説明

タイルのコーティング方法および銀粉が表面にコートされたタイル

【課題】熱可塑性材質の添加された樹脂にナノシルバー粉末を添加して混合する過程中にナノシルバー粒子が破壊される現象を防止し、熱可塑性材質の添加された樹脂より比重が高いナノシルバー粒子が沈殿することを防止し、超音波分散によって熱可塑性材質の添加された樹脂とナノシルバーを混合させる混合時間を希釈過程により短縮させる、超音波を用いた銀粉混合合成樹脂コーティング方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性材質の添加された樹脂に、ナノシルバー粉末を超音波分散器で分散混合して混合物を形成する混合過程と、前記混合過程を経たナノシルバー粉末と熱可塑性材質の添加された樹脂の比重差により、ナノシルバーが沈殿する現象を防止するために、周期的にポンピングするポンピング過程と、前記ポンピング過程を経った混合物をタイル表面にコートするコーティング過程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は超音波を用いて製造された銀粉混合合成樹脂をコートするタイルのコーティング方法に係り、より詳しくは、ナノシルバーを熱可塑性材質の添加された樹脂に混合する過程を超音波分散方法で行うことを特徴とするタイルのコーティング方法に関するものである。本発明はさらに、このタイルのコーティング方法により銀粉混合合成樹脂がコートされたタイルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
産業化が進行して行くに従い、その産業化の後遺症のため、健康に対する関心が高まっている。一般に、銀は宝物としての価値を有するものであるが、現代では、環境親和的で、少量使用時に毒性がなく、抗菌、殺菌、抗カビ、脱臭、遠赤外線放出および電磁波遮蔽などの複合的性能および作用を持っており、その性能が長期間持続し、人体および自然環境にも有益な材料である。このような銀の特性のため、最近、家電製品、化粧品、底材料等の製造に銀が使用されている。
【0003】
このような銀を生活製品に適用する方式には2つの方式がある。そのうち、第1方式は銀粉末を製品の内面に含浸させる方式であり、第2方式は銀粉末を製品の表面にコートする方式である。
【0004】
製品の内面に銀を含浸させる第1方式の場合には、銀成分が外部へ流出しないが、銀が持っている機能が外部に露出しない欠点があるため、銀を製品の表面にコートする第2方式が一般的である。
【0005】
製品の表面に銀をコートする技術としては、特許文献1に開示された技術がある。この特許文献1は、ホットメルトポリウレタン樹脂とナノ化またはマイクロン化された銀粒子からなる組成物を開示するが、このフィルム組成物全体のうち、ホットメルトポリウレタンの含量は70〜98重量%、銀粒子コロイドの含量は20〜200ppmである。これを製品表面にコートする場合、環境親和的で人体に無害である。しかし、ホットメルトポリウレタン樹脂にナノシルバー粉末を混合する際に、銀粉末成分とホットメルトポリウレタン樹脂が均一に混合されないため、製品の表面に前記組成物をコートする場合、銀成分が製品の表面に均一にコートされない問題点がある。
【0006】
また、特許文献2では、有機珪素化合物を充填剤および溶剤と超音波分散混合処理する技術を開示しているが、この特許文献2の場合には、溶剤と有機珪素化合物の比重の差があって、有機珪素化合物が沈殿する問題点を解決することができない問題点があった。また、前記特許文献2の場合には、有機珪素混合物と溶剤を均一に混合するために、別途の充填剤が必要な問題点があった。
【特許文献1】大韓民国公開特許第2003−0036490号公報
【特許文献2】大韓民国公開特許第2002−0028026号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものである。本発明は、熱可塑性材質の添加された樹脂にナノシルバー粉末を添加して混合する過程中にナノシルバー粒子が破壊される現象を防止することをその目的とする。
【0008】
また、本発明は、超音波分散によって熱可塑性材質の添加された樹脂とナノシルバーが混合された混合物において、熱可塑性材質の添加された樹脂より比重が高いナノシルバー粒子が沈殿することを防止することを他の目的とする。
【0009】
また、本発明は、超音波分散により熱可塑性材質の添加された樹脂とナノシルバーを混合させる混合時間を、希釈過程を設けることにより短縮させることをさらに他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の一観点によれば、熱可塑性材質の添加された樹脂に、ナノシルバー粉末を超音波分散器で分散混合して混合物を形成する混合過程と、前記混合過程を経たナノシルバー粉末と熱可塑性材質の添加された樹脂の比重差により、ナノシルバーが沈殿する現象を防止するために、周期的にポンピングするポンピング過程と、前記ポンピング過程を経た混合物をタイル表面にコートするコーティング過程を、含んでなることを特徴とするタイルのコーティング方法が提供される。
【0011】
前記ナノシルバーと前記熱可塑性材質の添加された樹脂の混合割合は、重量比で1:500程度であることが望ましい(請求項2)。
【0012】
前記混合過程によって形成された混合物に、ポンピング過程前に、前記混合過程で使用されたものと同一材質の熱可塑性材質の添加された樹脂を5重量倍添加して希釈させる希釈過程をさらに含むことが望ましい(請求項3)。
【0013】
前記熱可塑性材質の添加された樹脂において、熱可塑性材質は30〜35重量%、樹脂は65〜70重量%であることが望ましい(請求項4)。
【0014】
前記熱可塑性材質は、アクリル、ビニル、PVC、またはUVコーティング液のいずれか一つであることが望ましい(請求項5)。
【発明の効果】
【0015】
以上のような本発明によれば、第一に、熱可塑性材質の添加された樹脂にナノシルバーを添加して分散混合する過程を超音波分散装置で行うことにより、ナノシルバー粒子が破壊される現象を防止し、製品表面にコートする場合、ナノシルバーの固有機能を最大限に発揮することができる。
【0016】
第二に、超音波分散により混合された混合物を長期間にわたって製品表面にコートする場合に問題となる、熱可塑性材質の添加された樹脂とナノシルバー粒子の比重差によってナノシルバー粒子が沈殿する現象を、循環ポンプで周期的に循環させること(ポンピング)により防止することができる。
【0017】
第三に、一般に樹脂とナノシルバー粒子を超音波分散によって混合する場合、作業時間がかなり必要となるが、本発明では、先ず超音波分散器で樹脂とナノシルバー粒子を混合処理した後、次に、超音波処理される熱可塑性材質の添加された樹脂と同一材質の樹脂を5重量倍さらに添加して希釈することにより、超音波分散処理時間を短縮させることができる効果がある。
【0018】
第四に、本発明は、タイルの表面に立体感を付与するとともに、タイル表面から発生する静電気および電磁波を遮蔽することができ、抗菌効果を極大化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の製造方法は、UVコーティング、PVCトップコーティング、床仕上げ材、壁紙、服、纎維、PU、PP、ABS、木材(MDF)、HDF、包装紙、転写紙、纎維転写、インテリアフィルムシート、プラスチックに適用可能であるが、本発明の好適な実施例では、タイルに適用して詳しく説明する。
【0020】
本発明によれば、コートされたタイルは、ナノシルバー粉末と樹脂を超音波分散器で超音波分散して混合物を形成する混合過程と、ナノシルバーが沈殿する現象を防止するために周期的にポンピングするポンピング過程と、前記ポンピング過程により供給された混合物をタイル表面にコートするコーティング過程とを含んでなる方法により製造される。コートは、望ましくは、混合物をT−ダイに入れ、圧縮ローラー対を通過する方法により行われる。
【0021】
本発明において、熱可塑性材質の添加された樹脂にナノシルバーを混合する過程で、溶媒は熱可塑性材質の添加された樹脂と、溶質はナノシルバー粒子と定義する。前記ナノシルバーとしては、NTBase(株)社の製品を使用することができる。このナノシルバーは、その大きさが50nm以下の微細なものであり、表1に示す製品の特性を有する。
【0022】
【表1】

【0023】
前記樹脂としては、化学的に合成した樹脂でなく天然で産出される樹脂が望ましく、非結晶性または非揮発性あり、アルコールやエーテルに溶けるが、水には溶けない特性を有するものを好適に使用することができる。本発明では、前記樹脂に熱可塑性材質を添加して使用する。熱可塑性材質としては、アクリル、ビニル、PVC、UVコーティング液の中から選ばれるいずれか1種を使用することが望ましい。
【0024】
前記のように、前記熱可塑性材質の添加された樹脂において、熱可塑性材質の濃度は30〜35重量%が望ましい。その濃度が30%以下の場合は、その粘度があまりに低下してタイル表面から剥離し易くなる問題点があり、その濃度が35%以上の場合は、その粘度があまりに高くてタイル表面にコートしにくくなる問題点があるからである。
【0025】
前記のように、ナノシルバーと熱可塑性材質の添加された樹脂を超音波分散器で超音波分散混合することにより、従来のナノシルバー粒子と樹脂を物理的に混合する場合に比べ、ナノシルバーの微細粉末が破壊されないため、ナノシルバーの固有機能を発揮することができる。
【0026】
前記混合過程を経た後、ナノシルバー粒子と熱可塑性材質の添加された樹脂の比重差によってナノシルバーが沈殿する現象を防止するために、一定期間周期的に混合物をポンプで循環させること(ポンピング)が望ましい。本発明において、ナノシルバーが沈殿する現象を防止するために使用するポンピング装置としては、産業分野で通常に使用される循環ポンプが使用され、前記循環ポンプが作動する周期はナノシルバー粉末と熱可塑性材質の添加された樹脂の量により変動するが、通常5分〜20分間循環ポンプで作動させる。
【0027】
本発明において、ナノシルバー粉末と樹脂を混合する超音波分散器は、超音波を使用して噴射する装置で、この装置は大韓民国特許第10−357638号に開示されている。例えば、ナノシルバー粉末と熱可塑性材質の添加された樹脂を常温(25℃)、大気圧(1気圧)で超音波分散器により分散作業を行い、超音波分散器で分散してタイル表面にコートする条件は常温(25℃)、大気圧(1気圧)である。また、前記ポンプを循環させる時間は、超音波分散器で1時間混合した後、5分程度ポンピングすることが望ましい。
【0028】
前記のように、熱可塑性材質の添加された樹脂に超音波分散混合過程によりナノシルバーを混合した混合物をタイル表面にコートすれば、静電気減衰、電磁波遮蔽、表面殺菌および抗菌、脱臭機能が発揮可能である。前記タイル表面に、熱可塑性材質の添加された樹脂に超音波分散混合過程によりナノシルバーを混合した混合物をコートし、その表面の電気抵抗を測定して見たところ、その表面抵抗が10〜1013Ω/cmになることから、静電気防止に効果があることが分かった。
【0029】
また、超音波分散混合過程の作業時間を減らすために、先ず、熱可塑性材質の添加された樹脂とナノシルバーを重量比500:1程度で超音波分散して混合物を作った後、ポンピング過程の前に、超音波分散過程に使用された樹脂と同一樹脂を、樹脂とナノシルバー混合物対比5重量倍添加して希釈することが望ましい。
【0030】
したがって、前記ナノシルバーと熱可塑性材質の添加された樹脂の混合割合は、重量比で1:2500程度にすることが望ましい。本発明による超音波分散混合によれば、ナノシルバーの微細粉末が破壊されず、樹脂にナノシルバーが均一に混合され、さらにこれをタイル表面にコートすると、ナノシルバーの固有機能を発揮することができる。
【0031】
本発明のコーティング方法により製造されるタイルに対する抗菌性実験を韓国化学試験研究院で次のように実施した。
【0032】
1.抗菌実験方法
(1)実験器機:Clean Bench(SAMKI TECH、大韓民国)
Colony Counter(徳友化学、大韓民国)
Incubator(Memmert、ドイツ)
(2)試験菌株:EScherichia coli ATCC 25922
Staphylococcus aureus ATCC 6538
【0033】
(3)試験方法
菌を培養した後、1〜5×10個/mlとなるように20倍に希釈した寒天培地で菌を希釈して接種液として使用した。試料をそれぞれ滅菌ペトリに入れ、その試料に接種用菌液0.4mlを接種し、その上に被覆フィルムを被せて蓋をした後、35℃で24時間培養する。それぞれ試料および被覆フィルムに付着された菌を中和でペトリ皿内に充分に洗い出し、この洗い出した液から菌数を測定した。被覆フィルムは、Stomacher 400用ポリ滅菌バッグを使用した。菌数は、培地上の菌数に希釈倍数を掛けることで算出した。
2.抗菌実験結果値(単位:個/試料)
【0034】
【表2】

【0035】
3.実験結果
試験試料はグラム陰性菌である大膓菌とグラム陽性菌である黄色葡萄状球菌に対し、24時間経過後、99.9%以上の高い減少率を示した。すなわち、本発明の超音波分散によるナノシルバーの含有された合成樹脂をタイル表面にコートすると、グラム陰性菌である大膓菌とグラム陽性菌である黄色葡萄状球菌に対し、24時間経過後、99.9%以上減少する効果がある。
【0036】
また、従来の方法により、タイル表面またはタイル内面にシルバー粉末を含ませるようにする場合はその表面抵抗が1013〜1015Ω/cmである反面、本発明によるコーティング法でタイルをコーティングする場合はその表面抵抗が10〜1011Ω/cmになることから、静電気防止にも優れた効果がある。
【0037】
タイル表面は前記のような本発明の方法によってコートされることが望ましいが、この本発明で使用されるタイルとして望ましいものは、カーペットの立体感を表現するために、5度以上のグラビア印刷過程を経て製造される。より詳細には、カーペットの立体感を表現するために、5度以上のグラビア印刷過程を行い、重複文様が印刷される部位を空白部にして、個々の毛を表現するために毛文様部を印刷し、前記毛文様部の空白部に重複文様部を印刷し、また重複文様部上に毛文様部を印刷し、立体感を生かすために補完文様部を印刷する過程からなる方法(印刷フィルム製造段階)により製造される印刷フィルムを使用し、下部フィルム、中間フィルム、前記印刷フィルム、透明フィルム、およびカーペットの凹凸感のためのエンボス柄版を順に積層した合紙セットを多数重ねて加圧する合紙段階を含んでなる工法により製造されるものである。
【0038】
以下に添付図面を参照しながら本発明について詳細に説明する。
【0039】
図1および図2において、本発明の核心を成す印刷フィルムの製造工程(S10)はグラビア印刷方法を使用することからなる。グラビア印刷は凹版印刷の一種で、凹版印刷(intaglio printing)の概要は次のようである。凹版印刷は、印刷用版面画線部が印刷版表面より低いので、この部分に溜まったインクで印刷する方法で、彫刻凹版印刷とグラビア印刷がある。
【0040】
彫刻凹版印刷は手で模様を印版材料に彫刻して凹版に作る方法であり、グラビア印刷は写真や文字を原稿にし、これに相当する画線を微細な多数の凹点で作って印刷版にする方法である。彫刻凹版印刷は印刷速度が遅くて少量生産用に適するが、グラビア印刷は高速であるので、大量印刷用に適する。これらの製版方法・印刷機械・印刷インクなどは互いに異なり、印刷物の特徴および用途も互いに異なる。
【0041】
彫刻凹版印刷は、印刷版材料に直接彫刻する方法、すなわち彫刻用ナイフを使用する彫刻凹版、ドライポイント針で浅く刻むドライポイント法などと、印刷版材料に防蝕膜を塗布し、その上に針を用いて防蝕膜を掻き出した後、板材金属を露出させ、その上に腐食液を注いで金属を腐食させて凹版を作る食刻凹版、すなわちエッチング法・アクアティント法などがある。ドライポイント法による印刷は鋭くて堅固な感じを与える印刷物となり、エッチング法またはアクアティント法による印刷は柔らかい感じを与える画線となるが、これら2種の方法を併用することもある。
【0042】
本発明によりコートがされるタイルの製造において、印刷フィルムを製造する工程は、カーペットの立体感を表現するために、5度以上のグラビア印刷過程(図1におけるS10)を経ることが望ましい。まず、図1および図2に示すように、合成樹脂、特にPVCからなる印刷フィルム30の、重複文様が印刷される部位に、空白部31Aを置きながら、個々の毛を表現するために、所望色相の第1の毛文様部31を印刷する(S11)。
【0043】
ついで、前記毛文様部31の空白部31Aに、ほかの色相および文様(たとえば、円形、四角形、星形状、動物形状、モーティブ化された内容、名画)などを持つ重複文様部33Aを印刷し(S13)、さらに重複文様部33A上に第2の毛文様部35Aを印刷する(S15)。
【0044】
前記毛文様部に関連した”第1”および”第2”という用語は便宜上の区分であり、毛文様部は必要によって数回繰り返して印刷することができる。たとえば、図2に示すように、重複文様部33Aのうち、二つの円が重なった部分33Bは、円が重なることをより事実的に表現するために、円を2回にかけて印刷することができる。
【0045】
すなわち、二つの円の重複部分33Bは、最初の重複文様部33Aおよび毛文様部35Aの印刷時に空けて置き、さらに明度および彩度を調節した塗料と食刻版により、重複した円部分に重複文様部33Bを印刷し、引き継いで毛文様部35Bを印刷することができる。このような複雑多段のグラビア印刷は費用費対比効率を考慮して適切に選択して使用する。
【0046】
ついで、実際に、カーペットの毛が一様に立っていないで横になっているか角度が相違して光の反射によって多様な色相および明暗を提供するカーペットを製造するために、補完文様部が印刷される(S17)。このような補完文様部印刷は2回以上繰り返し行うことができる。このような過程を経って出来上がった印刷フィルム30は、タイルに合紙する(S20)ために、ほかのフィルムと加熱圧着する。
【0047】
この時、図3に示すように、保護のための下部フィルム10、タイル形状の維持および多少の緩衝作用のための中間フィルム20、製造された印刷フィルム30、および印刷フィルムの保護のための透明フィルム40を合紙して、最後に、カーペットの毛文様に相応する凹凸が形成されたエンボス柄版50を使用することになる。
【0048】
前記合紙工程(S20)と関連し、本発明は、工程の単純性および生産性の向上を図ろうとするため、下部フィルム10、中間フィルム20、印刷フィルム30、透明フィルム40、そしてエンボス柄版50を合紙セット化して多数重ねて加熱プレス装置に投入することになる。
【0049】
さらに、生産性を一層高めるために、本発明では、前記エンボス柄版50は両面に共に凹凸加工をしたものを使用し、隣接した二つの合紙セットSが一つのエンボス柄版50を共有する形態に対称の積層構造となるようにして、多層の合紙セットS、たとえば5〜10セットを加熱加圧してタイルに合紙することができる。
【0050】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、カーペットの立体感を生かした合成樹脂タイルに適用して、静電気および電磁波を遮蔽することができるとともに抗菌効果を果たす、超音波を用いた銀粉混合合成樹脂のコーティング方法に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明によるタイルの製造方法を示す工程図である。
【図2】本発明による印刷フィルムの製造過程を示す概略図である。
【図3】本発明によるタイルの合紙過程を示す断面図である。
【符号の説明】
【0053】
10 下部フィルム
20 中間フィルム
30 印刷フィルム
31、35A、35B 毛文様部
31A 空白部
33A、33B 重複文様部
40 透明フィルム
50 エンボス柄版

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性材質の添加された樹脂に、ナノシルバー粉末を超音波分散器で分散混合して混合物を形成する混合過程と、
前記混合過程を経たナノシルバー粉末と熱可塑性材質の添加された樹脂の比重差により、ナノシルバーが沈殿する現象を防止するために、周期的にポンピングするポンピング過程と、
前記ポンピング過程を経た混合物をタイル表面にコートするコーティング過程を、
含んでなることを特徴とするタイルのコーティング方法。
【請求項2】
前記ナノシルバー粉末と前記熱可塑性材質の添加された樹脂の混合割合は、重量比で約1:500であることを特徴とする請求項1に記載のタイルのコーティング方法。
【請求項3】
前記ポンピング過程前に、前記混合過程により形成された混合物に、前記混合過程で使用されたものと同一材質の熱可塑性材質の添加された樹脂を、5重量倍添加して希釈させる希釈過程をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のタイルのコーティング方法。
【請求項4】
前記熱可塑性材質の添加された樹脂が、30〜35重量%の熱可塑性材質、および65〜70重量%の樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載のタイルのコーティング方法。
【請求項5】
前記熱可塑性材質が、アクリル、ビニル、PVC、またはUVコーティング液のいずれか一つであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のタイルのコーティング方法。
【請求項6】
前記タイルが、
カーペットの立体感を表現するために、5度以上のグラビア印刷過程を行い、重複文様が印刷される部位を空白部にして、個々の毛を表現するために毛文様部を印刷し、前記毛文様部の空白部に重複文様部を印刷し、また重複文様部上に毛文様部を印刷し、立体感を生かすために補完文様部を印刷する過程からなる方法により製造される印刷フィルムを使用し、
下部フィルム、中間フィルム、前記印刷フィルム、透明フィルム、およびカーペットの凹凸感のためのエンボス柄版を順に積層した合紙セットを多数重ねて加圧する合紙段階を含んでなる工法により製造されることを特徴とする請求項1に記載のタイルのコーティング方法。
【請求項7】
前記合紙段階において、前記エンボス柄版は両面が共に凹凸加工されたものであり、二つの合紙セットが、一つのエンボス柄版を共有する形態に対称の積層構造を持つことを特徴とする請求項6に記載のタイルのコーティング方法。
【請求項8】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のタイルのコーティング方法によりコートされたタイルであって、前記タイル表面の電気抵抗は10〜1011Ω/cmであることを特徴とする銀粉が表面にコートされたタイル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2006−142292(P2006−142292A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−324354(P2005−324354)
【出願日】平成17年11月9日(2005.11.9)
【出願人】(505416360)株式会社 斗一 (1)
【Fターム(参考)】