説明

タイヤ及びタイヤの製造方法

【課題】 キャップゴムとベースゴムとベルトとを備え、ラグ溝が形成されるタイヤにおいて、クラックの発生を抑制しつつ、耐久性及び耐熱性を向上させたタイヤ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 タイヤ径方向において、ベースゴム40の厚さBは、基準厚さAの40%以上であり、ラグ溝100のタイヤ径方向内側には、ベースゴム40とベースゴム40よりも耐候性を有する被覆ゴム部材80とを有する層が形成され、ラグ溝100の表面は、被覆ゴム部材80又は、被覆ゴム部材80とキャップゴム20とにより構成され、ウェーブ最大値Wは、基準厚さAの27%以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレッド部にラグ溝が形成されたタイヤ、特に建設車両用タイヤ、及びタイヤの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トレッド幅方向に延びるラグ溝が形成されたタイヤ、特に建設車両用タイヤのようにラグ溝を深く形成するタイヤでは、ベルトがタイヤ周方向に波打つ、所謂ベルトウェーブが大きく生じていた。トレッド幅方向における幅が最大となるベルト(以下、最大幅ベルトと適宜略す)のベルトウェーブが大きい場合、トレッド幅方向における最大幅ベルトの外側端が剥離しやすくなり、タイヤの耐久性が低下していた。
【0003】
このため、ベルトウェーブを抑制するために、生タイヤにラグ溝に対応したプレラグ溝を形成するタイヤの製造方法が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
プレラグ溝が形成されていない場合は、加硫の際に、生タイヤが入れられた金型においてラグ溝を形成する突起(以下、ラグ溝骨)は、トレッド部のゴムに食い込む。これによって、ゴムに局所的に圧力が加わり、ベルトウェーブが大きく生じる。プレラグ溝を予め形成することにより、ラグ溝骨が溝に入り込むため、ゴムに加わる圧力が抑えられ、ベルトウェーブが抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−105511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
タイヤは、発熱によりゴムが劣化して、タイヤの寿命が短くなる。特に大型の建設車両用タイヤでは、発熱しやすいため、その傾向はより顕著となる。このため、耐熱性を有するベースゴムと、トレッド面を有し、ベースゴムに接するキャップゴムとを有するタイヤが用いられている。ベースゴムは、耐熱性を有するため、キャップゴムに対するベースゴムの割合を大きくするほど、耐熱性が向上する。
【0007】
しかしながら、ベースゴムの割合が大きくなると、生タイヤにプレラグ溝を形成する場合、プレラグ溝は、キャップゴムを貫通して形成され、ベースゴムが露出する。ベースゴムは、耐候性が悪いため、ベースゴムの露出部分には、クラックが発生し易かった。このため、ベースゴムの割合が大きいタイヤでは、生タイヤに形成されるプレラグ溝がキャップゴムを貫通しないように、溝底が浅くなり、ベルトウェーブを充分に抑制できていなかった。
【0008】
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、キャップゴムとベースゴムとベルトとを備え、ラグ溝が形成されるタイヤにおいて、クラックの発生を抑制しつつ、耐久性及び耐熱性を向上させたタイヤ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。本発明の特徴は、トレッド面を有するキャップゴムと、前記キャップゴムのタイヤ径方向内側に位置し前記キャップゴムと接するベースゴムと、前記ベースゴムのタイヤ径方向内側に位置しタイヤ周方向に延びる少なくとも1以上のベルトとを備え、タイヤ周方向に延びる陸部と、前記陸部に形成されたトレッド幅方向に延びる複数のラグ溝と、複数の前記ラグ溝のうち、一のラグ溝と前記一のラグ溝にタイヤ周方向に隣接する他のラグ溝とによってタイヤ周方向に区画された小陸部とを有するタイヤであって、タイヤ径方向において、前記小陸部を構成する前記キャップゴム及び前記ベースゴムの合計厚さが基準厚さであり、タイヤ径方向において、前記ベースゴムの厚さは、前記基準厚さの40%以上であり、前記ラグ溝のタイヤ径方向内側には、前記ベースゴムと前記ベースゴムよりも耐候性を有する被覆ゴム部材とを有する層が形成され、前記ラグ溝の表面は、前記被覆ゴム部材又は、前記被覆ゴム部材と前記キャップゴムとにより構成され、前記少なくとも1以上のベルトは、トレッド幅方向における幅が最も大きいベルトである最大幅ベルトを含み、前記最大幅ベルトは、トレッド幅方向における外側端において、前記一のラグ溝よりもタイヤ径方向の内側に設けられる第1部分と、前記小陸部よりもタイヤ径方向の内側に設けられる第2部分とを含み、タイヤ径方向において、前記タイヤの回転軸から前記第1部分までの高さである第1ベルト高さと、前記タイヤの回転軸から前記第2部分までの高さである第2ベルト高さとの最大の差がウェーブ最大値であり、前記ウェーブ最大値は、前記基準厚さの27%以下であることを要旨とする。
【0010】
本発明の特徴によれば、タイヤ径方向において、ベースゴムの厚さが、小陸部を構成するキャップゴム及びベースゴムの合計厚さ(基準厚さ)の40%以上である。このため、耐熱性を向上することができる。
【0011】
また、本発明の特徴によれば、ウェーブ最大値は、前記基準厚さの27%以下である。すなわち、生タイヤに形成する溝の溝深さを深くすることによって、ベルトウェーブを抑制している。その結果、最大幅ベルトのトレッド幅方向端部は、剥離しにくくなり、タイヤの耐久性は、向上する。
【0012】
さらに、本発明の特徴によれば、ラグ溝のタイヤ径方向内側には、ベースゴムとベースゴムよりも耐候性を有する被覆ゴム部材とを有する層が形成され、ラグ溝の表面は、被覆ゴム部材又は、被覆ゴム部材とキャップゴムとにより構成される。ベースゴムの厚さが基準厚さの40%以上であり、かつウェーブ最大値が、基準厚さの27%以下となるように、生タイヤに形成するプレラグ溝の溝深さが深く形成される。このため、ラグ溝の溝底には、ベースゴムが露出し得るものの、被覆ゴム部材によって、ラグ溝の表面は、ベースゴムにより構成されない。すなわち、ベースゴムは、露出しない。このため、ベースゴムに基づくラグ溝のクラックの発生を防止できる。
【0013】
また、タイヤ周方向及びタイヤ径方向に沿った断面において、前記被覆ゴム部材の端部は、前記キャップゴムと接し、前記被覆ゴム部材の端部から、前記キャップゴム及び前記ベースゴムの境界と、前記被覆ゴム部材との接点までの長さは、10mm以上であってもよい。
【0014】
また、前記被覆ゴム部材には、前記キャップゴムと同じ材料が用いられてもよい。
【0015】
本発明の特徴は、トレッド面を有するキャップゴムと、前記キャップゴムのタイヤ径方向内側に位置し前記キャップゴムと接するベースゴムと、前記ベースゴムのタイヤ径方向内側に位置しタイヤ周方向に延びる少なくとも1以上のベルトとを備えた生タイヤを準備する準備工程と、トレッド幅方向に延びるラグ溝が形成される部分に、前記ラグ溝に対応したプレラグ溝を前記生タイヤに形成する溝形成工程と、前記溝が形成された前記生タイヤを加硫して、前記プレラグ溝が形成された部分に前記ラグ溝が形成されたタイヤを得る工程とを備え、前記準備工程では、前記ベースゴムの厚さが、前記キャップゴムと前記ベースゴムとの合計厚さの40%以上である生タイヤを準備し、前記溝形成工程では、前記プレラグ溝の深さが、前記キャップゴムと前記ベースゴムとの合計厚さの79%以上となるように前記プレラグ溝を形成し、前記プレラグ溝の表面に前記ベースゴムを露出させ、前記溝形成工程では、前記ベースゴムの露出した部分を前記ベースゴムよりも耐候性を有する被覆ゴム部材で覆うことを要旨とする。
【0016】
また、前記溝形成工程において、前記被覆ゴム部材の端部は、前記キャップゴムと接し、タイヤ周方向及びタイヤ径方向に沿った断面において、前記被覆ゴム部材の端部から、前記キャップゴムと露出したベースゴムとの境界までの長さが10mm以上となるように、前記ベースゴムの露出した部分を前記被覆ゴム部材で覆ってもよい。
【0017】
また、前記被覆ゴム部材には、前記キャップゴムと同じ材料が用いられても良い。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、キャップゴムとベースゴムとベルトとを備え、ラグ溝が形成されるタイヤにおいて、クラックの発生を抑制しつつ、耐久性及び耐熱性を向上させたタイヤ及びその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本実施形態に係るタイヤ1のトレッドパターンを表すトレッド展開図である。
【図2】図2は、本実施形態に係るタイヤ1のタイヤ周方向及びタイヤ径方向に沿った断面図である。
【図3】図3は、本実施形態に係るタイヤ1の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図4】図4(a)から図4(c)は、本実施形態に係る生タイヤ1aのタイヤ周方向及びタイヤ径方向に沿った断面図である。
【図5】トレッド面視における生タイヤ1aのラグ溝100に対応したプレラグ溝105の部分拡大図である。
【図6】トレッド面視における生タイヤ1aのラグ溝100に対応したプレラグ溝105の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係るタイヤ及びそのタイヤの製造方法の一例について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)タイヤ1の概略構成、(2)タイヤ1の製造方法、(3)作用効果、(4)比較評価、(5)その他実施形態、について説明する。
【0021】
以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面は模式的なのものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることを留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0022】
(1)タイヤ1の概略構成
本実施形態に係るタイヤ1の概略構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るタイヤ1のトレッドパターンを表すトレッド展開図である。すなわち、図1は、タイヤ径方向外側からタイヤ1のトレッド部を視た図である。図2は、本実施形態に係るタイヤ1のタイヤ周方向及びタイヤ径方向に沿った断面図である。具体的には、図2は、図1におけるA−A断面図であり、トレッド幅方向におけるベルト60の外側端が位置する部分の断面図である。
【0023】
図1及び図2に示されるように、本実施形態に係るタイヤ1は、キャップゴム20、ベースゴム40、ベルト60、被覆ゴム部材80を備える。
【0024】
キャップゴム20は、トレッド面25を有する。すなわち、キャップゴム20は、タイヤ径方向最も外側に位置する。キャップゴム20は、ベースゴム40に比べて、耐候性を有する。すなわち、キャップゴム20は、ベースゴム40に比べて、自然環境下(太陽光の照射下等)において、ゴムの劣化がし難い。耐候性の優劣の判断は、例えば、同一の自然環境下において、ゴムの劣化(亀裂の発生やゴムの性質の変化)が進んだものほど、耐候性が低いと判断する。具体的には、ゴムの強度・硬度を測定して、耐候性の優劣を決定する。
【0025】
図1及び図2に示されるように、タイヤ1は、トレッド部において、ラグ溝100、周方向溝150、陸部200及び小陸部220を有する。すなわち、キャップゴム20は、ラグ溝100、周方向溝150、陸部200及び小陸部220を有する。
【0026】
ラグ溝100は、陸部200に形成される。ラグ溝100は、トレッド幅方向に延びる。ラグ溝100は、複数形成される。本実施形態において、トレッド幅方向外側のラグ溝100は、トレッド幅方向内側のラグ溝100よりも溝深さDが深くなるように形成される。ラグ溝100は、タイヤ赤道線CL上にある点を中心として点対称に形成される。従って、タイヤ赤道線CLの一方のトレッド幅方向外側にあるラグ溝100とタイヤ赤道線CLの他方のトレッド幅方向外側にあるラグ溝100とは、向きを除いて、同一である。なお、溝深さDは、トレッド面25からラグ溝100のタイヤ径方向最も内側の表面までのタイヤ径方向に沿った長さである。
【0027】
周方向溝150は、タイヤ周方向に沿って延びる。周方向溝150は、タイヤ赤道線CL上に位置する。陸部200は、タイヤ周方向に延びる。本実施形態において、タイヤ1は、周方向溝150を挟む陸部200を2本有する。
【0028】
小陸部220は、ラグ溝100によってタイヤ周方向に区画される。具体的には、小陸部220は、複数のラグ溝100のうち、一のラグ溝100と一のラグ溝100にタイヤ周方向に隣接する他のラグ溝100とによってタイヤ周方向に区画される。すなわち、タイヤ周方向において、ラグ溝100と小陸部220とが交互に位置する。
【0029】
ベースゴム40は、キャップゴム20のタイヤ径方向内側に位置する。ベースゴム40は、キャップゴム20と接する。ベースゴム40は、キャップゴム20に比べて、耐熱性を有する。
【0030】
キャップゴム20及びベースゴム40は、小陸部220を構成する。タイヤ径方向において、小陸部220を構成するキャップゴム20及びベースゴム40の合計厚さが基準厚さAである。タイヤ径方向において、ベースゴムの厚さBは、基準厚さAの40%以上である。従って、基準厚さA(すなわち、トレッドゲージ)に対するベースゴム40の厚さBの割合(厚さB/基準厚さA)をベースゴム比率とする。タイヤ1のベースゴム比率は、40%以上である。
【0031】
ベルト60は、ベースゴム40のタイヤ径方向内側に位置する。ベルト60は、ベースゴム40と接している。ベルト60は、タイヤ周方向に延びる。本実施形態において、タイヤ1は、ベルト60を1枚備える。従って、ベルト60が、トレッド幅方向における幅が最も大きい最大幅ベルトである。
【0032】
ベルト60は、トレッド幅方向における外側端において、ラグ溝100よりもタイヤ径方向の内側に設けられる第1部分60aと、小陸部220よりもタイヤ径方向において内側に設けられる第2部分60bとを含む。
【0033】
タイヤの回転軸Oから第1部分60aまでのタイヤ径方向に沿った高さを第1ベルト高さL1である。タイヤの回転軸Oから第2部分60bまでのタイヤ径方向に沿った高さを第2ベルト高さL2である。本実施形態ではベルト60のタイヤ径方向における内側表面を基準として、タイヤの回転軸Oから第1部分60a及び第2部分60bの高さを決定している。すなわち、タイヤの回転軸Oから第1部分60aのタイヤ径方向における内側表面までのタイヤ径方向に沿った高さが第1ベルト高さL1である。タイヤの回転軸Oから第2部分60bのタイヤ径方向における内側表面までのタイヤ径方向に沿った高さが第2ベルト高さL1である。なお、図2は、概略図であり、第1ベルト高さL1は、タイヤ径方向に沿って描かれていない。
【0034】
第1ベルト高さL1と第2ベルト高さL2との最大の差がウェーブ最大値Wである。
【0035】
ウェーブ最大値Wは、以下に示す方法により求めることができる。一のラグ溝100のうち、タイヤの回転軸Oから第1部分60aのタイヤ径方向に沿った高さの中で最も高さが低い第1ベルト高さL1とする。一般的に、タイヤの回転軸Oからタイヤ周方向におけるラグ溝100の中心よりもタイヤ径方向内側に位置する第1部分60aまでの高さである。一のラグ溝100に隣接する小陸部220のうち、タイヤの回転軸Oから第2部分60bのタイヤ径方向に沿った高さの中で最も高さが高い第2ベルト高さL2とする。一般的に、タイヤの回転軸Oからタイヤ周方向における小陸部220の中心よりもタイヤ径方向内側に位置する第2部分60aまでの高さである。ウェーブ最大値Wは、最も高さが高い第2ベルト高さL2から最も高さが低い第1ベルト高さL1を引くことによって、求めることができる(すなわち、W=L2―L1)。
【0036】
ウェーブ最大値Wは、基準厚さAの27%以下である。従って、小陸部220において、基準厚さAに対するウェーブ最大値Wの割合(ウェーブ最大値W/基準厚さA)をウェーブ比率とすると、タイヤ1のウェーブ比率は、27%以下である。
【0037】
被覆ゴム部材80は、ラグ溝100の溝底に設けられる。トレッド幅方向外側のラグ溝100は、トレッド幅方向内側のラグ溝100よりも溝深さDが深くなるように形成され、かつ、ベースゴム比率は、40%以上である。このため、本実施形態において、トレッド幅方向外側のラグ溝100では、ベースゴム40が露出する。被覆ゴム部材80は、このベースゴム40を覆うように設けられる。従って、このため、ラグ溝100のタイヤ径方向内側には、ベースゴム40と被覆ゴム部材80とを有する層が形成される。本実施形態では、ラグ溝100のタイヤ径方向において最も内側の表面からタイヤ径方向内側に向かって、被覆ゴム部材80、ベースゴム40、ベルト60の順に並ぶ。
【0038】
また、被覆ゴム部材80は、ベースゴム40を覆うため、ラグ溝100の表面は、被覆ゴム部材80とキャップゴム20とにより構成される。図2に示されるように、タイヤ周方向及びタイヤ径方向に沿った断面において、被覆ゴム部材80は、キャップゴム20及びベースゴム40と接する。また、タイヤ周方向及びタイヤ径方向に沿った断面において、被覆ゴム部材80の端部85から、キャップゴム20及びベースゴム40の境界と被覆ゴム部材80との接点30までの長さEは、10mm以上であることが好ましい。すなわち、長さEは、被覆ゴム部材80の端部85から、ベースゴム40と被覆ゴム部材80とが接触する領域である接触領域の境界(すなわち接点30)までの長さである。
【0039】
被覆ゴム部材80は、ベースゴム40よりも耐候性を有する。本実施形態において、被覆ゴム部材80には、キャップゴム20と同じ材料が用いられる。
【0040】
(2)タイヤ1の製造方法
本実施形態に係るタイヤ1の製造方法について、図1から図6を参照しながら説明する。図3は、本実施形態に係るタイヤ1の製造方法を説明するためのフローチャートである。図4(a)から図4(c)は、本実施形態に係る生タイヤ1aのタイヤ周方向及びタイヤ径方向に沿った断面図である。図4(a)から図4(c)は、図1のA−A断面図に相当する。図5及び図6は、トレッド面視における生タイヤ1aのラグ溝100に対応したプレラグ溝105の部分拡大図である。なお、図5は、図4(b)に対応し、図6は、図4(c)に対応する。
【0041】
図3に示されるように、本実施形態に係るタイヤ1の製造方法は、生タイヤ準備工程S1、溝形成工程S2、及び、加硫工程S3とを備える。
【0042】
(2.1)生タイヤ準備工程S1
生タイヤ準備工程S1では、キャップゴム20と、ベースゴム40と、ベルト60とを備えた生タイヤ1aを準備する工程である。
【0043】
キャップゴム20、ベースゴム40、ベルト60の他、カーカスプライやビード等のタイヤ1を構成するために必要な部材を準備する。ベースゴム比率が、40%以上となるように、キャップゴム20及びベースゴム40を準備する。具体的には、図4(a)に示されるように、タイヤ径方向におけるベースゴム40の厚さbが、キャップゴム20及びベースゴム40の合計厚さaの40%以上にする。言い換えると、キャップゴム20の厚さcとベースゴム40の厚さbとの合計厚さaに対するベースゴム40の厚さbの割合(厚さb/合計厚さa)を40%以上とする。
【0044】
成型機を用いて、準備した上記各部材を一本のタイヤの形に組み立てる。これにより、ベースゴム比率が、40%以上である生タイヤ1aが準備される。
【0045】
(2.2)溝形成工程S2
溝形成工程S2では、ラグ溝100が形成される部分に、ラグ溝100に対応したプレラグ溝105を生タイヤ1aに形成する工程である。溝形成工程S2では、まず、タイヤ径方向において、プレラグ溝105の深さdが、キャップゴム20とベースゴム40との合計厚さaの79%以上となるように、プレラグ溝105を形成する。言い換えると、キャップゴム20とベースゴム40との合計厚さaに対して、プレラグ溝105の深さdが79%以上となるようにプレラグ溝105を形成する。
【0046】
準備された生タイヤ1aにカッターを用いてプレラグ溝105を形成する。カッターを通電して加熱し、キャップゴム20及びベースゴム40を溶融しながらプレラグ溝105を形成しても良い。
【0047】
図5に示されるように、プレラグ溝105は、トレッド幅方向に延びる。本実施形態において、トレッド幅方向外側のラグ溝100は、トレッド幅方向内側のラグ溝100よりも溝深さDが深くなるように形成される。このため、トレッド幅方向外側のプレラグ溝105の溝深さdが、トレッド幅方向内側のプレラグ溝105の溝深さdよりも深くなるように形成する。具体的には、トレッド幅方向外側において、キャップゴム20とベースゴム40との合計厚さaに対して、プレラグ溝105の深さdが79%以上となるようにプレラグ溝105を形成する。すなわち、d/a≧0.79を満たすように、プレラグ溝105を形成する。このため、図4(b)及び図5に示されるように、トレッド幅方向外側において、プレラグ溝105の表面にベースゴム40が露出する。具体的には、プレラグ溝105の溝底から側面にベースゴム40が露出する。なお、溝深さdは、トレッド面からプレラグ溝105のタイヤ径方向において最も内側の表面までのタイヤ径方向における長さである。
【0048】
次に、ベースゴム40が露出した部分を被覆ゴム部材80で覆う。具体的には、ベースゴム40が露出した部分よりも大きな面積を有する被覆ゴム部材80を準備し、被覆ゴム部材80をベースゴム40が露出した部分に貼り付ける。従って、図6に示されるように、プレラグ溝105の表面は、被覆ゴム部材80とキャップゴム20とにより構成される。図4(c)に示されるように、被覆ゴム部材80の端部85は、キャップゴム20と接する。タイヤ周方向及びタイヤ径方向に沿った断面において、被覆ゴム部材80の端部85から、キャップゴム20と露出したベースゴム40との境界までの長さeが10mm以上となるように、ベースゴム40の露出した部分を被覆ゴム部材80で覆うことが好ましい。すなわち、図4に示されるように、被覆ゴム部材80の端部85から、キャップゴム20及びベースゴム40の境界と、被覆ゴム部材80との接点30までの長さeは、10mm以上であることが好ましい。
【0049】
被覆ゴム部材80は、ベースゴム40よりも耐候性を有する。具体的には、被覆ゴム部材80には、キャップゴム20と同じ材料が用いられる。すなわち、被覆ゴム部材80とキャップゴム20との材質は、同一である。被覆ゴム部材80の厚みは、1mm以上が好ましい。
【0050】
(2.3)加硫工程S3
加硫工程S3は、プレラグ溝105が形成された生タイヤ1aを加硫して、ラグ溝100が複数形成されたタイヤ1を得る工程である。
【0051】
溝形成工程S2により、プレラグ溝105が形成された生タイヤ1aを金型に入れる。金型は、ラグ溝100を形成するために突起(以下、ラグ溝骨と適宜略す)を複数有する。溝形成工程S2では、ラグ溝100が形成される部分に、ラグ溝100に対応したプレラグ溝105を生タイヤ1aに形成する。すなわち、ラグ溝100が形成される位置に合わせてプレラグ溝105が形成されており、具体的には、ラグ溝骨とプレラグ溝105とが嵌合するように、プレラグ溝105は、形成されている。このため、ラグ溝骨とプレラグ溝105とが嵌合するように、生タイヤ1aを金型に入れる。なお、プレラグ溝105の溝深さdは、ラグ溝骨の高さに対して、81%以上となるように形成しておくことが好ましい。これにより、ベルトウェーブをより抑制することができる。なお、ラグ溝骨の高さとは、生タイヤ1aにおけるタイヤ径方向高さであり、溝深さDに対応する。
【0052】
生タイヤ1aが入れられた金型の内部を高温・高圧にすることにより、生タイヤ1aを加硫する。この加硫により、被覆ゴム部材80は、キャップゴム20及びベースゴム40に埋まり、被覆ゴム部材80に基づく凹凸のない、滑らかなラグ溝100が形成される。加硫された生タイヤ1aを金型から取り出し、ラグ溝100が複数形成されたタイヤ1を得る。
【0053】
以上により、タイヤ1は、製造される。
【0054】
(3)作用効果
本実施形態に係るタイヤ1の製造方法では、ベースゴムの厚さbが、キャップゴム20とベースゴム40との合計厚さaの40%以上である生タイヤ1aを準備する。これにより、タイヤ1は、ベースゴム比率が40%以上である。ベースゴム40は、キャップゴム20よりも、耐熱性を有するため、従来に比べて、タイヤ1の耐熱性は、向上する。
【0055】
本実施形態に係るタイヤ1の製造方法では、プレラグ溝105の溝深さdが、キャップゴム20とベースゴム40との合計厚さaの79%以上となるようにプレラグ溝105を形成する。溝深さdが合計厚さaの79%以上であるため、ラグ溝骨によって、キャップゴム20及びベースゴム40に加わる圧力が抑えられる。これによって、ベルトウェーブが抑制される。すなわち、ウェーブ最大値Wは、基準厚さAの27%以下となるようなタイヤ1を形成できる。その結果、トレッド幅方向におけるベルト60外側端は、剥離しにくくなり、タイヤ1の耐久性は、向上する。
【0056】
本実施形態に係るタイヤ1の製造方法では、ベースゴムの厚さbが、キャップゴム20とベースゴム40との合計厚さaの40%以上である生タイヤ1aを準備し、かつ、溝深さdが合計厚さaの79%以上となるようにプレラグ溝105を形成するため、ベースゴム40は、露出するものの、溝形成工程S2において、ベースゴム40が露出した部分を被覆ゴム部材80で覆う。これにより、ラグ溝100の表面は、被覆ゴム部材80とキャップゴム20とにより構成され、ベースゴム40が露出しないため、ベースゴム40に基づくラグ溝100のクラックの発生を防止できる。
【0057】
以上より、本実施形態に係るタイヤ1では、クラックの発生を抑制しつつ、耐久性及び耐熱性が向上する。
【0058】
本実施形態に係るタイヤ1の製造方法では、溝形成工程S2において、被覆ゴム部材80の端部85は、キャップゴム20と接し、キャップゴム20と露出したベースゴム40との境界までの長さeが10mm以上となるように、ベースゴム40の露出した部分を被覆ゴム部材80で覆うことが好ましい。これにより、ベースゴム40の露出を確実に抑えることができるため、クラックの発生をより防止できる。
【0059】
本実施形態に係るタイヤ1の製造方法では、被覆ゴム部材80には、キャップゴム20と同じ材料が用いられる。これにより、被覆ゴム部材80は、キャップゴム20と同様の耐候性を備えるとともに、キャップゴム20と一体化しやすくなり、被覆ゴム部材80は、剥がれ難くなる。
【0060】
(4)比較評価
本発明の効果を確かめるため、以下の評価を行った。なお、本発明は、以下の実施例に限定されない。
【0061】
評価に用いたタイヤは、トレッド幅が1270mmであり、タイヤサイズ59/80R63となるように製造した。また、ベルトは、ベルトのトレッド幅が1200mm、であり、ラグ溝の溝深さが102mmである。なお、ベルトのトレッド幅方向端部における生タイヤ1aのキャップゴムとベースゴムとの合計厚さであるトレッドゲージの厚さが、130mmとなるようにして、生タイヤを準備した。
【0062】
実施例及び比較例1〜5では、生タイヤに形成される溝の深さ、ベースゴム比率が異なる。具体的な値は、表1に示す。表1には、ベースゴム比率及び溝深さ比率が示されている。さらに、実施例では、ゴム部材によりベースゴムが露出した部分を覆った。ゴム部材は、キャップゴムと同一の材料により形成されたものを用いた。
【0063】
実施例及び比較例1〜5のタイヤを用いて、耐熱性試験、耐久性試験、耐候性試験を行った。
【0064】
耐熱性試験では、直径5mのドラム試験機を用いた。内圧600kPa(TRA正規)、荷重82.5ton(TRA正規)の条件の下、各タイヤを速度8kmにて、24時間走行させた。各タイヤの小陸部の内部の温度をそれぞれ測定した。
【0065】
耐久性試験では、直径5mのドラム試験機を用いた。内圧600kPa(TRA正規)、荷重82.5ton(TRA正規)の条件の下、各タイヤについて、ステップロード上を走行させた。各タイヤが故障するまでの時間をそれぞれ測定した。
【0066】
耐候性試験では、各タイヤを屋外に置いた。1ヶ月間放置した後、各タイヤのトレッドゴムの強度・硬度を測定した。
【0067】
各試験の結果を表1に示す。いずれの試験においても、○、△、×の順に結果が悪い。
【0068】
なお、表1において、「プレラグ溝深さ/合計厚さ(%)」は、キャップゴムとベースゴムとの合計厚さに対するプレラグ溝の深さの割合を表している。「プレラグ溝深さ/ラグ溝骨高さ(%)」は、ラグ骨溝高さに対するプレラグ溝の溝深さの割合を表している。また、表1には、ベルトウェーブの大きさ及び溝形成時におけるベースゴムの露出の有無が示されている。ベルトウェーブでは、○、△、×の順にベルトウェーブが大きい。すなわち、○が最もベルトウェーブが抑制されている。また、ベースゴムが露出していなければ○、露出していれば×で、ベースゴムの露出の有無を示している。
【表1】

【0069】
表1に示されるように、実施例では、ベースゴム比率が40%であるため、耐熱性が優れている。また、実施例では、プレラグ溝深さ/合計厚さが79%である。また、プレラグ溝深さ/ラグ溝骨高さが101%である。これにより、ベルトウェーブが抑制されている。その結果、耐久性が良好である。さらに、実施例では、溝形成時において、ベースゴムが露出していたものの、ゴム部材により、ベースゴムが露出した部分を覆っている。その結果、耐候性も良好である。
【0070】
一方、比較例では、耐熱性、耐久性、耐候性の少なくともいずれかの試験において、良好な結果が得られていない。
【0071】
以上より、本発明によれば、クラックの発生を抑制しつつ、耐久性及び耐熱性を向上できることが確認できた。
【0072】
(5)その他実施形態
本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。本発明はここでは記載していない様々な実施形態を含む。
【0073】
例えば、本実施形態に係るタイヤ1において、ラグ溝100の表面は、被覆ゴム部材80とキャップゴム20とにより構成されていたが、これに限られない。ラグ溝100の表面は、被覆ゴム部材のみにより構成されていても良い。
【0074】
また、本実施形態係るタイヤ1おいて、トレッド幅方向外側において、キャップゴム20とベースゴム40との合計厚さaに対して、プレラグ溝105の深さdが79%以上となるようにプレラグ溝105を形成しているが、必ずしもこれに限られない。例えば、トレッド幅方向外側だけでなく、トレッド幅方向内側においても、合計厚さaに対して、プレラグ溝105の深さdが79%以上となるようにプレラグ溝105を形成してもよい。すなわち、プレラグ溝105の溝底全てにおいて、プレラグ溝105の表面にベースゴム40が露出するように、プレラグ溝105を形成してもよい。これにより、ベルトウェーブをより抑制することができる。
【0075】
また、本実施形態に係るタイヤ1おいて、ベルト60は、1枚のみであったが、これに限られない。タイヤ1は、複数のベルト60を有していても良い。この場合、トレッド幅方向における幅が最大となる最大幅ベルトを基準として、ウェーブ最大値Wを求める。
【0076】
また、本実施形態に係るタイヤ1は、周方向溝150を有していたが、必ずしも周方向溝150を有している必要はない。タイヤが周方向溝を有しない場合には、1つの陸部にラグ溝が形成される。
【0077】
本発明に係るタイヤは、空気入りタイヤであっても良いし、ゴムが充填されたタイヤであっても良い。また、アルゴン等の希ガスが入れられた空気以外の気体入りタイヤであっても良い。
【0078】
以上のように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態を含む。本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0079】
1…タイヤ、 1a…生タイヤ、 20…キャップゴム、 25…トレッド面、 30…接点、 40…ベースゴム、 60…ベルト、60a…第1部分、60b…第2部分、 80…被覆ゴム部材、 85…端部、 100…ラグ溝、 105…プレラグ溝、 150…周方向溝、 200…陸部、 220…小陸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレッド面を有するキャップゴムと、前記キャップゴムのタイヤ径方向内側に位置し前記キャップゴムと接するベースゴムと、前記ベースゴムのタイヤ径方向内側に位置しタイヤ周方向に延びる少なくとも1以上のベルトとを備え、
タイヤ周方向に延びる陸部と、前記陸部に形成されたトレッド幅方向に延びる複数のラグ溝と、複数の前記ラグ溝のうち、一のラグ溝と前記一のラグ溝にタイヤ周方向に隣接する他のラグ溝とによってタイヤ周方向に区画された小陸部とを有するタイヤであって、
タイヤ径方向において、前記小陸部を構成する前記キャップゴム及び前記ベースゴムの合計厚さが基準厚さであり、
タイヤ径方向において、前記ベースゴムの厚さは、前記基準厚さの40%以上であり、
前記ラグ溝のタイヤ径方向内側には、前記ベースゴムと前記ベースゴムよりも耐候性を有する被覆ゴム部材とを有する層が形成され、
前記ラグ溝の表面は、前記被覆ゴム部材又は、前記被覆ゴム部材と前記キャップゴムとにより構成され、
前記少なくとも1以上のベルトは、トレッド幅方向における幅が最も大きいベルトである最大幅ベルトを含み、
前記最大幅ベルトは、トレッド幅方向における外側端において、前記一のラグ溝よりもタイヤ径方向の内側に設けられる第1部分と、前記小陸部よりもタイヤ径方向の内側に設けられる第2部分とを含み、
タイヤ径方向において、前記タイヤの回転軸から前記第1部分までの高さである第1ベルト高さと、前記タイヤの回転軸から前記第2部分までの高さである第2ベルト高さとの最大の差がウェーブ最大値であり、
前記ウェーブ最大値は、前記基準厚さの27%以下であるタイヤ。
【請求項2】
タイヤ周方向及びタイヤ径方向に沿った断面において、
前記被覆ゴム部材の端部は、前記キャップゴムと接し、
前記被覆ゴム部材の端部から、前記キャップゴム及び前記ベースゴムの境界と、前記被覆ゴム部材との接点までの長さは、10mm以上である請求項1に記載のタイヤ。
【請求項3】
前記被覆ゴム部材には、前記キャップゴムと同じ材料が用いられる請求項1又は2に記載のタイヤ。
【請求項4】
トレッド面を有するキャップゴムと、前記キャップゴムのタイヤ径方向内側に位置し前記キャップゴムと接するベースゴムと、前記ベースゴムのタイヤ径方向内側に位置しタイヤ周方向に延びる少なくとも1以上のベルトとを備えた生タイヤを準備する準備工程と、
トレッド幅方向に延びるラグ溝が形成される部分に、前記ラグ溝に対応したプレラグ溝を前記生タイヤに形成する溝形成工程と、
前記プレラグ溝が形成された前記生タイヤを加硫して、前記プレラグ溝が形成された部分に前記ラグ溝が形成されたタイヤを得る工程とを備え、
前記準備工程では、前記ベースゴムの厚さが、前記キャップゴムと前記ベースゴムとの合計厚さの40%以上である生タイヤを準備し、
前記溝形成工程では、前記プレラグ溝の深さが、前記キャップゴムと前記ベースゴムとの合計厚さの79%以上となるように前記プレラグ溝を形成し、前記プレラグ溝の表面に前記ベースゴムを露出させ、
前記溝形成工程では、前記ベースゴムの露出した部分を前記ベースゴムよりも耐候性を有する被覆ゴム部材で覆うタイヤの製造方法。
【請求項5】
前記溝形成工程において、
前記被覆ゴム部材の端部は、前記キャップゴムと接し、
タイヤ周方向及びタイヤ径方向に沿った断面において、前記被覆ゴム部材の端部から、前記キャップゴムと露出したベースゴムとの境界までの長さが10mm以上となるように、前記ベースゴムの露出した部分を前記被覆ゴム部材で覆う請求項4に記載のタイヤの製造方法。
【請求項6】
前記被覆ゴム部材には、前記キャップゴムと同じ材料が用いられる請求項4又は5に記載のタイヤの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−47041(P2013−47041A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185803(P2011−185803)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】