説明

スライド式フック装置

【課題】複数のフックを効率よく使用でき、未使用のフックでも邪魔とならず見栄えを向上させ、重たい荷物等でも引き掛け可能で、更に、持ち手がフックから外れるのを防止できるスライド式フック装置を提供する。
【解決手段】このスライド式フック装置1は、被取付パネルPに固定手段を介して固定されるベース部材10と、このベース部材10に保持された複数のフック30,40とを備え、前記フック30,40は、ベース部材10から延出される軸部31,51と、この軸部の突出端部に形成された引掛け部32,52とを有し、少なくとも1つのスライドフック40は、ベース部材10上でスライド可能に保持され、同スライドフック40をスライドさせ、隣接する固定フック30に当接させたとき、フック30,40どうしの引掛け部32,52が整合するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のフックの少なくとも1つを、所定位置にスライドさせることができる、スライド式フック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両室内のシートの背面や側方には、買物袋やコンビニ袋等を引き掛けるためのフック装置が設けられている。近年では利便性を考慮して、この種のフック装置が複数個設けられていることが多い。
【0003】
フック装置が複数個設けられたものとして、下記特許文献1には、自動車のパネル開口に、ヒンジを介して回転可能に取付けられ、所定深さで窪んだ形状をなすカップと、該カップの窪んだ凹部内方から突設されたフックとを備えた、自動車用フック装置(アクセサリフック)が開示されている。また、このようなフック装置が、自動車の荷室壁面に、横方向に沿って所定間隔を設けて複数配置されている。
【0004】
そして、フック使用時には、カップを回転させて、フック側を開口前面に配置することにより、フックに荷物等を引き掛けることができる。一方、フック不使用時には、カップを前記とは反対方向に回転させることにより、フックを開口前面から隠すと共に、カップ背面の化粧壁を開口側に配置させて、美観を呈するように構成されている。
【特許文献1】特表2000−512946号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の第1図又は第6図の実施例では、複数のフック又はフック装置が単に横方向に並べられているので、特定のフックのみを使用した場合、他のフックが邪魔となる。すなわち、未使用のフックに荷物の持ち手等が引っ掛かったり、パネル前面側に配置された未使用のフックにより、見栄えが悪くなったりする。また、第3図の実施例では、使用しないフック装置のカップを逐次回転させることにより不使用状態にでき、邪魔にはならないが、この作業は煩雑かつ面倒であった。
【0006】
また、重たい荷物等をフックに引き掛けたい場合があるが、上記のようにフック装置それぞれの、一個のフックのみでは強度的に限界があり、引き掛けることができないことがある。
【0007】
更に、買物袋やコンビニ袋等が大きくて、その底部を車両の床面に着けた状態で、持ち手をフックに引き掛けようとした場合、前記持ち手が前記フックから浮き上がってしまって外れてしまう虞れがある。
【0008】
したがって、本発明の目的は、複数のフックを効率よく使用できると共に、使用しないフックでも邪魔とならず、見栄えを向上させることができ、また、重たい荷物等でも問題なく引き掛け可能で、更に、持ち手がフックから外れることを確実に防止できる、スライド式フック装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第1は、被取付パネルに固定手段を介して固定されるベース部材と、このベース部材に保持された複数のフックとを備え、前記フックは、ベース部材から延出される軸部と、この軸部の突出端部に形成された引掛け部とを有しており、前記フックの少なくとも1つは、前記ベース部材上でスライド可能に保持されており、前記スライド可能なフックをスライドさせて、隣接するフックに当接させたとき、当接されたフックどうしの前記引掛け部が整合するように構成されていることを特徴とするスライド式フック装置を提供するものである。
【0010】
上記発明によれば、ベース部材に複数のフックが保持されているので、それぞれのフックにコンビニ袋や買い物袋などを引き掛けて使用することができる。
【0011】
また、コンビニ袋などをゴミ袋として使用する場合には、隣接するフックどうしの間隔を開けて配置し、その持ち手を別々のフックに引き掛けることによって、コンビニ袋の開口部を大きく広げて保持できるので、ゴミを入れ易く、かつ、揺れにくくなり、ゴミ袋として利用しやすくなる。
【0012】
更に、スライド可能なフックをスライドさせて隣接するフックに当接させた場合には、両フックの引掛け部が整合するので、強度を向上させた1つのフックとして利用することができ、重たい荷物等でも問題なく引き掛けることができ、更に、使用していないフックが邪魔になることもなく、外観上の見栄えもよくなる。
【0013】
更に、コンビニ袋などの底部を車両などの床面に着けた状態で使用する場合、持ち手が浮き上がってフックから外れてしまう虞れがあるが、隣接するフックの間に持ち手の一側を挟むことにより、持ち手がフックから外れることを防止できる。
【0014】
本発明の第2は、前記第1の発明において、前記複数のフックの少なくとも一つは、前記ベース部材に一体的に形成されているスライド式フック装置を提供するものである。
【0015】
上記発明によれば、ベース部材に一体的に形成されたフックの強度を向上させることができ、重いものでも十分に引き掛けることができると共に、部品点数を減らして構造を簡略化することができる。
【0016】
本発明の第3は、前記第2の発明において、前記固定手段は、前記ベース部材の少なくとも二箇所に形成されており、そのうちの少なくとも一つは前記ベース部材の一端に形成され、前記被取付パネルの取付孔の裏側周縁に係合してベース部材を抜け止め保持する抜け止めフックとされているスライド式フック装置を提供するものである。
【0017】
上記発明によれば、ベース部材に形成された抜け止めフックが、被取付パネルの取付孔に係合して、ベース部材が抜け止め保持されているので、重いものでも、しっかりと安定して引き掛け支持することができる。
【0018】
本発明の第4は、前記第1〜3のいずれか1つの発明において、スライド保持されたフックの引掛け部及びそれに隣接するフックの引掛け部の整合する部分は、その一方が凹形状をなし、他方が凸形状をなしており、両フックが当接したときに、引掛け部どうしが凹凸整合するように構成されているスライド式フック装置を提供するものである。
【0019】
上記発明によれば、一方のフックに持ち手を引き掛けて、他方のフックを当接させて挟み込んだとき、両引掛け部どうしが凹凸整合するので、挟み込まれた持ち手が両引掛け部の間から抜けにくくすることができる。
【0020】
本発明の第5は、前記第1〜4のいずれか1つの発明において、前記フックの引掛け部は、隣接するものどうしで整合させたとき、前記軸部の軸方向から見てほぼ円形状をなすように構成されているスライド式フック装置を提供するものである。
【0021】
上記発明によれば、隣接するフックを当接させて、両引掛け部どうしが整合したときに、両引掛け部がほぼ円形状をなすので、重い買物袋等の持ち手などを引き掛ける際に、円形の引掛け部にスムーズに引っ掛けることができるので、使い勝手を向上させることができると共に、見栄えも向上させることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ベース部材に複数のフックが保持されているので、それぞれのフックにコンビニ袋や買い物袋などを引き掛けて使用することができる。
【0023】
また、スライド可能なフックをスライドさせて隣接するフックに当接させると、両フックの引掛け部が整合するので、強度を向上させた1つのフックとして利用でき、未使用のフックが邪魔になることもなく、外観上の見栄えもよくなる。
【0024】
更に、一対のフックの間に持ち手の一側を挟むことにより、コンビニ袋などの底部を車両などの床面に着けた状態で使用しても、持ち手が浮き上がって外れることを確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図1〜10を参照して、本発明のスライド式フック装置の一実施形態について説明する。
【0026】
この実施形態におけるスライド式フック装置1(以下、「フック装置1」という)は、自動車のシート背面や荷室側面に配置された被取付パネルP(図3参照)に固定されるベース部材10と、該ベース部材10に保持された複数のフック30,40とを備えており、少なくとも1つのフックがスライド可能となるように構成されている。この実施形態では、ベース部材10に固定された固定フック30と、スライド可能とされたスライドフック40とを備えている。
【0027】
まず、ベース部材10について説明する。図1,3に示すように、ベース部材10は、所定長さで伸びる底壁11と、この底壁11の周縁から立設した周壁12とを有し、上方が開口した長尺箱状をなしている。前記周壁12の内側に、スライドフック40を所定方向にスライド可能に保持する収容凹部13が形成されている。また、周壁12の先端外周からは、被取付パネルPの表面側に配置されるトリム部材T(図3参照)の開口部Taの周縁に係合する、フランジ部14が外径方向に向かって突設されている。
【0028】
また、周壁12内側の収容凹部13の、長手方向に沿った対向する内側面13a,13aには、スライドフック40のスライド方向に沿って、所定深さでガイド溝15,15がそれぞれ形成されている。このガイド溝15には、図5(a)に示すように、後述するスライドフック40のガイド突起62が挿入されて、同スライドフック40をスライド可能に保持する部分となっている。
【0029】
更に、収容凹部13の内側面13a,13aには、前記ガイド溝15に沿って所定間隔で、前記スライドフック40のスライド移動を規制して停止した状態にロックする、ロック凹部16が形成されている。図3に示すように、この実施形態では、スライド方向に伸びるガイド溝15に対し直交して、4つのロック凹部16が形成されており、スライドフック40を、ガイド溝15に対して4個所でロックできるようになっている。
【0030】
また、底壁11裏側の長手方向一端からは、長手方向の外方に向かって、抜け止めフック17が突設されている。この抜け止めフック17は、被取付パネルPの第1取付孔P1(図3参照)の裏側周縁に係合して、ベース部材10を抜け止め保持するもので、本発明における「固定手段」の一つを構成している。また、抜け止めフック17の先端部は、フランジ部14側へ折曲されており、抜け止め効果が高められている。
【0031】
前記底壁11の長手方向の他端には、角形状のピン差込孔18が形成されている。また、図4(a)に示すように、このピン差込孔18裏側の対向する箇所には、それぞれ係合段部18a,18aが設けられている。更に、ピン差込孔18の裏側周縁からは、被取付パネルPの第2取付孔P2(図3参照)に挿入される、角筒状の挿入筒20がベース部材10に一体的に延設されている。図1に示すように、挿入筒20の対向する一対の側壁21,21には、コ字状のスリット21aを介して、撓み可能な弾性係止片22,22がそれぞれ形成されており、この弾性係止片22が前記第2取付孔P2の裏側周縁に係合する部分となる。すなわち、この弾性係止片22が、本発明における「固定手段」のもう一つとなっている。なお、挿入筒20はベース部材10に一体的でなくともよく、別体でもよい。
【0032】
上記挿入筒20に関連して説明すると、図1,3,4に示すように、この挿入筒20内に挿入される係合解除ピン24は、円板状の頭部25と、該頭部25の片面から突設し、その先端突出面が側方から見て略ハの字状をなす基部26と、該基部26の対向する両側面に突設された弾性係止爪27,27と、前記基部26の、弾性係止爪27,27とは直交する両側面から延出され、その先端外方に係止爪28aが突設された一対の板状片28,28とを有している。
【0033】
そして、板状片28,28を弾性係止片22,22に直交して配置させた状態で、ピン差込孔18から係合解除ピン24を挿入することにより、板状片28先端の係止爪28aが挿入筒20の先端開口部に係合して(図3参照)、係合解除ピン24が挿入筒20に係合保持される。その後、挿入筒20を第2取付孔P2に挿入することにより、各弾性係止片22が第2取付孔P2の裏側周縁に係合し(図4(a)参照)、前記抜け止めフック17と相まってベース部材10が被取付パネルPに固定される(図3参照)。
【0034】
また、上記状態で係合解除ピン24を押し込むと、ハの字状の基部26が各弾性係止片22の先端部22a,22aを押圧して、一対の弾性係止片22,22を第2取付孔P2に係合しない程度に内方に撓ませ、かつ、各弾性係止爪27がベース部材10のピン差込孔18裏側の係合段部18aに係合して(図4(b)参照)、一対の弾性係止片22,22が内方に撓んだ状態に維持されて、その結果、挿入筒20を第2取付孔P2から引き抜き可能となる。
【0035】
次にフックについて説明する。この実施形態では、図1に示すように、ベース部材10の長手方向一端であって、前記抜け止めフック17に整合した位置に、ベース部材10に対して固定された固定フック30が突設されている。すなわち、この固定フック30は、ベース部材10の長手方向一端であって、収容凹部13の開口部周縁から外方に向けて所定長さで延出された角筒状の軸部31と、該軸部31の突出端部に形成された引掛け部32とを有している。
【0036】
この実施形態の引掛け部32は、軸部31の軸方向から見て略半円形状をなしており、その半径中心C(図8参照)を通る直線に沿った内側面32aが、前記軸部31の内側面31a(図1参照)に整合して配置されており、両面31a,32aが連続して段差のない平坦面とされている。また、引掛け部32は、半径中心近傍が最も高く突出して、その周辺が外方に向かって次第に高さが低くなるように形成されている。
【0037】
更に、引掛け部32の表面側からは、半円形の引掛け部32の外周形状に対して、同心状に半円形をなした凹部33が所定深さで形成されている。この凹部33の底面の高さは、スライドフック40の本体50(後述)に対して、最大限深く押し込んだ状態のピン部材70(後述)の上面の高さよりも、低くなるように設定されており、ピン部材70を奥深くまで完全に押し込むことができるようになっている。
【0038】
次に、ベース部材10の収容凹部13にスライド可能に保持されるスライドフック40について説明する。図1,2に示すように、このスライドフック40は、ピン挿通孔51aを有する本体50と、該本体50のピン挿通孔51aに挿入されるピン部材70とを有している。
【0039】
図1〜3及び図5〜7を参照して本体50について説明する。この本体50は、ベース部材10の収容凹部13の開口から外方に延出される軸部51と、この軸部51の突出端部に形成された引掛け部52とを有している。軸部51は、所定間隔を設けて互いに平行に配置された所定幅の一対の側壁54,54と、該側壁54,54の両側縁部どうしに連結されると共に、側壁54よりも幅狭の一対の連結壁55,55とからなる、軸方向両端が開口した角筒状をなしている。この角筒状の軸部51の基端側開口部が、前記ピン挿通孔51aをなしており、図2に示すように、このピン挿通孔51aは長孔状となっている。
【0040】
また、引掛け部52は、前記固定フック30の引掛け部32と同様に、軸部51の軸方向から見て略半円形状をなし、その半径中心C(図8参照)を通る直線に沿った側面52aが、前記軸部51の一側壁54の側面54aに整合して配置されており、両面52a,54aが連続して段差のない平坦面とされている。
【0041】
したがって、スライドフック40を隣接する固定フック30に当接させたときに、固定フック30の軸部31の内側面31aと、スライドフック40の軸部51の側面54aとがぴったりと密接して、軸部31,51どうしが一体化して一つの大きな軸部になると共に(図3参照)、固定フック30の引掛け部32の内側面32aと、スライドフック40の引掛け部52の側面52aとがぴったりと密接して、半円形状の引掛け部32,52どうしが一体化して、軸方向から見てほぼ円形状をなすようになっている(図8参照)。
【0042】
このように、このフック装置1においては、複数のフックを備えており、これらフックの少なくとも1つは、ベース部材10上でスライド可能に保持されており、スライド可能なフックをスライドさせて、隣接するフックに当接させたとき、当接されたフックどうしの引掛け部が整合して1つのフックとして機能できるように構成されている。
【0043】
ここで、フックどうしの引掛け部が整合するとは、上述したように隣接するフックどうしの引掛け部がぴったりと密接することが要求されるわけではなく、例えば、引掛け部どうしの間に隙間等があっても、1つのフックとしての外観を確保しながら、荷物を引き掛けられたり、又は、袋の持ち手を挟み込んだときに容易に外れたりしないように、構成されていればよい。
【0044】
なお、この実施形態では、固定フック30及びスライドフック40の2つとなっているが、それ以上の個数でも勿論よく、その際の各フックの引掛け部の形状も適宜決定することができる。
【0045】
また、引掛け部52は、半径中心近傍が最も高く突出して、その周辺が外方に向かって次第に高さが低くなるように形成されている。引掛け部52の突出した表面中央部には、前記軸部51のピン挿通孔51aに連通すると共に、後述するピン部材70の頭部71に適合した形状で、収容凹部52aが所定深さで形成されている。また、前記軸部51の一側壁54(固定フック側の側壁)の所定箇所には、軸方向にやや長く伸びる長孔状の抜け止め孔54bが形成されている。
【0046】
更に本体50は、図2に示すように、収容凹部13のガイド溝15に挿入されてスライド可能に保持されるガイド突起62と、収容凹部13の内側面に対向する側面から、内側に撓み可能に突出され、ロック凹部16に位置したときに該ロック凹部16に係合する係合片57とを有している。
【0047】
具体的に説明すると、本体50を構成する各連結壁55の軸部51先端側には、コ字状のスリット56を介して、本体50の内方及び外方に撓み可能とされた、係合片57,57がそれぞれ形成されている。図6,7に示すように、係合片57は、その基端部58が前記連結壁55の先端側に連結され、先端部59が前記ピン挿通孔51aの入口方向に向けて該ピン挿通孔51a内に入り込むように延出した形状をなしている。また、前記基端部58の外側面は、引掛け部52に向かって次第に外方に突出した形状をなし、前記先端部59の外側面は、引き掛け部52に向かって次第に突出高さが低くなる斜面59aをなしている。そして、この係合片57は、後述するピン部材70が所定距離押し込まれたときに、その先端部59が、同ピン部材70の押圧部75に押圧されて内方に撓むようになっている。
【0048】
前記係合片57の、基端部58及び先端部59の間の外側面からは、ロック突起60が突設されている。このロック突起60は、本体50に対してピン部材70が押し込まれていない状態で、本体50の外方に突出するように設定されている。このロック突起60が、ベース部材10のロック凹部16に係合して、スライドフック40を所定位置で停止した状態にロックさせる役割をなしている。
【0049】
また、図6(b)に示すように、ロック突起60の幅方向両側の外側面は、ロック突起60の突出先端部を次第に幅狭にするテーパ部60a,60aをなしており、このテーパ部60a,60aが、前記ロック凹部16の内側面に係合するようになっている。すなわち、前記ロック凹部16と係合片57とは、テーパ部60aで係合するように構成されている。これに関連して説明すると、係合片57側のロック突起60にテーパ部を設けず、ベース部材10側のロック凹部16の内側面にテーパ部を設けてもよく、ロック凹部の内側面及び/又は係合片のロック突起60の外側面にテーパ部が形成されていればよい。
【0050】
各連結壁55の、前記ロック突起60よりも引掛け部52側には、前記収容凹部13のガイド溝15に挿入されるガイド突起62が設けられている。この実施形態では、連結壁55の、コ字状のスリット56の両側から、ガイド突起62,62がそれぞれ突設され、係合片57の両側に一対のガイド突起62,62が設けられた構造をなしている。また、図5(b)に示すように、各ガイド突起62の外側角部62aは、円弧状に丸みを帯びている。
【0051】
次に、上記本体50に組付けられるピン部材70について説明すると、このピン部材70は、前記本体50の凹部52cに適合した形状をなす頭部71と、この頭部71の片面から延出した差込部72とを有している。この差込部72は、ピン挿通孔51aの短径幅に適合した一対の側壁73,73と、これらの側壁73,73に連結されると共に、ピン挿通孔51aの長径幅に適合した板状壁74とからなり、一側方が開口したコ字枠状をなしている(図2,3,6参照)。
【0052】
更に、このピン部材70は、ピン挿通孔51aを通して本体50内に挿入され、係合片57に当接して所定距離押し込まれたときに、同係合片57をロック凹部16に係合しない程度に内方に撓ませる押圧部75を有している。この実施形態では、前記差込部72の先端面が押圧部75をなしており、これが前記係合片57の各先端部59を押圧して、係合片57を内方に撓ませて、その外側面から突出したロック突起60を、ロック凹部16から外させる部分となっている。図6,7に示すように、この押圧部75は、その中央部が差込部72基端側に深く凹み、その凹んだ部分から差込部72の幅方向両側に向かって次第に高く突出するように傾斜した2つの斜面75a,75aが形成されており、側方から見たときに略ハの字状に広がった形状をなしている。
【0053】
また、前記板状壁74の長さ方向ほぼ中央には、コ字状のスリット74aを介して、先端外方に抜け止め突起77を設けた、抜け止め片76が撓み可能に形成されている。この抜け止め片76の抜け止め突起77が、前記本体50の抜け止め孔54bに係合して、ピン部材70が本体50のピン挿通孔51aに挿入された状態に抜け止め保持されるようになっている。すなわち、この実施形態では、本体50の抜け止め孔54bと、ピン部材70の抜け止め突起77とが、ピン部材70と本体50との間に設けられた、ピン部材70を本体50のピン挿通孔51aに挿入した状態に保持するための抜け止め手段をなしている。また、ピン部材70が抜け止め手段によって保持されている状態で、ピン部材70の押圧部75が係合片57に当接して、係合片57を内方にやや撓ませた状態となるように構成されている。
【0054】
すなわち、上記構造のピン部材70の差込部72を、ピン挿通孔51aを通して本体50内に挿入して押し込むことにより、差込部72先端の押圧部75が、各係合片57の先端部59に当接し押圧して、一対の係合片57を内方にやや撓ませると共に、ピン部材70に形成された抜け止め片76の抜け止め突起77が、本体50の抜け止め孔54bに係合して、ピン部材70が係合片57の弾性復元力によって常時引き抜き方向に付勢され、前記抜け止め手段によって抜け止め保持される(図6(a)参照)。
【0055】
上記状態で、ピン部材70を係合片57の弾性力に抗して所定距離押し込むことにより、ピン部材70の押圧部75によって各係合片57の先端部59が押圧されて、各係合片57のロック突起60がベース部材10のロック凹部16から外れて、スライドフック40のロック状態を解除できるようになっている(図7参照)。また、ピン部材70を押し込むのを止めると、各係合片57が弾性復帰して再び拡開するようになっている。
【0056】
以上説明したベース部材10と、これに一体形成された挿入筒20,係合解除ピン24,固定フック30と、スライドフック40とは、この実施形態の場合、ポリエチレン(PE)、ポリアセタール(POM)等の合成樹脂から形成されている。
【0057】
次に、上記構成からなるフック装置1の使用方法について説明する。
【0058】
まず、スライドフック40をベース部材10にスライド可能に組付ける。すなわち、スライドフック40のガイド突起62を、同スライドフック40のスライド方向に向けて、ベース部材10の収容凹部13の上方開口部からスライドフック40を挿入し、その後スライドフック40をほぼ90度回転させて、ガイド突起62をガイド溝15に嵌入させることにより、図5(a)に示すように、ベース部材10にフライドフック40をスライド可能に抜け止め保持させることができる。このとき、この実施形態では、少なくともスライドフック40を金属よりも柔軟な合成樹脂製としたので、上述したスライドフック40の回転組付け作業を無理なく行うことができる。また、図5(b)に示すように、各ガイド突起62の外側角部62aは、円弧状に丸みを帯びているので、上記回転組み付け作業時に、ガイド溝15に引っ掛かりにくく、スムーズに組付けることが可能となる。
【0059】
このように、収容凹部13開口からスライドフック40を挿入し、回転させるだけの簡単な作業で、スライドフック40をベース部材10に装着させることができ、スライドフック40の装着作業が容易となる。
【0060】
次いで、フック装置1を、自動車のシート背面や側面、或いは、荷室の側壁に配置された被取付パネルPに取付ける。図3に示すように、この被取付パネルPの表面側には、ベース部材10に適合した長孔状の開口部Taを有するトリム部材Tが配置されている。また、被取付パネルPには、第1取付孔P1、第2取付孔P2がそれぞれ形成されている。図8に示す場合、これらの取付孔P1,P2は左右方向に一列に配置され、ベース部材10に対するスライドフック40のスライド方向が左右方向となるように、フック装置1が横向きで被取付パネルPに固定されるようになっている。
【0061】
そして、フック装置1のベース部材10を、トリム部材Tの開口部Taに挿入して、フランジ部14を開口部Ta周縁に係合させる。それと共に、ベース部材10裏側の抜け止めフック17を、被取付パネルPの第1取付孔P1に挿入してその裏側周縁に係合させ、その後、ベース部材10裏側から突出した挿入筒20を第2取付孔P2に挿入して、一対の弾性係止片22,22を第2取付孔P2の裏側周縁に係合させることにより(図4(a)参照)、被取付パネルPにフック装置1を取付けることができる。
【0062】
以上のようにフック装置1を、被取付パネルPに取付けることにより、被取付パネルPを覆うトリム部材Tの表面から複数のフックが突設されることとなり、それぞれのフック30,40にコンビニ袋や買い物袋などを引き掛けて使用することができる。
【0063】
そして、このフック装置1においては、スライド可能なスライドフック40をスライドさせて、隣接する固定フック30に当接させると、固定フック30の軸部31の内側面31a及び引掛け部32の内側面32aが、スライドフック40の軸部51の側面54a及び引掛け部52の側面52aにぴったりと密接して、軸部31,51どうしが一体化して一つの大きな軸部になり(図3参照)、かつ、半円形状の引掛け部32,52どうしが整合して一体化し、軸方向から見てほぼ円形状をなすようになっている(図8参照)。
【0064】
このように、2つのフック30,40が一体化されるので、強度を向上させた1つのフックとして利用することができ、重い袋Bでも問題なく引き掛けることができ、更に、使用していないフックが邪魔になることもなく、外観上の見栄えもよくなる。
【0065】
特にこの実施形態では、上記のように隣接するフック30,40を当接させて、両引掛け部32,52どうしが整合したときに、両引掛け部32,52がほぼ円形状をなすように構成されているので、重い袋Bの持ち手B1などを引き掛ける際に、円形の引掛け部にスムーズに引っ掛けることができ、使い勝手を向上させることができると共に、見栄えも向上させることができる。
【0066】
また、重いものを引き掛けることに関連して説明すると、この実施形態では、複数のフックのうち、固定フック30がベース部材10に一体的に形成されているので、この固定フック30の強度を向上させることができ、重いものでも十分に引き掛けることができると共に、部品点数を減らして構造を簡略化することができる。
【0067】
同じく、この実施形態では、ベース部材10の少なくとも二箇所に形成された固定手段の少なくとも一つは、ベース部材10の一端に形成され、被取付パネルPの第1取付孔P1の裏側周縁に係合してベース部材10を抜け止め保持する抜け止めフック17とされている。すなわち、抜け止めフック17が、被取付パネルPの第1取付孔P1に係合して、ベース部材10が抜け止め保持されているので、重いものでも、しっかりと安定して引き掛け支持することができる。また、抜け止めフック17が形成されたベース部材10の一端側に、固定フック30を配置すれば、よりしっかりと安定して引き掛け支持することができる。
【0068】
ところで、持ち手を有するいわゆるコンビニ袋は、商品を取り出した後は、自動車内でゴミ袋として用いられることがある。ただし、フックが一つしかない場合には、袋の開口部を大きく広げることができず、ゴミを捨てるのに不便であった。そのため、袋の開口部を大きく広げておけることが望まれていた。
【0069】
これに対して、このフック装置1によれば、図9に示すように、スライドフック40を固定フック30から遠ざかるようにスライドさせて、隣接するフック30,40どうしの間隔を開けて配置し、袋Bの持ち手B1,B1を別々のフック30,40にそれぞれ引き掛けることによって、コンビニ袋等の袋Bの開口部を大きく広げて保持できるので、ゴミを入れ易く、かつ、揺れにくくなり、ゴミ袋として利用しやすくなり、利便性を向上させることができる。
【0070】
図10には、フック装置1の他の使用例が示されている。すなわち、図10(a)に示すように、コンビニ袋などの袋Bが大きい場合には、袋Bの底部を自動車の床面Fに着けた状態で、持ち手B1をフックに引き掛けて使用することがある。この場合、持ち手B1が浮き上がってフックから外れてしまう虞れがある。しかし、このフック装置1では、少なくとも1つのフックがスライド可能であるので、隣接するフック30,40の間に持ち手B1の一側を挟むことにより、持ち手B1がフック30,40から外れることを確実に防止できる。
【0071】
また、図10(b)には、ベース部材10に対するスライドフック40のスライド方向が上下方向になるように、フック装置1が縦向きで被取付パネルPに固定された状態が示されている。この場合、スライドフック40の高さを適宜変えることができるので、例えばコンビニ袋等の袋Bの底部が、ちょうどよく床に着くようにスライドフック40の高さを調整することができる。
【0072】
ところで、このフック装置1では、次のようにして、スライドフック40は、ベース部材10の所定位置にロックさせたり、そのロックを解除して他の位置にスライドさせたりすることができるようになっている。
【0073】
すなわち、図6(a)に示すように、ベース部材10のロック凹部16に、スライドフック40の係合片57のロック突起60が係合した状態では、スライドフック40のスライド移動が規制されて停止した状態にロックされている。
【0074】
上記ロック状態では、図6に示すように、ピン部材70の差込部72が、ピン挿通孔51aを通して本体50内に挿入されていて、前記ピン部材70先端の押圧部75が、係合片57の先端部59に当接して押圧し、一対の係合片57を内方にやや撓ませた状態となっており、この状態がピン部材70と本体50との間に設けられた、抜け止め手段(抜け止め孔54b及びこれに係合する抜け止め突起77)により維持されている。
【0075】
そのため、ピン部材70が係合片57の弾性復元力によって常時引き抜き方向に付勢され、抜け止め手段によって保持された状態となるので、係合片57がロック凹部16に係合して、外力が作用していない状態におけるピン部材70のガタ付きを防止することができる。
【0076】
そして、上記ロック状態からスライドフック40をスライドさせる場合には、引掛け部52表面に配置された頭部71を押して、ピン部材70に作用する上記引き抜き方向への付勢力に抗して、ピン部材70の差込部72を押し込む。すると、ピン部材70の押圧部75が各係合片57の先端部59に当接し、更に、ピン部材70を各係合片57の弾性力に抗して所定距離押し込むことにより、各係合片57の先端部59が押圧されて、各係合片57のロック突起60がベース部材10のロック凹部16から外れて、スライドフック40のロック状態が解除される。
【0077】
この状態でガイド溝15に沿って、スライドフック40をスライドさせることにより、同スライドフック40を所定位置に移動させることができる。このとき、ピン部材70を押し込んだまま、スライドフック40をスライド移動させてもよいが、ロック凹部16から係合片57を外した後、ピン部材70を押し込むのを止めることにより、係合片57を拡開させて、収容凹部13の内側面に摺接させつつ、スライドフック40をスライド移動させてもよい。
【0078】
そして、スライドフック40の係合片57が所定のロック凹部16に位置すると、係合片57が弾性復帰して再び拡開し、ロック凹部16に係合するので、スライドフック40をその位置で停止した状態にロックすることができる。
【0079】
このように、ピン部材70を押し込んで、スライドフック40をスライド移動させるだけの簡単な操作で、スライドフック40を所定位置で停止した状態にロックすることができる。
【0080】
また、スライドフック40に設けた係合片57が、常時は本体50外方に向けて弾性的に拡開して、ロック凹部16に係合するようになっているので、スプリング等の付勢手段が不要で、部品点数を少なくして構造を簡単にでき、更に軽量化を図ることが可能で、製造コストも低減できる。
【0081】
また、スライドフック40をスライド移動させる際に、ガイド突起62がガイド溝15に摺接しつつ移動するようになっているが、スライドフック40は合成樹脂から形成されているので、金属製の場合と比べて摺動抵抗が低いうえ、凹部に入り込んだ突起の摺動となるので、この点からも摺動抵抗を低く抑えることができ、スライドフック40を軽い力でスムーズにスライド移動させることができる。
【0082】
更に、係合片57は、その先端部59が、本体50のピン挿通孔51aの入口方向に向けて該ピン挿通孔51a内に入り込んでおり、係合片57の先端部59及び/又はピン部材70の押圧部75が斜面をなしていて(この実施形態では、係合片57先端の斜面59a、押圧部75の斜面75aの両者)、ピン部材70を所定距離押し込んだときに、ピン部材70の押圧部75が係合片57の先端部59と前記斜面を介して当接し、係合片57が内方に撓んでロック凹部16から抜け出すように構成されている。
【0083】
このように、係合片57の先端部及び/又はピン部材70の押圧部75が斜面をなしているので、ピン部材70を所定距離押し込むことにより、係合片57を内方にスムーズに撓ませることができ、また、ピン部材70の押し込みをやめたときには、係合片57の弾性復元力によって係合片57をスムーズに拡径させ、ピン部材70を初期位置に押し戻すことができる。
【0084】
更に、ベース部材10のロック凹部16の内側面及び/又はそれに係合する係合片57の外側面がテーパ部をなしており(この実施形態では、係合片57のロック突起60のテーパ部60a)、ロック凹部16と係合片57とが前記テーパ部で係合するように構成されている。
【0085】
そのため、スライドフック40をロック位置に移動させたときに、ロック凹部16及び係合片57がテーパ部で係合して、係合片57のガタ付きを防止することができ、その結果、スライドフック40自体のガタ付きを抑制して、所定位置で安定してロックさせることができる。
【0086】
また、この実施形態では、ガイド突起62は、係合片57の両側に一対設けられているので、スライドフック40のスライド方向に沿って、ガイド突起62を幅広く配置して設けることができ、スライドフック40のスライド動作を安定させることができる。また、係合片57の両側にガイド突起62を配置することにより、スライド動作の際に係合片57が引っ掛かったりすることを防止して、係合片57を保護することができる。
【0087】
図11には、本発明のスライド式フック装置の他の実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
【0088】
この実施形態のスライド式フック装置1a(以下、「フック装置1a」という)は、隣接するフックの引掛け部どうしの整合構造が、前記図1〜10に示す実施形態と異なっている。
【0089】
すなわち、図11に示すように、固定フック30の引掛け部32の裏面側であって、その内側面32a側から一対の整合凹部32b,32bが形成されており、この固定フック30に隣接するスライドフック40の引掛け部52の側面52aから、前記一対の整合凹部32b,32bに適合した形状をなす、一対の整合凸部52b,52bが、舌片状に突設されている。
【0090】
そして、スライドフック40を固定フック30側へスライドさせて、フック30,40どうしを当接させると、スライドフック40側の整合凸部52b,52bが、固定フック30の整合凹部32b,32bに嵌合して、両引掛け部32,52どうしが凹凸整合するように構成されている。
【0091】
この実施形態によれば、固定フック30に袋Bの持ち手B1を引き掛けて、スライドフック40を当接させて持ち手B1を挟み込んだとき、両引掛け部32,52どうしが凹凸整合するので、挟み込まれた持ち手B1が両引掛け部32,52の間から抜けにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明のスライド式フック装置の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】同フック装置のスライドするフックを示す分解斜視図である。
【図3】同フック装置を被取付パネルに固定した状態を示す断面図である。
【図4】同フック装置の固定手段を示しており、(a)は図3のIV−IV矢示線での断面図、(b)は(a)の状態から係合解除ピンを押し込んだ状態を示す断面図である。
【図5】同フック装置のスライドするフックのスライド構造を示しており、(a)は図3のV−V矢示線での断面図、(b)は(a)のA−A矢示線での断面図である。
【図6】同フック装置のスライドするフックのロック構造を示しており、(a)は図3のVI−VI矢示線での断面図、(b)は(a)のB−B矢示線での断面図である。
【図7】同フック装置のスライドするフックの、ロック解除状態を示す断面説明図である。
【図8】同フック装置の一使用例を示す説明図である。
【図9】図8に示す状態からスライドするフックをスライドさせた状態を示す説明図である。
【図10】同フック装置の他の使用例を示しており、(a)は袋の持ち手を挟んだ場合の説明図、(b)はフック装置を縦向きに固定した状態の説明図である。
【図11】本発明のスライド式フック装置の他の実施形態を示す要部拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0093】
1,1a スライド式フック装置(フック装置)
10 ベース部材
17 抜け止めフック
20 挿入筒
24 係合解除ピン
30 固定フック
31 軸部
32 引掛け部
40 フライドフック
50 本体
51 軸部
52 引掛け部
52b,52b 整合凸部
70 ピン部材
B 袋
B1 持ち手
F 床面
P 被取付パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取付パネルに固定手段を介して固定されるベース部材と、このベース部材に保持された複数のフックとを備え、前記フックは、ベース部材から延出される軸部と、この軸部の突出端部に形成された引掛け部とを有しており、前記フックの少なくとも1つは、前記ベース部材上でスライド可能に保持されており、前記スライド可能なフックをスライドさせて、隣接するフックに当接させたとき、当接されたフックどうしの前記引掛け部が整合するように構成されていることを特徴とするスライド式フック装置。
【請求項2】
前記複数のフックの少なくとも一つは、前記ベース部材に一体的に形成されている請求項1記載のスライド式フック装置。
【請求項3】
前記固定手段は、前記ベース部材の少なくとも二箇所に形成されており、そのうちの少なくとも一つは前記ベース部材の一端に形成され、前記被取付パネルの取付孔の裏側周縁に係合してベース部材を抜け止め保持する抜け止めフックとされている請求項2記載のスライド式フック装置。
【請求項4】
スライド保持されたフックの引掛け部及びそれに隣接するフックの引掛け部の整合する部分は、その一方が凹形状をなし、他方が凸形状をなしており、両フックが当接したときに、引掛け部どうしが凹凸整合するように構成されている請求項1〜3のいずれか1つに記載のスライド式フック装置。
【請求項5】
前記フックの引掛け部は、隣接するものどうしで整合させたとき、前記軸部の軸方向から見てほぼ円形状をなすように構成されている請求項1〜4のいずれか1つに記載のスライド式フック装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−119644(P2010−119644A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−296542(P2008−296542)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(000124096)株式会社パイオラックス (331)
【Fターム(参考)】