説明

セルチンドールの安定な固形製剤

本発明はセルチンドールと400 nm以下の波長を有する放射線を吸収する保護剤とを含む医薬調合物に関する。本発明はまた、セルチンドールと400 nm以下の波長を有する放射線を吸収する保護剤、例えば酸化鉄とを含む統合失調症の治療用医薬調合物の製造にセルチンドールを使用する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルチンドールおよび400 nm以下の波長を有する放射線を吸収する保護剤、例えば酸化鉄を含む医薬調合物に関する。本発明はまた、セルチンドールと400 nm以下の波長を有する放射線を吸収する保護剤を含有するコーティング層とを含む固体の医薬調合物に関する。さらに本発明は、医薬調合物の製造にセルチンドールを使用する方法、ならびにコーティング組成物の製造に酸化鉄を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セルチンドール(化学的には5-クロロ-1-(4-フルオロフェニル)-3-(1-(2-(2-イミダゾリノン-1-イル)エチル-4-ピペリジル-1H-インドールと呼ばれる)は、5-HT2、ドーパミンD2およびα1-アドレナリン受容体に対して高いアフィニティーを有する抗精神病薬である(非特許文献1;非特許文献2)。セルチンドールは特許文献1に開示されており、その抗精神病薬活性は特許文献2に開示されている。セルチンドールの製造方法は特許文献3に開示されている。セルチンドールの別の製造方法は特許文献4に開示されている。
【0003】
セルチンドールの治療効果に向けられてきた研究の大部分は、統合失調症の治療においてそれを使用することに焦点を当ててきた。例えば、特許文献2、非特許文献3、非特許文献4および非特許文献5参照。セルチンドールはまた、その他の障害、例えば、薬剤性精神病を含む精神病(特許文献5);不安(特許文献6);記憶障害(特許文献7);物質依存症(特許文献8);およびうつ病、高血圧および他の抗精神病薬の錐体外路系副作用(特許文献9)の治療に有効である。
【0004】
臨床開発計画の間に、セルチンドールは統合失調症の陽性および陰性症状の両方に対して効果を有することが示された。これは、良好な忍容性を有し、プラセボレベルの錐体外路副作用しか発生しなかった。これらの特性により、患者の治療コンプライアンスが改善され、その結果として再発率(精神医学が直面する最も大きな難問の1つとして広く認識されている問題である)が減少する。
【特許文献1】米国再発行特許発明第34,299号明細書
【特許文献2】米国特許第5,112,838号明細書
【特許文献3】米国特許第6,335,463号明細書
【特許文献4】国際公開第03/080597号パンフレット
【特許文献5】米国特許第5,238,945号明細書
【特許文献6】米国特許第5,439,922号明細書
【特許文献7】米国特許第5,444,073号明細書
【特許文献8】米国特許第5,462,948号明細書
【特許文献9】米国特許第5,703,087号明細書
【非特許文献1】Sanchez et al., Drug Dev Res. 1991;22:239-250
【非特許文献2】Arnt J and Skarsfeldt T, Neuropsychopharmacol. 1998;18(2):63-101
【非特許文献3】Brown et al., Pharmacotherapy. 1993;18(1):69-83
【非特許文献4】Samara, E. and Granneman, R., Clin. Pharmacol. & Therapeutics. 1996;59(2):187
【非特許文献5】Tamminga et al., International Clin. Psychopharmacol. 1997;12(suppl. 1):S29-S35
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らはセルチンドール(H. Lundbeck A/S、コペンハーゲン−ヴァルビー、デンマークにより製造)(Serdolect(R)、Zerdol(R))が、フィルムコート錠として、例えば、錠剤コアの重量に対して2〜4%フィルム層に相当する量で二酸化チタンを白色顔料として含有する白色のフィルムコーティング層でコーティングされた2 mg、4 mg、8 mg、12 mg、16 mg、20 mgおよび24 mgのセルチンドール(遊離塩基として計算した場合に)を含む錠剤として製剤化された場合に、光誘導性の分解過程を受けることを発見し、このことは前記錠剤が光に対して感受性であることを示すものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
セルチンドールを含有する錠剤製剤上のフィルムコーティング層における二酸化チタンの量を増加させた場合の耐光保護の効果を分析した。白色のフィルム懸濁物では、フィルム層の3%に至るまで、400 nm以下の波長を有する光からの保護はわずかしか得られないかまたはほとんど得られない。
【0007】
セルチンドールを含有する錠剤製剤上のフィルムコーティング層における酸化鉄の量を増加させた場合の耐光保護の効果を分析した。
【0008】
着色されたフィルムコートセルチンドール錠の医薬開発において、コーティングに混合物でまたは単独で、赤、黄または黒のような酸化鉄を含む場合に、錠剤コアが光の有害な影響から保護されることが明らかになった。
【0009】
さらに、光安定性試験により、少なくとも3種の不純物(以下の図を参照)のレベルが光誘導性の分解過程の間に増加することが明らかになった。
【0010】
【化1】

本発明者等によれば、酸化鉄、カーボンブラック、またはインジゴカルミン(純粋なまたはアルミニウムレーキとして)を、コーティング、例えば錠剤、小丸剤もしくはカプセル剤のコーティングに含むことによって;調合物コア、例えば錠剤またはカプセル剤に混合することによって;または、容器の壁に;外層としてまたは容器の壁の材料(例えばガラスまたは有機ポリマー系材料の容器)中に混合することによって、あるいは、酸化鉄またはインジゴカルミンを、液体としてのセルチンドールを含む一次もしくは二次包装材料、例えばバイアルもしくは滴瓶に含むことによって、光の有害な作用からセルチンドールが保護されるが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
【0011】
該して、錠剤のようなバルク製品および最終製品(例えば、最終包装がされた薬剤製品)のコーティング工程、包装および保管後における、人工または自然光への暴露に対する特別な予防措置の必要性が取り除かれるため、耐光保護コーティングは非常に興味深いものである。
【0012】
該して、錠剤のようなバルク製品および最終製品(例えば、最終包装がされた薬剤製品)の加工、包装および保管の間における、人工または自然光への暴露に対する特別な予防措置の必要性が取り除かれるため、酸化鉄、ブラックカーボンまたはアルミニウムレーキとしてのインジゴカルミンとセルチンドールとの混合物を含む耐光性組成物コアは非常に興味深いものである。
【0013】
該して、点滴剤および他の液体経口製剤のようなバルク製品および最終製品(例えば、最終包装がされた薬剤製品)の充填および保管後における、人工または自然光への暴露に対する特別な予防措置の必要性が取り除かれるため、耐光性容器は非常に興味深いものである。
【0014】
さらに、包装材料(一次および二次)の選択に関する特別な検討がもはや不要となる。これにより標準的な包装材料を使用することができる。
【0015】
さらに、固体の調合物に関しては、これにより、色によって薬剤の力価(strength)を区別することが可能である。最も低い力価(通常4 mg)から最適な効果が得られる力価(通常12〜20 mg)までの薬剤のタイトレーションが必要なことから、種々の薬剤力価が必要とされる。異なる色の錠剤またはカプセル剤は、誤った投薬を摂取するリスクを軽減し、処方者、治療者および患者の間の投薬に関する情報伝達を容易にする。
【0016】
セルチンドールは、以下の式:
【0017】
【化2】

で表され、化学名5-クロロ-1-(4-フルオロフェニル)-3-(1-(2-(2-イミダゾリノン-1-イル)エチル-4-ピペリジル-1H-インドールを有しており、本明細書では、「セルチンドール」は該化合物の任意の形態、例えば塩基、薬学的に許容される塩(例えば薬学的に許容される酸付加塩)、該塩基または塩の水和物または溶媒和物、および無水物、ならびに非晶質または結晶質形態を含むものである。
【0018】
前記化合物の薬学的に許容される酸付加塩は、非毒性の有機または無機酸を用いて、水混和性溶剤、例えばアセトンまたはエタノールにおいて形成させ、塩を濃縮および冷却によって単離することができ、または水非混和性溶剤、例えばエチルエーテルまたはクロロホルムにおいて過剰量の酸を用いて、所望の塩を直接分離することができる。
【0019】
このような有機塩の例としては、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、エンボン酸、コハク酸、シュウ酸、ビスメチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、桂皮酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、p-アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸およびテオフィリン酢酸、ならびに8-ハロテオフィリン、例えば8-ブロモ-テオフィリンによる塩が挙げられる。このような無機塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸および硝酸による塩が挙げられる。当然のことながら、これらの塩は本技術分野においてよく知られている適当な塩の複分解の古典的方法により製造することもできる。
【0020】
セルチンドールを遊離塩基の形態で単離したい場合には、慣用の手順に従って行うことができ、例えば単離したもしくは単離していない塩を水に溶解し、適当なアルカリ物質で処理し、遊離した遊離塩基を適当な有機溶剤で抽出し、場合により抽出物を適当な乾燥剤で乾燥した後に、抽出物を蒸発乾固することによって、遊離塩基アミンが単離される。該抽出物は場合により分別蒸留に付すことができる。
【0021】
酸化鉄は異なる供給元(例えば、BASFまたはUnivar Export)から販売されているものを入手することができ、これはFe2O3またはFeOおよびこれらの混合物を含む。本明細書においては、「酸化鉄」はそのいずれの形態をも含むことを意図するものであり、例えば、黄酸化鉄(Fe2O3 , H2O)、赤酸化鉄(Fe2O3)、黒酸化鉄(FeO,Fe2O3)、およびこれらの混合物を含むが、これらに限定はされない。
【0022】
本明細書において使用される場合に、医薬調合物は経口投与用を意図しており、例えばカプセル剤、錠剤、口腔内分散性錠剤、糖剤、丸剤、ロゼンジ、散剤および顆粒剤のような固体剤形(固体医薬調合物とも呼ぶ)、例えば液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤のような半固体および液体剤形(液体医薬調合物とも呼ぶ)を含む。適当な場合には、これらはコーティング、例えば腸溶コーティング、フィルムコーティング、糖衣、パウダーコーティングおよび圧縮コーティングを施して製造することができる。セルチンドールの固体剤形は、場合により、フィルム形成ポリマーを必要に応じて含む機能層および/または非機能層でコーティングすることができる。適当なフィルム形成ポリマーには、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメリテート;ワックス、例えばポリエチレングリコール;メタクリル酸ポリマー、例えばEudragit (R) RLおよびRS等、のうちの1種またはそれ以上が含まれる。あるいは、種々の商標名、例えばOpadry(R)で市販されているフィルム形成ポリマーを含む市販のコーティング組成物をコーティングに使用することができる。セルチンドールの固体剤形は、場合により、フィルム形成ポリマー内に可塑剤を必要に応じて含む機能層および/または非機能層でコーティングすることができる。適当な可塑剤には、ポリエチレングリコール、トリエチルシトレート、トリアセチン、アセチルトリアセチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、ジブチルフタレート、ジブチルセバケート、ジエチルフタレート、トリブチルシトレートのうちの1種またはそれ以上が含まれる。
【0023】
フィルム層 = フィルムコーティング層(乾燥)
%で表されるフィルム層は、錠剤コアの重量に対するフィルム層のパーセント重量に該当する。(1個の錠剤におけるフィルム層(mg)/錠剤1個の重量(mg))*100
【0024】
フィルム層の量の測定
施されたフィルム層は、以下の方法のうちの1つにより測定することができる:
計量−コーティング工程後の各サンプルにおける重量増加の測定(サンプルサイズ:10〜1000錠)
フィルムコーティング層のNIRによる測定
フィルムコーティング層における顔料の比率による、(顔料/着色剤)量の化学分析、それに続くフィルム層の量の計算。
【0025】
顔料
顔料(例えば、酸化鉄、インジゴカルミン、インジゴカルミン-Al-レーキ、400 nm以下の波長の光を吸収する他の着色剤A、400 nm以下の波長の光を吸収する金属または金属混合物、400 nm以下の波長の光を吸収する金属塩または金属塩混合物)の量。
A 2000年度版の米国認証の対象として恒久的にまたは仮にリストに記載されている着色添加物(21 CFR 2000に基づく)。
【0026】
顔料は、以下のいずれかによって表すことができる:
懸濁液のパーセント
懸濁液の%としての顔料。(顔料(グラム)/懸濁液(kg))/100。
【0027】
乾燥フィルム層のパーセント
フィルム層の%としての顔料。(1個の錠剤における顔料(グラム)/1個の錠剤におけるフィルム層(mg))*100。
【0028】
錠剤コアまたはカプセル内容物のパーセント
コア重量またはカプセル内容物重量のパーセントとしての顔料。(1個の錠剤コアまたはカプセル内容物における顔料(mg)/1個の錠剤コアの重量(mg)または1個のカプセルの内容物の重量(mg))*100。
【0029】
錠剤表面積1平方ミリメートル(mm2)あたりのマイクログラム(μg)
顔料(μg)/錠剤(mm2)。
【0030】
カプセル表面積1平方ミリメートル(mm2)あたりのマイクログラム(μg)
顔料(μg)/カプセル(mm2)。
【0031】
一次容器の表面積1平方ミリメートル(mm2)あたりのマイクログラム(μg)
顔料(μg)/容器(mm2)。
【0032】
包装材料の表面積(PMSA)1平方ミリメートル(mm2)あたりのマイクログラム(μg)
顔料(μg)/PMSA(mm2)。
【0033】
必要に応じて、本発明の医薬調合物は、薬学的キャリアー、例えば不活性な固体の希釈剤または増量剤、滅菌水溶液および種々の有機溶剤を含むこともできる。液体のキャリアーの例としては、シロップ、ピーナッツ油、オリーブ油、リン脂質、脂肪酸、脂肪酸アミン、ポリオキシエチレンおよび水が挙げられる。固体のキャリアーの例としては、ラクトース、石膏(terra alba)、スクロース、シクロデキストリン、タルク、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸およびセルロースの低級アルキルエーテル、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、滑石粉、ステアリン酸マグネシウム、ゼラチン、ラクトース、増粘剤(gums)等が挙げられる。前記目的のために通常使用される、着色剤(colourings)、フレーバー(flavourings)、保存剤等のような佐剤または添加剤はいずれも、活性成分と適合することを条件として使用することができる。
【0034】
従って、1つの態様において、本発明は、セルチンドールと400 nm以下の波長を有する放射線を吸収する保護剤、例えば酸化鉄、またはインジゴカルミン、または本明細書に記載される他の顔料とを含む医薬調合物に関する。
【0035】
別の態様において、本発明はセルチンドールと400 nm以下の波長を有する放射線を吸収する保護剤を含有するコーティング層とを含む固体の医薬調合物に関する。1つの実施態様において、固体の医薬調合物は錠剤またはカプセル剤から選択される。通常、固体の医薬調合物、例えば錠剤およびカプセル剤におけるセルチンドールの量は、1 mg〜48 mg、例えば2 mg〜24 mg、例えば、2 mg、4 mg、8 mg、12 mg、16 mg、20 mgおよび24 mgである。
【0036】
通常、コーティング懸濁液は、ポリマー、例えばフィルム形成ポリマー、可塑剤、場合により第二のフィルム形成ポリマー、場合により顔料、例えば二酸化チタン、および場合により抗ケーキング剤を含む乾燥粉末を混合し、その後に水と混合し、そして場合により、コーティング懸濁液によってノズルおよびスプレーガン装置のラインが詰まるのを防ぐために固化防止剤(anti-coalescing agent)を添加することによって、製造することができる。「“Aqueous Polymeric Coatings for Pharmaceutical Dosage Forms”, Drugs and the pharmaceutical Sciences Vol. 79, Second Ed.,Marcel Dekker Inc., Edited by James W. McGinity」に記載されているコーティング組成物の例は以下のとおりである。
【0037】
【表1】

【0038】
【表2】

【0039】
【表3】

【0040】
【表4】

あるいは、市販のコーティング組成物(例えばOpadry(R))を使用して、400 nm以下の波長を有する放射線を吸収する保護剤、例えば酸化鉄と混合し、その後に、固体の医薬調合物、例えば錠剤またはカプセル剤の表面に施すことができる。通常、コーティング層は、噴霧によって錠剤またはカプセル剤上に供給される。
【0041】
通常、400 nm以下の波長を有する放射線を吸収する保護剤は、光分解からセルチンドールを保護するのに十分な量で存在し、このような保護剤は、限定はされないが、酸化鉄、例えば黄酸化鉄、赤酸化鉄もしくは黒酸化鉄、またはこれらの混合物から選択される。あるいは、400 nm以下の波長を有する放射線を吸収する保護剤は、カーボンブラック、インジゴカルミン、インジゴカルミン-アルミニウムレーキ、400 nm以下の波長の光を吸収する他の着色剤(2000年度版の米国認証の対象として恒久的にまたは仮にリストに記載されている着色添加物(21 CFR 2000に基づく))、400 nm以下の波長の光を吸収する金属または金属混合物、400 nm以下の波長の光を吸収する金属塩または金属塩混合物から選択される。
【0042】
保護剤、例えば酸化鉄は、好ましくはコーティング層中に均一に分布する。通常、コーティング層は、組成物のコアに対して20重量%未満であり、加工、処理および利便性のためには、10%未満、例えば0.5%〜10%であり、通常、コーティング層は0.5〜4重量%である。
【0043】
保護剤を含むコーティング層は、第一のまたは第二のまたはさらなるコーティング層であることができ、従って、例えば錠剤コアを糖コーティングでコーティングし、そしてその後に保護剤を含むコーティング層でコーティングすることができ、またはその逆も同様に可能である。通常は、保護剤を含むコーティング層が最終コーティング層である。
【0044】
通常、コーティング層が保護剤として酸化鉄を含む場合には、酸化鉄は調合物の表面積1 mm2あたり少なくとも0.1μgの量で存在する。これにより、光の有害な作用からセルチンドールが保護される。コーティング層における酸化鉄の選択的な量は、調合物の表面積1 mm2あたり少なくとも0.15μg、少なくとも0.2μg、少なくとも0.25μg、少なくとも0.3μgまたは少なくとも0.35μgから選択される。本発明者等によって、調合物の表面積1 mm2あたり0.4μg以上の量でコーティング層に存在する酸化鉄が、遮光対照と全く同じように効果的であることが示される。しかしながら、このことは本発明を何ら限定するものではない。
【0045】
さらに、コーティング層における乾燥物質の約30重量%の量の二酸化チタンは、酸化鉄と同様の耐光保護効果を得るためのコーティング工程において約12時間に相当し、不便であると考えられ、一方、コーティング層における乾燥物質の少なくとも2重量%のコーティング層中二酸化チタンを含むのが望ましい。
【0046】
1つの実施態様において、コーティング層は、フィルム形成ポリマー、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメリテート;ワックス、例えばポリエチレングリコール;メタクリル酸ポリマー、例えばEudragit(R)RLおよびRS等のうちの1種またはそれ以上を含む。
【0047】
慣用のコーティング層には、糖および/または炭酸カルシウムおよび/またはタルクおよび/または二酸化チタンが含まれ得る。
【0048】
硬または軟カプセルは、ゼラチン、微結晶性セルロースまたはデンプンからなる。
【0049】
実施態様のうちの任意の1つにおける上述の固体の医薬調合物において、コーティング層には、例えばポリマーを軟化させるための可塑剤が含まれ得る。このような可塑剤の例としては、ポリエチレングリコール(200〜8000の分子量、例えばUnion Carbide製のCarbowax)、グリセリン、プロピレングリコール、アセチル化モノグリセリド、トリエチルシトレート、トリアセチン(Pfizer製のものを入手可能)、アセチルトリアセチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、ジブチルフタレート、ジブチルセバケート、ジエチルフタレート、トリブチルシトレートのうちの1種またはそれ以上が挙げられる。通常、ポリエチレングリコール400(PEG400)が可塑剤として使用される。
【0050】
実施例に記載されるような研究は、元々は、固体のフィルムコーティング層において12重量%に相当するPEG400を含有する固体のフィルムコーティング懸濁液を用いて行うつもりであった。黄酸化鉄と固体のフィルムコーティング層において12重量%に相当するPEG400とを含むフィルム懸濁液からのフィルムコーティング層の量を増加させて施した場合に、光ストレス試験後における分解量の増加が見られた。可塑剤であるPEG400の負の効果は、フィルムコーティング層の0重量%〜約8重量%の量においては見られなかったが、12重量%レベルのPEG400では、耐光保護効果の減少が観察された。
【0051】
従って、別の実施態様において、コーティング層はポリエチレングリコールをコーティング層に対して12重量%未満、例えば8重量%未満、6重量%未満、4重量%未満、典型的には0重量%〜8重量%の量で含む。
【0052】
本発明の別の態様は、セルチンドールと400 nm以下の波長を有する放射線を吸収する保護剤とを含有する混合物の製造であり、この混合物は固体の医薬調合物に製剤化される。
【0053】
従って、別の態様において、本発明は、セルチンドールと400 nm以下の波長を有する放射線を吸収する保護剤、例えば酸化鉄またはアルミニウムレーキとしてのインジゴカルミンとの混合物を含む固体の医薬調合物に関する。
【0054】
1つの実施態様において、固体の医薬調合物は錠剤またはカプセル剤から選択される。通常、固体の医薬調合物、例えば錠剤およびカプセル剤におけるセルチンドールの量は、1 mg〜48 mg、例えば、2 mg〜24 mg、例えば2 mg、4 mg、8 mg、12 mg、16 mg、20 mgおよび24 mgである。
【0055】
通常、400 nm以下の波長を有する放射線を吸収する保護剤は、セルチンドールを光分解から保護するのに十分な量で存在し、このような保護剤は、限定はされないが、酸化鉄、例えば黄酸化鉄、赤酸化鉄もしくは黒酸化鉄、またはこれらの混合物から選択される。あるいは、400 nm以下の波長を有する放射線を吸収する保護剤は、カーボンブラックまたはインジゴカルミン(単独のまたはアルミニウムと結合した)から選択される。
【0056】
別の実施態様において、400 nm以下の波長を有する放射線を吸収する保護剤は、固体調合物の重量に対して0.1 %〜5 %の量で存在する。
【0057】
別の実施態様において、固体の医薬調合物、例えば錠剤またはカプセル剤はさらに、コーティング層、例えばフィルムコーティング層を含む。典型的なコーティング層は、酸化鉄を含有するコーティングに関して上述したとおりである。
【0058】
別の実施態様において、コーティング層は酸化鉄を含み、例えば、調合物の表面積1 mm2あたり少なくとも0.1μgの量で酸化鉄を含む。特定の実施態様は、セルチンドールと一緒に混合された酸化鉄、および酸化鉄を含むコーティング層を含む、固体の医薬調合物である。
【0059】
別の態様において、本発明は、液体製剤中にセルチンドールを含有する容器手段からなる経口用液体医薬調合物であって、前記の容器手段が400 nm以下の波長を有する放射線を吸収する保護剤、例えば酸化鉄を含む医薬調合物に関する。
【0060】
別の態様において、本発明は、統合失調症の治療用医薬調合物の製造にセルチンドールを使用する方法であって、前記調合物がセルチンドールと400 nm以下の波長を有する放射線を吸収する保護剤、例えば酸化鉄とを含む使用方法に関する。
【0061】
別の態様において、本発明は、統合失調症の治療用医薬調合物を投与することを含む、それを必要とする対象を治療する方法であって、前記医薬調合物がセルチンドールと400 nm以下の波長を有する放射線を吸収する保護剤、例えば酸化鉄とを含む、前記の治療方法に関する。1つの実施態様において、セルチンドールは1日に1回、2〜24 mgの量で投与される。
【0062】
別の態様において、本発明は、400 nm以下の波長を有する放射線を吸収する保護剤、例えば酸化鉄を含むコーティング組成物の製造に、酸化鉄を使用する方法に関する。
【0063】
別の態様において、本発明は、400 nm以下の波長を有する放射線を吸収する保護剤(例えば酸化鉄)、ポリマーおよび可塑剤を含むコーティング組成物に関する。1つの実施態様において、コーティング組成物は酸化鉄およびOpadry(R)を含む。
【0064】
以下において実施例を用いて本発明をさらに説明する。しかしながら、実施例は本発明を単に説明するためのものであり、何ら本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0065】
材料および装置
材料:
以下の成分を使用した:
セルチンドール(遊離塩基として)(H. Lundbeck A/S製)、メイズスターチ(Maize starch B、Roquette製、Lestrem Cedex、フランス)、ラクトース一水和物(Pharmatose 350 M、DMV International製、Veghel、オランダ)、ヒドロキシプロピルセルロース(Klucel EXF Pharm、Hercules、バージニア州、U.S.A)、ステアリン酸マグネシウム(Liga magnesium Stearate MF-2-V、Akcros Chemical製、Venlo、オランダ)、微結晶性セルロール(Avicel PH-102、FMC International製、Cork、アイルランド)、クロスカルメロース(Ac-Di-Sol 、FMC International製、Cork、アイルランド)、黄酸化鉄、赤酸化鉄および黒酸化鉄(Univar Export製、Essex、英国)、ポリエチレングリコール(Polyglykol 400、Clariant GmbH製、Gendorf、独国)、二酸化チタン(1700 Titanium dioxide、Univar Export製、Essex、英国)、ヒプロメロース(Methocel E5 premium LV EP、Dow Chem. Company製、ルイジアナ州、U.S.A)。
【0066】
装置:
以下の装置を下記の供給元から入手した:
Diosna P 250(Diosna and Soehne製、Osnabruck、独国)、トレイオーブンLytzen type BB(Lytzen and Co Herlev製、デンマーク)、ふるい機Frewitt type MGM 284(Frewitt Fabrique製、Fribourg、スイス)、Blender Bohle PM100(L.B. Bohle GmbH製、Ennigerloh、独国)、Kilan T 300(IMA、Kilian Gmbh & Co製、Cologne、独国)。
Labcoat IIX(Ohara technologies製、トロント、オンタリオ州、カナダ)。ドラム15’’。
【0067】
<実施例1>
錠剤の製造
本研究における錠剤あたり8 mgのセルチンドールを含む製剤調合物は以下のとおりである:(バッチサイズ:錠剤800,000個)
【0068】
【表5】

【0069】
セルチンドール8 mg錠剤の組成
【0070】
造粒、乾燥および混合
セルチンドール、メイズスターチ、ラクトース一水和物およびヒドロキシプロピルセルロースをDiosna P 250において高速で3分間混合する(ミキサーII/インペラーII)。
【0071】
精製水(適量)を1分間で添加する(ミキサーおよびインペラーは低速(I/I))。
【0072】
最後に低速(II/II)で顆粒を3分間形成させる。
【0073】
湿式造粒物を篩(スクリーンサイズ4.0 mm)にかけた後にトレイ型乾燥オーブンで乾燥する。
【0074】
平衡相対湿度が25〜45%になるまで、顆粒を直接加熱(固体の固定床)によって50℃の設定でトレイ上において乾燥する。
【0075】
乾燥した顆粒を微結晶性セルロースおよびクロスカルメロースと一緒に、1.000 mmのスクリーンサイズを通して振動させた。
【0076】
粉末は、ビンブレンダー中において1分間あたり6回転(rpm)で6分間混合した。
【0077】
予め篩(0.8 mm)にかけたステアリン酸マグネシウムを添加し、6 rpmで3分間混合した。
【0078】
圧縮
錠剤を以下の型で圧縮した:錠剤表面上部に「S8」と型押ししてコーティングするための6.5 mm x 9.5 mmの長円形パンチ。
【0079】
圧縮速度:約200000錠/時間
錠剤重量: 150 mg
錠剤厚み: 3.3 mm
錠剤1個の表面積:127 mm2
硬度:約60 N(縦方向で測定)
崩壊時間:約2分間。
【0080】
錠剤のコーティング
それぞれが3 kgのコア錠剤を含む、3種のコーティング工程を繰り返し行った(すなわち、6回のコーティング)。3種の異なるコーティング懸濁液の処方(全てが黄酸化鉄を含む)が含まれる。可塑剤であるポリエチレングリコール400を以下のレベルで添加した:乾燥固体フィルム層の0%、4%および8%。
【0081】
参考文献1のようなコーティングを、白色のフィルムコーティング(すなわち、黄酸化鉄なし)を用いて3 kgの錠剤コアにおいて実施した。白色コート錠剤処方Dにおける可塑剤の量は4%であった。
【0082】
フィルムコーティング懸濁液の処方は表2を参照のこと。
【0083】
フィルムコーティング懸濁液のバッチサイズ:3000 g:
【0084】
【表6】

実験番号およびフィルムコーティング懸濁液の組成(個々の含有量は懸濁液の実際のバッチサイズのw/wパーセントとして表す)。
【0085】
*精製水はコーティング工程中に蒸発する。
【0086】
コーティングパラメーター:
・ドラム: 15''
・入口温度:約60℃
・出口温度:約46℃
・ドラム:約12 rpm
・空気流:約560 m3/h
・懸濁液流速:約30 g/分
・噴霧圧力: 3.4 bar
施されたフィルムコーティング懸濁液:1027 g。
【0087】
サンプリング(コーティング工程の間)
【0088】
【表7】

サンプル番号対フィルムコーティング層の量(コア重量に対するパーセントとして)
光安定性試験
10個の錠剤各サンプルをライトキャビネット(Heraeus製のSuntest CPS+)中に置き、120万lux hours未満でない総照度、および200ワット・時間/m2未満でない総近紫外エネルギーを供給する光に曝露させた。錠剤は、単層になるようにペトリ皿に直接置いた。全体の変化に対して熱に起因する変化がどの程度寄与しているかを調べるために、遮光した対照を使用した。遮光した対照はサンプルの横に置き、アルミニウムホイルに包んで光から保護した。曝光後に、HPCL分析によって、錠剤(サンプルおよび遮光対照)を分解生成物に関して分析した。
【0089】
HPLC分析用サンプルの調製
10個の錠剤をサンプルとして、0.1 M酢酸によって崩壊させた。次に、抽出のためアセトニトリルを添加し、その後、メタノール/水(50/50)でサンプルの容量を調節した。最終濃度:0.4 mg/ml。
【0090】
HPLC分析
光安定性試験からのサンプルをHPLCで分析した。
【0091】
LiChrospher 100 RP-8(5μm、250 x 4 mm ID)を用いて逆相クロマトグラフィーを行った(プレカラムとしてLiChrospher 100 RP-8、5μmを使用)。
【0092】
移動相は、テトラヒドロフラン/アセトニトリル/25 mMホスフェートバッファーpH 7.2(7/ 43/ 50)からなる。
【0093】
25 mMホスフェートバッファーpH 7.2:5.82 gのNa2HPO4, 12H2Oおよび1.19 gのKH2PO4を1リットルの水に溶解したもの。NaOHまたはH3PO4によりpHを調節。流速は1.2 ml/分、カラム温度は40℃、UV検出はUV 230 nmに設定した。
【0094】
Lu 26-115(1-(2-(4-(5-クロロ-1-(4-フルオロフェニル)-1H-インドール-3-イル)-1-ピペリジニル-1-オキシド)エチル)-2-イミダゾリジノン)に関しては規格化因子0.9、そして他の不純物に関しては規格化因子1.0を用いて、面積%から分解生成物の定量を行った。
【0095】
結果
【0096】
【表8】

セルチンドールのフィルムコート錠 8 mg。1.2 mio Luxへの曝露後の、黄酸化鉄含有フィルムコーティング層の量(表2に記載の組成)対分解物の量(セルチンドールに対するパーセント)。NT=試験せず。
【0097】
【表9】

セルチンドールのフィルムコート錠 8 mg。1.2 mio Luxへの曝露後の、黄酸化鉄を含まないフィルムコーティング層の量(表2に記載の組成)対分解物の量(セルチンドールに対するパーセント)。
【0098】
【表10】

セルチンドールのフィルムコーティング錠 8 mg。1.2 mio Luxへの曝露後の、単位錠剤表面積あたりの黄酸化鉄量(mcg/mm2)(表2に記載の組成)対分解物の量(セルチンドールに対するパーセント)。NT=試験せず。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルチンドールと400 nm以下の波長を有する放射線を吸収する保護剤とを含む医薬調合物。
【請求項2】
セルチンドールと400 nm以下の波長を有する放射線を吸収する保護剤との混合物を含む固体の医薬調合物。
【請求項3】
400 nm以下の波長を有する放射線を吸収する保護剤が、光分解からセルチンドールを保護するのに十分な量で存在する、請求項1または2のいずれか1つに記載の固体医薬調合物。
【請求項4】
錠剤またはカプセル剤から選択される、請求項1〜3のいずれか1つに記載の固体医薬調合物。
【請求項5】
400 nm以下の波長を有する放射線を吸収する保護剤が、酸化鉄、例えば黄酸化鉄、赤酸化鉄もしくは黒酸化鉄、またはこれらの混合物から選択される、請求項1〜4のいずれか1つに記載の固体医薬調合物。
【請求項6】
400 nm以下の波長を有する放射線を吸収する保護剤が、カーボンブラック、インジゴカルミン、インジゴカルミン-アルミニウムレーキ、および400 nm以下の波長の光を吸収し2000年度版の米国認証の対象として恒久的にまたは仮にリストに記載されている着色添加物(21 CFR 2000に基づく)、400 nm以下の波長の光を吸収する金属または金属混合物、400 nm以下の波長の光を吸収する金属塩または金属塩混合物から選択される、請求項1〜4のいずれか1つに記載の固体医薬調合物。
【請求項7】
400 nm以下の波長を有する放射線を吸収する保護剤が固体調合物の重量に対して5%までの量で存在する、請求項1〜6のいずれか1つに記載の固体医薬調合物。
【請求項8】
コーティング、例えばフィルムコーティング層をさらに含む、請求項1〜7のいずれか1つに記載の固体医薬調合物。
【請求項9】
コーティング層が二酸化チタン、例えば、コーティング層における乾燥物質の少なくとも約0.5重量%の量の二酸化チタンを含む、請求項8記載の固体医薬調合物。
【請求項10】
セルチンドールと400 nm以下の波長を有する放射線を吸収する保護剤を含有するコーティング層とを含む固体の医薬調合物。
【請求項11】
400 nm以下の波長を有する放射線を吸収する保護剤が、光分解からセルチンドールを保護するのに十分な量で存在する、請求項10記載の固体医薬調合物。
【請求項12】
錠剤またはカプセル剤から選択される、請求項10または11のいずれか1つに記載の固体医薬調合物。
【請求項13】
400 nm以下の波長を有する放射線を吸収する保護剤が、酸化鉄、例えば黄酸化鉄、赤酸化鉄もしくは黒酸化鉄、またはこれらの混合物から選択される、請求項10〜12のいずれか1つに記載の固体医薬調合物。
【請求項14】
400 nm以下の波長を有する放射線を吸収する保護剤が、カーボンブラック、インジゴカルミン、インジゴカルミン-アルミニウムレーキ、および400 nm以下の波長の光を吸収し2000年度版の米国認証の対象として恒久的にまたは仮にリストに記載されている着色添加物(21 CFR 2000に基づく)、400 nm以下の波長の光を吸収する金属または金属混合物、400 nm以下の波長の光を吸収する金属塩または金属塩混合物から選択される、請求項10〜12のいずれか1つに記載の固体医薬調合物。
【請求項15】
コーティング層がさらに二酸化チタン、例えば、コーティング層における乾燥物質の少なくとも約0.5重量%の量の二酸化チタンを含む、請求項10〜14のいずれか1つに記載の固体医薬調合物。
【請求項16】
コーティング層が酸化鉄、例えば、調合物の表面積1 mm2あたり少なくとも0.1μgの量の酸化鉄を含む、請求項10〜15のいずれか1つに記載の固体医薬調合物。
【請求項17】
コーティング層が調合物のコアに対して20重量%未満である、請求項10〜16のいずれか1つに記載の固体医薬調合物。
【請求項18】
コーティング層がさらに可塑剤、例えば、ポリエチレングリコール、トリエチルシトレート、トリアセチン、アセチルトリアセチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、ジブチルフタレート、ジブチルセバケート、ジエチルフタレート、トリブチルシトレートのうちの1種またはそれ以上を含む、請求項10〜17のいずれか1つに記載の固体医薬調合物。
【請求項19】
コーティング層がさらに、コーティング層に対して12重量%未満、例えば8重量%未満の量でポリエチレングリコールを含む、請求項10〜18のいずれか1つに記載の固体医薬調合物。
【請求項20】
調合物におけるセルチンドールの量が1 mg〜48 mg、例えば2 mg〜24 mgである、請求項1〜19のいずれか1つに記載の固体医薬調合物。
【請求項21】
セルチンドールと400 nm以下の波長を有する放射線を吸収する保護剤、例えば酸化鉄とを含む統合失調症の治療用医薬調合物の製造に、セルチンドールを使用する方法。

【公表番号】特表2009−507051(P2009−507051A)
【公表日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529472(P2008−529472)
【出願日】平成18年9月6日(2006.9.6)
【国際出願番号】PCT/DK2006/050038
【国際公開番号】WO2007/065448
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(591143065)ハー・ルンドベック・アクチエゼルスカベット (129)
【Fターム(参考)】