説明

センサーモジュール、センサーデバイス、センサーデバイスの製造方法及び電子機器

【課題】検出特性の劣化を抑制しつつ、薄型化可能なセンサーモジュールの提供。
【解決手段】センサーモジュール1は、第1平面11と、第1平面11に直角に接続された第2平面12と、第1平面11及び第2平面12に直角に接続された第3平面13と、第1平面11に対向し外部部材への取り付け面としての第4平面14と、を有し、第1平面11が、第1平面11から陥没した支持面11aを有する支持部材10と、能動面21側に接続端子22を有し、能動面21に沿った非能動面29側が、支持部材10の各面11a,12,13にそれぞれ取り付けられたICチップ20と、接続電極39を有した振動ジャイロ素子30と、を備え、振動ジャイロ素子30は、ICチップ20の能動面21側に配置され、主面30aが支持部材10の各面11a,12,13にそれぞれ沿うように、接続電極39がICチップ20の接続端子22に取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサーモジュール、センサーモジュールを備えたセンサーデバイス、センサーデバイスの製造方法及びセンサーモジュールを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加速度や角速度などをセンシング(検出)するセンサーデバイスにおいては、センサー素子と、該センサー素子を駆動する機能を有する回路素子と、を備えたセンサーモジュールであって、センサー素子と回路素子とを含む構成要素が直方体形状の支持部材に取り付けられた構成のセンサーモジュールを有したものが知られている。
例えば、特許文献1には、センサーモジュールとして、センサー素子としての光学部と、回路素子としての電子回路部と、を備えた3個の光ファイバージャイロ(FOG)が、直方体形状の取り付けブロックの、互いに直角な3面のそれぞれに取り付けられたセンサーブロックが開示されている(特許文献1の図7参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−121369号公報(図7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のセンサーモジュール(以下、上記センサーモジュールという)は、3個の光ファイバージャイロが直方体形状の取り付けブロック(以下、取り付けブロックを支持部材という)の、互いに直角な3面のそれぞれに取り付けられている。そして、上記センサーモジュールは、各光ファイバージャイロの一部が、各取り付け面から突出した状態で取り付けられている。
また、上記センサーモジュールは、光ファイバージャイロが取り付けられていない面のうち、上記3面のうちの1面に対向した面(対向面)が、電子機器などの外部部材の実装面に実装されている。
【0005】
近年、電子機器においては、小型薄型化の要求が高まるに連れ、内部に搭載される上記センサーモジュールを備えたセンサーデバイスなどの各種デバイスに対しても、低背化(薄型化)が強く求められている。
しかしながら、上記センサーモジュールは、各光ファイバージャイロ(以下、センサー素子及び回路素子という)の一部が、支持部材の各取り付け面から突出した状態で取り付けられていることから、この突出している分、支持部材の対向面(電子機器などの外部部材への実装面)からの高さが高くなってしまい、センサーデバイスの薄型化が阻害されているという問題がある。
【0006】
上記問題の改善策としては、支持部材を直方体形状(ブロック形状)ではなく、例えば、平面視がL字状の平板を、L字の屈曲部からそれぞれの方向に延びる部分の途中で直角に曲げ起こした形状とし、L字の屈曲部の平面と曲げ起こした部分の平面とに、各センサー素子及び回路素子を取り付ける構成とすることが考えられる。
しかしながら、上記構成では、支持部材の曲げ起こした部分の剛性が、直方体形状の場合と比較して弱いことから、例えば、外力により振動(変位)しやすいという問題がある。
この結果、上記構成では、支持部材の曲げ起こした部分の平面に取り付けられた各センサー素子による検出精度、検出感度などの検出特性が劣化する虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]本適用例にかかるセンサーモジュールは、第1基準平面に平行且つ窪み内に配置されている第1支持面と、前記第1基準平面に直交または傾斜した第2基準平面に対し平行な第2支持面と、を有する支持部材と、前記第1支持面に取り付けられ、一面側に第1の接続端子を有し、該一面に沿った他面側が前記第1支持面への取り付け面である第1のICチップと、前記第2支持面に取り付けられ、一面側に第2の接続端子を有し、該一面に沿った他面側が前記第2支持面への取り付け面である第2のICチップと、前記第1のICチップの前記一面側に、該一面に主面が沿うよう配置され、前記第1の接続端子に取り付けられた第1の接続電極を有している第1のセンサー素子と、前記第2のICチップの前記一面側に、該一面に主面が沿うよう配置され、前記第2の接続端子に取り付けられた第2の接続電極を有している第2のセンサー素子と、を備えていることを特徴とする。
【0009】
これによれば、センサーモジュールは、支持部材の互いに直角または傾斜した第1支持面及び第2支持面に第1及び第2のICチップがそれぞれ取り付けられ、第1及び第2のICチップの一面側に第1及び第2のセンサー素子がそれぞれ取り付けられている。
この際、センサーモジュールは、第1及び第2のセンサー素子の主面が、第1及び第2のICチップの一面に沿うように取り付けられていることから、例えば、1つのパッケージの内部に収納されることで、少なくとも互いに異なる方向の2軸に対応したセンサーデバイスを提供できる。
【0010】
ここで、センサーモジュールは、支持部材の第1支持面が、窪み内に配置されていることから、例えば、支持部材における第1支持面の対向面が外部部材への取り付け面としたときに、外部部材への取り付け面から第1のセンサー素子までの高さを、特許文献1の従来構成より、低くする(低背化する)ことができる。
これにより、センサーモジュールは、センサーモジュールを収納したセンサーデバイスの薄型化に貢献できる。
【0011】
[適用例2]上記適用例にかかるセンサーモジュールにおいて、前記窪みの深さ寸法が、前記第1支持面から前記第1のセンサー素子までの高さ寸法以上であることが好ましい。
【0012】
これによれば、センサーモジュールは、窪みの深さ寸法が、第1支持面から第1のセンサー素子までの高さ寸法以上である。
したがって、センサーモジュールは、支持部材の外部部材への取り付け面(上記対向面)から第1のセンサー素子までの高さを、支持部材単体の高さと同じにすることができる。
この際、センサーモジュールは、支持部材の第1支持面までの窪みの深さ寸法が、第1支持面から第1のセンサー素子までの高さ寸法に対して近似であれば、窪んだ第1支持面を設けることによる支持部材の剛性の低下を最小限に抑制することができる。
また、センサーモジュールは、支持部材の第1支持面までの窪みの深さ寸法が、第1支持面からセンサー素子までの高さ寸法を大きく越える状態であれば、例えば、第1のセンサー素子や第1のICチップに別部材が付加された場合においても、センサーモジュールの高さを支持部材単体の高さと同じままに維持することが可能である。
【0013】
[適用例3]上記適用例にかかるセンサーモジュールにおいて、前記支持部材が、直方体形状の支持部材基部と、前記支持部材基部から突出した側壁部とを含み、前記第2支持面が前記支持部材基部と前記側壁部とに跨って配置されており、前記第2のセンサー素子の厚み方向において、前記側壁部の厚み寸法よりも前記支持部材基部の厚み寸法の方が大きく、前記第2のICチップは、前記側壁部との取り付け面積よりも、前記支持部材基部との取り付け面積の方が大きく、前記第2のセンサー素子の主面に直交する方向からの側面観において、前記第2のセンサー素子の少なくとも一部が、前記支持部材基部と重なっていることが好ましい。
【0014】
これによれば、センサーモジュールは、支持部材の第2支持面が支持部材基部と側壁部とに跨って配置されており、側壁部の厚み寸法よりも支持部材基部の厚み寸法の方が大きく、第2のICチップは、側壁部との取り付け面積よりも、支持部材基部との取り付け面積の方が大きく、第2のセンサー素子の少なくとも一部が、支持部材基部と重なっている。
この結果、センサーモジュールは、側壁部よりも厚みのある支持部材基部において、外部からの機械的衝撃を受けても不要振動が発生し難いことから、支持部材基部との取り付け面積の方が大きい第2のICチップに取り付けられている第2のセンサー素子への悪影響を低減できる。
【0015】
[適用例4]上記適用例にかかるセンサーモジュールにおいて、前記第1及び第2のICチップの少なくとも一方は、前記一面側に外部接続端子を有し、前記外部接続端子には、フレキシブル配線基板が取り付けられていることが好ましい。
【0016】
これによれば、センサーモジュールは、第1及び第2のICチップの少なくとも一方が、一面側に外部接続端子を有し、外部接続端子には、フレキシブル配線基板が取り付けられていることから、ICチップの姿勢に関わらず、フレキシブル配線基板を折り曲げて部分的に水平状態にすることが可能となる。
このことから、センサーモジュールは、水平状態のフレキシブル配線基板を介して、例えば、パッケージなどの外部部材との接続を容易に行うことができる。
【0017】
[適用例5]上記適用例4にかかるセンサーモジュールにおいて、前記フレキシブル配線基板の前記第1及び第2のICチップ側とは反対側の面に、前記フレキシブル配線基板の剛性を向上させる補強部が、平面視で、前記外部接続端子への取り付け領域から前記第1及び第2のICチップの端部を過ぎるまでの範囲に亘って設けられていることが好ましい。
【0018】
これによれば、センサーモジュールは、フレキシブル配線基板の第1及び第2のICチップ側とは反対側の面に、フレキシブル配線基板の剛性を向上させる補強部が、平面視で、第1及び第2のICチップの外部接続端子への取り付け領域から第1及び第2のICチップの端部を過ぎるまでの範囲に亘って設けられている。
これにより、センサーモジュールは、フレキシブル配線基板における第1及び第2のICチップの外部接続端子への取り付け領域から第1及び第2のICチップの端部を過ぎるまでの範囲に亘って剛性が向上する。
この結果、センサーモジュールは、例えば、パッケージなどの外部部材への取り付け時における、フレキシブル配線基板の折れ曲がりによる配線パターンの第1及び第2のICチップの端部への接触が生じ難くなり、フレキシブル配線基板と第1及び第2のICチップとの短絡を回避することができる。
【0019】
[適用例6]上記適用例5にかかるセンサーモジュールにおいて、前記フレキシブル配線基板の前記補強部は、金属を含んでなることが好ましい。
【0020】
これによれば、センサーモジュールは、フレキシブル配線基板の補強部が、金属を含んでなることから、例えば、フレキシブル配線基板の配線用の金属被膜(一例として銅箔)の一部を上記範囲に残すことで形成可能となる。
このことから、センサーモジュールは、合理的にフレキシブル配線基板の補強部を設けることができる。
【0021】
[適用例7]上記適用例にかかるセンサーモジュールにおいて、前記第1及び第2のICチップの前記第1及び第2の接続端子は、前記一面側に突出した突起電極であることが好ましい。
【0022】
これによれば、センサーモジュールは、第1及び第2のICチップの接続端子が一面側に突出した突起電極であることから、第1及び第2のセンサー素子と第1及び第2のICチップとの間に隙間を設けることが可能となり、第1及び第2のセンサー素子と第1及び第2のICチップとの接触を確実に回避することができる。
これにより、センサーモジュールは、第1及び第2のセンサー素子の安定的な駆動を行うことが可能となる。
【0023】
[適用例8]上記適用例にかかるセンサーモジュールにおいて、前記第1支持面及び前記第2支持面の少なくとも一方には、凹部が設けられたことが好ましい。
【0024】
これによれば、センサーモジュールは、第1支持面及び第2支持面の少なくとも一方に、凹部が設けられたことから、第1及び第2のICチップの少なくとも一方を凹部に配置することにより、第1及び第2のICチップの少なくとも一方を各面の所定の位置に精度よく取り付けることができる。
【0025】
[適用例9]本適用例にかかるセンサーデバイスは、上記適用例のいずれか一例に記載のセンサーモジュールと、前記センサーモジュールを収納するパッケージと、を有し、前記センサーモジュールが、前記パッケージ内に収納されたことを特徴とする。
【0026】
これによれば、センサーデバイスは、上記適用例のいずれか一例に記載のセンサーモジュールが、パッケージ内に収納されたことから、上記適用例のいずれか一例に記載された効果を奏するセンサーデバイスを提供できる。
【0027】
[適用例10]本適用例にかかる電子機器は、上記適用例のいずれか一例に記載のセンサーモジュールを備えたことを特徴とする。
【0028】
これによれば、電子機器は、上記適用例のいずれか一例に記載のセンサーモジュールを備えたことから、上記適用例のいずれか一例に記載された効果を奏する電子機器を提供できる。
【0029】
[適用例11]本適用例にかかるセンサーデバイスの製造方法は、第1基準平面に平行且つ窪み内に配置されている第1支持面と、前記第1基準平面に直交または傾斜した第2基準平面に対し平行な第2支持面と、を有する支持部材を用意する工程と、一面側に第1の接続端子及び外部接続端子を有し、該一面に沿った他面側が前記第1支持面への取り付け面である第1のICチップと、一面側に第2の接続端子及び外部接続端子を有し、該一面に沿った他面側が前記第2支持面への取り付け面である第2のICチップと、を用意する工程と、第1の接続電極を有している第1のセンサー素子と、第2の接続電極を有している第2のセンサー素子と、を用意する工程と、複数のフレキシブル配線基板であって、少なくとも1つの前記フレキシブル配線基板の前記第1及び第2のICチップ側とは反対側となる面に、剛性を向上させる補強部が、平面視で、前記第1及び第2のICチップの前記外部接続端子への取り付け領域から前記第1及び第2のICチップの端部を過ぎるまでの範囲に亘って設けられた前記フレキシブル配線基板を用意する工程と、前記各構成要素を収納するパッケージを用意する工程と、前記第1及び第2のICチップの前記外部接続端子に前記フレキシブル配線基板をそれぞれ取り付ける工程と、前記第1及び第2のICチップの前記一面側に、前記第1及び第2のセンサー素子を配置し、前記第1及び第2のセンサー素子の主面が前記一面または前記他面に沿うように、前記第1及び第2のセンサー素子の前記第1及び第2の接続電極を前記第1及び第2のICチップの前記第1及び第2の接続端子にそれぞれ取り付ける工程と、前記フレキシブル配線基板を介して、前記第1及び第2のセンサー素子及び前記第1及び第2のICチップの調整及び特性検査を行う工程と、前記第1及び第2のセンサー素子及び前記フレキシブル配線基板が取り付けられた前記第1及び第2のICチップをそれぞれ具備してなる複数のセンサーユニットであって、前記第2のICチップを備えた第2のセンサーユニットの、前記第2のICチップの前記他面側を、前記支持部材の前記第2支持面に取り付ける工程と、前記第2のセンサーユニットが取り付けられた前記支持部材の、前記第1支持面との対向面を、前記パッケージの支持部材接合面に取り付ける工程と、前記パッケージの前記支持部材接合面に取り付けられた前記支持部材の前記第1支持面に、前記センサーユニットであって、前記補強部を備えた前記フレキシブル配線基板が取り付けられた前記第1のICチップを備えた第1のセンサーユニットの、前記第1のICチップの前記他面側を取り付ける工程と、前記第1及び第2のセンサーユニットの前記フレキシブル配線基板を、前記パッケージの前記支持部材接合面に取り付ける工程と、を含むことを特徴とする。
【0030】
これによれば、センサーデバイスの製造方法は、上記適用例9に記載の効果を奏するセンサーデバイスを製造し、提供することができる。
また、センサーデバイスの製造方法は、第2のセンサーユニットを、支持部材の第2支持面に、先に取り付ける。
これにより、センサーデバイスの製造方法は、第1のセンサーユニットを後から取り付ける、パッケージの支持部材接合面に沿った支持部材の第1支持面を、例えば吸着装置などで保持することが可能となることから、支持部材の取り扱いが容易となる。
この結果、センサーデバイスの製造方法は、支持部材のパッケージへの取り付けが容易となることから、生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】第1実施形態のセンサーモジュールの概略構成を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)の矢印A方向から見た側面図。
【図2】(a)は、図1(a)の矢印B方向から見た側面図であり、(b)は、図1(a)の矢印C方向から見た側面図。
【図3】図1(a)のD−D線での断面図。
【図4】センサー素子の拡大平面図。
【図5】振動ジャイロ素子の動作を説明する模式平面図。
【図6】(a)、(b)は、振動ジャイロ素子の検出振動状態を示す模式平面図。
【図7】センサーモジュールの要部拡大平面図。
【図8】センサーモジュールの要部拡大断面図。
【図9】第2実施形態のセンサーモジュールの概略構成を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)の矢印A方向から見た側面図。
【図10】第3実施形態のジャイロセンサーの概略構成を示す模式図であり、(a)はリッド(蓋)側から俯瞰した平面図、(b)は(a)のJ−J線での断面図。
【図11】ジャイロセンサーの製造工程を示すフローチャート。
【図12】支持部材準備工程を説明する模式斜視図。
【図13】フレキシブル配線基板接合工程を説明する模式図であり、(a)は平面図、(b)は側面図。
【図14】振動ジャイロ素子接合工程を説明する模式図であり、(a)は平面図、(b)は側面図。
【図15】センサーユニット第1接合工程を説明する模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)の矢印K方向から見た側面図。
【図16】支持部材接合工程を説明する模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のM−M線での断面図。
【図17】センサーユニット第2接合工程を説明する模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のN−N線での断面図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明を具体化した実施形態について図面を参照して説明する。
【0033】
(第1実施形態)
図1、図2は、第1実施形態のセンサーモジュールの概略構成を示す模式図である。図1(a)は、平面図であり、図1(b)は、図1(a)の矢印A方向から見た側面図である。図2(a)は、図1(a)の矢印B方向から見た側面図であり、図2(b)は、図1(a)の矢印C方向から見た側面図である。
図3は、図1(a)のD−D線での断面図であり、図4は、センサー素子の拡大平面図である。なお、以降の図を含む各図における各構成要素の寸法比率は、実際と異なる。
【0034】
図1、図2に示すように、センサーモジュール1は、支持部材10と、3つのICチップ20と、センサー素子としての3つの振動ジャイロ素子(ジャイロ振動片)30と、2種類のフレキシブル配線基板40,40aとを備えている。
【0035】
支持部材10は、略直方体形状であって、第1平面11と、第1平面11に直角に接続された第2平面12と、第1平面11及び第2平面12に直角に接続された第3平面13と、第1平面11に対向し外部部材への取り付け面としての第4平面14と、を有している。
そして、支持部材10は、第1平面11が、第1平面11から陥没した、図示しない第1基準平面に平行且つ窪み内に配置されている第1支持面としての支持面11aを有している。詳述すると、支持面11aは、第1平面11における第2平面12及び第3平面13から若干離れた矩形領域が、第1平面11に対して第4平面14側に平行に陥没(移動)した平面である。
ここで、第2平面12は、第1基準平面に直交または傾斜した図示しない第2基準平面に対し平行な第2支持面に対応している。
支持面11aは、第2平面12と対向した側面11b及び第3平面13と対向した側面11cによって第1平面11と接続されている。なお、側面11b,11cは、互いに接続されている。
これにより、支持部材10は、支持面11aから第1平面11に向けて突出した、平面視でL字状の側壁部が形成されている。
換言すれば、支持部材10は、直方体形状の支持部材基部(支持面11aから第4平面14までの部分)と、第2平面12及び側面11bを有し、支持部材基部から突出している第1側壁部と、第3平面13及び側面11cを有し、支持部材基部から突出している第2側壁部と、を含むことになる。
これにより、第2平面12は、支持部材基部と第1側壁部とに跨って配置され、第3平面13は、支持部材基部と第2側壁部とに跨って配置されている。
【0036】
なお、支持部材10の各角部には、アール付けまたは面取りが施されていてもよく、本実施形態では、各角部にアール付けまたは面取りが施されていても、直方体形状をなしているものとする。
【0037】
支持部材10は、上述したように、支持面11a(第1平面11)と第2平面12との成す角度θ1、第2平面12と第3平面13との成す角度θ2及び支持面11a(第1平面11)と第3平面13との成す角度θ3が、共に90度(直角)となっている。なお、角度θ1〜θ3については、センシング機能に影響を及ぼさない範囲で多少の誤差は許容される(例えば、0度〜2度程度)。
【0038】
支持部材10の材料としては、構造用鋼、ステンレス鋼、銅、黄銅、燐青銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、洋伯などの金属(単一金属またはそれらの合金を含む)、または酸化アルミニウム質焼結体(アルミナセラミックス)、窒化アルミニウム質焼結体(窒化アルミニウムセラミックス)、炭化珪素質焼結体(炭化珪素セラミックス)、窒化珪素質焼結体(窒化珪素セラミックス)、ガラス質焼結体(ガラスセラミックス)、ムライト質焼結体などのセラミックスや、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂などの熱硬化型または紫外線硬化型の樹脂、セラミックスなどの無機材料と樹脂との複合材料などが挙げられる。
なお、支持部材10の材料には、フレキシブル配線基板40との短絡などを考慮すると、セラミックス、樹脂などの絶縁性を有するものがより好ましい。
【0039】
図3に示すように、第1及び第2のICチップとしてのICチップ20は、一面としての能動面21側に第1及び第2の接続端子としての接続端子22と、外部接続端子23とを有している。
そして、ICチップ20は、能動面21の反対側の面であって、能動面21に沿った他面としての非能動面29が、支持部材10の支持面11a、第2平面12、第3平面13(以下、単に各面ともいう)に、絶縁性接着剤50により支持部材10と絶縁された状態で取り付けられている。
【0040】
詳述すると、ICチップ20には、能動面21側にトランジスターやメモリー素子などの半導体素子を含んで構成される集積回路(図示せず)が形成されている。この集積回路には、振動ジャイロ素子30を駆動振動させる駆動回路と、角速度が加わったときに振動ジャイロ素子30に生じる検出振動を検出する検出回路とが備えられている。
ICチップ20は、能動面21側に設けられた第1の電極24と、第1の電極24に電気的に接続されて能動面21側に設けられた接続端子22と、能動面21と接続端子22との間に設けられた応力緩和層25と、能動面21側に設けられた外部接続端子23とを備えている。
【0041】
第1の電極24は、ICチップ20の集積回路に直接導通して形成されたものである。また、能動面21上には、パッシベーション膜となる第1絶縁層26が形成されており、この第1絶縁層26には、第1の電極24上に開口部26aが形成されている。
このような構成によって第1の電極24は、開口部26a内にて外側に露出した状態となっている。
【0042】
第1絶縁層26上には、第1の電極24や他の電極を避けた位置に、絶縁樹脂からなる応力緩和層25が形成されている。
また、第1の電極24には、第1絶縁層26の開口部26a内にて再配置配線としての配線27が接続されている。この配線27は、集積回路の電極の再配置を行うためのもので、ICチップ20の所定部に配置された第1の電極24から延びて形成され、さらに応力緩和層25上にまで引き回されて形成されたものである。
この配線27は、ICチップ20の第1の電極24と接続端子22との間を配線することから、一般的には再配置配線とよばれ、微細設計によって位置の制約が大きい第1の電極24に対して、接続端子22の位置を任意にずらして配置し、ICチップ20における振動ジャイロ素子30との接続位置の自由度を高めるための重要な構成要素である。
【0043】
また、ICチップ20の能動面21側には、配線27や応力緩和層25、第1絶縁層26を覆って樹脂からなる耐熱性を有した第2絶縁層28が形成されている。なお、第2絶縁層28は、ソルダーレジストでもよい。
この第2絶縁層28には、応力緩和層25上にて配線27上に開口部28aが形成されている。このような構成によって配線27の一部は、開口部28a内にて外側に露出した状態となっている。
【0044】
そして、この開口部28a内に露出した配線27上に、接続端子22が配設されている。この接続端子22は、例えば、ハンダボール、金線、アルミニウム線などを用いてバンプ形状に形成された突起電極となっている。ここで、接続端子22として、樹脂突起の表面に金属膜や導電性接着剤などを設けたバンプ(例えば、樹脂コアバンプ)を用いることも可能である。また、金属バンプの表面に導電性接着剤などを設けることで、接続端子22による電気的接続を更に確実にしてもよい。
このような構成のもとに、ICチップ20に形成された集積回路は、第1の電極24、配線27、接続端子22を介して振動ジャイロ素子30と電気的に接続されるようになっている。
この際、センサーモジュール1は、接続端子22が突起電極となっていることから、振動ジャイロ素子30とICチップ20との間に十分な隙間が設けられている。この隙間により、センサーモジュール1は、振動ジャイロ素子30の駆動振動や検出振動のための空間が確保されている。
【0045】
また、ICチップ20に形成された集積回路には、第1の電極24以外に図示しない他の電極が形成されている。この他の電極は、第1の電極24の場合と同様に、再配置配線が接続され、第2絶縁層28の開口部28b内にて、外部に露出した外部接続端子23と接続されている。
外部接続端子23は、例えば、ハンダボール、金線、アルミニウム線などを用いてバンプ形状に形成された突起電極となっており、フレキシブル配線基板40,40aが取り付けられるようになっている。
【0046】
第1の電極24、他の電極、配線27などの再配置配線は、金(Au)、銅(Cu)、銀(Ag)、チタン(Ti)、タングステン(W)、チタンタングステン(TiW)、窒化チタン(TiN)、ニッケル(Ni)、ニッケルバナジウム(NiV)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、パラジウム(Pd)などによって形成されている。
なお、これら配線27などの再配置配線としては、上記材料による単層構造のみならず、複数種類の上記材料を組み合わせた積層構造としてもよい。なお、これら配線27などの再配置配線については、通常は同一工程で形成するため、互いに同じ材料となる。
【0047】
また、第1絶縁層26、第2絶縁層28を形成するための樹脂としては、例えばポリイミド樹脂、シリコーン変性ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、BCB(benzocyclobutene)及びPBO(polybenzoxazole)などが用いられる。
なお、第1絶縁層26については、酸化珪素(SiO2)、窒化珪素(Si34)などの無機絶縁材料によって形成することもできる。
【0048】
ICチップ20の非能動面29は、支持部材10の各面11a,12,13に、ポリイミド系、エポキシ系、シリコーン系などの絶縁性接着剤50により、絶縁された状態で取り付けられている。
なお、図3以外の一部の図では、便宜的にICチップ20の第2絶縁層28に能動面21と表記している。
【0049】
図4に示すように、第1及び第2のセンサー素子(以下、単にセンサー素子ともいう)としての振動ジャイロ素子30は、圧電材料である水晶を基材(主要部分を構成する材料)として形成されている。水晶は、電気軸と呼ばれるX軸、機械軸と呼ばれるY軸及び光学軸と呼ばれるZ軸を有している。
そして、振動ジャイロ素子30は、水晶結晶軸において直交するX軸及びY軸で規定される平面に沿って切り出されて平板状に加工され、平面と直交するZ軸方向に所定の厚みを有している。なお、所定の厚みは、発振周波数(共振周波数)、外形サイズ、加工性などにより適宜設定される。
【0050】
また、振動ジャイロ素子30をなす平板は、水晶からの切り出し角度の誤差を、X軸、Y軸及びZ軸の各々につき多少の範囲で許容できる。例えば、平板は、X軸を中心に0度から7度の範囲で回転して切り出したものを使用することができる。これは、Y軸及びZ軸についても同様である。
振動ジャイロ素子30は、フォトリソグラフィー技術を用いたエッチング(ウエットエッチングまたはドライエッチング)により形成されている。なお、振動ジャイロ素子30は、1枚の水晶ウエハーから複数個取りすることが可能である。
【0051】
振動ジャイロ素子30は、ダブルT型と呼ばれる構成となっている。
振動ジャイロ素子30は、中心部分に位置する基部31と、基部31からY軸に沿って延伸された振動部としての1対の検出用振動腕32a,32bと、検出用振動腕32a,32bと直交するように、基部31からX軸に沿って延伸された1対の連結腕33a,33bと、検出用振動腕32a,32bと略平行になるように、各連結腕33a,33bの先端側からY軸に沿って延伸された振動部としての各1対の駆動用振動腕34a,34b,35a,35bとを備えている。
【0052】
また、振動ジャイロ素子30は、基部31から各振動腕間(例えば、検出用振動腕32aと駆動用振動腕34aとの間など)を通って概ねY軸に沿って延伸された支持腕36a,36b,37a,37bと、同方向に延伸された支持腕36a,37aの先端部に跨って設けられた支持部38aと、同方向に延伸された支持腕36b,37bの先端部に跨って設けられた支持部38bとを備えている。
支持部38a,38bは、1対の連結腕33a,33bに沿って各振動腕の先端越しに延在している。
支持腕36a,36b,37a,37bは、誤検出の原因となる機械的衝撃を吸収する機能を有する。詳述すると、支持腕36a,36b,37a,37bは、誤検出の原因となる機械的衝撃が振動ジャイロ素子30に加わった際、撓みや屈曲などの変形をすることによって、その機械的衝撃を吸収する機能を有する。
これにより、振動ジャイロ素子30は、誤検出の原因となる機械的衝撃が、駆動用振動腕34a,34b,35a,35bや検出用振動腕32a,32bへ伝わることを抑制できる。
【0053】
また、振動ジャイロ素子30は、検出用振動腕32a,32bに、図示しない検出電極が形成され、駆動用振動腕34a,34b,35a,35bに、図示しない駆動電極が形成されている。
振動ジャイロ素子30は、検出用振動腕32a,32bで、角速度を検出する検出振動系を構成し、連結腕33a,33bと駆動用振動腕34a,34b,35a,35bとで、振動ジャイロ素子30を駆動する駆動振動系を構成している。
【0054】
また、検出用振動腕32a,32bのそれぞれの先端部には、重り部32c,32dが形成され、駆動用振動腕34a,34b,35a,35bのそれぞれの先端部には、重り部34c,34d,35c,35dが形成されている。
これにより、振動ジャイロ素子30は、小型化および角速度の検出感度の向上が図られている。
【0055】
振動ジャイロ素子30は、平面視において、ICチップ20と重なるようにICチップ20の能動面21側に配置されている。
なお、振動ジャイロ素子30は、基部31、各振動腕、各支持部を含む平板の表裏面を主面とする。本実施形態では、外部と電気的に接続される面を一方の主面30aといい、一方の主面30aと対向する面(反対側の面)を他方の主面30bという。
【0056】
振動ジャイロ素子30の支持部38a,38bの一方の主面30aには、上記各検出電極、各駆動電極から引き出された6個の、第1及び第2の接続電極としての接続電極39が設けられている。
図3に示すように、振動ジャイロ素子30は、一方の主面30a(他方の主面30b)が、支持部材10の各面11a,12,13に沿う(略平行になる)ようにして、各接続電極39がICチップ20の各接続端子22に取り付けられている(電気的及び機械的に接続されている)。
換言すれば、振動ジャイロ素子30は、一方の主面30a(他方の主面30b)が、ICチップ20の能動面21または非能動面29に沿うようにして、各接続電極39がICチップ20の各接続端子22に取り付けられている(電気的及び機械的に接続されている)。
【0057】
ここで、センサーモジュール1の振動ジャイロ素子30の動作について説明する。
図5及び図6は、振動ジャイロ素子の動作を説明する模式平面図である。図5は駆動振動状態を示し、図6(a)、図6(b)は、角速度が加わった状態における検出振動状態を示している。
なお、図5及び図6において、振動状態を簡易に表現するために、各振動腕は線で表し、各支持腕、各支持部は省略してある。
【0058】
図5において、振動ジャイロ素子30の駆動振動状態を説明する。
まず、ICチップ20の集積回路(駆動回路)から駆動信号が印加されることにより、振動ジャイロ素子30は角速度が加わらない状態において、駆動用振動腕34a,34b,35a,35bが矢印Eで示す方向に屈曲振動を行う。この屈曲振動は、実線で示す振動姿態と2点鎖線で示す振動姿態とを所定の周波数で繰り返している。
【0059】
次に、この駆動振動を行っている状態で、振動ジャイロ素子30にZ軸回りの角速度ωが加わると、振動ジャイロ素子30は、図6に示すような振動を行う。
まず、図6(a)に示すように、駆動振動系を構成する駆動用振動腕34a,34b,35a,35b及び連結腕33a,33bには、矢印F方向のコリオリ力が働く。また同時に、検出用振動腕32a,32bは、矢印F方向のコリオリ力に呼応して、矢印H方向に変形する。
【0060】
その後、図6(b)に示すように、駆動用振動腕34a,34b,35a,35b及び連結腕33a,33bには、矢印F’方向に戻る力が働く。また同時に、検出用振動腕32a,32bは、矢印F’方向の力に呼応して、矢印H’方向に変形する。
振動ジャイロ素子30は、この一連の動作を交互に繰り返して新たな振動が励起される。
なお、矢印F,F’方向の振動は、重心Gに対して周方向の振動である。そして、振動ジャイロ素子30は、検出用振動腕32a,32bに形成された検出電極が、振動により発生した水晶の歪を検出することでZ軸回りの角速度ωが求められる。
【0061】
図3に戻って、フレキシブル配線基板40は、例えば、ポリイミドなどの可撓性を有する樹脂を主体としたベース層41と、ベース層41に接合され、所望の形状にパターニングされた銅箔を主体とした配線パターン層42とを備えている。
そして、フレキシブル配線基板40は、ベース層41におけるICチップ20の能動面21側とは反対側の面に、フレキシブル配線基板40の剛性を向上させる補強部としての補強層43が、ICチップ20の外部接続端子23への取り付け領域からICチップ20の端部20aを過ぎるまでの範囲に亘って設けられている。
【0062】
補強層43は、配線パターン層42の各配線パターンに対応(対向)した位置に、個別の矩形形状をした島状に設けられている。
補強層43は、配線パターン層42と同じく、銅箔を主体とした金属被膜(金属)を含んでなる。
つまり、補強層43は、両面に金属被膜(例えば、銅箔)を有した両面フレキシブル配線基板の一方の面の金属被膜を上記のような所望の形状に残すことによって設けることができる。
【0063】
このように、フレキシブル配線基板40は、ベース層41、配線パターン層42、補強層43を備えた積層構造となっている。
フレキシブル配線基板40は、一方の端部44側の配線パターン層42が、ICチップ20の外部接続端子23に取り付けられている(接合されている)。
なお、フレキシブル配線基板40aは、フレキシブル配線基板40から補強層43を除去したものである。
【0064】
フレキシブル配線基板40,40aは、可撓性を有することから、可撓性の程度に応じて自在に折り曲げることが可能である。
これにより、フレキシブル配線基板40,40aは、図1〜図3に示すように、ICチップ20の姿勢に関わらず、途中から折り曲げることによって、第4平面14を載置面にして支持部材10が載置されたステージ60(外部部材)に沿わせることができる。
この際、フレキシブル配線基板40は、補強層43を備えたことから、この部分の剛性が向上し、図3に示すように、ICチップ20の非能動面29側へ折り曲げられることによる、配線パターン層42とICチップ20の端部20aとの接触が生じにくくなっている。
フレキシブル配線基板40に設けられる補強層43は、フレキシブル配線基板40のベース層41の材料よりもヤング率の大きい材料で形成されるのが好ましい。これにより、補強層43は、フレキシブル配線基板40のICチップ20側への撓みを、より効果的に抑制することができる。
【0065】
なお、フレキシブル配線基板40,40aは、配線パターン層42の配線パターン間のピッチがICチップ20(一方の端部44)側より、他方の端部45側の方が広くなるように形成されていてもよい。
また、フレキシブル配線基板40,40aは、配線パターン層42を部分的に覆い、配線パターン層42を外部から絶縁、保護する保護層を備えていてもよい。
【0066】
本実施形態では、ICチップ20に振動ジャイロ素子30及びフレキシブル配線基板40,40aが取り付けられたものをセンサーユニットという。
換言すれば、センサーユニットとは、振動ジャイロ素子30及びフレキシブル配線基板40,40aが取り付けられたICチップ20を具備してなるものである。
そして、支持部材10の支持面11aに取り付けられた第1のセンサーユニットをセンサーユニット101と表記し、第2平面12に取り付けられた第2のセンサーユニットをセンサーユニット102と表記し、第3平面13に取り付けられた第3のセンサーユニットをセンサーユニット103と表記する。
【0067】
また、本実施形態では、センサーユニット101のICチップ20が第1のICチップに対応し、センサーユニット102のICチップ20が第2のICチップに対応し、センサーユニット101の振動ジャイロ素子30が第1のセンサー素子に対応し、センサーユニット102の振動ジャイロ素子30が第2のセンサー素子に対応する。
また、センサーユニット101のICチップ20の接続端子22が第1の接続端子に対応し、センサーユニット102のICチップ20の接続端子22が第2の接続端子に対応し、センサーユニット101の振動ジャイロ素子30の接続電極39が第1の接続電極に対応し、センサーユニット102の振動ジャイロ素子30の接続電極39が第2の接続電極に対応する。
なお、フレキシブル配線基板40は、センサーユニット101に用いられ、フレキシブル配線基板40aは、センサーユニット102及びセンサーユニット103に用いられている。
【0068】
図1、図2に戻って、X’軸、Y’軸及びZ’軸は、互いに直交する軸である。そして、支持部材10の支持面11aは、Z’軸に直交し、第2平面12は、X’軸に直交し、第3平面13は、Y’軸に直交している。
これにより、支持面11aに取り付けられたセンサーユニット101は、振動ジャイロ素子30の一方の主面30a(他方の主面30b)がZ’軸に直交することから、Z’軸に対する角速度(Z’軸回りの角速度)を検出することができる。
同様に、第2平面12に取り付けられたセンサーユニット102は、振動ジャイロ素子30の一方の主面30a(他方の主面30b)がX’軸に直交することから、X’軸に対する角速度(X’軸回りの角速度)を検出することができる。
また、同様に、第3平面13に取り付けられたセンサーユニット103は、振動ジャイロ素子30の一方の主面30a(他方の主面30b)がY’軸に直交することから、Y’軸に対する角速度(Y’軸回りの角速度)を検出することができる。
したがって、センサーユニット101,102,103を備えたセンサーモジュール1は、互いに直交するX’軸、Y’軸及びZ’軸の3軸に対する角速度(3軸回りの角速度)を検出することができる。
【0069】
ここで、図1(b)に示すように、センサーモジュール1は、支持部材10の第1平面11から支持面11aまでの深さ寸法D1が、支持面11aからセンサーユニット101における、ICチップ20を介して支持面11aに取り付けられた振動ジャイロ素子30までの高さ寸法H1以上(D1>H1)となっている。
【0070】
また、センサーモジュール1は、センサーユニット102の第2のICチップとしてのICチップ20における、支持部材10の第1側壁部との取り付け面積としての接着面積よりも、支持部材基部との接着面積の方が大きくなっている。なお、センサーユニット103についても同様であることが好ましい。
また、センサーモジュール1は、センサーユニット102の第2のセンサー素子としての振動ジャイロ素子30の一方の主面30aに直交する方向からの側面観において、センサーユニット102の振動ジャイロ素子30の少なくとも一部が、支持部材基部と重なるのが好ましく、センサーユニット102の振動ジャイロ素子30の中心(振動ジャイロ素子30の一方の主面30aに平行な方向の中心)が支持部材基部と重なるのが更に好ましい。なお、センサーユニット103についても同様であることが好ましい。
これにより、センサーモジュール1は、支持部材10のうち、第1側壁部よりも厚みのある支持部材基部では、外部からの機械的衝撃を受けても不要振動が発生し難い。よって、センサーモジュール1は、センサーユニット102の振動ジャイロ素子30の一部(好ましくは大半)を、支持部材基部とオーバーラップさせて配置することにより、外部からの機械的衝撃を受けた際に振動ジャイロ素子30へ伝わる不要な振動を低減することができる。なお、センサーユニット103についても同様の構成であれば、同様の効果が得られることになる。
【0071】
上述したように、第1実施形態のセンサーモジュール1は、支持部材10の互いに直角な支持面11a、第2平面12及び第3平面13にICチップ20が取り付けられ、ICチップ20の能動面21側に振動ジャイロ素子30が取り付けられている。
この際、センサーモジュール1は、振動ジャイロ素子30の一方の主面30a(他方の主面30b)が、ICチップ20が取り付けられた各面11a,12,13に沿うように取り付けられていることから、振動ジャイロ素子30の一方の主面30a(他方の主面30b)が、互いに直角となる。
このことから、センサーモジュール1は、例えば、1つのパッケージの内部に収納されることで、3軸に対応したセンサーデバイスを提供できる。
【0072】
ここで、センサーモジュール1は、支持部材10の第1平面11の支持面11aが、第1平面11から陥没している(窪んでいる)ことから、パッケージなどの外部部材への取り付け面としての第4平面14から支持面11aに取り付けられているセンサーユニット101の振動ジャイロ素子30までの高さを、特許文献1の従来構成より、低くする(低背化する)ことができる。
これにより、センサーモジュール1は、センサーモジュール1を収納したセンサーデバイスの薄型化に貢献できる。
【0073】
加えて、センサーモジュール1は、支持部材10が略直方体形状であって、第1平面11、第2平面12及び第3平面13が互いに接続されていることから、前述の平板を曲げ起こした構成より支持部材10の剛性が格段に強く、例えば、外力により第1平面11(支持面11aを含む)、第2平面12及び第3平面13が容易に振動(変位)することがない。
この結果、センサーモジュール1は、支持部材10に加わる外力に起因する各振動ジャイロ素子30及びICチップ20の検出精度、検出感度などの検出特性の劣化を抑制することができる。
これらにより、センサーモジュール1は、各振動ジャイロ素子30及びICチップ20の検出精度、検出感度などの検出特性の劣化を抑制しつつ、センサーモジュール1を収納したセンサーデバイスの薄型化に貢献することができる。
【0074】
また、センサーモジュール1は、支持部材10の第1平面11から支持面11aまでの深さ寸法D1が、支持面11aからセンサーユニット101の振動ジャイロ素子30までの高さ寸法H1以上(D1>H1)である。
したがって、センサーモジュール1は、支持部材10の第4平面14からセンサーユニット101の振動ジャイロ素子30までの高さを、支持部材10の第4平面14から第1平面11までの高さ、つまり、支持部材10単体の高さと同じにすることができる。
【0075】
この際、センサーモジュール1は、支持部材10の第1平面11から支持面11aまでの深さ寸法D1が、支持面11aからセンサーユニット101の振動ジャイロ素子30までの高さ寸法H1に対して近似であれば、第1平面11に陥没した支持面11aを設けることによる支持部材10(特に側面11b,11cが設けられた壁部分)の剛性の低下を最小限に抑制することができる。
【0076】
また、センサーモジュール1は、支持部材10の第1平面11から支持面11aまでの深さ寸法D1が、支持面11aからセンサーユニット101の振動ジャイロ素子30までの高さ寸法H1を大きく越える状態であれば、例えば、センサーユニット101の振動ジャイロ素子30やICチップ20に別部材が付加されて、センサーユニット101の高さが高くなった場合においても、センサーモジュール1の高さを支持部材10単体の高さと同じ状態に維持することが可能である。
【0077】
なお、図1に2点鎖線で示すように、センサーモジュール1は、例えば、支持面11aから第4平面14までの厚さT1が、第2平面12から側面11b及び第3平面13から側面11cまでの厚さT2と同じになった場合(換言すれば、前述の平板を曲げ起こした構成に近似した形状の場合)でも、第1平面11〜第3平面13が互いに接続されていることから、前述の平板を曲げ起こした構成よりも剛性が強くなるといえる。
【0078】
また、センサーモジュール1は、フレキシブル配線基板40,40aが可撓性を有することから、各ICチップ20の姿勢に関わらず、フレキシブル配線基板40,40aを折り曲げて部分的に水平状態にすることが可能となる。
このことから、センサーモジュール1は、水平状態のフレキシブル配線基板40,40aを介して、例えば、パッケージなどの外部部材への取り付け、ICチップ20及び振動ジャイロ素子30の特性検査などを容易に行うことができる。
この結果、センサーモジュール1は、生産性を向上させることができる。
【0079】
また、センサーモジュール1は、フレキシブル配線基板40,40aの配線パターン層42の配線パターン間のピッチが、ICチップ20側(一方の端部44側)より、他方の端部45側の方が広く形成されていてもよい。
このことから、センサーモジュール1は、配線パターン層42にプローブを接触させての振動ジャイロ素子30及びICチップ20の調整及び特性検査や、パッケージなどの外部部材への取り付けを容易に行うことができる。
この結果、センサーモジュール1は、生産性を向上させることができる。
【0080】
また、センサーモジュール1は、センサーユニット101のICチップ20の外部接続端子23に、フレキシブル配線基板40が取り付けられ、フレキシブル配線基板40におけるICチップ20側とは反対側の面に、剛性を向上させる補強層43が、ICチップ20の外部接続端子23への取り付け領域からICチップ20の端部20aを過ぎるまでの範囲に亘って設けられている。
これにより、センサーモジュール1は、フレキシブル配線基板40におけるICチップ20の外部接続端子23への取り付け領域からICチップ20の端部20aを過ぎるまでの範囲に亘って、フレキシブル配線基板40の剛性が向上する。
従って、センサーモジュール1は、例えば、パッケージなどの外部部材への取り付け時に、前述したような、フレキシブル配線基板40が容易に折れ曲がり(撓んで)、ICチップ20の端部20aに接触することが生じ難くなる。
この結果、センサーモジュール1は、例えば、ICチップ20の端部20aに能動面21が露出している場合などにおける、フレキシブル配線基板40とICチップ20との接触によるフレキシブル配線基板40の配線パターン層42とICチップ20との短絡や、ICチップ20を介した配線パターン層42の配線パターン間の短絡を回避することができる。
【0081】
また、センサーモジュール1は、フレキシブル配線基板40の補強層43が、金属被膜であることから、例えば、両面フレキシブル配線基板の一方の金属被膜(銅箔)の一部を上述した形状に残すことで補強層43が形成可能となる。
このことから、センサーモジュール1は、新規な別部材を必ずしも用意する必要はなく、合理的にフレキシブル配線基板40の補強層43を設けることができる。
【0082】
また、センサーモジュール1は、ICチップ20の接続端子22が能動面21側に突出した突起電極であることから、振動ジャイロ素子30とICチップ20との間に隙間を設けることが可能となり、振動ジャイロ素子30とICチップ20との接触を回避することが可能となる。
これにより、センサーモジュール1は、振動ジャイロ素子30の安定的な駆動を行うことができる。
また、センサーモジュール1は、支持部材10の材料として導電体を用いたり、あるいは、支持部材10の母材として絶縁体を用いた場合でも、支持部材10の表面に導電性材料による皮膜を施したりすることによって、異なる検出軸間におけるICチップ20や振動ジャイロ素子30の不要な容量結合を抑制することができる。すなわち、センサーモジュール1は、支持部材10のシールド効果により、センサーユニット101,102,103間の不要な容量結合を低減することができる。
【0083】
なお、センサーモジュール1は、図7のセンサーモジュールの要部拡大平面図に示すように、フレキシブル配線基板40の補強層43の形状が、配線パターン層42の配線パターン間に跨る略矩形形状であってもよい。
フレキシブル配線基板40の補強層43の平面形状は、所望の剛性に応じて、本実施形態の形状を含めた上記形状などから適宜選択してもよい。
【0084】
なお、センサーモジュール1は、センサーユニット102,103に、フレキシブル配線基板40aに代えて、補強層43を有したフレキシブル配線基板40を用いてもよい。
これによれば、センサーモジュール1は、センサーユニット102,103におけるフレキシブル配線基板40aをフレキシブル配線基板40とすることで、フレキシブル配線基板40aで起こり得るICチップ20側への折れ曲がり(撓み)による両者の短絡を回避することができる。
なお、センサーモジュール1は、フレキシブル配線基板40の補強層43を、例えば、ポリイミド系、エポキシ系などの樹脂を含んでなる部材で構成してもよい。
【0085】
なお、センサーモジュール1は、図8のセンサーモジュールの要部拡大断面図に示すように、支持部材10の各面11a,12,13に凹部15が設けられていてもよい。
これによれば、センサーモジュール1は、ICチップ20を凹部15に配置することで、ICチップ20を各面11a,12,13の所定の位置に精度よく取り付けることができる。
なお、凹部15は、各面11a,12,13の法線視(平面視)において、ICチップ20の全周を取り囲む形状が好ましいが、ICチップ20の一辺側が囲まれていない形状であってもよい。
【0086】
なお、センサーモジュール1は、センサーユニット101,103が除去された構成(センサーユニット102のみが取り付けられた構成)とすることもできる。または、センサーモジュール1は、センサーユニット101,102が除去された構成(センサーユニット103のみが取り付けられた構成)とすることもできる。
これらにより、センサーモジュール1は、センサー素子(振動ジャイロ素子30)の主面をパッケージの底面に対して直交した姿勢で実装する1軸に対応したセンサーデバイスにおける、センサー素子の確実な実装構造を提供できる。
なお、センサーモジュール1は、センサーユニット101,102,103のいずれか1つを除去して、互いに直交する2軸に対する角速度を検出する構成としてもよい。
【0087】
また、センサーモジュール1は、振動ジャイロ素子30の6個の接続電極39を基部31の一方の主面30aに設けることにより、振動ジャイロ素子30の支持腕36a,36b,37a,37b及び支持部38a,38bを除去した構成としてもよい。
これによれば、センサーモジュール1は、ICチップ20の平面サイズを振動ジャイロ素子30の平面サイズより大きくする必要がないことから、ICチップ20の平面サイズを振動ジャイロ素子30の平面サイズより小さくすることができる。
この結果、センサーモジュール1は、更なる小型薄型化を図ることができる。
【0088】
また、センサーモジュール1は、センサー素子(振動ジャイロ素子30)の特性によっては、各面11a,12,13が互いに直角ではなく、角度θ1,θ2,θ3が鋭角または鈍角になる構成(各面11a,12,13が互いに傾斜した構成)となってもよい。
【0089】
なお、センサーモジュール1は、フレキシブル配線基板40,40aを用いなくてもよい。この場合、センサーモジュール1は、ワイヤーボンディング、導電性接着剤など他の接合手段によってICチップ20の外部接続端子23の外部部材への取り付け(接合)が行われる。
【0090】
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態のセンサーモジュールの概略構成を示す模式図である。図9(a)は、平面図であり、図9(b)は、図9(a)の矢印A方向から見た側面図である。
なお、上記第1実施形態との共通部分については、同一符号を付して説明を省略し、上記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0091】
図9に示すように、センサーモジュール2は、支持部材110が第1実施形態の支持部材10から、第1及び第2側壁部(図1の側面11b,11cが設けられている部分)が除去された支持部材基部のみの直方体形状になっている。これにより、センサーモジュール2は、支持面11aが第1平面11にもなっている。
また、これにより、センサーモジュール2は、センサーユニット102,103のICチップ20が支持部材110の支持面11aよりも上方に突出することになる。
【0092】
センサーモジュール2は、支持部材110に側壁部が不要となったことにより、その分第1実施形態と比較して、支持部材110の平面サイズを小さくすることができる。この結果、センサーモジュール2は、更なる小型化が可能となる。
また、センサーモジュール2は、支持部材110が直方体形状になったことから、第1実施形態と比較して、支持部材110の製造が容易となる。
これにより、センサーモジュール2は、生産性を向上させることができる。
【0093】
(第3実施形態)
図10は、第3実施形態のセンサーデバイスとしてのジャイロセンサーの概略構成を示す模式図である。図10(a)は、リッド(蓋)側から俯瞰した平面図であり、図10(b)は、図10(a)のJ−J線での断面図である。
なお、平面図では、便宜的にリッドを省略し、リッドの内壁形状を2点鎖線で示してある。
また、上記第1実施形態との共通部分については、同一符号を付して説明を省略し、上記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0094】
図10に示すように、ジャイロセンサー3は、センサーモジュール1と、センサーモジュール1を収納するパッケージ90と、を有し、センサーモジュール1がパッケージ90の内部に配置され収納されている。
【0095】
パッケージ90は、矩形平板状のパッケージベース91と、凹部92を有しパッケージベース91を覆うリッド93などから構成されている。
パッケージベース91には、セラミックグリーンシートを成形して焼成した酸化アルミニウム質焼結体、水晶、ガラスなどが用いられている。
リッド93には、パッケージベース91と同材料、または、コバール、42アロイ、ステンレス鋼などの金属が用いられている。
【0096】
パッケージベース91の上面94(リッド93に覆われる面)には、センサーモジュール1の各センサーユニット101,102,103のフレキシブル配線基板40,40aに対応した位置に内部端子95,96,97が設けられている。
パッケージベース91の下面98(パッケージ90の底面であって、上面94に沿っている面)には、外部機器(外部部材)などに実装される際に用いられる複数の外部端子99が設けられている。
内部端子95,96,97は、図示しない内部配線により、外部端子99に接続されている。
内部端子95,96,97及び外部端子99は、例えば、タングステン(W)やモリブデン(Mo)などのメタライズ層にニッケル(Ni)、金(Au)などの各被膜をメッキなどにより積層した金属被膜からなる。
【0097】
なお、パッケージは、凹部を有したパッケージベースと、パッケージベースを覆う平板状のリッドなどから構成されていてもよい。また、パッケージは、パッケージベース及びリッドの両方に凹部を有していてもよい。
【0098】
センサーモジュール1は、パッケージベース91の上面94に載置され、第1平面11(支持面11a)に対向し外部部材(ここでは、パッケージベース91)への取り付け面としての第4平面14が、接着剤などの接合部材51により上面94に取り付けられている。
そして、センサーモジュール1は、センサーユニット101のフレキシブル配線基板40における他方の端部45の配線パターン層42が、導電性接着剤、異方性導電膜、ハンダなどの導電性を有する接合部材52により、パッケージベース91の内部端子95に取り付けられている。
同様に、センサーモジュール1は、センサーユニット102のフレキシブル配線基板40aにおける他方の端部45の配線パターン層42が、接合部材52によりパッケージベース91の内部端子96に取り付けられている。
また、同様に、センサーモジュール1は、センサーユニット103のフレキシブル配線基板40aにおける他方の端部45の配線パターン層42が、接合部材52によりパッケージベース91の内部端子97に取り付けられている。
これらにより、ジャイロセンサー3は、センサーモジュール1の各センサーユニット101,102,103と内部端子95,96,97と外部端子99とが、互いに電気的に接続されている。
【0099】
ジャイロセンサー3は、パッケージベース91の上面94にセンサーモジュール1が上記のように取り付けられた状態で、パッケージベース91がリッド93により覆われ、パッケージベース91にリッド93が、シームリング、低融点ガラス、接着剤などの接合部材53により取り付けられることによって、パッケージ90の内部が気密に封止されている。
なお、パッケージ90の内部は、各センサーユニット101,102,103の振動ジャイロ素子30の振動が阻害されないように、真空状態(真空度が高い状態)に保持されていることが好ましい。
【0100】
ジャイロセンサー3は、互いに直交するX’軸、Y’軸、Z’軸の3軸に対する角速度を検出するセンサーモジュール1をパッケージ90内に備えたことから、3軸に対応したジャイロセンサーとなっている。
このことから、ジャイロセンサー3は、例えば、撮像機器の手ぶれ補正や、GPS(Global Positioning System)衛星信号を用いた移動体ナビゲーションシステムにおける車両などの姿勢検出、姿勢制御などに用いられる。
【0101】
ここで、ジャイロセンサー3の製造方法の一例について説明する。
図11は、ジャイロセンサーの製造工程を示すフローチャートであり、図12〜図17は、主要製造工程を説明する模式図である。
【0102】
図11に示すように、ジャイロセンサー3の製造方法は、支持部材準備工程S1と、ICチップ準備工程S2と、振動ジャイロ素子準備工程S3と、フレキシブル配線基板準備工程S4と、パッケージ準備工程S5と、フレキシブル配線基板接合工程S6と、振動ジャイロ素子接合工程S7と、調整及び特性検査工程S8と、センサーユニット第1接合工程S9と、支持部材接合工程S10と、センサーユニット第2接合工程S11と、リッド接合工程S12と、を含んでいる。
【0103】
[支持部材準備工程S1]
まず、図12に示すように、前述した互いに直角な第1平面11(支持面11a)、第2平面12、第3平面13と、第1平面11(支持面11a)に対向し外部部材への取り付け面としての第4平面14と、を有した支持部材10を用意する。
【0104】
[ICチップ準備工程S2]
ついで、能動面21側に接続端子22と外部接続端子23とを有したICチップ20を用意する(図13参照)。
【0105】
[振動ジャイロ素子準備工程S3]
ついで、図4に示す、基部31と、基部31から延伸された各振動腕(32aなど)と、各支持部38a,38bに設けられた接続電極39とを有した振動ジャイロ素子30を用意する。
【0106】
[フレキシブル配線基板準備工程S4]
ついで、可撓性を有したフレキシブル配線基板40,40aを用意する(図13参照)。なお、上述したように、フレキシブル配線基板40には、剛性を向上させる補強層43が、ICチップ20の外部接続端子23への取り付け領域からICチップ20の端部20aを過ぎるまでの範囲に亘って設けられている。
【0107】
[パッケージ準備工程S5]
ついで、上記各構成要素を収納するパッケージ90(パッケージベース91、リッド93など)を用意する(図10参照)。
なお、各準備工程S1〜S5の順番は、上記順番に限定するものではなく、順不同で構わない。
【0108】
[フレキシブル配線基板接合工程S6]
ついで、図13に示すように、ICチップ20の外部接続端子23に、フレキシブル配線基板40,40aの一方の端部44の配線パターン層42を、超音波接合法、加熱加圧接合法などにより取り付ける(接合する)(接合部分の詳細は図3参照)。
なお、図13では、ICチップ20上にフレキシブル配線基板40,40aを載置して取り付けているが、フレキシブル配線基板40,40aを反転してステージ(作業台)上に載置し、反転したICチップ20をフレキシブル配線基板40,40a上に載置してICチップ20の外部接続端子23をフレキシブル配線基板40,40aの配線パターン層42に取り付けてもよい。
【0109】
[振動ジャイロ素子接合工程S7]
ついで、図14に示すように、ICチップ20の能動面21(第2絶縁層28)側に振動ジャイロ素子30を配置し、振動ジャイロ素子30の一方の主面30a(他方の主面30b)が能動面21(第2絶縁層28)または非能動面29に沿うように(略平行になるように)、振動ジャイロ素子30の接続電極39をICチップ20の接続端子22に取り付ける(接合する)(接合部分の詳細は図3参照)。
これにより、ICチップ20に振動ジャイロ素子30及びフレキシブル配線基板40,40aが取り付けられたセンサーユニット101,102,103が得られる。
【0110】
[調整及び特性検査工程S8]
ついで、フレキシブル配線基板40,40aを介して、振動ジャイロ素子30及びICチップ20の調整及び特性検査を行う。
具体的には、センサーユニット101,102,103を、図示しない調整装置、特性検査装置にセットして、振動ジャイロ素子30の各振動腕の各重り部に設けられた金(Au)、銀(Ag)、クロム(Cr)などの金属被膜にレーザーを照射して除去することによって各振動腕の質量のバランスをとるバランス調整(バランスチューニング)などの調整作業や、振動ジャイロ素子30及びICチップ20の各種特性検査を行う。
【0111】
[センサーユニット第1接合工程S9]
ついで、図15に示すように、センサーユニット102,103を、支持部材10の第2平面12、第3平面13に取り付ける(接合する)。
詳述すると、センサーユニット102,103のICチップ20の非能動面29側を、絶縁性接着剤50により支持部材10と絶縁された状態で、支持部材10における各面11a,12,13のうち、パッケージ90の支持部材接合面としてのパッケージベース91の上面94に対して直角な面である第2平面12、第3平面13に取り付ける。
つまり、センサーユニット102を第2平面12に取り付け、センサーユニット103を第3平面13に取り付ける。
この際、各振動ジャイロ素子30の一方の主面30a(他方の主面30b)は、それぞれ第2平面12、第3平面13に沿った状態となっている。
【0112】
[支持部材接合工程S10]
ついで、図16に示すように、パッケージベース91の上面94に沿った支持面11aを図示しない吸着装置で吸着して、各センサーユニット102,103が取り付けられた支持部材10を搬送し、支持部材10の第4平面14をパッケージベース91の上面94に接合部材51を用いて取り付ける。
なお、接合部材51には、短絡を防止する観点から絶縁性を有した接着剤が好ましい。
【0113】
[センサーユニット第2接合工程S11]
ついで、図17に示すように、センサーユニット101をパッケージベース91の上面94に沿った支持面11aに取り付ける。
詳述すると、センサーユニット101のICチップ20の非能動面29側を、絶縁性接着剤50を用いて支持部材10と絶縁された状態で、支持部材10の支持面11aに取り付ける。
ついで、センサーユニット101,102,103のフレキシブル配線基板40,40aにおける他方の端部45の配線パターン層42を、接合部材52によりパッケージベース91の上面94の内部端子95,96,97にそれぞれ取り付ける。
これにより、センサーモジュール1が構成され、センサーモジュール1は、パッケージ90の内部に配置されたことになる。
【0114】
[リッド接合工程S12]
ついで、図10に戻って、真空状態(真空度の高い状態)でリッド93を接合部材53によってパッケージベース91に取り付け、パッケージ90の内部を気密に封止する。これにより、パッケージ90の内部を真空状態に保持する。また、これにより、センサーモジュール1は、パッケージ90の内部に収納されたことになる。
なお、大気中でリッド93をパッケージベース91に取り付けた後、パッケージベース91またはリッド93に設けた貫通孔を介してパッケージ90の内部を減圧し、貫通孔を封止することによってパッケージ90の内部を真空状態(真空度の高い状態)に保持してもよい。
【0115】
上記各工程などを経ることにより、図10に示すようなジャイロセンサー3を得る。
なお、上記各工程の順番は、必要に応じて適宜入れ換えてもよい。例えば、支持部材準備工程S1は、センサーユニット第1接合工程S9の直前でもよく、パッケージ準備工程S5は、支持部材接合工程S10の直前でもよく、フレキシブル配線基板接合工程S6と振動ジャイロ素子接合工程S7とは、互いに順番を入れ換えてもよい。
なお、センサーユニット第1接合工程S9において、センサーユニット102,103のフレキシブル配線基板40aの内部端子96,97への取り付けを行ってもよい。
【0116】
上述したように、第3実施形態のジャイロセンサー3は、第1実施形態のセンサーモジュール1が、パッケージ90に収納されたことから、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
主要な効果として、ジャイロセンサー3は、1つのパッケージ90の内部にX’軸、Y’軸、Z’軸の3軸に対応したセンサーモジュール1が収納されていることによって、3軸に対応したジャイロセンサーを提供できる。
この際、ジャイロセンサー3は、センサーモジュール1の、支持部材10の第1平面11の支持面11aが、第1平面11から陥没している(窪んでいる)ことから、パッケージベース91への取り付け面としての第4平面14から支持面11aに取り付けられているセンサーユニット101の振動ジャイロ素子30までの高さを、特許文献1の従来構成より、低くする(低背化する)ことができる。
これにより、ジャイロセンサー3は、3軸に対応しつつ薄型化されたジャイロセンサーを提供できる。
【0117】
また、ジャイロセンサー3は、センサーユニット101のICチップ20の外部接続端子23に、フレキシブル配線基板40が取り付けられ、フレキシブル配線基板40におけるICチップ20側とは反対側の面に、剛性を向上させる補強層43が、ICチップ20の外部接続端子23への取り付け領域からICチップ20の端部20aを過ぎるまでの範囲に亘って設けられている。
これにより、ジャイロセンサー3は、フレキシブル配線基板40におけるICチップ20の外部接続端子23への取り付け領域からICチップ20の端部20aを過ぎるまでの範囲に亘って剛性が向上する。
従って、ジャイロセンサー3は、センサーモジュール1のパッケージベース91への取り付け時に、前述したような、フレキシブル配線基板40が容易に折れ曲がり、ICチップ20の端部20aに接触することが生じ難くなる。
この結果、ジャイロセンサー3は、例えば、ICチップ20の端部20aに能動面21が露出している場合などにおける、フレキシブル配線基板40とICチップ20との接触によるフレキシブル配線基板40の配線パターン層42とICチップ20との短絡や、ICチップ20を介した配線パターン層42の配線パターン間の短絡を回避することができる。
【0118】
なお、ジャイロセンサー3は、センサーモジュール1の各センサーユニット101,102,103のいずれか1つを除去することにより、2軸に対応したジャイロセンサーを提供できる。
また、ジャイロセンサー3は、センサーモジュール1の各センサーユニット101,102,103のいずれか1つを残す(他の2つを除去する)ことにより、検出軸(X’軸、Y’軸、Z’軸)の方向に関わらず、パッケージ90の取り付け姿勢を変える必要がない1軸に対応したジャイロセンサーを提供できる。
【0119】
また、ジャイロセンサー3の製造方法は、上記の効果を奏するジャイロセンサーを製造し、提供することができる。
また、ジャイロセンサー3の製造方法は、センサーユニット102,103を、支持部材10の各面11a,12,13のうち、パッケージベース91の上面94と直角な第2平面12、第3平面13に、支持面11aより先に接合する。
これにより、ジャイロセンサー3の製造方法は、支持部材10におけるパッケージベース91の上面94に沿った、センサーユニット101が接合されていない支持面11aを、吸着装置などで吸着し、支持部材10を保持することが可能となることから、支持部材10の取り扱い(搬送)が容易となる。
この結果、ジャイロセンサー3の製造方法は、センサーユニット102,103が取り付けられた支持部材10の、パッケージベース91への取り付けが容易となることから、生産性を向上させることができる。
【0120】
なお、ジャイロセンサー3は、センサーモジュール1に代えて、第2実施形態のセンサーモジュール2を用いてもよい。
これによれば、ジャイロセンサー3は、上記と同様の効果及び第2実施形態特有の効果を奏するジャイロセンサーを提供できる。
【0121】
なお、上記各実施形態では、振動ジャイロ素子30の基材を水晶としたが、これに限定するものではなく、例えば、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、四ホウ酸リチウム(Li247)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)などの圧電体、またはシリコン(Si)などの半導体であってもよい。
また、振動ジャイロ素子30は、ダブルT型以外にも、二脚音叉、三脚音叉、H型音叉、くし歯型、直交型、角柱型など、種々のジャイロ素子(センサー素子)を用いることが可能である。
また、ジャイロ素子は振動型以外のものであってもよい。
また、振動ジャイロ素子30の振動の駆動方法や検出方法は、圧電体の圧電効果を用いた圧電型によるものの他に、クーロン力を利用した静電型によるものや、磁力を利用したローレンツ型によるものなどであってもよい。
また、センサー素子の検出軸(センシング軸)は、センサー素子の主面に直交する軸のほかに、センサー素子の主面に平行な軸であってもよい。
【0122】
また、上記各実施形態では、センサーモジュールのセンサー素子として振動ジャイロ素子を例に挙げたが、これに限定するものではなく、例えば、加速度に反応する加速度感知素子、圧力に反応する圧力感知素子、重さに反応する重量感知素子などでもよい。
また、上記第3実施形態では、センサーデバイスとしてジャイロセンサーを例に挙げたが、これに限定するものではなく、例えば、上記加速度感知素子を備えたセンサーモジュールを用いた加速度センサー、圧力感知素子を備えたセンサーモジュールを用いた圧力センサー、重量感知素子を備えたセンサーモジュールを用いた重量センサーなどでもよい。
【0123】
(電子機器)
上記ジャイロセンサー、加速度センサー、圧力センサー、重量センサーなどのセンサーデバイスは、デジタルスチールカメラ、ビデオカメラ、ナビゲーション装置、車体姿勢検出装置、ポインティングデバイス、ゲームコントローラー、携帯電話、ヘッドマウントディスプレイなどの電子機器に、センシング機能を備えたデバイスとして好適に用いることができ、いずれの場合にも上記各実施形態で説明した効果を奏する電子機器を提供することができる。
【符号の説明】
【0124】
1,2…センサーモジュール、3…センサーデバイスとしてのジャイロセンサー、10…支持部材、11…第1平面、11a…第1支持面としての支持面、12…第2支持面としての第2平面、13…第3平面、14…第4平面、20…第1及び第2のICチップとしてのICチップ、21…一面としての能動面、22…第1及び第2の接続端子としての接続端子、23…外部接続端子、24…第1の電極、25…応力緩和層、26…第1絶縁層、26a…開口部、27…配線、28…第2絶縁層、28a,28b…開口部、29…他面としての非能動面、30…第1及び第2のセンサー素子としての振動ジャイロ素子、30a…一方の主面、30b…他方の主面、31…基部、32a,32b…検出用振動腕、32c,32d…重り部、33a,33b…連結腕、34a,34b…駆動用振動腕、34c,34d…重り部、35a,35b…駆動用振動腕、35c,35d…重り部、36a,36b,37a,37b…支持腕、38a,38b…支持部、39…第1及び第2の接続電極としての接続電極、40,40a…フレキシブル配線基板、41…ベース層、42…配線パターン層、43…補強部としての補強層、44…一方の端部、45…他方の端部、50…絶縁性接着剤、51,52,53…接合部材、60…ステージ(外部部材)、90…パッケージ、91…パッケージベース、92…凹部、93…リッド、94…支持部材接合面としての上面、95,96,97…内部端子、98…下面、99…外部端子、101…第1のセンサーユニットとしてのセンサーユニット、102…第2のセンサーユニットとしてのセンサーユニット、103…第3のセンサーユニットとしてのセンサーユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基準平面に平行且つ窪み内に配置されている第1支持面と、前記第1基準平面に直交または傾斜した第2基準平面に対し平行な第2支持面と、を有する支持部材と、
前記第1支持面に取り付けられ、一面側に第1の接続端子を有し、該一面に沿った他面側が前記第1支持面への取り付け面である第1のICチップと、
前記第2支持面に取り付けられ、一面側に第2の接続端子を有し、該一面に沿った他面側が前記第2支持面への取り付け面である第2のICチップと、
前記第1のICチップの前記一面側に、該一面に主面が沿うよう配置され、前記第1の接続端子に取り付けられた第1の接続電極を有している第1のセンサー素子と、
前記第2のICチップの前記一面側に、該一面に主面が沿うよう配置され、前記第2の接続端子に取り付けられた第2の接続電極を有している第2のセンサー素子と、を備えていることを特徴とするセンサーモジュール。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサーモジュールにおいて、前記窪みの深さ寸法が、
前記第1支持面から前記第1のセンサー素子までの高さ寸法以上であることを特徴とするセンサーモジュール。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のセンサーモジュールにおいて、
前記支持部材が、直方体形状の支持部材基部と、前記支持部材基部から突出した側壁部とを含み、
前記第2支持面が前記支持部材基部と前記側壁部とに跨って配置されており、
前記第2のセンサー素子の厚み方向において、前記側壁部の厚み寸法よりも前記支持部材基部の厚み寸法の方が大きく、
前記第2のICチップは、前記側壁部との取り付け面積よりも、前記支持部材基部との取り付け面積の方が大きく、
前記第2のセンサー素子の主面に直交する方向からの側面観において、前記第2のセンサー素子の少なくとも一部が、前記支持部材基部と重なっていることを特徴とするセンサーモジュール。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のセンサーモジュールにおいて、前記第1及び第2のICチップの少なくとも一方は、前記一面側に外部接続端子を有し、前記外部接続端子には、フレキシブル配線基板が取り付けられていることを特徴とするセンサーモジュール。
【請求項5】
請求項4に記載のセンサーモジュールにおいて、前記フレキシブル配線基板の前記第1及び第2のICチップ側とは反対側の面に、前記フレキシブル配線基板の剛性を向上させる補強部が、平面視で、前記外部接続端子への取り付け領域から前記第1及び第2のICチップの端部を過ぎるまでの範囲に亘って設けられていることを特徴とするセンサーモジュール。
【請求項6】
請求項5に記載のセンサーモジュールにおいて、前記フレキシブル配線基板の前記補強部は、金属を含んでなることを特徴とするセンサーモジュール。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のセンサーモジュールにおいて、前記第1及び第2のICチップの前記第1及び第2の接続端子は、前記一面側に突出した突起電極であることを特徴とするセンサーモジュール。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のセンサーモジュールにおいて、前記第1支持面及び前記第2支持面の少なくとも一方には、凹部が設けられたことを特徴とするセンサーモジュール。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載のセンサーモジュールと、
前記センサーモジュールを収納するパッケージと、を有し、
前記センサーモジュールが、前記パッケージ内に収納されたことを特徴とするセンサーデバイス。
【請求項10】
請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載のセンサーモジュールを備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項11】
第1基準平面に平行且つ窪み内に配置されている第1支持面と、前記第1基準平面に直交または傾斜した第2基準平面に対し平行な第2支持面と、を有する支持部材を用意する工程と、
一面側に第1の接続端子及び外部接続端子を有し、該一面に沿った他面側が前記第1支持面への取り付け面である第1のICチップと、一面側に第2の接続端子及び外部接続端子を有し、該一面に沿った他面側が前記第2支持面への取り付け面である第2のICチップと、を用意する工程と、
第1の接続電極を有している第1のセンサー素子と、第2の接続電極を有している第2のセンサー素子と、を用意する工程と、
複数のフレキシブル配線基板であって、少なくとも1つの前記フレキシブル配線基板の前記第1及び第2のICチップ側とは反対側となる面に、剛性を向上させる補強部が、平面視で、前記第1及び第2のICチップの前記外部接続端子への取り付け領域から前記第1及び第2のICチップの端部を過ぎるまでの範囲に亘って設けられた前記フレキシブル配線基板を用意する工程と、
前記各構成要素を収納するパッケージを用意する工程と、
前記第1及び第2のICチップの前記外部接続端子に前記フレキシブル配線基板をそれぞれ取り付ける工程と、
前記第1及び第2のICチップの前記一面側に、前記第1及び第2のセンサー素子を配置し、前記第1及び第2のセンサー素子の主面が前記一面または前記他面に沿うように、前記第1及び第2のセンサー素子の前記第1及び第2の接続電極を前記第1及び第2のICチップの前記第1及び第2の接続端子にそれぞれ取り付ける工程と、
前記フレキシブル配線基板を介して、前記第1及び第2のセンサー素子及び前記第1及び第2のICチップの調整及び特性検査を行う工程と、
前記第1及び第2のセンサー素子及び前記フレキシブル配線基板が取り付けられた前記第1及び第2のICチップをそれぞれ具備してなる複数のセンサーユニットであって、前記第2のICチップを備えた第2のセンサーユニットの、前記第2のICチップの前記他面側を、前記支持部材の前記第2支持面に取り付ける工程と、
前記第2のセンサーユニットが取り付けられた前記支持部材の、前記第1支持面との対向面を、前記パッケージの支持部材接合面に取り付ける工程と、
前記パッケージの前記支持部材接合面に取り付けられた前記支持部材の前記第1支持面に、前記センサーユニットであって、前記補強部を備えた前記フレキシブル配線基板が取り付けられた前記第1のICチップを備えた第1のセンサーユニットの、前記第1のICチップの前記他面側を取り付ける工程と、
前記第1及び第2のセンサーユニットの前記フレキシブル配線基板を、前記パッケージの前記支持部材接合面に取り付ける工程と、
を含むことを特徴とするセンサーデバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−220296(P2012−220296A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85161(P2011−85161)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】