説明

センサ洗浄装置

【課題】 配管の先端の噴出口から水流を噴出するセンサ洗浄装置では、配管の噴出口から噴出される水流を強くしても、気泡や、バクテリア、アオコ又は汚れが取りきれないという問題がある。
【解決手段】 センサ6の近傍に回転軸7の上部が支持体(図示せず)によって装着され、この回転軸7の下端に回転羽根8が固着され、又、回転羽根8にワイパー9が固着され、このワイパー9は超音波が透過し易い物質で構成され、又、このワイパー9の上面に洗浄面9aが形成され、この洗浄面9aはセンサ6の超音波照射面と接触するように構成され、さらに、回転羽根8の近傍に配管10の噴出口10aが装着され、配管10は水供給装置11に接続され、この噴出口9aから水流が噴出するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚泥槽又は浄化槽に装着したセンサの超音波照射面を洗浄するようにしたセンサ洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、センサ洗浄装置として、図4に示すように、汚泥槽又は浄化槽1の汚水2の上面にセンサ3を装着し、汚水2に浸漬したセンサ3の照射面から汚水2内に超音波を照射して汚水2内に溜まった汚泥のレベルを検出するレベル計や、汚水2の濃度を検出する濃度計が提案されているが、このようなレベル計又は濃度計では、センサ3の照射面に発生した気泡や、バクテリア、アオコ又は汚れが付着すると、センサ3の音響インピーダンスが低下し、センサ3から照射する超音波を反射させたり、吸収して、超音波の送受波が阻害されるために、図5に示すように、水供給装置5に配管を接続し、この配管4の先端の噴出口4aから水流を噴出して、センサ3の照射面を洗浄するようにするものが提案されている。
【0003】
しかしながら、このように、水供給装置5から供給された配管4の先端の噴出口4aから水流を噴出して、センサを洗浄するセンサ洗浄装置では、配管4の噴出口4aから噴出される水流を強くした場合は気泡はとれるが、バクテリアやアオコ又は汚れが取りきれないという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、配管の先端の噴出口から水流を噴出するセンサ洗浄装置では、配管の噴出口から噴出される水流を強くしても、気泡や、バクテリア、アオコ又は汚れが取りきれないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、汚泥槽又は浄化槽に装着したセンサから超音波を照射して、汚泥槽又は浄化槽内の汚泥のレベル又は濃度を検出するようにしたレベル又は濃度計において、回転軸に回転可能に装着されたワイパーの洗浄面をセンサの超音波照射面に接触するように配置し、センサの近傍に配置した配管の先端の噴出口から噴出する水流によってワイパーを回転し、ワイパーでセンサの超音波照射面を洗浄するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明のセンサ洗浄装置では、ワイパーに回転羽根を装着し、配管の先端の噴出口から流水を噴出して回転羽根を回転し、ワイパーを回転して、ワイパーの洗浄面をセンサの超音波照射面に接触させて洗浄するようにしたので、気泡や、バクテリア、アオコ又は汚れが簡単に取れ、音響インピーダンスの低下やセンサにおける超音波の反射や吸収をなくし、超音波の送受波が阻害されることを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明では、汚泥槽又は浄化槽に装着したセンサから超音波を照射して、汚泥槽又は浄化槽内の汚泥のレベル又は濃度を検出するようにしたレベル又は濃度計において、回転軸に回転可能に装着されたワイパーの洗浄面をセンサの超音波照射面に接触するように配置し、ワイパーの回転羽根にセンサの近傍に配置した配管の先端の噴出口から噴出する水流を吹き付けることによってワイパーを回転し、ワイパーでセンサの超音波照射面を洗浄するものである。
【実施例】
【0008】
図1は本発明の実施例のセンサ洗浄装置の構成図で、センサ6の近傍に回転軸7の上部が支持体(図示せず)によって装着され、この回転軸7の下端に回転羽根8が固着され、又、回転羽根8にワイパー9が固着され、このワイパー9は超音波が透過し易い物質で構成され、又、このワイパー9の上面に洗浄面9aが形成され、この洗浄面9aはセンサ6の超音波照射面と接触するように構成され、さらに、回転羽根8の近傍に配管10の噴出口10aが装着され、配管10は水供給装置11に接続され、この噴出口9aから水流が噴出するように構成されている。
【0009】
このように構成された本実施例のセンサ洗浄装置では、配管10の噴出口10aから水流が噴出されると、回転羽根8が回転することによって、ワイパー9が回転し、ワイパー9の上面の洗浄面9aがセンサ6の超音波照射面をこすることによって、気泡やバクテリア、アオコ又は汚れがこすり取られて洗浄されるので、音響インピーダンスの低下やセンサにおける超音波の反射や吸収をなくし、超音波の送受波が阻害されることを防ぐことができ、又、こすり落とされた気泡やバクテリア、アオコ又は汚れは配管9の噴出口10aから噴出される水流によって遠くに流され、こすられた気泡やバクテリア、アオコ又は汚れがすぐに再度付着するようなことを防ぐことができ、又、ワイパー9が楕円形に構成されているので、センサ6を洗浄しない場合は、ワイパー9をセンサ6の照射面から離して置くことができるという利点がある。
【0010】
図2は本発明の他の実施例のセンサ洗浄装置の構成図で、6はセンサ、7は回転軸、9はワイパー、10は配管、10aは噴出口、11は水供給装置でこれらの構成は上記実施例と同じであるので、説明は省略するが、本実施例では、回転羽根9bをワイパー9の側面に装着したものである。
【0011】
このように構成した本実施例においても、配管10の噴出口10aから噴出された水流がワイパー9の側面に装着された回転羽根9bに噴出されるので、ワイパー9が回転し、センサ6の照射面を洗浄することができ、又、このワイパー9は楕円形でもよいが、回転し易いように円形でもよい。
【0012】
図3は本発明の他の実施例のセンサ洗浄装置の構成図で、6はセンサ、7は回転軸、9はワイパー、10は配管、10aは噴出口、11は水供給装置でこれらの構成は上記実施例と同じであるので、説明は省略するが、本実施例では、ワイパー9の上面を回転羽根8cに構成し、この回転羽根9cの上面に洗浄部を形成し、回転羽根9cの下部は配管10の噴出口10aから噴出した水流が効率よく回転羽根9cに当たるように円板9dが設けられている。
【0013】
このように構成した本実施例においても、配管10の噴出口10aから噴出された水流がワイパー9の回転羽根9cに噴出されるので、ワイパー9が回転し、ワイパー9の回転羽根9cの上面の洗浄部でセンサ6の照射面を洗浄することができる。
【産業上の利用可能性】
【0014】
なお、上記実施例において、上記3つの実施例以外にも、ワイパー9を配管10の噴出口10aから噴出される水流で回転するものであれば、本発明の構成であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例のセンサ洗浄装置の構成図である。
【図2】本発明の他の実施例のセンサ洗浄装置の構成図である。
【図3】本発明のさらに他の実施例のセンサ洗浄装置の構成図である。
【図4】センサを装着する汚泥槽又は浄化槽の構成図である。
【図5】従来のセンサ洗浄装置の構成図である。
【符号の説明】
【0016】
6 センサ
7 回転軸
8 回転羽根
9 ワイパー
10 配管
11 水供給装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚泥槽又は浄化槽に装着したセンサから超音波を照射して、前記汚泥槽又は浄化槽内の汚泥のレベル又は濃度を検出するようにしたレベル又は濃度計において、前記センサの近傍に配置した回転軸でワイパーを回転可能に装着し、該ワイパーの洗浄部を前記センサの超音波照射面に接触させ、前記ワイパーを前記センサの近傍に配置した配管の先端の噴出口から噴出する水流によって回転することにより、前記センサの超音波照射面を洗浄することを特徴するセンサ洗浄装置。
【請求項2】
前記ワイパーを水流によって回転するために、前記ワイパーの回転軸に回転羽根を装着し、前記配管の先端の噴出口から噴出する水流で前記ワイパーを回転することを特徴とする請求項1記載のセンサ洗浄出装置。
【請求項3】
前記ワイパーを水流によって回転するために、前記ワイパーの側面に羽根を装着し、前記配管の先端の噴出口から噴出する水流で前記ワイパーを回転することを特徴とする請求項1記載のセンサ洗浄装置。
【請求項4】
前記ワイパーを水流によって回転するために、前記ワイパーは回転羽根で構成し、前記配管の先端の噴出口から噴出する水流で該回転羽根を回転し、前記超音波振動子を洗浄することを特徴とする請求項1記載のセンサ洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−167672(P2006−167672A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−367047(P2004−367047)
【出願日】平成16年12月20日(2004.12.20)
【出願人】(000243364)本多電子株式会社 (255)
【Fターム(参考)】