説明

セルラ単一周波数ネットワークのための送信空間ダイバーシチ

【課題】多入力多出力(MIMO)法を用いて、セルラ単一周波数ネットワークのスペクトル効率を増加する。
【解決手段】1セル当たり1送信アンテナを備え、1送信アンテナセット当たり1データストリームで、複数セルから複数データストリームが送信される。アンテナセットへのストリームのマッピングは時間的に並べ替えられる。セル端のユーザ機器デバイス(UE)はMIMOから利益を得る。セルセンター近くのUEは信号の高いキャリア対干渉(C/I)比から利益を得る。各ストリームは、階層的に変調された信号の基本階層で1つのセットから、および階層的に変調された信号の拡張階層でもう一つのセットから、同時に送信される。ストリームへのセットのマッピングは時間的に並べ替えられる。セル端のUEはMIMOから利益を得る。セルセンター近くのUEは基本および拡張階層からの両ストリームを復号するための高いC/Iから利益を得る。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
米国特許法119条のもとでの優先権主張
本特許出願は2005年6月14日に出願された仮出願番号60/690,622、名称“Transmit Diversity For E-MBMS”(E−MBMSのための送信ダイバーシチ)に対する優先権を主張する。この仮出願は、本出願の譲受人に譲渡され、すべての図面および表を含み、参照によってここに完全に説明されているかのように明白に組み込まれている。
【0002】
本発明は一般に電気通信に関する。より詳細には、セルラ無線ネットワークから放送およびマルチキャストするための方法、装置、および製品に関する。
【発明の背景】
【0003】
近年の通信システムは音声およびデータアプリケーションを含む種々のアプリケーションのための信頼性のあるデータ伝送を提供すると予想されている。1対多点通信の状況において、既知の通信システムは周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、およびおそらく他の多元接続通信方式に基づいている。
【0004】
CDMAシステムは、以下のような1つ以上のCDMA規格をサポートするように設計されるかもしれない。すなわち、(1)“TIA/EIA-95 Mobile Station-Base Station Compatibility Standard for Dual-Mode Wideband Spread Spectrum Cellular System”(TIA/EIA−95 デュアルモード広帯域スペクトル拡散セルラシステムための移動局-基地局互換性規格)(拡張改訂AおよびBと共にこの規格は「IS−95規格」と呼ばれるかもしれない)、(2)「IS−98規格」として知られる“TIA/EIA-98-C Recommended Minimum Standard for Dual-Mode Wideband Spread Spectrum Cellular Mobile Station”(デュアルモード広帯域スペクトル拡散セルラ移動局のための推奨最低基準)、(3)第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)というコンソーシアムにより提案され、文書番号3G TS 25.211,3G TS 25.212,3G TS 25.213,および3G TS 25.214として知られる文書を含む1組の文書に統合された規格(「W−CDMA規格」)、(4)第3世代パートナーシッププロジェクト2(3GPP2)というコンソーシアムにより提案され、“C.S0002-A Physical Layer Standard for cdma2000 Spread Spectrum Systems”(cdma2000スペクトル拡散システムのための物理層規格)、“C.S0005-A Upper Layer(Layer 3)Signaling Standard for cdma2000 Spread Spectrum Systems”(cdma2000スペクトル拡散システムのための上位層(層3)信号規格)、を含む一組の文書に統合された規格(まとめて「cdma2000規格」)、(5)1xEV-DO規格、“TIA/EIA/IS-856 cdma2000 High Rate Packet Data Air Interface Specification”(cdma2000高速パケットデータ無線インタフェース仕様)、並びに(6)特定の他の規格。上に記載された規格は付属文書、付録、および他の添付を含み、参照によってここに完全に説明されているかのように組み込まれる。
【0005】
製造業者は携帯電話機のようなセルラ無線ネットワークと共に用いるための無線ユーザ機器(UE)デバイスに性能を高める機能を付加し続けている。例えば、多くのUEはビデオを表示するのに十分な分解能があるディスプレイ画面を含む。
【0006】
それらのUEの拡張された機能により、ユーザはテレビ放送を受信できることに、一層関心を持つようになっている。需要があるところ、供給はあるだろう。注目すべきことに、UEへ送信するためのセルラ通信のインフラストラクチャは既に利用可能である。したがって、セルラネットワークのオペレータは加入者へ放送またはマルチキャストサービスを提供することによって利益を得るだろう。セルラ無線ネットワークのようなネットワークによって提供される普通のサービスに加えて、生放送のテレビジョン、映画、スポーツクリップ、トークショー−すべてはセルラ無線ネットワークからの放送またはマルチキャストされるかもしれない。実際には、これはケーブルまたは衛星チャネルを直接UEに提供することに似ているかもしれない。
【0007】
マルチメディア放送マルチキャストサービス(MBMS)は既存の広域自動車通信システム(GSM(登録商標))およびユニバーサル移動電話システム(UMTS)セルラネットワークを介して提供され得る放送サービスである。MBMSおよびその拡張バージョン(E−MBMS)は3GPP(第三世代パートナーシッププロジェクト)の種々のグループで標準化されている。
【0008】
ダウンリンク(DL)容量はセルラシステムの重要な性能特性である。例えば、下りリンクの容量増加はより多くの放送/マルチキャストチャネルを加入者に利用可能にし、また放送伝送の品質を改善することができる。セルラシステムの伝送に利用可能な周波数範囲は固定であるため、容量はスペクトル効率に依存する。したがって、限定的電磁スペクトル利用が与えられると、放送およびマルチキャストのスペクトル効率を含むセルラシステムのスペクトル効率を増加させることが望ましい。インフラストラクチャの更新に伴うコストを避けるために、既存のインフラストラクチャの変更無しにまたは限定的な変更でスペクトル効率を増加させることが望ましい。
【発明の概要】
【0009】
既存のセルラ無線ネットワークの多くの基地局(BTS)(ノード-B)は単一周波数ネットワーク(SFN)動作用の単一送信アンテナを有する。したがって、当業者において、既存のセルラサイトにおいて複数アンテナの設置を要せずにセルラネットワークのSFN放送およびマルチキャストのスペクトル効率を向上する方法および装置に対する要求がある。
【0010】
ここに開示する実施例は、セルラ通信システムにおける複数のセクタからデータを送信するための方法を提供することにより、上記要求を解決する。本方法は、複数のセクタの各セクタから少なくとも1つの送信アンテナを、複数のL個(Lは1より大きい整数)の送信アンテナセットの送信アンテナセットへ割り当てることを含む。各送信アンテナセットはセルラ通信システムの少なくとも1つの送信アンテナを含む。また、本方法は、データを複数のL個データストリーム内へ配置すること(例えばストリームに分割すること、またはストリームを分離したままにすること)を含む。少なくとも1つの第1の期間に、各データストリームはL個送信アンテナセットの異なる送信アンテナセットに割り当てられ、その結果、送信アンテナセットの間のデータストリームの第1の分配が得られる。また、本方法は、複数のL個送信アンテナセットの各送信アンテナセットにおいて、少なくとも1つの第1の期間に第1の周波数のキャリアを、少なくとも1つの第1の期間に送信アンテナセットに割り当てられたデータストリームで変調することを含む。本方法は複数の受信機へ少なくとも1つの第1の期間に複数のL個送信アンテナセットの送信アンテナからキャリアを送信することをさらに含む。その結果、各送信アンテナセットの送信アンテナは、少なくとも1つの第1の期間に、少なくとも1つの第1の期間に対して各送信アンテナセットに割り当てられたデータストリームを送信するようになる。
【0011】
一実施例において、セルラ無線システムは無線ネットワーク制御装置および複数のセクタを含む。各セクタは少なくとも1つの送信アンテナと少なくとも1つの基地局を有する。無線ネットワーク制御装置は以下の動作を実行するように構成される。
【0012】
1.複数のL個(Lは1より大きい整数)送信アンテナセットの各送信アンテナセットがセルラ通信システムの少なくとも1つの送信アンテナを有するようにするために、複数のセクタの各セクタから少なくとも1つの送信アンテナを複数のL個送信アンテナセットの送信アンテナセットへ割り当てること。
【0013】
2.複数のL個データストリーム内へデータを配置すること。
【0014】
3.少なくとも1つの第1の期間において、各データストリームを複数のL個送信アンテナセットの異なる送信アンテナセットへ割り当てること。
【0015】
4.複数のL個送信アンテナセットの各送信アンテナセットにおいて、複数のセクタに、少なくとも1つの第1の期間に、第1の周波数のキャリアを、少なくとも1つの第1の期間に各送信アンテナセットに割り当てられたデータストリームで変調させること。
【0016】
5.各送信アンテナセットの送信アンテナが、少なくとも1つの第1の期間に、少なくとも1つの第1の期間に対して各送信アンテナセットに割り当てられたデータストリームを送信するために、複数のセクタに、少なくとも1つの第1の期間に複数のL個送信アンテナセットの送信アンテナを通じて複数の受信機へキャリアを送信させること。
【0017】
一実施例において、機械可読媒体は、送信アンテナを備えた複数のセクタを有するセルラ通信システムのための無線ネットワーク制御装置のプロセッサに対する命令を格納する。この命令は、プロセッサによって実行されると以下の動作を実行するように無線ネットワーク制御装置を構成する。
【0018】
1.複数のセクタの、セルラ通信システムの少なくとも1つの送信アンテナを有する各セクタから、少なくとも1つの送信アンテナを複数のL個(Lは1より大きい整数)送信アンテナセットの送信アンテナセットへ割り当てること。
【0019】
2.複数のL個データストリーム内へデータを配置すること。
【0020】
3.少なくとも1つの第1の期間において、各データストリームを複数のL個送信アンテナセットの異なる送信アンテナセットへ割り当てること。
【0021】
4.複数のL個送信アンテナセットの各送信アンテナセットにおいて、複数のセクタに、少なくとも1つの第1の期間に、第1の周波数のキャリアを少なくとも1つの第1の期間に各送信アンテナセットに割り当てられたデータストリームで変調させること。
【0022】
5.各送信アンテナセットの送信アンテナは、少なくとも1つの第1の期間に、少なくとも1つの第1の期間に対して各送信アンテナセットに割り当てられたデータストリームを送信するために、複数のセクタに、少なくとも1つの第1の期間に複数の受信機へ複数のL個送信アンテナセットの送信アンテナからキャリアを送信させること。
【0023】
一実施例において、セルラ通信システムにおける複数のセクタからデータを送信するための方法が提供される。本方法は以下のステップを含む。
【0024】
1.各セクタの少なくとも1つの送信アンテナを、各アンテナセットが少なくとも1つの送信アンテナを有する第1の送信アンテナセットまたは第2の送信アンテナセットへ割り当てること。
【0025】
2.第1のデータストリームおよび第2のデータストリーム内へデータを配置すること。
【0026】
3.第1の基本階層および第1の拡張階層を有する第1の信号を得るために、与えられた周波数のキャリアを階層的に変調すること。
【0027】
4.第2の基本階層および第2の拡張階層を有する第2の信号を得るために前記キャリアを階層的に変調すること。
【0028】
5.第1の送信アンテナセットの各送信アンテナを通じて第1の信号を送信すること。
【0029】
6.第2の送信アンテナセットの各送信アンテナを通じて第2の信号を送信すること。
【0030】
この方法において、第1の基本階層が第1のデータストリームの情報を搬送し、第1の拡張階層が第2のデータストリームの情報を搬送し、第2の基本階層が第2のデータストリームの情報を搬送し、および第2の拡張階層が第1のデータストリームの情報を搬送するように、階層的変調のステップが実行される。
一実施例において、セルラ通信システムは無線ネットワーク制御装置および複数のセクタを有する。各セクタは少なくとも1つの送信アンテナを有する。無線ネットワーク制御装置は以下の動作を実行するように構成される。
【0031】
1.複数のセクタの各セクタの少なくとも1つの送信アンテナを、各アンテナセットが少なくとも1つの送信アンテナを有する第1の送信アンテナセットまたは第2の送信アンテナセット内へ割り当てること。
【0032】
2.第1のデータストリームおよび第2のデータストリーム内へデータを配置すること。
【0033】
3.与えられた周波数のキャリアの階層的変調によって、(例えば適切なセクタにそのような変調を実行する命令を送り)第1の基本階層および第1の拡張階層を有する第1の信号を得ること。
【0034】
4.前記キャリアの階層的変調によって、(例えば適切なセクタにそのような変調を実行する命令を送り)第2の基本階層および第2の拡張階層を有する第2の信号を得ること。
【0035】
5.第1の送信アンテナセットの各送信アンテナを通じて第1の信号を送信させること(例えば適切なセクタにそのような送信を実行する命令を送る)。
【0036】
6.第2の送信アンテナセットの各送信アンテナを通じて第2の信号を送信させること(例えば適切なセクタにそのような送信を実行する命令を送る)。
【0037】
このシステムにおいて、第1の基本階層は第1のデータストリームの情報を搬送し、第1の拡張階層は第2のデータストリームの情報を搬送し、第2の基本階層は第2のデータストリームの情報を搬送し、および第2の拡張階層は第1のデータストリームの情報を搬送する。
【0038】
一実施例において、機械可読媒体は、セルラ通信システムのための無線ネットワーク制御装置の少なくとも1つのプロセッサに対する命令を格納する。セルラ通信システムは、各セクタが少なくとも1つの送信アンテナを有する複数のセクタを含む。この命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると以下の動作を実行するように無線ネットワーク制御装置を構成する。
【0039】
1.各セクタの少なくとも1つの送信アンテナを、各送信アンテナセットが少なくとも1つの送信アンテナを含む第1の送信アンテナセットまたは第2の送信アンテナセットへ割り当てること。
【0040】
2.第1のデータストリームおよび第2のデータストリーム内へデータを配置すること。
【0041】
3.与えられた周波数のキャリアの階層的変調によって、第1の基本階層および第1の拡張階層を有する第1の信号を得ること。
【0042】
4.前記キャリアの階層的変調によって、第2の基本階層および第2の拡張階層を有する第2の信号を得ること。
【0043】
5.第1の送信アンテナセットにおける各送信アンテナを通じて第1の信号を送信させること。
【0044】
6.第2の送信アンテナセットにおける各送信アンテナを通じて第2の信号を送信させること。
【0045】
この実施例において、第1の基本階層が第1のデータストリームの情報を搬送し、第1の拡張階層が第2のデータストリームの情報を搬送し、第2の基本階層が第2のデータストリームの情報を搬送し、および第2の拡張階層が第1のデータストリームの情報を搬送する。
【0046】
一実施例において、セクタの各々が少なくとも1つの送信アンテナを有するセルラ通信システムの複数のセクタからデータを送信するための方法が提供される。本方法は以下のステップを含む。
【0047】
1.データを複数のデータストリーム内へ配置する。
【0048】
2.多入力多出力(MIMO)空間ダイバーシチ技術を用いて複数のセクタからデータを放送するための第1の信号および第2の信号を得るために、与えられた周波数のキャリアを複数のデータストリームで変調すること。
【0049】
3.セルラ通信システムの第1のセクタセットの各セクタから第1の信号を送信すること。
【0050】
4.セルラ通信システムの第2のセクタセットの各セクタから第2の信号を送信すること。
【0051】
一実施例において、セルラ無線ネットワークは無線ネットワーク制御装置および複数のセルを有する。各セルは少なくとも1つの送信アンテナを有する。無線ネットワーク制御装置は以下の動作を実行するように構成される。
【0052】
1.複数のデータストリーム内へデータを配置すること。
【0053】
2.多入力多出力(MIMO)空間ダイバーシチ技術を用いて複数のセルからデータを放送するための第1の信号および第2の信号を得るために、複数のセルに、与えられた周波数のキャリアを複数のデータストリームで変調させること。
【0054】
3.複数のセルに、セルラ通信システムの第1のセルセットの各セルから第1の信号を送信させること。
【0055】
4.複数のセルに、セルラ通信システムの第2のセルセットの各セルから第2の信号を送信させること。
【0056】
一実施例において、機械可読媒体はセルラ無線ネットワークの無線ネットワーク制御装置の少なくとも1つのプロセッサに対する命令を格納する。セルラ無線ネットワークは各セルが少なくとも1つの送信アンテナを備える複数のセルを有する。この命令は少なくとも1つのプロセッサによって実行されると以下の動作を実行するように無線ネットワーク制御装置を構成する。
【0057】
1.複数のデータストリーム内へデータを配置すること。
【0058】
2.多入力多出力(MIMO)空間ダイバーシチ技術を用いて複数のセルからデータを放送するための第1の信号および第2の信号を得るために、複数のセルに、与えられた周波数のキャリアを複数のデータストリームで変調させること。
【0059】
3.複数のセルに、セルラ通信システムの第1のセルセットの各セルから第1の信号を送信させること。
【0060】
4.複数のセルに、セルラ通信システムの第2のセルセットの各セルから第2の信号を送信させること。
【0061】
一実施例において、セルラ通信システムから送られるデータを受信するための方法が提供される。本方法は1つ以上の第1の期間に、第1のアンテナで第1の信号を受信することを含む。第1の信号は第1の周波数で搬送され、第1の物理チャネルを通じて送信される第1のデータストリームおよび第2の物理チャネルを通じて送信される第2のデータストリームを含む。第1のデータストリームは1つ以上の第1の期間に、第1のデータを有し、第2のデータストリームは1つ以上の第1の期間に、第2のデータを有する。また、本方法は1つ以上の第1の期間に、第2のアンテナで第2の信号を受信することを含む。また、第2の信号は第1の周波数で搬送される。第2の信号は第3の物理チャネルを通じて送信される第1のデータストリームおよび第4の物理チャネルを通じて送信される第2のデータストリームを含む。また、本方法は第1,第2,第3、および第4のチャネル推定を得るために、第1,第2,第3、および第4の物理チャネルを推定することを含む。また、本方法はチャネル推定を用いて第1の信号および第2の信号の少なくとも一つから第1および第2のデータストリームを分離することを含む。
【0062】
一実施例において、セルラ通信システムの基地局と交信するための無線ユーザ機器デバイスは、第1および第2のアンテナ、アンテナに接続された1つの受信機、プログラムコードを格納するメモリー、および受信機とメモリーに接続されたプロセッサを含む。受信機は1つ以上の第1の期間に、第1のアンテナで第1の信号を受信するように構成される。第1の信号は第1の周波数で搬送され、第1の物理チャネルを通じて送信される第1のデータストリームおよび第2の物理チャネルを通じて送信される第2のデータストリームを含む。第1のデータストリームは1つ以上の第1の期間に、第1のデータを搬送し、第2のデータストリームは1つ以上の第1の期間に、第2のデータを搬送する。また、受信機は1つ以上の第1の期間に、第2のアンテナで第2の信号を受信するように構成される。また、第2の信号は第1の周波数で搬送されている。第2の信号は第3の物理チャネルを通じて送信される第1のデータストリームおよび第4の物理チャネルを通じて送信される第2のデータストリームを含む。プロセッサはチャネル推定を得るために、第1,第2,第3、および第4の物理チャネルを推定するように構成され、また、チャネル推定を用いて第1の信号および第2の信号の少なくとも一つから第1および第2のデータストリームを分離するように構成される。
【0063】
一実施例において、機械可読媒体はセルラ通信システムと交信するための無線ユーザ機器デバイスのプロセッサのための命令を格納する。プロセッサによって命令が実行されると、命令は無線ユーザ機器デバイスに、1つ以上の第1の期間に第1のアンテナでセルラ通信システムから第1の信号を受信させる。第1の信号は第1の周波数で搬送され、第1の物理チャネルを通じて送信される第1のデータストリームおよび第2の物理チャネルを通じて送信される第2のデータストリームを含む。第1のデータストリームは、1つ以上の第1の期間に、第1のデータを搬送し、第2のデータストリームは、1つ以上の第1の期間に、第2のデータを搬送する。命令はさらに無線ユーザ機器デバイスに、1つ以上の第1の期間に第2のアンテナでセルラ通信システムから第2の信号を受信させる。また、第2の信号は第1の周波数で搬送される。第1の信号は第3の物理チャネルを通じて送信される第1のデータストリームおよび第4の物理チャネルを通じて送信される第2のデータストリームを含む。命令はさらに無線ユーザ機器デバイスに、チャネル推定を得るために、第1,第2,第3,および第4の物理チャネルを推定させ、また、チャネル推定を用いて第1の信号および第2の信号の少なくとも一つから第1および第2のデータストリームを分離させる。
【0064】
一実施例において、セルラ通信システムから送られるデータを受信するための方法が提供される。本方法は第1のアンテナで第1の信号を受信することを含む。第1の信号は第1の物理チャネルを通じて送信される第1の信号成分および第2の物理チャネルを通じて送信される第2の信号成分を含む。第1の信号成分は第1のデータストリームを搬送する第1の基本階層および第2のデータストリームを搬送する第1の拡張階層を有する。第2の信号成分は第2のデータストリームを搬送する第2の基本階層および第1のデータストリームを搬送する第2の拡張階層を含む。本方法は第2のアンテナで第2の信号を受信することを含む。第2の信号は第3の物理チャネルを通じて送信される第3の信号成分および第4の物理チャネルを通じて送信される第4の信号成分を含む。第3の信号成分は第1のデータストリームを搬送する第3の基本階層および第2のデータストリームを搬送する第3の拡張階層を有する。第4の信号成分は第2のデータストリームを搬送する第4の基本階層および第1のデータストリームを搬送する第4の拡張階層を有する。また、本方法は一つ以上のチャネル推定を得るために、第1,第2,第3,および第4の物理チャネルを推定すること、並びにチャネル推定を用いて第1および第2の信号成分を分離することとを含む。分離後に、第1のデータストリームは第1の基本階層から復号され、第2のデータストリームは第1の拡張階層および第2の基本階層の少なくとも一つから復号される。第1,第2,第3,および第4の信号成分は同じキャリア周波数を用いて階層的に変調されることに注意のこと。
【0065】
一実施例において、無線ネットワークの基地局と交信するための無線ユーザ機器デバイスは、第1および第2の受信アンテナ、受信機、プログラムコードを格納するメモリー、および受信機とメモリーに接続されたプロセッサとを含む。受信機は第1のアンテナで第1の信号を受信し、第2のアンテナで第2の信号を受信するように構成される。第1の信号は第1の物理チャネルを通じて送信される第1の信号成分および第2の物理チャネルを通じて送信される第2の信号成分を含む。第1の信号成分は第1のデータストリームを搬送する第1の基本階層および第2のデータストリームを搬送する第1の拡張階層を有する。第2の信号成分は第2のデータストリームを搬送する第2の基本階層および第1のデータストリームを搬送する第2の拡張階層を有する。第2の信号は第3の物理チャネルを通じて送信される第3の信号成分および第4の物理チャネルを通じて送信される第4の信号成分を含む。第3の信号成分は第1のデータストリームを搬送する第3の基本階層および第2のデータストリームを搬送する第3の拡張階層を有する。第4の信号成分は第2のデータストリームを搬送する第4の基本階層および第1のデータストリームを搬送する第4の拡張階層を有する。第1,第2,第3,および第4の信号成分は同じキャリア周波数を用いて階層的に変調される。プロセッサはチャネル推定を得るために、第1,第2,第3,および第4の物理チャネルを推定するように構成され、また、チャネル推定を用いて第1および第2の信号成分を分離するように構成される。プロセッサは分離後に、第1のデータストリームを第1の基本階層から復号し、第2のデータストリームを第1の拡張階層および/または第2の基本階層から復号するようにさらに構成される。
【0066】
一実施例において、機械可読媒体は無線ユーザ機器デバイスのプロセッサのための命令を格納する。命令はプロセッサによって実行されると、無線ユーザ機器デバイスに第1のアンテナで第1の信号を受信させ、第2のアンテナで第2の信号を受信させる。第1の信号は第1の物理チャネルを通じて送信される第1の信号成分、および第2の物理チャネルを通じて送信される第2の信号成分を含む。第1の信号成分は第1のデータストリームを搬送する第1の基本階層および第2のデータストリームを搬送する第1の拡張階層を有する。第2の信号成分は第2のデータストリームを搬送する第2の基本階層および第1のデータストリームを搬送する第2の拡張階層を有する。第2の信号は第3の物理チャネルを通じて送信される第3の信号成分および第4の物理チャネルを通じて送信される第4の信号成分を含む。第3の信号成分は第1のデータストリームを搬送する第3の基本階層および第2のデータストリームを搬送する第3の拡張階層を有する。第4の信号成分は第2のデータストリームを搬送する第4の基本階層および第1のデータストリームを搬送する第4の拡張階層を有する。第1,第2,第3,および第4の信号成分は同じキャリア周波数を用いて階層的に変調される。命令はさらに無線ユーザ機器デバイスに、チャネル推定を得るために、第1,第2,第3,および第4の物理チャネルを推定させ、また、チャネル推定を用いて第1のおよび第2の信号成分を分離させる。分離後に、命令は無線ユーザ機器デバイスに、第1のデータストリームを第1の基本階層から復号させ、第2のデータストリームを第1の拡張階層および/または第2の基本階層から復号させる。
【0067】
一実施例において、第1のセル内の第1および第2の空間的に分散した送信アンテナを備えたセルラ無線ネットワークを作動するための方法が提供される。(複数のアンテナはMIMOを可能にするために空間的に分散している。)本方法は第1のデータストリームを、第1の周波数で第1のアンテナを通じて、ネットワークと交信状態にある複数のユーザ機器デバイスへ送信すること(例えば放送、マルチキャスト)を含む。また、本方法は第2のデータストリームを、第1の周波数で第2のアンテナを通じて複数のユーザ機器デバイスへ送信することを含む。少なくともいくつかのユーザ機器デバイスは複数の空間的に分散した受信アンテナを有する。このように、複数送信アンテナおよび複数受信アンテナの使用により、伝送のスペクトル効率向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の一実施例に従う多入力多出力(MIMO)法を用いてユーザ機器デバイスへ送信するセルラ無線ネットワークを示す上位ブロック図。
【図2】本発明の一実施例に従う図1のネットワークの無線ネットワーク制御装置の抜粋した要素を示す上位ブロック図。
【図3】本発明の一実施例に従う図1のユーザ機器デバイスの抜粋した要素を示す上位ブロック図。
【図4】本発明の一実施例に従うMIMOおよび時分割多重/並べ替えを用いてユーザ機器デバイスへ送信する他のセルラ無線ネットワークを示す上位ブロック図。
【図5】本発明の一実施例に従う図4のネットワークにおける時分割多重/並べ替えを示すダイアグラム。
【図6】本発明の一実施例に従うMIMOおよび階層的変調を用いてユーザ機器デバイスへ送信する他のセルラ無線ネットワークを示す上位ブロック図。
【図7】本発明の一実施例に従う図6のネットワークにおける時分割多重/並べ替えを示すダイアグラム。
【詳細な説明】
【0069】
本発明のこれらのおよび他の実施例および態様は、以下の記述、図面、および添付された請求項を参照してより良く理解されるだろう。
【0070】
本明細書において、単語「実施例」、「変形例」、および類似の表現は、必ずしも同じ装置、処理、または製品ではなく、特定の装置、処理、または製品を参照するのに用いられる。したがって、1つの場所または文脈で用いられる「1実施例」(または、類似表現)は特定の装置、処理、または製品を参照することができ、異なる場所における同じまたは類似の表現は異なる装置、処理、または製品を参照することができる。表現「代替的実施例」および類似の語句は、多くの異なる可能な実施例の1つを示すために用いられる。可能な実施例の数は必ずしも2または他のいずれかの数に限定される必要はない。
【0071】
「代表的」という言葉は、ここでは「例、実例、または例証として役立つこと」を意味するために用いられる。ここで「代表的」と説明されるいかなる実施例も、必ずしも他の実施例より好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。この明細書で説明されたすべての実施例は、当業者が本発明を製造または利用することを可能とするように提供されている代表的実施例であり、請求項およびその等価物によって定義される本発明に与えられた法的保護の範囲を限定するものではない。
【0072】
「セット」は1つのアイテムまたは複数のアイテムを意味する。したがって、送信アンテナセットは1つの送信アンテナまたは複数の送信アンテナを含む。
【0073】
基地局(BTS)および基地局制御装置(BSC)は「無線ネットワーク」、「RN」、「アクセスネットワーク」または「AN」と呼ばれるネットワークの部品である。基地局制御装置は、無線ネットワーク制御装置または「RNC」とも呼ばれるかもしれない。無線ネットワークは、UTRANすなわちUMTS地上無線アクセスネットワークであるかもしれない。無線ネットワークは複数のユーザ機器デバイス間でデータパケットを伝達するかもしれない。無線ネットワークは、企業イントラネット、インターネット、または従来の公衆電話交換網(PSTN)のような無線ネットワーク外の付加的ネットワークにさらに接続されるかもしれないし、各ユーザ機器デバイスとそのような外部ネットワーク間でデータパケットを伝達するかもしれない。
【0074】
「単一周波数ネットワーク」または「SFN」は同じ周波数でいくつかの送信機を動作させる無線ネットワークである。干渉を避けるか、または抑圧するために、いくつかの送信機は同期を取られるかもしれない。したがって、いくつかの送信機から同じ信号が送られる。より詳細に以下に説明するように、単一周波数ネットワークは、各データストリームまたはフローがネットワークの異なる送信機セットから送信される複数のデータストリーム/フローを同一周波数で送信するように構成されるかもしれない。
【0075】
同じ送信電力配分設計の場合、多入力多出力(MIMO)法は無線通信のスペクトル効率の向上を可能とする。MIMOは送信エンティティにおいて複数の空間的に分散した送信アンテナを用い、受信機において複数の空間的に分散したアンテナ用いる。2つの送信アンテナNT,1およびNT,2、並びに2つの受信アンテナNR,1およびNR,2の基本的な例を考えると、4個の物理伝送チャネルが存在する。NT,1とNR,1間のCH1,1、NT,1とNR,2間のCH1,2、NT,2とNR,1間のCH2,1、およびNT,2とNR,2間のCH2,2。(表記CHi,jは送信アンテナNT,iと受信アンテナNR,j間のチャネルに対応する。)これらのチャネルの各々は遅延、干渉、雑音、マルチパス/フェージング、分散および歪のようなチャネル状態の影響を受ける。受信および送信アンテナが空間的に分散しているため、これらの状態を組み合わせた影響はこれらのチャネルの各々に対して通常は異なる。
【0076】
本明細書において、チャネルCHi,jに対応するチャネル係数はhi,jで示す。N個の送信アンテナとN個の受信アンテナ間のすべてのチャネルを表すチャネル行列Hを次式で定義することができる。
【数1】

【0077】
チャネル係数hi,jは推定することができ、チャネルマトリクスHの推定を得る。各係数hi,jは単なる乗算係数であるとは限らず、関連のチャネルに影響するすべての要素を包含することに注意のこと。
【0078】
2つの送信アンテナおよび2つの受信アンテナの簡単な場合(すなわち、N=2およびN=2)を考察する。ここで第1の送信ストリームTSはNT,1から(与えられた周波数Fで)送信され、第2のストリームTSはNT,2から送信される。受信機側で、第1の受信ストリームRSはNR,1で受信され、第2の受信ストリームRSはNR,2で受信される。この2つの受信ストリームは次式で表されるかもしれない。
【0079】
RS=TS*h1,1+TS*h2,1 および
RS=TS*h1,2+TS*h2,2
チャネル係数h1,1、h1,2、h2,1、およびh2,2の推定は取得可能であるため、2つの送信ストリームTSおよびTSは受信機で分離することができる。同様に線形代数法により、より多くの送信アンテナ、受信アンテナおよびデータストリームに対して複数のストリームを分離するための方法が得られる。このことは、例えば本願と同一譲受人に譲渡された米国特許出願番号11/009,200、文献番号2005/0157805、名称“Data Transmission With Spatial Spreading in a Mimo Communication System”(MIMO通信システムにおける空間拡散によるデータ伝送)を含む文献により詳細に説明されている。また、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許出願番号11/008,865、文献番号2005/0175115、名称“Spatial Spreading in a Multi-Antenna Communication System”(マルチアンテナ通信システムにおける空間拡散)、および本願と同一譲受人に譲渡された米国特許出願番号11/020,888、文献番号2005/0195763、名称“Pilot Transmission and Channel Estimation for MISO and MIMO Receivers in a Multi-Antenna System”(マルチアンテナシステムにおけるMISOおよびMIMO受信機のためのパイロット伝送およびチャネル推定)も参照のこと。
【0080】
上の検討において、各送信ストリームは単一アンテナからの放送であると仮定した。複数の送信アンテナから1つのストリームを放送することも可能である。この後者の場合において、各チャネル係数hi,jを、i番目のアンテナセットから受信アンテナ(または受信アンテナのセット)jへストリームTSを送信する伝送チャネルの係数として扱うことができる。この後者の場合の解析的取り扱いは1送信アンテナ当たり1送信ストリームの場合の解析的取り扱いと同様である。
【0081】
セルラSFN放送およびマルチキャストのスペクトル効率を増加させるための付加的オプションとして、オープンループMIMO法を用いることができる。MIMOは複数の送信アンテナを用いるため、MIMOを用いる1つの方法は、同じサイトまたはセクタ(「セル」)の複数のアンテナから複数のストリームを送信することである。
【0082】
放送のためのSFNの展開において、UEにおける受信信号対雑音比(SNR)は非常に高いかもしれない。2800mのサイト間距離を有するマクロセルリンク設計において、SNRは95%のユーザに対して通常14dB以上である。いくつかのシステムシミュレーションにより、1×1の場合、95%のカバレッジに対して、E-MBMSのSFNスペクトル効率は1.2bps/Hzであることがわかっている。複数の送信および受信アンテナの存在を仮定すれば、そのような高いSNRによって、E-MBMSに対する追加のオプションとしてオープンループ(フィードバックの無い)MIMOを用いることが可能となる。
【0083】
以下の考察において以下の表記を用いるだろう:
S=送信(Tx)ストリームの数;
N=セル(セクタ)の数;
=1セル当たりの送信アンテナの数;
=1セル当たりの受信(Rx)アンテナの数;
最初に、
S=min(N×N ,N) > 1を仮定する。
【0084】
図1に、無線ネットワーク制御装置110、並びにセル120および130を含むセルラ単一周波数無線ネットワーク105を示す。これらのセルの各々は、1つの基地局および2つのTxアンテナを有する。セル120は、BTS121並びに送信アンテナ122Aおよび122Bを有し、一方セル130は、BTS131並びに送信アンテナ132Aおよび132Bを有する。UE140は、2つのRxアンテナ、142Aおよび142Bを有する。したがって、S=min(N×N,N)=min(2×2,2)=2>1。この実施例の特定のオープンループMIMO変形例は、一般的な巡回的または疑似ランダムアンテナ並べ替え(PRAP)方式を用いる。ここで同一の変調・符号セット(MCS)の組合せを持つS個のストリームが各セルから送信される。これにより、本方式が水平方向ベル研究所階層的空間時間符号(H−BLAST)の変形に類似することに注意のこと。所定の時刻に、無線ネットワーク105はアンテナ122Aおよび132Aから第1の送信ストリーム151を送信するかもしれない。また同時に、アンテナ122Bおよび132Bから第2の送信ストリームを送信するかもしれない。
【0085】
図2に、無線ネットワーク制御装置110の代表的な実施例の抜粋した要素を示す。図2に示すように、無線ネットワーク制御装置110はRNC110をBTS120および130と交信できるようにするBTSインタフェース111、プロセッサ112、並びに計算機コード命令を格納するメモリーデバイス113を含む。プロセッサ112がメモリーデバイス113に格納されたコードを読み出し実行するために、プロセッサ112は、メモリーデバイス113およびBTSインタフェース111に接続され、本明細書を通じて説明される処理を用いてBTS120および130に、UE140および他のUEと交信させるようにBTSインタフェース111を構成する。
【0086】
無線ネットワークは追加の制御装置を含むかもしれない。
【0087】
図3に、UE140の代表的な実施例の抜粋した要素を示す。図3に示すように、UE140は受信アンテナ142Aおよび142B、無線ネットワーク送受信機(受信機および送信機)143、符号器/復号器ブロック144、ユーザ入力デバイス(例えばキーパッド)145、表示器(例えばLCD画面)146、プロセッサ147、およびメモリーデバイス148を含む。無線ネットワークトランシーバー143、符号器および復号器ブロック144、ユーザ入力デバイス145、および表示器146は、メモリーデバイス148に格納されたコードの制御によってプロセッサ147によって構成される。ユーザ機器デバイス140は、上記のセルラパケット伝送プロトコルのような無線セルラネットワーク伝送プロトコルを用いて無線通信リンク上で無線ネットワーク105と交信するように、および本明細書を通じて説明される処理を実行するように構成される。
【0088】
追加のUEが無線ネットワーク105と交信状態にあるかもしれない。
【0089】
また、無線ネットワークは追加の基地局を含むかもしれない。
【0090】
無線ネットワーク105は直交周波数分割多重(OFDM)を用いてUE140に送信するかもしれない。各直交周波数分割多重シンボル(サブキャリア)において、各ストリームは別々のアンテナで無線ネットワーク105からUE140へ送信されるかもしれない。さらに、ストリームIDの送信アンテナIDへのマッピングは、各ストリームに対するRx SNRがほぼ同じになるように、時間的に並べ替えられる。
【0091】
一般性を失うことなく、以下の場合に対して比較的簡単なシナリオを仮定する。
【0092】
S=N
各Tx−Rxアンテナペアに対する正確なチャネル推定を可能にするために、パイロットサブキャリアは複数のTxアンテナにわたって再使用されない。これは、すべてのTxアンテナにわたって再使用されるデータサブキャリアインデックスと異なる。したがって、次式を得る。
【0093】
∩P=φ ∀i≠j
ここで、P∈アンテナiについてのパイロットキャリアインデックスの集合。
【0094】
与えられたOFDMシンボルに対するRxシンボルは以下に示すように表すことができる。
【数2】

【0095】
ここで、X[k]=サブキャリアkのアンテナjにおけるIFFT前のTx変調シンボル、
ij[k]=セルiおよびアンテナjからのサブキャリアkのチャネル周波数応答、
[k]=サブキャリアkおよびアンテナjでのSFNチャネル周波数応答、
Y[k]=サブキャリアkのFFT後のRxシンボル、
ij[k]、C[k]、Y[k]=N×1ベクトルである。
【0096】
各アンテナからのパイロットが周波数領域で直交していることに注意すると、以下の関係を得る。
【0097】
Y[k]=C[k]+V[k] ∀k∈P
各Txアンテナに対する合成SFNチャネル周波数特性は、例えば最小平均二乗誤差(MMSE)または低計算量ゼロフォースロバストMMSE解法を用いて推定可能である。
【0098】
チャネル推定後、MMSEフィルタを用いることによりストリーム分離およびストリーム間干渉抑圧が得られるかもしれない。これは直交射影補助定理を引用して以下のように表すことができる。
【数3】

【0099】
受信機においてストリーム分離後に、各ストリームは独立に復号され、すべての他のストリームから順次消去されるかもしれない。消去のステップはすべてのストリームが復号されるまで繰り返されるかもしれない。順次干渉消去(SIC)の複雑さはストリームの数に依存する。
【0100】
受信側において、受信機(たとえばUE140)は第1の受信アンテナを用いて第1の信号を、第2の受信アンテナを用いて第2の信号を受信する。第1の信号は第1の送信アンテナまたは第1の送信アンテナセットから第1の物理チャネルを通じて送信される第1のデータストリーム、および第2の送信アンテナまたは第2の送信アンテナセットから第2の物理チャネルを通じて送信される第2のデータストリームを含む。同様に、第2の信号は第3の物理チャネルを通じて送信される第1のデータストリームおよび第4の物理チャネルを通じて送信される第2のデータストリームを含む。4個のチャネルは、例えばパイロットチャネルを用いて受信機において、または受信機から提供されたデータを有する無線ネットワークにおいて、推定される。次に、第1の分離されたデータストリームおよび第2の分離されたデータストリームを得るために、第1および第2のデータストリームを受信機によって分離することができる。分離後に、受信機は第1のデータストリーム内の第1のデータおよび第2のデータストリーム内の第2のデータの復号を試みる。データを復号する第1の試行に成功しない場合、受信機は第1の試行の間に得られた部分復号に基づく干渉消去の後に再び復号を試みるかもしれない。
【0101】
第1および第2のデータストリームは共通チャネル上のマルチキャストまたは放送であるかもしれない。
【0102】
オープンループの放送およびマルチキャスト伝送は一般に最悪の状況の受信機を目標に設定するため、すべての目標UEがこのステップを実施するというわけでなければ、順次干渉消去は省略されるかもしれない。
【0103】
これまでの検討は、セルに複数アンテナ、すなわちS=N≧2、を用いて、OFDMシステムのSFNスペクトル効率がMIMO法により向上する図1に示す実施例を説明した。図1の実施例の動作は必ずしもOFDMを用いることに限定されず、MIMOを使う他の方法を用いるかもしれない。
【0104】
本明細書の「発明の背景」で指摘したように多くのセル(セクタ)は単一の送信アンテナを有する。送信アンテナをサイトに加えることは運用者がおそらく避けるであろう付加的コストを要する。したがって、他の実施例においては、単一セルからの送信ダイバーシチを仮定しない。代わりに、以下を仮定する。
【0105】
S=min(N*N,N)>1、 および
=1 (すなわち、1セル当たり1送信アンテナ)。
【0106】
言い換えれば、複数の送信アンテナを複数のセットに割り当て、1送信アンテナ当たり1ストリームで、異なるセットから異なるデータストリームを送信する。
ここで、SNRはすべてのセルが同じストリームを送信する厳密なSNF動作の場合よりも低いかもしれない。各ストリームがネットワークのセルの部分サブセットから送信されるかもしれないからである。それにもかかわらず、SNRは依然として空間多重化利得を利用することができるほど高いだろう。これは、そのようなセット/ストリームの数が小さく、その結果、各セットにおける送信アンテナの数が比較的大きく、注目の地域全体にわたって良好なカバレッジを提供している場合には、特にそうである。
そのような状況において、セルの1つの内部に位置しているUEに対して1つの問題が生じる。これらのUEは1つのセルのみからの強い信号に基づく高いキャリア対雑音比(C/I)を有しているためである。そのようなUEは空間多重化から利益を得ないが、例えば時間多重化(TDM)および周波数多重化のような他の多重化法に頼ることができる。
【0107】
図4に、TDMおよびMIMOを用いてUE440Aおよび440Bへ放送またはマルチキャストする単一周波数無線ネットワーク405を示す。無線ネットワーク405は無線ネットワーク制御装置410およびセル/BTS420、424、428、および432を含む。(本実施例において、各セルはBTSと同一範囲であるが、これは常にそうである必要はない。)BTSはそれぞれの送信アンテナ421、425、429、および433を有する。無線ネットワーク制御装置410の構造は、無線ネットワーク制御装置110の構造と同様であるか、または同一であるかもしれない。また、UE440A/Bの各々の構造も、UE140の構造と同じであるか、または同一であるかもしれない。しかしながら、ここで、無線ネットワーク405およびUE440A/Bは、本実施例に関連して以下で説明される方法に従って通信するように構成される。
【0108】
本実施例、S=Nにおいて、一般的なPRAPまたは符号再利用BLAST(CR-BLAST)法が用いられ、Nストリームは任意の時点で(N/N)セルから送信される。Nストリームの各々は、関連するセルのセット内の1セットの送信アンテナに対応する。ストリームの送信アンテナセットへのマッピングは時間的に並べ替えられる。
【0109】
この場合、複数のストリームは、1セル当たり1つの送信アンテナ上で時分割多重的に多重化される。例えば、2ストリームのシナリオにおいて、1スロットあたりのシンボルの半分は1つのストリームに専有され、シンボルの残りの半分は第2のストリームに専有されるかもしれない。例えば第1の期間(T1)に、シンボルの第1のストリームは、BTS424および432の送信アンテナ425および433を含む送信アンテナの第1のセットから送信される。一方、シンボルの第2のストリームは、BTS420および428の送信アンテナ421および429を含む送信アンテナの第2のセットから送信される。それに続く期間(T2)に、第1のストリームは第2の送信セットから送信され、一方第2のストリームは第2の送信セットから送信される。このサイクルは、何回も切り換えられるストリーム-アンテナセットのマッピングにより繰り返される。このことを図5に示す。図5はT1-1からT1-Nの期間を示すものであって、その期間に無線ネットワークは第1のセットから第1のストリームを、第2のセットから第2のストリームを送信する。同様に、無線ネットワークはT2-1からT2-Nの期間に第2のセットから第1のストリームを、第1のセットから第2のストリームを送信する。
【0110】
UE440Aのような送信アンテナの各々から十分遠方にあるUEは、MIMOの使用から得られる空間多重化利得の利益を得る。言い換えれば、UE440Aは双方のシンボルストリームを受信する。同時に、UE440Bのようなセル内部のUEは時間的多重および高いC/Iから利益を得る。言い換えれば、UE440Bは特にUE440Bが送信アンテナに近接していることを考えると、一度に1つだけであるが、比較的高いC/I比および付随して高いSNRで、ストリームを受信するかもしれない。
【0111】
ストリーム分離後に、各ストリームは独立に復号されすべての他のストリームから順次消去されるかもしれない。消去のステップはすべてのストリームが復号されるまで繰り返されるかもしれない。順次干渉消去(SIC)の複雑さはストリームの数に依存する。
【0112】
本実施例の受信機は1つ以上の第1の期間に第1の受信アンテナを用いて第1の信号を、および第2の受信アンテナを用いて第2の信号を受信するかもしれない。第1の信号は、(1)第1の送信アンテナまたは第1の送信アンテナセットから第1の物理チャネルを通じて送信される第1のデータストリーム、および(2)第2の送信アンテナまたは第2の送信アンテナセットから第2の物理チャネルを通じて送信される第2のデータストリームを含む。同様に、第2の信号は、第3の物理チャネルを通じて送信される第1のデータストリームおよび第4の物理チャネルを通じて送信される第2のデータストリームを含む。第1のデータストリームは第1の期間に第1のデータを搬送し、第2のデータストリームは第1の期間に第2のデータを搬送する。
【0113】
4個のチャネルは受信機において例えばパイロットチャネルを用いて推定される。これにより、第1および第2のデータストリームを受信機によって分離することができ、第1の分離されたデータストリームおよび第2の分離されたデータストリームを得る。分離後に、受信機は、第1のデータストリーム内の第1のデータおよび第2のデータストリーム内の第2のデータの復号を試みる。
【0114】
データを復号する第1の試行に成功しない場合、受信機は第1の試行の間に得られた部分復号に基づく干渉消去後に再び復号を試みるかもしれない。
【0115】
また、受信機は後続する1期間または複数の期間に受信された信号からデータの復号を試みるかもしれない。このように、復号の第1の試行が成功しない場合、受信機は1つ以上の第2の期間に第1のアンテナで第1の信号を受信し、1つ以上の第2の期間に第2のアンテナで第2の信号を受信するかもしれない。受信機は第2の期間の第1の分離されたデータストリームおよび第2の分離されたデータストリームを得るために、第1および第2のデータストリームをチャネル推定のいくつかまたはすべてを用いて少なくとも1つの第1の信号および第2の信号から分離するかもしれない。ストリームの分離後に、受信機は第1および第2のデータを、第1および第2の期間の第1および第2の分離されたデータストリームから復号することを再試行するかもしれない。
【0116】
TDMを用いているため、第2の期間の第1の信号は、第1の物理チャネルを通じて送信される第2のデータストリーム、および第2の物理チャネルを通じて送信される第1のデータストリームを含み、また、第2の信号は、第3の物理チャネルを通じて送信される第2のデータストリーム、および第4の物理チャネルを通じて送信される第1のデータストリームを含むことを思い出すこと。また、第1のデータストリームは第2の期間に第1のデータを搬送し、第2のデータストリームは第2の期間に第2のデータを搬送することを思い出すこと。したがって、データは第1および第2の期間に冗長的に送信されるかもしれない。
【0117】
第1および第2のデータストリームは、共通チャネル上のマルチキャストまたは放送であるかもしれない。
【0118】
図6にUE640Aおよび640Bへ放送またはマルチキャストするために階層的変調(HM)およびMIMOを用いる単一周波数無線ネットワーク605を示す。図4のネットワーク405と同様の無線ネットワーク605は、無線ネットワーク制御装置610およびセル/BTS620、624、628、および632を含む。セルはそれぞれの送信アンテナ621、625、629、および633を有する。無線ネットワーク制御装置610の構造は図2に示す無線ネットワーク制御装置110の構造と同様か、または同一であるかもしれない。また、UE640A/Bの各々の構造も、図3に示すUE140の構造と同じか、または類似しているかもしれない。無線ネットワークおよびUE640A/Bは本実施例に関連して以下で説明される方法に従って通信するように構成される。
【0119】
ここで、ネットワーク405、S=N、におけるように、一般的なPRAPまたは符号再利用BLAST(CR-BLAST)法が用いられ、Nストリームは任意の時点でセルから送信される。ストリームは階層的に変調された信号で搬送される。
【0120】
階層的変調において、キャリアは2つのデータフローで符号化される。64−QAM(直交振幅変調)を考えると、データは、64−QAMに含まれるQPSKフローが存在するようにマッピングされる。これにより、QPSKデータフローおよび16−QAMデータフローの2つのデータフローが生じる。2つのデータフローの結合したデータレートは、対応する64−QAMデータフローのデータレートと同じであるかもしれない。QPSKデータフローに関しては、シンボルはキャリア上で符号化される。変調コンステレーションの(Q−I平面のような)複素信号面における異なる区域はシンボルアルファベットビットの異なる位置を表す。例えば、Q−I平面の左部分はシンボルの最上位ビットの「1」に対応するかもしれない。また、この平面の右部分はこのビットの「0」に対応するかもしれない。同様に、この平面の下半分はシンボルの2番目の上位ビットの「1」に対応するかもしれない。また、この平面の上半分はこのビットの「0」に対応するかもしれない。その結果、左上の象限に入るシンボルは2つの最上位ビット位置における「10」を表し、右上の象限のシンボルはこれらの位置における「00」を表し、左下のシンボルおよび右下のシンボルはそれぞれ「11」および「01」を表すだろう。16−QAMデータフローに対応するシンボルの追加のビットは最初の2ビットで決定される特定の象限の中のシンボル位置によって決定される。
【0121】
QPSKデータフローは16−QAMデータフローよりもより頑健であり、このことは、QPSKデータフローは信号のより低いSNRおよびより低いC/I比で復号されるかもしれないことを意味することに注意のこと。 コンステレーション内の間隔は、16−QAMデータフローを犠牲にしてQPSKデータフローに付加的な頑健性を提供するように変更されるかもしれない。したがって、より頑健なBPSKデータフローは、頑健性の弱い16−QAMデータフローより大きいカバレッジを有する。
【0122】
本明細書において、階層的に変調された信号のより頑健な階層(例えば上記の64−QAMの例におけるBPSKストリーム)は基本階層と呼ばれるだろう。階層的に変調された信号の頑健性の弱い階層(例えば64−QAMの例の16−QAMストリーム)は拡張階層と呼ばれるだろう。
【0123】
階層的変調は伝送容量を増加させるためのメカニズムを提供する。容量増加は拡張階層に対するカバレッジを犠牲にすることにより生じ、一方基本階層の性能は改善される。
【0124】
SFN605において、ストリームマッピングは基本階層から拡張階層へ時間的に並べ替えられるかもしれない。例えば図7の第1の期間T1に、第1のデータストリームS1は第1のアンテナセットから第1の階層的に変調された信号の基本階層上で、および同時に第2のアンテナセットから第2の階層的に変調された信号の拡張階層上で送信されるかもしれない。図7の第2の期間T2に、第1のデータストリームは第1のアンテナセットから第1の階層的に変調された信号の拡張階層上で、および同時に第2のアンテナセットから第2の階層的に変調された信号の基本階層上で送信されるかもしれない。したがって、第1のストリームがアンテナの1つのセットの基本階層で送信される場合、第2のストリームは同じセットの拡張階層で送信される。逆もまた同様である。言い換えれば、
【数4】

【0125】
i=ストリームID、
n=OFDMシンボルインデックス。
【0126】
図4のTDMの実施例におけるように、各ストリーム内のデータは連続した期間に、冗長的に送信されるかもしれない。
【0127】
受信機(例えばUE640の1つ)は、(1)第1の物理チャネルを通じて第1の送信アンテナ(または第1の送信アンテナセット)から送信される第1の信号成分および(2)第2の物理チャネルを通じて第2の送信アンテナ(または第2の送信アンテナセット)から送信される第2の信号成分とを含む、第1の受信信号を第1の受信アンテナで受信するように構成されるかもしれない。第1の信号成分は、(1)第1のデータストリームを搬送する第1の基本階層、および(2)第2のデータストリームを搬送する第1の拡張階層を含むかもしれない。第2の信号成分は、(1)第2のデータストリームを搬送する第2の基本階層、および(2)第1のデータストリームを搬送する第2の拡張階層を含むかもしれない。受信機は、(1)第3の物理チャネルを通じて送信される第3の信号成分および(2)第4の物理チャネルを通じて送信される第4の信号成分とを含む、第2の受信信号を第2の受信アンテナで受信するようにさらに構成されるかもしれない。第3の信号成分は、(1)第1のデータストリームを搬送する第3の基本階層、および(2)第2のデータストリームを搬送する第3の拡張階層を含むかもしれない。第4の信号成分は、(1)第2のデータストリームを搬送する第4の基本階層、および(2)第1のデータストリームを搬送する第4の拡張階層を含むかもしれない。
【0128】
第1,第2,第3,および第4の物理チャネルはそれらのチャネルに対するチャネル推定を得るために推定されるかもしれない。チャネル推定は、受信機によって実行され、パイロットチャネルに基づくかもしれない。いくつか、またはすべてのチャネル推定が利用可能になった後に、受信機は第1および第2の信号成分を分離するかもしれない。信号分離後、受信機は、第1の基本階層から第1のデータストリーム、および第1の拡張階層から第2のデータストリームの復号を試みるかもしれない。
【0129】
受信機は第1の拡張階層および第2の基本階層の双方から第2のデータストリームの復号を試みるかもしれない。代替的に、受信機は第1の信号品質を推定するかもしれないし、また第1の信号品質(例えばSNR)が予め定めた基準より高い場合、第2のデータストリームを第1の拡張階層から復号するかもしれない。第1の信号品質が前記基準を超えない場合、受信機はチャネル推定を用いて第3および第4の信号成分を分離するかもしれないし、第2のデータストリームを第2の基本階層から復号することを試みるかもしれない。また、受信機は第2の信号品質を推定するかもしれないし、また第2の信号品質が予め定めたしきい値より低い場合、第2のデータストリームを第1の拡張階層から復号することを試みるかもしれない。第2の信号品質がしきい値より低くない場合、受信機は第3および第4の信号成分を分離するかもしれないし、第2のデータストリームを第2の基本階層から復号することを試みるかもしれない。
【0130】
干渉消去(IC)方法を用いて、基本階層から同じ信号の拡張階層への干渉を消去するかもしれない。
【0131】
ノード-Bに複数の送信アンテナが存在する場合、およびセル特有のコンテンツが送信される必要がある場合、システムは空間時間送信ダイバーシチ(STTD)へ切り換えるかまたは送信ダイバーシチアンテナを切断することができる。これらのオプションの最初のものは、送信ダイバーシチアンテナの動的オン/オフ切り替えとはRF的に密接な関係がなく、より簡単であるかもしれない。
【0132】
本開示において、種々の方法のステップは連続的として説明してきたが、これらのステップのいくつかは別々の要素によって、連係してまたは並列に、非同期にまたは同期して、パイプライン方式で、または他の方法で実行されるかもしれない。ステップは、明示的に示されるか、そうでなければ文脈から明らかになるか、または本来要求されるところ以外では、本記述が並べたと同じ順序で実行されるといういかなる特定の要求もない。さらに、本発明に従う各実施例において、例示したステップすべてが必ずしも必要ではない。一方、明確に例示されてこなかったいくつかのステップまたは通信メッセージは、本発明に従ういくつかの実施例において望ましいかもしれない。
【0133】
当業者は情報および信号は種々の異なる技術および手法のいずれかを用いて表されるかもしれないことを理解するだろう。例えば、上の記述中に参照されるかもしれないデータ、指示、命令、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光学場もしくは光粒子、またはそれらの任意の組合せで表されるかもしれない。
【0134】
当業者はここに開示された実施例に関連して説明された種々の例示的論理ブロック、モジュール、回路およびアルゴリズムのステップは、電子的ハードウェア、計算機ソフトウェア、またはその双方の組合せとして実施されるかもしれないことをさらに認識するだろう。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、種々の例示的構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップは、ここまで、それらの機能の面から一般的に説明してきた。そのような機能がハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアおよびソフトウェアの組合せとして実施されるかどうかは、特定の用途および全体のシステムに課せられた設計制約に依存する。当業者は、説明した機能を各特定の用途に対して異なる方法で実施するかもしれないが、そのような実施の決定が本発明の範囲からの逸脱を引き起こすと解釈されるべきではない。
【0135】
ここに開示された実施例に関して説明された例示的、論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向集積回路(ASIC)、プログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または他のプログラム可能論理回路、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア部品、またはここに説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せで実施または実行されるかもしれない。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであるかもしれないが、代替的には、プロセッサは任意の通常のプロセッサ、制御器、マイクロ制御器または状態機械であるかもしれない。プロセッサはまた、計算デバイスの組合せ、例えばDSPとマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連係した1つ以上のマイクロプロセッサ、または他のそのような構成として実施されるかもしれない。
【0136】
ここに開示された実施例に関して説明された方法またはアルゴリズムのステップは、直接ハードウェアで、プロセッサで実行されるソフトウェアモジュールで、またはその2つの組合せで具体化されるかもしれない。ソフトウェアモジュールはランダムアクセスメモリー(RAM)、フラッシュメモリー、読み出し専用メモリー(ROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリー(EPROM)、電気的消去書込み可能な読み出し専用メモリー(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、可搬形ディスク、CD−ROM、または当業者に既知の任意の形式の記憶媒体の中にあるかもしれない。代表的記憶媒体は、プロセッサが情報を記憶媒体から読み出しおよび情報を記憶媒体に書き込むことができるようにプロセッサに接続される。代替的には、記憶媒体はプロセッサの構成部品であるかもしれない。プロセッサおよび記憶媒体はASIC内にあるかもしれない。ASICはユーザ機器デバイス内にあるかもしれない。代替的に、プロセッサおよび記憶媒体は個別部品としてユーザ機器デバイス内にあるかもしれない。
【0137】
開示された実施例のこれまでの説明は、通常の当業者が本発明を製造しまたは使用することを可能にするように提供されている。これらの実施例への種々の変形は当業者に容易に明らかになるだろう。また、ここに定義した一般的原理は本発明の精神または範囲から逸脱することなく他の実施例に適用されるかもしれない。したがって、本発明はここに示した実施例に限定することを意図されていず、ここに開示した原理および新規な特徴と矛盾しない最も広い範囲に一致することである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Lを1より大きい整数として、複数のセクタの各セクタから複数のL個送信アンテナセットの1つの送信アンテナセットへ、少なくとも1つの送信アンテナを割り当てることと、複数のL個送信アンテナセットの各送信アンテナセットがセルラ通信システムの少なくとも1つの送信アンテナを含んでいる、
複数のL個データストリーム内へデータを配置することと、
少なくとも1つの第1の期間に対して、送信アンテナセット間のデータストリームの第1の分配を生じるように、複数のL個データストリームの各データストリームを、L個送信アンテナセットの異なる送信アンテナセットへ割り当てることと、
複数のL個送信アンテナセットの前記各送信アンテナセットに関して、少なくとも1つの第1の期間に、第1の周波数のキャリアを少なくとも1つの第1の期間に前記各送信アンテナセットに割り当てられたデータストリームで変調することと、
前記各送信アンテナセットの送信アンテナが、少なくとも1つの第1の期間に対して前記各送信アンテナセットに割り当てられたデータストリームを少なくとも1つの第1の期間に送信するように、少なくとも1つの第1の期間に、複数のL個送信アンテナセットの送信アンテナを通じてキャリアを複数の受信機へ送信することと、
を含む、セルラ通信システムにおける複数のセクタからデータを送信する方法。
【請求項2】
複数のL個アンテナセットが、第1の送信アンテナおよび第2の送信アンテナを含み、第1の送信アンテナはセルラ通信システムの第1のセクタにあり、第1のアンテナは第1の周波数を用いて送信するように構成された第1のセクタにおけるセルラ通信システムの唯一の送信アンテナである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第2のアンテナが、セルラ通信システムの第2のセクタにあり、第2のアンテナは第1の周波数を用いて送信するように構成された第2のセクタにおけるセルラ通信システムの唯一の送信アンテナである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの第2の期間において、送信アンテナセット間のデータストリームの、第1の分配とは異なる第2の分配を生じるように、前記各データストリームを、L個送信アンテナセットの異なる送信アンテナセットへ割り当てることと、
複数のL個送信アンテナセットの前記各送信アンテナセットに関して、少なくとも1つの第2の期間に、キャリアを、少なくとも1つの第2の期間に前記各送信アンテナセットに割り当てられたデータストリームで変調することと、
前記各送信アンテナセットの送信アンテナが、少なくとも1つの第2の期間に対して前記各送信アンテナに割り当てられたデータストリームを少なくとも1つの第2の期間に送信するように、少なくとも1つの第2の期間に、複数のL個送信アンテナセットの送信アンテナを通じてキャリアを複数の受信機へ送信することと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
Lが2と等しく、
少なくとも1つの第1の期間が複数の第1の期間を含み、
少なくとも1つの第2の期間が複数の第2の期間を含み、
第1の期間の継続中に、複数の第1の期間の第1の期間が複数の第2の期間の第2の期間とインターリーブされる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
複数のL個送信アンテナセットが、第1の送信アンテナセットを含み、
第1の送信アンテナセットが、第1のセクタからの第1のアンテナおよび第2のセクタからの第2のアンテナを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
各セクタが少なくとも1つの送信アンテナおよび少なくとも1つの基地トランシーバ局を含む複数のセクタを含むセルラ通信システムのための無線ネットワーク制御装置であって、少なくとも1つの無線ネットワーク制御装置が、
Lを1より大きい整数として、複数のセクタの各セクタから複数のL個送信アンテナセットの送信アンテナセットへ、少なくとも1つの送信アンテナを割り当てることと、複数のL個送信アンテナセットの各送信アンテナセットがセルラ通信システムの少なくとも1つの送信アンテナを含んでいる、
複数のL個データストリーム内へデータを配置することと、
少なくとも1つの第1の期間に対して、送信アンテナセット間のデータストリームの第1の分配を生じるように、複数のL個データストリームの各データストリームを、L個送信アンテナセットの異なる送信アンテナセットへ割り当てることと、
複数のL個送信アンテナセットの前記各送信アンテナセットに関して、複数のセクタに、少なくとも1つの第1の期間、第1の周波数のキャリアを少なくとも1つの第1の期間に前記各送信アンテナセットに割り当てられたデータストリームで変調させることと、
複数のセクタに、前記各送信アンテナセットの送信アンテナが、少なくとも1つの第1の期間に対して前記各送信アンテナに割り当てられたデータストリームを少なくとも1つの第1の期間に送信するように、少なくとも1つの第1の期間に、複数のL個送信アンテナセットの送信アンテナを通じてキャリアを複数の受信機へ送信させることと、
を含む動作を実行するように構成された、無線ネットワーク制御装置。
【請求項8】
複数のL個アンテナセットが、第1の送信アンテナおよび第2の送信アンテナを含み、第1の送信アンテナはセルラ通信システムの第1のセクタにあり、第1のアンテナは第1の周波数を用いて送信するように構成された第1のセクタにおけるセルラ通信システムの唯一の送信アンテナである、請求項7に記載の無線ネットワーク制御装置。
【請求項9】
第2のアンテナが、セルラ通信システムの第2のセクタにあり、第2のアンテナは第1の周波数を用いて送信するように構成された第2のセクタにおけるセルラ通信システムの唯一の送信アンテナである、請求項8に記載の無線ネットワーク制御装置。
【請求項10】
少なくとも1つの第2の期間に対して、送信アンテナセット間のデータストリームの、第1の分配とは異なる第2の分配を生じるように、前記各データストリームを、L個送信アンテナセットの異なる送信アンテナセットへ割り当てることと、
複数のL個送信アンテナセットの前記各送信アンテナセットに関して、複数のセクタに、少なくとも1つの第2の期間に、キャリアを、少なくとも1つの第2の期間に前記各送信アンテナセットに割り当てられたデータストリームで変調させることと、
複数のセクタに、前記各送信アンテナセットの送信アンテナが少なくとも1つの第2の期間に対して前記各送信アンテナセットに割り当てられたデータストリームを少なくとも1つの第2の期間に送信するように、少なくとも1つの第2の期間に、複数のL個送信アンテナセットの送信アンテナを通じてキャリアを複数の受信機へ送信させることと、
を含む動作を実行するようにさらに構成された、請求項7に記載の無線ネットワーク制御装置。
【請求項11】
命令を含む機械可読媒体であって、各セクタが少なくとも1つの送信アンテナを含んでいる複数のセクタを含むセルラ通信システムのための無線ネットワーク制御装置の少なくとも1つのプロセッサによって実行されるとき、命令は、
Lを1より大きい整数として、複数のセクタの各セクタから複数のL個送信アンテナセットの送信アンテナセットへ、少なくとも1つの送信アンテナを割り当てることと、複数のL個送信アンテナセットの各送信アンテナセットがセルラ通信システムの少なくとも1つの送信アンテナを含んでいる、
複数のL個データストリーム内へデータを配置することと、
少なくとも1つの第1の期間に対して、送信アンテナセット間のデータストリームの第1の分配を生じるように、複数のL個データストリームの各データストリームを、L個送信アンテナセットの異なる送信アンテナセットへ割り当てることと、
複数のL個送信アンテナセットの前記各送信アンテナセットに関して、複数のセクタに、少なくとも1つの第1の期間に、第1の周波数のキャリアを、少なくとも1つの第1の期間に前記各送信アンテナセットに割り当てられたデータストリームで変調させることと、
複数のセクタに、前記各送信アンテナセットの送信アンテナが少なくとも1つの第1の期間に対して前記各送信アンテナに割り当てられたデータストリームを少なくとも1つの第1の期間に送信するように、少なくとも1つの第1の期間に、複数のL個送信アンテナセットの送信アンテナを通じてキャリアを複数の受信機へ送信させることと、
を含む動作を実行するように無線ネットワーク制御装置を構成する、機械可読媒体。
【請求項12】
複数のセクタの各セクタの少なくとも1つの送信アンテナを、第1および第2の送信アンテナセットの各アンテナセットが少なくとも1つの送信アンテナを含む第1の送信アンテナセットまたは第2の送信アンテナセットへ割り当てることと、
第1のデータストリームおよび第2のデータストリーム内へデータを配置することと、
第1の基本階層および第1の拡張階層を有する第1の信号を得るために、所与の周波数のキャリアを階層的に変調することと、
第2の基本階層および第2の拡張階層を有する第2の信号を得るために、前記キャリアを階層的に変調することと、
第1の送信アンテナセット内の各送信アンテナを通じて第1の信号を送信することと、
第2の送信アンテナセット内の各送信アンテナを通じて第2の信号を送信することと、を含み、
階層的変調のステップが、第1の基本階層は第1のデータストリームの情報を搬送し、第1の拡張階層は第2のデータストリームの情報を搬送し、第2の基本階層は第2のデータストリームの情報を搬送し、および第2の拡張階層は第1のデータストリームの情報を搬送するように実行される、
セルラ通信システムにおける複数のセクタからデータを送信する方法。
【請求項13】
1つ以上の第1の階層的に変調されたキャリアを送信するステップが、放送またはマルチキャストを含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
各セクタが少なくとも1つの送信アンテナを含む複数のセクタを含むセルラ通信システムのための無線ネットワーク制御装置であって、
複数のセクタの各セクタの少なくとも1つの送信アンテナを、第1および第2の送信アンテナセットの各アンテナセットが少なくとも1つの送信アンテナを含む第1の送信アンテナセットまたは第2の送信アンテナセットへ割り当てることと、
第1のデータストリームおよび第2のデータストリーム内へデータを配置することと、
第1の基本階層および第1の拡張階層を有する第1の信号を得るために、所与の周波数のキャリアの階層的変調をさせることと、
第2の基本階層および第2の拡張階層を有する第2の信号を得るために、前記キャリアの階層的変調をさせることと、
第1の送信アンテナセット内の各送信アンテナを通じて第1の信号の送信をさせることと、
第2の送信アンテナセット内の各送信アンテナを通じて第2の信号の送信をさせることと、を含む動作を実行するように構成され、
第1の基本階層が第1のデータストリームの情報を搬送し、第1の拡張階層が第2のデータストリームの情報を搬送し、第2の基本階層が第2のデータストリームの情報を搬送し、および第2の拡張階層が第1のデータストリームの情報を搬送する、
無線ネットワーク制御装置。
【請求項15】
命令を含む機械可読媒体であって、各セクタが少なくとも1つの送信アンテナを含む複数のセクタを含むセルラ通信システムのための無線ネットワーク制御装置の少なくとも1つのプロセッサによって実行されるとき、命令は、
複数のセクタの各セクタの少なくとも1つの送信アンテナを、第1および第2の送信アンテナセットの各アンテナセットが少なくとも1つの送信アンテナを含む第1の送信アンテナセットまたは第2の送信アンテナセットへ割り当てることと、
第1のデータストリームおよび第2のデータストリーム内へデータを配置することと、
第1の基本階層および第1の拡張階層を有する第1の信号を得るために、所与の周波数のキャリアの階層的変調をさせることと、
第2の基本階層および第2の拡張階層を有する第2の信号を得るために、前記キャリアの階層的変調をさせることと、
第1の送信アンテナセット内の各送信アンテナを通じて第1の信号の送信をさせることと、
第2の送信アンテナセット内の各送信アンテナを通じて第2の信号の送信をさせることと、を含む動作を実行するように無線ネットワーク制御装置を構成し、
第1の基本階層が第1のデータストリームの情報を搬送し、第1の拡張階層が第2のデータストリームの情報を搬送し、第2の基本階層が第2のデータストリームの情報を搬送し、および第2の拡張階層が第1のデータストリームの情報を搬送する、機械可読媒体。
【請求項16】
各セクタが少なくとも1つの送信アンテナを含む、セルラ通信システムにおける複数のセクタからデータを送信する方法であって、
複数のデータストリーム内へデータを配置することと、
多入力多出力(MIMO)空間ダイバーシチ技術を用いて複数のセクタからデータを放送するための第1および第2の信号を得るために、所与の周波数のキャリアを複数のデータストリームで変調することと、
セルラ通信システムのセクタの第1のセットの各セクタから第1の信号を送信することと、
セルラ通信システムのセクタの第2のセットの各セクタから第2の信号を送信することと、を含む方法。
【請求項17】
変調のステップが、セルラ通信システムの第1および第2のセクタセットに関してストリームを時分割多重することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
変調のステップが、階層的変調を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
各セルが少なくとも1つの送信アンテナを含んでいる複数のセルを含むセルラ無線ネットワークの無線ネットワーク制御装置であって、少なくとも1つの無線ネットワーク制御装置が、
複数のデータストリーム内へデータを配置することと、
多入力多出力(MIMO)空間ダイバーシチ技術を用いて複数のセルからデータを放送するための第1および第2の信号を得るために、所与の周波数のキャリアを複数のデータストリームで変調することと、
複数のセルに、セルラ通信システムのセルの第1のセットの各セルから第1の信号を送信させることと、
複数のセルに、セルラ通信システムのセルの第2のセットの各セルから第2の信号を送信させることと、
を含む動作を実行するように構成された無線ネットワーク制御装置。
【請求項20】
命令を含む機械可読媒体であって、各セルが少なくとも1つの送信アンテナを含む複数のセルを含むセルラ無線ネットワークシステムのための無線ネットワーク制御装置の少なくとも1つのプロセッサによって実行されるとき、命令は、
複数のデータストリーム内へデータを配置することと、
複数のセルに、多入力多出力(MIMO)空間ダイバーシチ技術を用いて複数のセルからデータを放送するための第1の信号および第2の信号を得るために、所与の周波数のキャリアを複数のデータストリームで変調させることと、
複数のセルに、セルラ通信システムのセルの第1のセットの各セルから第1の信号を送信させることと、
複数のセルに、セルラ通信システムのセルの第2のセットの各セルから第2の信号を送信させることと、
を含む動作を実行するように無線ネットワーク制御装置を構成する、機械可読媒体。
【請求項21】
第1の信号が第1の周波数で搬送され、第1の信号は第1の物理チャネルを通じて送信される第1のデータストリームおよび第2の物理チャネルを通じて送信される第2のデータストリームを含んでおり、前記第1のデータストリームは1つ以上の第1の期間に第1のデータを含んでおり、前記第2のデータストリームは1つ以上の第1の期間に第2のデータを含んでおり、1つ以上の第1の期間に第1のアンテナで第1の信号を受信することと、
第2の信号が第1の周波数で搬送され、第2の信号は第3の物理チャネルを通じて送信される第1のデータストリームおよび第4の物理チャネルを通じて送信される第2のデータストリームを含んでおり、1つ以上の第1の期間に第2のアンテナで第2の信号を受信することと、
1つ以上の第1のチャネル推定を得るために第1の物理チャネルを推定することと、
1つ以上の第2のチャネル推定を得るために第2の物理チャネルを推定することと、
1つ以上の第3のチャネル推定を得るために第3の物理チャネルを推定することと、
1つ以上の第4のチャネル推定を得るために第4の物理チャネルを推定することと、
1つ以上の第1の期間の第1の分離されたストリームと第2の分離されたストリームを生じるように、1つ以上の第1、第2、第3、および第4のチャネル推定の少なくともいくつかを用いて第1の信号および第2の信号の少なくとも1つから第1および第2のデータストリームを分離することと
を含む、セルラ通信システムから送られるデータを受信する方法。
【請求項22】
1つ以上の第1の期間の第1および第2の分離されたデータストリームから第1および第2のデータを復号する第1の試行をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
復号の第1の試行のステップが成功しない場合、方法は、
第1の信号が第1の物理チャネルを通じて送信される第2のデータストリームおよび第2の物理チャネルを通じて送信される第1のデータストリームとを含んでおり、前記第1のデータストリームは1つ以上の第2の期間に第1のデータを含んでおり、前記第2のデータストリームは1つ以上の第2の期間に第2のデータを含んでおり、1つ以上の第2の期間に第1のアンテナで前記第1の信号を受信することと、
第2の信号が第3の物理チャネルを通じて送信される第2のデータストリームおよび第4の物理チャネルを通じて送信される第1のデータストリームとを含んでおり、1つ以上の第2の期間に第2のアンテナで第2の信号を受信することと、
1つ以上の第2の期間の第1の分離されたストリームと第2の分離されたストリームを生じるように、1つ以上の第1,第2,第3,および第4のチャネル推定の少なくともいくつかを用いて第1の信号および第2の信号の少なくとも1つから第1および第2のデータストリームを分離することと、
1つ以上の第1および第2の期間の第1および第2の分離されたデータストリームから第1および第2のデータを復号する第2の試行と、をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
第1のアンテナで第1の信号を受信するステップが、共通チャネルで受信することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
第1のアンテナで第1の信号を受信するステップが、放送またはマルチキャスト伝送を受信することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
セルラ通信ネットワークの基地トランシーバ局と交信するための無線ユーザ機器デバイスであって、
第1のアンテナおよび第2のアンテナと、
第1および第2のアンテナに接続された受信機と、
プログラムコードを格納するメモリーと、
受信機およびプロセッサに接続されたプロセッサとを含み、受信機が、
1つ以上の第1の期間に、第1のアンテナで、第1の信号を受信し、第1の信号は第1の周波数で搬送され、第1の信号は第1の物理チャネルを通じて送信される第1のデータストリームおよび第2の物理チャネルを通じて送信される第2のデータストリームを含み、第1のデータストリームは1つ以上の第1の期間に第1のデータを含み、第2のデータストリームは1つ以上の第1の期間に第2のデータストリームを含み、かつ、
1つ以上の第1の期間に、第2のアンテナで、第2の信号を受信し、第2の信号は第1の周波数で搬送され、第2の信号は第3の物理チャネルを通じて送信される第1のデータストリームおよび第4の物理チャネルを通じて送信される第2のデータストリームを含むように構成され、並びにプロセッサが、
1つ以上の第1のチャネル推定を得るために第1の物理チャネルを推定することと、
1つ以上の第2のチャネル推定を得るために第2の物理チャネルを推定することと、
1つ以上の第3のチャネル推定を得るために第3の物理チャネルを推定することと、
1つ以上の第4のチャネル推定を得るために第4の物理チャネルを推定することと、
1つ以上の第1の期間の第1の分離されたストリームと第2の分離されたストリームを生じるように、1つ以上の第1,第2,第3,および第4のチャネル推定の少なくともいくつかを用いて第1の信号および第2の信号の少なくとも1つから第1および第2のデータストリームを分離することと、を含む動作を実行するように構成された、無線ユーザ機器デバイス。
【請求項27】
プロセッサが、1つ以上の第1の期間の第1および第2の分離されたデータストリームから、第1および第2のデータを復号する第1の試行をするようにさらに構成された、請求項26に記載の無線ユーザ機器デバイス。
【請求項28】
受信機が、
1つ以上の第2の期間に、第1のアンテナで、第1の信号を受信し、第1の信号は第1の物理チャネルを通じて送信される第2のデータストリームおよび第2の物理チャネルを通じて送信される第1のデータストリームを含み、第1のデータストリームは1つ以上の第2の期間に第1のデータを含み、第2のデータストリームは1つ以上の第2の期間に第2のデータを含み、かつ、
1つ以上の第2の期間に、第2のアンテナで、第2の信号を受信し、第2の信号は第3の物理チャネルを通じて送信される第2のデータストリームおよび第4の物理チャネルを通じて送信される第1のデータストリームを含むようにさらに構成され、並びに、
プロセッサが、復号の第1の試行に成功しない場合、
1つ以上の第2の期間の第1の分離されたデータストリームと第2の分離されたデータストリームを生じるように、1つ以上の第1,第2,第3,および第4のチャネル推定の少なくともいくつかを用いて第1の信号および第2の信号の少なくとも1つから第1および第2のデータストリームを分離することと、
1つ以上の第1および第2の期間の第1および第2の分離されたデータストリームから、第1および第2のデータを復号する第2の試行とを含む動作を実行するようにさらに構成された、請求項27に記載の無線ユーザ機器デバイス。
【請求項29】
命令を含む機械可読媒体であって、セルラ通信システムと交信するための無線ユーザ機器デバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行されるとき、命令は、
第1の信号が第1の周波数で搬送され、第1の信号は第1の物理チャネルを通じて送信される第1のデータストリームおよび第2の物理チャネルを通じて送信される第2のデータストリームを含んでおり、前記第1のデータストリームは1つ以上の第1の期間に第1のデータを含んでおり、前記第2のデータストリームは1つ以上の第1の期間に第2のデータを含んでおり、1つ以上の第1の期間に第1のアンテナでセルラ通信システムから前記第1の信号を受信することと、
第2の信号が第1の周波数で搬送され、第2の信号は第3の物理チャネルを通じて送信される第1のデータストリームおよび第4の物理チャネルを通じて送信される第2のデータストリームを含んでおり、1つ以上の第1の期間に第2のアンテナでセルラ通信システムから前記第2の信号を受信することと、
1つ以上の第1のチャネル推定を得るために第1の物理チャネルを推定することと、
1つ以上の第2のチャネル推定を得るために第2の物理チャネルを推定することと、
1つ以上の第3のチャネル推定を得るために第3の物理チャネルを推定することと、
1つ以上の第4のチャネル推定を得るために第4の物理チャネルを推定することと、
1つ以上の第1の期間の第1の分離されたストリームと第2の分離されたストリームを生じるように、1つ以上の第1,第2,第3,および第4のチャネル推定の少なくともいくつかを用いて第1の信号および第2の信号の少なくとも1つから第1および第2のデータストリームを分離することと、
を含む動作を無線ユーザ機器デバイスに実行させる機械可読媒体。
【請求項30】
セルラ通信システムから送られるデータを受信する方法であって、
第1の信号が第1の物理チャネルを通じて送信される第1の信号成分および第2の物理チャネルを通じて送信される第2の信号成分とを含んでおり、前記第1の信号成分は第1のデータストリームを搬送する第1の基本階層および第2のデータストリームを搬送する第1の拡張階層とを含んでおり、前記第2の信号成分は第2のデータストリームを搬送する第2の基本階層および第1のデータストリームを搬送する第2の拡張階層を含んでおり、第1のアンテナで前記第1の信号を受信することと、
第2の信号が第3の物理チャネルを通じて送信される第3の信号成分および第4の物理チャネルを通じて送信される第4の信号成分を含んでおり、前記第3の信号成分は第1のデータストリームを搬送する第3の基本階層および第2のデータストリームを搬送する第3の拡張階層とを含んでおり、前記第4の信号成分は第2のデータストリームを搬送する第4の基本階層および第1のデータストリームを搬送する第4の拡張階層とを含んでおり、第2のアンテナで前記第2の信号を受信することと、
1つ以上のチャネル推定を得るために、第1、第2、第3、および第4の物理チャネルを推定することと、
1つ以上のチャネル推定を用いて第1および第2の信号成分を分離することと、
分離のステップの後に、第1のデータストリームを第1の基本階層から復号することと、
分離のステップの後に、第1の拡張階層および第2の基本階層から選択された少なくとも1つの階層から第2のデータストリームを復号することと、を含み、
第1、第2、第3、および第4の信号成分が、同じキャリア周波数を用いて階層的に変調される方法。
【請求項31】
第2のデータストリームを復号するステップが、第2のデータストリームを第1の拡張階層および第2の基本階層の双方から復号することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
第1のアンテナで受信するステップが、共通チャネルで受信することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
第1のアンテナで受信するステップが、放送またはマルチキャストを受信することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
無線ネットワークの基地トランシーバ局と交信するための無線ユーザ機器デバイスであって、
第1のアンテナおよび第2のアンテナと、
受信機と、
プログラムコードを格納するメモリーと、
受信機およびメモリーに接続されたプロセッサとを含み、
受信機が、
第1のアンテナで、第1の信号を受信し、第1の信号が第1の物理チャネルを通じて送信される第1の信号成分および第2の物理チャネルを通じて送信される第2の信号成分を含み、第1の信号成分は第1のデータストリームを搬送する第1の基本階層および第2のデータストリームを搬送する第1の拡張階層を含み、第2の信号成分は第2のデータストリームを搬送する第2の基本階層および第1のデータストリームを搬送する第2の拡張階層を含み、かつ、
第2のアンテナで、第2の信号を受信し、第2の信号は第3の物理チャネルを通じて送信される第3の信号成分および第4の物理チャネルを通じて送信される第4の信号成分を含み、第3の信号成分は第1のデータストリームを搬送する第3の基本階層および第2のデータストリームを搬送する第3の拡張階層とを含み、第4の信号成分は第2のデータストリームを搬送する第4の基本階層および第1のデータストリームを搬送する第4の拡張階層を含むように構成され、
プロセッサが、
1つ以上のチャネル推定を得るために、第1,第2,第3,および第4の物理チャネルを推定し、
1つ以上のチャネル推定を用いて第1および第2の信号成分を分離し、
分離後に第1の基本階層から第1のデータストリームを復号し、
分離後に第1の拡張階層および第2の基本階層から選択された少なくとも1つの階層から第2のデータストリームを復号するように構成され、
第1,第2,第3,および第4の信号成分が同じキャリア周波数を用いて階層的に変調される、無線ユーザ機器デバイス。
【請求項35】
命令を含む機械可読媒体であって、無線ユーザ機器デバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行されるとき、命令は、
第1の信号が第1の物理チャネルを通じて送信される第1の信号成分および第2の物理チャネルを通じて送信される第2の信号成分を含んでおり、前記第1の信号成分は第1のデータストリームを搬送する第1の基本階層および第2のデータストリームを搬送する第1の拡張階層を含んでおり、前記第2の信号成分は第2のデータストリームを搬送する第2の基本階層および第1のデータストリームを搬送する第2の拡張階層とを含んでおり、第1のアンテナで、前記第1の信号を受信することと、
第2の信号が第3の物理チャネルを通じて送信される第3の信号成分および第4の物理チャネルを通じて送信される第4の信号成分を含んでおり、前記第3の信号成分は第1のデータストリームを搬送する第3の基本階層および第2のデータストリームを搬送する第3の拡張階層を含んでおり、前記第4の信号成分は第2のデータストリームを搬送する第4の基本階層および第1のデータストリームを搬送する第4の拡張階層を含んでおり、第2のアンテナで、前記第2の信号を受信することと、
1つ以上のチャネル推定を得るために、第1,第2,第3,および第4の物理チャネルを推定することと、
1つ以上のチャネル推定を用いて第1および第2の信号成分を分離することと、
分離のステップの後に、第1のデータストリームを第1の基本階層から復号することと、
分離のステップの後に、第1の拡張階層および第2の基本階層から選択された少なくとも1つの階層から第2のデータストリームを復号することと、を含む動作を無線ユーザ機器デバイスに実行させ、
第1,第2,第3,および第4の信号成分が、同じキャリア周波数を用いて階層的に変調される、機械可読媒体。
【請求項36】
第1および第2の送信アンテナが空間的に分散している、第1の送信アンテナおよび第2の送信アンテナを含む、第1のセルを含むセルラ無線ネットワークを操作する方法であって、
第1のデータストリームを第1のアンテナを通じて第1の周波数で複数のユーザ機器デバイスへ送信することと、
第2のデータストリームを第2のアンテナを通じて第1の周波数で複数のユーザ機器デバイスへ送信することと、を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−234373(P2011−234373A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−103026(P2011−103026)
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【分割の表示】特願2008−516971(P2008−516971)の分割
【原出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】