table)格納部18B、デバイス非依存のカラーパッチデータをプリンタ色に変換したデバイス色パッチデータの保存場所であるデバイス色パッチデータ格納部19、現在の状態ではプリンタが目標色をどんな色で出力するかを、カラーセンサの測色結果を元に推測するデバイス色推定部20、該デバイス色を格納するデバイス色格納部20A、初期プリンタプロファイルを現在の状態に合わせるためのスポット補正値テーブルを生成・更新するスポット補正テーブル調整部21、該スポット補正テーブルを格納するスポット補正テーブル格納部21A、目標色をカラーセンサが読み取ったデータが格納される測色値格納部22から構成される。
【0012】
また、ジョブ制御部11は、ジョブをホールドする等の管理を行うジョブ管理部11A、ジョブ中のジョブチケットを解析するジョブ解析部11Bから構成されている。
【0013】
プリンタエンジン2は、フロントエンドサーバ1とデータをやりとりする通信I/F部23、出力部24、カラーセンサを制御するカラーセンサ制御部25、パッチ出力を読み取るカラーセンサ26、カラーセンサで読み取られたデータが格納される測色値格納部27から成る。
【0014】
図3は、画像データの処理の流れを示す図である。通常のカラーマネージメント処理においてRGBデータもしくはCMYKデータが入力されるとソースプロファイル、プリンタプロファイルを通してカラーマッチングされ、その後キャリブレーション一次元LUTに通され、補正されたCMYKデータとなって出力される。スポットカラー補正の結果を適用する場合は、スポットカラー補正テーブルの目標色の補正データとプリンタプロファイルの両方を参照して、該画像データを出力する。
【0015】
図4は、本発明で使用されるスポットカラー補正テーブルの一例である。色票毎にテーブルを分け、各テーブルはそれぞれ、色番号、該当する色度、該色票色を出力する際の初期プリンタプロファイルとの差分値(デバイス色の補正値)を項目として保持する。
【0016】
図5は、本発明の一実施例を説明するLab色空間の模式図である。目標色 (L1,a1,b1) に対してプリンタプロファイルのルックアップテーブル(Lab→CMYK)の目標色を囲む8点のグリッドを示している。変動前は初期プロファイルによるマッチング結果 (C1,M1,Y1,K1) で目標色 (L1,a1,b1) が再現できていた。プリンタの変動により目標色 (L1,a1,b1) を再現するためにマッチング結果が (C2,M2,Y2,K2) となるようにスポットカラー補正テーブルの調整を行う。
【0017】
図6は、本提案で使用されるカラーセンサの例である。特開2001−324846号公報の図8で示されたようなカラーセンサを使用してもよい。カラーセンサ28はホルダー28C内に、LEDなどの発光素子28A、およびフォトダイオード、CdSなどの受光素子28Bに組み込んで成っている。カラーセンサ28は、発光素子28Aから光を転写ベルト29上のパッチTに照射し、パッチTからの反射光を受光素子28Bで受け取ることにより、パッチTの色度を測定するものである。
【0018】
図7は、ジョブデータが、ジョブに対して処理を指示する内容が記述されているジョブチケットデータと、PDF、PS、TIFF、JPEG等の実際のデータであるジョブデータファイルから構成されていることを示している。
【0019】
図8は、ジョブチケットデータの一例を示している。ここでは、レイアウト情報には用紙サイズ設定情報、用紙種類の情報、ページオリエンテーション情報等が含まれる。またカラーマネージメント情報は、RGBとCMYKのソースプロファイル、プリンタプロファイル、キャリブレーション設定などで構成されている。
【0020】
図9は、ジョブチケットデータ中のキャリブレーション設定表示の一例を示している。ここには、スポットカラー補正を行うか行わないかを選ぶスポットカラー補正フラグや、補正したい色番号もしくは色度などが含まれる。
【0021】
図10は、図2の構成を用いて本発明のスポットカラー補正テーブルの生成工程を説明するフローチャートである。
【0022】
ステップ100において、クライアントAのUIからフロントエンドサーバ1にプリント命令が出され、ジョブデータをネットワークを通じて送信してステップ101に進む。
【0023】
ステップ101で、ジョブ制御部11が制御し、ジョブ管理部11Aに該ジョブデータを一旦ホールドし、ジョブファイルのデータ処理を待機状態にして、ステップ102に進む。
【0024】
ステップ102で該ジョブデータ中のジョブチケットデータのみを取り出し、ジョブ解析部11Bで解析する。ここで目標色の色番号が取り出され、ステップ103へ進む。
【0025】
ステップ103において、目標色とプロファイル格納部18Aに格納されている初期プリンタプロファイルを使って、カラーパッチ生成部17によりデバイス非依存色のカラーパッチデータが生成される。該カラーパッチデータはカラーパッチデータ格納部17Aに格納される。
【0026】
ステップ104において、カラーマネージメント処理部18により、カラーパッチ格納部17Aに格納されているデバイス非依存色のカラーパッチデータが、初期プリンタプロファイルを使ってデバイス色パッチデータに変換される。例えば、目標色 (L1,a1,b1) に対しては、 (C1,M1,K1,Y1) という結果が得られる。これをデバイス色パッチデータ格納部19に格納する。
【0027】
ステップ105で、先ほどのデバイス色パッチデータがプリンタエンジン2に転送され、出力部24が該デバイス色パッチデータを使ってカラーチャート出力物を出力する。
【0028】
ステップ106で、カラーセンサ制御部25がカラーセンサ26を使ってカラーチャート出力物の測色を行い、カラーチャート測色値を求め、測色値格納部27に格納する。
【0029】
ステップ107において、測色値格納部27にあるカラーチャート測色値がフロントエンドサーバ1に転送され、デバイス色推定部20がデバイス色パッチデータと該カラーチャート測色値から目標色を再現するためのデバイス色を推定する。例えばデバイス非依存色空間において補間計算をすればよい。ここでの計算例は、図10の説明の後に、詳細に説明する。ここで得られたデバイス色推定値を(C2,M2,K2,Y2)とし、デバイス色格納部20Aに格納される。
【0030】
ステップ108において、スポット補正テーブル調整部21が目標色(L1,a1,b1)に対してのマッチング結果が、デバイス色(C2,M2,K2,Y2)になるように、スポット補正テーブルに初期プリンタプロファイルとの差分値(C2-C1, M2-M1, Y2-Y1, K2-K1)を書き込む。更新したテーブルは、スポット補正テーブル格納部21Aに格納し、ステップ109に進む。
【0031】
ステップ109において、ホールドしていたジョブを解除し、更新したスポットカラー補正テーブルと初期プリンタプロファイルを該ジョブに適用し、印刷して処理を終了する。
【0032】
図11は、ステップ102におけるジョブチケット解析処理を詳細に説明するフローチャートである。
【0033】
ステップ110において、該ジョブデータ中のジョブチケットデータのみを取り出し、ステップ111へ進む。
【0034】
ステップ111において該ジョブチケットデータをジョブ解析部11Bで解析し、キャリブレーション設定内のスポットカラー補正フラグの値を確認する。フラグがONの場合は、補正色番号を抽出し、プロファイル格納部18Aにあるスポットカラー用ソースプロファイルを参照して、対応するデバイス非依存の色値を得て、ステップ112に進む。
【0035】
ステップ112において、補正したい色番号と対応するデバイス非依存の色値を、目標色格納部16に保持させ、処理を終了する。
【0036】
図12は、ステップ103におけるカラーパッチデータ作成処理を詳細に説明するフローチャートである。
【0037】
ステップ120において、目標色格納部16に格納された目標色を (L1,a1,b1) とし、それを取り出す。ただし、
0≦L1≦100, -128≦a1≦128, -128≦b1≦128
とする。続いてステップ121に進む。
【0038】
ステップ121において、プロファイルのルックアップテーブルのグリッド数から1を減算した値を n とする。例えばグリッド数が33であれば n = 32 である。
【0039】
i = L1/100 * n
j = (a1+128)/256 * n
k = (b1+128)/256 * n
(小数点以下切捨て)
上記式によりLab色空間グリッドのインデックス i, j, k を求める。0≦i, j, k≦n
ステップ122において、初期プリンタプロファイルの BToA1Tag の3次元ルックアップテーブルから
(i, j, k) (i, j, k+1) (i, j+1, k) (i, j+1, k+1)
(i+1, j, k) (i+1, j, k+1) (i+1, j+1, k) (i+1, j+1, k+1)
上記のインデックスで示される8点グリッドのデータをカラーパッチデータとし、順に P11, P12, P13, P14, P15, P16, P17, P18 とする。これで処理を終了する。
【0040】
ここで、ステップ107におけるデバイス色の推定処理例を詳細に説明する。
上記8点のカラーパッチ P11〜P18 のデバイス色パッチデータをそれぞれ(C11,M11,Y11,K11)〜(C18,M18,Y18,K18)とし、カラーチャート測色値をそれぞれ(L11,a11,b11)〜(L18,a18,b18)とする。またP21〜P27は、デバイス色推定値P2を求めるための中間データとする。
【0041】
(P11,P12からP21を求める)
L21 = (L12-L11)*(b1-b11)/(b12-b11) + L11
a21 = (a12-a11)*(b1-b11)/(b12-b11) + a11
C21 = (C12-C11)*(b1-b11)/(b12-b11) + C11
M21 = (M12-M11)*(b1-b11)/(b12-b11) + M11
Y21 = (Y12-Y11)*(b1-b11)/(b12-b11) + Y11
K21 = (K12-K11)*(b1-b11)/(b12-b11) + K11
(P13,P14からP22を求める)
L22 = (L14-L13)*(b1-b13)/(b14-b13) + L13
a22 = (a14-a13)*(b1-b13)/(b14-b13) + a13
C22 = (C14-C13)*(b1-b13)/(b14-b13) + C13
M22 = (M14-M13)*(b1-b13)/(b14-b13) + M13
Y22 = (Y14-Y13)*(b1-b13)/(b14-b13) + Y13
K22 = (K14-K13)*(b1-b13)/(b14-b13) + K13
(P21,P22からP23を求める)
L23 = (L22-L21)*(a1-a21)/(a22-a21) + L21
C23 = (C22-C21)*(a1-a21)/(a22-a21) + C21
M23 = (M22-M21)*(a1-a21)/(a22-a21) + M21
Y23 = (Y22-Y21)*(a1-a21)/(a22-a21) + Y21
K23 = (K22-K21)*(a1-a21)/(a22-a21) + K21
(P15,P16からP24を求める)
L24 = (L16-L15)*(b1-b15)/(b16-b15) + L15
a24 = (a16-a15)*(b1-b15)/(b16-b15) + a15
C24 = (C16-C15)*(b1-b15)/(b16-b15) + C15
M24 = (M16-M15)*(b1-b15)/(b16-b15) + M15
Y24 = (Y16-Y15)*(b1-b15)/(b16-b15) + Y15
K24 = (K16-K15)*(b1-b15)/(b16-b15) + K15
(P17,P18からP25を求める)
L25 = (L18-L17)*(b1-b17)/(b18-b17) + L17
a25 = (a18-a17)*(b1-b17)/(b18-b17) + a17
C25 = (C18-C17)*(b1-b17)/(b18-b17) + C17
M25 = (M18-M17)*(b1-b17)/(b18-b17) + M17
Y25 = (Y18-Y17)*(b1-b17)/(b18-b17) + Y17
K25 = (K18-K17)*(b1-b17)/(b18-b17) + K17
(P24,P25からP26を求める)
L26 = (L25-L24)*(a1-a24)/(a25-a24) + L24
C26 = (C25-C24)*(a1-a24)/(a25-a24) + C24
M26 = (M25-M24)*(a1-a24)/(a25-a24) + M24
Y26 = (Y25-Y24)*(a1-a24)/(a25-a24) + Y24
K26 = (K25-K24)*(a1-a24)/(a25-a24) + K24
(P23,P26からP27を求める)
C27 = (C26-C23)*(L1-L23)/(L26-L23) + C23
M27 = (M26-M23)*(L1-L23)/(L26-L23) + M23
Y27 = (Y26-Y23)*(L1-L23)/(L26-L23) + Y23
K27 = (K26-K23)*(L1-L23)/(L26-L23) + K23
(C27,M27,Y27,K27)が推定されたデバイス色(C2,M2,Y2,K2)である。
【0042】
図13は、ステップ109におけるジョブの印刷再開処理の詳細を説明するフローチャートである。
【0043】
ステップ130で、ジョブ管理部11Aにホールドしてあったジョブファイルの処理を再開する。
【0044】
ステップ131において、PDLインタプリタ部12でジョブファイルのデータを解析して、中間データを生成して、ステップ132に進む。
【0045】
ステップ132で、ステップ131で生成された中間データを中間データ格納部13に格納し、ステップ133へ進む。
【0046】
ステップ133において、中間データ格納部13に格納された中間データに対して、カラーマネージメント処理部18において、スポットカラー補正テーブルを使用して、入力データに対してカラーマッチング及びキャリブレーション処理を行うフローを適用してステップ134に進む。
【0047】
ステップ134において、ステップ133の中間データを、レンダリング部14でビットマップイメージデータに展開してステップ135に進む。
【0048】
ステップ135において、前記展開されたビットマップイメージデータをプリンタエンジン2に転送し、ステップ136に進む。
【0049】
ステップ136において、Info_media情報に基づいて用紙を選択してステップ137に進む。
【0050】
ステップ137で、前記選択された用紙に印刷し、処理を終了する。
【0051】
図14は、ステップ133のスポットカラー補正テーブルを用いた補正処理の詳細を示すフローチャートである。
【0052】
ステップ140において、目標色の色番号が目標格納部16から取り出される。
【0053】
ステップ141において、スポットカラー用ソースプロファイルから、入力した色番号に対応した目標色 (L1,a1,b1)を得て、ステップ142に進む。
【0054】
ステップ142において、 プロファイル格納部18Aにある初期プリンタプロファイルより目標色 (L1,a1,b1)に対応するデバイス依存のデバイス色を得る。その結果を (C1,M1,K1,Y1) とする。また、スポットカラー補正テーブル格納部21Aにあるスポットカラー補正テーブルより、初期プリンタプロファイル作成時のデバイス色と現在の状態でのデバイス色との差分値(C2-C1, M2-M1, Y2-Y1, K2-K1)を得る。
【0055】
ステップ143において、初期プロファイルの3次元ルックアップテーブルのグリッドでLab色空間上において目標色 (L1,a1,b1) を囲む上述の P11〜P18 の8点に対して、(C2-C1, M2-M1, Y2-Y1, K2-K1) を加算して、ステップ144に進む。
【0056】
ステップ144で、カラーマネージメント処理部18にてカラーマッチングを行い、処理を終了する。
【0057】
(他の実施例)
本実施例では、出力パッチの読み取り手段として、カラーセンサ(RGB)を例として挙げているが、色度を測定可能な測色計を代用することも可能である。
また本実施例では、1つのサイトによる処理を挙げているが、カラーセンサのように自動的に測色する測色機を利用することにより、WAN等の大規模ネットワークで結ばれた複数のサイトで構成されるネットワーク上においてリモート処理を行うことも可能である。
【0058】
また本実施例では、目標色を色票の色番号によって指定する例を挙げているが、デバイス非依存の色値をインデックスとしたスポットカラー補正テーブルへの拡張も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施例によるネットワークシステムの構成を示す図である。
【図2】フロントエンドサーバ1、プリンタエンジン2の構成を示す図である。
【図3】カラーマネージメント処理のフロー図である。
【図4】スポット補正テーブルの一例である。
【図5】本発明の一実施例を説明するLab色空間の模式図である。
【図6】本発明において使用されるカラーセンサの一例である。
【図7】ジョブデータの内部構成を示す図である。
【図8】ジョブチケットデータの内部構成を示す図である。
【図9】ジョブチケットデータ内のスポットカラー補正に関する設定を示す図である。
【図10】本発明のメイン処理のフローチャートである。
【図11】ステップ102でジョブチケットを解析する処理の詳細を示すフローチャートである。
【図12】ステップ103でのカラーパッチデータ作成処理の詳細を示すフローチャートである。
【図13】ステップ109でのジョブのホールドを解除する処理の詳細を示すフローチャートである。
【図14】ステップ133でのスポットカラー補正テーブルによるCMS処理の詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
10 ネットワークI/F部
11 ジョブ制御部
11A ジョブ管理部
11B ジョブ解析部
12 PDLインタプリタ部
13 中間データ格納部
14 レンダリング部
15 (フロントエンドサーバ1)通信I/F部
16 目標値格納部
17 カラーパッチ生成部
17A カラーパッチデータ格納部
18 カラーマネージメント処理部
18A プロファイル格納部
18B キャリブレーション一次元LUT
19 デバイス色パッチデータ格納部
20 デバイス色推定部
20A デバイス色格納部
21 スポットカラー補正テーブル調整部
21A スポットカラー補正テーブル格納部
22 測色値格納部
23 (プリンタエンジン2)通信I/F部
24 出力部
25 カラーセンサ制御部
26 カラーセンサ
27 (プリンタエンジン2)測色値格納部
28 カラーセンサ
28A 発光素子
28B 受光素子
28C ホルダー
29 転写ベルト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタプロファイルを使ったカラーマッチングによりプリンタにカラー画像を出力させるシステムにおいて、
ジョブチケットデータにスポットカラー補正設定情報を持たせる手段と、
ジョブを一旦ホールドし、上記ジョブチケットデータ中のスポットカラー補正設定情報を解析する手段と、
上記スポットカラー設定情報に記載された目標値を実現するためにスポットカラー補正処理を行う手段と、
上記スポットカラー補正処理の結果からスポットカラー補正テーブルを作成する手段と、
上記ホールドされていたジョブを解除し、上記スポットカラー補正テーブルを前記ジョブに適用し出力する手段と
を有することを特徴とするスポットカラー補正方法。
【請求項2】
前記スポットカラー補正設定情報として、スポットカラー補正フラグ情報と補正したい色の識別子を記載することを特徴とする請求項1記載のスポットカラー補正方法。
【請求項3】
前記スポットカラー補正処理は、
上記ジョブチケットデータに記載された目標色に応じたデバイス非依存色空間のカラーパッチデータを生成する手段と、
上記カラーパッチデータをプリンタデバイス依存色空間のチャートであるデバイス色パッチデータに変換する手段と、
上記デバイス色パッチデータをプリンタから出力しデバイス色パッチチャートを生成する手段と、
上記デバイス色パッチチャートを自動もしくは手動で測色する測色手段と、
上記測色結果に基づき目標値を実現するためのデバイス色を推定する手段とを有することを特徴とする請求項1記載のスポットカラー補正方法。
【請求項4】
前記スポットカラー補正テーブルは上記目標色に対応して上記プリンタプロファイルとの差分値を保持させることを特徴とする請求項1記載のスポットカラー補正方法。
【請求項5】
前記デバイス色パッチチャートは、8点のC、M、Y、K混色の多次色パッチチャートであることを特徴とする請求項3記載のスポットカラー補正処理。
【請求項6】
前記測色手段は、RGB出力のカラーセンサもしくは測色計、もしくは濃度計であることを特徴とする請求項3記載のスポットカラー補正処理。
【請求項7】
上記ホールドしていたジョブを解除後、出力作業においては上記目標色に対応する上記プリンタプロファイルとの差分値を上記スポットカラー補正テーブルから参照し、デバイス非依存色空間において目標色を内包するルックアップテーブルのグリッド8点に対して該差分値を加算することによって補正を行い、ジョブに適用することを特徴とする請求項1記載のスポットカラー補正方法。
【請求項1】
プリンタプロファイルを使ったカラーマッチングによりプリンタにカラー画像を出力させるシステムにおいて、
ジョブチケットデータにスポットカラー補正設定情報を持たせる手段と、
ジョブを一旦ホールドし、上記ジョブチケットデータ中のスポットカラー補正設定情報を解析する手段と、
上記スポットカラー設定情報に記載された目標値を実現するためにスポットカラー補正処理を行う手段と、
上記スポットカラー補正処理の結果からスポットカラー補正テーブルを作成する手段と、
上記ホールドされていたジョブを解除し、上記スポットカラー補正テーブルを前記ジョブに適用し出力する手段と
を有することを特徴とするスポットカラー補正方法。
【請求項2】
前記スポットカラー補正設定情報として、スポットカラー補正フラグ情報と補正したい色の識別子を記載することを特徴とする請求項1記載のスポットカラー補正方法。
【請求項3】
前記スポットカラー補正処理は、
上記ジョブチケットデータに記載された目標色に応じたデバイス非依存色空間のカラーパッチデータを生成する手段と、
上記カラーパッチデータをプリンタデバイス依存色空間のチャートであるデバイス色パッチデータに変換する手段と、
上記デバイス色パッチデータをプリンタから出力しデバイス色パッチチャートを生成する手段と、
上記デバイス色パッチチャートを自動もしくは手動で測色する測色手段と、
上記測色結果に基づき目標値を実現するためのデバイス色を推定する手段とを有することを特徴とする請求項1記載のスポットカラー補正方法。
【請求項4】
前記スポットカラー補正テーブルは上記目標色に対応して上記プリンタプロファイルとの差分値を保持させることを特徴とする請求項1記載のスポットカラー補正方法。
【請求項5】
前記デバイス色パッチチャートは、8点のC、M、Y、K混色の多次色パッチチャートであることを特徴とする請求項3記載のスポットカラー補正処理。
【請求項6】
前記測色手段は、RGB出力のカラーセンサもしくは測色計、もしくは濃度計であることを特徴とする請求項3記載のスポットカラー補正処理。
【請求項7】
上記ホールドしていたジョブを解除後、出力作業においては上記目標色に対応する上記プリンタプロファイルとの差分値を上記スポットカラー補正テーブルから参照し、デバイス非依存色空間において目標色を内包するルックアップテーブルのグリッド8点に対して該差分値を加算することによって補正を行い、ジョブに適用することを特徴とする請求項1記載のスポットカラー補正方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−301351(P2008−301351A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−146974(P2007−146974)
【出願日】平成19年6月1日(2007.6.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月1日(2007.6.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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