説明

スマートスタートシステム

【課題】 天井全閉状態及び天井全開状態のいずれにおいても車室内に適切な照合エリアを形成することができるスマートスタートシステムを提供する。
【解決手段】 金属製の車両天井部の全体又はその一部が開閉可能な天井開閉部11として設けられた車両10に搭載されるスマートスタートシステム1であって、IDコード要求手段が電波出力するIDコード要求信号の出力レベルを、開閉状態検出部202により、天井開閉部11の全閉状態が検出されている場合には第一の出力レベルに切り替える一方で、天井開閉部11の全開状態が検出されている場合には第一の出力レベルよりも出力レベルが小さい第二の出力レベルに切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートスタートシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2007−146501号公報
【0003】
今日自動車にいわゆるスマートキーシステムが装備することが普及してきている。スマートキーシステムには、使用者あるいは運転者が車外から車両に近づく際に使用者が持つ携帯機(スマートキー、電子キー)と車両に搭載された通信機器との間で自動的に信号の送受信を行って、携帯機がその車両のための携帯機であるかを照合し、照合の結果が肯定的な場合、使用者が車両のドアに触れるとセンサで検知し自動的にロック解除(アンロック)するスマートエントリーシステムがある(特許文献1)。
【0004】
また、スマートスタートシステムと称されるシステムもあり、それは車室内に形成される照合エリア内に携帯機がある場合に、その携帯機と通信機器との間で照合が行われ、照合結果が肯定的ならばエンジン始動用のスイッチを押すことでエンジンを始動できるシステムである。一般にスマートキーシステムは、こうした複数の機能が複合されたシステムである。
【0005】
一方で、近年の車両の中には、車両天井部がない状態、即ち車両上方を外部に開放したまま走行することができる車両(オープンカー)が存在する。最近では、金属製の車両天井部を自動開閉する機構が搭載されたものもある。そして、最近では、こうした車両天井部の開閉が自在に行えるオープンカーにもスマートスタートシステムを搭載する技術も開発されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ただし、車両にスマートスタートシステムを搭載する場合は、車室内にその車両固有のIDコードを記憶した携帯機が存在しているときにのみ照合処理が行われるシステムでなければならず、照合エリアが車外遠方にまで広がることがあってはならない。ところが、車両天井部の開閉が自在に行えるオープンカーにおいて、開閉部となる車両天井部が電波遮蔽部材をなす金属製で構成されていることがある。この場合、開閉部の全閉状態において、車室内全域に照合エリアが形成されるように電波出力レベルを設定すると、開閉部が全開状態となった場合には、車両上方の電波遮蔽部材がなくなって、そこから漏れる電波により照合エリアが車外遠方にまで広がってしまう可能性がある。
【0007】
本発明の課題は、天井全閉状態及び天井全開状態のいずれにおいても車室内に適切な照合エリアを形成することができるスマートスタートシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0008】
上記課題を達成するために、本発明のスマートスタートシステムは、
少なくとも車室内上部に形成される金属製の車両天井部の全体又はその一部が開閉可能な天井開閉部として設けられた車両に搭載されるスマートスタートシステムであって、携帯型通信機が記憶する車両固有のIDコードの送信を該携帯型通信機に対し要求するためのIDコード要求信号を電波出力するIDコード要求手段と、IDコード要求信号に基づいて携帯型通信機から送信されるIDコードを受信するIDコード受信手段と、受信したIDコードと所定記憶部に記憶されたマスターコードとを照合する照合手段と、その照合結果に基づいてエンジン始動を許可するエンジン始動許可手段とを備え、さらに、
天井開閉部の開閉状態を検出する開閉状態検出手段と、
IDコード要求手段が電波出力するIDコード要求信号の出力レベルを、開閉状態検出手段により、天井開閉部の全閉状態が検出されている場合には第一の出力レベルに切り替える一方で、天井開閉部の全開状態が検出されている場合には第一の出力レベルよりも出力レベルが小さい第二の出力レベルに切り替える出力レベル可変手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
上記本発明の構成によると、IDコード要求信号の送信電波が車外に漏れやすい天井開閉部の全開状態には、その出力レベルを減じて車外への電波漏れを抑制することができる。他方、IDコード要求信号の送信電波が車外に漏れにくい天井開閉部の全閉状態には、その出力レベルを増して、車外への電波漏れを抑制しつつも車室内にて送信電波をより受信しやすい環境を形成することができる。即ち、車室内に送信電波を受信できないデッドエリアができるだけ少ない環境を形成することができる。これにより、開閉状態に応じた適切な照合エリアを形成することが可能となる。
【0010】
IDコード要求手段は、IDコード要求信号を電波出力する送信アンテナとして、出力レベルが第一の出力レベルとされた第一の送信アンテナと、出力レベルが第二の出力レベルとされた第二の送信アンテナとをそれぞれ別に備えて構成することができる。この場合の出力レベル可変手段は、IDコード要求信号を電波出力する送信アンテナを、開閉状態検出手段により、天井開閉部の全閉状態が検出されている場合には第一の送信アンテナに切り替え、天井開閉部の全開状態が検出されている場合には第二の送信アンテナに切り替えるように構成できる。この構成によると、出力レベルを異にする2つのアンテナの切り替えにより、天井開閉部の全開状態と全閉状態とにおける照合エリアの切り替え(照合エリアの拡大・縮小)を容易に実現できる。
【0011】
一方で、IDコード要求手段は、IDコード要求信号を電波出力する送信アンテナとして、第一の送信アンテナと、第一の送信アンテナよりも弱い出力レベルにて電波出力する第二の送信アンテナとを一つの送信アンテナとして兼用する形で構成することもできる。この構成によると、アンテナが一つだけなので部品点数が減じられ、組み付け工数に利点が得られるし、車両内の配置スペースも狭くてよい。
【0012】
このように、第一と第二の送信アンテナを一つの送信アンテナで実現する構成において、出力レベル可変手段は、開閉状態検出手段により、天井開閉部の全閉状態が検出されている場合には第一レベルの駆動電圧により送信アンテナを駆動し、天井開閉部の全開状態が検出されている場合には第一レベルよりも低い第二レベルの駆動電圧により送信アンテナを駆動するよう駆動電圧を切り替えるものとして構成することができる。この構成によると、1つの送信アンテナに対する駆動電圧の切り替えにより、その出力レベルを第一の出力レベルと第二の出力レベルとの双方に切り替えることができる。つまり、送信アンテナに対する駆動電圧の切り替えだけで、天井開閉部の全開状態と全閉状態とにおける照合エリア(照合エリアの拡大・縮小)の切り替えを容易に実現することができる。
【0013】
具体的には、この場合の出力レベル可変手段は、開閉状態検出手段により、天井開閉部の全閉状態が検出された場合には、送信アンテナに駆動電圧を供給するための通電ラインに対し第一レベルの駆動電圧を供給する第一の電源供給ラインを接続し、天井開閉部の全開状態が検出された場合には、送信アンテナに駆動電圧を供給するための通電ラインに対し第二レベルの駆動電圧を供給する第二の電源供給ラインを接続するよう接続切り替えを行うものとして構成することができる。この構成によれば、送信アンテナの駆動電圧の供給源を切り替えるようにスイッチング素子等を配置するだけで、車両天井部の全開状態と全閉状態とにおける照合エリア(照合エリアの拡大・縮小)の切り替えを容易かつ安価に実現できる。
【0014】
また、同じく第一と第二の送信アンテナを一つの送信アンテナで実現する構成において、IDコード要求手段は、IDコード要求信号を電波出力する送信アンテナとして、LCR直列共振回路と等価な電気的構成を有し、かつその電気的構成における抵抗成分Rが、並列接続された第一の抵抗成分R1と、該第一の抵抗成分R1よりも高抵抗の第二の抵抗成分R2との間で切り替え可能に構成することができる。そして、この場合の出力レベル可変手段は、天井開閉部の全閉状態が検出された場合には抵抗成分Rが第一の抵抗成分R1となるように切り替え、天井開閉部の全開状態が検出された場合には抵抗成分Rを第二の抵抗成分R2に切り替えるものとして構成できる。この構成によれば、接続する抵抗成分を切り替えるようにスイッチング素子等を配置し、その切り替え制御により、送信アンテナの出力レベルを第一の出力レベルと第二の出力レベルとの双方に切り替えることができる。従って、天井開閉部の全開状態と全閉状態とにおける照合エリア(照合エリアの拡大・縮小)の切り替えを容易に実現することができる。
【0015】
ところで、本発明のスマートスタートシステムにおいて、出力レベル可変手段は、IDコード要求手段が電波出力するIDコード要求信号の出力レベルを、天井開閉部の開度が大きいほど小さくなるよう、開閉状態検出手段により検出される該天井開閉部の開閉状態に基づいて可変するように構成することができる。天井開閉部の開度が大きいほど、照合エリアを形成するための電波は車外に漏れやすくなるので、上記構成のように開度が大きいほど出力レベルを小さくするようにすれば、開閉途中の状態においても、照合エリアが車外遠方に広がることを防ぐことができる。
【0016】
また、本発明のスマートスタートシステムにおいて、出力レベル可変手段は、IDコード要求手段が電波出力するIDコード要求信号の出力レベルを、開閉状態検出手段により、天井開閉部が全閉状態と全開状態のいずれにも属さない開閉途中状態として検出されている場合には、少なくとも前記第一の出力レベルよりも小さい出力レベルに切り替えるように構成することもできる。天井開閉部の開度が大きいほど、照合エリアを形成するための電波は車外に漏れやすくなるので、上記構成のように、全閉状態以外の状態(全開状態と開閉途中状態)において、出力レベルを減じるようにすれば、開閉途中の状態においても、照合エリアが車外遠方に広がることを防ぐことができる。また、開閉途中状態として検出されている場合に第二の出力レベルに切り替えるように構成することもできる。この場合、2つの出力レベルの切り替えのみとなるから、構成もよりシンプルなものとできる。
【0017】
なお、本発明のスマートスタートシステムの適用対象車両は、比較的高い電波遮蔽効果を有する車両天井部の全体又はその一部が開閉可能に設けられ、その全開状態と全閉状態とのそれぞれの状態において形成される照合エリアが異なる車両であればよく、具体的には、車室内が外部に開放されるようアルミ等の金属製の車両天井部が開閉可能とされたオープンカー等に適用できる。さらに具体的に言うならば、車両天井部の全体が天井開閉部とされ、当該天井開閉部が、車両後部の収容部に収容される全開状態から車両上部を被う全閉状態にかけて電動開閉駆動が可能な電動開閉式メタルトップ部として形成された車両に対し適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明のスマートスタートシステムを適用可能な車両の一例を示すものであり、図2は、本発明に係るスマートスタートシステム全体の電気的構成を示すブロック図であり、図3は、本発明に係るスマートスタートシステムの主要構成部分を示す模式図である。
【0019】
なお、本発明のスマートスタートシステムの適用対象車両は、比較的高い電波遮蔽効果を有する材料からなる車室内上部(車両天井部)の全体又はその一部が、車室内の電磁波を車外により拡散可能となるよう開閉可能な天井開閉部として設けられ、当該天井開閉部の開度によって形成される照合エリアが異なるような車両である。そうした車両としては、例えば、一定レベルの電波出力により形成される照合エリアを形成した場合に、金属製の天井開閉部を全閉状態から全開状態とすることで照合エリアが拡大し、逆に全開状態から全閉状態とすることで照合エリアが縮小するような車両を挙げることができる。具体的に言えば、車両天井部の全体又はその一部が着脱可能に構成される車両や、天井開閉部11が全開状態と全閉状態との間で開閉往復移動可能に構成される車両等である。
【0020】
図1の車両10は、本発明のスマートスタートシステムの適用対象車両であり、アルミ等の金属製の天井開閉部11を有するとともに、その天井開閉部11の全体が、車両後部12に収容された全開状態(図1(a)の状態)と、車室内を密閉可能とできる所定の全閉状態(図1の(b)の状態)との間で電動開閉移動が可能に設けられた天井開閉部とされている。即ち、車両10は、天井開閉部11の全体が電動開閉式のメタルトップ部として構成されている。
【0021】
図2に示す本発明のスマートスタートシステム1は、本発明の適用対象となる車両10に搭載される照合用のECU(以下、スマートECUという)100と、携帯型通信機(本実施形態においてはスマートキーシステムを構成するスマートキー)20と、天井開閉部(本実施形態においてはリアガラス部を含む車両天井部及び全体)11の開閉駆動を制御するECU(以下、メタルトップ開閉制御ECUという)200と、を主として構成されている。
【0022】
スマートECU100は、その主要構造として、演算・信号処理をおこなうCPU、その作業領域のRAM、記憶手段であるROMを備え、それらがバスで連結された周知の構成を有する。また、スマートECU100は、外部の記憶装置101にも接続されており、本実施形態においては、この記憶装置101に車両10に対応する照合用のマスターコード(マスターID)や、後述するような各種プログラムが格納されている。また、スマートECU100は、送信部110及び受信部120にも接続している。
【0023】
送信部110は、送信用アンテナであるLFアンテナ111,112を有して構成されており、LFアンテナ111,112から照合作業のための信号をLF(長波)帯域の電磁波で携帯機20へ送信するものである。本実施形態の送信用アンテナは、車両10の両前席(運転席と助手席)の間で、センターコンソールにより隠される形で配置されている。他方、受信部120は、受信用アンテナ121であるRFアンテナを有して構成されており、携帯機20から送信される信号を受信するものである。このようにして、スマートECU100と携帯機20との間では、送信用アンテナ111,112、受信用アンテナ21を介した信号の送受信がなされ、これにより照合が行われる。
【0024】
また、スマートECU100は、エンジン始動スイッチであるイグニッションスイッチON/OFF情報を取得可能に構成されている。本実施形態のスマートECU100は、イグニッションスイッチ301が接続されるエンジンECU300に対し、車両内LAN50を介して(経由して)接続して構成され、エンジンECU300からイグニッションON/OFF情報を取得するようになっている。なお、エンジンECU300は、エンジンに関する各種制御を行うものであり、他の車載ECUと同様、CPU、ROM、RAM等を備える周知の構成を有している。
【0025】
メタルトップ開閉制御ECU200は、スマートECU100と同様、その主要構造として、演算・信号処理をおこなうCPU、その作業領域のRAM、記憶手段であるROMを備え、それらがバスで連結された周知の構成を有する。そして、メタルトップ開閉制御ECU200は、車室内に設けられた天井開閉部11を電動開閉させるための開閉操作部(開閉スイッチ)201と、天井開閉部11の開閉状態を検出する開閉状態検出部202と、天井開閉部11を所定の全開状態から全閉状態、全閉状態から全開状態へ電動駆動する駆動モータ204Mの駆動回路204と接続する。
【0026】
なお、本実施形態における開閉状態検出部202は、図3に示すように、メタルトップ開閉検出スイッチとして構成されており、天井開閉部11が全閉状態にある場合にスイッチOFF状態となり、天井開閉部11が全閉状態とは異なる状態(全開状態及び開閉途中状態)にある場合にスイッチOFF状態となり、それぞれの状態で異なるレベル信号を出力する。このON/OFFの切り替えにより、メタルトップ開閉制御ECU200は、天井開閉部11の開閉状態を認識することができる。
【0027】
携帯型通信機20は、対応する車両10に固有のIDコードを記憶する周知のスマートスタートシステムの携帯機(スマートキー)と同様の構成を有しており、車両側から送信されるIDコード要求信号を受信する受信部21と、該IDコード要求信号の受信に伴い記憶しているIDコードを返信する。
【0028】
ところで、本発明のスマートスタートシステムは、周知のスマートシステムと同様、送信部110が、携帯型通信機20が記憶する車両固有のIDコードの送信を該携帯型通信機20に対し要求するIDコード要求信号を電波出力するIDコード要求手段として機能し、受信部120が、IDコード要求信号に基づいて携帯型通信機から送信されるIDコードを受信するIDコード受信手段として機能する。そして、スマートECU100が、受信したIDコードと外部記憶装置101に記憶されたマスターコード(マスターID)とを照合する照合手段として機能し、さらには、その照合結果に基づいてエンジンECU300に対しエンジン始動を許可するエンジン始動許可手段として機能するように構成されている。
【0029】
ただし、本発明のスマートスタートシステムにおいては、送信部110が電波出力するIDコード要求信号の出力レベルを、天井開閉部11の全閉状態が検出されている場合よりも天井開閉部11の全開状態が検出されている場合の方が小さくなるよう構成されている。これにより、IDコード要求信号の送信電波が車外に漏れやすい天井開閉部11の全開状態には、その出力レベルを減じて車外への電波漏れを抑制することができ、他方、IDコード要求信号の送信電波が車外に漏れにくい天井開閉部11の全閉状態には、その出力レベルを増して、車外への電波漏れを抑制しつつも車室内により送信電波を受信しやすい環境を形成することができる。
【0030】
図3には、携帯型通信機20によるIDコード要求信号の受信可能エリア(照合エリア)が示されている。図3の(a)は、天井開閉部11が全閉状態にある場合の受信可能エリア(照合エリア)が示されており、当該受信可能エリアは車室内にのみ形成されている。さらに言えば、車室内全体にわたってIDコード要求信号の送信電波が行き届くような受信可能エリアが形成されている。図3の(c)は、図3の(a)の出力レベルを維持した状態で天井開閉部11を全開状態にした時の受信可能エリア(照合エリア)が示されており、電波遮蔽体をなす天井開閉部11が無くなったことで、IDコード要求信号の送信電波は車外遠方にも行き届くようになっている。このような状態を回避するために、本発明においては、図3(b)に示すように、天井開閉部11が全開状態にある場合には、IDコード要求信号の出力レベルを全閉状態よりも減じるようにして、IDコード要求信号の送信電波が車外遠方に達することが無いよう、車室内にのみ受信可能エリア(照合エリア)を形成するようにした。
【0031】
なお、図3に示す受信可能エリア(照合エリア)は、あくまで説明のためのイメージ図であり、実際の受信可能エリアは必ずしも図3のように形成される必要はない。天井開閉部11が全閉状態にある場合には、車外への電波漏れが生じないよう、図3の(a)のような受信可能エリア(照合エリア)が形成されることが望ましいが、実際にはサイドガラスやフロントガラス側から多少の電波漏れが生じ、受信可能エリア(照合エリア)はわずかではあるが車外にも形成されている。このため、本発明において、車室内にのみ受信可能エリアを形成するとは、そうした若干の電波漏れの存在を含むものである。他方、図3(b)に示す受信可能エリア(照合エリア)は、図3の(a)よりも狭く形成されるようになっているが、本発明の観点からすれば必ずしもそうなる必要は無く、図3(c)に比較して受信可能エリアが狭くなっていれさえすればよく、例えば、天井開閉部11が全閉状態にある図3(a)と天井開閉部11が全開状態にある図3(b)の双方の受信可能エリア(照合エリア)が同じように形成されていてもよい。これらは、後述する図7においても同様である。
【0032】
本実施形態においては、図3に示すように、送信部110は、IDコード要求信号を電波出力する送信アンテナとして、出力レベルが第一の出力レベルとされた第一の送信アンテナ111と、出力レベルが第一の送信アンテナ111よりも弱い第二の出力レベルとされた電波出力する第二の送信アンテナ112とをそれぞれ別に備えており、スマートECU100は、全閉状態が検出された場合には第一の送信アンテナに切り替え、全開状態が検出された場合には第二の送信アンテナに切り替える出力レベル可変手段として機能する。
【0033】
また、本実施形態の送信部110は、図4に示すように、LCR直列共振回路と等価な電気的構成を有してなる送信アンテナ111,112をそれぞれ別に備えるとともに、それらを駆動する駆動回路115との間にアンテナ出力切替部117を有して構成されている。具体的に言えば、LCR直列共振回路と等価な電気的構成部分における抵抗成分Rが、送信アンテナ111では、第一の抵抗成分R1とされる一方で、送信アンテナ112では、第一の抵抗成分R1よりも高抵抗の第二の抵抗成分R2とされている(R1<R2)。これにより、送信アンテナ111からは第一の出力レベルで電波出力がなされ、送信アンテナ112からは第一の出力レベルよりも小さい第二の出力レベルで電波出力がなされる。
【0034】
また、図4に示すように、アンテナ出力切替部117は、アンテナ電源出力部116から供給されるアンテナ駆動電圧Vの供給先を、送信アンテナ111と送信アンテナ112との間で切り替えるものであり、スマートECU100からの切替制御信号に基づいて切替を実行する。スマートECU100は、メタルトップ開閉制御ECU200から天井開閉部11の開閉状態を取得して、取得した開閉状態に応じた切替制御信号をアンテナ出力切替部117に出力する。具体的に言えば、天井開閉部11が全閉状態であれば送信アンテナ111と接続し、天井開閉部11が全開状態であれば送信アンテナ112と接続するよう、アンテナ出力切替部117に切替制御信号を出力する。
【0035】
なお、本実施形態に関して言えば、天井開閉部11が全閉状態よりも開度の小さい開閉途中状態にある場合も、全閉状態が検出されている場合よりも出力レベルが小さくなるようになっている。具体的に言えば、開閉途中状態が検出されている場合には、上記第二の出力レベルにてIDコード要求信号が電波出力されるよう、第二の送信アンテナに切り替えられるようになっている。
【0036】
ここで、本実施形態のスマートスタートシステム1におけるエンジン始動制御の流れを、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0037】
図5のエンジン始動制御は、イグニッションスイッチ301をONとする操作入力をトリガーとして、スマートECU100の所定記憶部に記憶されたプログラムを同じくスマートECU100のCPUが実行する形で開始される。イグニッションスイッチ301がONとされた場合には、まず、S1にて、スマートECU100は、車室内照合信号としてIDコード要求信号を送信部110から送信する。
【0038】
具体的に言えば、S1では、天井開閉部11の開閉状態に応じた出力レベルに切り替える形で、送信部110の送信アンテナからIDコード要求信号を電波出力する(出力レベル可変手段)。具体的には、図6に示すような車室内照合信号発信制御を実行する。即ち、まずは、S11にて、天井開閉部11の開閉状態を判定する。具体的には、メタルトップ開閉制御部200との通信により、天井開閉部11の開閉状態検出部202の検出結果情報(開閉状態情報)を取得し、その取得結果を基に判定する。判定の結果、天井開閉部11が全閉状態と判定された場合には、S12にてIDコード要求信号を第一の出力レベルにて電波出力する。本実施形態においては、アンテナ出力切替部117を送信アンテナ111と接続するように切り替えて、該送信アンテナ111からIDコード要求信号を第一の出力レベルにて電波出力する。他方、天井開閉部11が全閉状態ではない判定された場合には、S13にてIDコード要求信号を第二の出力レベルにて電波出力する。本実施形態においては、アンテナ出力切替部117を送信アンテナ112と接続するように切り替えて、送信アンテナ112からIDコード要求信号を第二の出力レベルにて電波出力する。
【0039】
図4に戻る。スマートECU100は、S1にて、IDコード要求信号を電波出力すると、続くS2にて、携帯型通信機20側から無線送信されてくるIDコードの受信待機状態となる。S3にて、受信部120がIDコードを無線受信したと判定された場合にはS4に進むが、IDコードを無線受信したと判定されず、S8にてIDコード要求信号を電波出力してから所定時間が経過してもIDコードを無線受信できていない(タイムアウト)と判定された場合には、携帯型通信機が車室内に無いと判断し、例えば所定の警告報知処理(ブザー出力や音声案内等)を経て、本処理を終了する。なお、S8におけるタイムアウトの判定は、スマートECU100が、IDコード要求信号を電波出力するに伴い自身に設けられたタイマー(図示なし)を起動し、起動後から所定の閾時間が経過したか否かに基づいて判定を行う。
【0040】
S4では、無線受信したIDコードと、記憶装置101に記憶されているマスターコード(マスターID)とを比較・照合する(照合手段)。照合の結果、照合一致(つまり、認証受理)とされた場合には、S6にて、エンジン始動が許可され(エンジン始動許可手段)、続くS7にて、エンジンECU300がエンジン始動処理を開始する。他方、照合不一致(つまり、認証棄却)とされた場合には、エンジン始動が許可されない。即ち、照合不一致とされた場合には、イグニッションスイッチ301をONとする操作入力がなされているにもかかわらず、その操作入力が無効化される。この場合は、例えば所定の警告報知処理(ブザー出力や音声案内等)を経て、エンジン始動が開始されないまま本処理を終了する。
【0041】
なお、これらの処理が実行されることにより、スマートECU100は、本発明の照合手段、出力レベル可変手段、及びエンジン始動許可手段として機能する。さらに、スマートECU100は、送信部110とともにIDコード要求手段としても機能し、受信部120とともにIDコード受信手段としても機能する。
【0042】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0043】
例えば、図7に示すように、送信部110は、IDコード要求信号を電波出力する送信アンテナとして、第一の送信アンテナと、第一の送信アンテナよりも弱い出力レベルにて電波出力する第二の送信アンテナとを一つの送信アンテナ113として兼用して備え、その出力レベルを天井開閉部11の開閉状態に応じて切り替える形で設けることができる。
【0044】
具体的に言えば、図8に示すように、送信アンテナ113A(113)が、LCR直列共振回路と等価な電気的構成を有しており、かつその電気的構成における抵抗成分Rが、第一の抵抗成分R1と、該第一の抵抗成分R1よりも高抵抗の第二の抵抗成分R2とを並列接続した形で形成され(R1<R2)、スマートECU100が、天井開閉部11の開閉状態に応じて、使用する抵抗成分Rを、第一の抵抗成分R1と第二の抵抗成分R2との間で切り替える出力レベル可変手段として機能するように構成することができる。図8の場合、送信アンテナ113A(113)とその駆動回路115との間には、アンテナ出力切替部117Aをなすスイッチング素子が設けられており、スマートECU100は、天井開閉部11が全閉状態であれば第一の抵抗成分R1と接続し、天井開閉部11が全開状態であれば第二の抵抗成分R2と接続するよう、アンテナ出力切替部117Aに切替制御信号を出力する。
【0045】
また、第一と第二の送信アンテナを一つの送信アンテナ113で兼用する場合、スマートECU100は、天井開閉部11の開閉状態に応じて、兼用されるアンテナ113に供給される駆動電圧を、第一レベルの駆動電圧と、それよりも低い第二レベルの駆動電圧との間で切り替える出力レベル可変手段として機能するように構成することもできる。
【0046】
具体的に言えば、図9に示すように、送信アンテナ113B(113)に駆動電圧を供給するための通電ラインに対し、第一の電源供給ライン(アンテナ電源出力116A側)と、それよりも低電圧が供給される第二の電源供給ライン(アンテナ電源出力116B側)とを切替可能な形で接続するように構成できる。図9の場合は、アンテナ電源出力部として、アンテナ駆動電圧V1を出力する第一のアンテナ電源出力部116Aと、該アンテナ駆動電圧V1よりも高電圧のアンテナ駆動電圧V2を出力する第二のアンテナ電源出力部116Bとが設けられ(V1>V2)、さらに、それらアンテナ電源出力部116A,116Bと、送信アンテナ113B(113)との間にはアンテナ出力切替部117Bが設けられている。そして、スマートECU100は、天井開閉部11が全閉状態であれば送信アンテナ113B(113)を第一のアンテナ電源出力部116Aと接続し、天井開閉部11が全開状態であれば送信アンテナ113B(113)を第二のアンテナ電源出力部116Bと接続するよう、アンテナ出力切替部117Bに切替制御信号を出力する。
【0047】
なお、本発明のスマートスタートシステム1は、金属等の比較的高い電波遮蔽効果を有する材料からなる車両天井部の全体又はその一部が、車室内の電磁波を車外により拡散可能となるよう開閉可能な天井開閉部11として設けられ、車室内から一定の出力レベルにて電波出力を行った場合に形成される照合エリアが、該天井開閉部11の全開状態と全閉状態とのそれぞれの状態において異なるような車両に適用されるものである。そして、車室内から電波出力されるIDコード要求信号の出力レベルは、少なくとも、天井開閉部の全閉状態が検出されている場合には第一の出力レベルに切り替えられ、天井開閉部の全開状態が検出されている場合には第一の出力レベルよりも出力レベルが小さい第二の出力レベルに切り替えられるように構成されている。
【0048】
ただし、天井開閉部11が全閉状態と全開状態のいずれにも属さない開閉途中状態として検出されている場合には、少なくとも第一の出力レベルよりも小さい出力レベルに切り替えられるようにすることが望ましい。上記した実施形態においては、開閉途中状態が検出されている場合、全開状態が検出されている場合と同様、第二の出力レベルに切り替えられるように構成されているが、例えば、開閉途中状態が検出されている場合に出力レベルをゼロにする、即ちIDコード要求信号を出力しないようにしてもよい。ただし、この場合は開閉途中状態を検出可能な構成が必要となる。
【0049】
全閉状態と全開状態と開閉途中状態との3状態を検出可能な開閉状態検出手段を構成する場合は、例えば以下のような構成とすることができる。即ち、上記開閉状態検出部202と同様、天井開閉部11が全閉状態にある場合にスイッチOFF状態となり、天井開閉部11が全閉状態とは異なる状態(全開状態及び開閉途中状態)にある場合にスイッチON状態となる全閉状態検出部と、これとは逆に、天井開閉部11が全開状態にある場合にスイッチOFF状態となり、天井開閉部11が全開状態とは異なる状態(全閉状態及び開閉途中状態)にある場合にスイッチON状態となる全開状態検出部とを、メタルトップ開閉制御ECU200に接続する形で備えるように構成する。これにより、双方のスイッチ状態から、天井開閉部11が全閉状態とは異なる状態で、かつ全開状態とも異なる状態にある場合を開閉途中状態として検出できる。
【0050】
また、車室内から電波出力されるIDコード要求信号の出力レベルは、天井開閉部11の開度が大きいほど小さくなるよう、開閉状態検出手段により検出される該天井開閉部の開閉状態に基づいて可変するようにしてもよい。具体的に言えば、天井開閉部11を、全閉状態と全開状態との間で開閉往復動作可能に形成し、それら全閉状態と全開状態との間の予め定められた中間状態に達したことが検出された場合に、第一の出力レベルよりも小さく、かつ第二の出力レベルよりも大きい第三の出力レベルに切り替えられるように構成することができる。この場合は、開閉状態検出部202が、中間状態を検出可能に構成する必要がある。また、中間状態を複数設け、それら中間状態に達したことに基づいて、段階的に出力レベルを減じるようにしてもよい。
【0051】
また、より単純に、全閉状態と全開状態のいずれにも属さない開閉途中状態が検出している場合に、上記第三の出力レベルに切り替えられるように構成してもよい。開閉途中状態を検出する方法は、既に述べたような、全閉状態検出部と全開状態検出部とを用いる方法を例示できる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明のスマートスタートシステムを適用可能な車両の一例を示す車両側面図。
【図2】本発明に係るスマートスタートシステム全体の電気的構成を示すブロック図。
【図3】本発明に係るスマートスタートシステムの主要構成部分の第一実施形態を示す模式図。
【図4】送信部の構成例を示すブロック図。
【図5】エンジン始動制御の流れを示すフローチャート。
【図6】車室内照合信号発信制御の流れを示すフローチャート。
【図7】本発明に係るスマートスタートシステムの主要構成部分の第二実施形態を示す模式図。
【図8】図4とは異なる送信部の構成例を示すブロック図。
【図9】図4及び図8とは異なる送信部の構成例を示すブロック図。
【符号の説明】
【0053】
1 スマートスタートシステム
10 車両
11 天井開閉部(メタルトップ部)
20 携帯型通信機
100 スマートECU
110 送信部
111,112,113 送信用アンテナ
120 受信部
200 メタルトップ開閉制御ECU
202 開閉状態検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも車室内上部に形成される金属製の車両天井部の全体又はその一部が開閉可能な天井開閉部として設けられた車両に搭載されるスマートスタートシステムであって、携帯型通信機が記憶する車両固有のIDコードの送信を該携帯型通信機に対し要求するためのIDコード要求信号を電波出力するIDコード要求手段と、前記IDコード要求信号に基づいて前記携帯型通信機から送信されるIDコードを受信するIDコード受信手段と、受信した前記IDコードと所定記憶部に記憶されたマスターコードとを照合する照合手段と、その照合結果に基づいてエンジン始動を許可するエンジン始動許可手段とを備え、さらに、
前記天井開閉部の開閉状態を検出する開閉状態検出手段と、
前記IDコード要求手段が電波出力する前記IDコード要求信号の出力レベルを、前記開閉状態検出手段により、前記天井開閉部の全閉状態が検出されている場合には第一の出力レベルに切り替える一方で、前記天井開閉部の全開状態が検出されている場合には前記第一の出力レベルよりも出力レベルが小さい第二の出力レベルに切り替える前記出力レベル可変手段と、
を備えることを特徴とするスマートスタートシステム。
【請求項2】
前記IDコード要求手段は、前記IDコード要求信号を電波出力する送信アンテナとして、前記出力レベルが前記第一の出力レベルとされた第一の送信アンテナと、前記出力レベルが前記第二の出力レベルとされた第二の送信アンテナとをそれぞれ別に備え、
前記出力レベル可変手段は、前記IDコード要求信号を電波出力する送信アンテナを、前記開閉状態検出手段により、前記天井開閉部の全閉状態が検出されている場合には前記第一の送信アンテナに切り替え、前記天井開閉部の全開状態が検出されている場合には前記第二の送信アンテナに切り替える請求項1記載のスマートスタートシステム。
【請求項3】
IDコード要求手段は、IDコード要求信号を電波出力する送信アンテナとして、第一の送信アンテナと、第一の送信アンテナよりも弱い出力レベルにて電波出力する第二の送信アンテナとを一つの送信アンテナとして兼用して備える請求項1記載のスマートスタートシステム。
【請求項4】
前記出力レベル可変手段は、前記開閉状態検出手段により、前記天井開閉部の全閉状態が検出されている場合には第一レベルの駆動電圧により前記送信アンテナを駆動し、前記天井開閉部の全開状態が検出されている場合には前記第一レベルよりも低い第二レベルの駆動電圧により前記送信アンテナを駆動するよう駆動電圧を切り替えるものである請求項3記載のスマートスタートシステム。
【請求項5】
前記出力レベル可変手段は、前記開閉状態検出手段により、前記天井開閉部の全閉状態が検出された場合には、前記送信アンテナに前記駆動電圧を供給するための通電ラインに対し前記第一レベルの駆動電圧を供給する第一の電源供給ラインを接続し、前記天井開閉部の全開状態が検出された場合には、前記送信アンテナに前記駆動電圧を供給するための通電ラインに対し前記第二レベルの駆動電圧を供給する第二の電源供給ラインを接続するよう接続切り替えを行うものである請求項4記載のスマートスタートシステム。
【請求項6】
前記IDコード要求手段は、前記IDコード要求信号を電波出力する送信アンテナとして、LCR直列共振回路と等価な電気的構成を有し、かつその電気的構成における抵抗成分Rが、並列接続された第一の抵抗成分R1と、該第一の抵抗成分R1よりも高抵抗の第二の抵抗成分R2との間で切り替え可能とされており、
前記出力レベル可変手段は、前記天井開閉部の全閉状態が検出された場合には前記抵抗成分Rが前記第一の抵抗成分R1となるように切り替え、前記天井開閉部の全開状態が検出された場合には前記抵抗成分Rを前記第二の抵抗成分R2に切り替えるものである請求項3記載のスマートスタートシステム。
【請求項7】
前記出力レベル可変手段は、前記IDコード要求手段が電波出力する前記IDコード要求信号の出力レベルを、前記天井開閉部の開度が大きいほど小さくなるよう、前記開閉状態検出手段により検出される該天井開閉部の開閉状態に基づいて可変するものである請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のスマートスタートシステム。
【請求項8】
前記出力レベル可変手段は、前記IDコード要求手段が電波出力する前記IDコード要求信号の出力レベルを、前記開閉状態検出手段により、前記天井開閉部が前記全閉状態と前記全開状態のいずれにも属さない開閉途中状態として検出されている場合には、少なくとも前記第一の出力レベルよりも小さい出力レベルに切り替える請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のスマートスタートシステム。
【請求項9】
前記出力レベル可変手段は、前記IDコード要求手段が電波出力する前記IDコード要求信号の出力レベルを、前記開閉状態検出手段により、前記天井開閉部が前記全閉状態と前記全開状態のいずれにも属さない開閉途中状態として検出されている場合には、前記第二の出力レベルに切り替える請求項8記載のスマートスタートシステム。
【請求項10】
前記車両天井部の全体が前記天井開閉部とされ、当該天井開閉部は、車両後部の収容部に収容される前記全開状態から車両上部を被う前記全閉状態にかけて電動開閉駆動が可能な電動開閉式メタルトップ部として形成されてなる請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載のスマートスタートシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−173130(P2009−173130A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−12858(P2008−12858)
【出願日】平成20年1月23日(2008.1.23)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(390001812)アンデン株式会社 (97)
【Fターム(参考)】