説明

スミリングによるスプライン装置、および、スミリングによるスプライン装置を製造するためのスミリング加工

【課題】スプライン加工の工具の環状逃げ溝をなくする。
【解決手段】シェイピング、および、ミリングの作用の組み合わせ、すなわち、スミリングによって、切削工具をスプラインの使用可能部分の全体にわたって移動させ、段部532などの隣接構造の面に工具の工具逃げ部505Rを加工し、その後に工具を逆方向に引き戻し、このサイクルを繰り返す。スミリングの装置、および、製造方法は、環状のスプラインの工具逃げ部を不要にし、スプラインの係合の全長を強度のために利用することができる。スミリング加工によって製造されたスプライン接続装置の有効幅が、空間を節約し、スプライン接続の荷重伝達能力を高める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段部、および、沈め穴(counterbore)の表面などといった隣接の造作がスプラインのすぐそばに位置しているスプラインの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、シャフト(shaft)、および、カラー(collar)を回転運動、および、トルクを伝達すべく結合させる機械のスプラインが知られていた(例えば、特許文献1)。
シャフト上の段部やカラーの沈め穴などといった隣接の造作が存在しない場合、スプラインの全長に係合が及び、スプラインの全長を強度のために利用することができ、伝統的な製造方法を使用して各々の部品を製造することができる。
【0003】
しかしながら、両方の部材が隣接の造作を有する場合には、工具を逃がすことができるように、スプラインの逃げ(relief)が必要である。
そして、環状の逃げの長さ(または、幅)ゆえに、スプラインの係合の全長が減少し、これに比例して接続の強度が低くなるという問題が生じる。
隣接の造作の近くのスプラインを加工する一般的な従来技術の方法として、シェイピング(shaping)、および、ミリング(milling)が挙げられる。
シェイピングは、スプラインの軸に平行な固定の切削工具をスプラインの使用可能部分を通り抜けて環状に形作られた逃げの領域に動かし、隣接の造作の手前で停止させ、次いで逆方向に引き戻し、このサイクルを繰り返すことによって行われる。
ミリングは、スプラインの軸に垂直な回転切削工具をスプラインの使用可能部分を通り抜けて環状に形作られた逃げの領域に動かし、隣接の造作の手前で停止させ、次いで逆方向に引き戻し、このサイクルを繰り返すことによって行われる。
【0004】
図1は、ベース101と、段部102と、円柱形の外歯スプライン199と、環状の工具逃げ103とを有する被加工物101Aを伝統的なカッタ−シェイパ工具(cutter−shaper)106、および、その動作経路108とともに示している従来技術の外歯スプライン199の図1Aの線1−1に沿って得た概略の断面図100である。
円柱形の外歯スプライン199が、複数の歯104を備えている。
符号105が、スプラインの上部を示している。
【0005】
さらに図1を参照すると、カッタ−シェイパ工具106が、被加工物101Aを切削し、さらに詳しくは円柱形の外歯スプライン199を切削する複数のカッタ−シェイパ工具106の切刃107を備えている。
カッタの運動108は、カッタ−シェイパ工具106の下方移動109を含み、次いでスプライン(被加工物101A)からカッタ−シェイパ工具106を遠ざける水平移動、または、横移動110を含み、次いでカッタ−シェイパ工具106の縦移動、または、上方移動111を含み、最後にカッタ−シェイパ工具106をさらなる切断のために整列させる再配置の移動112を含む。
カッタ−シェイパ工具106の数回、または、多数回の通過が、最終的な部品を製造するために行われる。
被加工物101Aが、カッタ−シェイパ工具106と同時に回転させられる。
【0006】
図1Aは、図1の斜視図100Aであり、図1Aには、外歯スプライン199を支える外歯スプライン199の歯の直下の上部円柱形部分(199)を周状に巡って延在する環状の工具逃げ103が示されている。
図1Aを参照すると、歯121、歯の噛合い面122、および、歯の隅肉123が示されている。
図1Bは、従来技術の図1Aの立面図100Bである。
図1Cは、上述と同じ部品を示している従来技術の図1Aの平面図100Cである。
【0007】
図2は、雌の接続部材(カラー部材)201Aのベース201と、沈め穴の底部206と、円柱形の内歯スプライン部(歯205、歯溝204)と、工具逃げ203とを示している斜視図200である。
符号202が、雌の接続部材201Aの上部を指して使用されている。
符号220Aが、内歯スプラインを指している。
雌のカラー接続部材201Aを作成する従来技術のカッタ−シェイパ工具106は、図示されていない。
【0008】
図2Aが、図2の線2A−2Aに沿って得た従来技術の断面図200Aである。
内側の周状のシェイパ−カッタ工具の環状の工具逃げ203が、沈め穴の底部206と同様に、図2Aに良好に示されている。
代表的な歯205、および、代表的な歯溝204が、図2A、および、2Bに良好に示されている。
図2Bは、図2の平面図200Bである。
【0009】
図3は、一体に結合した従来技術の内歯スプライン220A、および、従来技術の外歯スプライン199の概略の断面図300であり、図3には、有効面幅EF、環状の工具逃げ103、203、および、スプライン接続の全長SCが示されている。
従来技術のスプライン接続の有効面幅EFは、比較的短く、この長さが荷重を制限している。
比較的短いとは、有効面幅EFが、スプライン接続の長さの一部分にすぎないことをいう。
従来技術のスプライン接続のEFは、スプライン接続の全長のわずか50%にすぎない場合もある。
図3に示されるとおり、製造される外歯スプライン199、および、内歯スプライン220Aの面幅FWは等しい。
【0010】
スプラインの設計においては、スプライン接続による伝達が必要とされる荷重(トルク)が特定される。
次に、必要とされるトルクの関数としてのスプラインのサイズが、必要なピッチ径のおよその範囲を決定する。
スプラインのトルク伝達能力は、ピッチ径、せん断応力、および、スプライン接続の長さSCの関数である。
ひとたびピッチ径が指定されると、技術者は、内歯スプライン、および、外歯スプライン199の一部の歯が係合しない可能性を考慮しつつ、スプライン接続の長さを計算する。
トルクを効率的に伝達するために、スプライン接続を効率的に使用すること、および、有効面幅EFを最大にすることが重要である。
図1、図1A、図1B、図1C、図2、図2A、図2B、および、図3に示した従来技術においては、カッタ−シェイパ工具106でスプラインを最後まで切削し、カッタ−シェイパ工具106をスプラインから引き戻すことができるよう、スプラインの端部と隣接の造作との間に、大きな環状の工具逃げ103、203が必要である。
環状の工具逃げ103、203の環の軸方向の長さは、図3においてCRとして示されており、有効面幅は、以下のように表される。
EF=SC−2CR
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平06−058341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、環状の工具逃げ103、203の長さCRゆえに、従来技術のスプライン接続の有効面幅EFが小さくなっていることを図3から容易に見て取ることができる。
環状の工具逃げ103、203による問題は、スプラインが造作に隣接して製作される場合に常に生じる。
典型的には、隣接の造作は段部102、および、沈め穴の底部206であるが、あらゆる隣接の造作が、その呼び名にかかわらず、大きな工具の工具逃げを必要とするため、上述した問題が生じる。
そこで、本発明は、前述したような従来技術の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、スミリング加工によるスプライン接続部の長さを同じ荷重伝達能力において、環状の工具逃げを使用する従来からのスプライン接続部よりも短くすることにある。
【0013】
本発明の他の目的は、スミリング加工によるスプラインの有効面幅をスプライン接続部の幅に等しくすることにある。
【0014】
本発明の別の目的は、所与のスプライン接続部の長さ、および、所与のピッチ径において、荷重伝達能力を高めることにある。
【0015】
本発明のさらなる目的は、雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)と雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)とで構成され、斜めの工具逃げ部、または、円錐形の工具逃げ部が隣接の段部、および、沈め穴にスミリング加工されている、スミリング加工によるスプライン接続部を生成することにある。
【0016】
本発明のさらなる目的は、既存の(使用されている)スプラインとともに使用することができる雄のスプライン接続装置、または、雌のスプライン接続装置を製造することにある。
【0017】
本発明のさらなる目的は、スプライン接続部の有効面幅を最大にし、スプライン接続部の有効面幅(または、長さ)をスプライン接続部の長さに等しくするために、スプライン接続部の従来の環状の工具逃げを排除することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
スプラインの形態は、工具の形状によって定められ、真っ直ぐな噛合い面、斜めの噛合い面、インボリュート、全湾曲、または、設計にとって有利でありうる他の形態であってよい。
スミリングを外側のシャフト、および、内側のカラーの両方について、共通の機械設備、および、比較的安価な工具一式にて実行することができる。
スミリングは、シェイピングという用語、および、ミリングという用語の組み合わせである。
スミリング加工は、シェイピングのいくつかの特徴、および、回転ミリングのいくつかの特徴を有しており、したがってこの加工に与えられる名前が「スミリング」である。
スミリング加工によって製造される製品は、「スミリングによる」と称される。
【0019】
シェイピング、および、ミリングの作用の組み合わせ、すなわち、スミリングによって、切削工具をスプラインの使用可能部分の全体にわたって移動させ、隣接の造作の面に斜めの工具逃げ部を加工し、その後に切削工具を逆方向に引き戻し、このサイクルを繰り返すことができる。
斜めの工具逃げ部は、部分的に円錐形の部位を含む。
スミリングの設計、および、製造方法は、従来の環状のスプラインの工具逃げを不要にし、スプラインの係合の全長を強度のために利用することができる。
スミリング加工によって製造されたスプライン接続装置の有効幅が、空間を節約し、スプライン接続の荷重伝達能力を高める。
【0020】
スミリング工具カッタを使用することで、各々の歯溝の作成を終えるために必要な通過が1回だけでよい。
回転カッタは、基本的に、歯溝の形態を生成する端部の形状を有する標準である。
形態は、真っ直ぐな噛合い面(90°)、斜め(30°、または、45°)、インボリュート(ベース円、および、圧力角によって定められるとおり)、全半径(正弦波に類似)、などであってよい。
被加工物が、各々の歯溝の完成時に位置決めされる(360°/歯数)。
保持角(傾斜角)は、工具の技術者次第であると考えられる(45°が、斜めの工具逃げ部を生成すべく段部に進入するときに堅固な迎え角をもたらす)。
1つの優れた態様は、対をなす部品が最大の係合にて段部−段部で位置するように、スプラインの係合の全長をわずかに超えて隣接の段部にスミリング加工を行うことである。
段部を超える工具逃げ部のポケットは、互いに係合することがない。
【0021】
スミリング加工によるスプライン接続を試験したところ、トルク伝達能力が従来からの形状、および、工具逃げ部の構成を64%上回り、満足できるものであった。
【0022】
ベース部と、段部と、円柱形部分とを備えている雄のスプライン接続装置が開示される。
段部が、ベース部と円柱形部分との間に位置している。
円柱形部分が、表面に外歯スプラインを備えており、この外歯スプラインが、互いに周方向に間隔を空けて位置する複数の歯溝を備えており、隣接する歯溝の間に複数の歯が形成されている。
歯溝は、隣接する歯の噛合い面、および、隣接する歯を接続している隅肉によって形成されている。
複数の歯溝の各々が、工具を逃がすための工具逃げ部をこの雄のスプライン接続装置の段部、および、ベース部に斜めに延在させて備えている。
外歯スプラインの複数の歯の各々は、斜めの噛合い面、真っ直ぐな噛合い面、インボリュートな噛合い面、全湾曲の噛合い面、または、真っ直ぐな噛合い面であってよい噛合い面を備えている。
【0023】
ベース部と、上部とを備えている雌のカラー接続装置が開示される。
上部が、凹状の略円柱形のハブ部を備えている。
ハブ部が、沈め穴の係合面を終端とする内歯スプラインを備えている。
内歯スプラインは、互いに周方向に間隔を空けて位置する複数の歯溝を備えており、隣接する歯溝の間に複数の歯が形成されている。
歯溝は、隣接する歯の噛合い面、および、隣接する歯を接続している隅肉によって形成されている。
複数の歯溝の各々が、工具を逃がすための斜め向きの工具逃げ部を沈め穴の係合面に斜めに延在させて備えている。
内歯スプラインの複数の歯の各々は、斜めの噛合い面、真っ直ぐな噛合い面、インボリュートな噛合い面、全湾曲の噛合い面、または、真っ直ぐな噛合い面であってよい噛合い面を備えている。
【0024】
スプライン接続装置が本明細書において開示され、雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)と、雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)とを備えている。
雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)が、ベース部と、段部と、円柱形部分とを備えている。
段部が、ベース部と円柱形部分との間に位置している。
外歯スプラインが円柱形部分に位置しており、互いに周方向に間隔を空けて位置する複数の第1の歯溝を備えており、隣接する第1の歯溝の間に外歯スプラインの歯が形成されている。
複数の第1の歯溝の各々は、隣接する外歯スプラインの歯の噛合い面、および、隣接する外歯スプラインの歯を接続している隅肉によって形成されている。
複数の第1の歯溝の各々が、工具を逃がすための斜めの外歯工具逃げ部(工具逃げ部)をこの雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)の段部、および、ベース部に斜めに延在させて備えている。
雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)は、ベース部と、上部とを備えている。
略円柱形のハブ部が、この雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)の上部に凹状に設けられている。
凹状のハブ部が、内周面と、内歯スプラインとを備えている。
内歯スプラインは、沈め穴の係合面を終端としている。
内歯スプラインは、互いに周方向に間隔を空けて位置する複数の第2の歯溝を備えており、隣接する第2の歯溝の間に内歯スプラインの歯が形成されている。
第2の歯溝は、隣接する内歯スプラインの歯の噛合い面、および、隣接する内歯スプラインの歯を接続している隅肉によって形成されている。
複数の第2の歯溝の各々が、工具を逃がすための内歯工具逃げ部(工具逃げ部)を沈め穴の係合面に斜めに延在させて備えている。
【0025】
外歯スプラインの複数の歯の各々が、内歯スプラインの複数の第2の歯溝のうちの対応する1つに位置する。
内歯スプラインの複数の歯の各々が、外歯スプラインの複数の第1の歯溝のうちの対応する1つに位置する。
外歯スプラインの複数の歯の各々が、内歯スプラインの複数の歯のうちの2つと互いに係合でき、内歯スプラインの複数の歯の各々が、外歯スプラインの複数の歯のうちの2つと互いに係合できる。
雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)の外歯スプラインの複数の歯の各々が、第1の長さを有しており、雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)のハブ部の内歯スプラインの複数の歯の各々が、第1の長さに等しい第2の長さを有している。
第1の長さ、および、第2の長さが、スミリング加工によって製作されたスプライン接続装置の有効面幅EFsである。
外歯スプラインの全長範囲が、内歯スプラインの第2の長さの全体に係合し、トルク伝達の有効性が最大になる。
【0026】
雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)の円柱形部分が、雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)の上部に凹状に形成された略円柱形のハブ部の沈め穴の係合面に係合し、雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)の段部が、雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)の上部と係合する。
上述のように、外歯スプラインの複数の歯の一部分が、内歯スプラインの複数の歯の一部分と互いに係合する。
【0027】
本発明の別の表現は、雄部材(雄のスプライン部、雄のスプライン接続装置)と雌部材(雌のスプライン部、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)とを備えるスプライン接続装置を含む。
雄部材(雄のスプライン部、雄のスプライン接続装置)が、段部と、円柱形部分とを備えている。
雄部材(雄のスプライン部、雄のスプライン接続装置)の円柱形部分は、段部から上部の上面まで延在しており、第1の長さを有する外歯スプラインを備えている。
雌部材(雌のスプライン部、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)が、ベース部と、上部とを備えている。
上部は、第2の長さを有する内歯スプラインを有している沈め穴を備えている。
内歯スプラインは、沈め穴の係合面を終端としている。
雄部材(雄のスプライン部、雄のスプライン接続装置)、および、雌部材(雌のスプライン部、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)が、雄部材(雄のスプライン部、雄のスプライン接続装置)の段部を雌部材の上部に係合させて一体に結合させられる。
雄部材(雄のスプライン部、雄のスプライン接続装置)の円柱形部分の上面が、雌部材(雌のスプライン部、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)の沈め穴の係合面に係合する。スプラインの第1の長さ、および、第2の長さが等しい。
外歯スプラインが内歯スプラインと完全に噛合し、スミリングによる接続の有効面幅は、スプラインの第1の長さ、および、第2の長さに等しい。
【0028】
外歯スプラインを製造するためのスミリングプロセスが開示される。
このプロセスは、外歯スプラインによって伝達されるべき荷重を決定するステップを含んでいる。
荷重は、用途のパラメータによって決定される。
決定された荷重にもとづいて、外歯スプラインのピッチ径が選択される。
次いで、歯の数が、円ピッチが十分に大きく、かつ外歯スプラインの歯が十分に大きくて指定の荷重に対応できるように選択される。
次いで、外歯スプラインの長さが、決定された荷重、および、選択された外歯スプラインのピッチ径にもとづいて決定される。
次に、工具の傾斜角βが選択され、部品の溝の内角αも選択される。
部品の溝の内角は、適切な圧力角に対応するために典型的に所望される妥当な角度の範囲から選択される。
工具の円錐の内角2τが、β、および、αに関して表現されるアルゴリズムにもとづいて計算される。
ひとたび工具の円錐の内角2τが知られると、回転切削工具の長さが、必要とされる実際の外歯スプラインの寸法にもとづいて決定される。
回転切削工具は、略円錐形の切削部を有している。
次いで、被加工物がエンドミルの適切な被加工物にチャックされる。
チャッキングに続いて、適切なサイズの工具、および、5軸のMazakエンドミルによるスミリング加工を使用して、被加工物がミリング加工され、適切な外向きの溝角度(歯溝)が生成される。
このプロセスは、工具を逃がすために被加工物の隣接構造に斜めの工具逃げをスミリング加工するステップをさらに含んでいる。
工具逃げ部は、部分的に円錐形である。
典型的には、被加工物が円柱形であり、隣接構造が段部、または、沈め穴の表面である。
スプラインを生成するため、被加工物を巡って等間隔に位置する複数の溝角度をミリングによって加工して、周方向に間隔を空けて位置するスプラインの歯を形成できるよう、被加工物が回転によって位置決めされる。
【0029】
必要とされる実際の外歯スプラインの寸法にもとづいて工具のサイズを決定するステップは、工具スペース内角2τに到達するために、傾斜角β、および、部品の溝の内角αに関して表現されるアルゴリズムを使用するステップを含む。
ひとたび2τが知られると、溝を形成する際に工具の中心が位置する径である形成径(form diameter)までの工具の先端近傍のキャップ半径(cap radius)が工具の一端を定め、工具の円錐が、所望のとおりにスプラインを完全にスミリングするためにスプラインから十分に長く延在する。
これに限られるわけではないが、典型的には、傾斜角βが好ましくは30〜60°の範囲であり、部品の溝の角度αが好ましくは40°〜75°の範囲である。
アルゴリズムを、例えば、本明細書において後述される方法論を取り入れてなるExcelのスプレッドシートを使用して実行することができる。
【0030】
回転切削工具は、カーバイドの円錐形の切削部を備えており、角スプラインを生成するための2つの真っ直ぐな溝、および、半径キャップを備える。
角スプラインをスミリング加工するために、単一の溝を使用することもできる。
インボリュートスプラインが所望される場合、切削工具は、適切な溝角度(歯溝)、および、インボリュート歯を製造するための複数のインボリュート半径を備える。
インボリュート半径は、インボリュート歯の所望の形状によって決定される。
【0031】
内歯スプラインを製造するためのプロセスが開示される。
このプロセスは、内歯スプラインによって伝達されるべき荷重を決定するステップを含んでいるが、このステップは、外歯スプラインに関して上述したステップと同じである。
次に、対をなす外歯スプラインのピッチ径が、上述のように選択される。
次に、内歯スプライン装置の長さが、決定された荷重、および、選択された外歯スプライン装置のピッチ径にもとづいて決定される。
次に、歯の数Nが、外歯スプラインの円ピッチが十分に大きく、かつ外歯スプラインの歯が荷重に対応できるように選択される。
次に、外歯スプラインの部品の溝の内角2α°が選択され、内歯スプラインの部品の溝の内角が、式2α°−((360/N)°)を使用して決定される。
工具の傾斜角βが選択され、工具の傾斜角β、および、内歯スプラインの部品の溝の内角2α°−((360/N)°)に関して表現されるアルゴリズムにもとづいて、工具の円錐の内角2τが決定される。
次いで、回転切削エンドミル工具が、工具スペース内角2τに達するように、傾斜角β、および、内歯スプラインの部品の溝の内角2α°−((360/N)°)に関して表現されるアルゴリズムにもとづいて寸法付けられる。
ひとたび工具の円錐の内角2τが知られると、形成径までのキャップ半径が工具の一端を定め、工具の円錐が、所望のとおりに部品を完全にスミリング加工するために部品から十分に長く延在する。
次いで、適切な被加工物が、Mazakエンドミル、または、任意の他の市販の多軸のエンドミルにチャックされる。
次いで、被加工物が、回転切削カーバイド工具、および、エンドミルを使用してスミリング加工され、被加工物に適切な内向きの溝角度(歯溝)が生成される。
次いで、回転切削カーバイド工具は、被加工部の隣接構造に斜めの形状の工具逃げ部をスミリング加工する。
典型的には、適切な被加工物が沈め穴を備えており、沈め穴が内周面を有している。
周方向に間隔を空けて位置する適切な内歯スプラインの歯、および、等間隔の適切な内向きの溝角度(歯溝)を生成するために、被加工物が、被加工物の沈め穴の内周を巡って等間隔に位置する複数の適切な内向きの溝角度(歯溝)をスミリングによって加工して、周方向に間隔を空けて位置する内歯スプラインの歯を形成できるよう、回転によって位置決めされる。
使用される回転切削工具は、環状の工具逃げを有するスプラインの製造に典型的に用いられるシェイパ−カッタ工具よりもはるかに安価である。
【0032】
隣接構造に近接してスプラインを製造するための方法が開示される。
被加工物が、上部の円柱形部分と隣接構造とを備えており、上部の円柱形部分が端部と長さとを備えている。
回転切削工具が、被加工物の上部の円柱形部分に対して或る傾斜角に向けられ、当然ながら所望の切削作用を実行するために回転させられる。
被加工物の上部の円柱形部分の端部に、回転している回転切削工具が係合する。
回転切削工具が、被加工物の上部の円柱形部分の端部から動かされ、この上部の円柱形部分の長さに沿った切削作用によって素材を除去するとともに、被加工物の隣接構造に動かされて、回転切削工具の工具逃げ部を形成する。
回転切削工具の工具逃げ部は、円錐形の切削工具によって形成された斜めのポケットの形態である。
歯溝も、工具の切削作用によって形成される。
次に、回転切削工具が、回転している回転切削工具の傾斜角に沿って被加工物の隣接構造から引き戻される。
次いで、回転切削工具が垂直方向に初期位置(基本位置)に戻され、被加工物が次のスミリング作業に合わせて配置される。
被加工物は、各々の歯溝を切削した後で回転させられ、あるいは位置決めされる。
次いで、被加工物の上部の円柱形部分の端部を回転している回転切削工具に係合させるステップと、回転している回転切削工具を被加工物の上部の円柱形部分の端部から移動させ、上部の長さに沿って切削作用によって素材を除去するとともに、被加工物の隣接構造に移動させて、回転切削工具の工具逃げ部を形成するステップと、回転切削工具を回転している回転切削工具の傾斜角に沿って被加工物の隣接構造から引き戻すステップとが繰り返される。
【0033】
この方法に関して、外歯スプラインのための回転切削工具のサイズを決定するステップは、部品の溝の内角、および、傾斜角にもとづく。
上述の方法は、隣接構造が段部であり、回転切削工具の工具逃げ部が傾斜角で段部に延在している外歯スプラインを製造することができる。
【0034】
隣接構造に近接してスプラインを製造するための別の方法が開示される。
この方法は、沈め穴と沈め穴に近接した隣接構造(沈め穴の底面)とを有している被加工物を固定するステップを含んでいる。
沈め穴は、端部、および、底面を備えている。
基本位置において、回転切削工具が被加工物の沈め穴の端部に対して或る傾斜角に向けられる。
当然ながら、回転切削工具が回転させられ、被加工物の沈め穴の端部に係合させられる。
次に、回転している回転切削工具が、被加工物の沈め穴の端部から動かされ、沈め穴の長さに沿った切削作用によって素材を除去するとともに、被加工物の隣接構造に動かされて、回転切削工具の工具逃げ部を底面に形成する。
回転切削工具の工具逃げ部が形成された後で、回転切削工具が、回転している回転切削工具の傾斜角に沿って被加工物の隣接構造から引き戻される。
【0035】
この方法は、回転切削工具を初期位置(基本位置)に戻すステップ、被加工物を各々の歯溝の生成後に被加工物を回転させることによって位置決めするステップ、ならびに被加工物の沈め穴の端部を回転している回転切削工具に係合させるステップと、回転している回転切削工具を被加工物の沈め穴の端部から移動させ、沈め穴の長さに沿った切削作用によって素材を除去するとともに、被加工物の隣接構造に移動させて回転切削工具の工具逃げ部を形成するステップと、回転切削工具を回転している回転切削工具の傾斜角に沿って被加工物の隣接構造から引き戻すステップとを繰り返すステップをさらに含む。
【0036】
上述の方法は、内歯スプラインを製造することができ、隣接構造が沈め穴の係合面(底面)であってよく、回転切削工具の工具逃げ部が、傾斜角で沈め穴に延在している。
この方法に関して、回転切削工具を寸法付けるステップが、工具の円錐の内角に到達するために、部品の溝の内角、および、傾斜角にもとづく。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】ベース、段部、円柱形の外歯スプライン部、および、工具逃げを伝統的なカッタ−シェイパ工具、および、その動作経路とともに示している従来技術の図1Aの線1−1に沿って得た概略の断面図。
【図1A】図1の斜視図。
【図1B】従来技術の図1Aの立面図。
【図1C】従来技術の図1Aの平面図。
【図2】雌の接続部材(カラー部材)のベース、段部、円柱形の内歯スプライン部、および、工具逃げを示している従来技術の斜視図。
【図2A】図2の線2A−2Aに沿って得た従来技術の断面図。
【図2B】図2の平面図。
【図3】一体に結合した従来技術の内歯スプライン、および、外歯スプラインの概略の断面図。
【図4】スミリング加工を使用して製造されたスプライン接続装置の外歯スプライン、および、内歯スプラインの概略図。
【図4A】スミリング加工を使用して製造されたスプライン接続装置の外歯スプライン、および、内歯スプラインの概略図。
【図4B】スミリング加工を使用して製造されたインボリュートスプライン接続装置の外歯スプライン、および、内歯スプラインの概略図。
【図5】被加工物の段部、および、ベース部に切り込まれた斜めの工具逃げ部を備える外歯スプラインを製造するために角カーバイドエンドミルで加工される被加工物の、図5Aの線5−5に沿って得た概略の部分断面図。
【図5A】上部の円柱形部分の仕上がった外歯スプラインと、中間の段部、および、ベース部に切り込まれた工具を逃がすための斜めの工具逃げ部とを示している被加工物の概略の斜視図。
【図5B】図5に示した被加工物の概略の平面図。
【図5C】図5Bの線5C−5Cに沿って得た断面図。
【図6】被加工物の沈め穴に位置する内歯スプラインの概略の斜視図。
【図6A】内歯スプラインならびに被加工物の沈め穴の係合面、および、上部に切り込まれた斜めの工具逃げ部を示している、図6の線6A−6Aに沿って得た断面図。
【図6B】被加工物の上部の上面を示している図6、および、図6Aに示した被加工物の平面図。
【図7】完全に係合、または、結合した雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)、および、雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)の概略の断面図。
【図7A】部分的に係合、または、結合した雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)、および、雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)の概略の断面図。
【図7B】互いに離れた雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)、および、雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)の断面図。
【図7C】係合した雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)の外歯スプライン、および、雌のスプライン装置の内歯スプラインを示している図7の線7C−7Cに沿って得た断面図。
【図7D】図7Cの一部分の拡大図。
【図7E】図7、および、図3の両者を互いに比べて示した概略の断面図。
【図8】本発明の一実施例、すなわち、雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)の正面図。
【図8A】別の被加工物の斜視図800A。
【図8B】図8Aの被加工物の平面図800B。
【図8C】図8Bの線8C−8Cに沿って得た図8Bの断面図800C。
【図8D】本発明の別の実施例、すなわち、外歯スプラインに隣接する段部に周状の工具逃げを有している図8、および、図8Aに示した被加工物に類似の被加工物を示す斜視図。
【図8E】図8Dの平面図。
【図8F】図8Eの線8F−8Fに沿って得た断面図。
【図8G】内歯スプラインの歯と噛合できる外溝(歯溝)を雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)の円柱形部分にスミリング加工している工具を示している、図8の線8G−8Gに沿って得た平面図。
【図9】被加工物に対して45°の傾斜角にあるスミリング加工用カッタカーバイド工具を示しているスミリング加工の概略図。
【図9A】工具の円錐の内角2τを決定するための傾斜角βにあるスミリング加工用カッタカーバイド工具、および、部品の溝の内角2α(楕円形の投影の一部として示されている)の概略図。
【図9B】部品の溝の内角の楕円形の投影を図9Cに示されるとおりの工具の切削の外形に向けるように、楕円形の投影を反時計方向に90°回転させた図9Aの線9B−9Bに沿って得た図。
【図9C】部品の溝の内角の楕円形の投影の方向に向けられたカーバイド・スミリング・カッタを示している図8Gの一部拡大図。
【図9D】未だ被加工物から除去されていない素材を示している図9Aと同様の概略図。
【図9E】工具の円錐の内角の式の元になる工具、工具の傾斜角、および、部品の溝の半角の概略図。
【図10】沈め穴、および、スミリング加工によって製作された内歯スプラインを有するキャリアを示す斜視図。
【図10A】図10の平面図。
【図11】第1の溝、および、第2の溝を有するインボリュート・カーバイド・エンドミル切削工具の正面図。
【図11A】線11A−11Aの方向において得たインボリュート・カーバイド・エンドミル切削工具の端面図。
【図11B】異なる半径R1、R2、および、R3を示しているインボリュートエンドミルの表面の拡大図。
【図12】角カーバイドエンドミル切削工具の正面図。
【図12A】図12の角カーバイドエンドミル切削工具の端面図。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図4が、スミリング加工を使用して製造されたスプライン接続装置の外歯スプライン599S、および、内歯スプライン631Bの概略図400であり、図4には、ピッチ径D、内歯スプライン631Bの大径Dri、外歯スプライン599Sの大径Dae、内歯スプライン631Bの小径Dai、外歯スプライン599Sの小径Dre、および、円ピッチCPが示されている。
さらに図4は、外歯スプライン599Sの角歯の歯厚TT、および、内歯スプライン631Bの溝幅SWを示している。
内歯スプライン631Bの形成径Dfi、および、外歯スプライン599Sの形成径Dfe、ならびに有効深さWD、および、外歯スプライン599Sの歯と内歯スプライン631Bの大径Driとの間のすき間Crも、図4に示されている。
【0039】
図4Aが、スミリング加工を使用して製造されたスプライン接続装置の外歯スプライン599S、および、内歯スプライン631Bの概略図400Aであり、図4Aには、外歯スプライン599Sの溝角度SAe、内歯スプライン631Bの歯角度TAi、内歯スプライン631Bの溝角度SAi、および、外歯スプライン599Sの歯角度TAeが示されている。
SAeは60°であると仮定され、これが2αに等しく、αの値、すなわち、部品の溝の半角が、工具の円錐の内角2τを計算するために使用される。
ひとたび2τが知られると、形成径までのキャップ半径が工具の一端を定め、工具の円錐が、完全な部品を製作するために部品から十分に長く延在する。
内歯スプライン631Bの部品の溝SAiの内角(2α°−((360/N)°))が、図4Aに示されており、ここでαは部品の溝の半角であり、Nは歯の数である。
バックラッシBも、図4Aに示されている。
【0040】
図4Bが、スミリング加工を使用して製造されたインボリュートスプライン接続装置の外歯スプライン599S、および、内歯スプライン631Bの概略図400Bであり、図4Bには、ピッチ径D、内歯スプライン631Bの大径Dri、外歯スプライン599Sの大径Dae、内歯スプライン631Bの小径Dai、外歯スプライン599Sの小径Dre、および、円ピッチCPが示されている。
さらに図4Bは、外歯スプライン599Sのインボリュート歯の歯厚TT、および、内歯スプライン631Bの溝幅SWを示している。
内歯スプライン631Bの形成径Dfi、および、外歯スプライン599Sの形成径Dfeが、図4Bに示されている。
圧力角Φ、および、バックラッシBも、図4Bに示されている。
インボリュートの実施例の場合、SAeが60°であると仮定され、これが2αに等しく、αの値、すなわち、部品の溝の半角と、傾斜角とが、工具の内角を計算するために使用され、次いで工具の内角が、他のパラメータとともに、スプラインの実際のスミリングのための工具サイズを計算するために使用される。
ひとたび2τが知られると、形成径までのキャップ半径が工具の一端を定め、工具の円錐が、完全な部品をスミリングするために部品から十分に長く延在する。
内歯スプライン631Bの部品の溝SAiの内角(2α°−((360/N)°))(ここで、αは部品の溝の半角であり、Nは歯の数である)が、工具の内角を計算するために使用され、次いで工具の内角が、他のパラメータとともに、スプラインの実際のスミリングのための工具サイズを計算するために使用される。
ひとたび2τが知られると、形成径までのキャップ半径が工具の一端を定め、工具の円錐が、完全な部品をスミリングするために部品から十分に長く延在している。
バックラッシB、および、ベース円も、図4Bに示されている。
【0041】
図11が、第1の溝1104、および、第2の溝1105を有しているインボリュート・カーバイド・エンドミル切削工具1102の正面図1100である。
符号1101が、工具の長さを表すために使用され、符号1103が、軸部の直径を示している。
図11Aが、線11A−11Aの方向に得たインボリュート・カーバイド・エンドミル切削工具1102の端面図1100Aである。
図11Bが、インボリュートエンドミルの表面の拡大図1100Bであり、異なる半径R1、R2、および、R3が示されている。
これらの半径が、本明細書において説明されるとおり、外歯スプライン599S、または、内歯スプライン631Bのいずれかのインボリュート歯を切削する。
符号1107が、工具の円錐の内角の半分である角度τを表している。
【0042】
図12が、略円錐形の形状である角カーバイドエンドミル切削工具1201Aの正面図1200である。
図12Aが、図12の角カーバイドエンドミル切削工具1201Aの端面図1200Aである。
角カーバイドエンドミル切削工具1201Aの軸部の直径1201、切削工具の長さ1202、および、工具の円錐の内角1203が、図12Aに示されている。
切削表面の長さ1204、および、溝面の長さ1205も、図12Aに示されている。
符号1206、1207が、第1の溝を示しており、符号1208、1209が、第2の溝を示している。
【0043】
図4Aを参照すると、2α=60°の部品の溝の内角、および、45°の傾斜角βにおいて、工具の円錐の内角1203は、図9Eから導出される後述の式を使用して、41.40°と計算される。
ひとたび2τが知られると、形成径までのキャップ半径が工具の一端を定め、工具の円錐が、完全な部品をスミリングするために部品から十分に長く延在している。
【0044】
図9が、スミリング加工の概略図900であり、図9には、被加工物に対して45°の傾斜角にあり、被加工物を切削している回転切削工具(角スミリング・カッタカーバイド工具)536が示されている。
符号845Tが、回転切削工具536の背後の歯である。
【0045】
図4A、および、図9を参照すると、図9においては1つの歯845Tしか見て取ることができないが、符号846Sが外歯スプライン599Sの溝角度SAeを表している。
シェイピング、および、ミリングの作用の組み合わせ、すなわち、スミリングによって、回転切削工具536をスプラインの使用可能部分の全体を通って移動させ、隣接の造作(836)の面に回転切削工具536の工具逃げ部846Rを加工し、その後に逆方向541に引き戻し540を行い、サイクル542、539、540、541を繰り返すことができる。
この例では、隣接の造作(836)が、段部836である。
スミリングによる設計、および、製造方法によれば、スプラインの下方、または、上方に周状に位置する従来の環状の工具逃げが不要になる。
スミリング装置、および、スミリング加工を使用することで、スプラインの全長を係合に使用することができ、スプライン接続の強度を高めることができる。
スプライン接続装置の有効幅が、空間を節約し、荷重伝達能力を高める。
【0046】
さらに図9を参照すると、斜めを向いた切削工具536が、図9に示されるとおり、ただ1回の下方への通過を行っている。
図示の切削工具536は、右方向のカッタである。
しかしながら、任意の切削の向きを使用することができ、例えば、左方向のカッタを使用することができる。
図9は、外歯スプライン599Sの大径Dae、および、外歯スプライン599Sの小径Dreをも示している。
【0047】
さらに図9を参照すると、被加工物の上部の円柱形部分の上端部837に、回転している回転切削工具536が経路542に沿って係合する。
回転切削工具536が、被加工物の上部の円柱形部分の上端部837から、図示の経路539に沿って、上部の円柱形部分の全長にわたって移動して溝角度846S(歯溝)を形成し、被加工物の隣接構造(段部836)に移動して回転切削工具536の工具逃げ部846Rを形成する。
次いで、回転切削工具536が、回転している回転切削工具536の傾斜の角度にある経路540に沿って、被加工物の隣接構造(段部836)から引き戻される。
次いで、回転切削工具536が、経路541に沿って初期の位置に戻され、被加工物が、次のスミリング作業のための位置に配置される。
被加工物は、次のスミリング作業の前に、回転させられて位置決めされる。
次いで、経路542に沿って被加工物の上部の円柱形部分の上端部837を回転している回転切削工具536に係合させるステップ、回転している回転切削工具536を被加工物の上部の円柱形部分の上端部837から上部の全長にわたって経路539に沿って移動させ、被加工物の隣接構造(段部836)に移動させて回転切削工具536の工具逃げ部846Rを形成するステップ、および、回転切削工具536を回転している回転切削工具536の傾斜の角度に沿って被加工物の隣接構造(段部836)から経路540に沿って引き戻すステップが、繰り返される。
次いで、回転切削工具536が、経路541に沿って初期の位置に戻され、被加工物が、次のスミリング作業のための位置に配置される。
【0048】
図9Dが、被加工物から未だ除去されていない素材を示している図9Aと同様の概略図である。
すでに述べたように、外歯スプライン599S、または、内歯スプライン631Bから素材を除去するために、1回の通過だけしか必要とされない。
【0049】
図9Aが、スミリング・カッタ・カーバイド工具、および、部品の溝の内角2αの概略図900Aであり、図9Aには、傾斜角βにあるスミリング・カッタ・カーバイド工具が、直角な図に示され、部品の溝の内角2αが、横方向の図において楕円形の投影の一部として示されている。
図9Bは、図9Aの線9B−9Bに沿って得た図900Bであり、楕円形の投影を反時計方向に90°回転させ、部品の溝の内角の楕円形の投影を図9Cに示されるとおりの回転切削工具の切削外形に向けている。
図9Cは、図8Gの部分拡大図900Cであり、部品の溝の内角2αの楕円形の投影の方向に向けられた回転切削工具(カーバイド・スミリング・カッタ工具)536を示している。
【0050】
図9Eに示す解析の目的は、回転切削工具536の円錐の内角2τを決定することにある。
回転切削工具536の円錐の内角2τを知ることで、回転切削工具536の設計者は、傾斜角β、および、部品の溝の半角αに鑑みて正しいプロポーションを有する回転切削工具536を製作することができる。
部品の溝の半角α、および、傾斜角βに鑑みたτの解の導出は、図9Eにもとづいて、以下のとおりである。
同等の導出を図9A、および、9Bに関して実行することができるが、ここでは示さない。
図9Eを参照し、W1を回転切削工具536の楕円の長軸の半分とし、W2を回転切削工具536の楕円の短軸の半分として、部品の溝の表面に接する回転切削工具536の楕円の点PのX,Y座標を突き止め、次いで所望の結果τにつながる高さAを求める。
【0051】
楕円の式は、
【数1】

である。
【0052】
楕円上の任意の点Pにおける接線の傾斜を求めるために、楕円の式の一次導関数を求める。
【数2】

ここで、
【数3】

であり、
したがって
【数4】

であり、
Yについて解くと
【数5】

であり、
次いで、Yを上記「数1」の楕円の式に代入してXについて解くと、
【数6】

であり、
ここで、
W1=1、
W2=W1・cosβ
【数7】

であるから、代入により、
【数8】

【数9】

であり、
「a」、および、τの値が、図9Eの三角法から得られ、
【数10】

である。
【0053】
図9Eを参照し、ひとたび回転切削工具536の円錐の内角の半分τが知られると、当然ながら、回転切削工具536の円錐の内角である2τも知られる。
ひとたび2τが知られると、形成径までのキャップ半径が回転切削工具536の一端を定め、回転切削工具536の円錐が、完全な部品を製作するために部品から十分に長く延在している。
外歯スプライン599Sの溝角度2αの実際の構成が、外歯スプライン599Sの所望の仕様とともに、考慮されなければならない。
【0054】
回転する回転切削工具536としての角カーバイドエンドミル切削工具、および、回転するインボリュート・カーバイド・エンドミル切削工具について工具のサイズを決定する手順は、インボリュートの工具に関して半径R1、R2、および、R3の決定が追加されるが、実質的に同じである。
技術者が、インボリュート歯の寸法にもとづき、試行錯誤のプロセスによってR1、R2、および、R3の寸法を決める。
【0055】
スミリング加工によるスプラインの作成に使用することができる素材は、これらに限られるわけではないが8620、8820、4820、4320、4340、4140、9310、などの合金鋼や、D4512、D5506、D7003、などといった品種のダクチル鋳鉄や、300系列のステンレス鋼など、意図される荷重に対応できる任意の工学材料である。
【0056】
図5は、図5Aの線5−5に沿って得た被加工物531の概略の部分断面図500であり、図5に示すように、被加工物531が、被加工物531の段部532、および、ベース部531Bに切り込んだ回転切削工具536の工具逃げ部503R、505R、507R、509R、511R、513R、515R、517R、519R、521R、523R、525R、527R、529Rを有する外歯スプライン599Sを製造するために角カーバイドエンドミル(536)で加工されている。
【0057】
図5Aは、被加工物531の概略の斜視図であり、図5Aには、上部の円柱形部分531Cの外歯スプライン599Sの歯504T、506T、508T、510T、512T、514T、516T、518T、520T、522T、524T、526T、528T、530Tと、中間の段部532、および、ベース部531Bに切り込まれた回転切削工具536の逃げのための斜めの工具逃げ部503R、505R、507R、509R、511R、513R、515R、517R、519R、521R、523R、525R、527R、529Rとを有する仕上がった外歯スプライン599Sが示されている。
さらに図5Aには、内歯スプライン631Bの歯との噛合のための外歯スプライン599Sの溝(歯溝)503S、505S、507S、509S、511S、513S、515S、517S、519S、521S、523S、525S、527S、529Sが示されている。
円柱の上部535が、本明細書において後述されるとおり、雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)531Aが図7に示されるとおりに雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)631Aと結合したときに、沈め穴の係合面630に係合する。
【0058】
再び図5、および、5Aを参照すると、上述したように、回転切削工具536が切削を開始すると考えられる被加工物531の上部に示されている。
そして、図示のとおり、外歯スプライン599Sの溝角度(歯溝)が、符号505Sで示されている。
図5に示されているとおりの回転切削工具536は、右方向の切削工具であり、矢印536Rが、回転切削工具536の回転を示している。
切削溝536A、536Bが、回転切削工具536上に示されている。
また、回転切削工具536は、左向きの切削工具であってもよく、ただ1つの溝を有する構造でもよい。
【0059】
回転切削工具536の基本位置は、矢印541の上部である。
回転切削工具536は、傾斜角βの矢印542の経路に沿って被加工物531に係合させられる。
次いで、回転切削工具536は、矢印539の経路に沿って下方に進んで、上部の円柱形部分531Cの外周から素材を切削し、結果として、スロット/溝角度/歯溝505Sを示す切削、および、切削の後方の外歯スプライン599Sの歯506Tの形成がもたらされる。
同一のスミリング加工を生成するために、他の工具の経路も使用することができる。
例えば、基本位置が、図5に見られるよりも高くてよい。
回転切削工具536は、経路539に沿って進み続け、段部532、および、ベース部531Bに斜めの工具逃げ部503R、505R、…を切削する。
符号540が、傾斜角βに沿った回転切削工具536の引き戻し経路を示している。
符号541が、経路541に沿った回転切削工具536の基本位置への回転切削工具536の再配置経路を示している。
回転切削工具536が基本位置に動かされる一方で、被加工物531は、被加工物531を次のスミリング作業に合わせて再配置するために、矢印537Aによって示されるとおりに回転させられ、あるいは位置決めされる。
さらに図5を参照すると、スロット/外歯スプライン599Sの溝角度/歯溝519S、および、外歯スプライン599Sの歯518Tが示されている。
符号519Rが、段部532に切り込まれたさらなる斜めの工具逃げ部を示している。
各々の歯溝が、それぞれ斜めの工具逃げ部(519R等)を有している。
【0060】
図5Bが、図5に示した被加工物の概略の平面図500Bであり、図5Bには、回転切削工具536を逃がすための外歯スプライン599Sの工具逃げ部503R、505R、507R、509R、511R、513R、515R、517R、519R、521R、523R、525R、527R、529Rと、後述する内歯スプライン631Bの歯と噛合する外歯スプライン599Sの溝(歯溝)503S、505S、507S、509S、511S、513S、515S、517S、519S、521S、523S、525S、527S、529Sと、外歯スプライン599Sの歯504T、506T、508T、510T、512T、514T、516T、518T、520T、522T、524T、526T、528T、530Tとが示されている。
【0061】
図5Cは、図5Bの線5C−5Cに沿って得た断面図500Cであり、外歯スプライン599Sのこの図(図5C)が、さらに詳しく後述されるとおり、図7において使用される。
【0062】
図5、および、図5Aには、ベース部531Bと、段部532と、円柱形部分531Cとを備える雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)531Aが開示されている。
段部532が、ベース部531Bと円柱形部分531Cとの間に位置している。
円柱形部分531Cが、外歯スプライン599Sを備えており、外歯スプライン599Sは、互いに周方向に間隔を空けて位置する複数の歯溝503S、505S、507S、509S、511S、513S、515S、517S、519S、521S、523S、525S、527S、529Sを備えており、隣り合う歯溝の間に複数の外歯スプライン599Sの歯504T、506T、508T、510T、512T、514T、516T、518T、520T、522T、524T、526T、528T、530Tが形成されている。
歯溝503S、505S、…は、隣り合う歯の噛合い面と、隣り合う歯をつなぎ合わせる隅肉とによって形成されている。
複数の歯溝503S、505S、…の各々が、雄のスプライン接続装置の段部532、および、ベース部に斜めに延在する回転切削工具536を逃がすための工具逃げ部503R、505R、…を備えている。
外歯スプライン599Sの複数の歯504T、506T、…の各々が、斜めの噛合い面、真っ直ぐな噛合い面、インボリュートの噛合い面、全湾曲の噛合い面、または、真っ直ぐな噛合い面であってよい噛合い面を備えている。
【0063】
図6は、スミリング加工によって製造された内歯スプライン631Bの概略の斜視図600であり、沈め穴の内歯スプライン631Bが、被加工物である雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)631Aの中央におおむね位置している。
被加工物(631A)は、ベース部631、および、上部632を備えている。
場合によっては、本明細書において使用されるとおり、雌のカラー接続装置(雌のスプライン接続装置)という用語が、図6、6A、および、6Bに示されている構造を定義するために使用される。
周状の沈め穴の内歯スプライン631Bが、隣接の構造を終端としており、すなわち、沈め穴の係合面630Cを終端としている。
図6Aは、図6の線6A−6Aに沿って得た断面図600Aであり、図6Aには、内歯スプライン631B、沈め穴の係合面630Cに切り込まれた斜めの工具逃げ602R、604R、604R、508R、610R、612R、614R、616R、618R、620R、622R、624R、626R、628R、および、被加工物(631A)の上面632Tが示されている。
図6Aは、本明細書においてさらに詳しく後述されるとおりに図7において使用される。
図6Bは、図6、および、図6Aに示した被加工物(631A)の平面図600Bであり、図6Bには、被加工物(631A)の上部の上面632Tが示されている。
【0064】
図6、図6A、および、図6Bは、被加工物(631A)の上部のおおむね周状の沈め穴の内歯スプライン631Bを示している。
対をなす外歯スプライン599Sの歯が係合する複数の内歯スプライン631Bの溝(歯溝)602S、604S、606S、608S、610S、612S、614S、616S、618S、620S、622S、624S、626S、628Sが、図6、図6A、および、図6Bにおいて、沈め穴の内周面を巡って等間隔に位置するものとして示されている。
沈め穴は、被加工物(631A)の上部に所望の深さ(あるいは、深さを長さと表現することができる)まで続いており、平坦な沈め穴の係合面630Cを終端としている。
沈め穴の係合面630Cには、斜めの回転切削工具536の工具逃げ部602R、604R、604R、…がスミリング加工によって形成されている。
複数の内歯スプライン631Bの歯603T、605T、607T、609T、611T、613T、615T、617T、619T、621T、623T、625T、627T、斜めの回転切削工具536の工具逃げ部602R、604R、604R、508R、610R、612R、614R、616R、618R、620R、622R、624R、626R、628R、および、沈め穴の係合面630Cも、図6、図6A、および、図6Bに示されている。
各々の歯溝503S、505S、…(602S、604S、…)に、それぞれ斜めの回転切削工具536の工具逃げ部503R、505R、…(602R、604R、…)が組み合わせられている。
【0065】
図6、図6A、および、図6Bを参照すると、ベース部631、および、上部632を備える雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)631Aが開示されている。
上部632が、凹状に加工された略円柱形のハブ部(631B)を備えている。
ハブ部(631B)が、沈め穴の係合面630Cを終端とする内歯スプライン631Bを備えている。
内歯スプライン631Bは、互いに周方向に間隔を空けつつ位置する複数の歯溝602S、604S、606S、608S、610S、612S、614S、616S、618S、620S、622S、624S、626S、628Sを備えており、隣り合う歯溝の間に複数の歯603T、605T、607T、609T、611T、613T、615T、617T、619T、621T、623T、625T、627Tが形成されている。
歯溝602S、604S、…は、隣り合う歯の噛合い面と、隣り合う歯をつなぎ合わせる隅肉とによって形成されている。
複数の歯溝602S、604S、…の各々が、沈め穴の係合面630Cに斜めに延在する回転切削工具536を逃がすための工具逃げ部602R、604R、…を備えている。
内歯スプライン631Bの複数の歯603T、605T、…の各々は、斜めの噛合い面、真っ直ぐな噛合い面、インボリュートの噛合い面、全湾曲の噛合い面、または、真っ直ぐな噛合い面であってよい噛合い面を備えている。
【0066】
図7が、完全に係合、または、結合したスミリングによる雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)531A、および、スミリングによる雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)631Aの概略の断面図700である。
図7は、図7Cの線7−7に沿って得られている。
図6Aに示したとおりの雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)631Aが、図7に示されている。
図5Cに示したとおりの雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)531Aが、雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)631Aと噛合して図7に示されている。
さらに図7を参照すると、雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)531A、および、雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)631Aが完全に結合したとき、外歯スプライン599Sの円柱形部分の上面535が、沈め穴の係合面630Cに係合する。
外歯スプライン599Sの歯540Tが、雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)631Aのスロット、または、内歯スプライン631Bの溝(歯溝)618Sに示されている。
外歯スプライン599Sの歯518Tが、雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)631Aのスロット、または、内歯スプライン631Bの溝(歯溝)604Sに示されている。
斜めの回転切削工具536の工具逃げ部618R、604Rが、上部632に位置する沈め穴の係合面630Cに切り込まれて示されている。
雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)631Aの上面632Tが、雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)531Aの中間の段部532に係合する。
外歯スプライン599Sの斜めの回転切削工具536の工具逃げ部は、図7の図においては、断面の切断が線5C−5Cに沿うように図5Bに示されているとおりに外歯スプライン599Sの歯504T、518Tを通って得られているため、妨げられていて見えていない。
【0067】
さらに図7を参照すると、有効面幅(スミリング)EFsが、スプライン接続の長さSCと等しい。
外歯スプライン599Sの歯、および、内歯スプライン631Bの歯の全長が利用される(ここでは、外歯スプライン599Sの歯の長さL1、および、内歯スプライン631Bの歯の長さL2が同じである)ことで、所与のスプライン接続の長さならびに内歯スプライン631Bの歯の所与のピッチ径、および、構造において、荷重伝達能力を大幅に向上させることができる。
L1、および、L2が示されている図7Bを参照されたい。
【0068】
さらに図5〜図7を参照すると、スプライン接続装置701が開示されており、雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)531A、および、雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)631Aを備えている。
雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)531Aが、ベース部531、段部532、および、円柱形部分531Cを備えている。
段部532が、ベース部531Bと円柱形部分531Cとの間に位置している。
外歯スプライン599Sが、円柱形部分531Cに位置しており、互いに周方向に間隔を空けて位置する複数の第1の歯溝503S、505S、507S、509S、511S、513S、515S、517S、519S、521S、523S、525S、527S、529Sを備えており、隣り合う第1の歯溝の間に複数の外歯スプライン599Sの歯504T、506T、…が形成されている。
複数の第1の歯溝503S、505S、…の各々は、隣り合う外歯スプライン599Sの歯の噛合い面と、隣り合う外歯スプライン599Sの歯をつなぎ合わせる隅肉とによって形成されている。
複数の第1の歯溝503S、505S、…の各々が、雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)531Aの段部532、および、ベース部531Bに斜めに延在する回転切削工具536を逃がすための外歯工具逃げ部としての工具逃げ部503R、505R、…を備えている。
雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)631Aは、ベース部631、および、上部632を備えている。
略円柱形のハブ部が、雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)631Aの上部632に凹状に形成されている。
凹状のハブ部は、内周、および、内歯スプライン631Bを備えている。
内歯スプライン631Bは、沈め穴の係合面630Cを終端としている。
内歯スプライン631Bは、互いに周方向に間隔を空けつつ位置する複数の第2の歯溝602S、604S、606S、608S、610S、612S、614S、616S、618S、620S、622S、624A、626S、628Sを備えており、隣り合う第2の歯溝602S、604S、…の間に内歯スプライン631Bの歯603T、605T、…が形成されている。
第2の歯溝602S、604S、…は、隣り合う内歯スプライン631Bの歯の噛合い面と、隣り合う内歯スプライン631Bの歯をつなぎ合わせる隅肉とによって形成されている。
複数の第2の歯溝602S、604S、…の各々が、沈め穴の係合面630Cに斜めに延在する回転切削工具536を逃がすための内歯工具逃げ部としての工具逃げ部602R、604R、…を備えている。
【0069】
外歯スプライン599Sの複数の歯504T、506T、…の各々が、内歯スプライン631Bの複数の第2の歯溝602S、604S、…のうちの対応する1つに位置する。
内歯スプライン631Bの複数の歯603T、605T、…の各々が、外歯スプライン599Sの複数の第1の歯溝503S、505S、…のうちの対応する1つに位置する。
外歯スプライン599Sの複数の歯504T、506T、…の各々が、内歯スプライン631Bの複数の歯603T、605T、…のうちの2つと係合でき、内歯スプライン631Bの複数の歯603T、605T、…の各々が、外歯スプライン599Sの複数の歯504T、506T、…のうちの2つと係合できる。
【0070】
図5C、および、図7を参照すると、雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)531Aの外歯スプライン599Sの複数の歯504T、506T、…の各々が、段部532から円柱形部分531Cの上面535まで測定して、第1の長さL1を有している。
図6A、および、図7を参照すると、雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)631Aのハブ部の内歯スプライン631Bの複数の歯603T、605T、…の各々が、上部632の上端632Tから沈め穴の係合面630Cまで測定して、第2の長さL2を有している。
外歯スプライン599Sの第1の長さL1が、内歯スプライン631Bの第2の長さL2と等しい。
第1の長さL1、および、第2の長さL2は、図7に示されるように、スミリング加工によって製作されるスプライン接続装置の有効面幅EFsである。
【0071】
参照すると、雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)531Aの円柱形部分531Cが、雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)631Aの上部632に凹状に加工された略円柱形のハブ部の沈め穴の係合面630Cと係合し、雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)531Aの段部532が、雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)631Aの上部632の上面632Tと係合する。
上述のように、複数の外歯スプライン599Sの歯504T、506T、…の一部分が、複数の内歯スプライン631Bの歯603T、605T、…の一部分に係合する。
互いの歯504T、506T、…(603T、605T、…)の係合は、完全な係合、または、部分的な係合であってもよい。
【0072】
本発明の別の例、または、表現は、雄部材(雄のスプライン部、雄のスプライン接続装置)(531A)、および、雌部材(雌のスプライン部、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)(631A)を備えるスプライン接続装置に関する。
雄部材(雄のスプライン部、雄のスプライン接続装置)(531A)が、段部532、および、円柱形部分531Cを備えている。
雄部材(雄のスプライン部、雄のスプライン接続装置)(531A)の円柱形部分531Cは、段部532から上部の上端まで延在しており、第1の長さL1を有する外歯スプライン599Sを備えている。
雌部材(雌のスプライン部、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)(631A)が、ベース部631、および、上部632を備えている。
上部632が、第2の長さL2を有する内歯スプライン631Bを有している沈め穴(631B)を備えている。
内歯スプライン631Bは、沈め穴の係合面630Cを終端としている。
雄部材(雄のスプライン部、雄のスプライン接続装置)(531A)、および、雌部材(雌のスプライン部、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)(631A)が、雄部材(雄のスプライン部、雄のスプライン接続装置)(531A)の段部532を雌部材(雌のスプライン部、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)(631A)の上部632と係合させて一体に連結される。
雄部材(雄のスプライン部、雄のスプライン接続装置)(531A)の円柱形部分531Cの上面が、雌部材(雌のスプライン部、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)(631A)の沈め穴(631B)の係合面と係合する。
スプラインの第1の長さL1、および、第2の長さL2は、等しい。
外歯スプライン599Sが内歯スプライン631Bに完全に噛合し、スミリングによる接続部の有効面幅の長さEFsは、スプラインの第1の長さL1、および、第2の長さL2に等しい。
【0073】
図7Aは、部分的に係合、または、結合した雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)531A、および、雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)631Aの概略の断面図である。
図7Aは、外歯スプライン599Sのスロット/溝角度/歯溝に係合する内歯スプライン631Bの歯605T、607T、609T、611T、613T、615T、および、617Tを示している。
歯504Tが、スロット、または、溝(歯溝)618Sに部分的に係合し、歯518Tが、スロット、または、溝(歯溝)604Sに部分的に係合している。
歯溝604S、606S、608S、610S、612S、614S、616S、および、618Sも、同様に図7Aに示されている。
例えば、図7に示されるとおりに完全に係合したときに、スプラインが一体に保持されるように保証するために、外部の手段を使用できる。
【0074】
図7Bは、お互いから離れた雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)531A、および、雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)631Aの概略の断面図である。
図7Cが、図7の線7C−7Cに沿って得た断面図700Cであり、係合した雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)531Aの外歯スプライン599S、および、雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)631Aの内歯スプライン631Bを示している。
すべての内歯スプライン631Bの歯、すべての外歯スプライン599Sの歯、すべての外歯スプライン599Sのスロット/溝角度/歯溝503S、505S、…、および、すべての内歯スプライン631Bのスロット/溝角度/歯溝602S、604S、…が、図7Cに示されている。
図7Dは、図7Cの一部を拡大した図700Dである。
外歯スプライン599Sの歯520T、522T、524T、ならびに内歯スプライン631Bの歯601T、627T、および、625Tが、拡大図700Dに示されている。
外歯スプライン599Sのスロット、または、歯溝521S、523S、および、525S、ならびに内歯スプライン631Bのスロット、または、歯溝602S、628S、および、626Sが、図7Dに示されている。
【0075】
図7Eは、図7、および、従来技術の図3の両方を互いに比較して示した概略の断面図700Eであり、図7Eには、スミリング加工によって製作された図7に示されるスプライン接続装置がスプライン接続の長さSCに等しい有効面幅EFsを有すること、および、図3の従来技術の有効面幅EFが同じ長さのスプライン接続SCについてEFsよりもはるかに短いことが、示されている。
図3に示されるとおり、外歯スプライン199、および、内歯スプライン220Aについて、製造される面幅FWは同じ長さである。
【0076】
従来技術の有効面幅EFは、以下のとおり
EF=SC−2CR
であり、以下のとおり
EFs=SC
である有効面幅(スミリング)EFsよりもはるかに小さい。
【0077】
図7Eは、スミリングによるスプライン接続について、図3の従来技術との図による直接的な比較を可能にする。
スミリングによるスプライン接続の方がはるかに効率的であり、所与の接続長SCにおいて、スミリングによる接続の有効幅EFsは、従来技術のEFよりもはるかに大きい。
【0078】
図8は、本発明の一実施例、すなわち、雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)(531A、831)の正面図800であり、図8には、45°の傾斜角に向けられた回転切削工具(エンドミル工具)536を使用して被加工物(531、800〜804、831)上にスミリングされる外歯スプライン899が示されている。
符号869T、871T、873T、875T、877Tが、図8の実施例の外歯スプライン899の歯を指しており、符号870S、872S、874S、876S、878Sが、対をなす内歯スプライン631Bの歯を受け入れるための溝角度(または、歯溝)を指している。
符号801が、被加工物(531、800〜804、831)のベースを指し、符号802が、被加工物(531、800〜804、831)の中間部を指し、符号803が、被加工物の円柱形部分の上部を指し、符号804が、被加工物(531、800〜804、831)の段部を指している。
符号820が、工具ホルダを指し、符号821が、チャックを指し、符号825が、5軸のエンドミルであるMazakを指している。
回転切削工具536を適切な傾斜角に向けることができる任意のエンドミルが、スミリング加工の実行に適することができる。
符号888、889が、被加工物(531、800〜804、831)を所定の位置に保持するチャックを示している。
【0079】
スミリング加工のさらなる利点は、例えば、Mazak 5軸エンドミルなどの機械が、機械の1つの設定にて被加工物(531、800〜804、831)の片側のすべての造作を機械加工でき、被加工物(531、800〜804、831)を作業場を巡って他の作業台に運ぶ必要がないため、機械の設定時間が短縮されることにある。
またさらには、被加工物(531、800〜804、831)の所与の側の機械加工作業のすべてが、Mazak 5軸エンドミルなどのただ1つのエンドミルによって実行されるため、整列の誤差が実質的になくなる。
換言すると、外歯スプライン899の歯のうちの1つを被加工物(531、800〜804、831)の他の造作に対して整列させ、あるいは被加工物(531、800〜804、831)の特定の周位置を被加工物(531、800〜804、831)の他の造作に対して整列させるべき場合に、被加工物(531、800〜804、831)の片側ごとに1回のチャッキングだけでよいため、再チャッキング(複数回の設定)に起因する整列ずれがなくなる。
【0080】
図8Aは、別の被加工物831であるスピンドルの斜視図800Aである。
リム832が、スピンドルを別の構造体に取り付けるためのねじ山付きのボルト穴を備えている。
凹所860が、円柱形のスピンドル834の周囲を周状に延在している。
通路880が、スピンドルを貫いている。
段部836が、外歯スプライン899の隣接構造である。
外歯スプライン899の歯839T、841T、843T、845T、対をなす内歯スプライン631Bの歯を受け入れるための歯角度/歯溝/スロット847T、840S、842S、844S、846S、848S、および、回転切削工具536を逃がす工具逃げ部840R、842R、844R、846R、848Rが、図8Aに示されている。
【0081】
図8Bが、図8Aで説明した特徴を示している図8Aの被加工物/スピンドル831の平面図800Bである。
図8Cが、図8Aの線8C−8Cに沿って得た図8Bのスピンドル/被加工物831の平面図の断面図800Cであり、歯溝846S、および、工具逃げ部846Rが示されている。
【0082】
図8Dは、本発明の別の実施例、すなわち、図8、および、図8Aに示した被加工物831と同様の被加工物を示す斜視図800Dであり、図8Dには、段部836Aの周状の溝836Gが、外歯スプライン897Aに隣接していることが示されている。
図8Dに、溝836G、および、溝内の面取り836Cが示されている。
図8Dの実施例の歯溝840S、842S、…を作成するための加工においては、溝836Gが工具逃げとして機能するため、回転切削工具536を逃がす図8Aに示す個々の工具逃げ部は不要である。
図8Eが、図8Dと同じ構成要素、および、造作を示している図8Dの平面図800Eである。
図8Fが、図8Eの線8F−8Fに沿って得た断面図であり、図8Fには、歯溝846S、溝836G、および、面取り836Cが示されている。
【0083】
図8Gが、図8の線8G−8Gに沿って得た平面図であり、図8Gには、内歯スプライン631Bの歯と噛合できる外歯スプライン899の歯溝(符号は付されていない)を雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)(831)の円柱形部分にスミリングしている回転切削工具536が示されている。
図8Gは、回転切削工具536の態様のいくつかを説明するために、図9に関連して使用される。
【0084】
図10が、沈め穴(1020)と、スミリング加工によって製作された内歯スプライン1020とを有するキャリア1000の斜視図である。
図10Aは、図10の平面図1000Aである。
キャリア1000は、装置(1000)の内周を巡って等間隔で位置する複数の歯1003T、1005T、1007Tを備えている。
歯溝1002S、1004S、1006S、および、1008Sが、キャリア1000の内周を巡って等間隔で位置しており、外歯スプライン(599S、897A、899)の歯と噛合することができる。
回転切削工具(カーバイド切削円錐工具)536が、上述のように沈め穴(1020)の内周の歯溝1002S、1004S、…をスミリング加工している状態で示されている。
【0085】
隣接の構造の直近にスプラインを製造するためのプロセスであって、被加工物(531、800〜804、831)を固定するステップと、多数の他のステップとを含むプロセスが、開示されている。
図5、および、図9を参照すると、雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置、被加工物)531Aが、上方の円柱形部分531Cと、隣接の構造532とを備えており、上部の円柱形部分531Cが、上部、または、上端部535を備え、或る長さを有している。
回転切削工具536が、雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置、被加工物)531Aの上部の円柱形部分531Cに対して傾斜角βに向けられ、当然ながら回転536Rをさせられる。
回転している回転切削工具536が、回転切削工具536を基本位置(矢印541の先端)から移動することによって、雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置、被加工物)531Aの上部の円柱形部分531Cの上端部535と係合する。
回転切削工具536が、雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置、被加工物)531Aの上部の円柱形部分531Cの端部837(上端部535)から線、または、経路539に沿って動かされ、切削作用によって上部の円柱形部分531Cの全長にわたって素材を除去するとともに、雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置、被加工物)531Aの隣接の構造である段部532に動かされて、回転切削工具536の工具逃げ部505Rを形成する。
歯溝505Sなどの歯溝が、回転切削工具536の切削作用によって形成される。
次いで、回転切削工具536は、回転している回転切削工具536の傾斜角βに沿って、雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置、被加工物)531Aの隣接の構造から線、または、経路540に沿って引き戻される。
次いで、回転切削工具536が、線、または、経路541に沿って垂直方向に初期位置(基本位置)に戻され、雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置、被加工物)531Aが、次のスミリング作業のための位置に配置される。
雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置、被加工物)531Aが、各々の歯溝を切削した後で別の歯溝を形成できるように回転させられ、あるいは位置決めされる。
スプラインの歯504T、506T、…は、間隔を空けて位置する2つの歯溝503S、505S、…の間に形成される。
次いで、回転している回転切削工具536を雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置、被加工物)の上部の円柱形部分の端部に係合させるステップ、回転切削工具536を雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置、被加工物)531Aの上部の円柱形部分531Cの上端部535から移動させ、切削作用によって上部の全長にわたって素材を除去するとともに、雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置、被加工物)531Aの隣接の構造(532)に移動させて、回転切削工具536の工具逃げ部を形成するステップと、回転切削工具536を回転している回転切削工具536の傾斜角βに沿って雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置、被加工物)531Aの隣接の構造(532)から引き戻すステップとが繰り返される。
【0086】
このプロセスに関して、回転切削工具536を外歯スプライン(599S、897A、899)に合わせて寸法付けるステップは、図9Eに関して上述したように決定される回転切削工具536の円錐の内角2τと、名目上は60°であるように技術者によって選択される部品の溝の内角2αと、傾斜角βとにもとづく。
ひとたび2τが知られると、回転切削工具536の長さが決定される。
キャップ半径が、形成径において確立され、回転切削工具536の円錐が、部品の溝/スロットを完全にスミリング加工するために部品から十分に長く延在する。
上述のプロセスは、隣接の構造が段部532であり、回転切削工具536の工具逃げ部503R、505R、…が傾斜角で段部532に延在している外歯スプライン(599S、897A、899)を生み出すことができる。
【0087】
隣接の構造の直近にスプラインを製造するための別のプロセスが、図10、および、他の図に関連して開示されている。
図10を参照し、このプロセスのステップは、沈め穴(1020)と沈め穴(1020)に近接した隣接構造1030Cとを有する被加工物(1000)を固定するステップを含む。
符号1020が、沈め穴と沈め穴の内周に形成された内歯スプラインとを全体的に指すために使用されている。
沈め穴(1020)は、沈め穴(1020)の係合面1020Cの深さまで延在している。
沈め穴(1020)は、端部1001を備えており、端部1001から沈め穴(1020)の係合面1030Cまでの距離としての長さを備えている。
基本位置において、回転切削工具536が、被加工物(1000)の沈め穴(1020)の端部1001に対して或る傾斜角に向けられる。
回転切削工具536は、当然ながら回転536Rをさせられ、被加工物(1000)の沈め穴(1020)の端部1001に係合させられる。
次に、回転している回転切削工具536が、被加工物(1000)の沈め穴(1020)の端部1001から移動し、切削の作用によって沈め穴の全長(端部1001から沈め穴(1020)まで)にわたって素材を除去するとともに、被加工物(1000)の隣接構造(1030C)に移動して、回転切削工具536の工具逃げ部(例えば、1002R)を形成する。
回転切削工具536の工具逃げ部(例えば、1002R)の生成の後で、回転切削工具536は、回転している回転切削工具536の傾斜角に沿って被加工物(1000)の隣接構造(1030C)から引き戻される。
【0088】
このプロセスのさらなるステップは、回転切削工具536を初期位置(基本位置)に戻すステップ、各々の歯溝(1002S、1004S、…)の生成の後で被加工物(1000)を回転させることによって被加工物(1000)を位置決めするステップ、および、回転している回転切削工具536を被加工物(1000)の沈め穴(1020)の端部1001に係合させるステップと、回転している回転切削工具536を被加工物(1000)の沈め穴(1020)の端部1001から移動させ、切削の作用によって沈め穴(1020)の全長にわたって素材を除去するとともに、被加工物(1000)の隣接構造(1030C)に移動させて、斜めの回転切削工具536の工具逃げ部(1002R、1004R、…)を形成するステップと、回転切削工具536を回転している回転切削工具536の傾斜角に沿って被加工物(1000)の隣接構造(1030C)から引き戻すステップとを繰り返すステップを含む。
【0089】
上述のプロセスは、内歯スプライン(1020)を生成することができ、隣接構造は、沈め穴(1020)の係合面1030Cであってよく、回転切削工具536の工具逃げ部(1002R、1004R、…)が、傾斜角で沈め穴(1020)に延在する。
このプロセスに関して、回転切削工具536を寸法付けるステップは、回転切削工具536の円錐の内角にもとづき、部品の溝の内角、および、傾斜角にもとづく。
外歯スプライン(599S、897A、899)を製造するためのスミリング加工が、開示されている。
このプロセスは、外歯スプライン(599S、897A、899)によって伝えられるべき荷重を割り出すステップを含む。
荷重は、用途のパラメータによって決定される。
図4〜図4C、および、図9〜図9Bを参照すると、ピッチ円Dが、割り出された荷重にもとづいて外歯スプライン(599S、897A、899)について選択される。
次いで、歯の数Nが、円ピッチCPが十分に大きく、外歯スプライン(599S、897A、899)の歯が十分に大きく、指定の荷重に対応できるように選択される。
次いで、外歯スプライン(599S、897A、899)の長さが、割り出された荷重、外歯スプライン(599S、897A、899)の選択されたピッチ径、円ピッチCP、歯、および、シャフトへのせん断、および、圧縮応力、スプラインのはめ合い、ならびに内歯スプライン(631B、1020)の歯と外歯スプライン(599S、897A、899)の歯との間に得られる係合にもとづいて決定される。
次いで、回転切削工具536の傾斜角βが選択され、部品の溝の内角2αも選択される。
部品の溝の内角は、妥当な確度の範囲において選択される。
回転切削工具536の円錐の内角2τが、β、および、αに関して表現されるアルゴリズムにもとづいて計算される。
ひとたび回転切削工具536の円錐の内角2τが知られると、形成径までのキャップ半径が回転切削工具536の一端を定め、回転切削工具536の円錐が、完全な部品を製作するために部品から十分に長く延在する。
【0090】
次に、被加工物(531、800〜804、831)が、適当なエンドミルにチャックされる。
チャック後に、被加工物(531、800〜804、831)がスミリング加工され、適切に寸法付けられた回転切削工具536、および、5軸のMazakエンドミルによるスミリング加工を使用して、適切な外歯スプライン(599S、897A、899)の溝角度(歯溝)が生成される。
プロセスは、回転切削工具536を逃がすために被加工物(531、800〜804、831)の隣接構造(532、804、836、836A)に斜めの工具逃げ部(503R、505R、…、840R、842R、…836G)をスミリング加工することをさらに含む。
典型的には、被加工物(531、800〜804、831)が円柱形であり、隣接構造が段部(532、804、836、836A)である。
スミリング加工によるスプラインを生成するために、被加工物(531、800〜804、831)が、被加工物(531、800〜804、831)の外周を巡って等間隔に位置する複数の角度(歯溝)をスミリング加工して、周方向に間隔を空けて位置する外歯スプライン(599S、897A、899)の歯を形成することができるよう、回転によって位置決めされる。
【0091】
回転切削工具536を寸法付けるステップは、傾斜角β、および、部品の溝の内角αに関して表現されるアルゴリズムを使用して、回転切削工具536の円錐の内角2τに到達するステップを含む。
ひとたび2τが知られると、形成径までのキャップ半径が回転切削工具536の一端を定め、回転切削工具536の円錐が、完全な部品を製作するために部品から十分に長く延在する。
言い換えると、回転切削工具536の円錐のキャップ半径が形成径に定められ、回転切削工具536の円錐が、回転切削工具536の先端側の端部(一端)を定めており、回転切削工具536の先端側の円錐をスプラインから十分に長く延在して回転切削工具536の先端側と反対側の端部が形成される。
これに限られるわけではないが、典型的には、傾斜角βが好ましくは30〜60°の範囲にあり、部品の溝の角度αが好ましくは40〜75°の範囲にある。
【0092】
回転切削工具536は、カーバイド切削部を含み、回転切削工具536は、2つの真っ直ぐな溝と、角スプラインを生成するための半径キャップとを含む。
角スプラインの用途において、ただ1つの溝を使用することができる。
インボリュートのスプラインが所望される場合には、回転切削工具536が、適切な溝角度(歯溝)、および、インボリュート歯を製造するための複数のインボリュート半径を含む。
インボリュート歯を製造するために、いくつかの溝を使用することができる。
【0093】
直線状の噛合い面のスプラインがスミリング加工される場合、回転切削工具(エンドミル)536が円柱の形状に近付くと考えられ、傾斜角が90°に近付くと考えられる。
段部などの隣接構造にスミリング加工される工具逃げ部は、深さが円柱形の回転切削工具536の直径になると考えられる円形の経路に近付くと考えられる。
【0094】
内歯スプライン(631B、1020)を製造するためのプロセスが開示され、外歯スプライン(599S、897A、899)を製造するためのプロセスに類似している。
このプロセスは、内歯スプライン(631B、1020)によって伝達されるべき荷重を割り出すステップを含み、このステップは、外歯スプライン(599S、897A、899)に関して上述したステップと同じである。
次に、対をなす外歯スプライン(599S、897A、899)のピッチ円が、上述のように選択される。
次に、内歯スプライン(631B、1020)の長さが、割り出された荷重、および、外歯スプライン(599S、897A、899)の選択されたピッチ径にもとづいて決定される。
次いで、歯の数Nが、外歯スプライン(599S、897A、899)の円ピッチが十分に大きく、外歯スプライン(599S、897A、899)の歯が荷重に対応できるように選択される。
次に、外歯スプライン(599S、897A、899)の部品の溝の内角2α°が選択され、内歯スプライン(631B、1020)の部品の溝の内角が式2α°−((360/N)°)を使用して決定される。
次いで、回転切削工具(エンドミル)536が、傾斜角β、および、内歯スプライン(631B、1020)の部品の溝の内角2α°−((360/N)°)に関して表現されるアルゴリズムにもとづいて寸法付けられる。
ひとたび2τが決定されると、キャップ半径が形成径に配置され、回転切削工具(エンドミル)536の他端が、スロット/溝の完全なスミリング加工を保証するために部品から十分に長く延在する。
言い換えると、回転切削工具536の先端側の円錐をスプラインから十分に長く延在して回転切削工具536の先端側と反対側の端部が形成される。
次いで、適切な被加工物(1000)が、Mazakエンドミル、または、任意の他の市販の多軸のエンドミルにチャックされる。
次いで、被加工物(1000)が、回転切削工具(回転切削カーバイド工具、エンドミル)536を使用してスミリング加工され、被加工物(1000)に適切な内歯スプライン1020の溝角度が生成される。
次いで、回転切削工具(回転切削カーバイド工具)536の斜めの工具逃げ部(1002R、1004R、…)が、被加工物(1000)の隣接構造(1030C)にスミリング加工される。
典型的には、適切な被加工物(1000)が沈め穴(1020)を備えており、沈め穴(1020)が内周面を有している。
周状に間隔を空けて位置する適切な内歯スプライン1020の歯、および、等間隔に位置する適切な内歯スプライン1020の溝角度(歯溝)を生成するために、被加工物(1000)の内周を巡って複数の等間隔に位置する適切な内歯スプライン1020の溝角度(歯溝)をスミリング加工でき、したがって周状に間隔を空けて位置する内歯スプライン1020の歯を形成できるよう、被加工物(1000)が回転させられて位置決めされる。
【0095】
本発明を本明細書において十分に開示された本発明に従って、あくまでも例として説明した。
本明細書に提示の例について、変更、および、修正が可能であり、そのような変更、および、修正は、明確に本明細書に含まれ、そのような変更、および、修正のいずれも、添付の特許請求の範囲の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0096】
100 ・・・ ベース、段部、円柱形の外歯スプライン部、および、工具逃げを従来からのカッタ−シェイパ工具、および、その動作経路とともに示している図1Aの線1−1に沿って得た従来技術の雄の接続部材(シャフト部材)の概略の断面図
100A ・・・ 従来技術の斜視図
100B ・・・ 従来技術の図1Aの立面図
100C ・・・ 従来技術の図1Aの平面図
101 ・・・ ベース
101A ・・・ 被加工物
102 ・・・ 段部
103 ・・・ 工具逃げ
104 ・・・ 歯
105 ・・・ 円柱形部分の上部
106 ・・・ カッタ−シェイパ工具
107 ・・・ 切刃
108 ・・・ カッタの運動の図
109 ・・・ カッタ−シェイパ工具の下方移動
110 ・・・ カッタ−シェイパ工具をスプライン(被加工物)から離す水平移動、または、横移動
111 ・・・ カッタ−シェイパ工具の縦移動、または、上方移動
112 ・・・ カッタ−シェイパ工具を整列させる再配置の移動
121 ・・・ 歯
122 ・・・ 歯の横腹、または、噛合い面
123 ・・・ 隅肉
199 ・・・ 外歯スプライン
200 ・・・ 雌の接続部材(カラー部材)のベース、段部、円柱形の内歯スプライン部、および、工具逃げを示している従来技術の斜視図
200A ・・・ 図2の線2A−2Aに沿って得た従来技術の断面図
200B ・・・ 図2の平面図
201 ・・・ 雌の接続部材のベース
201A ・・・ 雌の接続部材
202 ・・・ 雌の接続部材の上部
203 ・・・ 雌の接続部材の工具逃げ
204 ・・・ 歯溝
205 ・・・ 雌の接続部材の歯
206 ・・・ 雌の接続部材の底部
300 ・・・ 互いに係合した雄の接続部材、および、雌の接続部材の断面図
400 ・・・ 角スプライン装置、および、基本的な用語の図解
400A ・・・ インボリュートスプライン装置、および、基本的な用語の図解
400B ・・・ スミリング加工を使用して製造されたインボリュートスプライン接続装置の外歯スプライン、および、内歯スプラインについて、ピッチ径、外歯の大径、および、小径、内歯の大径、および、小径、ならびに円ピッチを示している概略図
500 ・・・ 被加工物の段部、および、ベース部に切り込まれた工具逃げ部を備える外歯スプラインを製造するために角カーバイドエンドミルで加工される被加工物の図5Aの線5−5に沿って得た概略の部分断面図
500A ・・・ 上部の円柱形部分の仕上がった外歯スプラインと、中間の段部、および、ベース部に切り込まれた工具を逃がすための工具逃げ部とを示している、被加工物の概略の斜視図
500B ・・・ 図5に示した被加工物の概略の平面図
500C ・・・ 図5Bの線5C−5Cに沿って得た断面図
503R、505R、507R、509R、511R、513R、515R、517R、519R、521R、523R、525R、527R、529R ・・・ 工具を逃がすための外歯スプラインの工具逃げ部(外歯工具逃げ部)
503S、505S、507S、509S、511S、513S、515S、517S、519S、521S、523S、525S、527S、529S ・・・ 歯溝、対をなす内歯のための外溝
504T、506T、508T、510T、512T、514T、516T、518T、520T、522T、524T、526T、528T、530T ・・・ 外歯スプラインの歯
531 ・・・ 雄のスプライン接続装置、被加工物
531A ・・・ 雄のスプライン接続装置(外歯スプライン接続装置)
531B ・・・ 雄のスプライン接続装置のベース部
531C ・・・ 雄のスプライン接続装置の円柱形部分
532 ・・・ 雄の段部
535 ・・・ 円柱の上部
536 ・・・ 回転切削工具(エンドミル工具)
536A ・・・ 工具の切削溝(溝の端部)
536B ・・・ 工具の切削溝(溝の端部)
536R ・・・ 工具の回転を示す矢印
537A ・・・ 被加工物を工具の次の通過に合わせて位置決めするための被加工物501の回転
539 ・・・ 回転切削工具(エンドミル工具)の下方への移動/通過
540 ・・・ 工具逃げ部の外形に沿った工具の引き戻しの経路
541 ・・・ 工具の垂直の経路
542 ・・・ 工具の配置の経路
599S ・・・ 外歯スプライン
600 ・・・ 被加工物の沈め穴(沈め穴の係合面を終端としている)に位置する内歯スプラインの概略の斜視図
600A ・・・ 内歯スプラインならびに被加工物の沈め穴の係合面、および、上部に切り込まれた工具逃げ部を示している図6の線6A−6Aに沿って得た断面図
600B ・・・ 被加工物の上部の上面を示している図6、および、6Aに示した被加工物の平面図
602R、604R、606R、608R、610R、612R、614R、616R、618R、620R、622R、624R、626R、628R ・・・ 工具を逃がすための内歯スプラインの工具逃げ部(内歯工具逃げ部)
602S、604S、606S、608S、610S、612S、614S、616S、618S、620S、622S、624S、626S、628S ・・・ 歯溝、対をなす外歯スプラインの歯のための内歯スプラインの溝
603T、605T、607T、609T、611T、613T、615T、617T、619T、621T、623T、625T、627T ・・・ 内歯スプラインの歯
630C ・・・ 沈め穴の係合面
631 ・・・ 雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)のベース部
631A ・・・ 内歯スプライン接続装置(雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)、被加工物
631B ・・・ 沈め穴の内歯スプライン
632 ・・・ 雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)の上部
700 ・・・ 完全に係合、または、結合した雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)、および、雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)の概略の断面図
700A ・・・ 部分的に係合、または、結合した雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)、および、雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)の概略の断面図
700B ・・・ 互いに離れた雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)、および、雌のスプライン部(雌部材、雌のカラー接続装置、雌のスプライン接続装置)の断面図
700C ・・・ 係合した雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)の外歯スプライン、および、雌のスプライン装置の内歯スプラインを示している図7の線7C−7Cに沿って得た断面図
700D ・・・ 図7Cの一部分の拡大図
700E ・・・ スミリング加工によって製作された装置が、スプライン接続の長さSCに等しい有効面幅EFsを有しており、従来技術の有効面幅EFが、同じスプライン接続の長さSCにおいてEFsよりもはるかに短いことを示している、図7、および、図3の両者(図7を従来技術の図3と比べて示している)の概略の断面図
800 ・・・ 本発明の一実施例、すなわち、雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)について、45°の傾斜角に向けられたエンドミル工具を使用して被加工物上にスミリング加工される外歯スプラインを示している正面図
800A ・・・ 被加工物へのスミリング加工の完了後の外歯スプラインを備えている雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)を有している本発明の一実施例、すなわち、スピンドルの斜視図
800B ・・・ 図8Aの被加工物の平面図
800C ・・・ 図8Bの線8C−8Cに沿って得た図8Bの断面図
800D ・・・ 本発明の別の実施例、すなわち、外歯スプラインに隣接する段部に周状の工具逃げを有している図8Aに示した被加工物に類似の被加工物
800E ・・・ 図8Dの平面図
800F ・・・ 図8Eの線8F−8Fに沿って得た断面図
800G ・・・ 内歯スプラインの歯と噛合できる外歯スプラインの溝を雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)の円柱形部分にスミリング加工している工具を示している図8の線8G−8Gに沿って得た平面図
801 ・・・ 被加工物のベース
802 ・・・ 被加工物の中間部
803 ・・・ 被加工物の円柱形部分の上部
804 ・・・ 被加工物の段部
820 ・・・ 工具ホルダ
821 ・・・ チャック
825 ・・・ Mazak 5軸エンドミル
831 ・・・ スピンドル被加工物
832 ・・・ スピンドルのリム
833 ・・・ ねじ山付きのボルト穴
834 ・・・ スピンドル
836 ・・・ 隣接の段部
836A ・・・ 隣接の段部
836G ・・・ 隣接の段部836Aの溝
836C ・・・ 面取り、溝836Gの一部
837 ・・・ 雄のスプライン部(雄部材、雄のスプライン接続装置)の円柱形部分の上端部
839T、841T、843T、845T、847T ・・・ 外歯スプラインの歯
840R、842R、844R、846R、848R ・・・ 工具を逃がす工具逃げ部(外歯工具逃げ部)
840S、842S、844S、846S、848S ・・・ 対をなす内歯スプラインの歯を受け入れるための溝角度(歯溝)
860 ・・・ スピンドルのリム831の凹所
869T、871T、873T、875T、877T ・・・ 外歯スプラインの歯
870S、872S、874S、876S、878S ・・・ 対をなす内歯スプラインの歯を受け入れるための溝角度
880 ・・・ スピンドルの通路
888、889 ・・・ 被加工物チャック
897 ・・・ 図8Aの外歯スプラインを指す矢印
897A ・・・ 外歯スプライン
900 ・・・ 被加工物に対して45°の傾斜角にあるスミリング加工用カッタカーバイド工具を示しているスミリング加工の概略図
900A ・・・ 工具の円錐の内角2τを決定するための傾斜角βにあるスミリング加工用カッタカーバイド工具、および、部品の溝の内角2α(楕円形の投影の一部として示されている)の概略図
900B ・・・ 部品の溝の内角の楕円形の投影を図9Cに示されるとおりの工具の切削の外形に向けるように、楕円形の投影を反時計方向に90°回転させた図9Aの線9B−9Bに沿って得た図
900C ・・・ 部品の溝の内角の楕円形の投影の方向に向けられたカーバイド・スミリング・カッタを示している図8Gの拡大された一部分
900D ・・・ 未だスミリング加工によって除去されていない素材を示している図9と同等の図
900E ・・・ 工具、傾斜角、部品の溝の角、および、工具の円錐の内角を計算するための楕円の概略図
901 ・・・ スミリング加工用カーバイド工具カッタの方向
1000 ・・・ 沈め穴、および、スミリング加工によって製作された内歯スプラインを有するキャリア
1000A ・・・ 図10の平面図
1003T、1005T、1007T ・・・ 内歯スプラインの歯
1002R、1004R、1006R、1008R ・・・ 沈め穴の係合面1030Cの工具逃げ部(内歯工具逃げ部)
1002S、1004S、1006S、1008S ・・・ 対をなす外歯スプラインの歯を受け入れるための溝角度(歯溝)
1020 ・・・ 沈め穴、および、内歯スプライン
1030C ・・・ 沈め穴の係合面
1100 ・・・ 第1の溝、および、第2の溝を有するインボリュート・カーバイド・エンドミル切削工具の正面図
1100A ・・・ インボリュート・カーバイド・エンドミル切削工具の端面図
1100B ・・・ 異なる半径R1、R2、および、R3を示しているインボリュートエンドミルの表面の拡大図
1101 ・・・ 約4インチである工具の長さ
1102 ・・・ インボリュート・エンドミル・カーバイド切削工具
1103 ・・・ 約0.56インチである工具の軸径
1104 ・・・ 第1の溝
1105 ・・・ 第2の溝
1107 ・・・ 半径R1、R2、および、R3によって変更された第1の切削角
1200 ・・・ 角カーバイドエンドミル切削工具の正面図
1200A ・・・ 図12の角カーバイドエンドミル切削工具の端面図
1201 ・・・ 約0.56インチである角カーバイドエンドミル切削工具の軸径
1202 ・・・ 4インチである切削工具の長さ
1203 ・・・ 工具スペース内角41.40°
1204 ・・・ 約0.543インチである切削面の長さ
1205 ・・・ 約0.875インチである溝表面の長さ
1206、1207 ・・・ 第1の溝
1208、1209 ・・・ 第2の溝
B ・・・ バックラッシ
BC ・・・ ベース円、この円からインボリュートスプライン歯の外形が作られる
CR ・・・ 根元すき間
D ・・・ ピッチ径、直径ピッチに対する歯の数の比として決定されるピッチ円の直径
Db ・・・ ベース円の直径
CP ・・・ 円ピッチ、隣接するスプラインの歯の対応する点の間のピッチ円に沿った距離
L1 ・・・ スミリング加工によって製作される外歯スプラインの長さ
L2 ・・・ スミリング加工によって製作される内歯スプラインの長さ
P ・・・ 直径ピッチ、ピッチ径1インチ当たりのスプラインの歯数
R1、R2、R3 ・・・ インボリュートエンドミル切削工具1102における半径
TT ・・・ ピッチ径における歯厚
SW ・・・ ピッチ径における溝幅
Dfi ・・・ 内歯の形成径
Dfe ・・・ 外歯の形成径
Dai ・・・ 内歯の小径
Dre ・・・ 外歯の小径
Dae ・・・ 外歯の大径
Dri ・・・ 内歯の大径
SAi ・・・ 内歯の溝角度
SAe ・・・ 外歯の溝角度
TAi ・・・ 内歯の歯角度
TAe ・・・ 外歯の歯角度
Cr ・・・ 環状の工具逃げ103、203に等しい従来技術の環状のカッタ工具逃げ
SC ・・・ スプライン接続の長さ
EF ・・・ 従来技術の有効面幅
EFs ・・・ スミリングによる有効面幅の長さ
FW ・・・ 製造された面幅の長さ
α ・・・ 部品の溝の半角
β ・・・ 傾斜角
τ ・・・ 工具の円錐の半角
X ・・・ 楕円の投影における座標
Y ・・・ 楕円の投影における座標
W1 ・・・ 工具の楕円の長軸の半分
W2 ・・・ 工具の楕円の短軸の半分
Φ ・・・ 圧力角、インボリュートの接線と接点を通る半径方向の線との間の角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部と、外周面に外歯スプラインを有する円柱形部分と、前記ベース部と円柱形部分との間に位置してなる段部とを備えた雄のスプライン接続装置において、
前記外歯スプラインが、互いに周方向に間隔を空けて位置する複数の歯溝と該複数の歯溝の間にそれぞれ形成された複数の歯とを有し、
前記複数の歯溝の各々が、回転切削工具を逃がすための工具逃げ部を前記段部、および、ベース部に斜めに延在させて備えていることを特徴とする雄のスプライン接続装置。
【請求項2】
前記外歯スプラインの前記複数の歯の各々が、斜めの噛合い面を備えていることを特徴とする請求項1に記載の雄のスプライン接続装置。
【請求項3】
前記外歯スプラインの前記複数の歯の各々が、真っ直ぐな噛合い面を備えていることを特徴とする請求項1に記載の雄のスプライン接続装置。
【請求項4】
前記外歯スプラインの前記複数の歯の各々が、インボリュートな噛合い面を備えていることを特徴とする請求項1に記載の雄のスプライン接続装置。
【請求項5】
前記外歯スプラインの前記複数の歯の各々が、全湾曲な噛合い面を備えていることを特徴とする請求項1に記載の雄のスプライン接続装置。
【請求項6】
ベース部と、上部と、上部側に設けられ内周面に沈め穴の係合面を終端とした内歯スプラインを有する略円柱形のハブ部とを備えた雌のスプライン接続装置において、
前記内歯スプラインが、互いに周方向に間隔を空けて位置する複数の歯溝と該複数の歯溝の間にそれぞれ形成された複数の歯とを有し、
前記複数の歯溝の各々が、回転切削工具を逃がすための工具逃げ部を前記沈め穴の係合面に斜めに延在させて備えていることを特徴とする雌のスプライン接続装置。
【請求項7】
前記内歯スプラインの前記複数の歯の各々が、斜めの噛合い面を備えている請求項6に記載の雌のスプライン接続装置。
【請求項8】
前記内歯スプラインの前記複数の歯の各々が、真っ直ぐな噛合い面を備えている請求項6に記載の雌のスプライン接続装置。
【請求項9】
前記内歯スプラインの前記複数の歯の各々が、インボリュートな噛合い面を備えている請求項6に記載の雌のスプライン接続装置。
【請求項10】
前記内歯スプラインの前記複数の歯の各々が、全湾曲の噛合い面を備えている請求項6に記載の雌のスプライン接続装置。
【請求項11】
雄のスプライン部と、雌のスプライン部とを備えるスプライン接続装置において、
前記雄のスプライン部が、ベース部と、外周面に外歯スプラインを有する円柱形部分と、前記ベース部と円柱形部分との間に位置してなる段部とを備え、
前記外歯スプラインが、互いに周方向に間隔を空けて位置する複数の第1の歯溝と該複数の第1の歯溝の間にそれぞれ形成された複数の外歯スプラインの歯とを有し、
前記複数の第1の歯溝の各々が、回転切削工具を逃がすための外歯工具逃げ部を当該雄のスプライン部の前記段部、および、前記ベース部に斜めに円錐状に延在させて備え、
前記雌のスプライン部が、ベース部と、上部と、上部側に設けられ内周面に沈め穴の係合面を終端とした内歯スプラインを有する略円柱形のハブ部とを備え、
前記内歯スプラインが、互いに周方向に間隔を空けて位置する複数の第2の歯溝と該複数の第2の歯溝の間にそれぞれ形成された複数の内歯スプラインの歯とを有し、
前記複数の第2の歯溝の各々が、回転切削工具を逃がすための内歯工具逃げ部を前記沈め穴の係合面に斜めに円錐状に延在させて備え、
前記外歯スプラインの歯の各々が、前記内歯スプラインの複数の第2の歯溝のうちの対応する1つに位置し、
前記内歯スプラインの歯の各々が、前記外歯スプラインの複数の第1の歯溝のうちの対応する1つに位置することを特徴とするスプライン接続装置。
【請求項12】
前記外歯スプラインの歯の各々が、前記内歯スプラインの複数の歯のうちの2つと互いに係合し、前記内歯スプラインの歯の各々が、前記外歯スプラインの複数の歯のうちの2つと互いに係合することを特徴とする請求項11に記載のスプライン接続装置。
【請求項13】
前記外歯スプラインの歯の各々の幅が、第1の長さであり、前記内歯スプラインの歯の各々の幅が、第2の長さであり、前記第1の長さと第2の長さとが等しいことを特徴とする請求項11に記載のスプライン接続装置。
【請求項14】
前記外歯スプラインの歯の各々の幅が、第1の長さであり、前記内歯スプラインの歯の各々の幅が、第2の長さであり、前記第1の長さと第2の長さとが等しいことを特徴とする請求項12に記載のスプライン接続装置。
【請求項15】
前記第1の長さ、および、第2の長さが、前記外歯スプライン、および、前記内歯スプラインの有効面幅であることを特徴とする請求項13に記載のスプライン接続装置。
【請求項16】
前記雄のスプライン部の円柱形部分が、前記雌のスプライン部の上部に凹状に形成されたハブ部の沈め穴の係合面と係合し、
前記雄のスプライン部の段部が、前記雌のスプライン部の上部と係合することを特徴とする請求項11に記載のスプライン接続装置。
【請求項17】
前記雄のスプライン部の円柱形部分が、前記雌のスプライン部の上部に凹状に形成されたハブ部の沈め穴の係合面と係合し、
前記雄のスプライン部の段部が、前記雌のスプライン部の上部と係合することを特徴とする請求項15に記載のスプライン接続装置。
【請求項18】
前記外歯スプラインの複数の歯の一部分が、前記内歯スプラインの複数の歯の一部分と互いに係合することを特徴とする請求項11に記載のスプライン接続装置。
【請求項19】
前記外歯スプラインの前記複数の歯の各々が、斜めの噛合い面を備えており、
前記内歯スプラインの前記複数の歯の各々が、斜めの噛合い面を備えていることを特徴とする請求項11に記載のスプライン接続装置。
【請求項20】
前記外歯スプラインの前記複数の歯の各々が、真っ直ぐな噛合い面を備えており、
前記内歯スプラインの前記複数の歯の各々が、真っ直ぐな噛合い面を備えていることを特徴とする請求項11に記載のスプライン接続装置。
【請求項21】
前記外歯スプラインの前記複数の歯の各々が、インボリュートな噛合い面を備えており、
前記内歯スプラインの前記複数の歯の各々が、インボリュートな噛合い面を備えていることを特徴とする請求項11に記載のスプライン接続装置。
【請求項22】
前記外歯スプラインの前記複数の歯の各々が、全湾曲の噛合い面を備えており、
前記内歯スプラインの前記複数の歯の各々が、全湾曲の噛合い面を備えていることを特徴とする請求項11に記載のスプライン接続装置。
【請求項23】
雄部材と、雌部材とを備えるスプライン接続装置において、
前記雄部材が、段部と、外周面に外歯スプラインを有する円柱形部分とを備え、
前記外歯スプラインが、互いに周方向に間隔を空けて位置する複数の第1の歯溝と該複数の第1の歯溝の間にそれぞれ形成された複数の外歯スプラインの歯とを有し、
前記複数の第1の歯溝の各々が、回転切削工具を逃がすための外歯工具逃げ部を前記段部に斜めに延在させて備え、
前記雌部材が、ベース部と、上部と、上部側に設けられ内周面に沈め穴の係合面を終端とした内歯スプラインを有する略円柱形のハブ部とを備え、
前記内歯スプラインが、互いに周方向に間隔を空けて位置する複数の第2の歯溝と該複数の第2の歯溝の間にそれぞれ形成された複数の内歯スプラインの歯とを有し、
前記複数の第2の歯溝の各々が、回転切削工具を逃がすための内歯工具逃げ部を前記沈め穴の係合面に斜めに延在させて備え、
前記外歯スプラインの歯の幅が、第1の長さであり、前記内歯スプラインの歯の幅が、第2の長さであり、前記第1の長さ、および、第2の長さが等しく、
前記雄部材、および、雌部材が一体に結合させられ、前記雄部材の段部が、前記雌部材の上部に係合し、前記雄部材の円柱形部分の上面が、前記雌部材の沈め穴の係合面に係合し、係合の有効面幅が前記外歯スプライン、および、内歯スプラインの歯の幅と等しくなるように、前記外歯スプラインの歯が、前記外歯スプラインの歯の第1の長さ、および、前記内歯スプラインの歯の第2の長さの全体にわたって前記内歯スプラインの歯に完全に噛合することを特徴とするスプライン接続装置。
【請求項24】
段部と円柱形部分とを有してなる雄部材と、ベース部と上部とを有してなる雌部材とを備えるスプライン接続装置において、
前記雄部材の円柱形部分が、前記段部から円柱形部分の上面までの第1の長さを有する外歯スプラインを備え、
前記雌部材の上部が、沈め穴の係合面を終端とした第2の長さを有する内歯スプラインを備え、
前記雄部材の段部が前記雌部材の上部と係合し、前記雄部材の円柱形部分の上面が前記雌部材の沈め穴の係合面と係合して雄部材、および、雌部材が一体に結合させられ、
前記第1の長さ、および、第2の長さが等しく、前記外歯スプラインが、前記内歯スプラインに完全に噛合し、前記接続の前記有効面幅が、前記スプラインの前記第1の長さ、および、第2の長さに等しいことを特徴とするスプライン接続装置。
【請求項25】
外歯スプラインの製造方法であって、
当該外歯スプラインによって伝達されるべき荷重を決定するステップと、
前記決定された荷重にもとづいて当該外歯スプラインのピッチ径を選択するステップと、
円ピッチが十分に大きく、かつ、当該外歯スプラインの歯が十分に大きくて前記荷重に対応できるように、歯の数を選択するステップと、
前記決定された荷重、および、前記選択された当該外歯スプラインのピッチ径にもとづいて、当該外歯スプラインの長さを決定するステップと、
回転切削工具の傾斜角βを選択するステップと、
部品の溝の内角αを選択するステップと、
傾斜角β、および、溝の内角αに関して表現されるアルゴリズムにもとづいて、回転切削工具の円錐の内角2τを決定するステップと、
必要とされる実際の外歯スプラインの寸法にもとづいて回転切削工具のサイズを決定するステップと、
適切な被加工物をエンドミルにチャックするステップと、
前記回転切削工具、および、エンドミルを使用して、前記被加工物に適切な歯溝をミリング加工するステップとを具備していることを特徴とする外歯スプラインの製造方法。
【請求項26】
前記回転切削工具のサイズを決定するステップが、回転切削工具の一端にキャップ半径を形成するステップ、および、回転切削工具の円錐が前記外歯スプラインから十分に長く延在するように回転切削工具の長さを定めるステップを含んでいることを特徴とする請求項25に記載の外歯スプラインの製造方法。
【請求項27】
前記傾斜角βが、30〜60°の範囲にあることを特徴とする請求項25に記載の外歯スプラインの製造方法。
【請求項28】
前記部品の溝の角度αが、40〜75°の範囲にあることを特徴とする請求項25に記載の外歯スプラインの製造方法。
【請求項29】
前記回転切削工具を逃がすために前記被加工物の隣接構造に工具逃げ部をミリング加工するステップをさらに具備していることを特徴とする請求項25に記載の外歯スプラインの製造方法。
【請求項30】
前記被加工物が円柱形であり、前記隣接構造が段部であることを特徴とする請求項25に記載の外歯スプラインの製造方法。
【請求項31】
前記被加工物を回転によって位置決めし、前記被加工物の外周を巡って等間隔に位置する複数の歯溝をミリング加工して、周方向に間隔を空けて位置する外歯スプラインの歯を形成するステップをさらに具備していることを特徴とする請求項25に記載の外歯スプラインの製造方法。
【請求項32】
前記回転切削工具が、2本の直線的な溝、および、半径キャップを備えていることを特徴とする請求項25に記載の外歯スプラインの製造方法。
【請求項33】
前記回転切削工具が、前記適切な溝角度(歯溝)、および、インボリュート歯を生成するために複数のインボリュート半径を備えていることを特徴とする請求項25に記載の外歯スプラインの製造方法。
【請求項34】
内歯スプラインの製造方法であって、
当該内歯スプラインによって伝達されるべき荷重を決定するステップと、
対をなす外歯スプラインのピッチ径を選択するステップと、
前記決定された荷重、および、前記選択された前記外歯スプライン装置のピッチ径にもとづいて、当該内歯スプライン装置の長さを決定するステップと、
前記外歯スプラインの円ピッチが十分に大きく、かつ、前記外歯スプラインの歯が前記荷重に対応できるように、歯の数Nを選択するステップと、
外歯スプラインの部品の溝の内角2α°を選択するステップと、
内歯スプラインの部品の溝の内角を式2α°−((360/N)°)を使用して決定するステップと、
回転切削工具の傾斜角βを選択するステップと、
回転切削工具の傾斜角β、および、前記内歯スプラインの部品の溝の内角2α°−((360/N)°)に関して表現されるアルゴリズムにもとづいて、回転切削工具の円錐の内角2τを決定するステップと、
回転切削工具のサイズを決定し、形成径に回転切削工具の円錐のキャップ半径を定め、回転切削工具の先端側の円錐を前記部品から十分に長く延在させて回転切削工具の先端側と反対側の端部を形成するステップと、
適切な被加工物をエンドミルにチャックするステップと、
前記回転切削工具、および、エンドミルを使用して、前記被加工物に適切な内向きの溝角度(歯溝)をミリング加工するステップとを具備していることを特徴とする内歯スプラインの製造方法。
【請求項35】
前記被加工物の隣接構造に工具逃げ部を加工するステップをさらに具備していることを特徴とする請求項34に記載の内歯スプラインの製造方法。
【請求項36】
前記適切な被加工物が、沈め穴を備えており、該沈め穴が、内周を有していることを特徴とする請求項34に記載の内歯スプラインの製造方法。
【請求項37】
前記被加工物を回転によって位置決めし、前記被加工物の内周を巡って等間隔に位置する複数の適切な内向きの溝角度(歯溝)をミリング加工して、周方向に間隔を空けて位置する内歯スプラインの歯を形成するステップをさらに具備していることを特徴とする請求項34に記載の内歯スプラインの製造方法。
【請求項38】
隣接構造に近接してスプラインを製造するための方法であって、
上部の円柱形部分と隣接構造とを備えている被加工物を固定するステップと、
前記被加工物の円柱形部分に対して或る傾斜角に回転切削工具を向けるステップと、
前記回転切削工具を回転させるステップと、
前記被加工物の円柱形部分の端部を前記回転している回転切削工具に係合させるステップと、
前記回転している回転切削工具を前記被加工物の円柱形部分の端部から円柱形部分の長さ分だけ円柱形部分の外面に沿って被加工物の隣接構造側へ移動させて、前記被加工物の円柱形部分から素材を除去するとともに、前記被加工物の隣接構造に移動させて、回転切削工具の工具逃げ部を形成するステップと、
前記回転切削工具を前記傾斜角に沿って被加工物の隣接構造から引き戻すステップとを具備していることを特徴とする隣接構造に近接してスプラインを製造するための方法。
【請求項39】
前記回転切削工具を初期位置に戻すステップと、
前記被加工物を位置決めするステップと、
前記被加工物の円柱形部分の端部を前記回転している回転切削工具に係合させる前記ステップ、前記回転している回転切削工具を前記被加工物の円柱形部分の前記端部から円柱形部分の長さ分だけ円柱形部分の外面に沿って被加工物の隣接構造側へ移動させて、前記被加工物の円柱形部分から素材を除去するとともに、前記被加工物の隣接構造に移動させて、回転切削工具の工具逃げ部を形成する前記ステップ、および前記回転切削工具を前記傾斜角に沿って被加工物の隣接構造から引き戻す前記ステップを繰り返すステップとをさらに具備していることを特徴とする請求項38に記載の隣接構造に近接してスプラインを製造するための方法。
【請求項40】
前記スプラインが外歯スプラインであり、前記隣接構造が段部であり、前記回転切削工具の工具逃げ部が、前記傾斜角で前記段部に延在していることを特徴とする請求項38に記載の隣接構造に近接してスプラインを製造するための方法。
【請求項41】
前記スプラインが外歯スプラインであり、前記回転切削工具が、回転切削工具の円錐の内角、部品の溝の内角、および、該回転切削工具の傾斜角にもとづいて寸法付けられていることを特徴とする請求項38に記載の隣接構造に近接してスプラインを製造するための方法。
【請求項42】
隣接構造に近接してスプラインを製造するための方法であって、
沈め穴と隣接構造とを備えている被加工物を固定するステップと、
前記被加工物の沈め穴の端部に対して或る傾斜角に回転切削工具を向けるステップと、
前記回転切削工具を回転させるステップと、
前記被加工物の沈め穴の端部を前記回転している回転切削工具に係合させるステップと、
前記回転している回転切削工具を前記被加工物の沈め穴の端部から沈め穴の深さ方向の長さだけ沈め穴の内面に沿って被加工物の隣接構造側へ移動させるとともに、前記被加工物の隣接構造に移動させて、回転切削工具の工具逃げ部を形成するステップと、
前記回転切削工具を前記傾斜角に沿って被加工物の隣接構造から引き戻すステップとを具備していることを特徴とする隣接構造に近接してスプラインを製造するための方法。
【請求項43】
前記回転切削工具を初期位置に戻すステップと、
前記被加工物を位置決めするステップと、
前記被加工物の沈め穴の端部を前記回転している回転切削工具に係合させる前記ステップ、前記回転している回転切削工具を前記被加工物の沈め穴の端部から沈め穴の深さ方向の長さだけ沈め穴の内面に沿って被加工物の隣接構造側へ移動させるとともに、前記被加工物の隣接構造に移動させて、回転切削工具の工具逃げ部を形成する前記ステップ、および前記回転切削工具を前記傾斜角に沿って被加工物の隣接構造から引き戻す前記ステップを繰り返すステップとをさらに具備していることを特徴とする請求項38に記載の隣接構造に近接してスプラインを製造するための方法。
【請求項44】
前記スプラインが内歯スプラインであり、前記隣接構造が沈め穴の係合面であり、前記回転切削工具の工具逃げ部が、前記傾斜角で前記沈め穴に延在していることを特徴とする請求項42に記載の隣接構造に近接してスプラインを製造するための方法。
【請求項45】
前記スプラインが内歯スプラインであり、
前記回転切削工具が、部品の溝の内角、および、傾斜角の関数としての回転切削工具の円錐の内角にもとづいて寸法付けられており、
回転切削工具の円錐のキャップ半径が形成径に定められ、回転切削工具の円錐が、回転切削工具の先端側の端部を定めており、回転切削工具の先端側の円錐を前記スプラインから十分に長く延在して回転切削工具の先端側と反対側の端部が形成されていることを特徴とする請求項42に記載の隣接構造に近接してスプラインを製造するための方法。

【図1】
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【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図8】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図8F】
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【図8G】
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【図9】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図10】
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【図10A】
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【図11】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図12A】
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【公開番号】特開2012−233567(P2012−233567A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235544(P2011−235544)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(510170888)フェアフィールド マニュファクチャリング カンパニー、インク (2)
【Fターム(参考)】