説明

ズームレンズ付きビデオカメラ

【課題】 本発明は、ズームレンズを搭載した2台の電子カメラを用い、ズームレンズのズーム比を拡大した映像を得る安価な高ズーム比のズームレンズビデオカメラの提供を課題とする。
【解決手段】ズームレンズを搭載した2台のビデオカメラによって映像を得る装置において、該ズームレンズに広角コンバージョンレンズまたは、望遠コンバージョンレンズを該ズームレンズ前面に配置することにより、高ズーム比で広角から望遠まで切れ目のない連続した映像を得るビデオカメラ装置を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はズームレンズを搭載したビデオカメラでズームレンズのズーム比を拡大して撮像する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラなど電子カメラを利用しての撮像はレンズによりワイド(広角)画面からテレ(望遠)画面までの映像を取得し撮像する事が行われている。光学的のワイド映像、テレ映像の撮像はワイドレンズまたはテレレンズを使用する方式かズームレンズのズーム機能を利用して対応している。ビデオカメラではワイド用、テレ用のレンズ交換方式でなくズームレンズを採用しているのが一般的であり、ズームレンズを用い、画角を選択して撮像する方法が採られている。
【0003】
ズームレンズは撮像画角を1つのズームレンズで連続的に変化させることが出来るため、多くのビデオカメラに採用されている。撮像画角はレンズの焦点距離と撮像素子のサイズによって決まる。レンズの焦点距離をf、撮像素子の対角イメージサイズをDとすると、
対角画角=2xarctan(D/f)
となる。対角画角は撮像素子のイメージサイズに依存し、撮像素子イメージサイズを
垂直イメージ/水平イメージ=3/4
とすれば。
水平画角=2xarctan(0.8D/f)
になり水平画角はレンズの焦点距離と撮像素子のイメージサイズに依存する、ズームレンズは、前記焦点距離fを可変する機能がある。
【0004】
ズームレンズは前記のごとく焦点距離fを可変にすることで電子カメラの撮像画角を変化させることが出来る。全体映像を把握する広角撮像ではズームレンズの焦点距離fを小さく(短く)する。遠方対象物や詳細拡大を撮像するときには逆に焦点距離fを大きく(長く)する。焦点距離fを小さく(短く)して全体把握映像を得る時をワイド(広角)、焦点距離を長くするときはテレ(望遠)と称する。ズームレンズの最小焦点距離をワイド端、最大焦点距離の時をテレ端とも呼ぶ。このテレ端焦点距離とワイド端焦点距離に比をズームレンズのズーム比と称する。このズーム比の大きさはズームレンズの大きさ、重量、価格に大きく影響する。一般的に使用されるズーム比は10以下であり、これ以上のズーム比のレンズは高価格で形状、重量やサイズ小型化が進む撮像部のカメラ部に比較し不釣り合いなものとなる。価格、大きさ形状。重量の問題とは別にズームスピードを確保するためズーム部駆動機構だけでなく、制御トルク及び駆動電力も大きくなり耐久性も下がる。例えばズーム比が20倍程度のズームレンズでは重量2Kgwを超え、大きさも長さ200mm以上になり、ズーム比50以上のズームレンズでは重量5Kgw、長さは300mm以上にもなり、高価格である。これらのズーム比の大きいズームレンズは、一般的なビデオカメラ本体が重量も1Kgw以下で、サイズも小さいため、不釣り合いであり適合しない。
【0005】
前述のごとく、ビデオカメラに高ズーム比ズームレンズを採用するにはサイズ、重量、価格に大きな支障がある。よって実際のビデオカメラにはズーム比10程度のズームレンズを用い、それ以上のズーム比を確保するため電子ズームを併用して対応しているが解像度は劣化する。ズームレンズの焦点距離を変更する方法は、ズームレンズにワイドコンバータレンズまたはテレコンバージョンレンズを配置する方法がある(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。コンバージョンレンズは小型軽量であり、ケラレ画発生するものの、ズームレンズの重量、大きさを大きく変化させるものではなく、ズームレンズの焦点距離を変更するに有効な方法ではある。しかしこれらの方法はズーム比を変えるものではなく、ズームレンズ焦点距離の範囲を拡大または縮小するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−292374号公報
【特許文献2】特開平6−138389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上述べたような従来の方法ではズーム比の大きなズームレンズではビデオカメラにそぐわない事が多い、また単に2台のズームレンズ付きビデオカメラを組み合わせても、それぞれの映像は独立しており、それぞれの映像を連続したものとする機能は無い。それぞれのズームレンズの焦点距離可変範囲が大きく重複すれば高ズーム比の映像を得ることは不可能であり、それぞれのズームレンズの焦点距離可変範囲が不連続であれば、広角から望遠まで切れ目無く連続した映像を得ることは不可能である。本発明は前述に鑑み高ズーム比のビデオカメラを実現する方法及び装置の提供を目的とする。
【0008】
本発明では、高ズーム比のビデオカメラを実現するため2台のビデオカメラシステムを用いるがズームレンズ付きビデオカメラを2台使用することでズームレンズにまつわる機能である高ズーム比、小型、低価格を実現するだけでなく副次的な機能向上する方法及び装置の提供を目的とする。
【0009】
また、本発明では、ズームレンズにコンバージョンレンズを配設したビデオカメラでも重量、大きさは殆ど同一であるため2台の前記ビデオカメラを設定しても取り付け架台等の改良は必要なく、またパン方向及びチルト方向移動の機能を持つ機構にも容易に組み込み可能であることから、種々の機器に応用可能な方法を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そして、本発明は上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、ズームレンズを搭載した2台のビデオカメラを撮像対象に平行光軸として並行配置し、前記ビデオカメラのズームレンズ前面にコンバージョンレンズを配設し、前記ズームレンズの焦点距離を縮小または増大するビデオカメラ装置において、2つのズームレンズの焦点距離値が互いに異なりかつ不連続である時、焦点距離の短いズームレンズには焦点距離を増大する望遠のテレコンバージョンレンズを配設する方法、または焦点距離の長いズームレンズには広角のワイドコンバージョンレンズを配設し焦点距離を小さくする方法、または焦点距離の短いズームレンズには望遠のテレコンバージョンレンズを配設すると同時に焦点距離の長いズームレンズには広角のワイドコンバージョンレンズを配設し焦点距離を小さくする方法によって前記2つのズームレンズを搭載した2台のビデオカメラ映像を合成した実効的焦点距離を連続とし、2つのビデオカメラ映像を広角から望遠まで切れ目無く連続した映像を得ることを可能にしたことを特徴としている。撮像画角は前述のごとく、撮像素子のイメージサイズに関連する。2つのズームレンズ付きビデオカメラの撮像素子は説明上、2台のビデオカメラの撮像素子は、ほぼ同一のサイズで、汎用に使用される撮像素子を想定して説明していく。コンバージョンレンズを装着しないときの広角(ワイド)のズームレンズビデオカメラの焦点距離と望遠(テレ)のズームレンズビデオカメラの焦点距離は不連続であるため撮像対象を前記2台のビデオカメラでズーミング撮影しても不連続な映像しか得られない。この不都合を回避するため、広角ズームレンズの前にテレコンバージョンレンズを設置する方法、または望遠ズームレンズの前にワイドコンバージョンレンズを設置する方法、あるいは広角ズームレンズの前の前にテレコンバージョンレンズかつ望遠ズームレンズの前にワイドコンバージョンレンズを設置することで、前記2台のビデオカメラでズーミング撮影しても連続な映像を得ることが可能になり、高ズーム比の映像が得られる。図1、図2、図3にこの機能説明図を示した。
【0011】
請求項2に基づく本発明は、ズームレンズを搭載した2台のビデオカメラを撮像対象に平行光軸として並行配置し、前記ビデオカメラのズームレンズ前面にコンバージョンレンズを配設し、前記ズームレンズの焦点距離を縮小または増大するビデオカメラ装置において、2つのズームレンズの焦点距離値が互いに重複する部分があるとき、焦点距離の短いズームレンズには焦点距離を小さくする広角のワイドコンバージョンレンズを配設する方法、または焦点距離の長いズームレンズには望遠のテレコンバージョンレンズを配設し焦点距離を大きくする方法、または焦点距離の短いズームレンズには広角のワイドコンバージョンレンズを配設し焦点距離を小さくすると同時に焦点距離の長いズームレンズには望遠のテレコンバージョンレンズを配設し焦点距離を大きくする方法によって前記2つのズームレンズを搭載した2台のビデオカメラ映像を合成した実効的ズーム比を拡大可能とし、かつ2つのビデオカメラ映像を広角から望遠まで切れ目無く連続した映像を得ることを可能にしたことを特徴としている。コンバージョンレンズを装着しないときの広角(ワイド)のズームレンズビデオカメラの焦点距離と望遠(テレ)のズームレンズビデオカメラの焦点距離は重複しているため、撮像対象を前記2台のビデオカメラでズーミング撮影しても低いズーム比の映像しか得られない。この不都合を回避するため、広角ズームレンズの前にワイドコンバージョンレンズを設置する方法、または望遠ズームレンズの前にテレコンバージョンレンズを設置する方法、あるいは広角ズームレンズの前の前にワイドコンバージョンレンズかつ望遠ズームレンズの前にテレドコンバージョンレンズを設置することで、前記2台のビデオカメラでズーミング撮影しても連続した高ズーム比の映像が得られる。図4、図5、図6にこの機能説明図を示した。
コンバージョンレンズは軽量のアタッチメントであり、前記2台のビデオカメラのズームレンズは小型軽量の汎用でズーム比が10程度のものを使用することが多く、請求項2にもとづく発明によれば、小型軽量で高ズーム比の映像を得ることが可能となる。例として、2台のビデオカメラのズームレンズが同一のレンズであれば最大2倍のズーム比の映像を得ることができる。
【0012】
2台のビデオカメラのズームレンズが同一のレンズであることは、例えば2台ビデオカメラの平行光軸距離を眼福に設定して、立体映像撮像用に用いることには有効である。請求項2の発明において、高ズーム比機能が必要でない時はコンバージョンレンズを用いなければ、この立体映像機能用途を妨げることはない。このように求める機能によりコンバージョンレンズを使用するか否かの選択が出来る。コンバージョンレンズを用いないときは、2台のビデオカメラの元の機能を損なうことがない。
【0013】
請求項3に基づく本発明は、2台ビデオカメラの平行光軸間の距離による視差を機械的に除去する方法である。撮像対象が無限遠点であれば、撮像対象の位置はずれることはない。しかし、撮像対象が近距離にあるときは2台のビデオカメラの平行光軸間距離によって撮像中心のズレを生ずる。請求項3の発明はこの視差の影響を少なくするため、2台のビデオカメラの光軸の両者を含む平面に垂直軸を設置し、この回転軸回りに広角(ワイド)ズームレンズカメラを微少回転させ撮像対象に正対させるものである。撮像対象の距離と2台のビデオカメラの平行光軸間距離の関係から撮像対象に正対することが出来る。撮像対象の距離は望遠ズームレンズ搭載のビデオカメラのズームレンズ機能より得ることができる。一般的に2台のカメラの配置は垂直離間、または水平離間であることが多く、垂直離間であれば広角ズームレンズ搭載のカメラカメラは垂直方向回転、水平離間であれば水平方向回転となる。図7、図8は請求項3の機能説明図である。
【0014】
請求項4に記載の発明は、2台ビデオカメラの平行光軸間の距離による視差を電気的に除去する方法である。撮像対象が無限遠点であれば、撮像対象の位置はずれることはない。しかし、撮像対象が近距離にあるときは2台のビデオカメラの平行光軸間距離によって撮像中心のズレを生ずる。説明の都合上、広角ズームレンズビデオカメラと望遠ズームカメラの撮像素子のイメージサイズは同一とする。請求項4の発明はこの視差の影響を少なくするため、広角(ワイド)ズームレンズのビデオカメラの撮像素子のイメージサイズを望遠ズームレンズのビデオカメラの撮像素子のイメージサイズより大きく設定し、広角(ワイド)ズームレンズのビデオカメラの撮像素子の映像信号読み出しタイミングを制御することを行う。2台のビデオカメラの平行光軸間距離によって生ずる視差である撮像中心のズレを除去する。図9は視差を補正するために2台のビデオカメラ光軸を交差することなく平行とした構造を示し、図10、図11に撮像素子のイメージサイズが異なる場合の撮像関係を、また図12に広角(ワイド)ズームレンズのビデオカメラの撮像素子の映像信号読み出しタイミングの制御回路を示す。
【0015】
請求項5の発明は、2台のズームレンズ搭載のビデオカメラを、あたかも1台の高ズーム比のズームレンズを搭載したビデオカメラ信号としてする手段を示す。高ズーム比を得るには2台のビデオカメラの焦点距離の重複部分を小さくすれば効率がよい、しかし2台のビデオカメラ映像を切れ目無く撮像信号を得るためには若干の重複部分を必要とする。これは2台のカメラ映像を切り替え、あたかも1台の高ズーム比のビデオカメラとするには2台のビデオカメラ映像切り替える焦点距離ポイントを設定することが求められる為である。広角ズームレンズビデオカメラと望遠ズームビデオカメラの焦点距離の重複部分に映像切り替えのための焦点距離の設定値を決め、動作中のズームレンズの焦点距離と映像切り替え設定焦点距離値を比較し、広角ズームレンズビデオカメラ映像と望遠ズームレンズビデオカメラ映像を切り替える手段である。この方法によりスムーズな映像切り替え機能を実現している。図13は、この広角ズームレンズビデオカメラと望遠ズームカメラの焦点距離の重複部分に映像切り替えのための焦点距離の設定値の決定例を図として示した。図14は切り替え機能の回路ブロックである。切り替え設定値と実働しているズームレンズの焦点距離値により、映像切り替えを行う。比較のための実働ズームレンズの焦点距離値は広角ズームレンズ、望遠ズームレンズの焦点距離値のいずれでも良い。
【発明の効果】
【0016】
このような構成により、高価格で、従来業務用分野での応用に限られていた高ズーム比ビデオカメラを低価格かつ重量、サイズを抑えて実現できる。本発明の趣旨の範囲で他の態様としても有効である。例えば2台だけでなく、より多くのビデオカメラと本発明の映像切り替え手段を用いれば、よりズーム比の高いズームレンズビデオカメラを小型、安価に提供できる。また、簡便なアタッチメント対応であるため改良対象となる機器の性能を損なうこともない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明によるビデオカメラシステムの説明図である。
【図2】本発明によるビデオカメラシステムの説明図である。
【図3】本発明によるビデオカメラシステムの説明図である。
【図4】本発明によるビデオカメラシステムの説明図である。
【図5】本発明によるビデオカメラシステムの説明図である。
【図6】本発明によるビデオカメラシステムの説明図である。
【図7】本発明による実施形態の説明図である。
【図8】本発明による実施形態の説明図である。
【図9】本発明による実施形態の説明図である。
【図10】本発明による実施形態の説明図である。
【図11】本発明による実施形態の説明図である。
【図12】本発明による実施形態の説明図である。
【図13】本発明による実施形態の説明図である。
【図14】本発明による実施形態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を具体化した実施形態を図に基づいて説明する。図は説明の都合上模式的に描いてある。図1は本発明に係るコンバージョンレンズ装着手段を示す。広角ズームレンズ(101)と撮像部及び制御回路(103)から成る広角ズームビデオカメラと、その広角ズームレンズの最小焦点距離f1(105)、最大焦点距離f2(106)の焦点距離可動範囲(107)を示す。望遠ズームレンズ(102)と撮像部及び制御回路(104)から成る望遠ズームビデオカメラと、その望遠ズームレンズの最小焦点距離f3(108)、最大焦点距離f2(109)の焦点距離可動範囲(110)を示す。これら焦点距離の関係は焦点距離座標軸(112)、(113)、(114)で説明される。広角ズームレンズ(101)の焦点距離可動範囲(107)と望遠ズームレンズ(102)の焦点距離可動範囲(110)とは不連続な焦点距離範囲(110)がある。この不連続のため2台のビデオカメラによる撮像は連続したズーム変化映像は得ることができない。これに対する改善手段として矢印(120)で示される図1の下部にテレコンバージョンレンズ(119)をレンズ(101)前に配した状態を示す。その最小焦点距離f1T(108)、最大焦点距離f2T(109)及びそれらによる焦点距離可動範囲(110)をシフトする状態を示している。テレコンバージョンレンズ(119)により、焦点距離は重複部分(118)が生じ可動焦点距離が切れ目無く連続としてつながり、2台のビデオカメラによる撮像は連続したズーム変化映像を得ることができる。
【0019】
図1はテレコンバージョンレンズ(119)を広角ズームレンズ(101)に配した例であるが、逆にワイドコンバージョンレンズを望遠ズームレンズ(102)の前に配することでも連続したズーム変化映像を得ることができる。図2において、ワイドコンバージョンレンズを望遠ズームレンズ(202)の前に配し、望遠ズームビデオカメラの焦点距離の変化を示す。その最小焦点距離f3W(215)、最大焦点距離f4W(216)、焦点距離可動範囲(217)がシフトしている。ワイドコンバージョンレンズを配した望遠ズームレンズビデオカメラの焦点可動範囲(217)と広角ズームレンズビデオカメラの焦点可動範囲(207)は重複する焦点距離部(218)が生じ、2台の可動焦点距離が切れ目無く連続としてつながり、2台のビデオカメラによる撮像は連続したズーム変化映像を得ることができる。
【0020】
図1、図2はテレコンバージョンレンズを広角ズームレンズに、ワイドコンバージョンレンズを望遠ズームレンズにそれぞれ配置したものであるが、それぞれ単独のコンバージョンレンズでなく、テレコンバージョンレンズを広角ズームレンズに、ワイドコンバージョンレンズを望遠ズームレンズに装着して同様の機能を得ることが可能で、図3にこの手段を示す。テレコンバージョンレンズ(322)を広角ズームレンズ(301)に、ワイドコンバージョンレンズ(323)を望遠コンバージョンレンズ(302)に配置し、それぞれの焦点距離f1T(315)、f2T(316)、焦点距離可動範囲(317)及び焦点距離f3W(318)、f4W(319)、焦点距離可動範囲(320)をシフトし、焦点距離可動範囲に重複部(321)を得ることにより2台のビデオカメラの可動焦点距離が切れ目無く連続としてつながり、2台のビデオカメラによる撮像は連続したズーム変化映像を得ることができる。図1、図2、図3はコンバージョンレンズを装着しないとき、2台のビデオカメラ焦点距離可動範囲が不連続な時に対応する発明例である。これら図1、図2、図3の実施例により高ズーム比のビデオカメラを実現する。
【0021】
図4、図5、図6は、はコンバージョンレンズを装着しないとき、2台のビデオカメラ焦点距離可動範囲の重複部分が多い時の対応である。この重複部分が多いと高ズーム比の実現を得ることは出来ない。コンバージョンレンズをズームレンズの前に配置することにより重複部分が多い不都合を解消できる。テレコンバージョンレンズ(419)を望遠ズームレンズ(402)に、またはワイドコンバージョンレンズ(519)を広角ズームレンズ(501)前に配置する方法や、テレコンバージョンレンズ(623)を望遠ズームレンズ(602)の前に配置し、かつワイドコンバージョンレンズ(622)を広角ズームレンズ(601)前に配置することにより、焦点距離可動範囲の重複部(411)、(511)、(611)を(418)、(518)(621)のように少なくすることが可能となり、高ズーム比を得ることが出来る。
【0022】
図7は2台のビデオカメラの2つの光軸を平行光軸として並行配置した時に生ずる視差の補正手段を示している。図7は、2つのビデオカメラを上下に配置し上部に広角ズームビデオカメラ(701)、下部に望遠ズームレンズビデオカメラ(702)を設置した例である。互いの上下配置されたビデオカメラには光軸間距離が存在し、ビデオカメラによる映像には視差が生じる。この視差は撮像対象(706)の距離(705)が大きいときは無視できるが、近距離撮影時には互いのビデオカメラ撮像映像の中心にズレを生じる。このため2つカメラ映像を切り替えスムーズなズーム映像得るには映像中心のズレを少なくすることが求められる。この手段としてズームカメラからの撮像距離情報により、広角ズームビデオカメラ(701)を微少回転(707)させ、光軸(703)と望遠ズームレンズビデオカメラ(702)の光軸(704)を想定される撮像点に交差させ、互いのビデオカメラ映像の中心を一致させる。図7の例では2つの光軸を含む平面(紙面)に垂直な軸(708)回りに広角ズームレンズビデオカメラ(701)を回転させる。図7は、2つのビデオカメラを上下に配置し上部に広角ズームビデオカメラ(701)、下部に望遠ズームレンズビデオカメラ(702)を設置した例であるが、この配置を水平に左右配置した場合にも、2つのビデオカメラには互いの光軸間の距離が存在し、2つのビデオカメラによる映像には視差が生じる。2つのビデオカメラを水平の左右配置では2つの光軸を含む平面に垂直な軸回りに広角ズームレンズビデオカメラを水平方向に回転させ光軸を交差させ視差補正を行う。
【0023】
図7における構造の制御系であるズームレンズビデオカメラシステム(800)を図8に示した。ズームレンズ部(801)、(802)及びその制御回路(803)はそのフォーカス機能、ズーム倍率機能を持ち、これらから撮像対象の距離を把握できる。これら機能情報は広角ズームレンズ、望遠ズームレンズのどちらからでも得られるが撮像対象の解像度の関係から望遠ズームレンズによる方が望ましい。撮像距離情報によって広角ズームレンズビデオカメラの光軸(703)を回転(707)させる駆動回路(804)を持つ。図7の構造、図8の制御によって近距離撮影時には互いのビデオカメラ撮像映像の中心にズレを減少させ2つカメラ映像を切り替えた時でもスムーズなズーム映像得ることが出来る。
【0024】
図9、図10、図11、図12は図7、図8の方法による視差補正の駆動機構を利用しないで視差補正を実現する方法を示す。図9は2つのビデオカメラの配置例を示しており、広角ズームレンズビデオカメラ(901)は望遠ズームレンズビデオカメラ(902)の上部に配置してある。その互いの光軸(903)、(904)は図7の様には交差せず平行である。図10に広角ズームレンズによる撮像対象(1001)、望遠ズームレンズの撮像対象(1002)を撮像したときの撮像素子(1003)、(1004)への映像取り込み状態を示す。それぞれの撮像対象(1001)と(1002)の中心は一致している状態を示す。広角ズームレンズは焦点距離fW(1009)であり撮像対象(1001)は撮像素子(1003)に投影される。望遠ズームレンズは焦点距離fT(1006)であり撮像対象(1002)は撮像素子(1004)に投影される。撮像対象距離L(1007)は異なるように見えるが紙面上の説明によるためであり実際は同じ距離を示している。説明上、撮像素子(1003)、(1004)は同じイメージサイズを想定している。広角ズームレンズビデオカメラ(901)と望遠ズームビデオカメラ(902)は光軸間距離D(1005)が存在するため、2つのビデオカメラの光軸が平行では視差を生じる。ここで広角ズームレンズビデオカメラの撮像素子(1003)より大きいイメージサイズの撮像素子(1008)を従来の撮像素子(1003)に代えて配置する。撮像素子(1003)と撮像素子(1008)の中心位置は一致しているものとする。例えば撮像距離が無限遠方であれば撮像対象(1001)は撮像素子(1008)の中心位置に投影される。けれども近距離撮像では光軸間距離D(1005)だけ離間していることによる視差のため、投影映像は垂直方向のズレ量ΔV(1010)を持つ。もし撮像素子が今までのイメージサイズの撮像素子(1003)であれば、撮像素子の有効範囲を逸脱すると同時に、広角ズームレンズビデオカメラ(901)と望遠ズームビデオカメラ(902)による映像中心はズレを発生する。撮像素子(1008)に投影される映像の中心はズレを発生するものの撮像素子(1008)は撮像素子(1003)よりイメージサイズが大きく撮像素子の有効範囲の逸脱は無い。撮像素子(1008)による映像信号は図12における撮像素子読み出しクロック位相を制御(1204)することで広角ズームレンズビデオカメラの映像中心を望遠ズームレンズビデオカメラ映像の中心と一致させることが出来、高ズーム比でスムーズな映像を得られる。
【0025】
図10は広角ズームレンズビデオカメラ(901)を望遠ズームレンズビデオカメラ(902)の上部に配置し、その互いの光軸(903)、(904)は図7の様には交差せず平行である時の撮像状態を示している。図11は、広角ズームレンズビデオカメラ(901)を望遠ズームレンズビデオカメラ(902)に対し水平の左右位置に配設し、その互いの光軸(903)、(904)は互いの光軸を交差させず平行である時の撮像状態を示している。広角ズームレンズによる撮像対象(1101)、望遠ズームレンズの撮像対象(1102)を撮像したときの撮像素子(1103)、(1104)への映像取り込み状態を示す。それぞれの撮像対象(1101)と(1102)の中心は一致している状態である。広角ズームレンズは焦点距離fW(1109)であり撮像対象(1001)は撮像素子(1103)に投影される。望遠ズームレンズは焦点距離fT(1106)であり撮像対象(1102)は撮像素子(1104)に投影される。撮像対象距離L(1107)は異なるように見えるが紙面上の説明によるためであり実際は同じ距離を示している。説明上、撮像素子(1103)、(1104)は同じイメージサイズを想定している。広角ズームレンズビデオカメラと望遠ズームビデオカメラは光軸間距離D(1105)が存在するため、2つのビデオカメラの光軸が平行では視差を生じる。ここで広角ズームレンズビデオカメラの撮像素子(1103)より大きいイメージサイズの撮像素子(1108)を従来の撮像素子(1103)に代えて配置する。撮像素子(1103)と撮像素子(1108)の中心位置は一致しているものとする。例えば撮像距離が無限遠方であれば撮像対象(1101)は撮像素子(1108)の中心位置に投影される。けれども近距離撮像では光軸間距離D(1105)だけ離間していることによる視差のため、投影映像は水平方向のズレ量ΔH(1110)を持つ。もし撮像素子が今までのイメージサイズの撮像素子(1103)であれば、撮像素子(1103)の有効範囲を逸脱すると同時に、広角ズームレンズビデオカメラと望遠ズームビデオカメラによる映像中心はズレを発生する。撮像素子(1108)に投影される映像の中心はズレを発生するものの撮像素子(1108)は撮像素子(1103)よりイメージサイズが大きく撮像素子の有効範囲の逸脱は無い。撮像素子(1108)による映像信号は図12における撮像素子読み出しクロック位相を制御(1204)することで広角ズームレンズビデオカメラの映像中心を望遠ズームレンズビデオカメラ映像の中心と一致させることが出来、高ズーム比でスムーズな映像を得られる。
【0026】
図13、図14は高ズーム比を確保し、かつ効率的な広角ズームレンズビデオカメラ映像と望遠ズームレンズビデオカメラ映像の切り換え方法を示す。図13はコンバージョンレンズをズームレンズの前面に配置し高ズーム比を実現している構成を示す。コンバージョンレンズは、ひとつでもかまわない。焦点距離重複部分(1321)の範囲に広角ズームレンズビデオカメラ映像と望遠ズームレンズビデオカメラ映像の切り換えを行うための焦点距離設定値(1324)を決定する。ズームレンズは焦点距離値を得ることが可能であり、図14は広角ズーレンズまたは望遠ズームレンズの焦点距離値を得て焦点距離設定値(1324)と比較し、映像信号制御回路(1401)、(1402)で映像の切り換えをスイッチ(1403)することにより、広角ズームレンズビデオカメラ映像と望遠ズームレンズビデオカメラ映像の信号の切り換えを行う。この手段によって高ズーム比の映像を切れ目無く撮像することが可能となる。
【符号の説明】
【0027】
101 広角ズームレンズ
102 望遠ズームレンズ
103 広角ビデオカメラ部
104 望遠ビデオカメラ部
105 広角ズームレンズの最小焦点距離
106 広角ズームレンズの最大焦点距離
107 広角ズームレンズ焦点距離可動範囲
108 望遠ズームレンズの最小焦点距離
109 望遠ズームレンズの最大焦点距離
110 望遠ズームレンズ焦点距離可動範囲
111 不連続な焦点距離範囲
112 焦点距離座標軸
113 焦点距離座標軸
114 焦点距離座標軸
115 テレコンバージョンレンズを装着した広角ズームレンズの最小焦点距離
116 テレコンバージョンレンズを装着した広角ズームレンズの最大焦点距離
117 テレコンバージョンレンズを装着した広角ズームレンズ焦点距離可動範囲
118 重複した焦点距離範囲
119 テレコンバージョンレンズ
120 手段提示矢印
201 広角ズームレンズ
202 望遠ズームレンズ
203 広角ビデオカメラ部
204 望遠ビデオカメラ部
205 広角ズームレンズの最小焦点距離
206 広角ズームレンズの最大焦点距離
207 広角ズームレンズ焦点距離可動範囲
208 望遠ズームレンズの最小焦点距離
209 望遠ズームレンズの最大焦点距離
210 望遠ズームレンズ焦点距離可動範囲
211 不連続な焦点距離範囲
212 焦点距離座標軸
213 焦点距離座標軸
214 焦点距離座標軸
215 ワイドコンバージョンレンズを装着した望遠ズームレンズの最小焦点距離
216 ワイドコンバージョンレンズを装着した望遠ズームレンズの最大焦点距離
217 ワイドコンバージョンレンズを装着した望遠ズームレンズ焦点距離可動範囲
218 重複した焦点距離範囲
219 ワイドコンバージョンレンズ
220 手段提示矢印
301 広角ズームレンズ
302 望遠ズームレンズ
303 広角ビデオカメラ部
304 望遠ビデオカメラ部
305 広角ズームレンズの最小焦点距離
306 広角ズームレンズの最大焦点距離
307 広角ズームレンズ焦点距離可動範囲
308 望遠ズームレンズの最小焦点距離
309 望遠ズームレンズの最大焦点距離
310 望遠ズームレンズ焦点距離可動範囲
311 不連続な焦点距離範囲
312 焦点距離座標軸
313 焦点距離座標軸
314 焦点距離座標軸
315 テレコンバージョンレンズを装着した広角ズームレンズの最小焦点距離
316 テレコンバージョンレンズを装着した広角ズームレンズの最大焦点距離
317 テレコンバージョンレンズを装着した広角ズームレンズ焦点距離可動範囲
318 ワイドコンバージョンレンズを装着した望遠ズームレンズの最小焦点距離
319 ワイドコンバージョンレンズを装着した望遠ズームレンズの最大焦点距離
320 ワイドコンバージョンレンズを装着した望遠ズームレンズ焦点距離可動範囲
321 重複した焦点距離範囲
322 テレコンバージョンレンズ
323 ワイドコンバージョン
324 手段提示矢印
401 広角ズームレンズ
402 望遠ズームレンズ
403 広角ビデオカメラ部
404 望遠ビデオカメラ部
405 広角ズームレンズの最小焦点距離
406 広角ズームレンズの最大焦点距離
407 広角ズームレンズ焦点距離可動範囲
408 望遠ズームレンズの最小焦点距離
409 望遠ズームレンズの最大焦点距離
410 望遠ズームレンズ焦点距離可動範囲
411 重複した焦点距離範囲
412 焦点距離座標軸
413 焦点距離座標軸
414 焦点距離座標軸
415 テレコンバージョンレンズを装着した望遠ズームレンズの最小焦点距離
416 テレコンバージョンレンズを装着した望遠ズームレンズの最大焦点距離
417 テレコンバージョンレンズを装着した望遠ズームレンズの焦点距離可動範囲
418 重複した焦点距離範囲
419 テレコンバージョンレンズ
420 手段提示矢印
501 広角ズームレンズ
502 望遠ズームレンズ
503 広角ビデオカメラ部
504 望遠ビデオカメラ部
505 広角ズームレンズの最小焦点距離
506 広角ズームレンズの最大焦点距離
507 広角ズームレンズ焦点距離可動範囲
508 望遠ズームレンズの最小焦点距離
509 望遠ズームレンズの最大焦点距離
510 望遠ズームレンズ焦点距離可動範囲
511 重複した焦点距離範囲
512 焦点距離座標軸
513 焦点距離座標軸
514 焦点距離座標軸
515 ワイドコンバージョンレンズを装着した広角ズームレンズの最小焦点距離
516 ワイドコンバージョンレンズを装着した広角ズームレンズの最大焦点距離
517 ワイドコンバージョンレンズを装着した広角ズームレンズの焦点距離可動範囲
518 重複した焦点距離範囲
519 ワイドコンバージョンレンズ
520 手段提示矢印
601 広角ズームレンズ
602 望遠ズームレンズ
603 広角ビデオカメラ部
604 望遠ビデオカメラ部
605 広角ズームレンズの最小焦点距離
606 広角ズームレンズの最大焦点距離
607 広角ズームレンズ焦点距離可動範囲
608 望遠ズームレンズの最小焦点距離
609 望遠ズームレンズの最大焦点距離
610 望遠ズームレンズ焦点距離可動範囲
611 重複した焦点距離範囲
612 焦点距離座標軸
613 焦点距離座標軸
614 焦点距離座標軸
615 ワイドコンバージョンレンズを装着した広角ズームレンズの最小焦点距離
616 ワイドコンバージョンレンズを装着した広角ズームレンズの最大焦点距離
617 ワイドコンバージョンレンズを装着した広角ズームレンズの焦点距離可動範囲
618 テレコンバージョンレンズを装着した望遠ズームレンズの最小焦点距離
619 テレコンバージョンレンズを装着した望遠ズームレンズの最大焦点距離
620 テレコンバージョンレンズを装着した望遠ズームレンズの焦点距離可動範囲
621 重複した焦点距離範囲
622 ワイドコンバージョンレンズ
623 テレコンバージョンレンズ
624 手段提示矢印
701 広角ズームレンジビデオカメラ
702 望遠ズームレンジビデオカメラ
703 広角ズームレンジビデオカメラ光軸
704 望遠ズームレンジビデオカメラ光軸
705 撮像対象距離
706 撮像対象
707 回転動作
708 回転軸
800 ズームレンズビデオカメラシステム
801 広角ズームレンズビデオカメラ部
802 望遠ズームレンズビデオカメラ部
803 映像処理及び制御回路
804 視差補正角回転制御部
901 広角ズームレンジビデオカメラ
902 望遠ズームレンジビデオカメラ
903 広角ズームレンズビデオカメラ光軸
904 望遠ズームレンズビデオカメラ光軸
905 撮像対象距離
906 撮像対象
1001 広角ズームレンズビデオカメラ撮像対象
1002 望遠ズームレンズビデオカメラ撮像対象
1003 撮像素子
1004 撮像素子
1005 広角ズームレンズビデオカメラと望遠ズームレンズビデオカメラの光軸間距離
1006 望遠ズームレンズの焦点距離
1007 撮像対象距離
1008 撮像素子
1009 広角ズームレンズの焦点距離
1010 視差ズレ量
1011 仮想の撮像素子
1101 広角ズームレンズビデオカメラ撮像対象
1102 望遠ズームレンズビデオカメラ撮像対象
1103 撮像素子
1104 撮像素子
1105 広角ズームレンズビデオカメラと望遠ズームレンズビデオカメラの光軸間距離
1106 望遠ズームレンズの焦点距離
1107 撮像対象距離
1108 撮像素子
1109 広角ズームレンズの焦点距離
1110 視差ズレ量
1111 仮想の撮像素子
1200 ズームレンズビデオカメラシステム
1201 広角ズームレンズビデオカメラ部
1202 望遠ズームレンズビデオカメラ部
1203 映像処理部及び制御回路
1204 映像素子制御回路
1301 広角ズームレンズ
1302 望遠ズームレンズ
1303 広角ビデオカメラ部
1304 望遠ビデオカメラ部
1312 焦点距離座標軸
1313 焦点距離座標軸
1314 焦点距離座標軸
1315 ワイドコンバージョンレンズによる広角ズームレンズの最小焦点距離
1316 ワイドコンバージョンレンズによる広角ズームレンズの最大焦点距離
1317 ワイドコンバージョンレンズによる広角ズームレンズの焦点距離可動範囲
1318 テレコンバージョンレンズによる望遠ズームレンズの最小焦点距離
1319 テレコンバージョンレンズによる望遠ズームレンズの最大焦点距離
1320 テレコンバージョンレンズによる望遠ズームレンズの焦点距離可動範囲
1321 重複した焦点距離範囲
1322 ワイドコンバージョンレンズ
1323 テレコンバージョンレンズ
1324 切り換えを行うための焦点距離設定値
1401 映像信号制御回路
1402 映像信号制御回路
1403 切り換えスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ズームレンズを搭載した2台のビデオカメラを撮像対象に平行光軸として並行配置し、前記ビデオカメラのズームレンズ前面にコンバージョンレンズを配設し、前記ズームレンズの焦点距離を縮小または増大するビデオカメラ装置において、2つのズームレンズの焦点距離値が互いに異なりかつ不連続である時、焦点距離の短いズームレンズには焦点距離を増大する望遠のテレコンバージョンレンズを配設する方法、または焦点距離の長いズームレンズには広角のワイドコンバージョンレンズを配設し焦点距離を小さくする方法、または焦点距離の短いズームレンズには望遠のテレコンバージョンレンズを配設し焦点距離を長くすると同時に焦点距離の長いズームレンズには広角のワイドコンバージョンレンズを配設し焦点距離を小さくする方法によって前記2つのズームレンズを搭載した2台のビデオカメラ映像を合成した実効的焦点距離を連続とし、2つのビデオカメラ映像を広角から望遠まで切れ目無く連続した映像を得ることを可能にしたことを特徴とするビデオカメラ装置。
【請求項2】
ズームレンズを搭載した2台のビデオカメラを撮像対象に平行光軸として並行配置し、前記ビデオカメラのズームレンズ前面にコンバージョンレンズを配設し、前記ズームレンズの焦点距離を縮小または増大するビデオカメラ装置において、2つのズームレンズの焦点距離値が互いに重複する部分があるとき焦点距離の短いズームレンズには焦点距離を小さくする広角のワイドコンバージョンレンズを配設する方法、または焦点距離の長いズームレンズには望遠のテレコンバージョンレンズを配設し焦点距離を大きくする方法、または焦点距離の短いズームレンズには広角のワイドコンバージョンレンズを配設し焦点距離を小さくすると同時に焦点距離の長いズームレンズには望遠のテレコンバージョンレンズを配設し焦点距離を大きくする方法によって前記2つのズームレンズを搭載した2台のビデオカメラ映像を合成した実効的ズーム比を拡大可能とし、かつ2つのビデオカメラ映像を広角から望遠まで切れ目無く連続した映像を得ることを可能にしたことを特徴とするビデオカメラシステム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のビデオカメラ装置において、焦点距離の大きい(望遠)ビデオカメラから撮像対象の距離を得て、焦点距離の短い(広角)ビデオカメラの光軸を撮像対象方向に向け焦点距離の大きい(望遠)ビデオカメラによる撮像映像中心と焦点距離の短い(広角)ビデオカメラの撮像映像中心を一致させる機構を持つビデオカメラ装置で、前記機構は2台のビデオカメラの両光軸を含む平面に垂直な回転軸を設け回転可能とし、焦点距離の短い(広角)ビデオカメラを撮像対象に正対させ、光軸間距離に起因する視差を補正することを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のビデオカメラ装置において、焦点距離の短い(広角)ビデオカメラの撮像素子イメージサイズを焦点距離の長い(望遠)ビデオカメラの撮像素子イメージサイズよりも大きく設定し、かつ焦点距離の短いビデオカメラの撮像素子の読み出しタイミングを制御することにより、焦点距離の長い(望遠)ビデオカメラの撮像映像の中心と焦点距離の短い(広角)ビデオカメラの撮像映像の中心を一致させるビデオカメラ装置。
【請求項5】
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4に記載のコンバージョンレンズを配した2台のビデオカメラの焦点距離が重複する部分に映像切り換えの焦点設定値を設け、焦点距離の短い(広角ズームレンズ)ビデオカメラの焦点距離値が前記設定値より大きいときは焦点距離が長い(望遠ズームレンズ)ビデオカメラ映像信号を出力し、焦点距離の短い(広角ズームレンズ)ビデオカメラの焦点距離値が前記設定値より小さいときは(広角ズームレンズ)のビデオカメラ映像信号を出力して2つのビデオカメラ映像を広角から望遠まで切れ目無く連続した映像をひとつの映像信号として切り替え出力すること、または焦点距離の長い(望遠ズームレンズ)ビデオカメラの焦点距離値が前記設定値より小さいときは焦点距離が短い(広角ズームレンズ)ビデオカメラ映像信号を出力し、焦点距離の長い(望遠)ビデオカメラの焦点距離値が前記設定値より大きいときは(望遠ズームレンズ)ビデオカメラ映像信号を出力して2つのビデオカメラ映像を広角から望遠まで切れ目無く連続した映像をひとつの映像信号として切り替え出力することを特徴とする撮像装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2012−83685(P2012−83685A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−241433(P2010−241433)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(510165378)株式会社NEXTコア (2)
【Fターム(参考)】