説明

セキュリティ装置

【課題】不審者の侵入を検出するためのセンサを取り付けた基体を壁面に固定された取付板に容易に固定できるようにする。
【解決手段】壁面2に固定された取付板7に基体8を取り付ける場合、基体8を前傾させ、収容部30の下側板27を取付板7の下端に当て、当てた部分を中心に基体8を後側に回動させる。これにより、基体8の収容部30が取付板7の外側に被せられる。その後、基体8を上側板24が取付板7の上面部13に当たるまで下方に移動させる。すると、嵌合突部31が係合孔18に嵌合すると共に、係合突部33が係合爪片23に係合し、これにより基体8が取付板2に仮固定された状態となるので、固定用ねじ9を通し孔32に通してねじ孔22に螺着する。これにより、基体8が取付板7に本固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザービームを出射して不審者の侵入を検出するセキュリティ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のセキュリティ装置は、建物の外壁面に取り付けられ、センサからレーザービームを前方に出射して建物に侵入しようとする不審者を検出する。セキュリティ装置の壁面への取り付けは、セキュリティ装置を取付板と、センサを取り付けた基体とから構成し、そして、取付板を壁面に固定した後、この取付板に基体をねじによって固定するというものである。
【0003】
上記基体の裏面側は箱状に形成されており、基体を取付板に取り付ける際、箱状部分を取付板の外側に被せる、逆に言えば、取付板を箱状部分の内側に嵌め入れた状態にして基体を取付板に取り付けるようにしており、この箱状部分の取付板への嵌め合わせによって基体が正規の姿勢で壁面に固定されるようにしている。
【0004】
なお、セキュリティ装置における基体の取り付け構成とは無関係であるが、特許文献1には、住宅情報盤を壁面に取付具本体を介して固定する構成が記載されている。これは、壁面に固定される取付具本体の上下両側に下向きに開放する係合孔を形成し、住宅情報盤の背面に取付具本体を嵌め入れる凹状部を形成し、この凹状部内に、上下両側に上向きの突起爪を有したフレームを上下動可能に設けて当該フレームをばねで常時上方に付勢し、取付具本体を壁面に固定した後、住宅情報盤の背面の凹状部を取付具本体に嵌合させるように住宅情報盤を押し込めると、フレームの突起爪が係合孔内に係入し、この突起爪と係合孔との係合によって住宅情報盤が取付具本体に固定されるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3089521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上に述べたセキュリティ装置の基体の取り付け構成では、基体の裏側の箱状部分を取付板の外側に被せるから、当然、基体は取付板よりも大形である。このため、壁面に固定された取付板に基体の箱状部分を被せる際、取付板が大形の基体に隠されてしまって見難く、作業し難い。しかも、ねじで基体を取付板に固定するまでの間、基体を片方の手で支えながら残る片方の手でねじを締めつける作業を行わなければならない。特に、最近では基体にセンサの他、前方を撮影するためのカメラやタグと通信する通信機を取り付ける傾向がある。このようにセンサの他にカメラや通信機を取り付けると、基体が相当重くなり、この重い基体を手で支えながら取付板にねじで固定してゆく作業は一層困難なものになる。
【0007】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、基体の裏側の箱状の部分を壁面に固定された取付板に被せる際、その作業がし易く、また、基体をねじで取付板に固定する際、基体を手で支えている必要がなく、基体が重い場合でも、基体をねじで取付板に固定する作業を楽に行うことができるセキュリティ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、壁面に固定された取付板に、センサを取り付けた基体を固定する際、基体を前傾姿勢にして当該基体の裏側の箱状の収容部の下端部内側を取付板の下端部分の外側に被せるようにして収容部の下面部を、リード線保持部を含む取付板の下端部に当て、そして、取付板の下端部を支点に基体を壁面に当たるまで後側へ回動させることで、収容部を取付板の外側に被せることができる。このため、基体が取付板よりも大形であっても、基体を前傾姿勢にすることで基体と壁面との間に隙間ができるから、その隙間を通して基体の裏面側の収容部と取付板を見ながら、収容部の下端部分を取付板の下端部分の外側に被せることができる。その後は、取付板の下端部分を支点に基体を壁面に当たるまで後側へ回動させれば、収容部の全体が自然に取付板の外側に被さるようになる。
【0009】
また、取付板の下端部分を支点に基体を壁面に当たるまで後側へ回動させた後、基体を下方に移動させると、収容部の上面部が取付板の上面部に当接して基体が取付板の上面部に受けられ、且つ基体の第1の係合部と第2の係合部が取付板の第1の被係合部と第2の被係合部にそれぞれ係合するので、基体を仮止め状態にすることができる。この状態では、基体にセンサの他、カメラや通信機が取り付けられて重くなっていても、その重い基体を手で支えていなくとも済む。その後、ねじを基体の通し孔に通してねじ孔に螺着することで基体を取付板に固定することができる。
【0010】
そして、この固定状態では、固定用ねじだけでなく、第1の係合部と第1の被係合部との係合、第2の係合部と第2の被係合部との係合により、固定用ねじから上方に隔たった部位と、固定用ねじから下方に隔たった部位でも基体が取付板に固定された状態となるので、少ない本数の固定用ねじで基体を取付板に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態を示す要部の縦断側面図
【図2】基体を取付板に被せた状態で示す要部の縦断側面図
【図3】基体の下端部を取付板の下端部に当てた状態で示す要部の縦断側図
【図4】基体を裏側から見た斜視図
【図5】取付板を表側から見た斜視図
【図6】セキュリティ装置の正面図
【図7】セキュリティ装置の側面図
【図8】本発明の他の実施形態を示す図4相当図
【図9】図5相当図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態につき図1〜図7を参照しながら説明する。図6および図7に示すように、セキュリティ装置1は、建物の外壁面2に取り付けられ、前方の検出エリア内への侵入者の検出機能の他、検出エリア内の撮影機能および侵入者の電波による個体識別機能を有する。なお、セキュリティ装置1において、前後(表裏)は外壁面2に取り付けられた状態で外壁面2側となる側を後(裏)とし、その反対側を前(表)とする。また、左右は、セキュリティ装置1を前側から見たとき、左手側を左、右手側を右とする。
【0013】
検出エリア内への侵入者の検出は、センサ3によって行われる。このセンサ3は、周知のように、前方の検出エリアに向けてレーザービームを水平に出射し、その反射光を検出することによって検出エリア内への不審者の侵入を検出する。また、検出エリア内の撮影はカメラ4によって行われ、その撮影画像は建物内に設置されたモニター(図示せず)に表示される。侵入者の電波による個体識別はタグリーダ(通信機)5によって行われる。このタグリーダ5は、センサ3により検出エリア内へ何者かが侵入したことが検出されると、RFIDタグと通信する電波を出力し、応答電波を受信しないときは、不審者が侵入したと判定し、予め登録されたID情報をもったRFIDタグから応答電波を受信したときは、侵入者は予め登録された人物であって不審者ではないと判定する。これらセンサ3、カメラ4およびタグリーダ5には、それらの機能を損なわない範囲でカバー6が着脱可能に装着されている。
【0014】
セキュリティ装置1は、図5に示す取付板7と、図4に示す基体8とから構成され、取付板7は外壁面2にねじ(図示せず)によって固定されている。そして、基体8には、下から順にセンサ3、カメラ4およびタグリーダ5が上下3段に並べて取り付けられるようになっており、基体8は、これらセンサ3、カメラ4およびタグリーダ5を取り付けた後、外壁面2に固定されている取付板7に固定用ねじ9によって固定される。
【0015】
図6および図7に示すように、外壁面2にはチューブ10が敷かれており、当該チューブ10の先端は基体8の下端部に連結されている。このチューブ10内には、電源、建物内に設置された制御装置やモニターなどに接続された電源線や信号線などの複数本の配線用リード線11(図1参照)が通されている。リード線11は、チューブ10から基体8の裏側に導入され、基体8の上下方向中間部に形成された引出孔12(図4参照)から前側に導出される。
【0016】
そして、図示はしないが、基体8の前面には、例えばカメラ4の下側に位置して配線板が取り付けられており、基体8の前側に導出されたリード線11は当該配線板に接続される。配線板とセンサ3、カメラ4およびタグリーダ5とはコネクタによって接続されるようになっている。
【0017】
さて、基体8を取付板7に固定するための構成つき説明するに、まず、取付板7は金属板、例えばステンレス鋼板からなる上下に長い矩形状のもので、上部(上端部)、左側部および右側部にそれぞれ前向きに直角に折れ曲がる上面部13、左側面部14および右側面部15が形成されている。そして、取付板7の前面の下端部および上下両端間の途中部には、基体8の裏側に導入されたリード線11を保持するための下リード線保持部16および上リード線保持部17が設けられている。この下リード線保持部16および上リード線保持部17は、それぞれクランク状に曲げられた長短2本の金属帯板16a,16bおよび17a,17bを取付板6に溶接して構成され、それら金属帯板16a,16bおよび17a,17bと取付板6の前面との間には狭い空間Gが形成されている。また、2本の金属帯板16a,16bおよび17a,17bの先端間は離されていて、リード線11を空間G内に前側から入れるための隙間を形成している。
【0018】
下リード線保持部16を構成する金属帯板16a,16bの下側面は取付板6の下端面と面一になっている。この実施形態では、取付板6の左側面部14および右側面部15の下端も取付板6の下端面と面一になっており、従って、下リード線保持部16を構成する金属帯板16a,16bの下側面は取付板6の下端面とは勿論、左側面部14および右側面部15の下端面とも面一になっている。
【0019】
取付板7の上面部13には、左右両側に位置して一対の第1の被係合部としての係合孔18が形成されている。取付板7の左側面部14および右側面部15の上下2部位には切欠部19,20が存在しており、それら左側面部14および右側面部15の前端には、両切欠部19,20間に位置して一対の取付片21が内側に折り曲げて形成されている。そして、この取付片21には、前記固定用ねじ9を螺合させるねじ孔22が形成されている。更に、左側面部14および右側面部15には、下側の切欠部20の下縁相当部分の前半側に位置して、第2の被係合部としての係合爪片23が内側に屈曲させて斜め上向きに突出した状態に設けられている。以上のようにして、取付板7の前面側の上下方向に隔たった3部位には、上から順に、係合孔18、ねじ孔22および係合爪片23が設けられているのである。
【0020】
このような取付板7に対し、基体8は例えばプラスチック製で、取付板7よりも大形の上下に長い矩形状に形成されている。この基体8は、センサ3とカメラ4を取り付ける部分を下支持板部24、タグリーダ5を取り付ける部分を上支持板部25としており、そのうち、下支持板部24の上下左右の四周縁部には、それぞれ後方に突出する上下左右の各側板26〜29が形成されている。そして、この下支持板部24の四周縁部にそれぞれ存する側板26〜29によって下支持板部24の後側は箱状に形成され、この箱状部は前記リード線11を収容(導入)する収容部30とされている。
【0021】
なお、上支持板部25は下支持板部24よりも一段後方に位置されて収容部30の上側板26の後端部から上方に延長して設けられている。また、下支持板部24は、上下方向の途中部から下方に向かって次第に後退するように傾斜しているが、下端部分は前方に膨出しており、この結果、収容部30の下端部分は直ぐ上の部分よりも前方への奥行きが大きくなっている。
【0022】
収容部30の下側板27には、左右方向に複数のU字状の薄肉部27aが設けられており、この薄肉部27aを切除することによって前記リード線11のチューブ10の先端部を嵌め込むための切欠部が形成されるようにしている。
このような収容部30の左右方向の内寸法(左側板28の内面と右側板29の内面との間隔寸法)は、取付板7の左右方向の外寸法(左側面部14の外面と右側面部15の外面との間隔寸法)と同じか少し大きく定められていると共に、上下方向の内寸法(上側板26の内面と下側板27の内面との間隔寸法)は、取付板7の上下方向の外寸法(上側面板13の外面と取付板7の下端との間隔寸法)よりも所定寸法以上長く定められている。従って、収容部30を取付板7の外側に被せること、換言すれば取付板7を収容部30内に嵌め込むことが可能で、且つ、この収容部30を取付板7の外側に被せた状態で、基体8を上下に前記所定寸法分だけ動かし得るようになる。
【0023】
このような収容部30には、上側板26の内面の左右両側に第1の係合部としての一対の嵌合突部31が突設されている。また、下支持板部24の裏面には、収容部30内の上下方向中間部の左右両側に位置して一対の円形ボス部24aが突設されている。これらボス部24aには、前記固定用ねじ9を通すための通し孔32が形成されている。更に、下支持板部24の裏面には、ボス部24a(通し孔32)よりも下方の左右両側に位置して一対の係合突部33が突設されている。この係合突部33は、下支持板部24との間に挿入溝33aを形成した挟持部33bを有している。挟持部33bは下向きに突出し、従って、挿入溝33aは下向きに開放している。
【0024】
これら基体8側の嵌合突部31、通し孔32、係合突部33と、取付板7側の係合孔18、ねじ孔22、係合爪片23との位置関係は、基体8の収容部30の下側板27を取付板7の左側面部14、右側面部15の下端面および下リード線保持部16の下側面に当てた状態で収容部30を取付板7の外側に完全に被せたとき、基体8側の嵌合突部31が取付板7側の係合孔18の直ぐ上に位置すると共に、係合突部33の挿入溝33aが係合爪片23の直ぐ上に位置し、その後、収容部30の上側板26が取付板7の上面部13に当たるまで基体8を下方に移動させると、透し孔32がねじ孔22に合致する位置関係となるように定められている。
【0025】
なお、前述のように収容部30の上下方向の内寸法は取付板7の上下方向の外寸法よりも所定寸法以上長く定められているが、その所定寸法は、嵌合突部31との関係で述べると、収容部30の嵌合突部31の下方への突出寸法と同等で、これにより収容部30の下側板27を取付板7の左側面部14、右側面部15の下端面および下リード線保持部16の下側面に当てた状態で収容部30を取付板7の外側に完全に被せる際、嵌合突部31が取付板7の上面部13に当たることなく、上面部13の上に位置し得るようになる。
【0026】
次に、基体8を外壁面2に取り付ける手順を説明する。まず、外壁面2に取付板7を図示しないねじにより固定する。また、基体8の前面側にセンサ3、カメラ4およびタグリーダ5を取り付ける。そして、収容部30の下側板27の薄肉部27aを切除して切欠部を設けておく。
【0027】
その後、チューブ10から引き出されたリード線11を基体8の後側から引出孔12に通して前側に引き出し、配線板に接続する。そして、リード線11を下リード線保持部16の空間G内に2本の金属帯板16a,16b間の隙間から差し入れて当該リード線11を下リード線保持部16に保持させると共に、同様にしてリード線11を上リード線保持部17に保持させる。
【0028】
続いて、基体8を手に持って図3に示すように前傾させ、この前傾状態で、チューブ10を下側板27の薄肉部27aを切除して形成した切欠部に嵌め込むようにして収容部30の下端部分を取付板7の下端部分の外側に被せる。このとき、基体8が前傾状態にあるから、基体8と外壁面2との間には隙間が生じ、この隙間から収容部30の下端部分を覗き見ることができるので、基体8が取付板7よりも大形であっても、取付板7の下端部分に収容部30の下端部分を被せる作業を比較的容易に行うことができる。なお、リード線11は図1のみに示し、他の図には示していない。また、薄肉部27aを切除して生ずる切欠部も図示はしていない。
【0029】
次に、収容部30の下面部である下側板27を、下リード線保持部16を含む取付板7の下端部、即ち、取付板7の左側面部14、右側面部15の下端面および下リード線保持部16の下側面に当て、この当てた部分を支点にして基体8を後側に倒すように回動させる。そして、図2に示すように、基体8の上支持板部25の周縁のリブ部25a、下支持板部24の上側板26、下側板27、左側板28、右側板29の後端が外壁面2に、下支持板部24のボス部24aが取付板7の取付片21に、係合突部33が取付板7の前面に当たるまで回動させると、収容部30が取付板7の外側に完全に被さった状態となる。
【0030】
その後、基体8を収容部30の上側板26が取付板7の上面部13に当たるまで下方に移動させる。すると、図1に示すように、基体8の嵌合突部31が取付板7の係合孔18に嵌入(嵌合)して係合孔18の前側の内周面に接触する(係合)と共に、基体8の係合突部33の挿入溝33a内に取付板7の係合爪片23を侵入させて挟持部33bの前面に接触させ(係合)、且つ、通し孔32がねじ孔22に合致するようになる。
【0031】
なお、本実施形態では、嵌合突部31は取付板7の前面にも接触して係合孔18の前側の内周面と取付板7との間に挟まれた状態になっていると共に、挟持部33bは取付板7の前面にも接触して係合爪片23と取付板7との間に挟み付けられた状態になっている。しかし、下支持板部24の上側板26、下側板27、左側板28、右側板29の後端が外壁面2に当接しているので、嵌合突部31、挟持部33bは特に取付板7の前面に接触していなくとも良い。
【0032】
そして、基体8の上側板26が取付板7の上面部13に当たるまで下方に移動させた状態では、基体8は、収容部30の上側板26が取付板7の上面部13の上に載せられることで取付板7に支えられ、且つ、嵌合突部31の係合孔18への嵌合および係合突部33の係合爪片23への係合により、取付板7に仮固定された状態となる。
【0033】
そして、この仮固定状態で、固定用ねじ9を通し孔32に通してねじ孔22に螺着する。これにより基体8が取付板7に本固定される。
以上のように本実施形態によれば、基体8の収容部30の左右方向の内寸法が取付板7の左右方向の外寸法と同じか少しだけ大きく(上記内寸法と外寸法とは同程度に)定められているので、基体8の収容部30を取付板7の外側に被せることで基体8の左右方向の位置決めをすることができる。
【0034】
そして、この収容部30を取付板7の外側に被せる場合、基体8が取付板7よりも大形で取付板7が見難いという事情があっても、基体8の収容部30を前傾させて下端部分を取付板7の下端部分の外側に被せる際、前傾状態の基体8と外壁面2との隙間から収容部30と取付板7の下端部分を除き見ることができるので、その作業を容易に行うことができ、その後は、基体8を収容部30の下端部分を取付板7の下リード線保持部16に当てて当該部分を支点にして後に回動させれば、自然に収容部30を取付板7の外側に被せることができるので、基体8を取付板7に被せる作業が容易となる。
【0035】
しかも、基体8を取付板7に被せた後は、基体8を押し下げることで、上側の嵌合突部31が係合孔18に嵌合し、且つ、下側の係合突部33も係合爪片23に係合するので、基体8の上下両側が取付板7に仮固定状態となり、上側だけ、或いは下側だけが仮固定となる不完全な仮固定状態が防止される。
【0036】
そして、固定用ねじ9をねじ孔22に螺着する作業を行う場合、基体8を手で支えておく必要がなく、基体8にセンサ3の他にカメラ4、タグリーダ5が取り付けられていて重いという事情があっても、楽に基体8を固定用ねじ9で取付板7に固定できる。この固定状態では、固定用ねじ9の上側が嵌合突部31の係合孔18への嵌合により固定され、下側が係合突部33の係合爪片23との係合により固定されるので、固定用ねじ9の上下両側が取付板7から浮いたりせず、この結果、より少ない本数の固定用ねじ9によって基体8を取付板7に固定することができる。
【0037】
なお、本発明は上記し且つ図面に示す実施形態に限定されるものではなく、以下のような拡張或いは変更が可能である。
カメラ4、タグリーダ5はなくとも良い。
係合孔18は、図9に示すように取付板7の前面に溶接により固定した突片34に形成し、嵌合突部31は、図8に示すように基体8の下支持板部24の裏面に形成しても良い。
ねじ孔22は、図9に示すように取付板7の表面に溶接により固定した座板35に形成しても良い。
係合爪片23は、図9に示すように取付板7の表面に溶接に固定した突片36に形成しても良い。
【0038】
下リード線保持部16、上リード線保持部17は、それぞれ2本の帯状金属板16a,16bおよび17a,17bを取付板7の左側面部14、右側面部15に溶接により固定して構成しても良いし、また、図9に示すように左側面部14、右側面部15に折り曲げによって一体に形成するようにしても良い。
係合孔18、ねじ孔22、係合爪片23、嵌合突部31、通し孔32、係合突部33は中央部にそれぞれ1つだけ設けるようにしても良い。
取付板7の左側面部14および右側面部15の下端面は、取付板7の下端まで延びて当該取付板7の下端面と必ずしも面一である必要はなく、取付板6の下端面よりも上に止まった形態であっても良い。この場合には、前傾姿勢の基体8の下側板27は、下リード線保持部16の下側面に当てて後側へ回動させる。
【0039】
前傾姿勢の基体8の下側板27を取付板7の下端部に当てて後側へ回動させるとき、上支持板部25のリブ部25aは特に外壁面2に当接しなくとも良い。また、下支持板部24の上側板26、下側板27、左側板28、右側板29の後端が外壁面2に当接せず、ボス部24aが取付片21に、係合突部33が取付板7の前面に当たるだけでも良い。
【符号の説明】
【0040】
図面中、2は建物の外壁面、3はセンサ、4はカメラ、5はタグリーダ、7は取付基体、8は基体、9は固定用ねじ、11はリード線、13は上側部、14は左側面部、15は右側面部、16は下リード線保持部、17は上リード線保持部、18は係合孔(第1の被係合部)、22はねじ孔、23は係合爪片(第2の被係合部)、30は収容部、31は嵌合突部(第1の係合部)、32は通し孔、33は係合突部(第2の係合部)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面に固定され、上部、左側部および右側部にそれぞれ前向きに折れ曲がる上面部、左側面部および右側面部を有した取付板と、
前面側に、レーザービームを前方に出射して不審者の侵入を検出するセンサを取り付け、裏面側に、前記センサに接続されるリード線を収容する箱状の収容部を形成し、前記収容部を前記取付板の外側に被せた状態で当該取付板に固定される基体と、を備え、
前記収容部の上下方向長さを、前記取付板の上下方向長さよりも長く設定し、
前記取付板には、当該取付板の前面の下端部に位置し、前記基体の前記収容部の下面部に形成されるリード線通し部を通して前記収容部の内外に出し入れされるリード線を保持するためのリード線保持部を設けると共に、前面側の上下方向に隔たった3部位に、上から順に第1の被係合部、ねじ孔および第2の被係合部を設け、
前記基体には、前記収容部に位置し、前記取付板の前記第1の被係合部および第2の被係合部にそれぞれ上方から係合する第1の係合部および第2の係合部を設けると共に、前記取付板の前記ねじ孔に螺着される固定用ねじを通すための通し孔を設け、
前記基体を前傾姿勢にして前記収容部の下端部を前記取付板の下端部分の外側に被せるようにして前記収容部の下面部を前記リード線保持部を含む前記取付板の下端部に当て、当該取付板の下端部を支点に前記基体を前記壁面に当たるまで後側へ回動させて前記収容部を前記取付板の外側に被せたとき、前記収容部の前記第1の係合部および第2の係合部がそれぞれ前記取付板の前記第1の被係合部および第2の被係合部の上に位置し、この状態で前記基体を下方に移動させることにより、前記収容部の上面部が前記取付板の前記上面部に当接して前記基体が前記取付板の前記上面部に受けられ、且つ、前記第1の係合部と第2の係合部が前記第1の被係合部と第2の被係合部にそれぞれ係合すると共に、前記基体の前記通し孔が前記取付板の前記ねじ孔に合致して前記固定用ねじを前記通し孔に通し前記ねじ孔に螺着可能となるように構成したことを特徴とするセキュリティ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−46011(P2013−46011A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184690(P2011−184690)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】