セルピン酵素複合体受容体により媒介される遺伝子導入
【課題】裸のDNAを動物組織に直接インジェクションする従来の実験において用いられたDNAは、細胞内での保持性、核内への取り込み、または標的細胞の核内での転写効率を改善するような修飾または折り畳みを受けていなかった。
【解決手段】凝縮物質を投与した組織の標的細胞による、核酸の取り込みを促進するため、核酸は実質的に凝集することなく、凝縮される。核酸はその遺伝子発現、発現が望まれない内在性核酸とのハイブリッド形成、または部位特異的インテグレーションでの標的遺伝子の置き換え、修飾、または欠損、の結果により医療的効果をもたらす。標的化は、標的細胞結合部位による方法により増強される。核酸は好ましく凝縮状態にされる。
【解決手段】凝縮物質を投与した組織の標的細胞による、核酸の取り込みを促進するため、核酸は実質的に凝集することなく、凝縮される。核酸はその遺伝子発現、発現が望まれない内在性核酸とのハイブリッド形成、または部位特異的インテグレーションでの標的遺伝子の置き換え、修飾、または欠損、の結果により医療的効果をもたらす。標的化は、標的細胞結合部位による方法により増強される。核酸は好ましく凝縮状態にされる。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程
a) i)セルピン酵素複合体受容体に結合可能な標的結合部位;
ii)核酸結合部位;
iii)1つまたはそれ以上の遺伝子産物をコードするオリゴヌクレオチドよりなる発現ベクターであって、折り畳まれている発現ベクター;
iv)セルピン酵素複合体受容体を外側表面に有するヒト以外の哺乳類細胞;
の供給;
b)前述標的結合部位と前述核酸結合部位の担体形成のための結合;
c)前述発現ベクターと前述担体の治療的化合物の形成のためのカップリング;そして
d)前述の哺乳類細胞と前述の治療的化合物の、前述の治療的化合物が前述の受容体に結合し、前述の治療的化合物を前述の哺乳類細胞内に輸送するような条件での接触
よりなるヒト以外の哺乳類細胞へのオリゴヌクレオチドの導入方法。
【請求項2】
前述の発現ベクターはさらに、制御可能に前述の1つまたはそれ以上の遺伝子産物をコードするオリゴヌクレオチドと連結したプロモータ一配列を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
プロモーター配列は哺乳類遺伝子に由来する、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前述のプロモーター配列はウィルスプロモーター配列である、請求項2記載の方法。
【請求項5】
前述のウィルスプロモーター配列はシミアンウィルス40プロモーター、モロニーマリンロイケミアウィルスプロモーター、およびサイトメガロウィルスプロモーターよりなる組から選択される、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前述の標的結合部位は前述の受容体の認識配列を含むペプチドである、請求項1記載の方法。
【請求項7】
認識配列はSEQ ID NOS:28および29を含む組から選択される、請求項6記載の方法。
【請求項8】
標的結合部位はSEQ ID NO:31のアミノ酸配列を有するペプチドである、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前述の核酸結合部位はポリ陽イオンである、請求項1記載の方法。
【請求項10】
ポリ陽イオンは、ポリLリジンである、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前述のヒト以外の哺乳類細胞は受容動物に位置される、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前述のヒト以外の哺乳類細胞は、肝細胞、単核食胞、好中球、小腸上皮細胞、グリア細胞、および神経細胞からなる組から選択される、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前述のヒト以外の哺乳類細胞と前述治療的化合物の、前述の接触は前述化合物の前述のヒト以外の受容動物への投与からなる、請求項11記載の方法。
【請求項14】
前述の投与は前述の治療的化合物を含む水溶性溶液の注射からなる、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前述の注射は、静脈注射である、請求項13記載の方法。
【請求項16】
前述のヒト以外の哺乳類細胞と前述治療的化合物との接触に続く、前述発現ベクターによりコードされる前述の1つまたはそれ以上の遺伝子産物の発現を前述の接触細胞での試験を含む、請求項1記載の方法。
【請求項17】
前述の治療的化合物の注射に続き、前述受容動物中の組織での前述発現ベクターによりコードされる前述の1つまたはそれ以上の遺伝子産物の発現を前述の接触細胞での試験を含む、請求項14記載の方法。
【請求項18】
核酸結合部位、および哺乳類細胞表面に存在するセルピン酵素複合体受容体に結合可能な標的結合部位を含む、化合物。
【請求項19】
標的結合部位は前述の受容体に対する認識配列を含むペプチドである、請求項18記載の化合物。
【請求項20】
認識配列はSEQ ID NOS:28および29からなる組より選択される、請求項19記載の化合物。
【請求項21】
標的結合部位はSEQ ID NO:31にあるアミノ酸配列を有するペプチドである、請求項20記載の化合物。
【請求項22】
核酸結合部位はポリ陽イオンである、請求項18記載の化合物。
【請求項23】
前述のポリ陽イオンはポリLリジンである、請求項22記載の化合物。
【請求項24】
哺乳類細胞表面に存在するセルピン酵素複合体受容体に結合可能な標的結合部位、および核酸結合部位よりなる、融合タンパク質であって、認識配列がSEQ ID NOS:28および29からなる組から選択される、融合タンパク質。
【請求項25】
標的結合部位はSEQ ID NO:31にあるアミノ酸配列を有するペプチドである、請求項24記載の融合タンパク質。
【請求項26】
前述の核酸結合部位は最低プロタミンタンパク質の一部分を含む、請求項24記載の融合タンパク質。
【請求項27】
核酸分子に結合した、請求項24記載の融合タンパク質。
【請求項28】
30nm未満の粒子サイズを有する、請求項27記載の融合タンパク質。
【請求項29】
治療用タンパク質に共有結合された受容体であって重合性イムノグロブリン受容体のヒト分泌性成分である受容体に対して向けられた単鎖Fv分子を含む融合タンパク質。
【請求項30】
治療用タンパク質がα1−アンチトリプシンである、請求項29記載の融合タンパク質。
【請求項31】
治療用タンパク質がサイトカインである、請求項30記載の融合タンパク質。
【請求項32】
治療用タンパク質がインターロイキン−2である、請求項31記載の融合タンパク質。
【請求項33】
治療用タンパク質がインターロイキン−10である、請求項31記載の融合タンパク質。
【請求項34】
治療用タンパク質がペプチド性抗生物質である、請求項30記載の融合タンパク質。
【請求項35】
単鎖Fv分子と治療用タンパク質の間に共有結合された30を超えないアミノ酸残基のリンカー領域をさらに含む、請求項30記載の融合タンパク質。
【請求項36】
請求項29記載の融合タンパク質をヒト以外の動物に投与することにより、治療用タンパク質を細胞に到達させることを含む、治療用タンパク質を細胞に到達させる方法。
【請求項37】
経細胞輸送性受容体が重合性イムノグロブリン受容体のヒト分泌性成分である、請求項36記載の方法。
【請求項38】
細胞が気道上皮細胞である、請求項37記載の方法。
【請求項39】
細胞が肺細胞である、請求項37記載の方法。
【請求項40】
細胞が腸細胞である、請求項37記載の方法。
【請求項41】
細胞が胆管細胞である、請求項37記載の方法。
【請求項42】
折り畳みがカオトロピック剤の存在下で実施される、請求項1記載の方法。
【請求項43】
折り畳みが添加されたカオトロピック剤の不在下で実施される、請求項1記載の方法。
【請求項44】
折り畳みが添加された塩化ナトリウムの不在下で実施される、請求項1記載の方法。
【請求項45】
核酸および担体が100nm未満の直径まで折り畳まれる、請求項1記載の方法。
【請求項46】
核酸および担体が90nm未満の直径まで折り畳まれる、請求項1記載の方法。
【請求項47】
核酸および担体が30nm未満の直径まで折り畳まれる、請求項1記載の方法。
【請求項48】
核酸および担体が23nm未満の直径まで折り畳まれる、請求項1記載の方法。
【請求項1】
以下の工程
a) i)セルピン酵素複合体受容体に結合可能な標的結合部位;
ii)核酸結合部位;
iii)1つまたはそれ以上の遺伝子産物をコードするオリゴヌクレオチドよりなる発現ベクターであって、折り畳まれている発現ベクター;
iv)セルピン酵素複合体受容体を外側表面に有するヒト以外の哺乳類細胞;
の供給;
b)前述標的結合部位と前述核酸結合部位の担体形成のための結合;
c)前述発現ベクターと前述担体の治療的化合物の形成のためのカップリング;そして
d)前述の哺乳類細胞と前述の治療的化合物の、前述の治療的化合物が前述の受容体に結合し、前述の治療的化合物を前述の哺乳類細胞内に輸送するような条件での接触
よりなるヒト以外の哺乳類細胞へのオリゴヌクレオチドの導入方法。
【請求項2】
前述の発現ベクターはさらに、制御可能に前述の1つまたはそれ以上の遺伝子産物をコードするオリゴヌクレオチドと連結したプロモータ一配列を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
プロモーター配列は哺乳類遺伝子に由来する、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前述のプロモーター配列はウィルスプロモーター配列である、請求項2記載の方法。
【請求項5】
前述のウィルスプロモーター配列はシミアンウィルス40プロモーター、モロニーマリンロイケミアウィルスプロモーター、およびサイトメガロウィルスプロモーターよりなる組から選択される、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前述の標的結合部位は前述の受容体の認識配列を含むペプチドである、請求項1記載の方法。
【請求項7】
認識配列はSEQ ID NOS:28および29を含む組から選択される、請求項6記載の方法。
【請求項8】
標的結合部位はSEQ ID NO:31のアミノ酸配列を有するペプチドである、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前述の核酸結合部位はポリ陽イオンである、請求項1記載の方法。
【請求項10】
ポリ陽イオンは、ポリLリジンである、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前述のヒト以外の哺乳類細胞は受容動物に位置される、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前述のヒト以外の哺乳類細胞は、肝細胞、単核食胞、好中球、小腸上皮細胞、グリア細胞、および神経細胞からなる組から選択される、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前述のヒト以外の哺乳類細胞と前述治療的化合物の、前述の接触は前述化合物の前述のヒト以外の受容動物への投与からなる、請求項11記載の方法。
【請求項14】
前述の投与は前述の治療的化合物を含む水溶性溶液の注射からなる、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前述の注射は、静脈注射である、請求項13記載の方法。
【請求項16】
前述のヒト以外の哺乳類細胞と前述治療的化合物との接触に続く、前述発現ベクターによりコードされる前述の1つまたはそれ以上の遺伝子産物の発現を前述の接触細胞での試験を含む、請求項1記載の方法。
【請求項17】
前述の治療的化合物の注射に続き、前述受容動物中の組織での前述発現ベクターによりコードされる前述の1つまたはそれ以上の遺伝子産物の発現を前述の接触細胞での試験を含む、請求項14記載の方法。
【請求項18】
核酸結合部位、および哺乳類細胞表面に存在するセルピン酵素複合体受容体に結合可能な標的結合部位を含む、化合物。
【請求項19】
標的結合部位は前述の受容体に対する認識配列を含むペプチドである、請求項18記載の化合物。
【請求項20】
認識配列はSEQ ID NOS:28および29からなる組より選択される、請求項19記載の化合物。
【請求項21】
標的結合部位はSEQ ID NO:31にあるアミノ酸配列を有するペプチドである、請求項20記載の化合物。
【請求項22】
核酸結合部位はポリ陽イオンである、請求項18記載の化合物。
【請求項23】
前述のポリ陽イオンはポリLリジンである、請求項22記載の化合物。
【請求項24】
哺乳類細胞表面に存在するセルピン酵素複合体受容体に結合可能な標的結合部位、および核酸結合部位よりなる、融合タンパク質であって、認識配列がSEQ ID NOS:28および29からなる組から選択される、融合タンパク質。
【請求項25】
標的結合部位はSEQ ID NO:31にあるアミノ酸配列を有するペプチドである、請求項24記載の融合タンパク質。
【請求項26】
前述の核酸結合部位は最低プロタミンタンパク質の一部分を含む、請求項24記載の融合タンパク質。
【請求項27】
核酸分子に結合した、請求項24記載の融合タンパク質。
【請求項28】
30nm未満の粒子サイズを有する、請求項27記載の融合タンパク質。
【請求項29】
治療用タンパク質に共有結合された受容体であって重合性イムノグロブリン受容体のヒト分泌性成分である受容体に対して向けられた単鎖Fv分子を含む融合タンパク質。
【請求項30】
治療用タンパク質がα1−アンチトリプシンである、請求項29記載の融合タンパク質。
【請求項31】
治療用タンパク質がサイトカインである、請求項30記載の融合タンパク質。
【請求項32】
治療用タンパク質がインターロイキン−2である、請求項31記載の融合タンパク質。
【請求項33】
治療用タンパク質がインターロイキン−10である、請求項31記載の融合タンパク質。
【請求項34】
治療用タンパク質がペプチド性抗生物質である、請求項30記載の融合タンパク質。
【請求項35】
単鎖Fv分子と治療用タンパク質の間に共有結合された30を超えないアミノ酸残基のリンカー領域をさらに含む、請求項30記載の融合タンパク質。
【請求項36】
請求項29記載の融合タンパク質をヒト以外の動物に投与することにより、治療用タンパク質を細胞に到達させることを含む、治療用タンパク質を細胞に到達させる方法。
【請求項37】
経細胞輸送性受容体が重合性イムノグロブリン受容体のヒト分泌性成分である、請求項36記載の方法。
【請求項38】
細胞が気道上皮細胞である、請求項37記載の方法。
【請求項39】
細胞が肺細胞である、請求項37記載の方法。
【請求項40】
細胞が腸細胞である、請求項37記載の方法。
【請求項41】
細胞が胆管細胞である、請求項37記載の方法。
【請求項42】
折り畳みがカオトロピック剤の存在下で実施される、請求項1記載の方法。
【請求項43】
折り畳みが添加されたカオトロピック剤の不在下で実施される、請求項1記載の方法。
【請求項44】
折り畳みが添加された塩化ナトリウムの不在下で実施される、請求項1記載の方法。
【請求項45】
核酸および担体が100nm未満の直径まで折り畳まれる、請求項1記載の方法。
【請求項46】
核酸および担体が90nm未満の直径まで折り畳まれる、請求項1記載の方法。
【請求項47】
核酸および担体が30nm未満の直径まで折り畳まれる、請求項1記載の方法。
【請求項48】
核酸および担体が23nm未満の直径まで折り畳まれる、請求項1記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図1H】
【図1I】
【図1J】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23A】
【図23B】
【図24】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図1H】
【図1I】
【図1J】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23A】
【図23B】
【図24】
【公開番号】特開2008−92953(P2008−92953A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−271399(P2007−271399)
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【分割の表示】特願平10−500875の分割
【原出願日】平成9年6月3日(1997.6.3)
【出願人】(500429332)ケース ウェスタン リザーブ ユニバーシティ (12)
【氏名又は名称原語表記】CASE WESTERN RESERVE UNIVERSITY
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【分割の表示】特願平10−500875の分割
【原出願日】平成9年6月3日(1997.6.3)
【出願人】(500429332)ケース ウェスタン リザーブ ユニバーシティ (12)
【氏名又は名称原語表記】CASE WESTERN RESERVE UNIVERSITY
【Fターム(参考)】
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