説明

スラリー組成物の製造方法、スラリー組成物、樹脂組成物

【課題】高濃度であっても粘度が低く、分散性に優れ、高い汎用性で種々の樹脂組成物に適用できるスラリー組成物を簡易に得ることができる製造方法、この製造方法により得られたスラリー組成物、及び、このスラリー組成物を用いた樹脂組成物を提供する。
【解決手段】粉末形態の無機充填材が非極性溶媒中に分散してなるスラリー組成物を製造する方法であって、無機充填材を乾燥処理する工程の後に、該無機充填材を非極性溶媒中に分散させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スラリー組成物の製造方法、スラリー組成物、樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂とした樹脂組成物には、機械的特性、電気的特性、化学的特性などを付与するために、有機充填材、無機充填材などの充填材が配合されることが多い。
マトリックス樹脂にこれらの充填材を混合する方法としては、例えば、樹脂成分、充填材成分とも微粉砕した形態のものを用いて、これらを乾式混合する方法、これらを混練装置等により溶融混練して混合する方法、などが挙げられる。
また、溶媒を含有した液状形態の樹脂組成物の場合は、マトリックス樹脂を溶媒に溶解させた樹脂溶液を調製し、これに充填材を分散混合させる方法、充填材を溶媒に分散させたスラリー組成物を調製して、これを樹脂成分または樹脂溶液と混合する方法、などを適用することができる。
特に、充填材として多量の無機充填材を配合する場合には、有機成分であるマトリックス樹脂成分との混合性を高めるために、上記スラリー組成物を用いる方法が適用される。
【0003】
このようなスラリー組成物としては、例えば、略真球状の酸化物微粒子を有機溶剤に分散してなるフィラー含有スラリー組成物(例えば、特許文献1参照。)、フェノール樹脂で表面処理した略真球状の酸化物微粒子を用いたフィラー含有スラリー組成物(例えば、特許文献2参照。)のほか、カップリング剤で表面処理した無機充填材を用いる方法などが開示されている。
【特許文献1】特開2002−285003号公報
【特許文献2】特開2004−099829号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、無機充填材の含有量が多い樹脂組成物を調製する際にスラリー組成物を用いる場合は、樹脂組成物中の溶媒含有量の増加を抑えるために、無機充填材濃度が充分に高いスラリー組成物を用いることが要求される。
しかしながら、従来の上記手法により得られたスラリー組成物においては、無機充填材の濃度が高くなるのに伴い、スラリー組成物の粘度が大きく上昇し、樹脂成分との混合精度が低下したり、混合作業性が悪化したりするという問題があった。
また、スラリー組成物を調製する際に、特定の化合物で予め表面処理を施した無機充填材を用いる方法によると、適用できる樹脂組成物に制限があり、汎用性においても充分なものではないという問題があった。また、カップリング剤で表面処理した無機充填材を用いる方法によると、用いるカップリング剤と溶媒の種類とによっては、スラリー組成物がかえって高粘度化することがあった。
本発明は、このような背景を鑑み、高濃度であっても粘度が低く、分散性に優れ、高い汎用性で種々の樹脂組成物に適用できるスラリー組成物を簡易に得ることができる製造方法、この製造方法により得られたスラリー組成物、及び、このスラリー組成物を用いた樹脂組成物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような目的は、以下の本発明(1)〜(15)により達成される。
(1)粉末形態の無機充填材が非極性溶媒中に分散してなるスラリー組成物を製造する方法であって、無機充填材を乾燥処理する工程の後に、該無機充填材を非極性溶媒中に分散させる工程を有することを特徴とする、スラリー組成物の製造方法。
(2)無機充填材を乾燥処理する工程において、該無機充填材中に含有される水分量を、0.2重量%以下とする、上記(1)に記載のスラリー組成物の製造方法。
(3)無機充填材を非極性溶媒中に分散させる工程の前に、無機充填材を乾燥処理する工程とともに、無機充填材を除電処理する工程を有する、上記(1)又は(2)に記載のスラリー組成物の製造方法。
(4)粉末形態の無機充填材が非極性溶媒中に分散してなるスラリー組成物を製造する方法であって、含有される水分量が0.2重量%以下である無機充填材を非極性溶媒中に分散させる工程を有することを特徴とする、スラリー組成物の製造方法。
(5)無機充填材を非極性溶媒中に分散させる工程の前に、無機充填材を除電処理する工程を有する、上記(4)に記載のスラリー組成物の製造方法。
(6)無機充填材を非極性溶媒中に分散させる工程において、超音波振動エネルギーを適用する、上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のスラリー組成物の製造方法。
(7)無機充填材を非極性溶媒中に分散させる工程において、非極性溶媒中に、無機充填材に親和する基と非極性溶媒に親和する基とを有し、かつ、非極性溶媒に溶解又は分散可能な化合物を含有する、上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のスラリー組成物の製造方法。
(8)非極性溶媒に溶解又は分散可能な化合物は、非極性溶媒と無機充填材との合計に対して、0.1〜3重量%含有されるものである、上記(7)に記載のスラリー組成物の製造方法。
(9)非極性溶媒は、20℃における水の溶解度が10重量%以下である、上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のスラリー組成物の製造方法。
(10)非極性溶媒は、ケトン類、及び、芳香族炭化水素化合物類の中から選ばれるものである、上記(1)ないし(9)のいずれかに記載のスラリー組成物の製造方法。
(11)ケトン類は、メチルイソブチルケトン、及び、シクロヘキサノンから選ばれるものである、上記(10)に記載のスラリー組成物の製造方法。
(12)無機充填材の平均粒子径が0.1〜10μmである、上記(1)ないし(11)のいずれかに記載のスラリー組成物の製造方法。
(13)スラリー組成物は、非極性溶媒と無機充填材との合計に対する無機充填材の含有量が60〜75重量%である、上記(1)ないし(12)のいずれかに記載のスラリー組成物の製造方法。
(14)上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の製造方法により得られたものであることを特徴とする、スラリー組成物。
(15)上記(14)に記載のスラリー組成物と、樹脂成分とを含有することを特徴とする、樹脂組成物。
【発明の効果】
【0006】
本発明のスラリー組成物の製造方法によれば、無機充填材が高い濃度で含有され、しかも、取り扱い性に優れた低い粘度を有するスラリー組成物を簡易に製造することができる。
そして、本発明により得られたスラリー組成物を用いることにより、無機充填材の含有量が多い場合であっても、無機充填材の分散混合性に優れた樹脂組成物を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に、本発明のスラリー組成物の製造方法、スラリー組成物、及び、樹脂組成物について説明する。
【0008】
本発明のスラリー組成物の製造方法(以下、単に「製造方法」と呼称することがある)について詳細に説明する。
本発明の製造方法は、粉末形態の無機充填材が非極性溶媒中に分散してなるスラリー組成物を製造する方法であって、無機充填材を乾燥処理する工程の後に、該無機充填材を非極性溶媒中に分散させる工程を有することを特徴とする。
また、本発明の製造方法は、粉末形態の無機充填材が非極性溶媒中に分散してなるスラリー組成物を製造する方法であって、含有される水分量が0.2重量%以下である無機充填材を非極性溶媒中に分散させる工程を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の製造方法により得られるスラリー組成物は、非極性溶媒中に、粉末形態の無機充填材が分散してなるものである。
【0010】
本発明の製造方法で用いられる非極性溶媒としては、有機溶媒、無機溶媒のいずれも適用することができる。
非極性溶媒としては例えば、20℃における水の溶解度が10g/水100g以下であるものを用いることができる。これにより、本発明のスラリー組成物中における無機充填材の分散性を良好にする効果を高めることができる。
【0011】
20℃における水の溶解度が10g/水100g以下である溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、ジイソプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル類、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノールなどのアルコール類、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルペンチルケトン、エチルブチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類が挙げられる。これらの溶剤を、単独または二種以上混合したものを用いることができる。
【0012】
上記溶剤の中でも、芳香族炭化水素類であるトルエン、キシレン、ケトン類であるメチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンを好適に用いることができ、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンを特に好適に用いることができる。
【0013】
本発明の製造方法で用いられる無機充填材としては、例えば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩、酸化チタン、アルミナ、シリカ、溶融シリカ等の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素等の窒化物等が挙げられる。これらの無機充填材を、単独または二種以上混合したものを用いることができる。
【0014】
上記無機充填材の平均粒子径としては特に限定されないが、例えば、平均粒子径が0.1〜10μmであるもの、特に、0.1〜5μmであるものを用いると、スラリー組成物中における無機充填材の安定性を高くすることができ好ましい。
また、無機充填材の形状としては、球状形態のものを用いると、スラリー組成物中において、非極性溶媒と無機充填材との接触表面積を小さくすることができるので、スラリー組成物の粘度を低くすることができ、スラリー組成物の濃度をより高めることができる。
このような無機充填材としては、例えば、球状のアルミナ、シリカ、溶融シリカなどを好適に用いることができる。
上記平均粒子径を有する無機充填材を用いた場合、従来のスラリー組成物の製造方法では、無機充填材の含有量が多い場合、すなわち、高濃度である場合に、取り扱い性に優れた低い粘度を有するスラリー組成物を得ることが難しかった。しかし、本発明の製造方法においては、このような小さい平均粒子径を有する無機充填材を用いても、粘度が低く取り扱い性に優れたスラリー組成物を得ることができる。
【0015】
本発明の製造方法においては、上記無機充填材を非極性溶媒中に分散させる工程に先立って無機充填材を乾燥処理する工程を有するか、あるいは、含有される水分量が0.2重量%以下である無機充填材を用いることを特徴とする。
これにより、高濃度であっても取り扱い性に優れたスラリー組成物を得ることができる。
【0016】
この理由は明確ではないが、例えば、以下のように推測される。
通常の無機充填材は、保管時などに空気中の水分を吸収して、これらが無機充填材の内部や表面に付着していると考えられる。このような無機充填材は、その表面に存在する水分により親水性を有するため、非極性溶媒中に分散させた場合には無機充填材粒子間に凝集塊を生じやすいと考えられる。そして、この凝集塊中の粒子間に作用する抵抗値が大きいため、スラリー組成物の粘度が高くなると考えられる。
これに対して、本発明の製造方法においては、乾燥処理した無機充填材、あるいは、含有される水分量が0.2重量%以下である無機充填材を用いるので、非極性溶媒中においても、上記のような凝集塊を生じにくく、無機充填材粒子を一次粒子もしくはこれに近い形態で分散させることができると考えられる。これにより、非極性溶媒に対する無機充填材粒子の濡れ性が向上して、粒子間に作用する抵抗値が低減し、スラリー組成物の粘度を低くすることができると考えられる。
【0017】
なお、ここでいう水分量は、無機充填材の保管時などに、空気中などから吸収されて、無機充填材の内部や表面に付着した水分の量を指し、結晶水として、無機充填材を構成する無機化合物と化学的に結合しているものは除かれるものとする。
【0018】
無機充填材を乾燥処理する方法としては、無機充填材に付着した水分を充分に除去できるような条件で実施することができる。
上記乾燥処理の条件としては、例えば、常圧下又は減圧下において、80〜250℃で0.5〜6時間実施することにより、含まれる水分を効率的に除去することができる。
【0019】
無機充填材を乾燥処理する場合、乾燥処理後の無機充填材に含有される水分量を、無機充填材全体に対して0.2重量%以下、好ましくは、0.1重量%以下とすることが好ましい。
また、含有される水分量が少ない無機充填材を用いる場合も、同様に、無機充填材全体に対する水分量が0.2重量%以下、好ましくは、0.1重量%以下のものを用いることが好ましい。
これにより、上記作用をより効果的に発現させることができる。
【0020】
なおここで、無機充填材に含有される水分量は、例えば、容量滴定方式カールフィッシャー水分測定装置により測定される。また、無機充填材を、200℃の乾燥装置内において10時間乾燥処理して、乾燥処理前後の重量変化量を算出することにより測定することもできる。
【0021】
本発明の製造方法においては、無機充填材を非極性溶媒中に分散させる工程の前に、無機充填材を除電処理する工程を有することができる。これにより、スラリー組成物を低粘度化する作用をさらに高めることができる。
この理由は明確ではないが、例えば、以下のように推測される。
無機充填材を粉砕、流動、搬送、保管等を行なう場合には、このような取り扱いを行なう際に用いる装置、容器、部材(以下、単に「装置類」という)と無機充填材粒子との間で、接触や擦れ合いなどが起こるため、無機充填材粒子と上記装置類との間、あるいは、無機充填材粒子間において、各々が有する表面電荷が移動し、無機充填材粒子の表面に静電気が帯電すると考えられる。これにより、無機充填材は凝集しやすくなり、非極性溶媒に分散させる前段階で凝集塊を形成しやすくなると考えられる。
これに対して、無機充填材を非極性溶媒中に分散させる工程の前に、無機充填材を除電処理することにより、非極性溶媒に分散させる前段階で凝集塊を解くことができると考えられる。そして、無機充填材を一次粒子もしくはこれに近い形態で非極性溶媒中に分散させることができ、スラリー組成物の粘度を低くすることができると考えられる。
【0022】
無機充填材を除電処理する方法は、例えば、接地した導電性の容器に無機充填材を入れて、1〜12時間放置する方法、イオン送風型の静電気除電装置などを用いる方法、などが挙げられる。
【0023】
無機充填材を除電処理する場合、除電処理後の無機充填材表面の静電気の値が2kV以下、好ましくは、1kV以下であることが好ましい。これにより、上記作用をより効果的に発現させることができる。
なお、上記静電気の値は、音叉振動式、あるいは、回転セクター式の静電気測定センサーを有する静電気測定装置を用いて実施することができる。
【0024】
次に、本発明の製造方法においては、上記の無機充填材を、非極性溶媒中に分散させる。
無機充填材を非極性溶媒中に分散させる方法としては、例えば、ディスパーザーのような通常の攪拌混合装置のほか、クレアミックス(エム・テクニック社製)、T.K.フィルミックス(特殊機化工業社製)などの高速攪拌装置、ゴーリン式高圧ホモジナイザー、マイクロフィルタイザーZ型ノズル(みづほ工業社製)、マイクロフィルタイザーY型ノズル(みづほ工業社製)、ナノマイザー(フロイント産業社製)、アルテマイザー(スギノマシン社製)、DeBEE(日本ビーイーイー社製)などの高圧衝突装置、超音波振動子による超音波振動エネルギーを用いた超音波分散装置などを適用することができる。
これらの分散方法は、任意の2つ以上を組み合わせて適用することもできる。
【0025】
これらの分散方法の中でも、超音波振動子による超音波振動エネルギーを用いた超音波分散装置を用いると、粒径が小さい無機充填材の凝集塊があっても、これを効率的に解離させ、スラリー組成物中における無機充填材の分散性を向上させることができる。
【0026】
本発明の製造方法においては、このようにして無機充填材粒子を非極性溶媒中に分散させた分散液を、そのままスラリー組成物とすることもできるが、さらに、この分散液を、所定の目開きを有するフィルターを用いて濾過することができる。
これにより、無機充填材粒子どうしの凝集塊が残存していた場合でも、これを効率的に除去することができる。
【0027】
上記分散液を濾過する方法としては、例えば、所定のフィルター上に分散液を供給し、分散液側から正圧を作用させる方法、同様にして濾過液側から負圧を作用させる方法のほか、超音波振動子による超音波振動エネルギーを作用させながら濾過を行なう方法などを適用することができる。
特に、超音波振動子による超音波振動エネルギーを作用させながら濾過を行なう方法によれば、分散液だけでなく、フィルター自体にも超音波振動エネルギーが作用するため、濾過を効率的に実施することができる。
【0028】
本発明の製造方法においては、無機充填材を非極性溶媒中に分散させる工程において、非極性溶媒中に、無機充填材に親和する基と、非極性溶媒に親和する基とを有し、かつ、非極性溶媒に溶解又は分散可能な化合物を含有することができる。
これにより、得られるスラリー組成物の粘度をさらに低減させることができる。
この理由は明確ではないが、上記化合物が非極性溶媒中に存在することにより、無機充填材の非極性溶媒に対する濡れ性を向上させる作用を高めることができ、無機充填材粒子の分散性、及び、分散後の無機充填材の安定性をさらに向上させることができるためではないかと考えられる。
【0029】
上記化合物としては、例えば、熱硬化性樹脂などの樹脂成分のほか、このような性質を有する有機化合物を適用することができる。
【0030】
熱硬化性樹脂としては例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
エポキシ樹脂としては例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂が挙げられる。
これらのエポキシ樹脂は、無機充填材に親和する基として水酸基を有し、非極性溶媒に親和する基としてフェニル基を有している。
フェノール樹脂としては例えば、フェノールノボラック型フェノール樹脂、クレゾールノボラック型フェノール樹脂、ビスフェノールAノボラック型フェノール樹脂、アラルキル変性フェノールノボラック型フェノール樹脂、アラルキル変性クレゾールノボラック型フェノール樹脂、アラルキル変性ビスフェノールAノボラック型フェノール樹脂などのノボラック型フェノール樹脂、未変性レゾール型フェノール樹脂、桐油、アマニ油、クルミ油等で変性された油変性レゾール型フェノール樹脂などのレゾール型フェノール樹脂が挙げられる。
これらのフェノール樹脂は、無機充填材に親和する基として水酸基を有し、非極性溶媒に親和する基としてフェニル基を有している。
上記化合物は、好ましくは例示したものの1種類または2種類以上を併用することもできる。
【0031】
上記化合物の含有量としては、非極性溶媒と無機充填材との合計に対して、0.1〜3重量%とすることができ、特に、0.5〜2重量%とすることが好ましい。
本発明の製造方法においては、このようにごく少量の上記化合物を添加することにより、スラリー組成物の粘度を実質的に増大させることなく、上記作用を効果的に発現させ、スラリー組成物の粘度を大きく低減させることができる。
【0032】
本発明の製造方法により得られるスラリー組成物は、種々の樹脂組成物に適用することができるが、ここで、上記無機充填材に親和する基と、非極性溶媒に親和する基とを有する化合物として、得られたスラリー組成物を適用する樹脂組成物において用いられる成分を用いると、最終的な樹脂組成物において用いられる成分のみで樹脂組成物を調製することができる。
【0033】
本発明の製造方法により得られるスラリー組成物は、無機充填材の含有量を広範囲に設定することができるが、非極性溶媒と無機充填材との合計に対する無機充填材の含有量が60〜75重量%であるような高濃度のスラリー組成物においても、これを低粘度とすることができ、取り扱い性に優れたものとすることができる。
【0034】
本発明の製造方法において、上記スラリー組成物の粘度は、例えば、B型粘度計により測定することができる。
【0035】
次に、本発明のスラリー組成物について説明する。
本発明のスラリー組成物は、上記本発明の製造方法により得られたものであることを特徴とする。
【0036】
次に、本発明の樹脂組成物について説明する。
本発明の樹脂組成物は、上記本発明のスラリー組成物と、樹脂成分とを含有することを特徴とする。
【0037】
本発明の樹脂組成物に用いられる樹脂成分としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を挙げることができる。
【0038】
熱硬化性樹脂としては例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
エポキシ樹脂としては例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキルエポキシ樹脂、ビフェニルアラルキルエポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂などが例示できる。
フェノール樹脂としては例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、未変性レゾールフェノール樹脂、桐油、アマニ油、クルミ油等で変性された油変性レゾールフェノール樹脂などが例示できる。
このほか、シアネートエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂などを例示することができる。
【0039】
熱可塑性樹脂としては例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、環状ポリオレフィンおよび変性ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアミド(例えばナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体等のスチレン系共重合体、ポリオキシメチレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアセタール等の耐熱性樹脂、芳香族ポリエステル等の液晶樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイなどを例示することができる。
【0040】
本発明の樹脂組成物において、上記樹脂成分は、例えば、樹脂成分を可溶な溶剤に溶解した形態、樹脂成分を溶解しない媒体に液状で分散させたエマルジョン形態のほか、固形の樹脂成分を粉砕した固形粉末の形態、この固形粉末を媒体に分散させたスラリーの形態などで用いることができる。
【0041】
本発明の樹脂組成物には、上記樹脂成分とともに、樹脂成分の硬化剤、硬化促進剤、各種添加剤などのほか、本発明のスラリー組成物に含有される無機充填材以外の無機充填材、有機充填材などを含有することもできる。
【0042】
本発明の樹脂組成物としては、本発明のスラリー組成物を含有するものであれば制限はないが、特に、本発明のスラリー組成物に用いられる無機充填材の含有量が多い液状樹脂組成物に好適に用いることができる。
本発明のスラリー組成物は高濃度であっても低粘度であり、取り扱い性に優れたものであるので、このように高濃度であっても、樹脂組成物中において他の成分との混合性に優れ、また、スラリー組成物を多量に配合しても、スラリー組成物中に含まれる非極性溶媒が少ないので、樹脂組成物中における非極性溶媒の配合量を過剰に増大させることなく、所望とする液状樹脂組成物を得ることができる。
【実施例1】
【0043】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
【0044】
1.実施例及び比較例において用いた材料、装置は以下の通りである。
1.1 無機充填材
(1)シリカ:アドマテックス社製・「SO−25R」、平均粒子径0.5μm、水分含有量0.3重量%
1.2 非極性溶媒
(1)メチルイソブチルケトン:20℃における水への溶解度1.8重量%
(2)シクロヘキサノン:20℃における水への溶解度8.0重量%
1.3 無機充填材に親和する基と、非極性溶媒に親和する基とを有する化合物
(1)化合物A:ビフェニルジメチレン型フェノール樹脂、明和化成社製・「MEH−7851−S」
(2)化合物B:ノボラック型フェノール樹脂、住友ベークライト社製・「A−1082」
1.4 装置
(1)分散装置1:クレアミックス(エム・テクニック社製)
(2)分散装置2:超音波分散装置(出力300W、周波数28kHz、振幅40μm)
(3)水分測定装置:容量滴定方式カールフィッシャー水分測定装置((株)ダイヤインスツルメンツ製、型式KF−100、試薬;アクアミクロンSS(滴定剤)、アクアミクロンPE(脱水溶剤))
【0045】
2.スラリー組成物の製造
<実施例1>
(1)除電処理
無機充填材100重量部を、300mm×500mm×深さ50mmのステンレス製のバットに入れ、金属製テーブル上に6時間放置して除電処理を行なった。除電処理後、無機充填材表面の静電気の値は1kVであった。
(2)乾燥処理
上記ステンレス製のバットに入れたシリカを、200℃の乾燥装置で1時間乾燥処理を行なった。乾燥処理後の水分含有量は0.1重量%であった。
(3)分散処理1
非極性溶媒としてメチルイソブチルケトン40重量部と上記(2)で得られた無機充填材60重量部とを、ディスパーザーで予備混合した。これを、分散装置1を用い、15000rpmで3分間時間処理して分散物を得た。
(4)分散処理2
上記分散処理1で得られたものを、目開き5μmのステンレス製フィルターを用い、分散装置2により分散処理を行ないながら濾過して、非極性溶媒と無機充填材との合計に対する無機充填材の含有量が60重量%であるスラリー組成物を得た。
【0046】
<実施例2>
実施例1(3)において、非極性溶媒としてメチルイソブチルケトン35重量部と、無機充填材65重量部とを予備混合したものを用いた以外は、実施例1と同様にして、無機充填材の含有量が65重量%であるスラリー組成物を得た。
【0047】
<実施例3>
実施例1(3)において、非極性溶媒としてメチルイソブチルケトン30重量部と、無機充填材70重量部とを予備混合したものを用いた以外は、実施例1と同様にして、無機充填材の含有量が70重量%であるスラリー組成物を得た。
【0048】
<実施例4>
実施例1(3)において、非極性溶媒としてメチルイソブチルケトン25重量部と、無機充填材75重量部とを予備混合したものを用いた以外は、実施例1と同様にして、無機充填材の含有量が75重量%であるスラリー組成物を得た。
【0049】
<実施例5>
実施例1(3)において、非極性溶媒としてメチルイソブチルケトンの代わりにシクロヘキサノンを用いた以外は、実施例1と同様にして、無機充填材の含有量が60重量%であるスラリー組成物を得た。
【0050】
<実施例6>
実施例2において、非極性溶媒としてメチルイソブチルケトンの代わりにシクロヘキサノンを用いた以外は、実施例2と同様にして、無機充填材の含有量が60重量%であるスラリー組成物を得た。
【0051】
<実施例7>
実施例2において、非極性溶媒に化合物Aを1重量%溶解させたものを用いた以外は、実施例2と同様にして、無機充填材の含有量が65重量%であるスラリー組成物を得た。
【0052】
<実施例8>
実施例3において、非極性溶媒に化合物Aを1重量%溶解させたものを用いた以外は、実施例3と同様にして、無機充填材の含有量が70重量%であるスラリー組成物を得た。
【0053】
<実施例9>
実施例4において、非極性溶媒に化合物Aを1重量%溶解させたものを用いた以外は、実施例4と同様にして、無機充填材の含有量が75重量%であるスラリー組成物を得た。
【0054】
<実施例10>
実施例3において、非極性溶媒に化合物Bを1重量%溶解させたものを用いた以外は、実施例3と同様にして、無機充填材の含有量が70重量%であるスラリー組成物を得た。
【0055】
<実施例11>
実施例1(2)において、乾燥処理後の水分含有量は、0.018重量%であった。
実施例1(3)において、非極性溶媒としてメチルイソブチルケトン15重量部とシクロヘキサノン15重量部とし、そこへ化合物Aを1重量%溶解させたものと、無機充填材70重量部とを予備混合したものを用いた。
上記以外は、実施例1と同様にして、無機充填材の含有量が70重量%であるスラリー組成物を得た。
【0056】
<実施例12>
実施例11において、非極性溶媒としてメチルイソブチルケトン12.5重量部とシクロヘキサノン12.5重量部とし、そこへ化合物Aを1重量%溶解させたものと、無機充填材75重量部とを予備混合したものを用いた以外は、実施例11と同様にして、無機充填材の含有量が75重量%であるスラリー組成物を得た。
【0057】
<実施例13>
実施例11において、非極性溶媒としてメチルイソブチルケトン10重量部とシクロヘキサノン10重量部とし、そこへ化合物Aを1重量%溶解させたものと、無機充填材80重量部とを予備混合したものを用いた以外は、実施例11と同様にして、無機充填材の含有量が80重量%であるスラリー組成物を得た。
【0058】
<実施例14>
実施例11において、非極性溶媒としてメチルイソブチルケトン30重量部とし、そこへ化合物Aを1重量%溶解させたものと、無機充填材70重量部とを予備混合したものを用いた以外は、実施例11と同様にして、無機充填材の含有量が70重量%であるスラリー組成物を得た。
【0059】
<実施例15>
実施例11において、非極性溶媒としてメチルイソブチルケトン30重量部とし、そこへ化合物Bを1重量%溶解させたものと、無機充填材70重量部とを予備混合したものを用いた以外は、実施例11と同様にして、無機充填材の含有量が70重量%であるスラリー組成物を得た。
【0060】
<比較例1>
(1)分散処理1
非極性溶媒としてメチルイソブチルケトン35重量部と、無機充填材65重量部とをディスパーザーで予備混合した。これを、分散装置1を用い、15000rpmで3分間処理して分散物を得た。
(2)分散処理2
上記分散処理1で得られたものを、目開き5μmのステンレス製フィルターを用い、分散装置2により分散処理を行ないながら濾過して、非極性溶媒と無機充填材との合計に対する無機充填材の含有量が65重量%であるスラリー組成物を得た。
【0061】
<比較例2>
(1)分散処理1
非極性溶媒としてメチルイソブチルケトン30重量部と、無機充填材70重量部とをディスパーザーで予備混合した。これを、分散装置1を用い、15000rpmで3分間処理したが、クリーム状になってしまい、スラリー状の分散物を得ることができず、分散物の正確な粘度も測定できなかった。
【0062】
<比較例3>
(1)無機充填材の表面処理
無機充填材100重量部に対して、噴霧装置を用いてシランカップリング剤(エポキシシラン型カップリング剤、日本ユニカー社製・「A−187」)0.16重量部を噴霧し、シランカップリング剤により表面処理した無機充填材を調製した。
(2)分散処理1
非極性溶媒としてメチルイソブチルケトン35重量部と、上記表面処理を施した無機充填材65重量部とをディスパーザーで予備混合した。これを、分散装置Aを用い、15000rpmで3分間処理したが、クリーム状になってしまい、スラリー状の分散物を得ることができず、分散物の正確な粘度も測定できなかった。
【0063】
3.樹脂組成物の製造
上記実施例1〜15、及び、比較例1で得られたスラリー組成物を用いて、下記配合により樹脂組成物を調製した。樹脂組成物に用いた材料は以下の通りである。
(1)シアネート樹脂:ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製、「プリマセット PT−60」)
(2)エポキシ樹脂:ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(日本化薬社製、「NC−3000P」)
(3)フェノール樹脂:ビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、「MEH−7851−S」)
(4)カップリング剤:エポキシシラン型カップリング剤(日本ユニカー社製、「A−187」)
【0064】
スラリー組成物中の無機充填材70重量部に対して、上記シアネート樹脂15重量部、エポキシ樹脂8重量部、フェノール樹脂7重量部、及び、カップリング剤0.2重量部を添加して、スラリー組成物中の非極性溶媒に溶解させて、無機充填材の含有量が約70重量%である液状の樹脂組成物を調製した。
【0065】
4.評価
(1)無機充填材の水分含有量
実施例1〜10は、無機充填材100重量部を200℃の乾燥装置内において10時間乾燥処理して、乾燥処理前後での重量変化量を測定することにより水分含有量を算出した。
実施例11〜15は、容量滴定方式カールフィッシャー水分測定装置により測定した。以下に測定方法について説明する。
まず、容量滴定方式カールフィッシャー水分測定装置に備えられた滴定フラスコに、アクアミクロンPE(脱水溶剤)、アクアミクロンSS(滴定剤)を入れ、無水状態にした。そこへ無機充填剤を加え、滴定剤を用いて滴定を行った。この滴定量から水分含有量を算出した。
(2)スラリー組成物の粘度
B型粘度計により測定した。
(3)スラリー組成物の分散性、安定性
スラリー組成物を調製後、1週間放置し、スラリー組成物の分離、沈殿等がないものを「合格」、分離、沈殿等が発生したものを「不合格」とした。
結果を表1に示す。
【0066】
【表1】

【0067】
実施例1〜15は、本発明の製造方法により得られたスラリー組成物であり、高濃度であっても低粘度で、取り扱い性に優れたものを得ることができた。また、スラリー組成物調製後の安定性にも優れたものであった。
比較例1は、乾燥処理を行なわない無機充填材を用いたが、得られたスラリー組成物は、乾燥処理を行なった無機充填材を用いた場合に比べて粘度が高く、また、1週間放置した後に観察すると分離、沈殿を生じており、安定性が充分なものではなかった。
比較例2は、比較例1と同様に、乾燥処理を行なわない無機充填材を用い、70重量%濃度のものの製造を試みたが、分散処理段階でクリーム状となってしまい、目的とするスラリー組成物を得ることができなかった。
比較例3は、シランカップリング剤で表面処理した無機充填材を用いたが、やはり、分散処理段階でクリーム状になってしまい、目的とするスラリー組成物を得ることができなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末形態の無機充填材が非極性溶媒中に分散してなるスラリー組成物を製造する方法であって、
無機充填材を乾燥処理する工程の後に、該無機充填材を非極性溶媒中に分散させる工程を有することを特徴とする、スラリー組成物の製造方法。
【請求項2】
無機充填材を乾燥処理する工程において、該無機充填材中に含有される水分量を、0.2重量%以下とする、請求項1に記載のスラリー組成物の製造方法。
【請求項3】
無機充填材を非極性溶媒中に分散させる工程の前に、無機充填材を乾燥処理する工程とともに、無機充填材を除電処理する工程を有する、請求項1又は2に記載のスラリー組成物の製造方法。
【請求項4】
粉末形態の無機充填材が非極性溶媒中に分散してなるスラリー組成物を製造する方法であって、
含有される水分量が0.2重量%以下である無機充填材を非極性溶媒中に分散させる工程を有することを特徴とする、スラリー組成物の製造方法。
【請求項5】
無機充填材を非極性溶媒中に分散させる工程の前に、無機充填材を除電処理する工程を有する、請求項4に記載のスラリー組成物の製造方法。
【請求項6】
無機充填材を非極性溶媒中に分散させる工程において、超音波振動エネルギーを適用する、請求項1ないし5のいずれかに記載のスラリー組成物の製造方法。
【請求項7】
無機充填材を非極性溶媒中に分散させる工程において、非極性溶媒中に、無機充填材に親和する基と非極性溶媒に親和する基とを有し、かつ、非極性溶媒に溶解又は分散可能な化合物を含有する、請求項1ないし6のいずれかに記載のスラリー組成物の製造方法。
【請求項8】
非極性溶媒に溶解又は分散可能な化合物は、非極性溶媒と無機充填材との合計に対して、0.1〜3重量%含有されるものである、請求項7に記載のスラリー組成物の製造方法。
【請求項9】
非極性溶媒は、20℃における水の溶解度が10重量%以下である、請求項1ないし8のいずれかに記載のスラリー組成物の製造方法。
【請求項10】
非極性溶媒は、ケトン類、及び、芳香族炭化水素化合物類の中から選ばれるものである、請求項1ないし9のいずれかに記載のスラリー組成物の製造方法。
【請求項11】
ケトン類は、メチルイソブチルケトン、及び、シクロヘキサノンから選ばれるものである、請求項10に記載のスラリー組成物の製造方法。
【請求項12】
無機充填材の平均粒子径が0.1〜10μmである、請求項1ないし11のいずれかに記載のスラリー組成物の製造方法。
【請求項13】
スラリー組成物は、非極性溶媒と無機充填材との合計に対する無機充填材の含有量が60〜75重量%である、請求項1ないし12のいずれかに記載のスラリー組成物の製造方法。
【請求項14】
請求項1ないし13のいずれかに記載の製造方法により得られたものであることを特徴とする、スラリー組成物。
【請求項15】
請求項14に記載のスラリー組成物と、樹脂成分とを含有することを特徴とする、樹脂組成物。

【公開番号】特開2007−238923(P2007−238923A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−15082(P2007−15082)
【出願日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】