説明

スロットアンテナを有する車両用グレージング

車両用の積層グレージングは、伝導性パネル(4)と、カメラ(6)又は他の装置とを、備える。伝導性パネル(4)は、接続リード線(8)とともに、車両の金属枠と伝導性パネルとの間にスロットアンテナ(5)を規定する。カメラ(6)又は他の装置が設けられた領域(7)内において、装置とスロットアンテナはオーバーラップしない。装置をスロットアンテナとは異なる位置に配置することにより、スロットアンテナで生じる電磁干渉を低減させ、スロットアンテナにより無線信号を送信する装置の誤作動を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのスロットアンテナと、電磁波を放射可能な少なくとも1つの装置とを有する、車両用の積層グレージング、及び該グレージングを備えた車両に関する。
【背景技術】
【0002】
少なくとも1つのアンテナを有する現代の自動車用グレージングは、電磁波の受信及び送信に関する極めて高い条件を満たさなければならず、実際に広帯域アンテナとして動作する必要がある。広帯域アンテナは、異なる偏光の電磁波に対応する広範な周波数範囲に渡って効果的なアンテナである。さらに、現代の自動車用グレージングには、ダイバーシティへの応用やマルチサービスのために、複数のアンテナを統合することへの要求がある。高度の条件は、受信レベル・送信レベルに関するものだけでなく、放射特性又は受信特性に関するものもある。
【0003】
一般的な周波数範囲としては、長波、中波、及び短波(150 kHz〜30 MHz)に対応する通常のAM範囲と、ラジオ及びテレビ受信用のVHF範囲(30 MHz〜300 MHz)と、テレビ受信用、移動無線用、衛星通信(全地球測位衛星(GPS:Global Positioning Satellite)等)用、及び遠隔制御装置用のUHF範囲(300 MHz〜2 GHz)とがある。
【0004】
実際には、自動車用のアンテナ付きグレージングは、一般的に、ワイヤで構成されたアンテナ要素や、ガラスペイン上にスクリーン印刷された導体又は中間層内に埋め込まれた導体からなるアンテナ要素を用いてきた。
【0005】
太陽光制御特性及び/または発熱特性を有する車両用の積層グレージングを製造することが望ましい。かかる特性は、コーティング又はワイヤ構造体であり得る電気伝導性パネルを用いることで達成することができる。かかる伝導性パネルは、グレージングの縁部との間に、すなわち金属製車体との間に、周縁間隙を形成して、スロット領域を規定するように、グレージング内に設けることができる。結果として、伝導性パネルは、電磁的に車体から大きく分離されている。
【0006】
かかるスロットは、アンテナとして使用可能であることが、知られている。アンテナ付きグレージングへの給電と該グレージングからの電波の伝送は、例えば同軸ケーブル等の接続手段を用いることにより達成される。エネルギーの観点並びに指向特性の観点による送信特性及び受信特性は、スロットの構成及び給電構造を注意深く設計することによって向上し得ることが、研究により分かっている。このことは、特に、アンテナ付きペインが広帯域での送信及び受信のための条件を満たさなければならない場合に当てはまる。
【0007】
電気伝導性コーティングは、太陽光制御コーティングとすることができる。本発明において、太陽光制御コーティングとは、太陽光スペクトルの少なくとも部分領域において、太陽光エネルギーの伝達を低減し得る全ての電気伝導性コーティングを指すものとする。通常、太陽光エネルギーの伝達の低減は、可視光及び赤外線の範囲内で行われる。前述した太陽光制御コーティングは、一般的に、窓ガラス縁部における小幅の縁部を除いて、窓全域にわたって施される。
【0008】
かかる太陽光制御コーティングを有する窓を備えた車両に対して、太陽光制御性を著しく低下させたり光学的特性を損なうことなく、受信及び/又は送信の品質が広帯域に渡って良好であるようなアンテナ付き窓を提供することは、不可能ではないにしても、困難であった。この問題の解決手段として、米国特許第5898407号明細書(特許文献1)に開示された技術がある。特許文献1には、内側ペインと、外側ペインと、内側ペイン及び外側ペイン間に設けられ、両ペイン同士を固定する結合層と、透明かつ電気伝導性の太陽光制御コーティングとを備えたアンテナ付きペインにおいて、該太陽光制御コーティングが、結合層内のホイル上に配置したり、又はガラスペインの内側表面のうち1つに形成された積層構造内のホイル上に配置し得ることが記載されている。アンテナ付き窓の少なくとも1つの縁部の領域において、太陽光制御コーティングは、窓開口部の対応縁部から離間され、窓開口部の対応縁部と共に細長いスロット領域を規定する。かかるスロット領域は、一般的に15 mmを超える幅を有する。アンテナ付き窓の少なくとも1つの縁部では、太陽光制御コーティングが、アンテナ付きペインの縁部付近にまで延在し、窓開口部の対応縁領域とオーバーラップする。
【0009】
窓開口部の縁領域と太陽光制御コーティングとのオーバーラップにより、高周波伝導路が、太陽光制御コーティングと金属製車体との間に形成される。太陽光制御コーティングと窓開口部の対応縁部との間のスロット領域は、車体のスロットアンテナとしての機能を持つ。スロットアンテナは、スロット放射器としても知られ、高周波技術分野で公知であり、スロット長が波長の1/4倍〜2倍となるように構成し得る場合に最も有用である。
【0010】
スロットアンテナは、伝導性平面内に形成された、又は遮蔽体により囲まれた、所定の長さ及び幅のスロットにより特徴付けられ、受信アンテナ又は送信アンテナのいずれかとして使用又は励起され得る。スロットアンテナの磁場は、例えば、対応する長さを持った従来のダイポールアンテナの電場に対応する。スロットアンテナの電場は、ダイポールの磁場に対応する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第5898407号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、自動車用グレージングが、電磁波を放射し得る装置と並んで設けられたアンテナを有する場合、問題が存在する。かかる装置は、ガラスに固定され、例えば通行料徴収用の車載器等のカメラ及びセンサー、その他所望又は不所望の電磁波を放射するあらゆる装置を含む。通常の(伝導性コーティングを有しない)アンテナ付きグレージングは、アンテナ導体を上述した装置から望ましくは5 cm〜15 cmだけ離間させることで、干渉信号がアンテナ導体に入力されるのを最小限にしていることが知られている。
【0013】
伝導性コーティングの場合、特にフロントガラスの太陽光制御コーティングの場合、機能的理由及び美的理由から、コーティングのない領域をそこまで広く設けることはできない。従って、上記装置は、コーティング内へ電圧及び電流を誘導し得るため、電磁干渉(EMI:Electromagnetic Interference)が、グレージングに設けられたあらゆるスロットアンテナの電場及び磁場に悪影響を及ぼす。電波受信器は、わずか数ナノワットの電力を有する信号を空気中から読み取るように作用することが多いため、EMIに対して非常に敏感である。したがって、少なくとも1つのスロットアンテナと、電磁波を放射し得る少なくとも1つの装置とを有する車両用グレージングであって、かかる装置によってEMIが発生する現代のグレージングの欠点を回避するような車両用グレージングへの要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の態様によれば、金属枠の内側に固定される車両用の積層グレージングが提供され、該グレージングは、
内側ペインと、
外側ペインと、
内側ペインと外側ペインとの間の結合層と、
伝導性パネルと、
電磁波を放射し得る少なくとも1つの装置とを備え、
伝導性パネルは、金属枠の縁部と該伝導性パネルの縁部との間に延在する少なくとも1つの誘電体スロットアンテナを規定し、
少なくとも1つのスロットアンテナは、
該スロットアンテナの延在領域に隣接する高周波電流伝導性のフレームと、
フレームに対する対向縁部を有するとともに接続リード線に接続される導体とを有し、
電磁波を放射し得る少なくとも1つの装置の領域と、少なくとも1つのスロットアンテナの領域とが、外側ペインと平行な投影面上においてオーバーラップしないように配置されている。
【0015】
本発明において、各スロットアンテナの領域と各装置の領域とは、それぞれ各スロットアンテナ及び各装置を外側ペインに対して垂直な方向から見た時における、各スロットアンテナの領域と各装置の領域であるものとする。
【0016】
この構成は、少なくとも1つの装置を少なくとも1つのスロットアンテナとは異なる位置に配置することにより、少なくとも1つのスロットアンテナで発生するEMIを低減させることができるという点で、有利である。一般的に、スロットアンテナが無線信号の送信に用いられる場合、送信電力は数ワットであり得ることから、装置は誤作動し易くなることがある。これに対し、本明細書で説明する本発明は、スロットアンテナを無線信号の送信に用いる場合、装置の誤作動を防止することができるという利点がある。本発明によれば、電磁両立性(EMC:Electromagnetic Compatibility)が向上される。
【0017】
少なくとも1つの装置は、外側ペインと平行な投影面上において、少なくとも1つのスロットアンテナの長手方向端部同士の間に配置することができる。この構成は、少なくとも1つの装置がグレージングとは重ならない領域を最小限にするとともに、給電のために装置に配線を要する場合に、配線長さを低減させることができる点で、有利である。スロットアンテナを横切るようになされる装置への配線は、スロットに電圧を誘導し易く、ゆえにスロットアンテナでEMIを発生させ易い。さらに、電磁波を接地に流したり電磁波を抑制するための最も効果的な方法は、高い伝導性を有する伝導性パネルを装置の付近に配置し、装置と該装置に隣接するフレームとの間に良好なコンダクタンスを発生させることである。実際には、使用される伝導性パネルが低いコンダクタンスを有し得ることから、(1)上記少なくとも1つの装置を、車体等の高い伝導性を有し得る金属枠の付近に配置すること、及び/又は(2)銀印刷のような付加的な伝導性手段を設けることが、有利である。
【0018】
一部の実施態様では、少なくとも1つの装置の放射/受信領域と、少なくとも1つのスロットアンテナの放射/受信領域とが、外側ペインと平行な投影面上において、オーバーラップしないように配置されている。本発明において、各スロットアンテナの放射/受信領域と各装置の放射/受信領域とは、各スロットアンテナ及び各装置を外側ペインに対して垂直な方向から見たときにおける、各スロットアンテナの領域と、各装置の領域と、これらに関連するとともに電磁波を放射又は受信し得る接続リード線の領域とであるものとする。
【0019】
伝導性パネルは、グレージングの少なくとも1つの縁領域内において金属枠とオーバーラップするように構成され、ゆえに少なくとも1つの縁領域において金属枠と高周波電流結合されている。ここで、「オーバーラップ」とは、外側ペインと平行な投影面上において、伝導性パネルの領域と金属枠の領域とがオーバーラップすることを意味する。例えば、伝導性パネルは、グレージングの2つ、3つ、4つ、又は5つ以上の縁領域内において、金属枠とオーバーラップするように構成することができる。
【0020】
伝導性パネルをグレージングの少なくとも1つの縁領域内において金属枠とオーバーラップするように構成する場合、少なくとも1つの装置は、少なくとも1つの縁領域内に配置することができる。少なくとも1の装置をかかる領域に配置することにより、少なくとも1つの装置により発生するEMIを、より効果的に接地に流したり低減させることができる。
【0021】
グレージングは、少なくとも1つのスロットアンテナの少なくとも1つの長手方向端部における電流を、少なくとも1つの装置により誘導される電流から分離する手段を、さらに備えることができる。かかる構成により、干渉電流同士が分離され、少なくとも1つのスロットアンテナで発生するEMIをさらに低減させることができる。
【0022】
上記手段は、伝導性パネルに、電気的に接続された、又は容量結合された、少なくとも1つの伝導性ワイヤ及び/又は少なくとも1つの伝導性印刷を有することができる。少なくとも1つの伝導性ワイヤ及び/又は少なくとも1つの伝導性印刷は、少なくとも1つのスロットアンテナの1つ又は複数の長手方向端部に配置することができる。かかる実施態様において、伝導性ワイヤ及び/又は伝導性印刷は、伝導性パネルの一部分に渡って延在させ、金属枠等を介して接地することができる。
【0023】
代替的又は付加的に、少なくとも1つの伝導性ワイヤ及び/又は少なくとも1つの伝導性印刷は、少なくとも1つの装置を少なくとも部分的に囲むように配置することができる。
【0024】
少なくとも1つの伝導性ワイヤ及び/又は少なくとも1つの伝導性印刷は、銀、銅、金及びアルミニウムのうち1つ以上を含む材質など、任意の適切な材質から製造することができる。
【0025】
少なくとも1つの伝導性ワイヤ及び/又は少なくとも1つの伝導性印刷は、発熱可能なものとすることができる。かかるワイヤ及び/又は印刷は、グレージングの霜や曇りを取り除くための発熱、及び/又は少なくとも1つの装置の加熱に、有用であり得る。
【0026】
少なくとも1つのスロットアンテナの少なくとも1つの長手方向端部における電流を、少なくとも1つの装置により誘導される電流から分離する手段は、代替的に、伝導性パネル内の領域同士を電気的に絶縁させる少なくとも1つの遮蔽線を有することができる。少なくとも1つの遮蔽線は、伝導性パネル内に間隙を有することができる。当然ながら、特に遮蔽線がグレージング内の視界に設けられる場合は、遮蔽線の幅をなるべく狭くするべきである。ここで、遮蔽線の幅の最小値は、遮蔽線の両側の回路の短絡により生じるアンテナ障害や不所望の電流を防ぐという観点から決定される。約0.05〜0.1 mmの幅を有する遮蔽線は、実際に効果的であるということが分かった。
【0027】
少なくとも1つの遮蔽線は、直線状の遮蔽線、屈曲した遮蔽線、波状の遮蔽線、湾曲した遮蔽線、ジグザグ状の遮蔽線、フラクタル状の遮蔽線、及び/又は他の非直線状の遮蔽線を含むことができる。少なくとも1つの遮蔽線は、一定又は可変の格子間隔(raster unit size)を有する格子を形成することができる。
【0028】
少なくとも1つの遮蔽線は、レーザ技術により形成することができる。ここで、伝導性パネルは、グレージングの製造における様々な段階で形成することができる。YAGレーザは、特に効果的であることが分かった。遮蔽線の形成には、局所的な(電気)化学プロセス、電食、又はマスキングも適切であるが、これらは一般的にYAGレーザと比べて高価であるとともにYAGレーザほど幅広く応用が利くものではない。
【0029】
少なくとも1つの装置は、カメラ及び/又はセンサーとすることができる。カメラは、例えば暗視カメラ及び/又は多目的カメラ等である。センサーは、例えば雨センサー、通行料課金用センサー、ガレージドアオープナー、温度・湿度センサー、及び/又は空調制御のための日射センサー等である。少なくとも1つの装置は、例えば内側ペインの内側表面又は外側ペインの外側表面に取り付ける等して、任意の適切な位置に配置することができる。
【0030】
伝導性パネルは、太陽光エネルギースペクトルの少なくとも一部分における太陽光エネルギーの透過を低減可能である、透明な太陽光制御コーティングを有することができる。太陽光制御コーティングは、1種以上の貴金属又は半導体金属酸化物からなるコーティングとすることができる。太陽光制御コーティングは、1つ以上のペイン上に直接施してもよいし、薄く透明なホイル上に施してもよい。該ホイルは、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)等からなり、結合層によって、外側ペイン及び内側ペインに、特に両ペインの間に、結合させることができる。
【0031】
上記透明なホイルは、第2の透明ホイルに隣接した、PET等の第1のホイルを有することができる。第1のホイルには、電気伝導性の、特に金属製の、太陽光制御コーティング層が設けられる。太陽光制御コーティングが設けられたホイルは、結合層よりも短く形成することができる。これにより、太陽光制御コーティングは、金属枠の対応縁との間の間隙にて終端することとなり、ゆえに少なくとも1つのスロットアンテナを規定する。結合層は、安全ガラスに通常用いられる材料で作ることができる。一般的な結合層は、ポリビニルブチラール(PVB)又はEVAからなる。
【0032】
伝導性パネルは、グレージングの加熱、霜の除去、及び/又は曇りの除去が可能とすることができる。伝導性パネルに供給される加熱用の電流は、スロットアンテナの領域を横切るように流れないことが好ましい。例外として、(a)アンテナの電流がヒーター用配線に流れるのを防止する対策をとった場合、又は(b)スロットアンテナにおいて、ヒーターへの電流供給機能と無線アンテナとの間の接続機能とを統合した電気回路の設計を行った場合は、電流はスロットアンテナの領域を横切るように流れてもよい。伝導性パネルは、伝導性ワイヤ構造を備えることができる。本発明において、ワイヤ発熱領域は、高周波の観点から、伝導性コーティングと同様に作用し得る。しかしながら、グレージング全体に渡って一貫した加熱機能を保持するためには、ワイヤに電流を供給するブスバー等のコネクタの構成について、更なる制約が必要となる場合がある。
【0033】
グレージングは、少なくとも2つのスロットアンテナを備え、スロットアンテナは、該スロットアンテナの全長の少なくとも一部に渡って、互いに平行に隣接するように配置することができる。この構成により、伝導性パネルとグレージングの縁部との間の間隙をより効果的に利用して、スロットアンテナの機能をほとんど損なうことなく、異なる周波数範囲のアンテナシステムを統合させることができる。
【0034】
伝導性パネルは、1つ以上の切り欠き部を有することができる。1つ以上の切り欠き部は、少なくとも1つの装置と部分的にオーバーラップすることができる。かかる構成は、暗視カメラ及び雨センサー等の特定の装置を用いることで、装置の機能性が伝導性パネルによって悪影響を受けないようにする場合に、有利である。
【0035】
伝導性パネルは、外側ガラスペインの内側表面と内側ペインの内側表面との間における任意の最適位置に設けることができる。伝導性パネルは、ガラスコーティング又は被覆ホイルとすることができる。伝導性パネルは、2 Ω/cm2以上、かつ100 Ω/cm2より著しく低い、単位面積当たりの電気抵抗を有することができる。
【0036】
スロットアンテナは、最も単純な構成として、グレージングの単一の縁領域のみに、例えば上縁部のみに、設けることができる。少なくとも1つのスロットアンテナは、例えば矩形状、L字型又はU字型等の任意の適切な形状とすることができる。
【0037】
ペインの縁部全長に渡って、少なくとも1つのスロットアンテナを形成することが、製造の観点から、有利であることが分かった。ただし、スロットアンテナの長さは、グレージングの縁部よりも短くすることができる。スロット領域は、グレージングの中央に対して対称的に形成することができる。また、スロット領域は、グレージングの中央に対して非対称的に形成することもできる。
【0038】
少なくとも1つの細長い導体を、伝導性パネルの少なくとも1つの縁部の少なくとも一部分に沿って、設けることができる。かかる細長い導体は、スロットアンテナの周辺を流れる電流の抵抗損を抑制するという点で有利であり得る。細長い導体は、ガラスの縁部から突出させて、窓枠への低インピーダンス路を形成することができる。
【0039】
少なくとも1つのスロットアンテナを不透明かつ細長い非導電性印刷等により覆う場合は、スロットアンテナの美的外観を向上することができる。代替的に、色付きのホイルを、日よけの機能を持つグレージングに結合させることができる。
【0040】
少なくとも1つのスロットアンテナは、グレージングの一方の横方向端部から他方の横方向端部まで、すなわちグレージングの側部全長に沿って、延在することができる。また、少なくとも1つのスロットアンテナは、窓開口部を囲む金属枠との間に、複数の異なる間隙を有することができる。
【0041】
スロットアンテナとの間で電波を送受信するために、少なくとも1つのスロットアンテナに沿って、複数の接続要素を設けることができる。グレージングは、ダイバーシティシステムの一部を構成することができ、ダイバーシティ回路に接続することができる。
【0042】
スロットアンテナは、スロットアンテナとの間で高周波エネルギーの供給を行う同軸ケーブル等の接続リード線を介して、受信/送信回路に接続することができる。このとき、内部・コア導体と外部・遮蔽導体とを、それぞれスロットアンテナの反対側に接続/結合する。
【0043】
上記接続要素は、スロットアンテナの縁部に沿って延在し、伝導性パネルとオーバーラップして、ゆえにスロットアンテナと容量結合した、平坦な電極とすることができる。
【0044】
上記接続要素の位置又はその付近には、金属枠を介して接地される増幅器を設けることができる。接続要素は、スロットアンテナを横切るように配置することができる。さらに、接続要素は、伝導性パネルにまで延在する1つ以上の細長い又は直線状の導体を含むことができる。周波数と車両の寸法に応じて、グレージングは単一の接続要素を備えることができる。該単一の接続要素は、少なくとも1つのスロットアンテナの長手方向中央部に配置することが好ましい。ただし、グレージングは、少なくとも1つのスロットアンテナに沿って互いに離間する2つ以上の接続器を有することができる。スロットの形状及び接続の位置に基づいて、送信・伝送特質や空間送信・伝送特性を決定することができる。接続要素の領域の寸法決めにより、容量給電による無線周波数のインピーダンス整合が、ある程度可能になる。
【0045】
本発明の他の態様によれば、第1の態様によるグレージングを少なくとも1つ備えた車両が提供される。
【0046】
本発明の一態様に適用し得る最適な構成を、任意の組み合わせで、任意の数だけ用い得ることは、明らかである。さらに、本発明の一態様に適用し得る最適な構成を、本発明の他の任意の態様に、任意の組み合わせで、任意の数だけ用いることもできる。このことは、本願の請求項のうち、他の従属項から従属する従属項に係る発明についても当てはまるが、これに限定されない。
【0047】
以下、本発明の実施形態を、あくまで例として、図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明による車両の正面図である。
【図2】本発明によるグレージングの概略平面図である。
【図3】金属枠とオーバーラップするように配置された銀印刷を備えた、本発明によるグレージングの概略平面図である。
【図4】装置を囲む銀印刷を備えた、本発明によるグレージングの概略平面図である。
【図5】装置とスロットアンテナの長手方向端部との間に設けられた銀印刷を備えた、本発明によるグレージングの概略平面図である。
【図6】装置をスロットアンテナから電気的に絶縁するレーザ走査線を備えた、本発明によるグレージングの概略平面図である。
【図7】装置をスロットアンテナから電気的に絶縁するレーザ走査線と、装置を囲む銀印刷とを備えた、本発明によるグレージングの概略平面図である。
【図8】装置をスロットアンテナから電気的に絶縁するレーザ走査線と、レーザ走査線とスロットアンテナの長手方向端部との間に設けられた銀印刷とを備えた、本発明によるグレージングの概略平面図である。
【図9】装置をスロットアンテナから電気的に絶縁するレーザ走査線と、レーザ走査線と装置との間に設けられるとともに装置を囲む銀印刷と、レーザ走査線とスロットアンテナの長手方向端部との間に設けられた銀印刷とを備えた、本発明によるグレージングの概略平面図である。
【図10】装置用のヒーターを備えた、本発明によるグレージングの概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
全ての図面は、概略図であり、原寸に比例して描かれているとは限らない。各図面は、本発明の原理を説明するためのものである。当然ながら、当業者は、本発明の範囲内において、個々の特定の要求に応じて、導体構造をグレージングの実際の形状及び寸法に適応させ、アンテナの構成を最適化するはずである。
【0050】
図1は、本発明による車両の正面図であり、該車両を自動車1として示している。自動車1は、グレージング3を囲む金属枠2を有する。本実施形態において、グレージング3はフロントガラスである。グレージング3は、伝導性パネル4を有する。伝導性パネル4は、銀コーティングである。伝導性パネル4は、グレージング3の上縁部における中央部分4aを除いて、グレージング3の上縁部には配設されていない。これにより、2つのスロットアンテナ5を形成可能にしている。グレージング3の内側には、カメラ・通行料課金用(toll)センサー6が取り付けられている。カメラ・通行料課金用センサー6は、スロットアンテナ5とオーバーラップしないように位置付けされており、これによりスロットアンテナ5で発生するEMIを低減させている。
【0051】
図2は、本発明によるグレージング3の一実施形態を示している。図には、金属枠を示していない。金属枠は、通常、金属製の車体である。金属枠は、一般的に、多角形状の開口部を有する。図には、個々のペインを示していない。その代わりに、スロットアンテナ5及び装置6の機能に重要な導体構造のみを、外側ペインと平行な投影面上に図示している。導体構造は、その全体を単一の平面内に設けるか、又は複数の異なる平面内に設けることができる。図には、スロットアンテナ5及び装置6の機能に全く又はほとんど寄与しないペイン構成要素を示していない。かかるペイン構成要素は、例えば積層ホイル、非伝導性コーティング、取り付け用接着剤、フレーム構成要素(例えばシーリングプロファイル)等である。非伝導性コーティングは、例えばシルクスクリーン法によって焼付けられた、不透明な細長いエナメル等である。導体構造は、非伝導性コーティングによって完全又は部分的に遮光される。車両は、ガラスの縁部全体を囲むような金属製車体を備えない場合がある。しかしながら、車体は、少なくともスロットアンテナ5及び装置6の領域において、平坦状、メッシュ状、又は格子状の接地導体から形成されている場合、その他の領域において金属により形成されていなくてもよい。
【0052】
図2のグレージング3は、伝導性パネル4を有する。伝導性パネル4は、銀コーティングである。伝導性パネル4は、グレージング3の上部及び下部における中央部分7を除いて、グレージング3の周縁部には配設されていない。この構成により、2つの誘電体スロットを形成可能にしている。本例において、各誘電体スロットは、それぞれスロットアンテナ5である。前述のように、グレージング3の内側には、カメラ・通行料課金用センサー6を取り付けている。カメラ・通行料課金用センサー6は、スロットアンテナ5とオーバーラップしないように位置付けされており、これによりスロットアンテナ5で発生するEMIを低減させている。
【0053】
以降詳細に説明するスロットアンテナ5と、その放射領域とが、良好に機能することを保証するためには、伝導性パネル4が、金属枠とオーバーラップすることなく金属枠の付近にまで延在して、所望の帯域幅に応じた適切な幅を持ったスロットを形成することが重要である。伝導性パネル4は、本発明によるグレージングの全てのスロットアンテナ5について、金属枠との対向面を形成するものとして必要なものである。よって、個々のスロットアンテナ5から伝導性パネル4までの距離は、長過ぎてはならない。このことは、金属枠からスロットアンテナ5までの距離についても同様である。スロットアンテナ5の幅は、(約0.6〜0.7であるガラス短縮率を掛けた)平均波長の1/5よりも大幅に小さいことが好ましい。
【0054】
上述したように、図2の実施形態において、伝導性パネル4は、伝導性パネル4の周縁部全体に渡って、金属枠から離間しているわけではない。伝導性パネル4は、2つの領域7において、グレージング3の縁部にまで長く延在することで金属枠とオーバーラップする。これにより伝導性パネル4が金属枠とHF(高周波)結合して、領域7がスロットアンテナ5の終端を事実上規定することになる。本発明は、スロットアンテナ5が矩形状、L字型、又は他の形状を有するような構成をも包含するものである。ただし、スロットアンテナ5の幅は、必ず、スロットアンテナ5の全長よりも著しく小さいものとする。
【0055】
2つのスロットアンテナ5は、HF伝導性フレームにより囲まれた(包囲された)誘電体放射領域を有し、それぞれ幾何学的に略U字型に形成されている。スロットアンテナ5の放射領域の幅は、任意点において、約1cm以上である。この下限値は、VHF範囲でスロットアンテナとして支障無く機能するために必要である。図の例では、2つのスロットアンテナ5の放射領域は、略同じ幅を有する。しかしながら、2つのスロットアンテナ5の放射領域は、前述した好適な最小幅を考慮して、互いに異なる幅を有することができる。放射領域の幅の上限値は、スロットアンテナ5自体の幅により規定される。スロットアンテナ5の放射領域の幅は、受信可能な周波数範囲である帯域幅に影響をもたらす。スロットアンテナの幅が増大するにつれて、帯域幅も増大する。
【0056】
スロットアンテナ5の放射領域の長さは、伝導性パネル4から金属枠2までの間において、アンテナの電流が流れる場所により決定される。電流は、領域7内での容量結合によって発生させるか、又はコーティング・格子状ヒーター4を加熱するためのDC若しくは低周波電流を発生させるような他の導体(図示せず)によって発生させることができる。接続リード線8は、スロットアンテナ5の長手方向端部から離間した点において、伝導性パネル4と金属枠に、HF結合によって接続されている。接続リード線8は、容量結合により接続するか、又は直接的に接続することができる。直接的な接続は、例えば半田付け、摩擦圧接、又は伝導性接着により行う。
【0057】
伝導性パネル4は、装置6の金属製筐体によりもたらされる付加的な遮蔽とともに、スロットアンテナをEMIから遮蔽する機能を持つ。例えばIRセンサー/カメラに視界を与える等のために、伝導性パネル4に小さな穴を形成する必要がある場合、遮蔽の問題が生じることが知られているが、この場合でさえも、図2の構成によってEMIが低減される。
【0058】
図3は、グレージング3の概要平面図である。グレージング3は、図2のグレージングと似ているが、細長い銀印刷9が、グレージング3の上部において金属枠とオーバーラップするように、伝導性パネル4の領域7内に設けられている点で、図2のグレージングとは異なる。銀印刷9は、コネクタ10を介して、接地された金属枠等に接続されている。この構成により、金属枠と伝導性パネル4とのオーバーラップが向上し、これによりスロットアンテナ5で発生するEMIをさらに低減させることができる。銀印刷9は、グレージングの内側表面に設けるか、又は、例えば加熱されたフロントガラス内で、伝導性パネル4に直接接続することができる。
【0059】
図4は、銀印刷9が装置6を包囲している実施形態を示している。このグレージング3は、図3のグレージング3と同じ利点を有するが、EMIをさらに低減するものである。このことは、装置6を銀印刷9で包囲することにより達成される。この構成により、スロットアンテナ5に悪影響を与えることなく、EMI、特にEMI電流が、グレージング3から出るための通路がもたらされる。
【0060】
図5は、装置6とスロットアンテナ5の長手方向端部との間に細長い銀印刷9を備えた場合における、図2のグレージング3を示している。細長い銀印刷9は、コネクタ10を介して接地されている。銀印刷9は、スロットアンテナ5の長手方向端部での干渉電流を、装置6から離れるように案内して、EMIをさらに低減させる機能を持つ。
【0061】
図6は、装置6をスロットアンテナ5から電気的に絶縁させるレーザ走査線11を備えた場合における、図2のグレージングを示している。この構成は、レーザ走査線11が、パネル4内における装置6の領域を、スロットアンテナ5の長手方向端部から分離するという点で、有利である。レーザ走査線11は、スロットアンテナ5の電流をスロットアンテナ5周辺に「案内」して、装置6の付近にEMI電流を保持するのを助ける。
【0062】
図7は、装置6をスロットアンテナ5から電気的に絶縁させるレーザ走査線11と、装置6を囲む銀印刷9とを備えた、グレージング3を示している。この構成は、図4と図6の構成を組み合わせたものに相当する。装置6を囲む銀印刷9によって、装置6からのEMI電流を接地に流すとともに、レーザ走査線11によりスロットアンテナ5の端部を装置6から分離することによって、EMIを低減させることができる。
【0063】
図8は、装置6をスロットアンテナ5から電気的に絶縁させるレーザ走査線11と、レーザ走査線11とスロットアンテナ5の長手方向端部との間に設けられた銀印刷9とを備えた、グレージング3を示している。この構成は、図5と図6の構成を組み合わせたものに相当する。銀印刷9がスロットアンテナ5の長手方向端部で生じる干渉電流を装置6から離れるように案内するとともに、レーザ走査線11がスロットアンテナ5の電流をスロットアンテナ5周辺に「案内」してEMI電流を装置6の付近に保持することにより、EMIを低減させることができる。
【0064】
図9は、装置6をスロットアンテナ5から電気的に絶縁させるレーザ走査線11と、レーザ走査線11と装置6との間に設けられるとともに装置6を囲む銀印刷9と、レーザ走査線11とスロットアンテナ5の長手方向端部との間に設けられた細長い銀印刷9とを備えた、グレージング3を示している。この構成は、図4、図5及び図6の構成を組み合わせたものに相当する。レーザ走査線11とスロットアンテナ5の長手方向端部との間に配置された銀印刷9が、アンテナのHF電流を装置6から離れるように案内することにより、EMIを低減させることができる。さらに、レーザ走査線11と装置6との間に配置された銀印刷9が、装置6のEMI電流を案内するとともに、レーザ走査線11が、アンテナのHF電流と装置のEMI電流とが同一の銀印刷9を流れることを防止する。
【0065】
図10は、装置6(カメラ)用のヒーター12を備えたグレージング3を示している。この場合、ヒーター12は、グレージング3の内側表面上に設けられた銀印刷であるが、埋込ワイヤを使用することもできる。ヒーター12は、パネル4に容量結合されるとともに、装置6の領域とオーバーラップしている。これにより、装置6からのEMI電流を効率的に接地に流すことができる。ヒーター12は、接地線13により、車両の金属製の車体を介して接地されるように構成されている。ヒーター12は、さらに、インダクタ14に接続されており、これにより車内構造からのEMIがヒーター回路に入るのを防ぐ。また、ヒーター12は、コンデンサ15に接続されており、これにより車内構造からのEMI信号の残りを接地に流す。かかるヒーター12は、グレージング3内における装置6の領域において、霜、曇り又は霧が生じるのを回避するために使用することができる。この構成により、装置6により発生するEMI電流を効果的に接地に流す他の方法がもたらされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属枠の内側に固定される車両用の積層グレージングにおいて、
内側ペインと、
外側ペインと、
前記内側ペインと前記外側ペインとの間の結合層と、
伝導性パネルと、
電磁波を放射し得る少なくとも1つの装置とを備え、
前記伝導性パネルは、前記金属枠の縁部と該伝導性パネルの縁部との間に延在する少なくとも1つの誘電体スロットアンテナを規定し、
前記少なくとも1つのスロットアンテナは、
該スロットアンテナの延在領域に隣接する高周波伝導性のフレームと、
前記フレームに対する対向縁部を有するとともに接続リード線に接続される導体とを有し、
電磁波を放射し得る前記少なくとも1つの装置の領域と、前記少なくとも1つのスロットアンテナの領域とが、前記外側ペインと平行な投影面上においてオーバーラップしないように配置されているグレージング。
【請求項2】
請求項1に記載のグレージングにおいて、
前記少なくとも1つの装置は、前記外側ペインと平行な投影面上において、前記少なくとも1つのスロットアンテナの長手方向端部同士の間に配置されていることを特徴とするグレージング。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のグレージングにおいて、
前記少なくとも1つの装置の放射/受信領域と、前記少なくとも1つのスロットアンテナの放射/受信領域とが、前記外側ペインと平行な投影面上において、オーバーラップしないように配置されていることを特徴とするグレージング。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか一項に記載のグレージングにおいて、
前記伝導性パネルは、前記グレージングの少なくとも1つの縁領域内において前記金属枠とオーバーラップし、前記少なくとも1つの縁領域において前記金属枠と高周波結合されていることを特徴とするグレージング。
【請求項5】
請求項4に記載のグレージングにおいて、
前記少なくとも1つの装置は、前記少なくとも1つの縁領域内に配置されていることを特徴とするグレージング。
【請求項6】
請求項1〜5のうちいずれか一項に記載のグレージングにおいて、
前記グレージングは、前記少なくとも1つのスロットアンテナの少なくとも1つの長手方向端部における電流を、前記少なくとも1つの装置により誘導される電流から分離する手段をさらに備えていることを特徴とするグレージング。
【請求項7】
請求項6に記載のグレージングにおいて、
前記手段は、前記伝導性パネルに、電気的に接続され、又は容量結合された、少なくとも1つの伝導性ワイヤ及び/又は少なくとも1つの伝導性印刷を有していることを特徴とするグレージング。
【請求項8】
請求項7に記載のグレージングにおいて、
前記少なくとも1つの伝導性ワイヤ及び/又は少なくとも1つの伝導性印刷は、前記少なくとも1つのスロットアンテナの1つ又は複数の長手方向端部に配置されていることを特徴とするグレージング。
【請求項9】
請求項8に記載のグレージングにおいて
前記伝導性ワイヤ及び/又は伝導性印刷は、前記伝導性パネルの一部分に渡って延在し、接地されていることを特徴とするグレージング。
【請求項10】
請求項7〜9のいずれか一項に記載のグレージングにおいて、
前記少なくとも1つの伝導性ワイヤ及び/又は少なくとも1つの伝導性印刷は、前記少なくとも1つの装置を少なくとも部分的に囲むように配置されていることを特徴とするグレージング。
【請求項11】
請求項7〜10のうちいずれか一項に記載のグレージングにおいて、
前記少なくとも1つの伝導性ワイヤ及び/又は少なくとも1つの伝導性印刷は、発熱可能であることを特徴とするグレージング。
【請求項12】
請求項6に記載のグレージングにおいて、
前記手段は、前記伝導性パネル内の領域同士を電気的に絶縁させる少なくとも1つの遮蔽線を有することを特徴とするグレージング。
【請求項13】
請求項12に記載のグレージングにおいて、
前記少なくとも1つの遮蔽線は、前記伝導性パネル内に間隙を有することを特徴とするグレージング。
【請求項14】
請求項12又は13に記載のグレージングにおいて、
前記少なくとも1つの遮蔽線は、直線状の遮蔽線、屈曲した遮蔽線、波状の遮蔽線、湾曲した遮蔽線、ジグザグ状の遮蔽線、フラクタル状の遮蔽線及び/又は他の非直線状の遮蔽線を含むことを特徴とするグレージング。
【請求項15】
請求項12〜14のいずれか一項に記載のグレージングにおいて、
前記少なくとも1つの遮蔽線は、一定又は可変の格子間隔を有する格子を形成していることを特徴とするグレージング。
【請求項16】
請求項12〜15のうちいずれか一項に記載のグレージングにおいて、
前記少なくとも1つの遮蔽線は、レーザ技術により形成されたことを特徴とするグレージング。
【請求項17】
請求項1〜16のうちいずれか一項に記載のグレージングにおいて、
前記少なくとも1つの装置は、カメラ及び/又はセンサーであることを特徴とするグレージング。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか一項に記載のグレージングにおいて、
前記伝導性パネルは、太陽光エネルギースペクトルの少なくとも一部分における太陽光エネルギーの透過を低減可能である、透明な太陽光制御コーティングを有することを特徴とするグレージング。
【請求項19】
請求項1〜18に記載のグレージングにおいて、
前記グレージングは、少なくとも2つのスロットアンテナを備え、
前記スロットアンテナは、該スロットアンテナの全長の少なくとも一部に渡って、互いに平行に隣接するように配置されていることを特徴とするグレージング。
【請求項20】
請求項1〜19に記載のグレージングにおいて、
前記グレージングは、ダイバーシティシステムの一部を構成し、ダイバーシティ回路に接続されていることを特徴とするグレージング。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか一項に記載のグレージングを備えている車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−515387(P2013−515387A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543916(P2012−543916)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【国際出願番号】PCT/GB2010/052178
【国際公開番号】WO2011/077142
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(504106697)ピルキントン オートモーティヴ ドイチェラント ゲーエムベーハー (20)
【出願人】(591229107)ピルキントン グループ リミテッド (82)
【Fターム(参考)】