説明

セロトニン作動性活性を有する化合物、その製造方法およびそれを含む医薬組成物

R1,R2およびR3は、次の明細書で規定する式(I)の化合物、およびその薬学的に許容可能な酸付加もしくは塩基付加の塩。本発明はまた、それを製造する方法および中間体、ならびにそれを含む医薬組成物に関するものである。本発明はまた、セロトニン作動性系の疾患の治療で活性な医薬組成物を製造するための新規な2H−ピロロ[3,4−c]キノリン化合物の使用に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の2H−ピロロ[3,4−c]キノリン化合物、その製造方法、その薬学的使用およびそれを含む医薬組成物に関するものである。本発明はまた、セロトニン作動性系の障害の治療において活性な医薬組成物を製造するための新規な2H−ピロロ[3,4−c]キノリン化合物の使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多くの既知のセロトニン受容体の中で、5HT受容体は、膀胱、胃腸系、平滑筋および心筋、ならびに中枢神経系の特定部位で検出される(非特許文献1・2)。5HT受容体に対するアゴニスト(作動薬)、部分的アゴニスト、アンタゴニスト(拮抗薬)活性は、腸運動障害、ならびに中枢神経系、尿失禁および心不整脈の薬物治療において潜在的に有益である(非特許文献3・4)。
【0003】
また、セロトニン作動性系で活性な特定の薬品が慢性痛および特に神経障害痛を制御できることが既知である。
【0004】
慢性痛は、平均して、慢性痛を抱えている成人人口の約10〜20%の病状を示す。慢性痛は、概して、慢性および/または退行性の病変によって特徴付けられる臨床症状に関連する。
【0005】
慢性痛は、持続時間が主に急性痛と異なる。急性痛は、数日または数週間の持続時間を有し、痛み(外傷、火傷、懸命な努力、外科的または歯科的介入等)を引き起こす出来事からの回復と相互に関連する。一方、慢性痛は数か月または数年続き、筋緊張、運動制限、倦怠感、食欲不振および無気力を引き起こす。慢性痛はまた、数週間、数か月もしくは数年の間隔で再発や、慢性病変に関連する。慢性痛によって特徴付けられる病変の典型的な例は、関節リウマチ、骨関節症、線維筋痛、神経障害などである(非特許文献5)。
【0006】
慢性痛、および特に神経障害痛は、しばしば衰弱させ、また、作業能力を損失させ、生活の質を落とす。このように経済的および社会的な損失も伴う。
【0007】
神経障害痛の治療において現在用いられている鎮痛剤には、非ステロイド抗炎症薬(NSAID)、抗鬱剤、オピオイド鎮痛薬および抗痙攣剤がある(非特許文献6)。
【0008】
しかし、慢性痛および特に神経障害痛は、現在利用できる薬剤で治療するのが困難であることが有名である。
【0009】
加えて、多くの研究が適切な鎮痛化合物を特定することを目的としているが、多くの患者の疼痛状態はいまだに適切な治療がされていない(非特許文献7)。
【0010】
特許文献1および2は、神経障害痛において活性な医薬組成物を製造するインダゾール化合物の使用に関連する。
【0011】
セロトニン作動性系で活性な多くの化合物、特に、5HT受容体拮抗薬は、鎮痛作用を含むことができると考えられていた。
【0012】
セロトニン作動性系で活性な化合物は、様々なセロトニン作動性受容体に対する低い選択性のために、多くの悪影響および副作用を有する。特に、一般的な分類のセロトニン作動性受容体は、例えば、5HT1(A−F)、5HT2(A−C)、5HT、5HT、5HTまたは5HT等の様々な亜類型に分けられ、それらは例えば、中枢および/または末梢神経系、消化系および心臓血管系等の多様な系に位置する。セロトニン作動性受容体を含む活性化合物の相互作用の効果は、これらの受容体の位置に従って異なる。
【0013】
低い選択性は、しばしば、慢性痛の存在に加えて、心臓血管系等の特定の系における付随する病変が存在する特定の種類の患者の場合において、治療の回避を阻害する。
【0014】
特に、セロトニン作動性系との相互作用、特に、5HT2A等の特定の準受容体は、心拍リズムへの影響を含む心臓血管系における有害事象を引き起こす。
【0015】
ピロロキノリン化合物は一般的に既知である。これらの化合物は、それらの化学式においてキノリンに融合したピロールを有し、三環系を生じる。融合の位置によって、様々なピロロキノリンに分類する。
【0016】
2H−ピロロ[3,4−b]キノリン化合物は、抗菌機能を有する医薬用原料として特許文献3で開示された。
【0017】
ピロロ[3,4−b]キノリン化合物は、鎮痛剤または催眠効果を有する医薬用原料として特許文献4で開示された。
【0018】
ピロロ[3,2−c]キノリン化合物は、神経変性疾患、例えば脳虚血および/または低酸素症、パーキンソン病、てんかん、ハンチントン病、アルツハイマー病等の予防および/または治療において潜在的に有効であるキヌレニン3−ヒドロキシラーゼ(KYN−OH)阻害剤として機能することができる物質として、特許文献5において開示された。
【0019】
ピロロ[3,2−c]キノリン化合物はまた、胃潰瘍を治療するのに潜在的に有効である、胃酸の分泌を阻害することができる物質として特許文献6で開示された。
【0020】
ヘキサヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]キノリン化合物は、抗精神病薬、鎮痛剤および抗抑鬱作用を有する医薬用原料として特許文献7,8および9で開示された。
【0021】
ピロロ[3,4−c]キノリン−1−オン化合物は、制吐剤および咳止めとして、また、例えば、不安神経症、鬱病、統合失調症、精神病、アルツハイマー型認知症、老年性認知症等の中枢神経系病変において潜在的に有効である5HTセロトニン作動性受容体拮抗作用を有する医薬用原料として特許文献10および11で開示された。
【0022】
5H−ピロロ[3,4−c]キノリン化合物は、脳GABA(γ−アミノ酪酸)受容体上でアゴニスト(作動薬)、アンタゴニスト(拮抗薬)および逆作動薬活性であり、また、睡眠障害、不安神経症および痙攣の治療において、ベンゾジアゼピン過剰投与の治療においておよび注意力改善において潜在的に有効である医薬用原料として特許文献12で開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】国際特許第2004/101548号
【特許文献2】国際特許第2005/013989号
【特許文献3】特開第2005/306774号公報
【特許文献4】米国特許第6335346号明細書
【特許文献5】国際特許第98/05660号
【特許文献6】国際特許第99/09029号
【特許文献7】米国特許第4268513号明細書
【特許文献8】米国特許第4350814号明細書
【特許文献9】米国特許第4440768号明細書
【特許文献10】米国特許第6323216号明細書
【特許文献11】米国特許第6413978号明細書
【特許文献12】米国特許第5908932号明細書
【非特許文献】
【0024】
【非特許文献1】Eglen RM et al., Central 5-HT4 receptors. Trends Pharmacol. Sci. 1995; 16(11 ): 391 -8
【非特許文献2】Hedge SS and Eglen RM, Peripheral 5-HT4 receptors. FASEB J. 1996; 10(12): 1398-407
【非特許文献3】Bockaert J. et al., 5-HT4 receptors. Curr. Drug Targets - CNS Neurol. Disord. 2004, 3(1 ): 39-51
【非特許文献4】Gershon MD. Review article: serotonin receptors and transporters - roles in normal and abnormal gastrointestinal motility. Aliment Pharmacol. Ther. 2004; 20 (Suppl. 7): 3-14
【非特許文献5】Ashburn MA, Staats PS. Management of chronic pain. Lancet 1999; 353: 1865-69
【非特許文献6】Woolf CJ, Mannion RJ, Neuropathic pain: aetiology, symptoms, mechanism, and management. Lancet 1999; 353: 1959-1964
【非特許文献7】Scholz J, Woolf CJ. Can we conquer pain Nat Neusci. 2002; 5: 1062- 76
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明は、驚くべきことに、5HTセロトニン作動性受容体に対して高い親和性を有する、セロトニン作動性系と相互作用することができる新規な2H−ピロロ[3,4−c]キノリン化合物を見出した。
【0026】
加えて、本願明細書はまた、驚くべきことに、これらの新規化合物は、5−HT2A受容体に対して親和性をほとんど持たないまたは全く持たず、したがって、心臓血管系上への悪影響を最小限にする。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施例における結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
したがって、本発明は化学式(I)の化合物に関し、
【化1】

R1は、水素原子で、好ましくは1〜6個の炭素原子を有し、任意に1〜3個のヒドロキシル基、または好ましくは1〜6個の炭素原子を含むアルキルアルコキシ基で置換された直鎖または分岐アルキル基であり、
R2は、水素原子、ハロゲン原子、直鎖もしくは好ましくは1〜3個の炭素原子含む分岐アルキル基、−CF、−OSOCF−,−SOCH,−SONHCHまたは−NHSOCHであり、
R3は、(i)水素原子;(ii)好ましくは1〜6個の炭素原子を含む直鎖または分岐アルキル基、;(iii)アルキルアルコキシ基、好ましくは1〜6個の炭素原子を含む;(iv)アリールアルキル基またはヘテロアリールアルキル基で、アルキル基は好ましくは1〜3個の炭素原子を有し、アリールまたはヘテロアリール基は1個または2個の置換基で置換し、置換基は、同一または異なり、ハロゲン原子、1〜3個の炭素原子を含むアルキル基、1〜3個の炭素原子を含むアルコキシ基、1〜3個の炭素原子を含むヒドロキシアルキル基、−OH,−NR’R’’,−NO,−CF,−COR’,R’CON(R’’)−,R’SON(R’’)−およびR’R’’NSOから選択し、R’およびR’’は、同一または異なり、水素原子または1〜3個の炭素原子を含むアルキル基である;(v)RivNCO(CH−であり、nは0〜2の整数であり、RivおよびRは、同一または異なり、水素原子、1〜3個の炭素原子を含むアルキル基、任意に1個または2個の置換基で置換したアリール基またはヘテロアリール基であり、置換基は同一または異なり、ハロゲン原子、1〜3個の炭素原子を含むアルキル基、1〜3個の炭素原子を含むアルコキシ基、1〜3個の炭素原子を含むヒドロキシアルキル基、−OH,−NO、−NH,−CF,−COH,−CO−C1−3アルキル、−SONHおよび−NHSO−C1−3アルキルから選択し、および(vi)Cγ(CHで、mは0〜2の整数であり、Cγは、3〜7個の炭素原子から成る脂環式基またはNおよびOから選択した少なくとも1個のヘテロ原子を有し、任意に1〜3個の炭素原子を含むアルキル基でN置換した飽和5もしくは6員のヘテロ環基である。
【0029】
酸付加塩は、薬学的に許容可能な有機または無機酸を有し、塩基付加塩は、薬学的に許容可能な有機または無機塩基を含む。
【0030】
セロトニン作動性系、特に、5HTセロトニン作動性受容体との相互作用の能力は、これらの化合物を特に、この受容体を伴う病変の治療において特に有効であり、また、腸運動障害、中枢神経系、尿失禁および心不整脈の疾患の薬物治療において潜在的に有効である。特に、本願明細書は、本発明の化合物が特に慢性痛および、特に神経障害痛の治療において特に有効であることを観察した。
【0031】
他のセロトニン作動性受容体、特に5HT2A受容体に対する高い選択性は、セロトニン作動性系上で活性な他の薬剤の場合に直面する心臓血管系への悪影響を減少させる。
【0032】
このように、本発明の化合物は、薬剤活性成分として、特に腸運動疾患および中枢神経系および尿失禁および心不整脈の疾患、好ましくは慢性痛、より好ましくは神経障害痛に対して有効である。
【0033】
したがって、第二の態様において、本発明は化学式(I)の化合物を効果的な量を含む薬剤に関し、
【化2】

R1、R2およびR3は上述したものであり、
酸付加塩は、薬学的に許容可能な有機または無機酸を有し、塩基付加塩は、薬学的に許容可能な有機または無機塩基を有し、
少なくとも1個の薬学的に許容可能な賦形剤を含む。
【0034】
他の態様によると、本発明は、上述した化学式(I)の化合物、薬剤用途としての薬学的に許容可能な酸付加塩または塩基付加塩に関するものである。
【0035】
さらに他の態様によると、本発明は、上述した化学式(I)の化合物、薬剤用途としての薬学的に許容可能な酸付加塩または塩基付加塩、腸運動疾患および中枢神経系および尿失禁および心不整脈の疾患の治療において活性な医薬組成物の製造に関するものである。
【0036】
さらに好ましい態様において、本発明は、上述した化学式(I)の化合物、薬剤用途としての薬学的に許容可能な酸付加塩または塩基付加塩、慢性痛、特に神経障害痛の治療において活性な医薬組成物の製造に関するものである。
【0037】
神経障害痛によって特徴付けられる病変の典型的な例は、糖尿病、癌、免疫欠損、外傷、虚血、多発性硬化症、坐骨神経痛、三叉神経症およびヘルペス後症候群である。
【0038】
有利には、R1は、水素原子または1〜6個の炭素原子を含む直鎖もしくは分岐アルキル基である。より好ましくは、R1は、好ましくは1〜6個の炭素原子を含む直鎖または分岐アルキル基である。有利には、R1は、1〜3個のOH基を含む直鎖または分岐アルキル基である。
【0039】
好ましくは、R2は、水素原子、ハロゲン原子、−CF、−OSOCF−,−SOCH,−SONHCHまたは−NHSOCHである。より好ましくは、R2は、ハロゲン原子、−CF、−OSOCF−,−SOCH,−SONHCHまたは−NHSOCHである。
【0040】
有利には、R3は、(i)水素原子;(ii)好ましくは1〜6個の炭素原子を含む直鎖または分岐アルキル基;(iii)アリールアルキル基またはヘテロアリールアルキル基で、アリールまたはヘテロアリール基は1個または2個の置換基で置換し、置換基は同一または異なり、ハロゲン原子、1〜3個の炭素原子を含むアルキル基、1〜3個の炭素原子を含むアルコキシ基、1〜3個の炭素原子を含むヒドロキシアルキル基、−OH,−NR’R’’,−NO,−COR’,R’CON(R’’)−,R’SON(R’’)−およびR’R’’NSOから選択し、R’およびR’’は、同一または異なり、水素原子または1〜3個の炭素原子を含むアルキル基である;(iv)RivNCO(CH−であり、nは0〜2の整数であり、RivおよびRは、同一または異なり、水素原子、アリール基またはヘテロアリール基であり(v)Cγ(CHで、mは0〜2の整数であり、Cγは、モルホリン、ピペリジン、N−メチルピペリジンおよびピロリジンを含む基から選択した飽和ヘテロ環基である、から選択する。
【0041】
より有利には、R3は、(i)1〜6個の炭素原子を含む直鎖または分岐アルキル基;(ii)アリールアルキル基で、アリール基は、1〜3個の炭素原子を含むアルコキシ基、1〜3個の炭素原子を含むヒドロキシアルキル基、−NR’R’’,−COR’,R’CON(R’’)−,R’SON(R’’)−およびR’R’’NSOから選択した置換基で置換し、R’およびR’’は、同一または異なり、水素原子または1〜3個の炭素原子を含むアルキル基である;(iii)RivNCO(CH−であり、nは0〜2の整数であり、RivおよびRは、同一または異なり、水素原子またはアリール基であり、(iv)Cγ(CHで、mは0〜2の整数であり、Cγは、モルホリン、ピペリジン残基から選択する。
【0042】
アリールアルキルもしくはヘテロアリールアルキル基の一部を形成するアリールまたはヘテロアリール基は、上述したように基R3として示すが、ベンゼン、ナフタレン、ピリジン、キノリン、イソキノロン、ピラジン、キノキサリン、ピリミジン、キナゾリン、ピリダジン、シノリン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、イソベンゾチオフェン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ピラゾール、インダゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、チアゾールおよびベンゾチアゾール:好ましくはベンゼン、ピリジン、フラン、ベンゾフランおよびピロール由来の基である。
【0043】
上述した基R3によって示した、随意的に置換したアリールアルキルまたはヘテロアリールアルキル基の典型的な例は、以下に示す。
【0044】
【化3】


【0045】
上述した化学式(I)によって示した化合物の典型的な例を、以下の表1において示す。
【0046】
【表1】

【0047】
薬学的に許容可能な無機酸の典型的な例は:塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および硝酸である。薬学的に許容可能な有機酸の典型的な例は:酢酸、アスコルビン酸、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、クエン酸、乳酸、タンニン酸および安息香酸である。アスパラギン酸およびグルタミン酸等のアミノ酸も有機酸として用いることができる。
【0048】
薬学的に許容可能な有機および無機塩基の典型的な例は:モノ−、ジ−およびトリアルキルアミン、例えば、メチル−アミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミン、エチレンジアミン、モノ−、ジ−、およびトリエタノールアミン;グアニジン、モルホリン、ピペリジン、ピロリジン、ピペラジン、1−ブチルピペリジン、1−エチル−2−メチル−ピペリジン、N−メチルピペラジン、1,4−ジメチルピペラジン、N−ベンジルフェニルエチルアミン、N−メチルグルコサミン、トリ(ヒドロキシメチル)アミノメタン、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、水酸化マグネシウムおよび水酸化亜鉛である。アルギニンおよびリジン等のアミノ酸も有機塩基として用いることができる。
【0049】
前述した化学式(I)の化合物は、以下の反応式Aに従って調製し、適切なハロゲン誘導体(III)との反応によって化学式(II)の新規の中間体から開始し、
【化4】

(反応式A)
R1,R2およびR3は、前述したものと同じであり、Xはハロゲン原子、好ましくは塩素または臭素を示す。
【0050】
反応式Aの反応は、好ましくは有機または無機化合物の存在下および有機溶媒内で行う。
【0051】
有機物質の有効な例は、モノ−、ジ−もしくはトリアルキルアミン、モノ−、ジ−、もしくはトリアルカノールアミン、ベンジルアミン、N−メチルベンジルアミン等の脂肪族または芳香族アミンである。無機塩基の有効な例は、NaOHもしくはKOH等の強塩基、またはNHOH、NaCO、KCO、NaHCO等の弱塩基である。
【0052】
有機溶媒の有効な例は、双極性プロトン性および非プロトン性有機溶媒である。双極性プロトン性有機溶媒の典型的な例は、メタノール、エタノール、プロパノールまたはブタノールである。双極性非プロトン性有機溶媒の典型的な例は、ケトン(例えばアセトンまたはメチルエチルケトン)、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、アセトニトリル等である。
【0053】
有利には、反応は、加熱して、好ましくは反応溶液の沸点で行う。
【0054】
有利には、反応は、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化セシウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウムまたはヨウ化トリメチルフェニルアンモニウム等の活性剤の存在下で行う。
【0055】
化学式(II)の新規の中間体化合物は、さらに本発明の態様を構成する。化学式(II)の新規の中間体は、以下の反応式A1に従って調製する。
【化5】

(反応式A1)
【0056】
化学式(II)の新規の中間体の調製は、最初は、4−クロロ−2H−ピロロ[3,4−c]キノリン化合物(IV)および(1−ベンジルピペリド−4−イル)メタノール(VI)の反応、およびその後水素化を介したピペリジンの脱ベンジル化の工程を含む。
【0057】
4−クロロ−2H−ピロロ[3,4−c]キノリン(VI)の反応は、好ましくは、(1−ベンジルピペリド−4−イル)メタノール(IV)のナトリウム塩で行い、好ましくは、例えば水酸化ナトリウム等の強塩基と化合物(VI)を反応させることによって調製する。反応は、好ましくは、前述したものから選択した、好ましくはジメチルホルムアミドの双極性非プロトン性溶媒の存在下で行う。反応は、加熱して、好ましくは還流して行う。
【0058】
脱ベンジル化反応は、好ましくは水素大気下で接触水素化によって行い、好ましくは亜アルコール溶媒における触媒としてパラジウム−活性炭を用いる。アルコール溶媒の典型的な例は、メタノールである。反応は有利には室温で行う。
【0059】
代案として、前述した化学式(I)の化合物は、以下の反応式Bに従って調製する。
【化6】

(反応式B)
【0060】
反応式Bの反応は、好ましくは、例えば水酸化ナトリウム等の強塩基と化合物(VI)を反応させることによって調製する、化合物(V)のナトリウム塩を用いて有機酸の存在下で行う。有機溶媒の有効な例は双極性非プロトン性有機溶媒である。双極性非プロトン性有機溶媒の典型的な例は、前述したものであり、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミドおよびメチルエチルケトンである。
【0061】
化学式(VI)の中間体は既知であり、それらの調製はARKIVOC (2004) number V, 181 -195で開示されている。
【0062】
好ましくは、本発明の医薬組成物は、少なくとも1個の化学式(I)の化合物またはそれらの薬学的に許容可能な有機もしくは無機酸またはそれらの薬学的に許容可能な有機もしくは無機塩基および少なくとも1個の薬学的に許容可能な賦形剤を効果的な量含む適切な投与形態において調製する。
【0063】
用語「薬学的に許容可能な賦形剤」は、特に制限することはないが、生物に投与する医薬組成物を調製するのに適切な材料を意味する。
【0064】
これらの材料は、当業者には既知であり、例えば、離型剤、結合剤、崩壊剤、充填剤、希釈剤、染料、流動化剤、流動促進剤、潤滑油、保存剤、安定剤、保湿剤、吸収剤、界面活性剤、緩衝液、浸透圧を制御する塩、乳化剤、芳香剤および甘味料である。
【0065】
薬学的に許容可能な賦形剤の有効な例は、ラクトース、グルコースもしくはスクロース等の砂糖、コーンスターチおよびポテトスターチ等のデンプン、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース等のセルロースおよびそれら誘導体、トラガカントゴム、モルト、ゼラチン、タルク、ココアバター、ろう、ピーナッツ油、綿の実オイル、サフラワー油、ゴマ油、オリーブオイルおよび大豆油等のオイル、プロピレングリコール等のグリコール、グリセロール、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール等のポリオール、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル等のエステル、寒天、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム等の緩衝液、アルギン酸、水、等張液、エタノール、緩衝液、ポリエステル、ポリカーボネート、酸無水物様である。
【0066】
適切な投与形態の例は、経口投与に対する錠剤、カプセル、コーティング錠、顆粒、溶液およびシロップ;経皮投与に対する消毒軟膏、溶液、ペースト、クリームおよび軟膏;直腸投与に対する座薬および注射またはエアロゾル投与に対する滅菌溶液である。
【0067】
他の適切な投与形態は、経口もしくは注射経路のいずれかに対する、持続放出形態またはリポソームベース形態である。
【0068】
特別な治療が必要なとき、本発明の医薬組成物は、同時に投与する他の薬学的に活性な成分が有効である。
【0069】
本発明の医薬組成物における化学式(I)の化合物またはそれらの酸付加塩もしくは塩基付加塩は、既知の要因の機能によって幅広く変化し、例えば、治療するべき神経障害痛に関連する病変の種類、痛みの度合い、患者の体重、投与形態、選択した投与経路、1日の投与回数および選択した化学式(I)の化合物の効能である。しかし、適切な量は、当業者には容易におよび日常的に規定できる。
【0070】
一般的に、本発明の医薬組成物における化学式(I)の化合物またはそれらの酸付加塩もしくは塩基付加塩は、非塩化化合物として表す、化学式(I)の化合物の0.001〜100mg/kg/日の投与濃度である。好ましくは、投与濃度は、0.05〜50mg/kg/日およびさらに好ましくは、0.1〜10mg/kg/日である。本発明の医薬組成物の投与形態は、混合、粒化、圧縮、溶解、安定化等の製剤化学でよく知られている技術に従って調製する。
【0071】
化学式(I)の化合物の慢性痛の治療における活性は、坐骨神経の結紮によって誘引される異痛によって示されるラットにおける実験モデルの方法によって規定した。
【0072】
当業者には既知であるように、上述の実験モデルは、ヒトにおいて活性であると予測される。ラットにおける坐骨神経の結紮の実験モデルは、神経障害痛に関連する多くの外傷性および病状におけるヒトにおいて観察されるものに類似した一連の反応を再生する神経障害を示す。なぜなら、坐骨神経の結紮は、痛みの知覚を制御するようにした特別な回路の活性化に関連する症状を誘起することができ、また、異痛、痛覚過敏および自発痛の発現によって特徴づけられるからである。このモデルは、ヒトにおける神経障害痛の治療において、特に異痛および痛覚過敏等の症状の制御において用いる薬剤を研究するための正当な手段を構築するものとしてよく知られている。
【0073】
上述の実験モデルにおいて説明した機能障害によって特徴づけられ、および神経障害痛の存在によって特徴づけられるヒト病態の典型的な例は、糖尿病、癌、免疫欠損、外傷、虚血、多発性硬化症、坐骨神経痛、三叉神経痛およびヘルペス後痛である。
【0074】
セロトニン受容体との結合の規定は、特にGrossman CJ. et al. (1993), Br. J. Pharmacol. 109: 618-624, Bonhaus D.W. et al. (1995), Br. J. Pharmacol. 115(4): 622-628; and Saucier C. et al. (1997), J. Neurochem. 68(5): 1998-2011で開示されているように、特異受容体を安定的に発現する組み換えヒト細胞からのまたは選択した動物組織からの精製膜上の生化学試験を用いて行った。
【0075】
当業者に既知であるように、この試験は分子間相互作用および選択的受容体への選択性の予測モデルを構成する。
【実施例】
【0076】
1.ラットにおける坐骨神経の結紮によって誘起した異痛
体重200〜250gのオスCDラットを用いた。
【0077】
異痛は、左後肢の坐骨神経の麻酔下の結紮によって誘起した[Seltzer Z, Dubner R, Shir Y. A novel behavioral model of neuropathic pain disorders produced in rats by partial sciatic nerve injury. Pain 1990; 43: 205-218; Bennet GJ, Xie YK. A peripheral mononeuropathy in rat that produces disorders of pain sensation like those seen in man. Pain 1988; 33: 87-107]。坐骨神経の結紮後少なくとも2週間は、治療介入前に記録した反応閾値の少なくとも50%の減少を示したラットを選択した。痛覚閾値は、von Frey機械を用いて測定し、ラットの左後肢の足へ圧力を徐々に加えることによって、動物が足を引く瞬間に侵害刺激反応をグラム単位で記録できる。
【0078】
処理後30分、1,2および4時間に、対照動物において測定した痛覚閾値を試験生成物(表1の化合物12a)で処理した動物において測定した値と比較した。対照動物は、試験生成物を投与するのに用いた同じ輸送体(メチルセルロース)で処理した。その結果を図1において示す。
【0079】
2.セロトニン作動性受容体への結合
セロトニン作動性受容体への結合の確証を、選択した動物組織または特異的受容体を安定的に発現する組み換えヒト細胞からの精製膜を用いて行った。
【0080】
5−HTセロトニン作動性受容体への結合は、Grossman CJ. , Kilpatrick G.J. and Bunce KT. (1993) "Development of a radioligand binding assay for 5- HT4 receptors in guinea-pig and rat brain." Br. J. Pharmacol. 109: 618- 624において開示されている標準方法を用いて行った。用いた開始材料は、テンジクネズミの綿条体のホモジネートおよび対照化合物としてのRS−23597190であった。試験化合物は、それぞれの化合物のpKi値を得るために6濃度で試験した。
【0081】
ヒト5−HT2Aセロトニン作動性受容体への結合は、Bonhaus, D.W., Bach C, De Souza A., Salazar F. H., Matsuoka B. D., Zuppan P., Chan H.W., Eglen R.M. (1995): "The pharmacology and distribution of human 5- hydroxytryptamine 2B (5-HT2B) receptor gene products: comparison with 5-HT2A and 5-HT2c receptors." Br. J. Pharmacol. 115(4): 622-628; およびSaucier C, Albert P. R. (1997): "Identification of an endogenous 5- hydroxytryptamine 2A receptor in NIH-3T3 cells: agonist-induced down- regulation involves decreases in receptor RNA and number." J. Neurochem. 68(5): 1998-2011において開示されている標準方法を介して行った。試験化合物は、それぞれの化合物のpKi値を得るために6濃度で試験した。
【0082】
本発明に従った化学式(I)の多くの化合物の5−HTおよび5−HT2A受容体に対する親和度を、pKi値で表してそれぞれ表2および3で示し、この値が大きくなると比例して受容体の化合物の親和性が高くなる。
【0083】
【表2】

【0084】
【表3】

【0085】
表2および表3のデータは、化学式(I)の示した化合物が5−HT受容体に対して高い親和性を示すが、5−HT2A受容体に対してはほとんどまたは全く親和性を示さないことを実証する。
【0086】
合成例
1a)エチル3−(2−ニトロフェニル)プロパン酸塩
無水エタノール(220mL)内の2−ニトロベンゼンアルデヒド(132mmol;20.0g)の溶液を、酢酸トリエチルホスホニウム(159mmol;35.7g;31.9mL)および無水炭酸カリウム(397mmol;54.9g)の混合物に加えた。この混合物を1時間30分激しく撹拌しながら還流した。冷却後、エタノールを減圧下で除去し、水(500mL)を加えてその結果できた溶液を酢酸エチル(3×300mL)で抽出した。混合した有機相を飽和NaCl溶液(3×300mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し減圧下で蒸発させた。得られた粗生成物をアルミナのカラム上で精製し(クロロホルムで溶出)、最終生成物27.6g(94%)を生じた。
【0087】
黄色油、H NMR(CDCl,δppm):1.37(t,3H);4.31(q,2H);6.38(d,1H);7.55−7.59(m,1H);7.68(m,2H);8.04−8.14(m,2H)
【0088】
1b)エチル4−(ニトロフェニル)−1H−ピロロ−3−カルボキシル酸塩
ジメチルスルホキシドおよび無水エチルエーテル(150および300mL)の混合物内のエチル3−(2−ニトロフェニル)プロパン酸塩(120mmol;28.6g)および4−トルエンスルホニルメチルイソシアン酸塩(TosMIC)(130mmol;25.4g)の溶液を、アルゴン大気下で無水エチルエーテル(300mL)内パラフィンで60%水酸化ナトリウムの縣濁液(260mmol;10.4g)に滴下した。加えた後、混合物を室温で25分間撹拌し、次いで水(500mL)を加え、その結果できた溶液を酢酸エチル(3×600mL)で抽出した。混合した有機相を飽和NaCl溶液(3×300mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し減圧下で蒸発させた。得られた粗生成物をアルミナのカラム上で精製し(1/1クロロホルム/酢酸エチル混合物で溶出)、以下の特性を有する最終生成物12.8g(41%)を生じた。
【0089】
黄色固体、融点159〜161℃(結晶化溶媒:エタノール)
H NMR(CDCl,δppm):2.51(m,3H);4.01(q,2H);6.51(m,1H);7.31−7.33(m,2H);7.39−7.53(m,1H);7.92−7.94(m,1H);12.0(s,1H)
【0090】
1c)2H−ピロロ[3,4]キノリン−4(5H)−オン
サーモスタットで85℃に維持した氷酢酸(100mL)内の実施例1bで調製した化合物(7.7mmol;2.0g)の溶液に、15分以上かけて鉄粉(120mmol;6.7g)を加えた。混合物をこの温度で45分間撹拌し続けた。冷却後、鉄を濾過によって除去し、テトラヒドロフランを用いて数回洗浄し、濾液を減圧したで蒸発させた。粗生成物をアルミナのカラム上でクロマトグラフ測定し(酢酸エチルで溶出)、以下の特性を有する最終生成物1.05g(74%)を生じた:
【0091】
赤色固体、280℃で昇華する(エタノール)
H NMR(DMSO−d6,δppm):7.05−7.28(m,3H);7.57−7.63(m,2H);7.84−7.88(m,1H);10.7(s,1H);12.1(s,1H)
【0092】
1d)2−メチル−2H−ピロロ[3,4−c]キノリン−4(5H)−オン
無水N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)内の実施例1cで調製した生成物(11.0mmol,2.0g)の溶液に、無水炭酸カリウム(11.0mmol;1.5g)およびヨウ化メチル(11.0mmol;1.54g;0.68mL)を加えた。混合物をサーモスタットで90℃に維持し、一晩撹拌した。冷却後、反応混合物を水(30mL)で処理し濾過した。固体を赤外線ランプ下で乾燥させ、シリカカラム上でクロマトグラフ測定し(10/1クロロホルム/メタノール混合物で溶出)以下の特性を有する純生成物0.96g(45%)を生じた;
【0093】
赤色固体、225℃で昇華(トルエン)
H NMR(DMSO−d6,δppm):3.91(s,3H);7.09−7.25(m,3H);7.58−7.81(m,3H);10.73(s,1H)。
【0094】
1e)4−クロロ−2−メチル−2H−ピロロ[3,4−c]キノリン
(化学式IVの化合物:R1=CH;R2=H)
実施例1dで調製した生成物(5.0mmol;1.0g)、オキシ塩化リン(16.2mL)およびトリエチルアミン(1.2mL)の混合物を120℃で6時間維持した。冷却後、反応混合物を氷上に慎重に注ぎ、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。混合した有機相を飽和NaCl溶液(1×50mL)、飽和重炭酸ナトリウム(3×50mL)で洗浄し、再び飽和NaCl溶液(3×50mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させた。得られた粗生成物をシリカカラム上で精製し(1/1n−ヘキサン/酢酸エチル混合物で溶出)、以下の特性を有する最終生成物1.0g(92%)を生じた。
【0095】
黄色固体、融点123〜124℃(ベンゼン)
H NMR(DMSO−Cl6,δppm):4.09(s,3H);7.51−7.58(m,2H);7.76(m,1H);7.82−7.85(m,1H);7.97(m,1H);8.15−8.17(m,1H)
【0096】
1f)1−イソプロピル−2H−ピロロ[3,4−c]キノリン−4(5H)−オン
ジオキサン(150mL)内の実施例1cで調製した生成物(16.3mmol;3.0g)の溶液に、金属カリウム(14.8mmol;580mg)を加えて還流し、混合物を全金属が見えなくなるまで還流して撹拌した(約2時間)。冷却後、2−ヨードプロパノール(16.3mmol;2.77g)および18−クラウン−6エーテル(14.8mmol;3.92g)を加えて、混合物を5時間30分還流した。さらに、2−ヨードプロパノール(8.1mmol;1.38g)を加えて、反応混合物をさらに15時間還流で撹拌した。冷却後、ジオキサンを減圧下で除去し、残余物を酢酸エチル(100mL)で溶解し、飽和NaCl溶液(3×50mL)で洗浄した。有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去し、粗生成物を得て、アルミナカラム上でクロマトグラフ測定した(酢酸エチル混合物で溶出)。以下の特性を有する生成物0.9g(24%)を得た:
【0097】
白色固体、融点189〜190℃(トルエン)
H NMR(DMSO−d6,δppm):1.48(d,6H);4.52(m,1H);7.02−7.20(m,3H);7.63−7.70(m,2H);7.77(m,1H);10.62(s,1H)
【0098】
1g)4−クロロ−2−イソプロピル−2H−ピロロ[3,4−c]キノリン
(化学式IVの化合物:R1=CH(CH;R2=H)
実施例1fで調製した生成物(4.4mmol;1.0g)、オキシ塩化リン(14.3mL)およびトリエチルアミン(1.1mL)の混合物を120℃で25分間維持した。冷却後、反応混合物を氷上に慎重に注ぎ、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。有機相を混合させ、飽和NaCl溶液(1×50mL)、飽和重炭酸ナトリウム(3×50mL)で洗浄し、再び飽和NaCl溶液(3×50mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させた。得られた粗生成物をシリカカラム上で精製し(クロロホルムで溶出)、以下の特性を有する最終生成物0.9g(91%)を生じた。
【0099】
黄色固体、融点70〜72℃(シクロヘキサン)
H NMR(CDCl,δppm):1.64(d,6H);4.59(m,1H);7.46−7.49(m,3H);7.55(m,1H);7.93−7.98(m,2H)。
【0100】
2a)1−ブチル−4−ピペリジンメタノール
(化学式Vの化合物:R3=CHCHCH
無水エタノール(63mL)内のイソニペコチン酸エチル(31.8mmol;5.0g)、無水炭酸カリウム(63.6mmol;8.8g)および1−ブロモブタン(31.8mmol;4.36g)の混合物を3時間還流で撹拌した。冷却後、炭酸塩を濾過によって除去し、濾液を減圧下で蒸発させた。7.68gのイソニペコチン酸エチル4−ブチルを油の形で得て、さらなる精製なしに以下の反応に用いた。この生成物を無水エチルエーテル(32mL)で溶解し、0℃まで冷却した同じ溶媒(20mL)内で水酸化リチウムアルミニウム(41.3mmol;1.57g)の縣濁液に滴下して加えた。反応混合物を室温で15時間撹拌した。0℃まで冷却後、氷を慎重に加え、これによって形成した水酸化物を濾過によって除去した。二相に分離した後、エーテル相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させて、透明油としての最終化合物5.1g(94%)を生じた。
【0101】
H NMR(CDCl,δppm):0.89(t,3H);1.26−1.32(m,4H);1.44−1.51(m,3H);1.72(d,2H);1.89−1.95(m,2H);2.29−2.33(m,3H);2.94−2.97(m,2H);3.46(d,2H)
【0102】
2b)エチル−4−(2−フェニルエチル)イソニペコチン酸塩
無水N,N−−ジメチルホルムアミド(100mL)内でエチルイソニペコチン酸塩(64mmol;10.0g)、無水炭酸カリウム(192mmol;26.5g)および臭化フェニルエチル(77mmol;14.25g)の混合物を70℃で5時間30分撹拌した。冷却後、反応混合物を水(300mL)で希釈し、酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。混合した有機相を飽和NaCl(3×50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させた。得られた粗生成物をアルミナカラム上で精製し(2/1n−ヘキサン/酢酸エチルで溶出)、黄色油の純生成物14.0g(84%)を生じた。
【0103】
H NMR(CDCl,δppm):1.22−1.27(t,3H);1.75−1.85(m,2H);1.92−1.96(m,1H);2.09−2.14(t,2H);2.26−2.33(m,1H);2.57−2.61(m,2H);2.79−2.83(m,2H);2.95−2.98(m,2H);4.10−4.16(q,2H)
【0104】
2c)1−(2−フェニルエチル)−4−ピペリジンメタノール
(化学式Vの化合物:R3=CHPh)
無水THF(40mL)内の水酸化リチウムアルミニウム(70mmol;2.66g)縣濁液に、0℃で同じ溶媒(130mL)内のエチル4−(2−フェニルエチル)イソニペコチン酸塩(54mmol;14.0g)溶液を滴下して加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌した。0℃に冷却後、氷を慎重に加え、こうして形成した水酸化物を濾過によって除去した。減圧下でTHFを除去後、水相を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。混合した有機相を飽和NaCl(3×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させた。得られた粗生成物をアルミナカラム上で精製し(酢酸エチルで溶出)、以下の特性を有する純生成物7.9g(67%)を生じた:
【0105】
黄色固体、融点89〜90℃(シクロヘキサン)
H NMR(CDCl,δppm):1.25−1.43(m,2H);1.50−1.58(m,2H);1.76−1.79(m,2H);2.03−2.09(m,2H);2.59−2.64(m,2H);2.82−2.87(m,2H);3.05−3.08(m,2H);3.52(m,2H);7.18−7.31(m,5H)
【0106】
2d)4−ピペリジンメタノール
無水THF(5mL)内の水酸化リチウムアルミニウム(8.3mmol;310mg)縣濁液に、0℃で無水THF(5mL)内のイソニペコチン酸エチル(6.4mmol;1.0g)溶液を滴下して加えた。反応混合物を室温で35分間撹拌した。0℃に冷却後、水性エタノール(95%)を慎重に加え、こうして形成した水酸化物を濾過によって除去した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させ、油の純生成物1.34g(100%)を生じた。
【0107】
H NMR(DMSO−d6,δppm):1.09−1.18(m,2H);1.50(m,1H);1.66−1.69(m,2H);2.53−2.61(m,3H);3.05−3.08(m,2H);3.25(d,2H);4.60(s,1H)
【0108】
2e)N−フェニル−2−(4−ヒドロキシメチルピペリド−1−イル)アセトアミド
(化学式Vの化合物:R3=CONHPh)
無水N,N−−ジメチルホルムアミド(15mL)内の4−ピペリジンメタノール(9.65mmol;1.15g)溶液に、2−クロロ−N−フェニルアセトアミド(11.6mmol;1.97g)および無水炭酸カリウム(29mmol;4.0g)を加えた。混合物を70℃で2時間30分撹拌した。冷却後、反応混合物を水(15mL)で希釈し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。混合した有機相を飽和NaClで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させた。残余物をシリカカラム上でクロマトグラフ測定し(1/1クロロホルム/酢酸エチルで溶出)、以下の特性を有する純生成物420mg(27%)を生じた:
【0109】
白色固体、融点93〜95℃(ベンゼン)
H NMR(CDCl,δppm):1.34−1.38(m,2H);1.58(m,1H);1.81(m,2H);2.10(m,1H);2.24−2.28(m,2H);2.93−2.96(m,2H);3.12(s,2H);3.54(d,2H)
【0110】
2f)エチル−4−ベンジルイソニペコチン酸塩
無水N,N−ジメチルホルムアミド(100mL)内のエチルイソニペコチン酸塩(65mmol;10.2g)、無水炭酸カリウム(195mmol;26.9g)および臭化ベンジル(78mmol;13.36g)の混合物を70℃で18時間撹拌した。冷却後、反応混合物を水(300mL)で希釈し、酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。混合した有機相を飽和NaCl(3×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させた。得られた粗生成物をアルミナカラム上で精製し(クロロホルムで溶出)、黄色油の純生成物13.84g(86%)を生じた。
【0111】
H NMR(CDCl,δppm):1.28−1.32(t,3H);1.81(m,4H);2.07−2.12(m,2H);2.34(m,1H);2.91(m,2H);3.55(m,2H);4.15−4,21(m,2H);7.31−7.38(m,5H)
【0112】
2g)(1−ベンジル−4−ピペリジル)メタノール(化学式VIの化合物)
無水THF(40mL)内の水酸化リチウムアルミニウム(72mmol;2.7g)の溶液に、℃で同じ溶媒(130mL)内の4−ベンジルイソニペコチン酸塩(55mmol;13.7g)を滴下して加えた。反応混合物を室温で20分間撹拌した。0℃に冷却後、氷を慎重に加え、こうして形成した水酸化物を濾過によって除去した。減圧下でTHFを除去後、水相を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。混合した有機相を飽和NaCl(3×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させた。得られた粗生成物をアルミナカラム上で精製し(酢酸エチルで溶出)、油の純生成物10.25g(90.5%)を生じた。
【0113】
H NMR(CDCl,δppm):1.29−1.39(m,2H);1.53−1.56(m,1H);1.74−1.78(m,2H);1.86(s,1H);1.99−2.05(m,2H);2.94−2.98(m,2H);3.52−3.56(m,4H);7.30−7.38(m,5H)
【0114】
3)4−[(1−ブチルピペリド−4−イル)メチルオキシ]−2−メチル−2H−ピロロ[3,4−c]キノリン
(化学式Iの化合物:R1=CH;R2=H;R3=CHCHCH
無水N,N−ジメチルホルムアミド(14mL)内のパラフィン内60%NaH(6.72mmol;270mg)の縣濁液に、無水N,N−ジメチルホルムアミド(14mL)内の溶解した(1−ブチル−4−ピペリジル)メタノール(6.72mmol;1.14g)を加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌した。こうして形成したアルコキシドを予め146℃に加熱した無水N,N−ジメチルホルムアミド(14mL)内の実施例1eで調製した生成物(1.92mmol;470mg)の溶液に滴下して加えた。反応混合物を146℃で1時間10分撹拌した。冷却後、混合物を氷上に注ぎ、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。混合した有機相を飽和NaCl(3×20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させた。残余物をアルミナカラムのクロマトグラフ測定し(クロロホルムで溶出)、以下の特性を有する純生成物520mg(71%)を生じた:
【0115】
固体、融点83〜85℃(ベンゼン/シクロヘキサン)
H NMR(CDCl,δppm):0.97(t,3H);1.35−1.59(m,6H);1.90−2.07(m,5H);2.37(m,2H);3.03(m,2H);3.99(s,3H);4.49(d,2H);7.28−7.49(m,4H);7.75(m,1H);7.88(m,1H)
【0116】
4)4−{[1−(2−フェニル)エチレンピペリジン−4−イル]メトキシ}−2−メチル−2H−ピロロ[3,4−c]キノリン
(化学式Iの化合物:R1=CH;R2=H;R3=CHPh)
無水N,N−ジメチルホルムアミド(16mL)内のパラフィン内60%NaH(8.05mmol;320mg)の縣濁液に、無水N,N−ジメチルホルムアミド(16mL)内の1−(2−フェニルエチル)−4−ピペリジンメタノール(8.05mmol;1.77g)を加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌した。こうして形成したアルコキシドを予め146℃に加熱した無水N,N−ジメチルホルムアミド(16mL)内の実施例1eで調製した生成物(2.3mmol;500mg)の溶液に滴下して加えた。反応混合物を146℃で7時間30分撹拌した。冷却後、混合物を氷上に注ぎ、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。混合した有機相を飽和NaCl(3×20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させた。残余物をアルミナカラム上でクロマトグラフ測定し(4/1n−ヘキサン/酢酸エチルで溶出)、以下の特性を有する純生成物620mg(68%)を生じた:
【0117】
固体、融点90〜92℃(ベンゼン/シクロヘキサン)
H NMR(CDCl,δppm):1.67(m,2H);1.94−1.97(m,3H);2.17(m,2H);2.69(m,2H);2.90(m,2H);3.15(m,2H);3.98(s,3H);4.49(d,2H);7.20−7.42(m,9H);7.74(m,1H);7.88(m,1H)
【0118】
5)4−{[1−(2−フェニル)エチレンピペリド−4−イル]メトキシ}−2−イソプロピル−2H−ピロロ[3,4−c]キノリン
(化学式Iの化合物:R1=CH(CH;R2=H;R3=CHPh)
無水N,N−ジメチルホルムアミド(15mL)内のパラフィン内60%NaH(7.7mmol;310mg)の縣濁液に、無水N,N−ジメチルホルムアミド(15mL)における1−(2−フェニルエチル)−4−ピペリジンメタノール(7.7mmol;1.69g)を滴下して加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌した。こうして形成したアルコキシドを予め146℃に加熱した無水N,N−ジメチルホルムアミド(15mL)内の実施例1gで調製した生成物(2.2mmol;540mg)の溶液に滴下して加えた。反応混合物を146℃で1時間撹拌した。冷却後、混合物を氷上に注ぎ、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。混合した有機相を飽和NaCl(3×20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させた。残余物をアルミナカラムでクロマトグラフ測定し(4/1n−ヘキサン/酢酸エチル混合物で溶出)、以下の特性を有する純生成物680mg(73%)を生じた:
【0119】
固体、融点90〜93℃(n−ヘキサン)
H NMR(CDCl,δppm):1.61−1.66(m,8H);1.94(m,3H);2.12(m,2H);2.65(m,2H);2.86(m,2H);3.12(m,2H);4.49(d,2H);4.54(m,1H);7.21−7.45(m,9H);7.74(m,1H);7.90(m,1H)
【0120】
5a)4−{[1−(2−フェニル)エチレンピペリド−4−イル]メトキシ}−2−イソプロピル−2H−ピロロ[3,4−c]キノリン塩酸塩
(化学式Iの化合物:R1=CH(CH;R2=H;R3=CHPh)
塩酸メタノールの溶液は、塩化アセチル(2.67mmol;200mg)を氷浴で冷却した10mLのメタノールに滴下して加えることによって調製した。この溶液を数分間穏やかに撹拌し、その後、メタノール(5mL)における実施例5において調製した生成物(2.34mmol;1.0g)の溶液に滴下して加えた。添加が完了したら、混合物を0℃で45分間撹拌し、その後、塩が観察されるまで無水エチルエーテル(約200mL)を加えた。得られた塩を濾過し、無水エチルエーテル(3×2mL)で洗浄し、真空、45℃で6時間乾燥させた。以下の特性を有する純生成物630mg(58%)を得た:
【0121】
固体、融点138〜140℃(イソプロピルエーテル/イソプロパノール)
H NMR(DMSO−d6,δppm):1.57(d,J=6.59Hz,6H);1.79−2.29(m,5H);2.86−3.47(m,6H);3.63(d,J=11.71Hz,2H);4.55(d,J=4.03Hz,2H);4.68(septet,J=6.59Hz;1H);7.20−7.48(m,7H);7.80(bs,1H);7.95−8.16(m,3H);10.93(bs,1H)
【0122】
6)N−フェニル−2−{4−[2−メチル−2H−ピロロ[3,4−c]キノリン−4−イルオキシ−メチル]ピペリド−1−イル}アセトアミド
(化学式Iの化合物:R1=CH;R2=H;R3=CONHPh)
無水N,N−ジメチルホルムアミド(60mL)内のパラフィン内60%NaH(30.8mmol;1.23g)の縣濁液に、無水N,N−ジメチルホルムアミド(60mL)におけるN−フェニル−2−(4−ヒドロキシメチルピペリド−1−イル)アセトアミド(30.8mmol;7.65g)を滴下して加えた。混合物を室温で10分間撹拌した。こうして形成したアルコキシドを予め146℃に加熱した無水N,N−ジメチルホルムアミド(60mL)内の実施例1eで調製した生成物(8.8mmol;1.9g)の溶液に滴下して加えた。反応混合物を146℃で3時間30分撹拌した。冷却後、混合物を氷上に注ぎ、酢酸エチル(3×150mL)で抽出した。混合した有機相を飽和NaCl(3×100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させた。残余物をアルミナカラムでクロマトグラフ測定し(2/1n−ヘキサン/酢酸エチル混合物で溶出)、油の純生成物2.9g(77%)を生じた。
【0123】
H NMR(CDCl,δppm):1.65(m,2H);2.04(m,3H);2.45(m,2H);3.10(m,2H);3.26(s,2H);4.03(s,3H);4.56(d,2H);7.17(t,J=7.6Hz,1H);7.33−7.48(m,6H);7.66(d,J=7.6Hz;2H);7.80(m,1H);7.95(m,1H)
【0124】
6a)N−フェニル−2−{4−[2−メチル−2H−ピロロ[3,4−c]キノリン−4−イルオキシ−メチル]ピペリド−−1−イル}アセトアミド塩酸塩
塩酸メタノールの溶液は、塩化アセチル(1.32mmol;100mg)を氷浴で冷却した5mLのメタノールに滴下して加えることによって調製した。反応混合物を数分間穏やかに撹拌し、その後、メタノール(3.5mL)内の実施例6で調製したアミン(1.2mmol;500mg)の溶液に滴下して加えた。添加が完了したら、混合物を0℃で45分間撹拌し、その後、塩の沈殿が観察されるまで無水エチルエーテル(約100mL)を加えた。室温で一晩粉末にし、得られた塩を濾過し、無水エチルエーテル(3×2mL)で洗浄し、真空、45℃で2日間乾燥させた。以下の特性を有する純生成物420mg(75%)を得た:
【0125】
固体、融点163〜165℃(メタノール)
H NMR(DMSO−d6,δppm):1.66−2.41(m,5H);3.10−3.32(m,2H);3.63(d,J=11.39Hz;2H);4.01(s,3H);4.19(d,J=3.80Hz;2H);4.53(d,J=5.61Hz;2H);7.12(t,J=7.35Hz;1H);7.28−7.50(m,4H);7.59−7.93(m,5H);8.03(dd,J=7.43;1.65Hz;1H);10.14(bs,1H);11.02(s,1H)
【0126】
7)4−[(1−ベンジルピペリド−4−イル)メトキシ−2H−ピロロ[3,4−c]キノリン
(化学式VIIの化合物:R1=CH;R2=H)
(化学式Iの化合物:R1=CH;R2=H,R3=Ph)
無水N,N−ジメチルホルムアミド(32mL)におけるパラフィン内60%NaH(16.1mmol;650mg)の縣濁液に、無水N,N−ジメチルホルムアミド(32mL)内の1−(ベンジル−4−ピペリジル)メタノール(16.1mmol;3.32g)を滴下して加えた。混合物を室温で10分間撹拌した。こうして形成したアルコキシドを146℃に加熱した無水N,N−ジメチルホルムアミド(32mL)内の実施例1eでて調製した生成物(4.6mmol;1.0g)の溶液に滴下して加えた。反応混合物をこの温度で1時間30分撹拌した。冷却後、混合物を氷上に注ぎ、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。混合した有機相を飽和NaCl(3×50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させた。残余物をアルミナカラムでクロマトグラフ測定し(1/1クロロホルム/石油エーテル混合物で溶出)、油の純生成物1.45g(81.5%)を生じた。
【0127】
H NMR(CDCl,δppm):1.58−1.59(m,2H);1.91−2.11(m,5H);2.94−3.02(m,2H);3.59(s,2H);4.02(s,3H);4.50(d,2H);7.31−7.39(m,4H);7.77(m,1H);7.92(2m,2H)
【0128】
8)4−[(1−ベンジルピペリド−4−イル)メチルオキシ−2H−ピロロ[3,4−c]キノリン
(化学式IIの化合物:R1=CH;R2=H)
メタノール(150mL)内の実施例7(35mmol;1.34g)で調製した生成物の溶液に、10%パラジウム炭(200mg)を加えた。混合物をH大気下室温および大気圧で4日間撹拌し、H流れを3時間ごとに通し、10%パラジウム炭(200mg)を24時間ごとに加えた。濾紙上のパラジウムを濾過した後、溶媒を減圧下で除去し、残余物を得て、アルミナカラムでクロマトグラフ測定した(2/1クロロホルム/メタノール混合物で溶出)。こうして油の純生成物410mg(40%)を得た。
【0129】
H NMR(CDCl,δppm):1.47−1.57(m,2H);1.91−2.29(m,5H);3.11−3.28(m,2H);4.03(s,3H);4.46−4.51(d,2H);7.30−7.47(m,4H);7.78(m,1H);7.94(m,1H)
【0130】
8a)エチル−4−(2−クロロエチル)ベンゼンカルボキシル酸塩
無水エタノール(57mL)内の4−(2−クロロエチル)ベンゼンカルボキシル酸(52.5mmol;9.7g)の縣濁液に、濃縮硫酸(3.0mL)を加えた。混合物を2時間30分還流して撹拌した。冷却後、エタノールを減圧下で除去し、粗生成物をクロロホルム(200mL)で溶解させた。有機相を1N NaOH(100mL)で最初に洗浄し、その後飽和NaCl溶液(3×100mL)で洗浄した。無水硫酸ナトリウム上で乾燥後、溶媒を減圧下で除去し、淡黄油の純生成物12.0g(100%)を得た。
【0131】
H NMR(CDCl,δppm):1.42(t,3H);2.74(t,2H);3.34(t,2H);4.39(q,2H);7.55(m,2H);8.04(m,2H)
【0132】
8b)4−(2−ブロモエチル)ベンゼンアミド
酢酸エチル(200mL)内の4−ニトロ−1−(2−ブロモエチル)ベンゼン(13mmol;3.0g)の溶液に10%パラジウム炭(500mg)を加えた。その結果できた縣濁液をH大気下70psiのParr水素、室温で4日間放置した。この終わりに、縣濁液を濾紙に通して濾過した後、溶媒を減圧下で除去し、油のアミン2.81g(46.8%)を得て、さらなる精製なしに以下の反応に用いた。
【0133】
8c)N−[4−(2−ブロモエチル)フェニル]アセトアミド
30分間氷浴に放置し、ピリジン(1.2mL)および無水酢酸(1.27g;12.4mmol)内の実施例8bで調製した4−(2−ブロモエチル)ベンゼンアミン(1.0g;5mmol)の縣濁液に、1N HClを加えた。混合物を酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。混合した有機相を飽和NaCl溶液(3×300mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥後、溶媒を減圧下で蒸発させた。得られた粗生成物をシリカカラム上で精製し(酢酸エチルで溶出)、生成物620mg(51%)を得た。
【0134】
固体、融点135−136℃(ベンゼン)
H NMR(CDCl,δppm):2.25(s,3H);3.19(t,2H);3.59(t,2H);7.22(d,2H);7.50(d,2H)
【0135】
8d)4’−(2−ブロモエチル)メタンスルホンアニリド
無水THF(25mL)内の4−アミノフェニルエチル臭化物(5mmol;1.0g)の溶液に、トリエチルアミン(6.6mmol;0.744g;0.81mL)を加えた。混合物を45分間室温で撹拌し、その後水で希釈し、1N HClで酸性pHまで酸化し、酢酸エチルで抽出した。混合した有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、黄色油の粗生成物1.18gを生じた。粗生成物をアルミナカラムでクロマトグラフ測定し(1/1酢酸エチル/クロロホルム混合物)、以下の特性を有する生成物580mg(41%)を生じた:
【0136】
固体、融点115〜116℃(トルエン/ヘキサン)
H NMR(CDCl,δppm):3.07(s,3H);3.21(t,2H);3.61(t,2H);6.40(s,1H);7.25−7.29(m,4H)
【0137】
8e)4−(2−ブロモエチル)ベンジルアルコール
0℃まで冷却した無水THF(5.0mL)内のLiAlH(4.5mmol;0.172g)の縣濁液に、無水THF(10.0mL)内のメチル4−(2−ブロモエチル)ベンゼンカルボキシル酸塩(1.0g;4.1mmol)の溶液を滴下して加えた。反応混合物を室温で5分間撹拌し、氷を加えた後、ブフナー漏斗を通して濾過した。溶媒を減圧下で除去し、残余物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。混合した有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で除去した。油の純生成物800mg(82.6%)を得た。
【0138】
H NMR(CDCl,δppm):3.22(t,2H);3.62(t,2H);4.72(s,2H);7.25−7.39(m,4H)
【0139】
8f)4−(メトキシメチル)フェニルエチル臭化物
0℃に冷却したTHF(20mL)内のパラフィン内60%NaH(13.9mmol;0.56g)の縣濁液に、氷浴においてTHF(20mL)内の4−(2−ブロモエチル)ベンジルアルコール(9.25mmol;1.99g)の溶液を最初に滴下して加え、その後ヨードメタン(13.9mmol;1.972g;0.86mL)を加えた。混合物を室温で1時間30分撹拌し、その後水に注いで酢酸エチルで抽出した。混合した有機相を飽和NaCl溶液(3×20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した。残余物を酢酸エチルで溶出してアルミナカラムでクロマトグラフ測定し、油の生成物1.38g(65%)を生じた:
【0140】
H NMR(CDCl,δppm):3.24(t,2H);3.44(s,2H);3.64(t,2H);4.50(s,3H);7.25−7.47(m,4H)
【0141】
8g)イソクロマン−1−オン
室温で撹拌したジクロロメタン(465mL)内のイソクロマン(5.0g;37.3mmol)の溶液に、15分かけて、1:3の比の過マンガン酸カリウムおよび二酸化マグネシウムの均一な混合物(74.60g)を加えた。得られた縣濁液を18時間室温で放置した。縣濁液をブフナー漏斗に通して濾過した。溶媒を減圧下で蒸発させ、粗生成物4.42g(80%)を生じ、さらなる精製なしに以下の反応に用いた。
【0142】
8h)メチル−2−(2−クロロエチル)ベンゼンカルボキシル酸塩
実施例8gで調製したイソクロマン−1−オン(3.0g;20.2mmol)およびPCl(20.4mmol)の混合物を150℃に30分間サーモスタットで維持した。こうして得られたPOClを蒸発させ、メタノール(15mL)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。溶媒を蒸発させて、粗生成物を生じ、1/3酢酸エチル/n−ヘキサン混合物で溶出してシリカカラムでクロマトグラフ測定した。こうして油の純生成物2.16g(54%)を得た。
【0143】
H NMR(CDCl,δppm):3.23(t,2H);3.71(t,2H);3.95(s,3H);7.32−7.35(m,2H);8.04−8.06(m,2H)
【0144】
8i)4−(2−ブロモエチル)ベンゼンスルホニル塩化物
0℃で放置したクロロホルム16mL内の2−ブロモエチルベンゼン(10.0g;54mmol)の溶液に、クロロホルム11mL内のクロロスルホン酸(162mmol;18.87g;10.82mL)の溶液を滴下して加えた。15分間0℃で放置した後、反応を室温で3時間維持した。反応混合物を氷上に注ぎ、水相をクロロホルムで抽出した。混合した有機相を飽和塩化ナトリウムで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を蒸発させて、粗生成物12.34gを生じ、クロロホルムで溶出してシリカカラムでクロマトグラフ測定した(76%)。得られた生成物をさらなる精製なしに以下の反応に用いた。
【0145】
8j)4−(2−ブロモエチル)ベンゼンスルホンアミド
0℃まで冷却したTHF(1.76mL;15.2mmol)内の実施例8iで調製した4−クロロスルホニル−1−(2−ブロモエチル)ベンゼン(4.0g;15.2mmol)の溶液に、水酸化アンモニウム(1.51g;30.4mmol)の溶液を加えた。反応を素早く行った。反応混合物を水で希釈して、グーチ濾過器を通して濾過し、粗生成物7.0gを生じ、それを溶出液としてクロロホルムを用いてシリカカラム上でクロマトグラフによって精製した。こうして以下の特性を有する生成物570mg(18%収率)を得た:
【0146】
白色固体、融点115〜116℃(エタノール)
H NMR(CDCl,δppm):3.24(t,2H);3.58(t,2H);7.37(d,2H);7.91(d,2H)
【0147】
9)4−{[1−(2−(4−モルホリニル)エチル)ピペリド−4−イル]メチルオキシ}−2−メチル−2H−ピロロ[3,4−c]キノリン
(化学式Iの化合物:R1=CH;R2=H;R3=CH−N−モルホリン)
無水エタノール(12mL)内の実施例8で調製した生成物(1.3mmol;380mg)の溶液に、4−(2−クロロエチル)モルホリン塩化水素(1.3mmol;240mg)および重炭酸ナトリウム(3.64mmol;310mg)を加えた。反応混合物を3時間15分還流で撹拌した。冷却後、溶媒を減圧下で除去した。残余物を水(50mL)に溶解し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。混合した有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させ、油の生成物480mg(90%)を生じた。
【0148】
H NMR(CDCl,δppm):1.61(m,2H);1.89−1.97(m,3H);2.13(m,2H);2.56(m,4H);2.63(m,4H);3.09(m,2H);3.78(m,4H);4.03(s,3H);4.49(d,2H);7.32−7.46(m,4H);7.78(m,1H);7.93(m,1H)
【0149】
9a)4−{[1−(2−(4−モルホリニル)エチル)ピペリド−4−イル]メチルオキシ}−2−メチル−2H−ピロロ[3,4−c]キノリン塩化水素
塩酸メタノールの溶液は、塩化アセチル(1.68mmol;120mg)を氷浴で冷却したメタノール3.2mLに滴下して加えることによって調製した。混合物を数分間穏やかに撹拌し、その後、メタノール(4.2mL)内の実施例9で調製したアミン(0.76mmol;310mg)の溶液を加えた。添加が完了したら、混合物を0℃で45分間撹拌し、その後、溶媒の沈殿物が観察されるまで無水エチルエーテル(約65mL)を加えた。2日間粉末にした後、得られた塩を濾過し、石油エーテル(3×2mL)で洗浄し、真空下45℃で1日乾燥させた。以下の特性を有する純生成物150mg(41%)を得た:
【0150】
黄色固体、融点190〜192℃(イソプロピルエーテル/イソプロパノール)
H NMR(DMSO−d6,δppm):1.71−2.01(m,2H);2.16−2.48(m,3H);2.94−3.14(m,4H);3.19−3.39(m,4H);3.57(t,J=7.31Hz;2H);3.81(d,J=5.70Hz;2H);3.97(t,J=4.38Hz;3H);4.01(s,3H);4.42(d,J=5.70Hz;2H);7.42(d,J=1.75Hz,1H);7.45−7.58(m,4H);7.61(s,1H);7.78(d,J=7.75Hz;1H)
【0151】
10)4−[(1−(4−ニトロフェニルエチル)ピペリド−4−イル)メチルオキシ]−2−メチル−2H−ピロロ[3,4−c]キノリン
(化合物I:R1=CH;R2=H;R3=CH−C−(4−NO))
DMF(5mL)内の実施例8で調製した生成物(2.2mmol;0.65g)の溶液に、4−ニトロフェニルエチル臭化物(2.6mmol;0.61g)およびKCO(6.6mmol;0.91g)を加えた。混合物を70℃で2時間45分撹拌した。冷却後、水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。混合した有機相を飽和NaCl溶液(3×50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させて、粗生成物を生じ、それをシリカカラムでクロマトグラフ測定し(10/1クロロホルム/メタノール混合物)、以下の特性を有する純生成物0.62g(62%)を生じた:
【0152】
黄色固体、融点157〜159℃(トルエン/シクロヘキサン)
H NMR(CDCl,δppm):1.65(m,2H);2.00(m,3H);2.19(m,2H);2.72(t,J=8.2Hz,2H);3.02(t,J=8.2Hz,2H);3.12(m,2H);4.03(s,3H);4.53(d,2H);7.32−7.47(m,6H);7.78(m,1H);7.93(2dd,J=8.1Hz;J=1.1Hz;2H);8.20(d,J=8.7Hz;2H)
【0153】
11)4−[(1−(4−アミノフェニルエチル)ピペリド−4−イル)メチルオキシ]−2−メチル−2H−ピロロ[3,4−c]キノリン
(化学式Iの化合物:R1=CH;R2=H;R3=CH−C−(4−NH))
酢酸エチル(100mL)内の実施例10で調製した生成物(1.4mmol;0.61g)の溶液に、10%パラジウム炭(200mg)を加えた。混合物をH雰囲気下、室温および大気圧で4日間撹拌した。さらに10%パラジウム炭(100mg)を加え、混合物をH雰囲気下、室温および大気圧で19時間撹拌し、H流を3時間おきに通した。混合物を真空でMerck RP18カートリッジ上で濾過し、パラジウムを除去し、溶媒を減圧下で除去し、以下の特性を有する純生成物0.57g(99%)を生じた:
【0154】
黄色固体、融点150〜152℃(トルエン/シクロヘキサン)
H NMR(CDCl,δppm):1.69(m,2H);1.98(m,5H);2.21(m,2H);2.69(m,2H);2.87(m,2H);3.20(m,2H);3.64(bs,2H);4.04(s,3H);4.53(d,2H);6.69(d,J=8.4Hz;2H);7.07(d,J=8.4Hz;2H);7.32−7.47(m,4H);7.79(dd,J=7.7Hz,J=1.2Hz;2H);7.93(2dd,J=7.7Hz;J=1.2Hz;2H)
【0155】
11a)4−[(1−(4−アミノフェニルエチル)ピペリド−4−イル)メチルオキシ]−2−メチル−2H−ピロロ[3,4−c]キノリン塩化水素
塩酸メタノールの溶液は、塩化アセチル(1.86mmol;140mg)を氷浴で冷却したメタノール7.0mLに滴下して加えることによって調製した。混合物を数分間穏やかに撹拌し、その後、メタノール(5.6mL)内の実施例11で調製したアミン(0.84mmol;350mg)の溶液を滴下して加えた。添加が完了したら、混合物を0℃で45分間撹拌し、その後、塩の沈殿が観察されるまで無水エチルエーテル(約70mL)を加えた。3時間粉末にした後、塩を濾過し、エチルエーテル(3×2mL)で洗浄し、真空下45℃で2日間乾燥させた。以下の特性を有する純生成物390mg(95%)を得た:
【0156】
黄色固体、融点165〜167℃(イソプロピルエーテル/イソプロパノール)
H NMR(DMSO−d6,δppm):1.66−1.94(m,2H);1.96−2.29(m,3H);2.86−3.89(m,8H);4.00(s,3H);4.49(d,J=6.04Hz;2H);7.22−7.46(m,6H);7.63−7.76(m,2H);7.80(d,J=1.83Hz;1H);8.01(dd,J=7.50;1.65Hz;1H);10.00(bs,3H);10.68(bs,1H)
【0157】
12)エチル4−[2−[4−[O−(2−メチル−2H−ピロロ[3,4−c]キノリン−4−イル]−メトキシピペリド−1−イル]エチル]安息香酸塩
(化学式Iの化合物:R1=CH;R2=H;R3=CH−C−(4−COEt))
2−ブタノン(22mL)内の実施例8で調製した生成物(1.79mmol;0.53g)、実施例8aで調製したエチル4−(2−クロロエチル)ベンゼンカルボキシル酸塩(8.97mmol;1.91g)、NaI(8,97mmol;1.34g)およびトリエチルアミン(8.97mmol;0.91g;125mL)の混合物を還流で12時間撹拌した。冷却後、混合物を水(200mL)に注ぎ、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。混合した有機相を1N HCl(3×50mL)で抽出し、固体の塩化水素塩で最終的にアミンを抽出した。このようにして形成した固体および酸性相を混合して、炭酸ナトリウムと反応させてアルカリpHにし、再び酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。こうして得られた粗生成物をアルミナカラムでクロマトグラフ測定し(溶出液としてクロロホルムを用いて)、以下の特性を有する純生成物430mg(51%)を得た:
【0158】
茶色油
H NMR(CDCl,δppm):1.44(t,3H);1.65(m,2H);1.98(m,3H);2.18(m,2H);2.70(t,2H);2.97(t,2H);3.14(m,2H);4.01(s,3H);4.42(q,2H);4.52(d,2H);7.32−7.46(m,6H);7.78(dd,J=8.1Hz;J=1.1Hz;2H);7.92(dd,J=8.1Hz;J=11Hz;2H);8.02(d,J=8.4Hz;2H)
【0159】
12a)4−[2−[4−[O−(2−メチル−2H−ピロロ[3,4−c]キノリン−4−イル]−メトキシピペリド−1−イル]エチル]安息香酸
(化学式Iの化合物:R1=CH;R2=H;R3=CH−C−(4−COH))
1/1 THF/EtOH内の実施例12で調製した生成物(0.42mol;0.2g)の溶液に、1N NaOH(1.02mmol;1.0mL)を加えた。混合物を室温で17時間撹拌した。1N HClをその後加えてpH7にし、こうして形成した塩を濾過した。最終的に純生成物50mg(27%)を得た。
【0160】
固体、融点155〜156℃(エタノール)
H NMR(DMF−d7,δppm):1.53(m,2H);2.23(m,2H);2.74(m,2H);2.97(m,2H);3.17(m,2H);4.13(s,3H);4.48(d,2H);7.36(m,1H);7.43(m,1H);7.49(d,J=8.1Hz;2H);7.62(d,J=1.9Hz;2H);7.83(d,J=1.9Hz;2H);7.70(m,1H);8.08(m,1H);8.01(d,J=8.1Hz;2H)
【0161】
13)4−[{1−(4−アセトアミドフェニルエチル)ピペリド−4−イル}メチルオキシ]−2−メチル−2H−ピロロ[3,4−c]キノリン
(化学式Iの化合物:R1=CH;R2=H;R3=CH−C−(4−NHCOCH))
2−ブタノン(20mL)内の実施例8で調製した生成物(1.5mmol;440mg)の溶液に、実施例8cで調製した4’−アセトアミド−2−ブロモメチルベンゼン(380mg;1.6mmol)を加えた。混合物を1.5時間還流した。トリエチルアミン(161mg;1.6mmol)を加え、混合物を1.5時間撹拌し、その後室温まで冷却し、水で希釈して2−ブタノンで抽出した。有機相を無水NaSOで乾燥させた。最後に、溶媒を減圧下で除去し、粗生成物を生じ、それを酢酸エチルで溶出してAlカラムでクロマトグラフ測定して、以下の特性を有する生成物250mg(40%)を生じた:
【0162】
固体、融点145〜146℃(エタノール/ヘキサン)
H NMR(CDCl,δppm):1.64−1.76(m,4H);1.99−2.02(m,2H);2.23−2.24(s,3H);2.93−2.95(m,2H);2.97(m,2H);4.04(s,3H);4.53−4.54(d,2H);7.18(m,1H);7.22−7.24(m,2H);7.35(m,1H);7.39(m,3H);7.77−7.79(m,1H);7.93(dd,1H)
【0163】
14)4−[(1−(4−メタンスルホニルアミドフェニルエチル)ピペリド−4−イル)−メチルオキシ]−2−メチル−2H−ピロロ[3,4−c]キノリン
(化学式Iの化合物:R1=CH;R2=H;R3=CH−C−(4−NHSOCCH))
2−ブタノン(14mL)内の実施例8で調製した生成物(1.17mmol;345mg)の溶液に、実施例8dで調製した4−(メタンスルホニルアミド)フェニルエチル臭化物(360mg;1.29mmol)を加えた。混合物を30分間還流し、トリエチルアミン(130mg;1.29mmol;0.2mL)を加え、混合物を3時間撹拌した。混合物を室温にし、水で希釈して2−ブタノンで抽出した。有機相を無水NaSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、粗生成物を生じ、それを酢酸エチルで溶出してAlカラムでクロマトグラフ測定して、以下の特性を有する生成物330mg(38%)を生じた:
【0164】
固体、融点110〜111℃(トルエン)
H NMR(CDCl,δppm):1.31(s,1H);1.70(m,2H);1.86(m,3H);2.23−2.24(m,4H);2.67−2.69(m,2H);2.87−2.89(m,2H);3.04(s,3H);3.13−3.16(d,2H);4.04(s,3H);4.52−4.53(d,2H);7.34−7.35(m,1H);7.39(m,1H);7.44(m,1H);7.77−7.80(dd,1H);7.93(dd,1H)
【0165】
15)4−[(1−(4−ヒドロキシメチルフェニルエチル)ピペリド−4−イル)−メチルオキシ]−2−メチル−2H−ピロロ[3,4−c]キノリン
(化学式Iの化合物:R1=CH;R2=H;R3=CH−C−(4−CHOH))
2−ブタノン(33.5mL)内の実施例8で調製した生成物(3.3mmol;990mg)の溶液に、実施例8eで調製した4’−ヒドロキシメチル−2−ブロモエチルベンゼン(800mg;3.7mmol)を加えた。溶液を30分間還流し、トリエチルアミン(130mg;1.29mmol;0.2mL)を加え、混合物を2時間撹拌した。さらにエチルアミン(3.3mmol;0.33g)を加え、さらに2時間後、反応混合物を室温にし、水で希釈して2−ブタノンで抽出した。有機相を無水NaSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、粗生成物を生じ、それを酢酸エチルで溶出してAlカラムでクロマトグラフ測定した。以下の特性を有する生成物0.67g(48.5%)を得た:
【0166】
固体、融点145〜146℃(ベンゼン/シクロヘキサン)
H NMR(CDCl,δppm):1.31(s,1H);1.64(m,2H);1.84(m,3H);1.99(m,3H);2.10−2.15(m,3H);2.64−2.68(m,2H);2.87−2.92(m,2H);3.14(d,2H);4.03(s,3H);4.53(d,2H);4.72(d,2H);7.26−7.28(m,2H);7.32−7.38(m,5H);7.44(m,1H);7.78−7.80(dd,1H);7.93(dd,1H)
【0167】
16)4−[(1−(4−メトキシメチルフェニルエチル)ピペリド−4−イル)−メチルオキシ]−2−メチル−2H−ピロロ[3,4−c]キノリン
(化学式Iの化合物:R1=CH;R2=H;R3=CH−C−(4−CHOCH))
2−ブタノン(33.5mL)内の実施例8で調製した生成物(3.3mmol;990mg)の溶液に、実施例8fで調製した4’−メトキシメチル−2−ブロモエチルベンゼン(800mg;3.7mmol)を加えた。溶液を30分間還流し、トリエチルアミン(130mg;1.29mmol;0.2mL)を加え、混合物を1.5時間撹拌した。さらにエチルアミン(3.3mmol;0.33g)を加え、さらに2時間後、反応混合物を室温にし、水で希釈して2−ブタノンで抽出した。有機相を無水NaSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、粗生成物を生じ、それを酢酸エチルで溶出してAlカラムでクロマトグラフ測定した。以下の特性を有する生成物0.67g(48.5%)を得た:
【0168】
固体、融点102〜105℃(イソプロパノール/ヘキサン)
H NMR(CDCl,δppm):1.61−1.68(m,2H);1.96−1.99(m,3H);1.84(m,3H);1.99(m,3H);2.10−2.15(m,3H);2.64−2.68(m,2H);2.11−2.14(m,2H);2.64−2.68(m,2H);2.87−2.92(m,2H);3.12−3.14(d,2H);3.44(s,3H);4.03(s,3H);4.48(s,2H);4.51−4.54(d,2H);7.25(m,2H);7.32−7.34(m,4H);7.36−7.39(m,2H);7.42−7.45(dd,1H);7.78−7.80(dd,1H);7.92−7.94(dd,1H)
【0169】
17)メチル2−[2−[4−[O−(2−メチル−2H−ピロロ[3,4−c]キノリン−4−イル]−メトキシピペリド−1−イル]エチル]安息香酸塩
(化学式Iの化合物:R1=CH;R2=H;R3=CH−C−(2−COOCH))
2−ブタノン(35mL)内の実施例8で調製した生成物(3.31mmol;1.0g)、および実施例8hで調製したメチル2−(2−ブロモエチル)ベンゼンカルボキシル酸塩(3.64mmol;0.74g)の混合物を30分間還流した。トリエチルアミン(4.0mmol;0.4g;0.56mL)を加えた後、反応混合物を72時間還流で撹拌した。冷却後、反応混合物を水(50mL)で希釈し、2−ブタノン(2×50mL)で抽出した。混合した有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させた。こうして得られた粗生成物を、酢酸エチルで溶出してシリカカラムでクロマトグラフ測定し、以下の特性を有する純生成物450mg(30%)を生じた:
【0170】
黄色油
H NMR(CDCl,δppm):1.28(m,1H);1.65−1.68(m,2H);1.96−1.98(m,3H);2.26(m,2H);2.70−2.74(m,2H);3.17−3.29(m,4H);3.92(s,3H);3.99(s,3H);4.50(dd,2H);7.27−7.36(m,5H);7.39−7.48(m,2H);7.75(dd,1H);7.88−7.92(m,2H)
【0171】
17a)2−[2−[4−[O−(2−メチル−2H−ピロロ[3,4−c]キノリン−4−イル]−メトキシピペリド−1−イル]エチル]安息香酸
(化学式Iの化合物:R1=CH;R2=H;R3=CH−C−(4−COOH))
1/1 THF/EtOH内の実施例17で調製した生成物(0.74mmol;0.34g)の溶液に、1N NaOH(1.4mL)を加えた。混合物を室温で12時間撹拌し、氷酢酸を加えてpH6とした。得られた固体を濾過して、以下の特性を有する生成物(50%収率)を得た。
【0172】
固体、融点165℃(酢酸エチル)
H NMR(DMF−d7,δppm):1.30(m,2H);1.51(m,2H);1.79−1.82(m,1H);2.51(m,5H);2.87−2.92(m,2H);3.07−3.10(m,2H);3.98(s,3H);4.35(d,2H);7.23−7.37(m,5H);7.57−7.62(m,3H);7.72(d,1H);7.96(dd,1H)
【0173】
18)4−[(1−(4−スルホニルアミドフェニルエチル)ピペリド−4−イル)−メチルオキシ]−2−メチル−2H−ピロロ[3,4−c]キノリン
(化学式Iの化合物:R1=CH;R2=H;R3=CH−C−(4−SONH))
2−ブタノン(34mL)内の実施例8で調製した生成物(3.37mmol;0.99g)、および実施例8jで調製した4−スルホンアミド−1−(2−ブロモメチル)ベンゼン(3.78mmol;1.00g)の混合物を10分間還流した。トリエチルアミン(3.64mmol;0.188g;0.52mL)を加えた後、反応混合物を35分間還流で撹拌した。冷却後、反応混合物を水(50mL)で希釈し、2−ブタノン(2×50mL)で抽出した。混合した有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させた。こうして得られた粗生成物を、酢酸エチルで溶出してアルミナカラムで、その後、10/1酢酸エチル/メタノール混合物で溶出してシリカカラムでクロマトグラフ測定した。以下の特性を有する生成物140mg(11%)を得た:
【0174】
オレンジ色固体、分解して融点169℃(トルエン)
H NMR(DMSO−d6,δppm):1.18−1.36(m,2H);1.85(m,3H);2.01−2.26(m,2H);3.07(m,2H);3.71−3.92(m,2H);3.71−3.92(m,2H);3.98(s,3H);4.43(m,2H);7.27−7.36(m,2H);7.55−7.60(m,3H);7.73(m,2H);7.97(m,2H)
【0175】
製剤例
実施例1

【0176】
実施例2

【0177】
実施例3


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物であって、
【化1】

R1は、水素原子、直鎖もしくは分岐アルキル基、好ましくは1〜6個の炭素原子を含み、またはアルキルアルコキシ基、好ましくは1〜6個の炭素原子を含むものであり、
R2は、水素原子、ハロゲン原子、直鎖もしくは分岐アルキル基、好ましくは1〜3個の炭素原子を含み、または−CF、−OSOCF−,−SOCH,−SONHCHもしくは−NHSOCHであり、
R3は、(i)水素原子;(ii)直鎖または分岐アルキル基、好ましくは1〜6個の炭素原子を含むもの、;(iii)アルキルアルコキシ基、好ましくは1〜6個の炭素原子を含むもの;(iv)アリールアルキル基またはヘテロアリールアルキル基で、アルキル基は好ましくは1〜3個の炭素原子を有し、アリールまたはヘテロアリール基は1個または2個の置換基で置換し、同一または異なって、ハロゲン原子、1〜3個の炭素原子を含むアルキル基、1〜3個の炭素原子を含むアルコキシ基、1〜3個の炭素原子を含むヒドロキシアルキル基、−OH,−NR’R’’,−NO,−CF,−COR’,R’CON(R’’)−,R’SON(R’’)−およびR’R’’NSOから選択され、R’およびR’’は、同一または異なり、水素原子または1〜3個の炭素原子を含むアルキル基であり;(v)RivNCO(CH−であり、nは0〜2の整数であり、RivおよびRは、同一または異なり、水素原子、1〜3個の炭素原子を含むアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基で任意に1個または2個の置換基で置換し、同一または異なって、ハロゲン原子、1〜3個の炭素原子を含むアルキル基、1〜3個の炭素原子を含むアルコキシ基、1〜3個の炭素原子を含むヒドロキシアルキル基、−OH,−NO、−NH,−CF,−COH,−CO−C1−3アルキル、−SONHおよび−NHSO−C1−3アルキルから選択され、(vi)Cγ(CH−で、mは0〜2の整数であり、Cγは、3〜7個の炭素原子の脂環式基またはNおよびOから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を有する飽和5もしくは6員のヘテロ環基で、任意に1〜3個の炭素原子を含むアルキル基でN置換したものであり、
酸付加塩は薬学的に許容可能な有機または無機の酸であり、塩基付加塩は薬学的に許容可能な有機または無機の塩基である化合物。
【請求項2】
R1は、水素原子、直鎖もしくは分岐アルキル基、好ましくは1〜6個の炭素原子を含み、R2は、水素原子、ハロゲン原子、−CF、−OSOCF−,−SOCH,−SONHCHまたは−NHSOCHであり、R3は、(i)水素原子;(ii)直鎖または分岐アルキル基、好ましくは1〜6個の炭素原子を含み;(iii)アリールアルキル基またはヘテロアリールアルキル基で、アリールまたはヘテロアリール基は1個または2個の置換基で置換し、同一または異なって、ハロゲン原子、1〜3個の炭素原子を含むアルキル基、1〜3個の炭素原子を含むアルコキシ基、1〜3個の炭素原子を含むヒドロキシアルキル基、−OH,−NR’R’’,−NO,−COR’,R’CON(R’’)−,R’SON(R’’)−およびR’R’’NSOから選択され、R’およびR’’は、同一または異なり、水素原子または1〜3個の炭素原子を含むアルキル基であり;(iv)RivNCO(CH−は、nが0〜2の整数であり、RivおよびRが、同一または異なり、水素原子、アリール基またはヘテロアリール基であり;(v)Cγ(CH−は、mが0〜2の整数であり、Cγが、モルホリン、ピペリジン、N−メチルピペリジンおよびピロリジンを含む群から選択される飽和ヘテロ環基である請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R1は、直鎖もしくは分岐アルキル基で、好ましくは1〜6個の炭素原子を含み、R2は、水素原子、−CF、−OSOCF−,−SOCH,−SONHCHまたは−NHSOCHであり、R3は、(i)1〜6個の炭素原子を含む直鎖または分岐アルキル基;(ii)アリールアルキル基で、アリール基は、1〜3個の炭素原子を含むアルコキシ基、1〜3個の炭素原子を含むヒドロキシアルキル基、−NR’R’’,−COR’,R’CON(R’’)−,R’SON(R’’)−およびR’R’’NSOから選択される置換基で置換し、R’およびR’’は、同一または異なり、水素原子または1〜3個の炭素原子を含むアルキル基であり;(iii)RivNCO(CH−は、nが0〜2の整数であり、RivおよびRが、同一または異なり、水素原子またはアリール基であり;(iv)Cγ(CH−は、mが0〜2の整数であり、Cγが、モルホリンまたはピペリジン残基である請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
R1,R2およびR3が次の表で示す請求項1に記載の化合物。
【表1】

【請求項5】
前記請求項のいずれかに記載の、式(I)の化合物またはその酸付加もしくは塩基付加の塩の効果的な量と、少なくとも1個の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項6】
前記医薬組成物は、遊離型で示す式(I)の化合物を0.001〜100mg/kg/日の投与濃度を確保するように、式(I)の化合物またはその酸付加もしくは塩基付加の塩の量を含む請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
式(I)の化合物、
【化2】

またはその酸付加もしくは塩基付加の塩の製造方法において、R1,R2およびR3は請求項1〜4のいずれかに規定した意味であり、式(II)の化合物と、
【化3】

式(III)の化合物と
【化4】

の反応を含み、R1,R2およびR3は上述した意味であり、Xはハロゲン原子を表すことを特徴とする製造方法。
【請求項8】
前記反応は、有機または無機の塩基化合物の存在下で有機溶媒に内で実行する請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記反応は、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化セシウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウムおよびヨウ化トリメチルフェニルアンモニウムを含む群から選択される活性剤の存在下で実行する請求項7または8に記載の製造方法。
【請求項10】
式(I)の化合物、
【化5】

またはその薬学的に許容可能な酸付加もしくは塩基付加の塩の製造方法において、R1,R2およびR3は請求項1〜4のいずれか規定した意味であり、式(IV)の化合物と
【化6】

および式(V)の化合物と
【化7】

の反応を含み、R1,R2およびR3は上述した意味であることを特徴とする製造方法。
【請求項11】
前記反応は、塩基化合物の存在下で双極性非プロトン有機溶媒内で実行する請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
化学式(II)の化合物の製造方法において、
【化8】

R1,R2およびR3は請求項1〜4のいずれかに規定した意味であり、
(1)式(IV)の化合物と
【化9】

化学式(VI)の化合物と
【化10】

の間の反応で、R1およびR2は上述の意味であり、式(VII)の化合物
【化11】

を生じ、
(2)式(VII)の化合物のピペリジン窒素の脱ベンジル化反応で、式(II)の化合物を生じ、前記反応は水素化によって実行する製造方法。
【請求項13】
前記反応(1)は、ケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサンおよびアセトニトリルを含む群から選択される双極性非プロトン性有機溶媒内で、水酸化ナトリウムおよび水素化ナトリウムを含む群から選択される塩基化合物の存在下で実行し、前記反応(2)は、水素雰囲気下でパラジウム炭触媒の存在下でアルコール溶媒内で実行する請求項12に記載の製造方法。
【請求項14】
式(II)の化合物であって、
【化12】

R1は、水素原子、直鎖もしくは分岐アルキル基、好ましくは1〜6個の炭素原子を含み、またはアルキルアルコキシ基、好ましくは1〜6個の炭素原子を含み、
R2は、水素原子、ハロゲン原子、または直鎖もしくは分岐アルキル基、好ましくは1〜3個の炭素原子を含む化合物。
【請求項15】
化学式(I)の化合物、
【化13】

またはその薬学的に許容可能な酸付加もしくは塩基付加の塩であって、R1,R2およびR3は請求項1〜4のうちいずれかに規定した意味で、薬学的使用である化合物。
【請求項16】
式(I)の化合物、
【化14】

またはその薬学的に許容可能な酸付加もしくは塩基付加の塩の使用であって、R1,R2およびR3は請求項1〜4のいずれかに規定した意味で、腸運動疾患、ならびに中枢神経系、尿失禁および心不整脈の疾患を治療するための化合物の使用。
【請求項17】
化学式(I)の化合物、
【化15】

または薬学的に許容可能なそれら酸付加もしくは塩基付加の塩の使用であって、R1,R2およびR3は請求項1〜4のいずれかに規定した意味であり、慢性痛を治療するための化合物の使用。
【請求項18】
薬学的に許容可能なそれら酸付加もしくは塩基付加塩で、R1,R2およびR3は請求項1〜4のうちいずれかに規定したものであり、糖尿病、癌、免疫欠損、外傷、虚血、多発性硬化症、坐骨神経痛、三叉神経症およびヘルペス後症候群によって生じた神経障害痛を治療する医薬組成物の製造する請求項17に記載の化合物の使用。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2011−529462(P2011−529462A)
【公表日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520428(P2011−520428)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【国際出願番号】PCT/EP2009/059216
【国際公開番号】WO2010/012611
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(592160973)アジェンデ・キミケ・リウニテ・アンジェリニ・フランチェスコ・ア・チ・エレ・ア・エフェ・ソシエタ・ペル・アチオニ (36)
【氏名又は名称原語表記】AZIENDE CHIMICHE RIUNITE ANGELINI FRANCESCO A.C.R.A.F.SOCIETA PER AZIONI
【Fターム(参考)】