説明

セラミック顆粒を含む粉体

本発明は、特にセラミック焼結部品の製造のための粒状粉体であって、乾燥物質を基準として、重量による次の化学組成、すなわち:25℃以下のガラス転移温度を有する少なくとも1%の第1バインダー;25℃超のガラス転移温度を有する0〜4%の追加のバインダー;第1バインダーおよび追加のバインダーとは異なる0〜4%の一時添加剤であって、第1バインダー、追加のバインダーおよび一時添加剤の合計含有率が9%未満である一時添加剤;セラミック材料を焼結するための0〜15%の添加剤;少なくとも2%の不純物;ならびに100%となるまでの残分の、セラミック材料および任意的に前記セラミック材料を安定化する剤を含む前記粉体に関する。本発明によれば、この粉体の中央粒径D50は80〜130μmであり、パーセンタイル値D99.5は500μm未満であり、顆粒の相対密度は30%〜60%である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックベースの顆粒を含む粉体に、そのような顆粒の製造方法におよびそのような顆粒から得られる焼結部品に関する。
【背景技術】
【0002】
セラミックベースの焼結部品においては、機械的強度は、部品中の欠陥の量とともに低下し、密度とともに増加する。
【0003】
特開昭57−17448号公報は、焼結後の密度および三点曲げ強度を増加させるためのジルコニアベースの顆粒の使用を記載している。これらの顆粒は、スリップを噴霧乾燥することによって得られ、その比重は0.80〜1.2g/cmに制御される。この比重は、激しい撹拌によっておよびまた発泡剤または発泡防止剤の使用によって調節される。実施例はまた、乾燥物質の百分率として、3%のアクリル樹脂のスリップへの添加を開示している。これらの顆粒は、0.01〜0.2mmの直径、および約60ミクロンの中央粒径を有する。それらは、プリフォームの製造中に良好な金型充填を可能にし、成形圧力の影響下に変形する能力を有し、それによって加圧成形後のプリフォーム中に存在する欠陥の数を制限する。
【0004】
しかし、特開昭57−17448号公報に記載される顆粒は、大きい寸法の部品の製造に、特に100cm超の容積を有する部品の製造に好適ではない。実際に、特開昭57−17448号公報に記載される顆粒から得られる大きい寸法の部品は、焼結後に、それらのコア中の亀裂およびまた表面欠陥、主として剥離欠陥を示し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
良好な機械的性能レベルおよび高密度の、100cm超の容積を有する、特にその寸法がすべて2cm超であるセラミック材料をベースとする焼結部品を製造することを可能にする粉体が絶えず必要とされている。
【0006】
本発明の一目的は、この必要性を満たすことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、特にセラミック焼結部品の製造のための、顆粒を含む粉体であって、乾燥物質を基準として、重量による次の化学組成:
− 100%となるまでの残分の、セラミック材料および、任意的に、前記セラミック材料用の安定剤;
− 25℃以下のガラス転移温度(Tg)を有する少なくとも1.0%の第1バインダー;
− 25℃超のガラス転移温度を有する0〜4.0%の追加のバインダー;
− 第1バインダーおよび追加のバインダーとは異なる0〜4.0%の一時添加剤であって、前記第1バインダー、前記追加のバインダーおよび前記一時添加剤の合計含有率が9.0%未満である一時添加剤;
− 前記セラミック材料を焼結するための0〜15%の添加剤;
− 2.0%未満の不純物;
を有し、
前記粉体の中央粒径D50が80〜130μmであり、パーセンタイル値D99.5が500μm未満であり、前記顆粒の相対密度が30%〜60%である前記粉体を提案する。
【0008】
好ましくは、顆粒の80%超、90%超、または実質的に100%さえが、粉体の組成と一致した組成を有する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以後の説明でより詳細に分かるように、本発明者らは、第1バインダーの、追加のバインダーのおよび一時添加剤の総含有率が9.0%未満に制限されるという条件で、本発明による顆粒のサイズの特異的分布が優れた機械的性能レベルを得ることを可能にすることを発見した。本発明者らは、中央粒径に比例してバインダーの含有率を上げることにある常套手段に反して、特許請求される中央粒径範囲において、第1バインダーの含有率を比較的低く保つことが有利であることを実際に観察した。特に、本発明者らは、第1バインダーの含有率のこの制限が、永久内部欠陥、すなわち、前記顆粒を加圧成形することによって得られるプリフォームの焼結中に除去されない欠陥の出現を制限することを発見した。
【0010】
本発明者らはまた、未焼結状態での機械的強度を向上させるために高いガラス転移温度を有するバインダーを添加することにある常套手段に反して、25℃未満のガラス転移温度を有するバインダーを選択することが有利であることを観察した。本発明者らは、このタイプのバインダーが、しかし、未焼結状態でのそれらの機械的強度を受け入れ難いほどに低下させることなく、加圧成形中に顆粒の変形を容易にすることを実際に観察した。
【0011】
低いガラス転移温度を有するバインダーの使用は、それによれば未焼結状態での機械的強度がバインダーのガラス転移温度とともに低下すると考えられる技術予想に反する。
【0012】
本発明による粉体はまた、以下の任意選択のおよび好ましい特徴の1つ以上を含むことができる:
− セラミック材料は、窒化物、炭化物、酸化物、オキシカルボ窒化物およびそれらの混合物で構成される群から選択される。
− 好ましくは、
−セラミック材料は、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化チタンおよびそれらの混合物で構成される群から選択され、窒化物は好ましくは窒化ケイ素であり、および/または
−セラミック材料は、炭化チタン、炭化ケイ素、炭化タングステン、炭化ジルコニウムおよびそれらの混合物で構成される群から選択され、炭化物は好ましくは炭化ケイ素であり、および/または
−セラミック材料は、
− アルミナ、
− ジルコニア,
− ジルコニア安定剤を含有するジルコニア、
− アルミナと、ジルコニア安定剤を含有するジルコニアとの混合物、
− 酸化イットリウム、
− 酸化セリウム、
− 希土類でドープされた酸化セリウム、
− ジルコニアでドープされた酸化セリウム、
− スピネルMgAl
− ガーネット、好ましくはYAl12
− A’が好ましくは、元素Sr、Ca、Mg、Pb、Ba、La、Ceおよびそれらの混合物で構成される群から選択され;B’が好ましくは、元素Ti、Zr、Hf、Sn、Mnおよびそれらの混合物で構成される群から選択される、式A’B’Oのペロブスカイト、
− 好ましくは
−Xが、周期表の2族(アルカリ土類金属)の元素、およびそれらの混合物で構成される群から選択される、式XO・Al・2SiOの、
−X’が、元素周期表の1族(アルカリ金属)の元素、およびそれらの混合物で構成される群から選択される、式X’O・Al・2SiOの、
−Zが希土類で構成される群から選択される、式Z・Al・2SiO
長石
−およびそれらの混合物、
− 好ましくは
−X’が、元素周期表の1族(アルカリ金属)の元素、およびそれらの混合物で構成される群から選択される、式X’O・Al・(5/2)SiOの、
−Zが希土類およびそれらの混合物で構成される群から選択される、式Z・Al・(5/2)SiO
コーディエライト、
−およびそれらの混合物;
− ならびにそれらの混合物
で構成される群から選択される。
−好ましくは、セラミック材料は、
− アルミナ、
− Y、Sc、MgO、CaO、CeO、およびそれらの混合物で構成される群から選択されるジルコニア安定剤を含有するジルコニア、
− アルミナと、Y、Sc、MgO、CaO、CeO、およびそれらの混合物で構成される群から選択されるジルコニア安定剤を含有するジルコニアとの混合物、
− 酸化イットリウム、
− 酸化セリウム、
− La、Pr、Sm、Gdおよびそれらの混合物で構成される群から選択される、好ましくはLa、Gdおよびそれらの混合物で構成される群から選択される希土類でドープされた酸化セリウム、
− ジルコニアでドープされた酸化セリウム、
− スピネルMgAl
− A’が好ましくは、元素Sr、Ca、Pb、Baおよびそれらの混合物で構成される群から選択され、B’が好ましくは、元素Ti、Zrおよびそれらの混合物で構成される群から選択される、式A’B’Oのペロブスカイト、好ましくはペロブスカイト(Pb(Zr,Ti)Oおよび(Ca,Ba,Sr)TiO
− 好ましくは
−Xが元素Mg、Ca、Srおよびそれらの混合物で構成される群から選択される、式XO・Al・2SiOの、
−X’が、元素Na、Kおよびそれらの混合物で構成される群から選択される、式X’O・Al・2SiO
−式La・Al・2SiO
長石、
−およびそれらの混合物、
− 好ましくは
−Xが元素Mg、Caおよびそれらの混合物で構成される群から選択される、式XO・Al・(5/2)SiOの、
−X’が元素Na、Kおよびそれらの混合物で構成される群から選択される、式X’O・Al・(5/2)SiOの、
−式La・Al・(5/2)SiO
コーディエライト
−およびそれらの混合物;
− ならびにそれらの混合物
で構成される群から選択される。
−好ましくは、酸化物は、アルミナと、酸化物のおよび安定剤の含有率の合計を基準として、2%〜30%の、Y、Sc、MgO、CaO、CeO、およびそれらの混合物で構成される群から選択されるジルコニア安定剤を含有するジルコニアとで構成される群から選択され、MgO+CaO含有率は、酸化物のおよび安定剤の含有率の合計を基準として、5%未満である。
−セラミック材料は、SiAlONsおよびAlONsで構成される群から選択される。
− 顆粒の相対密度は40%〜50%である。
− 顆粒は、その中央粒径(D50)が1μm未満、好ましくは0.8μm未満、または0.5μm未満でさえある前記セラミック材料の粒子を組み込んでいる。
− 第1バインダーは、−30℃超および/または20℃未満、好ましくは15℃未満のガラス転移温度を有する。
− 第1バインダーは、非晶質有機ポリマー、ポリアクリル樹脂、純粋なアクリレートをベースとするポリマー、アクリレートおよびスチレンをベースとするコポリマー、ならびにそれらのブレンドから選択される。好ましくは、第1バインダーは、ポリアクリル樹脂、純粋なアクリレートをベースとするポリマー、アクリレートおよびスチレンをベースとするコポリマー、ならびにそれらのブレンドから選択される。より好ましくは、第1バインダーは、ポリアクリル樹脂、アクリレートおよびスチレンをベースとするコポリマー、ならびにそれらのブレンドから選択される。
− 好ましくは、セラミック材料および/または第1バインダーおよび/または追加のバインダーおよび/または一時添加物および/またはセラミック材料を焼結するための添加剤は、粉体の顆粒内に均一に分配される。
− 第1バインダーおよび/または追加のバインダーは、無機元素を含有しないポリマーから選択される。
− 一時添加剤の含有率は1%未満である。好ましくは、一時添加剤は有機添加剤であり、好ましくは、分散剤または界面活性剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、滑剤、およびそれらの混合物から選択される。
− 焼結添加剤は無機である。
− 不純物の含有率は、1.0%未満、好ましくは0.5%未満、または0.3%未満さえ、または0.1%未満でさえある。好ましくは、不純物は酸化物である。
− 粉体の中央粒径(D50)は、90μm超および/または120μm未満である。
− 10パーセンタイル値(D10)は、40μm超、好ましくは50μm超、より好ましくは60μm超である。
− 90パーセンタイル値(D90)は、300μm未満、好ましくは250μm未満、より好ましくは200μm未満である。
− 99.5パーセンタイル値(D99.5)は、400μm未満、より好ましくは300μm未満である。
【0013】
セラミック材料は特にジルコニアであることができる。本発明による粉体はそのときまた、以下の任意選択のおよび好ましい特徴の1つ以上を含むことができる:
− 安定剤は、Y、Scおよびそれらの混合物で構成される群から選択され、ジルコニアのおよび安定剤の重量含有率の合計を基準とする、前記安定剤の含有率は、6.5%未満である。
− 安定剤は、MgO、CaOおよびそれらの混合物で構成される群から選択され、ジルコニアのおよび安定剤の重量含有率の合計を基準とする、前記安定剤の含有率は、4%未満である。
− 安定剤はCeOであり、ジルコニアのおよび安定剤の重量含有率の合計を基準とする、前記安定剤の含有率は、10%超および15%未満である。
− 安定剤は、Y、CeOおよびそれらの混合物で構成される群から選択され、ジルコニアのおよび安定剤の重量含有率の合計を基準とする百分率として、関係10%≦3・Y+CeO≦20%に好ましくは従う。
− 安定剤はYである、すなわち、顆粒は、安定剤としてYのみを含む。特にこの実施形態においては、Yの含有率は、ジルコニアのおよび安定剤の重量含有率の合計を基準として、好ましくは3%超、好ましくは4%超、好ましくは4.5%超、および/または6.5%未満、好ましくは5.5%未満である。
【0014】
顆粒は、安定化ジルコニア、または安定化もしくは非安定化ジルコニアの粒子と前記安定剤の粒子との混合物、または安定化もしくは非安定化ジルコニアと前記安定剤とが密接混合されている粒子の混合物を含むことができる。一実施形態においては、顆粒は、安定化もしくは非安定化ジルコニアと安定剤とが密接混合されている粒子を含む。好ましくは、顆粒は、ジルコニアが安定化されている、すなわち、安定剤がジルコニアの粒子中で固溶体にある粒子を含む。好ましくは、顆粒は、安定化ジルコニアとアルミナとが密接混合されている粒子を含む。
【0015】
好ましくは、安定剤の含有率は、関係酸化物のおよび安定剤の含有率の合計を基準として重量百分率として、2%〜20%である。
【0016】
第1実施形態においては、セラミック材料は窒化アルミニウム(AlN)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0017】
第2実施形態においては、セラミック材料は窒化アルミニウム(AlN)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、焼結添加剤の含有率は0.5%〜5%であり、好ましくは前記焼結添加剤は、希土類の酸化物、元素周期表の2、3および4族の元素の酸化物、およびそれらの混合物で;ならびに希土類の窒化物、元素周期表の2、3および4族の元素の窒化物、およびそれらの混合物で構成される群から選択され;好ましくは、前記焼結添加剤は、Yならびに元素Mg、Ca、Ti、Zr、Si、Bの窒化物およびそれらの混合物で構成される群から選択され、好ましくは前記焼結添加剤は、Yならびに元素Ti、Si、Bの窒化物およびそれらの混合物で構成される群から選択され、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0018】
第3実施形態においては、セラミック材料は窒化ホウ素(BN)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0019】
第4実施形態においては、セラミック材料は窒化ホウ素(BN)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、焼結添加剤の含有率は0.5%〜5%であり、好ましくは前記焼結添加剤は、LaBで;希土類の酸化物、元素周期表の2、3および4族の元素の酸化物ならびにそれらの混合物で;ならびに希土類の窒化物、元素周期表の2、3および4族の元素の窒化物、およびそれらの混合物で構成される群から選択され;好ましくは、前記焼結添加剤は、LaB、Yならびに元素Mg、Ca、Ti、Zr、Si、Alの窒化物およびそれらの混合物で構成される群から選択され、好ましくは前記焼結添加剤は、LaB、Yならびに元素Ti、Si、Alの窒化物およびそれらの混合物で構成される群から選択され、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0020】
第5実施形態においては、セラミック材料は窒化ケイ素(Si)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0021】
第6実施形態においては、セラミック材料は窒化ケイ素(Si)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、焼結添加剤の含有率は、0.5%〜15%、好ましくは0.5%〜5%であり、好ましくは、前記焼結添加剤は、希土類の酸化物、元素周期表の2、3および4族の元素の酸化物、およびそれらの混合物で;ならびに希土類の窒化物、元素周期表の2、3および4族の元素の窒化物、およびそれらの混合物で構成される群から選択され;好ましくは、前記焼結添加剤は、MgO、Al、Y、ならびに元素Mg、Ca、Ti、Zr、Al、Bの窒化物およびそれらの混合物で構成される群から選択され;好ましくは、前記焼結添加剤は、MgO、Al、Y、ならびにTi、Al、Bからの1つ以上の元素の窒化物、およびそれらの混合物で構成される群から選択され、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0022】
第7実施形態においては、セラミック材料は窒化チタン(TiN)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0023】
第8実施形態においては、セラミック材料は窒化チタン(TiN)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、焼結添加剤の含有率は0.5%〜5%であり、好ましくは前記焼結添加剤は、希土類の酸化物、元素周期表の2、3および4族の元素の酸化物、およびそれらの混合物で;ならびに希土類の窒化物、元素周期表の2、3および4族の元素の窒化物、およびそれらの混合物で構成される群から選択され;好ましくは、前記焼結添加剤は、元素Mg、Ca、Zr、Al、Si、Bの窒化物およびそれらの混合物で構成される群から選択され、好ましくは前記焼結添加剤は、元素Al、Si、Bの窒化物およびそれらの混合物の群から選択され、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0024】
第9実施形態においては、セラミック材料は炭化チタン(TiC)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0025】
第10実施形態においては、セラミック材料は炭化チタン(TiC)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、焼結添加剤の含有率は0.5%〜5%であり、好ましくは前記焼結添加剤は、元素Si、AlおよびBの酸化物、希土類の酸化物、元素周期表の2、3および4族の元素の酸化物、およびそれらの混合物で;元素Si、AlおよびBの窒化物、希土類の窒化物、元素周期表の2、3および4族の元素の窒化物、およびそれらの混合物で;ならびに元素Si、AlおよびBの炭化物、希土類の炭化物、元素周期表の2、3および4族の元素の炭化物、およびそれらの混合物で構成される群から選択され;好ましくは、前記焼結添加剤は、元素Si、Al、B、Zrの炭化物およびそれらの混合物の群から選択され、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0026】
第11実施形態においては、セラミック材料は炭化ケイ素(SiC)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0027】
第12実施形態においては、セラミック材料は炭化ケイ素(SiC)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、焼結添加剤の含有率は0.5%〜5%であり、好ましくは前記焼結添加剤は、元素Si、AlおよびBの酸化物、希土類の酸化物、元素周期表の2、3および4族の元素の酸化物、およびそれらの混合物で;元素Si、AlおよびBの窒化物、希土類の窒化物、元素周期表の2、3および4族の元素の窒化物、およびそれらの混合物で;ならびに元素Si、AlおよびBの炭化物、希土類の炭化物、元素周期表の2、3および4族の元素の炭化物、およびそれらの混合物で構成される群から選択され;好ましくは、前記焼結添加剤は、Al、Y、SiO、ならびに元素Al、B、Ti、Zrの炭化物およびそれらの混合物で構成される群から選択され、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0028】
第13実施形態においては、セラミック材料は炭化ホウ素(BC)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0029】
第14実施形態においては、セラミック材料は炭化ホウ素(BC)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、焼結添加剤の含有率は0.5%〜5%であり、好ましくは前記焼結添加剤は、元素Si、AlおよびBの酸化物、希土類の酸化物、元素周期表の2、3および4族の元素の酸化物、およびそれらの混合物で;元素Si、AlおよびBの窒化物、希土類の窒化物、元素周期表の2、3および4族の元素の窒化物、およびそれらの混合物で;ならびに元素Si、AlおよびBの炭化物、希土類の炭化物、元素周期表の2、3および4族の元素の炭化物、およびそれらの混合物で構成される群から選択され;好ましくは、前記焼結添加剤は、元素Si、Al、Ti、Zrの炭化物およびそれらの混合物の群から選択され、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0030】
第15実施形態においては、セラミック材料は炭化ジルコニウム(ZrC)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0031】
第16実施形態においては、セラミック材料は炭化ジルコニウム(ZrC)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、焼結添加剤の含有率は0.5%〜5%であり、好ましくは前記焼結添加剤は、元素Si、AlおよびBの酸化物、希土類の酸化物、元素周期表の2、3および4族の元素の酸化物、およびそれらの混合物で;元素Si、AlおよびBの窒化物、希土類の窒化物、元素周期表の2、3および4族の元素の窒化物、およびそれらの混合物で;ならびに元素Si、AlおよびBの炭化物、希土類の炭化物、元素周期表の2、3および4族の元素の炭化物、およびそれらの混合物で構成される群から選択され;好ましくは、前記焼結添加剤は、元素Si、Al、Ti、Bの炭化物およびそれらの混合物の群から選択され、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0032】
第17実施形態においては、セラミック材料は炭化タングステン(WC)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0033】
第18実施形態においては、セラミック材料はアルミナ(Al)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0034】
第19実施形態においては、セラミック材料はアルミナ(Al)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、焼結添加剤の含有率は、0.02%〜15%、好ましくは0.02%〜1%であり、好ましくは前記焼結添加剤は、元素Siの酸化物、希土類の酸化物、元素周期表の1、2、3および4族の元素の酸化物、およびそれらの混合物で構成される群から選択され;好ましくは、前記焼結添加剤は、MgO、CaO、BaO、NaO、KO、Y、TiO、ZrOおよびそれらの混合物で構成される群から選択され、好ましくは前記焼結添加剤は、MgO、Y、TiO、ZrOおよびそれらの混合物で構成される群から選択され、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0035】
第20実施形態においては、セラミック材料はジルコニア(ZrO)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、Y、Sc、MgO、CaO、CeO、およびそれらの混合物で構成される群から選択される、ジルコニア安定剤の含有率は、ジルコニアのおよび安定剤の含有率の合計を基準として重量百分率として2%〜20%であり、MgO+CaO含有率は、ジルコニアのおよび安定剤の含有率の合計を基準として5%未満であり、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として1%超であり、追加のバインダーの含有率は、乾燥物質を基準として0〜4%であり、一時バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として0〜4%であり、前記第1バインダーの、前記追加のバインダーのおよび前記一時バインダーの総含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として9%未満であり、アルミナの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として0〜5%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、2%未満、好ましくは1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0036】
第21特定実施形態においては、セラミック材料はジルコニア(ZrO)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、ジルコニア安定剤はYであり、安定剤の含有率は、ジルコニアのおよび安定剤の含有率の合計を基準として、4.5%〜5.5%であり、アルミナの含有率は、0.1%超および1%未満であり、好ましくは実質的に0.25%に等しく、第1バインダーの含有率は2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0037】
第22特定実施形態においては、セラミック材料はジルコニア(ZrO)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、ジルコニア安定剤はCeOであり、安定剤の含有率は、ジルコニアのおよび安定剤の含有率の合計を基準として、10%〜15%であり、アルミナの含有率は、0.1%超および1%未満であり、好ましくは実質的に0.25%に等しく、第1バインダーの含有率は2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0038】
第23特定実施形態においては、セラミック材料はジルコニア(ZrO)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、ジルコニア安定剤はYとCeOとの混合物であり、Yの含有率は、ジルコニアのおよび安定剤の含有率の合計を基準として、1%〜2%であり、CeOの含有率は、ジルコニアのおよび安定剤の含有率の合計を基準として、11%〜13%であり、アルミナの含有率は、0.1%超および1%未満であり、好ましくは実質的に0.25%に等しく、第1バインダーの含有率は2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0039】
第24実施形態においては、セラミック材料はジルコニア(ZrO)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、Y、Sc、MgO、CaO、CeO、およびそれらの混合物で構成される群から選択される、ジルコニア安定剤の含有率は、ZrO、Y、Sc、MgO、CaOおよびCeOの合計を基準として重量百分率として2%〜20%であり、MO+CaO含有率は、ZrO、Y、Sc、MgO、CaOおよびCeOの合計を基準として5%未満であり、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として1%超であり、追加のバインダーの含有率は、乾燥物質を基準として0〜4%であり、一時バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として0〜4%であり、前記第1バインダーの、前記追加のバインダーのおよび前記一時バインダーの総含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として9%未満であり、アルミナの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として5%〜50%であり、アルミナ焼結添加剤の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として0%〜2%であり、酸化マンガン、ZnO、La、SrO、BaOおよびそれらの混合物から選択される追加の酸化物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として0〜6%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、2%未満、好ましくは1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0040】
第25特定実施形態においては、セラミック材料はジルコニア(ZrO)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、ジルコニア安定剤はYであり、その含有率は、ZrOおよびYの合計を基準として重量百分率として4.5%〜5.5%であり、アルミナの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、15%超および25%未満であり、好ましくは実質的に20%に等しく、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、酸化ランタンの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、0.2%超および0.8%未満であり、好ましくは実質的に0.5%に等しく、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0041】
第26特定実施形態においては、セラミック材料はジルコニア(ZrO)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、ジルコニア安定剤はYであり、その含有率は、ZrOおよびYの合計を基準として重量百分率として4.5%〜5.5%であり、アルミナの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、15%超および25%未満であり、好ましくは実質的に20%に等しく、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0042】
第27特定実施形態においては、セラミック材料はジルコニア(ZrO)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、ジルコニア安定剤はCeOであり、その含有率は、ZrOおよびCeOの合計を基準として重量百分率として10%〜15%であり、アルミナの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、15%超および25%未満であり、好ましくは実質的に20%に等しく、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0043】
第28特定実施形態においては、セラミック材料はジルコニア(ZrO)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、ジルコニア安定剤はYとCeOとの混合物であり、Yの含有率は、ZrO、YおよびCeOの合計を基準として重量百分率として1%〜2%であり、CeOの含有率は、ZrO、YおよびCeOの合計を基準として重量百分率として11%〜13%であり、アルミナの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、15%超および25%未満であり、好ましくは実質的に20%に等しく、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0044】
第29特定実施形態においては、セラミック材料はジルコニア(ZrO)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、ジルコニア安定剤はYとCeOとの混合物であり、Yの含有率は、ZrO、YおよびCeOの合計を基準として重量百分率として1%〜2%であり、CeOの含有率は、ZrO、YおよびCeOの合計を基準として重量百分率として11%〜13%であり、アルミナの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、15%超および25%未満であり、好ましくは実質的に20%に等しく、追加の酸化物、好ましくは酸化マンガンの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として0.3%〜2%であり、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0045】
第30実施形態においては、セラミック材料は酸化イットリウム(Y)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0046】
第31実施形態においては、セラミック材料は酸化イットリウム(Y)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、焼結添加剤の含有率は0.1%〜5%であり、好ましくは前記焼結添加剤は、希土類の酸化物、元素周期表の2、3および4族の元素の酸化物、SiO、Al、およびそれらの混合物で構成される群から選択され;好ましくは、前記焼結添加剤は、Al、ZrOおよびそれらの混合物で構成される群から選択され、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0047】
第32実施形態においては、セラミック材料は酸化セリウム(CeO)であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0048】
第33実施形態においては、セラミック材料は、希土類でドープされた酸化セリウムであり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、好ましくは、希土類でドープされた酸化セリウムは、La、Pr、Sm、Gdおよびそれらの混合物で構成される群から選択され、好ましくはLa、Gdおよびそれらの混合物で構成される群から選択され、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0049】
第34実施形態においては、セラミック材料は、ジルコニアでドープされた酸化セリウムであり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0050】
第35実施形態においては、セラミック材料はスピネルMgAlであり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0051】
第36実施形態においては、セラミック材料はガーネット、好ましくはYAl12であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0052】
第37実施形態においては、セラミック材料は、式A’B’Oのペロブスカイトであり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、A’は好ましくは、元素Sr、Ca、Mg、Pb、Ba、La、Ceおよびそれらの混合物で構成される群から選択され、好ましくは元素Sr、Ca、Pb、Baおよびそれらの混合物で構成される群から選択され;B’は好ましくは、元素Ti、Zr、Hf、Sn、Mnおよびそれらの混合物で構成される群から選択され、好ましくは元素Ti、Zrおよびそれらの混合物で構成される群から選択され、好ましくは前記ペロブスカイトは(Pb(Zr,Ti)Oおよび(Ca,Ba,Sr)TiOであり、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0053】
第38実施形態においては、セラミック材料は、Xが周期表の2族の元素(アルカリ土類金属)でおよびそれらの混合物で構成される群から選択される、好ましくはXがMg、Ca、Srおよびそれらの混合物で構成される群から選択される、好ましくは式XO・Al・2SiOの長石、および/またはX’が元素周期表の1族の元素(アルカリ金属)およびそれらの混合物で構成される群から選択される、好ましくはX’が元素Na、Kおよびそれらの混合物で構成される群から選択される、式X’O・Al・2SiOの長石および/またはZが希土類で構成される群から選択される、式Z・Al・2SiO、好ましくはLa・Al・(5/2)SiOの長石であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0054】
第39実施形態においては、セラミック材料は、Xが周期表の2族の元素(アルカリ土類金属)でおよびそれらの混合物で構成される群から選択される、好ましくはXが元素Mg、Caおよびそれらの混合物で構成される群から選択される、好ましくは式XO・Al・(5/2)SiOのコーディエライト、および/またはX’が元素周期表の1族の元素(アルカリ金属)およびそれらの混合物で構成される群から選択される、好ましくはX’が元素Na、Kおよびそれらの混合物で構成される群から選択される、式X’O・Al・(5/2)SiOのコーディエライトおよび/またはZが希土類およびそれらの混合物で構成される群から選択される、式Z・Al・(5/2)SiO、好ましくはLa・Al・2SiOのコーディエライトであり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0055】
第40実施形態においては、セラミック材料はオキシカルボ窒化物であり、乾燥物質の組成を100%に至るまでにし、SiAlONsおよびAlONsで構成される群から好ましくは選択され、第1バインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として2.5〜4%であり、不純物の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.1%未満であり、残留含水率は、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%、好ましくは0.2%〜0.6%である。
【0056】
第41実施形態においては、追加のバインダーの含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、0.5%〜1%である。この実施形態は、上述の実施形態のいずれか1つと組み合わせることができる。
【0057】
第42実施形態においては、一時添加剤の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、0.5%〜1%である。この実施形態は、上述の実施形態のいずれか1つと組み合わせることができる。
【0058】
好ましくは、本発明による粉体は、好ましくは本明細書で後に記載される工程a)〜d)を含む方法に従って、スリップを噴霧乾燥することによって製造される。
【0059】
そのような方法は有利にも、60%未満、または50%未満さえの相対密度を有する顆粒を製造することを可能にする。
【0060】
本発明はまた、焼結部品の製造方法であって、次の工程:
A)出発装入物を形成するために原材料を混合する工程と、
B)プリフォームを得るために前記出発装入物を成形する工程と、
C)任意選択的に、前記プリフォームを機械加工する工程と、
D)前記焼結部品を得るように前記プリフォームを焼結する工程と、
E)任意選択的に、前記焼結部品を機械加工するおよび/または修正する工程と
を含む方法に関連し、
この方法は、出発装入物が本発明に従った顆粒を含む粉体を含むという点において注目に値する。
【0061】
本発明はまた、本発明による製造方法の、少なくとも工程A)およびB)、またはC)さえも含む方法を実施することによって得られるプリフォームに関する。
【0062】
本発明はまた、本発明に従って、任意選択的に機械加工されたプリフォームの焼結によって得られるセラミック焼結部品に関する。特に、焼結部品の寸法はすべて2cm超であることができる。
【0063】
定義
− 用語「セラミック材料」は非金属の無機材料を意味することを意図される。
− 用語「バインダー」は、好適な量で、それらが取り扱われる、たとえば、破壊することなく、一容器から別の容器に移されるまたは金型に注ぎ込まれる(特に工業的条件下に)ようにする粘着力を乾燥後に示す顆粒を形成することを、造粒操作中に、可能にする成分を意味することを意図される。好ましくは、この粘着力は少なくとも、ポリマーバインダーで得られるものである。造粒操作は限定的なものではなく、特に噴霧乾燥または造粒機の使用を含む。本発明はそれ故、噴霧乾燥によって製造される顆粒に限定されない。
− 用語セラミック材料を焼結するための「焼結添加剤」は、たとえば、前記焼結のために必要とされる温度を下げることによって、緻密化を向上させることによってまたは結晶成長を制限することによって、前記セラミック材料の焼結を容易にする成分を通常意味することを意図される。
− 用語「一時添加剤」は、たとえば1000℃以上の温度での焼結操作中に、それが1000℃以上の温度にさらされるときに除去することができる成分を意味することを意図される。
− 成分の前駆体は、本発明による粉体から得られるプリフォームの焼結中に、この成分をもたらすことができる化合物である。成分の「当量」のこの成分の前駆体との置き換えは、本発明による粉体を焼結することによって得られる焼結品中の前記成分の量を変更しない。
− 用語「不純物」は、原材料とともに非意図的におよび必然的に導入される不可避の成分かまたはこれらの成分との反応から生じる不可避の成分を意味することを意図される。不純物は必要な成分ではなく、許容される成分であるにすぎない。
− 用語「顆粒」は、粒子の凝集塊であって、0.6超の球形指数を示す、すなわち、実質的に球形で提供される前記凝集塊を意味することを意図される。
− 用語顆粒の「球形指数」は、その最小径とその最大径との比を意味することを意図され、これらの径は、×10の倍率で光学顕微鏡によって、たとえば、撮られた画像で測定される。
− 用語顆粒を含む粉体の「緩充填密度」は、既知容積の前記粉体の重量を前記容積で割ったに等しい比を意味することを意図され、この容積は、振動を避けながら、粉体の自然落下によって充填されるものである。緩充填密度は、標準NF EN 725−9に従って測定され、g/cm単位で表される。
− 用語顆粒を含む粉体の「絶対密度」は、独立気泡が実質的にまったく残らないような細かさまですり潰した後の前記粉体の乾燥物質の重量をすり潰し後のこの重量の容積で割ったに等しい比を意味することを通常意図される。
− 用語顆粒を含む粉体の「相対緩充填密度」は、百分率として表される、絶対密度で割られた緩充填密度に等しい比を意味することを意図される。
− 用語顆粒を含む粉体の「真密度」は、この粉体の各顆粒の嵩密度の平均を意味することを意図される。
− 用語顆粒の「嵩密度」は、前記顆粒が占める容積で割られた顆粒の重量に等しい比を意味することを通常意図される。
− 用語顆粒を含む粉体の「相対密度」は、百分率として表される、絶対密度で割られた真密度に等しい比を意味することを意図される。
− 用語バインダーの「ガラス転移温度」は、前記バインダーが徐々により粘稠になり液体状態から固体状態に変わる、「転移範囲」と呼ばれる、温度の範囲の中央を意味することを通常意図される。ガラス転移温度は、示差走査熱量測定法(DSC)によって測定することができる。主な系統のポリマーのガラス転移温度のリストは、著作物Polymer Handbook(4th Edition)1999;2005 John Wiley & Sonsに示されている。転移範囲の幅は通常約5〜10℃である。
− 粉体の10(D10)、50(D50)および90(D90)パーセンタイル値または「センタイル値」は、粉体の粒度の累積粒度分布曲線上で、それぞれ10%、50%および90%の、重量百分率に相当する粒度であり、粒度は増加順で分類される。たとえば、粉体の顆粒の10重量%はD10未満のサイズを有し、顆粒の90重量%はD10超のサイズを有する。サイズおよびパーセンタイル値は、レーザー粒度分析器を用いて作成される粒度分布を用いて測定することができる。50パーセンタイル値(D50)はまた通常「中央粒径」と呼ばれる。
− 用語「有機成分」は、元素炭素、酸素、窒素および水素のみを含有する成分を意味することを意図される。
− ジルコニア粒子源において、HfOは、ZrOから化学的に分離することができない。用語「ZrO」はそれ故、これら2つの酸化物の総含有率を通常表す。本発明によれば、HfOは、出発装入物に意図的に添加されない。HfOはそれ故、痕跡の酸化ハフニウムを表すにすぎず、この酸化物は常に、一般に5%未満、または2%未満さえの含有率でジルコニア源中に必然的に存在する。明確にするために、ジルコニアのおよび痕跡の酸化ハフニウムの含有率はそれ故、「ZrO+HfO」でもしくは「ZrO」で、またはまた「ジルコニアの含有率」で区別せずに表すことができる。
【0064】
用語「を含むこと(comprising a)」は、特に明記しない限り、「少なくとも1つを含むこと」を意味すると理解されるべきである。
【0065】
「第1バインダー」(または「追加のバインダー」)は、たった1つの化合物に必ずしも相当せず、それぞれが25℃以下(または、それぞれ、25℃超)のガラス転移温度を有する、幾つかの化合物の混合物に相当することができる。同様に、「安定剤」、「セラミック材料」または「一時添加剤」は、それぞれが、それぞれ、セラミック材料、安定剤または一時添加剤を構成する、幾つかの化合物の混合物に相当することができる。
【0066】
特に明記しない限り、百分率はすべて、安定剤に関連する百分率を除いて、乾燥粉体の重量を基準として示される。酸化物の安定剤の含有率は実際に、前記酸化物のおよび前記安定剤の総含有率を基準として重量百分率として、デフォルトで、通常定義される。
【0067】
元素を特定するために群について言及されるとき、暗黙のうちに元素周期表の族について言及される。
【0068】
粉体の特性は、実施例について実行されるキャラクタリゼーションの方法を用いて評価することができる。
【0069】
詳細な説明
本発明による顆粒を含む粉体は、スリップを噴霧乾燥する工程を含む方法を用いて製造することができる。そのような方法は特に次の工程:
a)液体中に、好ましくは水中に、工程b)の終わりに、本発明による顆粒を含む粉体を得るために必要な様々な原材料を懸濁させることによってスリップを調製する工程と;
b)顆粒を形成するために前記スリップを噴霧乾燥する工程と;
c)任意選択的に、工程b)で得られた顆粒を篩にかける工程と;
d)任意選択的に、工程b)またはc)で得られた顆粒を乾燥させる工程と
を含むことができる。
【0070】
工程a)において、原材料は、スリップを形成するために、液体、たとえば蒸留水中で混合される。
【0071】
スリップ中の、乾燥物質の重量含有率は35〜70%であることができる。スリップ中の乾燥物質の含有率は、工程b)の終わりに得られる顆粒の相対密度が30から60%であるように調節される。この含有率の増加には一般に、工程b)の終わりに得られる顆粒の相対密度の増加が同伴する。
【0072】
バインダーは、噴霧乾燥中に可能な凝集を行う出発装入物の成分である。
【0073】
通常、顆粒の製造は、PVAまたはPEG型のバインダーを使用し:600Da超の分子量を有するPVA型またはPEGのバインダーは、25℃以下のガラス転移温度(Tg)を示さない。本発明者らは、25℃以下のガラス転移温度(Tg)を示すバインダー、または「第1バインダー」の存在が、加圧成形中に顆粒の変形を促進し、そして欠陥の数を減らすことを発見した。それはまた、本発明による粉体から得られる焼結部品の機械的特性の向上につながる。
【0074】
しかし、1%未満の第1バインダーの含有率は、定量化できる効果をもたらさない。好ましくは、第1バインダーは、−30℃超、好ましくは−20℃超、または−15℃超さえおよび/または20℃未満、または15℃未満さえのガラス転移温度を示す。
【0075】
第1バインダーは、ポリマーから選択することができる。そのようなポリマーのリストは、「Polymer Handbook(4th Edition),1999;2005 John Wiley & Sonsに開示されている。好ましくは、第1バインダーは、非晶質有機ポリマーおよびそれらのブレンドから選択される。好ましくは、第1バインダーは、純粋であるかまたは(たとえば、スチレンモノマーとの)コポリマーおよびそれらのブレンドの形態にある、アクリレート((CH=CHCOO−)−モノマー)をベースとするポリマーから選択される。ポリマーはこうしてアクリル樹脂であってもよい。好ましくは、第1バインダーは、純粋なアクリレート((CH=CHCOO−)−モノマー)をベースとするポリマー、アクリレート((CH=CHCOO−)−モノマー)をおよびスチレン(−(C)モノマー)をベースとするコポリマーならびにそれらのブレンドから選択される。
【0076】
好ましくは、第1バインダーは、硬化後に、標準DIN53455に従って測定される、1N/mm超、または5N/mm超さえの破壊強度を示す有機ポリマーから選択される。
【0077】
さらに好ましくは、第1バインダーは、硬化後に、標準DIN53455に従って測定される、100%超、好ましくは200%超、または500%超さえの破断点伸びを示す有機ポリマーから選択される。
【0078】
好ましくは、第1バインダーは、無機元素、特に1族の元素、とりわけリチウム(Li)、ナトリウム(Na)およびカリウム(K)、ならびにまた17族の元素、とりわけフッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)およびヨウ素(I)を含まないポリマーから選択される。有利には、不純物の含有率は減らされ、本発明による顆粒を含む粉体から製造される焼結部品の機械的強度は増加させられる。
【0079】
好ましくは、第1バインダーの含有率は、製造される粉体中に、2%超、好ましくは2.5%超および/または8%未満、好ましくは6%未満、好ましくは5%未満、好ましくは4%未満であるように決定される。
【0080】
追加のバインダーは、25℃超および100℃未満、好ましくは80℃未満、好ましくは50℃未満、または40℃未満さえのガラス転移温度を示すポリマー、およびそれらのブレンドから好ましくは選択される。
【0081】
好ましくは、追加のバインダーの含有率は、3%未満、より好ましくは2%未満、より好ましくは1%未満および/または0.5%超である。
【0082】
好ましくは、追加のバインダーは、無機元素、特に1および17族の元素を含まないポリマーである。有利には、不純物の含有率は減らされ、本発明による顆粒から製造される部品の機械的強度は増加させられる。
【0083】
好ましくは、追加のバインダーは、非晶質有機ポリマーおよびそれらのブレンドから選択される。好ましくは、追加のバインダーは、アルコールベースの化合物から選択される。好ましくは、追加のバインダーは、ポリビニルアルコールおよびポリアルキレングリコールから選択され、好ましくは600Da超の分子量を有するポリエチレングリコールから選択される。
【0084】
一時添加剤は、顆粒の製造中に添加することができる。
【0085】
一時添加剤は、当業者に周知の規則によれば、顆粒の製造またはそれらの形成を容易にするために特に添加することができる、好ましくは有機添加剤である。
【0086】
一時添加剤の含有率は、好ましくは0.5%超および/または1%未満であり、バインダーのおよび一時添加剤の総含有率は好ましくは、乾燥物質を基準として重量百分率として、8%未満、好ましくは6%未満、好ましくは5%未満、または4重量%未満でさえある。好ましくは、有機添加剤は、分散剤または界面活性剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤または殺生物剤、滑剤、およびそれらの混合物から選択される。例として、分散剤または界面活性剤は、Zschimmer−Schwarzによって販売されるDolapix製品あるいはR.T.Vanderbilt Companyによって販売されるDarvan製品またはメタクリル酸の系統の、ポリアクリレートまたはイオン性もしくは非イオン性界面活性剤であることができる。増粘剤は、Zschimmer−SchwarzによってまたはBASFによって販売されるアクリル酸のエマルジョンであることができる。消泡剤は、Zschimmer−Schwarzによって販売される範囲のものであることができる。防腐剤または殺生物剤は、Zschimmer−SchwarzまたはBASFによって販売される第四級アンモニウム塩であることができる。滑剤は、Zschimmer−Schwarzによって販売される範囲のものであることができる。
【0087】
好ましくは、原材料の純度は、本発明による顆粒を含む粉体の不純物の含有率が1%未満、好ましくは0.5%未満、または0.3%未満でさえ、または0.1%未満でさえあるようなやり方で決定される。
【0088】
セラミック材料を焼結するための添加剤は、顆粒が前記焼結添加剤を含有することを保証するように顆粒の製造中に添加することができる。
【0089】
第1特定実施形態においては、セラミック材料は窒化アルミニウムであり、焼結添加剤は、希土類の酸化物、元素周期表の2、3および4族の元素の酸化物、およびそれらの混合物で、ならびに希土類の窒化物、元素周期表の2、3および4族の元素の窒化物、およびそれらの混合物で構成される群から好ましくは選択され;好ましくは、前記焼結添加剤は、Yならびに元素Mg、Ca、Ti、Zr、Si、Bの窒化物およびそれらの混合物で構成される群から選択され、好ましくは、前記焼結添加剤は、Yならびに元素Ti、Si、Bの窒化物およびそれらの混合物で構成される群から選択される。好ましくは、前記焼結添加剤の含有率は0.5%〜5%である。
【0090】
第2特定実施形態においては、セラミック材料は窒化ホウ素(BN)であり、焼結添加剤は、LaBおよび/または希土類の酸化物、元素周期表の2、3および4族の元素の酸化物および/または希土類の窒化物、元素周期表の2、3および4族の元素の窒化物、およびそれらの混合物で構成される群から好ましくは選択され;好ましくは、前記焼結添加剤は、LaB、Yならびに元素Mg、Ca、Ti、Zr、Si、Alの窒化物およびそれらの混合物で構成される群から選択され、好ましくは前記焼結添加剤は、LaB、Yならびに元素Ti、Si、Alの窒化物およびそれらの混合物で構成される群から選択される。好ましくは、前記焼結添加剤の含有率は0.5%〜5%である。
【0091】
第3特定実施形態においては、セラミック材料は窒化ケイ素(Si)であり、焼結添加剤は、希土類の酸化物、元素周期表の2、3および4族の元素の酸化物、およびそれらの混合物、ならびに希土類の窒化物、元素周期表の2、3および4族の元素の窒化物、およびそれらの混合物で構成される群から好ましくは選択され;好ましくは、前記焼結添加剤は、MgO、Al、Y、ならびに元素Mg、Ca、Ti、Zr、Al、Bの窒化物およびそれらの混合物で構成される群から選択され、好ましくは、前記焼結添加剤は、MgO、Al、Y、ならびに元素Ti、Al、Bの窒化物およびそれらの混合物で構成される群から選択される。好ましくは、前記焼結添加剤の含有率は、0.5%〜15%、好ましくは0.5%〜5%である。
【0092】
第4特定実施形態においては、セラミック材料は窒化チタン(TiN)であり、焼結添加剤は、希土類の酸化物、元素周期表の2、3および4族の元素の酸化物、およびそれらの混合物で;ならびに希土類の窒化物、元素周期表の2、3および4族の元素の窒化物、およびそれらの混合物で構成される群から好ましくは選択され;好ましくは、前記焼結添加剤は、元素Mg、Ca、Zr、Al、Si、Bの窒化物およびそれらの混合物の群から選択され、好ましくは前記焼結添加剤は、元素Al、Si、Bの窒化物およびそれらの混合物の群から選択される。好ましくは、前記焼結添加剤の含有率は0.5%〜5%である。
【0093】
第5特定実施形態においては、セラミック材料は炭化チタン(TiC)であり、焼結添加剤は、元素Si、AlおよびBの酸化物、希土類の酸化物、元素周期表の2、3および4族の元素の酸化物、およびそれらの混合物で;元素Si、AlおよびBの窒化物、希土類の窒化物、元素周期表の2、3および4族の元素の窒化物、およびそれらの混合物で;ならびに元素Si、AlおよびBの炭化物、希土類の炭化物、元素周期表の2、3および4族の元素の炭化物、およびそれらの混合物で構成される群から好ましくは選択され;好ましくは、前記焼結添加剤は、元素Si、Al、B、Zrの炭化物およびそれらの混合物の群から選択される。好ましくは、前記焼結添加剤の含有率は0.5%〜5%である。
【0094】
第6特定実施形態においては、セラミック材料は炭化ケイ素であり、焼結添加剤は、元素Si、AlおよびBの酸化物、希土類の酸化物、元素周期表の2、3および4族の元素の酸化物、およびそれらの混合物で;元素Si、AlおよびBの窒化物、希土類の窒化物、元素周期表の2、3および4族の元素の窒化物、およびそれらの混合物で;ならびに元素Si、AlおよびBの炭化物、希土類の炭化物、元素周期表の2、3および4族の元素の炭化物、およびそれらの混合物で構成される群から好ましくは選択され;好ましくは、前記焼結添加剤は、Al、Y、SiO、ならびに元素Al、B、Ti、Zrの炭化物およびそれらの混合物で構成される群から選択される。好ましくは、前記焼結添加剤の含有率は0.5%〜5%である。
【0095】
第7特定実施形態においては、セラミック材料は炭化ホウ素であり、焼結添加剤は、元素Si、AlおよびBの酸化物、希土類の酸化物、元素周期表の2、3および4族の元素の酸化物、およびそれらの混合物で;元素Si、AlおよびBの窒化物、希土類の窒化物、元素周期表の2、3および4族の元素の窒化物、およびそれらの混合物で;ならびに元素Si、AlおよびBの炭化物、希土類の炭化物、元素周期表の2、3および4族の元素の炭化物、およびそれらの混合物で構成される群から好ましくは選択され;好ましくは、前記焼結添加剤は、元素Si、Al、Ti、Zrの炭化物およびそれらの混合物の群から選択される。好ましくは、前記焼結添加剤の含有率は0.5%〜5%である。
【0096】
第8特定実施形態においては、セラミック材料は炭化ジルコニウムであり、焼結添加剤は、元素Si、AlおよびBの酸化物、希土類の酸化物、元素周期表の2、3および4族の元素の酸化物、およびそれらの混合物で;元素Si、AlおよびBの窒化物、希土類の窒化物、元素周期表の2、3および4族の元素の窒化物、およびそれらの混合物で;ならびに元素Si、AlおよびBの炭化物、希土類の炭化物、元素周期表の2、3および4族の元素の炭化物、およびそれらの混合物で構成される群から好ましくは選択され;好ましくは、前記焼結添加剤は、元素Si、Al、Ti、Bの炭化物およびそれらの混合物の群から選択される。好ましくは、前記焼結添加剤の含有率は0.5%〜5%である。
【0097】
第9特定実施形態においては、セラミック材料はアルミナであり、焼結添加剤は、元素Siの酸化物、希土類の酸化物、元素周期表の1、2、3および4族の元素の酸化物、およびそれらの混合物で構成される群から好ましくは選択され;好ましくは、前記焼結添加剤は、MgO、CaO、BaO、NaO、KO、Y、TiO、ZrOおよびそれらの混合物で構成される群から選択され、好ましくは前記添加剤は、MgO、Y、TiO、ZrOおよびそれらの混合物で構成される群から選択される。好ましくは、前記焼結添加剤の含有率は、0.02%〜15%、好ましくは0.02%〜1%である。
【0098】
第10特定実施形態においては、セラミック材料はジルコニアであり、焼結添加剤は好ましくはアルミナである。好ましくは、アルミナの含有率は、0.1%超、好ましくは0.2%超および/または5%未満、好ましくは2%未満、好ましくは1%未満、より好ましくは0.6%未満である。
【0099】
第11特定実施形態においては、セラミック材料は、Y、Sc、MgO、CaO、CeO、およびそれらの混合物で構成される群から選択されるジルコニア安定剤を含有するジルコニアとアルミナとの混合物であり;アルミナ焼結添加剤は、酸化チタン、酸化ランタンおよびそれらの混合物から選択される。好ましくは、アルミナ焼結添加剤は酸化ランタンである。好ましくは、アルミナ焼結添加剤の含有率は、0.2%超および/または1%未満、好ましくは0.8%未満である。
【0100】
第12特定実施形態においては、セラミック材料は酸化イットリウムであり、焼結添加剤は、希土類の酸化物、元素周期表の2、3および4族の元素の酸化物、SiO、Al、およびそれらの混合物で構成される群から好ましくは選択され;好ましくは、前記焼結添加剤は、Al、ZrOおよびそれらの混合物で構成される群から選択される。好ましくは、前記焼結添加剤の含有率は0.1%〜5%である。
【0101】
セラミック材料を焼結するための添加剤の含有率は、乾燥物質を基準として重量百分率として、好ましくは0.02%超、好ましくは0.1%超、または0.5%超でさえ、および/または10%未満、または5%未満でさえ、または4%未満でさえ、または3%未満でさえ、または2%未満でさえ、または1%未満でさえである。
【0102】
焼結添加剤を含む粉体はまた、当量で導入される、これらの焼結添加剤の前駆体を含む粉体と、少なくとも部分的に、置き換えることができる。
【0103】
特定の一実施形態においては、顆粒は焼結添加剤を含まない。
【0104】
好ましくは、原材料は、顆粒がセラミック材料、バインダー、一時添加剤、焼結添加剤、残留水分および不純物以外のいかなる成分も含まないようなやり方で選択される。
【0105】
好ましくは、セラミック材料を含むおよび焼結添加剤を含む粉体は、バインダーおよび任意選択の一時添加剤の前に導入される。
【0106】
顆粒用の様々な原材料のそれぞれは、特にセラミック材料を含む粉体のそれぞれは、50μm未満、好ましくは20μm未満、好ましくは10μm未満の中央粒径、および/または好ましくは30m/g未満、好ましくは20m/g未満の比表面積を好ましくは有する。
【0107】
工程a)の終わりに、調製されたスリップの乾燥物質は、1μm未満、好ましくは0.5μm未満、より好ましくは0.3μm未満の中央粒径、および5m/g超、好ましくは6m/g超および/または30m/g未満、好ましくは20m/g未満の比表面積を好ましくは有する。
【0108】
この趣旨で、原材料が好適な中央粒径および/または好適な比表面積を持たない場合には特に、スリップは好ましくは、当業者に周知の方法に従って、たとえばスリップをミル、好ましくはアトリションミルに通すことによって、分散させられるかまたはすり潰される。この工程は、工程a)の終わりに所望の粉体の様々な化合物の良好な均一性を得ることを有利に可能にする。特に、この工程は、粉体の顆粒中の第1バインダーの実質的に均一な分配をもたらす。
【0109】
工程a)がすり潰し操作を含有する場合、任意選択の追加のバインダーおよび任意選択の一時添加剤、ならびにまた第1バインダーは、この工程の後に好ましくは導入される。
【0110】
工程b)において、噴霧乾燥は、高い相対密度を通常もたらす、回転造粒または浸漬キャスティングなどの方法とは違って、30%〜60%の、低い相対密度を有する粒子をもたらす。
【0111】
好ましくは、噴霧乾燥は、含水率が好ましくは、湿潤粉体を基準として重量百分率として、1%未満、好ましくは0.6%未満、および/または0.2%超である、残留水分を顆粒が含有するようなやり方で実施される。有利には、0.2%超の残留含水率は、圧力の影響下に顆粒の変形に寄与する。しかし、1%超の残留含水率は、たとえば、加圧成形のために用いられる金型の壁へのプリフォームの粘着によって、本発明による顆粒を含む粉体から出発して加圧成形することによって製造されるプリフォームの表面欠陥の数の増加につながり得る。
【0112】
顆粒の、数で80%超、好ましくは数で90%超が、0.6超、好ましくは0.7超、好ましくは0.8超、好ましくは0.9超の球形指数を示す。
【0113】
工程c)において、任意選択の篩い分けは、500μm未満、または400μm未満さえの開口部を持った篩を用いて好ましくは実施される。有利には、この工程は、ある種の用途に利用価値があるもしれない、最も粗い顆粒を除去することを可能にする。
【0114】
工程d)において、任意選択の乾燥は、好ましくは2時間超の時間、80℃〜110℃の温度で好ましくは実施される。
【0115】
好ましくは、本方法は、工程d)を含まない。
【0116】
本発明者らは、本発明による粉体が次の特性を有することができることに気付いた:
− 顆粒の相対密度は好ましくは40%超および/または50%未満である。
− 粉体の相対緩充填密度は25%超および/または30%未満である。
− 粉体の流動性は、1g/秒超、好ましくは1.5g/秒超、好ましくは2g/秒超である。
【0117】
こうして、本発明によれば、
窒化アルミニウム(AlN)顆粒を含む粉体は、0.7〜0.95g/cmの緩充填密度を有することができ、
窒化ホウ素(BN)顆粒を含む粉体は、0.6〜1.0 g/cmの緩充填密度を有することができ、
窒化ケイ素(Si)顆粒を含む粉体は、0.7〜0.95g/cmの緩充填密度を有することができ、
窒化チタン(TiN)顆粒を含む粉体は、0.7〜0.95g/cmの緩充填密度を有することができ、
炭化チタン(TiC)顆粒を含む粉体は、1.2〜1.5g/cmの緩充填密度を有することができ、
炭化ケイ素(SiC)顆粒を含む粉体は、0.75〜0.95g/cmの緩充填密度を有することができ、
炭化ホウ素(BC)を含む粉体は、0.6〜0.75g/cmの緩充填密度を有することができ、
炭化ジルコニウム(ZrC)顆粒を含む粉体は、1.65〜2.0g/cmの緩充填密度を有することができ、
アルミナ(Al)顆粒を含む粉体は、1.0〜1.2g/cmの緩充填密度を有することができ、
ジルコニア(ZrO)顆粒を含む粉体は、1.4g/cm超、好ましくは1.5g/cm超、好ましく1.6g/cm超および/または1.8g/cm未満、好ましくは1.7g/cm未満の緩充填密度を有することができ、
アルミナと、ジルコニアのおよび安定剤の含有率の合計を基準として重量百分率として、2%〜20%の、Y、Sc、MgO、CaOおよびCeOで構成される群から選択されるジルコニア安定剤を含有するジルコニア(ZrO)との混合物の顆粒を含む粉体は、1.3g/cm超、好ましくは1.4g/cm超、好ましくは1.5g/cm超および/または1.8g/cm未満、好ましくは1.7g/cm未満の緩充填密度を有することができ、
酸化イットリウム(Y)顆粒を含む粉体は、1.25〜1.5g/cmの緩充填密度を有することができ、
希土類でドープされた酸化セリウムの顆粒を含む粉体は、1.65〜2.0g/cmの緩充填密度を有することができ、
スピネルMgAlの顆粒を含む粉体は、0.9〜1.1g/cmの緩充填密度を有することができ、
ガーネットYAl12を含む粉体は、1.1〜1.35g/cmの緩充填密度を有することができ、
ペロブスカイトPb(Zr,Ti)Oを含む粉体は、1.7〜2.25g/cmの緩充填密度を有することができ、
長石を含む粉体は、0.6〜0.9g/cmの緩充填密度を有することができ、
コーディエライトを含む粉体は、0.6〜0.9g/cmの緩充填密度を有することができる。
【0118】
本発明による顆粒を含む粉体は、工程A)〜E)に従って焼結部品を製造するために使用することができる。
【0119】
工程A)は工程a)およびb)を、またはc)および/またはd)さえも含むことができる。
【0120】
出発装入物は、本発明による顆粒を含む粉体からなることができる。
【0121】
変形として、出発装入物は、本発明による顆粒を含む粉体および1つ以上のその他の粉体を含むことができる。好ましくは、本発明による顆粒を含む粉体は、出発装入物の重量の少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%を占める。
【0122】
工程B)において、成形は、加圧成形、プラスチック射出成形または押出、好ましくは加圧成形によって好ましくは実施される。好ましくは、加圧成形は、冷間加圧成形および冷間静水圧加圧成形技法から選択される。
【0123】
加圧成形による成形の場合には、出発装入物は金型に注ぎ込まれ、次に、未焼結の部品または「プリフォーム」を形成するために、好ましくは80MPa超および好ましくは200MPa未満、または150MPa未満さえの圧力にさらされる。本発明による粉体の顆粒は、この圧力の影響下に効率的に変形させられる。プリフォームは次に、金型から取り出すことができる。
【0124】
任意選択の工程C)において、プリフォームは、当業者に公知の任意の技法に従って、機械加工することができる。
【0125】
工程D)において、プリフォームは、焼結部品を形成するために、1000℃〜2200℃の温度で好ましくは空気下に、好ましくは大気圧でまたは圧力下に焼結される(ホットプレスまたは熱間静水圧加圧成形(HIP))。
【0126】
プリフォームが窒化アルミニウム(AlN)をベースとする本発明による顆粒を含む粉体から製造される場合、焼結温度は好ましくは1400℃〜1750℃であり、焼結中の雰囲気は好ましくは不活性かまたは部分的に還元性、好ましくは窒素下の雰囲気であることができる。
【0127】
プリフォームが窒化ホウ素(BN)をベースとする本発明による顆粒を含む粉体から製造される場合、焼結温度は好ましくは1700℃〜2000℃であり、焼結中の雰囲気は好ましくは不活性かまたは部分的に還元性、好ましくは窒素下の雰囲気であることができる。
【0128】
プリフォームが窒化ケイ素(Si)をベースとする本発明による顆粒を含む粉体から製造される場合、焼結温度は好ましくは1600℃〜1850℃であり、焼結中の雰囲気は好ましくは不活性かまたは部分的に還元性、好ましくは窒素下の雰囲気であることができ、任意選択的にアルゴン下の焼結がこれに続く。
【0129】
プリフォームが窒化チタン(TiN)をベースとする本発明による顆粒を含む粉体から製造される場合、焼結温度は好ましくは1400℃〜1750℃であり、焼結中の雰囲気は好ましくは不活性かまたは部分的に還元性、好ましくは窒素下の雰囲気であることができる。
【0130】
プリフォームが炭化チタン(TiC)をまたは炭化ケイ素(SiC)をまたは炭化ホウ素(BC)をまたは炭化ジルコニウム(ZrC)をベースとする本発明による顆粒を含む粉体から製造される場合、焼結温度は好ましくは1800℃〜2200℃であり、焼結中の雰囲気は好ましくは不活性かまたは部分的に還元性、好ましくは窒素下の雰囲気であることができる。
【0131】
プリフォームがアルミナ(Al)をベースとする本発明による顆粒を含む粉体から製造される場合、焼結温度は好ましくは1250℃〜1700℃である。
【0132】
プリフォームがジルコニア(ZrO)をベースとする本発明による顆粒を含む粉体から製造される場合、焼結温度は、好ましくは1300℃〜1500℃、好ましくは1350℃〜1450℃である。
【0133】
プリフォームが、アルミナと、ジルコニアのおよび安定剤の含有率の合計を基準として重量百分率で、2%〜20%の、Y、Sc、MgO、CaOおよびCeOで構成される群から選択されるジルコニア安定剤を含有するジルコニアとをベースとする本発明による顆粒を含む粉体から製造される場合、焼結温度は、好ましくは1400℃〜1600℃、好ましくは1450℃〜1550℃である。
【0134】
プリフォームが酸化イットリウム(Y)をベースとする本発明による顆粒を含む粉体から製造される場合、焼結温度は好ましくは1400℃〜1700℃である。
【0135】
プリフォームが酸化セリウム(CeO)をベースとする本発明による顆粒を含む粉体から製造される場合、焼結温度は好ましくは1300℃〜1500℃である。
【0136】
プリフォームがスピネルMgAlまたはガーネットYAl12をベースとする本発明による顆粒を含む粉体から製造される場合、焼結温度は好ましくは1400℃〜1700℃である。
【0137】
プリフォームがペロブスカイトをベースとする本発明による顆粒を含む粉体から製造される場合、焼結温度は好ましくは1000℃〜1400℃である。
【0138】
プリフォームが長石をまたはコーディエライトをベースとする本発明による顆粒を含む粉体から製造される場合、焼結温度は好ましくは1200℃〜1500℃であり、前記焼結温度は、式MgO・Al・(5/2)SiOのコーディエライトについては1400℃未満である。
【0139】
工程D)は、特にSiAlONsおよびAlONsを形成するために、反応性焼結であることができる。
【0140】
工程B)およびD)は、単一工程で、たとえばホットプレスによって実施することができる。
【0141】
任意選択の工程E)において、焼結部品は、当業者に公知の任意の技法に従って、機械加工することができる。
【0142】
本発明による顆粒を含む粉体は、様々な工業用途に使用することができる。前記粉体は、以下の用途に使用される焼結部品および/またはプリフォームを製造するために使用することができる:
窒化アルミニウム顆粒を含む粉体に関しては、用途は特に、オプトエレクトロニクスの、またはエレクトロニクス用の基板または支持体の分野にあることができ;
窒化ホウ素顆粒を含む粉体に関しては、用途は特に、高温で、特に800℃超の温度で使用されることを意図される機器の、切削工具のまたは研摩材の分野にあることができ;
窒化ケイ素顆粒を含む粉体に関しては、用途は特に、高温、特に800℃超の温度、たとえばガスタービンおよびエンジン用を意図される構造用セラミックスの、転動体の、または切削もしくは成形工具の分野にあることができ;
窒化チタン顆粒を含む粉体に関しては、用途は特に、切削工具の、装飾要素の、医療移植片の分野にあることができ;
炭化チタン顆粒を含む粉体に関しては、用途は特に、切削工具の分野にあることができ;
炭化ケイ素顆粒を含む粉体に関しては、用途は、切削工具の、構造用セラミックスの、ブレーキなどの、動力車用エレメントの、避雷針、高電圧線などの、電気システム要素の、発熱体の、装飾要素の分野において、とりわけ、実施することができ;
炭化ホウ素顆粒を含む粉体に関しては、用途は特に、切削工具の、構造用セラミックスの、研摩材の分野にあることができ;
炭化ジルコニウム顆粒を含む粉体に関しては、用途は特に、切削工具の、研摩材の、発熱体の分野にあることができ;
アルミナ顆粒を含む粉体に関しては、用途は特に、構造用セラミックスの、研摩材の、耐火物の、装飾要素の、透明材料の分野にあることができ;
酸化イットリウム顆粒を含む粉体に関しては、用途は特に、装飾要素、特に透明材料の分野にあることができ;
任意選択的に希土類でドープされた、酸化セリウムの顆粒を含む粉体に関しては、用途は特に、燃料電池分野にあることができ;
スピネルMgAlのまたはガーネットYAl12の顆粒を含む粉体に関しては、用途は特に、装飾、特に透明セラミックスの分野にあることができ;
ペロブスカイト顆粒を含む粉体に関しては、用途は特に、エレクトロニクス用セラミックス、特に圧電セラミックスの分野にあることができ;
長石またはコーディエライト顆粒を含む粉体に関しては、用途は特に、絶縁セラミックスの、耐火セラミックスの、サガー(sagger)の分野にあることができる。
【実施例】
【0143】
以下の非限定的な実施例は、上記の工程A)〜E)を含む方法に従って製造した。
【0144】
工程A)は、次の工程a)、b)およびc)を有する。
【0145】
工程a)において、実施される実施例のそれぞれについて、その主要な特性が下の表1に掲載される、アルミナ粉体を微細すり潰しによって分散させる。このアルミナ粉体のマグネシアは有利にも焼結添加剤としての機能を果たす。
【0146】
【表1】

【0147】
この微細すり潰しは、湿式ビーズミル(0.8mmの直径の、3モル%のYを含むジルコニアビーズ)またはアトリションミルで実施する。微細すり潰し後に、粉体は0.3μmに等しい中央粒径を有する。この懸濁液の乾燥物質含有率は50重量%である。
【0148】
50重量%溶液の形態での、バインダーを次に懸濁液に加える。
【0149】
こうして得られたスリップを12時間撹拌下に保つ。
【0150】
工程b)において、このスリップを次に、会社GEA Niroによって販売されるFSD Minor装置で、280℃の噴霧乾燥機の入口温度および100℃の噴霧乾燥機の出口温度で、噴霧乾燥する。工程b)の終わりに、顆粒を含む粉体が得られる。
【0151】
工程c)において、顆粒を含む粉体を400μm篩で篩い分けする。
【0152】
工程B)において、および工程A)の終わりに得られた顆粒を含む粉体のそれぞれについて、以下のプリフォームを製造した:
− 32mmの直径および8グラムの重量のペレットを、嵩密度の測定用に100MPaの圧力で一軸加圧成形することによって製造し、
− 4×5cmの横断面および10cmの長さを有する10の棒を、降伏の測定用に100MPaの圧力で一軸加圧成形することによって製造し、
− 1×1cmの横断面および3cmの長さを有する棒を、三点曲げの測定用に100MPaの圧力で一軸加圧成形することによって製造した。
【0153】
こうして得られたプリフォームは工程C)にかけなかった。
【0154】
工程D)において、前記プリフォームを次のサイクルに従って焼結した:
− 温度を100℃/hで500℃に上げる、
− 500℃に2時間保持する、
− 温度を100℃/hで1500℃に上げる、
− 1500℃に2時間保持する、
− 温度を自然冷却によって下げる。
【0155】
工程E)において、三点曲げ測定用を意図された棒を、この測定を実施するために必要とされる寸法(25×10×3mm)に機械加工した。
【0156】
実施例の特性は、キャラクタリゼーションの次の方法に従って評価した:
− 乾燥物質は、110℃で少なくとも2時間乾燥させた後に測定する。
− 顆粒を含む粉体の流動性は、標準NF EN 658−5に従って、「Fordカップ」型の装置で測定する。この測定は、200gの粉体が10mmの内径の漏斗を通って流れるために必要な時間を評価することにある。粉体の流動性は次に、粉体の重量をそれが漏斗を通って流れるために必要な時間で割ったに等しい比で計算する。
− 顆粒を含む粉体の緩充填密度は、標準NF EN 725−9に従って、「Fordカップ」型の装置で測定する。この測定は、標準寸法を有する容器を満たした後に、導入されている顆粒を含む粉体の重量を評価することにある。緩充填密度は次に、粉体の重量対容器の容積の比を出すことによって計算する。
− 顆粒を含む粉体の絶対密度は、Micromeretics(登録商標)からのAccuPyc 1330装置でヘリウム・ピクノメトリーによって測定する。顆粒を含む粉体は、500℃で2時間あらかじめカ焼する。
− 顆粒を含む粉体の真密度は、会社Micromeretics(登録商標)によって販売されるAutoPores IV 9500 Hgポロシメータ装置で水銀ポロシメトリーによって測定する。顆粒を含む粉体の1グラムの重量をこの装置に導入する。低真空下に5分間置いた後に、水銀を3447Pa(すなわち、0.5psi)の工程で導入する。真密素は、
【数1】


(全容積は測定チャンバーの空容積に等しく、容積Hg 100psiは、0.689MPa(すなわち、100psi)の圧力で粉体の存在下にチャンバー中に導入された水銀Hgの容積である)
によって計算する。
− 焼結部品の嵩密度は、検討中の実施例による顆粒を含む粉体の、100MPaでの、加圧成形後に得られ、そして次のサイクルに従って焼結された、30mmの直径および3mmの厚さの試料に関して測定する:100℃/hの速度での500℃への昇温、500℃での2時間の静止期、100℃/hの速度での1500℃への昇温、1500℃での2時間の静止期、200℃/hの速度での500℃への降下、次にフリークーリング。
− 破壊係数は、検討中の実施例による顆粒を含む粉体の、100MPaでの、加圧成形によって得られ、そして次のサイクルに従って焼結された、部品に機械加工された25×10×3mmの棒に関して測定する:100℃/hの速度での500℃への昇温、500℃での2時間の静止期、100℃/hの速度での1500℃への昇温、1500℃での2時間の静止期、200℃/hの速度での500℃への降下、次にフリークーリング。
− 粒度分布は、会社堀場製作所によって販売されるPartica LA−950レーザー粒度分析器を用いて測定する。顆粒を含む粉体は、懸濁させることなく、測定のためのレーザー粒度分析器へ直接導入する。
− 化学分析は、その含有率が0.1重量%超である元素についてはX線蛍光分光法によって測定し;元素の含有率が0.1重量%未満である場合には、それは、(会社Varianによって販売される)Vista AXモデルでICP(誘導結合プラズマ)によって測定する。
− 球形指数は、会社Malvern Instrumentsによって販売されるMorphologi 3G装置で測定する。顆粒を含む粉体は、測定のための装置へ直接導入する。顆粒の球形指数は、最小径対最大径の比によって測定し、×10の倍率で光学顕微鏡法によって撮られた顆粒の画像に関して測定する。所定の球形を示す顆粒の百分率を測定するために、統計的計数を、500〜1000画像で観察される顆粒について実施する。
− 三点曲げにおける破壊係数は、25mmに等しい長さの、10mmに等しい幅のおよび3mmに等しい厚さの棒に関して、15mmの外部支持体間の距離で、Lloydプレスで、標準NF EN 658−5に従って測定する。
− 一時添加剤のおよびバインダーの、特にポリマーの特質および含有率は、Perkin Elmerによって販売されるSpectrum 400装置で赤外分光法によって測定する。強度データを1cm−1のステップで4000〜1000cm−1範囲にわたって記録する。ポリマーは、たとえば、著作物「Handbook of Fourier transform Raman and infrared spectra of polymers」,A.H.Kuptsov,German Nikolaevich Zhizhin,vol.45,1998,Elsevierに示されるFTIR(フーリエ変換(Fourier Transform)赤外分光法)データとの比較によって同定する。ポリマーの特質および含有率はまた、分離されるべき化合物の特質および数に好適な分離カラムを備えた液体クロマトグラフィー(HPLC)などの、その他の周知の方法によって確認することができる。1.9μmの直径のHypersil Goldカラムを備えた、Thermo Scientificによって販売されるSurveyor Plusなどの装置を用いることができる。
− 一時成分の総含有率は、乾燥後の総重量に関して、1000℃でカ焼後の粉体の重量と110℃で乾燥後の粉体の重量との差によって測定する。
− 製造収率は、製造される焼結部品の数を基準として、「適合」焼結部品、すなわち、それらのコア中を含めて、亀裂も、表面欠陥も示さない焼結部品の百分率に相当する。
【0157】
【表2】

【0158】
本発明者らは、金型を満たす能力を粉体の緩充填密度によっておよびその流動性によって評価できると考える。高い緩充填密度および高い流動性値は、金型を満たす良好な能力に相当する。
【0159】
表2は、以下の観察を行うことを可能にする:
実施例3の粉体と同じバインダーを使用する、実施例1の顆粒を含む粉体は、より低い緩充填密度およびより低い流動性値を示す。金型を満たすその能力は、実施例2および3の粉体のそれらより低い。10×5×4cm(200cmの容積)の寸法を有する部品についての製造収率は、実施例3の顆粒を含む粉体で得られるものよりはるかに低く、それによって80μm超の中央粒径D50の重要性を例示する。
【0160】
25℃未満のガラス転移温度を持たないバインダーを使用する実施例2の顆粒を含む粉体は、加圧成形および焼結後に、高い密度および三点曲げにおける高い破壊係数を有する焼結部品を得ることを可能にしない。
【0161】
本発明による実施例3の顆粒を含む粉体は、大容積を有する、かつ、注目に値する機械的特性を示す焼結部品を、高収率で、製造することを可能にする。
【0162】
もちろん、本発明は、例として提供された実施形態に限定されない。
【0163】
特に、本発明による焼結部品の嵩密度は限定的ではない。
【0164】
さらに、噴霧乾燥以外の方法、たとえば、凍結乾燥工程を含む方法、または流動床造粒工程、もしくはパドルミキサーを用いる造粒の工程を含む方法を本発明による顆粒を含む粉体を製造するために用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特にセラミック焼結部品の製造のための、顆粒を含む粉体であって、乾燥物質を基準として、重量による次の化学組成:
− 100%となるまでの残分の、セラミック材料および、任意的に、前記セラミック材料用の安定剤;
− 25℃以下のガラス転移温度を有する少なくとも1.0%の第1バインダー;
− 25℃超のガラス転移温度を有する0〜4.0%の追加のバインダー;
− 第1バインダーとは異なる、および追加のバインダーとは異なる0〜4.0%の一時添加剤であって、前記第1バインダー、前記追加のバインダーおよび前記一時添加剤の合計含有率が9.0%未満である一時添加剤;
− 前記セラミック材料を焼結するための0〜15%の添加剤;
− 2.0%未満の不純物;
を有し、
前記粉体の中央粒径D50が80〜130μmであり、パーセンタイル値D99.5が500μm未満であり、前記顆粒の相対密度が30%〜60%である前記粉体。
【請求項2】
前記セラミック材料が、窒化物、炭化物、酸化物、オキシカーボ窒化物およびそれらの混合物で構成される群から選択される、請求項1に記載の粉体。
【請求項3】
前記セラミック材料が、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化チタン、炭化チタン、炭化ケイ素、炭化タングステン、炭化ジルコニウム、アルミナ、酸化イットリウム、酸化セリウム、希土類でドープされた酸化セリウム、ジルコニアでドープされた酸化セリウム、スピネルMgAl、ガーネット、式A’B’Oのペロブスカイト、長石、コーディエライト、およびそれらの混合物で構成される群から選択される、請求項1または2に記載の粉体。
【請求項4】
− 前記希土類でドープされた酸化セリウムについては、前記希土類が、La、Pr、Sm、Gdおよびそれらの混合物で構成される群から選択され、および/または
− 前記構造A’B’Oのペロブスカイトについては、前記元素A’が、元素Sr、Ca、Pb、Baおよびそれらの混合物で構成される群から選択され;B’が、元素Ti、Zrおよびそれらの混合物で構成される群から選択され、および/または
− 前記長石が、Xが周期表の2族の元素およびそれらの混合物で構成される群から選択される、式XO・Al・2SiOの長石、および/またはX’が周期表の1族の元素およびそれらの混合物で構成される群から選択される、式X’O・Al・2SiOの長石、および/またはZが希土類で構成される群から選択される、式Z・Al・2SiOの長石で構成される群から選択され、および/または
− 前記コーディエライトが、Xが周期表の2族の元素およびそれらの混合物で構成される群から選択される、式XO・Al・(5/2)SiOのコーディエライト、X’が周期表の1族の元素およびそれらの混合物で構成される群から選択される、式X’O・Al・5/2SiOのコーディエライト、ならびにZが希土類およびそれらの混合物で構成される群から選択される、式Z・Al・(5/2)SiOのコーディエライトで構成される群から選択される、
請求項3に記載の粉体。
【請求項5】
前記セラミック材料がアルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素およびそれらの混合物である、請求項1に記載の粉体。
【請求項6】
− 前記セラミック材料がアルミナAlであり、
− 第1バインダーの含有率が、前記乾燥物質を基準として重量百分率として2.5%〜4%であり、
− 不純物の含有率が、前記乾燥物質を基準として重量百分率として、1%未満であり、
− 残留含水率が、湿潤粉体を基準として重量百分率として0.2%〜1%である、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の粉体。
【請求項7】
− 前記セラミック材料がアルミナAlであり、
− 焼結添加剤の含有率が0.02〜15%であり、前記焼結添加剤が、元素Siの酸化物、希土類の酸化物、元素周期表の2族、3族および4族の元素の酸化物、およびそれらの混合物で構成される群から選択され、
− 第1バインダーの含有率が、前記乾燥物質を基準として重量百分率として2.5%〜4%であり、
− 不純物の含有率が、前記乾燥物質を基準として重量百分率として1%未満であり、
− 残留含水率が、湿潤粉体を基準として重量百分率として0.2%〜1%である、
請求項1に記載の粉体。
【請求項8】
− 前記セラミック材料が炭化ケイ素SiCであり、
− 第1バインダーの含有率が、前記乾燥物質を基準として重量百分率として2.5%〜4%であり、
− 不純物の含有率が、前記乾燥物質を基準として重量百分率として1%未満であり、
− 残留含水率が、前記湿潤粉体を基準として重量百分率として0.2%〜1%である、
請求項1に記載の粉体。
【請求項9】
− 前記セラミック材料が炭化ケイ素SiCであり、
− 焼結添加剤の含有率が0.5〜5%であり、前記焼結添加剤が、元素Si、AlおよびBの酸化物、希土類の酸化物、元素周期表の2、3および4族の元素の酸化物、およびそれらの混合物;元素Si、AlおよびBの窒化物、希土類の窒化物、元素周期表の2、3および4族の元素の窒化物、およびそれらの混合物;ならびに元素Si、AlおよびBの炭化物、希土類の炭化物、元素周期表の2、3および4族の元素の炭化物、およびそれらの混合物で構成される群から選択され、
− 第1バインダーの含有率が、前記乾燥物質を基準として重量百分率として2.5%〜4%であり、
− 不純物の含有率が、前記乾燥物質を基準として重量百分率として1%未満であり、
− 残留含水率が、湿潤粉体を基準として重量百分率として0.2%〜1%である、
請求項1に記載の粉体。
【請求項10】
前記焼結添加剤が、Al、Y、SiO、および元素Al、B、Ti、Zrの炭化物、およびそれらの混合物で構成される群から選択される、請求項9に記載の粉体。
【請求項11】
− 前記セラミック材料が窒化ケイ素Siであり、
− 第1バインダーの含有率が、前記乾燥物質を基準として重量百分率として2.5%〜4%であり、
− 不純物の含有率が、前記乾燥物質を基準として重量百分率として1%未満であり、
− 残留含水率が、湿潤粉体を基準として重量百分率として0.2%〜1%である、
請求項1に記載の粉体。
【請求項12】
− 前記セラミック材料が窒化ケイ素Siであり、
− 焼結添加剤の含有率が0.5〜15%であり、前記焼結添加剤が、希土類の酸化物、元素周期表の2、3および4族の元素の酸化物、およびそれらの混合物;ならびに希土類の窒化物、元素周期表の2、3および4族の元素の窒化物、およびそれらの混合物で構成される群から選択され、
− 第1バインダーの含有率が、前記乾燥物質を基準として重量百分率として2.5%〜4%であり、
− 不純物の含有率が、前記乾燥物質を基準として重量百分率として1%未満であり、
− 残留含水率が、湿潤粉体を基準として重量百分率として0.2%〜1%である、
請求項1に記載の粉体。
【請求項13】
前記焼結添加剤が、MgO、Al、Y、および元素Mg、Ca、Ti、Zr、Al、Bの窒化物、およびそれらの混合物で構成される群から選択される、請求項12に記載の粉体。
【請求項14】
追加のバインダーの含有率が、前記乾燥物質を基準として重量百分率として0.5%〜1%である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の粉体。
【請求項15】
− 追加のバインダーの含有率が、前記乾燥物質を基準として重量百分率として0.5%〜1%であり、
− 一時添加剤の含有率が0.5%〜1%である、
請求項1〜14のいずれか一項に記載の粉体。
【請求項16】
前記顆粒が、中央粒径D50が1μm未満であるセラミック材料の粒子を含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の粉体。
【請求項17】
前記第1バインダーが−30℃超のガラス転移温度を有する、請求項1〜16のいずれか一項に記載の粉体。
【請求項18】
前記第1バインダーが15℃未満のガラス転移温度を有する、請求項1〜17のいずれか一項に記載の粉体。
【請求項19】
前記第1バインダーが、非晶質有機ポリマー、ポリアクリル樹脂、純粋なアクリレートをベースとするポリマー、アクリレートおよびスチレンをベースとするコポリマー、ならびにそれらのブレンドから選択される、請求項1〜18のいずれか一項に記載の粉体。
【請求項20】
前記第1バインダーが、ポリアクリル樹脂、純粋なアクリレートをベースとするポリマー、アクリレートおよびスチレンをベースとするコポリマー、ならびにそれらのブレンドから選択される、請求項1〜19のいずれか一項に記載の粉体。
【請求項21】
前記第1バインダーが、ポリアクリル樹脂、アクリレートおよびスチレンをベースとするコポリマー、ならびにそれらのブレンドから選択される、請求項1〜20のいずれか一項に記載の粉体。
【請求項22】
前記第1バインダーおよび/または前記追加のバインダーが、無機元素を含まないポリマーから選択される、請求項1〜21のいずれか一項に記載の粉体。
【請求項23】
前記一時添加剤が有機添加剤であり、前記有機添加剤の含有率が1%未満であり、バインダーおよび有機添加剤の合計含有率が5%未満であり、前記有機添加剤が、分散剤または界面活性剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、滑剤、およびそれらの混合物から選択される、請求項1〜22のいずれか一項に記載の粉体。
【請求項24】
− 中央粒径D50が90μm超かつ120μm未満であり;および/または
− 10パーセンタイル値D10が40μm超であり;および/または
− 90パーセンタイル値D90が300μm未満であり;および/または
− 99.5パーセンタイル値D99.5が400μm未満である、
請求項1〜23のいずれか一項に記載の粉体。
【請求項25】
残留含水率が、湿潤粉体を基準として重量百分率として、0.2%〜1%である、請求項1〜24のいずれか一項に記載の粉体。
【請求項26】
前記ジルコニア、前記アルミナ、前記第1バインダー、前記追加のバインダーおよび前記一時バインダーが、前記粉体の前記顆粒中に均一に分配されている、請求項1〜25のいずれか一項に記載の粉体。
【請求項27】
前記顆粒の80%超が前記化学組成を有する、請求項1〜26のいずれか一項に記載の粉体。
【請求項28】
焼結部品の製造方法であって、次の工程:
A)請求項1〜27のいずれか一項に記載の顆粒を含む粉体を含む出発装入物を形成するために原材料を混合する工程であって、前記顆粒を含む粉体が前記出発装入物の重量の少なくとも60%を占める工程と、
B)前記出発装入物からプリフォームを形成する工程と、
C)任意選択的に、前記プリフォームを機械加工する工程と、
D)前記焼結部品を得るように前記プリフォームを焼結する工程と、
E)任意選択的に、前記焼結部品を機械加工するおよび/または修正する工程と
を含む方法。

【公表番号】特表2013−515664(P2013−515664A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545514(P2012−545514)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【国際出願番号】PCT/IB2010/055991
【国際公開番号】WO2011/077379
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(511104875)
【Fターム(参考)】