説明

センサチップおよび圧力センサ

【課題】検出精度を低下させることなく複数の圧力検出部からの信号に基づいて圧力媒体の圧力に応じた圧力信号を出力するセンサチップおよび圧力センサを提供する。
【解決手段】センサチップ40の処理回路43が設けられる基部41とダイアフラム24との間に介在する複数の脚部42a〜42dには、ダイアフラム側に配置されてダイアフラム24の変形に応じた信号を出力するゲージ抵抗44a〜44dと、これらのゲージ抵抗44a〜44dからの信号を処理回路43に出力するための貫通電極45a〜45dと、がそれぞれ設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力媒体の圧力に応じた圧力信号を出力するセンサチップおよび圧力センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、圧力媒体の圧力に応じた圧力信号を出力するセンサチップを備えた圧力センサとして、下記特許文献1に開示される圧力センサが知られている。この圧力センサでは、ハウジングの圧力導入孔の端部が薄肉化されることで、圧力導入孔を介して導入される被測定体の圧力に応じて変形するダイアフラムが構成されている。このダイアフラムの近傍には、ホイートストンブリッジ状の歪ゲージを有するセンサチップ(センサチップ)が低融点ガラスを介して接合されており、このセンサチップは、ダイアフラムの変形に応じた信号、すなわち、圧力導入孔を通じて導入された圧力に応じた信号を出力するように構成されている。
【0003】
特に、センサチップをサイズが一辺3.0mmの四角状で厚みが30μm以下で構成し、測定対象となる圧力が導入される圧力導入孔が形成される金属製のハウジングに直接ダイアフラムを形成することで、ダイアフラムがハウジングに一部品として形成される構造とする。このように、センサチップのサイズと厚みの関係から、センサチップの熱膨張を小さく抑えることで応力の影響を抑制しつつ、センサチップの厚みを薄くすることで応力を小さくしている。
【0004】
また、下記特許文献2に開示される圧力検出装置では、受圧用ダイアフラムの上に、(100)面を有するシリコン基板とガラス台座とからなる歪ゲージ板(センサチップ)がガラス接合等されている。この歪ゲージ板には、シリコン基板にビーム構造にした薄肉部を設けるとともに、応力に対して正の方向に抵抗値が変化する第1の拡散ゲージと、応力に対して負の方向に抵抗値が変化する第2の拡散ゲージとが<110>軸方向に形成されている。そして、受圧用ダイアフラムに圧力が印加されると、シリコン基板上には、引っ張り応力が発生し、この応力に対して、第1、第2の拡散ゲージでは、正負の方向に抵抗値が変化するため、その変化の絶対値が等しくなり、検出出力の直線性が良好になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−248232号公報
【特許文献2】特開平09−232595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記特許文献1,2に開示されるように、受圧部(ダイアフラム)の変形に応じた圧力を検出するセンサチップが当該受圧部に対して低融点ガラス等の接着剤を介して固着される構成では、センサチップと接着剤との線膨張係数の違いから熱応力が発生する場合がある。このように発生する熱応力が大きくなると、接着剤が破損してセンサチップが受圧部から剥がれてしまい、検出精度が低下するという問題があった。
【0007】
特に、ゲージ抵抗のような圧力検出部を複数有し受圧部の変形を各圧力検出部にて検出する構成では、各圧力検出部を受圧部に近づけるように所定の位置に配置する必要がある。上述のように発生する熱応力を小さくするために各圧力検出部を接着剤を介して個々に受圧部に固着する方法もあるが、圧力検出部同士の位置関係がばらついてしまい、検出精度が低下するという問題がある。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、検出精度を低下させることなく複数の圧力検出部からの信号に基づいて圧力媒体の圧力に応じた圧力信号を出力するセンサチップおよび圧力センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1のセンサチップでは、圧力媒体が作用する受圧部の変形に基づいて当該圧力媒体の圧力に応じた圧力信号を出力するセンサチップであって、前記圧力信号を出力するための出力部が設けられる基部と、前記基部と前記受圧部との間に介在する複数の脚部と、を備え、前記複数の脚部には、受圧部側に配置されて前記受圧部の変形に応じた信号を出力する圧力検出部と、この圧力検出部からの信号を前記出力部に出力するための導通部と、がそれぞれ設けられることを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載のセンサチップにおいて、前記出力部は、複数の前記圧力検出部からの信号について所定の処理を施した信号を前記圧力信号として出力するように構成されることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載のセンサチップにおいて、前記基部および前記複数の脚部は一体的に成形されることを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のセンサチップにおいて、前記圧力検出部は、ブリッジ回路を構成する拡散抵抗であることを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のセンサチップにおいて、前記導通部は、前記脚部を貫くように形成される貫通電極であることを特徴とする。
【0014】
特許請求の範囲に記載の請求項6の圧力センサは、請求項1〜5のいずれか一項に記載のセンサチップが前記脚部の受圧部側にて接着剤を介して前記受圧部に固着されることを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明は、請求項6に記載の圧力センサにおいて、前記接着剤は、低融点ガラスからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明では、出力部が設けられる基部と受圧部との間に介在する複数の脚部には、受圧部側に配置されて受圧部の変形に応じた信号を出力する圧力検出部と、この圧力検出部からの信号を出力部に出力するための導通部と、がそれぞれ設けられている。
【0017】
これにより、接着剤を介して固着される受圧部の変形を複数の圧力検出部にて検出する構成であっても、接着剤との接着面積が小さくなり、各圧力検出部を、互いの位置関係をばらつかせることなく、受圧部の近くに配置することができる。
したがって、接着剤との接着面積が小さくなることから熱応力の発生が抑制されるので、検出精度を低下させることなく複数の圧力検出部からの信号に基づいて圧力媒体の圧力に応じた圧力信号を出力することができる。
【0018】
請求項2の発明では、出力部は、複数の圧力検出部からの信号について所定の処理を施した信号を上記圧力信号として出力するように構成されるため、各圧力検出部からの信号を処理することなくそのまま出力する場合と比較して、補正や増幅等適切な処理が施された圧力信号を出力することができる。
【0019】
請求項3の発明では、基部および複数の脚部が一体的に成形されるので、基部と複数の脚部とが別体として構成される場合と比較して、各脚部にそれぞれ設けられる圧力検出部同士の相対位置精度が高まるので、これら各圧力検出部を利用した圧力検出精度を向上させることができる。
【0020】
請求項4の発明のように、圧力検出部はブリッジ回路を構成する拡散抵抗であってもよい。
【0021】
請求項5の発明では、導通部は、脚部を貫くように形成される貫通電極であるので、脚部の表面に電極等を形成する場合と比較して、当該導通部を容易に形成することができる。
【0022】
請求項6の発明では、請求項1〜5のいずれか一項に記載のセンサチップが脚部の受圧部側にて接着剤を介して受圧部に固着される。これにより、複数の圧力検出部からの信号に基づいて圧力媒体の圧力に応じた圧力信号が出力されるセンサチップを採用する場合でも、センサチップと接着剤との間に生じる熱応力に起因する圧力検出精度の低下を抑制することができる。
【0023】
請求項7の発明のように、接着剤は、低融点ガラスから構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態に係る圧力センサの構成を概略的に示す断面図である。
【図2】図1のセンサチップ近傍を拡大して示す断面図である。
【図3】センサチップを脚部側から見た下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係るセンサチップを有する圧力センサの一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る圧力センサ10の構成を概略的に示す断面図である。図2は、図1のセンサチップ40近傍を拡大して示す断面図である。図3は、各脚部42a〜44d側から見たセンサチップ40の下面図である。
【0026】
圧力センサ10は、たとえば自動車に搭載され、燃料圧力、エンジンや駆動系の潤滑用オイル圧、あるいはエアコンの冷媒圧、さらには排気ガス圧等の圧力媒体の被測定圧力を検出する圧力センサ等に適用できる。
【0027】
図1に示すように、圧力センサ10は、主に、圧力媒体の圧力に応じた圧力信号を出力可能なセンサチップ40と、このセンサチップ40が取り付けられて当該センサチップ40に圧力媒体の圧力を伝達するハウジング20と、センサチップ40からの圧力信号を取り出すための複数のリード32を有するコネクタケース30と、を備えている。
【0028】
ハウジング20は、中空状の段付き円柱部材であり、ステンレスや炭素鋼、アルミニウムなどの金属を、切削加工やプレス加工などにて成形することにより作られるものである。このハウジング20の一端側の外周面には、燃料配管等の被測定体に締結させる締結部としてネジ部21が形成されている。
【0029】
図1に示されるように、このハウジング20の一端側の端面中央には開口部22が形成されるとともに、この開口部22から他端側に延びる媒体導入通路23が形成されている。この媒体導入通路23は、被測定体から測定対象となる圧力媒体を、開口部22を介してハウジング20内すなわち圧力センサ10内へ導入するための通路である。
【0030】
また、ハウジング20の媒体導入通路23における他端側の先端位置において、ハウジング20が薄肉化されており、この薄肉化された部分によって圧力により変形可能な受圧部としてダイアフラム24が構成されている。そして、圧力媒体の圧力が開口部22から媒体導入通路23を通じてダイアフラム24に伝えられるようになっている。
【0031】
このように、本実施形態では、ハウジング20は、媒体導入通路23を中空部とし、一端側に開口部22を有し、開口部22とは反対側の他端部がダイアフラム24により閉塞された閉塞部となっている有底筒状をなすものである。
【0032】
また、ハウジング20における表面のうちダイアフラム24の位置には、媒体導入通路23を介して導入されてダイアフラム24を変形させる圧力媒体の圧力に応じた圧力信号を出力するセンサチップ40が、設けられている。
【0033】
センサチップ40は、例えばシリコン基板を用いて形成されており、図2および図3に示すように、上記圧力信号を処理して出力するための処理回路43が設けられる平板状の基部41と、この基部41とダイアフラム24との間に介在する4つの脚部42a〜44dと、が一体的に成形されている。各脚部42a〜44dは、基部41の下面の外縁近傍から下方に延出するように、略角柱状であってそれぞれ対称に形成されている。なお、各脚部42a〜44dは、略角柱状に形成されることに限らず、例えば、円形状に形成されてもよい。
【0034】
各脚部42a〜44dには、当該ダイアフラム24の変形に応じた信号を出力する圧力検出部として、不純物をドーピングして形成した各ゲージ抵抗(拡散抵抗)44a〜44dが、ダイアフラム24側にそれぞれ配置されている。また、各脚部42a〜44dには、各ゲージ抵抗44a〜44dからの信号を処理回路43に出力するための貫通電極45a〜45dが当該脚部を貫くようにそれぞれ形成されており、各ゲージ抵抗44a〜44dおよび貫通電極45a〜45dを含めてホイートストンブリッジ回路が構成される。処理回路43は、ホイートストンブリッジ回路から得られるダイアフラム24の変形に応じた信号について補正および増幅等の処理を施し、このように所定の処理を施した圧力信号を出力する。
【0035】
センサチップ40は、各脚部42a〜44dのダイアフラム24側にて、低融点ガラス等の非導電性の接着剤50を介して、ダイアフラム24に固着(接合)されている。このため、基部41と接着剤50との間には空房Sが形成され、接着剤50からの熱応力が基部41に直接作用することもない。また、センサチップ40は、各脚部42a〜44dにて接着剤50を介して固着されているので、ダイアフラム24に対する面方向(図2の左右方向)の熱変形が、センサチップ40の下面(基部41の下面)の全面が接着剤50に接着される場合と比較して、容易になる。このため、上記面方向に熱変形するセンサチップ40に対して、接着剤50との線膨張係数の違いから熱応力が作用する場合でも、この熱応力を小さくすることができる。
【0036】
そして、ダイアフラム24が変形することで各ゲージ抵抗44a〜44dがそれぞれ変形すると、各ゲージ抵抗44a〜44dの抵抗値がそれぞれ変化する。処理回路43により制御されてこれら各ゲージ抵抗44a〜44dの抵抗値の変化に応じた電気信号を当該処理回路43に出力させることで、処理回路43は、各ゲージ抵抗44a〜44dに加えられた応力、すなわちダイアフラム24を変形させる圧力媒体の圧力を検出することができる。なお、処理回路43は、特許請求の範囲に記載の「出力部」の一例に相当し、各ゲージ抵抗44a〜44dは、特許請求の範囲に記載の「圧力検出部」の一例に相当し、貫通電極45a〜45dは、特許請求の範囲に記載の「導通部」の一例に相当し得る。
【0037】
コネクタケース30は、当該コネクタケース30の外郭を構成するコネクタ本体31を備えており、このコネクタ本体31は、PPS(ポリプロピレンサルファイド)などの樹脂を成形してなるものである。当該コネクタ本体31には、金属などよりなる導電性の複数のリード32や当該コネクタケース30をハウジング20に溶接固定するための円筒部33が、インサート成形などにより一体に成形されている。各リード32の上端部は、コネクタ本体31の上側凹部31a内にそれぞれ露出し、各リード32の下端部は、ハウジング20との組み付け時にセンサチップ40に近接するように、コネクタ本体31の下側凹部31b内にそれぞれ露出している。
【0038】
このように形成されるコネクタケース30は、円筒部33の下端部がハウジング20の外周に設けられる円柱状の段部25に溶接接合等されることで、ダイアフラム24を取り囲むようにしてハウジング20と一体化される。このとき、コネクタ本体31の下側凹部31b内に露出する各リード32の下端部は、センサチップ40の処理回路43の対応するパッド等にそれぞれワイヤ等を介して接続される。
【0039】
そして、各リード32の上端部が、図示しない外部コネクタなどに接続されることにより、圧力センサ10の外部にある相手側回路等へ配線部材を介して信号のやりとりが可能となるように電気的に接続されることとなる。
【0040】
上述のように構成される圧力センサ10では、圧力媒体が媒体導入通路23を介してハウジング20内に導入されると、この圧力媒体の圧力に応じてダイアフラム24が変形する。この変形に応じて各ゲージ抵抗44a〜44dがそれぞれ変形し、それぞれの抵抗値の変化に応じた電気信号が処理回路43に出力されると、処理回路43によりダイアフラム24に応じた圧力媒体の圧力が検出されて、この圧力に応じた圧力信号が各リード32を介して外部に出力されることとなる。
【0041】
以上説明したように、本実施形態に係るセンサチップ40では、処理回路43が設けられる基部41とダイアフラム24との間に介在する4つの脚部42a〜42dには、ダイアフラム部側に配置されてダイアフラム24の変形に応じた信号を出力するゲージ抵抗44a〜44dと、これらのゲージ抵抗44a〜44dからの信号を処理回路43に出力するための貫通電極45a〜45dと、がそれぞれ設けられている。
【0042】
これにより、接着剤50を介して固着されるダイアフラム24の変形を各ゲージ抵抗44a〜44dにて検出する構成であっても、接着剤50との接着面積が小さくなり、各ゲージ抵抗44a〜44dを、互いの位置関係をばらつかせることなく、ダイアフラム24の近くに配置することができる。
したがって、接着剤50との接着面積が小さくなることから熱応力の発生が抑制されるので、検出精度を低下させることなく各ゲージ抵抗44a〜44dからの信号に基づいて圧力媒体の圧力に応じた圧力信号を出力することができる。
【0043】
また、処理回路43は、各ゲージ抵抗44a〜44dからの信号について所定の処理を施した信号を上記圧力信号として出力するように構成されるため、処理回路43を設けることなく各ゲージ抵抗44a〜44dからの信号を処理することなくそのまま出力する場合と比較して、補正や増幅等適切な処理が施された圧力信号を出力することができる。
【0044】
また、処理回路43に相当する処理回路を別のセンサチップ等に設ける必要もないので、圧力センサ10の小型化を図ることができる。特に、基部41と接着剤50との間には空房Sが形成されることから、接着剤50からの熱応力が処理回路43に直接作用することを防止することができる。
【0045】
さらに、基部41および各脚部42a〜44dが一体的に成形されるため、基部41と複数の脚部42a〜44dとが別体として構成される場合と比較して、各脚部42a〜44dにそれぞれ設けられるゲージ抵抗44a〜44d同士の相対位置精度が高まるので、これら各ゲージ抵抗44a〜44dを利用した圧力検出精度を向上させることができる。
【0046】
また、各ゲージ抵抗44a〜44dからの信号を処理回路43に出力するための導通部として貫通電極45a〜45dが当該脚部を貫くようにそれぞれ形成されているため、各脚部の表面に電極等を形成する場合と比較して、上記導通部を容易に形成することができる。
【0047】
また、本実施形態に係る圧力センサ10では、上述したセンサチップ40が各脚部42a〜42dのダイアフラム側にて接着剤50を介してダイアフラム24に固着される。これにより、各ゲージ抵抗44a〜44dからの信号に基づいて圧力媒体の圧力に応じた圧力信号が出力されるセンサチップ40を採用する場合でも、センサチップ40と接着剤50との間に生じる熱応力に起因する圧力検出精度の低下を抑制することができる。
【0048】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよい。
(1)センサチップ40は、図1に示すように構成される圧力センサ10に採用されることに限らず、接着剤を介して受圧部(ダイアフラム)に固着される他の圧力センサに採用されてもよい。また、圧力センサ10は、自動車用として採用されることに限らず、他の圧力媒体の圧力を測定する圧力センサに適用されてもよい。
【0049】
(2)センサチップ40は、処理回路43を設けることなく各ゲージ抵抗44a〜44dからの信号を処理することなくそのままパッドなどを介して出力するように構成されてもよい。この場合、上記パッドなどが特許請求の範囲に記載の「出力部」の一例に相当し得る。
【0050】
(3)各ゲージ抵抗44a〜44dは、各貫通電極45a〜45dとによりホイートストンブリッジ回路を構成することに限らず、例えば、各貫通電極45a〜45dの少なくともいずれかをセンサ表面に設けられる配線に代えて、ホイートストンブリッジ回路を構成してもよい。
【符号の説明】
【0051】
10…圧力センサ
20…ハウジング
24…ダイアフラム(受圧部)
30…コネクタケース
40…センサチップ
41…基部
42a〜42d…脚部
43…処理回路(出力部)
44a〜44d…ゲージ抵抗(圧力検出部)
45a〜45d…貫通電極(導通部)
50…接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力媒体が作用する受圧部の変形に基づいて当該圧力媒体の圧力に応じた圧力信号を出力するセンサチップであって、
前記圧力信号を出力するための出力部が設けられる基部と、
前記基部と前記受圧部との間に介在する複数の脚部と、を備え、
前記複数の脚部には、受圧部側に配置されて前記受圧部の変形に応じた信号を出力する圧力検出部と、この圧力検出部からの信号を前記出力部に出力するための導通部と、がそれぞれ設けられることを特徴とするセンサチップ。
【請求項2】
前記出力部は、複数の前記圧力検出部からの信号について所定の処理を施した信号を前記圧力信号として出力するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のセンサチップ。
【請求項3】
前記基部および前記複数の脚部は一体的に成形されることを特徴とする請求項1または2に記載の圧力センサ。
【請求項4】
前記圧力検出部は、ブリッジ回路を構成する拡散抵抗であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧力センサ。
【請求項5】
前記導通部は、前記脚部を貫くように形成される貫通電極であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の圧力センサ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のセンサチップが前記脚部の受圧部側にて接着剤を介して前記受圧部に固着されることを特徴とする圧力センサ。
【請求項7】
前記接着剤は、低融点ガラスからなることを特徴とする請求項6に記載の圧力センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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