説明

ソフトウエアの更新予約日時を携帯電話に表示する方法およびソフトウエアの更新予約日時を表示可能な携帯電話

【課題】
携帯電話ソフトウエアの予約更新において、予約更新の日時を確認する場合、携帯電話から更新サーバに登録情報を照会することにより、登録日時を知る構成では、更新サーバとの通信が必要であり、利用者に煩雑な操作を課すことになる。
【解決手段】
本発明は、携帯電話と更新サーバの間で授受される信号から予約更新の日時に関する情報を抽出し、携帯電話内に保持する構成を有している。利用者は任意の時に、簡単な操作により携帯電話内に保持された予約に関する情報を確認することを可能とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯電話のソフトウエアの更新に関するものであり、特に、プロクラムの更新日時を利用者が指定可能な携帯電話および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話により提供される機能は、従来の音声通話に加え、メールの送受信、インターネットへの接続、コンテンツの購入等多種多様の機能が提供されている。この結果として、携帯電話を制御し各種の機能を提供するソフトウエア(ファームウエア)は大きく且つ複雑となり、プロクラムの修正あるいは新らたな機能の追加を行う必要が増している。この要求に対応するため、通信ネットワークにソフトウエアの更新サーバを設け、ネットワークを利用して携帯電話に更新用のソフトウエアを配信することが行われている。
【0003】
ソフトウエアの更新は、利用者が携帯電話から更新サーバに更新すべきソフトウエアが存在するか否かを確認することにより開始される。更新すべきソフトウエアが存在した場合、利用者は直ちにソフトウエアの更新を行うか、あるいは後刻日時を定めて更新を行う予約更新とするかを選択する。予約更新を選択した場合、利用者は更新を行う日時を更新サーバに登録し、更新サーバとの通信を終了する。予約日時になると、更新サーバは予約した携帯電話との通信を開始する。携帯電話では、更新サーバからの通信要求により受信準備を整え、更新サーバとのセッションを確立する。その後、更新サーバから携帯電話へ更新ソフトウエアをダウンロードし、携帯電話では受信した更新ソフトウエアにより自己のソフトウエアを更新する。
ネットワーク機器およびプログラム自動更新に関する文献には以下のものがある。
【特許文献1】特開2004−62555号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ソフトウエアの更新実行中は携帯電話を利用することができない。しかし、予約更新の機能を利用し、ソフトウエアの更新日時を任意の日時、例えば、携帯電話を使用しない可能性が高い日時に設定することにより、携帯電話を使用できない不利益を避けることができる。利用者が自己のスケジュールを変更する場合、予約更新の日時を確認し考慮する必要がある。携帯電話から更新サーバに登録情報を照会することにより、利用者は登録日時を知ることが可能である。しかし、この確認は、利用者に煩雑な操作を課すことになる。
本発明は、携帯電話と更新サーバの間で授受される制御情報から、利用者が予約した日時データを抽出し、携帯電話内に保持する構成を有している。更に、簡単な操作により携帯電話内に保持された予約に関する情報を確認することを可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
携帯電話の予約更新の日時は、携帯電話から利用者が更新サーバに希望日時を登録することにより設定される。本発明は、予約更新の登録が行われる際、更新サーバと携帯電話との間で授受される情報に含まれる予約日時に関する情報を抽出し、携帯電話内に記憶する構成を有している。さらに、利用者が予約更新に関する日時の確認操作を行うことにより、携帯電話に記憶された予約日時の情報が読み出され、携帯電話の表示器に表示される構成を有している。また、予約キャンセル等、予約を無効とする処理が行われたたことを検知して携帯電話内に記憶されている前記の予約情報を消去あるは無効化する構成を有している。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、携帯電話と更新サーバの間で授受される制御情報から、予約更新の予約日時のデータを自動的に抽出し、保持する構成を有しているため、利用者による煩雑な操作を必要とせず、また、更新サーバに予約日時の情報を要求する必要のない確認が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、携帯電話のソフトウエア(ファームウエア)を更新するシステムの概要図である。更新サーバはデバイスマネイジメントサーバ(DMサーバ11)とダウンロードサーバ(DLサーバ12)からなる。DMサーバ(11)は携帯電話(10)からの更新要求により、携帯電話(10)内の更新機能(DMクライアント)と接続を採り、両者間で制御および更新プログラム等の授受を行う。また、更新の予約がなされている場合は、予約日時に携帯電話(10)に更新の開始を通知することにより、携帯電話(10)のDMクライアントを起動させ、両者間で制御および更新プログラム等の授受を行う。
DMサーバ(11)には、携帯電話システムで利用される電話機の機種毎に利用可能なソフトウエアの情報を記憶する機種テーブルが設けられている。図1(b)は機種テーブルの例であり、携帯電話の機種1が利用可能な最新プログラムはソフトウエアAのバージョン2.5であり、機種2はソフトウエアBのバージョン1.8である等の情報が記録されている。
DLサーバ(12)は更新ソフトウエアを保持しており、DMサーバ(11)の指示により、要求されたソフトウエアをDMサーバ(11)を介して、あるいは直接、携帯電話(10)にダウンロードする。特定の機種のソフトウエアが更新されると機種テーブルの対応箇所が修正されると供にDLサーバ(12)に記憶される。
【0008】
DMサーバ(11)と携帯電話(10)の間の接続形式には、図2(a)に示される、OMA-DM(Open Mobile Alliance Device Management)により行う形式と、図2(b)に示される、OMA-DLにより行う形式がある。
OMA-DMによる場合の開始通知は、DMサーバ(11)、プッシュ プロキシ サーバ(14)、ショート メッセージ サービス センタ(13)、携帯電話(10)の経路でなされ、ソフトウエアダウンロードは、DMサーバ(11)、WAPプロキシ(17)、GPRS ゲートウェイ ノード(16)、:GPRS サービス ノード(15)、携帯電話(10)の経路でなされる。
OMA-DLによる場合の開始通知は、DMサーバ(11)、プッシュ プロキシ サーバ(14)、ショート メッセージ サービス センタ(13)、携帯電話(10)の経路でなされ、ソフトウエアダウンロードは、DLサーバ(12)、WAPプロキシ(17)、GPRS ゲートウェイ ノード(16)、:GPRS サービス ノード(15)、携帯電話(10)の経路でなされる。
【0009】
図2(a)に示される形式の概要は以下の通りである。
(1)ソフトウエアの更新は、利用者が携帯電話のメニュー画面からソフトウエアの更新を選択し、DMサーバに更新要求を出すことにより開始される場合と、利用者が予約した更新日時となり、DMサーバが携帯電話に更新開始の通知を出すことにより開始される場合がある。
(2)携帯電話は自己の機種とインストールされているソフトウエアの情報をDMサーバに送信する。DMサーバは、図1(b)に例示される機種テーブルを参照して、当該機種に対する適切な更新ソフトウエアを決定する。この段階で利用者に暗証番号の入力を要求し利用者の正当性を検証する。
(3)決定された更新ソフトウエアをDLサーバから取得して携帯電話に送信する。
(4)ソフトウエアのダウンロードが終了すると、DMサーバはソフトウエアのインストールの実行を指示する。この指示により、携帯電話はダウンロードした更新ソフトウエアのインストールを行い、自己のソフトウエアを更新する。
(5)ソフトウエアの更新が完了すると、携帯電話はDMサーバへ結果を通知する。
【0010】
図2(b)に示される形式の概要は以下の通りである。
(1)ソフトウエアの更新は、利用者が携帯電話のメニュー画面からソフトウエアの更新を選択し、DMサーバに更新要求を出すことにより開始される場合と、利用者が予約した更新日時となり、DMサーバが携帯電話に更新開始の通知を出すことにより開始される場合がある。
(2)携帯電話は自己の機種とインストールされているソフトウエアの情報をDMサーバに送信する。DMサーバは、図1(b)に例示される機種テーブルを参照して、当該機種に対する適切な更新ソフトウエアを決定する。この段階で利用者に暗証番号の入力を要求し利用者の正当性を検証する。
(3)DMサーバは、前記決定された更新ソフトウエアの情報と更新ソフトウエアを記憶するDLサーバのアドレス情報を携帯電話に送信する。
(4)DMサーバは携帯電話に更新ソフトウエアのダウンロードを指示する。
(5)携帯電話はDMサーバから送信されたDLサーバのアドレスに基づいてDLサーバに更新ソフトウエアに関するダウンロード情報を要求する。
(6)DLサーバは携帯電話にダウンロード情報を送信する。
(7)携帯電話は送信されたダウンロード情報に基づいて、DLサーバに更新ソフトウエアのダウンロードを要求する。
(8)携帯電話はDLサーバから更新ソフトウエアをダウンロードする。
(9)携帯電話はDLサーバにダウンロードの結果情報を送信する。
(10)携帯電話はダウンロードされた更新ソフトウエアをインストールし、その結果をDMサーバに報告する。
【0011】
図3−1および図3−2は、利用者が携帯電話のメニュー画面からソフトウエアの更新を選択することにより、更新サーバから更新ソフトウエアをダウンロードして携帯電話のソフトウエア(ファームウエア)を更新する処理を示すものである。図3−1は、制御データの授受およびプロクラムのダウンロードの両者をDMサーバとDMクライアント間でOMA-DMを用いて行う、図2(a)に示される形式の処理を示している。また、図3−2は、制御データの授受をDMサーバとDMクライアント間でOMA-DMを用いて行い、プロクラムのダウンロードをDLサーバとDLクライアント間でOMA-DLを用いて行う、図2(b)に示される形式の処理を示している。
図4−1ないし図4−5は図3−1および図3−2に示される処理において、携帯電話に表示される表示画面に基づいて処理のフローの詳細を示すものである。以下、図4−1ないし図4−5を参照しつつ、図3−1の処理を説明する。
【0012】
図3−1(1):図4−1の画面[A-N-01]は携帯電話のメニュー画面の一例である。利用者がカーソルを「ソフトウエア更新」に移動させ「選択」キーを操作することにより、ソフトウエアの更新処理が開始される。
更新処理が開始されるとバッテリの残量が検査される。ソフトウエアの更新中、特にソフトウエアの書き換え中にバッテリ切れとなり、書き換えが正常に終了しなかった場合、起動不能等、携帯電話に致命的な障害が発生する。従って、ソフトウエア更新の処理を開始する前に、バッテリの残量を検査する。バッテリの残量が少なく、ソフトウエアの更新作業を完了し得ない可能性があると判断されると画面[A-N-03]に進み、警告画面を提示した後、図4−5画面[D-N-01]の待ち受け状態になる。
バッテリの残量が充分と判断されると、画面[A-N-02]によりソフトウエア更新時の注意が与えられる。利用者が「いいえ」を選択してソフトウエアの更新を中止すると、画面[A-N-04]を介して図4−5画面[D-N-01]の待ち受け状態になる。利用者が「はい」を選択すると、携帯電話の制御プログラムはソフトウエアの更新処理を担当するDMクライアントを起動し、制御を移行する。
DMサーバは携帯電話がローミング中か否かを検査する。ローミング中はソフトウエアの更新を行うことができないため、画面[A-D-04]を提示して更新処理を終了する。
【0013】
図3−1(2):携帯電話がローミング中でない場合、DMサーバは携帯電話のDMクライアントとの間でソフトウエアの更新処理を開始する。DMサーバは利用者に規約を提示し応答を求めるガイダンスを表示することを指示するコマンドを送信する。
図3−1(3):DMクライアントは上記コマンドに従って画面[A-D-01]を表示し、利用者の応答をDMサーバに送信する。利用者が契約を承諾しなかった場合(「いいえ」を選択)、画面[A-D-09]を表示する。
図3−1(4):利用者が契約を承諾した場合(「はい」を選択)、画面[A-D-02]を表示して暗証番号を要求する。利用者が「中止」を選択した時、画面[A-D-10]を表示する。
図3−1(5):利用者が暗証番号(PIN)を入力し「決定」のキー操作を行うと、入力された暗証番号はDMサーバに送信され、携帯電話に対応して記憶されている暗証番号と比較される。暗証番号に誤りがあると、画面[A-D-07]または[A-D-08]、[A-D-12]を表示する。
【0014】
図3−1(6):暗証番号が正当と判断されると、DMサーバは携帯電話の機種とソフトウエアのバージョン等の情報をDMクライアントに要求する。
図3−1(7):DMクライアントは携帯電話の機種と現在のソフトウエアのバージョンに関する情報等をDMサーバに送信する。DMサーバは、図1(b)に例示される機種テーブルを参照し、当該携帯電話に利用可能な更新ソフトウエアが存在するか否かを検出する。携帯電話が使用しているソフトウエアが最新のものであり、利用可能な更新ソフトウエアが存在しない場合、図4−3画面[A-D-05]を表示し更新処理を終了する。
また、DMサーバは、当該電話機にソフトウエアの更新の予約がなされているか否かを検査する。既に予約がなされている場合、利用者に画面[A-D-06]を表示し、ソフトウエアの更新処理を続けるか否かの回答を求める。利用者がソフトウエアの更新処理を続けないとした場合は、画面[A-D-11]を表示する。
【0015】
図3−1(8):機種テーブルを検索することにより、当該電話機に更新すべきソフトウエアが存在すると判断されると、DMサーバは携帯電話に画面[A-D-03]を表示し、利用者にソフトウエアの更新方法の指定を求める。ここに示される例の選択肢は「1.今すぐ更新」「2.予約更新」「3.予約キャンセル」の三つである。
「1.今すぐ更新」はソフトウエアの更新を続けて行うものであり、「2.予約更新」は利用者がソフトウエアの更新を行う日時を指定し予約するものである。予約された日時となると、DMサーバは予約した携帯電話に接続し、ソフトウエアの更新を行う。図5および図6に予約更新のフローが示されている。「3.予約キャンセル」は予約更新により設定された予約日時を変更するものである。図7および図8に予約キャンセルのフローが示されている。画面[A-D-03]で中止を選択すると、画面[A-D-13]を表示する。
【0016】
図3−1(9):画面[A-D-03]で「1.今すぐ更新」を選択すると、ソフトウエアの更新処理が開始される。更新サーバは更新サーバあるいは通信システムの使用状況を検査する。これらが輻輳状態にあり、直ちに更新処理を開始することは不可能と判断されると画面[C-D-01]を表示する。更新処理は可能と判断すると、DMサーバは更新ソフトウエアのダウンロードを開始する。
以下は、図2(a)に示される、DMサーバからDMクライアントに更新ソフトウエアをダウンロードする処理の例である。
図3−1(10):DMサーバは、携帯電話の機種と使用中のプロクラムのバージョン情報に基づいて機種テーブルから選定した更新ソフトウエアをDLサーバから取得し、DMクライアントにダウンロードする。その際、携帯電話では図4−4画面[C-N-01]が表示される。
図3−1(11):ダウンロードが終了すると、DMクライアントはDMサーバにダウンロードの結果を報告する。
【0017】
図3−1(12):ダウンロードが正常に終了すると、DMサーバはDMクライアントにダウンロードしたソフトウエアのインストールを指示する。DMクライアントは画面[C-N-02]および[C-N-03]を表示し、利用者にソフトウエアの書き換え中で在ることを知らせる。ソフトウエアの書き換えが終了すると画面[C-N-04]を表示し、携帯電話を再起動する。
図3−1(13):再起動した携帯電話は画面[C-N-05]を表示すると共に、更新ソフトウエアが正常に機能しているか否かを検査し、検査結果をDMサーバに報告する。
【0018】
図3−2(10'):DMサーバはDMクライアントにDLサーバのアドレスと更新ソフトウエアに関する情報を送信する。
図3−2(11'):DMクライアントはDMサーバに(10')の応答を返信する。
図3−2(12'):DMサーバはDMクライアントに更新ソフトウエアのダウンロードと、ダウンロードされた更新ソフトウエアのインストールを指示する。
図3−2(13'):DMクライアントはDMサーバに(12')の応答を返す。
図3−2(14'):DLクライアントは、(10')でDMサーバから送信されたDLサーバのアドレスに基づいてDLサーバに更新ソフトウエアをダウンロードするための情報を要求する。
図3−2(15'):DLサーバはDLクライアントに(14')の情報を返す。
図3−2(16'):DLクライアントは(15')で返信された情報に基づいてDLサーバに更新ソフトウエアのダウンロードを要求する。
図3−2(17'):DLサーバはDLクライアントに更新ソフトウエアをダウンロードする。
図3−2(18'):更新ソフトウエアのダウンロードが終了すると、ダウンロードした結果を報告する。
図3−2(19'):DLサーバは(18')の応答を返す。また、携帯電話はソフトウエアをインストールする。
図3−2(20'):DMクライアントはDMサーバに更新処理の終了を報告する。
【0019】
図4−3の画面[A-D-03]が表示された時、利用者が「2.予約更新」を選択すると、図5および図6に示される予約処理が開始される。DMサーバには各携帯電話対応に更新予約の登録がなされているか否か、および登録がなされている場合には登録日時を記憶する予約テーブルが設けられている。予約処理を行うことにより、予約テーブルの予約処理を行った携帯電話に対応する欄に、予約更新が登録されていることを示す情報と登録日時が記憶される。以下図6を参照しつつ、図5の処理を説明する。
【0020】
図5(1):携帯電話から予約更新の指示を受けたDMサーバは、携帯電話に図6画面[B-D-01]を表示し、利用者が希望する予約日時、即ちソフトウエア更新を希望する日時を求める。日時の指定は利用者が数字キーを用いて直接入力する方法、あるいはDMサーバが幾つかの候補日時を提示し、利用者が選択する方法等がある。画面[B-D-01]はDMサーバが候補日時を提示する形式のものである。
図5(2):利用者が選択した予約希望日時をDMサーバに送信する。DMサーバは指定された日時にソフトウエアの更新処理が可能か否かを判別する。何らかの理由によりソフトウエアの更新処理が行えない時は、画面[B-D-04]を表示し、他の日時の選択、あるいは予約処理の終了を求める。
図5(3):利用者が指定した日時に更新処理が可能な時は、画面[B-D-02]の予約時の注意を提示し利用者の確認を求める。
図5(4):利用者が確認することにより、DMサーバは指定された日時を当該携帯電話のソフトウエア更新の予約日時として予約テーブルに登録する。
図5(5):サーバは携帯電話に画面[B-D-03]を表示し予約の登録が完了したことを通知し、処理を終了する。
【0021】
図4−3の画面[A-D-03]が表示された時、利用者が「3.予約キャンセル」を選択すると、図7および図8に示される予約キャンセルの処理が開始される。
図7(1):携帯電話から予約キャンセルの指示を受けたDMサーバは、携帯電話に対応して登録されている更新予約日時を予約テーブルから読み出す。予約テーブルに更新予約日時が登録されていない場合は図8画面[B-D-08]を表示する。登録されている更新予約日時から画面[B-D-06]を作成し携帯電話に送信する。
図7(2):利用者は画面[B-D-06]を確認し、予約キャンセルの確認をDMサーバに送信する。
図7(3):確認を受信したDMサーバは登録されている更新予約日時を消去し、画面[B-D-07]を表示して予約のキャンセルが終了したことを通知し処理を終了する。
【0022】
DMサーバには各携帯電話対応に更新予約の登録がなされているか否か、および登録がなされている場合には登録日時を記憶する予約テーブルが設けられている。DMサーバはこの予約テーブルを監視することにより、登録日時となった携帯電話に対して予約更新を実行する。図9および図10に予約更新の処理が示されている。以下図10を参照しつつ、図9に示される処理を説明する。
【0023】
図9(1):予約テーブルに登録されている更新予約時間となったことが検出されると、DMサーバはショートメッセージ・サービスセンタ(SMSC)を介して当該携帯電話にソフトウエア更新の開始を通知する。これにより、携帯電話ではDMクライアントが起動される。DMクライアントは携帯電話のバッテリ残量を検査し、更新ソフトウエアのダウンロードおよびインストールを行うに充分な残量か否かを判別する。バッテリ残量が充分ではないと判断されると図10画面[C-D-03]を表示して更新処理を終了する。バッテリの残量が充分と判断されると画面[C-D-02]を表示しソフトウエアの更新を続行する。
図9(2):DMクライアントは画面[C-D-02]を表示し、更新処理の実行を利用者に通知する。利用者が「いいえ」を選択すると更新処理は中止される。利用者が「はい」を選択した、あるいは所定時間内に応答しなかった場合、DMサーバに更新処理の続行を要求する。
図9(3):携帯電話のDMクライアントから更新処理続行の要求が送信されると、DMサーバは携帯電話がローミング中か否かを検査する。ローミング中の時は画面[C-D-04]を表示してソフトウエアの更新を終了する。DMサーバは携帯電話の機種とソフトウエアのバージョン情報をDMクライアントから取得し、当該携帯電話に利用可能な更新ソフトウエアが存在するか否かを検出する。携帯電話が使用しているソフトウエアが最新の場合、画面[C-D-05]を表示し更新処理を終了する。ダウンロードしインストールすべきソフトウエアが決定されると、図4−4の画面[C-N-01]からの処理が実行される。
図9(4):携帯電話は更新ソフトウエアが正常に機能しているか否かを検査し、検査結果をDMサーバに報告する。
【0024】
ソフトウエアの更新中は携帯電話を使用することは出来ない。従って、更新処理を行う時間を就寝中等、携帯電話を利用する可能性が小さい時間帯に予約することが考えられる。このような場合、例えば、図10の画面[C-D-02]等、利用者に入力を要求する状況となっても、利用者がこの要求に応答することは不可能である。従って、利用者の応答を待つ時間を設定するタイマーを設け、利用者からの応答が前記タイマーの設定時間内に無かった場合、利用者から是認の応答があったとみなし、予約更新の処理を続行する構成とする。また、予約日時となり更新処理が開始されると、更新処理が正常に終了したか否かにかかわらず、更新予約の登録情報は消去される。
【0025】
図11に、更新日時を予約設定する第2の形態と、更新サーバから携帯電話に送信される予約完了メッセージの例が示されている。この例は図6に示される予約手続きの画面[B-D-01]、[B-D-02]、[B-D-03]に相当する部分のみが示されており、[B-D-04]、[B-D-05]等は省略されている。
図11のステップ(1)で、DMサーバは携帯電話に画面[201]を表示することにより、更新予定日の候補を複数提示する。ステップ(2)で利用者が予約希望時刻を選択しDMサーバに送信する。ステップ(3)で、DMサーバは携帯電話に画面[202]を表示することにより、更新予約時刻の候補を複数提示する。ステップ(4)で利用者が希望時刻を選択しDMサーバに送信する。利用者が予約希望日時を選択したことにより、DMサーバは予約更新テーブルに登録すると供に、ステップ(5)で携帯電話に、204に例示される予約完了通知のメッセージコマンドを送信する。メッセージを受信した携帯電話は、受信したコマンドを解読しメッセージ文と予約日時を抽出して画面[203]を表示する。この画面より、利用者は予約が完了したことを認知する。
【実施例1】
【0026】
図12−1および図12−2は、DMサーバから送信された予約完了通知のメッセージコマンド204から、予約日時データを抽出し携帯電話に予約完了画面を表示すると供に、抽出した予約日時データを予約日時データバッファに保存し利用する構成を示すものある。予約完了通知のメッセージコマンドを受信した携帯電話は、コマンドを解析しメッセージ文「予約完了しました」と予約日時データ「Y/M/D/hh:mm」を抽出する(ステップ205)。次に、抽出されたメッセージ文と予約日時データから画面[203]を作成し表示すると供に、予約日時データ「Y/M/D/hh:mm」を予約日時データバッファ205に保持する。これらの処理が終了すると、予約更新の予約日時の登録作業は完了し、携帯電話は待ち受け画面[204]を表示し、待ち受け状態となる。
【0027】
利用者が携帯電話のメニュー画面から「予約日時確認」を選択した時の処理が図12−1の205乃至208および図12−2に示されている。以下、図12−2の処理を説明する。
ステップ251:利用者がメニュー画面(図12−1、206)から処理項目を選択する。
ステップ252:選択項目を判定し「予約日時確認」でなければステップ253に進み他の処理を行う。「予約日時確認」の時はステップ254に進む。
ステップ254:予約日時データバッファから記憶内容を読み取る。
ステップ255:予約日時データバッファの記憶内容が正当な日付データか否かを判定する。正当な日付データの時はステップ256に進み、正当な日付データではないときはステップ257に進む。
ステップ256:予約日時データバッファに記憶された日付データかから、図12−1の画面207を作成し表示する。
ステップ257:予約日時データバッファに正当な日付データが記憶されていない時は、予約更新は予約されていない旨を示す図12−1の画面[208]を表示する。
【0028】
本実施例では、予約更新の登録時、更新サーバから携帯電話に送信される登録の完了を通知するコマンドを解析することにより、予約日時データバッファに予約日時を記憶する。本発明は、更新サーバの予約テーブルに登録されている予約更新の情報を、携帯電話内に設けられている予約日時データバッファの記憶内容を用いて利用者に提示するものである。従って、予約日時データバッファに記憶されるデータは、更新サーバの予約テーブルの内容と同一にする必要がある。 利用者により予約がキャンセルされた、あるいは、予約日時となり更新処理が開始された等により、更新サーバの予約データが変更された場合、携帯電話内の予約日時データバッファも変更する。図13は、本実施例において、予約がキャンセルされた時、および、予約時間となり予約更新の処理が開始された時、予約日時データバッファの記憶内容を消去するための構成を示している。
【0029】
図13(a)は、図8に示される予約キャンセルの処理フローにおいて、本実施例を適応した時の変更点を示すものである。更新サーバが図8で画面[B-D-07]を携帯電話に表示する時点で既に更新サーバの予約データは変更されている。図8では、利用者が画面[B-D-07]を視認して確認のキー操作を行った後、ステップ301で予約日時データバッファを消去する構成である。携帯電話が更新サーバから画面[B-D-07]を表示するコマンドを受信した後直ちに予約日時データバッファを消去する構成あっても良い。
図13(b)は、図10に示される予約更新の処理フローにおいて、本実施例を適応した時の変更点を示すものである。予約時間が到来し更新作業が開始された時点で、予約時間は既に過去の日時となり無意味なものとなる。従って、予約更新の処理では、更新処理の成功/不成功に関わりなく更新サーバの予約データは無効化される。図13(b)では、更新作業開始直後のステップ302で携帯電話内の予約日時データバッファを消去する構成としている。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、予約更新を行う日時を登録する処理において、携帯電話と更新サーバとの間で授受される制御情報からソフトウエア更新の予約日時のデータを抽出し、携帯電話内の予約日時データバッファに記憶する構成を有している。また、予約のキャンセル等、予約更新の登録情報に影響を与える処理がなされた時には、携帯電話により当該処理が行われたことを検出し、予約日時データバッファを消去あるいは無効化する処理を行う構成を有している。利用者が予約日時を確認する時、携帯電話のメニュー画面から確認の操作を行うことにより、予約日時データバッファに記憶されている予約日時の情報を読み出し表示する。
この構成により、予約更新がなされたこと、および予約日時がキャンセルされたことを、携帯電話と更新サーバとの間で授受される制御情報から自動的に認識可能となり、携帯電話と更新サーバとの間に予約日時を確認するための間新たな処理を追加する必要がない。また、予約更新の登録の有無、あるいは登録予約日時の情報を更新サーバに問い合わせる必要がなくなり、登録日時の確認のために煩雑な操作、あるいは通信の負担の無い更新予約日時の確認と表示が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明が適用されるソフトウエア更新システムの概要図
【図2】更新サーバと携帯電話と間の通信の概要図
【図3−1】ソフトウエア更新の第1の処理図
【図3−2】ソフトウエア更新の第2の処理図
【図4−1】ソフトウエア更新の処理フロー図(1)
【図4−2】ソフトウエア更新の処理フロー図(2)
【図4−3】ソフトウエア更新の処理フロー図(3)
【図4−4】ソフトウエア更新の処理フロー図(4)
【図4−5】ソフトウエア更新の処理フロー図(5)
【図5】ソフトウエア予約更新の登録の処理を示す図
【図6】ソフトウエア予約更新の登録の処理フロー図
【図7】予約キャンセルの処理図
【図8】予約キャンセルの処理フロー図
【図9】予約更新実行の処理図
【図10】予約更新実行の処理フロー図
【図11】ソフトウエア予約更新の登録の第2の例と、予約完了メッセージを示す図
【図12−1】ソフトウエアの更新予約完了メッセージと予約日時を示す図
【図12−2】ソフトウエアの更新予約情報を確認する処理フロー図
【図13】更新予約の情報を変更する処理フロー図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
更新サーバに記憶される更新ソフトウエアを携帯電話にダウンロードする日時を予約するソフトウエアの更新予約の予約日時を表示する方法であって、
携帯電話から更新サーバに更新ソフトウエアをダウンロードする日時を送信するステップと、
上記ダウンロードする日時の送信に応答して更新サーバから携帯電話に送信される予約確認情報から予約日時情報を抽出し予約日時データバッファに記憶するステップと、
予約日時の表示を要求するステップと、
上記要求ステップに応答して上記予約日時データバッファから予約日時情報を読み出しソフトウエア更新予約の予約日時を表示するステップからなる
ソフトウエア更新予約の予約日時を表示する方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、
携帯電話において更新ソフトウエアをダウンロードする日時を変更する処理がなされたことを検知するステップと、
前記検知ステップの検知結果により上記予約日時データバッファの内容を変更するステップを有する方法。
【請求項3】
更新サーバに記憶される更新ソフトウエアをダウンロードする予約日時を表示する携帯電話であって、
更新サーバに更新ソフトウエアをダウンロードする日時を送信する手段と、
上記ダウンロードする日時の送信に応答して更新サーバから送信される予約確認情報を受信し予約日時情報を抽出して予約日時データバッファに記憶する手段と、
予約日時の表示を要求する手段と、
上記要求手段が操作されたことを検知して上記予約日時データバッファから予約日時情報を読み出しソフトウエア更新予約の予約日時を表示する手段を有する携帯電話。
【請求項4】
請求項3記載の携帯電話であって、
更新ソフトウエアをダウンロードする日時を変更する処理がなされたことを検知する手段と、
前記検知手段の検知結果により上記予約日時データバッファの内容を変更する手段を有する携帯電話。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図4−4】
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【図4−5】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12−1】
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【図12−2】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−164605(P2007−164605A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−362052(P2005−362052)
【出願日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(501440684)ソフトバンクモバイル株式会社 (654)
【Fターム(参考)】