説明

ソナーアレイ・システム

共通の軸上に配置された、水中聴音器からなる受信アレイおよび音響投射器からなる送信アレイを有するソナーアレイ・システム。ソナーアレイ・システムは艦船に結合され、単一の巻上機から単一の艦船船体貫通部を通して展開、回収することができる。艦船によって水中を曳航されるとき、ソナーアレイ・システムは、実質的に水平な送受信アレイを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にソナー装置に関し、特に水中で使用されるソナーアレイに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば軍艦のような艦船は、曳航式パッシブアレイとして構成された、音を受信する水中聴音器のアレイを曳航することができる。曳航式パッシブアレイは、音響受信および信号処理電子回路と連携して、たとえば敵の潜水艦の存在を示す可能性のある水中音を検出することができる。
【0003】
他の構成では、艦船は、音響受信用水中聴音器からなる曳航式パッシブアレイと、さらに曳航式音響投射器とを共に曳航することができ、それらは一体となってバイスタティック・アクティブソナー・システムを形成する。この構成では、曳航式音響投射器は、音響パルスを発射する。各音響パルスは水中を伝わっていき、水中の物体または目標物にぶつかり、エコーを発生する。エコーは、曳航式受信水中聴音器アレイによって受信される。したがって、エコーが水中の物体の存在を示し、エコーが来た方向が水中の物体の方向を示す。
【0004】
従来のバイスタティック・アクティブソナー・システムでは、曳航式音響投射器は、しばしば音響受信用水中聴音器の曳航式アレイとは別に曳航され展開されている。従来の通常の曳航式音響投射器としては、大きな剛性の曳航体内、たとえば合衆国海軍に用いられているAN/SQS−35曳航体内に装着された音響源がある。従来の曳航式音響投射器は大きくて重い。たとえば、大きさは1.4立方メートル(48立方フィート)程度で、重さは約1800kg(4000lb)程度になり得る。このタイプの曳航式音響投射器は、通常、深海で長距離の物体を見付けるのに使用される。したがって、曳航式音響投射器は、システムが深海で長距離位置の物体からのエコーを受信し、その結果その物体を発見することを可能にするために、たとえば1mの距離で1マイクロパスカルに対し220デシベル(本明細書ではdB re 1μPa at 1mとも書く)のような高い音圧レベルを有する音を発生することが可能である。このタイプのバイスタティック・アクティブソナーは、深度が浅い沿岸水域には、あまり適さない。
【0005】
受信用水中聴音器の曳航式アレイは、しばしば艦船の喫水線下の船体貫通部から展開され回収される。それに反して、一部にはその大きさと重量によるが、曳航式音響投射器は、巻上機および張出桁装備を用いて艦船の舷縁越えに展開および回収される。曳航式音響投射器が大きいと、艦船の舷縁越えに展開する必要があるが、密かに展開し、回収するには限界がある。艦船の舷縁越えの曳航式音響投射器の展開、回収はまた、波が高い中で展開、回収するのが難しく危険な場合もある。
【0006】
従来の曳航式バイスタティック・アクティブアレイ・システムは、音響投射器が、受信用水中聴音器の曳航式アレイを操作する装置とは別の装置で操作されるように構成されている。曳航式音響投射器を展開、回収するには、大きな操作装置が必要である。大きな操作装置は、かなりの大きさのデッキ空間を艦船上に必要とする。大きな操作装置は、それが要するデッキ空間のためのみならず、敵のレーダシステムに対して、大きなレーダ断面積を有するレーダ目標をも与えるために望ましくない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、その両方が、単一の操作装置セットを用いて展開、回収することができる受信用水中聴音器のアレイならびに曳航式音響投射器を有するシステムを提供することが望ましい。その両方が、単一の船体貫通部から展開、回収することができる受信用水中聴音器のアレイならびに曳航式音響投射器を有するソナーシステムを提供することがさらに望ましい。比較的深度が浅い沿岸水域で作動させるのに適したソナーシステムを提供することがさらに望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、受信アレイおよび送信アレイが共に単一の曳航索に結合されたソナーアレイを提供する。送信アレイに用いられる音響投射器は、小寸法ながら高い音圧レベル(SPL)を発生することができる。
【0009】
本発明によれば、ソナーアレイは「巻き取り可能な」単一線状のアレイを形成する送信アレイおよび受信アレイを有する。送信アレイは、音を発生することができる1つまたは複数の音響投射器を有し、受信アレイは、音を受信することができる1つまたは複数の水中聴音器を有する。1つまたは複数の音響投射器が送信アレイ軸上に配置され、1つまたは複数の水中聴音器が受信アレイ上に配置されている。受信アレイ軸と送信アレイ軸は共通の軸を有し、したがって、1つは送信用、1つは受信用の両アレイが隣接して線上に形成される。特定な一実施形態では、音響投射器の少なくとも1つは、スロット式円筒形変換器を有することができる。一構成では、ソナーアレイを曳航することによって、音響投射器および水中聴音器の両方を有する水平な線状アレイを形成することができる。
【0010】
この特定の構成では、音響投射器および水中聴音器は、単一の巻上機から展開し回収することができる。スロット式円筒構成を用いると、各音響投射器が比較的小さく軽くなり、したがって、ソナーアレイの展開、回収に比較的小さい巻上機が利用できる。
【0011】
本発明の別の態様に従えば、水中の物体を探知する方法は、単一の巻上機からソナーアレイを展開するステップを含み、ソナーアレイは送信アレイおよび受信アレイの両方を有する。送信アレイは、音を発生することができる1つまたは複数の音響投射器を有し、受信アレイは、音を受信することができる1つまたは複数の水中聴音器を有し、その全てが共通軸上に配置されている。この方法はまた、単一の巻上機でソナーアレイを回収するステップも含む。展開および回収は、艦船船体貫通部を介して行うこともでき、また、艦船の舷縁越えに行うこともできる。
【0012】
この特定の構成では、この方法により、単一の巻上機からソナーシステムを展開、回収することが可能になる。単一の艦船船体貫通部を用いて、展開および回収を密かに行うことができる。
【0013】
上記の本発明の特徴、ならびに本発明自体は、以下の詳細な図面の説明から、より十分に理解することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1を参照すると、本発明によるソナーアレイ・システム10は、1つまたは複数の水中聴音器14a〜14Xを有する受信アレイ14を備える。1つまたは複数の水中聴音器14a〜14Xは、1つの受信アレイ軸に沿って配置され、一列の受信アレイを形成する。
【0015】
ソナーアレイ・システム10はまた、分離ケーブル13で受信アレイ14に結合された送信アレイ12を備える。送信アレイ12は、1つまたは複数の音響投射器12a〜12Nを備える。1つまたは複数の音響投射器12a〜12Nは、送信アレイ軸に沿って配置されて一列の送信アレイを形成する。受信アレイ軸と送信アレイ軸は共通の軸に沿って配置され、したがって、音響投射器12a〜12Nおよび水中聴音器14a〜14X両方を有するひと繋がりの隣接する送受信アレイ15を形成する。
【0016】
曳航ケーブル16は、送受信アレイ15を艦船18に結合する。曳航ケーブル16は、艦船18と受信アレイ14との間に機械的結合を形成する。曳航ケーブルはまた、艦船18と受信アレイ14との間に電気的接続を形成し、その一部は受信アレイ14を通過して送信アレイ12に達する。電気的接続は、電線接続、または光ファイバ接続、あるいはその両方の組み合わせであり得る。
【0017】
作動中、艦船18によって十分な速度で水中を曳航されるとき、送受信アレイ15は、それに働く流体力学的な力によってほぼ水平な向きを維持する。艦船18が回頭するにつれて、送受信アレイ15は、送信アレイ12と受信アレイ14とに共通な軸を維持しながら、回頭する艦船に従って水平に曲線を描き得ることが理解されるべきである。
【0018】
送受信アレイ15の組み合わせをより水平に近く保つような流体力学的力をさらに発生させるために、ドローグ索11を送信アレイ12に結合することができる。ドローグ索11は、水中を艦船18によって曳航されると、さらに抗力を発生する。
【0019】
音響投射器12a〜12Nのそれぞれは、ある音響投射器のビームパターンを発生する。各音響投射器のビームパターンは実質的に全方向性であり得、各音響投射器は特定の周波数、たとえば300Hz〜4kHzの範囲の周波数の音を発生することができる。音響投射器12a〜12Nの全てが同一の周波数および同一のビームパターンを有する音を投射することができる。しかし、別の実施形態では、音響投射器12a〜12Nのうち選択されたものが、300Hzより低い、または4kHzより高い周波数を有する音を投射する。また、音響投射器12a〜12Nのうち選択されたものが、異なるビームパターンを有することができる。さらに別の実施形態では、音響投射器12a〜12Nのうち選択されたものが、複数の周波数で、たとえば、ある周波数帯の音を投射することができる。
【0020】
同様に、水中聴音器14a〜14Xのそれぞれが、ある水中聴音器のビームパターンで音を受信する。各水中聴音器のビームパターンは実質的に全方向性であり、各水中聴音器14a〜14Xは、特定の周波数帯、たとえば300Hz〜4kHzの周波数帯全域で音を受信することができる。水中聴音器14a〜14Xの全てが、同一の周波数帯内の音を受信することができ、同一のビームパターンを有することができる。しかし、別の実施形態では、水中聴音器14a〜14Xのうち選択されたものは、その他のものとは異なる周波数帯内の音を受信し、かつ/または水中聴音器14a〜14Xのうちの当該その他のものとは異なるビームパターンを有することができる。また、別の実施形態では、水中聴音器14a〜14Xのうちの選択されたものは、300Hz以下に、または4kHzより上に延びる周波数帯の音を受信することができる。
【0021】
特定の一実施形態では、送受信アレイ15は、音響投射器12a〜12Nを例とする、それぞれ中心から中心へ60.96cm離間する6個の音響投射器、および水中聴音器14a〜14Xを例とする、それぞれ中心から中心へ30cm離間する54個の水中聴音器を有する。特定の一実施形態での曳航ケーブル16は、長さ500mである。しかし、別の実施形態では、送受信アレイ15は、6個より多いか、または6個より少ない音響投射器、および54個より多いか、または54個より少ない水中聴音器を有することができる。また、別の実施形態では、音響投射器12a〜12Nは、60.96cmより広いか、または60.96cmより狭い間隔で配置することができる。さらに別の実施形態では、送信アレイ12は、音響投射器を送受信アレイ15に追加したり取り外したりできるように、モジュール化されている。
【0022】
音響投射器のアレイ、たとえば送信アレイ12内の音響投射器12a〜12Nを、所定方向に向けられたビームパターン(図示せず)を生成するために送信用ビーム形成電子回路(図示せず)と組み合わせて用いることができることは、当業者には理解されよう。そのようなビームパターンはほぼ円錐形で、送信アレイ12の軸に関して選択した角度に向けることができる。同様に、受信用水中聴音器のアレイ、たとえば受信アレイ14内の受信水中聴音器14a〜14Xは、方向可変の受信ビームパターン(図示せず)を生成するために、ビーム形成電子回路(図示せず)と組み合わせて用いることができることが理解されるべきである。送信ビームパターンと同様に、受信ビームパターンもまた、ほぼ円錐形で、受信アレイ14の軸に関して選択した角度に向けることができる。したがって、送信アレイ12のビームパターンを、受信アレイ14のビームパターンと同じ方向に向けることができる。この特定の構成は、ソナーアレイ・システム10の探知特性を強化するのに用いることができる。しかし、別の実施形態では、送信ビームパターンおよび受信ビームパターンのどちらも、向きを変えることなく、1つまたは複数の固定角度で形成することができる。
【0023】
送信アレイ12は、艦船18に対して受信アレイ14の後ろに位置しているように図示されているが、別の実施形態では、それに代わって、受信アレイ14を送信アレイ12の後ろに配置することができる。別の実施形態では、音響投射器12a〜12Nおよび受信水中聴音器14a〜14Xは、それらが、単一列のアレイ上にいかなる組み合わせにでも混ざり合うように、互いに散在させることができる。
【0024】
艦船18によって水中を十分な速度で曳航されるとき、送受信アレイ15は、ほぼ水平に向いている。部分的には艦船18が送受信アレイ15を水中を曳航するとき生じる流体力学的抵抗によって、送受信アレイ15は実質的に水平な向きにあるところが図示されているが、別の構成では、送受信アレイ15は、水平以外の向きを取り得る。たとえば、ソナーアレイ・システム10が艦船18によって、低めの速度で曳航され、または曳航されていない場合、送受信アレイ15は、垂直も含み、水平以外の向きを取り得る。別の実施形態では、送受信アレイ15は艦船に結合されていない。たとえば、別の実施形態では、送受信アレイ15はブイに結合されている。
【0025】
次に図2を参照すると、図2中で図1と類似の要素は同様な参照符号で示されているが、ソナーアレイ10は、艦船18によって展開し回収することができる。特に、単一の巻上機102によって、送受信アレイ15を有するソナーアレイ・システム10を展開、回収することができる。
【0026】
ソナーアレイ・システム10は、単一の船体貫通部104を通して展開、回収することができる。したがって、ソナーアレイ・システム10は、艦船18に乗り込んでいる者以外にはその展開、回収が見えないように、密かに展開、回収することができる。
【0027】
本発明では、様々な大きさの巻上機102を用いることができる。特定の一実施形態では、巻上機102は、直径Dが50cmより小さいか又はそれと等しい寸法のドラムハブ102aを備えることができる。別の実施形態では、ドラムハブ102aは38cmより小さいか又はそれと等しい寸法の直径を有することができる。当業者は、これらが比較的小さな巻上機であると認識するであろう。しかし、別の実施形態では、ドラムハブの直径がより大きい巻上機を用いることができる。ドラムハブの最小直径は、音響投射器12a〜12Nそれぞれの直径および長さを含み、しかしそれだけに限定されない複数の因子に基づいて選定される。音響投射器12a〜12Nは、図3に関連してより詳細に説明される。
【0028】
本発明ではまた、様々な大きさの船体貫通部104を用いることができる。特定の一実施形態では、船体貫通部104は、20cmより小さいか又はそれと等しい寸法の断面直径dを有することができる。別の実施形態では、船体貫通部104は、15.24cmより小さいか又はそれと等しい寸法の断面直径dを有することができる。当業者は、水上艦船から展開されるソナーシステムとしてはこれらが比較的小さな直径の船体貫通部であると認識するであろう。しかし、別の実施形態では、より大きい、またはより小さい断面直径を有する船体貫通部を用いることができる。船体貫通部の最小直径は、音響投射器12a〜12Nそれぞれの直径を含み、しかしそれだけに限定されない複数の因子に基づいて選定される。
【0029】
次に図3を参照すると、図1および図2と類似する要素には同様な参照符号を付してあるが、送受信アレイ15(図1)の一部分150は、音響投射器12Nも含めて1つまたは複数の音響投射器12a〜12N(図1)を有する送信アレイ12を備える。送信アレイケーブル部151は、音響投射器12Nを音響投射器12b(図1)に結合する。音響投射器12Nをこの種音響投射器の代表例とすると、音響投射器12Nは、送信アレイケーブル部151に結合するための後部接続プラグ154を備える。音響投射器12Nは後端蓋156を有し、後端蓋156はOリングまたは類似品で投射器筐体158を閉止している。投射器筐体158は円筒形であり得る。前端蓋162もまた、Oリングまたは類似品で投射器筐体158を閉止し、前部接続プラグ166が音響投射器12Nを分離ケーブル13に結合している。したがって、音響投射器12Nは密封されて、水密隔室160を形成する。水密隔室160は、ある実施形態では気体を充填することもできるし、別の実施形態では音響伝導性液体、たとえばひまし油を充填することもできる。音響投射変換器164は、本明細書では単に変換機164とも呼ばれるが、水密隔室160内に配置され得る。変換機164は、ワイヤ168で分離ケーブル13に結合され、ワイヤ168は分離ケーブル13を貫通する。
【0030】
音響投射器12Nは、送信アレイ12を受信アレイ14に結合する分離ケーブル13に結合されている。分離ケーブル13は、防水コネクタ170によって受信アレイ14に結合されている。
【0031】
受信アレイ14(図1)は、水中聴音器14aを含む1つまたは複数の水中聴音器14a〜14X(図1)を有する。特定の一実施形態では、受信アレイは、1つまたは複数の水中聴音器14a〜14X(図1)がその中に配設されたチューブ172で構成される。チューブ172は液体、たとえばひまし油を充填してもよい。
【0032】
送信アレイケーブル151、分離ケーブル13、および受信アレイ14は、送信信号を音響投射器12a〜12N(図1)に伝達し、受信信号を水中聴音器14a〜14X(図1)から伝達する光ファイバカップリングを有し得る。別の実施形態では、送信アレイケーブル151、分離ケーブル13、および受信アレイ14は、電線導体を有する。別の実施形態では、送信アレイケーブル151、分離ケーブル13、および受信アレイ14は、電線導体および光ファイバ両方を有する。
【0033】
変換器164は、スロット式円筒形変換器164であり得、1メートルの距離で1マイクロパスカルに対して少なくとも205デシベル(本明細書ではdB re 1μPa at 1mとも書く)の音圧レベルを有する音を音響投射器12Nから発生するように適合されている。しかし、当業者に公知の他のタイプの変換器164を使用することもでき、本発明はスロット式円筒形変換器のみに限定されないことは理解されるべきである。さらに、音響投射器12Nは、205dB re 1μP at 1mより大きい、または小さい音圧レベルを有する音を発生することができる。特定の一実施形態では、音響投射器12Nは、本質的に全方向性形状を有する音響ビームパターンを発生する。しかし、別の実施形態では、音響投射器12Nは、指向性のあるビームパターンを有することができる。
【0034】
図2の送受信アレイ15を、上記の小さなハブ直径(D、図2)を有する単一の巻上機(102、図2)から展開し、回収できることが望まれるので、音響投射器、たとえば音響投射器12Nは、直径、長さ共に小さいことが望ましい。
【0035】
特定の一実施形態では、音響投射器は直径15.24cm、長さ38cmであり、変換器164は直径10cm、長さ20cmのスロット式円筒形変換器である。この特定の構成では、音響投射器12Nは、上記のように比較的小さな直径D(図2)を有する巻上機(102、図2)から展開、回収することができる小さな音響投射器寸法を維持しながら、少なくとも205dB re 1μPa at 1mの音圧レベルの音を発生する。しかし、別の実施形態では、音響投射器は、15.24cmより大きいか、または小さい直径、および、38cmより長いか、または短い長さを有することができる。また、変換器は、10cmより大きいか、または小さい直径、および、20cmより長いか、または短い長さを有することができる。
【0036】
特定の一実施形態では、変換器164は周波数3KHzの音を発生する。しかし、別の実施形態では、変換器164は、3KHzより高いか、または低い周波数の音を発生するように適合させることができる。
【0037】
水中聴音器、たとえば受信アレイ14(図1)に含まれている水中聴音器14aは、音響投射器、たとえば送信アレイ12(図1)に含まれている音響投射器12Nより小さくなり得ることは理解されよう。したがって、受信アレイ14は、音響投射器12Nより小さい直径を有することができる。特定の一実施形態では、受信アレイ14の最大直径が、音響投射器12Nの最大直径とほぼ同じである。別の特定の実施形態では、受信アレイ14の最大直径が、音響投射器12Nの最大直径のほぼ1/2である。さらに別の実施形態では、受信アレイ14の最大直径は、別の比率で音響投射器12Nの最大直径より小さい。
【0038】
音響投射器12Nは、密封空洞160内に変換器164を有するように図示し説明されているが、本発明では、音響投射器が他の構成を有することも可能である。たとえば、別の実施形態では、音響投射器12Nは、変換器164を、注封式または鋳込み式の防水体内に備える。また、受信アレイ14がチューブ172を含んでいるように図示し説明されているが、別の実施形態では、1つまたは複数の水中聴音器が、水中聴音器14aがその一例であるが、耐水性を持つように別々に注封され、または鋳込まれ、チューブ172無しで一体に結合されている。
【0039】
本明細書に引用された参照文献は全て、ここに参照によって完全に本明細書に組み込まれる。
本発明の好ましい実施形態を説明してきたが、それらの理念を組み込んだ別の実施形態が利用できることは、今や当業者にとって明らかであろう。したがって、これら実施形態は開示された実施形態に限定されるべきはなく、添付の特許請求の範囲の精神および範囲によってのみ限定されるべきであると思われる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明によるソナーアレイ・システムの概略図である。
【図2】展開および回収装置を示す、ソナーアレイ・システムの概略図である。
【図3】図1および図2のソナーアレイ・システムの一部分を示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数の音響投射器を有する送信アレイであって、前記1つまたは複数の音響投射器が送信アレイ軸に沿って配置された送信アレイと、
前記送信アレイに結合された受信アレイであって、受信アレイ軸に沿って配置された1つまたは複数の水中聴音器を有し、前記受信アレイ軸と前記送信アレイ軸が共通の軸を有する受信アレイと
を備える、ソナーアレイ。
【請求項2】
前記送信アレイ軸および前記受信アレイ軸が実質的に水平である、請求項1に記載のソナーアレイ。
【請求項3】
前記受信アレイおよび前記送信アレイが、艦船に結合された単一の巻上げ装置から展開され、回収されるように構成された、請求項1に記載のソナーアレイ。
【請求項4】
前記単一の巻上げ装置のドラムハブ直径が、50cmより小さいか又はそれと等しい寸法である、請求項3に記載のソナーアレイ。
【請求項5】
前記単一の巻上げ装置のドラムハブ直径が、38cmより小さいか又はそれと等しい寸法である、請求項3に記載のソナーアレイ。
【請求項6】
前記受信アレイおよび前記送信アレイが、単一の船体貫通部を通って展開され、回収されるように構成された、請求項1に記載のソナーアレイ。
【請求項7】
前記単一の船体貫通部の最小直径が、20cmより小さいか又はそれと等しい寸法である、請求項6に記載のソナーアレイ。
【請求項8】
前記単一の船体貫通部の最小直径が、15.24cmより小さいか又はそれと等しい寸法である、請求項6に記載のソナーアレイ。
【請求項9】
前記受信アレイおよび前記送信アレイが、船体の舷縁を越えて展開され、回収されるように構成された、請求項1に記載のソナーアレイ。
【請求項10】
前記1つまたは複数の音響投射器の少なくとも1つは、音圧レベルが少なくとも1メートルの距離で1マイクロパスカルに対して205デシベルで、送信ビームパターンが本質的に全方向性の音を発生するようにされた、請求項1に記載のソナーアレイ。
【請求項11】
前記1つまたは複数の音響投射器の少なくとも1つが、スロット式円筒形変換器を有する、請求項1に記載のソナーアレイ。
【請求項12】
前記送信アレイの最大直径が、20.32cmより小さいか又はそれと等しい寸法である、請求項1に記載のソナーアレイ。
【請求項13】
前記受信アレイの直径が、前記送信アレイの最大直径より小さいか又はそれと等しい大きさである、請求項12に記載のソナーアレイ。
【請求項14】
前記受信アレイの直径が、前記送信アレイの最大直径の1/2より小さいか又はそれと等しい大きさである、請求項12に記載のソナーアレイ。
【請求項15】
前記送信アレイの最大直径が、15.24cmより小さいか又はそれと等しい寸法である、請求項1に記載のソナーアレイ。
【請求項16】
前記受信アレイの直径が、前記送信アレイの最大直径より小さいか又はそれと等しい大きさである、請求項15に記載のソナーアレイ。
【請求項17】
前記受信アレイの直径が、前記送信アレイの最大直径の1/2より小さいか又はそれと等しい大きさである、請求項15に記載のソナーアレイ。
【請求項18】
前記1つまたは複数の音響投射器がモジュール化されており、その結果、音響投射器を前記送信アレイに追加し、または逆に取り外すことにより伸縮可能な送信アレイを形成する、請求項1に記載のソナーアレイ。
【請求項19】
前記送信アレイが、音響投射器の数に比例する音圧レベルを有する、請求項18に記載のソナーアレイ。
【請求項20】
前記送信アレイが、周波数範囲300Hz〜4kHzの音を送信するように構成された、請求項1に記載のソナーアレイ。
【請求項21】
前記送信アレイが、少なくとも1つの方向可変の音響送信ビームを形成する、請求項1に記載のソナーアレイ。
【請求項22】
前記受信アレイが、少なくとも1つの方向可変の音響受信ビームを形成する、請求項1に記載のソナーアレイ。
【請求項23】
艦船に結合された単一の巻上げ装置からソナーアレイを展開するステップを含み、前記ソナーアレイは1つまたは複数の音響投射器を有する送信アレイを備え、前記1つまたは複数の音響投射器は送信アレイ軸に沿って配置され、受信アレイが前記送信アレイに結合され、前記受信アレイは受信アレイ軸に沿って配置された1つまたは複数の水中聴音器を有し、前記受信アレイ軸と前記送信アレイ軸は共通な軸を有し、
さらに、前記単一の巻上げ装置でソナーアレイを回収するステップを含む、水中の物体を探知する方法。
【請求項24】
前記送信アレイ軸および前記受信アレイ軸が実質的に水平である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記単一の巻上げ装置のドラムハブ直径が50cmより小さいか又はそれと等しい寸法である、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記単一の巻上げ装置のドラムハブ直径が38cmより小さいか又はそれと等しい寸法である、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記展開するステップおよび前記回収するステップそれぞれが、
前記ソナーアレイを、最小直径が20cmより小さいか又はそれと等しい寸法の船体貫通部を通過させるステップを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記展開するステップおよび前記回収するステップそれぞれが、
前記ソナーアレイを、最小直径が15.24cmより小さいか又はそれと等しい寸法の船体貫通部を通過させるステップを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記展開するステップおよび前記回収するステップそれぞれが、
前記ソナーアレイを、船体の舷縁上を越えさせるステップを含む、請求項23に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−518951(P2006−518951A)
【公表日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501032(P2006−501032)
【出願日】平成16年1月20日(2004.1.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/001353
【国際公開番号】WO2004/065985
【国際公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(390039147)レイセオン・カンパニー (149)
【氏名又は名称原語表記】Raytheon Company
【Fターム(参考)】