説明

スライド装置及び携帯電話

【課題】 スライド式操作を片手で容易に行えるようにした携帯製品に用いられるスライド装置及び携帯電話を提供する。
【解決手段】 携帯電話の機器本体2と表示部を備えた蓋体との間に、前記機器本体2に対し蓋体を開方向又は閉方向に付勢させる弾性部材を設けて機器本体2に蓋体をスライド可能に設け、蓋体を閉位置又は開位置で機器本体2にロックするロック部29を設け、前記ロック部29に連係し、ロック部29のロックを解除する解除手段38を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライド装置及び携帯電話に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話等の携帯製品には小型化の要求に対応するため、スライド式構造が採用されるようになってきている。このスライド式構造は、通常、筐体と蓋体とで構成され、これら蓋体と筐体との間にスライド装置を介装して筐体に対し蓋体をスライド可能に結合したものである。
【0003】
例えば、テンキーを具えた携帯電話機本体に対して、表示部及びソフトキーを具えた蓋体がスライド可能に配備され、蓋体の全閉によりテンキーが蓋体に隠れ、蓋体の全開によりテンキーが露出し、表示部は蓋体の開閉に無関係に露出して設けられている。(特許文献1、2参照)
【特許文献1】特開2003−110675号公報
【特許文献2】特開2003−125052号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来のスライド装置を備えた携帯電話機では、蓋体をスライドさせる際に片手で行うことができる点で有利であるが、このスライド操作を片手で行う場合、蓋を指で押し出す操作が必要になり、携帯電話機が手から滑り落ちたり、蓋体に設けられたソフトキーを誤操作してしまう虞がある。
【0005】
そこで、本発明は、スライド式操作を片手で容易に行えるようにした携帯製品に用いられるスライド装置及び携帯電話を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、携帯製品本体と蓋体との間に、前記携帯製品本体に対し蓋体を開方向又は閉方向に付勢させる弾性部材を設けて携帯製品本体に蓋体をスライド可能に設け、蓋体を閉位置又は開位置で携帯製品本体にロックするロック部を設け、前記ロック部に連係し、ロック部のロックを解除する解除手段を備えたことを特徴とする。
このように構成することにより、解除手段によって蓋体のロックされた状態を解除させることが可能になる。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記蓋体は可動部を介して携帯製品本体に支持され、この可動部に前記ロック部にロックすると共に前記解除手段を介してロック部からアンロックされるフックが設けられていることを特徴とする。
このように構成することにより、弾性部材の弾性変形に基づく付勢力による可動部の移動を規制することができる。さらに、解除手段によってロックされていたフックが解除されることによって、前記可動部は迅速に元の位置に戻される。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記蓋体を携帯製品本体に対してロックする際に、前記フックをロック位置へ案内すると共に、前記ロック部とのロック状態を維持可能にするガイド部が備えられていることを特徴とする。
このように構成することによって、フックがロック部へと確実に案内され、ガイド部によってロック部に支持される。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明において、前記解除手段は、前記フックをアンロック位置に変位させ、弾性体により復帰するリリース部材を備え、このリリース部材は携帯製品本体の外側に突出する操作部を備えていることを特徴とする。
このように構成することによって、操作部が操作されるとその動きに伴ってリリース部材が連動し、フックをロック部から解除させることができる。
【0010】
請求項5記載の発明は、携帯製品本体とこの携帯製品本体の正面をスライド可能に覆う蓋体との間に介装され、蓋体を携帯製品本体に対して開位置又は閉位置に付勢するスライド装置であって、前記蓋体の開閉方向に沿って配置され、その開閉方向に沿って摺動可能且つ前記携帯製品本体あるいは蓋体のいずれか一方に連結される可動部と、前記可動部を付勢する弾性部材と、前記可動部に一端が支持されるフックとを備えてなり、前記可動部が前記弾性部材の付勢に抗して移動した際に前記フックの他端をロックするロック部と、前記ロック部に連係し、前記フックのロック部へのロックを解除する解除手段とが備えられていることを特徴とする。
このように構成することにより、可動部の移動に伴い、蓋体を連動させることができる。解除手段に外部に突出した操作部を設ければ、これを操作するだけで、フックのロック部へのロックを解除することができ、蓋体を少ない動作で容易にスライドさせることができる。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれかに記載のスライド装置を備えたことを特徴とする。
このように構成することにより、外部から操作部を操作するだけで、蓋体をスライドさせることができる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、ロックの解除を少ない労力で行うことが可能になるので、蓋体のスライドが容易になり、携帯製品の利便性を向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、弾性部材の弾性変形に基づく付勢力による可動部の移動を規制することができるので、蓋体の開位置及び閉位置を確実に維持させることができる。さらに、解除手段によってロックされていたフックが解除されることによって、前記可動子は迅速に元の位置に戻されるので、蓋体のスライドを自動化することが可能となる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、フックがロック部へと確実に案内され、ガイド部によってロック部に支持されるので、フックがロック部から外れることを防止することができ、ロック状態を維持することができる。
請求項4に記載の発明によれば、操作部が操作されるとその動きに伴ってリリース部材が連動し、フックをロック部から解除させることができるので、蓋体に触れることなく前記蓋体を自動で開かせることが可能となる。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、可動部の移動に伴って蓋体を連動させることができるので、蓋体に触れることなくスライドさせることができる。
また、解除手段に外部に突出した操作部を設ければ、これを操作するだけで、フックのロック部へのロックを解除することができ、蓋体を少ない動作で容易にスライドさせることができるので、携帯電話の操作性が向上する。
請求項6に記載の発明によれば、外部から操作部を操作するだけで、蓋体をスライドさせることができるので、携帯電話の蓋体をワンタッチでスライドさせることが可能となり、片手だけで容易に行うことができる。したがって、携帯電話をより便利に使いこなすことができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
この実施形態は、本発明の携帯製品を携帯電話に適用した場合を示す。
図1に示すように、この携帯電話1は、機器本体2(携帯製品本体)と、この機器本体2の上面2A側を覆う蓋体3とから構成されている。機器本体2には、後述するスライド装置6が長手方向に沿って両側にそれぞれ内蔵されており、後述するスリット14から前記スライド装置6のピン15が突出するように設けられている。さらに機器本体2の上面2Aには、前記スライド装置6をガイドするスリット14が形成されていると共に、機器本体用操作ボタン5が複数設けられている。機器本体2の両側壁には溝8が設けられ、この溝8に後述する蓋体3を支持するものである。また、機器本体2の側壁の一方には操作部9が開口孔10から突出しており、この操作部9の操作により蓋体3をスライドさせるものである。この機器本体2の前部にはアンテナ7が設けられている。
【0016】
蓋体3は、上面2Aに表示部44を備えると共に蓋体3を機器本体2に対して閉じた状態でも、主要な操作が行えるようにするために蓋体用操作ボタン11が3箇所に設けられている。蓋体3の両側縁にはガイド壁部12が設けられ、このガイド壁部12が、前記機器本体2の各溝8、8にスライド自在に係合するようになっている。
【0017】
図3に示すように、前述した蓋体3のガイド壁部12を機器本体2に形成された溝8のストロークエンドまで押し込んだ状態で、前記スライド装置6がロック状態となり、この蓋体3は機器本体2に対して固定され、操作部9を押圧するとスライド装置6のロック状態が解除されて、蓋体3は図2に示すように本体用操作ボタン5を露出した状態まで開作動して使用状態となる。
【0018】
ここで図4に示すように、蓋体3の裏面3Aの前記ガイド壁部12には、これに連なるようにして内側に向いたガイド部45が設けられている。さらに裏面3Aの長手方向略中央部分には一対の凹部13が設けられ、この凹部13は機器本体2に形成されたスリット14から突出するスライド装置6のピン15に係止するものである。
【0019】
次に、図5から図9に基づいて、スライド装置6について詳細に説明する。
図5に示すように、スライド装置6は、下側にベースプレート16を備えている。このベースプレート16は機器本体2の長手方向に沿う部材で前後左右に壁が立ち上がり、プレス成型によって形成された部材である。このベースプレート16内には一対の軸17が長手方向に沿って所定間隔を隔てて固定され、この軸17にスプリング18(弾性部材)が外装されている。この軸17は、T字状のスライド部材19の基部に形成された一対のガイド孔35に挿通して設けられ、ベースプレート16に設置される。前記スライド部材19は、軸17を介してスライド自在に設けられ、このスライド部材19が前記スプリング18によって、蓋体3の開方向に付勢されている。
尚、前記ベースプレート16の基部側には前記軸17を固定する一対の係止片20が底壁から立ち上げ形成されている。
【0020】
そして、前記T字状のスライド部材19には、フック4の基部が支持ピン31によって上下方向に回動自在に取り付けられ、フック4の先端は係止部21となっている。すなわち、スライド部材19がスプリング18を縮退する方向に移動した場合に、このフック4が後述するロックフレーム28(ロック部)に係止した状態でスライド部材19を固定できるようにしてある。また、前記ベースプレート16のスプリング18を支持する一対の係止片20の間には、ベースプレート16の底壁部分を徐々に上側に傾斜するように折り曲げた弾性ガイド片22が形成されている。
【0021】
図6に示すように、前述したベースプレート16に2本の軸17及びスプリング18を装着し、且つフック4を装着したスライド部材19を装着して下側ユニット23を構成し、この下側ユニット23に対して上カバー24が取り付けられるようになっている。この上カバー24には、幅方向中央部に長手方向に沿って後述する固定ピン25のスライドを許容するためのスリット46が形成され、このストロークエンドには若干径の大きな開口部26が形成されている。この開口部26は、前述したスライド部材19のフック4の係止部21が出没するためのものである。この上カバー24の前記開口部26を覆うようにして、同様に開口部27を備えたロックフレーム28が取り付けられ、このロックフレーム28の中央部分に取り付けられた前記開口部27に出没可能なロック体29が両側の支持ピン30を介してロックフレーム28に揺動自在に支持されている。
【0022】
すなわち、前述したスライド部材19に支持されたフック4の係止部21がスライド部材19のストロークエンドで上カバー24の開口部26及びロックフレーム28の開口部27から突出すると、このフック4の係止部21は、ロックフレーム28に係止すると共に、ロックフレーム28の開口部27内のロック体29を押し上げてロック状態が維持されるようになっている。
【0023】
そして、図7に示すように、前述したように構成した下側ユニット23と上カバー24とを外側から包み込むように、断面C字状に形成されたスライドブラケット33が摺動自在に取り付けられ、このスライドブラケット33に形成された孔34と、前記スライド部材19に形成された孔32(図5,6参照)とを貫通する固定ピン25を介して、上カバー24を貫いてスライドブラケット33とスライド部材19とを固定している。また、スライドブラケット33上にはピン15が突出され、このピン15が図1に示した機器本体2の上面2Aのスリット14から突出するようになっている。
【0024】
したがって、図8、9に基づいてスライド装置6の動きについて説明すると、図2に示すように蓋体3が機器本体2に対して開状態にある場合には、図8に示すように、前述したスライドブラケット33すなわちスライド部材19はスプリング18の不勢力を受けない状態で軸17の先端まで移動しており、この状態ではロック体29はロックフレーム28の開口部27から若干頭部29Aを突出させた状態にある。次に、前記蓋体3を閉方向にスライドさせると、前記蓋体3によりピン15を介してスライドブラケット33がストロークエンドまで押圧される。
これにより、スライド部材19は、スライド装置6のストロークエンドに向かってスプリング18を押し縮めながら移動する。
【0025】
すると、ストロークエンド近傍で前述したフック4が弾性ガイド片22により徐々に上側に係止部21を変位させつつ左回りに回動し始め、ストロークエンドに至った時点で、前述したフック4の係止部21はロックフレーム28の開口部27内に突出し、ロック体29の下側を押圧することになる。押圧されたロック体29は、後部に傾斜面31が形成されている関係で、支持ピン30を中心に右回りに回動するように姿勢変化するため、この頭部29Aの上面を後方に若干傾斜させた状態で、上側に突出することとなると共に、後部に傾斜面31が形成されている関係で、節度感をもってセットされる。このとき、フック4の係止部21に設けられた縦壁36は、前記開口部27の前壁37に係止する。つまり、伸長しようとするスプリング18の力によって前記フック4は、ロックフレーム28に確実に係止される。
したがって、図3に示すように、機器本体2に対して蓋体3が確実にロックされる。
【0026】
ところで、図10に示すように、機器本体2に設置されたスライド装置6,6には、これらに連係する解除用部材38(解除手段)が備えられている。この解除用部材38は、スライド装置6,6のストロークエンド側に設けられ前記ロック体29,29の頭部29A、29Aを押圧する押圧部39(リリース部材)と、この押圧部39に連係して機器本体2の側壁に沿って伸びる連結部40と、この連結部40の先端に設けられ機器本体2の側壁に形成された開口孔10から突出する前記操作部9とで構成されている。前記押圧部39には、この押圧部39をスライド装置6のストロークエンド側に付勢する引張スプリング43(弾性体)が機器本体2との間に取り付けられている。
【0027】
したがって、この操作部9を引張スプリング43に抗して機器本体2の前記に向かって押し上げる操作をすることで、各スライド装置6の押圧部39は、ロック状態にあるロック体29の傾斜した頭部29Aに沿ってこれをスムーズに押圧し、徐々に押圧されて下降するロック体29により、前記スライド部材19のフック4の係止部21が下側に押圧されることとなる。このときフック4は、弾性ガイド片22を押圧しながら下側に下がり、このフック4のロックフレーム28に対する係合状態が解除された位置にくると、前述したスプリング18によってフック4及びスライド部材19は付勢されて元の位置に戻る。
すなわち、図2に示すように、蓋体3は2つのスライド装置6,6によりバランスよくスライドして開状態となる。また、ワンタッチで蓋体3をスライドさせることができるので、片手で容易に開かせることができる。
尚、図示都合上、解除用部材38は図10にのみに示すものとし、図1から図3については、操作部9のみを示した。
【0028】
次に、本発明の第2の実施形態について図11から図15に基づいて説明する。
この実施形態は、第1の実施形態におけるスライド装置6のスライド部材19とフック4とを一体化したスライド部材50とすると共に、第1実施形態のロック体29及びロックフレーム28に替えてロックベース54及びロック部60とし、これに加えて操作部9(解除部材)を異なる構成の操作部57としたものである。また、押圧部39(リリース部材)と操作部9を一体にして単純な構造の操作部57としたものである。
尚、ベースプレート16、軸17、スプリング18及びスライドブラケット33等の基本的構成は、第1実施形態と同様であるので同一部分に同一符号を付して説明は省略する。
【0029】
スライド部材50は、T字状に形成されたもので、先端に一体形成されたフック部63を備えている。このフック部63は、後述するロック体52(ロック部)に対して横方向から係止するものであり、フック部63自体は上記実施形態とは異なり、スライド部材50に対して可動するものではない。スライド部材50の基部には、一対の軸17を挿通するガイド穴35が2つ形成されている。
【0030】
ベースプレート16のストロークエンド側には、前述した係止片20に隣接してロックベース54が設けられている。このロックベース54には、ベースプレート16の幅方向に溝56が形成され、この溝56に後述する操作部57(解除手段)をスライド自在に装着すると共に、略中央部に設けられた軸受穴58にロック部60を揺動自在に支持するものである。また、ロックベース54には、スライド装置50のフック部63を受け入れる溝66が形成されている。
【0031】
前記ロック部60は、前述したロックベース54の軸受穴58に水平方向に揺動自在支持される基部側の軸部61と、この軸部61を中心にしてロックベース54の幅方向に揺動する先端側のロック体52から構成されている。
前記ロック体52は、コイルばね62(弾性体)によってベースプレート16からロックベース54の内側に付勢されており、ロック体52の先端部分にはスライド部材50のフック部63に係止する係止部70が設けられている。
【0032】
したがって、ロックベース54の溝66に対して挿入されたフック部63に、前記コイルばね62によって付勢されたロック部60のロック体52がこの溝66から突出して係止するようになっている。
また、前述したロック部60の溝59にスライド自在に装着される操作部57は、その先端部分の裏面57Aに突起67(リリース部材)を備えていて、この突起67が前記ロック部60のロック体52に設けられた穴68に係止している。
そして、図14,15に示すように、前記スライド部材50は、第1の実施形態と同様にスライドブラケット33が固定ピン25によって固定されている。
【0033】
図13,15に示すように、蓋体3が開いた状態においては、スプリング18によって押圧されたロック体52がロックベース54の溝66にコイルばね62によって押圧されて、突出した状態になっている。さらに、操作部57も同様にロック体52を介して押圧されて、機器本体2から外部へ突出した状態となっている。
このとき、ベースプレート16及び上カバー24には各々切欠き部71aが形成され、双方を組み合わせることによって開口孔71が構成され、前記操作部57は、この開口孔71と機器本体2の側壁に形成された開口孔(図示せず)から外部へ突出している。
【0034】
この状態で、蓋体3を閉方向にスライドさせると、図12,14に示すように、前記スライド部材50のフック部63が前記ロックベース54の溝66に侵入し、フック部63によりロック体52が押圧されてコイルばね62に抗して退避し、さらに押し込まれたフック部63がロック体52の係止部70を越えると、コイルばね62によって付勢されたロック体52が係止位置へ回動し、その係止部70がフック部63に係止する。
このときロック部63の基部側に設けられた軸部61によってスムーズに回動できるため、フック部63のロック体52に対する係合動作はスムーズに成される。また、フック部63がロック体52をスムーズに押し上げることができるように、係止部70とフック部63の先端には、傾斜面70A、63Aが形成されている。
【0035】
したがって、蓋体3を機器本体2に対して閉状態から開状態にする場合には、一対のスライド装置51にそれぞれ設けられた両側の操作部57を外部から押圧すれば、ロック体52が軸部61を中心に退避方向に回動するため、フック部63との係合状態が解除されて、押し縮められたスプリング18によってスライド部材50がスライドブラケット33を介して元の位置に戻り、蓋体3をワンタッチで開くことができる。
すなわち、蓋体3のスライドを自動化することができ、片手だけでも容易に開操作を行うことが可能となる。また、スライド装置50とフック部63が一体化されているため壊れに難く、さらに、押圧部39(リリース部材)と操作部9も一体に形成したため、部品点数の削減を図ることができる。
【0036】
尚、上記実施形態に限らず、各操作部57を連動させるようにしてもよい。こうすることによって、一つの操作部57を押圧するだけで蓋体3を開かせることができるので、より簡単に蓋体3を開くことができる。また、利き手に関わらず操作が容易となるように、両側にある操作部57のどちらか一方を押圧することで蓋体3がスライドするように構成してもよい。
また、スライド装置51を一対にして設けたことによって、蓋体3を安定してスライドさせることができる。
【0037】
尚、本発明では、携帯電話1について説明したが、携帯製品であれば携帯電話1に限らず、携帯用コンピュータ、携帯用電子辞書、その他表示部があり、ボタン操作を必要なものには何にでも適用することができる。また、スライド装置6,51は、機器本体2に1つだけ設けてもよい。さらに、操作部9,57を操作したときに蓋体3が機器本体2に対して開方向にスライドした場合について説明したが、操作部9,57を押すことで機器本体2に対して開いていた蓋体3が閉じるように構成してもよい。
さらに、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明における第1実施形態の携帯電話の斜視図である。
【図2】本発明における第1実施形態の携帯電話の斜視図である。
【図3】本発明における第1実施形態の携帯電話の斜視図である。
【図4】本発明における第1実施形態の携帯電話の要部を示す図である。
【図5】本発明における第1実施形態のスライド装置の斜視分解図である。
【図6】本発明における第1実施形態のスライド装置の斜視分解図である。
【図7】本発明における第1実施形態のスライド装置の組立図である。
【図8】本発明における第1実施形態のスライド装置の断面図である。
【図9】本発明における第1実施形態のスライド装置の断面図である。
【図10】本発明における第1実施形態のスライド装置の要部を示す図である。
【図11】本発明における第2実施形態のスライド装置の斜視分解図である。
【図12】本発明における第2実施形態のスライド装置の要部を示す図である。
【図13】本発明における第2実施形態のスライド装置の要部を示す図である
【図14】本発明における第2実施形態のスライド装置の断面図である
【図15】本発明における第2実施形態のスライド装置の断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 携帯電話
2 機器本体(携帯製品本体)
3 蓋体
4 フック
9 操作部
18 スプリング(弾性部材)
19、50 スライド部材(可動部)
6、51 スライド装置
22 弾性ガイド片(ガイド部)
28 ロックフレーム(ロック部)
38 解除用部材(解除手段)
39 押圧部(リリース部材)
43 引張スプリング(弾性体)
52 ロック体(ロック部)
57 操作部(解除手段)
61 軸部(ロック部)
62 コイルばね(弾性体)
63 フック部(フック)
67 突起(リリース部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯製品本体と蓋体との間に、前記携帯製品本体に対し蓋体を開方向又は閉方向に付勢させる弾性部材を設けて携帯製品本体に蓋体をスライド可能に設け、蓋体を閉位置又は開位置で携帯製品本体にロックするロック部を設け、前記ロック部に連係し、ロック部のロックを解除する解除手段を備えたことを特徴とするスライド装置。
【請求項2】
前記蓋体は可動部を介して携帯製品本体に支持され、この可動部に前記ロック部にロックすると共に前記解除手段を介してロック部からアンロックされるフックが設けられていること特徴とする請求項1に記載のスライド装置。
【請求項3】
前記蓋体を携帯製品本体に対してロックする際に、前記フックをロック位置へ案内すると共に、前記ロック部とのロック状態を維持可能にするガイド部が備えられていることを特徴とする請求2に記載のスライド装置。
【請求項4】
前記解除手段は、前記フックをアンロック位置に変位させ、弾性体により復帰するリリース部材を備え、このリリース部材は携帯製品本体の外側に突出する操作部を備えていることを特徴とする請求項2又は3に記載のスライド装置。
【請求項5】
携帯製品本体とこの携帯製品本体の上面をスライド可能に覆う蓋体との間に介装され、蓋体を携帯製品本体に対して開位置又は閉位置に付勢するスライド装置であって、
前記蓋体の開閉方向に沿って配置され、その開閉方向に沿って摺動可能且つ前記携帯製品本体あるいは蓋体のいずれか一方に連結される可動部と、前記可動部を付勢する弾性部材と、前記可動部に設けられたフックとを備えてなり、前記可動部が前記弾性部材の付勢に抗して移動した際に前記フックに係合するロック部と、前記ロック部に連係し、前記フックとロック部との係合を解除する解除手段とが備えられていることを特徴とするスライド装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のスライド装置を備えたことを特徴とする携帯電話。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−74444(P2006−74444A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−255451(P2004−255451)
【出願日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(391007024)株式会社アドバネクス (45)
【Fターム(参考)】