説明

セキュリティ確保型リモート監視装置および方式

【課題】プライバシーの確保をしつつ、監視システムの複数の利用者の各々が所定の撮影対象者を効率よく監視する。
【解決手段】ユーザの認証を行うユーザ認証手段と、認証された前記ユーザに対応し、前記ユーザによる監視の対象である監視対象者を画定する監視対象者画定手段と、前記監視対象者を撮影して画像を出力する撮影手段と、前記撮影手段によって得られた前記画像の中の前記監視対象者の画像部分のみを未処理のまま前記画像を出力する撮影情報処理手段と、を含む監視システムが開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視カメラを用いて撮影対象者を監視するリモート監視システムおよび方法に関し、特に、リモート監視システムのユーザを認証し、そのユーザに対応して定まる撮影対象者を特定し、監視カメラを用いてその撮影対象者のみを監視するリモート監視システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
屋内、屋外を問わず、予め設置された監視カメラを用いて周囲の様子を監視する監視システムが実用化されている。そのようなシステムとして、たとえば、マンションのエントランス等で建物に入退出する人物を監視するシステムが挙げられる。また、インターネット等を利用して外出先等から自宅等に設置された監視カメラを操作し、自宅等に残されたペットや子供の様子を監視、撮影するリモート監視システムが知られている(非特許文献1)。このような監視システムでは、マンションの管理人など監視システムの予め定められた一人の利用者である監視者のみが、監視カメラで撮影された画像を見ることが想定されていた。
【0003】
しかし、防犯対策に公共の場に監視カメラが設置されるようになると、予め定められた一人の監視者だけでなく、複数の人が監視カメラで撮影された画像を見ることができるようになってきた。それに伴い、監視される側の人間のプライバシーが問題となってきた。たとえば、住宅街、ショッピングセンター、商店街、街路、マンション、公園、幼稚園、学校など、防犯対策に公共の場に監視カメラが設置されるようになると、予め定められた一人の監視者だけでなく、複数の監視者が監視カメラで撮影された画像を見ることがある。この場合、見られる方の人々のプライバシーを考慮すると、リモート監視システムの利用者は、ユーザ認証を経て、特定の撮影対象者のみを監視対象とすることが望まれる。
【0004】
たとえば、プライバシーの確保をしつつ、監視システムの複数の利用者に監視カメラの画像を公開するための技術として、監視システムの利用者を認証し、その利用者に対応して定まる特定の人物の周囲のみを撮影する技術がある(特許文献1)。より詳細には、この技術は、監視対象とする人物、すなわち撮影対象者の識別情報と、その人物を撮影対象とする監視者の識別情報を対応付け、監視者の識別情報で決まる撮影対象者の周囲のみを、監視カメラで撮影し、監視者に提示するシステムである。
【0005】
また、住宅街などプライバシーの制約の多い場所に監視カメラを設置して監視を行うシステムであって、特定の人を撮影対象者から除外するために、その人に携帯発信装置を持たせるなどして、その人の位置を特定し、監視カメラで撮影された画像から、携帯発信装置の周囲にマスキング処理をする技術が知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−318333号公報
【特許文献2】特開2005−269489号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】NTTコミュニケーションズ、るす番モニター紹介サイト「るす番モニターとは」URL:http://rusumoni.jp/service.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、撮影される側の人または物のプライバシーの確保の目的のために、監視カメラで撮影された画像のうち、監視システムの利用者に対応して定まる特定の人物の周囲の領域や、携帯発信装置など位置を特定できる装置を用いて定められた領域のみを残すまたは残さない処理を行う監視システムでは、その領域に写っている撮影対象者から除外すべき人物が画像に残ってしまう可能性があるという問題があった。
【0009】
さらに、プライバシー保護の強化のために、未処理のまま残す画像の領域の広さを小さくすれば、撮影された画像のうち処理をする領域の面積が大きくなり、処理に時間が掛かるという問題があった。逆に、未処理のまま残す画像の領域の広さを大きくすれば、本来、撮影対象者としない人も画像に残ってしまうという問題があった。
【0010】
本発明は、上述のような問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、プライバシーの確保をしつつ、監視システムの複数の利用者の個々が所定の撮影対象者を効率よく監視することが可能なリモート監視システムおよび方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に従う監視システムは、ユーザの認証を行うユーザ認証手段と、認証された前記ユーザに対応し、前記ユーザによる監視の対象である監視対象者を画定する監視対象者画定手段と、前記監視対象者を撮影して画像を出力する撮影手段と、前記撮影手段によって得られた前記画像の中の前記監視対象者の画像部分のみを未処理のまま前記画像を出力する撮影情報処理手段と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
撮影手段によって取得された画像の中の、監視システムのユーザに対応する撮影対象者およびそのグループメンバー以外の人および物に対して、プライバシー確保のための画像処理を行うことで、プライバシーの確保をしつつ、監視システムの複数のユーザの各々が所定の撮影対象者を効率よく監視することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に従うリモート監視システムの概略図である。
【図2】本発明の実施形態に従う、図1のリモート監視装置のブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に従う、図1のリモート監視装置の構成図である。
【図4】本発明の実施形態に従う、図1のリモート監視装置の認証情報格納部に収容されるデータの例である。
【図5】本発明の実施形態に従う、図1のリモート監視装置の撮影対象格納部に収容されるデータの例である。
【図6】本発明の実施形態に従う、図1のリモート監視装置の顔情報化格納部に収容されるデータの例である。
【図7】本発明の実施形態に従う、図1のリモート監視装置の位置情報格納部に収容されるデータの例である。
【図8】本発明の実施形態に従う、図1のリモート監視装置のグループ情報格納部に収容されるデータの例である。
【図9】本発明の実施形態に従うリモート監視方法の監視処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態に従うリモート監視方法の位置情報管理処理の例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態に従うリモート監視方法の利用者認証処理の例を示すフローチャートである。
【図12A】本発明の実施形態に従うリモート監視方法の撮影・セキュリティマスク処理の例の詳細を示すフローチャートである。
【図12B】本発明の実施形態に従うリモート監視方法の撮影・セキュリティマスク処理の例の詳細を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施形態の変形例に従うリモート監視装置の認証情報格納部に収容されるデータの例である。
【図14】本発明の実施形態の変形例に従うリモート監視装置の撮影対象格納部に収容されるデータの例である。
【図15】本発明の実施形態の変形例に従うリモート監視装置の顔情報化格納部に収容されるデータの例である。
【図16】本発明の実施形態の変形例に従うリモート監視装置の位置情報格納部に収容されるデータの例である。
【図17】本発明の実施形態の変形例に従うリモート監視装置のグループ情報格納部に収容されるデータの例である。
【図18】本発明の実施形態の変形例に従うリモート監視方法の位置情報管理処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明をする。尚、図中で類似の部分または類似の機能を果たす部分については、同一または類似の参照符号を付与して重複した説明を省略する。
【0015】
<システムの構成>
図1は、本発明の実施形態に従うリモート監視システム100の概略図である。本システム100は、部屋の中に居り、タグ60、62、64、66をそれぞれ所有する複数の人を、プライバシーに配慮しながら、端末10、12を利用する複数の人によって監視するシステムである。部屋の例としては、幼稚園、保育園、学校などの教室の中、オフィスの一室、マンションのエントランスなどを例示することができる。より詳細には、リモート監視システム100は次のような処理を行うことができる。即ち、まず、端末の利用を許可されるユーザ(利用者とも呼ぶ)の各々には、撮影が可能な撮影対象者およびその撮影対象者に関連する人(グループメンバーとも呼ぶ)が予め定められている。撮影対象者の位置はタグによって測定するが、カメラをその撮影対象者に向けたとしても、撮影が許可されていない人(撮影対象者およびグループメンバー以外の人)がカメラによって撮影された画像には含まれてしまうことがある。そのような場合であっても、画像中に映っている撮影が許可されていない人または物のプラバシーを保護するために、たとえば撮影が許可されていない人または物の画像の全体または一部にモザイク処理を施し、処理された画像を端末のユーザに示す。このような処理を行うことによって、各々のユーザに対して撮影が許可されていない人または物のプライバシーの確保をしつつ、監視システムの複数の利用者の各々が所定の撮影対象者を効率よく監視することが可能である。別の言葉では、本発明により、リモート監視システム100のユーザと撮影対象者、場合によっては撮影対象者およびそのグループメンバーを自動的に特定することで、撮影対象者、場合によっては撮影対象者およびそのグループメンバー以外の人または物のプライバシーおよび/またはセキュリティ確保が可能なため、不特定多数の人(または物)がいる環境においても、撮影が許可されていない人または物の情報等のプライバシーおよび/またはセキュリティ保護が可能となる。また、システム100のユーザの認証情報に関連する情報に基づき、カメラ等で撮影した映像情報に対して、プライバシーおよび/またはセキュリティ確保のための処理することにより、ユーザで定まる撮影対象者およびそのグループメンバー以外の人および物を特定不能とすることができる。よって、近年個人情報保護の観点で問題となっているセキュリティ漏えいの危惧を未然に防止することができる。
【0016】
本実施形態では、センサを用いてカメラによる監視の対象である監視対象者の位置を特定するために部屋の中を想定したが、本システムの設置場所は部屋の中には限定されてない。本システムの監視カメラは、街路、商店街、住宅地など、屋外に設置されても良い。カメラの設置場所が屋内であっても屋外であっても、センサによってタグを所有する監視対象者の位置が確認でき、その位置をカメラが撮影可能であれば良い。
【0017】
また、本実施形態では撮影対象者を撮影する手段としてカメラを用いているが、カメラには、可視光を用いて像を得るカメラのみならず、赤外線カメラ、超音波カメラなど、撮影対象者の画像を得ることができるものであればどんなカメラでも良い。
【0018】
本システム100は、パーソナルコンピュータ(PC)または携帯デバイス等の端末10、12と、端末10、12に繋がるインターネット等のネットワーク20と、ネットワーク20に繋がるリモート監視装置30を含む。さらに、リモート監視装置30には、部屋の中に存在し、それぞれタグ60、62、64、66を所有する複数の人を監視するカメラ40、42、44と、タグを所有する人の位置を特定するためのセンサ50、52、54、56、58が接続されている。ここで、それぞれのタグには識別子(ID)が付与されており、識別が可能である。さらに、タグのIDによってそれを所有する人も特定されるものとする。
【0019】
端末10、12は、本システム100を利用する利用者が、カメラ40、42、44で撮影された映像を見るために利用する。本実施形態では、端末10、12はネットワーク20を介してリモート監視装置30に接続されているが、端末10、12は直接的にリモート監視装置30に接続されても良い。また、端末10、12とリモート監視装置30は、有線または無線によって電気的に接続されている。また、ネットワーク20は、有線ネットワークでも良いし、無線ネットワークでも、または両者の組み合わせであっても良い。
【0020】
カメラ40、42、44はリモート監視装置30によって制御され、タグ60、62、64、66を所有する複数の人および所有しない人を撮影する。本実施形態では、タグ60、62、64、66を所有する人のみが、本システム100での監視の対象者、即ち撮影対象者の候補となり得る。よって、撮影対象者に関連して定まるグループメンバーも、別のユーザに対する撮影対象者であり得る。カメラによって撮影対象者を撮影する目的は監視にあるので、カメラによって得られた画像によって、撮影対象者が判別可能である必要がある。たとえば、タグを所有している撮影対象者の後姿しか写っていない場合には再度、別のカメラによって画像を取得する。撮影対象者が判別可能かどうかは、予めリモート監視装置30中に記憶されている撮影対象者の顔の情報から、画像の中に撮影対象者の顔が含まれているかを判断することによって判定しても良い。撮影対象者およびそのグループメンバー以外の人でカメラ40、42、44に映る人の画像は、端末10、12に転送される前に、リモート監視装置30によって、その人のプライバシーが侵害されないように加工される。
【0021】
センサ50、52、54、56、58は、タグ60、62、64、66の位置を特定し、その情報をリモート監視装置30に送る。本実施形態では、撮影対象者は、タグ60、62、64、66を所有し、センサ50、52、54、56、58によって位置が特定されるが、撮影対象者の位置を特定する方法は、上記の方法に限定されない。たとえば、部屋の中に居る撮影対象者の候補となる人はそれぞれ識別可能な電波を発信する発信機を所有しており、部屋の中には複数のアンテナが設置され、それぞれの発信機の位置を特定しても良い。
【0022】
本システム100の全体の構成は上記のようなものであるが、本システム100の個別の構成要素、たとえば端末10、12、リモート監視装置30、は少なくともネットワーク20に接続可能とする通常のコンピュータ機能を有している必要がある。このようなハードウェアの条件の下で、本システム100の個別の構成要素の処理は、ソフトウェアプログラムが汎用コンピュータにインストールされることで実行される、または専用ハードウェアによって実行される。
【0023】
また、図1では、カメラ40、42、44、およびセンサ50、52、54、56、58は、リモート監視装置30に直接的に接続されているが、ネットワーク20を介してリモート監視装置30に接続されても良い。
【0024】
図2は本発明の実施形態に従う、図1のリモート監視装置30のブロック図であり、図3は、リモート監視装置30の構成図である。
図2を参照すると、リモート監視装置30は、外部インタフェース部300、データ送受信部310、装置制御部320、データベース部330、撮影情報処理部340を含む。装置制御部320はさらに、認証部3200、位置測定部3202、カメラ制御部3204を含む。
【0025】
図3を参照すると、リモート監視装置30は、コンピュータとして構成されており、中央処理装置402、メモリ404、外部インタフェース部406a〜406d、タイマ410を含み、これらはバス408を介して接続されている。リモート監視装置30の外部インタフェース部406aは、外部のネットワーク20に接続される。外部インタフェース部406bは、外部のセンサ、たとえばセンサ50に接続される。外部インタフェース部406cは、外部のカメラ、たとえばカメラ40に接続される。外部インタフェース部406dは、外付けのハードディスクドライブ等の外部記憶デバイスに接続される。
【0026】
本実施形態では、リモート監視装置30の各部はメモリ404に記憶されたコンピュータプログラムによって実現されているが、リモート監視装置30を構成する部の全てまたは一部が専用の電気回路によって実現されていても良い。
【0027】
外部インタフェース部300は、リモート監視装置30と、外部のネットワーク20、カメラ40、42、44、センサ50、52、54、56、58、タグ60、62、64、66および図示されていない適宜用意される外部記憶デバイスとのデータの送受信を行うために備えられる。この外部インタフェース部300は、図3の外部インタフェース部406a〜406dによって構成される。外部インタフェース部300は、データ送受信部310と電気的に接続されている。
【0028】
データ送受信部310は、端末10、12からの情報を外部のネットワーク20を介して電気信号の形式で受信したり、カメラ40、42、44、センサ50、52、54、56、58、およびタグ60、62、64、66等から情報を電気信号の形式で受信したりする。さらにデータ送受信部310は、カメラ40、42、44の動作を制御するために電気信号を送信したり、カメラで撮影され、撮影情報処理部340で処理された画像を端末10、12に向けて送信したりする。
【0029】
さらに、データ送受信部310は、リモート監視装置30と外部のデバイス、たとえば、カメラ40、42、44が通信しているかどうかを確認し、無通信時間が所定の期間を超えると通信を切断する無通信監視タイマ機構を備えている。このデータ送受信部310の処理は、図3のメモリ404中に記憶されているデータ送受信のためのコンピュータプログラムを用いて、CPU402によって行われる。また、無通信監視タイマ機構の実現には、図3のタイマ410も用いられる。本実施形態では、データ送受信部310は、装置制御部320および撮影情報処理部340と電気的に接続されている。
【0030】
装置制御部320は、データ送受信部310によって受信された外部のネットワーク20、カメラ40、42、44、センサ50、52、54、56、58、およびタグ60、62、64、66等からの情報を用いて、端末のユーザを認証する、タグの位置を算出するなどの処理を行う。また、認証されたユーザに関する情報および測定されたタグの位置などに基づいて、適切なカメラを選択し、そのカメラの向きを制御し、撮影対象者、場合によっては撮影対象者およびそのグループメンバーの所定の箇所の画像を取得する処理などを行う。撮影対象者、そのグループメンバーの所定の箇所とは、人物が特定される箇所である。たとえば、顔全体であり得る。これらの処理を行うために、装置制御部320は、端末のユーザを認証するための認証部3200、タグの位置を算出するための位置測定部3202、適切なカメラ40、42、44を選択し、そのカメラの向きを制御するためのカメラ制御部(または単に制御部)3204を含んでいる。認証部3200、位置測定部3202、およびカメラ制御部3204の処理はそれぞれ、図3のメモリ404中に記憶されているプログラムを用いてCPU402によって行われる。本実施形態では、装置制御部320は、データ送受信部310、データベース部330および撮影情報処理部340と電気的に接続されている。
【0031】
また、装置制御部320は、たとえばネットワーク20を介した端末10、12からの指示によって、カメラ40、42、44の動作を開始、または停止するための信号をカメラ40、42、44に送信する。
【0032】
データベース部330は、認証情報格納部3300、撮影対象格納部3302、顔情報格納部3304、位置情報格納部3306、およびグループ情報格納部3308を含む。
認証情報格納部3300は、たとえば、端末10、12のユーザの認証に必要なデータを格納する。撮影対象格納部3302は、たとえば、タグ60、62、64、66のIDとタグを所有する人の対応表を収納する。顔情報格納部3304は、たとえば、ユーザ毎に表示可能な撮影対象者の顔に関する情報を格納する。位置情報格納部3306は、たとえば、タグ60、62、64、66の位置とタグ60、62、64、66を所有する人を撮影するのに適したカメラ40、42、44の対応などを収納する。グループ情報格納部3308は、たとえば、端末10、12の個々のユーザと撮影対象者のグループメンバーとの対応(グループ情報とも呼ぶ)を含む表などを含む。これらの表は、装置制御部320での処理の際に読み出され、利用される。つまり、データベース部330は装置制御部320と電気的に接続されている。また、データベース部330は、図3のメモリ404によって構成される。
【0033】
図4は、認証情報格納部3300に記憶されるデータの例である。本実施形態では、認証情報格納部3300に記憶されるデータには、端末10、12からログインする際に用いるログイン名等の管理ID、ユーザ名、ログインに必要なパスワード、管理IDを有するユーザが監視のために撮影可能な撮影対象者が所有するタグのIDのほか、認証が出来たかどうかを示す認証可否についての情報、端末とのセッションが有効かどうかを示すセッション情報、端末との通信時間等を示す無通信監視についての情報が含まれている。
【0034】
認証情報格納部3300に記憶されるデータの格納は装置制御部320の認証部3200によって行われる。たとえば、まず、端末10、12のユーザによって入力され、端末10、12から送られてきた管理IDとパスワードが一致しているかどうかを確認する。端末10、12のユーザが登録されていない者であり、認証が出来なかった場合には、利用不可のメッセージを外部インタフェース部300およびデータ送受信部310を介して、端末10、12に送信する。それと同時に端末10、12とリモート監視装置30の間のセッションを切断する。このとき認証可否の欄には“否”が記入され、セッションが切断されるとセッション情報には“×”が記入される。管理IDとパスワードが一致し、認証が成功した場合には、認証可否の欄には“可”が記入され、セッション情報には“○”が記入される。端末10、12とリモート監視装置30の間のセッションが繋がっているか否かのセッション情報は、ネットワーク20からの情報を基に、装置制御部320の認証部3200によって随時、取得される。また、ユーザ名が決まると、そのユーザが撮影可能な撮影対象者が所有するタグのIDが記入される。図4の例では、管理ID“A001”で指定される“Sato”なる名前の人物に対して、タグID“1000a”で指定されるタグを所有する人が撮影対象者である。この処理の際には、撮影対象格納部3302に記憶されているデータが参照される。
【0035】
図5は、撮影対象格納部3302に記憶されているデータの例である。管理IDに対して、そのIDで指定されるユーザが撮影可能な撮影対象者が所有するタグのIDと、そのタグを所有する撮影対象者名称が記入されている。
【0036】
図6は、顔情報格納部3304に記憶されているデータの例である。タグのIDに対して、そのタグを所有する撮影対象者の顔情報を含むファイル名が記入されている。このデータは、撮影情報処理部340において、所定のユーザが撮影を許可された撮影対象者のみが識別可能であるようにカメラで撮影された画像を処理する際に使用される。
【0037】
図7は、位置情報格納部3306に記憶されているデータの例である。リモート監視装置30ではタグ60、62、64、66を利用し、複数の位置測定のためのセンサ50、52、54、56、58からの情報を利用し、位置測定部320でそれぞれの撮影対象者の位置情報を測定し、位置情報格納部3306へ随時格納する。それと同時に、各センサの位置を撮影可能なカメラの情報も併せて格納する。位置情報としては、たとえば、センサ50、52、54をそれぞれ、s−001、s−002、s−003と呼んだときに、s−001、s−002、s−003のそれぞれからの距離によってタグ(撮影対象者)の位置を特定し、位置情報の欄に記入する。本実施形態では、あるタグの位置は、3つのセンサからの距離によって指定されるので、センサ50、52、54、56、58は、部屋の中で同じ高さの位置に備えられることが好ましい。さらに、カメラ40、42、44をそれぞれ、c−001、c−002、c−003と呼んだときに、タグが存在する場所を撮影可能なカメラ名を撮影用カメラ情報として記入する。
【0038】
図8は、グループ情報格納部3308に記憶されるデータの例である。グループ情報とは、ある撮影対象者に対して、その撮影対象者に関連する人に関する情報である。そのような人を撮影対象者のグループメンバーまたはグループ撮影者と呼ぶ。たとえば、ある撮影対象者がある子供である場合、その親が子に関連するグループメンバーであっても良い。
【0039】
装置制御部320の認証部3200の処理では、データベース部330の認証情報格納部3300に収納されているユーザのIDとパスワードが対応するか否かを判定することによって、ユーザを認証する。しかしながら、他の手段、たとえば生体認証等を用いてユーザを認証しても良い。
【0040】
装置制御部320のカメラ制御部3204の処理では、まず、センサ50、52、54、56、58を用いて位置測定部3202で決定されたタグ60、62、64、66の位置に居る撮影対象者の顔が撮影されているか否かを、データベース部330の顔情報格納部3304に格納されているデータを参照しながら、判定する。そして、撮影対象者の顔が撮影可能なカメラを特定し、撮影対象者の顔の撮影を続ける。
【0041】
撮影情報処理部340は、カメラ40、42、44によって撮影された画像の一部にプライバシー確保のためにマスク処理やモザイク処理等のセキュリティマスク処理を施すなど、予め規定される画像処理を行う。このような処理のために、撮影情報処理部340は、データ送受信部310、装置制御部320、データベース部330と電気的に接続されている。撮影情報処理部340では、装置制御部320から渡された情報を元に撮影対象者の顔情報を特定すると共に、撮影対象者およびグループメンバー以外の人及び物にセキュリティマスク処理を施した上で、加工した撮影情報をデータ送受信部310へ転送する。セキュリティマスク処理は、画像の中の、撮影対象者およびグループメンバー以外の領域全体に施されていても良い。またはセキュリティマスク処理は、撮影対象者およびグループメンバー以外の人または物が特定不能となる程度に、撮影対象者およびグループメンバー以外の人または物の一部に施しても良い。たとえば、人の場合は、顔全体、または目などの顔の一部にセキュリティマスク処理を施しても良い。物の場合は、登録意匠または商標に関わる部分や、固有名詞が書かれていたり刻まれていたりする部分にセキュリティマスク処理を施して、その物自体または所有者の特定を困難にしても良い。このセキュリティマスク処理されたデータを受け取ったデータ送受信部310は、加工した撮影情報をインターネット等のネットワーク20へ転送可能なデータ形式に変換し、外部インタフェース部300を介して端末10、12へ送信する。許可されていない撮影対象以外の人または物にセキュリティマスク処理を施すことが可能なため、所望の撮影対象者を監視しつつ、それ以外の人または物について個人情報の保護が可能となる。
【0042】
また、システム100の構成要素は、単独でまたは組み合わされて、特定の処理を行う機能を有する手段を構成する。
【0043】
上記の端末10、12、ネットワーク20、リモート監視装置30、特に外部インタフェース部300、データ送受信部310、装置制御部320、データベース部330はユーザ認証手段を構成する。特に、ユーザ認証手段は、データベース部330の認証情報格納部3300に格納されたデータを参照しながら、装置制御部320の認証部3200によって端末10、12のユーザを認証する機能を有する。
【0044】
監視対象者画定手段は、リモート監視装置30の装置制御部320、データベース部330によって構成される。監視対象者画定手段は、データベース部330の撮影対象格納部3302に収納されたデータを参照しながら、装置制御部320の認証部3200によって、端末10、12のユーザに対応する撮影対象者を画定する。また、監視対象者画定手段は、リモート監視装置30のデータベース部330、特にグループ情報格納部3308を参照しながら、端末10、12のユーザの撮影対象者に関連するグループメンバーを画定するグループメンバー画定手段を備えても良い。
【0045】
撮影手段は、主に、カメラ40、42、44によって構成される。撮影手段は、リモート監視装置30の外部インタフェース部300、データ送受信部310、装置制御部320を含んでも良い。また、撮影手段の個々の構成要素、即ち、カメラ40、42、44の各々を、撮像手段と呼ぶこともある。
【0046】
撮影情報処理手段は、主に、リモート監視装置30の撮影情報処理部340によって構成される。撮影情報処理手段は、撮影情報処理部340に加えて、リモート監視装置30のデータ送受信部310、外部インタフェース部300を含んでも良い。
【0047】
位置測定手段は、センサ50、52、54、56、58、タグ60、62、64、66、リモート監視装置30の外部インタフェース部300、データ送受信部310、装置制御部320、データベース部330を含み、タグ60、62、64、66の位置を測定し、データベース部330の位置情報格納部3306に測定の結果を記録する。
【0048】
<全体的な処理>
以上のような構成のリモート監視システム100を用いて、プライバシーを考慮した監視を行う方法について、図9〜12を参照しながら説明する。
【0049】
本システムのユーザ(利用者とも呼ぶ)は、リモート監視装置30の外部インタフェース部300に接続された端末10、12からリモート監視装置30へのアクセスを行う。アクセスするための認証リクエストを含む電気信号は外部インタフェース300、データ送受信部310を経由し、装置制御部320の認証部3200へ到達する。認証部3200において、データベース部330内の認証情報格納部3300の情報にもとづいて、ユーザの認証可否を判断する。認証が否であれば、認証リクエストを破棄し、通信を切断する。認証可であれば、利用者端末へ応答を返すと共に、利用者の認証情報に紐付く撮影対象者が所有するタグの情報を格納した撮影対象格納部3302のデータおよびグループ情報格納部3308のデータから、撮影対象者と、もし存在すれば、撮影対象者に関連するグループメンバーに関する情報を抽出する。抽出された情報を元に顔情報格納部3304から撮影対象者とグループメンバーの顔情報を抽出し、撮影情報処理部340へ顔情報を渡す。それと並行して、装置制御部320では位置情報格納部3306のデータを元に撮影対象者とグループメンバーの撮影に最適な位置に設置されている監視用カメラ40、42、44に対してカメラ制御部3204から、自動的に撮影対象者が映像の中心になるように調整を実施する。その後、撮影された撮影対象者とグループメンバーの映像を撮影情報処理部340へ渡す。撮影情報処理部340では顔情報処理部3304から渡された顔情報を元に、撮影された画像に含まれている顔のうち、端末10、12のユーザへ表示可能な顔情報、即ち撮影対象者およびそのグループメンバーの顔情報を認識する。それと同時に、撮影が許可されていない人および物に関しては、セキュリティマスク処理等の画像処理を施す。そして、その処理後の映像をデータ送受信部310、外部インタフェース部300でIPデータへ変換し、ユーザ端末へ送信する。これにより、ユーザの認証情報に紐付かない人物に関する映像情報をセキュリティマスク処理することが可能となるため撮影対象者でない人および物のプライバシーが保護される。
【0050】
本実施形態ではこのように、監視用カメラ40、42、44を制御して撮影対象者を撮影するために位置情報格納部3306のデータを参照するが、この位置情報格納部3306のデータは、後述のように、随時、適宜、または定期的に更新され得る。
【0051】
図9は、本発明の実施形態に従うリモート監視方法の監視処理を示すフローチャートである。
本実施形態では、図9の処理と平行して、図10に示されている位置情報管理処理が行われている。この位置情報管理処理では、端末10、12のユーザの撮影対象者および撮影対象者のグループメンバーの位置が、タグ60、62、64、66の位置をセンサ50、52、54、56、58によって測定することによって決定される。端末10、12のユーザの撮影対象者および撮影対象者のグループメンバーは、端末10、12からのユーザによる入力によって、装置制御部320の認証部3200によって認証される。撮影対象者および撮影対象者のグループメンバーの位置が決まると、彼らを撮影するカメラが決まる。撮影対象者および撮影対象者のグループメンバーの位置の決定は、カメラ40、42、44、センサ50、52、54、56、58、タグ60、62、64、66、リモート監視装置30の外部インタフェース部300、データ送受信部310、装置制御部320によって行われる。測定された撮影対象者および撮影対象者のグループメンバーの位置は、リモート監視装置30の位置情報格納部3306に格納される。装置制御部320では特に、位置測定部3202を用いて、位置情報管理処理が処理される。
【0052】
図9を参照すると、監視処理では、まずS100でユーザ認証処理が行われる。詳細は以下で述べるが、この処理は主に、リモート監視装置30の認証部3200で処理される。つまり、端末10、12のユーザを認証し、データベース部330の認証情報格納部3300のデータを更新する。S100の処理で、ユーザの認証に失敗すれば、監視処理を終了する。
【0053】
S100で利用者の認証に成功したら、S200の撮影・セキュリティマスク処理を行う。詳細は以下で述べるが、端末10、12のユーザに対応して定まる撮影対象者の所定の部分の撮影に適したカメラを選択し、撮影をする。撮影対象者の所定の部分とは、たとえば、顔の前面などである。撮影対象者の顔が撮影されているかどうかは、リモート監視装置30の顔情報格納部3304に格納されている顔情報を含むファイルを参照することによって判定することができる。また、リモート監視装置30に実装される無通信監視タイマ機構を使用して、選択されたカメラとリモート監視装置30の間の通信が所定の時間以上にわたり行われないときには、セッションを切断して、監視処理を終了する。撮影・セキュリティマスク処理は、カメラ40、42、44、リモート監視装置30の外部インタフェース部300、データ送受信部310、装置制御部320を用いて処理される。得られた撮影対象者の所定の部分を含む画像は、リモート監視装置30の撮影情報処理部340に送られる。
【0054】
さらに、S200の撮影・セキュリティマスク処理では、取得された画像に映っている、撮影対象者および撮影対象者のグループメンバー以外の人に対して、プライバシー保護のための処理、たとえば顔の一部の部分のモザイク処理を行う。この処理は主に、リモート監視装置30の撮影情報処理部340を用いて処理される。さらに、S200では、リモート監視装置30は、プライバシー保護のために処理された画像を端末10、12に表示させる。端末10、12への処理された画像の送信は、リモート監視装置30のデータ送受信部310によって、外部インタフェース部300を介して行われる。
S200の処理が終了すると、本発明に従う監視処理も終了する。
【0055】
<位置情報管理処理>
図10を参照して、位置情報管理処理の詳細を説明する。
まず、S4000では、端末10、12にユーザがログイン中かどうかを判定する。これは、図4に示されているように、リモート監視装置30の認証情報格納部3300に記憶されているデータ、特に認証可否欄およびセッション情報を参照することによって判定することができる。ユーザがログインしていなければ、S4000の判定の結果は“NO”となり、ユーザがログインするまでS4000の処理を繰り返す。ユーザがログインしていれば、S4000の判定の結果は“YES”となる。S4000の判定の結果が“YES”の場合には、S4002に進む。
【0056】
S4002では、ユーザの管理IDから、図5に例が示されているような、撮影対象格納部3302に記憶されているデータを参照することによって、撮影対象者のタグIDを決定する。さらに、図8に示されているように、撮影対象者のタグIDから、リモート監視装置30のグループ情報格納部3308に記憶されたデータから撮影対象者のグループメンバーが所有するタグのIDをもとめる。よって、端末10、12のユーザから、撮影対象者および撮影対象者のグループメンバーが所有するタグのIDが決定される。本実施形態では、タグIDはタグの所有者を特定する。よって、ユーザが決まると撮影対象者およびそのグループメンバーが特定される。
【0057】
次に、S4004では、センサ50、52、54、56、58を用いて、撮影対象者および撮影対象者のグループメンバーが所有するタグ60、62、64、66の位置を測定する。タグ60、62、64、66の位置は、たとえば、所定の位置に設置されている2つ以上のセンサからの距離が分かれば決定することができる。
【0058】
S4004で、撮影対象者および撮影対象者のグループメンバーが所有するタグの位置が測定されると、S4006でその位置にいる撮影対象者および撮影対象者のグループメンバーを撮影するためのカメラを選択する。
【0059】
S4006の処理が終わるとS4008に進む。S4008では、S4004で測定されたタグの位置に関する情報を、図7に示されている、位置情報格納部3306に記憶されるデータ中の位置情報に記入する。図7に示されているように、ある所定のタグの位置情報は、たとえば、3つのセンサからの距離によって与えられる。さらに、S4008では、S4006の結果を、図7に示されている、位置情報格納部3306に記憶されるデータ中の位置情報に記入する。
S4008の処理が終了すると、S4000に戻る。
【0060】
この位置情報管理処理は、リモート監視装置30が、センサ50、52、54、56、58からデータの入力を受けている間、随時、適宜、または定期的に行われても良い。これによって、位置情報格納部3306のデータは、後述のように、随時、適宜、または定期的に更新され得る。随時、位置情報管理処理を行う場合には、図10のS4000〜S4008のループが常に処理され、位置情報格納部に格納されているデータは、本監視処理におけるタイムスケールでは、ほぼリアルタイムで更新され得る。本監視処理におけるタイムスケールとしては、たとえば、秒、分、時間、または日のオーダーであっても良い。また、定期的に位置情報管理処理が実施される場合は、S4000の処理が所定の時間間隔で開始される。この所定の時間間隔としては、0.5秒、1.0秒、2.0秒、5.0秒を例示することができる。しかしながら所定の時間間隔は、これらの例には限定されない。または、この位置情報管理処理は、後述の図12のS2000やS2030のように、撮影対象者の位置を確認する際に適宜、実施されてもよい。この位置情報管理処理では、他の処理、たとえば後述の監視処理の速度に影響を与えない範囲で、タグを所有する人(撮影対象者、グループメンバー)の位置を出来るだけ遅延なく、把握することが好ましい。
【0061】
また、図10とは異なるが、位置情報管理処理は絶え間なく処理される一方で、位置情報格納部3306のデータは、適宜または定期的に更新されるように、リモート監視装置30の装置制御部320を構成しても良い。たとえば、図12のS2000やS2030のように、撮影対象者の位置を確認する際に、位置情報格納部3306のデータ更新が実施されてもよい。このように、タグ60、62、64、66の位置は随時、測定をする一方で、位置情報を含むファイルの更新を測定毎とは異なるタイミングで行うことで、ファイルの書き込みによる処理の遅延を減らすことができる。
【0062】
また位置情報管理処理は、端末10、12からリモート監視装置30への信号入力によって起動し、端末10、12からリモート監視装置30への信号入力がなくなってから所定の時間が経過するまで繰り返されても良い。
【0063】
本実施形態では、センサ50、52、54、56、58を用いてタグ60、62、64、66の位置を測定したが、タグの位置は別の方法で決定しても良い。たとえば、撮影対象者は、タグの代わりに発信機を所有し、発信機の位置をグローバル・ポジショニング・システム(GPS)を用いて決定することも可能である。
【0064】
<監視処理>
図9、11〜12を参照しながら、監視処理の詳細を説明する。図9に示されているように、監視処理は、利用者認証処理(S100)および撮影・セキュリティマスク処理(S200)を含む。
【0065】
(利用者認証処理)
図9のS100の利用者認証処理の詳細が、図11に示されている。
本システムのユーザ(利用者とも呼ぶ)が、リモート監視装置30の外部インタフェース部300に接続された端末10、12からリモート監視装置30へのアクセスを行うと、まず、S1000が処理される。S1000では、端末10、12を操作している人が新規利用者であるかどうかを判定する。判定方法としては、ユーザに直接、新規利用者であるかどうかを聞いても良い。S1000の判定で、ユーザが新規利用者であるとされた場合、すなわち判定が“YES”の場合、S1002に進む。そうではない場合、すなわち判定が“NO”の場合、S1012に進む。
【0066】
S1002では、新規利用者に対して管理IDを発行する。その後、S1004に進む。
S1004では、S1002で新規利用者に対して発行された管理IDに対するユーザ名、パスワードを発行し、S1006に進む。
【0067】
S1006では、新規利用者に関連する撮影対象者が所有するタグのIDおよび、もし存在するなら、撮影対象者に関連するグループメンバーが所有するタグのIDを指定する。タグのIDは、ユーザが端末10、12から直接入力しても良いし、リモート監視装置30に接続される外部デバイスによって、新規利用者に関連する撮影対象者、グループメンバーが所有するタグから読み取っても良い。S1006の処理が終了すると、S1008に進む。
【0068】
S1008では、撮影対象者の顔に関する情報を入力する。撮影対象者の顔情報は、端末10、12によって撮影されたものをリモート監視装置30に転送しても良いし、リモート監視装置30に、たとえばスキャナなど外部デバイスを接続して入力しても良い。または、カメラ40、42、44によって撮影された画像から選択されても良い。
【0069】
S1008の次のS1010では、S1002で発行された管理ID、S1004で発行された管理IDに対するユーザ名、パスワード、S1006で指定された撮影対象者およびグループメンバーが所有するタグのID、S1008で入力された撮影対象者およびグループメンバーの顔に関する情報を用いて、データベース部330の各部に記憶されるデータが作成される。より具体的には、認証情報格納部3300、撮影対象格納部3302、顔情報格納部3304、位置情報格納部3306、グループ情報格納部3308に格納されるデータが作成される。それぞれのデータの例は、図4〜8に示されている。データベース部330の各部に記憶されるデータが作成されると、S1016に進む。
【0070】
一方、S1000の判定で“NO”、即ち、ユーザは新規利用者ではないとされた場合、S1000の次のS1012では、ユーザ名およびパスワードを受け付ける。ユーザ名およびパスワードは、ユーザによって端末10、12から入力される。
【0071】
S1012の次のS1014では、S1010で入力されたユーザ名およびパスワードから、現在の利用者を認識したかどうかを判定する。この判定の際には、データベース部330の認証情報格納部3300に記憶されているデータを参照する。もし、S1014の判定で“NO”、即ち、利用者を認識しないときは、監視処理を終了する。S1014の判定で“YES”ならば、S1016に進む。
【0072】
S1016からS1026では、データベース部330の撮影対象格納部3302、顔情報格納部3304、グループ情報格納部3308に格納されているデータを更新するかどうかの判定、および、もしデータを更新する場合には、撮影対象格納部3302、顔情報格納部3304、グループ情報格納部3308に格納されているデータの更新を行う。
【0073】
S1016では、現在、認証されているユーザに係わる撮影対象者名を変更するかどうか、を判定する。もし、この判定で“YES”、即ち、現在、認証されているユーザに係わる撮影対象者を変更する場合には、S1018に進み、データベース部330の撮影対象格納部3302に格納されているデータを書き換える。データの書き換えは、たとえば、図5の例での、管理ID“A001”に対する撮影対象者名“Sato hajime”を、“Kodama ichiro”に変更することを含む。そして、その後、S1020に進む。S1016での判定で”NO”の場合には、直接、S1020に進む。
【0074】
S1020では、データベース部330の顔情報格納部3304に格納されている顔情報を更新するかどうか、を判定する。もし、この判定で“YES”、即ち、顔情報を変更する場合には、S1022に進む。S1022では、顔情報格納部3304に格納されている顔情報を更新する。顔情報を更新するとは、たとえば、図6に示されているデータでは、顔情報を含むファイルを置き換えることを含む。顔情報の更新は、図6の例では、撮影対象者タグID“1000a”を所有する撮影対象者“Sato hajime”の顔情報を含むファイル“File−1000a”を別のファイル、たとえば“Kodama ichiro”の顔写真を含むファイル“File−1000aa”に置き換えることを含む。新しい顔情報は、ネットワーク20経由で入力しても良いし、リモート監視装置30に接続される外部デバイスを介して入力しても良い。S1022の処理の後、S1024に進む。S1020の判定で”NO”の場合には、直接、S1024に進む。
【0075】
S1024では、現在のユーザに関するグループ情報を更新するかどうか、を判定する。もし、この判定で“YES”、即ち、グループ情報を更新する場合には、S1026に進む。S1026では、データベース部330のグループ情報格納部3308に格納されているデータを更新する。図8の例では、撮影対象者タグID“1000a”を所有する撮影対象者に対して、グループメンバーには“1000b”と“1000c”が含まれている。たとえば、グループメンバーに新たに“1000d”を加えることはグループ情報の更新である。S1026の処理が終わると、利用者管理処理を終了する。S1020の判定で”NO”の場合には、利用者管理処理を終了する。
【0076】
(撮影・セキュリティマスク処理)
図12を参照しながら、図9の撮影・セキュリティマスク処理S200を詳細に説明する。
まず、S2000では、現在のユーザに関する撮影対象者の位置を確認する。撮影対象者は、タグ60、62、64、66を所有しており、タグの位置は、随時、センサ50、52、54、56、58を用い、図10に示されている位置情報管理処理によって測定され、測定情報は、データベース部330の位置情報格納部3306に格納されているデータ中に記入されている。S2000では、位置情報格納部3306に格納されているデータの中から、現在、ターゲットとしている撮影対象者が所有するタグの位置を読み出す。この処理が終わると、S2002に進む。
【0077】
S2002では、ターゲットとしている撮影対象者が所有するタグの位置を撮影するのに適したカメラ40、42、44が選択される。タグの位置に最も近いカメラを選択しても良い。S2002でターゲットとしている撮影対象者を撮影するカメラが選択されると、次のS2004で撮影を開始する。S2004での撮影の開始と同時に、S2006で無通信監視タイマ機能を担うタイマ410をリセットする。
【0078】
S2006の次のS2008では、認証情報格納部3300のデータを更新する。具体的には、図4に示されているデータの、セッション情報を現状の状態に更新し、無通信監視の欄を“0:00:00”とする。端末10、12とリモート監視装置30の間のセッションが繋がっているか否かのセッション情報は、上述のように、ネットワーク20からの情報を基に装置制御部320の認証部3200によって随時、取得されている。
【0079】
S2008の次のS2010では、撮影された画像情報を、リモート監視装置30の装置制御部330から撮影情報処理部340に送る。撮影された画像には、撮影対象者の所定の部分、たとえば顔の前面が含まれている。また、撮影された画像には、撮影対象者の所定の部分以外のものも写っている可能性がある。たとえば、カメラから見て撮影対象者のすぐ後ろにいて撮影対象者のグループメンバーにも登録されてない人物の顔は、撮影対象者の顔を撮影しようとすると必然的に、写ってしまう可能性がある。このステップでの画像情報には、そのような撮影されることが許可されていない人物の顔または物の写真も含まれている可能性がある。本ステップS2010でカメラ40、42、44によって撮影され、リモート監視装置30の外部インタフェース部300、データ送受信部310を介して装置制御部320に到達した画像を含む情報に関する信号は、撮影情報処理部340に送られる。
【0080】
S2012では、リモート監視装置30の装置制御部320から撮影情報処理部340に送られた画像を処理するために、データベース部330の顔情報収納部3304およびグループ情報格納部3308に収納されているデータを参照する。
【0081】
S2012の次のS2014では、S2010で撮影情報処理部340に送られた画像の中に撮影対象者の顔が確認できるかどうかを、撮影対象者の顔の情報を含むファイルを参照して判定する。もし、この判定の結果が“YES”、即ち画像には、撮影対象者の顔が写っているときには、S2016に進む。一方、この判定の結果が“NO”、即ち画像には、撮影対象者の顔が写っていないときには、S2030に進む。
【0082】
S2016では、画像の中に撮影対象者のグループメンバーがいるかどうかを判定する。もし、この判定の結果が“YES”、即ち画像には、撮影対象者のグループメンバーが写っているときには、S2020に進む。一方、この判定の結果が“NO”、即ち画像には、撮影対象者のグループメンバーが写っていないときには、S2018に進む。
【0083】
S2020では、画像中の撮影対象者以外は全てマスクをするセキュリティマスク処理を行う。この処理によって、撮影対象者以外で画像に写っている人および物は、全て特定不可能となり、プライバシーが保護される。S2020の処理が終了するとS2022に進む。
【0084】
S2018では、画像中の撮影対象者および撮影対象者のグループメンバー以外の人および物は全てマスクをするセキュリティマスク処理を行う。この処理によって、撮影対象者とそのグループメンバー以外で画像に写っている人および物は、全て特定不可能となり、プライバシーが保護される。セキュリティマスク処理とは、撮影対象者とそのグループメンバー以外で画像に写っている人および物に対して、プライバシー保護のためにその人またはその物を所有している人が特定できないようにする処理であって、マスク処理、モザイク処理等を含む。プライバシー保護のために処理をするものとしては、たとえば幼稚園、保育園、学校等での生徒の監視を目的とする監視システムでは、生徒または教師が身に着けている名札などが挙げられる。また、街の保安のための街路の監視を目的とする監視システムでは、家の表札などが挙げられる。S2018の処理が終了するとS2022に進む。
【0085】
S2020でのセキュリティマスク処理で、画像の中の、撮影対象者とそのグループメンバー以外の領域を全てマスク処理またはモザイク処理をしても良いし、撮影対象者とそのグループメンバー以外の人物の顔全体または顔の一部をマスク処理またはモザイク処理をしても良いことは上に述べたとおりである。
【0086】
S2022では、撮影情報を端末10、12への送信に適したデータ転送形式に変換する処理を行う。この処理はデータ送受信部310によって行われる。
S2022の次のS2024では、マスク処理された画像に関する情報を、ネットワーク20を介して端末10、12に送信する。
【0087】
S2014の判定が“NO”の場合には、S2030およびS2032で、それぞれ撮影対象者の位置の確認および撮影対象者の撮影のためのカメラの選択を行う。これらの処理は、S2000およびS2002と同一である。S2030およびS2032の処理によって、ターゲットとしている撮影対象者の動きに応じて、撮影をするカメラを変更することができ、撮影対象者の所望の部分、たとえば、顔の前面を確実に撮影することができる。S2030およびS2032の処理が終わると、S2010に戻る。
【0088】
S2024の次のS2026では、無通信監視タイマが満了しているかを判定する。もし、S2026の判定の結果が“YES”、即ち、無通信の時間が所定の値を超えた場合には、S2034に進む。S2034では、セッションを切断する。S2034の次のS2036では、認証情報格納部3300に格納されているデータを更新する。より具体的には、図4に示されているようなデータ中のセッション情報欄に、セッションが切断されていることを示す“×”を記入する。そして、監視処理を終了する。S2026の判定で“NO”、即ち、無通信の時間は所定の値を超えておらず、ターゲットとしている撮影対象者の監視が引き続き行われていると判断されるときは、S2028に進む。
【0089】
セッションの切断の基準となる無通信の時間の値としては、5秒、10秒、30秒、60秒などを例示することができる。しかし、これらの数値には限定されないし、ユーザがログインするたびに手動で設定されるようにしても良い。
【0090】
S2028では、撮影を終了するかどうかを判定する。たとえば、端末から撮影終了の指示を示す信号が入力されている場合には、S2028の判定は“YES”となる。この場合には、撮影・セキュリティマスク処理を終了する。S2028の判定が“NO”、即ち、撮影の終了を示す信号がリモート監視装置30には一切、入力されていない場合には、S2030に進む。S2028の処理は、リモート監視装置30の装置制御部320によって行われる。
【0091】
S2028の判定基準として、S2004の処理から所定の時間が経過しているか否かを採用し、所定の時間が経過しているときには撮影を終了し、そうでなければ撮影を続行するとしても良い。この所定の時間としては、1分、3分、5分、10分、1時間、4時間、8時間などを例示することができるが、これらの値には限定されない。
【0092】
図9に戻り、S200の撮影・セキュリティマスク処理が終了すると、監視処理は終了する。
上記のような処理を行うことによって、プライバシーの確保をしつつ、監視システムの複数の利用者の各々が所定の撮影対象者を効率よく監視することができる。
【0093】
<変形例>
図13〜18を参照して、上記実施形態の変形例を説明する。
上記実施形態では、撮影対象者の位置を決めるために、撮影対象者が所有するタグ60、62、64、66の位置をセンサ50、52、54、56、58によって測定している。しかしながら、本発明の目的のためには、必ずしも撮影対象者の位置を特定する必要性はない。つまり、タグ60、62、64、66とセンサ50、52、54、56、58を用いなくても、撮影対象者の顔がカメラ40、42、44で撮影できれば良い。
【0094】
本変形例では、撮影情報処理部340に撮影対象者を認識するためのデータベースに、例えば顔情報を格納し、また位置測定部3202に対象者識別制御部を設けることで、タグを用いずに撮影対象者を認識することができる。よって、本変形例では、タグ60、62、64、66とセンサ50、52、54、56、58を用いずに、プライバシーの確保をしつつ、監視システムの複数の利用者が所望の撮影対象者を効率よく監視することが可能なシステムおよび方法が提供される。
【0095】
本変形例が上記実施形態と大きく異なるのは、図10に示されている位置情報管理処理における処理である。即ち、本変形例では、全てのまたは一部のカメラ40、42、44のうち、撮影対象者が含まれている画像を撮影しているカメラを選択して、撮影対象者を撮影する。この変更に伴って、図12に示されているカメラ制御処理中の撮影対象者の位置を確認するステップ、たとえば、S2000、S2020などはスキップされ得る。また、図12に示されている撮影・セキュリティマスク処理中の撮影対象者の位置を確認するステップ、たとえばS2030もスキップされ得る。
【0096】
また、リモート監視装置30の構成も上記のような処理を行うように変更される。
たとえば、装置制御部320では、センサによる位置の測定を行わないので、位置測定部3202は省略され得る。その代わり、カメラ制御部3204は、データベース部330に格納されているデータを参照しながら、ターゲットとする撮影対象者およびそのグループメンバーを撮影可能なカメラを選択する機能を備える。
【0097】
さらに、タグ60、62、64、66を用いないので、リモート監視装置30のデータベース部330の認証情報格納部3300、撮影対象格納部3302、顔情報格納部3304、位置情報格納部3306、およびグループ情報格納部3308に格納されるデータの形式は、図4〜8に示されているものより簡略化される。
【0098】
図13は、本発明の実施形態の変形例に従うリモート監視装置の認証情報格納部3300に収容されるデータの例である。図4に示されているデータの例と比較すると、撮影対象者タグIDの欄が省略されている。
【0099】
図14は、本発明の実施形態の変形例に従うリモート監視装置の撮影対象格納部3302に収容されるデータの例である。図5に示されているデータの例と比較すると、撮影対象者タグIDの欄が省略され、管理IDに対する撮影対象者名が記入されているのみである。
【0100】
図15は、本発明の実施形態の変形例に従うリモート監視装置の顔情報格納部3304に収容されるデータの例である。図6の例では、撮影対象者タグIDに対応して、そのタグを所有する撮影対象者の顔の情報を含むファイル名が記入されていたが、本例では、管理IDに対して、その管理IDを有するユーザが撮影可能な撮影対象者の顔の情報を含むファイル名が記入されている。
【0101】
図16は、本発明の実施形態の変形例に従うリモート監視装置の位置情報格納部3306に収容されるデータの例である。本例では、管理IDに対して、その管理IDを有するユーザが撮影可能な撮影対象者を撮影可能なカメラに関する情報が記入されている。
【0102】
図17は、本発明の実施形態の変形例に従うリモート監視装置のグループ情報格納部3308に収容されるデータの例である。図8のデータの例と比較すると、図17のデータでは、管理IDに対して、その管理IDを有するユーザが撮影可能な撮影対象者に付随するグループメンバーの管理IDが記入されている。
【0103】
図18は、本変形例に従うリモート監視方法の位置情報管理処理を示すフローチャートである。
まず、S5000で端末10、12にユーザがログイン中かどうかを判定する。このステップは、S4000と同一である。ユーザがログインしていれば、S5000の判定の結果は“YES”となる。S5000の判定の結果が“YES”の場合には、S5002に進む。ユーザがログインしていなければ、S5000の判定の結果は“NO”となり、ユーザがログインするまでS5000の処理を繰り返す。
【0104】
次のS5002では、ログインしているユーザから、そのユーザが撮影可能な撮影対象者とグループメンバーを特定する。この際には、図14に示されている撮影対象格納部3302に収容されるデータ、図17に示されているグループ情報格納部3308に収容されるデータが参照される。
【0105】
S5002の次のS5004では、カメラ40、42、44の中から一つ、撮影をするカメラを選択する。このとき、画像を取得するカメラは所定の一つであっても良い。または、この時点で位置情報格納部3306に格納されているデータに記入されているカメラであっても良い。
【0106】
S5004の次のS5006では、S5004で選択されたカメラが撮影した画像を取得する。
S5006の次のS5008では、図15に示されている顔情報格納部3304に収容されるデータを参照して、S5006で取得した画像の中に撮影対象者の顔が含まれているかを判定する。この判定の結果が“YES”、つまり、カメラによって撮影された画像にユーザに関わる撮影対象者が含まれている場合には、S5010に進む。この判定の結果が“NO”、つまり、カメラによって撮影された画像にユーザによって定まる撮影対象者が含まれていない場合には、S5004で撮影するカメラを選択し直したあと、S5006に戻る。
【0107】
S5010では、図16に示されているデータの撮影用カメラ情報の欄に、S5006で選択されたカメラの情報を記入する。
S5010の処理が終了すると、S5000に戻る。
【0108】
上述のような位置情報管理処理によって、リモート監視装置30の装置制御部320は、ユーザに対応する撮影対象者の顔を撮影しているカメラからの画像を取得する。
この位置情報管理処理は、端末10、12からリモート監視装置30への信号入力によって起動し、端末10、12からリモート監視装置30への信号入力がなくなってから所定の時間が経過するまで繰り返されても良い。
【0109】
上述のように、一つまたは複数のカメラから撮影対象者およびそのグループメンバーを撮影可能なカメラを選択し、そのカメラによって撮影された画像の中の撮影対象者およびそのグループメンバー以外をセキュリティマスク処理、または撮影対象者およびそのグループメンバー以外は特定不能とすることによって、監視システムの構成はシンプルでありながらも、プライバシーの確保をしつつ、監視システムの複数の利用者の各々が所定の撮影対象者を効率よく監視することができる。
【0110】
以上の実施形態および変形例に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
ユーザの認証を行うユーザ認証手段と、
認証された前記ユーザに対応し、前記ユーザによる監視の対象である監視対象者を画定する監視対象者画定手段と、
前記監視対象者を撮影して画像を出力する撮影手段と、
前記撮影手段によって得られた前記画像の中の前記監視対象者の画像部分のみを未処理のまま前記画像を出力する撮影情報処理手段と、
を含む監視システム。
(付記2)
前記監視対象者画定手段はさらに、前記監視対象者に関連し、前記ユーザによる監視が許容されるグループメンバーを画定するグループメンバー画定手段を含み、
前記撮影情報処理手段は、前記画像のうち前記監視対象者および前記グループメンバーの画像部分のみが撮影されている部分を未処理のまま前記画像を出力する、付記1のシステム。
(付記3)
さらに、前記監視対象者の位置を測定する位置測定手段を含み、
前記撮影手段は、前記位置測定手段によって測定された前記監視対象者の位置を撮影する、付記1のシステム。
(付記4)
前記撮影手段は、複数の撮像手段を含み、
さらに、前記複数の撮像手段のいずれかによって得られた前記画像の中に前記監視対象者が含まれているかを判定し、前記監視対象者が含まれている画像を取得する前記複数の撮像手段のいずれかによって前記監視対象者を撮影するように構成される位置測定手段を含む、付記1または2のシステム。
(付記5)
前記撮影手段は、複数の撮像手段を含み、
さらに、前記複数の撮像手段のいずれかによって得られた前記画像の中に前記監視対象者および前記グループメンバーが含まれているかを判定し、前記監視対象者および前記グループメンバーが含まれている画像を取得する前記複数の撮像手段のいずれかによって前記監視対象者を撮影するように構成される位置測定手段を含む、付記2のシステム。
(付記6)
さらに、前記監視対象者および前記グループメンバーの位置を測定する位置測定手段を含み、
前記撮影手段は、前記位置測定手段によって測定された前記監視対象者および前記グループメンバーの位置を撮影する、付記2または5のシステム。
(付記7)
さらに、前記位置測定手段は前記監視対象者によって所有されるタグおよび前記タグを識別するためのセンサを含み、前記タグの位置を前記センサによって測定することによって、前記監視対象者の位置を測定する、付記3または4のシステム。
(付記8)
さらに、前記位置測定手段は前記監視対象者および前記グループメンバーによって所有されるタグおよび前記タグを識別するためのセンサを含み、前記タグの位置を前記センサによって測定することによって、前記監視対象者および前記グループメンバーの位置を測定する、付記5のシステム。
(付記9)
前記撮影情報処理手段は、前記撮影手段によって得られた前記画像の中の前記監視対象者以外の領域をモザイク処理またはマスク処理する、付記1乃至8のいずれか一つのシステム。
(付記10)
前記撮影情報処理手段は、前記撮影手段によって得られた前記画像の中の前記監視対象者および前記グループメンバー以外の領域をモザイク処理またはマスク処理する、付記2、5、6および8のいずれか一つのシステム。
(付記11)
前記撮影情報処理手段は、前記撮影手段によって得られた前記画像の中の前記監視対象者および前記グループメンバー以外の人物の少なくとも一部の画像部分をモザイク処理またはマスク処理する、付記2、5、6および8のいずれか一つのシステム。
(付記12)
前記人物の少なくとも一部の画像部分は、顔全体または顔の一部である、付記11のシステム。
(付記13)
ユーザの認証を行うことと、
認証された前記ユーザに対応し、前記ユーザによる監視の対象である監視対象者を画定することと、
前記監視対象者を撮影して画像を出力することと、
前記画像の中の前記監視対象者の画像部分のみを未処理のまま前記画像を出力することと、
を含む監視方法。
(付記14)
前記監視対象者を画定することはさらに、前記監視対象者に関連し、前記ユーザによる監視が許容されるグループメンバーを画定することを含み、
前記画像の中の前記監視対象者のみを、未処理のまま出力することは、前記監視対象者および前記グループメンバーのみを、未処理のまま出力する、付記13の方法。
(付記15)
さらに、前記監視対象者の位置を測定することを含み、
前記監視対象者を撮影して画像を出力することは、前記位置測定手段によって測定された前記監視対象者の位置を撮影する、付記13の方法。
(付記16)
前記監視対象者を撮影して画像を出力することは、複数の撮像手段によって行われ、
さらに、前記複数の撮像手段のいずれかによって得られた前記画像の中に前記監視対象者が含まれているかを判定し、前記監視対象者が含まれている画像を取得する前記複数の撮像手段のいずれかによって前記監視対象者を撮影すること、
を含む付記13または14の方法。
(付記17)
前記監視対象者および前記グループメンバーを撮影して画像を出力することは、複数の撮像手段によって行われ、
さらに、前記複数の撮像手段のいずれかによって得られた前記画像の中に前記監視対象者および前記グループメンバーが含まれているかを判定し、前記監視対象者が含まれている画像を取得する前記複数の撮像手段のいずれかによって少なくとも前記前記撮影対象者を撮影すること、を含む付記14の方法。
(付記18)
さらに、前記監視対象者および前記グループメンバーの位置を測定すること(図10、S4004〜S4008)を含み、
前記監視対象者を撮影して画像を出力することは、前記位置測定手段によって測定された前記監視対象者および前記グループメンバーの位置を撮影する、付記14または17の方法。
(付記19)
さらに、前記監視対象者の位置を測定することは前記監視対象者によって所有されるタグの位置を前記タグを識別するためのセンサによって測定することによって、前記監視対象者の位置を測定する、付記15または16の方法。
(付記20)
さらに、前記監視対象者の位置を測定することは前記監視対象者および前記グループメンバーによって所有されるタグの位置を前記タグを識別するためのセンサによって測定することによって、前記監視対象者の位置を測定する、付記16の方法。
(付記21)
前記画像の中の前記監視対象者のみを、未処理のまま出力することは、前記画像の中の前記監視対象者以外の領域をモザイク処理またはマスク処理する、付記13乃至20のいずれか一つの方法。
(付記22)
前記画像の中の前記監視対象者のみを、未処理のまま出力することは、前記画像の中の前記監視対象者および前記グループメンバー以外の領域をモザイク処理またはマスク処理する、付記14、18、19および21のいずれか一つの方法。
(付記23)
前記画像の中の前記監視対象者のみを、未処理のまま出力することは、前記画像の中の前記監視対象者および前記グループメンバー以外の人物の少なくとも一部の画像部分をモザイク処理またはマスク処理する、付記14、18、19および21のいずれか一つの方法。
(付記24)
前記人物の少なくとも一部の画像部分は、顔全体または顔の一部である、付記23の方法。
(付記25)
入出力装置および撮影手段に繋がるリモート監視装置であって、
前記入出力装置からユーザに関する情報を受信し、前記ユーザの認証を行う認証部と、
前記認証部で認証されたユーザが監視の対象とする撮影対象者を撮影するように、前記撮影手段を制御し、前記撮影対象者の画像を取得する制御部と、
前記撮影手段によって得られた前記画像の中の前記監視対象者が写っている領域以外の領域の少なくとも一部にセキュリティマスク処理を施し、撮影されている人または物の特定ができないようにする撮影情報処理部と、
前記撮影情報処理部によって処理された画像を前記入出力装置に出力するデータ送受信部を含む装置。
(付記26)
さらに、前記撮影対象者の位置を測定する位置測定部を含み、
前記制御部は、前記撮影手段が前記撮影対象者の前記位置を撮影するように制御する、付記25の装置。
(付記27)
さらに、認証部は、前記ユーザで決まる撮影対象者と共に撮影されることが許容されるグループメンバーを決定し、
前記撮影情報処理部は、前記撮影手段によって得られた前記画像の中の前記監視対象者および前記グループメンバーが写っている領域以外の領域の少なくとも一部にセキュリティマスク処理を施す、付記25の装置。
(付記28)
さらに、前記撮影対象者を撮影している撮影手段を選択する位置測定部を含み、
前記制御部は、位置測定部で選択された前記撮影手段が前記撮影対象者を撮影するように制御する、付記25または27の装置。
(付記29)
撮影情報処理部は、前記撮影手段によって得られた前記画像の中の前記監視対象者および前記グループメンバー以外の人の顔の少なくとも一部に、前記セキュリティマスク処理を施す、付記25乃至29のいずれか一つの装置。
【符号の説明】
【0111】
10、12 端末
20 ネットワーク
30 リモート監視装置
300 外部インタフェース部
310 データ送受信部
320 装置制御部
3200 認証部
3202 位置測定部
3204 カメラ制御部
330 データベース部
3300 認証情報格納部
3302 撮影対象格納部
3304 顔情報格納部
3306 位置情報格納部
3308 グループ情報格納部
340 撮影情報処理部
40、42、44 カメラ
50、52、54、56、58 センサ
60、62、64、66 タグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの認証を行うユーザ認証手段と、
認証された前記ユーザに対応し、前記ユーザによる監視の対象である監視対象者を画定する監視対象者画定手段と、
前記監視対象者を撮影して画像を出力する撮影手段と、
前記撮影手段によって得られた前記画像の中の前記監視対象者の画像部分のみを未処理のまま前記画像を出力する撮影情報処理手段と、
を含む監視システム。
【請求項2】
前記監視対象者画定手段はさらに、前記監視対象者に関連し、前記ユーザによる監視が許容されるグループメンバーを画定するグループメンバー画定手段を含み、
前記撮影情報処理手段は、前記画像のうち前記監視対象者および前記グループメンバーの画像部分のみが撮影されている部分を未処理のまま前記画像を出力する、請求項1のシステム。
【請求項3】
さらに、前記監視対象者の位置を測定する位置測定手段を含み、
前記撮影手段は、前記位置測定手段によって測定された前記監視対象者の位置を撮影する、請求項1のシステム。
【請求項4】
前記撮影手段は、複数の撮像手段を含み、
さらに、前記複数の撮像手段のいずれかによって得られた前記画像の中に前記監視対象者が含まれているかを判定し、前記監視対象者が含まれている画像を取得する前記複数の撮像手段のいずれかによって前記監視対象者を撮影するように構成される位置測定手段を含む、請求項1または2のシステム。
【請求項5】
前記撮影手段は、複数の撮像手段を含み、
さらに、前記複数の撮像手段のいずれかによって得られた前記画像の中に前記監視対象者および前記グループメンバーが含まれているかを判定し、前記監視対象者および前記グループメンバーが含まれている画像を取得する前記複数の撮像手段のいずれかによって前記監視対象者を撮影するように構成される位置測定手段を含む、請求項2のシステム。
【請求項6】
さらに、前記監視対象者および前記グループメンバーの位置を測定する位置測定手段を含み、
前記撮影手段は、前記位置測定手段によって測定された前記監視対象者および前記グループメンバーの位置を撮影する、請求項2または5のシステム。
【請求項7】
さらに、前記位置測定手段は前記監視対象者によって所有されるタグおよび前記タグを識別するためのセンサを含み、前記タグの位置を前記センサによって測定することによって、前記監視対象者の位置を測定する、請求項3または4のシステム。
【請求項8】
さらに、前記位置測定手段は前記監視対象者および前記グループメンバーによって所有されるタグおよび前記タグを識別するためのセンサを含み、前記タグの位置を前記センサによって測定することによって、前記監視対象者および前記グループメンバーの位置を測定する、請求項5のシステム。
【請求項9】
前記撮影情報処理手段は、前記撮影手段によって得られた前記画像の中の前記監視対象者以外の領域をモザイク処理またはマスク処理する、請求項1乃至8のいずれか一つのシステム。
【請求項10】
前記撮影情報処理手段は、前記撮影手段によって得られた前記画像の中の前記監視対象者および前記グループメンバー以外の領域をモザイク処理またはマスク処理する、請求項2、5、6および8のいずれか一つのシステム。
【請求項11】
前記撮影情報処理手段は、前記撮影手段によって得られた前記画像の中の前記監視対象者および前記グループメンバー以外の人物の少なくとも一部の画像部分をモザイク処理またはマスク処理する、請求項2、5、6および8のいずれか一つのシステム。
【請求項12】
前記人物の少なくとも一部の画像部分は、顔全体または顔の一部である、請求項11のシステム。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図1】
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【公開番号】特開2012−248967(P2012−248967A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117433(P2011−117433)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】