説明

タイムレコーダシステム

【課題】勤務時間や所属会社等が異なる種々のIDカード所有者の勤怠管理を1つのタイムレコーダで行えるようにする。
【解決手段】IDカードに、氏名と所属社名などを記載しておく。タイムレコーダでIDカードを読み取り、カード内部情報に基づいて処理を選択する。選択した処理を実行して、処理結果やカード内部情報を所定の送信先に送信し、表示装置に表示する。例えば、氏名と所属社名からテーブルを参照して勤務時間情報を求めて遅刻表示などを行う。あるいは、所属社名により外部情報を取得して、勤務時間や送信先アドレスを求めることもできる。勤務時間や所属が異なる種々のIDカード所有者が、1つのタイムレコーダを共用できるので、操作が簡単になり、コストも低下する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイムレコーダシステムに関し、特に、取得情報の処理、当該情報の送信、開示先等が多岐に渡る場合においても、1つのタイムレコーダにより、適宜、処理、情報の送信、開示先を選択、変更し得るタイムレコーダシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の労働市場は益々複雑化し、1つの職場において、正規社員の他、契約社員、パートタイマー社員、アルバイト社員等その勤務形態、勤務すべき時間が異なる労働者が混在している。更には、複数の派遣会社からの派遣労働者も加わり、タイムレコーダの取得情報の処理、当該情報の送信、開示されるべき会社、部署が多岐に渡る状況に至っている。このような状況の職場においては、複数のタイムレコーダを用いて、それぞれの労働者の勤怠管理を行っている。従来のタイムレコーダシステムでは、複数のタイムレコーダが、上位のサーバーに接続されており、出退勤データの収集を行っている。以下に、これに関連する従来技術の例をあげる。
【0003】
特許文献1に開示された「タイムレコーダ」は、専用の打刻用カードを新たに用意する必要がなく、各自が所持しているカードを用いて出退勤データを入力できるようにしたものである。タイムレコーダの動作モード設定手段で、タイムレコーダの動作モードを、ID登録モードに設定できる。各人が所有する各種のカードからカードIDを読み取るか、カードIDを入力する。外部通信手段で、サーバーへの送受信を行う。各人が所持している個人識別機能を備えている各種のカードを使用し、上位のサーバーにて出退勤データを入力できる。上位のサーバーに接続されているいずれのタイムレコーダからでも、各自が所持するカードを用いて出退勤データを入力できる。
【特許文献1】特開2008-112416号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のタイムレコーダシステムには、次のような問題がある。複数のタイムレコーダに接続される上位サーバーが1台となっており、サーバーが特定されてしまう。IDカード所有者が正社員、契約社員、パートタイマー社員、アルバイト社員等混在し、各々、勤務すべき時間が異なる場合、適宜「遅刻」表示を行うことが困難となる。
【0005】
取得情報の提供、送信先が唯一に限られるため、IDカード所有者が複数の異なる会社または部門に帰属し、取得情報の送信すべき相手先が複数存在する場合には、送信先毎にタイムレコーダを用い、その利用者は、複数のタイムレコーダより、誤り無く、利用すべき1台のタイムレコーダを選択しなければならない。
【0006】
本発明の目的は、上記従来の問題を解決し、1つのタイムレコーダで、IDカード所有者個々の勤務すべき時間、所属会社等に応じ、適宜、処理内容、取得情報の送信先、勤務条件の参照先等を変更できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明では、タイムレコーダと、タイムレコーダで読取可能なカード内部情報を保持するIDカードと、勤怠管理サーバーと、タイムレコーダと勤怠管理サーバーとを結ぶ通信ネットワークとを具備するタイムレコーダシステムのタイムレコーダに、計時装置と、カード内部情報を読み取る読取装置と、通信ネットワークを介して勤怠管理サーバーと通信するための通信装置と、表示装置と、制御装置とを備え、カード内部情報は、処理識別情報を含み、制御装置は、読取装置を介してカード内部情報を取得する読取制御手段と、計時装置から計時情報を取得する計時情報取得手段と、処理識別情報に基づいて処理を選択する処理選択手段と、選択された処理を実行する選択処理実行手段と、カード内部情報と計時情報とを通信装置を介して勤怠管理サーバーに送信する送信制御手段と、カード内部情報と計時情報とを表示装置を介して表示する表示制御手段とを備える構成とした。
【0008】
カード内部情報は、処理識別情報として勤務時間情報を含み、処理選択手段は、勤務時間情報に基づく遅刻表示処理を選択する手段を有し、選択処理実行手段は、カード内部情報から勤務時間情報を取得する手段と、勤務時間情報と計時情報とに基づいて遅刻であるか否かを表示させる手段とを有する。または、カード内部情報は、送信アドレスを含み、処理選択手段は、送信アドレスの存在に従って送信先変更処理を選択する手段を有し、選択処理実行手段は、送信アドレスに対応する勤怠管理サーバーを送信先に変更する手段を有する。または、カード内部情報は、所属社名を含み、処理選択手段は、所属社名と送信アドレスを対応付けた送信先アドレステーブルと、所属社名の存在に応じて送信先変更処理を選択する手段を有し、選択処理実行手段は、所属社名から送信アドレスを求める手段と、送信アドレスに対応する勤怠管理サーバーを送信先に変更する手段とを有する。または、カード内部情報は、外部情報取得先アドレスを含み、処理選択手段は、外部情報取得先アドレスの存在に応じて外部情報取得処理を選択する手段を有し、選択処理実行手段は、外部情報取得先アドレスに対応する勤怠管理サーバーから勤務時間情報を取得する手段と、勤務時間情報と計時情報とに基づいて遅刻であるか否かを表示させる手段とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、正社員や契約社員やパートタイマー社員やアルバイト社員等が混在し、IDカード所有者各々の勤務すべき時間が異なる場合においても、「遅刻」等を表示できる。IDカード所有者が複数の異なる会社または部門に帰属していても、取得情報の送信先を選択して変更できる。IDカード所有者が複数の異なる会社または部門に帰属していても、夫々のIDカード所有者の所属社名または所属部門名を、IDカードの内部情報として記録しておくことにより、取得情報の送信先を変更できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1〜図7を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0011】
本発明の実施例1は、IDカードに記載された情報に応じて処理を選択して、勤怠管理を行うタイムレコーダである。
【0012】
図1は、本発明の実施例1におけるタイムレコーダの概念を示す図である。図1(a)は、タイムレコーダの構成を示すブロック図である。図1(b)は、タイムレコーダシステムの接続関係を示す概念図である。図1(c)は、カード内部情報の構成を示す図である。図1(d)は、タイムレコーダの制御装置の機能ブロック図である。図1(e)は、タイムレコーダの動作手順を示す流れ図である。図2は、処理選択の手順を示す流れ図である。
【0013】
図1において、制御装置1は、タイムレコーダの全体を制御する演算処理装置である。カード読取装置2は、カード内部情報を読み取る装置である。通信装置3は、ネットワークを介してサーバーと通信する装置である。表示装置4は、遅刻情報などを表示する装置である。計時装置5は、時計である。情報経路6は、制御装置1とカード読取装置2と通信装置3と表示装置4と計時装置5を相互に接続するバスである。ネットワーク7は、専用電話回線やインターネットなどの通信回線である。サーバー8は、タイムレコーダを管理し勤怠情報を記録する情報処理装置である。カード内部情報9は、IDカードに記載されている情報である。タイムレコーダ10は、処理選択機能とネットワーク通信機能を備えた勤怠管理の端末装置である。カード内部情報取得手段11は、カード内部情報を取得して、必要な処理識別情報を選択する手段である。処理選択テーブル12は、処理識別情報に基づいて処理に必要な情報を取得するためのアドレステーブルなどである。処理選択手段13は、処理識別情報や取得した情報に応じて処理を選択する手段である。選択処理実行手段14は、選択した処理を実行する手段である。
【0014】
上記のように構成された、本発明の実施例1におけるタイムレコーダの機能と動作を説明する。IDカードには、図1(c)に示すように、内部情報として、IDカード所有者の氏名や勤務時間などが保持されている。IDカードは、非接触ICカードや、磁気カードや、光カードなど、周知技術で実現できるものであれば、どのようなものでもよい。図1(a)に示すように、制御装置1で、情報経路6を介してタイムレコーダの全体を制御する。カード読取装置2で、カード内部情報9を読み取る。制御装置1は、カード内部情報9に応じて処理を選択し、計時装置5の時刻と勤務時間を比較して遅刻であれば、表示装置4に遅刻情報などを表示する。通信装置3で、カード内部情報9や遅刻情報などを、図1(b)に示すように、ネットワーク7を介してサーバー8に送信する。サーバー8は、タイムレコーダ10を管理し勤怠情報を記録する。
【0015】
図1(d)に示すように、制御装置1は、カードID取得手段11と、処理選択テーブル12と、処理選択手段13と、選択処理実行手段14とを備えている。これらの各手段は、プログラムやデータとしてメモリに保持されている。図1(e)に示すように、タイムレコーダは、S1でIDカードの有無の検知を行い、S2で新規に挿入されたIDカードか否かを判定し、新規に挿入されたIDカードでなければ、S8で一定時間待機する。これを繰り返して、新規挿入のIDカードを検知するまで待機している。IDカードを検知すると、S3で、計時装置5から現在時刻を取得する。さらに、S4でIDカードをカード読取装置2で読み取り、カード内部情報を取得する。S5-1で、カード内部情報9に基づいて処理を選択し、S5-2で、選択した処理を実行する。S5-3で送信先のアドレスを取得し、S6で、内部情報9や遅刻情報などの取得情報を通信装置3で送信するとともに、S7で取得情報を表示装置4に表示する。
【0016】
図2に、処理の選択手順を示す。カード内部情報に勤務時間情報があれば、取得した勤務時間情報を所定勤務時間情報とする。カード内部情報に勤務時間情報がなければ、所属社名があるかどうか調べ、あれば、処理選択テーブルを参照して所属社名と氏名から勤務時間情報を取得し、取得した勤務時間情報を所定勤務時間情報とする。カード内部情報に所属社名がなければ、外部情報取得アドレスがあるかどうか調べ、あれば、ネットワークを介してそのアドレスのサーバーから外部情報を取得して、勤務時間情報を取得し、取得した勤務時間情報を所定勤務時間情報とする。所定勤務時間情報は、予めデフォルト値として共通の勤務時間が設定されている。
【0017】
カード内部情報に送信アドレスがあるかどうか調べ、あれば、カード内部情報から取得した送信アドレスを所定送信アドレスとする。カード内部情報に送信アドレスがなければ、カード内部情報に所属社名があるかどうか調べ、あれば、処理選択テーブルを参照して所属社名と氏名から送信アドレスを取得し、取得した送信アドレスを所定送信アドレスとする。所定勤務時間と現在時刻を比較し、遅刻であれば表示装置4に遅刻であることを表示する。取得情報を所定送信アドレスに送信し、表示装置4にも表示する。
【0018】
上記のように、本発明の実施例1では、タイムレコーダを、IDカードに記載された情報に応じて処理を選択して、勤怠管理を行う構成としたので、1台のタイムレコーダで種々のIDカードに対応でき、利用者はタイムレコーダを選択したり特別の操作をしたりする必要がなくなる。
【実施例2】
【0019】
本発明の実施例2は、IDカードに記載された勤務時間情報により、遅刻の表示を行うタイムレコーダである。
【0020】
図3(b)は、本発明の実施例2におけるカード内部情報の構成を示す図である。図3(c)は、タイムレコーダの制御装置の処理手順を示す流れ図である。タイムレコーダの基本的な構成は、実施例1と同じである。
【0021】
上記のように構成された、本発明の実施例2におけるタイムレコーダの機能と動作を説明する。図3(a)に示すように、IDカードには、カード内部情報としてIDカード所有者の氏名と勤務時間が保持されている。制御装置1は、S1で、情報経路6を経由し、カード読取装置2により、IDカードの検知を試みる。制御装置1は、S2において、新たなIDカードがカード読取装置2のカード読取範囲に存在する場合は「検知」と判定し、存在しなければ「未検知」と判定する。「未検知」の場合は、S8で一定時間経過した後、再び、カード検知S1に戻り、情報経路6を経由し、カード読取装置2によりIDカードの検知を試みる。
【0022】
S2において、「検知」の判定がなされた場合、制御装置1は、S3で、計時装置5より計時情報を取得する。S4で、カード読取装置2によりカード内部情報を取得する。制御装置1は、S5-4において、カード内部情報より、IDカード所有者の勤務時間情報を取得する。S5-5において、当該勤務時間と計時情報を比較し、「遅刻」であるか、「正常出勤」であるかの判定を行う。「遅刻」と判定された場合は、S5-6において、表示装置4により「遅刻」の表示を行う。S5-3で、デフォルト値の送信アドレスを取得する。制御装置1は、S6において、通信装置3により取得情報を所定の相手先に送信する。また、S7において、表示装置7により取得情報の表示を行う。その後S1に復帰する。
【0023】
IDカード所有者の勤務時間をカード内部情報として記載しておけば、正社員、契約社員、パートタイマー社員、アルバイト社員等が混在し、IDカード所有者各々の勤務すべき時間が異なる場合においても、IDカードの内部情報の勤務時間情報に応じて遅刻表示を行うことができる。
【0024】
上記のように、本発明の実施例2では、タイムレコーダを、IDカードに記載された勤務時間情報により、遅刻の表示を行う構成としたので、1台のタイムレコーダで種々の勤務時間のIDカード所有者に対応できる。
【実施例3】
【0025】
本発明の実施例3は、IDカードに記載された送信先アドレスに応じて、取得情報の送信先を変更するタイムレコーダである。
【0026】
図4(a)は、本発明の実施例2におけるカード内部情報の構成を示す図である。図4(b)は、タイムレコーダの制御装置の処理手順を示す流れ図である。タイムレコーダの基本的な構成は、実施例1と同じである。
【0027】
上記のように構成された、本発明の実施例3におけるタイムレコーダの機能と動作を説明する。図4(a)に示すように、IDカードには、カード内部情報としてIDカード所有者の氏名と送信アドレスが保持されている。S1(カード検知)〜S4(カード情報取得)と、S2(新規カード判定)の「未検知」分岐からS8(検知待機)に至る動作と、S5-4〜S5-6は、実施例2と同様である。勤務時間情報は、デフォルト値またはカード内部情報を使う。制御装置1は、新規カードを検知し、カード情報を取得した後、S5-3において、カード内部情報より、IDカード所有者に関わる情報の送信アドレスを取得する。S6において、IDカード所有者氏名や計時情報等の取得情報を、当該送信アドレスに送信する。S7において、表示装置7により取得情報の表示を行い、S1に復帰する。
【0028】
IDカード所有者に関わる情報の送信アドレスをカード内部情報として記載しておけば、IDカード所有者が複数の異なる会社または部門に帰属していても、取得情報の送信先をIDカード所有者に対応するサーバーに簡単に変更できる。
【0029】
上記のように、本発明の実施例3では、タイムレコーダを、IDカードに記載された送信先アドレスに応じて、取得情報の送信先を変更する構成としたので、1台のタイムレコーダで、送信先サーバーが異なる複数のIDカード所有者に対応できる。
【実施例4】
【0030】
本発明の実施例4は、IDカードに記載された所属社名に応じて、取得情報の送信先を変更するタイムレコーダである。
【0031】
図5(a)は、本発明の実施例3におけるカード内部情報の構成を示す図である。図5(b)は、処理選択テーブルであるアドレステーブルの構成を示す図である。アドレステーブルは、複数の社名(会社A、会社B、会社C・・・)と、当該社名に対応した送信先アドレス(会社Aアドレス、会社Bアドレス、会社Cアドレス・・・)により構成されている。図5(c)は、タイムレコーダの制御装置の処理手順を示す流れ図である。タイムレコーダの基本的な構成は、実施例1と同じである。
【0032】
上記のように構成された、本発明の実施例4におけるタイムレコーダの機能と動作を説明する。図5(a)に示すように、IDカードには、カード内部情報として、IDカード所有者の氏名と所属社名が保持されている。S1(カード検知)〜S4(カード情報取得)と、S2(新規カード判定)の「未検知」分岐からS8(検知待機)に至る動作と、S5-4〜S5-6は、実施例2と同様である。勤務時間情報は、デフォルト値またはIDカードの内部情報を使う。制御装置1は、新規挿入のIDカードを検知し、カード内部情報を取得した後、S5-7において、カード内部情報より、IDカード所有者の帰属する所属社名を取得する。S5-8とS5-9において、所属社名によりアドレステーブルを参照して、IDカード所有者に関わる情報の送信先アドレスとして、当該所有者所属会社のアドレスを取得する。S5-6において、IDカード所有者氏名、計時情報等の取得情報を、当該送信アドレスに送信する。S7において、表示装置7により取得情報の表示を行い、S1に復帰する。
【0033】
IDカード所有者の所属社名または所属部門名をカード内部情報として記載しておけば、IDカード所有者が複数の異なる会社または部門に帰属していても、取得情報の送信先をIDカード所有者に対応するサーバーに簡単に変更できる。
【0034】
上記のように、本発明の実施例4では、タイムレコーダを、IDカードに記載された所属社名に応じて、取得情報の送信先を変更する構成としたので、1台のタイムレコーダで、所属が異なる複数のIDカード所有者に対応できる。
【実施例5】
【0035】
本発明の実施例5は、カード内部情報に従って外部情報を取得し、外部情報の勤務時間情報に応じて遅刻の表示を行うタイムレコーダである。
【0036】
図6(a)は、本発明の実施例5におけるカード内部情報の構成を示す図である。図6(b)は、外部情報の構成を示す図である。外部情報は、氏名と勤務時間情報である。図6(c)は、タイムレコーダの制御装置の処理手順を示す流れ図である。タイムレコーダの基本的な構成は、実施例1と同じである。
【0037】
上記のように構成された、本発明の実施例5におけるタイムレコーダの機能と動作を説明する。図6(a)に示すように、IDカードには、カード内部情報として、IDカード所有者の氏名と外部情報取得先アドレスが保持されている。S1(カード検知)〜S4(カード情報取得)と、S2(新規カード判定)の「未検知」分岐からS8(検知待機)に至る動作は、実施例2と同様である。制御装置1は、新規挿入のIDカードを検知し、カード内部情報を取得した後、S5-10において、カード内部情報より、IDカード所有者に関わる氏名情報を取得する。S5-11において、外部情報を取得する。S5-12において、外部情報から、IDカード所有者の勤務時間情報を取得する。S5-5において、当該勤務時間と計時情報を比較し、「遅刻」であるか、「正常出勤」であるかの判定を行い、「遅刻」と判定された場合は、S5-6において、表示装置4により「遅刻」の表示を行う。S5-3で、デフォルト値の送信アドレスを取得する。制御装置1は、S6において、通信装置3により取得情報を所定の相手先に送信する。S7において、表示装置7により取得情報の表示を行い、S1に復帰する。
【0038】
IDカードに、外部情報取得先アドレスを内部情報として記載しておけば、IDカードに所属や勤務時間情報を記載しておかなくても、外部情報を取得して処理できる。
【0039】
上記のように、本発明の実施例5では、タイムレコーダを、カード内部情報に従って外部情報を取得し、外部情報の勤務時間情報に応じて遅刻の表示を行う構成としたので、1台のタイムレコーダで、種々のIDカード所有者に対応できる。
【実施例6】
【0040】
本発明の実施例6は、IDカードに記載された所属社名に従って、アドレステーブルから外部情報取得先アドレスを求め、外部情報から勤務時間情報を取得して、外部情報の勤務時間情報に応じて遅刻の表示を行うタイムレコーダである。
【0041】
図7(a)は、本発明の実施例6におけるタイムレコーダで用いるカード内部情報の構成を示す図である。図7(b)は、処理選択テーブルとしてのアドレステーブルであり、会社名と外部情報取得先アドレスの対応を記載したテーブルである。図7(c)は、外部情報の構成を示す図である。外部情報は、氏名と勤務時間情報である。図7(d)は、タイムレコーダの制御装置の処理手順を示す流れ図である。タイムレコーダの基本的な構成は、実施例1と同じである。
【0042】
上記のように構成された、本発明の実施例5におけるタイムレコーダの機能と動作を説明する。図7(b)に示すように、IDカードには、カード内部情報として、IDカード所有者の氏名と外部情報取得先アドレスが保持されている。S1(カード検知)〜S4(カード情報取得)と、S2(新規カード判定)の「未検知」分岐からS8(検知待機)に至る動作については、実施例2と同様である。制御装置1は、新規挿入のIDカードを検知し、カード情報を取得した後、S5-13において、カード内部情報から、IDカード所有者の帰属する所属社名を取得する。S5-14において、所属社名によりアドレステーブルを参照して、IDカード所有者に関わる情報の取得先アドレスとして、当該所有者所属会社のアドレスを取得する。S5-15において、外部情報取得先アドレスから外部情報を取得する。S5-16において、外部情報から氏名に対応する勤務時間情報を得る。S5において、当該勤務時間と計時情報を比較し、「遅刻」であるか、「正常出勤」であるかの判定を行う。「遅刻」と判定された場合は、S6において、表示装置4により「遅刻」の表示を行う。S5-3で、デフォルト値の送信アドレスを取得する。制御装置1は、S6において、通信装置3により取得情報を所定の相手先に送信する。S7において、表示装置7により取得情報の表示を行い、S1に復帰する。
【0043】
IDカードに、IDカード所有者の所属社名または所属部門名を、カード内部情報として記載しておけば、IDカード所有者が、複数の異なる会社または部門のいずれに帰属していても、外部情報の取得先を特定できる。
【0044】
上記のように、本発明の実施例6では、タイムレコーダを、IDカードに記載された所属社名に従って、アドレステーブルから外部情報取得先アドレスを求め、外部情報から勤務時間情報を取得して、外部情報の勤務時間情報に応じて遅刻の表示を行う構成としたので、IDカードに氏名と所属社名を記載しておくだけで、1つのタイムレコーダで勤怠管理ができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明のタイムレコーダシステムは、種々の労働者が働く職場の勤怠管理を1つのタイムレコーダで行う場合に最適である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施例1におけるタイムレコーダの構成を示す図と、カード内部情報の構成を示す図と、処理手順を示す図である。
【図2】本発明の実施例1におけるタイムレコーダでの処理手順を示す図である。
【図3】本発明の実施例2におけるタイムレコーダの構成を示す図と、カード内部情報の構成を示す図と、処理手順を示す図である。
【図4】本発明の実施例3におけるタイムレコーダで用いるカード内部情報の構成を示す図と、処理手順を示す図である。
【図5】本発明の実施例4におけるタイムレコーダで用いるカード内部情報の構成を示す図と、処理手順を示す図と、アドレステーブルの構成を示す図である。
【図6】本発明の実施例5におけるタイムレコーダで用いるカード内部情報の構成を示す図と、処理手順を示す図と、外部情報の構成を示す図である。
【図7】本発明の実施例6におけるタイムレコーダで用いるカード内部情報の構成を示す図と、処理手順を示す図と、アドレステーブルの構成を示す図と、外部情報の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
1 制御装置
2 カード情報の読取装置
3 通信装置
4 表示装置
5 計時装置
6 情報経路
7 ネットワーク
8 サーバー
9 カード内部情報
10 タイムレコーダ
11 カード内部情報取得手段
12 処理選択テーブル
13 処理選択手段
14 選択処理実行手段
15 外部情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイムレコーダと、前記タイムレコーダで読取可能なカード内部情報を保持するIDカードと、勤怠管理サーバーと、前記タイムレコーダと前記勤怠管理サーバーとを結ぶ通信ネットワークとを具備するタイムレコーダシステムにおいて、前記タイムレコーダは、計時装置と、前記カード内部情報を読み取る読取装置と、前記通信ネットワークを介して前記勤怠管理サーバーと通信するための通信装置と、表示装置と、制御装置とを備え、前記カード内部情報は、処理識別情報を含み、前記制御装置は、前記読取装置を介して前記カード内部情報を取得する読取制御手段と、前記計時装置から計時情報を取得する計時情報取得手段と、前記処理識別情報に基づいて処理を選択する処理選択手段と、選択された処理を実行する選択処理実行手段と、前記カード内部情報と前記計時情報とを前記通信装置を介して前記勤怠管理サーバーに送信する送信制御手段と、前記カード内部情報と前記計時情報とを前記表示装置を介して表示する表示制御手段とを備えることを特徴とするタイムレコーダシステム。
【請求項2】
前記カード内部情報は、前記処理識別情報として勤務時間情報を含み、前記処理選択手段は、前記勤務時間情報に基づく遅刻表示処理を選択する手段を有し、前記選択処理実行手段は、前記カード内部情報から前記勤務時間情報を取得する手段と、前記勤務時間情報と前記計時情報とに基づいて遅刻であるか否かを表示させる手段とを有することを特徴とする請求項1記載のタイムレコーダシステム。
【請求項3】
前記カード内部情報は、送信アドレスを含み、前記処理選択手段は、前記送信アドレスの存在に従って送信先変更処理を選択する手段を有し、前記選択処理実行手段は、前記送信アドレスに対応する勤怠管理サーバーを送信先に変更する手段を有することを特徴とする請求項1記載のタイムレコーダシステム。
【請求項4】
前記カード内部情報は、所属社名を含み、前記処理選択手段は、所属社名と送信アドレスを対応付けた送信先アドレステーブルと、前記所属社名の存在に応じて送信先変更処理を選択する手段を有し、前記選択処理実行手段は、前記所属社名から送信アドレスを求める手段と、前記送信アドレスに対応する勤怠管理サーバーを送信先に変更する手段とを有することを特徴とする請求項1記載のタイムレコーダシステム。
【請求項5】
前記カード内部情報は、外部情報取得先アドレスを含み、前記処理選択手段は、前記外部情報取得先アドレスの存在に応じて外部情報取得処理を選択する手段を有し、前記選択処理実行手段は、前記外部情報取得先アドレスに対応する勤怠管理サーバーから勤務時間情報を取得する手段と、前記勤務時間情報と前記計時情報とに基づいて遅刻であるか否かを表示させる手段とを有することを特徴とする請求項1記載のタイムレコーダシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−86491(P2010−86491A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−257978(P2008−257978)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【出願人】(506020458)株式会社Liti R&D (6)
【Fターム(参考)】