説明

ソレノイド電機子の移動を検知するシステムおよび方法

ソレノイドに付随する電機子の作動を検知する方法は、ソレノイドに付随するソレノイドコイルに電位を提供するステップを含む。本方法はまた、ソレノイドコイル内を流れる電流を測定するステップを含む。本方法は更に、測定された電流が所定の最大値に達した場合、電位をスイッチオフするステップを含む。本方法はまた、測定された電流が所定の最小値に達した場合、電位をスイッチオンするステップを含む。本方法は更に、電位のオン/オフを切り替えるパルス間のチョップ時間を測定するステップを含む。本方法はまた、一連のチョップ時間を解析して電機子の移動および電機子のシーティングを検知するステップを含む。本方法は更に、チョップ時間の比較に基づいて、ソレノイドに付随する電機子の引き込み時間を判定するステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に電機子の位置検知器に関し、より具体的にはソレノイド電機子の運動を検知するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ソレノイドは通常、電気エネルギーを線形運動量に変換する任意の電磁装置に分類される。ソレノイドは、電機子として機能する金属ピストンの回りに巻かれたコイル導体を含んでいてよい。コイル端子に電圧が印加された際に、コイル導体内に電流が流れて電磁場が生じ、金属ピストンを電磁場の方へ引き寄せる。電子コントローラが、電磁場を制御すべくコイル導体を流れる電流を調整するソレノイドに結合されていてよい。
【0003】
ピストンの位置は、電磁場の強さを制御することで操作できる。例えば、最初にソレノイド電機子を作動すべく、コイル導体の両端に電圧を印加して、コイルにエネルギーを与えてコイルに付随する電磁場を強めることができる。電磁力が電機子に付随する静的運動力に打ち勝つ程度に十分強くなったとき、電機子は電磁場の方へ「引き込まれる」。電機子が「引き込み」位置に移動したならば、コイル内の電流は、電機子を所定位置に保持するのに必要な最低レベル(すなわち「保持」電流)まで減らすことができる。電機子を解放し、それにより元の(すなわち「静止」)状態への復帰を許すために、コイル導体を流れる電流を遮断して、電磁場を消失させることができる。コイル内の電流レベルが「保持」電流未満まで低下したならば、電機子に作用する電磁力はもはや、電機子を所定位置に保持するのに十分ではなく、電機子は休止状態に戻される。
【0004】
特定の状況において、電機子がいつ作動するかを知ることは有益であろう。例えば、内燃機関用の電子燃料噴射システムにおいて、エンジンの燃料効率が良い動作は、1個以上のソレノイドバルブの正確な動作に依存するであろう。ソレノイドバルブの動作の効果的な判定は、制御信号がソレノイドへ送られる時間だけでなく、バルブを開閉するソレノイド電機子の作動時間にも依存するであろう。従って、電機子の移動時間を正確に判定するシステムおよび方法が必要とされよう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,188,562号明細書
【0006】
磁気的に動作する装置に付随する「落下」状態を検知すべく少なくとも1個のシステムが開発されている。例えば、Lutzらに2001年2月13日に付与された(特許文献1)に、ソレノイドバルブの突発的閉鎖を認識する方法および装置が記述されている。(特許文献1)のシステムは、パルス保持電流の周波数を監視し、周波数の増加に基づき、ソレノイドバルブに付随する電機子が突発的に落下してバルブを誤って閉じさせたと判定すべく構成されている。
【発明の概要】
【0007】
(特許文献1)のシステムは、ソレノイド電機子の誤作動による、または突発的な落下を判定できるが、問題を含み得る。例えば、当該システムは、突発的な落下を検知するために保持電流を供給するパルス信号の周波数を監視するだけであり、保持電流が停止された後でアクチュエータがいつ元の位置に戻るかを判定することはできない。その結果、正常動作条件の下で電機子の移動の正確な検知を必要とするシステムは、非効率的且つ不正確になる恐れがある。
【0008】
更に、「引き込み」タイミングの測定値も問題を含むことがわかっている。噴射器の設計が複雑なことにより、渦電流、コイル抵抗、およびバネ力等の他のいくつかの変数により導かれるノイズに起因して、引き込みタイミングの研究が困難になっている。これらおよび他の変数が相まって電磁力に対抗する力が生じ、従って、電流が遮断された際に電機子を所定位置に保持する傾向がある。更に、これらの変数は、インダクタンスの変化を生じ得る電磁力を発生させるため、引き込みタイミングを測定するこれまでの試みは、誤ったシート検知または全くシート検知が行われない等のノイズにより妨げられてきた。例えば、強い渦電流により、監視対象の電流信号に殆ど検知できないインダクタンスの変化が生じる場合がある。同様に、バルブの電気特性はまた、インダクタンスの変化が検知困難な程度に、チョップ時間を速める場合がある。従って、(特許文献1)に記述されているような検知方法は、落下タイミングとは逆に、引き込みタイミングの測定に適用された場合に信頼できない。
【0009】
ソレノイド電機子の移動を検知する本開示システムおよび方法は、上述の問題の1つ以上を克服することを目指している。
【0010】
一態様において、ソレノイドに付随する電機子の作動を検知する方法は、ソレノイドに付随するソレノイドコイルに電位を与えると共に、ほぼ同時に電流タイマーの動作を開始するステップを含む。本方法はまた、ソレノイドコイル内を流れる電流を測定するステップも含む。本方法は更に、測定された電流が所定の最大値に達した場合、電位をスイッチオフし、測定された電流が所定の最小値に達した場合、電位をスイッチオンするステップを含む。また、電位のオン/オフ切り替えに付随するパルス間におけるチョップ時間を測定するステップも含む。一連のチョップ時間を解析して電機子の移動および電機子のシーティングを検知するステップも含む。本方法は更に、解析に基づいて電機子の移動および電機子のシーティング時間を判定するステップを含む。
【0011】
別の態様において、電機子作動検知システムは、1個以上のスイッチング素子を介してソレノイドコイルに選択的に結合され、且つ電圧出力を提供すべく構成された電源を含む。また、1個以上のスイッチング素子に動作可能に結合されていて、1個以上のスイッチング素子を動作させてソレノイドコイルに電位を選択的に提供すると共にほぼ同時に電流タイマーの動作を開始すべく構成されたコントローラも含む。コントローラは更に、ソレノイドコイル内を流れる電流を測定する。コントローラはまた、測定された電流が所定の最大値に達した場合、電位をスイッチオフし、測定された電流が所定の最小値に達した場合、電位をスイッチオンすべく構成されている。コントローラは、電位のパルス間のチョップ時間を測定し、一連のチョップ時間を解析して電機子の移動および電機子のシーティングを検知する。コントローラ更に、解析に基づいて電機子の移動および電機子のシーティング時間を判定する。
【0012】
別の態様において、機械が、導体および電機子を有するソレノイドを含み、導体が長手方向に電機子のほぼ全周に巻かれ、エアギャップを介して電機子と分離されていて、導体により生じた電磁場が存在する場合、電機子が導体に相対的に移動すべく適合されている。当該機械は更に、ソレノイドに動作可能に結合された電機子作動検知システムを含んでいて、電機子作動検知システムは、1個以上のスイッチング素子を介してソレノイド導体に選択的に結合され、且つ電圧出力を提供すべく構成された電源を含む。電機子検知作動システムは更に、1個以上のスイッチング素子に動作可能に結合され、且つソレノイド導体に電位を選択的に提供する1個以上のスイッチング素子を動作させ、ほぼ同時に電流タイマーの動作を開始すべく構成されたコントローラを含む。コントローラはまた、ソレノイド導体内を流れる電流を測定する。コントローラはまた、測定された電流が所定の最大値に達した場合、電位をスイッチオフし、測定された電流が所定の最小値に達した場合、電位をスイッチオンする。コントローラは、電位のパルス間のチョップ時間を測定する。コントローラは、一連のチョップ時間を解析して電機子の移動および電機子のシーティングを検知する。コントローラはまた、解析に基づいて電機子の移動および電機子のシーティング時間を判定する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】開示された特定の実施形態による例示的な機械を示す外形図である。
【図2】開示された実施形態による例示的な電機子の移動検知システムのブロック図である。
【図3】開示された実施形態による、時間に関するソレノイドコイル電圧および電流を示すグラフである。
【図4】開示された特定の実施形態と整合する、ソレノイド電機子の作動を検知する例示的な方法を示すフロー図である。
【図5】パルス間で測定された時間を示すグラフである。
【図5A】図5に示すグラフの点に対応する循環バッファアルゴリズムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に、開示された特定の実施形態による例示的な機械100の外形図を示す。機械100は、鉱業、建築、農業、輸送、発電、製造等の産業、および他の任意の種類の産業に付随する作業を実行する任意の固定または移動式の機械を含んでいてよい。固定式機械の非限定的な例として、エンジン系統、タービン、発電機、静止ドリル装置(例:沖合ドリルプラットフォーム用)、および他の任意の種類の固定式機械が含まれる。移動式機械の非限定的な例として、クレーン、長距離輸送トラック、フロントエンドローダー、トラクター、オン/オフハイウェイ車両、自動車、掘削機、ダンプカー、または他の任意の適当な移動式機械が含まれる。機械100は、特に、電力出力を生成する電源101、電子制御装置(ECU)102、機械100に付随する少なくとも1個の作業を実行すべく構成された1個以上のソレノイド120、およびソレノイド120に付随する電機子の移動を検知するシステム110を含んでいてよい。機械100はトラック型のトラクター機械として示されているが、機械100が、上述したような任意の適当な種類移動式または固定式機械を含んでいてよいことを理解されたい。
【0015】
電源101は、機械100が使用するエネルギーを出力すべく構成された任意の装置を含んでいてよい。例えば、電源101は、ディーゼル燃料、ガソリン、天然ガス、または他の任意の種類の燃料で動作すべく構成された内燃機関を含んでいてよい。代替的および/または追加的に、電源101は、電気および/または機械的エネルギーを出力すべく構成された任意の種類の装置、例えば燃料電池、発電機、電池、タービン、交流発電機、変圧器、または他の任意の適当な動力出力装置を含んでいてよい。
【0016】
ECU102は、機械100に付随する複数のサブシステムおよび構成要素に結合されていてよく、これらのシステムおよび構成要素に付随する動作を監視および制御すべく構成されていてよい。例えば、ECU102は、電源101に動作可能に結合され、且つサブシステムに付随する動作および電源101に付随する構成要素を制御すべく構成されていてよい。代替的および/または追加的に、ECU102は、システム110に通信可能に結合され、且つ機械100の1個以上のソレノイド120の動作を監視および制御すべく構成されていてよい。ECU102を機械100用の制御装置として例示しているが、ECU102は任意の種類の制御システム、例えば、自動車に付随するパワートレイン制御モジュール(PCM)、製造設備の一部に付随するコントローラ、または機械100に付随する動作可能要素の監視および/または制御に適した他の任意の適当なシステムを含んでいてよい。
【0017】
1個以上のソレノイド120は各々電気エネルギーを、機械100に付随する少なくとも1個の機械式装置を作動させる線形運動量に変換すべく構成された電気機械変圧器を含んでいてよい。例えば、ソレノイド120は、電気機械バルブ、リレー、スイッチ、または、電力入力に基づく機械的出力を提供すべく構成可能な他の適当な装置として構成されていてよい。例えば、ソレノイド120は、燃焼室への燃料の流れを調整すべく構成された1個以上のバルブを含んでいてよい。代替的に、ソレノイド120は、電流に、機械100に付随する始動モータにエネルギーを与え易くすべく構成された始動モータースイッチを含んでいてよい。代替的および/または追加的に、1個以上のソレノイド120が、機械アクチュエータの電子制御が必要な機械100に付随する任意のアプリケーションに実装できるものと考えられる。
【0018】
図2に示すように、ソレノイド120は、電力入力を受け取って、当該電力入力に応答して機械的出力を提供すべく構成された1個以上の構成要素を含んでいてよい。例えば、ソレノイド120は、電機子122に選択的に結合され、エアギャップ123を介して電機子122と分離されたソレノイドコイル121を含んでいてよい。ソレノイド120はまた、エアギャップ123内に電磁場が存在しない場合に、電機子122を最初の(または元の)状態(位置「A」と表記)に位置合わせするポジショナ124を含んでいてよい。
【0019】
ソレノイドコイル121は、任意の種類の金属導体を含んでいてよく、且つほぼコイル状の配置に構成されていてよい。このコイル状の配置により、コイルのほぼ全周に電磁場を誘導することが容易になり、最も強い電磁場はコイルにより生じた周辺部に付随する領域内に含まれるようにできる。ソレノイドコイル121は、銅、アルミニウム、鋼、ニッケル、鉄、または導線内を流れる電流の通過に付随する磁場を誘導すべく使用可能な他の任意の適当な金属または金属合金導線を含んでいてよい。
【0020】
電機子122は、コイル状の導体内でほぼ長手方向に配置され、コイル内を流れる電流により生じた電磁場が存在する場合にソレノイドコイル121に相対的に移動すべく構成されていてよい。例えば、電機子122は、ソレノイドコイル121により生じた電磁場が存在する場合に元の位置「A」から「引き込み」位置「B」まで移動すべく構成されていてよい。電機子122の移動は電磁場の強さと比例していてもよく、実質的にソレノイドコイル121内を流れる電流の流れの方向であってよい。電機子122は、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の任意の高透磁率材料、または他の任意の適当な高透磁率金属または金属合金で作られていてよい。
【0021】
図2に示すように、ソレノイド120は電機子の移動を検知するシステム110に選択的に結合できる。システム110は、ソレノイド120を制御すべく構成された1個以上の構成要素を含み、ソレノイド120に付随する1個以上の動作可能要素を監視して、ソレノイド120に付随する電機子122がいつ位置を変えたかを判定することができる。システム110は、特に、1個以上のスイッチング素子130を介してソレノイド120に選択的に結合された電源140およびシステム110の監視および制御動作を行なうコントローラ150を含んでいてよい。
【0022】
電源140は、ソレノイド120が使用する電力出力を提供する任意の装置を含んでいてよい。電源140は、例えば、発電機、交流発電機、電池、燃料電池、変圧器、電力変換器、またはソレノイド120用にACまたはDC電力を提供する他の任意の適当な装置を含んでいてよい。電源140は、機械100に付随する複数の電気系統または構成要素に電力を提供すべく構成されたスタンドアローン型電源を構成していてよい。代替的に、電源140は、専らコントローラ150が使用する一体的装置としてコントローラ150内に含めることができる。
【0023】
スイッチング素子130は、電源140をソレノイド120に選択的に結合すべく構成された1個以上の構成要素を含んでいてよい。スイッチング素子130は、任意の種類の機械または電気スイッチ、例えば固体トランジスタ型スイッチ(例:FETスイッチ、BJTスイッチ、CMOSスイッチ、IGBTスイッチ等)、リレー装置、回路ブレーカ、または電源140をソレノイド120に選択的に結合するのに適した他の任意の装置を含んでいてよい。スイッチング素子130は、ECU102またはコントローラ150等の制御装置により電子的に動作可能である。
【0024】
コントローラ150は、開示された実施形態と整合する処理および方法を実装可能な任意の種類のプロセッサ利用システムを含んでいてよい。コントローラ150は、1個以上のハードウェア要素、例えば中央演算処理装置(CPU)151、ランダムアクセスメモリ(RAM)モジュール152、読出し専用メモリ(ROM)モジュール153、ストレージ154、およびデータベース155を含んでいてよい。代替的および/または追加的に、コントローラ150は、1個以上のソフトウェア要素、例えば開示された特定の実施形態と整合する方法を実行するためのコンピュータ実行可能な命令を含むコンピュータ可読媒体を含んでいてよい。上に揚げたハードウェア要素のうち1個以上がソフトウェアを用いて実装できるものと考えられる。例えば、ストレージ154は、コントローラ150の1個以上の他のハードウェア要素に付随するソフトウェア分割を含んでいてよい。コントローラ150は、上に揚げたものに追加した、より少ない、および/または異なる、構成要素を含んでいてよい。上に揚げた構成要素が例示的に過ぎず、本発明を限定する意図がない点を理解されたい。
【0025】
CPU151は、各々がコントローラ150に付随する1個以上の機能を実行すべく命令を実行およびデータを処理すべく構成された1個以上のプロセッサを含んでいてよい。図2に示すように、CPU151は、RAM152、ROM153、ストレージ154、およびデータベース155に通信可能に結合されていてよい。CPU151は、各種処理を実行すべく、以下に詳細に記述する一連のコンピュータプログラム命令を実行すべく構成されていてよい。コンピュータプログラム命令は、CPU151により実行すべくRAM152にロードされてよい。
【0026】
RAM152およびROM153は各々、コントローラ150および/またはCPU151の動作に付随する情報を保存する1個以上の装置を含んでいてよい。例えば、ROM153は、コントローラ150の1個以上の構成要素およびサブシステムの動作を識別、初期化、および監視する情報を含む、コントローラ150に付随する情報にアクセスして保存すべく構成されたメモリデバイスを含んでいてよい。RAM152は、CPU151の1個以上の動作に付随するデータを保存するメモリデバイスを含んでいてよい。例えば、ROM153は、CPU151により実行すべく命令をRAM152にロードすることができる。
【0027】
ストレージ154は、開示された実施形態と整合する処理をCPU151が実行するために必要になり得る情報を保存すべく構成された任意の種類の大容量記憶装置を含んでいてよい。例えば、ストレージ154は、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM等、1個以上の固体、磁気、および/または光ディスク装置、または他の任意の種類のマスメディア装置を含んでいてよい。
【0028】
データベース155は、コントローラ150および/またはCPU151が使用するデータを保存、編成、ソート、フィルタリング、および/または配置すべく協働する1個以上のソフトウェアおよび/またはハードウェア要素を含んでいてよい。例えば、データベース155は、ソレノイド120の各種動作状態に付随する現時点の最大および最小値に付随する1個以上の所定の閾値レベルを含んでいてよい。例えば、データベース155は、動作の引き込み状態に付随する現時点の最大および最小閾値レベルの一組を含んでいてよい。また、データベース155は、動作の保持状態に付随する現時点の最大および最小閾値レベルの第2の組を含んでいてよい。データベース155はまた、動作の落下状態に付随する現時点の最大および最小閾値レベルの第3の組を含んでいてよい。これらの動作状態の各々について以下により詳細に記述する。CPU151は、測定されたソレノイドコイル電流を1個以上の閾値レベルと比較すべくデータベース155に保存された情報にアクセスして、システム110に付随する1個以上のスイッチング素子130を動作させるか、またはいつ動作させるかを判定することができる。データベース155は上に掲げたものに追加的な、および/または異なる情報を保存できるものと考えられる。
【0029】
コントローラ150は、スイッチング素子130に通信可能に結合されていて、各々のスイッチング素子130を動作させるべく構成されていてよい。コントローラ150は、ソレノイド120の所望の動作に基づいて、スイッチング素子130を動作させることができる。例えば、コントローラ150は、スイッチング素子130を動作させて電源140がソレノイドコイル121に供給するエネルギーにパルスを与えることにより、ソレノイドコイルを流れる可変電流を生成して電機子122を作動するための磁場を生成することができる。コントローラ150は、ソレノイド120の所望の動作に基づいて、1個以上のスイッチング素子130を順次動作させてソレノイド120に付随する電磁場を生起させることにより、当該可変電流を操作すべく構成されていてよい。
【0030】
コントローラ150はまた、電源140に付随する電力出力の電力レベルを制御すべく電源140に通信可能に結合されていてよい。例えば、ソレノイド120を引き込み状態に対して、コントローラ150は電源140に付随する電力レベルを第1の電力レベルに設定する。引き込みが達成されたならば、コントローラ150は、ソレノイド120の所望の動作に基づいて電力レベルを変化させることができる。電力レベルに加え、コントローラ150は、例えば周波数、波形等、電源140に付随する他の動作指標を調整すべく構成されていてよい。
【0031】
コントローラ150は、システム110に付随する1個以上の動作指標を監視すべく構成されていてよい。例えば、コントローラ150は、システム110の一部に動作可能に結合された1個以上の監視装置(図示せず)を含んでいてよい。これらの監視装置は、ソレノイドコイル121に付随する電流または電圧レベルを監視すべく構成された1個以上の電流および/または電圧サンプリング装置、1個以上のスイッチング素子130の動作間の時間を監視すべく構成されたタイミングカウンタ、または、システム110に付随する動作指標を監視する他の任意の適当な装置を含んでいてよい。
【0032】
コントローラ150は、ソレノイド120の所望の動作に基づいて、1個以上のスイッチング素子130および/または電源140を動作させてソレノイドコイル121にエネルギーを与えるべく構成されていてよい。例えば、初期時点において、コントローラ150は、1個以上のスイッチング素子130を、スイッチング素子の非導電状態に対応する「オフ」状態にすることができる。その結果、ソレノイドコイル121を流れる電流路を提供する回路が開いて電流を遮断し、従って、ソレノイドコイル121に付随する磁場の誘導を防止する。磁力が存在しなければ、ばね、磁石、または電機子122を初期状態「A」に保持および/または復帰させる他の任意の種類の要素の電気または機械的素子を含むポジショナ124によりソレノイド電機子122を初期状態「A」に保持することができる。
【0033】
1個以上のスイッチング素子130を「オフ」状態にすることにより電源140とソレノイド120の間を電流が流れるのを防止することに加え、コントローラ150は、1個以上のスイッチング素子を「減縮」状態にすることにより、電流を所定のレベルまで減少および/または最小化することができると考えられる。従って、1個以上のスイッチング素子130を「オフ」状態にするとは、電流を第1の状態からソレノイドコイルにより誘導される電磁場が消失可能な第2の状態まで実質的に減少させる任意の行為を指すものと考えられる。
【0034】
図3に、ソレノイド120が例示的な動作を行なう間の、ソレノイドコイル121に付随する電流および電圧の変化を示す。図3に示すように、コントローラ150は、ソレノイド回路に配置された各々のスイッチング素子130を「オン」状態にすることによりソレノイド120の動作を開始することができるため、電源140とソレノイド120の間でソレノイドコイル121を流れるエネルギーの流れを可能にする。スイッチング素子130を「オン」することに加え、コントローラ150は、ソレノイド120に付随する所定の引き込み電圧に基づいて、電源の最大および最小電圧レベルを設定することができる。この引き込み電圧は、電機子122を初期位置「A」から引き込み位置「B」まで「引っ張る」のに十分な力を伴う磁場を誘導するのに十分大きい電流レベルをソレノイドコイル121に与えるために必要な最小限の電圧レベルを含んでいてよい。
【0035】
ソレノイドコイル121の誘導的性質に起因して、コントローラ150は、磁場の誘導に必要な可変電流を生成すべく1個以上のスイッチング素子130をオフとオンに順次パルス動作させるべく構成されていてよい。コントローラ150は、所定の周波数で当該電圧をパルス動作することができる。代替的に、一実施形態によれば、コントローラ150は、最初に電流に最大電流レベルまでエネルギーを与えることができる。ソレノイドコイル電流が当該最大レベルに達したならば、コントローラ150は、1個以上のスイッチング素子130をオフ状態にすることにより、ソレノイドコイル121に保存された電流の一部を消失させることができる。電流が最小閾値レベルまで消失した場合、コントローラ150は、スイッチをオン状態にすることができるため、電流によりソレノイドコイル121を再充電することが可能になる。
【0036】
コイル内の電流が初期力に打ち勝つのに十分強い磁場を誘導したならば、電機子122は、位置「A」から位置「B」に移動することにより作動できる。電機子122が位置「A」から位置「B」へ移動した結果、ソレノイドコイル121に付随するインダクタンスが変化し得ることに注意されたい。この変化の結果、電機子の移動により、引き込み電圧の印加により誘導された電流とは逆向きに作用する小電流を誘導することができる。この負電流により、ソレノイドコイル電流が最大閾値に達するのに要する時間が増大する場合がある。
【0037】
電機子122が首尾よく引き込まれたならば、コントローラ150は、電源140に付随する最大および最小電圧レベルを所定の保持値に設定することができる。電機子122を位置「B」に保持するエネルギーは電機子122の引き込みに要するエネルギーよりも少ないため、保持値は引き込み電圧レベルよりもかなり低い最小電圧レベルを含んでいてよい。この保持値は、電機子を位置「B」に保持するのに十分な力を有する磁場を誘導する電流をソレノイドコイル121に提供するのに要する最小電圧レベルに対応していてよい。
【0038】
電機子122を解放して、元の状態(すなわち位置「A」)に戻れるようにすべく、コントローラ150は、1個以上のスイッチング素子130を「オフ」状態にして、ソレノイドコイル121に付随する電流を保持値未満に下げることができる。ソレノイドコイル121に付随する電流が消失するにつれて、電流により誘導された電磁場は、初期力(ポジショナ124が与える)が電機子122を保持位置「B」に保持する電磁場の力に打ち勝つまで弱まるため、電機子122が「落下」して位置「A」に戻ることを許す。電機子122が位置「B」から元の位置「A」に移動した結果、ソレノイドコイル121のインダクタンスが変化し得る。この変化によりソレノイドコイル121内に、引き込み電流の印加により誘導される電流と同じ方向に流れる補完電流を誘導する場合がある。この正電流により、ソレノイドコイル121から電流が消失すのに要する時間が増大する場合がある。
【0039】
開示された実施形態と整合する処理および方法は、ソレノイド120の正確な制御に依存するシステムが、電機子122がいつ作動する(すなわち、電機子122が「引き込み」および「落下」する)かを正確に判定できるようにするものである。図4に、コントローラ150に付随するオペレーティングシステム110用の例示的な方法を示すフロー図400を示す。
【0040】
図4に示すように、本方法は、ソレノイド120に付随するソレノイドコイル121に電圧を印加するステップ(ステップ410)を含む。例えば、コントローラ150は、最大および最小電圧閾値レベルを調整して適切な引き込み電圧をソレノイドコイル121に与え、且つスイッチング素子130を「オン」状態にすることができる。その結果、ソレノイドコイル121の両端に引き込み電圧が印加されることにより、当該コイル内を電流が流れることを可能にする。
【0041】
ソレノイドコイル121に電圧が印加されたならば、ソレノイドコイル121内を流れる電流を測定することができる(ステップ420)。例えば、コントローラ150は、ソレノイドコイル121に付随する電流を自動的に監視すべく構成された1個以上の電流監視装置を含んでいてよい。コントローラ150は、ソレノイドコイル電流を連続的に監視すべく構成されていてよい。代替的に、コントローラ150は、所定のサンプリング速度に基づき、ソレノイドコイル電流を周期的にサンプリングしてもよい。
【0042】
コントローラ150は、ソレノイドコイル121に付随する測定電流を最大電流閾値と比較することができる(ステップ430)。例えば、コントローラ150のCPU151は、測定された電流をデータベース155に保存された所定の最大電流閾値と比較することができる。ソレノイドコイル電流が当該最大閾値に達していない場合、コントローラ150はコイル電流の監視を続けることができる(ステップ430:No)。代替的に、ソレノイドコイル電流が最大閾値に達している場合、コントローラ150は1個以上のスイッチング素子を「オフ」状態に切り替えることにより、ソレノイドコイル121への電圧供給を遮断して、ソレノイドコイル電流を消失させることができる(ステップ440)。
【0043】
ソレノイドコイル電流が消失する間、コントローラ150はソレノイドコイル電流を測定し(ステップ450)、測定された電流を最小閾値と比較することができる(ステップ460)。例えば、コントローラ150に付随するCPU151は、測定されたソレノイドコイル電流をデータベース155に保存された所定の最小閾値と比較することができる。ソレノイドコイル電流が最小閾値レベルまで消失していない場合、コントローラ150は、ソレノイドコイル121内を流れる電流を測定し続けることができる(ステップ460:No)。
【0044】
代替的に、ソレノイドコイル電流が最小閾値レベルまで消失している場合(ステップ460:Yes)、コントローラ150は、スイッチング素子130を「オン」状態に切り替え、スイッチング素子130のオン/オフを切り替える間のチョップ時間を測定することができる(ステップ470)。例えば、コントローラ150に付随するCPU151は、スイッチング素子130をオンにすべく制御信号を提供することができる。チョップ時間はまた、スイッチング素子130の後続動作においてスイッチング素子130のオン/オフを切り替える間の経過時間として測定することができる。代替的に、チョップ時間はまた、1)電位をオンに、次いでオフに切り替え、次いで再びオンに戻すまでの、(2)電位をオフに、次いでオンに切り替え、次いで再びオフに戻すまでの、または3)電位をオフからオンに切り替えるまでの時間として測定されてよい。CPU151は、測定されたチョップ時間を将来解析するためにストレージ154に保存することができる。
【0045】
ソレノイドコイル121の電圧パルスに付随するチョップ時間が測定されたならば、コントローラ150は、一連のチョップ時間を解析して電機子の移動を検知することができる(ステップ480)。例えば、コントローラ150は、複数の一連のチョップ時間を解析することができる。具体的には、コントローラは、循環バッファタイプのアルゴリズムを用いて電流チョップのチョップ時間を先行チョップの時間と比較することができる。図5に、電流の開始からの時間に対するチョップ時間をプロットした例示的な曲線を示す。電機子の移動は、極大値を識別することにより判定できる。図5Aに示すような循環バッファアルゴリズムを用いてそのような極大値を識別してもよい。
【0046】
図5Aに、循環バッファが動作する様子を視覚的に表現するテーブルを示す。テーブル内のスペースは、図5にプロットされた各点に対応する。値「ゼロ」または「1」は、以下の規則に従い各々のスペースに割り当てられる。1)特定の点のチョップ時間(y値)がその直前に測定された点のチョップ時間よりも長い場合、値ゼロが割り当てられる。2)特定の点のチョップ時間(y値)がその直前に測定された点のチョップ時間以下ならば値1が割り当てられる。循環バッファアルゴリズムを用いて各々の一連の点を解析することにより、ある点でバッファにゼロが割り当てられ、その直後の点でバッファに値1が割り当てられた場合に極大値を判定することができる。例えば、参照番号500〜505は図5に示す曲線上の6個の点を表す。同様に、図5Aに示すように、参照番号500a〜505aは、上述の規則に従い循環バッファにプロットされた対応値を表す。502で示す点は極大値である。これは図5において、その直前および直後の点より大きいy値を有することがわかる。同様に、循環バッファに示すように、点502aおよび503aに付随するスペースは、テーブルが値ゼロから1まで進む箇所である。換言すれば、点502におけるチョップ値は、点501におけるよりも高く、点503のチョップ値は点502のそれ以下である。従って、点502は極大値である。図5に示す曲線において、点502は電機子が移動し始める箇所である。
【0047】
コントローラは、循環バッファアルゴリズムを、電機子の位置を連続的に監視すべく図5Aに示すように繰り返し使用することができる。例えば、テーブルの端に達したならば、コントローラは、再度最初からやり直して新しいゼロまたは1の値で上書きすることにより各スペースを再利用することができる。当業者には、スペースを埋める上述の規則を守る限り、循環バッファが任意の数のスペースを含んでいてよいことが理解されよう。
【0048】
電機子の移動、特に引き込み動作を上述の仕方で連続的に測定可能なため、コントローラメモリリソースを大幅に節約することができる。引き込み時間を決定する従来方法では、図5にプロットされた点を特定のソレノイド121用の理想的なインダクタンス曲線と比較する必要があった。この比較で、図5の曲線が理想的なインダクタンス曲線から最大偏差にある点を計算することにより電機子の移動を判定した。この方法を利用するには、理想的なインダクタンス曲線のデータは、常時コンピュータデータベース155に保存されていなければならない。一方、本開示は、引き込み時間を大量のインダクタンス曲線データと比較する必要なしに「オンザフライ」的に計算することができる。これを行なう際に、データベースリソースを大幅に節約することができる。
【0049】
当業者には、本開示の範囲から逸脱することなく極大値を判定する代替的な方法を用いてもよいことが理解されよう。例えば、コントローラ150は、図5にプロットされた点で表される曲線に対して多項式を計算すべく構成されていてよい。当該曲線を微分することにより、極大値を判定することができる。更に、コントローラ150は、本明細書に記述する循環バッファアルゴリズムと同様に、従来の方法では必要であった追加的な記憶リソースを費やすことなく電機子の移動、特に引き込み時間を判定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
開示した電機子移動検知システムは、電磁トランスデューサの電機子の移動を正確且つ高い信頼性で判定することが望まれる任意のシステムに適用できる。具体的には、開示した電機子移動検知システムは、共にソレノイド動作の正確な制御に依存するシステムは必須である、ソレノイドアクチュエータの引き込み時間および落下時間を判定する方法を提供することができる。
【0051】
ここに開示した電機子移動検知システムは、いくつかの効果をもたらすことができる。例えば、システム110は、保持電圧が遮断された後で、ソレノイド電機子に付随する落下時間を判定すべく構成されていてよい。その結果、パルス化された試験電圧をソレノイド120に印加することができるため、システム110は、検知が困難な電機子122に付随する落下時間を、ソレノイドコイルにおける電流変化を監視する従来のシステムよりも正確に判定できるようになる。
【0052】
また、ここに開示した電機子移動検知システムは、機械100に付随するシステムの制御能力を向上させることができる。例えば、引き込み時間および落下時間の両方を判定する能力により、システム110は、磁場の発生に起因する電機子の移動のあらゆる遅延をシステムが考慮できるようになるため、電機子122の作動をより正確に制御できるようになる。その結果、燃料噴射装置等、電機子の作動の正確な制御に依存するシステムがより効率化される。
【0053】
当業者には、本発明の範囲から逸脱することなく開示したソレノイド電機子の移動検知システムに対して各種の変更や変型がなされ得ることは明らかであろう。本開示の仕様および実施を検討することにより本開示の他の実施形態も当業者には明らかであろう。これらの仕様および実施例は例示目的に過ぎず、本開示の真の範囲は添付の請求項およびその等価物により示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソレノイド(120)に付随する電機子(122)の作動を検知する方法であって、
ソレノイド(120)に付随するソレノイドコイル(121)に電位を与えると共に、ほぼ同時に電流タイマーの動作を開始するステップと、
ソレノイドコイル(121)内を流れる電流を測定するステップと、
測定された電流が所定の最大値に達した場合、電位をスイッチオフするステップと、
測定された電流が所定の最小値に達した場合、電位をスイッチオンするステップと、
電位のオン/オフ切り替えに付随するチョップ時間を測定するステップと、
一連のチョップ時間を解析して電機子(122)の移動および電機子(122)のシーティングを検知するステップと、
解析に基づいて電機子(122)の移動および電機子(122)のシーティング時間を判定するステップと
を含む方法。
【請求項2】
解析ステップが、電流の開始からの時間がx軸上で測定され、チョップ時間がy軸上で測定されるグラフ上の一連のデータ点(500、501、502、503、504、506)のログを取得するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
解析ステップが更に、一連のチョップ時間の値同士を比較するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
判定ステップが更に、電機子(122)の移動を、後続チョップ時間の値が直前のチョップ時間以下である時点として識別するステップを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
電機子(122)作動検知システム(110)であって、
1個以上のスイッチング素子(130)を介してソレノイドコイル(121)に選択的に結合され、且つ電圧出力を提供すべく構成された電源(140)と、
1個以上のスイッチング素子(130)に動作可能に結合されていて、
1個以上のスイッチング素子(130)を動作させてソレノイドコイル(121)に電位を選択的に提供すると共にほぼ同時に電流タイマーの動作を開始し、
ソレノイドコイル(121)内を流れる電流を測定し、
測定された電流が所定の最大値に達した場合、電位をスイッチオフし、
測定された電流が所定の最小値に達した場合、電位をスイッチオンし、
電位のパルス間のチョップ時間を測定し、
一連のチョップ時間を解析して電機子(122)の移動および電機子(122)のシーティングを検知して、
解析に基づいて電機子(122)の移動および電機子(122)のシーティング時間を判定すべく構成されたコントローラ(150)と
を含むシステム。
【請求項6】
コントローラ(150)が機械(100)に付随する電子制御装置(102)を含む、請求項5に記載のシステム(110)。
【請求項7】
一連のチョップ時間の解析が更に、電流の開始からの時間がx軸上で測定され、チョップ時間がy軸上で測定されるグラフ上の一連のデータ点(500、501、502、503、504、506)のログを取得するステップを含む、請求項5に記載のシステム(110)。
【請求項8】
一連のチョップ時間の解析が更に、一連のチョップ時間の値同士を比較するステップを含む、請求項7に記載のシステム(110)
【請求項9】
一連のチョップ時間の解析が更に、電機子(122)の移動を、後続チョップ時間の値が直前のチョップ時間以下である時点として識別するステップを含む、請求項8に記載のシステム(110)。
【請求項10】
導体(121)および電機子(122)を有するソレノイド(120)、すなわち導体(121)が長手方向に電機子(122)のほぼ全周に巻かれ、エアギャップを介して電機子(122)と分離されていて、導体(121)により生じた電磁場が存在する場合、電機子(122)が導体(121)に相対的に移動すべく適合されているソレノイド(120)と、
ソレノイド(120)に動作可能に結合された電機子(122)作動検知システム(110)、すなわち
1個以上のスイッチング素子(130)を介してソレノイド導体(121)に選択的に結合され、且つ電圧出力を提供すべく構成された電源(140)と、
1個以上のスイッチング素子(130)に動作可能に結合されていて、
1個以上のスイッチング素子(130)を動作させてソレノイドコイル(121)に電位を選択的に提供すると共にほぼ同時に電流タイマーの動作を開始し、
ソレノイド導体(121)内を流れる電流を測定し、
測定された電流が所定の最大値に達した場合、電位をスイッチオフし、
測定された電流が所定の最小値に達した場合、電位をスイッチオンし、
電位のパルス間のチョップ時間を測定し、
一連のチョップ時間を解析して電機子(122)の移動および電機子(122)のシーティングを検知して、
解析に基づいて電機子(122)の移動および電機子(122)のシーティング時間を判定すべく構成されたコントローラ(150)とを含む電機子(122)作動検知システム(110)と
を含む機械(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図5A】
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【公表番号】特表2013−514660(P2013−514660A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544532(P2012−544532)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/056828
【国際公開番号】WO2011/084239
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(391020193)キャタピラー インコーポレイテッド (296)
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
【Fターム(参考)】