説明

ソリダゴのエキスを含有する医薬組成物

ソリダゴ(Solidago sp.)の一部分(前記部分は地上で生育した部分である)のエキス、又は該エキスの溶媒分の除去後に残留する固体残渣(有効成分として)は、ミトコンドリアの発生を増大させ、これによって、哺乳類の有機体を強化するため、又はミトコンドリアの損傷及び/又は構成一酸化窒素シンターゼ酵素の機能の低減に由来する疾患の予防又は治療のために使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アキノキリンソウ(ソリダゴ(Solidago sp.))のエキスの用途に関する。さらに詳述すれば、本発明は、ソリダゴの一部分(ここで、一部分とは、地上で生育する部分である)、又はエキスの溶媒分の除去後に有効成分として残留する固体残渣の、ミトコンドリアの損傷又は構成一酸化窒素シンターゼ酵素の機能の低減による疾患の予防及び/又は治療のためと共に、ミトコンドリア発生の増大のための使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ミトコンドリアの損傷は、いくつかの疾患の発生において、重要な役割を果たし、他の疾患は、構成一酸化窒素シンターゼ酵素系における障害によって発現される。
【0003】
ミトコンドリアは、各細胞の細胞質において、各種の数で存在する必須の細胞小器官である。すなわち、細胞のエネルギー生産部位である。ヒト有機体によって使用される酸素の98%は、ミトコンドリアによって、エネルギー生産のために応用される。ミトコンドリアにおいて行われる酸化的リン酸化反応は、細胞によって必要とされるエネルギーを蓄える、かなりの量のATP(アデノシン三リン酸)を生産する。このように、ミトコンドリアの数及び状態は、生命の観点から重要である。
【0004】
身体的要求に応じて、横紋筋の酸化的能力は、一桁分変更される。筋肉の筋繊維タンパク質のタイプは変更され、筋肉のミトコンドリア含量は、負荷に順応する間に増大される。ミトコンドリアの機能及び形成の調節においては、コアクチベーターPPARγ(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ)の転写因子PGC-1αがキーとなる役割を有する。ミトコンドリアの生物発生は、CREBと同様に、カルシウム/カルモジュリン依存性キナーゼIV(CaMK IV)、カルシニューリン、AMP-キナーゼ(Zong Hら, AMPキナーゼは、慢性のエネルギー欠乏に応答して、骨格筋におけるミトコンドリアの生物発生のために要求される, Proc. Natl. Acad. Scl., 99, 15983 (2002))、MEF2(ミオサイトエンハンサー因子2)、p38 MAPKによっても影響されるが、その作用は、主に、PGC-1αを介して生ずる(Nisoli E.ら, 細胞信号伝達フレームワークとしてのミトコンドリアの生物発生, Biochemical Pharmacology 67, 1 (2004))。CAMK IV及びカルシニューリンは、PGC-1αのプロモーターの活性に対して間接的な影響を有し、一方、p38 MAPKは、PGC-1αのリン酸化及び内因性阻害ドメインの影響の遅延を介して、その作用を発揮する(Fan M.ら, Genes & Development, 18, 278 (2004))。最近の観察によれば、内皮性一酸化窒素シンセターゼ酵素によって生産される一酸化窒素は、グアニレートサイクラーゼ酵素の活性及びcGMPレベルの増大を介して、PGC-1αの発現の惹起、及び、これにより、ミトコンドリアの発生の調節における基本的な役割を果たす(Nisoli, E., 哺乳類におけるミトコンドリアの生物発生:内因性一酸化窒素の役割, Science, 299, 896 (2003))。
【0005】
エネルギー生産に加えて、ミトコンドリアは、他の生物学的プロセスの調節においても役割を果たし、例えば、β細胞のインスリン分泌の調節において、頸動脈洞と同様に、肺静脈の酸素認知において役割を果たす。ミトコンドリアは、ステロイドの生合成の速度を規定する重要な酵素及び胃酸の分泌に必須の炭酸アンヒドラーゼ酵素を含有する。ミトコンドリアは、細胞質カルシウムの摂取を介するカルシウム情報伝達の調節における重要な役割を有する(Gunter T.E.ら, ミトコンドリアカルシウム輸送:機構及び機能, Cell Calcium, 28, 285 (2000))。褐色脂肪組織の熱発生能力は、酸化的リン酸化の隔離に基づくものであるが、このプロセスは、ヒトにおいては二次的にのみ重要である。ミトコンドリアは、プログラム化された細胞死(アポトーシス)の調節において非常に重要である(Martinou J.C., Green D.R., ミトコンドリアバリヤーの破壊, Nat Rev. Mol. Cell. Biol., 2, 63 (2001))。
【0006】
ミトコンドリアの損傷は、いくつかの疾患の原因である。ミトコンドリアDNAの特殊な変異は、タイプI又はインスリン依存性糖尿病の発現を生ずる(Maassen J.A.ら, ミトコンドリア糖尿病:分子レベルの機構及び臨床所見, Diabetes, 53, Suppl 1, 103 (2004))。タイプII又は非インスリン依存性糖尿病では、病理学的機序を開始させる基本的な障害は、インスリンに対する組織の低減された感受性、すなわち、インスリン耐性である。最近の検討によれば、ミトコンドリアの低減された酸化的リン酸化能力が、インスリン耐性の背景にある(Petersen K.F.ら, 高齢者におけるミトコンドリアの機能障害:インスリン耐性における可能な役割, Science 300, 1140;Petersen K.F.ら, タイプII糖尿病患者のインスリン耐性子孫における傷害されたミトコンドリア活性, N. Engl. J. Med., 350, 665 (2004))。ミトコンドリアの機能及びミトコンドリアの生物発生の調節において重要な役割を果たすPGC-1α遺伝子と、肥満症及び糖尿病との間の遺伝的関係が、オランダ人及び日本人について示されている(Ek, J.ら, Diabetologia, 44, 2220 (2001);Haraら, Diabetologia, 45, 740 (2002))。さらに、タイプII糖尿病患者において、PGC-1αレベルの低減が検出されている(Patti, M.ら, インスリン耐性及び糖尿病を持つヒトにおける酸化的代謝の遺伝子の調整された低減:PGC1及びNRF1の潜在的役割, PNAS, 100, 8466 (2003))。
【0007】
パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病及びALS(筋萎縮性側索硬化症)のようないくつかの慢性の神経変性疾患は、ミトコンドリア機能の傷害に伴うものである。ミトコンドリアの損傷は、疾患の進行に寄与すると思われる(Scon E.A., Manfredi G., J. Clin. Invest., 111, 303 (2003))。これらの慢性の神経変性疾患では、特定の神経タンパク質の配座の変更が認められ、このような変更はタンパク質の機能の変更及び凝集を伴う。一部では、フリーラジカルの形成の増大を介して、ミトコンドリアの機能障害は、タンパク質の配座の変更を惹起することにおいて因果的役割を有し、一部では、損傷されたミトコンドリア自体が、タンパク質の配座の変更によって惹起される代謝カスケードのターゲットとなり、このようにして、疾患の進行に寄与する。ミトコンドリアの機能障害によって、主として、増大されたフリーラジカルの形成、低減されたエネルギー生産、カルシウムホメオスタシス及び小胞体の障害を介して、神経細胞の破壊が生ずる。
【0008】
動物の平均寿命の研究では、長い寿命は低レベルの活性酸素種(ROS)と関連することが明らかになっている(Perez-Campo R.ら, 老化速度の決定因子としてのフリーラジカルの生成速度:比較アプローチによる実証, J. Comp. Physiol., 168, 149, (1998))。大部分で容認されている老化に関する理論によれば、老化のプロセスは酸化的損傷に関連する(Hekimi S., Guarente L., 老化プロセスの遺伝学及び特異性, Science, 299, 1351 (2003))。ミトコンドリアの欠陥の蓄積及びフリーラジカルの増大された形成は、老化に関連する疾患の発現の原因の1つと考えられる(Fridovich, I., ミトコンドリア:これらは老化の病巣か?, Aging Cell, 3, 13 (2004))。老化プロセスにおけるミトコンドリアの役割は、寿命を増大させる遺伝子のアタックポイントが、ミトコンドリア自体であるか、又はミトコンドリアと緊密に関連する抗酸化機構であるとの事実によって裏付けられている。
【0009】
構成一酸化窒素シンターゼ系の官能化及び疾患の病理学的機序におけるその役割は、次のように概説される。
【0010】
一酸化窒素(NO)は、非常に重大な規制的役割を有する、広く存在する情報伝達分子である。一酸化窒素は、血管の平滑筋の弛緩を介して、血管拡張において重要な役割を有する。血管の平滑筋の増殖と同様に、血小板の凝集及び活性化は、心筋の収縮及び弛緩の調節において役割を果たす一酸化炭素によって阻害される。一酸化窒素は、主として括約筋、例えば、幽門(又は幽門括約筋)の収縮を阻害することを介して、胃腸管の運動の調節において必須である(Huang P.L., Am. J. Cardiol., 82, 57S (1998); Takahashi T., J. Gastroenterol., 38, 421 (2003))。
【0011】
一酸化窒素は、少なくとも3種の異なる酵素(ニューロン性一酸化窒素シンターゼ(nNOS、NOS1)、誘導一酸化窒素シンターゼ(iNOS、NOS2)及び内皮性一酸化窒素シンターゼ(eNOS、NOS3))によって、L-アルギニンから生産される。
【0012】
ニューロン性タイプの一酸化窒素シンターゼは、主に、脳の特定のニューロンにおいて、非アドレナリン作動性、非コリン作動性自律神経細胞において、筋肉において及び細尿管の密集班領域において発現されるが、多くの他の組織においては、低いレベルで存在する。nNOS酵素の活性化において、細胞内Ca++濃度及びタンパク質のリン酸化の上昇は、瞬時の役割を果たす。さらに、最近の観察では、酵素の発現レベルの変化は、その活性の調節にも重大な影響を及ぼすことが示されている(Sasaki, M.ら, Proc. Natl. Acad. Sci. UAS, 97, 8617 (2000))。
【0013】
nNOSノックアウト動物の検討では、損傷したnNOS酵素機能が病因論において重大な役割を有する一連の病状が表されている(Mashimo, H., Am. J. Physiol., 277 745 (1999))。胃腸管全体の適正な運動、特に、括約筋の弛緩は、非アドレナリン作動性、非コリン作動性ニューロンにおけるnNOSの活性化に左右される(Takahashi, T., J. Gastroenterol., 38, 421 (2003))。nNOS酵素によって生産された一酸化窒素は、収縮の阻害を介して、下方の食道、幽門、肛門における括約筋及びオッディ括約筋における筋緊張を調節する。括約筋の弱められた弛緩は機能を妨げ、このようにして、例えば、幽門(又は幽門括約筋)の不充分な弛緩が、胃内容排出の調整された機構を妨げる。例えば、nNOSノックアウトマウスでは、胃を、長期間空にすることにより、胃拡張及びうっ血が発現する。nNOS発現のレベル及び機能は、タイプI及びタイプII糖尿病において、激しく損傷され、その結果、患者の約75%において、胃腸系の機能障害が発生する。糖尿病性胃疾患症候群は、ライフクオリティーを悪化させる、長期間胃を空にすること、鼓腸、吐き気、嘔吐、腹痛によって特徴付けられる(Koch K.L., Dig. Dis. Sci., 44, 1061 (1999))。nNOS発現及びNOレベルを回復するインスリン治療(Watkins C., J. Clin. Invest., 106, 373 (2000))又はNOドナーを介するNOの補充は、糖尿病性胃腸運動障害を排除するものであり、このように、疾患におけるNOの病理学的役割を裏付けている。
【0014】
オッディ括約筋における不充分なnNOS酵素活性の結果は、「不精な胆嚢(lazy gall bladder)」症候群である。nNOSによる一酸化窒素の欠乏のため、オッディ括約筋の弛緩が不充分となり、胆嚢からの胆汁の流出が阻害され、胆嚢拡張及び胆汁うっ滞と共に、胆汁欠乏による消化不良につながる。後者の症状の結果として、炎症性疾患及び胆石の形成の危険度が増大する。胆汁は脂質代謝において必須の役割を果すため、胆汁の分泌が減少すると、血液中のコレステロールレベルが高くなり、メタボリック症候群の発現につながる(JAMA, 285, 2486 (2001))。
【0015】
nNOS機能の低減が重要な役割を果す病理学的機序における他の胃腸の運動及び機能の障害として、アカラシア、肥大性幽門狭窄、ヒルシュスプルング病、機能性消化不良、腸閉塞及び大腸炎が含まれる。これらの疾患において、有意な治療効果は、nNOS機能を回復することにより期待される。シンプルな自発運動過剰症においても、nNOS機能の増進及び局所的なニューロンの反射の回復を介して、好適な作用が待望される。
【0016】
同様に、酵素は、ペニスの勃起において基本的な役割を果し(Cuevas A.J.ら, Biochem. Biophys. Res.Commun., 312, 1202)、従って、nNOS酵素の不充分な活性(主として、糖尿病の結果として)は、勃起不全の原因である。
【0017】
nNOS酵素の活性は、正常な筋機能における必須の役割を有する。最近のデータは、特定の筋肉の劣化、例えば、デュシェンヌ型筋ジストロフィーにおいても、nNOS酵素の機能が損なわれることを表している(S. Froehner, Trends in Molecular Medicine, 8, 51 (2002))。不適正なnNOS機能の回復は、動物において、疾患の症状を改善する。
【0018】
nNOS酵素の不充分な機能は、動物研究において、酵素の発現及び機能の減退がセロトニンの機能障害(低減されたセロトニン代謝回転、不完全なセロトニンリセプター機能)を生じ、攻撃的な挙動につながることが示されているため、攻撃的な挙動に関連する疾患の原因である(Chiavegatto, S.ら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 98, 1277 (2001))。不完全なnNOS機能は、攻撃的な挙動及び性的態度のある種の混乱に関連する病型において役割を有する。
【0019】
一酸化窒素は、親-及び反-アポトーシス作用の両方を有する。実験観察に基づけば、酵素の好適な活性は、各種の神経再生プロセスにおいて、例えば、外傷性末梢神経病変の回復のためには必須である(Keilhoff, G.ら, Cell. Mol. Biol., 49, 885 (2003))。一酸化窒素ドナーは、動脈硬化症の抑制又は治療に有用である(Herman, A.G.及びMoncada, S, 動脈硬化症の予防及び治療における一酸化窒素ドナーの治療能力, Eur. Heart J., 2005 May 25)。
【0020】
酵素nNOS及びeNOSは、合せて、構成一酸化窒素シンターゼ(cNOS)酵素と呼ばれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
要約すると、構成一酸化窒素シンターゼ酵素の機能の低減と同様に、ミトコンドリアの損傷は、各種の疾患を発症させるということができる。疾患のいくつかは、使用可能な合成薬によって治療されるが、合成薬の欠点は、その副作用、すなわち、しばしば、極めて不快で、望ましくない作用にある。さらに、各種の組織においてnNOS酵素の活性を回復できるか、又はミトコンドリアの発生を達成できるような薬剤は、現時点では、存在しない。
【0022】
本発明の目的は、ミトコンドリアの損傷及び/又はcNOS酵素の機能の低減に関連する疾患の、薬草エキスに基づく医薬組成物による予防又は治療にある。
【0023】
各種のソリダゴは、ヨーロッパの植物療法では、主として、泌尿器科用、消炎用、傷治癒用組成物において、700年以上使用されてきた。植物の名称は応用分野を示している:ラテン語「solidare」は、確認、治癒の意味を有する。開花開始時に集められた植物の新芽は、「Virgae-aureae harba」又は「Consolidae sarracenicae」の名称で知られており、一方、秋又は早春に集められた植物の根は、「Virgae-aureae radix」又は「Consolidae sarracenicae radix」の名称で知られている。ヨーロッパ植物療法科学協力機構(ESCOP)は、ソリダゴに関するモノグラフ、すなわち、Solidaginis virgaureae herbaを、既に1996年に発行している(植物薬の医薬的使用に関するESCOPモノグラム/Solidaginis virgaureae herba, 1966)。薬草に係る処方は、フランス薬局方(これに基づき、新芽の花序のみが薬草として使用される)に従って許容されている(フランス薬局方, 第10版, Solidage-Solidago virga-aurea, Adrapharm, Paris, 1982)。ドイツ薬局方(DAB 10)では、地上で生育し、開花期に集められ、ついで、乾燥された植物全体を薬草と定義している(ドイツ薬局方10, Goldrutenkraut-Solidaginis herba, 1999)。ハンガリー国では、開花開始時に集められた、最も頻繁に発生する種、すなわち、カナダアキノキリンソウ(Solidago canadensis L.)及びオオアワダチソウ(Solidago gigantea Ait.)の花、葉の新芽から調製された公式の薬草は、Solidaginis herbaとして表示されている。高品質の処方は、ハンガリー国基準No.12341-86に示されている。
【0024】
ハンガリー国特許第209,249号によれば、アキノキリンソウ(Solidago virga-aurea)のアルコールエキスは、血管拡張用調製物において、他の薬用植物のエキスと共に使用される。アキノキリンソウのエキスの血管に対する作用はWagnerによって研究されている(Wagner, H.H., ソリダゴのエキスを含有する血管作用剤の薬理学, Arzneimittel-Forschung, 16(7), 859-866 (1966))。
【0025】
各種のソリダゴの植物化学特性は、かなりの類似性を示す。その最も特徴的な活性剤は、サポニン、フラボノイド及びジテルペンであるが、特殊な種は、有意な量のエーテル油、コーヒー酸誘導体及び単純なフェノール配糖体を含有する。アキノキリンソウ(Solidago virgaurea L.)、カナダアキノキリンソウ及びオオアワダチソウのエキスは、代表的には、フラボノイド、サポニン及びエーテル油を含有する。
【0026】
Rote Liste and Praparate Listeの各版は、ソリダゴの薬草を基材とするいくつかの調製物を掲載している。知られている調製物として、例えば、茶、カプセル及び錠剤が含まれる。
【0027】
要約すれば、ソリダゴのいくつかは、ミトコンドリアの損傷及び/又はcNOS酵素の機能の低減に関連する疾患以外の特定の疾患の治療のために、既に使用されている。
【課題を解決するための手段】
【0028】
上記の目的は、任意に、1以上の一般的な薬学上のキャリヤーに加えて、ソリダゴの一部分(前記部分は地上で生育した部分である)のエキス又はエキスの溶媒分の除去後に有効成分として残留する固体残渣を含有する組成物又は医薬組成物によって達成されることが認められた。ソリダゴは、アキノキリンソウ属(Solidago L.)に属する。本発明の組成物又は医薬組成物は、ミトコンドリアの損傷及び/又は構成一酸化窒素シンターゼ酵素の機能の低減から惹起される疾患の予防又は治療と共に、ミトコンドリア発生の増大に適している。これらのタイプの最も主要な疾患については、上記の部分において検討している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
表現「ソリダゴ(Solidago sp.)」とは、分類学的表記として、下記の薬用植物を意味するものである。
【0030】
綱:モクレン(Magnoliopsida)
亜綱:キク(Asteridae)
科:キク(Asteraceae)
属:アキノキリンソウ(Solidago L.)
種:
ソリダゴ・アスペストリス(Solidago alpestris)
ソリダゴ・アルピコラ((S. alpicola)
ソリダゴ・カンブリカ(S. cambrica)
ソリダゴ・カナデンシス(S. canadensis)
ソリダゴ・ギガンテア(S. gigantea)
ソリダゴ・ギガンテア・亜種セロチナ(S. gigantea ssp. Serotina)
ソリダゴ・グラミニフォリア (L.) Salisb.(Solidago graminifolia (L.) Salisb.)
ソリダゴ・ハルトマンイアナ(S. hartmanniana)
ソリダゴ・×ヒルチペス・Fern(Solidago ×hirtipes Fern.)
ソリダゴ・ホルバティー(S. horvatii)
ソリダゴ・ジャイラルム(S. jailarum)
ソリダゴ・ラッポニカ(S. lapponica)
ソリダゴ・ロンギフォリア(S. longifolia)
ソリダゴ・マクロリッザ((S. macrhorriza)
ソリダゴ・マリチマ(S. maritima)
ソリダゴ・ミヌタ(S. minuta)
ソリダゴ・モニコラ(S. monicola)
ソリダゴ・×ニエデレデリ(Solidago ×niederederi)
ソリダゴ・セプシエンシス(S. scepusiensis)
ソリダゴ・パウチフロスクロサ(Solidago pauciflosculosa)
ソリダゴ・プリチェリ(S. pritcheri)
ソリダゴ・セロチナ(S. serotina)
ソリダゴ・ショーティー(S. shortii)
ソリダゴ・タウリカ(S. taurica)
ソリダゴ・バレシアカ(S. valesiaca)
ソリダゴ・ビルガウレア(S. virgaurea)
ソリダゴ・ビルガウレア・亜種アルペストリス(S. virgaurea ssp. alpestris)
ソリダゴ・ビルガウレア・亜種マクロリッザ(S. virgaurea ssp. macrorrhiza)
ソリダゴ・ビルガウレア・亜種ミヌタ(S. virgaurea ssp. minuta)
ソリダゴ・ビルガウレア・亜種バルガリス(S. virgaurea ssp. vulgaris)
ソリダゴ・バルガリス(S. vulgaris)
ソリダゴ・アルグタ・Ait.・亜種カロリニアナ・(Gray)・G. Morton(Solidago arguta Ait. ssp. caroliniana (Gray) G. Morton)
ソリダゴ・アルグタ・Ait.・亜種シュードヤドキネンシス・G. Morton(Solidago arguta Ait. ssp. pseudoyadkinensis G. Morton)
ソリダゴ・ブッティー・Hook・変種カロリニアナ・(Gray)・Cronq.(Solidago boottii Hook var. caroliniana (Gray) Cronq.)
ソリダゴ・ヤドキネンシス・(Porter)・Small(Solidago yadkinensis (Porter) Small)
ソリダゴ・アルグタ・Ait.・変種ハリッシー・(Steele)・Cronq.(Solidago arguta Ait. var. harrisii (Steele) Cronq.)
ソリダゴ・ハリッシー・Steele(Solidago harrisii Steele)
ソリダゴ・アルグタ・Ait.・変種ネウロレピス・(Fern.)・Steyermark(Solidago arguta Ait. var. neurolepis (Fern.) Steyermark)
ソリダゴ・ネウロレピス・Fern.(Solidago neurolepis Fern.)
ソリダゴ・×アスペルラ・Desf.・(pro sp.)・[ルゴサ×セムペルビレンス](Solidago ×asperula Desf. (pro sp.) [rugosa×sempervirens])
ソリダゴ・アウリクラタ・Shuttlw.よりBlake(Solidago auriculata Shuttlw. ex Blake)
ソリダゴ・アムプレクシカウリス・Torr. & GrayよりGray, non Martens(Solidago amplexicaulis Torr. & Gray ex Gray, non Martens)
ソリダゴ・ノタビリス・Mackenzie(Solidago notabilis Mackenzie)
ソリダゴ・×ビュードリイ・Boivin・[ルゴサ×ウリギノサ](Solidago ×beaudryi Boivin [rugosa×uliginosa])
ソリダゴ・ビカラー・L.(Solidago bicolor L.)
ソリダゴ・ブラチフィッラ・Chapman(Solidago brachyphylla Chapman)
ソリダゴ・ブッティー・Hook・変種ブラチフィッラ・(Chapman)・Gray (Solidago boottii Hook. var. brachyphlla (Chapman) Gray)
ソリダゴ・バックレイ・Torr. & Gray(Solidago buckleyi Torr. & Gray)
ソリダゴ・カエシア・L.(Solidago caesia L.)
ソリダゴ・カエシア・L.・変種カエシア(Solidago caesia L. var. caesia)
ソリダゴ・アクシッラリス・Pursh(Solidago axillaris Pursh)
ソリダゴ・カエシア・L.・変種アクシッラリス・(Pursh)・Gray(Solidago caesia L. var. axillaris (Pursh) Gray)
ソリダゴ・カエシア・L.・変種カルティシー・(Torr. & Gray)・Wood(Solidago caesia L. var. curtisii (Torr. & Gray) Wood)
ソリダゴ・カエシア・L.・変種ヒスピダ・Wood(Solidago caesia L. var. hispida Wood)
ソリダゴ・カルティシー・Torr. & Gray(Solidago curtisii Torr. & Gray)
ソリダゴ・カルティシー・Torr. & Gray・変種プベンス・(M.A. Curtis)・Gray(Solidago curtisii Torr. & Gray var. pubens (M.A. Curtis) Gray)
ソリダゴ・ランチフォリア・Torr. & Gray (Solidago lancifolia Torr. & Gray)
ソリダゴ・モンティコラ・Torr. & Gray (Solidago monticola Torr. & Gray)
ソリダゴ・プベンス・M.A. Curtis(Solidago pubens M.A. Curtis)
ソリダゴ・カルチコラ・Fern.(Solidago calcicola Fern.)
ソリダゴ・カリフォルニカ・Nutt.(Solidago californica Nutt.)
カナダアキノキリンソウ(Solidago canadensis L.)
ソリダゴ・カナデンシス・L.・変種カナデンシス(Solidago canadensis L. var. Canadensis)
ソリダゴ・カナデンシス・L.・変種ギルボカネッセンス・Rydb.(Solidago canadensis L. var. gilvocanescens Rydb)
ソリダゴ・アルティッシマル・L.・変種ギルボカネッセンス・(Rydb.)・Semple(Solidago altissima L. var. gilvocanescens (Rydb.) Semple)
ソリダゴ・ギルボカネッセンス・(Rydb.)・Smyth(Solidago gilvocanescens (Rydb.) Smyth)
ソリダゴ・プルイノサ・Greene(Solidago pruinosa Greene)
ソリダゴ・カナデンシス・L.・変種ヘルゲリ・Fern.(Solidago canadensis L. var. hargeri Fern.)
ソリダゴ・カナデンシス・L.・変種レピダ・(DC.)・Cronq.(Solidago canadensis L. var. lepida (DC.) Cronq.)
ソリダゴ・カナデンシス・L.・変種スブセラッタ・(DC.)・Cornq.(Solidago canadensis L. var. subserrata (DC.) Cronq.)
ソリダゴ・レピダ・DC.(Solidago lepida DC.)
ソリダゴ・レピダ・DC.・変種モリナ・Fern.(Solidago lepida DC. var. molina Fern.)
ソリダゴ・カナデンシス・L.・変種サレブロサ・(Piper)・M.E. Jones(Solidago canadensis L. var. salebrosa (Piper) M.E. Jones)
ソリダゴ・カナデンシス・L.・亜種エロンガタ・(Nutt.)・Keck(Solidago canadensis L. ssp. Elongata (Nutt.) Keck)
ソリダゴ・カナデンシス・L.・変種エロンガタ・(Nutt.)・M.E. Peck(Solidago canadensis L. var. elongata (Nutt.) M.E. Peck)
ソリダゴ・カナデンシス・L.・亜種サレブロサ・(Piper.)・Keck(Solidago canadensis L. ssp. Salebrosa (Piper) Keck)
ソリダゴ・デュメトラム・Lunell(Solidago dumetorum Lunell)
ソリダゴ・エロンガタ・Nutt.(Solidago elongata Nutt.)
ソリダゴ・レピダ・DC.・変種エロンガタ・(Nutt.)・Fern.(Solidago lepida DC. var. elongata (Nutt.) Fern.)
ソリダゴ・レピダ・DC.・変種ファラックス・Fern.(Solidago lepida DC. var. fallax Fern.)
ソリダゴ・カナデンシス・L.・変種スカブラ・Torr. & Gray(Solidago canadensis L. var. scabra Torr. & Gray)
ソリダゴ・アルティッシマ・L.(Solidago altissima L.)
ソリダゴ・アルティッシマ・L.・変種プルリセファラ・M.C. Johnson(Solidago altissima L. var. pluricephala M.C. Johnston)
ソリダゴ・アルティッシマ・L.・変種プロセラ・(Ait.)・Fern.(Solidago altissima L. var. procera (Ait.) Fern.)
ソリダゴ・ヒルスティッシマ・P. Mill.(Solidago hirsutissima P. Mill.)
ソリダゴ・ルネッリー・Rydb.(Solidago lunellii Rydb.)
ソリダゴ・カトレリ・Fern.(Solidago cutleri Fern.)
ソリダゴ・デアミー・Fern.(Solidago deamii Fern.)
ソリダゴ・ディスコイデア・Ell.(Solidago discoidea Ell.)
ソリダゴ・×エルスキネイ・Boivin・[カナデンシス×セムペルビレンス](Solidago ×erskinei Boivin [canadensis × sempervirens])
ソリダゴ・フィスタロサ・P. Mill.(Solidago fistulosa P. Mill.)
ソリダゴ・フラッシディフォリア・Small(Solidago flaccidifolia Small)
ソリダゴ・グラミニフォリア・(L.)・Salisb.(Solidago graminifolia (L.) Salisb.)
ソリダゴ・グラミニフォリア・(L.)・Salisb.・変種メジャー・(Michx.)・Fern.(Solidago graminifolia (L.) Salisb. var. major (Michix.) Fern.)
ソリダゴ・×ヒルティペス・Fern.(Solidago ×hirtipes Fern.)
ソリダゴ・グラミニフォリア・(L.)・Salisb.・変種ヌッタッリー・(Greene)・Fern.(Solidago graminifolia (L.) Salisb. var. nuttallii (Greene) Fern.)
ソリダゴ・グラミニフォリア・(L.)・Salisb.・変種ポリセファラ・(Fern.)・Fern.(Solidago graminifolia (L.) Salisb. var. polycephala (Fern.) Fern.)
ソリダゴ・ヒルテッラ・(Greene)・Bush(Solidago hirtella (Greene) Bush)
ソリダゴ・ヌッタッリー・(Greene)・Bush(Solidago nuttallii (Greene) Bush)
ソリダゴ・ポリセファラ・Fern.(Solidago polycephala Fern.)
ソリダゴ・カンポルム・(Greene)・A.. Nels(Solidago camporum (Greene) A.Nels)
ソリダゴ・クリソサムノイデス・(Greeene)・Bush(Solidago chrysothamnoides (Greene) Bush)
ソリダゴ・グラミニフォリア・(L.)・Salisb.・変種ギムノスペリモイデス・(Greene)・Croat(Solidago graminifolia (L.) Salisb. var. gymnospermoides (Greene) Croat)
ソリダゴ・グラミニフォリア・(L.)・Salisb.・変種メディア・(Greene)・S.K. Harris(Solidago graminifolia (L.) Salisb. var. media (Greene) S.K. Harris)
ソリダゴ・ギムノスペリモイデス・(Greene)・Fern.(Solidago gymnospermoides (Greene) Fern.)
ソリダゴ・ギムノスペリモイデス・(Greene)・Fern.・変種カロッサ・S.K. Harris(Solidago gymnospermoides (Greene) Fern. var. callosa S.K. Harris)
ソリダゴ・メディア・(Greene)・Bush(Solidago media (Greene) Bush)
ソリダゴ・モセレイイ・Fern.(Solidago moseleyi Fern.)
ソリダゴ・ペルグラブラ・Friesner(Solidago perglabra Friesner)
ソリダゴ・テキセンシス・Friesner(Solidago texensis Friesner)
ソリダゴ・レプトセファラ・Torr. & Gray(Solidago leptocephala Torr. & Gray)
ソリダゴ・オッシデンタリス・(Nutt.)・Torr. & Gray(Solodago occidentalis (Nutt.) Torr. & Gray)
ソリダゴ・ガレトラム・(Greene)・Friesner(Solidago galetorum (Greene) Friesner)
ソリダゴ・グラミニフォリア・(L.)・Salisb.・変種ガレトラム・(Greene)・House(Solidago graminifolia (L.) Salisb. var. galetorum (Greene) House)
ソリダゴ・テヌイフォリア・Pursh・変種ピクノセファリア・Fern.(Solidago tenuifolia Pursh var. pycnocephala Fern.)
ソリダゴ・カロリニアナ・B.S.P.(Solidago caroliniana B.S.P.)
ソリダゴ・マイナー・(Michix.)・Fern.(Solidago minor (Michix.) Fern.)
ソリダゴ・ミクロフィッラ・(Greene)・Bush(Solidago microphylla (Greene) Bush)
ソリダゴ・ミクロセファラ・(Greene)・Bush(Solidago microcephala (Greene) Bush)
ソリダゴ・レモタ・(Greene)・Friesner(Solidago remota (Greene) Friesner)
ソリダゴ・テヌイフォリア・Pursh(Solidago tenuifolia Pursh)
ソリダゴ・サロスラエ・Pursh(Solidago sarothrae Pursh)
ソリダゴ・プタルミコイデス・(nees)・Boivin(Solidago ptarmicoides (Nees) Boivin)
ソリダゴ・×ベルナルディ・Boivin(Solidago ×bernardi Boivin)
ソリダゴ・オウグトニー・Torr. & GrayよりGray(Solidago houghtonii Torr.& Gray ex Gray)
ソリダゴ・×クロトコビー・Boivin(Solidago ×krotkovii Boivin)
ソリダゴ・×ルテッセンス・(Lindl.よりDC.)・Boivin(Solidago ×lutescens (Lindl. ex DC.) Boivin)
ソリダゴ・ニチダ・Torr. & Gray(Solidago nitida Torr. & Gray)
ソリダゴ・オイオエンシス・FrankよりRiddell(Solidago ohioensis Frank ex Riddell)
ソリダゴ・リッデルリー・FrankよりRiddell (Solidago riddellii Frank ex Riddell)
ソリダゴ・コリンボサ・Ell.(Solidago corymbosa Ell.)
ソリダゴ・ジャックソニー・(Kuntze)・fern.(Solidago jacksonii (Kuntze) Fern.)
ソリダゴ・リジダ・L.・変種グラブラタ・E.L. Braun(Solidago rigida L. var. glabrata E.L.Braun)
ソリダゴ・リジダ・L.・亜種グラブラタ・(E.L. Braun)・Heard & Semple(Solidago rigida L. ssp. Glabrata (E.L.Braun) Heard & Semple)
ソリダゴ・リジダ・L.・変種ラエビカウリス・Shinners(Solidago rigida L. var. laevicaulis Shinners)
ソリダゴ・カネッセンス・(Ryob.)・Friesner(Solidago canescens (Ryob.) Friesner)
ソリダゴ・ジャックソニー・(Kuntze)・fern.・変種ヒューミリス・(Porter)・Besudry(Solidago jacksonii (Kuntze) Fern. var. humilis (Porter) Beaudry)
ソリダゴ・パルビギダ・Beaudry(Solidago parvirigida Beaudry)
ソリダゴ・リジダ・L.・変種ヒューミリス・Porter(Solidago rigida L. var. humilis Porter)
ソリダゴ・リジダ・L.・亜種ヒューミリス・(Porter)・Heard & Semple(Solidago rigida L. ssp. humilis (Porter) Heard & Semple)
ソリダゴ・グラディフロラ・Raf.(Solidago gradiflora Raf.)
ソリダゴ・リジダ(Solidago rigida)
ソリダゴ・パッリイ・(Gray)・Greene(Solidago parryi (Gray) Greene)
ソリダゴ・グラミネア・(Woot. & Standl.)・Blake(Solidago graminea (Woot. & Standl.) Blake)
ソリダゴ・ペトラドリア・Blake(Solidago petoradoria Blake)
ソリダゴ・L.(Solidago L.)
ソリダゴ・アルボピルサ・E.L. Braun(Solidago albopilsa E.L.Braun)
ソリダゴ・アルチプラニティース・C.& J. Taylor(Solidago altiplanities C.& J. Taylor)
ソリダゴ・プベルラ・Nutt.・変種プルベルレンタ・(Nutt.)・Chapman(Solidago puberula Nutt. var. pulverulenta (Nutt.) Chapman)
ソリダゴ・プルベルレンタ・Nutt.(Solidago pulverulenta Nutt.)
ソリダゴ・プルキラ・Small(Solidago pulchra Small)
ソリダゴ・ラデュラ・Nutt.(Solidago radula Nutt.)
ソリダゴ・ラデュラ・Nutt.・変種ラエタ・(Greene)・Fern.(Solidago radula Nutt. var. laeta (Greene) Fern.)
ソリダゴ・ラデュラ・Nutt.・変種ラデュラ(Solidago radula Nutt. var. radula)
ソリダゴ・ペンデュラ・Small(Solidago pendula Small)
ソリダゴ・ロタンディフォリア・DC.(Solidago rotundifolia DC.)
ソリダゴ・スカベッリマ・Torr. & Gray(Solidago scaberrima Torr. & Gray)
ソリダゴ・ラデュラ・Nutt.・変種ステノレピス・Fern.(Solidago radula Nutt. var. stenolepis Fern.)
ソリダゴ・ロアネンシス・Porter(Solidago roanensis Porter)
ソリダゴ・マキソニー・Pollard(Solidago maxonii Pollard)
ソリダゴ・ロアネンシス・Porter ・変種モンティコラ・(Torr. & Gray)・Fern.(Solidago roanensis Porter var. monticola (Torr. & Gray) Fern.)
ソリダゴ・ルゴサ・P. Mill.(Solidago rugosa P. Mill.)
ソリダゴ・ルゴサ・P. Mill.・変種アスペラ・(Ait.)・Cronq.(Solidago rugosa P. Mill. ssp. aspera (Ait.) Cronq.)
ソリダゴ・アスペラ・Ait.(Solidago aspera Alt.)
ソリダゴ・セルティディフォリア・Small(Solidago celtidifolia Small)
ソリダゴ・デュルムモンディー・Torr. & Gray(Solidago drummondii Torr. & Gray)
ソリダゴ・ルゴサ・P. Mill.・変種セルティディフォリア・(Small)・Fern.(Solidago rugosa P. Mill. var. celtidifolia (Small) Fern.)
ソリダゴ・ルゴサ・P. Mill.・亜種ルゴサ(Solidago rugosa P. Mill. ssp. Rugosa)
ソリダゴ・ルゴサ・P. Mill.・亜種ルゴサ・変種ルゴサ(Solidago rugosa P. Mill. ssp. rugosa var. rugosa)
ソリダゴ・スカブラ・Muhl. よりWilld., non Muhl.(Solidago scabra Muhl. ex Willd., non Muhl.)
ソリダゴ・ルゴサ・P. Mill.・亜種ルゴサ・変種スファグノフィラ・ Graves(Solidago rugosa P. Mill. ssp. rugosa var. sphagnophila Graves)
ソリダゴ・アエスティバリス・Bickn.(Solidago aestivalis Bickn.)
ソリダゴ・ルゴサ・P. Mill.・亜種ルゴサ・変種ビッロサ・(Pursh)・Fern.(Solidago rugosa P.Mill. ssp. rugosa var. villosa (Pursh ) Fern.)
ソリダゴ・ルペストリス・Raf.(Solidago rupestris Raf.)
ソリダゴ・カナデンシス・L.・変種ルペストリス・(Raf.)・Poter(Solidago Canadensis L.var. rupestris (Raf.) Porter)
ソリダゴ・スティアフィラ・Steele(Solidago sciaphila Steele)
ソリダゴ・セムペルビレンス・L.(Solidago sempervirens L.)
ソリダゴ・セムペルビレンス・L.・変種メキシカナ・(L.)・Fern.(Solidago sempervirens L. var. mexicana (L.) Fern.)
ソリダゴ・アングスティフォリア・Ell.(Solidago angustifolia Ell.)
ソリダゴ・メキシカナ・L.(Solidago mexicana L.)
ソリダゴ・ペティオラタ・auct. Non P. Mill.(Solidago petiolata auct.non P. Mill.)
ソリダゴ・セムペルビレンス・L.・変種セムペルビレンス(Solidago sempervirens L. var. sempervirens)
ソリダゴ・ショーティー・Torr. & Gray(Solidago shortii Torr. & Gray)
ソリダゴ・シンプレックス・Kunth(Solidago simplex Kunth)
ソリダゴ・シンプレックス・Kunth ・亜種ランディー・(Porter)・Ringius(Solidago simplex Kunth ssp. randii ( Porter ) Ringius)
ソリダゴ・シンプレックス・Kunth ・亜種ランディー・(Porter)・Ringius ・変種ギッルマニー・(Gray)・Ringius(Solidago simplex Kunth ssp. randii ( Porter ) Ringius var. gillmanii ( Gray ) Ringius)
ソリダゴ・ギッルマニー・(Gray)・Steele(Solidago gillmanii ( Gray ) Steele)
ソリダゴ・グルティノサ・Nutt.・変種ギッルマニー・(Gray)・Corq.(Solidago glutinosa Nutt. var. gillmanii ( Gray ) Cronq.)
ソリダゴ・ラセモサ・Greene・変種ギッルマニー・(Gray)・Fern.(Solidago racemosa Greene var. gillmanii (Gray ) Fern.)
ソリダゴ・スパチュラタ・DC.・変種ギッルマニー・(Gray)・Gleason(Solidago spathulata DC. var. gillmanii (Gray) Gleason)
ソリダゴ・シンプレックス・Kunth ・亜種ランディー・(Porter)・Ringius・変種モンティコラ・(Poter)・Ringius(Solidago simplex Kunth ssp. randii (Porter) Ringius var. monticola (Poter) Ringius)
ソリダゴ・ランディー・(Poter)・Britt.・変種モンティコラ・(Poter)・Fern.(Solidago randii (Porter) Britt. var. monticola (Porter) Fern.)
ソリダゴ・シンプレックス・Kunth ・亜種ランディー・(Porter)・Ringius・変種オンタリオエンシス・(Ringius)・Ringius(Solidago simplex Kunth ssp. randii (Poter) Ringius var. ontarioensis (Ringius) Ringius)
ソリダゴ・グルティノサ・Nutt.・変種オンタリオエンシス・Ringius(Solidago glutinosa Nutt. var. ontarioensis Ringius)
ソリダゴ・シンプレックス・Kunth ・亜種ランディー・(Porter)・Ringius・変種ラセモサ・(Greene)・Ringius(Solidago simplex Kunth ssp. randii (Porter) Ringius var. racemosa (Greene ) Ringius)
ソリダゴ・グルティノサ・Nutt.・変種ラセモサ・(Greene)・Cronq.(Solidago glutinosa Nutt. var. racemosa ( Greene ) Cronq.)
ソリダゴ・ラセモサ・Greene(Solidago racemosa Greene)
ソリダゴ・スパチュラタ・DC.・変種ラセモサ・(Greene)・Gleason(Solidago spathulata DC. var. racemosa (Greene ) Gleason)
ソリダゴ・シンプレックス・Kunth ・亜種ランディー・(Porter)・Ringius・変種ランディー・(Porter)・Kartesz & Gandhi(Solidago simplex Kunth ssp. randii (Porter) Ringius var. randii (Porter) Kartesz & Gandhi)
ソリダゴ・グルティノサ・Nutt.・変種ランディー・(Greene)・Cronq.(Solidago glutinosa Nutt. ssp. randii (Greene) Cronq.)
ソリダゴ・ランディー・(Poter)・Britt.(Solidago randii (Porter) Britt.)
ソリダゴ・スパチュラタ・DC.・亜種ランディー・(Porter)・Gleason(Solidago spathulata DC. ssp. randii (Porter) Gleason)
ソリダゴ・シンプレックス・Kunth ・亜種シンプレックス(Solidago simplex Kunth ssp. Simplex)
ソリダゴ・シンプレックス・Kunth ・亜種シンプレックス・変種ナナ・(Gray)・Ringius(Solidago simplex Kunth ssp. simplex var. nana (Gray) Ringius)
ソリダゴ・ベッリディフォリア・Greene(Solidago bellidifolia Greene)
ソリダゴ・デクムベンス・Greene(Solidago decumbens Greene)
ソリダゴ・デクムベンス・Greene・変種オレオフィラ・(Rydb.)・Fern.(Solidago decumbens Greene var. oreophila ( Rydb.) Fern.)
ソリダゴ・グルティノサ・Nutt.・変種ナナ・(Gray)・Cronq.(Solidago glutinosa Nutt. var. nana (Gray) Cronq.)
ソリダゴ・オレオフィラ・Rydb.(Solidago oreophila Rydb.)
【0031】
「地上で生育した植物又は薬草の一部分」とは、植物の葉及び/又は茎及び/又は花(花序)を意味する。好ましくは、エキスは、主に花及びいくらかの葉を含有する植物の端部から調製される。特に、植物の花からエキスを調製することが好ましい。
【0032】
エキスは、それ自体知られた様式で調製される。この目的について、地上で生育した植物の一部分を、任意に乾燥し、裁断した後、抽出処理する。抽出は、水又はアルコール(例えば、エタノール)のような有機溶媒又は有機溶媒の水性溶液、例えば、水性エタノール(水10〜60質量%を含有する)にて、一般に0〜100℃、好ましくは、20〜100℃において行われる。抽出の間、多くの場合、混合を行うが、超音波振動も使用できる。例えば、沈降、植物の一部分の圧縮、濾過、遠心分離又はこれらの組み合せを使用する公知の方法によって、抽出液を植物部分から分離する。得られたエキスは、そのままで使用されるか、又は液体組成物又は水溶液又はシロップのような医薬組成物に転化されうる。しかし、例えば、蒸発、噴霧乾燥、又はフリーズドライ(凍結乾燥)によって、エキスの溶媒分を除去することが好ましく、固体残渣は組成物又は医薬組成物の調製用の活性剤として使用される(明細書及び請求の範囲において、表現「活性剤」は、この意味で使用されており、エキスに溶解され、薬草のエキスから得られる固体残渣に関する)。エキス及びエキスから得られた固体残渣は、フラボノイド含量の測定によって特徴付けられる。例えば、固体残渣のフラボノイド含量は、2.7〜4.1g/100 gである。
【0033】
「医薬組成物」とは、疾患の予防又は治療に一般的に使用され、経口、非経口、直腸又は経皮投与又は局所治療に適する公知の処方又は剤形を意味する。このように、本発明の医薬組成物は、固体又は液体であり、薬草から抽出によって得られた有効物質に加えて、1以上の薬学上のキャリヤーを含有する。本発明の医薬組成物は、一般に、0.1〜100質量%、好ましくは、1〜50質量%、好適には、5〜30質量%の有効成分を含有する。有効成分100質量%は、特別なケース、例えば、希釈が必ずしも必要でないようなカプセルの場合においてのみ可能であることが理解されなければならない。多くの剤形では、医薬組成物の調製には、希釈剤及び/又は他の添加剤が要求される。
【0034】
経口投与に適する固体医薬組成物は、粉末、カプセル、錠剤、フィルムコーティング錠、マイクロカプセル等であり、ゼラチン、ソルビトール、ポリビニルピロリドン等のような結合剤;乳糖、グルコース、デンプン、リン酸カルシウム等のような賦形剤;ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ等のような打錠用添加剤;ラウリル硫酸ナトリウム等のような湿潤剤を、キャリヤーとして含有する。
【0035】
経口投与に適する液体医薬組成物は、溶液、懸濁液又はエマルジョンであり、例えば、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース等のような懸濁剤;ソルビタンモノオレエート等のような乳化剤;水、オイル、グリセロール、プロピレングリコール、エタノール等のような溶媒;メチル又はプロピルp-ヒドロキシ安息香酸のような保存料を、キャリヤーとして含有できる。
【0036】
非経口投与に適する医薬組成物は、一般に、活性剤の無菌等張溶液を含有する。
【0037】
局所治療に適する医薬組成物には、溶液、クリーム、リニメント等が含まれる。
【0038】
上述の剤形は、他の剤形と共に、それ自体公知であり、例えば、マニュアルRemington's Pharmaceutical Sciences,18版,Mack Publishing Co.,Easton,米国,1990を参照する。
【0039】
医薬組成物は、一般に、用量単位を含有する。日用量が1回以上に分けて投与される。実際の用量は、多くのファクターに左右され、医師によって決定される。一般に、体重70kgの大人の患者に関する代表的な用量は、1日当たり有効成分0.1〜10g、好ましくは1〜5gである。
【0040】
一般に、医薬組成物は、有効成分を1以上のキャリヤーと混合し、得られた混合物を、それ自体公知の様式で医薬組成物に変形させることによって調製される。使用できる方法は、文献、例えば、上述のRemington's Pharmaceutical Sciencesから公知である。もちろん、他の可能性としては、エキスから得られた固体残渣を直接カプセルに充填するか、又は必要であれば、他のキャリヤーを添加することによって、液体の医薬組成物に転化される。
【0041】
本発明のエキス又は有効成分が、例えば、強壮、筋肉増強等を目的として、ミトコンドリアの発生を達成するために使用されるケースでは、投与される組成物は、必ずしも医薬組成物である必要はないが、その内容及び調製は、ここに記載の医薬組成物のものと同じである。従って、明細書及び請求の範囲において使用する、「医薬」の表示を含まない表現の「組成物」は、ミトコンドリアの発生に関連する好ましい生物学的作用を発揮させるために適用される剤形を示すが、このような処置は、正確には薬物療法ではない。
【0042】
ソリダゴの作用については、下記の生物学的テストによって研究した。
インビトロテストにおいて使用した細胞培養及び培養特性
初代ブタ内皮細胞培養
ブタの胸大動脈を麻酔下で摘出し、トランスポート用のストレプトマイシン50μg/mlを含有するPSB溶液内に置いた(PBSは、リン酸塩緩衝剤を含有する生理食塩水である)。大動脈から結合組織を除去し、大動脈を数cmの長さの片に切断し、得られたリングを切り開いた。トリプシン(PBS中トリプシン0.25%)を含浸させた、殺菌した細かい目のプラスチックネットを、内皮によって覆われた表面の上に置き、組織を37℃に1又は2分間維持した。トリプシンの作用下でバラバラになった内皮層を、洗浄によって除去し、細胞を遠心分離によって集め、ついで、コラーゲンにて被覆した培養皿に移し、FCS(ウシ胎仔血清)及びF-12 10%を補足したDMEM(Dulbecco変性Eagle培地)及び培地(GibcoBRL, Eggenstein, ドイツ国)の1:1混合物において培養した。細胞の95%以上が内皮細胞の形態を示す均質な培養物が得られた。初めの10代継代からの細胞をテストで使用した。
【0043】
初代ラットグリア細胞培養
年齢8日のWistarラットの皮質を麻酔下で摘出し、片に切断し、トリプシン(PBS中トリプシン0.08%)での消化によって、細胞を遊離させた。組織のより大きい片を除去し、個々の細胞及びいくつかの細胞からなる塊を含有するフラクションを、FCS10%を含有するRPMI(Roswell Park Memorial Institute)培養基にて2回洗浄した。最後に、FCS10%を含有するRPMI培養基に懸濁させた細胞を、特殊な表面処理を施していない培養皿(Greiner)に置き、二酸化炭素5%を含有する雰囲気下、37℃において培養した。主としてグリア細胞(星状細胞、稀突起膠細胞及び小グリア細胞)を含有する混合細胞培養物が得られた。初代継代培養において得られた細胞をテストで使用した。
【0044】
HaCaT細胞培養
ヒト不死化HaCaT皮膚細胞を、特殊な表面処理を施していない皿(Greiner)において、FCS 10%を含有するDMEM培養基中、37℃、二酸化炭素5%を含有する雰囲気下で培養した。培養基にD-グルコース25又は50mMを補充し、細胞を、この培養基において少なくとも1週間培養した。
【0045】
ミトコンドリアの定量及び形態学的研究
蛍光染色液Mito Trackerによる染色
細胞を、蛍光染色液Mito Tracker 100 nMと共に、37℃において30分間インキュベートした。活性なミトコンドリアにおいて一体化した染料は、516 nmにおいて蛍光発光、続いて、490 nmにおいて励起を示す。ミトコンドリアの蛍光を、一部は顕微鏡において、一部はFACS(蛍光活性化細胞選別装置)を使用して測定した。顕微鏡での測定のために、蛍光顕微鏡Zeiss-Axioskopを使用した。同一の露光時間、絞り、デジタル画像サイズ及び光学的拡大を使用して、デジタルカメラNicon Coolpix 995にて撮影した。写真をデンシトメトリーによって評価した。細胞の蛍光の強さは、ミトコンドリアの量に比例する。さらに、顕微鏡下での観察では、ミトコンドリアのネットワークの形態の研究が可能である。Becton Dickinson FACS Calibur 装置を使用してFACS分析を行った。
【0046】
蛍光染色液JC-1による染色
細胞を、JC-1蛍光染色液(Molecular Probes)1μMを含有する培養基において、37℃で30分間インキュベートした。JC-1染料は、ミトコンドリアの膜電位に応じて、活性なミトコンドリアに蓄積する。高膜電位の場合、JC-1染料はミトコンドリアにおいて凝集体を形成し、一方、低膜電位の場合には、単量体型が一般的である。単量体型又は凝集体型のJC-1染料は、異なった発光ピーク(それぞれ、530 nm及び590 nmにおいて)、続いて、490 nmにおける励起を有する。ミトコンドリアの膜電位を、蛍光顕微鏡Olympus BX-51及びCell Analysis Softwareによって測定した。
【0047】
ATPの測定
細胞を、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)5mM、フッ化ナトリウム5mM及びNa3VO4 100μMを含有する氷冷却PBS溶液(pH=7.4)中ですすぎ、集めた。トリクロロ酢酸0.5%を含有する溶液中、氷の上で、細胞ペレットを凍結乾燥した。不溶性の細胞片を、遠心分離(13000g、5分間、+4℃)によって除去した。透明な上澄み中のATP量を、ATP測定キット(Molecular Probes)によって測定した。蛍光を、WALLAC 1450 Microbeta Plus装置にて測定した。
【0048】
ウエスタンブロットによるミトコンドリアの特殊なタンパク質の測定
細胞を、EDTA5mM、フッ化ナトリウム5mM及びNa3VO4 100μMを含有する氷冷却PBS溶液(pH=7.4)中ですすぎ、集めた。細胞ペレットの溶解を、塩化ナトリウム250 mM、HEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)50mM、EDTA1mM、EGTA(エチレングリコール-ビス(2-アミノエチルエーテル)-N,N,N',N'-四酢酸)1mM、塩化マグネシウム1.5mM、Noniset P-40(ノニルフェニル-ポリ(エチレングリコール))0.1%、β-グリセロールホスフェート40mM、Na3VO41mM、フッ化フェニルメチルスルホニル1mM、ベンズアミジン10mM、フッ化ナトリウム20mM、ピロリン酸ナトリウム10mM、アプロチニン10μM/ml、ロイペプチン10μM/ml、及びアンチパイン10μM/mlを含有する緩衝溶液(pH=7.4)中、弱く撹拌しながら、氷上にて10分間で実施した。不溶性の細胞片を、遠心分離(13000g、12分間、+4℃)によって除去した。透明な上澄みを、2x Laemmliゲル負荷緩衝液1/2容量に混合し、サンプルを3分間煮沸し、ついで、使用まで−20℃で保存した。Bio-Rad Dcタンパク質アッセイ試薬(Bio-Rad Laboratories、ハーキュリーズ、カリフォルニア、米国)によって、タンパク質濃度を測定した。タンパク質サンプルを、ドデシル硫酸ナトリウム10%の存在下、ポリアクリルアミドゲル(10%SDS-PAGE)電気泳動によって分離し、PVDF(ポリビニリデンジフルオライド)膜上に、Trans-Blot SD Blotting Kit(Bio-Rad Laboratories)を使用してブロットした。次の抗体:抗-COX-IV抗体(A21348、Molecular Probes)、抗-HSP72(Citomarker Research & Development、ハンガリー国)、抗-HSP90α(Affinity BioReagents、ゴールデン、米国)、抗-eNOS(Transduction Laboratories、米国)及び抗-HSP60(Affinity BioReagents、ゴールデン、米国)を使用して免疫検出を行った。検出のため、ECL Plus System(Amersham)を使用した。
【0049】
顕微鏡写真及びウエスタンブロットの評価を、コンピュータープログラムUTHSCA Image Tool(バージョン3.0)によって、デンシトメトリー法で実施した。顕微鏡写真の場合には、ランダムに選択した3つの融合性細胞層を検討した。得られた光学密度値から平均値を決定した。Posthoc Newman-Keulsテスト(Pharmacological Calculation System)を使用して、一元配置分散分析によって、統計比較及び計算を行った。統計的有意性はp≦0.05であった。
【0050】
ラットにおける腸運動の研究
Anjaneyulu(Anjaneyulu, M及びPamarao, P., 糖尿病動物における胃腸管の機能変化に関する研究, Methods Find. Exp. Clin. Pharmacol., 24, 71-75 (2002))によるラットの回腸標本についてテストを行った。体重230〜260gの雄Sprague-Dowleyラット(Chales River Hungary)において、ストレプトゾシン60mg/kgの静脈内投与によって糖尿病を惹起させた。糖尿病の惹起後4週から毎週、動物の血糖値を測定し、安定して高い血糖値(>20mM/l)を有する動物を、10週後にテストに使用した。動物7匹からなるテストグループに、後述の実施例1のプロセスAに従ってカナダアキノキリンソウから調製した有効物質を、用量30mg/kgで、1日1回、5日間、経口投与し、一方、コントロールグループの動物7匹には、同容量の生理食塩水を投与した。最後の投与の翌日、ペントバルビタールの投与によって動物を麻酔し、回腸を摘出し、浄化し、初期負荷1gを使用して、37℃において、Krebs-Henseleit溶液中で吊るし、アセチルコリンで収縮させ、ついで、イソプロテレノール(4-[1-ヒドロキシ-2-[(1-メチルエチル)アミノ]-エチル]-1,2-ベンゼンジオール)の漸増する用量に対する弛緩応答に基いて、回腸の弛緩可能性を評価した。Isosys System装置(Experimentria、ブダペスト、ハンガリー国)において測定を行った。
【0051】
テストにおいて下記の結果が得られた:
ミトコンドリア数の増大
一般に、ヒト不死化HaCaTケラチン生成細胞を生育するために、正常な血糖値よりも高いグルコース含量(25mM)を有する培養基を使用する。培養基において、細胞は、自身で高グルコース濃度に順応した。従って、高血糖環境をシミュレートするため、グルコースの濃度を、さらに25mM上昇させ、この培養基において細胞を生育した。Mito Trackerでの染色に基づき、グルコース25mMを含有する培養基において生育した細胞のミトコンドリア含量は、グルコース50mMを含有する培養基における高血糖条件下で生育した細胞のミトコンドリア含量よりも30%高いものであった。この観察は、高血糖環境がミトコンドリアを劣化させるとの公知の事実と一致するものである。グルコース50mMにて予め処置した細胞培養物を、後述の実施例1のプロセスAに従って、抽出及びエキスの凍結乾燥によって薬草カナダアキノキリンソウから調製した有効物質にて、用量8μg/mlで4日間処置した。処置の結果、ミトコンドリアの量は45%上昇した。すなわち、処置は、高血糖作用に対抗するものであり、ミトコンドリア数を有意に増大させた。
【0052】
実施例1のプロセスAに従って、薬草カナダアキノキリンソウから調製した有効物質8μg/mlを含有する水溶液での4日間の処置によるミトコンドリア数の増大は、ブタ内皮細胞の初代培養においても観察された。蛍光染色液Mito-Trackerでの染色後、蛍光活性化細胞選別装置(FACS)を使用して、結果を測定した。得られた結果の評価では、コントロールの細胞培養の光学密度を単位とし、処置した細胞培養の光学密度を、コントロールの細胞培養の光学密度と比較した。FACS装置での評価は、ミトコンドリア数の380%の増大を示した。
【0053】
実施例1のプロセスAに従って薬草カナダアキノキリンソウから調製した有効物質による、用量8μg/mlでの4日間の処置によるミトコンドリア数の増大は、JC-1染色液を使用するブタ内皮細胞の初代培養においても示された。単量体型JC-1がミトコンドリアにおいて蓄積するため、その量の増大は、ミトコンドリア数の増大を表す。高い膜電位を示す非常に少量の凝集体型JC-1のみ検出された。カナダアキノキリンソウから抽出された有効物質での処置は、ミトコンドリアの量を、コントロールと比べて5倍上昇させた。処置後、顕微鏡写真上で、ミトコンドリアネットワークの強化が観察された。
【0054】
細胞のATP含量は、ミトコンドリアの状態及び膜電位に緊密に関連する。正常な血糖環境(グルコース10mMの存在下)及び高血糖環境(グルコース30mMの存在下)で培養されたブタ内皮細胞におけるATPの測定では、未処置のコントロール細胞と比べて、それぞれ、4.7倍及び5.3倍のATP含量の増大が示された。
【0055】
初代ラットグリア細胞培養において、実施例1のプロセスAに従って薬草カナダアキノキリンソウから調製した有効物質による、用量16μg/mlでの4日間の処置の結果、コントロールと比べて、ミトコンドリアの量を特徴付ける蛍光が100%増大した。このケースでも、処置後、ミトコンドリアのネットワークの強化が観察された。
【0056】
ミトコンドリア数の直接測定に加えて、ウエスタンブロットにおいて、COX-IVタンパク質のレベルの増大も認められた。COX-IVタンパク質はミトコンドリアに特有のものであり、酸化的リン酸化において重要な役割を果し、このように、そのレベルの増加は、ミトコンドリアの量の増大を表すことが注目されなければならない。実施例1のプロセスAに従って薬草カナダアキノキリンソウから調製した有効物質による、用量16μg/mlでの4日間の処置により、初代ラットグリア細胞培養において、COX-IVタンパク質レベルが、コントロールと比べて6倍増大することが知見された。
【0057】
cNOS及びHSPの発現の増大
特に内皮性一酸化窒素シンターゼ(eNOS)酵素によって合成される一酸化窒素は、ミトコンドリアの機能及び生物発生の調節において、かなり重要である。一酸化窒素は、転写調節因子PGC-1α(ミトコンドリアの生物発生の主なレギュレーターである)の発現を増大させる。熱ショックタンパク質(シャペロン)HSP72及びHSP90は、機能的に活性なeNOS複合体の形成及び安定化においては極めて重要である。cNOS酵素系の安定化に加えて、HSP72は、ミトコンドリアタンパク質の摂取においても重要な役割を有することが注目されなければならない。この調整されたタンパク質の摂取は、正常なミトコンドリアの機能及び生物発生には必須である。
【0058】
発明者らによって検討され、ミトコンドリアの生物発生において重要な役割を有するタンパク質は、高血糖環境下で培養されたHaCaTケラチン生成細胞では、発現されないか、又は非常に少量でのみ発現された。しかし、実施例1のプロセスAに従って薬草カナダアキノキリンソウから調製した有効物質による、用量8、16又は32μg/mlでの4日間の処置により、Mito-Trackerでの染色及びウエスタンブロットによる測定に基いて、表1に示すように、検討したタンパク質の量がかなり上昇した。同様に、処置後の高血糖細胞においても、ミトコンドリアのネットワークが検出された。
【0059】
【表1】

【0060】
表1から、コントロールグループでは、ミトコンドリアの機能及び生物発生に必須の4種のタンパク質が検出されなかったが、本発明の処置によれば、4日後には、その量が既にかなりなものとなったことが理解される。本発明の処置により、熱ショックタンパク質HSP-60の量は6.6〜10倍増大し、タンパク質COX-IVの量は2〜3倍増大した。
【0061】
毒性テスト
体重23〜25gの雄NMRI(withe)マウス5匹を、実施例1のプロセスAに従ってカナダアキノキリンソウの有効物質にて、用量200 mg/mlで、一度処置(腹腔内)した。動物の挙動を1週間評価したが、挙動の変化、体重ロスはいずれも認められなかった。このように、薬草カナダアキノキリンソウから抽出した有効物質(用量200 mg/kg)の1回の腹腔内投与では、マウスにおいて、急性の毒作用は生じないと言うことができる。
【0062】
低減した腸弛緩の回復
人為的糖尿病ラットから単離した回腸について行った上述の腸運動テストでは、表2に要約する結果が得られた。
【0063】
【表2】

【0064】
表2のデータは、コントロールグループにおける健康な動物の回腸に関して、アセチルコリンによって発現された収縮が、イソプレテレノールによってかなり埋め合わされることを示している。ストレプトゾシンによる処置は、弛緩を有意に低減させるが、カナダアキノキリンソウから抽出された有効物質での処置は、回腸の弛緩能力を回復させる。
【0065】
上記のインビトロ及びインビボテストは、ソリダゴの一部分(前記部分は地上で生育した部分である)のエキス又はエキスの溶媒分の除去後に有効成分として残留する固体残渣が、ミトコンドリアの発生を増大させ、構成一酸化窒素シンターゼ酵素の機能の低減を埋め合わせることを証明している。ミトコンドリアの発生に対する作用は、細胞の通常のミトコンドリア含量が、病理学的影響、例えば、高血糖症によって低減される際に明らかになる。ミトコンドリアの発生の増大の背景において、シャペロン及びcNOSタンパク質の増大された発現及び機能がなる観察された。cNOSに依存する一酸化窒素は、ミトコンドリアの生物発生を促進し、生物発生を調節する転写因子の発現を増大させる。シャペロン(HSP70、HSP90、HSP60、HSP27)は、一部は、機能的に活性なcNOS複合体の形成及び安定化に寄与し、一部は、各種の酸化的負荷(例えば、高血糖症)の埋め合わせと共に、ミトコンドリアタンパク質の輸送における重要な役割を有する。
【0066】
従って、ソリダゴの一部分(前記部分は地上で生育した部分である)のエキス又はエキスの溶媒分の除去後に有効成分として残留する固体残渣は、ミトコンドリアの損傷又はcNOS酵素の機能の低減による疾患のケースにおいて、治療効果を提供すること;ミトコンドリア発生の増大が有益である場合、病状又は疾患の改善が得られること;さらに、ミトコンドリアの損傷又はcNOS酵素の機能の低減に関連する疾患が、前記エキス又は有効成分によって予防されることが予測される。
【0067】
ソリダゴの一部分(前記部分は地上で生育した部分である)のエキス又はエキスの溶媒分の除去後に有効成分として残留する固体残渣は、特に、下記の状態において有効である:
I.ミトコンドリアの機能にする作用を発揮させること及びミトコンドリア生物発生を促進することを介して:
a)迅速なミトコンドリアの再生を必要とする状態及び疾患:
−長期間の運動不足、体重減少を伴う疾患後の状態
−拒食症の再生段階
b)ミトコンドリア要求の増大を必要とする状態:
−筋肉(特に横紋筋)増強トレーニング
−筋肉(特に横紋筋)の突然の負荷及び続く期間
−筋肉の緊張
−高高度への順応
c)ミトコンドリアの損失又は損傷の増大を伴う状態:
−酸化的損傷
−低酸素−再酸素化によって生ずる心筋の損傷
c1)ミトコンドリアDNAに関連する疾患:
−ミオクローヌス癲癇及び赤色ぼろ線維症候群
−Leber遺伝性視神経症
−MLAS
−Leigh病
−Kern-Sayre症候群
−慢性進行性外眼筋麻痺
−アルパース症候群
c2)ミトコンドリアDNAに関連しない神経変性疾患:
−ALS(筋萎縮性側索硬化症)
−ハンチントン病
−アルツハイマー病
−パーキンソン病
d)外因性作用物質によって生ずるミトコンドリアの損傷:
−紫外線(例えば、日光又は前癌状態)による皮膚表面の損傷後の状態
e)ミオパシー、特に、心筋ミオパシーの特定型
II.不充分なミトコンドリアの機能によって生ずるメタボリック疾患の治療又は予防:
−糖尿病
−インスリン耐性
−メタボリック症候群
−肥満症
III.ミトコンドリアの損傷により促進された老化の減速化
IV.cNOSの機能の改善による他の適用の可能性:
a)胃腸系の運動障害:
−アカラシア
−乳児肥厚性幽門狭窄症
−ヒルシュスプルング病
−糖尿病胃疾患
−逆流性食道炎
−糖尿病における胃腸機能障害
−胃不全麻痺
−機能性消化不良
−腸偽閉塞及び大腸炎
−胃腸系の一般的運動障害(例えば、便秘)
−括約筋(例えば、幽門括約筋、肛門括約筋)の機能障害
b)胆嚢機能障害:
−胆管ジスキネジア
−胆石の形成
−脂質異状症
−タイプII及びIII胆管及び膵管系オッディ括約筋機能障害(SOD)
−胆嚢摘出後症候群
c)勃起障害:
−神経性勃起障害
d)生殖障害
e)筋肉変性
−デュシェンヌ型筋ジストロフィー
f)外傷性末梢神経病変
【0068】
このように、本発明は、ソリダゴの一部分(前記部分は地上で生育した部分である)のエキス又はエキスの溶媒分の除去後に有効成分として残留する固体残渣の、上記I、II、III及びIVに示したように、
−ミトコンドリアの機能に対する作用の発揮及び生物発生の促進;
−不充分なミトコンドリアの機能によって生ずるメタボリック疾患の治療又は予防;
−ミトコンドリアの損傷によって促進された老化の減速化;
−cNOSの機能の改善による各種の適用の可能性
に適する組成物又は医薬組成物の調製における使用に関する。
【0069】
本発明の好適な具体例は、ソリダゴの一部分(前記部分は地上で生育した部分である)のエキス又はエキスの溶媒分の除去後に有効成分として残留する固体残渣の、ミトコンドリアの発生を介する細胞のエネルギー供給を増大させ、これによって、哺乳類の組織体の強化に適する組成物の調製又はミトコンドリアの損傷及び/又は構成一酸化窒素シンターゼ酵素の機能の低減に由来する疾患、特に、ALS、パーキンソン病、アルツハイマー病及びアトキンソン病のような神経変性疾患、及び/又は心筋ミオパシーのようなミオパシー、及び/又は糖尿病、インスリン耐性、メタボリック症候群及び肥満症のようなメタボリック疾患、及び/又はアカラシア、乳児肥厚性幽門狭窄症、ヒルシュスプルング病、糖尿病胃疾患、逆流性食道炎、糖尿病における胃腸機能障害、胃不全麻痺、機能性消化不良、腸偽閉塞、大腸炎、胃腸系の一般的運動障害及び括約筋の機能障害のような胃腸系の運動障害、及び/又は胆管ジスキネジア、胆石の生成、脂質異状症及びタイプII及びIII胆管及び膵管系オッディ括約筋機能障害(SOD)、胆嚢摘出後症候群のような胆嚢機能障害、及び/又は紫外線による皮膚表面の損傷、及び/又は低酸素−再酸素化によって生ずる心筋の損傷の予防又は治療に好適な医薬組成物の調製における使用に関する。
【0070】
本発明の好適な組成物は、病後又は拒食症の身体の物理的状態を改善するため、又は筋肉増強トレーニングにおける強壮用組成物である。
【0071】
本発明の好適な医薬組成物は、胃腸系の運動性障害の予防又は治療に好適であり、このように、本発明の好適な医薬組成物は、胃腸系における自発運動を誘導する運動促進剤である。
【0072】
本発明の特に好適な医薬組成物は、逆流性食道炎の予防又は治療に適している。
【0073】
本発明は、ミトコンドリアの発生を増大させ、これによって、哺乳類の組織体を強化する方法又はミトコンドリアの損傷及び構成一酸化窒素シンターゼ酵素の機能の低減に由来する疾患、特に、神経変性疾患、ミオパシー、メタボリック疾患、胃腸系の運動障害、胆嚢機能障害、又は紫外線による皮膚表面の損傷の予防又は治療法であって、必要とする患者を、有効量のソリダゴの一部分(前記部分は地上で生育した部分である)のエキス又はエキスの溶媒分の除去後に有効成分として残留する固体残渣にて処置することをと特徴とする予防又は治療法を含む。
【0074】
本発明を、さらに、下記の実施例によって説明する。
【実施例1】
【0075】
エキスの調製
プロセスA
乾燥し、細かく粉砕した、カナダアキノキリンソウの地上で生育した部分(主として花からなる)100gについて、激しく撹拌しながら、60℃、水浴において、水により、質量比5:200で抽出を行った。得られた水性抽出液を濾過し、植物分を圧縮し、ついで、抽出液を4〜8時間沈降させ、再度濾過した。得られたエキスの乾燥固形分量は、6.2〜6.9mg/mlであった。トレーの温度を−50℃以下に維持しながら、凍結乾燥によって水分を除去した。得られた乾燥残渣を、室温において暗所に保存し、水分から保護した。乾燥物質(すなわち、有効物質)は、フラボノイド含量3.1〜3.4g/100gを有していた。
【0076】
プロセスB
乾燥し、細かく粉砕した、カナダアキノキリンソウの花100gについて、100℃において沸騰させることによって、水により、質量比5:150で抽出を行った。得られた水性抽出液を、プロセスAに記載のように処理した。水性エキスは、乾燥固形分量8.5〜9.1mg/mlを有していた。プロセスAに示すように処理した凍結乾燥生成物(すなわち、有効物質)は、フラボノイド含量3.8〜4.1g/100gを有していた。
【0077】
プロセスC
乾燥し、細かく粉砕した、カナダアキノキリンソウの地上で生育した部分(すなわち、葉、茎、花)100gについて、冷超音波振動浴において、エタノール75容量%を含有する水性エタノールにより、質量比5:200で抽出を行った。抽出液を濾過し、減圧下での蒸発によってエタノールを除去した。残留する水相を、プロセスAに記載のように処理して、凍結乾燥させた。
【実施例2】
【0078】
カプセルの調製
実施例1のプロセスBに従って調製した凍結乾燥有効物質0.6gずつを各硬質ゼラチンカプセルに充填し、カプセルを封止し、空気密封されたガラス容器に入れた。
【実施例3】
【0079】
シロップの調製
実施例1のプロセスAに従って調製した水性抽出液(乾燥固形分6.2mg/ml)1000 mlに、グリセロール20ml、70%ソルビトール水溶液100 ml、芳香物質0.1g及びメチルパラベン1gを添加し、混合物を均質化し、ビン(50ml)に充填した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソリダゴ(Solidago sp.)の一部分(前記部分は地上で生育した部分である)のエキス又はエキスの溶媒分の除去後に有効成分として残留する固体残渣の、ミトコンドリアの発生を介する細胞のエネルギー供給を増大させ、これによって、哺乳類の組織体の強化に適する組成物の調製、又はミトコンドリアの損傷及び/又は構成一酸化窒素シンターゼ酵素の機能の低減に由来する疾患、特に、神経変性疾患、ミオパシー、メタボリック疾患、胃腸系の運動障害、胆嚢機能障害、又は紫外線による皮膚表面の損傷の予防又は治療に好適な医薬組成物の調製における使用。
【請求項2】
強壮用組成物の調製における、請求項1記載の使用。
【請求項3】
疾患が胃腸系の運動障害である、請求項1記載の使用。
【請求項4】
疾患が逆流性食道炎である、請求項1記載の使用。
【請求項5】
ミトコンドリアの発生を増大させ、これによって、哺乳類の組織体を強化するか、又はミトコンドリアの損傷及び/又は構成一酸化窒素シンターゼ酵素の機能の低減に由来する疾患、特に、神経変性疾患、ミオパシー、メタボリック疾患、胃腸系の運動障害、胆嚢機能障害、又は紫外線による皮膚表面の損傷を予防又は治療する方法であって、必要とする患者を、有効量のソリダゴの一部分(前記部分は地上で生育した部分である)のエキス又はエキスの溶媒分の除去後に有効成分として残留する固体残渣にて処置することを特徴とする方法。

【公表番号】特表2009−507010(P2009−507010A)
【公表日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528589(P2008−528589)
【出願日】平成18年8月30日(2006.8.30)
【国際出願番号】PCT/HU2006/000070
【国際公開番号】WO2007/026184
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(508066201)
【Fターム(参考)】