説明

タイヤ搬入装置およびタイヤバランス測定システム

【課題】タイヤ情報が付されたタイヤからタイヤ情報を読み取って測定処理を行うことができるシステムに容易に変更できるようにする。
【解決手段】タイヤwを載置して搬送する搬入コンベヤ5と、搬入したタイヤwの内径を計測する計測手段8と、タイヤwを回動させるタイヤ回動手段11と、タイヤwに付されたタイヤ情報を読み取る情報読取り手段7とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ搬入装置およびこれを利用するタイヤバランス測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のタイヤバランス測定システムとしては、タイヤを搬入コンベヤに載置して搬入し、測定装置でタイヤの静的なアンバランスを測定するものが知られており、タイヤを搬入ステージ、測定ステージ、および、マーキングステージに順次移動させて、各ステージでそれぞれ所要の処理を行うようにしている。具体的には、搬入ステージではタイヤの内径および重量が測定され、測定ステージでは、測定されたタイヤの内径に基づいてタイヤの静的な不均衡および軽点位置が測定され、更に、マーキングステージでは、タイヤに軽点位置等のマーク押捺が行われる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−2950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、タイヤの個体識別ナンバーやサイズ等のタイヤ情報を予めバーコードラベルに記録してタイヤに付しておき、このタイヤのバーコードラベルを読み取って静的不均衡の測定に利用したり、その他の処理や管理などに利用することが行われつつある。
【0005】
このようなバーコードラベル付きのタイヤを処理する場合には、搬入ステージの前段に、バーコードラベルからタイヤ情報を読み取る読取りステージを追加する必要があるが、上記した従来の3ステージ方式のタイヤバランス測定システムにおいて、新たに読取りステージを追加すると、コンベヤラインが4ステージ方式の長いものになり、タイヤバランス測定システム全体のレイアウトの変更を余儀なくされる場合が生じることになる。
【0006】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、タイヤ情報が付されたタイヤからタイヤ情報を読み取って所望の測定処理を行うことができるシステムを容易に変更、かつ、コンパクトなものにすることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では、次のように構成している。
【0008】
(1)本発明のタイヤ搬入装置は、タイヤを載置して搬送する搬入コンベヤと、搬入したタイヤの内径を計測する計測手段と、タイヤを回動させるタイヤ回動手段と、タイヤに付されたタイヤ情報を読み取る情報読取り手段とを備える。
【0009】
本発明のタイヤ搬入装置によると、当該タイヤ搬入装置のステージにおいて、搬入したタイヤ内径の計測を行うと共に、タイヤを回動させることでタイヤに付されたタイヤ情報の読み取り行うことができる。
【0010】
これによって、既存のタイヤバランス測定システムにおけるタイヤ搬入装置を本発明に係るタイヤ搬入装置に入れ替えることで、レイアウトをほとんど変更することなくタイヤ情報が付されたタイヤに対応したタイヤバランス測定システムを容易に構築することができる。
【0011】
(2)本発明の好ましい実施態様では、搬入コンベヤに載置したタイヤの重量を計量する計量手段を備える。
【0012】
この実施態様によると、タイヤ搬入装置を設置した一つのステージ上において、タイヤ内径、および、タイヤ情報を取得するのみならず、タイヤ重量のデータをも取得することができる。
【0013】
(3)本発明の他の実施態様では、前記搬入コンベヤは、正逆転可能な一対のコンベヤを有し、前記回動手段は、前記一対のコンベヤを互いに逆方向に回転させて載置したタイヤを回動させる。
【0014】
この実施態様によると、一対のコンベヤを共に同方向に駆動することで、載置したタイヤを所望の方向に搬送することができると共に、一対のコンベヤを互いに逆向きに駆動することで、載置したタイヤをその場で自転回動させることができ、タイヤを自転回動させるための専用の駆動手段が不要となる。
【0015】
(4)上記(3)の実施態様では、前記計量手段は、前記搬入コンベヤの前記一対の各コンベヤにかかる荷重を測定する重量センサをそれぞれ有する。
【0016】
この実施態様によると、一対の各コンベヤにかかる荷重を各重量センサでそれぞれ測定して加算し、タイヤが載置された時の測定値からタイヤが載置されていない時の測定値を差し引くことでタイヤ重量を算出することができる。
【0017】
(5)本発明のタイヤバランス測定システムは、本発明のタイヤ搬入装置と、該タイヤ搬入装置から搬出されるタイヤのバランスを測定するバランス測定装置と、該バランス測定装置で測定されたタイヤの軽点にマークを付すマーキング装置とを備える。
【0018】
本発明のタイヤバランス測定システムによると、タイヤ情報が付されたタイヤを、タイヤ搬入装置、バランス測定装置、および、マーキング装置の各ステージに順次搬送してゆくことで、タイヤ情報の取得、タイヤ内径の取得、タイヤバランス情報の取得、および、軽点などへのマーキング処理を効率よく一連に行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、既存のタイヤバランス測定システムにおけるタイヤ搬入装置を本発明に係るタイヤ搬入装置に入れ替えることで、レイアウトをほとんど変更することなくタイヤ情報が付されたタイヤに対応したタイヤバランス測定システムを容易に構築することができる。
【0020】
また、本発明に係るタイヤバランス測定システムを新たに導入する場合には、ライン長さの短い3ステージ方式でタイヤ情報が付されたタイヤのバランス測定およびマーキング処理を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1はタイヤバランス測定システムの側面図である。
【図2】図2はタイヤバランス測定システムの平面図である。
【図3】図3はタイヤ搬入装置の側面図である。
【図4】図4はタイヤ搬入装置の平面図である。
【図5】図5はタイヤ搬入装置のコンベヤフレーム周辺を示す平面図である。
【図6】図6はタイヤ支持ローラの操作構造を示す側面図である。
【図7】図7はタイヤ搬入装置の背面図である。
【図8】図8はタイヤを搬入して自転回動させるまでの過程を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤバランス測定システムの側面図であり、図2は、その平面図である。
【0024】
この実施形態のタイヤバランス測定システムは、3ステージ型に構成されており、各種のタイヤ情報であるバーコードを記録したバーコードラベル4が付されたタイヤwを搬入して、その内径および重量を測定すると共に、タイヤwに付されたバーコードラベル4からタイヤ情報を読み取る第1ステージとしてのタイヤ搬入装置1、測定したタイヤwの内径に基づいてタイヤwの静的な不均衡および軽点位置を測定する第2ステージとしてのバランス測定装置2、および、測定されたタイヤwに軽点位置等にマークを付す第3ステージとしてのマーキング装置3をタイヤ搬送ラインに沿って直列配置されており、以下に各ステージの構造を説明する。
【0025】
〔1〕第1ステージ(タイヤ搬入装置1)
図3及び図4は、タイヤ搬入装置の側面図及び平面図であり、図5は、タイヤ搬入装置のコンベヤフレーム周辺を示す平面図である。
【0026】
これらの図に示すように、第1ステージを構成する前記タイヤ搬入装置1には、図外左方から図1,図2に示されるラインコンベヤ17で搬送されてきたタイヤwを受け取って図中右方に水平搬送する搬入コンベヤ5と、搬入されたタイヤwの重量を計量する図3及び図5に示される計量手段6と、タイヤwにおけるビード部の上面に貼り付けられたバーコードラベル4を読み取る図3に示されるバーコードリーダ7と、タイヤwの内径を計測する計測手段としての透過型の光電センサ8とが備えられている。なお、タイヤwの搬送方向の上流側(図の左方)を前方、下流側(図の右方)を後方として説明する。
【0027】
搬入コンベヤ5は、ローラ式の一対のコンベヤ5aを左右に並列配備して構成されており、各コンベヤ5aは、コンベヤフレーム9に多数のローラ10を所定の前後ピッチで左右水平に軸支して構成されている。各ローラ10は、コンベヤフレーム9の後部に取り付けた図3及び図7の背面図に示される減速機付きのモータ11にチェーン連動されており、各ローラ10が同調して回転駆動されると共に、左右のコンベヤ5aが独立して駆動されるようになっている。タイヤwを回動させる回動手段を構成する左右の各モータ11は、それぞれ駆動方向を正逆に切換え可能に構成されている。すなわち、各モータ11によって、左右のコンベヤ5aを共に正転駆動することで、載置したタイヤwを後方(この例では右方)に向けて搬送することができると共に、左右のコンベヤ5aを互いに逆向きに駆動することで、載置したタイヤwをその場で自転回動させることができる。
【0028】
コンベヤフレーム9は、図7に示されるように、ローラ10を軸支する縦フレーム9aを、下部フレーム9bの上面に連結して構成されており、左右のコンベヤフレーム9の各下部フレーム9bが、図3等に示すように床置き設置された基台12にそれぞれ計量手段6を介して連結支持されている。
【0029】
コンベヤフレーム9における前端部近傍の横外側には、タイヤwの搬入を検知するための反射型の光センサを構成する投光器13aと反射板13bとが対向設置されている。
【0030】
計量手段6は、重量センサとしてのロードセル6aの前後に連結ブラケット6b,6cを連結して構成されており、後方の連結ブラケット6cが基台12に連結されると共に、前方の連結ブラケット6bがコンベヤフレーム9の中央付近に連結支持され、モータ11を含むコンベヤ全体の重量および載置されたタイヤwの重量がロードセル6aに集約して作用するように構成されている。
【0031】
左右コンベヤ5aの間における前寄りの箇所には、遊転自在なタイヤ位置決めローラ14が立設配備されており、基台12に装備したシリンダ15によって昇降されて搬入コンベヤ5の搬送面から出没するよう構成されている。
【0032】
また、前記タイヤ位置決めローラ14の前方の空間には、タイヤwが左右コンベヤ5aによって自転回動される際のタイヤ回動を円滑にするために、遊転自在な一対の補助ローラ16が、ステージ中心に向かう放射状に配備されている。
【0033】
コンベヤフレーム9の左右横外側には、図4,図5及び図7に示されるように、縦向きの支点軸18が支点a周りに回動可能に支持されており、各支点軸18の上端部に揺動アーム19がそれぞれ片持ち状に固着されると共に、各揺動アーム19の遊端部に、搬入されたタイヤwの外周に作用するタイヤ支持ローラ20が遊転自在に軸支されている。
【0034】
一方の支点軸18の下部に備えられた駆動アーム21が、図5及び図6の側面図に示されるシリンダ22によって揺動駆動されると共に、一方の支点軸18に備えられた連係アーム23と他方の支点軸18の駆動アーム21とが連係リンク24で連動連結されており、シリンダ22の伸縮作動によって左右の揺動アーム19が同調して支点a周りに内向き揺動および外向き揺動するようになっている。
【0035】
搬入コンベヤ5の後部寄りの箇所にはタイヤ搬送通路を跨いで門型フレーム25が立設され、この門型フレーム25の中央に図3に示すようにブラケット26を介して前記バーコードリーダ7が下向きに装備されている。また、門型フレーム25の中央には、前記光電センサ8における投光部8aが装備されるとともに、これに対向する受光部8bが左右コンベヤ5aの間に配備されている。
【0036】
〔2〕第2ステージ(バランス測定装置2)
上述の図1及び図2に示される第2ステージを構成するバランス測定装置2には、上記タイヤ搬入装置1から搬出されてきたタイヤwが移載されるローラ型のコンベヤ27、タイヤwの静的な不均衡および軽点位置を測定する測定機構28、および、移載されたタイヤwをステージ中心に位置決めするセンタリング機構29とが備えられている。
【0037】
前記コンベヤ27は、ステージ中心部を空けた状態に多数のローラ30をコンベヤフレーム31に所定の前後ピッチで左右水平に軸支して構成されており、各ローラ30がコンベヤフレーム31の前部に取り付けた減速機付きのモータ32にチェーン連動され、各ローラ30が同調して回転駆動されるようになっている。
【0038】
このコンベヤフレーム31は、前後一対のシリンダ33によって昇降可能に案内支持されており、コンベヤ27のタイヤ搬送面が上記第1ステージのタイヤ搬送面と同一高さになる搬送高さ位置と、これよりも低い計測高さ位置に亘って昇降移動するよう構成されている。
【0039】
前記測定機構28はコンベヤ27の中央空間に配備されており、位置決めされたタイヤwの中央孔に挿入されて拡径および縮径作動する分割筒状のタイヤ支持アダプタ34と、このタイヤ支持アダプタ34に働く偏荷重を計測するよう内装されたロードセル35、等が備えられている。
【0040】
前記センタリング機構29は、コンベヤフレーム31の左右外側にそれぞれ縦向きの支点b周りに水平揺動可能に軸支されて前後に延出された前後一対の揺動アーム36を互いに逆向きに揺動するようギヤケース37を介してギヤ連動し、各揺動アーム36の遊端部にタイヤ外周に対向するタイヤ支持ローラ38を遊転自在に装備して構成されている。さらに、これら揺動アーム36はシリンダ39にリンク連動され、シリンダ39の伸縮によって4本の揺動アーム36が同調してステージ中心に向けて内向き揺動および外向き揺動するよう構成されている。
【0041】
〔3〕第3ステージ(マーキング装置3)
上述の図1及び図2に示す第3ステージを構成するマーキング装置3には、上記バランス測定装置2から搬出されてきたタイヤwが移載されるローラ型のコンベヤ40、測定された軽点位置にマークを押捺するマーキング機構41、および、移載されたタイヤwをコンベヤの中心に位置決めするセンタリング機構42とが備えられている。
【0042】
前記コンベヤ40は、多数のローラ43をコンベヤフレーム44に所定の前後ピッチで左右水平に軸支して構成されており、各ローラ43がコンベヤフレーム44の前部に取り付けた減速機付きのモータ45にチェーン連動され、各ローラ43が同調して回転駆動されるようになっている。
【0043】
このコンベヤフレーム44は中央のシリンダによって昇降可能に支持されており、コンベヤ40のタイヤ搬送面が上記第1ステージおよび第2ステージのタイヤ搬送面と同一高さになる搬送高さ位置と、これよりも高いマーキング高さ位置に亘って昇降するよう構成されている。
【0044】
前記マーキング機構41は、処理ラインの横外側に立設された支柱47の上部に備えられており、インクテープを刻印部材で下方に押圧することでタイヤ上面に所定の形状および色相のマークを押捺する押捺ヘッド48が水平位置調節および回動位置調節可能に装備されている。
【0045】
前記センタリング機構42は、コンベヤフレーム44の左右外側にそれぞれ縦向きの支点c周りに水平揺動可能に軸支されて前後に延出された前後一対の揺動アーム49を互いに逆向きに揺動するようギヤケース50を介してギヤ連動し、各揺動アーム49の遊端部にタイヤ外周に対向するタイヤ支持ローラ51を遊転自在に装備して構成されている。さらに、これら揺動アーム49はシリンダ52にリンク連動され、シリンダ52の伸縮によって4本の揺動アーム49が同調してステージ中心に向けて内向き揺動および外向き揺動するよう構成されている。
【0046】
本発明の塗布装置は以上のように構成されており、次に、図8を参照しながらタイヤバランス測定作動について説明する。
【0047】
(1)タイヤ搬入装置1にタイヤWが搬入されていない初期状態では、タイヤ位置決めローラ14がタイヤ搬送面より下方に没入待機されると共に、左右のタイヤ支持ローラ20がタイヤ移動径路から外れた位置に後退待機している。
【0048】
(2)処理対象となるバーコードラベル付きのタイヤwがタイヤ搬入装置1に搬入されてくると、これが光センサで検知され、この検知に基づいて搬入コンベヤ5における左右のコンベヤ5aが共に正転方向に所定速度で同調駆動され、タイヤwは後方に向けて直進搬送されてゆく。
【0049】
(3)図8(a)に示すように、搬入コンベヤ5が起動されてから設定時間(タイヤwの前部がタイヤ位置決めローラ14を通過するに足りる時間)が経過すると、シリンダ15の伸出作動によってタイヤ位置決めローラ14がコンベヤ上に突出してタイヤwの中央孔に挿入されると共に、シリンダ22の伸出作動によって左右のタイヤ支持ローラ20が内向きに移動する。これによってタイヤwは、図8(b)に示すように、後部外周の左右2ヶ所がタイヤ支持ローラ20で押圧されて後方に押圧される。そして、図8(c)に示すように、タイヤwは、タイヤ位置決めローラ14によって内周から受け止められ、タイヤ位置決めローラ14とタイヤ支持ローラ20の3点接触状態で所定姿勢に安定保持される。この場合、タイヤサイズにかかわらずタイヤwの後部中央が補助ローラ16に乗り懸かるようローラ設置位置およびローラ長さが設定されている。
【0050】
(4)タイヤwの位置保持が完了すると、図8(d)に示すように、左右のコンベヤ5aが互いに逆向きに駆動され、これによって、上記3点接触状態を維持したままでタイヤwは自転回動されることになり、このタイヤ自転回動の間にタイヤwのビード部上面に付されたバーコードラベル4がバーコードリーダ7によって読み取られ、タイヤwの個体識別データ、扁平率、内径などのタイヤ情報が取得される。
【0051】
(5)また、これと同時に光電センサ13によるタイヤ内径の計測が行われる。なお、タイヤ内径情報はバーコードラベル4の読み取りによっても取得できるが、内径情報の読み取り不良が発生した場合を考慮して、別途、光電センサ8によるタイヤ内径の計測が行われる。
【0052】
(6)タイヤwが自転回動されてから1回転以上回転させるに足る設定時間が経過すると、左右のコンベヤ5aが停止されると共に、タイヤ支持ローラ20が元の待機位置まで復帰移動し、かつ、タイヤ位置決めローラ14がタイヤ搬送面より下方に没入移動する。
【0053】
(7)また、タイヤ支持ローラ20およびタイヤ位置決めローラ14の没入移動の間に、計量手段6による重量計測が行われ、その計測データに基づいてタイタ重量が演算取得される。
【0054】
(8)その後、左右のコンベヤ5aが再び共に正転方向に所定速度で同調駆動され、タイヤwは前方に直進搬送されてタイヤ搬入装置1から搬出されてバランス測定装置2に送り込まれる。
【0055】
(9)初期状態のバランス測定装置2において、コンベヤ27はタイヤ搬入装置1の搬送面レベルに上昇待機されて、計測機構28のタイヤ支持アダプタ34が縮径状態でタイヤ搬送面より没入した位置にあり、この状態で、タイヤ搬入装置1からのタイヤ搬出に連動してコンベヤ27が駆動される。
【0056】
(10)タイヤwがバランス測定装置2のステージ中心近くに到る所定時間が経過するとコンベヤ27が自動停止される。このコンベヤ作動時間は、取得したタイヤサイズに基づいて自動的に設定変更される。
【0057】
(11)次に、センタリング機構29における4個のタイヤ支持ローラ38がステージ中心に向けて同調移動され、タイヤwは外周4箇所を押圧されて押し動かされることでステージ中心に位置決めされる。
【0058】
(12)タイヤwの位置決めが完了すると、タイヤ支持ローラ38は元の待機位置に復帰移動すると共に、コンベヤ27がタイヤwを載置したまま下降作動し、タイヤ搬送面から相対的に上昇する縮径状態のタイヤ支持アダプタ34がタイヤwの中央孔に下方から挿入される。
【0059】
(13)コンベヤ27が設定位置まで下降すると、タイヤwはタイヤ支持アダプタ34によって下方から受け止め支持された状態となり、この状態でタイヤ支持アダプタ34が拡径作動してタイヤwを内周から保持する。なお、先に取得されたタイヤ内径データがタイヤ支持アダプタ34の拡開度合の設定に利用される。
【0060】
(14)その後、従来と同様に、ロードセル35による荷重測定が行われ、静的に荷重の偏りが測定されてタイヤwの軽点位置が割り出され、その情報がマーキング装置3に送信される。
【0061】
(15)次に、タイヤ支持アダプタ34が縮径作動されると共に、コンベヤ27が元の搬送レベルにまで復帰上昇され、これによってタイヤwがコンベヤ27に支持されて上昇され、タイヤ支持アダプタ34は相対的にタイヤwから下方に抜き出される。
【0062】
(16)上記バランス測定が終了すると、コンベヤ27が再び起動されて、タイヤwがバランス測定装置2から後方に搬出されてマーキング装置3に送り込まれる。
【0063】
(17)初期状態のマーキング装置3において、コンベヤ40はバランス測定装置2の搬送面レベルに待機されており、この状態で、バランス測定装置2からのタイヤ搬出に連動してコンベヤ40が駆動される。
【0064】
(18)タイヤwがマーキング装置3のステージ中心近くに到る所定時間が経過するとコンベヤ40が自動停止される。このコンベヤ作動時間も、先に取得したタイヤサイズに基づいて自動的に設定変更される。
【0065】
(19)次に、センタリング機構42における4個のタイヤ支持ローラ51がステージ中心に向けて同調移動され、タイヤwは外周4箇所を押圧されて押し動かされることでステージ中心に位置決めされる。
【0066】
(20)タイヤwの位置決めが完了すると、コンベヤ40が上昇作動してタイヤwを所定高さに保持する。このタイヤ上昇高さは、先に取得したタイヤwの扁平率によって自動的に設定変更される。
【0067】
(21)タイヤwが所定高さに保持されると、先に取得した軽点位置情報およびタイヤ内径情報に基づいて押捺ヘッド48が水平移動および回動移動して位置および位相調整がなされる。
【0068】
(22)その後、押捺ヘッド48による押捺作動が行われ、タイヤ上面の軽点位置に所定形状および色相のマークが押捺される。
【0069】
(23)マーキング処理が終了すると、タイヤ支持ローラ51が元の位置に後退復帰するとともに、コンベヤ40が元の搬送レベルまで下降し、その後、コンベヤ40が起動されて処理済みのタイヤwがマーキング装置3から後方に搬送され、搬出側のラインコンベヤ53に移載されて次工程に送られる。
【0070】
(24)以上で1回のバランス計測処理が完了し、以下、新規に搬入されるタイヤwごとに上記処理が順次施される。
【0071】
(他の実施形態)
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0072】
(1)上記実施形態ではタイヤwを搬入搬出する搬入コンベヤ5を、正逆転可能な左右一対のコンベヤ5aで構成し、両コンベヤ5aを互いに逆方向に作動させることでタイヤwを自転回動させるタイヤ回動手段を構成しているが、タイヤwを単に搬入搬出する搬入コンベヤ5とは別に、タイヤwを自転回動させる専用のタイヤ回動手段を備えてタイヤ搬入装置1を構成することも可能である。
【0073】
例えば、バランス計測装置2におけるタイヤ支持アダプタ34と同様に拡径および縮径可能なタイヤ支持アダプタをタイヤ搬入装置1のステージ中央に配備し、タイヤwを保持したタイヤ支持アダプタを自転駆動することで、保持したタイヤwを自転回動させることも可能である。
【0074】
(2)タイヤ搬入装置1に備えるバーコードリーダ7を、搬入コンベヤ5の下方において、両コンベヤ5aの間の空間に臨んで配備して、タイヤwの下面に付したバーコードラベル4を下方から読み取るようにすることもできる。
【0075】
(3)上記バランス計測装置2は、静的にタイヤバランスを測定するものとしているが、動的にタイヤバランスを測定するものであってもよい。
【0076】
(4)上記実施形態では、タイヤ搬入装置1において、タイヤ重量の計測を行うようにしているが、次のバランス測定装置2においてタイヤ重量の計測をも行う形態で実施することもできる。
【0077】
(5)バーコードラベルに代えて、非接触型ICチップや磁気ラベルなどを用いてタイヤwにタイヤ情報を付すようにしてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 タイヤ搬入装置
2 バランス測定装置
3 マーキング装置
4 バーコードラベル
5 搬入コンベヤ
5a コンベヤ
w タイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤを載置して搬送する搬入コンベヤと、搬入したタイヤの内径を計測する計測手段と、タイヤを回動させるタイヤ回動手段と、タイヤに付されたタイヤ情報を読み取る情報読取り手段とを備える、
ことを特徴とするタイヤ搬入装置。
【請求項2】
搬入コンベヤに載置したタイヤの重量を計量する計量手段を備える、
請求項1に記載のタイヤ搬入装置。
【請求項3】
前記搬入コンベヤは、正逆転可能な一対のコンベヤを有し、
前記回動手段は、前記一対のコンベヤを互いに逆方向に回転させて載置したタイヤを回動させる、
請求項1または2に記載のタイヤ搬入装置。
【請求項4】
前記計量手段は、前記搬入コンベヤの前記一対の各コンベヤにかかる荷重を測定する重量センサをそれぞれ有する、
請求項3に記載のタイヤ搬入装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載のタイヤ搬入装置と、該タイヤ搬入装置から搬出されるタイヤのバランスを測定するバランス測定装置と、該バランス測定装置で測定されたタイヤの軽点にマークを付すマーキング装置とを備える、
ことを特徴とするタイヤバランス測定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−185117(P2012−185117A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50061(P2011−50061)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000208444)大和製衡株式会社 (535)
【Fターム(参考)】