説明

セラミックスローラ

【課題】金属製の軸芯と、軸芯の外周に形成される多孔質セラミックスの円筒体層とを備えるセラミックスローラにおいて、150℃を超えるような温度に加熱される際、円筒体層に亀裂を発生させないセラミックスローラを提供すること。
【解決手段】金属製の軸芯と、該軸芯の外周に形成されるセラミックス製の円筒体層と、該軸芯と該円筒体層との間に形成される、弾性を示す接着層とを備えるセラミックスローラ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製の軸芯と、該軸芯の外周に形成される円筒体層を備えるセラミックスローラに関し、特に電子複写機やプリンタなどの電子写真装置に搭載される熱定着装置に使用されるセラミックスローラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
静電複写機、レーザープリンタなどの電子写真装置は、暗中で一様に帯電した感光体表面に光学像を投影すると、感光体表面には光学像に対応した静電気潜像が形成され、その表面に現像剤である帯電トナーを散布して静電気的に付着させて画像を現像し、この感光体表面に前記トナーの帯電とは反対の極性に帯電させた印刷紙の表面を重ねて該トナーを紙面に転写し、この紙面上のトナーを熱定着ローラにより加圧下、加熱、溶融して紙面上に熱定着することにより、画像を複写させるものである。
【0003】
熱定着ローラにより紙面上のトナーを熱定着する熱定着装置部分としては、通常、熱定着ローラと加圧ローラの2つのローラで構成されたもの、あるいは、熱定着ローラと加圧ローラと搬送ローラの3つのローラで構成され、熱定着ローラまたは加圧ローラのうち何れか一方と、搬送ローラとの間に巻装される無端ベルトを有するものが知られている。すなわち、印刷紙は、その裏面側から加圧ローラ又は無端ベルトを介した加圧ローラで支持され、表面側から加熱された熱定着ローラにより加圧、加熱させて紙面上のトナーが融着して熱定着される。熱定着ローラの温度は、一般的に150〜200℃程度であるが、ローラ昇温時には、オーバーシュートにより、一時的にそれ以上の温度に達する場合も考えられる。
【0004】
熱定着ローラにより紙面上のトナーを融着させるために、融着可能な高温に加熱されるが、熱定着操作が行われる際、常に熱定着温度より遥かに低温の印刷紙や加圧ローラ、あるいは無端ベルトと接触し、回転するため、その瞬間に、多量の熱エネルギーが奪い取られて冷却される。このため、熱定着ローラは、このような接触による冷却を見込んで、より高い温度に加熱しておく必要があり、消費電力が増大してしまう。従って、加圧ローラには、熱伝導率の小さな性質、すなわち、断熱性が要求される。また、加圧ローラは、高温の熱定着ローラと接触するため、耐熱性も要求される。
【0005】
これを解決するものとして、軸芯と、該軸芯の外周に形成される多孔質セラミックスの円筒体層からなる加圧ローラが提案されている(特開2004−86219号公報)。加圧ローラにおいては、軸芯と該軸芯の外周に形成されるセラミックス円筒体層との接着性が必要となるものの、上記公報には、かかる接着についての具体的な接着方法の記載はない。
【0006】
一般に、セラミックスと金属の接着には、セラミックス接着剤、エポキシ樹脂系接着剤及びポリイミド系接着剤などが用いられる。しかしながら、例えば加圧ローラにおいて、軸芯と多孔質セラミックスの円筒体層との接着に、一般的なセラミックス接着剤、エポキシ樹脂系接着剤及びポリイミド系接着剤などを使用しても、熱定着ローラが加熱される際、金属製の軸芯とセラミックス製の円筒体層の熱膨張の差による応力を緩和できず、円筒体層に亀裂を生じさせる可能性がある。金属のうち、例えばステンレス鋼の熱膨張係数は約10〜20×10−6/Kであり、セラミックスの熱膨張係数は約3〜8×10−6/Kであり、温度上昇に伴う熱膨張の差は無視できないからである。
【0007】
一方、特開平2−261922号公報には、金属製の軸芯とセラミックス層からなる複合ローラにおいて、ローラ加熱時における、金属とセラミックス層の熱膨張の差により生じる応力を、中間層となる粘弾性体で緩和して、セラミックス層の亀裂を防ぐことが開示されている。しかし、この複合ローラにおける中間層となる粘弾性体は、40〜120℃のような比較的低温での使用であるため、耐熱性のないゴム類であるか、ゴム類より硬質な樹脂類である。また、粘弾性体からなる中間層には接着の機能はないため、別途、エポキシ系やシリコーン系などの接着剤を使用した接着層を設けており、製造工程を複雑にしている。
【特許文献1】特開2004−86219号公報
【特許文献2】特開平2−261922号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、金属製の軸芯と、該軸芯の外周に形成される多孔質セラミックスの円筒体層とを備えるセラミックスローラにおいて、軸芯と円筒体層との接着を維持しつつ、150℃を超えるような温度に加熱されても、円筒体層に亀裂を発生させないセラミックスローラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる実情において、本発明者らは鋭意検討を行った結果、金属製の軸芯と、軸芯の外周に形成されるセラミックス製の円筒体層と、軸芯と円筒体層との間に形成される、弾性を示す接着層とを備えるセラミックスローラであれば、ローラが加熱されて、金属製の軸芯とセラミックス製の円筒体層間に熱膨張の差が生じても、接着層がこの応力を緩和して、円筒体層に亀裂を生じさせることがないことなどを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、金属製の軸芯と、該軸芯の外周に形成されるセラミックス製の円筒体層と、該軸芯と該円筒体層との間に形成される、弾性を示す接着層とを備えるセラミックスローラを提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明のセラミックスローラは、ローラが150℃のような高温に加熱され、金属製の軸芯とセラミックス製の円筒体層間に熱膨張の差が生じても、この熱膨張の差に起因する応力を接着層が緩和するため、円筒体層に亀裂を生じさせることがない。また、特に接着剤として加熱硬化型のシリコーンゴムを用いたセラミックスローラは、円筒体層が、例え低嵩密度のケイ酸カルシウムを主成分とするセラミックスであったとしても、ローラが250℃のような高温に加熱されても、円筒体層に亀裂を生じさせることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明のセラミックスローラは、中心から外側に向けて順に、金属製の軸芯、接着層及びセラミックスの円筒体層からなる。なお、本発明において、セラミックスとは非金属無機材料を主成分とする材料を言う。本発明において、軸芯としては、使用に耐える剛性を有する金属であれば、特に制限されず、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、真鍮などが挙げられる。本発明は、軸芯が金属製で、その外周の円筒体層がセラミックス製の場合における加熱時の熱膨張の差による円筒体層の亀裂を防止するものである。
【0013】
本発明において、軸芯の外周に形成されるセラミックス製の円筒体層としては、特に制限されず、低熱伝導率及び低熱容量で表される高断熱性、高耐熱性、高強度のものが好適であり、具体的には、無機質バインダーと耐熱性無機質材料を主成分とするセラミックス(以下、第1のセラミックスとも言う。)及びケイ酸カルシウムを主成分とするセラミックス(以下、第2のセラミックスとも言う。)が挙げられる。
【0014】
第1のセラミックスは、セラミックスローラの円筒体層に用いる公知のセラミックスであり、例えば特開2004−301293号に開示されている。第1のセラミックスは、通常、無機質バインダー100質量部と、耐熱性無機質材料0〜500質量部とからなるものである。
【0015】
該無機質バインダーは、焼成工程において自らセラミックス成分となり且つ該無機質材料を相互に固結する材料である。該無機質バインダーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ガラスフリット、コロイダルシリカ、アルミナゾル、シリカゾル、珪酸ソーダ、チタニアゾル、珪酸リチウム、水ガラスなどが挙げられる。これらの無機質バインダーは、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0016】
該耐熱性無機質材料としては、繊維状物と粒子状物が挙げられ、繊維状耐熱性無機質材料としては、例えば、アルミナシリカ繊維、アルミナ繊維、クリソタイル、カーボンファイバー、ガラス繊維、スラグウール、シリカ繊維、ジルコニア繊維、石膏ウイスカー、炭化珪素繊維、チタン酸カリウムウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、高珪酸ファイバー、溶融シリカファイバー及びロックウールなどが挙げられる。なお、これらの繊維状耐熱性無機質材料は、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0017】
該粒子状耐熱性無機質材料としては、クレー、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アルミ、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、ジルコニア、チタニア、セピオライト、カオリン、ゼオライト、窒化珪素、窒化アルミニウム、アルミノボロシリケート、アルミノシリケート及び多孔質炭素等が挙げられる。また、粒子状耐熱性無機質材料として中空セラミックス、ガラスバルーン等の中空材料を使用することもできる。なお、これらの粒子状耐熱性無機質材料は、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0018】
上記の繊維状耐熱性無機質材料の長さまたは粒子状耐熱性無機質材料の長径は、特に限定されず、水中分散性、押出成形性などを考慮し、3mm以下のものが好ましい。また、繊維状耐熱性無機質材料の直径および粒子状材料の直径は、製品であるセラミックスローラの内部熱容量をより小さくするためには、やや太い、例えば1〜15μmのものが好ましい。また、同様に内部熱容量をより小さくするために内部に気孔を有する中空の繊維状、または粒子状耐熱性無機質材料を使用することも好ましい。
【0019】
該耐熱性無機質材料は任意成分であるが、耐熱性および強度向上の観点から使用することが好ましい。該耐熱性無機質材料の使用量は、無機質バインダー100質量部に対して0〜500質量部、好ましくは100〜300質量部である。使用量が500質量部を超えると、得られる円筒体層の強度が十分でなくなる。
【0020】
第1のセラミックスの製造方法としては、公知の方法で得ることができる。すなわち、第1のセラミックスは、通常、該無機質バインダー及び耐熱性無機質材料の他に、有機質バインダーと、必要によりさらに耐水性有機質材料と、を主成分とする混合物に水を加えて水系混合物を調製する混練工程によって得られた混合物を、成形工程、乾燥工程及び焼成工程とを含む工程を経て製造される。
【0021】
次に、第2セラミックスについて説明する。第2セラミックスにおいて、ケイ酸カルシウムとしては、特に制限されず、ケイ酸質原料とカルシウム原料を水の存在下で水熱反応せしめて生成した化合物である。ケイ酸カルシウムの結晶としては、例えばゾノトライト結晶、トバモライト結晶、不定形C−S−H結晶等が挙げられる。これらの結晶は、単独結晶または2つ以上が混在する結晶であってもよいが、単独結晶が好ましい。特にゾノトライト結晶からなる成形体は軽量で比強度が非常に大きく、耐熱性と断熱性に優れているため好ましい。ゾノトライト結晶は、集合し且つ結合して二次粒子を形成している。このような結晶は、円筒体層表面をX線回折することにより容易に特定することができる。
【0022】
ゾノトライト結晶の二次粒子は、明確な球形状で、粒子表面には針状のゾノトライト結晶が栗のいが状に析出しており、内部が空洞またはそれに近い状態となっている。従って、この二次粒子を用いて成形した場合、非常に嵩高く、熱伝導率及び熱容量が低いものとなる。また、この二次粒子の自己硬化性により、相互に結合しているため、軽量であっても優れた強度も有している。
【0023】
円筒体層は、ケイ酸カルシウム以外に、補強材、充填材、補強繊維、軽量骨材等が必要に応じて任意の配合割合で添加されていてもよい。補強材としては、セメント、石膏等が挙げられ、充填材としては、タルク、珪藻土、フライアッシュ等が挙げられ、補強繊維としては、ガラス繊維、セラミック繊維、アルミナ繊維、ワラストナイト、パルプ、ポリプロピレン繊維、アラミド繊維、カーボン繊維等が挙げられ、軽量骨材としては、マイクロシリカ、パーライト、シラスバルーン、ガラスバルーン等が挙げられる。また、その配合量としては、例えば、ケイ酸カルシウム100質量部に対して、補強材0〜20質量部、好ましくは10〜20質量部、充填材0〜20質量部、好ましくは5〜10質量部、補強繊維0〜20質量部、好ましくは5〜10質量部、軽量骨材0〜20質量部、好ましくは5〜10質量部である。
【0024】
第2セラミックスの製造方法としては、ケイ酸質原料と石灰質原料とを多量の水とともにオートクレーブ中で攪拌しながら高温度に加熱することによりケイ酸カルシウム結晶を得る結晶化工程と、該ケイ酸カルシウム結晶を含むスラリーからケイ酸カルシウム結晶含有成形体を成形する成形工程とを備える方法が挙げられる。
【0025】
結晶化工程において得られるケイ酸カルシウム結晶の種類としては、ゾノトライト結晶、トバモライト結晶、不定形C-S-H結晶のいずれであってもよいが、ゾノトライト結晶のみを生成させることが好ましい。結晶化工程において、ゾノトライト結晶を生成させるには、オートクレーブ中の温度条件、圧力条件、攪拌条件を適宜設定すればよい。ゾノトライト結晶の一次粒子は針状結晶を形成し、該一次粒子は、直径10〜150μmの球状の二次粒子を形成する。また、一次粒子は、集合してさらに結合して内部が空洞またはそれに近い状態の球状の二次粒子を形成し、二次粒子の表面には針状のゾノトライト結晶が栗のいが状に析出する。こうしたゾノトライト結晶からなる二次粒子は、乾燥して水を除いただけで強固に結びついて強度が発現する。なお、一次粒子および二次粒子の形態は走査型電子顕微鏡等により確認できる。
【0026】
ケイ酸カルシウム結晶として好適なゾノトライト結晶を得るためには、ケイ酸質原料と石灰質原料とを、ケイ酸質原料と石灰質原料の合計に対して通常20〜40倍量の多量の水と攪拌しながらオートクレーブ中で、飽和蒸気圧7〜20kg/cm、好ましくは13〜17kg/cmで水熱合成させる。また、ケイ酸質原料と石灰質原料とは、CaO/SiOをモル比で通常0.8〜1.2、好ましくは0.9〜1.1に調整すればよい。
【0027】
ケイ酸質原料としては、成分としてSiOが含まれていれば、特に制限はされず、例えば、珪石、溶融シリカ等が挙げられる。このうち、結晶質のもの、特に珪石を用いることが、ゾノトライト結晶を生成させることができる点で好ましい。また、平均粒径5〜15μmの微粉末を用いることが好ましい。石灰質原料としては、成分としてCaOが含まれていれば、特に制限はされず、例えば、消石灰、生石灰等が挙げられる。このうち、生石灰を用いることが、ゾノトライト結晶を十分に成長させることができる点で好ましい。
【0028】
成形工程において、スラリーには、ケイ酸カルシウム結晶の他に、補強材、充填材、補強繊維又は軽量骨材がさらに含まれていてもよい。こうした任意成分を添加することにより、さらに強度の高いケイ酸カルシウム結晶含有成形体を得ることができる。補強材、充填材、補強繊維及び軽量骨材は、円筒体層の説明で記載されたものと同様のものが挙げられる。
【0029】
成形工程において、成形方法は、公知の方法であれば特に制限はなく、抄造法や脱水プレス成形法といった脱水成形法、押出成形法が挙げられるが、所望の成形体の密度が0.5g/cm未満の場合には、水量が多いスラリー状の状態より成形する脱水プレス成形法が好適である。脱水プレス成形法によれば、ゾノトライトニ次粒子の自己硬化性作用により、嵩密度0.05〜0.5g/cmといった比較的低密度であっても、熱伝導率0.01〜0.1W/(m・K)かつ圧縮強度1〜5Mpa、引張強度0.5〜3Mpa、さらには、熱伝導率0.06〜0.09W/(m・K)かつ圧縮強度2〜4Mpa、引張強度1.0〜2.5Mpa、の成形体を得ることができる。成形体の密度は、スラリー中のゾノトライト結晶二次粒子の嵩高さ、脱水成形時の成形圧力を変更することにより調整すればよい。例えば、ゾノトライト結晶二次粒子を嵩高くすると比較的嵩密度が低い成形体を得ることができる。ゾノトライト結晶二次粒子の嵩密度は、出発原料、スラリーの濃度や攪拌条件等を適宜変更して調整される。成形圧力は通常1〜70kgf/cm、好ましくは10〜50kgf/cm、時間は通常1〜30分、好ましくは5〜10分かけて行うのがよい。
【0030】
また、前記スラリーを濃縮して成形助剤を添加し、固形分100質量部に対して50〜100質量部の水を含む混錬物にすれば、押出成形法によりケイ酸カルシウム結晶含有成形体を成形することもできる。ここで、成形助剤は、押出し成形助剤として使用できる有機バインダーであれば特に制限はなく、その配合量は、固形分100質量部に対して3〜10質量部であればよい。また、混錬物には、その他の任意成分が含まれていてもよく、その配合量は、混ケイ酸カルシウム結晶100質量部に対して、補強材0〜20質量部、好ましくは10〜20質量部、充填材0〜50質量部、好ましくは10〜30質量部、補強繊維0〜20質量部、好ましくは5〜10質量部、軽量骨材0〜40質量部、好ましくは10〜20質量部である。密度の調整は、混練水量、充填材、軽量骨材を組み合わせて調整すればよい。混錬工程に使用する混錬装置としては、例えば、加圧型ニーダ、双腕型ニーダ、高速ミキサー、バタフライミキサー等挙げられるが、公知のものであれば適宜使用することができる。
【0031】
上記方法により得られたケイ酸カルシウム結晶含有成形体は、公知の技術により乾燥され、成形体を得ることができる。乾燥条件は、通常100〜200℃、1〜24時聞程度でよいが、脱水成形法を用いるのであれば、通常50〜300℃で1〜24時間、好ましくは150〜250℃で3〜10時間かけるのが好ましい。
【0032】
ケイ酸カルシウム結晶含有成形体の形状としては、特に制限はないが、例えば、ボード状、角柱状、円筒状、半円筒状、円筒状または半円筒状のものを分割したもの等が挙げられる。こうした形状を得るためには、脱水成形であれば、所望の形状をした型を用いればよい。ボード状、角柱状の成形体から円筒状のものを得るには、切削加工を行えばよい。
【0033】
円筒体層のセラミックスの嵩密度は、0.05〜1.5g/cmであり、第1のセラミックスの場合、その嵩密度は、通常0.5〜1.5g/cmであり、好ましくは0.5〜1.0g/cmである。第2のセラミックスの場合、その嵩密度は、通常0.05〜0.5g/cmであり、好ましくは0.2〜0.4g/cmである。
【0034】
また、円筒体層のセラミックスの熱容量は、0.04〜1.5J/(K・cm)であり、第1のセラミックスの場合、0.4〜1.5J/(K・cm)である。第2のセラミックスの場合、0.04〜0.4J/(K・cm)である。また、円筒体層のセラミックスの熱伝導率は、0.01〜0.5W/(m・K)であり、第1のセラミックスの場合、その熱伝導率は0.1〜0.5W/(m・K)であり、好ましくは0.1〜0.3W/(m・K)である。第2のセラミックスの場合、その熱伝導率は0.01〜0.1W/(m・K)であり、好ましくは0.06〜0.09W/(m・K)である。
【0035】
熱容量(KJ/cm)は、試料を粉砕し、そのうちの50gを、高温試料投下型比熱測定装置を用いて比熱を測定し、嵩密度の値から算出することができる。また、熱伝導率(W/m・K)は、幅100mm、厚さ20mm、長さ50mmの平面板状の試験体における表面を、JIS R2618 非定常熱線法に準じて、迅速熱伝導率計QTM−500(京都電子工業株式会社製)により、室温で測定したものである。なお、上記の円筒体層は異なった嵩密度や熱容量のセラミックス層から構成されていてもよい。たとえば、外周面に近い部分はその内部より比較的低い熱容量のセラミックス層とすることもできる。
【0036】
本発明において、弾性を示す接着層(以下、単に接着層とも言う。)としては、特に制限されないが、硬度が、デュロメータAで10〜90、好ましくは20〜50、更に好ましくは20〜30の接着層である。一般的に、ゴムの柔軟性(弾性)の指標は、ゴム硬度で表される。接着層の硬度がデュロメータAで10未満であると、接着性が低下し、また、デュロメータAで90を超えると、熱膨張の差に起因する応力を緩和する程度の弾性が発現しない。デュロメータAは、JIS K6253(加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法)に規定される方法で測定することができ、デュロメータ硬さ試験のタイプA(中硬さ用試験)として規定されるものである。このような接着層としては、シリコーンゴムが挙げられる。
【0037】
接着層を形成するシリコーンゴムは、やわらかなペースト状及び流動体を含む一般的に液状シリコーンゴムと称されるものが、塗布された後、硬化したものであり、硬化後は上記硬度を有する。塗布時の液状シリコーンゴムは、23℃の粘度が50Pa・s以上、好ましくは23℃の粘度が100〜500Pa・sの高粘度な流動体の液状シリコーンゴムであるか、あるいは粘度測定が困難である、液だれしないか、流動性のないものか、あるいはのり状のもののような、やわらかなペースト状の液状シリコーンゴムに属するものが挙げられる。
【0038】
液状シリコーンゴムは、硬化機構の違いにより、様々な硬化型が存在する。その中でも、硬化反応に加熱を必要としない常温硬化型と称されるものと、加熱することで硬化反応が促進される又は硬化させるために加熱が不可欠である加熱硬化型と称されるものがある。また、一般的に液状シリコーンゴムと称されるものは、1成分型又は2成分型以上の多成分系が存在するが、上記粘度は、多成分系の場合、混合した後における塗布時のものを言う。
【0039】
硬化後のシリコーンゴムにおける連続使用可能な耐熱温度は、常温硬化型、加熱硬化型を問わず、一般的に200℃程度であり、間欠的には300℃にも耐え得る。そのため、常温から200℃程度までにおいては、接着性と同時に弾性を示すことは明らかである。また、それ以上の温度、例えば250℃での接着性と弾性については、経時劣化が考えられる。但し、間欠的には300℃にも耐え得ることを踏まえれば、短期間において、接着性と同時に弾性を示すことは明らかである。従って、ローラが150℃近傍、あるいは250℃近傍に加熱され、熱膨張の差に起因する応力が生じても、これを緩和する弾性を発現することができる。なお、本発明において、接着層の弾性とは、ローラが150℃を越える温度に加熱され、熱膨張の差に起因する応力を緩和する程度の弾性力を言う。
【0040】
接着層にこのようなシリコーンゴムを用いると、円筒体層のセラミックスの多孔部分にシリコーンゴムが少し入り込むため、化学的接着力の他、アンカー効果により接着力が向上する。接着層が常温から少なくとも150℃の温度範囲で弾性を示さないものは、ローラが加熱されて、金属製の軸芯とセラミックス製の円筒体層間に熱膨張の差が生じると、応力を緩和できず、円筒体層に亀裂を生じさせる。また、接着層が接着性を示さないと、軸芯と円筒体層が一体化せず、加圧ローラや搬送ローラが正常に作動しなくなる。
【0041】
本発明のセラミックスローラにおいて、円筒体層が嵩密度0.05〜0.5g/cm、特に0.2〜0.4g/cmであるケイ酸カルシウムを主成分とするセラミックスを用いる場合、接着層は加熱硬化型シリコーンゴムであることが好ましい。その理由は次ぎの通りである。すなわち、円筒体層の嵩密度が0.05〜0.5g/cmのように低密度の場合、嵩密度に比例して、強度も低下傾向にあるため、弾性を示す接着層を形成した場合であっても、円筒体層の亀裂が入り易いものとなる。この場合、接着層に加熱硬化型シリコーンゴムを使用すると、軸芯が膨張した後にシリコーンゴムが硬化するため、加熱時に生じる熱応力が軽減され、接着層に常温硬化型シリコーンゴムを用いた場合に比べて、高い温度でも円筒体層に亀裂が生じ難いものとなる。なお、接着層に加熱硬化型シリコーンゴムを使用した場合、ローラが高温状態から冷却される場合に引張り応力が作用するものの、該引張り応力は、円筒体層と接着層が加熱当初から密着状態にある熱膨張過程で生じる応力と比べれば、小さいものであることは明白である。なお、円筒体層の嵩密度が0.5g/cmを超える、特に0.6g/cmを超えるような高密度の場合、接着層のシリコーンゴムは、常温硬化型シリコーンゴムであっても、加熱硬化型シリコーンゴムであってもよいが、加熱硬化型シリコーンゴムの方が、円筒体層に亀裂がより生じ難いものとなる点で好ましい。
【0042】
本発明のセラミックスローラにおいて、円筒体層の外周には、更にPFA樹脂のフイルムなどのフッ素樹脂層やガラス層などの無機質層を被覆することができる。このような被覆層は、公知の方法により形成することができる。
【0043】
本発明のセラミックスローラの製造方法において、金属製の軸芯と、軸芯の外周に接着層を形成し、接着層の外周にセラミックス製の円筒体層を形成する方法としては、公知の方法が適用できる。例えば、軸芯の外周にケイ酸カルシウム結晶含有成形体からなる円筒体層を形成する場合、円筒状の成形体に形成される中空部に、予め接着剤を塗布しておいた軸芯を挿入してもよいし、半円筒状の成形体の内側に形成される内面に接着剤を塗布して、一対の半円筒状の成形体を軸芯に被せて固着させてもよいし、軸芯と該軸芯の外周に形成された円筒状成形体の隙間から接着剤を注入させてもよい。
【0044】
接着剤としては、硬化後、前述の弾性を示す接着層を形成するものであれば、特に制限されず、公知のものが使用できる。このような接着剤としては、やわらかなペースト状及び流動体を含む、一般的に液状シリコーンゴムと称されるものが挙げられる。液状シリコーンゴムは、前述の如く、常温硬化型と称されるものと加熱硬化型と称されるものが挙げられる。液状シリコーンゴムは、塗布時の23℃における粘度が50Pa・s以上、好ましくは23℃の粘度が100〜500Pa・sの高粘度な流動体の液状シリコーンゴムであるか、あるいは粘度測定が困難である、やわらかなペースト状の液状シリコーンゴムに属するものが挙げられる。液状シリコーンゴムの粘度が低過ぎると、円筒体層への過剰な染み込みで円筒体層の気孔を閉塞し、また充填する際、不具合が生じ易くなる。
【0045】
本発明のセラミックスローラは、嵩密度が小さく、熱容量および熱伝導率が小さいため、断熱性が優れる。このため、電子複写機やプリンタなどの電子写真装置に搭載される熱定着装置に使用される断熱性が要求されるローラ類に使用することができる。すなわち、本発明のセラミックスローラが使用できる用途としては、種々な名称で呼ばれている、例えば、搬送ローラ、補助ローラ、ドライブローラ、剥離ローラ、テンションローラ、駆動ローラ、ガイドローラ等が挙げられる。
【0046】
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。なお、実施例および比較例において、表1に記載の各評価項目は以下の試験法により測定した。
【0047】
(1) 嵩密度(g/cm):試験片の質量と形状寸法から算出される体積とから算出した。
(2)引張強度:円筒体層と同一の原料組成で、直径40mm、長さ100mmの円筒状の試験片を別に作製し、JIS R1606のファインセラミックスの室温引張強さ試験方法に準拠して測定したものである。
(3)硬度:試験片として、直径40mm、厚さ10mmの円柱状の試験片を別に作製し、JIS K6253のデュロメータ硬さ試験における、タイプAの中硬さ用またはタイプD高硬さ用試験方法に準拠して測定したものである。
(4)ローラ加熱試験;送風定温恒温器(「DN610」ヤマト科学社製)内にローラを置き、昇温速度40℃/時間で所定の加熱温度まで加熱し、1時間保持した後、降温速度40℃/時間で100℃まで降温し、恒温器からローラを取り出し、円筒体層の亀裂の有無を目視観察した。なお、所定の加熱温度は100、150、200及び250℃の各温度である。
【実施例1】
【0048】
(円筒体層の調製)
組成物の配合組成が、ガラス繊維100質量部、無機質バインダーとしてガラスフリット100質量部、可燃性有機物質としてポリエチレン粒子60質量部および有機質バインダーとしてメチルセルロース20質量を水125質量部に混合して水系混合物とし、この混合物を双腕型ニーダで、混練して可塑性混合物を得た後、この可塑性混合物を押出成形して円筒体を得た。得られた円筒状の成形体を、105℃で5時間乾燥して硬化し、ついで300〜400℃までの範囲で合計24時間加熱して、含有されるポリエチレン粒子およびメチルセルロース成分を焼失させ、その後、さらに大気中にて600℃3時間焼成して、無機質バインダーを融着させて、無機質成分を一体化させた、外径20mm、内径10.4mm、長さ300mmの円筒状の低嵩密度セラミックス体2本を得た。
【0049】
セラミックスローラの製造:
外径10mm、長さ350mmのSUS製の軸芯の外周面と、2本の中の1本の円筒状の低嵩密度セラミックス体の内周面に、ペースト状の常温硬化型シリコーンゴム接着剤(「KE422」信越化学工業社製)を塗布し、その後、円筒状の低嵩密度セラミックスの中空部に軸芯を挿入して軸芯、接着層および円筒体層とからなるセラミックスローラを得た。なお、接着層は硬化後の厚みが200μmとなるように塗布した。
【0050】
残りの低嵩密度セラミックス体について、前記の方法で嵩密度を測定し、また、セラミックスローラについて、ローラ加熱試験を行い、それらの結果を表1に記載した。その結果、実施例1はローラ加熱試験において、250℃まで加熱しても円筒体層に亀裂は生じなかった。
【実施例2】
【0051】
常温硬化型シリコーンゴム接着剤(「KE422」信越化学工業社製)に代えて、ペースト状の常温硬化型シリコーンゴム接着剤(「KE4525」信越化学工業社製)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で行った。その結果、実施例2のローラは接着層が実施例1に比べて若干硬いものであった。また、実施例1はローラ加熱試験において、200℃まで加熱しても円筒体層に亀裂は生じなかった。
【実施例3】
【0052】
常温硬化型シリコーンゴム接着剤(「KE422」信越化学工業社製)に代えて、ペースト状の常温硬化型シリコーンゴム接着剤(「KE3493」信越化学工業社製)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で行った。その結果、実施例3のローラは接着層が実施例2に比べて若干硬いものであった。また、実施例3はローラ加熱試験において、150℃まで加熱しても円筒体層に亀裂は生じなかった。
【実施例4】
【0053】
(ゾノトライト結晶の生成)
石灰質原料としての生石灰(150メッシュの足立生石灰)を24倍量の90℃の熱水に投入し、160rpmで回転する攪拌翼で攪拌しながら30分間消化して石灰乳を得た。次いで、得られた石灰乳にケイ酸質原料としての珪石粉末(伊豆珪石特粉D)をCaO/SiOモル比が1.0となるように添加し、同時に、生石灰と珪石粉末との合計量の30倍量の水を加えて均一なスラリーとし、オートクレーブ中、120rpmで攪拌しながら、圧力16kg/cmで4時間水熱反応させた。得られたスラリー中の固形物は実質的にゾノトライト結晶からなり、針状結晶が多数集合した直径30〜130μmの球状の二次粒子を形成していた。
【0054】
(スラリーの調整)
該スラリーにゾノトライト結晶100重量部に対して7重量部のポルトランドセメント(「普通ポルトランドセメント」;宇部三菱セメント社製)、5重量部のガラス繊維(「ECS131−33G」;日本電気硝子社製)、固形分換算で100ppmの凝集剤(「サンフロックN−0P」三洋化成工業社製)を添加して混合して脱水プレス成形用のスラリーを得た。該スラリーを型枠に流し込み、成形圧力30kgf/cmで脱水プレス成形したのち、100℃で12時間乾燥して、長さ350mm、幅350mm、厚さ30mmのボード状の成形体を得た。
【0055】
(セラミックスローラの製造)
得られたボード状の成形体から、縦30mm、横30mm、長さ300mmの角柱状の成形体片を切出した。該成形体片の長さ方向に沿った中心に直径10.4mmの貫通孔を形成した。該貫通孔に予め常温硬化型シリコーンゴム接着剤(「KE422」信越化学工業社製)を塗布しておいた後、ステンレス製の軸芯を挿入した。成形体片が軸芯に固着したことを確認したのちに、成形体片の外径を研削して肉厚5mmの円筒体層を得た。
【0056】
ボード状成形体体について、前記の方法で嵩密度を測定し、また、セラミックスローラについて、ローラ加熱試験を行い、それらの結果を表1に記載した。その結果、実施例4はローラ加熱試験において、150℃まで加熱しても円筒体層に亀裂は生じなかった。
【実施例5】
【0057】
常温硬化型シリコーンゴム接着剤(「KE422」信越化学工業社製)に代えて、ペースト状の加熱硬化型シリコーンゴム接着剤(「KE1823」信越化学工業社製)を使用した以外は、実施例4と同様の方法で行った。なお、セラミックスローラは、ボード状の成形体の貫通孔に予め上記加熱硬化型シリコーンゴム接着剤を塗布しておいた後、ステンレス製の軸芯を挿入し、硬化温度180℃を超える温度まで加熱して、成形体片が軸芯に固着したことを確認したのちに、成形体片の外径を研削して肉厚5mmの円筒体層を得た。その結果、実施例5はローラ加熱試験において、250℃まで加熱しても円筒体層に亀裂は生じなかった。
【0058】
比較例1
常温硬化型シリコーンゴム接着剤(「KE422」信越化学工業社製)に代えて、塗布時の粘度が50Pa・sの1液加熱硬化型セラミック(アルミナ)接着剤を使用した以外は、実施例1と同様の方法で行った。なお、セラミックスローラは、円筒体層と軸芯は、接着剤塗布後、硬化温度150℃を超える温度まで加熱して、円筒体層と軸芯を固着させた。その結果、比較例1はローラ加熱試験に至る前の段階である接着剤を硬化させる昇温過程において、円筒体層に亀裂が生じた。
【0059】
比較例2
常温硬化型シリコーンゴム接着剤(「KE422」信越化学工業社製)に代えて、エポキシ樹脂接着剤を使用した以外は、実施例1と同様の方法で行った。その結果、比較例2はローラ加熱試験において、100℃の加熱により円筒体層に亀裂が生じた。なお、エポキシ樹脂接着剤は、塗布時の粘度が70〜160Pa・sの2液常温硬化型エポキシ樹脂系接着剤であり、硬化後の硬度はデュロメータDが82と、デュロメータAよりも硬質なものであった。
【0060】
比較例3
常温硬化型シリコーンゴム接着剤(「KE422」信越化学工業社製)に代えて、ポリイミド接着剤を使用した以外は、実施例1と同様の方法で行った。なお、セラミックスローラは、円筒体層と軸芯は、接着剤塗布後、硬化温度300℃を超える温度まで加熱して、円筒体層と軸芯を固着させた。その結果、比較例1はローラ加熱試験に至る前の段階である接着剤を硬化させる昇温過程において、円筒体層に亀裂が生じた。なお、ポリイミド接着剤は、ポリイミドワニスと称されるものであり、塗布時の粘度が30〜70Pa・sのものであり、硬化後の硬度はデュロメータDが85と、デュロメータAよりも硬質なものであった。
【0061】
【表1】

【0062】
表1から明らかなように、実施例1〜5はいずれもローラ加熱試験における150℃において、円筒体層に割れが生じることはなかった。一方、従来のエポキシ樹脂系接着剤、セラミックス系接着剤あるいはポリイミド樹脂系接着剤を用いた比較例では、ローラ作製時の加熱段階で亀裂が生じる(比較例1及び3)か、あるいはローラ加熱試験における100℃において、円筒体層に割れが生じた。また、無機質バインダーと耐熱性無機質材料を主成分とするセラミックスを円筒体層とする場合、ゴム硬度が低いシリコーンゴムを使用するほど、割れに対する耐性が高いことが判る。また、円筒体層として、嵩密度が小さく、比較的強度が小さいケイ酸カルイシウムを主成分とするセラミックスを使用する場合、接着剤として加熱硬化型シリコーンゴムを使用すれば、割れに対する高い耐性を示すことが判る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の軸芯と、該軸芯の外周に形成されるセラミックス製の円筒体層と、該軸芯と該円筒体層との間に形成される、弾性を示す接着層とを備えることを特徴とするセラミックスローラ。
【請求項2】
前記接着層は、シリコーンゴムであることを特徴とする請求項1記載のセラミックスローラ。
【請求項3】
前記接着層の硬度は、デュロメータAで10〜90であることを特徴とする請求項1又は2記載のセラミックスローラ。
【請求項4】
前記円筒体層は、嵩密度0.05〜1.5g/cm、熱伝導率0.01〜0.5W/(m・K)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のセラミックスローラ。
【請求項5】
前記円筒体層は、嵩密度が0.05〜0.5g/cmであり、ケイ酸カルシウムを主成分とするセラミックスであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のセラミックスローラ。
【請求項6】
前記接着層が、加熱硬化型シリコーンゴムであることを特徴とする請求項5記載のセラミックスローラ。
【請求項7】
前記円筒体層は、嵩密度が0.5g/cmを超え、1.5g/cm以下であり、無機質バインダーと耐熱性無機質材料を主成分とするセラミックスであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のセラミックスローラ。
【請求項8】
電子写真装置の熱定着装置で使用されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のセラミックスローラ。

【公開番号】特開2007−248738(P2007−248738A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−71052(P2006−71052)
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【出願人】(000110804)ニチアス株式会社 (432)
【Fターム(参考)】