説明

スラストニードル軸受

【課題】2枚の折り曲げた板材を組み合わせてなる保持器を有しており、低コストでありながらキズ付きを抑制できるスラストニードル軸受を提供する。
【解決手段】第2外側円筒部166cの自由端166g及び第2内側円筒部166dの自由端166hが、それぞれ第1保持部材165と干渉しないように曲げられているので、第1外側曲面部165e及び第1内側曲面部165fの曲率半径を大きくした場合でも、自由端166g、166hが第1外側曲面部165e及び第1内側曲面部165fと干渉することが抑制され、低コストでありながら、第1保持部材165のキズ付きを抑えて応力集中等を効果的に抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーエアコンのコンプレッサ、自動変速機用遊星歯車機構、事務機器等に用いられると好適なスラストニードル軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のカーエアコン用斜板式コンプレッサや、自動車用自動変速機等に使用されているスラストニードル軸受は、コスト、耐熱性等の観点から鋼板製のプレス加工保持器が使用されることが多い。しかしながら、一般的な保持器としては色々な種類があり、樹脂製、1枚板をプレスして成形したもの、2枚のプレスされた板を合わせて保持器としたもの等があり、それぞれ使い分けがなされている。2枚のプレスされた板を合わせて保持器としたスラストニードル軸受の例が、特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2000−266043号公報
【特許文献2】特開2006−207618号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、特許文献1に示すごときスラストニードル軸受において2枚のプレス板を組み合わせる場合、それぞれのプレス板において、外周から延在する外周フランジ同士、及び内周から延在する内周フランジ同士をそれぞれ半径方向に重合させている。しかるに、外周フランジ同士及び内周フランジ同士を完全に平行に形成することは加工上困難であるから、部品精度によっては、一方の外周フランジの先端が他方の外周フランジの根元に当接する、或いは、一方の内周フランジの先端が他方の内周フランジの根元に当接する恐れがある。
【0004】
ここで、外周フランジ又は内周フランジの根元における応力は比較的高いため、外周フランジ又は内周フランジの根元に相手側の外周フランジ又は内周フランジの先端が当接することで微細なキズ(ノッチ)が生じた場合、応力集中による応力過大が懸念される。かかるキズを防止するためには、2枚のプレス板の寸法管理を厳密に行ったり、フランジ先端の面取りなど別工程を増やすなどの対策が必要となり、それによりコスト高を招く恐れがある。
【0005】
これに対し、特許文献2には、2枚の折り曲げられた板材を組み合わせてなり、第1のフランジ部が、第2のフランジ部の先端が当接する段部を形成するように折り曲げられている保持器が形成されている。かかる保持器によれば、第2のフランジ部の先端が、第1のフランジ部の根元に当接することがなく、ここにキズが形成されることがないため、第1のフランジ部の根元における応力集中を回避することができる。一方、第2のフランジ部の先端は、第1のフランジ部の段部に当接するが、第1のフランジ部の根元より応力が低いので、キズが形成された場合でも応力集中による応力過大の恐れは低くなっている。
【0006】
しかるに、特許文献2の保持器は、このような優れた特徴を有するが、第1のフランジ部の折り曲げが複雑となり、コストが増大するという問題がある。又、保持器を薄くするためには、第1のフランジ部の折り曲げた部位の曲率半径を小さくしなければならないが、かかる曲率半径を小さくしすぎると、応力集中が生じやすくなるという恐れもある。
【0007】
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、2枚の折り曲げた板材を組み合わせてなる保持器を有しており、低コストでありながらキズ付きを抑制できるスラストニードル軸受を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のスラストニードル軸受は、ころと、前記ころを保持する保持器とを備えたスラストニードル軸受において、
前記保持器は、それぞれ板材を折り曲げて形成される第1保持部材と第2保持部材とを組み合わせてなり、
前記第1保持部材は、前記ころを保持する第1ポケット部を形成した環状の第1保持部と、前記第1保持部の外周縁から軸線方向に延在する第1外側円筒部と、前記第1保持部の内周縁から軸線方向に延在する第1内側円筒部とを有し、
前記第2保持部材は、前記ころを保持する第2ポケット部を形成した環状の第2保持部と、前記第2保持部の外周縁から軸線方向に延在する第2外側円筒部と、前記第2保持部の内周縁から軸線方向に延在する第2内側円筒部とを有し、
前記第1保持部材と前記第2保持部材を向かい合わせに組み合わせたときに、前記第2外側円筒部は、前記第1外側円筒部の半径方向内側に配置され、前記第2内側円筒部は、前記第1内側円筒部の半径方向外側に配置されており、
前記第2外側円筒部及び前記第2内側円筒部の少なくとも一方の自由端は曲げられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
前記第1保持部材は板材を折り曲げられることで形成されているので、前記第1保持部と、前記第1外側円筒部及び前記第1内側円筒部との接合部には構造上必ず曲面(R)部が生じる。本発明によれば、前記第2外側円筒部及び前記第2内側円筒部の少なくとも一方の自由端が曲げられているので、曲面部の曲率半径を大きくした場合でも、前記自由端が曲面部と干渉することが抑制され、低コストでありながら、前記第1保持部材のキズ付きを抑えて応力集中等を効果的に抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態にかかるスラストニードル軸受が組み込まれたカーエアコンのコンプレッサの断面図であり、図2は、図1の構成を矢印II方向に見た図である。
【0011】
図1において、コンプレッサ1を構成するハウジング6は、中央の短円筒状の本体7をヘッドケース8と斜板ケース9とで軸線方向(図1の左右方向)両側から挟持し、更に複数本の結合ボルト(図示せず)により結合されて一体となっている。ヘッドケース8の内側には、低圧室10、10と高圧室11とが設けられている。尚、高圧室11内は勿論、低圧室10、10内も正圧である。又、本体7とヘッドケース8との間には平板状の隔壁板12が挟持されている。図1で複数に分割されている如く表されている低圧室10、10は互いに連通しており、ヘッドケース8の外面に設けられた単一の吸入ポート13(図2)に連通している。又、高圧室11は、ヘッドケース8に設けられた吐出ポート(図示せず)に通じている。吸入ポート13がエバポレータ(不図示)の出口に、不図示の吐出ポートをコンデンサ(不図示)の入口に、それぞれ連通させている。
【0012】
ハウジング6内にはシャフト14を、本体7と斜板ケース9とに掛け渡す状態で、回転自在に支持している。より具体的には、シャフト14の両端部を1対のラジアルニードル軸受15A、15Bにより、本体7と斜板ケース9とに対して回転自在に支持すると共に、1対のスラストニードル軸受16A、160により、このシャフト14に加わるスラスト荷重を支承自在としている。
【0013】
スラストニードル軸受16Aは、複数のころ16aと、これを軸線方向(図1で左右方向)に挟持する軌道輪16b、16cと、ころ16aを保持する保持器16dとを有している。本実施の形態にかかるスラストニードル軸受160は、複数のころ161と、これを軸線方向(図1で左右方向)に挟持する軌道輪162、163と、ころ161を保持する保持器164とを有している。
【0014】
ラジアルニードル軸受15Aは、複数のころ15aと、シェル型外輪15bと、ころ15aを保持する保持器15cとを有している。ラジアルニードル軸受15Bは、複数のころ15dと、外輪(軌道輪)15eと、ころ15dを保持する保持器15fとを有している。
【0015】
スラストニードル軸受16Aは、本体7の一部と上記シャフト14の一端部(図1の右端側)に形成した段部17との間に、皿ばね18を介して設けている。又、スラストニードル軸受160は、シャフト14の中間部外周面に外嵌固定した円板部19と斜板ケース9との間に配置している。ハウジング6を構成する本体7の内側でシャフト14の周囲部分には、複数(例えば図示の例では、円周方向等間隔に6個)のシリンダ孔20、20を形成している。この様に本体7に形成した、複数のシリンダ孔20、20の内側には、それぞれピストン21、21の先半部(図1の右半部)に設けた摺動部22、22を、軸方向の変位自在に嵌装している。
【0016】
ここでは、シリンダ孔20、20の底面とピストン21、21の先端面(図1の右端面)との間に設けられた空間を、圧縮室23とする。又、斜板ケース9の内側に存在する空間は、斜板室24とする。シャフト14の中間部外周面でこの斜板室24内に位置する部分おいて、斜板25を、シャフト14に対して所定の傾斜角度を持たせて固定し、この斜板25がシャフト14と共に回転する様にしている。斜板25の円周方向複数個所と、各ピストン21、21とは、それぞれ1対ずつのスライディングシュー26、26により連結されている。この為、これら各スライディングシュー26、26の内側面(互いに対向する面)は平坦面として、同じく平坦面である斜板25の両側面外径寄り部分に摺接するようになっている。又、これら各スライディングシュー26、26の外側面(相手スライディングシュー26と反対側面)は球状凸面としている。更に、その内側面を斜板25の両側面に当接させた状態で、これら両スライディングシュー26、26の外側面を単一球面上に位置させている。一方、各ピストン21、21の基端部(前記隔壁板12から遠い側の端部で、図1の左端部)には、スライディングシュー26、26及び斜板25と共に、駆動力伝達機構を構成する連結部27、27を、各ピストン21、21と一体に形成している。そして、これら各連結部27、27に、一対のスライディングシュー26、26を保持する為の保持部28、28を形成している。又、これら各保持部28、28には、各スライディングシュー26、26の外側面と密に摺接する球状凹面を、互いに対向させて形成している。
【0017】
又、本体7の一部内周面で、各連結部27、27の外端部に整合する部分には、各ピストン21、21毎にそれぞれ1対ずつのガイド面(図示せず)を、円周方向に離隔して形成している。各連結部27、27の外端部は、このガイド面に案内されて、ピストン21、21の軸方向(図1の左右方向)の変位のみ自在である。従って、各ピストン21、21も、各シリンダ孔20、20内に、斜板25の回転に伴う各ピストン21、21の中心軸回りの回転を防止されて、軸方向の変位のみ自在(回転不能)に嵌装されている。この結果、各連結部27、27は、シャフト14の回転による斜板25の揺動変位に伴って各ピストン21、21を軸方向に押し引きし、各摺動部22、22をシリンダ孔20、20内で軸方向に往復移動させる。
【0018】
一方、低圧室10及び高圧室11と各シリンダ孔20、20とを仕切るべく、本体7とヘッドケース8との突き合わせ部に挟持している隔壁板12には、低圧室10と各シリンダ孔20、20とを連通させる吸入孔29、29と、高圧室11と各シリンダ孔20、20とを連通させる吐出孔30、30とを、それぞれ軸線方向に貫通する状態で形成している。従って、各吸入孔29、29及び各吐出孔30、30の一端(図1の左端)でシリンダ孔20、20側の開口は、何れも各ピストン21、21の先端面と対向する。又、各シリンダ孔20、20内で、各吸入孔29、29の一端と対向する部分には、低圧室10から各シリンダ孔20、20に向けてのみ冷媒ガスを流す、リード弁式の吸入弁31、31を設けている。又、高圧室11内で、各吐出孔30、30の他端(図1の右端)開口と対向する部分には、各シリンダ孔20、20から高圧室11に向けてのみ冷媒ガスを流す、リード弁式の吐出弁32を設けている。この吐出弁32には、各吐出孔30、30から離れる方向への変位を制限する、ストッパ33を付設している。
【0019】
上述の様に構成するコンプレッサ1のシャフト14は、車両のエンジン(不図示)により無端ベルト42を介して回転駆動される。この為に、図示の例の場合は、ハウジング6を構成する斜板ケース9の外側面(図1の左側面)中央に設けた支持筒部34の周囲に従動プーリ35を、複列ラジアル玉軸受36により、回転自在に支持している。この従動プーリ35は、断面コ字形で全体を円環状に構成しており、斜板ケース9の外側面に固定したソレノイド37を、従動プーリ35の内部空間に配置している。一方、シャフト14の端部で支持筒部34から突出した部分には取付ブラケット38を固定しており、この取付ブラケット38の周囲に磁性材製の環状板39を、板ばね40を介して支持している。この環状板39はソレノイド37への非通電時には、板ばね40の弾力により、図に示す様に従動プーリ35から離隔しているが、ソレノイド37への通電時にはこの従動プーリ35に向け吸着されて、この従動プーリ35からシャフト14への回転力の伝達を自在とする。即ち、ソレノイド37と環状板39と板ばね40とにより、従動プーリ35とシャフト14とを係脱する為の電磁クラッチ41を構成している。又、車両のエンジンのクランクシャフト(不図示)の端部に固定した駆動プーリと従動プーリ35との間には、無端ベルト42を掛け渡している。
【0020】
本実施の形態にかかるカーエアコンのコンプレッサの動作について説明する。車室内の冷房或は除湿を行なう為、カーエアコンを作動させた場合には、電磁クラッチ41を動作させて従動プーリ35とシャフト14とを係合させ、それにより無端ベルト42を介して、車両のエンジンの動力をシャフト14に伝達し、これを回転駆動する。この結果、斜板25が回転して、複数のピストン21、21を構成する摺動部22、22をそれぞれシリンダ孔20、20内で往復移動させる。そして、この様な摺動部22、22の往復移動に伴って、吸入ポート13から吸引された冷媒ガスが、低圧室10、10内から各吸入孔29、29を通じて圧縮室23内に吸い込まれる。この冷媒ガスは、これら各圧縮室23内で圧縮されてから、吐出孔30、30を通じて高圧室11に送り出され、吐出ポートより吐出される。その後、高温・高圧の冷媒ガスはコンデンサで冷却され液冷媒となった後、急激に膨張させられ、低温・低圧の霧状冷媒となってエバポレータに流れ、ここで車室内に供給される空気を冷却し、その後冷媒ガスとなってコンプレッサに吸入される。
【0021】
図3は、軌道輪を取り外した状態で示すスラストニードル軸受160の正面図である。本実施の形態にかかるスラストニードル軸受160の断面図である。図3において、保持器164は、それぞれ1枚の板材をプレスにより折り曲げて形成した第1保持部材165と第2保持部材166とを、向かい合わせに組み合わせてなる。
【0022】
第1保持部材165は、ころ161を保持するための第1ポケット部165aを周方向に等間隔に形成した環状の第1保持部165bと、第1保持部165bの外周縁から軸線方向に延在する第1外側円筒部165cと、第1保持部165bの内周縁から軸線方向に延在する第1内側円筒部165dとを有する。第1保持部165bと第1外側円筒部165cとの接合部は、断面において所定の曲率半径Rを有する第1外側曲面部165eとなっており、第1保持部165bと第1内側円筒部165dとの接合部は、断面において所定の曲率半径Rを有する第1内側曲面部165fとなっている。
【0023】
一方、第2保持部材166は、ころ161を保持するための第2ポケット部166aを周方向に等間隔に形成した環状の第2保持部166bと、第2保持部166bの外周縁から軸線方向に延在する第2外側円筒部166cと、第2保持部166bの内周縁から軸線方向に延在する第2内側円筒部166dとを有する。第2保持部166bと第2外側円筒部166cとの接合部は、断面において所定の曲率半径Rを有する第2外側曲面部166eとなっており、第2保持部166bと第2内側円筒部166dとの接合部は、断面において所定の曲率半径Rを有する第2内側曲面部166fとなっている。ここで、第2外側円筒部166cの自由端166gは、半径方向内側に角度付けされて曲げられており、第2内側円筒部166dの自由端166hは、半径方向外側に角度付けされて曲げられており、それぞれ第1保持部材165に当接していない状態にある。
【0024】
尚、第1内側円筒部165dの自由端165hは、第1保持部材165と第2保持部材166とを組み立て後、カシメにより半径方向外方に塑性変形され、それにより第2内側曲面部166fに回り込んで密着するようになっている。これにより第1保持部材165と第2保持部材166との分離が阻止される。但し、自由端165hの代わりに、第1外側円筒部165cの自由端165gを、カシメにより半径方向内方に塑性変形しても、同様に第1保持部材165と第2保持部材166との分離が阻止されることはいうまでもない。このようなカシメでは、保持器の変形が考えられるが、本発明のように第2保持部材166の自由端を折り曲げることで干渉を抑制できる。
【0025】
図4は、比較例として示すスラストニードル軸受160’の図3と同様な断面図である。スラストニードル軸受160’は、図3に示す本実施の形態に対して、保持器164’の第2保持部材166’における第2外側円筒部166c’の自由端166g’及び第2内側円筒部166d’の自由端166h’が折り曲げられておらず、ストレートである点のみが異なっている。本比較例によれば、ストレート形状の第2外側円筒部166c’の自由端166g’及び第2内側円筒部166d’の自由端166h’は、切断による破断面となっているため、エッジなどが形成されている場合、それに対向する第1保持部材165の第1外側曲面部165e及び第1内側曲面部165fを傷つける恐れがあり、これにより応力集中が生じる恐れがある。
【0026】
これに対し本実施の形態によれば、第2外側円筒部166cの自由端166g及び第2内側円筒部166dの自由端166hが、それぞれ第1保持部材165のR部と干渉しないように曲げられているので、仮に干渉するとしても、その場合には直線部165bになるから、低コストでありながら、第1保持部材165のR部のキズ付きを抑えて応力集中等を効果的に抑制できる。
【0027】
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、その発明の範囲内で変更・改良が可能であることはもちろんである。例えば、第2外側円筒部166cの自由端166gと、第2内側円筒部166dの自由端166hのいずれか一方を曲げるだけでも効果がある。更に本発明は、スラストニードル軸受は、カークーラコンプレッサに限らず、自動車用の変速機や事務機器など、各種の機械に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本実施の形態にかかるニードル軸受が組み込まれたカーエアコンのコンプレッサの断面図である。
【図2】図1の構成を矢印II方向に見た図である。
【図3】軌道輪を取り外した状態で示すスラストニードル軸受160の正面図である。
【図4】比較例として示すスラストニードル軸受160’の図3と同様な断面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 カーエアコンのコンプレッサ
6 ハウジング
14 シャフト
15A、15B ラジアルニードル軸受
16A、160 スラストニードル軸受

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ころと、前記ころを保持する保持器とを備えたスラストニードル軸受において、
前記保持器は、それぞれ板材を折り曲げて形成される第1保持部材と第2保持部材とを組み合わせてなり、
前記第1保持部材は、前記ころを保持する第1ポケット部を形成した環状の第1保持部と、前記第1保持部の外周縁から軸線方向に延在する第1外側円筒部と、前記第1保持部の内周縁から軸線方向に延在する第1内側円筒部とを有し、
前記第2保持部材は、前記ころを保持する第2ポケット部を形成した環状の第2保持部と、前記第2保持部の外周縁から軸線方向に延在する第2外側円筒部と、前記第2保持部の内周縁から軸線方向に延在する第2内側円筒部とを有し、
前記第1保持部材と前記第2保持部材を向かい合わせに組み合わせたときに、前記第2外側円筒部は、前記第1外側円筒部の半径方向内側に配置され、前記第2内側円筒部は、前記第1内側円筒部の半径方向外側に配置されており、
前記第2外側円筒部及び前記第2内側円筒部の少なくとも一方の自由端は曲げられていることを特徴とするスラストニードル軸受。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−191896(P2009−191896A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−31692(P2008−31692)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】