説明

スラブ型枠ユニット及び支持枠ユニット

【課題】設置時間を短くし、脱型を容易にすること。
【解決手段】スラブ型枠ユニット2は、支持枠8と、支持枠3の水平縦方向両端部の下面側に回動可能に配設されたそれぞれ一対の支柱10及び14をそれぞれ含む一対の支柱ユニット12及び16と、支柱10及び14の各々の下端部に配設された長さ調整手段11及び15と、支柱10及び14の各々と支持枠8とを連結するためのブレース20及び22とを備えた支持枠ユニット4と;支持枠8の上面側に取り付けられる型枠平板6と;を備えている。支柱ユニット12及び16は、折畳位置と支持位置との間を回動可能である。ブレース20及び22の各々は、各々の一端部が、相互に対向する支柱10及び12にそれぞれ回動可能に支持されかつ、支柱10及び12に沿って延在する折畳位置と、各々の他端部が、支持枠8の両側部の下面側にそれぞれ解除自在に連結される作用位置との間を回動可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体駐車場、住宅、倉庫、オフィスなどの立体構築物における複数階のコンクリートスラブの各々を形成するために適用されるスラブ型枠ユニット及び支持枠ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、例えばコンクリート製の立体構築物のスラブは、コンクリート製フロアに対し所定の上方位置にスラブ型枠が組み立てられた後、このスラブ型枠に従ってコンクリートが打ち込まれることにより形成される。このスラブ型枠の一典型例は、複数のパイプサポートを振れ止めパイプを介して所定の位置に配し、その上端に複数の大引きを架設し、この大引きの上に根太を大引きに直交して組み付け、この根太の上に合板を配置することにより組み立てられる。
【0003】
上記従来のスラブ型枠は、多数かつ多種類の部材を要すると共に、組立工数がきわめて多くかつ組立作業が複雑で作業性が悪い上、更に分解工程をも必要とする。その結果、スラブ型枠の組立・分解に要する作業時間がきわめて長くなり、多くの人手を要し、施工期間も長くなる。また、スラブ型枠として必要な精度を得るためには、その組立作業に高い熟練度(スキル)が要求される。
【0004】
上記したような技術的課題を解決するため、本発明者は、既に、移動式スラブ型枠ユニットを開発している(特許文献1参照)。このスラブ型枠ユニットは、載置面に沿って移動自在な基台と、スラブ型枠と、スラブ型枠を昇降自在に基台上に接続する昇降動装置と、昇降動装置を所定状態に安定させるための安定装置とを備えている。昇降動装置は、下端が基台に旋回自在に連結された第1のリンクと、下端が基台に沿って移動自在に連結された第2のリンクと、第1のリンクの中間部と第2のリンクの中間部とを相互に旋回自在に連結する連結ピンとを含んでいる。安定装置は長さ調整自在な支えロッドを含んでいる。支えロッドの一端は第2のリンクに旋回自在に連結され、支えロッドの他端は基台に設けられた係合部に分離自在に係合させることができる。そして、支えロッドの他端を基台の係合部に係合させることによって、スラブ型枠を降下させる方向に昇降動手装置の第2のリンクの下端が基台に沿って移動することが阻止される。
【0005】
上記移動式スラブ型枠ユニットによれば、先に述べた従来のスラブ型枠に較べて施工効率が高く、必要な精度が容易に得られると共に施工費用を節減できる、との優れた効果が達成できる。しかしながらその反面、次のような問題を有している。
(1)全体として、部品点数が多く、構成が複雑でコストが高い。
(2)重量が重く、コンパクトな形状に折り畳むことができないので、建設現場における狭い空間での迅速かつ機動的な小運搬が容易であるとはいえない。また、比較的大きな保管スペース及び輸送スペースを要し、保管費用及び輸送費用が高い。
したがって、更なる改善が要望されているところであった。
【特許文献1】特開平07−247682
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、設置時間が短くかつ脱型が容易であり、しかも、全体として、部品点数が少なく、構成が簡単で低コストで製造できる、新規なスラブ型枠ユニット及び支持枠ユニットを提供することである。
本発明の他の目的は、比較的軽量であり、コンパクトな形状に折り畳むことが可能であり、建設現場における狭い空間での機動的な小運搬が容易であると共に、保管及び輸送スペースが少なく、保管及び輸送費用が安い、新規なスラブ型枠ユニット及び支持枠ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面によれば、
平面矩形状をなしかつ、実質的に同一平面上に位置付けられた上面及び該上面に平行な、実質的に同一平面上に位置付けられた下面を有する支持枠と、支持枠の水平縦方向両端部の下面側においてそれぞれ該両端部に沿って相互に平行に水平横方向に延在する回動軸線まわりを回動可能に配設されかつ該水平横方向に間隔をおいて相互に平行に延在する一対の支柱をそれぞれ含む一対の支柱ユニットと、支柱の各々の下端部に配設されて支柱の各々の長さを実質的に調整しうる長さ調整手段と、支柱の各々と支持枠とを連結するためのブレースとを備えた支持枠ユニットと;支持枠の上面側に取り付けられるスラブ型枠と;を備え、支柱ユニットの各々は、支持枠の下面に沿って延在する折畳位置と、支持枠の下面に対し垂直に下方に延びる支持位置との間を、対応する該軸線まわりを回動可能であり、ブレースの各々は、各々の一端部が、支持位置に位置付けられた支柱ユニットの各々間で対向する支柱の各々の長手方向中間における対向面側にそれぞれ回動可能に支持されかつ、支柱の各々の該中間から下方領域における対向面に沿って延在する折畳位置と、各々の他端部が、支持枠の該水平横方向両側部の下面側にそれぞれ分離自在に連結される作用位置との間を回動可能であり、ブレースの各々が作用位置に位置付けられると、支柱ユニットの各々は支持位置に位置付けられる、
ことを特徴とするスラブ型枠ユニット、が提供される。
支持枠の該下面から片方の支柱ユニットにおける該軸線までの下方への垂直距離は、他方の支柱ユニットにおける該軸線までの該垂直距離よりも短く規定され、ブレースの各々が折畳位置に位置付けられかつ、片方の支柱ユニットが折畳位置に位置付けられた状態で、他方の支柱ユニットが折畳位置に位置付けられると、他方の支柱ユニット及び他方の支柱ユニットにおけるブレースの各々は、片方の支柱ユニットの下側を、支持枠の該下面に沿って該水平縦方向に延在する、ことが好ましい。
支柱ユニットの各々は、支柱ユニットの各々における支柱の各々間を、支柱の各々の長手方向に間隔をおいて相互に平行にかつ支柱の各々に対して直角に延在しかつ、両端がそれぞれ対応する支柱に固着された複数の連結ロッド部材を備えている、ことが好ましい。
長さ調整手段の各々は、支柱の各々の下端部にねじ結合されたジャッキ部材を備えている、又は、支柱の各々の下端部に嵌合されて連結手段により複数の長手方向位置を選択して相互に分離自在に連結される補助支柱と、補助支柱の各々の下端部にねじ結合されたジャッキ部材とを備えている、ことが好ましい。
支持枠は、該水平横方向に間隔をおいて該水平縦方向に平行に延在する一対の側フレームと、側フレームの各々の該水平縦方向における両端部間を該水平横方向に延在する一対の端フレームと、端フレームの各々間において、該水平縦方向に相互に間隔をおいて端フレームの各々に平行に側フレームの各々間を延在する複数の補助横フレームと、側フレームの各々間において、側フレームの各々に平行に実質的に端フレームの各々間を延在するよう、少なくとも1列に配設された複数の補助縦フレームとを備え、側フレーム、端フレーム、補助横フレーム及び補助縦フレームの各々は、角パイプから形成されかつ、各々の上面は、支持枠の該上面を規定し、側フレーム及び端フレームの各々の下面は、支持枠の該下面を規定する、ことが好ましい。
側フレーム及び端フレームの各々には、支持枠の該上面が水平に位置付けられた状態で、側フレーム及び端フレームの各々に直交しかつ水平方向の軸線を有する連結穴がそれぞれ複数個形成されている、ことが好ましい。
支持枠の側フレーム及び端フレームの各々は、支持枠の矩形周縁フレームを規定し、片方の支柱ユニットにおける支柱の各々は、それぞれ、該周縁フレームの該水平縦方向一端部における2つの角部の下面にそれぞれ配設された片方の支柱支持フレームに回動可能に支持され、他方の支柱ユニットにおける支柱の各々は、それぞれ、該周縁フレームの該水平縦方向他端部における2つの角部の下面にそれぞれ配設された他方の支柱支持フレームに回動可能に支持され、片方の支柱ユニットにおけるブレースの各々の一端部は、片方の支柱ユニットにおける支柱の各々の長手方向中間における該対向側の面にそれぞれ配設された片方のブレース支持フレームに、それぞれ回動可能に支持されかつ他端部は、側フレームの各々の該水平縦方向の中央よりも該水平縦方向の一端寄りの位置における下面にそれぞれ配設された片方のブレース連結フレームに、それぞれ分離自在に連結可能であり、他方の支柱ユニットにおけるブレースの各々の一端部は、他方の支柱ユニットにおける支柱の各々の長手方向中間における該対向側の面にそれぞれ配設された他方のブレース支持フレームに、それぞれ回動可能に支持されかつ他端部は、側フレームの各々の該水平縦方向の中央よりも該水平縦方向の他端寄りの位置における下面にそれぞれ配設された他方のブレース連結フレームに、それぞれ分離自在に連結可能である、ことが好ましい。
片方及び他方の支柱ユニットにおけるブレースの各々の他端部と片方及び他方のブレース連結フレームの各々とがそれぞれ連結されて、ブレースの各々が作用位置に位置付けられると、片方及び他方の支柱ユニットはそれぞれ支持位置に位置付けられる、ことが好ましい。
他方のブレース連結フレームの各々は、下方に開放されたU形溝を備えており、片方及び他方の支柱ユニットにおけるブレースの各々の他端部と片方及び他方のブレース連結フレームの各々との連結がそれぞれ解除されて、該ブレースの各々が、それぞれ、支柱の各々の該中間に配設されたブレース支持フレームの各々から下方領域における該対向側の面に沿って延在して、該ブレースの各々の他端部が、それぞれ、支柱の各々の下端部に重合される折畳位置に位置付けられかつ、片方の支柱ユニットが折畳位置に位置付けられると、片方の支柱ユニットにおけるブレースの各々は、それぞれ、他方のブレース連結フレームの各々のU形溝内に分離自在に挿入され、片方のブレース支持フレームの各々は、それぞれ、側フレームの各々における下面直下に位置付けられ、片方の支柱ユニットにおける支柱の各々は、それぞれ、片方のブレース連結フレームの各々の直下を延在するよう位置付けられる、ことが好ましい。
更に、他方の支柱ユニットが折畳位置に位置付けられると、他方の支柱ユニットにおけるブレースの各々及び他方のブレース支持フレームの各々は、それぞれ、片方の支柱ユニットにおける支柱の各々の直下に位置付けられる、ことが好ましい。
支持枠を平面から見て、支持枠を除く支持枠ユニットの全ての構成部材は、支持枠の周面を越えて外側に突出しないよう配置される、ことが好ましい。
スラブ型枠は、1個の矩形状の型枠平板から構成されると共に支持枠の該上面に載置されて支持枠に連結される、ことが好ましい。
補助横フレーム及び補助縦フレームの各々における複数の箇所には、支持枠の該上面が水平に位置付けられた状態で、補助横フレーム及び補助縦フレームの各々に直交しかつ水平方向の軸線を有する取付穴が形成されると共に、補助横フレーム及び補助縦フレームの各々における、取付穴が形成された該複数の箇所には、それぞれ、補助横フレーム及び補助縦フレームの各々の上面と協働して上方に開放された、実質的にU形状をなすスラブ型枠取付溝が配設され、スラブ型枠は、支持枠における一対の側フレーム、一対の端フレーム、補助横フレーム及び補助縦フレームの各々に対応して配列されかつ、実質的に同一平面上に位置付けられた上面と該上面に平行な、実質的に同一平面上に位置付けられた下面とを有する、一対の型枠側フレーム、一対の型枠端フレーム、型枠補助横フレーム及び型枠補助縦フレームを備えた型枠支持フレームと、該上面により規定される型枠支持フレームの上面に載置・連結される1個の型枠平板とを備え、支持枠の該上面が水平に位置付けられた状態で、型枠支持フレームを、支持枠の該上面に載置して、型枠支持フレームにおける型枠補助横フレーム及び型枠補助縦フレームの各々を、支持枠のスラブ型枠取付溝に分離自在に嵌合させることにより、スラブ型枠は、支持枠の該上面に分離自在にかつ該水平縦方向及び該水平横方向への移動が規制されて保持される、ことが好ましい。
支持枠の該上面が水平に位置付けられた状態で、支持枠におけるスラブ型枠取付溝の各々は、対応する補助横フレーム及び補助縦フレームを水平方向に挟んで相互に水平方向に対向しかつ、対応する補助横フレーム及び補助縦フレームの該上面から鉛直上方に延び出す一対の取付板であって、それぞれ、鉛直方向に長い長方形の平板本体と、平板本体の上端から相互に離隔する方向に平板本体に対し直角に延びる上端フランジとからなる一対の取付板と、対応する補助横フレーム及び補助縦フレームの該上面とにより形成され、取付板の各対において、平板本体の各々には鉛直に延在する長穴が形成され、取付板の各対は、対応する補助横フレーム及び補助縦フレームの該上面から鉛直上方に延び出す高さが実質的に同じとなるよう、長穴の各々が、対応する補助横フレーム及び補助縦フレームに形成された取付穴に整合されてボルト&ナットにより、対応する補助横フレーム及び補助縦フレームに分離自在に締結され、取付板の各対の該高さは、型枠支持フレームにおける一対の型枠側フレーム、一対の型枠端フレーム、型枠補助横フレーム及び型枠補助縦フレームの該下面により規定される型枠支持フレームの下面から型枠支持フレームの該上面までの高さと実質的に同じである、ことが好ましい。
本発明の他の局面によれば、
平面矩形状をなしかつ、実質的に同一平面上に位置付けられた上面及び該上面に平行な、実質的に同一平面上に位置付けられた下面を有する支持枠であって、上面側にスラブ型枠が取り付けられる支持枠と、支持枠の水平縦方向両端部の下面側においてそれぞれ該両端部に沿って相互に平行に水平横方向に延在する回動軸線まわりを回動可能に配設されかつ該水平横方向に間隔をおいて相互に平行に延在する一対の支柱をそれぞれ含む一対の支柱ユニットと、支柱の各々の下端部に配設されて支柱の各々の長さを実質的に調整しうる長さ調整手段と、支柱の各々と支持枠とを連結するためのブレースとを備え、支柱ユニットの各々は、支持枠の下面に沿って延在する折畳位置と、支持枠の下面に対し垂直に下方に延びる支持位置との間を、対応する該軸線まわりを回動可能であり、ブレースの各々は、各々の一端部が、支持位置に位置付けられた支柱ユニットの各々間で対向する支柱の各々の長手方向中間における対向面側にそれぞれ回動可能に支持されかつ、支柱の各々の該中間から下方領域における対向面に沿って延在する折畳位置と、各々の他端部が、支持枠の該水平横方向両側部の下面側にそれぞれ分離自在に連結される作用位置との間を回動可能であり、ブレースの各々が作用位置に位置付けられると、支柱ユニットの各々は支持位置に位置付けられる、
ことを特徴とする支持枠ユニット、が提供される。
支持枠の該下面から片方の支柱ユニットにおける該軸線までの下方への垂直距離は、他方の支柱ユニットにおける該軸線までの該垂直距離よりも短く規定され、ブレースの各々が折畳位置に位置付けられかつ、片方の支柱ユニットが折畳位置に位置付けられた状態で、他方の支柱ユニットが折畳位置に位置付けられると、他方の支柱ユニット及び他方の支柱ユニットにおけるブレースの各々は、片方の支柱ユニットの下側を、支持枠の該下面に沿って該水平縦方向に延在する、ことが好ましい。
支柱ユニットの各々は、支柱ユニットの各々における支柱の各々間を、支柱の各々の長手方向に間隔をおいて相互に平行にかつ支柱の各々に対して直角に延在しかつ、両端がそれぞれ対応する支柱に固着された複数の連結ロッド部材を備えている、ことが好ましい。
長さ調整手段の各々は、支柱の各々の下端部にねじ結合されたジャッキ部材を備えている、又は、支柱の各々の下端部に嵌合されて連結手段により複数の長手方向位置を選択して相互に分離自在に連結される補助支柱と、補助支柱の各々の下端部にねじ結合されたジャッキ部材とを備えている、ことが好ましい。
支持枠は、該水平横方向に間隔をおいて該水平縦方向に平行に延在する一対の側フレームと、側フレームの各々の該水平縦方向における両端部間を該水平横方向に延在する一対の端フレームと、端フレームの各々間において、該水平縦方向に相互に間隔をおいて端フレームの各々に平行に側フレームの各々間を延在する複数の補助横フレームと、側フレームの各々間において、側フレームの各々に平行に実質的に端フレームの各々間を延在するよう、少なくとも1列に配設された複数の補助縦フレームとを備え、側フレーム、端フレーム、補助横フレーム及び補助縦フレームの各々は、角パイプから形成されかつ、各々の上面は、支持枠の該上面を規定し、側フレーム及び端フレームの各々の下面は、支持枠の該下面を規定する、ことが好ましい。
側フレーム及び端フレームの各々には、支持枠の該上面が水平に位置付けられた状態で、側フレーム及び端フレームの各々に直交しかつ水平方向の軸線を有する連結穴がそれぞれ複数個形成されている、ことが好ましい。
支持枠の側フレーム及び端フレームの各々は、支持枠の矩形周縁フレームを規定し、片方の支柱ユニットにおける支柱の各々は、それぞれ、該周縁フレームの該水平縦方向一端部における2つの角部の下面にそれぞれ配設された片方の支柱支持フレームに回動可能に支持され、他方の支柱ユニットにおける支柱の各々は、それぞれ、該周縁フレームの該水平縦方向他端部における2つの角部の下面にそれぞれ配設された他方の支柱支持フレームに回動可能に支持され、片方の支柱ユニットにおけるブレースの各々の一端部は、片方の支柱ユニットにおける支柱の各々の長手方向中間における該対向側の面にそれぞれ配設された片方のブレース支持フレームに、それぞれ回動可能に支持されかつ他端部は、側フレームの各々の該水平縦方向の中央よりも該水平縦方向の一端寄りの位置における下面にそれぞれ配設された片方のブレース連結フレームに、それぞれ分離自在に連結可能であり、他方の支柱ユニットにおけるブレースの各々の一端部は、他方の支柱ユニットにおける支柱の各々の長手方向中間における該対向側の面にそれぞれ配設された他方のブレース支持フレームに、それぞれ回動可能に支持されかつ他端部は、側フレームの各々の該水平縦方向の中央よりも該水平縦方向の他端寄りの位置における下面にそれぞれ配設された他方のブレース連結フレームに、それぞれ分離自在に連結可能である、ことが好ましい。
片方及び他方の支柱ユニットにおけるブレースの各々の他端部と片方及び他方のブレース連結フレームの各々とがそれぞれ連結されて、ブレースの各々が作用位置に位置付けられると、片方及び他方の支柱ユニットはそれぞれ支持位置に位置付けられる、ことが好ましい。
他方のブレース連結フレームの各々は、下方に開放されたU形溝を備えており、片方及び他方の支柱ユニットにおけるブレースの各々の他端部と片方及び他方のブレース連結フレームの各々との連結がそれぞれ解除されて、該ブレースの各々が、それぞれ、支柱の各々の該中間に配設されたブレース支持フレームの各々から下方領域における該対向側の面に沿って延在して、該ブレースの各々の他端部が、それぞれ、支柱の各々の下端部に重合される折畳位置に位置付けられかつ、片方の支柱ユニットが折畳位置に位置付けられると、片方の支柱ユニットにおけるブレースの各々は、それぞれ、他方のブレース連結フレームの各々のU形溝内に分離自在に挿入され、片方のブレース支持フレームの各々は、それぞれ、側フレームの各々における下面直下に位置付けられ、片方の支柱ユニットにおける支柱の各々は、それぞれ、片方のブレース連結フレームの各々の直下を延在するよう位置付けられる、ことが好ましい。
更に、他方の支柱ユニットが折畳位置に位置付けられると、他方の支柱ユニットにおけるブレースの各々及び他方のブレース支持フレームの各々は、それぞれ、片方の支柱ユニットにおける支柱の各々の直下に位置付けられる、ことが好ましい。
支持枠を平面から見て、支持枠を除く全ての構成部材は、支持枠の周面を越えて外側に突出しないよう配置される、ことが好ましい。
補助横フレーム及び補助縦フレームの各々における複数の箇所には、支持枠の該上面が水平に位置付けられた状態で、補助横フレーム及び補助縦フレームの各々に直交しかつ水平方向の軸線を有する取付穴が形成されると共に、補助横フレーム及び補助縦フレームの各々における、取付穴が形成された該複数の箇所には、それぞれ、補助横フレーム及び補助縦フレームの各々の上面と協働して上方に開放された、実質的にU形状をなすスラブ型枠取付溝が配設され、スラブ型枠は、支持枠における一対の側フレーム、一対の端フレーム、補助横フレーム及び補助縦フレームの各々に対応して配列されかつ、実質的に同一平面上に位置付けられた上面と該上面に平行な、実質的に同一平面上に位置付けられた下面とを有する、一対の型枠側フレーム、一対の型枠端フレーム、型枠補助横フレーム及び型枠補助縦フレームを備えた型枠支持フレームと、該上面により規定される型枠支持フレームの上面に載置・連結される1個の型枠平板とを備え、支持枠の該上面が水平に位置付けられた状態で、型枠支持フレームを、支持枠の該上面に載置して、型枠支持フレームにおける型枠補助横フレーム及び型枠補助縦フレームの各々を、支持枠のスラブ型枠取付溝に分離自在に嵌合させることにより、スラブ型枠は、支持枠の該上面に分離自在にかつ該水平縦方向及び該水平横方向への移動が規制されて保持される、ことが好ましい。
支持枠の該上面が水平に位置付けられた状態で、支持枠におけるスラブ型枠取付溝の各々は、対応する補助横フレーム及び補助縦フレームを水平方向に挟んで相互に水平方向に対向しかつ、対応する補助横フレーム及び補助縦フレームの該上面から鉛直上方に延び出す一対の取付板であって、それぞれ、鉛直方向に長い長方形の平板本体と、平板本体の上端から相互に離隔する方向に平板本体に対し直角に延びる上端フランジとからなる一対の取付板と、対応する補助横フレーム及び補助縦フレームの該上面とにより形成され、取付板の各対において、平板本体の各々には鉛直に延在する長穴が形成され、取付板の各対は、対応する補助横フレーム及び補助縦フレームの該上面から鉛直上方に延び出す高さが実質的に同じとなるよう、長穴の各々が、対応する補助横フレーム及び補助縦フレームに形成された取付穴に整合されてボルト&ナットにより、対応する補助横フレーム及び補助縦フレームに分離自在に締結され、取付板の各対の該高さは、型枠支持フレームにおける一対の型枠側フレーム、一対の型枠端フレーム、型枠補助横フレーム及び型枠補助縦フレームの該下面により規定される型枠支持フレームの下面から型枠支持フレームの該上面までの高さと実質的に同じである、ことが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明に従って構成されたスラブ型枠ユニット及び支持枠ユニットの実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、図1〜図36において、相互に実質的に同一部分は同一符号で示してある。
【0009】
図1〜図5を参照して、スラブ型枠ユニット2は、金属製の支持枠ユニット4と、スラブ型枠を構成する矩形状の型枠平板6とを備えている。支持枠ユニット4は、支持枠8と、一対の支柱10を含む片方の支柱ユニット12と、一対の支柱14を含む他方の支柱ユニット16と、支柱10及び14の各々に配設された長さ調整手段11及び15と、支柱10及び14の各々と支持枠8とをそれぞれ連結するためのブレース20及び22とを備えている。
【0010】
支持枠8は、平面矩形状をなしかつ、実質的に同一平面上に位置付けられた上面と、該上面に平行な、実質的に同一平面上に位置付けられた下面を有している。なお、図1〜図5に示されているスラブ型枠ユニット2は、支持枠8の該上面及び下面と型枠平板6の上面が、実質的に水平となるよう長さ調整手段11及び15を介して載置面に載置されている。支持枠8について更に具体的に説明すると、支持枠8は、水平横方向(図2において紙面に垂直な方向、図3において左右方向)に間隔をおいて水平縦方向(図2において左右方向、図3において紙面に垂直な方向)に平行に延在する一対の側フレーム30と、側フレーム30の各々の該水平縦方向における両端部間を該水平横方向に延在する一対の端フレーム32とを備えている。側フレーム30及び端フレーム32の各々は、横断面が相互に実質的に同じ長方形の角パイプから形成されている。
【0011】
支持枠8は、更に、端フレーム32の各々間において、該水平縦方向に相互に間隔をおいて端フレーム32の各々に平行に側フレーム30の各々間を延在する複数の、実施形態においては5個の補助横フレーム34と、側フレーム30の各々間において、側フレーム30の各々に平行に実質的に端フレーム32の各々間を延在するよう、少なくとも1列に(実施形態においては2列に)配設された複数の(実施形態においては、それぞれ6個の)補助縦フレーム36とを備えている。補助横フレーム34及び補助縦フレーム36の各々は、横断面が相互に実質的に同じ長方形の角パイプから形成されている。
【0012】
この実施形態において、補助横フレーム34及び補助縦フレーム36の各々の高さ及び水平方向幅は、それぞれ、側フレーム30及び端フレーム32の各々の高さ及び水平方向幅の1/2に規定されている。補助横フレーム34及び補助縦フレーム36の各々の上面は、側フレーム30及び端フレーム32の上面に対し、実質的に同一平面上に位置付けられるよう配設される。したがって、側フレーム30、端フレーム32、補助横フレーム34及び補助縦フレーム36の各々の上面は、支持枠8の該上面を規定し、側フレーム30及び端フレーム32の各々の下面は、支持枠8の該下面を規定する。側フレーム30及び端フレーム32の各々は、支持枠8の、矩形状の周縁フレーム37を規定する。側フレーム30及び端フレーム32の各々には、側フレーム30及び端フレーム32の各々に直交しかつ水平方向の軸線を有する連結穴(貫通穴)30a及び32aが、それぞれ複数個形成されている。実施形態において、連結穴30a及び32aは、それぞれ、上下方向に間隔をおいて2個形成された対が、側フレーム30及び端フレーム32の各々における長手方向に間隔をおいて、それぞれ、複数対配設されている。平面形状が周縁フレーム37の平面形状と実質的に同じである型枠平板6は、型枠用の、各種合板、金属板、プラスチック板などからなり、支持枠8の該上面に載置され、複数のビス6aにより分離自在に締結される。支持枠8の側フレーム30、端フレーム32及び補助横フレーム34の上面の適宜箇所には、該ビスがねじ結合される雌ねじ穴hが形成されている。
【0013】
片方の支柱ユニット12は、支持枠8の周縁フレーム37における該水平縦方向一端部(図2において右端部)の下面側において、該一端部に沿って該水平横方向に延在する回動軸線L1(図7及び図8参照)まわりを回動可能に配設されかつ該水平横方向に間隔をおいて相互に平行に延在する上記一対の支柱10と、支柱10の各々間を、支柱10の各々の長手方向に間隔をおいて相互に平行にかつ支柱10の各々に対して直角に延在しかつ、両端がそれぞれ対応する支柱10に溶接により固着された複数の(実施形態においては4個の)連結ロッド部材38を備えている。相互に同じ長さを有する支柱10の各々は、横断面が相互に実質的に同じ長方形の角パイプから形成されている。連結ロッド部材38の各々は、横断面が相互に実質的に同じ円形をなす丸パイプから形成されている。
【0014】
他方の支柱ユニット16は、支持枠8の周縁フレーム37における該水平縦方向他端部(図2において左端部)の下面側において、該他端部に沿って該水平横方向に延在する回動軸線L2(図10参照)まわりを回動可能に配設されかつ該水平横方向に間隔をおいて相互に平行に延在する上記一対の支柱14と、支柱14の各々間を、支柱14の各々の長手方向に間隔をおいて相互に平行にかつ支柱14の各々に対して直角に延在しかつ、両端がそれぞれ対応する支柱14に固着された複数の(実施形態においては4個の)連結ロッド部材38を備えている。相互に同じ長さを有する支柱14の各々は、横断面が相互に支柱10におけると実質的に同じ長方形の角パイプから形成されている。連結ロッド部材38の各々は、横断面が相互に実質的に同じ円形をなす丸パイプから形成されている。
【0015】
周縁フレーム37の該水平縦方向一端部(図2において右端部)における2つの角部の下面には、それぞれ支柱支持フレーム40が配設されている。支柱支持フレーム40の各々は、相互に実質的に同じ構成を有しているので、以下、図2において、周縁フレーム37における右端部の手前側角部の下面に配設された支柱支持フレーム40について説明する。図6〜図8を参照して、支柱支持フレーム40は、長方形の基板41と、基板41の片面(図6において左側の面)における水平幅方向(図7において左右方向)中央部において、該片面から直立しかつ相互に該幅方向に隙間をおいて長手方向(図7において上下方向)に平行に延びるよう固着された一対の支持板42とを備えている。支持板42の各々における一端(図6において上端)の、基板41の該片面からの長さは、他端(図6において下端)の、該長さよりも長い。支持板42の各々の一端と他端の各々の先端間は傾斜面をなしている。支持板42の各々の一端には、相互に離隔する該水平横方向に直角に延びるフランジ42Fが一体に形成されている。フランジ42Fの各々の外面(図7において上端面)は、基板41の一端面(図7において上端面)と実質的に同一平面上に位置付けられている。支持板42の各々には、共通の軸線を有する支持穴42aが形成されている。
【0016】
上記のように構成された支柱支持フレーム40は、支持板42の各々におけるフランジ42Fの外面が、周縁フレーム37における、図2における右端部の手前側角部の下面に当接されて溶接により固着される。支柱支持フレーム40の基板41の他面(図6において右側の面)は、周縁フレーム37の、図6及び図8における右端面と同一面上に位置付けられている。支持板42の各々の隙間は、図6において左方及び下方に開放されている。
【0017】
支柱10の上端には、矩形の板44が溶接により固着されている。板44の上面における、該水平横方向中央には、一定の該水平縦方向幅を有する被支持板45が、該上面から直立するよう溶接により固着されている。被支持板45の上端は該水平横方向から見て円弧形状をなし、被支持板45の上端部には被支持穴45aが形成されている。支柱10は、被支持板45の上端部が支柱支持フレーム40における支持板42の各々の隙間に挿入されて、被支持穴45aが支持板42の各々の支持穴42aに整合させられ、支持ピン46が挿入されることにより、支柱支持フレーム40に回動可能に支持される。支持ピン46には抜止リング47が分離自在に装着されている。
【0018】
他方の支柱支持フレーム40も、図2において、周縁フレーム37における右端部の後側角部の下面に、上記支柱支持フレーム40におけると実質的に同様にして配設される。他方の支柱10の上端部も、上記支柱10におけると実質的に同様にして他方の支柱支持フレーム40に回動可能に支持される。支柱10の各々の回動軸線(支持ピン46の各々の軸線)は、実質的に上記回動軸線L1上に位置付けられる。
【0019】
周縁フレーム37の該水平縦方向他端部(図2において左端部)における2つの角部の下面には、それぞれ支柱支持フレーム50が配設されている。支柱支持フレーム50の各々は、相互に実質的に同じ構成を有すると共に、先に説明した支柱支持フレーム40と比較して、一部を除き実質的に同じ構成を有している。支柱支持フレーム50の各々はまた、先に説明した支柱支持フレーム40の各々におけると実質的に同様にして該下面に配設されている。図9及び図10には、図2において、周縁フレーム37における左端部の手前側角部の下面に配設された支柱支持フレーム50が図示されているが、支柱支持フレーム40と実質的に同一部分については、支柱支持フレーム40に対応して、50番代の数字で示し、説明は省略する。また、図9及び図10において、支柱14の上端部の構成及び被支持構成も、先に述べた支柱10の上端部の構成及び被支持構成と実質的に同じであるので、実質的に同一部分は同一符号で示し、説明は省略する。
【0020】
周縁フレーム37における上記左端部の手前側角部の下面に配設された支柱支持フレーム50は、先に説明した支柱支持フレーム50よりも上下方向長さが長く形成されている。その他の構成は、先に述べた支柱10と実質的に同じである。他方の支柱支持フレーム50も、図2において、周縁フレーム37における左端部の後側角部の下面に、上記支柱支持フレーム50におけると実質的に同様にして配設される。支柱16の各々の回動軸線(支持ピン46の各々の軸線)は、実質的に上記回動軸線L2上に位置付けられる。上記説明から明らかなように、周縁フレーム37の下面、したがって支持枠8の該下面から支柱14の各々の回動軸線L2までの下方への垂直距離は、該下面から上記支柱10の各々の回動軸線L1までの下方への垂直距離よりも長い(換言すれば、支持枠8の該下面から片方の支柱ユニット12における回動軸線L1までの下方への垂直距離は、他方の支柱ユニット16における回動軸線L2の該垂直距離よりも短い)。
【0021】
図1〜図3を参照して、支柱10の長さを調整しうる長さ調整手段11は、支柱10の下端部にねじ結合されたジャッキ部材11Aを備えている。更に具体的に説明すると、長さ調整手段11は、支柱10の下端部内に挿入されて溶接により固着された図示しない金属製雌ねじ部材と、該雌ねじ部材にねじ結合されたジャッキ部材11Aとを備えている。ジャッキ部材11Aは、円形の金属製基板11aと、基板11aの中央から直立する金属製ロッド部材11bとからなる。ロッド部材11bは円形外周面を有し、該外周面には雄ねじが形成されている。ロッド部材11bの下端は基板11aに溶接により固着されている。ジャッキ部材11Aは、ロッド部材11bが、片方の支柱10の該雌ねじ部材にねじ結合されることにより、支柱10に分離自在に連結される。ジャッキ部材11Aを回転させることにより、支柱10の下端からの突出長さを調整することができる。その結果、支柱10の長さが実質的に調整される。ロッド部材11bの下端部にナット部材をねじ結合させて固着する、ロッド部材11bの下端部に横穴を形成して回転操作ロッドを挿入できるよう構成する、などの手段により、ジャッキ部材11Aの回転操作を容易にすることができる。
【0022】
支柱10の各々の長さ調整手段11は、相互に実質的に同じ構成を有している。また、支柱14の各々の長さ調整手段15は、上記長さ調整手段11と実質的に同じ構成を有しているので、長さ調整手段11に対応する部分には対応する符号を付し(例えば、ジャッキ部材11Aに対応する部分には符号15Aを付し)、説明は省略する。
【0023】
先の説明から明らかなように、片方の支柱ユニット12における支柱10の各々は、それぞれ、周縁フレーム37の該水平縦方向一端部における2つの角部の下面にそれぞれ配設された片方の支柱支持フレーム40に回動可能に支持される。また、他方の支柱ユニット16における支柱14の各々は、それぞれ、周縁フレーム37の該水平縦方向他端部における2つの角部の下面にそれぞれ配設された他方の支柱支持フレーム50に回動可能に支持される。そして、支柱ユニット12及び16の各々は、支持枠8の該下面に沿って延在する折畳位置(図16及び図17に示される位置)と、支持枠8の該下面に対し垂直に下方に延びる支持位置(図1及び図2に示され位置)との間を、それぞれ、回動軸線L1及びL2まわりを回動可能である。支柱ユニット12及び16の各々が支持位置に位置付けられると、支柱ユニット12及び16の各々における支柱10の各々と支柱14の各々における該水平縦方向の内側面は、それぞれ相互に対向する。支柱10の各々と支柱14の各々における該内側面は、それぞれ、対向側の面を規定する。
【0024】
図1及び図2に図示されているように、片方の支柱ユニット12におけるブレース20の各々の一端部(図1及び図2において下端部)は、片方の支柱ユニット12における支柱10の各々の長手方向中間における該対向側の面にそれぞれ配設された片方のブレース支持フレーム60に、それぞれ回動可能に支持される。また、他端部(図1及び図2において上端部)は、側フレーム30の各々の該水平縦方向の中央よりも該水平縦方向の一端寄りの位置における下面にそれぞれ配設された片方のブレース連結フレーム62に、それぞれ連結手段により分離自在に連結可能である。
【0025】
他方の支柱ユニット16におけるブレース22の各々の一端部(図1及び図2において下端部)は、他方の支柱ユニット16における支柱14の各々の長手方向中間における該対向側の面にそれぞれ配設された他方のブレース支持フレーム60に、それぞれ回動可能に支持される。また、他端部(図1及び図2において上端部)は、側フレーム30の各々の該水平縦方向の中央よりも該水平縦方向の他端寄りの位置における下面にそれぞれ配設された他方のブレース連結フレーム62に、それぞれ連結手段により分離自在に連結可能である。
【0026】
片方及び他方の支柱ユニット12及び16におけるブレース20及び22の各々は、各々の他端部(図1及び図2において上端部)と、片方及び他方のブレース連結フレーム62の各々との連結が解除された状態において、それぞれ、支柱10及び14の各々の該中間に配設されたブレース支持フレーム60の各々から下方領域における対向側の面に沿って延在して、各々の他端部が、それぞれ、支柱10及び14の各々の下端部に重合される折畳位置(図16及び図17に示される位置)と、ブレース20及び22の各々の他端部が、それぞれ、支持枠8の側フレーム30の各々の下面に配設されたブレース連結フレーム62の各々に分離自在に連結される作用位置(図1及び図2に示される位置)との間を回動可能である。
【0027】
ブレース20及び22の各々、ブレース支持フレーム60の各々、及びブレース連結フレーム62の各々は、それぞれ、相互に実質的に同じ構成を有しているので、以下、それらを代表して、図2において、左側に配置されたブレース22、ブレース支持フレーム60及びブレース連結フレーム62の構成について説明する。
【0028】
図11〜図13を参照して、金属板からなるブレース支持フレーム60は、矩形状の平板本体60aと、平板本体60aの両側から片面方向に直角に延び出して相互に対向する一対の側壁60bとからなり、全体としてほぼU形状をなしている。相互に実質的に同じ形状を有する側壁60bの各々の頂部は円弧状に形成され、側壁60bの各々における円弧の中心部には、それぞれ取付穴60cが形成されている。取付穴60cの各々は共通の軸線上に位置付けられている。上記のように構成されたブレース支持フレーム60は、平板本体60aの外面が、支柱14の長手方向中間における該対向側の面に当接されて溶接により固着される。したがって、ブレース支持フレーム60は、該対向側に開放されたU形溝を備えている。ブレース支持フレーム60の幅は、支柱14における該対向側の面の幅よりも狭く形成され、ブレース支持フレーム60は、図12に示されているように、支柱14における該対向側の面の幅方向中央に配置されている。
【0029】
金属板からなるブレース連結フレーム62は、矩形状の平板本体62aと、平板本体62aの両側から片面方向に直角に延び出して相互に対向する一対の側壁62bとからなり、全体としてほぼU形状をなしている。相互に実質的に同じ形状を有する側壁62bの各々の頂部は円弧状に形成され、側壁62bの各々における円弧の中心部には、それぞれ取付穴62cが形成されている。取付穴62cの各々は共通の軸線上に位置付けられている。上記のように構成されたブレース連結フレーム62は、平板本体62aの外面が、側フレーム30の該水平縦方向の中央よりも該水平縦方向の他端寄りの位置(図2において左端寄りの位置)における下面に当接されて溶接により固着されている。したがって、ブレース連結フレーム62は、下方に開放されたU形溝を備えている。ブレース連結フレーム62の幅は、側フレーム30の下面における幅よりも狭く形成され、ブレース連結フレーム62は、図13に示されているように、側フレーム30の下面における幅方向内側(支持枠8の周縁に対する内側)に片寄った位置に配置されている。
【0030】
ブレース22は、横断面が正方形をなす角パイプから形成されている。ブレース22の一端(図11において下端)及び他端(図11において上端)は、図11に示されているように、正面から見て半円形状に形成されている。ブレース22の一端部及び他端部における半円形状の中央には、それぞれ、取付穴22aが形成されている。上記のように構成されたブレース22の一端部は、ブレース支持フレーム60における平板本体60aと側壁60bの各々により形成される該U形溝内に挿入されて取付穴22aが取付穴60cの各々に整合される。相互に整合された取付穴22a及び取付穴60cの各々に支持ピン64が挿入され、抜け止めリング66が支持ピン64に形成された環状溝64aに嵌合保持される。その結果、ブレース22の一端部は、ブレース支持フレーム60に回動可能に支持される。
【0031】
ブレース22の他端部は、ブレース連結フレーム62における平板本体62aと側壁62bの各々により形成される該U形溝内に挿入されて取付穴22aが取付穴62cの各々に整合される。相互に整合された取付穴22a及び取付穴62cの各々に連結ピン67が挿入され、抜け止めピン68が連結ピン67に形成された貫通穴67aに分離自在に挿入保持される。その結果、ブレース22の他端部は、ブレース連結フレーム62にほぼワンタッチで分離自在に連結される。連結ピン67及び抜け止めピン68は連結手段を構成する。ブレース22の他端部の、ブレース連結フレーム62に対する連結解除は、連結ピン67の貫通穴67aに挿入された抜け止めピン68を抜き取って、連結ピン67を取付穴22a及び取付穴62cの各々から抜き出すことにより容易に遂行される。
【0032】
図1、図2及び図14に示されているように、支柱ユニット12及び16におけるブレース20及び22の各々の他端部と、ブレース連結フレーム62の各々とがそれぞれ連結されてブレース20及び22の各々が作用位置に位置付けられると、支柱ユニット12及び16はそれぞれ支持位置に位置付けられる。スラブ型枠ユニット2は、ジャッキ部材11a及び15aの各々の基板11a及び15aを介して載置面に載置される。支柱10及び14の各々の下端部にそれぞれねじ結合されたジャッキ部材11a及び15aを回転させることにより、載置面から型枠平板6の上面までの高さが所定の高さに調整されると共に、該上面が水平に調整される。スラブ型枠ユニット2を正面から見て、支柱10の各々及び支柱14の各々と支持枠8間を斜めに連結するブレース20及び22の各々は、支持枠8をしっかりと支持し、支持枠ユニット4及びスラブ型枠ユニット2の強度を確保し、安定した荷重の支持に寄与する。
【0033】
支柱ユニット12及び16の各々が支持位置に位置付けられたとき、支持枠8の該下面から支柱ユニット12及び16の各々における支柱10及び14の各々の下端までの下方への垂直距離は、相互に実質的に等しく規定されている。この構成に起因して、ジャッキ部材11a及び15aの、支柱10及び14の各々の下端からの突出長さを、スラブ型枠ユニット2を載置する前に予め同一に調整しておけば、スラブ型枠ユニット2を載置した後の上記調整は微調整でよいので、該調整作業が容易となる。また、支柱ユニット12及び16の各々が支持位置に位置付けられたとき、支柱10及び14の各々の上端部に配設された被支持板45の各々の、該水平縦方向における外側面が、それぞれ、支柱支持フレーム40及び50における基板41及び51(図6及び図9参照)の、該水平縦方向における内側面に当接ないしほぼ当接して位置付けられる。この構成に起因して、支柱ユニット12及び16におけるブレース20及び22の各々の他端部と、ブレース連結フレーム62の各々との連結が解除されたとき、支柱ユニット12及び16が、それぞれ、該水平縦方向における外方へ回動することが阻止され、スラブ型枠ユニット2の安定した載置状態が確保される。
【0034】
支柱ユニット12及び16の各々が支持位置に位置付けられて載置面に載置されたスラブ型枠ユニット2において、スラブ型枠ユニット2を平面から見て、したがって、支持枠8を平面から見て、支持枠8を除く支持枠ユニット4の全ての構成部材は、支持枠8の矩形周面を越えて外側に突出しないよう配置されている。したがって、このスラブ型枠ユニット2を複数個、相互に該水平縦方向及び該水平横方向に相互に並列して載置面に載置し、相互に分離自在に連結することにより、スラブ型枠面を容易に形成することが可能になる。
【0035】
更に具体的に説明すると、図28及び図29には、4個のスラブ型枠ユニット2A、2B、2C及び2Dを並列することにより、スラブ型枠面が形成された実施形態が示されている。図示の実施形態において、スラブ型枠ユニット2Aと2B、及びスラブ型枠ユニット2Cと2Dは、それぞれ、各々の支持枠8における片方の端フレーム32の該水平縦方向外面同士が相互に隣接するよう並列され、相互に整合された連結穴32a(図1参照)を利用して、ボルト&ナット70により分離自在に締結されている。また、スラブ型枠ユニット2Aと2C、及びスラブ型枠ユニット2Bと2Dは、それぞれ、各々の支持枠8における片方の側フレーム30の該水平横方向外面同士が相互に隣接するよう並列され、相互に整合された連結穴30a(図1参照)を利用して、ボルト&ナット70により分離自在に締結されている。その結果、スラブ型枠ユニット2A〜2Dの型枠平板6の各々の上面により、水平な矩形状のスラブ型枠面が形成される。このようにして、スラブ型枠ユニット2を、該水平縦方向及び該水平横方向に並列して相互に分離自在に連結することにより、スラブ型枠面を容易に拡大することができる。
【0036】
スラブ型枠ユニット2の各々において、支柱ユニット12及び16における連結ロッド部材38の各々は、支柱ユニット12及び16の強度を向上させることに加えて、これらをはしごとして利用できるので、施工現場における作業性の向上にも寄与する。また、図18に示すように、スラブ型枠ユニット2のジャッキ部材11A及び15Aの各々の基板11a及び15aの下面側に、キャスタ72をそれぞれ分離自在に装着することにより、スラブ型枠ユニット2を移動可能な棚あるいは移動可能な作業台として利用することができる。
【0037】
以上のようにして形成されたスラブ型枠面上に、周知のとおりにしてコンクリートが打設されることにより、スラブ型枠面上にコンクリートスラブが形成される。所定の養生期間が経過した後、スラブ型枠ユニット2の各々の脱型を行う。この脱型は、スラブ型枠ユニット2の各々におけるジャッキ部材11A及び15Aを回転させる操作により、支柱10及び14の各々の長さを実質的に短縮して、載置面からスラブ型枠ユニット2の各々における型枠平板6の上面までの高さを低くすることにより、容易かつ確実に行うことができる。
【0038】
上記説明から明らかなように、本発明に係るスラブ型枠ユニット2及び支持枠ユニット4は、設置時間が短くかつ脱型が容易であり、しかも、全体として、部品点数が少なく、構成が簡単で低コストで製造することを可能にする。
【0039】
ブレース20及び22の各々が折畳位置に位置付けられかつ、片方の支柱ユニット12が折畳位置に位置付けられた状態で、他方の支柱ユニット16が折畳位置に位置付けられると、他方の支柱ユニット12及び他方の支柱ユニット16におけるブレース22の各々は、片方の支柱ユニット12の下側を、支持枠8の該下面に沿って該水平縦方向に延在する。
【0040】
図15〜図17を参照して、スラブ型枠ユニット2及び支持枠ユニット4の折り畳みについて、更に具体的に説明する。先ず、支柱ユニット12及び16におけるブレース20及び22の各々の他端部とブレース連結フレーム62の各々との連結をそれぞれ解除して、ブレース20及び22の各々を、それぞれ、支柱10及び14の各々の該中間に配設されたブレース支持フレーム60の各々まわりに回動させて、支柱10及び14の各々の下方領域における該対向側の面に沿って延在して、ブレース20及び22の各々の他端部が、それぞれ、支柱10及び14の各々の下端部に重合される折畳位置に位置付ける。ブレース20及び22の各々は、ブレース20及び22の各々が折畳位置に位置付けられたとき、ブレース20及び22の各々の先端が、それぞれ、支柱10及び14の各々の下端を越えない長さを有している。この構成は、支柱ユニット12及び16の折畳時におけるコンパクト化に寄与する。
【0041】
続いて、片方の支柱ユニット12を上記回動軸線L1まわりに回動させて折畳位置に位置付ける(図16及び図17参照)。その結果、片方の支柱ユニット12におけるブレース20の各々は、それぞれ、他方のブレース連結フレーム62(図16及び図17において左方に位置するブレース連結フレーム62)の各々のU形溝内に分離自在に挿入される。また、片方の支柱ユニット12における片方のブレース支持フレーム60の各々は、それぞれ、支持枠8の側フレーム30の各々における下面直下に、ほとんど隙間無く位置付けられ、片方の支柱ユニット12における支柱10の各々は、それぞれ、片方のブレース連結フレーム62(図16及び図17において右方に位置するブレース連結フレーム62)の各々の直下を、ほとんど隙間無く延在するよう位置付けられる。
【0042】
更に、他方の支柱ユニット16を上記回動軸線L2まわりに回動させて折畳位置に位置付ける(図16及び図17参照)。他方の支柱ユニット16が折畳位置に位置付けられると、他方の支柱ユニット16におけるブレース22の各々及び他方のブレース支持フレーム60の各々は、それぞれ、片方の支柱ユニット12における支柱10の各々の直下に、ほとんど隙間無く位置付けられる。支柱ユニット12及び16の各々は、支持枠8の下面の直下において、順次に、それぞれ、ほとんど隙間無く位置付けられるので、スラブ型枠ユニット2は、ほぼ最小限の厚さに折り畳まれる。
【0043】
上記説明から明らかなように、本発明に係るスラブ型枠ユニット2及び支持枠ユニット4は、比較的軽量であり、コンパクトな形状に折り畳むことが可能であり、建設現場における狭い空間での機動的な小運搬が容易であると共に、保管及び輸送スペースを少なくし、保管及び輸送費用が安くする。
【0044】
図15〜図17において、支柱10及び14の各々の下端部にそれぞれねじ結合されたジャッキ部材11a及び15aの図示は省略されているが、上記した支柱ユニット12及び16の各々の折畳動作は、ジャッキ部材11a及び15が支柱10及び14の下端部に装着された状態で行われる。支柱ユニット12及び16の各々を折り畳むに際しては、ジャッキ部材11a及び15の各々を、支柱10及び14の各々の下端に対し、ほぼ最大限ねじ込んで、支柱10及び14の各々の下端からの突出量をほぼ最少にしておけばよい。その結果、支柱10及び14の各々の全長が実質的にほぼ最少となるので、支柱ユニット12及び16の各々を折り畳んだときに、ジャッキ部材11a及び15の各々の基板11a及び15aの各々が、支柱支持フレーム40及び50の各々に、それぞれ干渉することが防止される。
【0045】
次に本発明によるスラブ型枠ユニットの他の実施形態について説明する。図19〜図22を参照して、スラブ型枠ユニット80は、支持枠ユニット82と、スラブ型枠84とを備えている。
【0046】
支持枠ユニット82において、支持枠8における補助横フレーム34及び補助縦フレーム36の各々における複数の箇所には、支持枠8の該上面が水平に位置付けられた状態で、補助横フレーム34及び補助縦フレーム36の各々に直交しかつ水平方向の軸線を有する取付穴34a(図23参照)及び36a(図22参照)が、それぞれ複数個形成されている。そして、補助横フレーム34及び補助縦フレーム36の各々における、取付穴34a及び36aが形成された該複数の箇所には、それぞれ、補助横フレーム34及び補助縦フレーム36の各々の上面と協働して上方に開放された、実質的にU形状をなすスラブ型枠取付溝86が配設されている。図20に示されているように、図示の実施形態において、スラブ型枠取付溝86は、補助横フレーム34において10箇所、補助縦フレーム36において4箇所に配設されている。
【0047】
図23及び図24をも参照して、支持枠8の該上面が水平に位置付けられた状態で、支持枠8におけるスラブ型枠取付溝86の各々は、対応する補助横フレーム34及び補助縦フレーム36を水平方向に挟んで相互に水平方向に対向しかつ、対応する補助横フレーム34及び補助縦フレーム36の該上面から鉛直上方に延び出す一対の取付板88であって、それぞれ、鉛直方向に長い長方形の平板本体88aと、平板本体88aの上端から相互に離隔する方向に平板本体88aに対し直角に延びる上端フランジ88bとからなる一対の取付板88と、対応する補助横フレーム34及び補助縦フレーム36の該上面とにより形成される。取付板88の各対において、平板本体88aの各々には鉛直に延在する長穴88cが形成されている。取付板88の各対は、対応する補助横フレーム34及び補助縦フレーム36の該上面から鉛直上方に延び出す高さが実質的に同じとなるよう、長穴88cの各々が、対応する補助横フレーム34及び補助縦フレーム36に形成された取付穴34a及び36aにそれぞれ整合されてボルト&ナット89により、対応する補助横フレーム34及び補助縦フレーム36に分離自在に締結される。
【0048】
図19〜図22を参照して、スラブ型枠84は、支持枠ユニット82の支持枠8における一対の側フレーム30、一対の端フレーム32、補助横フレーム34及び補助縦フレーム36の各々に対応して配列されかつ、実質的に同一平面上に位置付けられた上面と該上面に平行な、実質的に同一平面上に位置付けられた下面とを有する、一対の型枠側フレーム90、一対の型枠端フレーム92、型枠補助横フレーム94及び型枠補助縦フレーム96を備えた型枠支持フレーム98と、該上面により規定される型枠支持フレーム98の上面に載置・連結される1個の型枠平板6とを備えている。型枠支持フレーム98の下面は、一対の型枠側フレーム90、一対の型枠端フレーム92、型枠補助横フレーム94及び型枠補助縦フレーム96の各々の該下面により規定される。型枠側フレーム90、型枠端フレーム92、型枠補助横フレーム94及び型枠補助縦フレーム96の各々は、それぞれ、横断面が矩形の木材から形成されているが、角パイプから形成する実施形態もある。スラブ型枠84の平面形状は、支持枠ユニット82の支持枠8の平面形状に実質的に整合するよう形成されている。型枠補助横フレーム94及び型枠補助縦フレーム96の各々には、支持枠8の取付板88の各対に形成された長穴88cの各々に対応して、それぞれ取付穴94a及び96aが形成されている。
【0049】
支持枠ユニット82の上記スラブ型枠取付溝86の各々を構成する取付板88の各対の該高さは、型枠支持フレーム98の該下面から型枠支持フレーム98の該上面までの高さと実質的に同じに設定されている。
【0050】
図19、図22、図23及び図24を参照して、支持枠8の該上面が水平に位置付けられた状態で、型枠支持フレーム98を、支持枠8の該上面に載置して、型枠支持フレーム98における型枠補助横フレーム94及び型枠補助縦フレーム96の各々を、支持枠8のスラブ型枠取付溝86に分離自在に嵌合させることにより、スラブ型枠84は、支持枠8の該上面に分離自在にかつ該水平縦方向及び該水平横方向への移動が規制されて保持される。この状態で、スラブ型枠ユニット80が構成されるが、図25及び図26に示されているように、型枠補助横フレーム94及び型枠補助縦フレーム96の各々を、スラブ型枠取付溝86の各々を構成する取付板88の各対の長穴88cにそれぞれ整合された取付穴94a及び96aを利用して、それぞれ、ボルト&ナット99により取付板88の各対に締結してもよい。
【0051】
図19を参照して、支柱10の長さを調整しうる長さ調整手段100は、支柱10の下端部に嵌合されて連結手段により複数の長手方向位置を選択して相互に分離自在に連結される補助支柱102と、補助支柱102の下端部に配設された長さ調整手段11とを備えている。長さ調整手段11は、先に述べたとおりの構成を有しているので、実質的に同一部分には同一符号を付し、説明は省略する。支柱10の下端部には複数の連結穴10aが形成され、補助支柱102の長手方向中央から上の領域には、連結穴10aに対応して複数の連結穴102aが形成されている。補助支柱102は、支柱10の下端部に嵌合され、相互に整合された一対の連結穴10a及び102aに図示しない連結ピンが挿入されることにより、支柱10の下端部にほぼワンタッチで分離自在に連結される。補助支柱102と支柱10との連結は、先に述べた連結手段である、連結ピン67及び抜け止めピン68(図11参照)を利用することでよい。支柱10の下端部に対する補助支柱102の連結位置を変えること及びジャッキ部材11Aの、支柱10の下端からの突出量を代えることによって、支柱10の長さを比較的大きく及び小さく調整することができる。
【0052】
支柱10の各々の長さ調整手段100は、相互に実質的に同じ構成を有している。支柱14の各々の長さ調整手段104は、支柱10の下端部に嵌合されて連結手段により複数の長手方向位置を選択して相互に分離自在に連結される補助支柱106と、補助支柱106の下端部に配設された長さ調整手段15とを備えている。長さ調整手段15は、先に述べたとおりの構成を有しているので、実質的に同一部分には同一符号を付し、説明は省略する。長さ調整手段104は、上記長さ調整手段100と実質的に同じ構成を有しているので、長さ調整手段100に対応する部分には対応する符号を付し、説明は省略する。スラブ型枠ユニット80の支持枠ユニット82における長さ調整手段は、スラブ型枠ユニット2の支持枠ユニット4に使用されている長さ調整手段11及び15のみを使用してもよい。同様に、スラブ型枠ユニット2の支持枠ユニット4における長さ調整手段は、スラブ型枠ユニット80の支持枠ユニット82に使用されている長さ調整手段100及び104を使用してもよい。
【0053】
上記スラブ型枠ユニット80は、先に述べたスラブ型枠ユニット2における支持枠ユニット4に、取付板88の対を複数対装着することにより、複数のスラブ型枠取付溝86を形成して支持枠ユニット82を形成し、スラブ型枠84を上方から落とし込むことにより構成されるので、幾つかの材料からなるスラブ型枠84を用意しておけば、それらを適宜に選定して装着することが容易に可能になる。スラブ型枠ユニット80は、先に述べたスラブ型枠ユニット2と実質的に同じ構成を含んでいるので、スラブ型枠ユニット2と実質的に同じ作用効果を達成することができる。
【0054】
図27には、本発明によるスラブ型枠ユニットの更に他の実施形態が示されている。図示のスラブ型枠ユニット120は、上記スラブ型枠ユニット80の支持枠ユニット82と、スラブ型枠122とを備えている。スラブ型枠122は、支持枠ユニット82の支持枠8における補助横フレーム34及び補助縦フレーム36の各々に対応して配列されかつ、実質的に同一平面上に位置付けられた上面と該上面に平行な、実質的に同一平面上に位置付けられた下面とを有する、型枠補助横フレーム124及び型枠補助縦フレーム126を備えた型枠支持フレーム128と、該上面により規定される型枠支持フレーム128の上面に載置・連結される少なくとも1個の型枠平板6とを備えている。スラブ型枠122は、スラブ型枠84におけると実質的に同じとおりにして、支持枠ユニット82の支持枠8の上面に分離自在に装着される。このスラブ型枠ユニット120は、不定形なスラブに対応して適用することができる。
【0055】
図30及び図31には、4個のスラブ型枠ユニット2A、2B、2C及び2Dの各々間に形成された隙間に、2個の中間スラブ型枠130及び1個の中間スラブ型枠132を分離自在に介在させることにより、スラブ型枠面を形成する実施形態が示されている。図示の実施形態において、スラブ型枠ユニット2Aと2Cの支持枠8間、及びスラブ型枠ユニット2Bと2Dの支持枠8間には、それぞれ、中間スラブ型枠130が分離自在に介在されている。また、スラブ型枠ユニット2Aの支持枠8と中間スラブ型枠130とスラブ型枠ユニット2Cの支持枠8の組立体と、スラブ型枠ユニット2Bの支持枠8と中間スラブ型枠132とスラブ型枠ユニット2Dの支持枠8の組立体との間には、中間スラブ型枠132が分離自在に介在されている。中間スラブ型枠130の各々及び132の基本的な構成及び介在手段は、実質的に同じであるので、以下、中間スラブ型枠132及びその介在手段について説明する。
【0056】
中間スラブ型枠132は、図30及び図34から容易に理解されるように、相互に平行に延在する一対の側フレーム134と、側フレーム134の長手方向両端間に間隔をおいて側フレーム134の各々間を延在しかつ両端が側フレーム134の各々に固着された複数の横フレーム136と、側フレーム134及び横フレーム136の各々の上端を覆うよう固着された型枠平板138とから構成されている。側フレーム134及び横フレーム136の各々は横断面が矩形状の角材、実施形態においては木製の角材からなる。中間スラブ型枠132は、細長い矩形平面形状を有している。側フレーム134及び横フレーム136の下面は、型枠平板138と平行な、実質的に同一平面上に位置付けられている。
【0057】
スラブ型枠ユニット2C及び2Dの支持枠8において、相互に対向する端フレーム32の対向面、及び、スラブ型枠ユニット2A及び2Bの支持枠8において、相互に対向する端フレーム32の対向面には、端フレーム32の各々に形成された連結穴32a(図1参照)を利用して、先に述べた取付板88(図23及び図24参照)が、上端フランジ88bを上にして、それぞれボルト&ナット140により分離自在に締結されている。図32及び図33には、スラブ型枠ユニット2C及び2Dの支持枠8において、相互に対向する端フレーム32の対向面にそれぞれ取り付けられた取付板88が図示されている。支持枠8の各々における型枠平板6の上面から、取付板88の各々の上端フランジ88bの上面までの距離は、中間スラブ型枠132の高さ(厚さ)に対応するよう、長穴88cを利用して容易に調整可能である。取付板88の上端フランジ88bの上面は、実質的に同一平面上に位置付けられる。
【0058】
上記中間スラブ型枠132は、スラブ型枠ユニット2C及び2Dの支持枠8において、相互に対向する端フレーム32間の隙間、及び、スラブ型枠ユニット2A及び2Bの支持枠8において、相互に対向する端フレーム32間の隙間に上方から嵌合される。中間スラブ型枠132は、側フレーム134の各々の下面が、取付板88の各々における上端フランジ88bの上面に載置されることにより、該隙間を実質的に閉塞するように保持される。上記中間スラブ型枠130の各々も、実質的に同様にして、スラブ型枠ユニット2A及び2Cの支持枠8において、相互に対向する側フレーム32間の隙間、及び、スラブ型枠ユニット2B及び2Dの支持枠8において、相互に対向する側フレーム32間の隙間に上方から嵌合される。中間スラブ型枠130の各々は、側フレーム134の各々の下面が、該側フレーム30の各々の対向面に取り付けられた取付板88の各々の上端フランジ88bの上面に載置されることにより、該隙間を実質的に閉塞するように保持される。スラブ型枠ユニット2A〜2Dの各々の型枠平板6及び中間スラブ型枠130及び132の各々の型枠平板138は、実質的に同一水平面上に位置付けられてスラブ型枠面が形成される。
【0059】
図35及び図36には、図32及び図33に対応して、2個のスラブ型枠ユニット80C及び80Dにおけるスラブ型枠84の各々間に形成された隙間に、1個の中間スラブ型枠132を分離自在に介在させることにより、スラブ型枠面を形成する実施形態が示されている。この実施形態において、取付板88の各々は、各々の上端フランジ88bの上面が、支持枠8の上面と実質的に同一水平面上に位置付けられるよう、支持枠8の各々における端フレーム32にそれぞれ2個のボルト&ナット140により締結されている。その他の構成は、図32及び図33に示す構成と実質的に同じである。
【0060】
このように、本発明によるスラブ型枠ユニット2及び80を利用することにより、スラブ型枠ユニット2の各々間及びスラブ型枠ユニット80の各々間に生じた隙間を容易に閉塞して、連続したスラブ型枠面を容易に形成することができる。(支持枠ユニット4及び82)
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明によるスラブ型枠ユニットの実施形態を示す斜視図であって、一部を分解して示す斜視図である。
【図2】図1に示すスラブ型枠ユニットを、分解しないで示す正面図である。
【図3】図2に示すスラブ型枠ユニットを、図2において左方から見た側面図である。
【図4】図2に示すスラブ型枠ユニットを、型枠平板の一部を除去して示す平面図である。
【図5】図2に示すスラブ型枠ユニットの平面図である。
【図6】図2のA部拡大図である。
【図7】図6のB矢視図である。
【図8】図6の平面図である。
【図9】図2のC部拡大図である。
【図10】図9のD矢視図である。
【図11】図2において左側におけるブレースの取り付け部の構成を、分解しかつ拡大して示す図である。
【図12】図11のE矢視図であって、支柱とブレース支持フレームのみを示すE矢視図である。
【図13】図11のF矢視図であって、側フレームとブレース連結フレームのみを示すF矢視図である。
【図14】図2に示すスラブ型枠ユニットの支持枠ユニットにおいて、ジャッキ部材を取り外した状態を示す正面図である。
【図15】図14に示す支持枠ユニットにおいて、支柱ユニット及びブレースを折り畳む作用の状態を示す図である。
【図16】図14に示す支持枠ユニットにおいて、支柱ユニットが支持位置に位置付けられた状態と、支柱ユニット及びブレースを折り畳んだ状態とを示す図である。
【図17】図14に示す支持枠ユニットにおいて、支柱ユニット及びブレースを折り畳んだ状態を示す図である。
【図18】図1に示すスラブ型枠ユニットにキャスタを装着した状態を示す斜視図であって、一部を断面にして示す斜視図である。
【図19】本発明によるスラブ型枠ユニットの他の実施形態を示す斜視図であって、一部を分解して示す斜視図である。
【図20】図19に示すスラブ型枠ユニットにおける支持枠ユニットの平面図である。
【図21】図19に示すスラブ型枠ユニットの平面図であって、型枠平板の一部及び取付板を除去して示す平面図である。
【図22】図19に示すスラブ型枠ユニットの上端部を分解しかつ一部を断面にして示す正面図である。
【図23】図22に示すスラブ型枠ユニットの一部を拡大して示す分解図である。
【図24】図23のG矢視図である。
【図25】図23に示す構成部材の組付け図である。
【図26】図25のH−H矢視断面図である。
【図27】本発明によるスラブ型枠ユニットの更に他の実施形態を示す斜視図であって、一部を分解して示す斜視図である。
【図28】図2に示すスラブ型枠ユニットを4個並列して連結した状態を正面から見た図である。
【図29】図28に示すスラブ型枠ユニットの連結状態を示す平面図であって、型枠平板の一部を除去して示す平面図である。
【図30】図2に示すスラブ型枠ユニットを、それぞれ、中間スラブ型枠を介して4個並列して連結した状態を示す平面図であって、型枠平板の一部を除去して示す平面図である。
【図31】図30の正面図であって、中間スラブ型枠の一部を分解して示す正面図である。
【図32】図31の一部を拡大して示す図である。
【図33】図32のJ矢視図である。
【図34】図32に示す中間スラブ型枠の斜視図である。
【図35】図19に示すスラブ型枠ユニットの対と、中間スラブ型枠との連結構成を説明するための断面図であって、図32に対応する図である。
【図36】図35のK矢視図である。
【符号の説明】
【0062】
2、80:スラブ型枠ユニット
4、82:支持枠ユニット
6:型枠平板
8:支持枠
10、14:支柱
11、15:長さ調整手段
11a、15a:ジャッキ部材
12、16:支柱ユニット
20、22:ブレース
84:スラブ型枠
98:型枠支持フレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面矩形状をなしかつ、実質的に同一平面上に位置付けられた上面及び該上面に平行な、実質的に同一平面上に位置付けられた下面を有する支持枠と、支持枠の水平縦方向両端部の下面側においてそれぞれ該両端部に沿って相互に平行に水平横方向に延在する回動軸線まわりを回動可能に配設されかつ該水平横方向に間隔をおいて相互に平行に延在する一対の支柱をそれぞれ含む一対の支柱ユニットと、支柱の各々の下端部に配設されて支柱の各々の長さを実質的に調整しうる長さ調整手段と、支柱の各々と支持枠とを連結するためのブレースとを備えた支持枠ユニットと;支持枠の上面側に取り付けられるスラブ型枠と;を備え、
支柱ユニットの各々は、支持枠の下面に沿って延在する折畳位置と、支持枠の下面に対し垂直に下方に延びる支持位置との間を、対応する該軸線まわりを回動可能であり、ブレースの各々は、各々の一端部が、支持位置に位置付けられた支柱ユニットの各々間で対向する支柱の各々の長手方向中間における対向面側にそれぞれ回動可能に支持されかつ、支柱の各々の該中間から下方領域における対向面に沿って延在する折畳位置と、各々の他端部が、支持枠の該水平横方向両側部の下面側にそれぞれ分離自在に連結される作用位置との間を回動可能であり、ブレースの各々が作用位置に位置付けられると、支柱ユニットの各々は支持位置に位置付けられる、
ことを特徴とするスラブ型枠ユニット。
【請求項2】
支持枠の該下面から片方の支柱ユニットにおける該軸線までの下方への垂直距離は、他方の支柱ユニットにおける該軸線までの該垂直距離よりも短く規定され、ブレースの各々が折畳位置に位置付けられかつ、片方の支柱ユニットが折畳位置に位置付けられた状態で、他方の支柱ユニットが折畳位置に位置付けられると、他方の支柱ユニット及び他方の支柱ユニットにおけるブレースの各々は、片方の支柱ユニットの下側を、支持枠の該下面に沿って該水平縦方向に延在する、請求項1記載のスラブ型枠ユニット。
【請求項3】
支柱ユニットの各々は、支柱ユニットの各々における支柱の各々間を、支柱の各々の長手方向に間隔をおいて相互に平行にかつ支柱の各々に対して直角に延在しかつ、両端がそれぞれ対応する支柱に固着された複数の連結ロッド部材を備えている、請求項1又は請求項2記載のスラブ型枠ユニット。
【請求項4】
長さ調整手段の各々は、支柱の各々の下端部にねじ結合されたジャッキ部材を備えている、又は、支柱の各々の下端部に嵌合されて連結手段により複数の長手方向位置を選択して相互に分離自在に連結される補助支柱と、補助支柱の各々の下端部にねじ結合されたジャッキ部材とを備えている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスラブ型枠ユニット。
【請求項5】
支持枠は、該水平横方向に間隔をおいて該水平縦方向に平行に延在する一対の側フレームと、側フレームの各々の該水平縦方向における両端部間を該水平横方向に延在する一対の端フレームと、端フレームの各々間において、該水平縦方向に相互に間隔をおいて端フレームの各々に平行に側フレームの各々間を延在する複数の補助横フレームと、側フレームの各々間において、側フレームの各々に平行に実質的に端フレームの各々間を延在するよう、少なくとも1列に配設された複数の補助縦フレームとを備え、側フレーム、端フレーム、補助横フレーム及び補助縦フレームの各々は、角パイプから形成されかつ、各々の上面は、支持枠の該上面を規定し、側フレーム及び端フレームの各々の下面は、支持枠の該下面を規定する、請求項2〜4のいずれか1項に記載のスラブ型枠ユニット。
【請求項6】
側フレーム及び端フレームの各々には、支持枠の該上面が水平に位置付けられた状態で、側フレーム及び端フレームの各々に直交しかつ水平方向の軸線を有する連結穴がそれぞれ複数個形成されている、請求項5記載のスラブ型枠ユニット。
【請求項7】
支持枠の側フレーム及び端フレームの各々は、支持枠の矩形周縁フレームを規定し、片方の支柱ユニットにおける支柱の各々は、それぞれ、該周縁フレームの該水平縦方向一端部における2つの角部の下面にそれぞれ配設された片方の支柱支持フレームに回動可能に支持され、他方の支柱ユニットにおける支柱の各々は、それぞれ、該周縁フレームの該水平縦方向他端部における2つの角部の下面にそれぞれ配設された他方の支柱支持フレームに回動可能に支持され、片方の支柱ユニットにおけるブレースの各々の一端部は、片方の支柱ユニットにおける支柱の各々の長手方向中間における該対向側の面にそれぞれ配設された片方のブレース支持フレームに、それぞれ回動可能に支持されかつ他端部は、側フレームの各々の該水平縦方向の中央よりも該水平縦方向の一端寄りの位置における下面にそれぞれ配設された片方のブレース連結フレームに、それぞれ分離自在に連結可能であり、他方の支柱ユニットにおけるブレースの各々の一端部は、他方の支柱ユニットにおける支柱の各々の長手方向中間における該対向側の面にそれぞれ配設された他方のブレース支持フレームに、それぞれ回動可能に支持されかつ他端部は、側フレームの各々の該水平縦方向の中央よりも該水平縦方向の他端寄りの位置における下面にそれぞれ配設された他方のブレース連結フレームに、それぞれ分離自在に連結可能である、請求項5又は請求項6記載のスラブ型枠ユニット。
【請求項8】
片方及び他方の支柱ユニットにおけるブレースの各々の他端部と片方及び他方のブレース連結フレームの各々とがそれぞれ連結されて、ブレースの各々が作用位置に位置付けられると、片方及び他方の支柱ユニットはそれぞれ支持位置に位置付けられる、請求項7記載のスラブ型枠ユニット。
【請求項9】
他方のブレース連結フレームの各々は、下方に開放されたU形溝を備えており、片方及び他方の支柱ユニットにおけるブレースの各々の他端部と片方及び他方のブレース連結フレームの各々との連結がそれぞれ解除されて、該ブレースの各々が、それぞれ、支柱の各々の該中間に配設されたブレース支持フレームの各々から下方領域における該対向側の面に沿って延在して、該ブレースの各々の他端部が、それぞれ、支柱の各々の下端部に重合される折畳位置に位置付けられかつ、片方の支柱ユニットが折畳位置に位置付けられると、片方の支柱ユニットにおけるブレースの各々は、それぞれ、他方のブレース連結フレームの各々のU形溝内に分離自在に挿入され、片方のブレース支持フレームの各々は、それぞれ、側フレームの各々における下面直下に位置付けられ、片方の支柱ユニットにおける支柱の各々は、それぞれ、片方のブレース連結フレームの各々の直下を延在するよう位置付けられる、請求項7記載のスラブ型枠ユニット。
【請求項10】
更に、他方の支柱ユニットが折畳位置に位置付けられると、他方の支柱ユニットにおけるブレースの各々及び他方のブレース支持フレームの各々は、それぞれ、片方の支柱ユニットにおける支柱の各々の直下に位置付けられる、請求項9記載のスラブ型枠ユニット。
【請求項11】
支持枠を平面から見て、支持枠を除く支持枠ユニットの全ての構成部材は、支持枠の周面を越えて外側に突出しないよう配置される、請求項5〜10のいずれか1項に記載のスラブ型枠ユニット。
【請求項12】
スラブ型枠は、1個の矩形状の型枠平板から構成されると共に支持枠の該上面に載置されて支持枠に連結される、請求項1〜11のいずれか1項に記載のスラブ型枠ユニット。
【請求項13】
補助横フレーム及び補助縦フレームの各々における複数の箇所には、支持枠の該上面が水平に位置付けられた状態で、補助横フレーム及び補助縦フレームの各々に直交しかつ水平方向の軸線を有する取付穴が形成されると共に、補助横フレーム及び補助縦フレームの各々における、取付穴が形成された該複数の箇所には、それぞれ、補助横フレーム及び補助縦フレームの各々の上面と協働して上方に開放された、実質的にU形状をなすスラブ型枠取付溝が配設され、
スラブ型枠は、支持枠における一対の側フレーム、一対の端フレーム、補助横フレーム及び補助縦フレームの各々に対応して配列されかつ、実質的に同一平面上に位置付けられた上面と該上面に平行な、実質的に同一平面上に位置付けられた下面とを有する、一対の型枠側フレーム、一対の型枠端フレーム、型枠補助横フレーム及び型枠補助縦フレームを備えた型枠支持フレームと、該上面により規定される型枠支持フレームの上面に載置・連結される1個の型枠平板とを備え、支持枠の該上面が水平に位置付けられた状態で、型枠支持フレームを、支持枠の該上面に載置して、型枠支持フレームにおける型枠補助横フレーム及び型枠補助縦フレームの各々を、支持枠のスラブ型枠取付溝に分離自在に嵌合させることにより、スラブ型枠は、支持枠の該上面に分離自在にかつ該水平縦方向及び該水平横方向への移動が規制されて保持される、請求項5〜11のいずれか1項に記載のスラブ型枠ユニット。
【請求項14】
支持枠の該上面が水平に位置付けられた状態で、支持枠におけるスラブ型枠取付溝の各々は、対応する補助横フレーム及び補助縦フレームを水平方向に挟んで相互に水平方向に対向しかつ、対応する補助横フレーム及び補助縦フレームの該上面から鉛直上方に延び出す一対の取付板であって、それぞれ、鉛直方向に長い長方形の平板本体と、平板本体の上端から相互に離隔する方向に平板本体に対し直角に延びる上端フランジとからなる一対の取付板と、対応する補助横フレーム及び補助縦フレームの該上面とにより形成され、取付板の各対において、平板本体の各々には鉛直に延在する長穴が形成され、取付板の各対は、対応する補助横フレーム及び補助縦フレームの該上面から鉛直上方に延び出す高さが実質的に同じとなるよう、長穴の各々が、対応する補助横フレーム及び補助縦フレームに形成された取付穴に整合されてボルト&ナットにより、対応する補助横フレーム及び補助縦フレームに分離自在に締結され、取付板の各対の該高さは、型枠支持フレームにおける一対の型枠側フレーム、一対の型枠端フレーム、型枠補助横フレーム及び型枠補助縦フレームの該下面により規定される型枠支持フレームの下面から型枠支持フレームの該上面までの高さと実質的に同じである、請求項13記載のスラブ型枠ユニット。
【請求項15】
平面矩形状をなしかつ、実質的に同一平面上に位置付けられた上面及び該上面に平行な、実質的に同一平面上に位置付けられた下面を有する支持枠であって、上面側にスラブ型枠が取り付けられる支持枠と、支持枠の水平縦方向両端部の下面側においてそれぞれ該両端部に沿って相互に平行に水平横方向に延在する回動軸線まわりを回動可能に配設されかつ該水平横方向に間隔をおいて相互に平行に延在する一対の支柱をそれぞれ含む一対の支柱ユニットと、支柱の各々の下端部に配設されて支柱の各々の長さを実質的に調整しうる長さ調整手段と、支柱の各々と支持枠とを連結するためのブレースとを備え、
支柱ユニットの各々は、支持枠の下面に沿って延在する折畳位置と、支持枠の下面に対し垂直に下方に延びる支持位置との間を、対応する該軸線まわりを回動可能であり、ブレースの各々は、各々の一端部が、支持位置に位置付けられた支柱ユニットの各々間で対向する支柱の各々の長手方向中間における対向面側にそれぞれ回動可能に支持されかつ、支柱の各々の該中間から下方領域における対向面に沿って延在する折畳位置と、各々の他端部が、支持枠の該水平横方向両側部の下面側にそれぞれ分離自在に連結される作用位置との間を回動可能であり、ブレースの各々が作用位置に位置付けられると、支柱ユニットの各々は支持位置に位置付けられる、
ことを特徴とする支持枠ユニット。
【請求項16】
支持枠の該下面から片方の支柱ユニットにおける該軸線までの下方への垂直距離は、他方の支柱ユニットにおける該軸線までの該垂直距離よりも短く規定され、ブレースの各々が折畳位置に位置付けられかつ、片方の支柱ユニットが折畳位置に位置付けられた状態で、他方の支柱ユニットが折畳位置に位置付けられると、他方の支柱ユニット及び他方の支柱ユニットにおけるブレースの各々は、片方の支柱ユニットの下側を、支持枠の該下面に沿って該水平縦方向に延在する、請求項15載の支持枠ユニット。
【請求項17】
支柱ユニットの各々は、支柱ユニットの各々における支柱の各々間を、支柱の各々の長手方向に間隔をおいて相互に平行にかつ支柱の各々に対して直角に延在しかつ、両端がそれぞれ対応する支柱に固着された複数の連結ロッド部材を備えている、請求項15又は請求項16記載の支持枠ユニット。
【請求項18】
長さ調整手段の各々は、支柱の各々の下端部にねじ結合されたジャッキ部材を備えている、又は、支柱の各々の下端部に嵌合されて連結手段により複数の長手方向位置を選択して相互に分離自在に連結される補助支柱と、補助支柱の各々の下端部にねじ結合されたジャッキ部材とを備えている、請求項15〜17のいずれか1項に記載の支持枠ユニット。
【請求項19】
支持枠は、該水平横方向に間隔をおいて該水平縦方向に平行に延在する一対の側フレームと、側フレームの各々の該水平縦方向における両端部間を該水平横方向に延在する一対の端フレームと、端フレームの各々間において、該水平縦方向に相互に間隔をおいて端フレームの各々に平行に側フレームの各々間を延在する複数の補助横フレームと、側フレームの各々間において、側フレームの各々に平行に実質的に端フレームの各々間を延在するよう、少なくとも1列に配設された複数の補助縦フレームとを備え、側フレーム、端フレーム、補助横フレーム及び補助縦フレームの各々は、角パイプから形成されかつ、各々の上面は、支持枠の該上面を規定し、側フレーム及び端フレームの各々の下面は、支持枠の該下面を規定する、請求項16〜18のいずれか1項に記載の支持枠ユニット。
【請求項20】
側フレーム及び端フレームの各々には、支持枠の該上面が水平に位置付けられた状態で、側フレーム及び端フレームの各々に直交しかつ水平方向の軸線を有する連結穴がそれぞれ複数個形成されている、請求項19記載の支持枠ユニット。
【請求項21】
支持枠の側フレーム及び端フレームの各々は、支持枠の矩形周縁フレームを規定し、片方の支柱ユニットにおける支柱の各々は、それぞれ、該周縁フレームの該水平縦方向一端部における2つの角部の下面にそれぞれ配設された片方の支柱支持フレームに回動可能に支持され、他方の支柱ユニットにおける支柱の各々は、それぞれ、該周縁フレームの該水平縦方向他端部における2つの角部の下面にそれぞれ配設された他方の支柱支持フレームに回動可能に支持され、片方の支柱ユニットにおけるブレースの各々の一端部は、片方の支柱ユニットにおける支柱の各々の長手方向中間における該対向側の面にそれぞれ配設された片方のブレース支持フレームに、それぞれ回動可能に支持されかつ他端部は、側フレームの各々の該水平縦方向の中央よりも該水平縦方向の一端寄りの位置における下面にそれぞれ配設された片方のブレース連結フレームに、それぞれ分離自在に連結可能であり、他方の支柱ユニットにおけるブレースの各々の一端部は、他方の支柱ユニットにおける支柱の各々の長手方向中間における該対向側の面にそれぞれ配設された他方のブレース支持フレームに、それぞれ回動可能に支持されかつ他端部は、側フレームの各々の該水平縦方向の中央よりも該水平縦方向の他端寄りの位置における下面にそれぞれ配設された他方のブレース連結フレームに、それぞれ分離自在に連結可能である、請求項19又は請求項20記載の支持枠ユニット。
【請求項22】
片方及び他方の支柱ユニットにおけるブレースの各々の他端部と片方及び他方のブレース連結フレームの各々とがそれぞれ連結されて、ブレースの各々が作用位置に位置付けられると、片方及び他方の支柱ユニットはそれぞれ支持位置に位置付けられる、請求項21記載の支持枠ユニット。
【請求項23】
他方のブレース連結フレームの各々は、下方に開放されたU形溝を備えており、片方及び他方の支柱ユニットにおけるブレースの各々の他端部と片方及び他方のブレース連結フレームの各々との連結がそれぞれ解除されて、該ブレースの各々が、それぞれ、支柱の各々の該中間に配設されたブレース支持フレームの各々から下方領域における該対向側の面に沿って延在して、該ブレースの各々の他端部が、それぞれ、支柱の各々の下端部に重合される折畳位置に位置付けられかつ、片方の支柱ユニットが折畳位置に位置付けられると、片方の支柱ユニットにおけるブレースの各々は、それぞれ、他方のブレース連結フレームの各々のU形溝内に分離自在に挿入され、片方のブレース支持フレームの各々は、それぞれ、側フレームの各々における下面直下に位置付けられ、片方の支柱ユニットにおける支柱の各々は、それぞれ、片方のブレース連結フレームの各々の直下を延在するよう位置付けられる、請求項21記載の支持枠ユニット。
【請求項24】
更に、他方の支柱ユニットが折畳位置に位置付けられると、他方の支柱ユニットにおけるブレースの各々及び他方のブレース支持フレームの各々は、それぞれ、片方の支柱ユニットにおける支柱の各々の直下に位置付けられる、請求項23記載の支持枠ユニット。
【請求項25】
支持枠を平面から見て、支持枠を除く全ての構成部材は、支持枠の周面を越えて外側に突出しないよう配置される、請求項19〜24のいずれか1項に記載の支持枠ユニット。
【請求項26】
補助横フレーム及び補助縦フレームの各々における複数の箇所には、支持枠の該上面が水平に位置付けられた状態で、補助横フレーム及び補助縦フレームの各々に直交しかつ水平方向の軸線を有する取付穴が形成されると共に、補助横フレーム及び補助縦フレームの各々における、取付穴が形成された該複数の箇所には、それぞれ、補助横フレーム及び補助縦フレームの各々の上面と協働して上方に開放された、実質的にU形状をなすスラブ型枠取付溝が配設され、
スラブ型枠は、支持枠における一対の側フレーム、一対の端フレーム、補助横フレーム及び補助縦フレームの各々に対応して配列されかつ、実質的に同一平面上に位置付けられた上面と該上面に平行な、実質的に同一平面上に位置付けられた下面とを有する、一対の型枠側フレーム、一対の型枠端フレーム、型枠補助横フレーム及び型枠補助縦フレームを備えた型枠支持フレームと、該上面により規定される型枠支持フレームの上面に載置・連結される1個の型枠平板とを備え、支持枠の該上面が水平に位置付けられた状態で、型枠支持フレームを、支持枠の該上面に載置して、型枠支持フレームにおける型枠補助横フレーム及び型枠補助縦フレームの各々を、支持枠のスラブ型枠取付溝に分離自在に嵌合させることにより、スラブ型枠は、支持枠の該上面に分離自在にかつ該水平縦方向及び該水平横方向への移動が規制されて保持される、請求項19〜25のいずれか1項に記載の支持枠ユニット。
【請求項27】
支持枠の該上面が水平に位置付けられた状態で、支持枠におけるスラブ型枠取付溝の各々は、対応する補助横フレーム及び補助縦フレームを水平方向に挟んで相互に水平方向に対向しかつ、対応する補助横フレーム及び補助縦フレームの該上面から鉛直上方に延び出す一対の取付板であって、それぞれ、鉛直方向に長い長方形の平板本体と、平板本体の上端から相互に離隔する方向に平板本体に対し直角に延びる上端フランジとからなる一対の取付板と、対応する補助横フレーム及び補助縦フレームの該上面とにより形成され、取付板の各対において、平板本体の各々には鉛直に延在する長穴が形成され、取付板の各対は、対応する補助横フレーム及び補助縦フレームの該上面から鉛直上方に延び出す高さが実質的に同じとなるよう、長穴の各々が、対応する補助横フレーム及び補助縦フレームに形成された取付穴に整合されてボルト&ナットにより、対応する補助横フレーム及び補助縦フレームに分離自在に締結され、取付板の各対の該高さは、型枠支持フレームにおける一対の型枠側フレーム、一対の型枠端フレーム、型枠補助横フレーム及び型枠補助縦フレームの該下面により規定される型枠支持フレームの下面から型枠支持フレームの該上面までの高さと実質的に同じである、請求項26記載の支持枠ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2006−183313(P2006−183313A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−377343(P2004−377343)
【出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【出願人】(399109735)日本立体駐車場開発株式会社 (5)
【Fターム(参考)】