説明

ソケット、コンセントアセンブリ、コネクタ

【課題】壁及び天井に配線及び再配線するための、永久的で目立たず、低コストであり、自分で設置し易い、特別な場所へ隠設する新しい配線システムと従来の配線とを接続するための対応するソケットを提供する。
【解決手段】本発明に係るソケットは、慣用的なプラグの夫々の雄接点と連通するための開口を備えた、電気コンセントアセンブリに使用される雌ソケットであって、前記従来のプラグの夫々の前記雄接点と接触するために、前記ソケットの夫々の前記開口に沿って離設された複数のワイパアセンブリ114,116であって、前記ワイパアセンブリの夫々が複数のワイパ114a〜114c,116a〜116cを有し、該複数のワイパの夫々が他のワイパと独立して移動可能である前記ワイパアセンブリと、そして、一端部で前記ワイパアセンブリに接続され、他端部で電源に接続されている導電リード線111,112と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ソケット、コンセントアセンブリ、コネクタに関し、特に、様々な配線用途に使用される薄い屈曲可能な表面取り付け式平形電線と共に使用するソケット、コンセントアセンブリ、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の配線と再配線技術及び手順は、既存の商業又は住宅適用する際に、ユーザに多くの制限を加える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多くの配線適用、例えば、電気、電話、アンテナ/CATV、スピーカ及び低電圧配線、並びに、関連のプラグ、スイッチ及びコネクタ等のいずれかの追加、変更または移動をする際には、費用が高くなるか、目立つか、その両方である。
延長コード、長い電話線及びアンテナ/CATVコード、外部スピーカ電線、そして低電圧電線の仮配線方法または取り外し方法は、煩雑で、室内に隠設したり、溶け込ませることが困難である。
永久的な設置では、一般的に、ユーザが隠設を望む場合に専門家が壁内に取り付けるか、何らかの目立たない非可撓性導管を使用する必要がある。いずれの方法も、費用が高くなりがちである。
【0004】
上記の点から、壁及び天井に配線及び再配線するための、永久的で目立たず、低コストであり、自分で設置し易い、特別な場所への隠設システムが必要とされている。また、そのような新しい配線システムと従来の配線とを接続する対応のソケット、プラグ、スイッチ及びコネクタも必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、既存の従来型丸形配線と本発明の平形電線とを接続する幾つかの独特のソケット、コンセント、スイッチ及びコネクタに言及するものである。
また、本発明は、関連技術の制限及び不都合による一つ以上の問題を大幅に軽減する平形の薄い、可撓性多層電線にも言及するものである。
例を挙げると、これに限定されるものではないが、本発明は、標準的電気配線、電話配線、スピーカ配線、セキュリティシステム等の低電圧配線、底面照明、そしてケーブルTV配線を含む様々な用途に使用することができる。
【0006】
これら及び他の利点を達成するため、本発明の目的に従って、例示すると共に幅広く説明するように、本発明は、慣用的なプラグの夫々の雄接点と連通するための開口を備えた、電気コンセントアセンブリに使用される雌ソケットであって、前記従来のプラグの夫々の前記雄接点と接触するために、前記ソケットの夫々の前記開口に沿って離設された複数のワイパアセンブリであって、前記ワイパアセンブリの夫々が複数のワイパを有し、該複数のワイパの夫々が他のワイパと独立して移動可能である前記ワイパアセンブリと、そして、一端部で前記ワイパアセンブリに接続され、他端部で電源に接続されている導電リード線と、を備えているソケットを提供する。
別の態様では、本発明は、ベース部材と、該ベース部材に取り外し可能に固定されたコンセントカバーとを有するコンセントアセンブリであって、前記コンセントカバー内に配置された銅フレームアセンブリと、前記コンセントカバーに取り外し可能に固定された平形電線接続アセンブリと、前記平形電線接続アセンブリの一表面から延在した対応の細長いスロットと夫々連通するために、前記銅フレームアセンブリに固定された第1の複数の雄導電接点と、そして、前記コンセントカバーと一体化されていると共に、前記銅フレームアセンブリと接触する複数の雌ソケットと、を備えているコンセントアセンブリを提供する。
前記ベース部材は、標準的な雌ソケットコンセントアセンブリと組み合わせるための複数の開口を備えていることが好ましい。
さらに、前記コンセントカバーに取り外し可能に固定されて、前記ベース部材の前記開口を通して、前記標準的な雌ソケットコンセントアセンブリの夫々のスロットと連通する雄接点を有する漏電遮断器モジュールと、前記漏電遮断器モジュールの一表面に沿って設けられた対応のスロットと夫々連通するための前記銅フレームアセンブリに固定された第2の複数の雄導電接点と、を備えることもできる。
さらにまた別の態様では、本発明は、平形電線を慣用的な電線に接続するコネクタであって、コネクタの第1表面に沿って設けられ、慣用的な配線リード線と選択的に連通している複数の在来型の止めねじと、前記平形電線の個々の導体を受け取るために、コネクタの第2表面に沿って設けられた1つまたは複数の平形電線ソケットと、を備えており、該平形電線ソケットの夫々は、前記個々の導体の各々において個々の銅層と接触する複数のスロット付きばねを収容しているコネクタを提供する。
さらに、コネクタは、前記スロット付きばねを押し付けるねじ手段を備えることもできる。
また別の態様では、本発明は、平形電線リード線をコンセントフレームアセンブリに接続するコネクタであって、前記平形電線の夫々の導体を収容するために、前記コネクタの第1表面に沿って設けられ、前記個々の導体の夫々において個々の銅層と接触するための複数のスロット付きばねを収容している1つまたは複数の平形電線ソケットと、コンセントフレームアセンブリに沿って離設配置された個々の雄導電接点を受け取るための第2表面に沿って設けられた1つまたは複数の細長いスロットと、を備えたコネクタを提供する。
前記細長いスロットは、前記雄導電接点と接触するための個別移動可能な複数のワイパを収容することができる。
さらに、コネクタは、前記スロット付きばねを押し付けるねじ手段を備えることができる。
【0007】
また、本発明は、ほぼ平行に間隔を保った複数の細長い平形導体からなる表面取り付け式の可撓性多目的電線であって、複数の平形導体の夫々は、複数の銅層と、複数の平形導体を分離させる接着剤と、そして平形導体及び接着剤を包囲する絶縁層とからなり、また、接着剤は絶縁層に付着しており、そして、平形導体及び絶縁層の断面高さは、ペンキを塗るか、壁紙を貼った後、多目的電線が表面に溶け込むようになっている電線を提供する。
銅層は、一般的に、約0.00508センチ(約0.002インチ)程度の厚さであるが、約0.0010〜0.051センチ(約0.0004〜0.020インチ)の範囲内でもよい。銅層の数及び厚さは、所望の適用に適するように調節することができる。ここに示した様々な寸法は、本発明を実用化する際に大幅に変更することができる。
絶縁層は、ポリエステルフィルム(例えばデュポンのマイラー(Dupon Mylar))、ウレタンフィルムまたはテフロン(登録商標)フィルムからなるグループから選択した材料で構成することができる。接着剤は、接着テープ(例えば3Mの9500PC)、液体接着剤またはその2つを組み合わせたものから選択することができる。
別の態様では、本発明は、上記のような接着剤及び絶縁層と一緒の単一平形導体からなる、表面取り付け式可撓性多目的電線を提供する。
上記の一般的な説明及び以下の詳細な説明とも、例示かつ説明であり、請求されている本発明をさらに詳しく説明するためのものであることを理解されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
上記とその他の目的、態様、そして利点は、図面を参照した本発明の好適な実施態様の以下の詳細な説明から十分に理解されるであろう。
【0009】
一般的に、前述したように、本発明は標準的電話配線、電話配線、スピーカ配線、内部通話装置及びセキュリティシステム等の低電圧配線、底面照明、そして、ケーブルTV配線を含む様々な用途で作動するように使用または採用することができる。また、本発明は、既存の従来の丸形配線と接続する幾つかの独特のコンセント及びスイッチを含む。さらに、本発明はまた、特定のシステム実施態様を実行するために、テープ、はぎ取り工具、そして独特のコネクタを用いる。個々の構成要素細について、個別に詳述した後、本開示が目的とする適用を説明する。
個々の電線実施態様の各々は、基本共通構造を共有している。しかし、個々の適用に従って、所望の目的を達成するために、構造的構成要素の寸法及び基本構造に様々な変更を加えることができる。
参照し易くするため、基本構造を第1電線実施態様に関連して詳細に説明する。この基本構造の概念は、総ての電線実施態様に適用されることを理解されたい。必要に応じて、基本構造の変形例を説明する。全図面を通して、同様な部材については、可能であれば同一の参照番号を使用する。
【実施例1】
【0010】
電線の実施態様
【0011】
交流(AC)電線
図面を、特に図1を参照すると、本発明に従った標準的な110V交流3導体式電線の実施態様の分解横断面図が示されている。分解断面図は、図解のかつ説明の目的だけのものである。実際の3導体式の実施態様では、導体、絶縁体及び接着剤の間に空間(すなわち図1の白色領域)が見えないであろうが、夫々について、以下に詳細に説明する
【0012】
一般的に、電線10は、平形の可撓性電線であり、ユーザが室内の壁または天井のいずれの部分へも電気を引くことができるようにされている。電線10は、壁または天井の表面に取り付けられるため、費用のかかる壁または天井の内側に再配線する必要がない。電線にペンキを塗るか、その上に壁紙を貼って、周りの表面と調和させることができる。
【0013】
電線10は、複数の細長い平行に間隔を保たれた多層導体11を備えている。図1に示されているように、一般的な110V交流3線式の実施態様は、交流地絡線と、交流中性線と、そして、交流電源線とを備えている。
【0014】
図1に示されているように、内部接着剤13は、平形導体11を分離させ、並びに、外側平形導体の縁部密封を行う。接着剤13及び導体11を薄い絶縁材の層15が包囲している。また、外部接着層17を平形電線の裏面に付着させて、電線を所望の表面に取り付けることができるようになっている。
【0015】
各導体11は、銅材で形成された1層または複数層で構成されており、かかる銅材は、約0.0010〜0.051センチ(約0.0004〜約0.020インチ)厚さ、好ましくは約0.00508センチ(約0.002インチ)厚さ程度である。図1には、例として、3銅層11a、11b、11cが示されている。導体の層の厚さをそれの長さ及び幅全体にわたって均一にし、それによって抵抗「過熱点」をなくす必要がある。
特定の用途の電流及び信号の両方またはいずれか一方の伝送仕様は、3種類の方法のいずれかを個別に、または組み合わせて達成することができる。第1に、導体11の幅Wcを変更してもよい。第2に、各導体11に薄い銅層を追加して積み重ねてもよい。第3に、導体11の厚さtを増加させてもよい。
ほとんどの負荷及び電流の場合、各導体は、一般的に約2〜5銅層で構成される。しかし、以下に開示する実施態様の夫々において、使用する層を増減することは、本発明の範囲内であることを理解されたい。
例えば、各銅層の厚さが約0.00508センチ(約0.002インチ)の5銅層導体は、絶縁体を含めた厚さが0.03048センチ(0.012インチ)程度になる。しかし、その厚さであっても、平形電線は、断面が非常に薄く、ペンキを塗ったり壁紙を貼れば、表面上で実際に見分けがつかなくなる。
【0016】
次に、絶縁層15について詳細に説明する。絶縁は、理想状態のみで導通を防止する最低厚さで達成される。絶縁層15の主目的は、表面に付着させた電線の存在の視覚的隠蔽を助けて、設置時に外観が美しくなるようにすることである。
絶縁層15は、また、銅導電層の向きを合わせる。さらに、絶縁材を単独か、内部接着剤13と組み合わせて使用することによって、導電層群を分離させると共に、異なった目的の導体(例えば、交流地絡線対交流中性線または対交流電源線)間に安全な誘電距離を維持することができる。
図1に示されているように、多層平形電線10の縁部の絶縁層15は、視覚的隠蔽性を高めるためにテーパ状になっているが、必ずしもその必要はない。絶縁材は、例えばポリエステルフィルム(例えばデュポンのマイラー(Dupont Mylar))、ウレタンフィルムまたはテフロン(登録商標)フィルムからなるグループから選択できる。
本発明の範囲内において別の絶縁材も考えられ、絶縁材が柔軟で、塗装可能であると共に、表面に接着可能であれば、使用することができる。絶縁材はまた、接合混合物に適合し、紫外線耐性を備え、そして導体及びそれを付着させる表面と同様な熱膨張及び収縮特性を備えている必要がある。
他の所望特性として、絶縁材は、製造処理中に加えられる引張り力に耐え、保管状態で収縮または弛緩せず、使用し終わった時に取り外し可能でなければならない。
危険な露出による電気事故の原因になる摩耗、割れ、切断、穿孔または他の絶縁材損傷も、永久損傷を防止する一定期間、ユーザから有害電流を遮断する電子故障検出手段を用いることによって安全にすることができる。この電子故障検出手段、すなわち漏電遮断器(GFI)については、詳細に後述する。
【0017】
図1に戻ると、内部接着剤13は、絶縁層15に付着できなければならない。例えば、接着テープ(例えば3Mの9500PC)、液体接着剤、またはこれら2つを組み合わせたものを内部接着剤として使用することができる。内部接着剤13は、導電層群を分離して、異なった目的の導体間に安全な誘電距離を維持することもできる。さらに、接着剤13は、電線内の様々な部材の隙間を埋めて平らにすることによって、表面上での視覚的隠蔽を助けることができる。
内部接着剤13の厚さは、導体11の断面高さtと、特に、内部接着剤が導体11を分離させている位置における導体11の断面高さtとほぼ同じである。図1に示されているように、視覚的隠蔽性を向上させるために、内部接着剤13を平形電線10の縁部でテーパ状にしてもよい。
【0018】
外部接着層17は、電線を所望表面に取り付けるために設けられている。外部接着層17は、例えば両面テープにして、一方側を平形電線10の裏面に固定し、他方側を壁または表面に固定することができる。代替的に、化学接着剤を個別に塗布してもよく、化学接着剤は、絶縁層15及び平形電線10を付着させる所望表面の両方に対して良好な付着性を備えた接着剤であればどのようなものでもよい。
【0019】
例えば0.00508センチ(0.002インチ)厚さの3銅層を備えた完成状態の平形3導体式電線10は、断面高さtが約0.01778〜0.0254センチ(約0.007〜0.010インチ)である。15アンペア定格電線の場合、3導体式平形電線10の全幅Wは、約5.08〜6.35センチ(約2.0〜2.5インチ)程度である。各導体の幅Wcは、約1.016〜1.524センチ(約0.4〜0.6インチ)であって、導体の間隔Wsは、約0.508〜0.762センチ(約0.2〜0.3インチ)である。
容易に識別可能で適当かつ安全な接続を確保するため、交流地絡線の幅Wcを交流中性線及び交流電源線に比べてわずかに大きくすることができる。従って、交流地絡線の幅は、1.524センチ(0.6インチ)に近くなるが、他の2導体の幅は、1.016センチ(0.4インチ)に近くなる。代替的に、交流地絡線の幅を他方の導体に比べて小さくすることもできる。
同様な寸法を他の用途にも使用できるが、本発明を実用化する際に様々な寸法を大きく変更できることを理解されたい。
【0020】
平形電線10によって、ファン、天井照明、壁照明または美術品照明に使用するために、壁及び天井の特定位置に電気を引くための費用のかかる再配線に代わる簡単で安価な配線が可能になる。
【0021】
図2は、本発明の110V交流5導体式電線20の分解横断面図を示しており、5本の多層銅導体11が平行に離設されている。この5導体式電線の実施態様は、上記の3導体式電線の実施態様の特徴を総て備えていると共に、第2回路を収容するために2本の導体11を追加して設けられている。同様な部材は、同一の参照番号で示されている。
【0022】
110V交流5導体式電線は、1本の平形電線に2つの回路が望まれる場合、例えば電線が照明とファンにつながっている場合や、切り換えプラグを使用する場合に使用される。本実施態様では、5本の導体が、2本の交流中性線と、2本の交流電源線と、そして1本の交流地絡線とで構成されている。
銅層の数及び厚さ、導体11の幅Wc及び厚さt、そして導体間の間隔Wsは、一般的に110V交流3導体式電線と同じ寸法である。完成状態の平形電線20の全体幅Wは、約8.89〜10.795センチ(約3.5〜4.25インチ)程度である。
【0023】
本発明の平形電線の導体は、ほぼ図1に示されているようにして、220V交流電線の実施態様を構成するためにも使用することができる。例えば約0.00508センチ(約0.002インチ)厚さの4銅層を備えた完成状態の平形3導体式220V交流電線は、断面高さtが約0.03048センチ(約0.012インチ)になるであろう。全幅Wは、約7.62〜8.89センチ(約3.0〜3.5インチ)程度であろう。中性線及び電源線の幅Wcは、約1.016〜1.524センチ(約0.4〜0.6インチ)であるが、地絡線の幅Wcは、約0.508〜1.016センチ(約0.2ないし0.4インチ)である。導体の間隔Wsは、約1.016〜1.524センチ(約0.4〜0.6インチ)である。
3導体式110V交流電線の場合と同様に、3導体式220V交流電線の地絡線の幅を変えることによって、電線とコネクタとの適切な接続が容易になる。
【0024】
スピーカ電線
上記実施態様と同様に、図3に示されている本発明のスピーカ電線30は、ユーザがスピーカを室内の壁または天井のいずれの場所にも設置できるようにする平形の薄い可撓性電線である。スピーカ電線30は、例えばステレオまたはモノオーディオコンポーネントに、あるいは「サラウンド=サウンド」等の拡張テレビまたは音響システム用の外部スピーカの配線に使用できる。
スピーカ電線30は、壁または天井の表面に取り付けることができるため、費用のかかる壁または天井の内側に再配線する必要がない。また、電線にペンキを塗るか、その上に壁紙を貼って、周りの表面と調和させることができる。
【0025】
図3に示されているように、薄いスピーカ電線30は、1対の多層銅導体11を備えている。スピーカ電線30の導電容量は、10ゲージより線と同等であるのが好ましい。各導体11は、一般的に2ないし3銅層を備えており、前者の場合が図3に銅層11a及び11bで示されている。銅層は、約0.0010〜0.051センチ(約0.0004〜約0.020インチ)厚さ、好ましくは約0.00508センチ(約0.002インチ)厚さである。特定の用途に応じて使用する銅層の数を増減できることを理解されたい。
1対の導体11は、前述したように、適当な接着剤13によって分離されて、共に絶縁層15で包囲されている。前述のものと同様の絶縁体及び接着剤を使用することができる。
【0026】
用途上、外部信号及びクロスオーバ干渉を低減できるように、スピーカ電線30に導体11を包囲するシールド材18を設けてもよい。シールド材18は、適当な金属またはセミメタリックのシールド材料、例えばアルミニウムまたは金属化ポリエステルフィルムの1層または複数層にすることができる。
【0027】
完成状態のスピーカ電線30は、3銅層の断面高さtが約0.02032センチ(約0.008インチ)で、全幅Wが約6.35〜7.62センチ(約2.5〜3.0インチ)である。各導体の幅Wcは、約1.524〜2.032センチ(約0.6〜0.8インチ)で、導体間の間隔Wsは、約0.508〜0.762センチ(約0.2〜0.3インチ)である。
【0028】
図3に示されているように、視覚的隠蔽性を高めるために、電線30の縁部をテーパ状にすることができる。スピーカ電線30を適当な表面に取り付けるために、前述したものと同様な外部接着層17も設けられている。
【0029】
電話電線
本発明による電話電線の実施態様40が図4に示されている。この実施態様では、6本の多層銅導体11が接着剤13で分離して設けられ、絶縁層15で包囲されている。6導体式電線によって、内線交換機(PBX)切り換えを使用しやすくなり、それによって公衆電気通信交換とのアクセスを含む内部電気通信交換が得られる。導体11は、標準の22ゲージ電話電線と機能的に同等である。
【0030】
2本、4本及び8本の多層銅導体式電話電線も使用できる。さらに、8導体式の実施態様は、4より対の電線(例えば非シールドより対(UTP)電線)に近く、データ伝送に適しているであろう。
各導体11は、一般的に2または3銅層を備えており、前者が図4に銅層11a及び11bで示されている。銅層は、約0.0010〜0.051センチ(約0.0004〜約0.020インチ)厚さ、好ましくは0.00508センチ(0.002インチ)厚さである。特定の用途に応じて、使用する銅層を増減できることを理解されたい。
3銅層を備えた完成状態の電話電線40は、断面高さtが約0.02032センチ(約0.008インチ)で、全幅Wが使用する導体11の数に応じて約3.81〜8.89センチ(約1.5〜3.5インチ)である。各導体の幅Wcは、約0.508〜1.016センチ(約0.2〜0.4インチ)で、導体間の間隔Wsは、約0.3175〜0.635センチ(約0.125〜0.25インチ)である。
【0031】
図4に示されているように、視覚的隠蔽性を高めるために、電線40の縁部をテーパ状にすることができる。電話電線40を適当な表面に取り付けるために、前述したものと同様な外部接着層17も設けられている。
【0032】
ケーブルテレビCATV電線
本発明によるケーブルテレビCATV電線の実施態様50が図5に示されている。この実施態様では、1対の導体11が設けられ、その各々は、一般的に2または3銅層を備えており、前者が図5に銅層11a及び11bで示されている。銅層は、約0.0010〜0.0508センチ(約0.0004〜約0.020インチ)厚さ、好ましくは約0.00508センチ(約0.002インチ)厚さである。特定の用途に応じて、使用する銅層を増減できることを理解されたい。
【0033】
先行実施態様の場合と同様に、導体11は、接着剤13で分離されて、絶縁層15で包囲されている。図5に示されているように、視覚的隠蔽性を高めるために、電線50の縁部をテーパ状にすることができる。電線50を適当な表面に取り付けるために、前述したものと同様な外部接着層17も設けられている。
【0034】
3銅層を備えた完成状態のアンテナ/CATV電線50は、断面高さtが約0.02032センチ(約0.008インチ)で、全幅Wが約4.572〜5.588センチ(約1.8〜2.2インチ)である。各導体の幅Wcは、約1.016〜1.524センチ(約0.4〜0.6インチ)である。図5に示されているように、導体間の間隔Wsは、約1.016〜1.524センチ(約0.4〜0.6インチ)で、無線周波干渉を低減させ、送信品質を向上させるため、先行実施態様よりも幾分大きくなっている。CATV電線は、300オームに定格されている。
【0035】
低電圧電線用例
図6は、本発明による低電圧電線の実施態様60を示している。そのような低電圧(直流)の適用には、内部通話装置、セキュリティシステム、そして「スマートハウス製品」が含まれる。図6に示されているように、2つの直流導体11が示されている。導体11の構造は、前述の多層導体11と実質的に同じである。本実施態様の内部接着剤13、絶縁層15及び外部接着層17は、先行実施態様と同じにすることができる。
【0036】
各導体11は、一般的に2または3銅層を備えており、後者が図6に銅層11a、11b及び11cで示されている。銅層は、約0.0010〜0.0508センチ(約0.0004〜約0.020インチ)厚さ、好ましくは約0.00508センチ(約0.002インチ)程度の厚さである。特定の用途に応じて、使用する銅層を増減できることを理解されたい。
3銅層を備えた完成状態の低電圧電線60は、断面高さtが約0.02032センチ(約0.008インチ)で、全幅Wが約3.048〜4.064センチ(約1.2〜1.6インチ)である。各導体の幅Wcは、約0.762〜1.27センチ(約0.3〜0.5インチ)で、導体間の間隔Wsは、約0.508〜0.762センチ(約0.2〜0.3インチ)である。
【0037】
図6に示されているように、視覚的隠蔽性を高めるために、電線60の縁部をテーパ状にすることができる。電話電線60を適当な表面に取り付けるために、前述したものと同様な外部接着層17も設けられている。
【0038】
底面照明電線
底面照明用の薄い可撓性電線は、上記の110V交流3導体及び5導体式電線の実施態様の構造と同様であるが、底面照明は、埋め込みライト169を組み込んでいる点が独特である。図16を参照されたい。これによって、ユーザは、キャビネットや棚、あるいは底面照明が望ましい他の場所の表面の下側に、照明を設けることができる。この実施態様については、明細書の後半で従来の電線と平形電線系統との接続の説明でさらに詳細に説明する。
【実施例2】
【0039】
コンセント及びコネクタ
本発明は、本発明の平形電線と従来の既存の電気コンセント及び従来の丸形電線系統との間を接続する一群のコンセントを範囲内に含む。これらの接続コンセントには、2つの一般形式があり、一方は、従来の既存コンセントに直接「差し込める」形式で、他方は、「独立形」表面取り付けユニットである。
【0040】
差し込み式接続コンセントは、常に、標準的な家庭用電気配線機器と本発明による平形電線の様々な実施態様との間の適合接続を行う。従って、差し込み式コンセントは、常に、標準電流の電源の位置にある。独立形ユニットは、本発明の様々な平形電線実施態様を介して差し込み式ユニットに接続される。
【0041】
図7は、差し込み形と独立形ユニットとの間の一般的な配置接続を示している。壁66の背後から従来の丸形電線69で給電される、従来の2雌ソケットコンセントが、コンセント65の背後に配置されていると仮定する。従って、コンセント65は、直接「差し込み」式である。このため、コンセント67は、プラグアタッチメントなしで壁に取り付けられる独立形コンセントになる。従って、独立形コンセントは、既存のコンセントの位置に関係なく、室内のいずれの場所にも配置できる。
電線の実施態様では、例えば従来の電線69からの電流が、差し込み式コンセント65と本発明の平形110V交流電線68とを介して、独立形コンセント67へ送られる。
【0042】
図8Aは、差し込み式コンセント65の分解斜視図であり、コンセントの様々な内部及び外部構成要素を示している。図示のように、コンセント65は、コンセントカバー74内に収容された側面取り付け雌ソケット72及び73を備えている。代替的に、雌ソケット72及び73を標準的なコンセント配置と同様に前面に設けることもできる。側面取り付けソケットには、コンセントカバー74にペンキを塗るか、壁紙を貼って表面に溶け込ませることができるという利点がある。また、図8Bに示されているように、コンセントカバー74の別の側面に追加の雌ソケット72'及び73'を設けることができ、この図面には4つの雌ソケットが示されている。
【0043】
差し込み式コンセント65のコンセントベース75は、従来の既存コンセントの雌ソケットの上に重ねる開口75a及び75bを備えており、ねじまたは他の同様な取り付け装置によって表面に固定される。次に、コンセントカバー74がベース75に嵌め付けられる。
【0044】
差し込み式コンセント65は、また、平形電線コネクタ76と、漏電遮断器(GFI)モジュール77及び対応のGFIリセットボタン78とを備えている。GFIモジュール77(それの作動については本明細書で後述する)は、2組の雄接点79及び79'を備えており、開口75a及び75bを通って、従来の配線系統に連絡される夫々の雌ソケットに差し込まれる。GFIモジュール77は、平形電線に穿孔または割れが生じた場合に、負荷への電流を遮断するように機能する。図8Cは、完成状態の差し込み式コンセントアセンブリ65の下側の斜視図であり、GFIの雄接点79及び79'が、ベース部材75の開口75a及び75bから延出しているところを示している。
【0045】
独立形コンセント67(図7)は、2つの点で、差し込み形コンセント65とは異なっている。第1に、独立形コンセントには、GFIモジュール77及び対応のリセットボタン78を設ける必要がない。第2に、独立形コンセントは、従来の配線系統に直接的に接続されないので、そのベース75に開口75a及び75bを設ける必要がない。他の総ての点では、差し込み形コンセントも独立形コンセントも同じである。
【0046】
1つのコンセントベース75が「打ち抜き」開口75a及び75bを備えた構造であれば、それを差し込み形コンセントにも独立形コンセントにも使用することができる。
【0047】
図8Bは、差し込み式コンセントユニット65の別の斜視図であり、それぞれ平形電線コネクタ76及びGFIモジュール77と接続する2組の雄接点81及び83を描いていている。平形電線コネクタ76及びGFIモジュール77は、ベース部材75に固定されていないが、雄接点81及び83によってコンセントカバー74に選択的に連結されることに注意されたい。
さらに図8Bでは、カバー74の下側に銅フレーム84が描かれている。銅フレーム84は、雌ソケット72、72'、73及び73'と2組の雄接点81及び83とに導電接続を提供するように機能する。雄接点83は、図8Aに示されているGFIモジュール77の一方の表面の対応スロット82に差し込まれる。
【0048】
次に、独立形及び差し込み式の両コンセントに共通である、平形電線コネクタ76について詳細に説明する。平形電線コネクタ76は、本発明の平形電線と銅コンセントフレーム84との間の接続点になっている。
【0049】
そのような「平形電線及びコンセントフレーム間」コネクタ90が、図9Aに斜視図で示されている。説明のため、5導体式コネクタアセンブリが示されているが、コネクタは、所望数の銅層を有する所望数の平形導体と接続する構造にすることができる。
コネクタ90の一表面に沿って、平形電線の各導体11を受け取る複数の平形電線ソケット92が設けられている。3導体及び5導体式電線に同じ5導体式コネクタアセンブリ90を使用できるが、3導体式電線を使用する時には、外側の電線ソケットを減らす。他の電線実施態様では、独自の接続コネクタ90を設けることができる。コネクタをコンセントカバー74に固定された雄接点81に差し込むことによって、コネクタを簡単に交換してコンセントカバー74に挿入することができるので、多数のコネクタの必要性は、問題にならない。
【0050】
各平形電線ソケットには、各多層導体11の対応する銅層と接触する複数のスロット付きばね94が設けられている(図9Bも参照)。上記の多層銅導体実施態様に対応して、一般的に2〜5個のスロット付きばね94が設けられる。
【0051】
図9A及び図9Eの斜視図と図9Cの側面図とに示されているように、複数の細長い雌スロット98がコネクタ90の別の表面に設けられている。これらの細長い雌スロット98は、図8Bに示されている対応する組の雄接点81に接続される。雄接点81をスロット98に滑り込ませるだけで接続が行われる。
【0052】
図9Eにさらにわかりやすく示されているように、各延在スロット98は、一連のワイパまたはブラシ98a〜98dを備えており、その各々は、互いに独立的に動き、雄接点81との良好な接続及び広い表面接触が得られるようになっている。
【0053】
次に、各導体が3銅層を有する模範的な5導体式の実施態様を参照しながら、平形電線をコネクタ90に接続する順序を説明する。第1に、各導体11を夫々の平形電線ソケット92と一直線に並べる。次に、各導体11の各銅層をスロット付きばね94の間に挿入する。スロット付きばね94は、図9Dに示されているように、ねじ96でわずかに押し付けられている。ねじを締め付けることによって、各銅層の頂部及び底部の両方をスロット付きばねと確実に接触させることができる。これによって、最良の導体接続が確保されると共に、各銅層(従って各導体)が同一の抵抗になることを確実にする。
【0054】
最後に、雄接点81と細長い雌スロット98とを一直線に並べて、差し込み式または独立形コンセントに接続する。コンセントカバー74は、平形電線がコンセントカバー74を通過してコネクタ90に到達できるようにするため、コネクタ90の平形電線ソケット92に向き合った縁部に小さい切り欠きを備えている。
【0055】
平形電線及びコンセントフレーム間のコネクタに加えて、従来の丸形電線と上記の様々な平形電線実施態様との接続を行うための第2形式のコネクタも必要である。これは、例えば平形電線を壁照明、ファンまたは内部通話システムに接続する場合に必要になる。
【0056】
そのようなコネクタ100の例が、図10Aに斜視図で示されており、5導体式平形電線及び従来型電線間のコネクタが描かれている。説明上、5導体式電線が示されているが、コネクタは、所望数の平形導体及び所望数の従来の丸形電線と接続する構造にできることは理解されるであろう。3導体式及び5導体式の電線に同じ5導体式コネクタアセンブリ100を使用することができるが、3導体式電線を使用する時には、外側の電線ソケットを減らす。他の電線実施態様では、独自の接続コネクタ100を設けることができる。
【0057】
図10Aに示されているように、コネクタ100は、一表面に沿って複数の従来の止めねじ101を備えており、従来の丸形配線系統と共通な、標準的「電線巻き付け」接続用の接続部を提供している(図10Bも参照)。別の表面に沿って、平形電線の各導体を受け取る1つまたは複数の平形電線ソケット102が配置されている。各平形電線ソケット102は、各多層導体の各層と接触する複数のスロット付きばね104(図10Dも参照)を備えている。スロット付きばね104は、図10A及び図10Cに示されているような、ねじ96でわずかに押し付けられており、コネクタ90に関して説明したようにして機能する。平形電線のコネクタによる平形電線ソケットへの接続は、コネクタ90に関して説明したようにして行われる。
【0058】
図11Aは、改良型の3ワイパ式雌ソケット110を描いており、これは本発明の差し込み式コンセント65または独立形コンセント67に組み込むことができる。
ソケット110は、夫々のワイパアセンブリ114及び116に接する鋳銅リード線111及び112を備えている。各ワイパアセンブリは、3つのワイパ(114a、114b、114c;116a、116b、116c)を備えており、その各々は、各アセンブリの残りの2つと独立して動く。
このため、3ワイパ式ソケット110によって、銅リード線111及び112との良好な接続及び広い表面接触が得られる。銅リード線111及び112の他端部は、銅フレーム84(図8Bを参照)まで延びている。また、3つのワイパが独立して動くため、ソケットは、プラグ内のトルクを良好に収容することができる。
【実施例3】
【0059】
スイッチ
本発明の電線製造物と共に使用する独特のスイッチ124'群が設けられている。スイッチは、既存のスイッチに電気配線されるか、既存のコンセントに差し込まれるか、無線周波(RF)遠隔電力によって作動される。スイッチは、主に3導体及び5導体式電線と、上記の底面照明実施態様と共に使用される。
【0060】
このスイッチ機構は、前面または側面(図11B及び図11C)に取り付けることができ、以下のものを含む多くの変更型スイッチが考えられる。
(1)トグル制御式、固定取り付け、個別配線型、
(2)容量タッチまたは膜スイッチ制御式、固定取り付け、個別配線型、
(3)容量タッチまたは膜スイッチ制御式、固定取り付け、無線周波(RF)送信/受信対、
(4)容量タッチまたは膜スイッチ制御式、携帯または壁掛け式、RF送信/受信対、
(5)容量タッチまたは膜スイッチ制御式のインディケータ付き完全調光装置、携帯または壁掛け式、RF送信/受信対。
【0061】
しかし、使用するスイッチの具体的な形式に関係なく、総てのスイッチは、一定の共通構成要素を備えている。スイッチ124'(図12Bを参照)は、交流回路を切り換えない。そうではなく、それらは、図12Bに示されているように、低電圧電線125(12V直流)を介して、交流回路を切り換える対応するプラグへ信号を送る。
スイッチ装置がハード配線されている場合、電圧回路を介して接続される。これによって、適合プラグユニットがなければスイッチが使用できなくなる。
【実施例4】
【0062】
工具
本発明の独特の薄い平形電線は、コネクタ及び既存のコンセントへの取り付けを容易にするために、同様に独特の絶縁被覆はぎ取り工具を必要とする。上記の各電線実施態様には、それ専用の特別な工具がある。
【0063】
2種類が考えられ、一方は専門の電気技術者または施工者用で、他方は素人用である。専門家用はぎ取り工具は、従来のはぎ取り工具の操作法と同様な簡単な方法で導体11から絶縁層17を切ってはぎ取る構造になっている。導体の厚さが小さいことを考慮して、はぎ取り工具は、そのような精密な切断及びはぎ取りを行うことができるように、正確に加工処理されることは明らかである。そのような正確な加工処理は、そのような工具のコストを上昇させるため、経済的に専門家しか使用できなくなる。
【0064】
素人向きの第2のスライサ工具は、電線をストリッパ内に整列させて、導体付近でそれに垂直にスライスすることによって、ユーザが必要な絶縁材をはぎ取って導電層に達することができるようにする。それから、絶縁材を鋏で引き剥がして取り除く。
【実施例5】
【0065】
システムの用例
上記の様々な電線、コンセント、スイッチ及びコネクタを組み込んだ、一般的なシステム実施態様が、図12Aに示されている。
図12Aを参照すると、従来のコンセント120と従来のスイッチ124とが設けられている。図示の位置に天井ファン126を配線したい場合、通常は、そのファンまで電流を引くために、費用のかかる壁及び天井の配線作業を行わなければならないであろう。
【0066】
しかし、本発明の平形電線、コンセント、スイッチ及びコネクタを用いることによって、その仕事が以下に説明するように非常に簡単になる。第1に、差し込み式コンセント65(図8A)を従来のコンセント120に差し込む。次に、独立形コンセント67を壁の所望位置に固定する。平形電線123(例えば3導体または5導体式110ボルト交流)を差し込み式コンセント65と独立形コンセント67の間に、また独立形コンセント67とファンとの間に引く。
コネクタ90(図12Aには示されていないが、図9Aに示されている形式のもの)で平形電線123を差し込み式及び独立形コンセント65及び67に接続する。また、別のコネクタ100(図10Aに示されている形式のもの)でファン126の従来の丸形電線を平形電線123に接続する。
平形電線123は、前述したように接着層17で、一般的に両面テープで、壁表面に固定され、これにペンキを塗るか、壁紙を貼って電線を見えなくする。
【0067】
図示のように、平形のたわみ電線123は、天井と壁の継ぎ目の点127で幅方向に沿って90度曲げられ、平形電線は、異なった平坦表面に付着される。様々な平坦表面の継ぎ目に合わせて幅方向に沿って所望角度で曲げられるのに加えて、可撓性電線は、同一平面上での角度変化に合わせて、実際に所望角度で折り返すことができる。
【0068】
例えば、図12Aの第2壁照明装置126'について考える。壁照明126'は、平形電線128で標準型スイッチ124に接続されている。美観上の理由から、第2独立形スイッチを従来のスイッチ付近に配置しないで、平形電線を地点129及び129'で45度屈曲させている。平形電線は、基本的に折り返すことによって45度旋回させることができる。
【0069】
図13ないし図17は、上記平形電線を用いた様々なシステム実施態様を、より具体的に、概略的に示している。システムについて、以下に簡単に説明する。
図13は、平形電線/従来のスピーカ電線の接続を示している。説明を簡単にして分かり易くするため、1つのスピーカ131のみが、ステレオ130と共に示されている。本発明の平形電線を用いて、幾つのスピーカでも使用できることは理解されるであろう。
図示のように、ステレオ装置130を平形電線133でスピーカ131に接続する。スピーカ131は、いずれの所望位置にも配置できる。次に、従来のスピーカ電線136を壁上の独立形プラグに接続する。新しいスピーカ位置近傍の所望位置に、第2独立形プラグを配置する。次に、平形電線133を2つの独立形プラグ間に引く。平形電線133の全体にペンキを塗るか、壁紙を貼って、目障りで煩雑なスピーカ電線を無くすことができる。
【0070】
図14には、拡張電話の接続に使用される平形電線/従来の電話ジャック接続の用例が概略的に示されている。
図示のように、既存の電話ジャックまたは電話ソケット141を平形電線143を介して拡張電話ジャック142に接続する。図示のように、平形電線電話装置147を既存の電話ジャック141に接続する。拡張電話ジャック142を所望位置に配置して、平形電線電話装置147'に接続する。次に、平形電線143を平形電線電話装置147及び147'間に接続する。次に、平形電線143の全体にペンキを塗るか、壁紙を貼って、目障りで煩雑な電話電線を無くすことができる。
【0071】
CATVの用例の概略図が図15に示されている。ケーブルインプット151が75オーム同軸ケーブル158を介して家に引き込まれる。次に、家へのインプット151付近の壁に取り付けられた75オーム−300オーム変換装置157にケーブル158を接続する。第2変換装置157を所望のテレビ152の位置付近に配置する。次に、平形電線153を2つの変換装置間に引く。上記のように、平形電線153の全体にペンキを塗るか、壁紙を貼って、目障りで煩雑なCATV電線を無くすことができる。
【0072】
埋め込みライト169を備えた平形電線163を含む底面照明の実施態様が、図16に示されている。スイッチまたはプラグ161を平形電線163に接続する。埋め込みライト169は、例えば20ないし100ワットの両面RSCベース120Vハロゲンランプにすることができる。平形電線は、追加ライトが望まれるいずれの底面位置、例えばキャビネットや棚の下側に配置することができる。平形電線163にペンキを塗るか、壁紙を貼って、周りの表面に調和させることができる。
【0073】
本発明の平形電線は、直流(DC)の用例にも使用できる。図17を参照すると、直流電源171が、平形電線173を介して直流コンセント172に接続されている。他のシステム実施態様の場合と同様に、壁コネクタが従来の直流電線158と平形電線153との接続している。
【実施例6】
【0074】
漏電遮断器(GFI)回路
平形電線は、ペンキを塗るか、壁紙を貼った後ではほとんど見えないので、後日、誤って平形電線に釘や絵画用フックを打ち込んだり、それ以外にも電線を切断する可能性がある。
従って、各システムには、極薄絶縁層を誤って貫通した場合の損傷を防止するための安全手段として、漏電遮断器(GFI)モジュール77(図8Aないし図8Cを参照)が設けられる。接地故障とは、物または人が通常の内部接地以外の接地路となることから出た表現である。
【0075】
GFI回路は、交流回路の電源線及び中性線を流れる電流を監視して、10ミリアンペア以上の不一致が感知された場合、両導体を回路ブレーカで断路する。回路ブレーカは、永久的な有害放電を防止できる速度で作動する。
いずれの回路も接続前に点検し、接続後に再点検するようにして、回路は、フェールセーフ方法を提供する。回路からの電力は、回路故障では電力が回路ブレーカから先へ進まないような接続にされている。
【0076】
前述したように、回路は、物理的には、上記のように従来の壁コンセントに差し込む「差し込み式」コンセント65(図8Aないし図8Cを参照)内に設けられている。GFI検出回路は、基本的に常閉のリレーである。アースへの故障電流が、電源回路の過電流保護装置を作動させる必要がある値より小さい所定値を越えると、リレーが開いて、負荷への電流を遮断する。
【0077】
図18は、本発明に従って、4プラグ3端子装置に接続されたGFI検出回路を有する、標準的な単一回路180の非切り換え形2プラグシステムを示している。
【0078】
図19は、本発明に従って、8プラグ装置(4つの主プラグと4つの拡張プラグ)に接続されたGFI検出回路を有する、標準的な単一回路190の非切り換え形2プラグシステムを示している。
【0079】
図20は、本発明に従って、夫々4プラグ装置(2つの主プラグと2つの拡張プラグ)に接続された2つのGFI検出回路を必要とする、標準的な2回路200の切り換え形2プラグシステムを示している。
【0080】
以上の実施態様で本発明を説明してきたが、添付の請求項の精神及び範囲内で、変更を加えて本発明を実施できることは、当業者であれば理解されるであろう。
【0081】
1. 表面取り付け式の可撓性多目的電線であって、
夫々が複数の銅層を含む、ほぼ平行に離隔配置された複数の細長い平形導体と、
前記複数の平形導体を分離させる接着剤と、
前記複数の平形導体及び前記接着剤を包囲する絶縁層とを備えており、前記接着剤は前記絶縁層に付着しており、
前記平形導体及び前記絶縁層の断面高さは、ペンキを塗るか、壁紙を貼った後、前記多目的電線が前記表面に溶け込むような高さである電線。
2. 前記複数の銅層の各々は、約0.0004ないし約0.020インチ厚さである1項に記載の電線。
3. 前記導体層の厚さは、その長さ及び幅全体にわたって均一である1項に記載の電線。
4. 前記絶縁材料は、ポリエステルフィルム、ウレタンフィルムまたはテフロン(登録商標)フィルムからなるグループから選択される1項に記載の電線。
5. 前記接着剤は、接着テープまたは液体接着剤のうちの少なくとも一方である1項に記載の電線。
6. 前記平形導体及び絶縁層の前記断面高さは、約0.002〜約0.050インチ厚さである1項に記載の電線。
7. 前記電線を表面に溶け込みやすくするため、前記電線の端部がテーパ状になっている1項に記載の電線。
8. さらに、前記電線を前記表面に付着させるために前記絶縁層に固定された接着層を備えている1項に記載の電線。
9. 前記可撓性電線は、異なった平坦表面に合わせていずれの角度にも曲げられる1項に記載の電線。
10. 前記可撓性電線は、同一平坦表面に沿った方向転換に合わせていずれの角度にも曲げられる1項に記載の電線。
11. 表面取り付け式の可撓性多目的電線であって、
複数の銅層を含む細長い平形導体と、
前記導体に固定された接着剤と、
前記導体及び前記接着剤を包囲する絶縁層とを備えており、前記接着剤は前記絶縁層に付着しており、
前記平形導体及び前記絶縁層の断面高さは、ペンキを塗るか、壁紙を貼った後、多目的電線が前記表面に溶け込むような高さである電線。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】標準的な電気配線に使用される3線式平形導体の分解横断面図である。
【図2】2回路を必要とする用例に使用される5線式平形導体の分解横断面図である。
【図3】スピーカシステムに使用する2線式平形導体の分解横断面図である。
【図4】電話用に使用する6線式平形導体の分解横断面図である。
【図5】CATV用の2線式平形導体の分解横断面図である。
【図6】低電圧用に使用する2線式平形導体の分解横断面図である。
【図7】平形電線を介して接続される差し込み式及び独立形コンセントの斜視構造図である。
【図8A】本発明のコンセントアセンブリの構成要素の分解斜視図である。
【図8B】本発明のコンセントアセンブリの構成要素の代替型の分解斜視図である。
【図8C】本発明の完成状態のコンセントアセンブリの下側の斜視図である。
【図9A】本発明に従った平形電線及びコンセントフレーム間のコネクタ接続部の斜視図である。
【図9B】図9Aの平形電線及びコンセントフレーム間のコネクタ接続部の上面である。
【図9C】図9Aの平形電線及びコンセントフレーム間のコネクタ接続部の側面である。
【図9D】図9Aの平形電線及びコンセントフレーム間のコネクタ接続部の底面図である。
【図9E】細長スロット及びワイパを示す、図9Aの平形電線及びコンセントフレーム間のコネクタの下側の斜視図である。
【図10A】本発明に従った平形電線及び従来の電線間のコネクタの斜視図である。
【図10B】図10Aの平形電線及び従来の電線間のコネクタの上面である。
【図10C】図10Aの平形電線及び従来の電線間のコネクタの側面である。
【図10D】図10Aの平形電線及び従来の電線間のコネクタの底面図である。
【図11A】本発明による3ワイパ雌プラグソッケト装置の三次元斜視図である。
【図11B】側面取り付けスイッチの前部斜視図である。
【図11C】側面取り付けスイッチの側部斜視図である。
【図12A】天井ファンに接続された表面取り付け式平形電線の斜視図である。
【図12B】本発明に従った個別配線スイッチの実施態様の斜視図である。
【図13】平形電線/スピーカシステム構造の概略図である。
【図14】平形電線/電話ジャックシステム構造の概略図である。
【図15】平形電線/CATVシステム構造の概略図である。
【図16】平形電線/埋め込みライトシステム構造の概略図である。
【図17】平形電線/直流電源システム構造の概略図である。
【図18】切り換え式入力プラグを備えていない4コンセント3端子用のGFI検出回路の概略図である。
【図19】切り換え式入力プラグを備えていない8コンセント用のGFI検出回路の概略図である。
【図20】切り換え式入力プラグを備えた8コンセント用のGFI検出回路の概略図である。
【符号の説明】
【0083】
11 導体
65 差し込み式コンセント
66 壁
67 独立形コンセント
68 平形交流電線
69 丸形電線
72,73 雌ソケット
74 コンセントカバー
75 コンセントベース
75a,75b 開口
76 平形電線コネクタ
77 漏電遮断器(GFI)モジュール
78 GFIリセットボタン
79,81,83 雄接点
82 対応スロット
84 銅フレーム
90 コネクタ
92 平形電線ソケット
94 スロット付きばね
96 ねじ
98 雄スロット(延在スロット)
98a〜98d ブラシ
100 コネクタ
101 止めねじ
102 平形電線ソケット
104 スロット付きばね
110 ソケット
111,112 銅リード線
114 ワイパアセンブリ
114a,114b,114c ワイパ
116 ワイパアセンブリ
116a,116b,116c ワイパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
慣用的なプラグの夫々の雄接点と連通するための開口を備えた、電気コンセントアセンブリに使用される雌ソケットであって、
前記従来のプラグの夫々の前記雄接点と接触するために、前記ソケットの夫々の前記開口に沿って離設された複数のワイパアセンブリであって、前記ワイパアセンブリの夫々が複数のワイパを有し、該複数のワイパの夫々が他のワイパと独立して移動可能である前記ワイパアセンブリと、そして、
一端部で前記ワイパアセンブリに接続され、他端部で電源に接続されている導電リード線と、を備えているソケット。
【請求項2】
ベース部材と、該ベース部材に取り外し可能に固定されたコンセントカバーとを有するコンセントアセンブリであって、
前記コンセントカバー内に配置された銅フレームアセンブリと、
前記コンセントカバーに取り外し可能に固定された平形電線接続アセンブリと、
前記平形電線接続アセンブリの一表面から延在した対応の細長いスロットと夫々連通するために、前記銅フレームアセンブリに固定された第1の複数の雄導電接点と、そして、
前記コンセントカバーと一体化されていると共に、前記銅フレームアセンブリと接触する複数の雌ソケットと、を備えているコンセントアセンブリ。
【請求項3】
前記ベース部材は、標準的な雌ソケットコンセントアセンブリと組み合わせるための複数の開口を備えている請求項2に記載のコンセントアセンブリ。
【請求項4】
さらに、前記コンセントカバーに取り外し可能に固定されて、前記ベース部材の前記開口を通して、前記標準的な雌ソケットコンセントアセンブリの夫々のスロットと連通する雄接点を有する漏電遮断器モジュールと、
前記漏電遮断器モジュールの一表面に沿って設けられた対応のスロットと夫々連通するための前記銅フレームアセンブリに固定された第2の複数の雄導電接点と、を備えた請求項3に記載のコンセントアセンブリ。
【請求項5】
平形電線を慣用的な電線に接続するコネクタであって、
コネクタの第1表面に沿って設けられ、慣用的な配線リード線と選択的に連通している複数の在来型の止めねじと、
前記平形電線の個々の導体を受け取るために、コネクタの第2表面に沿って設けられた1つまたは複数の平形電線ソケットと、を備えており、
該平形電線ソケットの夫々は、前記個々の導体の各々において個々の銅層と接触する複数のスロット付きばねを収容しているコネクタ。
【請求項6】
さらに、前記スロット付きばねを押し付けるねじ手段を備えている請求項5に記載のコネクタ。
【請求項7】
平形電線リード線をコンセントフレームアセンブリに接続するコネクタであって、
前記平形電線の夫々の導体を収容するために、前記コネクタの第1表面に沿って設けられ、前記個々の導体の夫々において個々の銅層と接触するための複数のスロット付きばねを収容している1つまたは複数の平形電線ソケットと、
コンセントフレームアセンブリに沿って離設配置された個々の雄導電接点を受け取るための第2表面に沿って設けられた1つまたは複数の細長いスロットと、を備えたコネクタ。
【請求項8】
前記細長いスロットは、前記雄導電接点と接触するための個別移動可能な複数のワイパを収容している請求項7に記載のコネクタ。
【請求項9】
さらに、前記スロット付きばねを押し付けるねじ手段を備えている請求項7に記載のコネクタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図8C】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図9C】
image rotate

【図9D】
image rotate

【図9E】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図10C】
image rotate

【図10D】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate

【図11C】
image rotate

【図12A】
image rotate

【図12B】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2006−164990(P2006−164990A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−360912(P2005−360912)
【出願日】平成17年12月14日(2005.12.14)
【分割の表示】特願平9−501232の分割
【原出願日】平成8年6月3日(1996.6.3)
【出願人】(505461751)
【Fターム(参考)】