スロットマシン
【課題】操作されたストップスイッチに対応するリールが停止したときにサウンドを出力する演出により、遊技者の遊技に対する関心や新鮮味を長く継続させることができるスロットマシンを提供することにある。
【解決手段】ストップスイッチが操作されると、ストップスイッチに対応するストップスイッチ操作信号を、リール制御手段に送信する操作手段と、受信したストップスイッチ信号に対応するリールが停止したとき、リール停止信号を演出制御手段に送信するリール制御手段と、リール停止信号を受信すると、サウンド出力手段を用いて所定のサウンドを出力し、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間を遊技者に告知する演出制御手段と、を含むスロットマシンを提供する。
【解決手段】ストップスイッチが操作されると、ストップスイッチに対応するストップスイッチ操作信号を、リール制御手段に送信する操作手段と、受信したストップスイッチ信号に対応するリールが停止したとき、リール停止信号を演出制御手段に送信するリール制御手段と、リール停止信号を受信すると、サウンド出力手段を用いて所定のサウンドを出力し、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間を遊技者に告知する演出制御手段と、を含むスロットマシンを提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、遊技者が遊技媒体を投入して、図柄が表示されたリールを回転させて停止させ、停止時における図柄組合せにより遊技結果を定めるスロットマシンに関する。特に、ストップスイッチの操作により回転させたリールが停止したときにサウンド出力することにより、遊技者に対して、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間を告知する演出制御を特徴とするスロットマシンに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来より、スロットマシンでは、リールに図柄を表示し、リール停止時の図柄の組合せにより遊技結果を表示するとともに、各種の報知手段（画像表示装置、ランプ、サウンド出力装置等）により出力された演出によって、役の抽選結果等を報知する。
【０００３】
特に、報知手段による演出出力は、リール停止時、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止すること、又は特別役の当選を意味する情報の表示等に用いられ、遊技の進行における補助的役割を果たすものとして、極めて重要な要素となっている。
例えば、サウンド出力装置の演出制御方法として、役の抽選結果と、ストップスイッチを操作した時点からストップスイッチに対応するリールが停止するまでに、リール上に表示された図柄が移動する移動コマ数と、に応じたサウンドを出力して、遊技者に遊技状態を報知する演出制御方法を採用したスロットマシンが提案されている（例えば、特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００２−３５５３５９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかし、前述の従来技術は、出力されるサウンドにバリエーションがあるものの、特別役に当選したことを報知するサウンドが出力されたときは遊技者の遊技に対する興味と期待感を高まらせることができるが、はずれたことを報知するサウンドが出力されたとき等は、遊技者にとっては興味や期待感を生じさせるものではなかった。
この結果、サウンドにバリエーションがあるものの、サウンドの出力により役の抽選結果を報知していることから、遊技者は出力されるサウンドの種類、特に、はずれたことを報知するサウンドによって、遊技者の遊技に対する興味を失ってしまうという問題が生じていた。
【０００６】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、ストップスイッチが操作され、操作されたストップスイッチに対応するリールが停止したとき、サウンド出力手段を用いて所定のサウンドを出力し、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間を遊技者に告知する演出制御手段を有するスロットマシンを提供することにある。
【０００７】
この結果、操作されたストップスイッチに対応するリールが停止することにより所定のサウンドが出力されることから、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間のずれを遊技者に告知することができる。従って、時間のずれに役の抽選結果等の情報を含ませることにより、全てのリールが停止するまでのストップスイッチ操作に対応して、遊技者の遊技に対する興味と期待感を高まらせることができる。さらに、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間のずれは、遊技者に違和感を生じさせることから認識され易く、サウンド出力による演出により遊技者の遊技に対する関心や新鮮味を長く継続させることができる。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
以上のような目的を達成するため、本発明に係るスロットマシンにおいては、ストップスイッチが操作されると、ストップスイッチに対応するストップスイッチ操作信号を、リール制御手段に送信する操作手段と、受信したストップスイッチ信号に対応するリールが停止したとき、リール停止信号を演出制御手段に送信するリール制御手段と、リール停止信号を受信すると、サウンド出力手段を用いて所定のサウンドを出力し、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間を遊技者に告知する演出制御手段と、を含む。
【０００９】
具体的には、本発明に係るスロットマシンは、
遊技媒体を投入して、複数の図柄が表示された複数のリールを回転させ停止させた結果に基づく処理までの単位遊技を実施可能なスロットマシンであって、
前記複数のリールの各々に対応して設けられたストップスイッチを有する操作手段と、
前記ストップスイッチが操作されることにより、回転させた前記複数のリールの停止制御を行うリール制御手段と、
前記遊技の進行に基づいて報知手段を用いた演出を出力する演出制御手段と、
を含み、
前記操作手段は、前記ストップスイッチが操作されると、前記ストップスイッチに対応するストップスイッチ操作信号を、前記リール制御手段に送信し、
前記リール制御手段は、受信した前記ストップスイッチ信号に対応するリールが停止したとき、リール停止信号を前記演出制御手段に送信し、
前記報知手段は、所定のサウンドを出力するサウンド出力手段を含み、
前記演出制御手段は、前記リール停止信号を受信すると、前記サウンド出力手段を用いて所定のサウンドを出力し、前記ストップスイッチの操作から前記ストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間を遊技者に告知する、
ことを特徴とする。
【００１０】
上述した発明によれば、演出制御手段は、リール停止信号を受信すると、サウンド出力手段を用いて所定のサウンドを出力し、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間を遊技者に告知することから、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間のずれを遊技者に告知することができる。従って、時間のずれに遊技状態や抽選結果等の情報を反映させることにより、全てのリールが停止するまでのストップスイッチ操作に対して、遊技者の遊技に対する興味と期待感を高まらせることができる。さらに、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間のずれは、遊技者に違和感を生じさせることから認識され易く、サウンド出力による演出により遊技者の遊技に対する関心や新鮮味を長く継続させることができる。
【００１１】
本発明に係るスロットマシンとして、特別役を含む役の中から、何れの役に当選したのかを判別する役抽選手段と、当選した役にリール制御手段により入賞したときに、入賞した役に対応した処理を進める遊技制御手段と、当選した特別役に入賞したときに、遊技を遊技者にとって有利に進行させる特別遊技を実施する特別遊技制御手段と、当選した特別役に入賞していない遊技状態を含む遊技状態が設定された遊技状態データと、役抽選手段による抽選結果が設定された抽選結果データと、リール制御手段により受信されるストップスイッチ操作信号に対応するリールの図柄の表示位置が設定された表示位置データと、遊技状態データ及び抽選結果データの各データに対して、リール制御手段がストップスイッチ操作信号を受信したとき、表示位置データの図柄の表示位置からリールが停止するまでに図柄が移動する移動コマ数が設定された移動コマ数データと、からなる移動コマ数データテーブルを記憶する記憶手段と、をさらに含み、移動コマ数データテーブルの抽選結果データは、一の抽選結果データと、他の抽選結果データとを含み、移動コマ数データテーブルの遊技状態データに対する移動コマ数データの移動コマ数は、抽選結果データが一の抽選結果データであるときに、最小の移動コマ数が設定されている表示位置データのデータ数が、抽選結果データが他の抽選結果データであるときに、最小の移動コマ数が設定されている表示位置データのデータ数よりも多くなるように設定される、ことが好ましい。
【００１２】
上述した発明によれば、前記移動コマ数データテーブルを記憶する記憶手段を含むことから、遊技状態データと、抽選結果データと、表示位置データと、移動コマ数データとに基づき、リール制御手段が、ストップスイッチ操作信号を受信したときの図柄の表示位置から、移動コマ数データテーブルに記憶された移動コマ数だけ図柄を移動させてリールを停止するリール停止制御を行うことができる。
【００１３】
また、移動コマ数データテーブルの抽選結果データは、一の抽選結果データと、他の抽選結果データとを含み、移動コマ数データテーブルの遊技状態データに対する移動コマ数データの移動コマ数は、抽選結果データが一の抽選結果データであるときに、最小の移動コマ数が設定されている表示位置データのデータ数が、抽選結果データが他の抽選結果データであるときに、最小の移動コマ数が設定されている表示位置データのデータ数よりも多くなるように設定されることから、移動コマ数が最小の移動コマ数になるのは、抽選結果データが一の抽選結果データである場合の方が、他の抽選結果データである場合と比較して多い。従って、リール制御手段が、ストップスイッチを操作したときの図柄の表示位置から、最小の移動コマ数の図柄を移動してリールを停止させたときは、役抽選手段による抽選結果が一の抽選結果データであったと遊技者に推測させることができる。
【００１４】
この結果、一の抽選結果データが役に当選しないはずれの場合、ストップスイッチが操作されて最小の移動コマ数の図柄を移動してリールが停止されると、抽選結果がはずれであったと遊技者に推測させることができる。
【００１５】
ここで、「役」には、入賞すると所定枚数の遊技媒体の払い出しを行う「一般役」と、遊技を遊技者にとって有利に進行させる「特別遊技」に移行させることが可能な「特別役」と、遊技媒体を投入しないで遊技を再実施できる「再遊技」とが含まれる。
【００１６】
「特別遊技」とは、役抽選手段により特別役に当選し、かつ、リール制御手段により特別役に対応する所定の図柄が停止し入賞したときに、遊技を遊技者にとって有利に進行させる遊技をいう。
【００１７】
「特別役」には、抽選で所定役が高確率で当選する遊技を一定条件下で所定回数行う「第１特別遊技」に移行させることが可能な「第１特別役」と、一般遊技と第１特別遊技に相当する遊技の少なくとも一方の遊技を行える「第２特別遊技」に移行させることが可能な「第２特別役」とが含まれる。
【００１８】
ここで、第１特別役は、特別遊技の１つである第１特別遊技に移行させる役であり、レギュラーボーナス役（以下、ＲＢ役と称する。）と呼ばれる役である。第１特別遊技は、所定役が高確率で当選する遊技を、一定条件下で所定回数行うことができる。また、第２特別役は、特別遊技の１つである第２特別遊技に移行させる役であり、ビッグボーナス役（以下、ＢＢ役と称する。）と呼ばれる役である。第２特別遊技は、一般遊技と第１特別遊技に相当する遊技の少なくとも一方の遊技を、所定の遊技媒体払出枚数に達するまで行える遊技である。
【００１９】
また、「所定の図柄が停止する」とは、全てのリールで予め定められた図柄が停止する設定も含まれるし、一部のリールで予め定められた図柄が停止する設定も含まれる。また、予め定められた図柄は、全てのリールで同一の図柄に設定することもできるし、リールによって異なる図柄を設定することもできる。
【００２０】
一方、「所定の図柄が停止しない」とは、上記の「所定の図柄が停止する」に該当するための要件を、満たさないことを意味する。従って、例えば、要件とされているリールのうち、一部のリールで所定の図柄が停止しないときでも、「所定の図柄が停止しない」ことになる。もちろん、要件とされた全てのリールで所定の図柄が停止しないときも、「所定の図柄が停止しない」ことになる。
【００２１】
なお、１の役を定める「抽選」は、例えば、乱数を発生させてその値によって、１つの当選役を定めることが望ましい。乱数の発生については、乱数発生器を用いることも考えられるし、コンピュータ等を用いてソフトウェア上で発生させることも考えられる。
【００２２】
本発明に係るスロットマシンとして、移動コマ数データテーブルの遊技状態データに対する移動コマ数データの移動コマ数は、抽選結果データが一の抽選結果データであるときに、最大の移動コマ数が設定されている表示位置データのデータ数が、抽選結果データが他の抽選結果データであるときに、最大の移動コマ数が設定されている表示位置データのデータ数よりも少なくなるように設定される、ことが好ましい。
【００２３】
上述した発明によれば、移動コマ数データテーブルの遊技状態データに対する移動コマ数データの移動コマ数は、抽選結果データが一の抽選結果データであるときに、最大の移動コマ数が設定されている表示位置データのデータ数が、抽選結果データが他の抽選結果データであるときに、最大の移動コマ数が設定されている表示位置データのデータ数よりも少なくなるように設定されることから、移動コマ数が最大の移動コマ数になるのは、抽選結果データが他の抽選結果データである場合の方が、一の抽選結果データである場合と比較して多い。従って、リール制御手段が、ストップスイッチを操作したときの図柄の表示位置から、最大の移動コマ数の図柄を移動してリールを停止させたときは、役抽選手段による抽選結果が他の抽選結果データであったと遊技者に推測させることができる。
【００２４】
この結果、他の抽選結果データがはずれの場合以外の役に当選した場合、ストップスイッチが操作されて最大の移動コマ数の図柄を移動してリールが停止されると、抽選結果がはずれの場合以外の役に当選した場合であったと遊技者に推測させることができ、遊技者の遊技に対する興味と期待感を高まらせることができる。
【００２５】
本発明に係るスロットマシンとして、移動コマ数データテーブルの遊技状態データは、一の遊技状態と、他の遊技状態とを含み、移動コマ数データテーブルの一の遊技状態に対する移動コマ数は、抽選結果データ及び表示位置データの各データが同一のとき、他の遊技状態に対する移動コマ数と異なる場合を含む、ことが好ましい。
【００２６】
上述した発明によれば、抽選結果データ及び表示位置データの各データが同一である場合でも、当選した特別役に入賞していない遊技状態を含む遊技状態毎に、移動コマ数データテーブルの移動コマ数データを異なる移動コマ数に設定することができることから、表示位置から異なる移動コマ数の図柄を移動してリールを停止することができる。
【００２７】
例えば、抽選結果データがはずれの場合であって、表示位置データが同一であるときに、当選した特別役に入賞していない遊技状態における移動コマ数を最大の移動コマ数に、特別役に当選していない遊技状態における移動コマ数を最小の移動コマ数に設定することができる。
【００２８】
この結果、ストップスイッチ操作に基づく遊技のバリエーションが広がり、さらに、異なる移動コマ数によるストップスイッチ操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間のずれは、遊技者に違和感を生じさせ、全てのリールが停止するまでのストップスイッチ操作に対して、遊技者の遊技に対する興味と期待感を高まらせることができる。
【００２９】
本発明に係るスロットマシンとして、移動コマ数データテーブルは、リール制御手段により少なくとも１つのリールが停止されたリール上の図柄の停止位置が記憶された停止位置データを、さらに含み、移動コマ数データの移動コマ数は、遊技状態データ及び抽選結果データの各データに対して、リール制御手段がストップスイッチ操作信号を受信したとき、停止位置データの図柄の停止位置に基づき、表示位置データの図柄の表示位置からリールが停止するまでに図柄が移動する移動コマ数が設定される、ことが好ましい。
【００３０】
上述した発明によれば、遊技状態データと、抽選結果データと、表示位置データと、既に停止したリールの停止位置データと、移動コマ数データとに基づき、リール制御手段が、ストップスイッチ操作信号を受信したときの図柄の表示位置から、移動コマ数データテーブルに記憶された移動コマ数だけ図柄を移動させてリールを停止するリール停止制御を行うことができる。
【００３１】
従って、ストップスイッチ操作をするごとに、前記表示位置から移動コマ数データテーブルに設定された移動コマ数の図柄を移動してリールを停止させることができるため、ストップスイッチ操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間のずれが顕著になる。この結果、前記時間のずれを遊技者に認識させ易くなり、さらに遊技のバリエーションが広がり、遊技者の遊技に対する興味と期待感を高まらせることができる。
【００３２】
本発明に係るスロットマシンとして、移動コマ数データテーブルの移動コマ数は、遊技状態データの遊技状態が当選した特別役に入賞していない遊技状態であって、抽選結果データの抽選結果が役に当選しているときに、所定の入賞順位の低い役の図柄を有効ライン上に停止させる移動コマ数が設定される、ことが好ましい。
【００３３】
上述した発明によれば、移動コマ数データテーブルの移動コマ数は、遊技状態データの遊技状態が当選した特別役に入賞していない遊技状態であって、抽選結果データの抽選結果が役に当選しているときに、所定の入賞順位の低い役の図柄を有効ライン上に停止させる移動コマ数が設定されることから、前記移動コマ数に基づきリールを停止して、入賞順位の低い当選役の図柄を有効ライン上に停止させたときに、優先順位の低い当選役以外の当選役の図柄が有効ライン上に揃わない場合は、前記移動コマ数に基づきリールを停止して、入賞順位の低い当選役の図柄を有効ライン上に停止することができる。一方、入賞順位の低い当選役以外の当選役の図柄を有効ライン上に揃えることができる場合は、移動コマ数に基づくリール上の図柄の表示位置を、入賞順位の低い当選役以外の当選役の図柄が有効ライン上に揃う位置に変更して、入賞順位の低い当選役以外の当選役の図柄を有効ライン上に停止することができる。
【００３４】
本発明に係るスロットマシンとして、リール制御手段は、移動コマ数データテーブルの移動コマ数を暫定移動コマ数として決定し、暫定移動コマ数に基づき回転させたリールを停止したときであって、役抽選手段により当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃うときは、暫定移動コマ数を変更し、変更された暫定移動コマ数に基づきリールを停止すると、有効ライン上に当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが揃わないときは、変更された暫定移動コマ数に基づき回転させた前記リールの停止制御を行う、ことが望ましい。
【００３５】
上述した発明によれば、移動コマ数データテーブルの移動コマ数を暫定移動コマ数として決定し、暫定移動コマ数に基づき回転させたリールを停止した場合に、役抽選手段により当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃うか否かをリール制御手段により判断する。そして、リール制御手段により、当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃わないと判断したときは、決定された暫定移動コマ数に基づきリールの停止制御を行う。一方、当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃うと判断したときは、有効ライン上に当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが揃わないように暫定移動コマ数を変更し、変更された暫定移動コマ数に基づきリールの停止制御を行うことができる。
従って、役抽選手段において当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ラインに揃うことを回避することができる。
【発明の効果】
【００３６】
上述した発明によれば、演出制御手段は、リール停止信号を受信すると、サウンド出力手段を用いて所定のサウンドを出力し、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間を遊技者に告知することから、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間のずれを遊技者に告知することができる。従って、時間のずれに遊技状態や抽選結果等の情報を反映させることにより、全てのリールが停止するまでのストップスイッチ操作に対応して、遊技者の遊技に対する興味と期待感を高まらせることができる。さらに、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間のずれは、遊技者に違和感を生じさせることから認識され易く、サウンド出力による演出により遊技者の遊技に対する関心や新鮮味を長く継続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【００３７】
【図１】本発明に係るスロットマシンの外観を示す正面図である。
【図２】本発明に係るスロットマシンの制御の機能を示す機能ブロック図である。
【図３】本発明に係るスロットマシンを制御する主制御回路を示すブロック図である。
【図４】本発明に係るスロットマシンを制御する副制御回路を示すブロック図である。
【図５】主制御回路１００において実行される遊技の進行を制御するメインルーチンを示すフローチャートである。
【図６】役抽選処理と、引き続いて行なわれるフラグオン処理の役抽選処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図７】リールの回転、停止のための制御を行うリール変動・停止サブルーチンを示すフローチャートである。
【図８】リール変動・停止サブルーチンの制御処理の一部である図柄停止処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図９】図７のサブルーチンにより図柄が停止した後の制御処理を示すフラグオフ処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図１０】フラグオフ処理サブルーチンの制御処理の一部である役当選時処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図１１】副制御回路２００の演出制御手段５１０で行われる演出制御処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図１２】ＢＢ作動時抽選表の実施例を示す図である。
【図１３】ＢＢ未作動時一般抽選表の実施例を示す図である。
【図１４】図柄配置表の実施例を示す図である。
【図１５】第１回目のストップスイッチ操作としてストップスイッチ５２Ｌを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブルの実施例を示す図である。
【図１６】第１回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｌの操作により停止した左リール４０Ｌの図柄の表示位置が２０、６、８、１５、１６番である場合に、ストップスイッチ５２Ｃを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブルの実施例を示す図である。
【図１７】第１回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｌの操作により停止した左リール４０Ｌの図柄の表示位置が２０、６、８、１５、１６番である場合に、ストップスイッチ５２Ｒを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブルの実施例を示す図である。
【図１８】第１回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｌの操作により停止した左リール４０Ｌの図柄の表示位置が３番である場合に、ストップスイッチ５２Ｃを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブルの実施例を示す図である。
【図１９】第１回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｌの操作により停止した左リール４０Ｌの図柄の表示位置が３番である場合に、ストップスイッチ５２Ｒを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブルの実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【００３８】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本実施形態のスロットマシン１０においては、遊技者のストップスイッチ操作時に表示窓を介してリール上に表示されている図柄の表示位置からリールが停止するまでに図柄が移動する移動コマ数が記憶された移動コマ数データテーブルを用いてリールの停止制御を行うとともに、回転させたリールが停止したときにサウンド出力することにより、遊技者に対して、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間を告知する演出制御を行うことを特徴とする。
【００３９】
＜＜構成＞＞
＜スロットマシン１０の構成＞
図１は、本発明の実施形態によるスロットマシン１０の外観を示す図である。図１に示す通り、スロットマシン１０の筐体の前面部には、フロントパネル２０が設けられている。このフロントパネル２０の中には、垂直方向に縦長矩形の３つの表示窓２２Ｌ、２２Ｃ及び２２Ｒが形成されている。
【００４０】
これらの３つの表示窓２２Ｌ、２２Ｃ及び２２Ｒの前面には、５本の入賞ラインが定められている。この５本の入賞ラインは、水平の３本（中央Ｌ１、上下Ｌ２Ａ、Ｌ２Ｂ）の入賞ラインと、斜めの２本（斜め右下がりＬ３Ａ，斜め右上がりＬ３Ｂ）の入賞ラインとがあり、投入された遊技媒体（本実施形態ではメダルを用いている。）の枚数により有効となった入賞ライン（以下、有効ラインと称する）が表示される。
【００４１】
上述した表示窓２２Ｌ、２２Ｃ及び２２Ｒの下方には、概略水平の操作パネル部３０が設けられている。操作パネル部３０の左側には、１−ベットスイッチ３２、２−ベットスイッチ３４及び最大ベットスイッチ３６が設けられている。また、操作パネル部３０の右側には、遊技媒体を投入することができる遊技媒体投入口３８が設けられている。
【００４２】
遊技媒体投入口３８から遊技媒体が投入されると、遊技媒体カウンタ（図示せず）により遊技媒体の枚数が計数され、規定枚数以上の遊技媒体が投入された場合には、規定枚数以上の枚数はクレジット数として後述するＲＡＭ１１０に記憶される。
【００４３】
１−ベットスイッチ３２は、クレジット数のうちの１枚だけを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。２−ベットスイッチ３４は、クレジット数のうちの２枚だけを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。最大ベットスイッチ３６は、クレジット数のうちから３枚のメダルを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。
【００４４】
以下においては、賭けの対象となる遊技媒体の数を「ベット数」と称し、上述した１−ベットスイッチ３２、２−ベットスイッチ３４又は最大ベットスイッチ３６の操作により遊技者によって賭けの対象として設定されたメダルの数を「設定ベット数」と称する。
【００４５】
１−ベットスイッチ３２を遊技者が操作したときには、５本の入賞ラインのうちから１本、例えば入賞ラインＬ１を有効化する。また、２−ベットスイッチ３４を操作したときには、５本の入賞ラインのうちから３本、例えば入賞ラインＬ１、Ｌ２Ａ及びＬ２Ｂを有効化する。更に、最大ベットスイッチ３６を操作したときには、５本の入賞ラインの全て、即ちＬ１、Ｌ２Ａ、Ｌ２Ｂ、Ｌ３Ａ及びＬ３Ｂを有効化する。
【００４６】
また、スロットマシン１０の筐体の上方には、液晶ディスプレイパネルから構成される画像表示装置７０が設けられている。なお、表示装置７０は、上述した液晶ディスプレイパネルに限られず、画像情報や文字情報を遊技者が遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる画像表示装置を用いることが可能である。この表示装置７０においては、遊技履歴を表示したり、特別遊技における演出画像、役の抽選に応じた演出画像、遊技の進行状況に応じた演出画像等を表示したりすることができる。
【００４７】
スロットマシン１０の筐体の内部には、３個のリール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒが回転自在に設けられている。リール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒはリング状の形状であり、このリール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの外周面には、図柄が印刷されたリールテープが貼り付けられている。リール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの各々には、例えば、２１個の図柄が等間隔で配置されている。本実施形態において用いられる図柄配置表を図１４に示す。図１４が示すとおり、これらの図柄の配列は、左リール４０Ｌ、中リール４０Ｃ及び右リール４０Ｒの各々で異なる。これらのリール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの各々は、上述した表示窓２２Ｌ、２２Ｃ及び２２Ｒを介して視認可能に設けられている。リールが停止しているときには、１つの表示窓において、１本のリールの連続した３つの図柄が視認可能となる。このため、３つの表示窓２２Ｌ、２２Ｃ及び２２Ｒの全てからは、合計９個の図柄が視認可能となる。
【００４８】
後述するように、リール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの各々は、モータ（図示せず）により回転駆動され、表示窓２２Ｌ、２２Ｃ及び２２Ｒにおいては、リール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの外周面に描かれた図柄が上から下に向かって移動する。
【００４９】
操作パネル部３０の前面の左側には、スタートスイッチ５０が傾動可能に設けられている。操作パネル部３０の前面の中央部には、３つのストップスイッチ５２Ｌ、５２Ｃ及び５２Ｒが設けられている。ストップスイッチ５２Ｌは左リール４０Ｌに対応し、ストップスイッチ５２Ｃは中リール４０Ｃに対応し、ストップスイッチ５２Ｒは右リール４０Ｒに対応している。
【００５０】
上述したスタートスイッチ５０を遊技者が傾動操作すると、上述した３つの４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒは、一斉に回転を始める。３つのリール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒが回転したときには、リール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの各々の外周面に描かれている図柄は、表示窓２２Ｌ、２２Ｃ及び２２Ｒの各々において上から下へと移動表示される。
【００５１】
上述した３つのリール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの回転速度が一定速度に達したときには、遊技者によるストップスイッチ５２Ｌ、５２Ｃ及び５２Ｒの操作が有効となる。
【００５２】
ストップスイッチ５２Ｌを遊技者が押動操作したときには、左リール４０Ｌが停止する。ストップスイッチ５２Ｃを遊技者が押動操作したときには、中リール４０Ｃが停止する。ストップスイッチ５２Ｒを遊技者が押動操作したときには、右リール４０Ｒが停止する。
【００５３】
リール４０Ｌ、４０Ｃ又は４０Ｒが停止するときには、リールの各々の外周面に描かれている図柄が、上述した入賞ラインＬ１、Ｌ２Ａ、Ｌ２Ｂ、Ｌ３Ａ及びＬ３Ｂ上に位置付けられるように、３つのリール４０Ｌ、４０Ｃ又は４０Ｒの各々は、停止制御される。
【００５４】
スロットマシン１０の筐体の下方の右側には、筐体の内部に収納されたサウンド出力装置（図示せず。なお、後述する図２に示すサウンド出力装置６４に対応する。）から発せられた音を筐体の外部へ出すための透音穴６０が設けられている。スロットマシン１０の筐体の下方中央部には、遊技媒体払出口６２が設けられている。リール４０Ｌ、４０Ｃ又は４０Ｒが停止して、有効ライン上に停止表示された図柄の組合せが、所定の組合せ、即ち役を構成する図柄の組合せとなり、役に入賞したときには、その組合せに応じて予め定められた枚数の遊技媒体が遊技媒体払出口６２から払い出される。
【００５５】
スロットマシン１０の筐体上方の左右両側には、表示ランプ９０が設けられている。表示ランプ９０は、複数個のＬＥＤランプ等から構成され、通常遊技の場合は一定の点灯が行われるが、役に当選した可能性を演出する等の場合は特定のパターンで点灯する。
【００５６】
上述したように、スロットマシン１０における遊技は、停止させられた複数のリール４０Ｌ、４０Ｃ又は４０Ｒの停止位置により定まる図柄の組合せによって遊技結果が定まる遊技である。また、この遊技は、遊技媒体を投入し、ベットスイッチ３２、３４、３６のいずれかを操作した後、スタートスイッチ５０を遊技者が傾動操作を行い、複数のリール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒを回転させ停止させるまでの工程を１回の遊技として、繰り返すことができる遊技である。
【００５７】
＜＜機能ブロック図の説明＞＞
図２は、スロットマシン１０の制御に関する機能ブロック図を示す。
制御回路として、主制御回路１００と副制御回路２００とが電気的に接続され、主制御回路１００には、操作手段３００が電気的に接続され、また、リール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの各々に設けられたモータ８０Ｌ、８０Ｃ及び８０Ｒが電気的に接続されている。副制御回路２００には、表示装置７０と、表示ランプ９０と、サウンド出力装置６４とを含む報知手段６１０が電気的に接続されている。
【００５８】
３つのストップスイッチ５２Ｌ、５２Ｃ及び５２Ｒから停止操作手段３１０が構成され、この停止操作手段３１０と、スタートスイッチ５０と、ベットスイッチ３２、３４及び３６とから構成されるベット手段３２０と、から操作手段３００が構成される。この操作手段３００は、スイッチに限られず、遊技者の四肢を用いた操作に基づいて操作信号を発生させるものであれば、あらゆる手段が適用できる。
【００５９】
＜主制御回路１００の説明＞
主制御回路１００は、役抽選手段４１０と、リール制御手段４２０と、遊技制御手段４３０と、リール制御手段４２０のリール停止制御で使用される移動コマ数データが設定されている移動コマ数データテーブル４４２が記憶される記憶手段４４０とを含む。
【００６０】
役抽選手段４１０は、役抽選処理によって、役（特別役である第１特別役と第２特別役、一般役、再遊技役）の抽選を行うものである。役抽選手段４１０は、例えば、役抽選用の乱数発生手段４１２（ハード乱数等）と、この乱数発生手段４１２が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段４１４と、乱数抽出手段４１４が抽出した乱数値に基づいて役の当選の有無及び当選役を判定する乱数判定手段４１６とを備えている。この役抽選手段４１０による制御処理は、役抽選処理サブルーチン（図６参照）に示される。
【００６１】
リール制御手段４２０は、スタートスイッチ５０の操作により発信されたリール回転開始信号を受信することにより、モータ８０Ｌ、８０Ｃ、８０Ｒの制御を行い、リール４０Ｌ、４０Ｃ、４０Ｒを回転させ、そして、ストップスイッチ５２Ｌ、５２Ｃ、５２Ｒを操作することにより発信されたストップスイッチ操作信号を受信することにより、リール４０Ｌ、４０Ｃ、４０Ｒを停止させるリール作動に関する制御を行う。そして、記憶手段４４０に記憶された移動コマ数データテーブル４４２の移動コマ数に基づきリールの停止制御を行う。このリール制御手段４２０による制御処理は、リール変動・停止サブルーチン（図７参照）に示される。
【００６２】
遊技制御手段４３０は、役抽選処理で特別役、一般役、再遊技役に当選し、停止した図柄に関する入賞図柄判定により、各々の役に対応した図柄が揃ったと判別したときに、入賞した役に対応した処理を進める。遊技制御手段は、所定枚数の遊技媒体の払い出しを行う以外に、特別遊技制御手段４３２を含む。特別遊技制御手段４３２は、遊技が遊技者にとって有利に進行する特別遊技を行う。
【００６３】
＜副制御回路２００の説明＞
副制御回路２００には、画像制御手段５１２と、ランプ制御手段５１４と、サウンド出力制御手段５１６とを含む演出制御手段５１０が設けられている。
【００６４】
画像制御手段５１２は、主制御回路１００から受信した信号に基づいて、ＲＯＭ２０８に記憶した画像データを読み出し、表示駆動装置２２０を制御して、報知手段６１０の画像表示装置７０に所定の画像を表示することができる。また、ランプ制御手段５１４は、主制御回路１００から受信した信号に基づいて、ＲＯＭ２０８に記憶したランプ点灯データを読み出し、ランプ駆動回路２１８を制御して、報知手段６１０中の表示ランプ９０を点灯することができる。また、サウンド出力制御手段５１６は、主制御回路１００から受信した信号に基づいて、ＲＯＭ２０８に記憶したサウンドデータを読み出して、サウンド出力駆動回路２２２を制御して、報知手段６１０のサウンド出力装置６４から所定のサウンドを発することができる。なお、表示駆動装置２２０、ランプ駆動回路２１８及びサウンド出力駆動回路２２２については、後述する。
【００６５】
＜＜スロットマシン１０の制御手段の説明＞＞
スロットマシン１０を制御する制御手段は、主制御回路１００と副制御回路２００から構成される。ここで、図３は、主制御回路１００のブロック図を示し、図４は、主制御回路１００に電気的に接続されている副制御回路２００のブロック図を示す。
【００６６】
＜主制御回路１００＞
上述したスタートスイッチ５０は、主制御回路１００のインターフェイス回路１０２に接続され、インターフェイス回路１０２は、入出力バス１０４に接続されている。スタートスイッチ５０から発せられたリール回転開始信号は、インターフェイス回路１０２において所望の信号に変換された後、入出力バス１０４に供給される。入出力バス１０４は、中央処理回路（以下、ＣＰＵと称する）１０６にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。上述したリール回転開始信号は、「操作信号」の１つを構成する。
【００６７】
また、上述したインターフェイス回路１０２には、ストップスイッチ５２Ｌ、５２Ｃ及び５２Ｒ、並びに１−ベットスイッチ３２、２−ベットスイッチ３４及び最大ベットスイッチ３６も接続されている。これらのスイッチから発せられる信号もインターフェイス回路１０２に供給され、所望の信号に変換された後、入出力バス１０４に供給される。上述したストップスイッチ５２Ｌ、５２Ｃ又は５２Ｒから発せられる信号も、操作信号を構成する。
【００６８】
上述した入出力バス１０４には、ＲＯＭ（リード・オンリー・メモリ）１０８及びＲＡＭ（ランダム・アクセス・メモリ）１１０も接続されている。ＲＯＭ１０８は、スロットマシンの全体の流れを制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための初期データを記憶する。例えば、後述する図５に示すメインルーチン、図６から図１０に示すサブルーチン、及び、これらのプログラムで使用するための初期データ、及び、後述する移動コマ数データテーブル４４２等を記憶する。また、ＲＡＭ１１０は、上述した制御プログラムで使用するフラグや変数の値を一時的に記憶することができる。
【００６９】
入出力バス１０４には、乱数を発生させるための乱数発生器１１２も接続されている。乱数発生器１１２は、一定の範囲の数値、例えば０〜６５５３５（２の１６乗）に含まれる乱数を発生させる。なお、ＣＰＵ１０６の演算処理により乱数を発させるように構成してもよい。
【００７０】
入出力バス１０４には、モータ駆動回路１１４が接続されている。モータ駆動回路１１４には、上述した３つのリール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの各々を回転駆動するステッピングモータ８０Ｌ、８０Ｃ及び８０Ｒが接続されている。ステッピングモータ８０Ｌ、８０Ｃ及び８０Ｒの各々は、３つのリール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの内部に設けられ、ステッピングモータ８０Ｌ、８０Ｃ及び８０Ｒの回転シャフトがリール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの回転中心となるように、ステッピングモータ８０Ｌ、８０Ｃ及び８０Ｒに取り付けられている。
【００７１】
ＣＰＵ１０６から発せられる駆動制御命令は、モータ駆動回路１１４により駆動信号に変換され、駆動信号はステッピングモータ８０Ｌ、８０Ｃ及び８０Ｒに供給される。なお、駆動制御命令には回転速度の命令も含まれており、ステッピングモータ８０Ｌ、８０Ｃ及び８０Ｒの回転制御及び停止制御を行うとともに、回転速度の制御も行う。
【００７２】
リール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの各々には、各リールの回転角度位置を検出するための回転角度位置センサ（図示せず）が設けられており、回転角度位置センサは、リール回転角度位置検出回路１１６に接続されている。リール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの各々の回転角度位置を示す信号が回転角度位置センサから発せられたときには、リール回転角度位置検出回路１１６に供給され、所定の信号に変換された後、入出力バス１０４に供給される。
【００７３】
ＣＰＵ１０６は、供給された回転角度位置から図柄の表示位置を表す番号を特定し、表示窓２２Ｌ、２２Ｃ及び２２Ｒの各々に表示される図柄の組合せを決定する。
更に、インターフェイス回路１０２には、接続線１１８も接続されている。この接続線１１８によって、主制御回路１００は副制御回路２００に電気的に接続される。
【００７４】
＜副制御回路２００＞
上述した接続線１１８は、副制御回路２００のインターフェイス回路２０２に接続され、インターフェイス回路２０２は、入出力バス２０４に接続されている。主制御回路１００から副制御回路２００に送信された信号は、インターフェイス回路２０２において所望の信号に変換された後、入出力バス２０４に供給される。入出力バス２０４は、中央処理回路（以下、ＣＰＵと称する）２０６にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。
【００７５】
上述した入出力バス２０４には、ＲＯＭ（リード・オンリー・メモリ）２０８及びＲＡＭ（ランダム・アクセス・メモリ）２１０も接続されている。ＲＯＭ２０８は、後述するランプ駆動回路２１８や、表示駆動装置２２０や、サウンド出力駆動回路２２２や、制御プログラムを実行するための初期データを記憶する。例えば、表示装置７０に表示するための種々の画像データや、表示ランプ９０の点灯パターンデータや、サウンド出力装置６４から発するためのサウンドデータも記憶する。
【００７６】
入出力バス２０４には、表示ランプ９０を駆動するためのランプ駆動回路２１８も接続されている。ＣＰＵ２０６は、主制御回路１００から供給される制御情報に応じて駆動指令をランプ駆動回路２１８に発し、駆動指令に応じて表示ランプ９０を点灯駆動する。
【００７７】
そして、入出力バス２０４には、表示装置７０を駆動する表示駆動装置２２０も接続されている。ＣＰＵ２０６は、主制御回路１００から供給される制御情報に応じてＲＯＭ２０８に記憶されている画像データや文字データ等を読み出し、そのデータを表示駆動装置２２０に供給する。このようにすることにより、表示装置７０には、画像データが演出画面として表示され、文字データがメッセージとして表示される。
【００７８】
また、入出力バス２０４には、サウンド出力装置６４を駆動するためのサウンド出力駆動回路２２２も接続されている。ＣＰＵ２０６は、主制御回路１００から供給される制御情報に応じてＲＯＭ２０８に記憶されているサウンドデータを読み出し、そのデータをサウンド出力駆動回路２２２に供給する。このようにすることにより、サウンド出力装置６４から所定のサウンドが発せられる。
【００７９】
＜＜制御処理の説明＞＞
＜スロットマシン１０の制御処理の説明＞
以下に、上述したスロットマシン１０の制御手段において行なわれる各種の制御について、フローチャートを用いながら詳細に説明する。
【００８０】
図５は、スロットマシン１０の主制御回路１００で行なわれる制御処理のメインルーチンを示す。図６から図１０は、メインルーチンで行なわれる制御処理である各サブルーチンを示す。図６は、役抽選手段４１０により行なわれる役抽選と、役抽選に引き続き行なわれるフラグオン処理を行う役抽選処理サブルーチンを示す。図７は、リール制御手段４２０により、リールの回転、停止のための制御を行うリール変動・停止サブルーチンを示す。図８は、リール変動・停止サブルーチンの制御処理の一部である図柄停止処理サブルーチンを示す。図９は、リール変動・停止サブルーチンにより図柄が停止した後の制御処理であるフラグオフ処理サブルーチンを示す。図１０は、フラグオフ処理サブルーチンの制御処理の一部である役当選時処理サブルーチンを示す。また、図１１は、副制御回路２００の演出制御手段５１０で行われる演出制御処理サブルーチンを示す。
【００８１】
以下に説明する制御処理においては、スロットマシン１０は予め起動されており、上述したスロットマシン１０の主制御回路１００や副制御回路２００において用いられる変数は所定の値に初期化され、定常動作しているものとする。
【００８２】
＜メインルーチンの説明＞
図５は、スロットマシン１０の主制御回路１００で行なわれる制御処理のメインルーチンを示す。図５のフローチャートを用いて、メインルーチンの制御処理を説明する。メインルーチンは、複数の図柄が表示された複数のリールを回転させ停止させた結果に基づく処理までの単位遊技を、１回行うときの制御処理を示す。
【００８３】
まず、再遊技状態に設定されており、再遊技を行う状態であるか否かを判断する（ステップＳ１０）。なお、再遊技状態に設定する処理は、後述するように、例えば、図１０に示す役当選時処理サブルーチンのステップＳ８７において行なわれる。
【００８４】
再遊技状態に設定されていない（ＮＯ）と判別したときには、１−ベットスイッチ３２、２−ベットスイッチ３４又は最大ベットスイッチ３６のいずれかを遊技者が操作したか否かを判別した後、ベットスイッチを操作することによって発せられた信号に基づいて、設定ベット数を決定する（ステップＳ１１）。この設定ベット数は、１回の遊技をするための賭けの対象とされた遊技媒体の枚数を示す。さらに、設定ベット数は、上述したクレジット数として一時的に蓄積されてから賭けの対象とされた遊技媒体の数に限られず、遊技媒体投入口３８から投入されて直接賭けの対象とされた遊技媒体の数も含む。
【００８５】
なお、遊技媒体が投入されたときは、遊技媒体投入口３８の下部に設置された遊技媒体カウンタでカウントした投入枚数を、ベット数として検出する。ただし、規定枚数（本実施形態では３枚）を越える枚数の遊技媒体が投入されたときには、規定枚数を越える分の遊技媒体は、クレジット枚数としてＲＡＭ１１０に記憶する。一方、遊技媒体が投入されていないと判断したときは、クレジットされた遊技媒体の有無を判断し、クレジットされた遊技媒体がない場合には、設定ベット数が決定できない。また、クレジットされた遊技媒体が有る場合には、遊技者がベットスイッチ３２、３４又は３６の何れか一のスイッチを操作したときに発信されるベット操作信号を受信の有無を判断し、受信したベット操作信号からベット数を検出し、遊技媒体の投入またはクレジットされた遊技媒体の使用の何れの場合においても検出したベット数を新たなベット数としてＲＡＭ１１０に記憶し、クレジットされた遊技媒体を使用する場合には、同時に、遊技媒体のクレジット数から、検出したベット数分の枚数だけ減じる処理を行う。そして、ステップＳ１１において、設定ベット数に決定をした後、ステップＳ１３に進む。
【００８６】
ステップＳ１０において、再遊技状態に設定されている（ＹＥＳ）と判別したときは、再遊技状態の設定を解除し（ステップＳ１２）、ステップＳ１３に進む。この結果、遊技媒体を新たに投入したり、クレジットした遊技媒体を消費することなく、遊技媒体が自動投入されたのと同じ処理を行い、再び遊技を行うことができる。また、再遊技におけるベット数は、ＲＡＭ１１０に記憶されているベット数が用いられるので、直前に行なわれた遊技におけるベット数によって再遊技役が当選したときの遊技のベット数が用いられる。
【００８７】
次に、スタートスイッチ５０が遊技者によってオンされたか否かを判断する（ステップＳ１３）。スタートスイッチ５０がオンされていない（ＮＯ）と判断した場合、ステップＳ１３の処理を繰り返す。一方、スタートスイッチ５０がオンされた（ＹＥＳ）と判断した場合、スタートスイッチ操作信号を主制御回路１００から副制御回路２００に送信して、ステップＳ１４に進む。ここで、スタートスイッチ操作信号とは、スタートスイッチ５０が操作されたとき、主制御回路１００から副制御回路２００に送信される信号であって、スタートスイッチ操作信号を受信した副制御回路２００の演出制御手段５１０においてスタートスイッチが操作されたことを判別するものである。
【００８８】
ステップＳ１４の役抽選処理サブルーチンでは、役抽選手段４１０による役抽選処理が行なわれ、当選した役に応じて、対応するＢＢフラグ、再遊技フラグ、対応する一般役フラグをオンにするフラグオン処理が行なわれる。このサブルーチンの詳細については、図６のフローチャートを用いて後述する。
【００８９】
役抽選処理サブルーチン（ステップＳ１４）に引き続き、役抽選結果に基づいて、リール４０Ｌ、４０Ｃ、４０Ｒを回転させてから停止させるリールの動きに関する制御処理を行うリール変動・停止サブルーチン（ステップＳ１５）が行なわれる。このリール変動・停止サブルーチンは、リール制御手段４２０によって行なわれ、このサブルーチンの詳細については、図７及び図８のフローチャートを用いて後述する。
【００９０】
次に、リール変動・停止サブルーチンによりリールが停止した後、入賞図柄判定を行い、その判定結果に基づいて、フラグオフの処理を行うフラグオフ処理サブルーチン（ステップＳ１６）が行われる。このサブルーチンの詳細については、図９及び図１０のフローチャートを用いて後述する。
【００９１】
そして、役抽選、入賞図柄判定の結果に基づいて、入賞した役に対応した所定枚数の遊技媒体を払い出す払い出し処理（ステップＳ１７）が行なわれる。この払い出し処理は、実際に遊技媒体を遊技媒体払出口６２から払い出すことも可能であるが、払い出す代わりに、所定枚数の遊技媒体をクレジットすることも可能である。以上の制御処理によって単位遊技が終了する。そして、このメインルーチンに示される制御処理を繰り返すことによって、遊技者は複数回数の単位遊技を行うことができる。
【００９２】
＜役抽選処理サブルーチン＞
図６は、役抽選手段４１０により行なわれる役抽選と、役抽選に引き続き行なわれるフラグオン処理を行う役抽選処理サブルーチンを示す。図６の役抽選処理サブルーチンを用いて、役抽選処理とフラグオン処理とについて詳細に説明する。
【００９３】
まず、ＢＢ１遊技中又はＢＢ２遊技中であるか否かを判断する（ステップＳ２１）。ステップＳ２１において、いずれかのＢＢ遊技中である（ＹＥＳ）と判別したときは、ＲＯＭ１０８に記憶されたＢＢ作動時抽選表を読み出す（ステップＳ２２）。ここで、ＢＢ作動時抽選表の実施例を図１２に示す。
【００９４】
ＢＢ作動時抽選表は、ＢＢ１遊技中又はＢＢ２遊技中において共通して用いられる抽選表である。ＢＢ作動時抽選表では、図柄番号１〜３の一般役と、図柄番号４のはずれとが設定されている。ここで、ＢＢ未作動時一般抽選表（図１３参照、詳細は後述する。）と比較すると、ＢＢ作動時抽選表では、ＢＢ１役、ＢＢ役２及び再遊技役がない設定になっている。
【００９５】
図柄番号１の一般役１は、役抽選における当選確率が１／４．０であって、３つのリール全てにベルの図柄が揃う場合に入賞するように設定されている。通常の一般遊技で用いられるＢＢ未作動時一般抽選表では、役抽選における一般役１の当選確率は１／２０であり、ＢＢ１遊技中又はＢＢ２遊技中においては、通常の一般遊技と比較して一般役１に当選する確率が非常に高く設定されている。
【００９６】
また、図柄番号２の一般役２は、役抽選における当選確率が１／８１．９あって、３つのリール全てにスイカの図柄が揃う場合に入賞するように設定されている。図柄番号３の一般役３は、役抽選における当選確率が１／８１．９であって、左リールの図柄がチェリーであれば、残りのリールの図柄については、何れの図柄であっても入賞するように設定されている。
【００９７】
ステップＳ２１の判断において、いずれのＢＢ遊技中でもない（ＮＯ）と判別したときには、ＲＯＭ１０８に記憶されたＢＢ未作動時一般抽選表を読み出す（ステップＳ２３）。ＢＢ未作動時一般抽選表の実施例は図１３に示されている。
【００９８】
ＢＢ未作動時一般抽選表は、特別遊技（ＢＢ遊技）ではない通常の一般遊技において用いられる抽選表であり、図柄番号１〜２のＢＢ役、図柄番号３〜５の一般役、図柄番号６の再遊技役と、図柄番号７のはずれとが設定されている。
【００９９】
図１３のＢＢ未作動時一般抽選表では、図柄番号１（図柄番号２）のＢＢ役１（ＢＢ役２）について、役抽選における当選確率と図柄組合せの設定がされている。さらに、ＢＢ遊技１の終了条件として４５１枚、ＢＢ遊技２の終了条件として３５１枚の最大払出枚数が設定されている。また、はずれの役抽選における確率は約１／１．２８に設定されている。
【０１００】
以上のように、遊技の状態に応じた抽選表を読み出した後、乱数を取得して抽選判定を行う役抽選を実施する（ステップＳ２４）。
【０１０１】
そして、判定結果として、ＢＢ役１又はＢＢ役２に当選したか否かを判断する（ステップＳ２５）。ステップＳ２５において、いずれかのＢＢ役に当選した（ＹＥＳ）と判別したときには、対応するＢＢフラグをオンに設定する（ステップＳ２６）。そして、ステップＳ２７へ進み、当選した図柄番号、図柄データをＲＡＭ１１０に記憶する（ステップＳ２７）。
【０１０２】
ステップＳ２５の判断でいずれのＢＢ役にも当選していない（ＮＯ）と判別したときには、一般役１〜一般役３のうちのいずれかの一般役に当選したか否かを判断する（ステップＳ２８）。ステップＳ２８において、一般役１等のうちいずれかの一般役に当選した（ＹＥＳ）と判別したときは、対応する一般役フラグをオンに設定して（ステップＳ２９）、ステップＳ２７へ進み、ＲＡＭ１１０に記憶する。
【０１０３】
次に、ステップＳ２８において、いずれの一般役にも当選していない（ＮＯ）と判別したときは再遊技役に当選したか否かを判断する（ステップＳ３０）。ステップＳ３０において、再遊技役に当選した（ＹＥＳ）と判別したときには、再遊技フラグをオンにして（ステップＳ３１）、ステップＳ２７へ進み、ＲＡＭ１１０に記憶する。
【０１０４】
さらに、ステップＳ３０において、再遊技役にも当選していない（ＮＯ）と判別したときは、フラグオン処理は行わず、そのままステップＳ２７へ進む。
【０１０５】
以上の通り、フラグオンに関する一連の処理を行った後、ステップＳ２７において、役抽選で当選した役に対応した図柄番号、制御図柄データをＲＯＭ１０８から読み出し、後述するリール変動・停止サブルーチンに用いるため、これらのデータをＲＡＭ１１０に記憶する。以上によって、役抽選処理サブルーチンを終了する。
【０１０６】
なお、本実施形態においては、ＲＢ遊技が設けられていないが、図１３のＢＢ未作動時一般抽選表に、ＲＢ役に対応する図柄の組合せ及び当選確率を設け、さらにＲＢ遊技中に用いられるＲＢ用抽選表を設けることにより、ＲＢ遊技を行うことも可能である。
【０１０７】
さらに、本実施形態においては、ＢＢ１遊技とＢＢ２遊技のいずれのＢＢ遊技においても、図１２のＢＢ作動時抽選表が用いられるが、ＢＢ役毎に異なるＢＢ作動時抽選表を設けることも可能である。
【０１０８】
＜リール変動・停止サブルーチンの説明＞
次に、図５のメインルーチンにおいて、役抽選処理サブルーチン（ステップＳ１４）が終了すると、次に、リール変動・停止サブルーチン（ステップＳ１５）を行う。図７は、リール制御手段４２０により、リールの回転、停止のための制御を行うリール変動・停止サブルーチンを示す。
【０１０９】
リール制御手段４２０は、リールが停止したときに、図１４の図柄配置表に示されたリール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒに設けられた図柄を、表示窓２２Ｌ、２２Ｃ及び２２Ｒの各表示窓を介してリール毎に連続した３つの図柄が視認可能となるように停止する制御を行う。リール制御手段４２０による各リールの停止制御を表す図柄停止処理は、遊技者のストップスイッチ操作時に表示窓を介してリール上に表示されている図柄の表示位置からリールが停止するまでに図柄が移動する移動コマ数が記憶された移動コマ数データテーブルを用いて、図柄停止処理サブルーチン（図８）を実行することにより行う。具体的には、リール回転角度位置検出回路１１６により、遊技者のストップスイッチ操作により発信されたストップスイッチ操作信号を受信したときの図柄の表示位置を表す番号を特定し、特定された番号を基準に移動コマ数データテーブルに移動コマ数を用いて、図柄停止処理を行う。
【０１１０】
図７のリール変動・停止サブルーチンと、図８のリール変動・停止サブルーチンの制御処理の一部である図柄停止処理サブルーチンとを用いて、リールの回転、停止制御について説明する。
【０１１１】
まず、図６のステップＳ２７で記憶した図柄番号と制御図柄データを読み出し（ステップＳ４１）、移動コマ数データテーブルを読み出し（ステップＳ４２）、停止リール変数をリセットする（ステップＳ４３）。停止リール変数とは、リール制御手段４２０が受信したストップスイッチ操作信号に基づき、図柄停止処理が行われたリールの数を表す変数である。
【０１１２】
ここで、移動コマ数データテーブルとは、遊技者がストップスイッチ５２Ｌ、５２Ｃ、５２Ｒを操作したとき、表示窓２２Ｌ、２２Ｃ、２２Ｒを介してリール４０Ｌ、４０Ｃ、４０Ｒ上に表示されている図柄の表示位置からリールが停止するまでに図柄が移動する移動コマ数が記憶された移動コマ数データテーブルである。具体的には、特別遊技に当選していない遊技状態である非内部中遊技状態及び当選したＢＢ役に入賞していないＢＢ役内部中遊技状態等を含む遊技状態が記憶された遊技状態データと、役抽選手段による抽選結果が記憶された抽選結果データと、ストップスイッチ操作信号に対応するリールの図柄の表示位置が記憶された表示位置データと、既に停止したリールがあるときに停止したリールの図柄の表示位置が記憶された停止位置データと、これらのデータに基づく移動コマ数が記録された移動コマ数データと、からなるデータテーブルである。
【０１１３】
また、移動コマ数データテーブルの移動コマ数について、「１」であるときは、ストップスイッチ操作信号を受信したときに表示窓を介してリール上に表示されている図柄の表示位置から移動することなく図柄を表示することを示し、「２」〜「５」であるときは、ストップスイッチ操作信号を受信したときに表示窓を介してリール上に表示されている図柄の表示位置から１〜４図柄分のコマ数を移動した図柄を表示することを示す。なお、本実施形態においては、最小の移動コマ数を「１」に、最大の移動コマ数を「５」に設定している。
【０１１４】
そして、図１５は、移動コマ数データテーブルの中から、第１回目のストップスイッチ操作がリール４０Ｌに対応するストップスイッチ５２Ｌを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブルを示す。また、図１６〜図１９は、第１回目のストップスイッチ操作がリール４０Ｌに対応するストップスイッチ５２Ｌであって、第２回目以降のストップスイッチ操作に対応する移動コマ数データテーブルを示す。具体的には、第１回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｌの操作により停止したリール４０Ｌの図柄の表示位置が２０、６、８、１５、１６番である場合に、リール４０Ｃに対応するストップスイッチ５２Ｃを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブルとして図１６を、リール４０Ｒに対応するストップスイッチ５２Ｒを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブルとして図１７を示す。第１回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｌの操作により停止したリール４０Ｌの図柄の表示位置が３番である場合に、リール４０Ｃに対応するストップスイッチ５２Ｃを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブルとして図１８を、リール４０Ｒに対応するストップスイッチ５２Ｒを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブルとして図１９を示す。
【０１１５】
なお、本実施形態においては、図１６〜図１９が示すとおり、第１回目のストップスイッチ操作がストップスイッチ５２Ｌであれば、第２回目以降のストップスイッチ操作が、ストップスイッチ５２Ｃ、次いでストップスイッチ５２Ｒという左からの順押しの場合、第２回目以降のストップスイッチ操作が、ストップスイッチ５２Ｒ、次いでストップスイッチ５２Ｃというハサミ打ちの場合のいずれの場合においても、図１６〜図１９の移動コマ数データテーブルを用いて、図柄停止処理を行う。
【０１１６】
そして、予め定められた最短時間を経過したか否かの判断を行う（ステップＳ４４）。最短時間が経過していない（ＮＯ）と判別したときには、このステップＳ４４の判断処理を繰り返し実行する。この結果、最短時間が経過するまで次の工程であるリールの回転は開始できないようになっている。この制御によって、一定時間に行なわれる遊技回数を、所定回数以内に抑える制御を行っている。
【０１１７】
最短時間が経過した（ＹＥＳ）と判別したときには、リール回転開始信号を発信する（ステップＳ４５）。この信号に基づいて、モータ駆動回路１１４が作動して、モータ８０Ｌ、８０Ｃ、８０Ｒの回転を開始し、リール４０Ｌ、４０Ｃ、４０Ｒが回転を始める。
次に、回転を始めたリールが定速回転になっているか否かを判断する（ステップＳ４６）。リールの回転がまだ定速回転になっていない（ＮＯ）と判別したときには、このステップＳ４６の判断処理を繰り返す。この結果、リールの回転が定速回転に達するまで、次の工程であるリール停止制御が行うことができないようになっている。
【０１１８】
ステップＳ４６において、リールの回転が定速回転になっている（ＹＥＳ）と判断したときには、ストップスイッチ操作信号を受信したか否かを判断する（ステップＳ４７〜ステップＳ４９）。ここで、ストップスイッチ操作信号は、ストップスイッチ５２Ｌ、５２Ｃ、５２Ｒのうち、遊技者が何れか１つのスイッチを押動操作したときに発信される信号である。第１ストップスイッチ操作信号は左リール４０Ｌ用ストップスイッチ５２Ｌが押動操作されると発信され信号であり、第２ストップスイッチ操作信号は中リール４０Ｃ用ストップスイッチ５２Ｃが押動操作されると発信され信号であり、第３ストップスイッチ操作信号は右リール４０Ｒ用ストップスイッチ５２Ｒが押動操作されると発信され信号である。
【０１１９】
第１ストップスイッチ操作信号〜第３ストップスイッチ操作信号のいずれのストップスイッチ操作信号も受信しない（ＮＯ）と判別したときは、停止に関する制御を行わず、ステップＳ４７に戻り、第１ストップスイッチ操作信号〜第３ストップスイッチ操作信号のいずれかのストップスイッチ操作信号を受信した（ＹＥＳ）と判別したときには、次のステップＳ５０へ進む。
【０１２０】
ステップＳ５０の図柄停止処理サブルーチンは、図８を用いて後述するとおり、遊技者のストップスイッチ操作により発信されたストップスイッチ操作信号を受信したときの図柄の表示位置を表す番号をリール回転角度位置検出回路１１６により特定し、特定された番号を基準に移動コマ数データテーブルの移動コマ数を用いて、図柄停止処理を行う。
【０１２１】
そして、ステップＳ５０において図柄停止処理を行った後、停止リール変数をカウントし（ステップＳ５１）、リール停止信号を主制御回路１００から副制御回路２００に送信する（ステップＳ５２）。ここで、リール停止信号とは、いずれかのリールを停止させたとき、主制御回路１００から副制御回路２００に送信される信号であって、リール停止信号を受信した副制御回路２００の演出制御手段５１０においてリールが停止されたことを判別するものである。
【０１２２】
ステップＳ５２においてリール停止信号を主制御回路１００から副制御回路２００に送信した後、全リールが停止したか否かを判別する（ステップＳ５３）。全リールが停止していない（ＮＯ）と判別したときには、ステップＳ４７に戻り、全リールが停止するまで繰り返す。一方、全リールが停止している（ＹＥＳ）と判別したときには、リール変動・停止サブルーチンを終了する。
【０１２３】
＜図柄停止処理サブルーチンの説明＞
図柄停止処理サブルーチン（ステップＳ５０）の詳細な説明を、図８に示すフローチャートを用いて説明する。
【０１２４】
はじめに、移動コマ数データテーブルから、遊技状態と、役抽選手段４１０による抽選結果と、受信したストップスイッチ操作信号に対応するリールの図柄の表示位置と、既に停止したリールがあるときは停止したリールの図柄の表示位置である図柄の停止位置とから、これらに対応する移動コマ数を決定する（ステップＳ６１）。
ここで、本実施形態における移動コマ数データテーブル（図１５〜図１９）は、遊技状態として、特別役に当選していない遊技状態である非内部中遊技状態と、当選したＢＢ役１に入賞していないＢＢ１内部中遊技状態と、当選したＢＢ役２に入賞していないＢＢ２内部中遊技状態とに該当する部分を抽出したものである。
【０１２５】
なお、本実施形態において、リールの図柄の表示位置とは、ストップスイッチ操作信号を受信したとき、表示窓を介してリール上に表示されている最下段の図柄を基準に定められる表示位置であり、番号により特定される。例えば、図１４に示す図柄配置表において、左リール４０Ｌ用のストップスイッチ５２Ｌが押動操作され、第１ストップスイッチ操作信号を受信したとき、表示窓２２Ｌを介して左リール４０Ｌに表示された図柄が、上から下へ順に、「赤７」、「ベル」、「リプレイ」である場合は、最下段の図柄である「リプレイ」を基準に、図柄の表示位置は１７番として特定される。
【０１２６】
また、リールの図柄の停止位置とは、図柄停止処理により、既に停止したリールがあるときに、停止したリールの図柄の表示位置をいう。例えば、図１４において、リール４０Ｌ、４０Ｃ、４０Ｒの中から左リール４０Ｌが停止しており、表示窓２２Ｌを介して左リール４０Ｌに表示された図柄が、上から下へ順に、「赤７」、「ベル」、「リプレイ」である場合は、最下段の図柄である「リプレイ」を基準に、図柄の停止位置である図柄の表示位置は１７番として特定される。
【０１２７】
そして、図１４と、決定した移動コマ数とに基づき、受信したストップスイッチ操作信号に対応するリール表示用図柄組合せを決定する（ステップＳ６２）。ここで、リール表示用図柄組合せとは、表示窓を介して、受信したストップスイッチ操作信号に対応するリールに表示される図柄の組合せをいう。例えば、遊技状態が非内部中遊技状態であり、第１回目のストップスイッチ操作として左リール４０Ｌ用のストップスイッチ５２Ｌが操作され、第１ストップスイッチ操作信号を受信したときの表示位置を特定する番号が２０番である場合（図１４より、表示窓２２Ｌを介して左リール４０Ｌに表示された図柄は、上から下へ順に、「ベル」、「リプレイ」、「スイカ」である場合）であって、役抽選手段による抽選結果がはずれであるときは、図１５の移動コマ数データテーブルに基づき、移動コマ数は「１」と決定される。従って、決定された移動コマ数である「１」に基づき、第１ストップスイッチ操作信号を受信したときに表示窓２２Ｌを介してリール４０Ｌ上に表示されている図柄の表示位置から移動することなく図柄を表示することから、リール表示用図柄組合せは、上から下へ順に、「ベル」、「リプレイ」、「スイカ」と決定される。
【０１２８】
次いで、リール表示用図柄組合せをそのまま表示するか否かを判断するため、停止リール変数が０であるか否かを判断する（ステップＳ６３）。ステップＳ６３において、停止リール変数が０である（ＹＥＳ）と判別したときは、第１回目のストップスイッチ操作であることから、表示窓を介して視認可能に、ステップＳ６２において決定したリール表示用図柄組合せを表示するようにリールを停止する（ステップＳ６４）。そして、図柄停止処理サブルーチンを終了する。
【０１２９】
ステップＳ６３において、停止リール変数が０ではない（ＮＯ）と判別したときは、第２回目以降のストップスイッチ操作であることから、決定したリール表示用図柄組合せを表示することにより、当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃って図柄が停止するか否かを判断する（ステップＳ６５）。ステップＳ６５において、決定したリール表示用図柄組合せを表示することにより、当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃って図柄が停止しない（ＮＯ）と判別したときは、表示窓を介して視認可能に、決定したリール表示用図柄組合せを表示するようにリールを停止する（ステップＳ６４）。そして、図柄停止処理サブルーチンを終了する。
【０１３０】
ステップＳ６５において、決定したリール表示用図柄組合せを表示することにより、当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃って図柄が停止する（ＹＥＳ）と判別したときは、当選役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃うことを防止するため、加算又は減算等をすることにより移動コマ数を変更して（ステップＳ６６）、ステップＳ６２に戻り、図１４と変更した移動コマ数とに基づき、受信したストップスイッチ操作信号に対応するリール表示用図柄組合せを決定する（ステップＳ６２）。
【０１３１】
例えば、本実施形態においては、通常の一般遊技で用いられるＢＢ未作動時一般抽選表（図１３）の一般役１又は一般役２のように、各リール全てに同じ図柄が揃うときに入賞する役に当選していない場合において、決定したリール表示用図柄組合せを表示することにより、当選していない役である一般役１又は一般役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃って図柄が停止する可能性がある。具体的には、２つのリールに対する図柄停止処理を終了し、３番目のリールに対する図柄停止処理を実行するときに、当選していない役である一般役１又は一般役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃って図柄が停止する場合である。
【０１３２】
＜フラグオフ処理サブルーチンの説明＞
図５のメインルーチンにおいて、上述のリール変動・停止サブルーチン（ステップＳ１５）が終了すると、次に、フラグオフ処理サブルーチン（ステップＳ１６）を行う。図９は、リール変動・停止サブルーチンにより図柄が停止した後の制御処理であるフラグオフ処理サブルーチンを示す。図９のフラグオフ処理サブルーチンを用いて、フラグオフ処理について説明する。
【０１３３】
はじめに、遊技状態がＢＢ１遊技又はＢＢ２遊技中であるか否かの判断を行う（ステップＳ７１）。ステップＳ７１において、ＢＢ１遊技又はＢＢ２遊技中である（ＹＥＳ）と判別したときは、ＢＢ遊技処理（ステップＳ７２）を実行し、本サブルーチンを終了する。ここで、「ＢＢ遊技処理」とは、ＢＢ未作動時一般抽選表（図１３）に設定されたＢＢ１遊技又はＢＢ２遊技の終了条件（最大払出遊技媒体枚数）に達するまで、ＢＢ作動時抽選表（図１２）を用いた遊技に対する処理である。本実施態様においては、ＢＢ１遊技及びＢＢ遊技２において共通のＢＢ作動時抽選表を用いるが、各ＢＢ遊技において個別のＢＢ作動時抽選表を用いることもできる。また、ＢＢ作動時抽選表（図１２）において、一般役１の当選する確率が１／４．０と非常に高く設定されていることから、一般役１に当選する可能性が非常に高く、一般役１に当選し入賞することにより、より少ない遊技媒体の投入枚数で最大払出遊技媒体枚数に達するまで遊技媒体を獲得できるため、遊技者は有利な遊技を行うことができる。
【０１３４】
次に、ステップＳ７１の判断で、いずれのＢＢ遊技中ではない（ＮＯ）と判別したときは、当選役があるか否かを判断する（ステップＳ７３）。当選役がある（ＹＥＳ）と判別したときには、役当選時処理サブルーチン（ステップＳ７４）を実行して、本サブルーチンを終了する。役当選時処理サブルーチンの詳細な説明は後述する。一方、ステップＳ７３の判断で、当選役がない（ＮＯ）と判別したときは、そのまま、本サブルーチンを終了する。
【０１３５】
なお、本実施形態においては、ＲＢ遊技が設定されていないが、ＢＢ未作動時一般抽選表（図１３）においてＲＢ役を設けることによりＲＢ遊技処理を行うＲＢ遊技を設定することができる。ここで、「ＲＢ遊技処理」とは、ＲＢ遊技中の入賞回数又はＲＢ遊技回数が所定の回数に達するまで、一般役の当選する確率が非常に高く設定されている遊技に対する処理である。従って、ＲＢ遊技中、当選する確率が高く設定された一般役に当選する可能性が非常に高く、遊技者は有利な遊技を行うことができる。
【０１３６】
＜役当選時処理サブルーチンの説明＞
図１０は、フラグオフ処理サブルーチンの制御処理の一部である役当選時処理サブルーチンを示す。図１０の役当選時処理サブルーチンを用いて、役当選時処理について説明する。なお、役当選時処理サブルーチンは、図９に示す通り、いずれのＢＢ遊技中でもない場合に実行される。
【０１３７】
はじめに、上述のリール変動・停止サブルーチン（図７）によって停止したリール図柄が入賞しているか入賞図柄判定を行う（ステップＳ８１）。次に、この入賞図柄判定の結果、ＢＢ役１又はＢＢ役２に入賞しているか否かを判断する（ステップＳ８２）。ステップＳ８２において、いずれかのＢＢ役に入賞している（ＹＥＳ）と判別したときは、対応するＢＢフラグをオフに設定するとともに、ＢＢ遊技状態に設定して（ステップＳ８３）、役当選時処理サブルーチンを終了する。ＢＢ遊技状態に設定することにより、次回の遊技からＢＢ１遊技又はＢＢ２遊技が開始され、ＢＢ１遊技中又はＢＢ２遊技中と判別される。
【０１３８】
ステップＳ８２において、いずれのＢＢ役にも入賞していない（ＮＯ）と判別したときは、一般役１〜一般役３のいずれかの一般役に入賞しているか否かを判断する（ステップＳ８４）。ステップＳ８４において、いずれかの一般役に入賞している（ＹＥＳ）と判別したときは、対応する一般役フラグをオフに設定し（ステップＳ８５）、役当選時処理サブルーチンを終了する。
【０１３９】
ステップＳ８４において、一般役１等のいずれの一般役にも入賞していない（ＮＯ）と判別したときは、再遊技役に入賞しているか否かを判断する（ステップＳ８６）。ステップＳ８６において、再遊技役に入賞している（ＹＥＳ）と判別したときは、再遊技フラグをオフに設定するとともに、再遊技状態に設定する（ステップＳ８７）。そして、役当選時処理サブルーチンを終了する。再遊技状態に設定することにより、次回の遊技は再遊技と判別される。なお、ステップＳ８６において、再遊技役にも入賞していない（ＮＯ）と判別したときは、そのまま役当選時処理サブルーチンを終了する。
【０１４０】
＜メインルーチンの説明（続き）＞
以上のようにして、図９に示すフラグオフ処理サブルーチンが終了する。ここで、図５のメインルーチンに戻り、ステップＳ１６のフラグオフ処理サブルーチンを終了し、ステップＳ１７の払い出し処理を終了して、本メインルーチンを終了する。これにより、図柄が変動してから停止するまでの１工程を１回とする遊技を行うための制御処理が終了する。
【０１４１】
＜演出制御処理サブルーチン＞
図１１の演出制御処理サブルーチンを用いて、副制御回路２００の演出制御手段５１０が行う演出制御処理について説明する。図１１は、演出制御手段５１０のサウンド出力制御手段５１６が、リール停止信号を受信したときに、報知手段６１０のサウンド出力装置６４を用いて、所定のサウンドを出力する演出制御処理サブルーチンを示す。
【０１４２】
具体的には、主制御回路１００から副制御回路２００に送信されたリール停止信号を受信したか否か判断する（ステップＳ９１）。ステップＳ９１において、リール停止信号を受信した（ＹＥＳ）と判別したときは、ＲＯＭ２０８に記憶したサウンドデータを読み出して、報知手段６１０のサウンド出力装置６４を用いて、サウンドを出力して（ステップＳ９２）、演出制御処理サブルーチンを終了する。ステップＳ９１において、リール停止信号を受信していない（ＮＯ）と判別したときは、そのまま演出制御処理サブルーチンを終了する。
【０１４３】
従って、副制御回路２００の演出制御手段５１０がリール停止信号を受信すると、サウンド出力装置６４を用いて所定のサウンドを出力し、ストップスイッチ５２Ｌ、５２Ｃ、５２Ｒの中から操作されたストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間を遊技者に告知することから、いずれかのストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間のずれを遊技者に告知することができる。従って、遊技状態、抽選結果等の情報を反映させた移動コマ数に基づくリールの停止制御を行うことによる時間のずれにより、全てのリールが停止するまでのストップスイッチ操作に対して、遊技者の遊技に対する興味と期待感を高まらせることができる。さらに、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間のずれは、遊技者に違和感を生じさせることから認識され易く、サウンド出力による演出により遊技者の遊技に対する関心や新鮮味を長く継続させることができる。
【０１４４】
＜＜図柄停止処理の説明＞＞
以下に、リール制御手段４２０による図柄停止処理を、図１５〜図１９の移動コマ数データテーブルを用いて説明する。あわせて、ストップスイッチの操作に基づくリール停止により、演出制御手段５１０が行うサウンド出力制御処理も説明する。
【０１４５】
本実施形態においては、移動コマ数データテーブルの中から、第１回目のストップスイッチ操作が左リール４０Ｌに対応するストップスイッチ５２Ｌを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブル（図１５）を用いて、第１回目のストップスイッチ操作に対する図柄停止処理を説明する。
【０１４６】
さらに、第２回目以降のストップスイッチ操作に対する図柄停止処理を説明するため、第１回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｌの操作により停止した左リール４０Ｌの図柄の表示位置が２０、６、８、１５、１６番である場合に、中リール４０Ｃに対応するストップスイッチ５２Ｃを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブル（図１６）と、右リール４０Ｒに対応するストップスイッチ５２Ｒを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブル（図１７）とを用いて図柄停止処理を説明する。また、第１回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｌの操作により停止した左リール４０Ｌの図柄の表示位置が３番である場合に、中リール４０Ｃに対応するストップスイッチ５２Ｃを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブル（図１８）と、右リール４０Ｒに対応するストップスイッチ５２Ｒを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブル（図１９）と用いて図柄停止処理を説明する。
【０１４７】
なお、本実施形態においては、図１６〜図１９が示すとおり、第１回目のストップスイッチ操作がストップスイッチ５２Ｌであれば、第２回目以降のストップスイッチ操作が、ストップスイッチ５２Ｃ、次いでストップスイッチ５２Ｒという左からの順押しである場合、第２回目以降のストップスイッチ操作が、ストップスイッチ５２Ｒ、次いでストップスイッチ５２Ｃというハサミ打ちである場合のいずれの場合においても、図１６〜図１９の移動コマ数データテーブルを用いて、図柄停止処理を行う。
【０１４８】
＜第１回目のストップスイッチ操作＞
移動コマ数データテーブルの中から、第１回目のストップスイッチ操作が左リール４０Ｌに対応するストップスイッチ５２Ｌを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブル（図１５）を用いて、第１回目のストップスイッチ操作に基づく図柄停止処理を説明する。
【０１４９】
（非内部中遊技状態）
リール４０Ｌ、４０Ｃ、４０Ｒが回転した後、第１回目のストップスイッチ操作として、左リール４０Ｌに対応するストップスイッチ５２Ｌが操作されることにより発信される第１ストップスイッチ操作信号を、リール制御手段４２０が受信すると（ステップＳ４７）、図柄停止処理サブルーチン（ステップＳ５０）が実行される。
【０１５０】
具体的には、移動コマ数データテーブル（図１５）から、遊技状態と、役抽選手段４１０による抽選結果と、受信した第１ストップスイッチ操作信号に対応する左リール４０Ｌの図柄の表示位置とから、これらに対応する移動コマ数を決定する（ステップＳ６１）。
【０１５１】
はじめに、第１ストップスイッチ操作信号を受信したとき、表示窓２２Ｌを介して左リール４０Ｌに表示された図柄が、上から下へ順に、「ベル」、「リプレイ」、そして最下段の図柄が図１４の図柄配置表の２０番に相当する「スイカ」である場合は、図柄の表示位置は２０番として特定される。そして、役抽選手段４１０による抽選結果がはずれである場合、遊技状態が非内部中遊技状態であることから、移動コマ数は「１」と決定される（ステップＳ６１）。
【０１５２】
移動コマ数が「１」であるときは、第１ストップスイッチ操作信号を受信したときに表示窓２２Ｌを介して左リール４０Ｌ上に表示されている図柄の表示位置である２０番から移動することなく図柄を表示することから、リール表示用図柄組合せを、上から下へ順に、「ベル」、「リプレイ」、「スイカ」と決定する（ステップＳ６２）。
【０１５３】
そして、決定したリール表示用図柄組合せを表示するリール停止制御を行い（ステップＳ６４）、図柄停止処理サブルーチンを終了する。このとき、図柄の停止位置は、図１４から２０番として特定される。以上より、遊技状態と、抽選結果と、図柄の表示位置とに基づき、リール制御手段４１０が、ストップスイッチ操作信号を受信したときの図柄の表示位置から、移動コマ数データテーブルに記憶された移動コマ数だけ図柄を移動させてリールを停止するリール停止制御を行うことができる。
【０１５４】
同様に、第１ストップスイッチ操作信号を受信したとき、表示窓２２Ｌを介して左リール４０Ｌに表示された図柄が、上から下へ順に、「チェリー」、「ベル」、そして最下段の図柄が図１４の図柄配置表の０番に相当する「リプレイ」である場合は、図柄の表示位置は０番として特定される。そして、役抽選手段４１０による抽選結果がはずれである場合、遊技状態が非内部中遊技状態であることから、移動コマ数は「４」と決定される（ステップＳ６１）。
【０１５５】
移動コマ数が「４」であるときは、第１ストップスイッチ操作信号を受信したときに表示窓２２Ｌを介して左リール４０Ｌ上に表示されている図柄の表示位置である０番から３図柄分のコマ数を移動した図柄を表示することから、リール表示用図柄組合せを、上から下へ順に、「青７」、「リプレイ」、そして最下段の図柄が図１４の図柄配置表の３番に相当する「スター」と決定する（ステップＳ６２）。
【０１５６】
そして、決定したリール表示用図柄組合せを表示するリール停止制御を行い（ステップＳ６４）、図柄停止処理サブルーチンを終了する。このとき、図柄の停止位置は、図１４から３番として特定される。
【０１５７】
以上のリール停止制御を行った後、副制御回路２００の演出制御手段５１０に、リール停止信号を送信する（ステップＳ５２）。送信されたリール停止信号を、副制御回路２００の演出制御手段５１０が受信したときは（ステップＳ９１）、ＲＯＭ２０８に記憶されたサウンドデータを読み出して、報知手段６１０のサウンド出力装置６４を用いて、サウンドを出力する（ステップＳ９２）。以上により、第１ストップスイッチ５２Ｌの操作から第１ストップスイッチ５２Ｌに対応するリール４０Ｌが停止するまでの時間、すわわち、時間のずれを遊技者に告知することができる。
【０１５８】
なお、図柄の表示位置が０であるときは、「チェリー」の図柄が表示窓２２Ｌを介して左リール４０Ｌに表示されているため、抽選結果がはずれである場合、役、例えば、一般役３（図１２より、左リール４０Ｌの図柄がチェリーであれば、残りのリールの図柄については、何れの図柄であっても入賞するように設定されている役）に対応する図柄が有効ライン上に揃わないようにリール停止制御を行う必要がある。従って、移動コマ数を「４」と設定することで、役抽選結果がはずれである場合、一般役３に対応する図柄が有効ライン上に揃わないように設定している。
【０１５９】
また、図１５の非内部中遊技状態において、最小の移動コマ数である「１」に関して、抽選結果がはずれである場合の表示位置データのデータ数は「１４」であり、一般役１、一般役２、又は一般役３に当選した場合の表示位置データのデータ数は「９」、「４」、「４」であることから、抽選結果がはずれである場合の方が一般役１等に当選した場合よりも多くなるように設定されている。すなわち、移動コマ数が最小の移動コマ数である「１」になるのは、抽選結果がはずれである場合の方が、一般役１等に当選した場合と比較して多い。従って、ストップスイッチを操作したときの図柄の表示位置から、最小の移動コマ数の図柄を移動してリールを停止させたときは、抽選結果がはずれであったと遊技者に推測させることができる。この結果、ストップスイッチが操作されて最小の移動コマ数の図柄を移動してリールが停止されると、抽選結果がはずれであったと遊技者に推測させることができる。
【０１６０】
さらに、最大の移動コマ数である「５」に関して、抽選結果がはずれである表示位置データのデータ数は「０」であり、一般役１、一般役２、又は一般役３に当選した場合の表示位置データのデータ数は「２」、「１３」、「８」であることから、抽選結果がはずれである場合の方が一般役１等に当選した場合よりも小さくなるように設定される。すなわち、移動コマ数が最大の移動コマ数である「５」になるのは、抽選結果がはずれである場合の方が、一般役１等に当選した場合と比較して少ない。従って、ストップスイッチを操作したときの図柄の表示位置から、最大の移動コマ数の図柄を移動してリールを停止させたときは、抽選結果が一般役１等に当選したと遊技者に推測させることができる。この結果、ストップスイッチが操作されて最大の移動コマ数の図柄を移動してリールが停止されると、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間のずれにより、抽選結果が一般役１等に当選したと遊技者に推測させることができ、全てのリールを停止させるまでのストップスイッチ操作に対して、遊技者の遊技に対する興味と期待感を高まらせることができる。
【０１６１】
（内部中遊技状態）
図１５を用いて、内部中遊技状態であるＢＢ１内部中遊技状態及びＢＢ２内部中遊技状態における図柄停止処理を説明する。ＢＢ１内部中遊技状態とＢＢ２内部中遊技状態とにおける図柄停止処理は同様に行われ、サウンド出力制御処理は非内部中遊技状態と同様であることから、ＢＢ１内部中遊技状態における図柄停止処理のみを説明する。
【０１６２】
内部中遊技状態において、第１ストップスイッチ操作信号を受信したとき、図１４より図柄の表示位置が２０番として特定され、抽選結果がはずれである場合、移動コマ数は「１」と決定される（ステップＳ６１）。従って、ステップＳ６２により、上から下へ順に、「ベル」、「リプレイ」、そして、最下段の図柄が図１４の図柄配置表の２０番に相当する「スイカ」と決定されたリール表示用図柄組合せを、表示窓２２Ｌを介して左リール４０Ｌに表示するリール停止制御を行う（ステップＳ６４）。
【０１６３】
また、第１ストップスイッチ操作信号を受信したとき、図１４より図柄の表示位置が０番として特定され、抽選結果がはずれである場合、移動コマ数は最大の移動コマ数である「５」と決定される（ステップＳ６１）。従って、ステップＳ６２により、上から下へ順に、「ベル」、「青７」、最下段の図柄が図１４の図柄配置表の４番に相当する「リプレイ」と決定されたリール表示用図柄組合せを、表示窓２２Ｌを介して左リール４０Ｌに表示するリール停止制御を行う（ステップＳ６４）。
【０１６４】
ここで、非内部中遊技状態と内部中遊技状態とを比較すると、移動コマ数データテーブルの移動コマ数に関して、抽選結果と図柄の表示位置とが同一である場合でも、非内部中遊技状態とＢＢ１内部中遊技状態等の複数の遊技状態を設定することにより、異なる移動コマ数を設定している。従って、抽選結果と図柄の表示位置とが同一である場合でも、遊技状態毎に、図柄の表示位置から異なる移動コマ数の図柄を移動してリールを停止することができる。
【０１６５】
この結果、ストップスイッチ操作に基づく遊技のバリエーションが広がり、さらに、異なる移動コマ数は、ストップスイッチ操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間のずれにより、遊技者に遊技状態を告知することができる。
【０１６６】
例えば、抽選結果が「はずれ」である場合、非内部中遊技状態とＢＢ１内部中遊技状態とＢＢ２内部中遊技状態とを比較すると、移動コマ数が最大移動コマ数である「５」である非内部中遊技状態の図柄の表示位置のデータ数は「０」であるのに対して、ＢＢ１内部中遊技状態の図柄の表示位置のデータ数は「８」、ＢＢ２内部中遊技状態の図柄の表示位置のデータ数は「１０」である。従って、最大移動コマ数の図柄を移動してリールを停止させた場合、非内部中遊技状態において抽選結果が一般役１等に当選している、ＢＢ１内部中遊技状態、又は、ＢＢ２内部中遊技状態であると、遊技者に遊技状態を告知することができる。この結果、全てのリールが停止するまでのストップスイッチ操作に対応して、遊技者の遊技に対する興味と期待感を高まらせることができる。
【０１６７】
＜第２回目のストップスイッチ操作＞
本実施形態においては、第１回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｌの操作により停止した左リール４０Ｌの図柄の表示位置である図柄の停止位置が２０番又は３番である場合について、図１６〜図１９を用いて図柄停止処理を説明する。なお、本実施形態においては、第１回目のストップスイッチ操作がストップスイッチ５２Ｌであれば、第２回目以降のストップスイッチ操作が、ストップスイッチ５２Ｃ、次いでストップスイッチ５２Ｒという左からの順押しの場合、第２回目以降のストップスイッチ操作が、ストップスイッチ５２Ｒ、次いでストップスイッチ５２Ｃというハサミ打ちの場合のいずれの場合においても、図１６〜図１９の移動コマ数データテーブルを用いて、図柄停止処理を行う。
【０１６８】
（非内部中遊技状態）
はじめに、第１回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｌの操作により停止した左リール４０Ｌの図柄の停止位置が２０番である場合の図柄停止処理について説明する。
【０１６９】
第２回目のストップスイッチ操作として、中リール４０Ｃに対応するストップスイッチ５２Ｃが操作されることにより送信される第２ストップスイッチ操作信号を、リール制御手段４２０が受信すると（ステップＳ４８）、図柄停止処理サブルーチン（ステップＳ５０）が実行される。
【０１７０】
そして、左リール４０Ｌの図柄の停止位置（２０番）に基づき図１６の移動コマ数データテーブルを抽出して、遊技状態と、役抽選手段４１０による抽選結果と、受信した第２ストップスイッチ操作信号に対応する中リール４０Ｃの図柄の表示位置とから、これらに対応する移動コマ数を決定する（ステップＳ６１）。役抽選手段４１０の抽選結果がはずれである場合、遊技状態が非内部中遊技状態であることから、受信した第２ストップスイッチ操作信号に対応する中リール４０Ｃの図柄の表示位置がどの位置であっても、移動コマ数は最小移動コマ数である「１」に決定される（ステップＳ６１）。従って、第２ストップスイッチ操作信号を受信したときに表示窓２２Ｃを介して中リール４０Ｃ上に表示されている図柄の組合せをリール表示用図柄組合せと決定して（ステップＳ６２）、表示するリール停止制御を行う（ステップＳ６４）。以上より、遊技状態と、抽選結果と、図柄の表示位置とに、既に停止したリールの図柄の停止位置とに基づき、リール制御手段４１０が、ストップスイッチ操作信号を受信したときの図柄の表示位置から、移動コマ数データテーブルに記憶された移動コマ数だけ図柄を移動させてリールを停止するリール停止制御を行うことができる
【０１７１】
例えば、抽選結果がはずれであって、受信した第２ストップスイッチ操作信号に対応する中リール４０Ｃの図柄の表示位置が１９番である場合、移動コマ数は「１」であることから、表示窓２２Ｃを介して中リール４０Ｃ上に表示されている図柄の組合せ（上から下へ順に、「ベル」、「リプレイ」、「赤７」）をリール表示用図柄組合せとして決定し表示するリール停止制御を行う。
【０１７２】
次に、第１回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｌの操作により停止した左リール４０Ｌの図柄の停止位置が３番である場合の図柄停止処理について説明する。
【０１７３】
左リール４０Ｌの図柄の停止位置（３番）に基づき図１８の移動コマ数データテーブルを抽出して、上述と同様に、遊技状態と、役抽選手段４１０による抽選結果と、受信した第２ストップスイッチ操作信号に対応する中リール４０Ｃの図柄の表示位置とから、これらに対応する移動コマ数を決定して（ステップＳ６１）、リール表示用図柄組合せを決定して（ステップＳ６２）、表示するリール停止制御を行う（ステップＳ６４）。
【０１７４】
例えば、抽選結果がはずれであって、受信した第２ストップスイッチ操作信号に対応する中リール４０Ｃの図柄の表示位置が１９番である場合、左リール４０Ｌの図柄の停止位置が２０番である場合と同様に、移動コマ数は「１」であることから、表示窓２２Ｃを介して中リール４０Ｃ上に表示されている図柄の組合せ（上から下へ順に、「ベル」、「リプレイ」、「赤７」）をリール表示用図柄組合せとして決定し表示するリール停止制御を行う。
【０１７５】
なお、図１８において、非内部中遊技状態及びＢＢ１内部中遊技状態の一般役１〜一般役３に対して、最小移動コマ数である「１」〜最大移動コマ数である「５」のいずれの値も移動コマ数として設定されていない。これは、左リール４０Ｌの図柄の停止位置が３番である場合、一般役１〜一般役３の当選時の移動コマ数を設定する必要がないためである。すなわち、左リール４０Ｌの図柄の停止位置が３番である場合、上から下へ順に、「青７」、「リプレイ」、「スター」の図柄が表示窓２２Ｌを介して左リール４０Ｌ上に表示されていることから、一般役１〜一般役３に対応する図柄の組合せが揃うことがないため、移動コマ数が設定されていない。
【０１７６】
ここまで、図１６及び図１８を用いて、第２回目のストップスイッチ操作として、中リール４０Ｃに対応するストップスイッチ５２Ｃが操作された場合について説明した。同様に、第２回目のストップスイッチ操作として、右リール４０Ｒに対応するストップスイッチ５２Ｒが操作された場合についても、左リール４０Ｌの図柄の停止位置が２０、６、８、１５、１６番のときは図１７を、３番のときは図１９を用いて説明することができる。
【０１７７】
（内部中遊技状態）
図柄停止処理については、上述の非内部中遊技状態と同様に、左リール４０Ｌの図柄の停止位置に基づき移動コマ数データテーブルを抽出して、遊技状態と、抽選結果と、受信したストップスイッチ操作信号に対応する中リール４０Ｃ又は右リール４０Ｒの図柄の表示位置とから、これらに対応する移動コマ数を決定して（ステップＳ６１）、リール表示用図柄組合せを決定して（ステップＳ６２）、表示するリール停止制御を行う（ステップＳ６４）。
【０１７８】
ここで、図１６〜図１９の移動コマ数に関して、ＢＢ１内部中遊技状態及びＢＢ２内部中遊技状態は、非内部中遊技状態と比較して、最大移動コマ数である「５」が移動コマ数として顕著に多く設定されている。従って、ストップスイッチ操作をするごとに、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間のずれが顕著になる。この結果、遊技者に違和感を生じさせるため、認識され易くなり、ＢＢ１内部中遊技状態又はＢＢ２内部中遊技状態であることを推測させることができ、遊技者の遊技に対する興味と期待感を高まらせることができる。
【０１７９】
＜第３回目のストップスイッチ操作＞
サウンド出力制御処理は、第２回目のストップスイッチ操作に基づく図柄停止処理が行われた後のサウンド出力処理と同様であり、内部中遊技状態における図柄停止処理は、第２回目のストップスイッチ操作に基づく図柄停止処理と同様に行われる。従って、非内部中遊技状態における図柄停止処理のみを説明する。
【０１８０】
（非内部中遊技状態）
遊技状態が非内部中遊技状態である場合、決定した移動コマ数に基づき回転させたリールを停止すると、役抽選手段により当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃う場合がある。具体的には、遊技状態と、抽選結果と、受信したストップスイッチ操作信号に対応する中リール４０Ｃ又は右リール４０Ｒの図柄の表示位置とから、これらに対応する移動コマ数を決定して（ステップＳ６１）、決定した移動コマ数に基づいてリール表示用図柄組合せを決定して（ステップＳ６２）、決定したリール表示用図柄組合せを表示したときに、役抽選手段により当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃う場合である。
【０１８１】
この場合、決定したリール表示用図柄組合せを表示したときに、役抽選手段により当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃うか否かを判断し（ストップＳ６５）、当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃わないと判断したときは、決定したリール表示用図柄組合せを表示するリールの停止制御を行い（ストップＳ６４）、当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃うと判断したときは、当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃わないように移動移動コマ数を変更し（ステップＳ６６）、変更した移動コマ数に基づいて決定したリール表示用図柄組合せを表示するリールの停止制御を行う（ストップＳ６４）。従って、役抽選手段において当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ラインに揃うことを回避することができる。
【０１８２】
例えば、抽選結果がはずれであり、かつ、第１回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｌの操作により停止した左リール４０Ｌの図柄の停止位置が２０番（図１５より、移動コマ数は「１」であり、リール表示用図柄組合せは上から下へ順に、「ベル」、「リプレイ」、「スイカ」）であって、第２回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｃの操作により停止した中リール４０Ｃの図柄の停止位置が１番（図１６より、移動コマ数は「１」であり、リール表示用図柄組合せは上から下へ順に、「ベル」、「リプレイ」、「チェリー」）である場合に、第３回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｒの操作により停止した右リール４０Ｒの図柄の停止位置が１番（図１７より、移動コマ数は「１」であり、リール表示用図柄組合せは上から下へ順に、「スイカ」、「チェリー」、「リプレイ」）であるときは、当選している役以外の役、すなわち当選していない一般役１等に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃わないことから、決定したリール表示用図柄組合せを表示するリールの停止制御を行う。なお、第２回目のストップスイッチ操作をストップスイッチ５２Ｒの操作と、第３回目のストップスイッチ操作をストップスイッチ５２Ｃの操作としても、上記と同じ図柄停止処理を行う。
【０１８３】
しかし、抽選結果がはずれであり、かつ、第１回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｌの操作により停止した左リール４０Ｌの図柄の停止位置が２０番（図１５より、移動コマ数は「１」であり、リール表示用図柄組合せは上から下へ順に、「ベル」、「リプレイ」、「スイカ」）であって、第２回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｃの操作により停止した中リール４０Ｃの図柄の停止位置が１９番（図１６より、移動コマ数は「１」であり、リール表示用図柄組合せは上から下へ順に、「ベル」、「リプレイ」、「赤７」）である場合に、第３回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｒの操作により停止した右リール４０Ｒの図柄の停止位置が１９番（図１７より、移動コマ数は「１」であり、リール表示用図柄組合せは上から下へ順に、「ベル」、「スイカ」、「赤７」）であるときは、当選している役以外の役、すなわち当選していない一般役１に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃うことから、一般役１に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃わないように移動コマ数を変更し、例えば、移動コマ数を「２」に変更し（ステップＳ６６）、変更した移動コマ数に基づく図柄の表示位置である２０番のリール表示用図柄組合せ（上から下へ順に、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」）を表示するリールの停止制御を行う（ストップＳ６４）。
【０１８４】
以上の実施形態によれば、演出制御手段が、リール停止信号を受信すると、サウンド出力手段を用いて所定のサウンドを出力し、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間を遊技者に告知することから、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間のずれを遊技者に告知することができる。従って、時間のずれに遊技状態や抽選結果等の情報を反映させることにより、全てのリールが停止するまでのストップスイッチ操作に対して、遊技者の遊技に対する興味と期待感を高まらせることができる。さらに、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間のずれは、遊技者に違和感を生じさせることから認識されやすくサウンド出力による演出により遊技者の遊技に対する関心や新鮮味を長く継続させることができる。
【０１８５】
なお、本実施形態においては、移動コマ数データテーブルの移動コマ数が、遊技状態がＢＢ１内部中遊技状態又はＢＢ２内部中遊技状態であって、抽選結果が役に当選しているときに、所定の入賞順位の低い役の図柄を有効ライン上に停止させる移動コマ数を設定することも可能である。
【０１８６】
このように移動コマ数を設定することにより、移動コマ数データテーブルの移動コマ数に基づきリールを停止して、入賞順位の低い当選役の図柄を有効ライン上に停止させたとき、優先順位の低い当選役以外の当選役であるＢＢ役１又はＢＢ役２の図柄が有効ライン上に揃わない場合は、移動コマ数に基づきリールを停止して、入賞順位の低い当選役の図柄を有効ライン上に停止することができる。一方、入賞順位の高い当選役であるＢＢ役１又はＢＢ役２の図柄を有効ライン上に揃えることができる場合は、移動コマ数に基づくリール上の図柄の表示位置を、当選したＢＢ役１又はＢＢ役２の図柄が有効ライン上に揃う位置に変更して、入賞順位の高い当選役であるＢＢ役１又はＢＢ役２の図柄を有効ライン上に停止することができる。
【０１８７】
ここで、ＢＢ役１等の特別役の図柄の組合せが有効ライン上に揃う各リール上の図柄の位置の組合せの数は、一般役の図柄の組合せが有効ライン上に揃う各リール上の図柄の位置の組合せの数と比較すると、はるかに少ない。従って、複数の役が当選している場合、入賞順位の低い当選役の図柄を有効ライン上に停止する方が、入賞順位の高いＢＢ役１等の特別役の図柄を有効ライン上に停止するのと比較して、変更回数が少なくなり、結果として少ない変更回数によりリールを停止することができる。
【０１８８】
更に、本発明に係るスロットマシンは、上述の実施形態には限られず、その他様々な実施形態が含まれる。
【符号の説明】
【０１８９】
１０ スロットマシン
３８ 遊技媒体投入口
３２、３４、３６ ベットスイッチ
４０Ｌ、４０Ｃ、４０Ｒ リール
５０ スタートスイッチ
５２Ｌ、５２Ｃ、５２Ｒ ストップスイッチ
６４ サウンド出力装置
７０ 表示装置
８０Ｌ、８０Ｃ、８０Ｒ ステッピングモータ
９０ 表示ランプ
１００ 主制御回路
１０６ ＣＰＵ
１０８ ＲＯＭ
１１０ ＲＡＭ
１１２ 乱数発生器
１１４ モータ駆動回路
２００ 副制御回路
３００ 操作手段
３１０ 停止操作手段
３２０ ベット手段
４１０ 役抽選手段
４１２ 乱数発生手段
４１４ 乱数抽出手段
４１６ 乱数判定手段
４２０ リール制御手段
４３０ 遊技制御手段
４３２ 特別遊技制御手段
４４０ 記憶手段
５１０ 演出制御手段
５１２ 画像制御手段
５１４ ランプ制御手段
５１６ サウンド出力制御手段
６１０ 報知手段
【技術分野】
【０００１】
本発明は、遊技者が遊技媒体を投入して、図柄が表示されたリールを回転させて停止させ、停止時における図柄組合せにより遊技結果を定めるスロットマシンに関する。特に、ストップスイッチの操作により回転させたリールが停止したときにサウンド出力することにより、遊技者に対して、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間を告知する演出制御を特徴とするスロットマシンに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来より、スロットマシンでは、リールに図柄を表示し、リール停止時の図柄の組合せにより遊技結果を表示するとともに、各種の報知手段（画像表示装置、ランプ、サウンド出力装置等）により出力された演出によって、役の抽選結果等を報知する。
【０００３】
特に、報知手段による演出出力は、リール停止時、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止すること、又は特別役の当選を意味する情報の表示等に用いられ、遊技の進行における補助的役割を果たすものとして、極めて重要な要素となっている。
例えば、サウンド出力装置の演出制御方法として、役の抽選結果と、ストップスイッチを操作した時点からストップスイッチに対応するリールが停止するまでに、リール上に表示された図柄が移動する移動コマ数と、に応じたサウンドを出力して、遊技者に遊技状態を報知する演出制御方法を採用したスロットマシンが提案されている（例えば、特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００２−３５５３５９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかし、前述の従来技術は、出力されるサウンドにバリエーションがあるものの、特別役に当選したことを報知するサウンドが出力されたときは遊技者の遊技に対する興味と期待感を高まらせることができるが、はずれたことを報知するサウンドが出力されたとき等は、遊技者にとっては興味や期待感を生じさせるものではなかった。
この結果、サウンドにバリエーションがあるものの、サウンドの出力により役の抽選結果を報知していることから、遊技者は出力されるサウンドの種類、特に、はずれたことを報知するサウンドによって、遊技者の遊技に対する興味を失ってしまうという問題が生じていた。
【０００６】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、ストップスイッチが操作され、操作されたストップスイッチに対応するリールが停止したとき、サウンド出力手段を用いて所定のサウンドを出力し、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間を遊技者に告知する演出制御手段を有するスロットマシンを提供することにある。
【０００７】
この結果、操作されたストップスイッチに対応するリールが停止することにより所定のサウンドが出力されることから、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間のずれを遊技者に告知することができる。従って、時間のずれに役の抽選結果等の情報を含ませることにより、全てのリールが停止するまでのストップスイッチ操作に対応して、遊技者の遊技に対する興味と期待感を高まらせることができる。さらに、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間のずれは、遊技者に違和感を生じさせることから認識され易く、サウンド出力による演出により遊技者の遊技に対する関心や新鮮味を長く継続させることができる。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
以上のような目的を達成するため、本発明に係るスロットマシンにおいては、ストップスイッチが操作されると、ストップスイッチに対応するストップスイッチ操作信号を、リール制御手段に送信する操作手段と、受信したストップスイッチ信号に対応するリールが停止したとき、リール停止信号を演出制御手段に送信するリール制御手段と、リール停止信号を受信すると、サウンド出力手段を用いて所定のサウンドを出力し、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間を遊技者に告知する演出制御手段と、を含む。
【０００９】
具体的には、本発明に係るスロットマシンは、
遊技媒体を投入して、複数の図柄が表示された複数のリールを回転させ停止させた結果に基づく処理までの単位遊技を実施可能なスロットマシンであって、
前記複数のリールの各々に対応して設けられたストップスイッチを有する操作手段と、
前記ストップスイッチが操作されることにより、回転させた前記複数のリールの停止制御を行うリール制御手段と、
前記遊技の進行に基づいて報知手段を用いた演出を出力する演出制御手段と、
を含み、
前記操作手段は、前記ストップスイッチが操作されると、前記ストップスイッチに対応するストップスイッチ操作信号を、前記リール制御手段に送信し、
前記リール制御手段は、受信した前記ストップスイッチ信号に対応するリールが停止したとき、リール停止信号を前記演出制御手段に送信し、
前記報知手段は、所定のサウンドを出力するサウンド出力手段を含み、
前記演出制御手段は、前記リール停止信号を受信すると、前記サウンド出力手段を用いて所定のサウンドを出力し、前記ストップスイッチの操作から前記ストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間を遊技者に告知する、
ことを特徴とする。
【００１０】
上述した発明によれば、演出制御手段は、リール停止信号を受信すると、サウンド出力手段を用いて所定のサウンドを出力し、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間を遊技者に告知することから、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間のずれを遊技者に告知することができる。従って、時間のずれに遊技状態や抽選結果等の情報を反映させることにより、全てのリールが停止するまでのストップスイッチ操作に対して、遊技者の遊技に対する興味と期待感を高まらせることができる。さらに、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間のずれは、遊技者に違和感を生じさせることから認識され易く、サウンド出力による演出により遊技者の遊技に対する関心や新鮮味を長く継続させることができる。
【００１１】
本発明に係るスロットマシンとして、特別役を含む役の中から、何れの役に当選したのかを判別する役抽選手段と、当選した役にリール制御手段により入賞したときに、入賞した役に対応した処理を進める遊技制御手段と、当選した特別役に入賞したときに、遊技を遊技者にとって有利に進行させる特別遊技を実施する特別遊技制御手段と、当選した特別役に入賞していない遊技状態を含む遊技状態が設定された遊技状態データと、役抽選手段による抽選結果が設定された抽選結果データと、リール制御手段により受信されるストップスイッチ操作信号に対応するリールの図柄の表示位置が設定された表示位置データと、遊技状態データ及び抽選結果データの各データに対して、リール制御手段がストップスイッチ操作信号を受信したとき、表示位置データの図柄の表示位置からリールが停止するまでに図柄が移動する移動コマ数が設定された移動コマ数データと、からなる移動コマ数データテーブルを記憶する記憶手段と、をさらに含み、移動コマ数データテーブルの抽選結果データは、一の抽選結果データと、他の抽選結果データとを含み、移動コマ数データテーブルの遊技状態データに対する移動コマ数データの移動コマ数は、抽選結果データが一の抽選結果データであるときに、最小の移動コマ数が設定されている表示位置データのデータ数が、抽選結果データが他の抽選結果データであるときに、最小の移動コマ数が設定されている表示位置データのデータ数よりも多くなるように設定される、ことが好ましい。
【００１２】
上述した発明によれば、前記移動コマ数データテーブルを記憶する記憶手段を含むことから、遊技状態データと、抽選結果データと、表示位置データと、移動コマ数データとに基づき、リール制御手段が、ストップスイッチ操作信号を受信したときの図柄の表示位置から、移動コマ数データテーブルに記憶された移動コマ数だけ図柄を移動させてリールを停止するリール停止制御を行うことができる。
【００１３】
また、移動コマ数データテーブルの抽選結果データは、一の抽選結果データと、他の抽選結果データとを含み、移動コマ数データテーブルの遊技状態データに対する移動コマ数データの移動コマ数は、抽選結果データが一の抽選結果データであるときに、最小の移動コマ数が設定されている表示位置データのデータ数が、抽選結果データが他の抽選結果データであるときに、最小の移動コマ数が設定されている表示位置データのデータ数よりも多くなるように設定されることから、移動コマ数が最小の移動コマ数になるのは、抽選結果データが一の抽選結果データである場合の方が、他の抽選結果データである場合と比較して多い。従って、リール制御手段が、ストップスイッチを操作したときの図柄の表示位置から、最小の移動コマ数の図柄を移動してリールを停止させたときは、役抽選手段による抽選結果が一の抽選結果データであったと遊技者に推測させることができる。
【００１４】
この結果、一の抽選結果データが役に当選しないはずれの場合、ストップスイッチが操作されて最小の移動コマ数の図柄を移動してリールが停止されると、抽選結果がはずれであったと遊技者に推測させることができる。
【００１５】
ここで、「役」には、入賞すると所定枚数の遊技媒体の払い出しを行う「一般役」と、遊技を遊技者にとって有利に進行させる「特別遊技」に移行させることが可能な「特別役」と、遊技媒体を投入しないで遊技を再実施できる「再遊技」とが含まれる。
【００１６】
「特別遊技」とは、役抽選手段により特別役に当選し、かつ、リール制御手段により特別役に対応する所定の図柄が停止し入賞したときに、遊技を遊技者にとって有利に進行させる遊技をいう。
【００１７】
「特別役」には、抽選で所定役が高確率で当選する遊技を一定条件下で所定回数行う「第１特別遊技」に移行させることが可能な「第１特別役」と、一般遊技と第１特別遊技に相当する遊技の少なくとも一方の遊技を行える「第２特別遊技」に移行させることが可能な「第２特別役」とが含まれる。
【００１８】
ここで、第１特別役は、特別遊技の１つである第１特別遊技に移行させる役であり、レギュラーボーナス役（以下、ＲＢ役と称する。）と呼ばれる役である。第１特別遊技は、所定役が高確率で当選する遊技を、一定条件下で所定回数行うことができる。また、第２特別役は、特別遊技の１つである第２特別遊技に移行させる役であり、ビッグボーナス役（以下、ＢＢ役と称する。）と呼ばれる役である。第２特別遊技は、一般遊技と第１特別遊技に相当する遊技の少なくとも一方の遊技を、所定の遊技媒体払出枚数に達するまで行える遊技である。
【００１９】
また、「所定の図柄が停止する」とは、全てのリールで予め定められた図柄が停止する設定も含まれるし、一部のリールで予め定められた図柄が停止する設定も含まれる。また、予め定められた図柄は、全てのリールで同一の図柄に設定することもできるし、リールによって異なる図柄を設定することもできる。
【００２０】
一方、「所定の図柄が停止しない」とは、上記の「所定の図柄が停止する」に該当するための要件を、満たさないことを意味する。従って、例えば、要件とされているリールのうち、一部のリールで所定の図柄が停止しないときでも、「所定の図柄が停止しない」ことになる。もちろん、要件とされた全てのリールで所定の図柄が停止しないときも、「所定の図柄が停止しない」ことになる。
【００２１】
なお、１の役を定める「抽選」は、例えば、乱数を発生させてその値によって、１つの当選役を定めることが望ましい。乱数の発生については、乱数発生器を用いることも考えられるし、コンピュータ等を用いてソフトウェア上で発生させることも考えられる。
【００２２】
本発明に係るスロットマシンとして、移動コマ数データテーブルの遊技状態データに対する移動コマ数データの移動コマ数は、抽選結果データが一の抽選結果データであるときに、最大の移動コマ数が設定されている表示位置データのデータ数が、抽選結果データが他の抽選結果データであるときに、最大の移動コマ数が設定されている表示位置データのデータ数よりも少なくなるように設定される、ことが好ましい。
【００２３】
上述した発明によれば、移動コマ数データテーブルの遊技状態データに対する移動コマ数データの移動コマ数は、抽選結果データが一の抽選結果データであるときに、最大の移動コマ数が設定されている表示位置データのデータ数が、抽選結果データが他の抽選結果データであるときに、最大の移動コマ数が設定されている表示位置データのデータ数よりも少なくなるように設定されることから、移動コマ数が最大の移動コマ数になるのは、抽選結果データが他の抽選結果データである場合の方が、一の抽選結果データである場合と比較して多い。従って、リール制御手段が、ストップスイッチを操作したときの図柄の表示位置から、最大の移動コマ数の図柄を移動してリールを停止させたときは、役抽選手段による抽選結果が他の抽選結果データであったと遊技者に推測させることができる。
【００２４】
この結果、他の抽選結果データがはずれの場合以外の役に当選した場合、ストップスイッチが操作されて最大の移動コマ数の図柄を移動してリールが停止されると、抽選結果がはずれの場合以外の役に当選した場合であったと遊技者に推測させることができ、遊技者の遊技に対する興味と期待感を高まらせることができる。
【００２５】
本発明に係るスロットマシンとして、移動コマ数データテーブルの遊技状態データは、一の遊技状態と、他の遊技状態とを含み、移動コマ数データテーブルの一の遊技状態に対する移動コマ数は、抽選結果データ及び表示位置データの各データが同一のとき、他の遊技状態に対する移動コマ数と異なる場合を含む、ことが好ましい。
【００２６】
上述した発明によれば、抽選結果データ及び表示位置データの各データが同一である場合でも、当選した特別役に入賞していない遊技状態を含む遊技状態毎に、移動コマ数データテーブルの移動コマ数データを異なる移動コマ数に設定することができることから、表示位置から異なる移動コマ数の図柄を移動してリールを停止することができる。
【００２７】
例えば、抽選結果データがはずれの場合であって、表示位置データが同一であるときに、当選した特別役に入賞していない遊技状態における移動コマ数を最大の移動コマ数に、特別役に当選していない遊技状態における移動コマ数を最小の移動コマ数に設定することができる。
【００２８】
この結果、ストップスイッチ操作に基づく遊技のバリエーションが広がり、さらに、異なる移動コマ数によるストップスイッチ操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間のずれは、遊技者に違和感を生じさせ、全てのリールが停止するまでのストップスイッチ操作に対して、遊技者の遊技に対する興味と期待感を高まらせることができる。
【００２９】
本発明に係るスロットマシンとして、移動コマ数データテーブルは、リール制御手段により少なくとも１つのリールが停止されたリール上の図柄の停止位置が記憶された停止位置データを、さらに含み、移動コマ数データの移動コマ数は、遊技状態データ及び抽選結果データの各データに対して、リール制御手段がストップスイッチ操作信号を受信したとき、停止位置データの図柄の停止位置に基づき、表示位置データの図柄の表示位置からリールが停止するまでに図柄が移動する移動コマ数が設定される、ことが好ましい。
【００３０】
上述した発明によれば、遊技状態データと、抽選結果データと、表示位置データと、既に停止したリールの停止位置データと、移動コマ数データとに基づき、リール制御手段が、ストップスイッチ操作信号を受信したときの図柄の表示位置から、移動コマ数データテーブルに記憶された移動コマ数だけ図柄を移動させてリールを停止するリール停止制御を行うことができる。
【００３１】
従って、ストップスイッチ操作をするごとに、前記表示位置から移動コマ数データテーブルに設定された移動コマ数の図柄を移動してリールを停止させることができるため、ストップスイッチ操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間のずれが顕著になる。この結果、前記時間のずれを遊技者に認識させ易くなり、さらに遊技のバリエーションが広がり、遊技者の遊技に対する興味と期待感を高まらせることができる。
【００３２】
本発明に係るスロットマシンとして、移動コマ数データテーブルの移動コマ数は、遊技状態データの遊技状態が当選した特別役に入賞していない遊技状態であって、抽選結果データの抽選結果が役に当選しているときに、所定の入賞順位の低い役の図柄を有効ライン上に停止させる移動コマ数が設定される、ことが好ましい。
【００３３】
上述した発明によれば、移動コマ数データテーブルの移動コマ数は、遊技状態データの遊技状態が当選した特別役に入賞していない遊技状態であって、抽選結果データの抽選結果が役に当選しているときに、所定の入賞順位の低い役の図柄を有効ライン上に停止させる移動コマ数が設定されることから、前記移動コマ数に基づきリールを停止して、入賞順位の低い当選役の図柄を有効ライン上に停止させたときに、優先順位の低い当選役以外の当選役の図柄が有効ライン上に揃わない場合は、前記移動コマ数に基づきリールを停止して、入賞順位の低い当選役の図柄を有効ライン上に停止することができる。一方、入賞順位の低い当選役以外の当選役の図柄を有効ライン上に揃えることができる場合は、移動コマ数に基づくリール上の図柄の表示位置を、入賞順位の低い当選役以外の当選役の図柄が有効ライン上に揃う位置に変更して、入賞順位の低い当選役以外の当選役の図柄を有効ライン上に停止することができる。
【００３４】
本発明に係るスロットマシンとして、リール制御手段は、移動コマ数データテーブルの移動コマ数を暫定移動コマ数として決定し、暫定移動コマ数に基づき回転させたリールを停止したときであって、役抽選手段により当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃うときは、暫定移動コマ数を変更し、変更された暫定移動コマ数に基づきリールを停止すると、有効ライン上に当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが揃わないときは、変更された暫定移動コマ数に基づき回転させた前記リールの停止制御を行う、ことが望ましい。
【００３５】
上述した発明によれば、移動コマ数データテーブルの移動コマ数を暫定移動コマ数として決定し、暫定移動コマ数に基づき回転させたリールを停止した場合に、役抽選手段により当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃うか否かをリール制御手段により判断する。そして、リール制御手段により、当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃わないと判断したときは、決定された暫定移動コマ数に基づきリールの停止制御を行う。一方、当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃うと判断したときは、有効ライン上に当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが揃わないように暫定移動コマ数を変更し、変更された暫定移動コマ数に基づきリールの停止制御を行うことができる。
従って、役抽選手段において当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ラインに揃うことを回避することができる。
【発明の効果】
【００３６】
上述した発明によれば、演出制御手段は、リール停止信号を受信すると、サウンド出力手段を用いて所定のサウンドを出力し、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間を遊技者に告知することから、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間のずれを遊技者に告知することができる。従って、時間のずれに遊技状態や抽選結果等の情報を反映させることにより、全てのリールが停止するまでのストップスイッチ操作に対応して、遊技者の遊技に対する興味と期待感を高まらせることができる。さらに、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間のずれは、遊技者に違和感を生じさせることから認識され易く、サウンド出力による演出により遊技者の遊技に対する関心や新鮮味を長く継続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【００３７】
【図１】本発明に係るスロットマシンの外観を示す正面図である。
【図２】本発明に係るスロットマシンの制御の機能を示す機能ブロック図である。
【図３】本発明に係るスロットマシンを制御する主制御回路を示すブロック図である。
【図４】本発明に係るスロットマシンを制御する副制御回路を示すブロック図である。
【図５】主制御回路１００において実行される遊技の進行を制御するメインルーチンを示すフローチャートである。
【図６】役抽選処理と、引き続いて行なわれるフラグオン処理の役抽選処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図７】リールの回転、停止のための制御を行うリール変動・停止サブルーチンを示すフローチャートである。
【図８】リール変動・停止サブルーチンの制御処理の一部である図柄停止処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図９】図７のサブルーチンにより図柄が停止した後の制御処理を示すフラグオフ処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図１０】フラグオフ処理サブルーチンの制御処理の一部である役当選時処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図１１】副制御回路２００の演出制御手段５１０で行われる演出制御処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図１２】ＢＢ作動時抽選表の実施例を示す図である。
【図１３】ＢＢ未作動時一般抽選表の実施例を示す図である。
【図１４】図柄配置表の実施例を示す図である。
【図１５】第１回目のストップスイッチ操作としてストップスイッチ５２Ｌを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブルの実施例を示す図である。
【図１６】第１回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｌの操作により停止した左リール４０Ｌの図柄の表示位置が２０、６、８、１５、１６番である場合に、ストップスイッチ５２Ｃを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブルの実施例を示す図である。
【図１７】第１回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｌの操作により停止した左リール４０Ｌの図柄の表示位置が２０、６、８、１５、１６番である場合に、ストップスイッチ５２Ｒを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブルの実施例を示す図である。
【図１８】第１回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｌの操作により停止した左リール４０Ｌの図柄の表示位置が３番である場合に、ストップスイッチ５２Ｃを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブルの実施例を示す図である。
【図１９】第１回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｌの操作により停止した左リール４０Ｌの図柄の表示位置が３番である場合に、ストップスイッチ５２Ｒを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブルの実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【００３８】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本実施形態のスロットマシン１０においては、遊技者のストップスイッチ操作時に表示窓を介してリール上に表示されている図柄の表示位置からリールが停止するまでに図柄が移動する移動コマ数が記憶された移動コマ数データテーブルを用いてリールの停止制御を行うとともに、回転させたリールが停止したときにサウンド出力することにより、遊技者に対して、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間を告知する演出制御を行うことを特徴とする。
【００３９】
＜＜構成＞＞
＜スロットマシン１０の構成＞
図１は、本発明の実施形態によるスロットマシン１０の外観を示す図である。図１に示す通り、スロットマシン１０の筐体の前面部には、フロントパネル２０が設けられている。このフロントパネル２０の中には、垂直方向に縦長矩形の３つの表示窓２２Ｌ、２２Ｃ及び２２Ｒが形成されている。
【００４０】
これらの３つの表示窓２２Ｌ、２２Ｃ及び２２Ｒの前面には、５本の入賞ラインが定められている。この５本の入賞ラインは、水平の３本（中央Ｌ１、上下Ｌ２Ａ、Ｌ２Ｂ）の入賞ラインと、斜めの２本（斜め右下がりＬ３Ａ，斜め右上がりＬ３Ｂ）の入賞ラインとがあり、投入された遊技媒体（本実施形態ではメダルを用いている。）の枚数により有効となった入賞ライン（以下、有効ラインと称する）が表示される。
【００４１】
上述した表示窓２２Ｌ、２２Ｃ及び２２Ｒの下方には、概略水平の操作パネル部３０が設けられている。操作パネル部３０の左側には、１−ベットスイッチ３２、２−ベットスイッチ３４及び最大ベットスイッチ３６が設けられている。また、操作パネル部３０の右側には、遊技媒体を投入することができる遊技媒体投入口３８が設けられている。
【００４２】
遊技媒体投入口３８から遊技媒体が投入されると、遊技媒体カウンタ（図示せず）により遊技媒体の枚数が計数され、規定枚数以上の遊技媒体が投入された場合には、規定枚数以上の枚数はクレジット数として後述するＲＡＭ１１０に記憶される。
【００４３】
１−ベットスイッチ３２は、クレジット数のうちの１枚だけを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。２−ベットスイッチ３４は、クレジット数のうちの２枚だけを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。最大ベットスイッチ３６は、クレジット数のうちから３枚のメダルを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。
【００４４】
以下においては、賭けの対象となる遊技媒体の数を「ベット数」と称し、上述した１−ベットスイッチ３２、２−ベットスイッチ３４又は最大ベットスイッチ３６の操作により遊技者によって賭けの対象として設定されたメダルの数を「設定ベット数」と称する。
【００４５】
１−ベットスイッチ３２を遊技者が操作したときには、５本の入賞ラインのうちから１本、例えば入賞ラインＬ１を有効化する。また、２−ベットスイッチ３４を操作したときには、５本の入賞ラインのうちから３本、例えば入賞ラインＬ１、Ｌ２Ａ及びＬ２Ｂを有効化する。更に、最大ベットスイッチ３６を操作したときには、５本の入賞ラインの全て、即ちＬ１、Ｌ２Ａ、Ｌ２Ｂ、Ｌ３Ａ及びＬ３Ｂを有効化する。
【００４６】
また、スロットマシン１０の筐体の上方には、液晶ディスプレイパネルから構成される画像表示装置７０が設けられている。なお、表示装置７０は、上述した液晶ディスプレイパネルに限られず、画像情報や文字情報を遊技者が遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる画像表示装置を用いることが可能である。この表示装置７０においては、遊技履歴を表示したり、特別遊技における演出画像、役の抽選に応じた演出画像、遊技の進行状況に応じた演出画像等を表示したりすることができる。
【００４７】
スロットマシン１０の筐体の内部には、３個のリール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒが回転自在に設けられている。リール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒはリング状の形状であり、このリール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの外周面には、図柄が印刷されたリールテープが貼り付けられている。リール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの各々には、例えば、２１個の図柄が等間隔で配置されている。本実施形態において用いられる図柄配置表を図１４に示す。図１４が示すとおり、これらの図柄の配列は、左リール４０Ｌ、中リール４０Ｃ及び右リール４０Ｒの各々で異なる。これらのリール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの各々は、上述した表示窓２２Ｌ、２２Ｃ及び２２Ｒを介して視認可能に設けられている。リールが停止しているときには、１つの表示窓において、１本のリールの連続した３つの図柄が視認可能となる。このため、３つの表示窓２２Ｌ、２２Ｃ及び２２Ｒの全てからは、合計９個の図柄が視認可能となる。
【００４８】
後述するように、リール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの各々は、モータ（図示せず）により回転駆動され、表示窓２２Ｌ、２２Ｃ及び２２Ｒにおいては、リール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの外周面に描かれた図柄が上から下に向かって移動する。
【００４９】
操作パネル部３０の前面の左側には、スタートスイッチ５０が傾動可能に設けられている。操作パネル部３０の前面の中央部には、３つのストップスイッチ５２Ｌ、５２Ｃ及び５２Ｒが設けられている。ストップスイッチ５２Ｌは左リール４０Ｌに対応し、ストップスイッチ５２Ｃは中リール４０Ｃに対応し、ストップスイッチ５２Ｒは右リール４０Ｒに対応している。
【００５０】
上述したスタートスイッチ５０を遊技者が傾動操作すると、上述した３つの４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒは、一斉に回転を始める。３つのリール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒが回転したときには、リール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの各々の外周面に描かれている図柄は、表示窓２２Ｌ、２２Ｃ及び２２Ｒの各々において上から下へと移動表示される。
【００５１】
上述した３つのリール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの回転速度が一定速度に達したときには、遊技者によるストップスイッチ５２Ｌ、５２Ｃ及び５２Ｒの操作が有効となる。
【００５２】
ストップスイッチ５２Ｌを遊技者が押動操作したときには、左リール４０Ｌが停止する。ストップスイッチ５２Ｃを遊技者が押動操作したときには、中リール４０Ｃが停止する。ストップスイッチ５２Ｒを遊技者が押動操作したときには、右リール４０Ｒが停止する。
【００５３】
リール４０Ｌ、４０Ｃ又は４０Ｒが停止するときには、リールの各々の外周面に描かれている図柄が、上述した入賞ラインＬ１、Ｌ２Ａ、Ｌ２Ｂ、Ｌ３Ａ及びＬ３Ｂ上に位置付けられるように、３つのリール４０Ｌ、４０Ｃ又は４０Ｒの各々は、停止制御される。
【００５４】
スロットマシン１０の筐体の下方の右側には、筐体の内部に収納されたサウンド出力装置（図示せず。なお、後述する図２に示すサウンド出力装置６４に対応する。）から発せられた音を筐体の外部へ出すための透音穴６０が設けられている。スロットマシン１０の筐体の下方中央部には、遊技媒体払出口６２が設けられている。リール４０Ｌ、４０Ｃ又は４０Ｒが停止して、有効ライン上に停止表示された図柄の組合せが、所定の組合せ、即ち役を構成する図柄の組合せとなり、役に入賞したときには、その組合せに応じて予め定められた枚数の遊技媒体が遊技媒体払出口６２から払い出される。
【００５５】
スロットマシン１０の筐体上方の左右両側には、表示ランプ９０が設けられている。表示ランプ９０は、複数個のＬＥＤランプ等から構成され、通常遊技の場合は一定の点灯が行われるが、役に当選した可能性を演出する等の場合は特定のパターンで点灯する。
【００５６】
上述したように、スロットマシン１０における遊技は、停止させられた複数のリール４０Ｌ、４０Ｃ又は４０Ｒの停止位置により定まる図柄の組合せによって遊技結果が定まる遊技である。また、この遊技は、遊技媒体を投入し、ベットスイッチ３２、３４、３６のいずれかを操作した後、スタートスイッチ５０を遊技者が傾動操作を行い、複数のリール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒを回転させ停止させるまでの工程を１回の遊技として、繰り返すことができる遊技である。
【００５７】
＜＜機能ブロック図の説明＞＞
図２は、スロットマシン１０の制御に関する機能ブロック図を示す。
制御回路として、主制御回路１００と副制御回路２００とが電気的に接続され、主制御回路１００には、操作手段３００が電気的に接続され、また、リール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの各々に設けられたモータ８０Ｌ、８０Ｃ及び８０Ｒが電気的に接続されている。副制御回路２００には、表示装置７０と、表示ランプ９０と、サウンド出力装置６４とを含む報知手段６１０が電気的に接続されている。
【００５８】
３つのストップスイッチ５２Ｌ、５２Ｃ及び５２Ｒから停止操作手段３１０が構成され、この停止操作手段３１０と、スタートスイッチ５０と、ベットスイッチ３２、３４及び３６とから構成されるベット手段３２０と、から操作手段３００が構成される。この操作手段３００は、スイッチに限られず、遊技者の四肢を用いた操作に基づいて操作信号を発生させるものであれば、あらゆる手段が適用できる。
【００５９】
＜主制御回路１００の説明＞
主制御回路１００は、役抽選手段４１０と、リール制御手段４２０と、遊技制御手段４３０と、リール制御手段４２０のリール停止制御で使用される移動コマ数データが設定されている移動コマ数データテーブル４４２が記憶される記憶手段４４０とを含む。
【００６０】
役抽選手段４１０は、役抽選処理によって、役（特別役である第１特別役と第２特別役、一般役、再遊技役）の抽選を行うものである。役抽選手段４１０は、例えば、役抽選用の乱数発生手段４１２（ハード乱数等）と、この乱数発生手段４１２が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段４１４と、乱数抽出手段４１４が抽出した乱数値に基づいて役の当選の有無及び当選役を判定する乱数判定手段４１６とを備えている。この役抽選手段４１０による制御処理は、役抽選処理サブルーチン（図６参照）に示される。
【００６１】
リール制御手段４２０は、スタートスイッチ５０の操作により発信されたリール回転開始信号を受信することにより、モータ８０Ｌ、８０Ｃ、８０Ｒの制御を行い、リール４０Ｌ、４０Ｃ、４０Ｒを回転させ、そして、ストップスイッチ５２Ｌ、５２Ｃ、５２Ｒを操作することにより発信されたストップスイッチ操作信号を受信することにより、リール４０Ｌ、４０Ｃ、４０Ｒを停止させるリール作動に関する制御を行う。そして、記憶手段４４０に記憶された移動コマ数データテーブル４４２の移動コマ数に基づきリールの停止制御を行う。このリール制御手段４２０による制御処理は、リール変動・停止サブルーチン（図７参照）に示される。
【００６２】
遊技制御手段４３０は、役抽選処理で特別役、一般役、再遊技役に当選し、停止した図柄に関する入賞図柄判定により、各々の役に対応した図柄が揃ったと判別したときに、入賞した役に対応した処理を進める。遊技制御手段は、所定枚数の遊技媒体の払い出しを行う以外に、特別遊技制御手段４３２を含む。特別遊技制御手段４３２は、遊技が遊技者にとって有利に進行する特別遊技を行う。
【００６３】
＜副制御回路２００の説明＞
副制御回路２００には、画像制御手段５１２と、ランプ制御手段５１４と、サウンド出力制御手段５１６とを含む演出制御手段５１０が設けられている。
【００６４】
画像制御手段５１２は、主制御回路１００から受信した信号に基づいて、ＲＯＭ２０８に記憶した画像データを読み出し、表示駆動装置２２０を制御して、報知手段６１０の画像表示装置７０に所定の画像を表示することができる。また、ランプ制御手段５１４は、主制御回路１００から受信した信号に基づいて、ＲＯＭ２０８に記憶したランプ点灯データを読み出し、ランプ駆動回路２１８を制御して、報知手段６１０中の表示ランプ９０を点灯することができる。また、サウンド出力制御手段５１６は、主制御回路１００から受信した信号に基づいて、ＲＯＭ２０８に記憶したサウンドデータを読み出して、サウンド出力駆動回路２２２を制御して、報知手段６１０のサウンド出力装置６４から所定のサウンドを発することができる。なお、表示駆動装置２２０、ランプ駆動回路２１８及びサウンド出力駆動回路２２２については、後述する。
【００６５】
＜＜スロットマシン１０の制御手段の説明＞＞
スロットマシン１０を制御する制御手段は、主制御回路１００と副制御回路２００から構成される。ここで、図３は、主制御回路１００のブロック図を示し、図４は、主制御回路１００に電気的に接続されている副制御回路２００のブロック図を示す。
【００６６】
＜主制御回路１００＞
上述したスタートスイッチ５０は、主制御回路１００のインターフェイス回路１０２に接続され、インターフェイス回路１０２は、入出力バス１０４に接続されている。スタートスイッチ５０から発せられたリール回転開始信号は、インターフェイス回路１０２において所望の信号に変換された後、入出力バス１０４に供給される。入出力バス１０４は、中央処理回路（以下、ＣＰＵと称する）１０６にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。上述したリール回転開始信号は、「操作信号」の１つを構成する。
【００６７】
また、上述したインターフェイス回路１０２には、ストップスイッチ５２Ｌ、５２Ｃ及び５２Ｒ、並びに１−ベットスイッチ３２、２−ベットスイッチ３４及び最大ベットスイッチ３６も接続されている。これらのスイッチから発せられる信号もインターフェイス回路１０２に供給され、所望の信号に変換された後、入出力バス１０４に供給される。上述したストップスイッチ５２Ｌ、５２Ｃ又は５２Ｒから発せられる信号も、操作信号を構成する。
【００６８】
上述した入出力バス１０４には、ＲＯＭ（リード・オンリー・メモリ）１０８及びＲＡＭ（ランダム・アクセス・メモリ）１１０も接続されている。ＲＯＭ１０８は、スロットマシンの全体の流れを制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための初期データを記憶する。例えば、後述する図５に示すメインルーチン、図６から図１０に示すサブルーチン、及び、これらのプログラムで使用するための初期データ、及び、後述する移動コマ数データテーブル４４２等を記憶する。また、ＲＡＭ１１０は、上述した制御プログラムで使用するフラグや変数の値を一時的に記憶することができる。
【００６９】
入出力バス１０４には、乱数を発生させるための乱数発生器１１２も接続されている。乱数発生器１１２は、一定の範囲の数値、例えば０〜６５５３５（２の１６乗）に含まれる乱数を発生させる。なお、ＣＰＵ１０６の演算処理により乱数を発させるように構成してもよい。
【００７０】
入出力バス１０４には、モータ駆動回路１１４が接続されている。モータ駆動回路１１４には、上述した３つのリール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの各々を回転駆動するステッピングモータ８０Ｌ、８０Ｃ及び８０Ｒが接続されている。ステッピングモータ８０Ｌ、８０Ｃ及び８０Ｒの各々は、３つのリール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの内部に設けられ、ステッピングモータ８０Ｌ、８０Ｃ及び８０Ｒの回転シャフトがリール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの回転中心となるように、ステッピングモータ８０Ｌ、８０Ｃ及び８０Ｒに取り付けられている。
【００７１】
ＣＰＵ１０６から発せられる駆動制御命令は、モータ駆動回路１１４により駆動信号に変換され、駆動信号はステッピングモータ８０Ｌ、８０Ｃ及び８０Ｒに供給される。なお、駆動制御命令には回転速度の命令も含まれており、ステッピングモータ８０Ｌ、８０Ｃ及び８０Ｒの回転制御及び停止制御を行うとともに、回転速度の制御も行う。
【００７２】
リール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの各々には、各リールの回転角度位置を検出するための回転角度位置センサ（図示せず）が設けられており、回転角度位置センサは、リール回転角度位置検出回路１１６に接続されている。リール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの各々の回転角度位置を示す信号が回転角度位置センサから発せられたときには、リール回転角度位置検出回路１１６に供給され、所定の信号に変換された後、入出力バス１０４に供給される。
【００７３】
ＣＰＵ１０６は、供給された回転角度位置から図柄の表示位置を表す番号を特定し、表示窓２２Ｌ、２２Ｃ及び２２Ｒの各々に表示される図柄の組合せを決定する。
更に、インターフェイス回路１０２には、接続線１１８も接続されている。この接続線１１８によって、主制御回路１００は副制御回路２００に電気的に接続される。
【００７４】
＜副制御回路２００＞
上述した接続線１１８は、副制御回路２００のインターフェイス回路２０２に接続され、インターフェイス回路２０２は、入出力バス２０４に接続されている。主制御回路１００から副制御回路２００に送信された信号は、インターフェイス回路２０２において所望の信号に変換された後、入出力バス２０４に供給される。入出力バス２０４は、中央処理回路（以下、ＣＰＵと称する）２０６にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。
【００７５】
上述した入出力バス２０４には、ＲＯＭ（リード・オンリー・メモリ）２０８及びＲＡＭ（ランダム・アクセス・メモリ）２１０も接続されている。ＲＯＭ２０８は、後述するランプ駆動回路２１８や、表示駆動装置２２０や、サウンド出力駆動回路２２２や、制御プログラムを実行するための初期データを記憶する。例えば、表示装置７０に表示するための種々の画像データや、表示ランプ９０の点灯パターンデータや、サウンド出力装置６４から発するためのサウンドデータも記憶する。
【００７６】
入出力バス２０４には、表示ランプ９０を駆動するためのランプ駆動回路２１８も接続されている。ＣＰＵ２０６は、主制御回路１００から供給される制御情報に応じて駆動指令をランプ駆動回路２１８に発し、駆動指令に応じて表示ランプ９０を点灯駆動する。
【００７７】
そして、入出力バス２０４には、表示装置７０を駆動する表示駆動装置２２０も接続されている。ＣＰＵ２０６は、主制御回路１００から供給される制御情報に応じてＲＯＭ２０８に記憶されている画像データや文字データ等を読み出し、そのデータを表示駆動装置２２０に供給する。このようにすることにより、表示装置７０には、画像データが演出画面として表示され、文字データがメッセージとして表示される。
【００７８】
また、入出力バス２０４には、サウンド出力装置６４を駆動するためのサウンド出力駆動回路２２２も接続されている。ＣＰＵ２０６は、主制御回路１００から供給される制御情報に応じてＲＯＭ２０８に記憶されているサウンドデータを読み出し、そのデータをサウンド出力駆動回路２２２に供給する。このようにすることにより、サウンド出力装置６４から所定のサウンドが発せられる。
【００７９】
＜＜制御処理の説明＞＞
＜スロットマシン１０の制御処理の説明＞
以下に、上述したスロットマシン１０の制御手段において行なわれる各種の制御について、フローチャートを用いながら詳細に説明する。
【００８０】
図５は、スロットマシン１０の主制御回路１００で行なわれる制御処理のメインルーチンを示す。図６から図１０は、メインルーチンで行なわれる制御処理である各サブルーチンを示す。図６は、役抽選手段４１０により行なわれる役抽選と、役抽選に引き続き行なわれるフラグオン処理を行う役抽選処理サブルーチンを示す。図７は、リール制御手段４２０により、リールの回転、停止のための制御を行うリール変動・停止サブルーチンを示す。図８は、リール変動・停止サブルーチンの制御処理の一部である図柄停止処理サブルーチンを示す。図９は、リール変動・停止サブルーチンにより図柄が停止した後の制御処理であるフラグオフ処理サブルーチンを示す。図１０は、フラグオフ処理サブルーチンの制御処理の一部である役当選時処理サブルーチンを示す。また、図１１は、副制御回路２００の演出制御手段５１０で行われる演出制御処理サブルーチンを示す。
【００８１】
以下に説明する制御処理においては、スロットマシン１０は予め起動されており、上述したスロットマシン１０の主制御回路１００や副制御回路２００において用いられる変数は所定の値に初期化され、定常動作しているものとする。
【００８２】
＜メインルーチンの説明＞
図５は、スロットマシン１０の主制御回路１００で行なわれる制御処理のメインルーチンを示す。図５のフローチャートを用いて、メインルーチンの制御処理を説明する。メインルーチンは、複数の図柄が表示された複数のリールを回転させ停止させた結果に基づく処理までの単位遊技を、１回行うときの制御処理を示す。
【００８３】
まず、再遊技状態に設定されており、再遊技を行う状態であるか否かを判断する（ステップＳ１０）。なお、再遊技状態に設定する処理は、後述するように、例えば、図１０に示す役当選時処理サブルーチンのステップＳ８７において行なわれる。
【００８４】
再遊技状態に設定されていない（ＮＯ）と判別したときには、１−ベットスイッチ３２、２−ベットスイッチ３４又は最大ベットスイッチ３６のいずれかを遊技者が操作したか否かを判別した後、ベットスイッチを操作することによって発せられた信号に基づいて、設定ベット数を決定する（ステップＳ１１）。この設定ベット数は、１回の遊技をするための賭けの対象とされた遊技媒体の枚数を示す。さらに、設定ベット数は、上述したクレジット数として一時的に蓄積されてから賭けの対象とされた遊技媒体の数に限られず、遊技媒体投入口３８から投入されて直接賭けの対象とされた遊技媒体の数も含む。
【００８５】
なお、遊技媒体が投入されたときは、遊技媒体投入口３８の下部に設置された遊技媒体カウンタでカウントした投入枚数を、ベット数として検出する。ただし、規定枚数（本実施形態では３枚）を越える枚数の遊技媒体が投入されたときには、規定枚数を越える分の遊技媒体は、クレジット枚数としてＲＡＭ１１０に記憶する。一方、遊技媒体が投入されていないと判断したときは、クレジットされた遊技媒体の有無を判断し、クレジットされた遊技媒体がない場合には、設定ベット数が決定できない。また、クレジットされた遊技媒体が有る場合には、遊技者がベットスイッチ３２、３４又は３６の何れか一のスイッチを操作したときに発信されるベット操作信号を受信の有無を判断し、受信したベット操作信号からベット数を検出し、遊技媒体の投入またはクレジットされた遊技媒体の使用の何れの場合においても検出したベット数を新たなベット数としてＲＡＭ１１０に記憶し、クレジットされた遊技媒体を使用する場合には、同時に、遊技媒体のクレジット数から、検出したベット数分の枚数だけ減じる処理を行う。そして、ステップＳ１１において、設定ベット数に決定をした後、ステップＳ１３に進む。
【００８６】
ステップＳ１０において、再遊技状態に設定されている（ＹＥＳ）と判別したときは、再遊技状態の設定を解除し（ステップＳ１２）、ステップＳ１３に進む。この結果、遊技媒体を新たに投入したり、クレジットした遊技媒体を消費することなく、遊技媒体が自動投入されたのと同じ処理を行い、再び遊技を行うことができる。また、再遊技におけるベット数は、ＲＡＭ１１０に記憶されているベット数が用いられるので、直前に行なわれた遊技におけるベット数によって再遊技役が当選したときの遊技のベット数が用いられる。
【００８７】
次に、スタートスイッチ５０が遊技者によってオンされたか否かを判断する（ステップＳ１３）。スタートスイッチ５０がオンされていない（ＮＯ）と判断した場合、ステップＳ１３の処理を繰り返す。一方、スタートスイッチ５０がオンされた（ＹＥＳ）と判断した場合、スタートスイッチ操作信号を主制御回路１００から副制御回路２００に送信して、ステップＳ１４に進む。ここで、スタートスイッチ操作信号とは、スタートスイッチ５０が操作されたとき、主制御回路１００から副制御回路２００に送信される信号であって、スタートスイッチ操作信号を受信した副制御回路２００の演出制御手段５１０においてスタートスイッチが操作されたことを判別するものである。
【００８８】
ステップＳ１４の役抽選処理サブルーチンでは、役抽選手段４１０による役抽選処理が行なわれ、当選した役に応じて、対応するＢＢフラグ、再遊技フラグ、対応する一般役フラグをオンにするフラグオン処理が行なわれる。このサブルーチンの詳細については、図６のフローチャートを用いて後述する。
【００８９】
役抽選処理サブルーチン（ステップＳ１４）に引き続き、役抽選結果に基づいて、リール４０Ｌ、４０Ｃ、４０Ｒを回転させてから停止させるリールの動きに関する制御処理を行うリール変動・停止サブルーチン（ステップＳ１５）が行なわれる。このリール変動・停止サブルーチンは、リール制御手段４２０によって行なわれ、このサブルーチンの詳細については、図７及び図８のフローチャートを用いて後述する。
【００９０】
次に、リール変動・停止サブルーチンによりリールが停止した後、入賞図柄判定を行い、その判定結果に基づいて、フラグオフの処理を行うフラグオフ処理サブルーチン（ステップＳ１６）が行われる。このサブルーチンの詳細については、図９及び図１０のフローチャートを用いて後述する。
【００９１】
そして、役抽選、入賞図柄判定の結果に基づいて、入賞した役に対応した所定枚数の遊技媒体を払い出す払い出し処理（ステップＳ１７）が行なわれる。この払い出し処理は、実際に遊技媒体を遊技媒体払出口６２から払い出すことも可能であるが、払い出す代わりに、所定枚数の遊技媒体をクレジットすることも可能である。以上の制御処理によって単位遊技が終了する。そして、このメインルーチンに示される制御処理を繰り返すことによって、遊技者は複数回数の単位遊技を行うことができる。
【００９２】
＜役抽選処理サブルーチン＞
図６は、役抽選手段４１０により行なわれる役抽選と、役抽選に引き続き行なわれるフラグオン処理を行う役抽選処理サブルーチンを示す。図６の役抽選処理サブルーチンを用いて、役抽選処理とフラグオン処理とについて詳細に説明する。
【００９３】
まず、ＢＢ１遊技中又はＢＢ２遊技中であるか否かを判断する（ステップＳ２１）。ステップＳ２１において、いずれかのＢＢ遊技中である（ＹＥＳ）と判別したときは、ＲＯＭ１０８に記憶されたＢＢ作動時抽選表を読み出す（ステップＳ２２）。ここで、ＢＢ作動時抽選表の実施例を図１２に示す。
【００９４】
ＢＢ作動時抽選表は、ＢＢ１遊技中又はＢＢ２遊技中において共通して用いられる抽選表である。ＢＢ作動時抽選表では、図柄番号１〜３の一般役と、図柄番号４のはずれとが設定されている。ここで、ＢＢ未作動時一般抽選表（図１３参照、詳細は後述する。）と比較すると、ＢＢ作動時抽選表では、ＢＢ１役、ＢＢ役２及び再遊技役がない設定になっている。
【００９５】
図柄番号１の一般役１は、役抽選における当選確率が１／４．０であって、３つのリール全てにベルの図柄が揃う場合に入賞するように設定されている。通常の一般遊技で用いられるＢＢ未作動時一般抽選表では、役抽選における一般役１の当選確率は１／２０であり、ＢＢ１遊技中又はＢＢ２遊技中においては、通常の一般遊技と比較して一般役１に当選する確率が非常に高く設定されている。
【００９６】
また、図柄番号２の一般役２は、役抽選における当選確率が１／８１．９あって、３つのリール全てにスイカの図柄が揃う場合に入賞するように設定されている。図柄番号３の一般役３は、役抽選における当選確率が１／８１．９であって、左リールの図柄がチェリーであれば、残りのリールの図柄については、何れの図柄であっても入賞するように設定されている。
【００９７】
ステップＳ２１の判断において、いずれのＢＢ遊技中でもない（ＮＯ）と判別したときには、ＲＯＭ１０８に記憶されたＢＢ未作動時一般抽選表を読み出す（ステップＳ２３）。ＢＢ未作動時一般抽選表の実施例は図１３に示されている。
【００９８】
ＢＢ未作動時一般抽選表は、特別遊技（ＢＢ遊技）ではない通常の一般遊技において用いられる抽選表であり、図柄番号１〜２のＢＢ役、図柄番号３〜５の一般役、図柄番号６の再遊技役と、図柄番号７のはずれとが設定されている。
【００９９】
図１３のＢＢ未作動時一般抽選表では、図柄番号１（図柄番号２）のＢＢ役１（ＢＢ役２）について、役抽選における当選確率と図柄組合せの設定がされている。さらに、ＢＢ遊技１の終了条件として４５１枚、ＢＢ遊技２の終了条件として３５１枚の最大払出枚数が設定されている。また、はずれの役抽選における確率は約１／１．２８に設定されている。
【０１００】
以上のように、遊技の状態に応じた抽選表を読み出した後、乱数を取得して抽選判定を行う役抽選を実施する（ステップＳ２４）。
【０１０１】
そして、判定結果として、ＢＢ役１又はＢＢ役２に当選したか否かを判断する（ステップＳ２５）。ステップＳ２５において、いずれかのＢＢ役に当選した（ＹＥＳ）と判別したときには、対応するＢＢフラグをオンに設定する（ステップＳ２６）。そして、ステップＳ２７へ進み、当選した図柄番号、図柄データをＲＡＭ１１０に記憶する（ステップＳ２７）。
【０１０２】
ステップＳ２５の判断でいずれのＢＢ役にも当選していない（ＮＯ）と判別したときには、一般役１〜一般役３のうちのいずれかの一般役に当選したか否かを判断する（ステップＳ２８）。ステップＳ２８において、一般役１等のうちいずれかの一般役に当選した（ＹＥＳ）と判別したときは、対応する一般役フラグをオンに設定して（ステップＳ２９）、ステップＳ２７へ進み、ＲＡＭ１１０に記憶する。
【０１０３】
次に、ステップＳ２８において、いずれの一般役にも当選していない（ＮＯ）と判別したときは再遊技役に当選したか否かを判断する（ステップＳ３０）。ステップＳ３０において、再遊技役に当選した（ＹＥＳ）と判別したときには、再遊技フラグをオンにして（ステップＳ３１）、ステップＳ２７へ進み、ＲＡＭ１１０に記憶する。
【０１０４】
さらに、ステップＳ３０において、再遊技役にも当選していない（ＮＯ）と判別したときは、フラグオン処理は行わず、そのままステップＳ２７へ進む。
【０１０５】
以上の通り、フラグオンに関する一連の処理を行った後、ステップＳ２７において、役抽選で当選した役に対応した図柄番号、制御図柄データをＲＯＭ１０８から読み出し、後述するリール変動・停止サブルーチンに用いるため、これらのデータをＲＡＭ１１０に記憶する。以上によって、役抽選処理サブルーチンを終了する。
【０１０６】
なお、本実施形態においては、ＲＢ遊技が設けられていないが、図１３のＢＢ未作動時一般抽選表に、ＲＢ役に対応する図柄の組合せ及び当選確率を設け、さらにＲＢ遊技中に用いられるＲＢ用抽選表を設けることにより、ＲＢ遊技を行うことも可能である。
【０１０７】
さらに、本実施形態においては、ＢＢ１遊技とＢＢ２遊技のいずれのＢＢ遊技においても、図１２のＢＢ作動時抽選表が用いられるが、ＢＢ役毎に異なるＢＢ作動時抽選表を設けることも可能である。
【０１０８】
＜リール変動・停止サブルーチンの説明＞
次に、図５のメインルーチンにおいて、役抽選処理サブルーチン（ステップＳ１４）が終了すると、次に、リール変動・停止サブルーチン（ステップＳ１５）を行う。図７は、リール制御手段４２０により、リールの回転、停止のための制御を行うリール変動・停止サブルーチンを示す。
【０１０９】
リール制御手段４２０は、リールが停止したときに、図１４の図柄配置表に示されたリール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒに設けられた図柄を、表示窓２２Ｌ、２２Ｃ及び２２Ｒの各表示窓を介してリール毎に連続した３つの図柄が視認可能となるように停止する制御を行う。リール制御手段４２０による各リールの停止制御を表す図柄停止処理は、遊技者のストップスイッチ操作時に表示窓を介してリール上に表示されている図柄の表示位置からリールが停止するまでに図柄が移動する移動コマ数が記憶された移動コマ数データテーブルを用いて、図柄停止処理サブルーチン（図８）を実行することにより行う。具体的には、リール回転角度位置検出回路１１６により、遊技者のストップスイッチ操作により発信されたストップスイッチ操作信号を受信したときの図柄の表示位置を表す番号を特定し、特定された番号を基準に移動コマ数データテーブルに移動コマ数を用いて、図柄停止処理を行う。
【０１１０】
図７のリール変動・停止サブルーチンと、図８のリール変動・停止サブルーチンの制御処理の一部である図柄停止処理サブルーチンとを用いて、リールの回転、停止制御について説明する。
【０１１１】
まず、図６のステップＳ２７で記憶した図柄番号と制御図柄データを読み出し（ステップＳ４１）、移動コマ数データテーブルを読み出し（ステップＳ４２）、停止リール変数をリセットする（ステップＳ４３）。停止リール変数とは、リール制御手段４２０が受信したストップスイッチ操作信号に基づき、図柄停止処理が行われたリールの数を表す変数である。
【０１１２】
ここで、移動コマ数データテーブルとは、遊技者がストップスイッチ５２Ｌ、５２Ｃ、５２Ｒを操作したとき、表示窓２２Ｌ、２２Ｃ、２２Ｒを介してリール４０Ｌ、４０Ｃ、４０Ｒ上に表示されている図柄の表示位置からリールが停止するまでに図柄が移動する移動コマ数が記憶された移動コマ数データテーブルである。具体的には、特別遊技に当選していない遊技状態である非内部中遊技状態及び当選したＢＢ役に入賞していないＢＢ役内部中遊技状態等を含む遊技状態が記憶された遊技状態データと、役抽選手段による抽選結果が記憶された抽選結果データと、ストップスイッチ操作信号に対応するリールの図柄の表示位置が記憶された表示位置データと、既に停止したリールがあるときに停止したリールの図柄の表示位置が記憶された停止位置データと、これらのデータに基づく移動コマ数が記録された移動コマ数データと、からなるデータテーブルである。
【０１１３】
また、移動コマ数データテーブルの移動コマ数について、「１」であるときは、ストップスイッチ操作信号を受信したときに表示窓を介してリール上に表示されている図柄の表示位置から移動することなく図柄を表示することを示し、「２」〜「５」であるときは、ストップスイッチ操作信号を受信したときに表示窓を介してリール上に表示されている図柄の表示位置から１〜４図柄分のコマ数を移動した図柄を表示することを示す。なお、本実施形態においては、最小の移動コマ数を「１」に、最大の移動コマ数を「５」に設定している。
【０１１４】
そして、図１５は、移動コマ数データテーブルの中から、第１回目のストップスイッチ操作がリール４０Ｌに対応するストップスイッチ５２Ｌを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブルを示す。また、図１６〜図１９は、第１回目のストップスイッチ操作がリール４０Ｌに対応するストップスイッチ５２Ｌであって、第２回目以降のストップスイッチ操作に対応する移動コマ数データテーブルを示す。具体的には、第１回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｌの操作により停止したリール４０Ｌの図柄の表示位置が２０、６、８、１５、１６番である場合に、リール４０Ｃに対応するストップスイッチ５２Ｃを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブルとして図１６を、リール４０Ｒに対応するストップスイッチ５２Ｒを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブルとして図１７を示す。第１回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｌの操作により停止したリール４０Ｌの図柄の表示位置が３番である場合に、リール４０Ｃに対応するストップスイッチ５２Ｃを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブルとして図１８を、リール４０Ｒに対応するストップスイッチ５２Ｒを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブルとして図１９を示す。
【０１１５】
なお、本実施形態においては、図１６〜図１９が示すとおり、第１回目のストップスイッチ操作がストップスイッチ５２Ｌであれば、第２回目以降のストップスイッチ操作が、ストップスイッチ５２Ｃ、次いでストップスイッチ５２Ｒという左からの順押しの場合、第２回目以降のストップスイッチ操作が、ストップスイッチ５２Ｒ、次いでストップスイッチ５２Ｃというハサミ打ちの場合のいずれの場合においても、図１６〜図１９の移動コマ数データテーブルを用いて、図柄停止処理を行う。
【０１１６】
そして、予め定められた最短時間を経過したか否かの判断を行う（ステップＳ４４）。最短時間が経過していない（ＮＯ）と判別したときには、このステップＳ４４の判断処理を繰り返し実行する。この結果、最短時間が経過するまで次の工程であるリールの回転は開始できないようになっている。この制御によって、一定時間に行なわれる遊技回数を、所定回数以内に抑える制御を行っている。
【０１１７】
最短時間が経過した（ＹＥＳ）と判別したときには、リール回転開始信号を発信する（ステップＳ４５）。この信号に基づいて、モータ駆動回路１１４が作動して、モータ８０Ｌ、８０Ｃ、８０Ｒの回転を開始し、リール４０Ｌ、４０Ｃ、４０Ｒが回転を始める。
次に、回転を始めたリールが定速回転になっているか否かを判断する（ステップＳ４６）。リールの回転がまだ定速回転になっていない（ＮＯ）と判別したときには、このステップＳ４６の判断処理を繰り返す。この結果、リールの回転が定速回転に達するまで、次の工程であるリール停止制御が行うことができないようになっている。
【０１１８】
ステップＳ４６において、リールの回転が定速回転になっている（ＹＥＳ）と判断したときには、ストップスイッチ操作信号を受信したか否かを判断する（ステップＳ４７〜ステップＳ４９）。ここで、ストップスイッチ操作信号は、ストップスイッチ５２Ｌ、５２Ｃ、５２Ｒのうち、遊技者が何れか１つのスイッチを押動操作したときに発信される信号である。第１ストップスイッチ操作信号は左リール４０Ｌ用ストップスイッチ５２Ｌが押動操作されると発信され信号であり、第２ストップスイッチ操作信号は中リール４０Ｃ用ストップスイッチ５２Ｃが押動操作されると発信され信号であり、第３ストップスイッチ操作信号は右リール４０Ｒ用ストップスイッチ５２Ｒが押動操作されると発信され信号である。
【０１１９】
第１ストップスイッチ操作信号〜第３ストップスイッチ操作信号のいずれのストップスイッチ操作信号も受信しない（ＮＯ）と判別したときは、停止に関する制御を行わず、ステップＳ４７に戻り、第１ストップスイッチ操作信号〜第３ストップスイッチ操作信号のいずれかのストップスイッチ操作信号を受信した（ＹＥＳ）と判別したときには、次のステップＳ５０へ進む。
【０１２０】
ステップＳ５０の図柄停止処理サブルーチンは、図８を用いて後述するとおり、遊技者のストップスイッチ操作により発信されたストップスイッチ操作信号を受信したときの図柄の表示位置を表す番号をリール回転角度位置検出回路１１６により特定し、特定された番号を基準に移動コマ数データテーブルの移動コマ数を用いて、図柄停止処理を行う。
【０１２１】
そして、ステップＳ５０において図柄停止処理を行った後、停止リール変数をカウントし（ステップＳ５１）、リール停止信号を主制御回路１００から副制御回路２００に送信する（ステップＳ５２）。ここで、リール停止信号とは、いずれかのリールを停止させたとき、主制御回路１００から副制御回路２００に送信される信号であって、リール停止信号を受信した副制御回路２００の演出制御手段５１０においてリールが停止されたことを判別するものである。
【０１２２】
ステップＳ５２においてリール停止信号を主制御回路１００から副制御回路２００に送信した後、全リールが停止したか否かを判別する（ステップＳ５３）。全リールが停止していない（ＮＯ）と判別したときには、ステップＳ４７に戻り、全リールが停止するまで繰り返す。一方、全リールが停止している（ＹＥＳ）と判別したときには、リール変動・停止サブルーチンを終了する。
【０１２３】
＜図柄停止処理サブルーチンの説明＞
図柄停止処理サブルーチン（ステップＳ５０）の詳細な説明を、図８に示すフローチャートを用いて説明する。
【０１２４】
はじめに、移動コマ数データテーブルから、遊技状態と、役抽選手段４１０による抽選結果と、受信したストップスイッチ操作信号に対応するリールの図柄の表示位置と、既に停止したリールがあるときは停止したリールの図柄の表示位置である図柄の停止位置とから、これらに対応する移動コマ数を決定する（ステップＳ６１）。
ここで、本実施形態における移動コマ数データテーブル（図１５〜図１９）は、遊技状態として、特別役に当選していない遊技状態である非内部中遊技状態と、当選したＢＢ役１に入賞していないＢＢ１内部中遊技状態と、当選したＢＢ役２に入賞していないＢＢ２内部中遊技状態とに該当する部分を抽出したものである。
【０１２５】
なお、本実施形態において、リールの図柄の表示位置とは、ストップスイッチ操作信号を受信したとき、表示窓を介してリール上に表示されている最下段の図柄を基準に定められる表示位置であり、番号により特定される。例えば、図１４に示す図柄配置表において、左リール４０Ｌ用のストップスイッチ５２Ｌが押動操作され、第１ストップスイッチ操作信号を受信したとき、表示窓２２Ｌを介して左リール４０Ｌに表示された図柄が、上から下へ順に、「赤７」、「ベル」、「リプレイ」である場合は、最下段の図柄である「リプレイ」を基準に、図柄の表示位置は１７番として特定される。
【０１２６】
また、リールの図柄の停止位置とは、図柄停止処理により、既に停止したリールがあるときに、停止したリールの図柄の表示位置をいう。例えば、図１４において、リール４０Ｌ、４０Ｃ、４０Ｒの中から左リール４０Ｌが停止しており、表示窓２２Ｌを介して左リール４０Ｌに表示された図柄が、上から下へ順に、「赤７」、「ベル」、「リプレイ」である場合は、最下段の図柄である「リプレイ」を基準に、図柄の停止位置である図柄の表示位置は１７番として特定される。
【０１２７】
そして、図１４と、決定した移動コマ数とに基づき、受信したストップスイッチ操作信号に対応するリール表示用図柄組合せを決定する（ステップＳ６２）。ここで、リール表示用図柄組合せとは、表示窓を介して、受信したストップスイッチ操作信号に対応するリールに表示される図柄の組合せをいう。例えば、遊技状態が非内部中遊技状態であり、第１回目のストップスイッチ操作として左リール４０Ｌ用のストップスイッチ５２Ｌが操作され、第１ストップスイッチ操作信号を受信したときの表示位置を特定する番号が２０番である場合（図１４より、表示窓２２Ｌを介して左リール４０Ｌに表示された図柄は、上から下へ順に、「ベル」、「リプレイ」、「スイカ」である場合）であって、役抽選手段による抽選結果がはずれであるときは、図１５の移動コマ数データテーブルに基づき、移動コマ数は「１」と決定される。従って、決定された移動コマ数である「１」に基づき、第１ストップスイッチ操作信号を受信したときに表示窓２２Ｌを介してリール４０Ｌ上に表示されている図柄の表示位置から移動することなく図柄を表示することから、リール表示用図柄組合せは、上から下へ順に、「ベル」、「リプレイ」、「スイカ」と決定される。
【０１２８】
次いで、リール表示用図柄組合せをそのまま表示するか否かを判断するため、停止リール変数が０であるか否かを判断する（ステップＳ６３）。ステップＳ６３において、停止リール変数が０である（ＹＥＳ）と判別したときは、第１回目のストップスイッチ操作であることから、表示窓を介して視認可能に、ステップＳ６２において決定したリール表示用図柄組合せを表示するようにリールを停止する（ステップＳ６４）。そして、図柄停止処理サブルーチンを終了する。
【０１２９】
ステップＳ６３において、停止リール変数が０ではない（ＮＯ）と判別したときは、第２回目以降のストップスイッチ操作であることから、決定したリール表示用図柄組合せを表示することにより、当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃って図柄が停止するか否かを判断する（ステップＳ６５）。ステップＳ６５において、決定したリール表示用図柄組合せを表示することにより、当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃って図柄が停止しない（ＮＯ）と判別したときは、表示窓を介して視認可能に、決定したリール表示用図柄組合せを表示するようにリールを停止する（ステップＳ６４）。そして、図柄停止処理サブルーチンを終了する。
【０１３０】
ステップＳ６５において、決定したリール表示用図柄組合せを表示することにより、当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃って図柄が停止する（ＹＥＳ）と判別したときは、当選役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃うことを防止するため、加算又は減算等をすることにより移動コマ数を変更して（ステップＳ６６）、ステップＳ６２に戻り、図１４と変更した移動コマ数とに基づき、受信したストップスイッチ操作信号に対応するリール表示用図柄組合せを決定する（ステップＳ６２）。
【０１３１】
例えば、本実施形態においては、通常の一般遊技で用いられるＢＢ未作動時一般抽選表（図１３）の一般役１又は一般役２のように、各リール全てに同じ図柄が揃うときに入賞する役に当選していない場合において、決定したリール表示用図柄組合せを表示することにより、当選していない役である一般役１又は一般役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃って図柄が停止する可能性がある。具体的には、２つのリールに対する図柄停止処理を終了し、３番目のリールに対する図柄停止処理を実行するときに、当選していない役である一般役１又は一般役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃って図柄が停止する場合である。
【０１３２】
＜フラグオフ処理サブルーチンの説明＞
図５のメインルーチンにおいて、上述のリール変動・停止サブルーチン（ステップＳ１５）が終了すると、次に、フラグオフ処理サブルーチン（ステップＳ１６）を行う。図９は、リール変動・停止サブルーチンにより図柄が停止した後の制御処理であるフラグオフ処理サブルーチンを示す。図９のフラグオフ処理サブルーチンを用いて、フラグオフ処理について説明する。
【０１３３】
はじめに、遊技状態がＢＢ１遊技又はＢＢ２遊技中であるか否かの判断を行う（ステップＳ７１）。ステップＳ７１において、ＢＢ１遊技又はＢＢ２遊技中である（ＹＥＳ）と判別したときは、ＢＢ遊技処理（ステップＳ７２）を実行し、本サブルーチンを終了する。ここで、「ＢＢ遊技処理」とは、ＢＢ未作動時一般抽選表（図１３）に設定されたＢＢ１遊技又はＢＢ２遊技の終了条件（最大払出遊技媒体枚数）に達するまで、ＢＢ作動時抽選表（図１２）を用いた遊技に対する処理である。本実施態様においては、ＢＢ１遊技及びＢＢ遊技２において共通のＢＢ作動時抽選表を用いるが、各ＢＢ遊技において個別のＢＢ作動時抽選表を用いることもできる。また、ＢＢ作動時抽選表（図１２）において、一般役１の当選する確率が１／４．０と非常に高く設定されていることから、一般役１に当選する可能性が非常に高く、一般役１に当選し入賞することにより、より少ない遊技媒体の投入枚数で最大払出遊技媒体枚数に達するまで遊技媒体を獲得できるため、遊技者は有利な遊技を行うことができる。
【０１３４】
次に、ステップＳ７１の判断で、いずれのＢＢ遊技中ではない（ＮＯ）と判別したときは、当選役があるか否かを判断する（ステップＳ７３）。当選役がある（ＹＥＳ）と判別したときには、役当選時処理サブルーチン（ステップＳ７４）を実行して、本サブルーチンを終了する。役当選時処理サブルーチンの詳細な説明は後述する。一方、ステップＳ７３の判断で、当選役がない（ＮＯ）と判別したときは、そのまま、本サブルーチンを終了する。
【０１３５】
なお、本実施形態においては、ＲＢ遊技が設定されていないが、ＢＢ未作動時一般抽選表（図１３）においてＲＢ役を設けることによりＲＢ遊技処理を行うＲＢ遊技を設定することができる。ここで、「ＲＢ遊技処理」とは、ＲＢ遊技中の入賞回数又はＲＢ遊技回数が所定の回数に達するまで、一般役の当選する確率が非常に高く設定されている遊技に対する処理である。従って、ＲＢ遊技中、当選する確率が高く設定された一般役に当選する可能性が非常に高く、遊技者は有利な遊技を行うことができる。
【０１３６】
＜役当選時処理サブルーチンの説明＞
図１０は、フラグオフ処理サブルーチンの制御処理の一部である役当選時処理サブルーチンを示す。図１０の役当選時処理サブルーチンを用いて、役当選時処理について説明する。なお、役当選時処理サブルーチンは、図９に示す通り、いずれのＢＢ遊技中でもない場合に実行される。
【０１３７】
はじめに、上述のリール変動・停止サブルーチン（図７）によって停止したリール図柄が入賞しているか入賞図柄判定を行う（ステップＳ８１）。次に、この入賞図柄判定の結果、ＢＢ役１又はＢＢ役２に入賞しているか否かを判断する（ステップＳ８２）。ステップＳ８２において、いずれかのＢＢ役に入賞している（ＹＥＳ）と判別したときは、対応するＢＢフラグをオフに設定するとともに、ＢＢ遊技状態に設定して（ステップＳ８３）、役当選時処理サブルーチンを終了する。ＢＢ遊技状態に設定することにより、次回の遊技からＢＢ１遊技又はＢＢ２遊技が開始され、ＢＢ１遊技中又はＢＢ２遊技中と判別される。
【０１３８】
ステップＳ８２において、いずれのＢＢ役にも入賞していない（ＮＯ）と判別したときは、一般役１〜一般役３のいずれかの一般役に入賞しているか否かを判断する（ステップＳ８４）。ステップＳ８４において、いずれかの一般役に入賞している（ＹＥＳ）と判別したときは、対応する一般役フラグをオフに設定し（ステップＳ８５）、役当選時処理サブルーチンを終了する。
【０１３９】
ステップＳ８４において、一般役１等のいずれの一般役にも入賞していない（ＮＯ）と判別したときは、再遊技役に入賞しているか否かを判断する（ステップＳ８６）。ステップＳ８６において、再遊技役に入賞している（ＹＥＳ）と判別したときは、再遊技フラグをオフに設定するとともに、再遊技状態に設定する（ステップＳ８７）。そして、役当選時処理サブルーチンを終了する。再遊技状態に設定することにより、次回の遊技は再遊技と判別される。なお、ステップＳ８６において、再遊技役にも入賞していない（ＮＯ）と判別したときは、そのまま役当選時処理サブルーチンを終了する。
【０１４０】
＜メインルーチンの説明（続き）＞
以上のようにして、図９に示すフラグオフ処理サブルーチンが終了する。ここで、図５のメインルーチンに戻り、ステップＳ１６のフラグオフ処理サブルーチンを終了し、ステップＳ１７の払い出し処理を終了して、本メインルーチンを終了する。これにより、図柄が変動してから停止するまでの１工程を１回とする遊技を行うための制御処理が終了する。
【０１４１】
＜演出制御処理サブルーチン＞
図１１の演出制御処理サブルーチンを用いて、副制御回路２００の演出制御手段５１０が行う演出制御処理について説明する。図１１は、演出制御手段５１０のサウンド出力制御手段５１６が、リール停止信号を受信したときに、報知手段６１０のサウンド出力装置６４を用いて、所定のサウンドを出力する演出制御処理サブルーチンを示す。
【０１４２】
具体的には、主制御回路１００から副制御回路２００に送信されたリール停止信号を受信したか否か判断する（ステップＳ９１）。ステップＳ９１において、リール停止信号を受信した（ＹＥＳ）と判別したときは、ＲＯＭ２０８に記憶したサウンドデータを読み出して、報知手段６１０のサウンド出力装置６４を用いて、サウンドを出力して（ステップＳ９２）、演出制御処理サブルーチンを終了する。ステップＳ９１において、リール停止信号を受信していない（ＮＯ）と判別したときは、そのまま演出制御処理サブルーチンを終了する。
【０１４３】
従って、副制御回路２００の演出制御手段５１０がリール停止信号を受信すると、サウンド出力装置６４を用いて所定のサウンドを出力し、ストップスイッチ５２Ｌ、５２Ｃ、５２Ｒの中から操作されたストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間を遊技者に告知することから、いずれかのストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間のずれを遊技者に告知することができる。従って、遊技状態、抽選結果等の情報を反映させた移動コマ数に基づくリールの停止制御を行うことによる時間のずれにより、全てのリールが停止するまでのストップスイッチ操作に対して、遊技者の遊技に対する興味と期待感を高まらせることができる。さらに、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間のずれは、遊技者に違和感を生じさせることから認識され易く、サウンド出力による演出により遊技者の遊技に対する関心や新鮮味を長く継続させることができる。
【０１４４】
＜＜図柄停止処理の説明＞＞
以下に、リール制御手段４２０による図柄停止処理を、図１５〜図１９の移動コマ数データテーブルを用いて説明する。あわせて、ストップスイッチの操作に基づくリール停止により、演出制御手段５１０が行うサウンド出力制御処理も説明する。
【０１４５】
本実施形態においては、移動コマ数データテーブルの中から、第１回目のストップスイッチ操作が左リール４０Ｌに対応するストップスイッチ５２Ｌを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブル（図１５）を用いて、第１回目のストップスイッチ操作に対する図柄停止処理を説明する。
【０１４６】
さらに、第２回目以降のストップスイッチ操作に対する図柄停止処理を説明するため、第１回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｌの操作により停止した左リール４０Ｌの図柄の表示位置が２０、６、８、１５、１６番である場合に、中リール４０Ｃに対応するストップスイッチ５２Ｃを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブル（図１６）と、右リール４０Ｒに対応するストップスイッチ５２Ｒを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブル（図１７）とを用いて図柄停止処理を説明する。また、第１回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｌの操作により停止した左リール４０Ｌの図柄の表示位置が３番である場合に、中リール４０Ｃに対応するストップスイッチ５２Ｃを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブル（図１８）と、右リール４０Ｒに対応するストップスイッチ５２Ｒを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブル（図１９）と用いて図柄停止処理を説明する。
【０１４７】
なお、本実施形態においては、図１６〜図１９が示すとおり、第１回目のストップスイッチ操作がストップスイッチ５２Ｌであれば、第２回目以降のストップスイッチ操作が、ストップスイッチ５２Ｃ、次いでストップスイッチ５２Ｒという左からの順押しである場合、第２回目以降のストップスイッチ操作が、ストップスイッチ５２Ｒ、次いでストップスイッチ５２Ｃというハサミ打ちである場合のいずれの場合においても、図１６〜図１９の移動コマ数データテーブルを用いて、図柄停止処理を行う。
【０１４８】
＜第１回目のストップスイッチ操作＞
移動コマ数データテーブルの中から、第１回目のストップスイッチ操作が左リール４０Ｌに対応するストップスイッチ５２Ｌを操作したときに用いられる移動コマ数データテーブル（図１５）を用いて、第１回目のストップスイッチ操作に基づく図柄停止処理を説明する。
【０１４９】
（非内部中遊技状態）
リール４０Ｌ、４０Ｃ、４０Ｒが回転した後、第１回目のストップスイッチ操作として、左リール４０Ｌに対応するストップスイッチ５２Ｌが操作されることにより発信される第１ストップスイッチ操作信号を、リール制御手段４２０が受信すると（ステップＳ４７）、図柄停止処理サブルーチン（ステップＳ５０）が実行される。
【０１５０】
具体的には、移動コマ数データテーブル（図１５）から、遊技状態と、役抽選手段４１０による抽選結果と、受信した第１ストップスイッチ操作信号に対応する左リール４０Ｌの図柄の表示位置とから、これらに対応する移動コマ数を決定する（ステップＳ６１）。
【０１５１】
はじめに、第１ストップスイッチ操作信号を受信したとき、表示窓２２Ｌを介して左リール４０Ｌに表示された図柄が、上から下へ順に、「ベル」、「リプレイ」、そして最下段の図柄が図１４の図柄配置表の２０番に相当する「スイカ」である場合は、図柄の表示位置は２０番として特定される。そして、役抽選手段４１０による抽選結果がはずれである場合、遊技状態が非内部中遊技状態であることから、移動コマ数は「１」と決定される（ステップＳ６１）。
【０１５２】
移動コマ数が「１」であるときは、第１ストップスイッチ操作信号を受信したときに表示窓２２Ｌを介して左リール４０Ｌ上に表示されている図柄の表示位置である２０番から移動することなく図柄を表示することから、リール表示用図柄組合せを、上から下へ順に、「ベル」、「リプレイ」、「スイカ」と決定する（ステップＳ６２）。
【０１５３】
そして、決定したリール表示用図柄組合せを表示するリール停止制御を行い（ステップＳ６４）、図柄停止処理サブルーチンを終了する。このとき、図柄の停止位置は、図１４から２０番として特定される。以上より、遊技状態と、抽選結果と、図柄の表示位置とに基づき、リール制御手段４１０が、ストップスイッチ操作信号を受信したときの図柄の表示位置から、移動コマ数データテーブルに記憶された移動コマ数だけ図柄を移動させてリールを停止するリール停止制御を行うことができる。
【０１５４】
同様に、第１ストップスイッチ操作信号を受信したとき、表示窓２２Ｌを介して左リール４０Ｌに表示された図柄が、上から下へ順に、「チェリー」、「ベル」、そして最下段の図柄が図１４の図柄配置表の０番に相当する「リプレイ」である場合は、図柄の表示位置は０番として特定される。そして、役抽選手段４１０による抽選結果がはずれである場合、遊技状態が非内部中遊技状態であることから、移動コマ数は「４」と決定される（ステップＳ６１）。
【０１５５】
移動コマ数が「４」であるときは、第１ストップスイッチ操作信号を受信したときに表示窓２２Ｌを介して左リール４０Ｌ上に表示されている図柄の表示位置である０番から３図柄分のコマ数を移動した図柄を表示することから、リール表示用図柄組合せを、上から下へ順に、「青７」、「リプレイ」、そして最下段の図柄が図１４の図柄配置表の３番に相当する「スター」と決定する（ステップＳ６２）。
【０１５６】
そして、決定したリール表示用図柄組合せを表示するリール停止制御を行い（ステップＳ６４）、図柄停止処理サブルーチンを終了する。このとき、図柄の停止位置は、図１４から３番として特定される。
【０１５７】
以上のリール停止制御を行った後、副制御回路２００の演出制御手段５１０に、リール停止信号を送信する（ステップＳ５２）。送信されたリール停止信号を、副制御回路２００の演出制御手段５１０が受信したときは（ステップＳ９１）、ＲＯＭ２０８に記憶されたサウンドデータを読み出して、報知手段６１０のサウンド出力装置６４を用いて、サウンドを出力する（ステップＳ９２）。以上により、第１ストップスイッチ５２Ｌの操作から第１ストップスイッチ５２Ｌに対応するリール４０Ｌが停止するまでの時間、すわわち、時間のずれを遊技者に告知することができる。
【０１５８】
なお、図柄の表示位置が０であるときは、「チェリー」の図柄が表示窓２２Ｌを介して左リール４０Ｌに表示されているため、抽選結果がはずれである場合、役、例えば、一般役３（図１２より、左リール４０Ｌの図柄がチェリーであれば、残りのリールの図柄については、何れの図柄であっても入賞するように設定されている役）に対応する図柄が有効ライン上に揃わないようにリール停止制御を行う必要がある。従って、移動コマ数を「４」と設定することで、役抽選結果がはずれである場合、一般役３に対応する図柄が有効ライン上に揃わないように設定している。
【０１５９】
また、図１５の非内部中遊技状態において、最小の移動コマ数である「１」に関して、抽選結果がはずれである場合の表示位置データのデータ数は「１４」であり、一般役１、一般役２、又は一般役３に当選した場合の表示位置データのデータ数は「９」、「４」、「４」であることから、抽選結果がはずれである場合の方が一般役１等に当選した場合よりも多くなるように設定されている。すなわち、移動コマ数が最小の移動コマ数である「１」になるのは、抽選結果がはずれである場合の方が、一般役１等に当選した場合と比較して多い。従って、ストップスイッチを操作したときの図柄の表示位置から、最小の移動コマ数の図柄を移動してリールを停止させたときは、抽選結果がはずれであったと遊技者に推測させることができる。この結果、ストップスイッチが操作されて最小の移動コマ数の図柄を移動してリールが停止されると、抽選結果がはずれであったと遊技者に推測させることができる。
【０１６０】
さらに、最大の移動コマ数である「５」に関して、抽選結果がはずれである表示位置データのデータ数は「０」であり、一般役１、一般役２、又は一般役３に当選した場合の表示位置データのデータ数は「２」、「１３」、「８」であることから、抽選結果がはずれである場合の方が一般役１等に当選した場合よりも小さくなるように設定される。すなわち、移動コマ数が最大の移動コマ数である「５」になるのは、抽選結果がはずれである場合の方が、一般役１等に当選した場合と比較して少ない。従って、ストップスイッチを操作したときの図柄の表示位置から、最大の移動コマ数の図柄を移動してリールを停止させたときは、抽選結果が一般役１等に当選したと遊技者に推測させることができる。この結果、ストップスイッチが操作されて最大の移動コマ数の図柄を移動してリールが停止されると、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間のずれにより、抽選結果が一般役１等に当選したと遊技者に推測させることができ、全てのリールを停止させるまでのストップスイッチ操作に対して、遊技者の遊技に対する興味と期待感を高まらせることができる。
【０１６１】
（内部中遊技状態）
図１５を用いて、内部中遊技状態であるＢＢ１内部中遊技状態及びＢＢ２内部中遊技状態における図柄停止処理を説明する。ＢＢ１内部中遊技状態とＢＢ２内部中遊技状態とにおける図柄停止処理は同様に行われ、サウンド出力制御処理は非内部中遊技状態と同様であることから、ＢＢ１内部中遊技状態における図柄停止処理のみを説明する。
【０１６２】
内部中遊技状態において、第１ストップスイッチ操作信号を受信したとき、図１４より図柄の表示位置が２０番として特定され、抽選結果がはずれである場合、移動コマ数は「１」と決定される（ステップＳ６１）。従って、ステップＳ６２により、上から下へ順に、「ベル」、「リプレイ」、そして、最下段の図柄が図１４の図柄配置表の２０番に相当する「スイカ」と決定されたリール表示用図柄組合せを、表示窓２２Ｌを介して左リール４０Ｌに表示するリール停止制御を行う（ステップＳ６４）。
【０１６３】
また、第１ストップスイッチ操作信号を受信したとき、図１４より図柄の表示位置が０番として特定され、抽選結果がはずれである場合、移動コマ数は最大の移動コマ数である「５」と決定される（ステップＳ６１）。従って、ステップＳ６２により、上から下へ順に、「ベル」、「青７」、最下段の図柄が図１４の図柄配置表の４番に相当する「リプレイ」と決定されたリール表示用図柄組合せを、表示窓２２Ｌを介して左リール４０Ｌに表示するリール停止制御を行う（ステップＳ６４）。
【０１６４】
ここで、非内部中遊技状態と内部中遊技状態とを比較すると、移動コマ数データテーブルの移動コマ数に関して、抽選結果と図柄の表示位置とが同一である場合でも、非内部中遊技状態とＢＢ１内部中遊技状態等の複数の遊技状態を設定することにより、異なる移動コマ数を設定している。従って、抽選結果と図柄の表示位置とが同一である場合でも、遊技状態毎に、図柄の表示位置から異なる移動コマ数の図柄を移動してリールを停止することができる。
【０１６５】
この結果、ストップスイッチ操作に基づく遊技のバリエーションが広がり、さらに、異なる移動コマ数は、ストップスイッチ操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間のずれにより、遊技者に遊技状態を告知することができる。
【０１６６】
例えば、抽選結果が「はずれ」である場合、非内部中遊技状態とＢＢ１内部中遊技状態とＢＢ２内部中遊技状態とを比較すると、移動コマ数が最大移動コマ数である「５」である非内部中遊技状態の図柄の表示位置のデータ数は「０」であるのに対して、ＢＢ１内部中遊技状態の図柄の表示位置のデータ数は「８」、ＢＢ２内部中遊技状態の図柄の表示位置のデータ数は「１０」である。従って、最大移動コマ数の図柄を移動してリールを停止させた場合、非内部中遊技状態において抽選結果が一般役１等に当選している、ＢＢ１内部中遊技状態、又は、ＢＢ２内部中遊技状態であると、遊技者に遊技状態を告知することができる。この結果、全てのリールが停止するまでのストップスイッチ操作に対応して、遊技者の遊技に対する興味と期待感を高まらせることができる。
【０１６７】
＜第２回目のストップスイッチ操作＞
本実施形態においては、第１回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｌの操作により停止した左リール４０Ｌの図柄の表示位置である図柄の停止位置が２０番又は３番である場合について、図１６〜図１９を用いて図柄停止処理を説明する。なお、本実施形態においては、第１回目のストップスイッチ操作がストップスイッチ５２Ｌであれば、第２回目以降のストップスイッチ操作が、ストップスイッチ５２Ｃ、次いでストップスイッチ５２Ｒという左からの順押しの場合、第２回目以降のストップスイッチ操作が、ストップスイッチ５２Ｒ、次いでストップスイッチ５２Ｃというハサミ打ちの場合のいずれの場合においても、図１６〜図１９の移動コマ数データテーブルを用いて、図柄停止処理を行う。
【０１６８】
（非内部中遊技状態）
はじめに、第１回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｌの操作により停止した左リール４０Ｌの図柄の停止位置が２０番である場合の図柄停止処理について説明する。
【０１６９】
第２回目のストップスイッチ操作として、中リール４０Ｃに対応するストップスイッチ５２Ｃが操作されることにより送信される第２ストップスイッチ操作信号を、リール制御手段４２０が受信すると（ステップＳ４８）、図柄停止処理サブルーチン（ステップＳ５０）が実行される。
【０１７０】
そして、左リール４０Ｌの図柄の停止位置（２０番）に基づき図１６の移動コマ数データテーブルを抽出して、遊技状態と、役抽選手段４１０による抽選結果と、受信した第２ストップスイッチ操作信号に対応する中リール４０Ｃの図柄の表示位置とから、これらに対応する移動コマ数を決定する（ステップＳ６１）。役抽選手段４１０の抽選結果がはずれである場合、遊技状態が非内部中遊技状態であることから、受信した第２ストップスイッチ操作信号に対応する中リール４０Ｃの図柄の表示位置がどの位置であっても、移動コマ数は最小移動コマ数である「１」に決定される（ステップＳ６１）。従って、第２ストップスイッチ操作信号を受信したときに表示窓２２Ｃを介して中リール４０Ｃ上に表示されている図柄の組合せをリール表示用図柄組合せと決定して（ステップＳ６２）、表示するリール停止制御を行う（ステップＳ６４）。以上より、遊技状態と、抽選結果と、図柄の表示位置とに、既に停止したリールの図柄の停止位置とに基づき、リール制御手段４１０が、ストップスイッチ操作信号を受信したときの図柄の表示位置から、移動コマ数データテーブルに記憶された移動コマ数だけ図柄を移動させてリールを停止するリール停止制御を行うことができる
【０１７１】
例えば、抽選結果がはずれであって、受信した第２ストップスイッチ操作信号に対応する中リール４０Ｃの図柄の表示位置が１９番である場合、移動コマ数は「１」であることから、表示窓２２Ｃを介して中リール４０Ｃ上に表示されている図柄の組合せ（上から下へ順に、「ベル」、「リプレイ」、「赤７」）をリール表示用図柄組合せとして決定し表示するリール停止制御を行う。
【０１７２】
次に、第１回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｌの操作により停止した左リール４０Ｌの図柄の停止位置が３番である場合の図柄停止処理について説明する。
【０１７３】
左リール４０Ｌの図柄の停止位置（３番）に基づき図１８の移動コマ数データテーブルを抽出して、上述と同様に、遊技状態と、役抽選手段４１０による抽選結果と、受信した第２ストップスイッチ操作信号に対応する中リール４０Ｃの図柄の表示位置とから、これらに対応する移動コマ数を決定して（ステップＳ６１）、リール表示用図柄組合せを決定して（ステップＳ６２）、表示するリール停止制御を行う（ステップＳ６４）。
【０１７４】
例えば、抽選結果がはずれであって、受信した第２ストップスイッチ操作信号に対応する中リール４０Ｃの図柄の表示位置が１９番である場合、左リール４０Ｌの図柄の停止位置が２０番である場合と同様に、移動コマ数は「１」であることから、表示窓２２Ｃを介して中リール４０Ｃ上に表示されている図柄の組合せ（上から下へ順に、「ベル」、「リプレイ」、「赤７」）をリール表示用図柄組合せとして決定し表示するリール停止制御を行う。
【０１７５】
なお、図１８において、非内部中遊技状態及びＢＢ１内部中遊技状態の一般役１〜一般役３に対して、最小移動コマ数である「１」〜最大移動コマ数である「５」のいずれの値も移動コマ数として設定されていない。これは、左リール４０Ｌの図柄の停止位置が３番である場合、一般役１〜一般役３の当選時の移動コマ数を設定する必要がないためである。すなわち、左リール４０Ｌの図柄の停止位置が３番である場合、上から下へ順に、「青７」、「リプレイ」、「スター」の図柄が表示窓２２Ｌを介して左リール４０Ｌ上に表示されていることから、一般役１〜一般役３に対応する図柄の組合せが揃うことがないため、移動コマ数が設定されていない。
【０１７６】
ここまで、図１６及び図１８を用いて、第２回目のストップスイッチ操作として、中リール４０Ｃに対応するストップスイッチ５２Ｃが操作された場合について説明した。同様に、第２回目のストップスイッチ操作として、右リール４０Ｒに対応するストップスイッチ５２Ｒが操作された場合についても、左リール４０Ｌの図柄の停止位置が２０、６、８、１５、１６番のときは図１７を、３番のときは図１９を用いて説明することができる。
【０１７７】
（内部中遊技状態）
図柄停止処理については、上述の非内部中遊技状態と同様に、左リール４０Ｌの図柄の停止位置に基づき移動コマ数データテーブルを抽出して、遊技状態と、抽選結果と、受信したストップスイッチ操作信号に対応する中リール４０Ｃ又は右リール４０Ｒの図柄の表示位置とから、これらに対応する移動コマ数を決定して（ステップＳ６１）、リール表示用図柄組合せを決定して（ステップＳ６２）、表示するリール停止制御を行う（ステップＳ６４）。
【０１７８】
ここで、図１６〜図１９の移動コマ数に関して、ＢＢ１内部中遊技状態及びＢＢ２内部中遊技状態は、非内部中遊技状態と比較して、最大移動コマ数である「５」が移動コマ数として顕著に多く設定されている。従って、ストップスイッチ操作をするごとに、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間のずれが顕著になる。この結果、遊技者に違和感を生じさせるため、認識され易くなり、ＢＢ１内部中遊技状態又はＢＢ２内部中遊技状態であることを推測させることができ、遊技者の遊技に対する興味と期待感を高まらせることができる。
【０１７９】
＜第３回目のストップスイッチ操作＞
サウンド出力制御処理は、第２回目のストップスイッチ操作に基づく図柄停止処理が行われた後のサウンド出力処理と同様であり、内部中遊技状態における図柄停止処理は、第２回目のストップスイッチ操作に基づく図柄停止処理と同様に行われる。従って、非内部中遊技状態における図柄停止処理のみを説明する。
【０１８０】
（非内部中遊技状態）
遊技状態が非内部中遊技状態である場合、決定した移動コマ数に基づき回転させたリールを停止すると、役抽選手段により当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃う場合がある。具体的には、遊技状態と、抽選結果と、受信したストップスイッチ操作信号に対応する中リール４０Ｃ又は右リール４０Ｒの図柄の表示位置とから、これらに対応する移動コマ数を決定して（ステップＳ６１）、決定した移動コマ数に基づいてリール表示用図柄組合せを決定して（ステップＳ６２）、決定したリール表示用図柄組合せを表示したときに、役抽選手段により当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃う場合である。
【０１８１】
この場合、決定したリール表示用図柄組合せを表示したときに、役抽選手段により当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃うか否かを判断し（ストップＳ６５）、当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃わないと判断したときは、決定したリール表示用図柄組合せを表示するリールの停止制御を行い（ストップＳ６４）、当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃うと判断したときは、当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃わないように移動移動コマ数を変更し（ステップＳ６６）、変更した移動コマ数に基づいて決定したリール表示用図柄組合せを表示するリールの停止制御を行う（ストップＳ６４）。従って、役抽選手段において当選している役以外の役に対応する図柄の組合せが有効ラインに揃うことを回避することができる。
【０１８２】
例えば、抽選結果がはずれであり、かつ、第１回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｌの操作により停止した左リール４０Ｌの図柄の停止位置が２０番（図１５より、移動コマ数は「１」であり、リール表示用図柄組合せは上から下へ順に、「ベル」、「リプレイ」、「スイカ」）であって、第２回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｃの操作により停止した中リール４０Ｃの図柄の停止位置が１番（図１６より、移動コマ数は「１」であり、リール表示用図柄組合せは上から下へ順に、「ベル」、「リプレイ」、「チェリー」）である場合に、第３回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｒの操作により停止した右リール４０Ｒの図柄の停止位置が１番（図１７より、移動コマ数は「１」であり、リール表示用図柄組合せは上から下へ順に、「スイカ」、「チェリー」、「リプレイ」）であるときは、当選している役以外の役、すなわち当選していない一般役１等に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃わないことから、決定したリール表示用図柄組合せを表示するリールの停止制御を行う。なお、第２回目のストップスイッチ操作をストップスイッチ５２Ｒの操作と、第３回目のストップスイッチ操作をストップスイッチ５２Ｃの操作としても、上記と同じ図柄停止処理を行う。
【０１８３】
しかし、抽選結果がはずれであり、かつ、第１回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｌの操作により停止した左リール４０Ｌの図柄の停止位置が２０番（図１５より、移動コマ数は「１」であり、リール表示用図柄組合せは上から下へ順に、「ベル」、「リプレイ」、「スイカ」）であって、第２回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｃの操作により停止した中リール４０Ｃの図柄の停止位置が１９番（図１６より、移動コマ数は「１」であり、リール表示用図柄組合せは上から下へ順に、「ベル」、「リプレイ」、「赤７」）である場合に、第３回目のストップスイッチ操作であるストップスイッチ５２Ｒの操作により停止した右リール４０Ｒの図柄の停止位置が１９番（図１７より、移動コマ数は「１」であり、リール表示用図柄組合せは上から下へ順に、「ベル」、「スイカ」、「赤７」）であるときは、当選している役以外の役、すなわち当選していない一般役１に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃うことから、一般役１に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃わないように移動コマ数を変更し、例えば、移動コマ数を「２」に変更し（ステップＳ６６）、変更した移動コマ数に基づく図柄の表示位置である２０番のリール表示用図柄組合せ（上から下へ順に、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」）を表示するリールの停止制御を行う（ストップＳ６４）。
【０１８４】
以上の実施形態によれば、演出制御手段が、リール停止信号を受信すると、サウンド出力手段を用いて所定のサウンドを出力し、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間を遊技者に告知することから、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間のずれを遊技者に告知することができる。従って、時間のずれに遊技状態や抽選結果等の情報を反映させることにより、全てのリールが停止するまでのストップスイッチ操作に対して、遊技者の遊技に対する興味と期待感を高まらせることができる。さらに、ストップスイッチの操作からストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間のずれは、遊技者に違和感を生じさせることから認識されやすくサウンド出力による演出により遊技者の遊技に対する関心や新鮮味を長く継続させることができる。
【０１８５】
なお、本実施形態においては、移動コマ数データテーブルの移動コマ数が、遊技状態がＢＢ１内部中遊技状態又はＢＢ２内部中遊技状態であって、抽選結果が役に当選しているときに、所定の入賞順位の低い役の図柄を有効ライン上に停止させる移動コマ数を設定することも可能である。
【０１８６】
このように移動コマ数を設定することにより、移動コマ数データテーブルの移動コマ数に基づきリールを停止して、入賞順位の低い当選役の図柄を有効ライン上に停止させたとき、優先順位の低い当選役以外の当選役であるＢＢ役１又はＢＢ役２の図柄が有効ライン上に揃わない場合は、移動コマ数に基づきリールを停止して、入賞順位の低い当選役の図柄を有効ライン上に停止することができる。一方、入賞順位の高い当選役であるＢＢ役１又はＢＢ役２の図柄を有効ライン上に揃えることができる場合は、移動コマ数に基づくリール上の図柄の表示位置を、当選したＢＢ役１又はＢＢ役２の図柄が有効ライン上に揃う位置に変更して、入賞順位の高い当選役であるＢＢ役１又はＢＢ役２の図柄を有効ライン上に停止することができる。
【０１８７】
ここで、ＢＢ役１等の特別役の図柄の組合せが有効ライン上に揃う各リール上の図柄の位置の組合せの数は、一般役の図柄の組合せが有効ライン上に揃う各リール上の図柄の位置の組合せの数と比較すると、はるかに少ない。従って、複数の役が当選している場合、入賞順位の低い当選役の図柄を有効ライン上に停止する方が、入賞順位の高いＢＢ役１等の特別役の図柄を有効ライン上に停止するのと比較して、変更回数が少なくなり、結果として少ない変更回数によりリールを停止することができる。
【０１８８】
更に、本発明に係るスロットマシンは、上述の実施形態には限られず、その他様々な実施形態が含まれる。
【符号の説明】
【０１８９】
１０ スロットマシン
３８ 遊技媒体投入口
３２、３４、３６ ベットスイッチ
４０Ｌ、４０Ｃ、４０Ｒ リール
５０ スタートスイッチ
５２Ｌ、５２Ｃ、５２Ｒ ストップスイッチ
６４ サウンド出力装置
７０ 表示装置
８０Ｌ、８０Ｃ、８０Ｒ ステッピングモータ
９０ 表示ランプ
１００ 主制御回路
１０６ ＣＰＵ
１０８ ＲＯＭ
１１０ ＲＡＭ
１１２ 乱数発生器
１１４ モータ駆動回路
２００ 副制御回路
３００ 操作手段
３１０ 停止操作手段
３２０ ベット手段
４１０ 役抽選手段
４１２ 乱数発生手段
４１４ 乱数抽出手段
４１６ 乱数判定手段
４２０ リール制御手段
４３０ 遊技制御手段
４３２ 特別遊技制御手段
４４０ 記憶手段
５１０ 演出制御手段
５１２ 画像制御手段
５１４ ランプ制御手段
５１６ サウンド出力制御手段
６１０ 報知手段
【特許請求の範囲】
【請求項１】
遊技媒体を投入して、複数の図柄が表示された複数のリールを回転させ停止させた結果に基づく処理までの単位遊技を実施可能なスロットマシンであって、
前記複数のリールの各々に対応して設けられたストップスイッチを有する操作手段と、
前記ストップスイッチが操作されることにより、回転させた前記複数のリールの停止制御を行うリール制御手段と、
前記遊技の進行に基づいて報知手段を用いた演出を出力する演出制御手段と、
を含み、
前記操作手段は、前記ストップスイッチが操作されると、前記ストップスイッチに対応するストップスイッチ操作信号を、前記リール制御手段に送信し、
前記リール制御手段は、受信した前記ストップスイッチ信号に対応するリールが停止したとき、リール停止信号を前記演出制御手段に送信し、
前記報知手段は、所定のサウンドを出力するサウンド出力手段を含み、
前記演出制御手段は、前記リール停止信号を受信すると、前記サウンド出力手段を用いて所定のサウンドを出力し、前記ストップスイッチの操作から前記ストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間を遊技者に告知する、
ことを特徴とするスロットマシン。
【請求項１】
遊技媒体を投入して、複数の図柄が表示された複数のリールを回転させ停止させた結果に基づく処理までの単位遊技を実施可能なスロットマシンであって、
前記複数のリールの各々に対応して設けられたストップスイッチを有する操作手段と、
前記ストップスイッチが操作されることにより、回転させた前記複数のリールの停止制御を行うリール制御手段と、
前記遊技の進行に基づいて報知手段を用いた演出を出力する演出制御手段と、
を含み、
前記操作手段は、前記ストップスイッチが操作されると、前記ストップスイッチに対応するストップスイッチ操作信号を、前記リール制御手段に送信し、
前記リール制御手段は、受信した前記ストップスイッチ信号に対応するリールが停止したとき、リール停止信号を前記演出制御手段に送信し、
前記報知手段は、所定のサウンドを出力するサウンド出力手段を含み、
前記演出制御手段は、前記リール停止信号を受信すると、前記サウンド出力手段を用いて所定のサウンドを出力し、前記ストップスイッチの操作から前記ストップスイッチに対応するリールが停止するまでの時間を遊技者に告知する、
ことを特徴とするスロットマシン。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【公開番号】特開２０１３−７８６９８（Ｐ２０１３−７８６９８Ａ）
【公開日】平成２５年５月２日（２０１３．５．２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１３−２２４４２（Ｐ２０１３−２２４４２）
【出願日】平成２５年２月７日（２０１３．２．７）
【分割の表示】特願２００６−１６０３０９（Ｐ２００６−１６０３０９）の分割
【原出願日】平成１８年６月８日（２００６．６．８）
【出願人】（３９００３１７８３）サミー株式会社 (5,279)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年５月２日（２０１３．５．２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２５年２月７日（２０１３．２．７）
【分割の表示】特願２００６−１６０３０９（Ｐ２００６−１６０３０９）の分割
【原出願日】平成１８年６月８日（２００６．６．８）
【出願人】（３９００３１７８３）サミー株式会社 (5,279)
【Ｆターム（参考）】
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