説明

ソーラーコントロール積層体

赤外線吸収性のフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物と、20,000psi(138MPa)〜1000psi(7MPa)の弾性率を有する樹脂とを含むソーラーコントロール組成物、ならびに本発明のソーラーコントロール組成物を含むソーラーコントロール積層体を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線の透過を低減する装置の分野に関し、特に赤外線の透過を低減する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス積層製品または「安全ガラス」は、ほぼ1世紀の間社会に貢献している。安全ガラスは、高い耐衝撃性および貫入抵抗性を特徴とし、さらに、破砕されたときのガラスのかけらおよび破片の散乱が最小限となることを特徴とする。これらの積層体は、典型的には、2枚のガラス板またはガラスパネルの間に存在するポリマーフィルムまたはシート中間層のサンドイッチ構造からなる。ガラス板の一方または両方は、ポリカーボネート材料またはポリエステルフィルムのシートなどの、光学的に透明な剛性または非剛性のポリマーシートで置き換えることができる。安全ガラスは、2つ以上の中間層とともに接合された3層以上のガラスおよび/またはポリマーシートを含むようにさらに発展している。
【0003】
自動車のフロントガラス中に一般に使用されている周知の安全ガラス以外に、ガラス積層体は、列車、飛行機、船、およびほとんどあらゆる他の輸送手段に窓として組み込まれている。最近では、設計者が、より多くのガラス面を建造物中に組み込んでいるため、安全ガラスの建築用途も急速に拡大している。
【0004】
社会では、積層ガラス製品に対して、光学的および装飾的性能ならびに安全特性以外のさらなる機能性を要求され続けている。望ましい目標の1つは、ソーラーコントロールグレージングの開発によって自動車または建造物などの構造体内のエネルギー消費を減少させることである。近赤外スペクトルは人間の肉眼によって感知されないため、典型的な方法の1つは、近赤外スペクトルからの太陽エネルギーの一部が構造体に侵入するのを防止するガラス積層体を開発することであった。例えば、可視光スペクトルの透過が減少したり歪んだりすることなく近赤外スペクトルの一部を遮断するソーラーコントロール窓が取り付けられた構造体においては、空調によって消費されるエネルギーを減少させることができる。
【0005】
ガラス積層体のソーラーコントロールは、ガラスまたはポリマー中間層を改質することによって、さらなるソーラーコントロール層を付け加えることによって、あるいはこれらの方法の組み合わせによって実現することができる。ソーラーコントロール積層体ガラスの一形態は、金属化基材フィルム、例えば、導電性アルミニウムまたは銀金属層を有するポリエステルフィルムを含む。一般に、金属化フィルムは、適切な波長の光を反射することで、適切なソーラーコントロール特性が得られる。金属化フィルムは、一般に、高真空装置および精密な雰囲気制御システムを必要とする真空蒸着法またはスパッタリング法によって製造される。赤外光に加えて、金属化フィルムは、特定の電波波長も反射するため、ラジオ、テレビ、汎地球測位システム(GPS)、自動料金徴収、キーレスエントリー、通信システム、自動ガレージオープナー、自動現金自動預払機、高周波識別(RFID)、ならびに自動車またはソーラーコントロール積層ガラスによって保護される場合がある他の構造体中に一般に使用される類似のシステムの機能を妨害する。この妨害は、直接的には、金属層が連続であり、したがって導電性となるために生じる。
【0006】
より最近の傾向は、赤外光を反射するのではなく吸収する金属含有ナノ粒子を使用することである。基材の鮮明性および透明性を維持するため、これらの材料は、理想的には約200ナノメートル(nm)未満の公称粒度を有する。これらの材料は導電性フィルムを形成しないので、この種のソーラーコントロールグレージングによって保護された構造体の内部に配置された放射線を透過および受信する装置の動作は妨害されない。しかし、これらのナノ粒子をポリマー中間層中に加える場合、これらの積層体の製造方法が必然的に複雑になる。
【0007】
赤外線吸収性フタロシアニン類およびフタロシアニン系材料は、ポリビニルブチラールを含む場合があるバインダー樹脂と場合により併用される光情報記録媒体中への使用が知られている。当技術分野の特許の最近の例としては、米国特許第6,057,075号明細書、同第6,197,472号明細書、同第6,576,396号明細書、同第6,197,464号明細書、同第6,207,334号明細書、同第6,238,833号明細書、同第6,376,143号明細書、同第6,465,142号明細書、および同第6,489,072号明細書が挙げられる。
【0008】
バインダー樹脂と場合により併用される光情報記録媒体中の赤外線吸収性材料としては、アルコキシ置換フタロシアニン化合物も使用されている。例えば、米国特許第4,769,307号明細書、同第5,296,162号明細書、同第5,409,634号明細書、同第5,358,833号明細書、同第5,446,142号明細書、同第5,646,273号明細書、同第5,750,229号明細書、同第5,594,128号明細書、同第5,663,326号明細書;および同第6,726,755号明細書;ならびに欧州特許出願公開第0 373 643号明細書を参照されたい。
【0009】
フタロシアニン化合物などの有機赤外線吸収性材料を含む種々のソーラーコントロール装置も周知である。例えば、Avecia Corp.(Wilmington,DE)は、ガラス、プラスチック、およびフィルムコーティングなどのグレージング材料中に組み込むための赤外線吸収剤としての袖手類のフタロシアニン化合物を販売している。フタロシアニンを含有するガラス積層体中間層組成物の例は、米国特許第5,830,568号明細書、同第6,315,848号明細書、同第6,329,061号明細書;および同第6,579,608号明細書;米国特許出願公開第2004/0241458号明細書;および国際公開第2002/070254号パンフレットを参照されたい。
【0010】
赤外線吸収性ナフタロシアニン材料は、バインダー樹脂を含む場合がある光情報記録媒体中への使用も一般に開示されている。例えば、米国特許第4,492,750号明細書、同第4,529,688号明細書、同第4,769,307号明細書、同第4,886,721号明細書、同第5,021,563号明細書、同第4,927,735号明細書、同第4,960,538号明細書、同第5,282,894号明細書、同第5,446,142号明細書、同第5,484,685号明細書、同第6,197,851号明細書、同第6,210,848号明細書、同第6,641,965号明細書、同第5,039,600号明細書。および同第5,229,859号明細書を参照されたい。ポリビニルブチラールを含む場合があるバインダー樹脂中に分散されるある種のナフタロシアニン材料が、当技術分野において開示されている。例えば、米国特許第4,766,054号明細書には、ある種のナフタロシアニン染料を含む光記録媒体が記載されている。
【0011】
しかしながら、フタロシアニン型およびナフタロシアニン型赤外線吸収剤は、色が濃いため、比較的不十分なソーラーコントロール剤であることが多い。言い換えると、多くのフタロシアニンおよびナフタロシアニンは、可視波長の吸収量がかなり多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、赤外線エネルギーの透過を低減し、可視光および高周波の透過がより十分となる新規なソーラーコントロール積層体の提供が依然として望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、赤外線吸収性のフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物と可塑剤とから実質的になる組成物を提供する。
【0014】
本発明は、赤外線吸収性のフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物と、20,000psi(138MPa)〜1000psi(7MPa)の弾性率を有する樹脂とを含むソーラーコントロール組成物も提供する。好ましくは、この樹脂は、15,000psi(104MPa)〜1000psi(7MPa)の弾性率を有し、ポリビニルブチラールまたはエチレン−コ−酢酸ビニルを含む。
【0015】
本発明は、赤外線吸収性のフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物と、20,000psi(138MPa)〜1000psi(7MPa)の弾性率を有する樹脂とを含むソーラーコントロール積層体をさらに提供する。好ましくは、この樹脂は、15,000psi(104MPa)〜1000psi(7MPa)の弾性率を有し、ポリビニルブチラールまたはエチレン−コ−酢酸ビニルを含む。
【0016】
本発明は、ポリビニルブチラールまたはエチレン−コ−酢酸ビニルと、赤外線吸収性のフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物の濃縮物とから構成されるソーラーコントロール層を含むソーラーコントロール積層体であって、シミュレーション方法Aを使用して積層体をシミュレートした場合に、可視光透過率のシミュレーション値Tvis-simが0.65<Tvis-sim<0.75となり、太陽光透過率のシミュレーション値Tsol-simがフタロシアニン化合物の場合<(0.932(Tvis-sim)−0.146)となり、ナフタロシアニン化合物の場合<(0.481(Tvis-sim)−0.166)となるような、層厚さ、太陽光透過率、および可視光透過率を有する、ソーラーコントロール積層体をさらに提供する。
【0017】
外部窓を有する構造体の内部への赤外線の透過を低減する方法をさらに提供する。この方法は、本発明のソーラーコントロール積層体を作成するステップと、このソーラーコントロール積層体を構造体の外部窓中に挿入するステップとを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
特殊な場合に限定されることを除けば、本明細書における定義は、本明細書全体で使用される用語に適用される。
【0019】
本明細書において使用される場合、用語「ソーラーコントロール」は、太陽によって放射されるあらゆる波長の放射線の強度を低下させることを意味する。好ましくは、本発明において、赤外または近赤外波長の強度は低下し、可視波長波長の強度は実質的に変化しない。これらの条件下で、熱の透過が低減し、同時に視覚的透明性は維持され、着色物体の外観は実質的に歪むことはない。
【0020】
本明細書において使用される場合、用語「有限量」および「有限値」は0を超える量または値を意味する。
【0021】
本明細書において使用される場合、用語「約」は、量、大きさ、処方、パラメータ、ならびにその他の量および特性が、厳密ではなく、厳密である必要もなく、許容範囲、換算率、丸め、測定誤差など、および当業者に周知の他の要因を反映させて、所望の通りに近似したり、および/または増減させたりすることができることを意味する。一般に、量、大きさ、処方、パラメータ、あるいはその他の量または特性は、そのように明記されていてもされていなくても、「約」または「およそ」となる。
【0022】
本明細書において単独で使用される場合、用語「または」は包含的であり、より具体的には、語句「AまたはB」は「A、B、またはAとBとの両方」を意味する。本明細書において排他的な「または」は、例えば「AまたはBのいずれか」および「AまたはBの一方」などの用語で表される。
【0023】
本明細書において材料、方法、または機械が用語「当業者に周知」、あるいは同義の単語または語句とともに記載される場合、その用語は、本出願の出願時に従来技術である材料、方法、および機械が本明細書の説明に含まれていることを意味する。現在のところ従来技術ではないが、類似の目的で好適であると当技術分野において認識されるようになるであろう材料、方法、および機械も含まれている。
【0024】
特定の場合に限定されない限り、本明細書において使用されるすべてのパーセント値、部、比率などは、重量を基準としている。
【0025】
最後に、特に明記しない限り、本明細書に記載される範囲は、その範囲の端点を含んでいる。さらに、量、濃度、あるいはその他の値またはパラメータが、ある範囲、1つ以上の好ましい範囲、または上位の好ましい値と下位の好ましい値との一覧として与えられる場合、このことを、あらゆる上限値または上位の好ましい値とあらゆる下限値または下位の好ましい値とのあらゆる組から形成されるすべての範囲を、このような組が別々に開示されているかどうかとは無関係に、明確に開示しているものとして理解すべきである。
【0026】
一態様においては、本発明は、可塑剤と、フタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物とから実質的になる組成物を提供する。この組成物は、以下により詳細に説明するフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物と樹脂とを含有するソーラーコントロール層の前駆体として有用である。
【0027】
本明細書において使用される場合、用語「フタロシアニン化合物」は、フタロシアニンおよびそのイオン、金属フタロシアニン、フタロシアニン誘導体、およびそれらのイオン、ならびに金属化フタロシアニン誘導体を意味する。本明細書において使用される場合、用語「フタロシアニン誘導体」は、フタロシアニン核を有するあらゆる化合物を意味する。言い換えると、フタロシアニン誘導体としては、テトラベンゾ[b,g,l,q]−5,10,15,20−テトラアザポルフィリン部分を含む分子であって、フタロシアニン部分の1位、2位、3位、4位、8位、9位、10位、11位、15位、16位、17位、18位、22位、23位、24位、または25位の炭素原子に結合した周辺水素原子のいずれかの代わりに、任意の数の周辺置換基を有するあらゆる分子が挙げられる。2つ以上の周辺置換基が存在する場合、それらの周辺置換基は同種であっても異種であってもよい。
【0028】
本明細書において使用される場合、用語「ナフタロシアニン化合物」は、ナフタロシアニンおよびそのイオン、金属ナフタロシアニン、ナフタロシアニン誘導体およびそれらのイオン、ならびに金属化ナフタロシアニン誘導体を意味する。本明細書において使用される場合、用語「ナフタロシアニン誘導体」は、ナフタロシアニン核を有するあらゆる化合物を意味する。言い換えると、ナフタロシアニン誘導体としては、テトラナフタロ[b,g,l,q]−5,10,15,20−テトラアザポルフィリン部分を含む分子であって、ナフタロシアニン部分の炭素原子に結合した周辺水素原子のいずれかの代わりに、任意の数の周辺置換基を有するあらゆる分子が挙げられる。2つ以上の周辺置換基が存在する場合、それらの周辺置換基は同種であっても異種であってもよい。
【0029】
本発明において使用すると好適なフタロシアニン化合物およびナフタロシアニン化合物としては、赤外線吸収性性のあらゆるフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物が挙げられる。一部の好適なフタロシアニン化合物およびナフタロシアニン化合物は、染料として機能することができ、すなわち、それらは可塑剤組成物に対して可溶性となる。あるいは、他のものは顔料として機能することができ、すなわち、それらは可塑剤組成物に対して不溶性となる。
【0030】
好適なフタロシアニン化合物およびナフタロシアニン化合物は金属化することができ、例えば、ナトリウム、カリウム、およびリチウムなどの一価金属;銅、亜鉛、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金、マンガン、スズ、バナジウム、およびカルシウムなどの二価金属;あるいは三価金属、四価金属、またはさらに高い価数を有する金属を使用して金属化することができる。
【0031】
一般に、二価金属を含有するものを除けば、あらゆる金属化フタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物の電荷は、金属イオンに対して軸方向に配位する場合が多い適切な電荷の陽イオンまたは陰イオンによってバランスがとられる。好適なイオンの例としては、ハロゲン陰イオン、金属イオン、水酸化物陰イオン、酸化物陰イオン(O2-)、アルコキシド陰イオンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましい金属フタロシアニン化合物および金属ナフタロシアニン化合物としては、例えば、DAl3+Cl-、DAl3+Br-、DIn3+Cl-、DIn3+Br-、DIn3+-、DSi4+(Cl-2、DSi4+(Br-2、DSi4+(F-2、DSn4+(Cl-2、DSn4+(Br-2、DSn4+(F-2、DGe4+(Cl-2、DGe4+(Br-2、DGe4+(F-2、DSi4+(OH-2、DSn4+(OH-2、DGe4+(OH-2、DV4+2-、およびDTi4+2-が挙げられ、式中の「D」は、フタロシアニンまたはナフタロシアニンの二価陰イオン、あるいは周辺が置換されたフタロシアニンまたはナフタロシアニンの二価陰イオンを意味する。好ましくは、フタロシアニン化合物の場合、この金属は、銅(II)、ニッケル(II)、あるいは銅(II)とニッケル(II)との混合物を含む。好ましくは、ナフタロシアニン化合物の場合、この金属は、銅(II)、ニッケル(II)、ケイ素(IV)、あるいは銅(II)、ニッケル(II)、およびケイ素(IV)の2種類以上の混合物を含む。
【0032】
最も好ましくは、本発明のフタロシアニン化合物およびナフタロシアニン化合物は金属化されていない。
【0033】
フタロシアニン誘導体およびナフタロシアニン誘導体が好ましい。好ましくは、フタロシアニン誘導体の場合、4つの周辺ベンゾ環のそれぞれの1つの水素原子が、対称または非対称に置換されている。また、好ましくは、フタロシアニン誘導体は、1位、4位、8位、11位、15位、18位、22位、および25位で置換されていてもよく、あるいは16の周辺炭素位置すべてで置換されていてもよい。好ましくは、ナフタロシアニン誘導体の場合、4つの周辺ナフタロ環のそれぞれの1つまたは2つの水素原子が、対称または非対称に置換されている。また、好ましくは、ナフタロシアニン誘導体は、24の周辺炭素位置すべてで置換されていてもよい。
【0034】
フタロシアニン誘導体またはナフタロシアニン誘導体の好適な置換基としては、ハロゲン、アルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシル基、アリールオキシ基、ならびに部分ハロゲン化または過ハロゲン化アルキル基が挙げられる。上記アルキル置換基は、線状であっても分岐していてもよい。好ましいアルキル置換基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、1,3−ジメチルブチル基、1−イソプロピルプロピル基、1,2−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、1,4−ジメチルペンチル基、2−メチル−1−イソプロピルプロピル基、1−エチル−3−メチルブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−メチル−1−イソプロピルブチル基、2−メチル−1−イソプロピルブチル基、1−t−ブチル−2−メチルプロピル基、n−ノニル基、およびそれらの混合物が挙げられる。アルコキシアルキル置換基の具体例としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、メトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基、ジメトキシメチル基、ジエトキシメチル基、ジメトキシエチル基、ジエトキシエチル基、およびそれらの混合物が挙げられる。部分ハロゲン化または過ハロゲン化アルキル置換基の具体例としては、クロロメチル基、2,2,2−トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基、およびそれらの混合物が挙げられる。アリールオキシ置換基の具体例としては、フェノキシ、4−tert−ブチルフェニルオキシ基、4−クミルフェノキシ基、ナフチルオキシ基、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0035】
より好ましくは、本発明のフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物は、アルコキシ置換フタロシアニンまたはアルコキシ置換ナフタロシアニンを含む。四置換および八置換アルコキシフタロシアニン化合物または四置換および八置換アルコキシナフタロシアニン化合物が好ましい。好ましいアルコキシル基の例としては、メトキシル、エトキシル、n−プロポキシル、イソプロポキシル、n−ブトキシル、イソブトキシル、sec−ブトキシル、tert−ブトキシル、n−ペントキシル、イソペントキシル、ネオペントキシル、1,2−ジメチルプロポキシル、n−ヘキシルオキシル、イソヘキシルオキシル、ネオヘキシルオキシル、シクロヘキシルオキシル、ヘプチルオキシル、1,3−ジメチルブトキシル、1−イソプロピルプロポキシル、1,2−ジメチルブトキシル、1,4−ジメチルペントキシル、2−メチル−1−イソプロピルプロポキシル、1−エチル−3−メチルブトキシル、2−エチルヘキソキシル、3−メチル−1−イソプロピルブトキシル、2−メチル−1−イソプロピルブトキシル、1−t−ブチル−2−メチルプロポキシル、n−オクチルオキシル、n−ノニルオキシル、n−デシルオキシル、およびそれらの混合物が挙げられる。ブトキシル基が好ましい。
【0036】
好ましいフタロシアニン化合物の具体例としては、アルミニウム1,4,8,11,15,18,22,25−オクタブトキシ−29H,31H−フタロシアニントリエチルシロキシド;銅(II)1,4,8,11,15,18,22,25−オクタブトキシ−29H,31H−フタロシアニン;ニッケル(II)1,4,8,11,15,18,22,25−オクタブトキシ−29H,31H−フタロシアニン;1,4,8,11,15,18,22,25−オクタブトキシ−29H,31H−フタロシアニン;亜鉛1,4,8,11,15,18,22,25−オクタブトキシ−29H,31H−フタロシアニン;銅(II)2,3,9,10,16,17,23,24−オクタキス(オクチルオキシ)−29H,31H−フタロシアニン;2,3,9,10,16,17,23,24−オクタキス(オクチルオキシ)−29H,31H−フタロシアニン;ケイ素2,3,9,10,16,17,23,24−オクタキス(オクチルオキシ)−29H,31H−フタロシアニンジヒドロキシド;亜鉛2,3,9,10,16,17,23,24−オクタキス(オクチルオキシ)−29H,31H−フタロシアニン;およびそれらの混合物が挙げられる。
【0037】
さらにより好ましくは、本発明のフタロシアニン化合物は、n−ブトキシル置換フタロシアニン化合物を含む。この場合も、四置換および八置換アルコキシフタロシアニン化合物が好ましい。好ましいブトキシルフタロシアニン化合物の具体例としては、アルミニウム1,4,8,11,15,18,22,25−オクタブトキシ−29H,31H−フタロシアニントリエチルシロキシド;銅(II)1,4,8,11,15,18,22,25−オクタブトキシ−29H,31H−フタロシアニン;ニッケル(II)1,4,8,11,15,18,22,25−オクタブトキシ−29H,31H−フタロシアニン;1,4,8,11,15,18,22,25−オクタブトキシ−29H,31H−フタロシアニン;亜鉛1,4,8,11,15,18,22,25−オクタブトキシ−29H,31H−フタロシアニン;およびそれらの混合物が挙げられる。
【0038】
好ましいナフタロシアニン化合物の具体例としては、例えば、アルミニウム5,9,14,18,23,27,32,36−オクタブトキシ−2,3−ナフタロシアニントリエチルシロキシド、銅(II)5,9,14,18,23,27,32,36−オクタブトキシ−2,3−ナフタロシアニン、ニッケル(II)5,9,14,18,23,27,32,36−オクタブトキシ−2,3−ナフタロシアニン、5,9,14,18,23,27,32,36−オクタブトキシ−2,3−ナフタロシアニン、亜鉛5,9,14,18,23,27,32,36−オクタブトキシ−2,3−ナフタロシアニン、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0039】
あるいは、好ましいフタロシアニン化合物およびナフタロシアニン化合物は、光学的性質の好都合なバランスを示すことによって実験的に同定することができる。フタロシアニン化合物およびナフタロシアニン化合物を含有するフィルム、あるいはそのようなフィルムを含む積層体に対して、透過スペクトルが得られる。所与のフィルムの透過スペクトルを処理したもの、または所与の積層体の測定透過スペクトルを、後述のシミュレーションプログラムに使用することで、太陽スペクトル中のすべての光の透過率である太陽光透過率(Tsol-sim)、および、処理された透過スペクトルを有する樹脂中間層を含有するシミュレートされるガラス/樹脂/ガラス積層体に対する人間の肉眼の感度で重み付けした可視光スペクトルにおける光の透過率である可視光透過率(Tvis-sim)が計算される。Tvis-sim、ならびにガラスおよび樹脂のパラメータを使用して、Tvis-simが0.65〜0.75の間となるような、ポリビニルブチラールまたはエチレン−コ−酢酸ビニル中の好ましいフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物の濃度が計算される。好ましいフタロシアニン化合物では、(0.932Tvis-sim−0.146)未満のTsol-simが得られる。より好ましいフタロシアニン化合物では、(0.964Tvis-sim−0.192)未満のTsol-simが得られ、さらにより好ましいフタロシアニン化合物では(1.086Tvis-sim−0.305)未満のTsol-simが得られ。好ましいナフタロシアニン化合物では(0.481Tvis-sim−0.166)未満のTsol-simが得られる。
【0040】
別の分析によって、好ましいフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物を規定することもできる。例えば、本発明のフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物、ならびにその計算濃度は、所望するあらゆる可視光透過率が得られるように調整することができる。より具体的には、自動車のフロントガラス用途では、一般に0.75以上の可視光透過率が必要となる。しかし、建築用積層体では、0.50以下などのはるかに低い可視光透過率を有することができる。
【0041】
好ましくは、フタロシアニン/可塑剤またはナフタロシアニン/可塑剤組成物の全重量を基準とした、可塑剤中のフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物の量は、約0.0001〜約10重量%、より好ましくは約0.001〜約5重量%、より好ましくは約0.001〜約1重量%、より好ましくは約0.01〜約0.1重量%である。
【0042】
本発明の組成物に好適な可塑剤としては、当技術分野において周知のあらゆるものを挙げることができる。好ましい可塑剤は、当技術分野において周知であり、例えば米国特許第3,841,890号明細書、同第4,144,217号明細書、同第4,276,351号明細書、同第4,335,036号明細書、同第4,902,464号明細書、同第5,013,779号明細書、および国際公開第96/28504号パンフレットにおいて開示されている。一般に使用される可塑剤は、多塩基酸または多価アルコールのエステルである。好ましい可塑剤は、トリエチレングリコールまたはテトラエチレングリコールと、6〜10個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸との反応によって得られるジエステル;セバシン酸と、1〜18個の炭素原子を有する脂肪族アルコールとの反応によって得られるジエステル;オリゴエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ヘプチルとアジピン酸ノニルとの混合物、セバシン酸ジブチル、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスファイト、油変性セバシドアルキド(sebacid alkyd)などのポリマー可塑剤、ならびにホスフェートとアジペートとの混合物、ならびにアジペートとアルキルベンジルホスフェートとの混合物、ならびにそれらの混合物である。より好ましい可塑剤は、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、セバシン酸ジブチル、およびそれらの混合物である。最も好ましい可塑剤は、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートおよびテトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエートである。1種類の可塑剤を使用することもできるし、複数の可塑剤の混合物を使用することもできる。便宜上、本発明の組成物について説明する場合、本明細書において複数の可塑剤の混合物を「可塑剤」と呼ぶことができる。すなわち、本明細書において使用する場合、用語「可塑剤」の単数形は、1種類の可塑剤の使用、または2種類以上の可塑剤の混合物の使用のいずれかを表すことができる。
【0043】
本発明の組成物の配合において、加工助剤、流動促進剤、潤滑剤、顔料、染料、難燃剤、衝撃改質剤、結晶化度を増加させるための核剤、シリカなどのブロッキング防止剤、熱安定剤、UV吸収剤、UV安定剤、分散剤、界面活性剤、キレート剤、カップリング剤、接着剤、プライマー、架橋剤、硬化剤、pH調整剤、消泡剤、および湿潤剤を含むと好都合となる場合がある。これらの添加剤の具体的な種類、それらの量、および本発明の組成物中に添加剤を混入する方法は、当技術分野において周知の方法により選択することができる。
【0044】
本発明は、赤外線吸収性のフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物と、樹脂とを含むソーラーコントロール組成物をさらに提供する。好ましくは、この樹脂はポリビニルブチラールまたはエチレン−コ−酢酸ビニルを含む。本明細書において、このソーラーコントロール組成物を「マトリックス組成物」と呼ぶ場合もある。
【0045】
本発明のソーラーコントロール組成物は、20,000psi(138MPa)〜1000psi(7MPa)、好ましくは15,000psi(104MPa)〜1000psi(7MPa)の弾性率を有する樹脂を含む。マトリックス樹脂の例としては、ポリ(エチレン−コ−酢酸ビニル);エチルアクリルアセテート(ethyl acrylic acetate)(EM);メタクリル酸エチル(EMAC);メタロセン触媒によるポリエチレン;可塑化ポリ(塩化ビニル);米国特許第5,624,763号明細書および同第5,464,659号明細書などに記載されているISD樹脂;ポリウレタン;例えば、米国特許第4,382,996号明細書および同第5,773,102号明細書などに記載されており、Sekisui Companyより市販されている遮音性変性ポリ(塩化ビニル);可塑化ポリ(ビニルブチラール);例えば、特開平05−138840号公報などに記載されている遮音性変性ポリ(ビニルブチラール)、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。これらの材料のそれぞれの弾性率は、米国特許第6,432,522号明細書に記載されている。好ましくは、本発明のマトリックス樹脂は、エチレン酢酸ビニルコポリマーまたはポリビニルブチラールを含む。
【0046】
本発明のソーラーコントロール組成物は、少なくとも1種類のフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物も含む。ソーラーコントロール組成物が赤外線カットオフフィルターとして使用される場合、フタロシアニン化合物の量は、ソーラーコントロール組成物の全重量を基準として、約0.01〜約80重量パーセント;好ましくは約0.01〜約10重量パーセント;より好ましくは約0.01〜約5重量パーセントである。ソーラーコントロール組成物が赤外線カットオフフィルターとして使用される場合、ナフタロシアニン化合物の量は、ソーラーコントロール組成物の全重量を基準として、約0.01〜約50重量パーセント;好ましくは約0.01〜約10重量パーセント;より好ましくは約0.01〜約5重量パーセントである。ソーラーコントロール組成物が濃縮物として調製される場合、ソーラーコントロール組成物中のフタロシアニン化合物の量は、組成物の全重量を基準として、約30〜約80重量パーセント;好ましくは約30〜約50重量パーセント;より好ましくは約35〜約45重量パーセントである。ソーラーコントロール組成物が濃縮物として調製される場合、ソーラーコントロール組成物中のナフタロシアニン化合物の量は、組成物の全重量を基準として、約30〜約50重量パーセント;より好ましくは約35〜約45重量パーセントである。
【0047】
本発明のマトリックス組成物は、1種類以上の可塑剤を含むこともできる。分散剤、界面活性剤、キレート剤、カップリング剤、UV吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)、加工助剤、流動促進剤、潤滑剤、顔料、染料、難燃剤、衝撃改質剤、結晶化度を増加させるための核剤、シリカなどのブロッキング防止剤、熱安定剤、UV安定剤、接着剤、プライマー、架橋剤、硬化剤、pH調整剤、消泡剤、無機赤外線吸収剤、有機赤外線吸収剤、および湿潤剤。これらの添加剤の好適な量、およびポリマー組成物にこれらの添加剤を混入する方法は、当業者が利用可能である。例えば、”Modern Plastics Encyclopedia”,McGraw−Hill,New York,NY 1995を参照されたい。
【0048】
本発明のソーラーコントロール組成物は、あらゆる好適な方法によって製造することができる。好ましくは、溶融した樹脂を、フタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物、ならびに他の任意選択の成分と高剪断混合することによって、フタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物が樹脂中に分散される。この高剪断混合は、スタティックミキサー、ラバーミル、Brabenderミキサー、一軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、加熱または非加熱の二本ロールミルなどによって行うことができる。樹脂および/またはマトリックス組成物は、任意の乾燥ステップの前に乾燥させることができる。次に、マトリックス組成物は、追加のフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物、ならびに他の任意選択の成分とドライブレンドとして混合することができ、これは典型的には「ペレットブレンド」と呼ばれる。あるいは、樹脂、ならびにフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物は、2つの異なるフィーダを介して同時に供給することもできる。あるいは、フタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物を、溶媒中または可塑剤中に溶解、分散、または懸濁させて、濃縮物を形成することもできる。この濃縮物は、次に、強力な溶融混合法によって樹脂に加えられる。一般に、樹脂の溶融加工温度は、約50℃〜約300℃の範囲内である。厳密な加工条件は、個別の樹脂によって異なる。樹脂および濃縮物の量は、ソーラーコントロール組成物中のフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン(napthalocyanine)化合物の最終的な濃度によって、太陽放射線の透過の望ましい低減が得られるように選択される。
【0049】
マトリックス樹脂中のフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物の量は、フタロシアニン粒子またはナフタロシアニン粒子を使用可能な大きさまで減少させるプロセスの効率に影響を与える。透明性を最適にするためには、好ましくは粒子は、ほぼナノ粒子である。周知の通り、ポリマー/粒子ブレンドの溶融粘度は、一般に粒子の体積濃度の増加とともに増加する。したがって粒子の体積濃度は、混合プロセス中に大きな剪断応力が加わるのに十分な高い溶融粘度が得られる範囲内となる必要がある。この剪断応力によって、粗製のフタロシアニン粒子またはナフタロシアニン粒子を一次粒子まで解凝集される。逆に、樹脂中の粒子で得られる最高濃度は、選択した装置で加工可能な最高溶融粘度によって制限される。
【0050】
本発明は、本発明のソーラーコントロール組成物を含む成形品をさらに提供する。本発明の成形品は、好ましくはコーティング、フィルム、多層フィルム、シート、または多層シートである。
【0051】
好ましくは、本発明の成形品はソーラーコントロール層である。本発明のソーラーコントロール層は、コーティング、フィルム、シート、多層フィルム、または多層シートであってよい。フィルムとシートとの違いは厚さであるが、フィルムがシートとなる厚さを定義する工業基準は存在しない。本発明の目的では、フィルムは約10ミル(0.25mm)以下の厚さを有する。好ましくは、フィルムは約0.5ミル(0.012mm)〜約10ミル(0.25mm)の厚さを有する。より好ましくは、フィルムは約1ミル(0.025mm)〜約5ミル(0.13mm)の厚さを有する。自動車用途の場合、フィルムの厚さは、約1ミル(0.025mm)〜約4ミル(0.1mm)の範囲内が好ましくなり得る。本発明の目的では、シートは約10ミル(0.25mm)を超える厚さを有する。好ましくは、シートは約15ミル(0.38mm)以上の厚さを有する。より好ましくは、シートは約30ミル(0.75mm)以上の厚さを有する。
【0052】
フィルム中に使用すると好ましいポリマー樹脂としては、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ノルボルネンポリマー、ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、スチレン−アクリレートコポリマー、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ナイロン、ポリ(ウレタン)、アクリル、酢酸セルロース、セルローストリアセテート、塩化ビニルポリマー、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ(ビニルブチラール)、エチレン−コ−酢酸ビニルなどが挙げられる。好ましくは、本発明のフィルムは、二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムである。
【0053】
シート中に使用すると好ましいポリマー樹脂としては、独立に選択された20,000psi(138MPa)〜1000psi(7MPa)の弾性率を有するポリマーが挙げられる。より好ましくは、本発明のシートは、独立に選択された15,000psi(104MPa)〜1000psi(7MPa)の弾性率を有するポリマーを含む。シート中に使用されるマトリックス材料およびポリマー樹脂の好ましい例としては、例えば、ポリ(エチレン−コ−酢酸ビニル)組成物;エチルアクリルアセテート(ethyl acrylic acetate);メタクリル酸エチル;メタロセン触媒によるポリエチレン;可塑化ポリ(塩化ビニル);ISD樹脂;ポリウレタン;Sekisui Companyより市販されているものなどの遮音性変性ポリ(塩化ビニル);可塑化ポリ(ビニルブチラール)組成物;遮音性変性ポリ(ビニルアセタール)組成物、遮音性変性ポリ(ビニルブチラール)組成物;およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0054】
好ましくは、本発明のソーラーコントロール層は可視光に対して透明である。また好ましくは、本発明のフィルムおよびシート組成物の溶融加工温度は、約50℃〜約300℃であり、より好ましくは約100℃〜約250℃である。本発明のフィルムおよびシート組成物は一般に優れた熱安定性を有するため、有効溶融粘度を低下させるのに十分な高温で加工することができる。
【0055】
シートの場合、ポリ(ビニルブチラール)は、より好ましいポリマー樹脂である。好ましいポリ(ビニルブチラール)樹脂は、小角レーザー光散乱を使用してサイズ排除クロマトグラフィーによって測定した場合に、約30,000〜約600,000ダルトンの範囲、好ましくは約45,000〜約300,000ダルトンの範囲、より好ましくは約200,000〜300,000ダルトンの範囲の重量平均分子量を有する。好ましいポリ(ビニルブチラール)材料は、ポリビニルアルコール(PVOH)として計算して重量基準で、約5〜約30パーセント、好ましくは約11〜約25パーセント、およびより好ましくは約15〜約22パーセントのヒドロキシル基を含む。さらに、好ましいポリ(ビニルブチラール)材料は、ポリビニルエステルとして計算して、約0〜約10パーセント、好ましくは約0〜約3パーセントの残留エステル基、典型的にはアセテート基を含み、残分がブチルアルデヒドアセタールである。ポリ(ビニルブチラール)は、米国特許第5,137,954号明細書に記載されているように、2−エチルヘキサナールなどのブチラール以外のアセタール基を比較的少量含むこともできる。ポリ(ビニルブチラール)樹脂は、水性または溶媒アセタール化によって、あるいはあらゆる他の好適な手段によって製造することができる。
【0056】
好ましくは、ポリ(ビニルブチラール)は、少なくとも1種類の可塑剤を含有する。可塑剤の総量は、個別のポリ(ビニルブチラール)樹脂および望まれる性質に依存する。一般に使用される可塑剤は、多塩基酸または多価アルコールのエステルである。
【0057】
ポリ(エチレン−コ−酢酸ビニル)樹脂も、シート用のより好ましいポリマー樹脂である。好適なポリ(エチレン−コ−酢酸ビニル)樹脂としては、Bridgestone Corporation、Exxon Corporation、Specialized Technologies Resources,Inc.、およびE.I.du Pont de Nemours & Co.(「DuPont」)(Wilmington,DE)から得ることができる樹脂が挙げられる。
【0058】
ポリ(エチレン−コ−酢酸ビニル)樹脂には、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸、メタクリル酸、およびそれらの混合物などの他の不飽和コモノマーを組み込むことができる。前述のあらゆる可塑剤をポリ(エチレン−コ−酢酸ビニル)樹脂とともに使用することができる。
【0059】
ガラス剛性層と本発明のポリマーフィルムまたはシートとの間の接着接合などを制御するために、ポリ(ビニルブチラール)を含むフィルムまたはシート中に接着調整剤を含めることができる。接着調整剤は一般に、有機酸または無機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩であるである。
【0060】
本発明のソーラーコントロール層は、本発明のソーラーコントロール組成物中に使用するための前述の1種類以上の添加剤を含むことができる。これらの層は、当業者によって好適であると認識されるであろう他の添加剤を含むこともできる。
【0061】
本発明のソーラーコントロール層は、あらゆる好適な手段によって作成することができる。ある好ましい手段については、以下に詳細に説明している。本発明の組成物(フタロシアニンまたはナフタロシアニン/可塑剤組成物およびソーラーコントロール組成物)は、ソーラーコントロール層の製造における中間物として使用することができる。例えば、ソーラーコントロール組成物を濃縮物として樹脂とのペレットブレンドに濃縮物として加えて、ソーラーコントロールシートを形成することができる。本発明のソーラーコントロール層を形成するための本発明の組成物の他の使用は当業者には明らかであろう。
【0062】
薄いフィルムは、例えば、米国特許第4,372,311号明細書に記載されているような浸漬コーティング、米国特許第4,427,614明細書に記載されているような圧縮成形、米国特許第4,880,592明細書に記載されているような溶融押出、米国特許第5,525,281明細書に記載されているようなメルトブロー、またはその他の好適な方法によって形成することができる。ポリマーシートは、押出成形、カレンダー加工、溶液流延、または射出成形などによって形成することができる。当業者であれば、ポリマーの組成、ならびにシートまたはフィルムの形成に使用される方法に基づいて適切なプロセスパラメータを決定することができるであろう。
【0063】
しかし好ましくは、本発明のソーラーコントロールフィルムは溶液流延または押出成形によって形成され、本発明のソーラーコントロールシートは押出成形よって形成される。連続した長さで出現するフィルムおよびシートなどの「エンドレス」製品を形成する場合には、押出成形が特に好ましい。
【0064】
本発明のソーラーコントロール層は、2つ以上の層を有する多層積層体を含む。多層フィルムおよびシート構造は、例えば、同時押出、インフレーションフィルム、浸漬コーティング、溶液コーティング、ブレード、パドル、エアナイフ、印刷、Dahlgren、グラビア印刷、粉末コーティング、吹き付け、または他の技術分野の方法などのあらゆる好適な手段によって形成することができる。個別の層は、熱、接着剤、および/または結合層などによって互いに接合させることができる。好ましくは、多層フィルムは、押出キャスティング法によって製造される。
【0065】
本発明のシートおよびフィルムは、平滑な表面を有することができる。しかし好ましくは、積層体中の中間層として使用されるシートは、積層プロセス中に積層体の複数の表面の間から大部分の空気を効率的に除去できるようにするため、少なくとも1つの粗面を有する。
【0066】
本発明のソーラーコントロール層は、本発明の組成物が片面または両面にコーティングされたフィルムまたはシートを含むことができる。このコーティングは、コーティング溶液の適用などによって行うことができる。用語「コーティング溶液」は、1種類以上のポリマー溶液、1種類以上のポリマー前駆体溶液、1種類以上のエマルジョンポリマー、あるいは、1種類以上のポリマー溶液、ポリマー前駆体溶液、またはエマルジョンポリマーの混合物の中に、溶解、分散、または懸濁させたフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物を含む。
【0067】
コーティング溶液は、バインダーを溶解、部分的に溶解、分散、または懸濁させる1種類以上の溶媒を含むことができる。溶媒または溶媒混合物は、マトリックス樹脂の溶解性、結果として得られるコーティング溶液の表面張力、およびコーティング溶液の蒸発速度、使用されるフタロシアニン化合物の極性および表面特性、ならびにあらゆる分散剤および他の添加剤の化学的性質、コーティングの粘度、ならびにコーティングの表面張力とその表面エネルギーのフィルム材料との適合性などの性質を考慮して選択される。溶媒または溶媒混合物は、バインダー材料に対して化学的に不活性でもあるべきである。
【0068】
あるいは、溶媒を部分的または完全に可塑剤で置き換えることもできる。好適な可塑剤は詳細に前述している。次に、可塑剤を主成分とするコーティング溶液、懸濁液、または分散液は、溶媒を主成分とするコーティング溶液と同様にして処理することができる。
【0069】
コーティングの厚さは、コーティング溶液中の溶媒の量にある程度依存し、コーティング溶液中のフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物の量は、コーティング溶液中のバインダーおよび溶媒の量、ならびにコーティング中のフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物の所望する量に大きく依存する。
【0070】
コーティング溶液を調製するためには、フタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物、マトリックス樹脂、場合による添加剤、ならびに溶媒を混合することで、フタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物をポリマー溶液全体に均一に分散させる。あるいは、国際公開第01/00404号パンフレットおよび米国特許第5,487,939号明細書などに記載されているように、マトリックス樹脂、ならびにフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物をともに混練することによって濃縮物を形成することができ、次にこれを溶媒に加えることができる。コーティング溶液の形成方法とは無関係に、ボールミル粉砕、ロールミル粉砕、サンドグラインダ粉砕、ペイントシェーカ、ニーダ、ディゾルバー、超音波分散機などで粉砕して、フタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物を解凝集させることができる。
【0071】
あるいは、フタロシアニン含有またはナフタロシアニン含有コーティングは、1種類以上の放射線硬化性モノマーおよび/またはオリゴマーを含む化学線硬化性コーティングであってもよい。好適な放射線硬化性マトリックス材料は、例えば米国特許第5,504,133号明細書に記載されている。
【0072】
あるいは、フタロシアニン含有またはナフタロシアニン含有コーティングは、米国特許第6,191,884号明細書などに記載される光カチオン硬化性マトリックス材料を含むこともできる。一般に、光カチオン硬化性マトリックス材料は、エポキシド材料および/またはビニルエーテル材料を含む。
【0073】
あるいは、フタロシアニン含有またはナフタロシアニン含有コーティング組成物は、加熱プロセスによって硬化させることもできる。加熱プロセスに基づく効果が望ましい場合、光開始剤の代わりにアゾビスイソブチロニトリルなどの適切なラジカル重合開始剤をコーティング組成物中に混入することが好ましい。好ましい熱硬化性バインダーとしては、例えば、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、およびそれらの混合物などの熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0074】
好ましくは、乾燥したコーティングの厚さは、10ミル(0.25mm)以下であり、より好ましくは約0.1ミル(0.0025mm)〜約5ミル(0.13mm)の間である。約20ミル(0.50mm)以上の厚さのより厚いコーティングを形成することもできる。
【0075】
本発明のポリマーフィルムまたはシートは、あらゆる好適なコーティング方法によってコーティングすることができる。押出成形が、ポリマーフィルムおよびシートの特に好ましいコーティング方法である。基材上へのコーティングの溶融押出は、例えば、米国特許第5,294,483号明細書、同第5,475,080号明細書、同第5,611,859号明細書、同第5,795,320号明細書、同第6,183,814号明細書、および同第6,197,380号明細書に記載されている。あるいは、ポリマーフィルムまたはシートの上にコーティング溶液を流延し、乾燥させることによってソーラーコントロールフィルムを形成することもできる。一般に溶液流延では、溶融押出よりも安定したコーティング厚さが得られる。
【0076】
ソーラーコントロール層の好ましい形成方法の1つは転写印刷である。好適な転写印刷方法は、一般に、コート紙またはポリエステルフィルムなどの剥離可能な基材の上にソーラーコントロール組成物をコーティングするステップを含む。乾燥または硬化させた後、そのコーティング、すなわちソーラーコントロール層を、ポリマー基材または剛性シートの表面に接触させた後、その剥離可能な基材から基材上に転写する。必要であれば、剥離可能な基材のコーティングされていない面を加熱して、コーティングの剥離および基材への接着を促進することができる。転写印刷に関する一般的な情報は、欧州特許第0 576 419号明細書に記載されている。
【0077】
好ましくは、接着性を向上させるために、ソーラーコントロール層の片面または両面が処理される。実質的にあらゆる接着剤またはプライマーが、本発明における使用に好適である。接着剤またはプライマーを使用する場合、当業者であれば、ソーラーコントロール層、接着剤、またはプライマーの組成、ならびにコーティング処理に基づいた適切なコーティング厚さおよびプロセスパラメータを決定できるであろう。
【0078】
本発明のソーラーコントロール層は、外部ポリマー層をすりきず、摩耗、および類似の損傷から保護するために、片面または両面の上に紫外線(UV)硬化性樹脂から形成されたハードコート層を有することもできる。あらゆる好適なハードコート配合物を使用することができる。好ましいハードコートの1つが米国特許第4,027,073号明細書に記載されている。
【0079】
本発明は、本発明のソーラーコントロール層を含むソーラーコントロール積層体も提供する。さらに、このソーラーコントロール積層体は、フィルムまたはシートの上にフィルム、シート、またはコーティングであってよい少なくとも1つの追加層を含むことができる。この追加層は、ソーラーコントロール層またはソーラーコントロールフィルムであってよい。追加層がシートである場合、それが剛性または可撓性のシートであってよい。ある好ましい実施形態においては、ソーラーコントロール積層体は、1つ以上の剛性シートと、ソーラーコントロール層と、少なくとも1つの追加層とを含む。
【0080】
追加フィルム層としての使用に好ましいフィルムとしては、延伸および非延伸のポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリウレタンフィルム、およびポリ塩化ビニルフィルムが挙げられる。好ましくは、追加フィルム層は二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)である。追加シート層としての使用に好ましいシートとしては、ポリビニルブチラール組成物、遮音性ポリビニルアセタール組成物、遮音性ポリビニルブチラール組成物、エチレン酢酸ビニル組成物、熱可塑性ポリウレタン組成物、ポリ塩化ビニルコポリマー組成物、およびエチレン酸コポリマー組成物、ならびにそれらから誘導されるアイオノマーを含むシートが挙げられる。
【0081】
好ましい剛性シートの1つはガラスである。本明細書において使用される場合、用語「ガラス」は、窓ガラス、厚板ガラス、ケイ酸塩ガラス、板ガラス、フロートガラス、色ガラス、ソーラーヒーティングを制御する成分などを含むことができる特殊ガラス、銀などのスパッタ金属がコーティングされたガラス、例えば、アンチモンスズ酸化物(ATO)および/またはインジウムスズ酸化物(ITO)がコーティングされたガラス、Eガラス、Solex(商標)ガラス(PPG Industries(Pittsburgh,PA))、ならびにToroglass(商標)を含んでいる。典型的なガラスの種類の1つは、厚さ90ミルのアニールした板ガラスであり、これは最適な接着を実現するためにガラスのスズ側を中間層の方に向けることが好ましい。あるいは、剛性シートは、例えば、ポリカーボネート、アクリル、ポリアクリレート、環状ポリオレフィン、メタロセン触媒によるポリスチレン、ならびにそれらの混合物または組み合わせなどの剛性ポリマーシートであってよい。好ましくは、剛性シートは透明である。しかし、ソーラーコントロール積層体において透明性または鮮明性が必要とされない場合には、金属またはセラミックの板を剛性シートとして使用することもできる。
【0082】
追加層は、音響障壁性などのさらなる特性を付与することができるし、有機赤外線吸収剤または反射剤などを含有する機能性コーティングを有することもできる。導電性が欠点とならない用途においては、機能性コーティングがスパッタリングされた金属層であってもよい。
【0083】
好ましいソーラーコントロール積層体は、1つのソーラーコントロール層および1つのポリマーフィルム;1つのソーラーコントロール層および1つのポリマーシート;1つのソーラーコントロール層および2つのポリマーシート;1つのソーラーコントロール層、1つのポリマーフィルム、および1つまたは2つのポリマーシートを含むことができる。
【0084】
本発明の好ましいソーラーコントロール積層体は、以下のような隣接層を含む構造も含む:ポリマーフィルム/ソーラーコントロール層;ポリマーシート/ソーラーコントロール層;剛性シート/ソーラーコントロール層;剛性シート/ポリマーシート/ソーラーコントロール層;第1の剛性シート/ポリマーシート/ソーラーコントロール層/追加ポリマーシート/第2の剛性シート;剛性シート/ポリマーシート/ソーラーコントロール層/追加ポリマーシート/追加フィルム;剛性シート/追加ポリマーシート/追加フィルム/ポリマーシート/ソーラーコントロール層;剛性シート/ポリマーシート/ソーラーコントロール層/第2のポリマーシート/追加フィルム/第3のポリマーシート/第2の剛性シート;および第1の剛性シート/ポリマーシート/ソーラーコントロール層/追加ポリマーシート/第2の剛性シート/第2の追加ポリマーシート/追加フィルム/第3の追加ポリマーシート/第3の剛性シート。上記の各実施形態において、「/」は隣接層を示している。さらに、任意のフィルムまたはシートの第2の層は、そのフィルムまたはシートの第1の層と同じであっても異なっていてもよい。同様に、第3の層も、そのフィルムまたはシートの第1および第2の層と同じであっても異なっていてもよく、以下同様となる。さらに、本発明のある好ましい実施形態においては、隣接層が互いに直接積層され、そのためそれらの層は隣り合っており、より好ましくは境を接している。
【0085】
あらゆる好適な方法を使用して、本発明のソーラーコントロール積層体を製造することができる。ソーラーコントロール積層体中の層の組成によって、ならびに剛性または可撓性のどちらの積層体が望ましいかによって、異なる方法および条件が望ましくなりうることを、当業者は認識している。
【0086】
例えば、ポリマーシートおよびソーラーコントロールフィルムは、ニップロール法において、互いに接合、および/または1つ以上の追加層への接合が可能である。追加層は、本発明のフィルムまたはシートとともに、1つ以上のカレンダーロールニップ中に供給され、その中で2つの層に中程度の圧力が加わり、その結果、弱く接合した積層体が形成される。一般に、接合圧力は、約10psi(0.7kg/cm2)〜約75psi(5.3kg/cm2)の範囲内であり、好ましくは圧力は約25psi(1.8kg/cm2)〜約30psi(2.1kg/cm2)の範囲内である。典型的なライン速度は、分速約5フィート(1.5m)〜約30フィート(9.2m)の範囲内である。このニップロール法は、オーブンまたは加熱したロールなどによって供給される中程度の加熱を使用して行うこともできるし、使用せずに行うこともできる。加熱する場合は、一時的な融着を促進するのに十分な温度、すなわちポリマーシートまたはフィルムの表面が粘着性となるのに十分な温度に、ポリマー表面が達するべきである。本発明の好ましいポリマーフィルムおよびシートに好適な表面温度は、約50℃〜約120℃の範囲内であり、好ましくは表面温度は約65℃である。融着後、積層体を1つ以上の冷却ロール上に通すことで、積層体に十分な強度が得られ、保管のために巻き取った場合に粘着しないようにすることができる。この目的を実現するためには、一般にプロセス水の冷却で十分である。
【0087】
ソーラーコントロール積層体を製造するための別の典型的な手順においては、ポリマーシート/ソーラーコントロールフィルム/ポリマーシート構造を有する中間層などの本発明のソーラーコントロール積層体を含む中間層を、2枚のガラス板の間に配置することで、ガラス/中間層/ガラス予備プレス組立体を形成する。好ましくは、これらのガラス板は、洗浄および乾燥を行ったものである。真空バッグ(例えば米国特許第3,311,517号明細書参照)、真空リング、または約27〜28インチ(689〜711mmHg)の真空を維持することができる別の装置を使用して、予備プレス組立体の層の間から空気を抜き取る。この予備プレス組立体を真空下で封止し、次にオートクレーブに入れて圧力下で加熱する。より好ましくなる順に、オートクレーブ内の温度は約130℃〜約180℃、約120℃〜約160℃、約135℃〜約160℃、または約145℃〜約155℃である。オートクレーブ内の圧力は、好ましくは約200psi(15bar)である。より好ましくなる順に、予備プレス組立体はオートクレーブ内で、約10〜約50分、約20〜約45分、約20〜約40分、または約25〜約35分加熱される。この加熱および加圧のサイクルの後、オートクレーブ内の圧力を維持するための追加のガスを加えることなく、オートクレーブ内の空気を冷却する。約20分の冷却後、過剰の空気圧を放出し、積層体をオートクレーブから取り出す。
【0088】
あるいは、ニップロール法を使用して、ソーラーコントロール積層体を製造することもできる。このような方法の1つにおいては、、ガラス/中間層/ガラス組立体を、オーブン中、約80℃〜約120℃の間、好ましくは約90℃〜約100℃の間で約30分間加熱する。その後、加熱されたガラス/中間層/ガラス組立体を1組のニップロールに通すことで、ガラスと中間層との間の空隙内の空気を排出する。この時点でこの構造体の端部を封止して予備プレス組立体を形成し、これを前述のようにオートクレーブ中で真空下で加工して、ソーラーコントロール積層体を作製することができる。
【0089】
ソーラーコントロール積層体は、オートクレーブを使用しない方法によって製造することもできる。オートクレーブを使用しない好適な方法のいくつかは、米国特許第3,234,062号明細書、同第3,852,136号明細書、同第4,341,576号明細書、同第4,385,951号明細書、同第4,398,979号明細書、同第5,536,347号明細書、同第5,853,516号明細書、同第6,342,116号明細書、同第5,415,909号明細書、米国特許出願公開第2004/0182493号明細書、欧州特許第1 235 683B1号明細書、ならびに国際公開第91/01880号パンフレットおよび国際公開第03/057478A1号パンフレットに記載されている。一般に、オートクレーブを使用しない方法は、予備プレス組立体の加熱と、真空、加圧、またはその両方の使用とを含む。例えば、予備プレス組立体は加熱オーブンおよびニップロールに通すことができる。
【0090】
建築における使用および運搬用車両における使用の場合、好ましいガラス積層体の1つは、2つのガラス層と、両方のガラス層に直接積層された、本発明のソーラーコントロール積層体を含む単一の中間層とを有する。好ましくは、中間層は第2のポリマーシートも含み、各ポリマーシートは一方のガラス層に接触している。これらの用途においては、ガラス積層体は、好ましくは約3mm〜約30mmの全体厚さを有する。中間層は、典型的には約0.38mm〜約4.6mmの厚さを有し、各ガラス層の厚さは通常少なくとも1mmである。ガラス/中間層/ガラス/中間層/ガラスの5層積層体、ガラス/中間層/ガラス/中間層/ガラス/中間層/ガラスの7層積層体、および追加の中間層/ガラス組立体を含む積層体などの多層ソーラーコントロール積層体も好ましい。
【実施例】
【0091】
実施例および比較実験
実施例は、説明のみを目的として提供しており、いかなる方法によっても本発明の範囲の限定を意図するものではない。
【0092】
弾性率
すべての弾性率は、ASTM D 638−03(2003)に準拠して測定される。
【0093】
室温
本明細書において使用される場合、用語「室温」は21℃±5℃の温度を意味する。
【0094】
フタロシアニン化合物の標準溶液
N,N−ジメチルホルムアミド(12.00g±0.02g)とメタノール(4.00g±0.05g)との混合物にフタロシアニン化合物(特に明記しない限りは約2.0mg)を加えた。注記されている場合、この溶液は、メタノールに加えてまたはメタノールの代わりにジクロロメタンを含有した。フタロシアニン化合物が溶解しなくなるまで、上記混合物を室温で撹拌した。固形分が残留した場合には、それらをデカンテーションによって除去した。得られた溶液にポリビニルブチラール(Mowital(商標)B30T、4.00g±0.02g、日本国大阪のKuraray Co.,Ltd.)を加え、ポリビニルブチラールが溶解するまでその溶液を室温で撹拌した。
【0095】
標準安定化溶液
室温において、Tinuvin(商標)571(0.40g、CAS 23328−53−2、Ciba Specialty Chemicals,Basel,Switzerland)、セバシン酸ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)(0.40g、CAS 129757−67−1、Ciba Specialty ChemicalsのTinuvin(商標)123)、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(0.08g、CAS 140−66−9)、N,N−ジメチルホルムアミド、(120.00g)、およびメタノール(40.00g)を混合することによって、標準安定化溶液を調製した。
【0096】
フタロシアニン(Phtalocyanine)含有層またはナフタロシアニン含有層をポリエステルフィルム上に形成するための標準手順
フタロシアニン化合物の標準溶液またはナフタロシアニン化合物の溶液を室温で平衡化させ、未処理の二軸延伸ポリエステルフィルム上に流延した。2つのフィルムの流延を、6インチのGardinerブレードを使用し、第1のフィルムは10ミルのブレード間隙、第2のフィルムは20ミルのブレード間隙で行った。得られた2つのフィルムのドローダウン厚さ(drawdown thickness)をそれぞれ「10ミル」および「20ミル」と記載し、2つのフィルムをそれぞれ「10ミルフィルム」および「20ミルフィルム」と記載する。これら2つの流延フィルムを室温および周囲湿度において終夜乾燥させた後、オーブン中75℃で30分間加熱した後に、ソーラーコントロール特性の試験を行った。注記されている場合、一部のフィルムは、オーブン中での加熱の前または後に、ホットプレート上70℃〜90℃で5または10分間加熱した。
【0097】
標準転写印刷手順
前述の標準手順により作製したコーティング付きポリエステルフィルムのコーティング面を、Butacite(登録商標)ポリビニルブチラールシート(2.5インチ×6インチ(6.4cm×15.2cm)×厚さ30ミル(0.76mm)(DuPontより入手可能))の表面に接触させた。あらかじめ100℃に加熱したアイロンを、ポリエステルフィルムのコーティングされていない面上に載せ、手で圧力を加えた。1分後、アイロンを離し、ポリエステル剥離フィルムを剥離して、フタロシアニン化合物含有層がコーティングされたButacite(登録商標)シートを得た。
【0098】
積層の標準手順
積層体中のすべての層が同じ大きさに切断され所望する順序に積み重ねられている予備プレス組立体を、真空バッグ中に入れ、90〜100℃で30分間加熱して、予備プレス組立体の層間に含まれるすべての空気を除去する。この予備プレス組立体を、空気オートクレーブ中、200psig(14.3bar)の圧力において135℃で30分間加熱する。次に、追加のガスを加えることなく空気を冷却し、それによってオートクレーブ中の圧力が低下する。20分間の冷却後、空気の温度が約50℃未満になると、過剰の圧力を排気し、積層体をオートクレーブから取り出す。
【0099】
プラーク作製の標準手順
最初に、2種類の標準溶液を調製した。溶液Iは、92.8重量%の可塑剤トリエチレングリコールビス(2−エチルヘキサノエート)、3重量%のTinuvin(商標)571、3重量%のTinuvin(商標)123、および1.2重量%のオクチルフェノールを含有した。溶液IIは、88.5重量%の水、5.3重量%の酢酸カリウム、および6.2重量%の酢酸マグネシウムを含有した。次に、ポリビニルブチラール(144.2g)を、可塑剤のトリエチレングリコールビス(2−エチルヘキサノエート)(15.8g±0.1g)、溶液Iのアリコート(40.0g)、および溶液IIのアリコート(1.25mL)と混合した。フタロシアニン化合物がプラーク中に含まれる場合、その化合物は可塑剤中の1重量%溶液として加え、ニート可塑剤およびフタロシアニン溶液の総量が15.8g±0.1gとなるよう維持した。
【0100】
上記ポリビニルブチラール混合物をBrabender押出機(押出機ヘッド25:1L/d一軸スクリュー、スクリュー直径0.75インチ、スクリュー速度40rpm)に供給した。温度プロファイルは:供給ゾーンが110℃;セクション1が190℃;セクション2が190℃;ダイプレートが190℃であった。この結果得られた配合混合物を回収し、冷却し、続いてプレスすることによって、3インチ×3インチ×30ミル(76mm×76mm×0.75mm)および2.5インチ×6インチ×30ミル(63mm×152mm×0.75mm)の寸法のプラークを作製した。この溶融プレスサイクルは、6000psiの圧力における3分間の加熱ステップ、12,000psiにおける2分間の維持、および12,000psiにおける4分間の冷却を含み、最高プレス温度は180℃であった。
【0101】
フィルムのソーラーコントロール特性
以下の方法を使用して、シミュレートした積層体に関する太陽光透過率および可視光透過率の値を計算した。Varian Cary 5000 uv/vis/nir分光計を使用して、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に支持されたフタロシアニン含有層またはナフタロシアニン含有層の透過スペクトルを求めた。この結果得られたスペクトルの1つを処理して、空気との屈折率の不一致による前面および裏面からの反射率を補償し、それによって試料と一致する屈折率を有する2つの材料層の間にフィルムをはさんだ場合に得られるフィルムの透過スペクトルをシミュレートした。次に、補償したスペクトルを中間層材料として、International Glazing Database No.14.0を搭載したLawrence Berkeley National Laboratory’s Opticsソフトウェアパッケージバージョン5.1(Maintenance Pack 2)に入力した。
【0102】
シミュレーション方法A
方法Aでは、(アウトボードライト(outboard lite)からインボードライト(inboard lite)まで)厚さ6mmの一般的な透明ガラス(clear_6.dat)、上記のよう得られた補償された中間層データ、厚さ15ミルのButacite(登録商標)NC010層(15PVB6.dup)、および厚さ3mmの一般的な透明ガラスの3mmのインボードライト(inboard lite)(clear_3.dat)を使用して積層体をシミュレートした。以下の実施例では、スペクトルデータに所与の因数を「乗じた」と記載されている場合、これは、2つ以上のフタロシアニン含有層またはナフタロシアニン含有層を連続して使用してシミュレートした積層体を作製したことを示している。次に、方法W5_NFRC_2003を使用して上記ソフトウェアによって、シミュレートした積層体の透過スペクトルおよび反射スペクトルをシミュレートし、可視光透過率(Tvis-sim)および太陽光透過率(Tsol-sim)を計算する。シミュレートした積層体のスペクトルデータを保存し、続いてLawrence Berkeley National Laboratory’s Window 5.2 Softwareバージョン5.2.12にインポートした。フィルムについて計算したTvis-simおよびTsol-simを表1にまとめている。
【0103】
シミュレーション方法B
シミュレートした積層体が厚さ6mmの一般的な透明ガラス(clear_6.dat)を含まなかったことを除けば、方法Bは方法Aと同じである。フィルムについて計算したTvis-simおよびTsol-simを表1にまとめている。
【0104】
積層体のソーラーコントロール特性
ASTM試験方法E424およびE308、ならびにISO試験方法9050:2003および13837の手順に準拠し、Perkin Elmer Lambda 19分光光度計(PerkinElmer,Inc.(Wellesley,MA))を使用して、スペクトルを求めた。これらの測定値を、すぐ上に記載したように直接使用して、シミュレートした透過率を計算した。積層体について計算したTvis-simおよびTsol-simを表2にまとめている。
【0105】
比較実験CE1
水酸化アルミニウムフタロシアニン(0.0020g、ヒドロキシ(29H,31H−フタロシアニナト)アルミニウム、CAS 18155−23−2、染料含有率約85%)の標準溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。
【0106】
比較実験CE2
ニッケル(II)フタロシアニンテトラスルホン酸四ナトリウム塩(0.0021g、CAS 27835−99−0)の標準溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。
【0107】
比較実験CE3
水酸化ガリウム(III)フタロシアニン(0.0021g、CAS 63371−84−6、染料含有率約75%)の標準溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。
【0108】
比較実験CE4
水酸化ガリウム(III)フタロシアニン(0.0080g、CAS 63371−84−6、染料含有率約75%)の標準溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。メタノールの代わりにジクロロメタン(4.00g)を使用した。
【0109】
比較実験CE5
亜鉛フタロシアニン(0.0020g、CAS 14320−04−8、染料含有率約97%)の標準溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。10ミルフィルムは、室温で終夜乾燥させた後、ホットプレート上90℃で5分間加熱し、続いてオーブン中75℃で0.50時間加熱した。20ミルフィルムは、室温で終夜乾燥させ、オーブン中75℃で0.50時間加熱し、続いてホットプレート上80℃で10分間加熱した。
【0110】
比較実験CE6
Mowital(商標)B30Tポリビニルブチラール中のGreen Pigment 7の解凝集させた濃縮物(0.0050g、濃縮物の全重量を基準にして40重量%のGreen Pigment 7)の標準溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。20ミルフィルムは、室温で終夜乾燥させた後、オーブン中75℃で終夜加熱し、続いて80℃で10分間加熱した。
【0111】
比較実験CE7
Mowital(商標)B30Tポリビニルブチラール中のBlue Pigment 15:4の解凝集させた濃縮物(0.0050g、濃縮物の全重量を基準にして40重量%のBlue Pigment 15:4)の標準溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。
【0112】
比較実験CE8
テトラキス(4−クミルフェノキシ)フタロシアニン(0.0080g、CAS 83484−76−8)の標準溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。メタノールの代わりにジクロロメタン(4.02g)を使用した。
【0113】
比較実験CE9
マンガン(II)フタロシアニン(0.0202g、CAS 14325−24−7)の標準溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。
【0114】
比較実験CE10
マンガン(II)フタロシアニン(0.0081g、CAS 14325−24−7)の標準溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。メタノールの代わりにジクロロメタン(4.04g)を使用した。
【0115】
比較実験CE11
塩化マンガン(III)フタロシアニン(0.0080g、CAS 53432−32−9)の標準溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。
【0116】
比較実験CE12
塩化アルミニウムフタロシアニン(0.0161g、CAS 14154−42−8)の標準溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。
【0117】
比較実験CE13
塩化アルミニウムフタロシアニン(0.0081g、CAS 14154−42−8)の標準溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。メタノールの代わりにジクロロメタン(4.03g)を使用した。
【0118】
比較実験CE14
Pro−jet(商標)800 W(0.0081g、Avecia,Inc.,Wilmington,DE)の標準溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。
【0119】
比較実験CE15
Pro−jet(商標)800 NP(0.0081g,Avecia,Inc.,Wilmington,DE)の標準溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。
【0120】
比較実験CE16
Excolor(商標)IR−10A(0.0080g、日本国大阪のNippon Shokubai Company)の標準溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。
【0121】
比較実験CE17
Excolor(商標)IR−12(0.0081g、日本国大阪のNippon Shokubai Company)の標準溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。
【0122】
比較実験CE18
Excolor(商標)IR−14、(0.0081g、日本国大阪のNippon Shokubai Company)の標準溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。
【0123】
比較実験CE19
Excolor(商標)TX−EX−906B(0.0082g、日本国大阪のNippon Shokubai Company)の標準溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。
【0124】
比較実験CE20
Excolor(商標)TX−EX−910B(0.0080g、日本国大阪のNippon Shokubai Company)の標準溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。
【0125】
実施例E1
OPM−868(0.0081g、日本国東京のToyo Ink Manufacturing Company)の標準溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。
【0126】
実施例E2
OPM−868(0.0160g、日本国東京のToyo Ink Manufacturing Company)の溶液の調製を、OPM−868を標準安定化溶液のアリコート(16.0893g)に加えることによって行った。OPM−868が溶解した後、ポリビニルブチラール(3.9823g、Mowital(商標)B30T)を加え、ポリビニルブチラールが溶解するまでその混合物を室温で撹拌した。
【0127】
このOPM−868溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。
【0128】
実施例E3
OPM−249(0.0080g、日本国東京のToyo Ink Manufacturing Company)の標準溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。
【0129】
実施例E4
OPM−249(0.0161g、日本国東京のToyo Ink Manufacturing Company)の溶液の調製を、OPM−868を標準安定化溶液のアリコート(16.0900g)に加えることによって行った。OPM−249が溶解した後、ポリビニルブチラール(3.9857g、Mowital(商標)B30T)を加え、ポリビニルブチラールが溶解するまで混合物を室温で撹拌した。
【0130】
このOPM−249溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。
【0131】
比較実験CE21
YKR−3080(0.0081g、日本国大阪のYamamoto Chemicals,Inc.)の標準溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。
【0132】
比較実験CE22
YKR−3080(0.0081g、日本国大阪のYamamoto Chemicals,Inc.)の標準溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。メタノールの代わりにジクロロメタン(4.03g)を使用した。
【0133】
実施例E5
YKR−3020(0.0079g、日本国大阪のYamamoto Chemicals,Inc.)の標準溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。
【0134】
実施例E6
YKR−3020(0.0081g、大阪のYamamoto Chemicals,Inc.)の標準溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。メタノールの代わりにジクロロメタン(4.03g)を使用した。
【0135】
比較実験CE23
Butacite(登録商標)シートを、相対湿度23%、温度72°Fで終夜コンディショニングした。順番に、アニールした透明フロートガラス板層、コンディショニングしたButacite(登録商標)シート層、およびアニールした第2の透明フロートガラス板層(各層の寸法は6インチ×2.5インチ(15.2cm×6.4cm);ガラス層の厚さ2.5mm;Butacite(登録商標)シートの厚さ30ミル(0.75mm))からなるガラス/コンディショニングしたButacite(登録商標)シート/ガラス予備プレス組立体を、標準積層手順により積層した。
【0136】
実施例E7
1,4,8,11,15,18,22,25−オクタブトキシ−29H,31H−フタロシアニン、(0.0060グラム、CAS 116453−73−7)の標準溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。
【0137】
実施例E8
実施例E7のコーティング付き10ミルフィルムを、標準転写印刷手順によりButacite(登録商標)ポリビニルブチラールシート上に転写印刷した。
【0138】
転写印刷したButacite(登録商標)シートを、温度72°Fおよび相対湿度23%で終夜コンディショニングした。順番に、アニールした透明フロートガラス板層、転写印刷しコンディショニングしたButacite(登録商標)シート層、およびアニールした第2の透明フロートガラス板層(各層の寸法は6インチ×2.5インチ(15.2cm×6.4cm);ガラス層の厚さ2.5mm;Butacite(登録商標)シートの厚さ30ミル(0.75mm))からなるガラス/転写印刷しコンディショニングしたButacite(登録商標)シート/ガラス予備プレス組立体を標準積層手順により積層した。
【0139】
実施例E9
実施例E7のコーティング付き20ミルフィルムを、標準転写印刷手順によりButacite(登録商標)ポリビニルブチラールシート上に転写印刷した。この転写印刷したButacite(登録商標)シートを実施例E8に記載されるようにコンディショニングし、それを使用し、実施例E8に記載の手順を使用して、ガラス/転写印刷しコンディショニングしたButacite(登録商標)シート/ガラス積層体を作製した。
【0140】
実施例E10
1,4,8,11,15,18,22,25−オクタブトキシ−29H,31H−フタロシアニン、(0.0060グラム、CAS 116453−73−7)の溶液の調製を、上記フタロシアニン化合物を標準安定化溶液のアリコート(16.0888g)に加えることにより行った。このフタロシアニン化合物が溶解した後、ポリビニルブチラール(3.9036g、Mowital(商標)B30T)を加え、ポリビニルブチラールが溶解するまで、その混合物を室温で撹拌した。
【0141】
このフタロシアニン溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。
【0142】
実施例E11
実施例E10のコーティング付き20ミルフィルムを、標準転写印刷手順によりButacite(登録商標)ポリビニルブチラールシート上に転写印刷した。転写印刷したButacite(登録商標)シートを実施例E8に記載されるようにコンディショニングし、それを使用し、実施例E8に記載の手順を使用して、ガラス/転写印刷しコンディショニングしたButacite(登録商標)シート/ガラス積層体を作製した。
【0143】
実施例E12
銅(II)1,4,8,11,15,18,22,25−オクタブトキシ−29H,31H−フタロシアニン、(0.0080グラム、CAS 107227−88−3)の標準溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。
【0144】
実施例E13
実施例E12のコーティング付き10ミルフィルムを、標準転写印刷手順によりButacite(登録商標)ポリビニルブチラールシート上に転写印刷した。転写印刷したButacite(登録商標)シートを実施例E8に記載されるようにコンディショニングし、それを使用し、実施例E8に記載の手順を使用して、ガラス/転写印刷しコンディショニングしたButacite(登録商標)シート/ガラス積層体を作製した。
【0145】
実施例E14
実施例E12のコーティング付き20ミルフィルムを、標準転写印刷手順によりButacite(登録商標)ポリビニルブチラールシート上に転写印刷した。転写印刷したButacite(登録商標)シートを実施例E8に記載されるようにコンディショニングし、それを使用し、実施例E8に記載の手順を使用して、ガラス/転写印刷しコンディショニングしたButacite(登録商標)シート/ガラス積層体を作製した。
【0146】
実施例E15
銅(II)1,4,8,11,15,18,22,25−オクタブトキシ−29H,31H−フタロシアニン(0.0080グラム、CAS 107227−88−3)の溶液の調製を、上記フタロシアニン化合物を標準安定化溶液のアリコート(16.0888g)に加えることにより行った。このフタロシアニン化合物が溶解した後、ポリビニルブチラール(3.9877g、Mowital(商標)B30T)を加え、ポリビニルブチラールが溶解するまで、その混合物を室温で撹拌した。
【0147】
このフタロシアニン溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。
【0148】
実施例E16
実施例E15のコーティング付き20ミルフィルムを、標準転写印刷手順によりButacite(登録商標)ポリビニルブチラールシート上に転写印刷した。転写印刷したButacite(登録商標)シートを実施例E8に記載されるようにコンディショニングし、それを使用し、実施例E8に記載の手順を使用してガラス/転写印刷しコンディショニングしたButacite(登録商標)シート/ガラス積層体を作製した。
【0149】
比較実験CE24
2つのButacite(登録商標)シートを、温度72°Fおよび相対湿度23%で終夜コンディショニングした。順番に、アニールした透明フロートガラス板層、第1のコンディショニングしたButacite(登録商標)シート層、第2のコンディショニングしたButacite(登録商標)シート層、およびアニールした第2の透明フロートガラス板層(各層の寸法は6インチ×2.5インチ(15.2cm×6.4cm));ガラス層の厚さ2.5mm;Butacite(登録商標)シートの厚さ15ミル(0.38mm))からなるガラス/コンディショニングしたButacite(登録商標)シート/コンディショニングしたButacite(登録商標)シート/ガラス予備プレス組立体を、標準積層手順により積層した。
【0150】
実施例E17
実施例E10のコーティング付き10ミルフィルムを、標準転写印刷手順により2つのButacite(登録商標)ポリビニルブチラールシート上に転写印刷した。転写印刷したButacite(登録商標)シートを、比較実験CE24に記載されるようにコンディショニングし、それらを使用し、比較実験CE24に記載の手順を使用して、ガラス/転写印刷しコンディショニングしたButacite(登録商標)シート/転写印刷しコンディショニングしたButacite(登録商標)シート/ガラス積層体を作製した。転写印刷したButacite(登録商標)シートのコーティング面を互いに接触させた。
【0151】
実施例E18
銅(II)1,4,8,11,15,18,22,25−オクタブトキシ−29H,31H−フタロシアニン、(0.0020g、CAS 107227−88−3)の標準溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。
【0152】
実施例E19
実施例E18のコーティング付き20ミルフィルムを、標準転写印刷手順により2つのButacite(登録商標)ポリビニルブチラールシート上に転写印刷した。転写印刷したButacite(登録商標)シートを、比較実験CE24に記載されるようにコンディショニングし、それらを使用し、比較実験CE24に記載の手順を使用して、ガラス/転写印刷しコンディショニングしたButacite(登録商標)シート/転写印刷しコンディショニングしたButacite(登録商標)シート/ガラス積層体を作製した。転写印刷したButacite(登録商標)シートのコーティング面を互いに接触させた。
【0153】
実施例E20
ニッケル(II)1,4,8,11,15,18,22,25−オクタブトキシ−29H,31H−フタロシアニン(0.0020グラム、CAS 155773−71−0)の標準溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。この結果得られたフィルムを、室温で終夜乾燥させ、ホットプレート上90℃で10分間加熱し、続いてオーブン中75℃で0.5時間加熱した。
【0154】
実施例E21
実施例E20のコーティング付き20ミルフィルムを、標準転写印刷手順により2つのButacite(登録商標)ポリビニルブチラールシート上に転写印刷した。転写印刷したButacite(登録商標)シートを、比較実験CE24に記載されるようにコンディショニングし、それらを使用し、比較実験CE24に記載の手順を使用して、ガラス/転写印刷しコンディショニングしたButacite(登録商標)シート/転写印刷しコンディショニングしたButacite(登録商標)シート/ガラス積層体を作製した。転写印刷したButacite(登録商標)シートのコーティング面を互いに接触させた。
【0155】
実施例E22
ニッケル(II)1,4,8,11,15,18,22,25−オクタブトキシ−29H,31H−フタロシアニン(0.0080グラム、CAS 155773−71−0)の溶液の調製を、上記フタロシアニン化合物を標準安定化溶液のアリコート(16.0090g)に加えることにより行った。このフタロシアニン化合物が溶解した後、ポリビニルブチラール(3.9025g、Mowital(商標)B30T)を加え、ポリビニルブチラールが溶解するまで、その混合物を室温で撹拌した。
【0156】
このフタロシアニン溶液を使用して、コーティング付きポリエステルフィルムを標準手順により作製した。
【0157】
実施例E23
実施例E22のコーティング付き20ミルフィルムを、標準転写印刷手順によりButacite(登録商標)ポリビニルブチラールシート上に転写印刷した。転写印刷したButacite(登録商標)シートを、比較実験CE24に記載されるようにコンディショニングし、それを使用し、比較実験CE24に記載の手順を使用して、ガラス/転写印刷しコンディショニングしたButacite(登録商標)シート/転写印刷しコンディショニングしたButacite(登録商標)シート/ガラス積層体を作製した。転写印刷したButacite(登録商標)シートのコーティング面を互いに接触させた。
【0158】
比較実験CE25
Butacite(登録商標)シートおよびコーティングされていない二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを、相対湿度23%および温度72°Fにおいて終夜コンディショニングした。順番に、アニールした透明フロートガラス板層、コンディショニングしたButacite(登録商標)シート層、コンディショニングしたコーティングされていないポリ(エチレンテレフタレート)フィルム、Teflon(登録商標)フィルム、およびアニールした第2の透明フロートガラス板層(各層の寸法は3インチ×3インチ(7.6cm×7.6cm);ガラス層の厚さ3mm;Butacite(登録商標)シートの厚さ30ミル(75mm))からなるガラス/コンディショニングしたButacite(登録商標)シート/コンディショニングした二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム/Teflon(登録商標)フィルム/ガラス予備プレス組立体を、標準積層手順により積層した。Teflon(登録商標)フィルムおよび第2のガラス層を除去して、ガラス/コンディショニングしたButacite(登録商標)/コンディショニングした二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム積層体を得た。
【0159】
実施例E24
実施例E18のコーティング付き10ミルフィルムを、標準転写印刷手順によりButacite(登録商標)ポリビニルブチラールシート上に転写印刷した。転写印刷したButacite(登録商標)シートおよび未コーティングの二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを、比較実験CE25に記載されるようにコンディショニングし、それらを使用し、比較実験CE25に記載の手順を使用して、ガラス/転写印刷しコンディショニングしたButacite(登録商標)シート/コンディショニングした二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム積層体を作製した。
【0160】
実施例E25
実施例E22のコーティング付き10ミルフィルムを、標準転写印刷手順によりButacite(登録商標)ポリビニルブチラールシート上に転写印刷した。転写印刷したButacite(登録商標)シート、および未コーティングの二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを、比較実験CE25に記載されるようにコンディショニングし、それらを使用し、比較実験CE25に記載の手順を使用して、ガラス/転写印刷しコンディショニングしたButacite(登録商標)シート/コンディショニングした二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム積層体を作製した。
【0161】
比較実験CE26
Butacite(登録商標)シート、および未コーティングの二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを、比較実験CE25に記載されるようにコンディショニングし、それらを使用し、比較実験CE25に記載の手順を使用して、緑色ガラス/コンディショニングしたButacite(登録商標)/コンディショニングした二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム積層体を作製した。第1のアニールした透明フロートガラス板の代わりにSolex(商標)緑色ガラス板を使用したことだけが異なった。
【0162】
実施例E26
実施例E20のコーティング付き10ミルフィルムを、標準転写印刷手順によりButacite(登録商標)ポリビニルブチラールシート上に転写印刷した。転写印刷したButacite(登録商標)シート、および未コーティングの二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを比較実験CE26に記載されるようにコンディショニングし、それらを使用し、比較実験CE26に記載の手順を使用して、緑色ガラス/転写印刷しコンディショニングしたButacite(登録商標)シート/コンディショニングした二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム積層体を作製した。
【0163】
実施例E27
1,4,8,11,15,18,22,25−オクタブトキシ−29H,31H−フタロシアニン(0.0020g、CAS 116453−73−7)の溶液の調製を、上記フタロシアニン化合物をトリエチレングリコールビス(2−エチルヘキサノエート)可塑剤(1.5002g、CAS 94−28−0)に加えることにより行った。この混合物を室温で撹拌した。上記フタロシアニン化合物は可溶性であり、緑色溶液を形成した。
【0164】
実施例E28
銅(II)1,4,8,11,15,18,22,25−オクタブトキシ−29H,31H−フタロシアニン(0.0020g、CAS 107227−88−3)の溶液の調製を、上記フタロシアニン化合物をトリエチレングリコールビス(2−エチルヘキサノエート)可塑剤(1.5044g、CAS 94−28−0)に加えることにより行った。この混合物を室温で撹拌した。上記フタロシアニン化合物は可溶性であり、緑色溶液を形成した。
【0165】
実施例E29
ニッケル(II)1,4,8,11,15,18,22,25−オクタブトキシ−29H,31H−フタロシアニン(0.0021g、CAS 155773−71−0)の溶液の調製を、上記フタロシアニン化合物をトリエチレングリコールビス(2−エチルヘキサノエート)可塑剤(1.5041g、CAS 94−28−0)に加えることにより行った。この混合物を室温で撹拌した。上記フタロシアニン化合物は可溶性であり、緑色溶液を形成した。
【0166】
比較実験CE27
プラーク作製の標準手順により、フタロシアニン化合物を含有しない対照プラークを作製した。
【0167】
実施例E30
プラーク作製の標準手順により、3.0gのニート可塑剤の代わりに、可塑剤中の1,4,8,11,15,18,22,25−オクタブトキシ−29H,31H−フタロシアニン(CAS 116453−73−7)の1重量%溶液3.0gを使用してプラークを作製した。
【0168】
実施例E31
プラーク作製の標準手順により、5.0gのニート可塑剤の代わりに、1,4,8,11,15,18,22,25−オクタブトキシ−29H,31H−フタロシアニンの1重量%溶液5.0g(CAS 116453−73−7;可塑剤中の1重量%溶液5.0gを使用してプラークを作製した。
【0169】
比較実験CE28
比較実験CE27で作製した3インチ×3インチ×30ミル(7.6cm×7.6cm×0.75mm)のプラークを、温度72°Fおよび相対湿度23%で終夜コンディショニングした。順番に、アニールした透明フロートガラス板層、コンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク層、およびアニールした第2の透明フロートガラス板層(各層の寸法は3インチ×3インチ(7.6cm×7.6cm);ガラス層の厚さ2.3mm)からなるガラス/コンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク/ガラス予備プレス組立体を、標準積層手順により積層した。
【0170】
実施例E32
実施例E30で作製した3インチ×3インチ×30ミル(7.6cm×7.6cm×0.75mm)のプラークを、比較実験CE28に記載されるようにコンディショニングし、それを使用し、比較実験CE28に記載の手順を使用して、ガラス/コンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク/ガラス積層体を作製した。
【0171】
実施例E33
実施例E31で作製した3インチ×3インチ×30ミル(7.6cm×7.6cm×0.75mm)のプラークを、比較実験CE28に記載されるようにコンディショニングし、それを使用し、比較実験CE28に記載の手順を使用して、ガラス/コンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク/ガラス積層体を作製した。
【0172】
比較実験CE29
使用したプラークおよびすべてのガラス層の寸法が2.5インチ×6インチ(63mm×152mm)であったことを除けば、比較実験CE28のガラス/コンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク/ガラス積層体を再度作製した。
【0173】
比較実験CE30
比較実験CE29ガラス/コンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク/ガラス積層体を再度作製した。
【0174】
比較実験CE31
比較実験CE29およびCE30のガラス/コンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク/ガラス積層体を再度作製した。
【0175】
実施例E34
使用したプラークおよびすべてのガラス層の寸法が2.5インチ×6インチ(6.3cm×15.2cm)であったことを除けば、実施例E32のガラス/コンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク/ガラス積層体を再度作製した。
【0176】
実施例E35
実施例E34のガラス/コンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク/ガラス積層体を再度作製した。
【0177】
実施例E36
実施例E34およびE35のガラス/コンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク/ガラス積層体を再度作製した。
【0178】
実施例E37
使用したプラークおよびすべてのガラス層の寸法が2.5インチ×6インチ(6.3cm×15.2cm)であったことを除けば、実施例E33のガラス/コンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク/ガラス積層体を再度作製した。
【0179】
実施例E38
実施例E37のガラス/コンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク/ガラス積層体を再度作製した。
【0180】
実施例E39
実施例E37およびE38のガラス/コンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク/ガラス積層体を再度作製した。
【0181】
比較実験CE32
比較実験CE27で作製した2つの3インチ×3インチ×30ミル(7.6cm×7.6cm×0.75mm)のプラークを、温度72°Fおよび相対湿度23%で終夜コンディショニングした。順番に、アニールした透明フロートガラス板層、2つのコンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク、およびアニールした第2の透明フロートガラス板層(各層の寸法は3インチ×3インチ(7.6cm×7.6cm);ガラス層の厚さ2.3mm)からなるガラス/コンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク/コンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク/ガラス予備プレス組立体を、標準積層手順により積層した。
【0182】
実施例E40
実施例E30で作製した2つの3インチ×3インチ×30ミル(7.6cm×7.6cm×0.75mm)のプラークを、比較実験CE32に記載されるようにコンディショニングし、それらを使用し、比較実験CE32に記載の手順を使用して、ガラス/コンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク/コンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク/ガラス積層体を作製した。
【0183】
実施例E41
実施例E31で作製した2つの3インチ×3インチ×30ミル(7.6cm×7.6cm×0.75mm)のプラークを、比較実験CE32に記載されるようにコンディショニングし、それらを使用し、比較実験CE32に記載の手順を使用して、ガラス/コンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク/コンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク/ガラス積層体を作製した。
【0184】
比較実験CE33
比較実験CE27の3インチ×3インチ×30ミル(7.6cm×7.6cm×0.75mm)のプラークを、温度72°Fおよび相対湿度23%で終夜コンディショニングした。温度72°Fおよび相対湿度23%で終夜コンディショニングした。順番に、Solex(商標)緑色ガラス板層、コンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク層、およびアニールした透明フロートガラス板層(各層の寸法は3インチ×3インチ(7.6cm×7.6cm);ガラス層の厚さ2.3mm)からなる緑色ガラス/コンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク/ガラス予備プレス組立体を、標準積層手順により積層した。
【0185】
実施例E42
実施例E30で作製した3インチ×3インチ×30ミル(7.6cm×7.6cm×0.75mm)のプラークを、比較実験CE33に記載されるようにコンディショニングし、それを使用し、比較実験CE33に記載の手順を使用して、緑色ガラス/コンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク/ガラス積層体を作製した。
【0186】
実施例E43
実施例E31で作製した3インチ×3インチ×30ミル(7.6cm×7.6cm×0.75mm)のプラークを、比較実験CE33に記載されるようにコンディショニングし、それを使用し、比較実験CE33に記載の手順を使用して、緑色ガラス/コンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク/ガラス積層体を作製した。
【0187】
比較実験CE34
比較例CE27で作製した3インチ×3インチ×30ミル(7.6cm×7.6cm×0.75mm)のプラーク、および未コーティングの二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを、相対湿度23%および温度72°Fで終夜コンディショニングした。順番に、アニールした透明フロートガラス板層、コンディショニングしたButacite(登録商標)シート層、コンディショニングした未コーティングのポリ(エチレンテレフタレート)フィルム、Teflon(登録商標)フィルム、およびアニールした第2の透明フロートガラス板層(各層の寸法は3インチ×3インチ(7.6cm×7.6cm);ガラス層の厚さ3mm)からなるガラス/コンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク/コンディショニングした二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム/Teflon(登録商標)フィルム/ガラス予備プレス組立体を、標準積層手順により積層した。Teflon(登録商標)フィルムおよび第2のガラス層を除去することによって、ガラス/コンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク/コンディショニングした二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム積層体を得た。
【0188】
実施例E44
実施例E30で作製した3インチ×3インチ×30ミル(7.6cm×7.6cm×0.75mm)のプラーク、および未コーティングの二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを、比較実験CE34に記載されるようにコンディショニングし、それらを使用し、比較実験CE34に記載の手順を使用して、ガラス/コンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク/コンディショニングした二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム積層体を作製した。
【0189】
実施例E45
実施例E31で作製した3インチ×3インチ×30ミル(7.6cm×7.6cm×0.75mm)のプラーク、および未コーティングの二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを、比較実験CE34に記載されるようにコンディショニングし、それらを使用し、比較実験CE34に記載の手順を使用して、ガラス/コンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク/コンディショニングした二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム積層体を作製した。
【0190】
比較実験CE35
比較例CE27で作製した3インチ×3インチ×30ミル(7.6cm×7.6cm×0.75mm)のプラーク、および未コーティングの二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを、比較実験CE34に記載されるようにコンディショニングし、それらを使用し、比較実験CE34に記載の手順を使用して、緑色ガラス/コンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク/コンディショニングした二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム積層体を作製した。第1のアニールした透明フロートガラス板の代わりにSolex(商標)緑色ガラス板を使用したことだけが異なった。
【0191】
実施例E46
実施例E30で作製した3インチ×3インチ×30ミル(7.6cm×7.6cm×0.75mm)のプラーク、および未コーティングの二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを、比較実験CE35に記載されるようにコンディショニングし、それらを使用し、比較実験CE35に記載の手順を使用して、緑色ガラス/コンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク/コンディショニングした二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム積層体を作製した。
【0192】
実施例E47
実施例E31で作製した3インチ×3インチ×30ミル(7.6cm×7.6cm×0.75mm)のプラーク、および未コーティングの二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを、比較実験CE35に記載されるようにコンディショニングし、それらを使用し、比較実験CE35に記載の手順を使用して、緑色ガラス/コンディショニングしたポリビニルブチラールプラーク/コンディショニングした二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム積層体を作製した。
【0193】
実施例E48
実施例E2のコーティング付き10ミルフィルムを、標準転写印刷手順によりButacite(登録商標)ポリビニルブチラールシート上に転写印刷した。転写印刷したButacite(登録商標)シートを実施例E8に記載されるようにコンディショニングし、それを使用し、実施例E8に記載の手順を使用してガラス/転写印刷しコンディショニングしたButacite(登録商標)シート/ガラス積層体を作製した。
【0194】
実施例E49
実施例E48の積層体を再度作製した。
【0195】
実施例E50
実施例E2のコーティング付き10ミルフィルムを、標準転写印刷手順によりButacite(登録商標)ポリビニルブチラールシート上に転写印刷した。転写印刷したButacite(登録商標)シートを実施例E8に記載されるようにコンディショニングし、それを使用し、実施例E8に記載の手順を使用してガラス/転写印刷しコンディショニングしたButacite(登録商標)シート/ガラス積層体を作製した。
【0196】
実施例E51
実施例50の積層体を再度作製した。
【0197】
実施例E52
実施例E1のコーティング付き20ミルフィルムを、標準転写印刷手順により6インチ×3インチ×15ミル(15.2cm×7.6cm×0.38mm)Butacite(登録商標)ポリビニルブチラールシート上に転写印刷した。次に、この転写印刷シートを、コーティング面が接触するように折り重ねて、二重層を形成することによって、Butacite(登録商標)シート/コーティング/コーティング/Butacite(登録商標)シート構造を有する3インチ×3インチ(7.6cm×7.6cm)の二重Butacite(登録商標)層を形成した。
【0198】
この二重Butacite(登録商標)層を、温度72°Fおよび相対湿度23%で終夜コンディショニングした。アニールした透明フロートガラス板層、コンディショニングした二重Butacite(登録商標)層、およびアニールした第2の透明フロートガラス板層(各層の寸法は3インチ×3インチ(7.6cm×7.6cm);ガラス層の厚さ3mm)からなるガラス/コンディショニングした二重Butacite(登録商標)層/ガラス予備プレス組立体を、標準積層手順により積層した。
【0199】
実施例E53
実施例E3のコーティング付き20ミルフィルムを、標準転写印刷手順により6インチ×3インチ×15ミル(15.2cm×7.6cm×0.38mm)Butacite(登録商標)ポリビニルブチラールシート上に転写印刷した。次に、この転写印刷シートを、コーティング面が接触するように折り重ねて、二重層を形成することによって、Butacite(登録商標)シート/コーティング/コーティング//Butacite(登録商標)シート構造を有する3インチ×3インチ(7.6cm×7.6cm)二重Butacite(登録商標)層を形成した。
【0200】
この二重Butacite(登録商標)層を、実施例E52に記載されるようにコンディショニングし、それを使用し、実施例E52に記載の手順を使用して、ガラス/コンディショニングした二重Butacite(登録商標)層/ガラス積層体を作製した。
【0201】
実施例E54
実施例E1のコーティング付き10ミルフィルムを、標準転写印刷手順により6インチ×3インチ×15ミル(15.2cm×7.6cm×0.38mm)Butacite(登録商標)ポリビニルブチラールシート上に転写印刷した。次に、この転写印刷シートを、コーティング面が接触するように折り重ねて、二重層を形成することによって、Butacite(登録商標)シート/コーティング/コーティング//Butacite(登録商標)シート構造を有する3インチ×3インチ(7.6cm×7.6cm)二重Butacite(登録商標)層を形成した。
【0202】
この二重Butacite(登録商標)層を、実施例E52に記載されるようにコンディショニングし、それを使用し、実施例E52に記載の手順を使用して、緑色ガラス/コンディショニングした二重Butacite(登録商標)層/ガラス積層体を作製した。第1のアニールした透明フロートガラス板の代わりにSolex(商標)緑色ガラス板を使用したことだけが異なった。
【0203】
実施例E55
実施例E3のコーティング付き10ミルフィルムを、標準転写印刷手順により6インチ×3インチ×15ミル(15.2cm×7.6cm×0.38mm)Butacite(登録商標)ポリビニルブチラールシート上に転写印刷した。次に、この転写印刷シートを、コーティング面が接触するように折り重ねて、二重層を形成することによって、Butacite(登録商標)シート/コーティング/コーティング//Butacite(登録商標)シート構造を有する3インチ×3インチ(7.6cm×7.6cm)二重Butacite(登録商標)層を形成した。
【0204】
この二重Butacite(登録商標)層を、実施例E52に記載されるようにコンディショニングし、それを使用し、実施例E52に記載の手順を使用して緑色ガラス/コンディショニングした二重Butacite(登録商標)層/ガラス積層体を作製した。第1のアニールした透明フロートガラス板の代わりにSolex(商標)緑色ガラス板を使用したことだけが異なった。
【0205】
実施例E56
実施例E6のコーティング付き10ミルフィルムを、標準転写印刷手順により4インチ×4インチ×30ミル(10.2cm×10.2cm×0.38mm)Butacite(登録商標)ポリビニルブチラールシート上に転写印刷した。
【0206】
この転写印刷Butacite(登録商標)シートを、実施例E8に記載されるようにコンディショニングし、それを使用し、実施例E8に記載の手順を使用して、ガラス/転写印刷しコンディショニングしたButacite(登録商標)シート/ガラス積層体を作製した。すべての層が4インチ×4インチ(10.2cm×10.2cm)であり、ガラス層の厚さが3mmであったことだけが異なった。
【0207】
比較実験CE36
2つのButacite(登録商標)シート、および二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを、温度72°Fおよび相対湿度23%で終夜コンディショニングした。順番に、アニールした透明フロートガラス板層、第1のコンディショニングしたButacite(登録商標)シート層、コンディショニングした二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム、第2のコンディショニングしたButacite(登録商標)シート層およびアニールした第2の透明フロートガラス板層(各層の寸法は6インチ×2.5インチ(15.2cm×6.4cm);ガラス層の厚さ2.5mm;Butacite(登録商標)シートの厚さ15ミル(0.38mm))からなるガラス/コンディショニングしたButacite(登録商標)シート/コンディショニングした二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム/コンディショニングしたButacite(登録商標)シート/ガラス予備プレス組立体を、標準積層手順により積層した。
【0208】
比較実験CE37
Blue Pigment 15:4(0.061グラム、全組成物を基準にして40重量%のBlue Pigment 15:4)の解凝集させた濃縮物を、室温で混合することによって、N,N−ジメチルホルムアミド(18.01グラム)とメタノール(6.00グラム)との混合物中に溶解させた。Mowital(商標)B30Tポリビニルブチラール(5.9457グラム)を加え、溶液が形成されるまで撹拌した。
【0209】
この溶液、および火炎処理した二軸延伸ポリエステルフィルムを使用して、標準手順により、コーティング付き二軸延伸ポリエステルフィルムを作製した。
【0210】
比較実験CE38
2つのButacite(登録商標)シート、および比較実験CE37の20ミルのコーティング付き二軸延伸ポリエステルフィルムを、温度72°Fおよび相対湿度23%で終夜コンディショニングした。順番に、アニールした透明フロートガラス板層、第1のコンディショニングしたButacite(登録商標)シート層、コンディショニングしたコーティング付き二軸延伸ポリエステルフィルム、第2のコンディショニングしたButacite(登録商標)シート層、およびアニールした第2の透明フロートガラス板層(各層の寸法は4インチ×4インチ(10.2cm×10.2cm);ガラス層の厚さ2.5mm;Butacite(登録商標)シートの厚さ15ミル(0.38mm))からなるガラス/コンディショニングしたButacite(登録商標)シート/コンディショニングしたコーティング付き二軸延伸ポリエステルフィルム/コンディショニングしたButacite(登録商標)シート/ガラス予備プレス組立体を、標準積層手順により積層した。
【0211】
比較実験CE39
比較例CE26の積層体を再度作製した。
【0212】
実施例E57
Butacite(登録商標)シート、および実施例2のコーティング付きポリエステルフィルム2(ドローダウン厚さ10ミル)を、相対湿度23%および温度72°Fで終夜コンディショニングした。これらのButacite(登録商標)シートおよびコーティング付きポリエステルフィルムを、比較実験CE26に記載されるようにコンディショニングし、それらを使用し、比較実験CE26に記載の手順を使用して、緑色ガラス/コンディショニングしたButacite(登録商標)シート/コンディショニングしたコーティング付きポリエステルフィルム積層体を作製した。
【0213】
実施例E58
1,4,8,11,15,18,22,25−オクタブトキシ−29H,31H−フタロシアニン、(0.0090グラム、CAS 116453−73−7)の溶液の調製を、室温で混合することにより上記フタロシアニン化合物を、N,N−ジメチルホルムアミド(18.01グラム)とメタノール(6.00グラム)との混合物に加えることによって行った。Mowital(商標)B30Tポリビニルブチラール(5.9786グラム)を加え、溶液が形成されるまで撹拌した。
【0214】
この溶液、および火炎処理した二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを使用して、標準手順により、コーティング付き二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを作製した。このコーティング付きフィルムを室温で終夜乾燥させた後、オーブン中75℃で30分間加熱した。
【0215】
実施例E59
2つのButacite(登録商標)シート、および実施例E58の10ミルのコーティング付き二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを、比較実験CE38に記載されるようにコンディショニングし、それらを使用し、比較実験CE38に記載の手順を使用して、ガラス/コンディショニングしたButacite(登録商標)シート/コンディショニングしたコーティング付き二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム/コンディショニングしたButacite(登録商標)シート/ガラス積層体を作製した。
【0216】
実施例E60
実施例E59の積層体を再度作製し、実施例E58の20ミルのコーティング付き二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを使用したことだけが異なった。
【0217】
実施例E61
1,4,8,11,15,18,22,25−オクタブトキシ−29H,31H−フタロシアニン(0.0090g、CAS 116453−73−7)と、標準安定化溶液中のMowital(商標)B30T(24.1328g)とを使用して、標準手順によりコーティング付きポリエステルフィルムを作製した。このポリエステルを火炎処理し二軸延伸を行った。このフィルムを室温で終夜乾燥させた後、オーブン中75℃で30分間加熱した。
【0218】
実施例E62
Butacite(登録商標)シート、および実施例E61の20ミルのコーティング付きポリエステルフィルムを、比較実験CE25に記載されるようにコンディショニングし、それらを使用し、比較実験CE25に記載の手順を使用して、ガラス/コンディショニングしたButacite(登録商標)シート/コンディショニングしたコーティング付きポリエステルフィルム積層体を作製した。
【0219】
実施例E63
Butacite(登録商標)シート、SentryGlas(登録商標)Plusエチレン/メタクリル酸コポリマーシート(DuPontより入手可能)、および実施例E61のコーティング付き20ミルポリエステルフィルムを、温度72°Fおよび相対湿度23%で終夜コンディショニングした。順番に、アニールした透明フロートガラス板層、コンディショニングしたButacite(登録商標)シート層、コンディショニングしたコーティング付きポリエステルフィルム、コンディショニングしたSentryGlas(登録商標)Plusシート層、およびアニールした第2の透明フロートガラス板層(各層の寸法は2インチ×4インチ(5.6cm×10.2cm);ガラス層の厚さ2.5mm;Butacite(登録商標)シートおよびSentryGlas(登録商標)Pluシートの厚さ15ミル(0.38mm))からなるガラス/コンディショニングしたButacite(登録商標)シート/コンディショニングしたコーティング付きポリエステルフィルム/コンディショニングしたSentryGlas(登録商標)Plusシート/ガラス予備プレス組立体を、標準積層手順により積層した。
【0220】
実施例E64
2つのButacite(登録商標)シート、および実施例E15のコーティング付き10ミルフィルムを、比較実験CE38に記載されるようにコンディショニングし、それらを使用し、比較実験CE38に記載の手順を使用して、ガラス/コンディショニングしたButacite(登録商標)シート/コンディショニングしたコーティング付きポリエステルフィルム/コンディショニングしたButacite(登録商標)シート/ガラス積層体を作製した。各層の寸法が6インチ×2.5インチ(15.2cm×6.4cm)であったことだけが異なった。
【0221】
実施例E65
2,3−ナフタロシアニン(0.0081グラム、CAS 23627−89−6、染料含有率約95パーセント)の混合物の調製を、上記ナフタロシアニン化合物をジクロロメタン(4.00グラム)に加え、室温で混合することによって行った。この混合物にN,N−ジメチルホルムアミド(12.00グラム)を加えた。少量の不溶性物質を除去した。得られた溶液に、Mowital(商標)B30Tポリビニルブチラール(3.9982グラム、Kuraray Corporation)を加え、得られた混合物を、室温で溶液が形成されるまで混合した。
【0222】
このナフタロシアニン化合物溶液を使用して、標準手順により、コーティング付きポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを作製した。
【0223】
実施例E66
実施例E65のコーティング付き10ミルフィルムを、標準転写印刷手順によりButacite(登録商標)ポリビニルブチラールシート上に転写印刷した。Butacite(登録商標)シートが2インチ×2インチ(5.1cm×5.1cm)×厚さ15ミル(0.38mm)であったことだけが異なった。
【0224】
この転写印刷したButacite(登録商標)シート、およびButacite(登録商標)シートを、温度72°Fおよび相対湿度23%で終夜コンディショニングした。順番に、アニールした透明フロートガラス板層、転写印刷しコンディショニングしたButacite(登録商標)シート層、コンディショニングしたButacite(登録商標)シート層(転写印刷したButacite(登録商標)シートのコーティング面をButacite(登録商標)シートの表面に接触させた)、およびアニールした第2の透明フロートガラス板層(各層の寸法は2インチ×2インチ(5.1cm×5.1cm);ガラス層の厚さ2.3mm;Butacite(登録商標)シートの厚さ15ミル(0.38mm))からなるガラス/転写印刷しコンディショニングしたButacite(登録商標)シート/コンディショニングしたButacite(登録商標)シート/ガラス予備プレス組立体を、標準積層手順により積層した。
【0225】
実施例E67
2つのButacite(登録商標)シート、および実施例E65で作製したコーティング付き20ミルポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを、温度72°Fおよび相対湿度23%で終夜コンディショニングした。順番に、アニールした透明フロートガラス板層、第1のコンディショニングしたButacite(登録商標)シート層、実施例E65のコンディショニングしたコーティング付きポリ(エチレンテレフタレート)フィルム、第2のコンディショニングしたButacite(登録商標)シート層およびアニールした第2の透明フロートガラス板層(各層の寸法は2インチ×2インチ(5.1cm×5.1cm);ガラス層の厚さ2.3mm;Butacite(登録商標)シートの厚さ15ミル(0.38mm))からなるガラス/コンディショニングしたButacite(登録商標)シート/コンディショニングしたコーティング付きポリ(エチレンテレフタレート)フィルム/コンディショニングしたButacite(登録商標)シート/ガラス予備プレス組立体を、標準積層手順により積層した。
【0226】
実施例E68
2,3−ナフタロシアニン(0.0080グラム、CAS 23627−89−6、染料含有率約95パーセント)の混合物の調製を、上記ナフタロシアニン化合物をジクロロメタン(4.02グラム)に加え、室温で混合することによって行った。標準安定化溶液のアリコート(16.0955グラム)をこの混合物に加えた。少量の不溶性物質を除去した。得られた混合物にMowital(商標)B30Tポリビニルブチラール(3.9287グラム、Kuraray Corporation)を加え、得られた混合物を、室温で溶液が形成されるまで混合した。
【0227】
このナフタロシアニン化合物溶液を使用して、標準手順により、コーティング付きポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを作製した。
【0228】
実施例E69
実施例E68のコーティング付き10ミルフィルムを、標準転写印刷手順によりButacite(登録商標)ポリビニルブチラールシート上に転写印刷し、Butacite(登録商標)ポリビニルブチラールシートが(2インチ×2インチ(5.1cm×5.1cm)であったことだけが異なった。転写印刷したButacite(登録商標)シートを実施例E8に記載されるようにコンディショニングし、それを使用し、実施例E8に記載の手順を使用してガラス/転写印刷しコンディショニングしたButacite(登録商標)シート/ガラス積層体を作製した。各層の寸法が2インチ×2インチ(5.1cm×5.1cm)であり、ガラス層の厚さが2.3mmであったことだけが異なった。
【0229】
実施例E70
Butacite(登録商標)シート、および実施例E68のコーティング付き20ミルポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを、比較実験CE25に記載されるようにコンディショニングし、それらを使用し、比較実験CE25に記載の手順を使用して、ガラス/コンディショニングしたButacite(登録商標)シート/コンディショニングしたコーティング付きポリ(エチレンテレフタレート)フィルム積層体を作製した。コンディショニングしたコーティング付きポリ(エチレンテレフタレート)フィルムのコーティング側を、コンディショニングしたButacite(登録商標)シートと接触させた。各層の寸法が2インチ×2インチ(5.1cm×5.1cm)であり、ガラス層の厚さが2.3mmであったことだけが異なった。
【0230】
実施例E71
ニッケル(II)5,9,14,18,23,27,32,36−オクタブトキシ−2,3−ナフタロシアニン(0.0080グラム、CAS 155773−70−9、染料含有率約98パーセント)の溶液の調製を、上記ナフタロシアニン化合物をジクロロメタン(16.00グラム)に加え、室温で混合することにより行った。得られた溶液にMowital(商標)B30Tポリビニルブチラール(3.9929グラム、Kuraray Corporation)およびジクロロメタン(5.17グラム)を加えた。フィルム流延の0.50時間前、追加のジクロロメタン(4.15グラム)を溶液に加え、得られた溶液を、流延するまで室温で混合した。
【0231】
このナフタロシアニン化合物溶液を使用して、標準手順により、10ミルのコーティング付きポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを作製した。
【0232】
実施例E72
実施例E71のコーティング付き10ミルフィルムを、標準転写印刷手順によりButacite(登録商標)ポリビニルブチラールシート上に転写印刷した。転写印刷したButacite(登録商標)シート、および未コーティングのポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを、比較実験CE25に記載されるようにコンディショニングし、それらを使用し、比較実験CE25に記載の手順を使用して、ガラス/転写印刷しコンディショニングしたButacite(登録商標)シート/コンディショニングしたポリ(エチレンテレフタレート)フィルム積層体を作製した。各層の寸法が2インチ×2インチ(5.1cm×5.1cm)であり、ガラス層の厚さが2.3mmであったことだけが異なった。
【0233】
実施例E73
Butacite(登録商標)シート、および実施例E71で作製した10ミルのコーティング付きポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを、比較実験CE25に記載されるようにコンディショニングし、それらを使用し、比較実験CE25に記載の手順を使用して、緑色ガラス/コンディショニングしたButacite(登録商標)/二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム積層体を作製した。コンディショニングしたコーティング付きポリ(エチレンテレフタレート)フィルムのコーティング側を、コンディショニングしたButacite(登録商標)シートと接触させた。第1のアニールした透明フロートガラス板の代わりにSolex(商標)緑色ガラス板を使用し、各層の寸法が2インチ×2インチ(5.1cm×5.1cm)であり、アニールしたフロートガラス層の厚さが2.3mmであったことだけが異なった。
【0234】
実施例E74
ケイ素2,3−ナフタロシアニンビス(トリヘキシルシリルオキシド)(0.0081グラム、CAS 92396−88−8)の混合物の調製を、上記ナフタロシアニン化合物をN,N−ジメチルホルムアミド(12.00グラム)とメタノール(4.00グラム)との混合物に加え、溶解するまで室温で混合することにより行った。少量の不溶性物質を除去した。得られた溶液に、Mowital(商標)B30Tポリビニルブチラール(3.9904グラム、Kuraray Corporation)を加え、得られた混合物を、室温で溶液が形成されるまで混合した。
【0235】
このナフタロシアニン化合物溶液を使用して、標準手順により、コーティング付きポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを作製した。
【0236】
実施例E75
ケイ素2,3−ナフタロシアニンビス(トリヘキシルシリルオキシド)(0.0080グラム、CAS 92396−88−8)の溶液の調製を、上記ナフタロシアニン化合物をジクロロメタン(4.00グラム)に加え、室温で混合することにより行った。この溶液にN,N−ジメチルホルムアミド(12.01グラム)を加え、室温で混合した。少量の不溶性物質を除去した。得られた溶液にMowital(商標)B30Tポリビニルブチラール(3.9904グラム、Kuraray Corporation)を加え、得られた混合物を、室温で溶液が形成されるまで混合した。
【0237】
このナフタロシアニン化合物溶液を使用して、標準手順により、コーティング付きポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを作製した。
【0238】
実施例E76
ケイ素2,3−ナフタロシアニンジオクチルオキシド(0.0081グラム、CAS 92941−50−9)の混合物の調製を、上記ナフタロシアニン化合物をN,N−ジメチルホルムアミド(12.01グラム)とメタノール(4.01グラム)との混合物に加え、溶解するまで室温で混合することにより行った。少量の不溶性物質を除去した。得られた溶液にMowital(商標)B30Tポリビニルブチラール(3.9940グラム、Kuraray Corporation)を加え、得られた混合物を、室温で溶液が形成されるまで混合した。
【0239】
このナフタロシアニン化合物溶液を使用して、標準手順により、コーティング付きポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを作製した。
【0240】
実施例E77
ケイ素2,3−ナフタロシアニンジオクチルオキシド(0.0080グラム、CAS 92941−50−9)の混合物の調製を、上記ナフタロシアニン化合物をジクロロメタン(4.13グラム)に加え、室温で混合することにより行った。この混合物にN,N−ジメチルホルムアミド(12.02グラム)を加え、室温で混合した。少量の不溶性物質を除去した。得られた溶液にMowital(商標)B30Tポリビニルブチラール(3.9976グラム、Kuraray Corporation)を加え、得られた混合物を、室温で溶液が形成されるまで混合した。
【0241】
このナフタロシアニン化合物溶液を使用して、標準手順により、コーティング付きポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを作製した。
【0242】
表1
フィルムのデータ

【0243】
(表1続き)

*注:記号のない試料番号は、ソーラーコントロール特性をシミュレーション方法Aにより計算したフィルムを示している。記号「(B)」を有する試料番号は、ソーラーコントロール特性をシミュレーション方法Bにより計算したフィルムを意味する。
【0244】
表2
積層体のデータ

【0245】
(表2続き)

*注:「a」は、フィルムドローダウン厚さが10ミルであることを意味し;「b」は、フィルムドローダウン厚さが20ミルであることを意味する。
【0246】
以上に、本発明の一部の好ましい実施形態を説明し、詳細に例示してきたが、このような実施形態に本発明が限定されることを意図するものではない。特許請求の範囲に記載される本発明の範囲および意図から逸脱せずに種々の変更を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線吸収性のフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物と可塑剤とから実質的になる組成物であって、前記可塑剤が、多塩基酸または多価アルコールの1種類以上のエステルを含み、前記フタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物が、組成物の全重量を基準にして約0.0001〜約10重量%の量で存在する、組成物。
【請求項2】
溶液であり、フタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物が、アルコキシ置換のフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物、あるいはブトキシ置換のフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
赤外線吸収性のフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物と、20,000psi(138MPa)〜1000psi(7MPa)の弾性率を有する樹脂とを含む、ソーラーコントロール組成物。
【請求項4】
前記樹脂がポリビニルブチラールまたはエチレン−コ−酢酸ビニルを含む、請求項3に記載のソーラーコントロール組成物。
【請求項5】
赤外線吸収性のフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物と、ポリビニルブチラールまたはエチレン−コ−酢酸ビニルとを含み、コーティング、フィルム、多層フィルム、シート、または多層シートの形態である、成形品。
【請求項6】
赤外線吸収性のフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物と、ポリビニルブチラールまたはエチレン−コ−酢酸ビニルとを含む、ソーラーコントロール積層体。
【請求項7】
ポリビニルブチラールまたはエチレン−コ−酢酸ビニルと、赤外線吸収性のフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物の濃縮物とから構成されるソーラーコントロール層を含むソーラーコントロール積層体であって、シミュレーション方法Aを使用して前記積層体をシミュレートした場合に、可視光透過率のシミュレーション値Tvis-simが0.65<Tvis-sim<0.75となり、太陽光透過率のシミュレーション値Tsol-simが、フタロシアニン化合物の場合<(0.932(Tvis-sim)−0.146)となり、ナフタロシアニン化合物の場合<(0.481(Tvis-sim)−0.166)となるような、層厚さ、太陽光透過率、および可視光透過率を有する、ソーラーコントロール積層体。
【請求項8】
前記フタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物が、アルコキシ置換のフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物、あるいはブトキシ置換のフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物である、請求項7に記載のソーラーコントロール積層体。
【請求項9】
ポリマーシート/ソーラーコントロール層、剛性シート/ソーラーコントロール層、剛性シート/ポリマーシート/ソーラーコントロール層、第1の剛性シート/ポリマーシート/ソーラーコントロール層/追加ポリマーシート/第2の剛性シート、剛性シート/ポリマーシート/第1のソーラーコントロール層/追加ポリマーシート/追加フィルム、剛性シート/追加ポリマーシート/追加フィルム/ポリマーシート/ソーラーコントロール層、および第1の剛性シート/ポリマーシート/ソーラーコントロール層/追加ポリマーシート/第2の剛性シート/第2の追加ポリマーシート/追加フィルム/第3の追加ポリマーシート/第3の剛性シートからなる群より選択される構造を有し、「/」が隣接層を意味し、前記ソーラーコントロール層がフィルムまたはシートであってよく、フィルムまたはシートの「第2の」層は、そのフィルムまたはシートの第1の層と同種であっても異種であってもよく、「第3の」層は、そのフィルムまたはシートの第1および第2の層と同種であっても異種であってもよい、請求項7に記載のソーラーコントロール積層体。
【請求項10】
外部窓を有する構造体の内部への赤外線の透過を低減する方法であって、
a.請求項7に記載のソーラーコントロール積層体を作成するステップと;
b.前記構造体の前記外部窓に前記ソーラーコントロール積層体を挿入するステップとを含む、方法。
【請求項11】
前記構造体が、建造物または乗り物であり、前記フタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物が、アルコキシ置換のフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物、あるいはブトキシ置換のフタロシアニン化合物またはナフタロシアニン化合物である、請求項10に記載の方法。

【公表番号】特表2009−526872(P2009−526872A)
【公表日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−548777(P2008−548777)
【出願日】平成18年12月29日(2006.12.29)
【国際出願番号】PCT/US2006/049630
【国際公開番号】WO2007/079248
【国際公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】