スライド式踏み台
【課題】高さ位置を自在にスライドさせて異なる高さの段差にも調整可能なスライド式踏み台を提供する。
【解決手段】踏み箱2と、基枠3とから成り、踏み箱又は基枠いずれか一方において相対峙する一組の側面に、上下方向に延びる縦溝孔40と、同縦溝孔から水平方向へ複数段櫛状に延びる横溝孔41とで成るスライド孔部4が設けられ、他方の基枠又は踏み箱の相対峙する一組の側面に横溝孔と対応する高さ位置に締結孔6が設けられており、踏み箱と基枠とをスライド孔部と締結孔とに挿入した締結具10で締結して、同踏み箱をスライド孔部の各溝孔の範囲内で高さ位置を自在に調整可能にした。
【解決手段】踏み箱2と、基枠3とから成り、踏み箱又は基枠いずれか一方において相対峙する一組の側面に、上下方向に延びる縦溝孔40と、同縦溝孔から水平方向へ複数段櫛状に延びる横溝孔41とで成るスライド孔部4が設けられ、他方の基枠又は踏み箱の相対峙する一組の側面に横溝孔と対応する高さ位置に締結孔6が設けられており、踏み箱と基枠とをスライド孔部と締結孔とに挿入した締結具10で締結して、同踏み箱をスライド孔部の各溝孔の範囲内で高さ位置を自在に調整可能にした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、建物の上がり口、勝手口、縁側などの段差箇所に設置される踏み台に関する技術分野に属し、更に云うと、高さ位置を自在にスライドさせて異なる高さの段差にも調整可能なスライド式踏み台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物の上がり口、勝手口、縁側などに存在する段差を解消するために踏み台が実用に供されている。こうした踏み台として、異なる高さの段差にも対応可能に高さ位置を自在に調整できるスライド式踏み台が所望されており、下記の特許文献1に開示されて公知である。
【0003】
特許文献1のスライド式踏み台は、内箱と、同内箱を上下方向にスライド可能に収納する開口部を上面に設けた外箱とから成り、外箱内には内箱の下端面と当接して所定の高さ位置に支持し且つ常時外側へ張力を与えるバネ等で成る係止板と、外方へ突出するつまみを設けた軸付き回動板とが連結棒を介して連結された構成とされている。
したがって、つまみを捻ると軸付き回転板が回動し、係止板を連結している連結棒が内方へ引き寄せられると、同係止板が内方へ移動し、係止板の上端部に支持された内箱が同係止板から離脱し、自重で外箱内にスライドして収納されせいの低い踏み台となる。逆に、上記状態から内箱を上方へ引き揚げると、同内箱の内面は、外側へ張力を働く係止板と接触しつつスライドし、同係止板の高さ位置を超えると、係止板の張力で外方へ開き、内箱の下端部を当接状態に支持して、せいの高い踏み台へ変更できる構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実昭61−152699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1のスライド式踏み台は、内箱の高さを調整できる点は認められる。
しかし、そのスライド機構は、バネ等の係止板をつまみにより内方へ移動させて内箱の昇降をならしめる複雑な構造でありコスト高となる。また、利用者の体重はバネで成る係止板が支持する構成であるため、横ずれ等が生じる虞があり安全性と信頼性に欠ける。
また、このスライド式踏み台の調整できる高さは、内箱が係止板の上端部に来る高さと、内箱が外箱内に収納されてその底部に位置する高さとの2段階のみである。したがって、様々に異なる段差に対応することができないものである。
【0006】
本発明の目的は、上記問題点を解決することであり、非常にシンプルな構造としてコストを最低限にでき、利用者の体重を確実に支持して安全性と信頼性を発揮でき、高さ位置を複数段に亘って細かく調整して利便性の高いスライド式踏み台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係るスライド式踏み台は、
踏み箱と、基枠とから成り、
前記踏み箱又は基枠いずれか一方において相対峙する一組の側面に、上下方向に延びる縦溝孔と、同縦溝孔から水平方向へ複数段櫛状に延びる横溝孔とで成るスライド孔部が設けられ、他方の基枠又は踏み箱の相対峙する一組の側面に前記横溝孔と対応する高さ位置に締結孔が設けられており、
前記踏み箱と基枠とを前記スライド孔部と締結孔とに挿入した締結具で締結して、同踏み箱をスライド孔部の各溝孔の範囲内で高さ位置を自在に調整可能にしたことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載したスライド式踏み台において、
スライド孔部の横溝孔の先端部は、踏み箱に作用する荷重を受けて締結具が食い込む方向に傾斜した形状に形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載したスライド式踏み台において、
スライド式踏み台の踏み箱の高さ位置が最も高くなるように、締結孔の高さ位置を横溝孔の最上段又は最下段のいずれか一方に対応させたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1〜3に記載したスライド式踏み台は、以下の効果を奏する。
本発明のスライド式踏み台は、踏み箱と基枠とから構成され、踏み箱又は基枠いずれか一方において相対峙する一組の側面に、上下方向に延びる縦溝孔と、同縦溝孔から水平方向へ複数段櫛状に延びる横溝孔とで成るスライド孔部が設けられている。また、対応する他方の基枠又は踏み箱の一組の側面に、前記横溝孔の最下段又は最上段と対応する高さ位置に締結孔が設けられる構成とされ、上記スライド孔部と締結孔とへ締結具を通して締結してスライド式踏み台に組み立てている。
【0011】
したがって、踏み台の上下の高さは、締結具を中心に踏み箱をスライド孔部である縦溝孔により上下方向へスライドさせ、複数段櫛状に設けられた横溝孔うち適切な溝孔位置へ水平方向へスライドさせて固定するという、非常にシンプルな構造で自在に調整することができるため経済的であるし、高さ位置を細かいピッチで複数段設けられた横溝孔により自在に調整できるので、異なる段差に即座に対応でき利便性が高い。
また、高さ調整の範囲は単にスライド孔部である縦溝孔の長さ及び横溝孔の数を増やすことで自在に変更できるため汎用性も高い。
【0012】
更に、スライド孔部の横溝孔の先端部は、踏み箱に作用する荷重を受けて締結具が食い込む方向に傾斜した形状に形成されている。
したがって、利用者が踏み箱の上面へ載ると、前記横溝孔の傾斜によりその荷重が二方向に分散され、その力の合力により横溝孔の先端に荷重が集中して横ずれが生じることを確実に防止でき安全性と信頼性を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るスライド式踏み台を示した分解斜視図である。
【図2】図1に示したスライド式踏み台の設置状態を示す全体斜視図である。
【図3】Aはスライド孔部の形状及び構成を示す拡大図である。Bはスライド孔部の異なる実施例を示した拡大図である。
【図4】Aは基枠を固定する手段の一例を示す全体斜視図である。BはAの断面図である。
【図5】Aはスライド式踏み台の下面へベース板を取り付けた一例を示す斜視図である。Bは、スライド式踏み台の下面へベース板を取付け且つ手すりを設置する一例を示した斜視図である。
【図6】A〜Cは、図1に示した踏み箱の高さ位置を調整する際のスライド孔部と締結具の動作を段階的に示す側面図である。
【図7】本発明の実施例2のスライド式踏み台の分解斜視図を示した。
【図8】図7のスライド式踏み台のスライド孔部の構成を示す一部拡大図である。
【図9】本発明の実施例3のスライド式踏み台の分解斜視図を示した。
【図10】図9のスライド式踏み台の実施状態の一例を示す斜視図である。
【図11】本発明の実施例4のスライド式踏み台の分解斜視図を示した。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、下面を開放した箱形状の踏み箱2と、矩形状の基枠3とから成るスライド式踏み台1Aである。
前記踏み箱2の相対峙する一組の側面には、上下方向に延びる縦溝孔40と、同縦溝孔40から水平方向へ複数段櫛状に延びる横溝孔41とで成るスライド孔部4が設けられている。
前記踏み箱2の相対峙する一組の側面に設けられたスライド孔部4の横溝孔41は、その先端部が上方へ傾斜した形状に形成されている。
前記基枠3の相対峙する一組の側面には、横溝孔41の最上段と対応する位置に締結孔6が設けられている。
上記構成とした前記踏み箱2を、その側周面が基枠3の外側位置となるよう被せ、締結具10を前記スライド孔部4を通して締結孔6へねじ込んで締結して、同スライド孔部4の各溝孔40、41の範囲内で踏み箱2の高さ位置を自在に調整可能な構成とした。
【実施例1】
【0015】
以下に、本発明を図示した実施例に基づいて説明する。
本発明のスライド式踏み台1Aの実施例を特に図1〜7に示した。
前記スライド式踏み台1Aは、下面が解放され上面は利用者が足を乗せられるように滑り止めマット等を貼り付けた箱形状の踏み箱2と、上下面が開放状態とされた矩形状の基枠3とから成っている。両者は、鉄板を折り曲げ溶接接合により形成されるが、木板を接合して形成しても良い。因みに、踏み箱2が十分な剛性を発揮できる場合には、後面側を排除して実施することもできる。
【0016】
本実施例1に示したスライド式踏み台1Aは、踏み箱2が基枠3を完全に覆い被せるタイプとされており、その故に前記基枠3の外寸法は、踏み箱2より若干小径とされている。また、基枠3の左右側面は図6に示すように、踏み箱2より短い長さとされ、踏み箱2を被せた際に、前後にスペースを有する構成としている。これは、後述するが踏み箱2の高さ位置を変更する際に、踏み箱2の前後移動を許容するためである。
【0017】
前記踏み箱2の相対峙する一組の左右側面には、上下方向に延びるに縦溝孔40と、同縦溝孔40から水平方向へ4段櫛状に延びる横溝孔41とで成るスライド孔部4が設けられている。また、その上部中央位置には、踏み箱2の前後移動を容易にするべく取っ手5が設けられている。取っ手5は、要するに長円形の貫通孔であるが、勿論金具を取り付けて見栄え良くしても良い。
前記踏み箱2の左右側面に設けられたスライド孔部4の横溝孔41は、その先端部が上方へ傾斜した形状に形成されることが好ましい。
これは、踏み箱2と基枠3とを組み立ててスライド式踏み台1Aとして設置した際に、利用者が踏み箱2の上面へ載るとその荷重は横溝孔41へ通された締結具10によって横溝孔41が受けることとなり、同荷重は横溝孔41の形状の故に上方と斜め上方向の2方向に分散され、その力の合力により横溝孔41の先端に荷重が集中して横ずれが生じることを確実に防止できるからである(図3A参照)。前記スライド孔部4は図3Aに示した限りではなく、図3Bに示すように、縦溝孔40の下面を切り欠いて、踏み箱2を取り外し可能に実施することもできる。また、図示例では横溝孔41の段数は4つであるが、適宜増減して汎用性の高いスライド式踏み台を実施できる。
【0018】
そして、踏み台として踏み箱2が一番高くなる位置が確保されるように、前記基枠3の相対峙する一組の左右側面には、踏み箱2の横溝孔41の最上段と対応する高さ位置にタップ加工が施された締結孔6が設けられている。また、スライド孔部4の縦溝孔40の適宜な全長により、踏み箱2の中空部内に基枠3を完全に収納して最低の高さ位置に固定が可能である。
また、図示例の基枠3は、その中央上縁部が、踏み箱2の取っ手5の貫通孔の形状に合わせて切り欠き部9が設けられている。
前記基枠3の上下面は図示例では解放状態とされている。そのため、図4A、4Bに示すように、基枠3の左右側面から延びるフランジ7を溶接等により接合し、同フランジ7に設けたアンカー孔(図示省略)から設置面に向けてアンカー8を埋め込んで設置面へ固定することが好適に実施される。前記フランジ7はL字形状のアングル材を使用し、垂直部と基枠3の左右側面とを溶接又はボルト接合により連結して実施することもできる。 勿論、この限りではなく、図5Aに示すように、基枠3の下面にベース板11を取り付けて実施することも好適に行われる。その際、図5Bに示すように、ベース板11のスライド式踏み台1Aの四隅に相当する位置に、手すり12を立設して実施することも可能である。因みに、図4Aの基枠3は、後面側の枠材を排除した一例を示している。
【0019】
上記構成とした前記踏み箱2と基枠3とは、同踏み箱2の側周面が基枠3の外側位置となるよう覆い被せられ、図2に示すように、ワッシャー10aを具備した締結具10を踏み箱2の前記スライド孔部4を通して基枠3の締結孔6へねじ込んで締結される(図4Bも参照)。
したがって、踏み箱2を基枠3から取り外さずとも前記スライド孔部4の各溝孔40、41の範囲内で踏み箱2の高さ位置を自在に移動させて調整することができる。
【0020】
ここで、図6A〜C基づいてスライド式踏み台1Aの高さ位置の調整方法を、踏み箱を一番低い位置から高い位置へ上げる場合で説明する。
図2(図6A)のように組み立て完成されたスライド式踏み台1Aにおいて、先ず、踏み箱2を上下左右方向にズラせるように定結具10の締結度を弱めておく。そして踏み箱2の取っ手5を持って前方に動かす。すると締結孔6へ固定されている締結具10がスライド孔部4の横溝孔41を後ろ方向へ移動し縦溝孔40へ誘導される。そして、踏み箱2を同縦溝孔40内の適切な高さ位置になるまで上方へ持ち上げ(図6B参照)、4段に枝分かれした横溝孔41の適切な溝孔41箇所で後方へ押し戻すと(図6C参照)、同締結具10が踏み箱2の自重により適切な横溝孔41の先端部へ誘導され、前記締結具10を締め込んで固定して適切な高さへ定着できる。
したがって、踏み箱2を基枠3から取り外すことなく、また定結具10の取付位置を変えることなく、踏み箱2の高さ位置をスライドさせて自在に調整することができるのである。
また、前面側に人が乗り易いから、踏み台の上板(踏み箱2)の前側に隙間が出ると不安定な印象があることもあって、最終的には踏み箱2と基枠3の前面側が接触する(隙間が生じない)方向へ横溝孔41をスライド孔部40から延ばしている。
【実施例2】
【0021】
本発明のスライド式踏み台は、実施例1の限りではない。実施例1と同様の技術的思想を有する実施例2も実施可能である。実施例2の概要を図7、図8に示した。
このスライド式踏み台1Bは、上記したように実施例1と略同様の技術的思想であるため、以下、その相違点のみ説明する。
要するに、スライド式踏み台1Bは、スライド孔部4と締結孔6の取付箇所がスライド式踏み台1Aと逆となるタイプである。このスライド式踏み台1Bの基枠3は、上下面が開放されている、及び/又は後面が開放状態に形成されている。したがって、踏み箱2と基枠3との締結の際、基枠3の内側面に突き出る締結具10の先端をナット10bにより締め込む時に、開放面から手を差し入れての作業が可能である。
基枠3の相対峙する左右側面には、縦溝孔40と横溝孔41を有するスライド孔部4が設けられ、踏み箱2の相対峙する左右側面に、前記横溝孔41の最下段と対応する高さ位置に締結孔6が設けられている。因みにこの締結孔6にはタップ加工が施される必要はない。
基枠3にスライド孔部4が設けられる場合、その横溝孔41はその先端部が下方へ傾斜する形状で設けられている。上記のような形状とすることで、図8に示すように、利用者が踏み箱2の上面へ載るとその荷重は下方と斜め下方向の2方向に分散され、その力の合力により、横溝孔41の先端に荷重が集中して横ずれが生じることを確実に防止できるからである。
上記構成とした前記踏み箱2と基枠3とは、同踏み箱2の側周面が基枠3の外側位置となるよう覆い被せられ、ワッシャー10aを具備した締結具10を、踏み箱2の締結孔6へ挿入すると共に、基枠3の前記スライド孔部4へ通し、同スライド孔部4から突き出た締結具10の先端を基枠3の開放された下面/又は後面から差し入れたナット10bにより締結し固定する。
【実施例3】
【0022】
本発明は、図9、図10に示すスライド式踏み台1Cにおいても同様の技術的思想に基づいて実施可能である。図9にはスライド式踏み台1Cの分解斜視図、図10には設置状況の一例を示した。この実施例3も実施例1と略同様のであるため、以下に、その差異点のみを説明する。
このスライド式踏み台1Cは、図10を見て明らかなように、踏み箱2が基枠3の左右側面の内側へ入り込むタイプである。したがって、踏み箱2と基枠3の形状は、実施例1と逆であり基枠3の内寸法の方が大きく、踏み箱2は基枠3の内部に入り込める程度に小さな形状とされている。
【0023】
また、前記基枠3の左右側面には、縦溝孔40と、同縦溝孔40から水平方向へ4段櫛状に延びる横溝孔41とで成るスライド孔部4が設けられている。したがって、上記したように基枠3へ設けられた横溝孔41は先端部が下方へ傾斜する形状である。また、前記基枠3の左右側面の内側位置に踏み箱2の左右側面を差し込めるスリット30、30が設けられている。
前記踏み箱2の左右側面には、前記横溝孔41の最下段と対応する高さ位置に締結孔6が設けられており、タップ加工が施されている。
上記構成の踏み箱2の左右側面を基枠3の上記スリット30、30内へ差し入れ、ワッシャー10aを具備した締結具10を前記スライド孔部4を通じて締結孔6へねじ込んで締結し固定して、スライド式踏み台1Cを組み立てている。
【実施例4】
【0024】
本発明は図11に示す、スライド式踏み台1Dにおいても同様の技術的思想に基づいて実施可能である。
このスライド式踏み台1Dは、踏み箱2の左右側面にスライド孔部4が設けられている。したがって、図1に示したように、横溝孔41は先端部が上方へ傾斜する形状とされている。また、基枠3の左右側面にスライド孔部4の横溝孔41の最上段と対応する高さ位置にタップ加工を施さない締結孔6が設けられている。更に、このスライド式踏み台1Dは、図9、図10に示した踏み箱2が基枠3の内側側面へ入り込むタイプであり、基枠3の左右側面の内側にスリット30、30が設けられており、その下面及び/又は後面が開放状態に形成されている。
上記構成の踏み箱2の左右側面を基枠3の上記スリット30、30内へ差し入れ、ワッシャー10aを具備した締結具10を基枠3の締結孔6へ挿入すると共に、踏み箱2のスライド孔部4へ通し、同スライド孔部4から突き出た締結具10の先端を基枠3の開放された下面又は後面から差し入れたナット10bにより締結し固定する。
このスライド式踏み台1Dは、完全に収納した状態ではスライド孔部4が基枠3の左右側面に完全に隠れるので意匠性が高いという利点がある。
【0025】
以上に本発明を図示した実施例に基づいて説明したが、本発明は、上記実施例の構成に限定されない。その目的と要旨を逸脱しない範囲において、当業者が必要に応じて行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のため言及する。
【符号の説明】
【0026】
1 スライド式踏み台
2 踏み箱
3 基枠
4 スライド孔部
40 縦溝孔
41 横溝孔
5 取っ手
6 締結孔
10 締結具
【技術分野】
【0001】
この発明は、建物の上がり口、勝手口、縁側などの段差箇所に設置される踏み台に関する技術分野に属し、更に云うと、高さ位置を自在にスライドさせて異なる高さの段差にも調整可能なスライド式踏み台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物の上がり口、勝手口、縁側などに存在する段差を解消するために踏み台が実用に供されている。こうした踏み台として、異なる高さの段差にも対応可能に高さ位置を自在に調整できるスライド式踏み台が所望されており、下記の特許文献1に開示されて公知である。
【0003】
特許文献1のスライド式踏み台は、内箱と、同内箱を上下方向にスライド可能に収納する開口部を上面に設けた外箱とから成り、外箱内には内箱の下端面と当接して所定の高さ位置に支持し且つ常時外側へ張力を与えるバネ等で成る係止板と、外方へ突出するつまみを設けた軸付き回動板とが連結棒を介して連結された構成とされている。
したがって、つまみを捻ると軸付き回転板が回動し、係止板を連結している連結棒が内方へ引き寄せられると、同係止板が内方へ移動し、係止板の上端部に支持された内箱が同係止板から離脱し、自重で外箱内にスライドして収納されせいの低い踏み台となる。逆に、上記状態から内箱を上方へ引き揚げると、同内箱の内面は、外側へ張力を働く係止板と接触しつつスライドし、同係止板の高さ位置を超えると、係止板の張力で外方へ開き、内箱の下端部を当接状態に支持して、せいの高い踏み台へ変更できる構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実昭61−152699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1のスライド式踏み台は、内箱の高さを調整できる点は認められる。
しかし、そのスライド機構は、バネ等の係止板をつまみにより内方へ移動させて内箱の昇降をならしめる複雑な構造でありコスト高となる。また、利用者の体重はバネで成る係止板が支持する構成であるため、横ずれ等が生じる虞があり安全性と信頼性に欠ける。
また、このスライド式踏み台の調整できる高さは、内箱が係止板の上端部に来る高さと、内箱が外箱内に収納されてその底部に位置する高さとの2段階のみである。したがって、様々に異なる段差に対応することができないものである。
【0006】
本発明の目的は、上記問題点を解決することであり、非常にシンプルな構造としてコストを最低限にでき、利用者の体重を確実に支持して安全性と信頼性を発揮でき、高さ位置を複数段に亘って細かく調整して利便性の高いスライド式踏み台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係るスライド式踏み台は、
踏み箱と、基枠とから成り、
前記踏み箱又は基枠いずれか一方において相対峙する一組の側面に、上下方向に延びる縦溝孔と、同縦溝孔から水平方向へ複数段櫛状に延びる横溝孔とで成るスライド孔部が設けられ、他方の基枠又は踏み箱の相対峙する一組の側面に前記横溝孔と対応する高さ位置に締結孔が設けられており、
前記踏み箱と基枠とを前記スライド孔部と締結孔とに挿入した締結具で締結して、同踏み箱をスライド孔部の各溝孔の範囲内で高さ位置を自在に調整可能にしたことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載したスライド式踏み台において、
スライド孔部の横溝孔の先端部は、踏み箱に作用する荷重を受けて締結具が食い込む方向に傾斜した形状に形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載したスライド式踏み台において、
スライド式踏み台の踏み箱の高さ位置が最も高くなるように、締結孔の高さ位置を横溝孔の最上段又は最下段のいずれか一方に対応させたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1〜3に記載したスライド式踏み台は、以下の効果を奏する。
本発明のスライド式踏み台は、踏み箱と基枠とから構成され、踏み箱又は基枠いずれか一方において相対峙する一組の側面に、上下方向に延びる縦溝孔と、同縦溝孔から水平方向へ複数段櫛状に延びる横溝孔とで成るスライド孔部が設けられている。また、対応する他方の基枠又は踏み箱の一組の側面に、前記横溝孔の最下段又は最上段と対応する高さ位置に締結孔が設けられる構成とされ、上記スライド孔部と締結孔とへ締結具を通して締結してスライド式踏み台に組み立てている。
【0011】
したがって、踏み台の上下の高さは、締結具を中心に踏み箱をスライド孔部である縦溝孔により上下方向へスライドさせ、複数段櫛状に設けられた横溝孔うち適切な溝孔位置へ水平方向へスライドさせて固定するという、非常にシンプルな構造で自在に調整することができるため経済的であるし、高さ位置を細かいピッチで複数段設けられた横溝孔により自在に調整できるので、異なる段差に即座に対応でき利便性が高い。
また、高さ調整の範囲は単にスライド孔部である縦溝孔の長さ及び横溝孔の数を増やすことで自在に変更できるため汎用性も高い。
【0012】
更に、スライド孔部の横溝孔の先端部は、踏み箱に作用する荷重を受けて締結具が食い込む方向に傾斜した形状に形成されている。
したがって、利用者が踏み箱の上面へ載ると、前記横溝孔の傾斜によりその荷重が二方向に分散され、その力の合力により横溝孔の先端に荷重が集中して横ずれが生じることを確実に防止でき安全性と信頼性を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るスライド式踏み台を示した分解斜視図である。
【図2】図1に示したスライド式踏み台の設置状態を示す全体斜視図である。
【図3】Aはスライド孔部の形状及び構成を示す拡大図である。Bはスライド孔部の異なる実施例を示した拡大図である。
【図4】Aは基枠を固定する手段の一例を示す全体斜視図である。BはAの断面図である。
【図5】Aはスライド式踏み台の下面へベース板を取り付けた一例を示す斜視図である。Bは、スライド式踏み台の下面へベース板を取付け且つ手すりを設置する一例を示した斜視図である。
【図6】A〜Cは、図1に示した踏み箱の高さ位置を調整する際のスライド孔部と締結具の動作を段階的に示す側面図である。
【図7】本発明の実施例2のスライド式踏み台の分解斜視図を示した。
【図8】図7のスライド式踏み台のスライド孔部の構成を示す一部拡大図である。
【図9】本発明の実施例3のスライド式踏み台の分解斜視図を示した。
【図10】図9のスライド式踏み台の実施状態の一例を示す斜視図である。
【図11】本発明の実施例4のスライド式踏み台の分解斜視図を示した。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、下面を開放した箱形状の踏み箱2と、矩形状の基枠3とから成るスライド式踏み台1Aである。
前記踏み箱2の相対峙する一組の側面には、上下方向に延びる縦溝孔40と、同縦溝孔40から水平方向へ複数段櫛状に延びる横溝孔41とで成るスライド孔部4が設けられている。
前記踏み箱2の相対峙する一組の側面に設けられたスライド孔部4の横溝孔41は、その先端部が上方へ傾斜した形状に形成されている。
前記基枠3の相対峙する一組の側面には、横溝孔41の最上段と対応する位置に締結孔6が設けられている。
上記構成とした前記踏み箱2を、その側周面が基枠3の外側位置となるよう被せ、締結具10を前記スライド孔部4を通して締結孔6へねじ込んで締結して、同スライド孔部4の各溝孔40、41の範囲内で踏み箱2の高さ位置を自在に調整可能な構成とした。
【実施例1】
【0015】
以下に、本発明を図示した実施例に基づいて説明する。
本発明のスライド式踏み台1Aの実施例を特に図1〜7に示した。
前記スライド式踏み台1Aは、下面が解放され上面は利用者が足を乗せられるように滑り止めマット等を貼り付けた箱形状の踏み箱2と、上下面が開放状態とされた矩形状の基枠3とから成っている。両者は、鉄板を折り曲げ溶接接合により形成されるが、木板を接合して形成しても良い。因みに、踏み箱2が十分な剛性を発揮できる場合には、後面側を排除して実施することもできる。
【0016】
本実施例1に示したスライド式踏み台1Aは、踏み箱2が基枠3を完全に覆い被せるタイプとされており、その故に前記基枠3の外寸法は、踏み箱2より若干小径とされている。また、基枠3の左右側面は図6に示すように、踏み箱2より短い長さとされ、踏み箱2を被せた際に、前後にスペースを有する構成としている。これは、後述するが踏み箱2の高さ位置を変更する際に、踏み箱2の前後移動を許容するためである。
【0017】
前記踏み箱2の相対峙する一組の左右側面には、上下方向に延びるに縦溝孔40と、同縦溝孔40から水平方向へ4段櫛状に延びる横溝孔41とで成るスライド孔部4が設けられている。また、その上部中央位置には、踏み箱2の前後移動を容易にするべく取っ手5が設けられている。取っ手5は、要するに長円形の貫通孔であるが、勿論金具を取り付けて見栄え良くしても良い。
前記踏み箱2の左右側面に設けられたスライド孔部4の横溝孔41は、その先端部が上方へ傾斜した形状に形成されることが好ましい。
これは、踏み箱2と基枠3とを組み立ててスライド式踏み台1Aとして設置した際に、利用者が踏み箱2の上面へ載るとその荷重は横溝孔41へ通された締結具10によって横溝孔41が受けることとなり、同荷重は横溝孔41の形状の故に上方と斜め上方向の2方向に分散され、その力の合力により横溝孔41の先端に荷重が集中して横ずれが生じることを確実に防止できるからである(図3A参照)。前記スライド孔部4は図3Aに示した限りではなく、図3Bに示すように、縦溝孔40の下面を切り欠いて、踏み箱2を取り外し可能に実施することもできる。また、図示例では横溝孔41の段数は4つであるが、適宜増減して汎用性の高いスライド式踏み台を実施できる。
【0018】
そして、踏み台として踏み箱2が一番高くなる位置が確保されるように、前記基枠3の相対峙する一組の左右側面には、踏み箱2の横溝孔41の最上段と対応する高さ位置にタップ加工が施された締結孔6が設けられている。また、スライド孔部4の縦溝孔40の適宜な全長により、踏み箱2の中空部内に基枠3を完全に収納して最低の高さ位置に固定が可能である。
また、図示例の基枠3は、その中央上縁部が、踏み箱2の取っ手5の貫通孔の形状に合わせて切り欠き部9が設けられている。
前記基枠3の上下面は図示例では解放状態とされている。そのため、図4A、4Bに示すように、基枠3の左右側面から延びるフランジ7を溶接等により接合し、同フランジ7に設けたアンカー孔(図示省略)から設置面に向けてアンカー8を埋め込んで設置面へ固定することが好適に実施される。前記フランジ7はL字形状のアングル材を使用し、垂直部と基枠3の左右側面とを溶接又はボルト接合により連結して実施することもできる。 勿論、この限りではなく、図5Aに示すように、基枠3の下面にベース板11を取り付けて実施することも好適に行われる。その際、図5Bに示すように、ベース板11のスライド式踏み台1Aの四隅に相当する位置に、手すり12を立設して実施することも可能である。因みに、図4Aの基枠3は、後面側の枠材を排除した一例を示している。
【0019】
上記構成とした前記踏み箱2と基枠3とは、同踏み箱2の側周面が基枠3の外側位置となるよう覆い被せられ、図2に示すように、ワッシャー10aを具備した締結具10を踏み箱2の前記スライド孔部4を通して基枠3の締結孔6へねじ込んで締結される(図4Bも参照)。
したがって、踏み箱2を基枠3から取り外さずとも前記スライド孔部4の各溝孔40、41の範囲内で踏み箱2の高さ位置を自在に移動させて調整することができる。
【0020】
ここで、図6A〜C基づいてスライド式踏み台1Aの高さ位置の調整方法を、踏み箱を一番低い位置から高い位置へ上げる場合で説明する。
図2(図6A)のように組み立て完成されたスライド式踏み台1Aにおいて、先ず、踏み箱2を上下左右方向にズラせるように定結具10の締結度を弱めておく。そして踏み箱2の取っ手5を持って前方に動かす。すると締結孔6へ固定されている締結具10がスライド孔部4の横溝孔41を後ろ方向へ移動し縦溝孔40へ誘導される。そして、踏み箱2を同縦溝孔40内の適切な高さ位置になるまで上方へ持ち上げ(図6B参照)、4段に枝分かれした横溝孔41の適切な溝孔41箇所で後方へ押し戻すと(図6C参照)、同締結具10が踏み箱2の自重により適切な横溝孔41の先端部へ誘導され、前記締結具10を締め込んで固定して適切な高さへ定着できる。
したがって、踏み箱2を基枠3から取り外すことなく、また定結具10の取付位置を変えることなく、踏み箱2の高さ位置をスライドさせて自在に調整することができるのである。
また、前面側に人が乗り易いから、踏み台の上板(踏み箱2)の前側に隙間が出ると不安定な印象があることもあって、最終的には踏み箱2と基枠3の前面側が接触する(隙間が生じない)方向へ横溝孔41をスライド孔部40から延ばしている。
【実施例2】
【0021】
本発明のスライド式踏み台は、実施例1の限りではない。実施例1と同様の技術的思想を有する実施例2も実施可能である。実施例2の概要を図7、図8に示した。
このスライド式踏み台1Bは、上記したように実施例1と略同様の技術的思想であるため、以下、その相違点のみ説明する。
要するに、スライド式踏み台1Bは、スライド孔部4と締結孔6の取付箇所がスライド式踏み台1Aと逆となるタイプである。このスライド式踏み台1Bの基枠3は、上下面が開放されている、及び/又は後面が開放状態に形成されている。したがって、踏み箱2と基枠3との締結の際、基枠3の内側面に突き出る締結具10の先端をナット10bにより締め込む時に、開放面から手を差し入れての作業が可能である。
基枠3の相対峙する左右側面には、縦溝孔40と横溝孔41を有するスライド孔部4が設けられ、踏み箱2の相対峙する左右側面に、前記横溝孔41の最下段と対応する高さ位置に締結孔6が設けられている。因みにこの締結孔6にはタップ加工が施される必要はない。
基枠3にスライド孔部4が設けられる場合、その横溝孔41はその先端部が下方へ傾斜する形状で設けられている。上記のような形状とすることで、図8に示すように、利用者が踏み箱2の上面へ載るとその荷重は下方と斜め下方向の2方向に分散され、その力の合力により、横溝孔41の先端に荷重が集中して横ずれが生じることを確実に防止できるからである。
上記構成とした前記踏み箱2と基枠3とは、同踏み箱2の側周面が基枠3の外側位置となるよう覆い被せられ、ワッシャー10aを具備した締結具10を、踏み箱2の締結孔6へ挿入すると共に、基枠3の前記スライド孔部4へ通し、同スライド孔部4から突き出た締結具10の先端を基枠3の開放された下面/又は後面から差し入れたナット10bにより締結し固定する。
【実施例3】
【0022】
本発明は、図9、図10に示すスライド式踏み台1Cにおいても同様の技術的思想に基づいて実施可能である。図9にはスライド式踏み台1Cの分解斜視図、図10には設置状況の一例を示した。この実施例3も実施例1と略同様のであるため、以下に、その差異点のみを説明する。
このスライド式踏み台1Cは、図10を見て明らかなように、踏み箱2が基枠3の左右側面の内側へ入り込むタイプである。したがって、踏み箱2と基枠3の形状は、実施例1と逆であり基枠3の内寸法の方が大きく、踏み箱2は基枠3の内部に入り込める程度に小さな形状とされている。
【0023】
また、前記基枠3の左右側面には、縦溝孔40と、同縦溝孔40から水平方向へ4段櫛状に延びる横溝孔41とで成るスライド孔部4が設けられている。したがって、上記したように基枠3へ設けられた横溝孔41は先端部が下方へ傾斜する形状である。また、前記基枠3の左右側面の内側位置に踏み箱2の左右側面を差し込めるスリット30、30が設けられている。
前記踏み箱2の左右側面には、前記横溝孔41の最下段と対応する高さ位置に締結孔6が設けられており、タップ加工が施されている。
上記構成の踏み箱2の左右側面を基枠3の上記スリット30、30内へ差し入れ、ワッシャー10aを具備した締結具10を前記スライド孔部4を通じて締結孔6へねじ込んで締結し固定して、スライド式踏み台1Cを組み立てている。
【実施例4】
【0024】
本発明は図11に示す、スライド式踏み台1Dにおいても同様の技術的思想に基づいて実施可能である。
このスライド式踏み台1Dは、踏み箱2の左右側面にスライド孔部4が設けられている。したがって、図1に示したように、横溝孔41は先端部が上方へ傾斜する形状とされている。また、基枠3の左右側面にスライド孔部4の横溝孔41の最上段と対応する高さ位置にタップ加工を施さない締結孔6が設けられている。更に、このスライド式踏み台1Dは、図9、図10に示した踏み箱2が基枠3の内側側面へ入り込むタイプであり、基枠3の左右側面の内側にスリット30、30が設けられており、その下面及び/又は後面が開放状態に形成されている。
上記構成の踏み箱2の左右側面を基枠3の上記スリット30、30内へ差し入れ、ワッシャー10aを具備した締結具10を基枠3の締結孔6へ挿入すると共に、踏み箱2のスライド孔部4へ通し、同スライド孔部4から突き出た締結具10の先端を基枠3の開放された下面又は後面から差し入れたナット10bにより締結し固定する。
このスライド式踏み台1Dは、完全に収納した状態ではスライド孔部4が基枠3の左右側面に完全に隠れるので意匠性が高いという利点がある。
【0025】
以上に本発明を図示した実施例に基づいて説明したが、本発明は、上記実施例の構成に限定されない。その目的と要旨を逸脱しない範囲において、当業者が必要に応じて行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のため言及する。
【符号の説明】
【0026】
1 スライド式踏み台
2 踏み箱
3 基枠
4 スライド孔部
40 縦溝孔
41 横溝孔
5 取っ手
6 締結孔
10 締結具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
踏み箱と、基枠とから成り、
前記踏み箱又は基枠いずれか一方において相対峙する一組の側面に、上下方向に延びる縦溝孔と、同縦溝孔から水平方向へ複数段櫛状に延びる横溝孔とで成るスライド孔部が設けられ、他方の基枠又は踏み箱の相対峙する一組の側面に前記横溝孔と対応する高さ位置に締結孔が設けられており、
前記踏み箱と基枠とを前記スライド孔部と締結孔とに挿入した締結具で締結して、同踏み箱をスライド孔部の各溝孔の範囲内で高さ位置を自在に調整可能にしたことを特徴とする、スライド式踏み台。
【請求項2】
スライド孔部の横溝孔の先端部は、踏み箱に作用する荷重を受けて締結具が食い込む方向に傾斜した形状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載したスライド式踏み台。
【請求項3】
スライド式踏み台の踏み箱の高さ位置が最も高くなるように、締結孔の高さ位置を横溝孔の最上段又は最下段のいずれか一方に対応させたことを特徴とする、請求項1又は2に記載したスライド式踏み台。
【請求項1】
踏み箱と、基枠とから成り、
前記踏み箱又は基枠いずれか一方において相対峙する一組の側面に、上下方向に延びる縦溝孔と、同縦溝孔から水平方向へ複数段櫛状に延びる横溝孔とで成るスライド孔部が設けられ、他方の基枠又は踏み箱の相対峙する一組の側面に前記横溝孔と対応する高さ位置に締結孔が設けられており、
前記踏み箱と基枠とを前記スライド孔部と締結孔とに挿入した締結具で締結して、同踏み箱をスライド孔部の各溝孔の範囲内で高さ位置を自在に調整可能にしたことを特徴とする、スライド式踏み台。
【請求項2】
スライド孔部の横溝孔の先端部は、踏み箱に作用する荷重を受けて締結具が食い込む方向に傾斜した形状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載したスライド式踏み台。
【請求項3】
スライド式踏み台の踏み箱の高さ位置が最も高くなるように、締結孔の高さ位置を横溝孔の最上段又は最下段のいずれか一方に対応させたことを特徴とする、請求項1又は2に記載したスライド式踏み台。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−112170(P2012−112170A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261943(P2010−261943)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成22年9月29日〜10月1日 財団法人 保健福祉広報協会主催の「第37回国際福祉機器展 H.C.R.2010」に出品
【出願人】(000245830)矢崎化工株式会社 (47)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成22年9月29日〜10月1日 財団法人 保健福祉広報協会主催の「第37回国際福祉機器展 H.C.R.2010」に出品
【出願人】(000245830)矢崎化工株式会社 (47)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]