説明

タイル貼り壁構造

【課題】 部材の取り付けが簡単かつ正確にでき、寸法の異なる多種類のタイルの取り付けに対応可能で、スピーディに正確なタイル貼りができ、地震等の揺動乃至振動を良好に吸収し、タイルの損傷を回避できること。
【解決手段】 建物駆体1から突出させ、断熱材を貫通させた多数の埋込ボルト2に、縦向きに所定横方向間隔で複数の取付基板4を取り付け、その取付基板4にタイル受け片5等を所定の縦方向間隔で取り付け、そのタイル受け片5等にタイル6を取り付ける。タイル受け片5等は、取付面4bに定長さ方向間隔で配した係止穴4b1に上部フック片5a1及び下部フック片5a2等により取り付け、タイル6は、タイル受け片5等に、上辺は、係合上板6bの前面をタイル受け片5の下向き係合片5a4に当接係合させ、下辺は係合溝6aにタイル受け片5の上向き係合片5a3係合させて横方向スライド自在とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の外壁面又は内壁面を構成するタイル貼り壁構造、特にこれを配した建物が地震等による揺動又は振動を受けた際に、その揺動等を吸収してタイルの割れや剥離による落下を防止でき、かつ寸法の異なる種々のタイルに容易に対応可能であり、加えて施工の際には取り付けるタイルの位置決めを正確に行うことができると共に、簡単かつスピーディーに取り付けることができるタイル貼り壁構造に関するものである。なおこの明細書中及び特許請求の範囲中で、タイルの語は、文字通りのタイルの外、同様に建物の内外壁に外装材として用いることのある板状の石材その他の部材をも含むものとする。
【背景技術】
【0002】
この種の技術には、本発明者が提案した特許文献1のタイル貼りの施工方法およびその建築物並びに特許文献2のタイル貼り壁構造がある。
【0003】
その内、特許文献1で提案した技術は、木造建築物の内外壁の施工面に接着剤を塗布し、その上にネット又はラスアミを設ける工程と、次に立骨を設け、かつ立骨の凹所にタイルを貼る工程と、貼られたタイル間に目地を施す工程とでタイルを貼って行くタイル貼りの施工方法及びこの施工方法で構成された建築物である。
【0004】
従って該特許文献1の技術によれば、施工面に取り付けるタイルは、立骨によって位置決めされ、かつ施工中のダレを防止すべく、その鉛直荷重が受け止められるようになっている。そのため、この技術の出現以前に課題となっていた施工中のタイルのダレの問題を解決し、かつ木造建築物の外装としてタイルを用いる場合の躯体に掛かる過荷重問題をも解決したものであり、その点で非常に優れたものであるといえる。
【0005】
しかし、この技術では、施工性を考えると、前記立骨は、その一枚のサイズをできるだけ大きくするのが好ましいが、そうすると運搬・現場管理コストが若干嵩むこととなる難点がある。また建物が地震等の揺動乃至振動を受けた際に、タイルの割れや剥離による落下を防ぐ面では、これ以前の圧着貼り工法に比べると大幅に改善されたが、前記立骨は下地板を介して建物駆体と固く結合しており、タイルにも建物の受けた地震の振動等を殆どそのまま伝えてしまうという課題も残っているといわざるを得ない。
【0006】
また特許文献2で提案した技術は、建築物の施工壁面に下地を構成し、その下地上に、タイルの下端を位置決めしつつ支持する支持突部をその配列予定に合わせて突設すると共に、上下の支持突部間に網状開口結合部を構成した薄板製の位置決めパネルを固設し、該位置決めパネルの支持突部に下端を載せつつその前面にタイルを接着したタイル貼り壁構造である。
【0007】
従って該特許文献2の技術によれば、位置決めパネルの前面に配したタイルは、支持突部でその下端が保持されることにより正確な位置決めが確保され、更に施工時のダレを防止できるものであり、加えて該タイルを取り付けるための接着剤が、該位置決めパネルの網状開口結合部の網に絡むことで、その確実な接着が確保されることになるものである。また該位置決めパネルは、これに開口した横向きの長孔とビスを用いて下地及び建物駆体に固定するものであるが、地震等の揺動乃至振動があった場合には、該長孔の範囲でその揺動乃至振動を吸収することが可能となるものである。それ故、その際に一般に生じるタイルの割れや剥離による落下を防止することができるものである。
【0008】
この特許文献2の技術によれば、一枚の位置決めパネルに以上の全ての機能を持たせたものであるため、前記特許文献1の立骨によるタイルの支持構造に比べて、タイルの取付工程を短縮することができる。また該位置決めパネルは取り扱い易い適当なサイズに構成することが可能であり、そのため前記立骨を用いた構成に比べて運搬費や現場管理コストを減少させることができる。
【0009】
この特許文献2の技術は、以上のように施工性、安全性及びコスト面に於いて、非常に優れたものである。しかし、現在、海外からのタイル輸入が大幅に増えており、国内も含めると、その種類は数千を越える程となっているが、その構成上、前記位置決めパネルは一種類のそれで全てのタイルの取り付けに対応することができるものではない。そして該位置決めパネルを全てのタイルの寸法形状に対応して構成することは不可能であり、それ故、この特許文献2の技術では、事実上、使用可能なタイルの種類が限定されざるを得ないこととなる。
【0010】
【特許文献1】特公平06−23483号公報
【特許文献2】特開2002−250111号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、前記特許文献1及び2の利点を生かし、容易かつスピーディに正確に位置決めしたタイル貼りが可能であり、地震等の揺動乃至振動を良好に吸収してタイルの割れや落下を回避することができ、更にこれらを構成する部材の取付が僅かの位置決め作業により正確に行われ得るものであり、かつ寸法の異なる多種類のタイルの取付に対応可能であるタイル貼り壁構造を提供することを解決の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の1は、建物駆体の表面に所定間隔で縦向きに取り付ける複数の取付基板であって、多数の係止手段を少なくとも長さ方向には定間隔で配した取付面を備え、かつ該取付面の両側に建物駆体の表面に直接又は間接に取り付けるための取付脚部を備えた取付基板と、
該取付基板に、その取付面の係止手段に結合するための結合片を備えたタイル受け片であって、タイルを支持すべくその係合部に横方向スライド自在に係合するための係合片を備えたタイル受け片と、
該タイル受け片の係合片に横方向スライド自在に係合し得る係合部を備えたタイルとで構成したタイル貼り壁構造である。
【0013】
本発明の2は、本発明の1のタイル貼り壁構造に於いて、前記係止手段を前記取付面に開口した係止穴に構成し、該係止穴を、該取付面に、縦横に、かつ少なくとも長さ方向には定間隔で配列し、前記結合片を、前記取付面の任意の係止穴に係止するフック片に構成したものである。
【0014】
本発明の3は、本発明の2のタイル貼り壁構造に於いて、前記係止穴に、その両側縁から各々背後側に向かって延びる脚部と、両脚部の後端間を繋ぐ押出片本体とからなる押出片を構成したものである。
【0015】
本発明の4は、本発明の1、2又は3のタイル貼り壁構造に於いて、前記係合片を、タイルの下部に係合溝として構成した係合部に横方向スライド自在に係合すべく立ち上げた上向き係合片と、タイルの上部に背面側に沿って立ち上げた係合上板として構成した係合部の前面に横方向スライド自在に係合すべく垂下した下向き係合片とで構成したものである。
【0016】
本発明の5は、本発明の1、2又は3のタイル貼り壁構造に於いて、前記係合片を、タイルの背面に横向きあり溝として構成した係合部に横方向スライド自在に係合すべく斜め上向きに立ち上げた斜上係合片に構成したものである。
【0017】
本発明の6は、本発明の1、2、3、4又は5のタイル貼り壁構造に於いて、前記取付基板の取付面の前面とタイルの背面との間に緩衝材を介在させたものである。
【0018】
本発明の7は、本発明の1、2、3、4又は5のタイル貼り壁構造に於いて、前記タイルの裏面と前記取付基板の取付面との間にスポット的に弾性接着剤を配して該タイルと該取付基板とを弾力的に結合したものである。
【0019】
本発明の8は、本発明の7のタイル貼り壁構造に於いて、前記取付基板の背後に弾性接着剤の過剰流出防止用のカバー部材を配したものである。
【0020】
本発明の9は、本発明の1、2、3、4、5、6、7又は8のタイル貼り壁構造に於いて、前記タイル受け片と取付基板との間に、該タイル受け片の外力による上下動を防止する上下動防止手段を施したものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明の1のタイル貼り壁構造によれば、建物駆体の内外壁の表面に取付基板を正確に位置決めして直接又は間接に取り付ければ、その取付面に少なくとも長さ方向に定間隔で構成してある係止手段を利用することにより、タイルの寸法に合わせるべく所定ピッチで、正確にタイル受け片を配設することが可能である。即ち、タイル受け片の位置決めは、予め取付基板の正確な位置決めがしてあれば、正確かつ作業性良好に行えるものである。
【0022】
また以上のように、取付基板の取付面に少なくとも長さ方向には定間隔で配した係止手段を利用してタイル受け片の取付位置を自由に設定できるため、種々の寸法のタイルの取付に容易に対応することが可能となる。タイル受け片をタイル取付領域の各部位毎に対応する間隔で取り付けることにより、寸法の異なる複数種類のタイルを取り付けることも可能である。
【0023】
タイルは、タイル受け片に係合することで、正確に位置決めされつつ取り付けられるものであるため、熟練を要せずに正確な位置決めと確実な取付とを行うことができる。また
タイルは、このようにタイル受け片によってのみその鉛直荷重その他の荷重が支持される完全な乾式の技術であるため、該タイル受け片の強度を必要なレベルに設定するものとすれば、タイルに掛かる風圧荷重も含めて十分にそれらに対応することができる。
【0024】
またタイルはタイル受け片で横方向スライド自在に支持されているものであるため、地震等による横方向の揺動又は振動等はこれで吸収することが可能となり、タイルの割れその他の破損の虞を低減することができる。
【0025】
本発明の2のタイル貼り壁構造によれば、取付基板へのタイル受け片の取り付けが極めて簡単に作業性良好に行えることとなる。
【0026】
本発明の3のタイル貼り壁構造によれば、タイルと取付基板の間に弾性接着剤を配して該タイルのガタ付きを解消しようとする場合等に、前記押出片を利用して、該取付基板の背後に該弾性接着剤の過剰流出防止用のカバー部材を容易に配することができることになる。
【0027】
本発明の4及び5のタイル貼り壁構造によれば、簡単な構成で、タイルを確実に支持できると共に、地震等の横揺れの際には、該タイルが横方向にスライド自在に揺動することによりそれを吸収し、その割れ等の損傷を回避することができる。
【0028】
本発明の6及び7のタイル貼り壁構造によれば、タイルのガタ付きをなくすことができる。
【0029】
本発明の8のタイル貼り壁構造によれば、タイルのガタ付き防止のために前記取付板の前面とタイルの背後との間に弾性接着剤を装入した場合に、該弾性接着剤が該カバー部材によって該取付板の背後側に際限なく流出することが防止されることになる。
【0030】
本発明の9のタイル貼り壁構造によれば、取付基板に取り付けたタイル受け片の上下動が防止され、確実なタイルの取付が確保できることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明のタイル貼り壁構造は、基本的に、建物駆体の表面に所定間隔で縦向きに取り付ける複数の取付基板と、該取付基板に取り付けるタイル受け片と、該タイル受け片に横方向スライド自在に取り付けるタイルとで構成したものである。
【0032】
このタイル貼り壁構造は、木造、鉄骨造、ALC造又はRC造のいずれもが適用対象となる。従って前記建物駆体はそれらのいずれの駆体もそれとなり得る。またこのタイル貼り壁構造は、多くの場合は建物の外表面に適用されであろうが、内表面に適用することも当然可能である。
【0033】
前記取付基板は、多数の係止手段を少なくとも長さ方向には定間隔で配した取付面と、その両側の取付脚部とで構成した長尺部材である。この取付基板は防錆処理を施した種々の金属板材又はそのような処理を必要としないステンレススチール等で構成するのが適当である。前記取付面は、長尺帯板状の構成要素であり、前記のように、多数の係止手段が少なくとも長さ方向には定間隔で配されている。
【0034】
該係止手段は、前記タイル受け片をその結合片を利用して結合するための手段であり、そのような目的を達成できるものであれば特定の構成に限定されない。該係止手段は、該取付面に開口した係止穴に構成し、該係止穴を、該取付面に、縦横に、かつその長さ方向には定間隔で配列する構成とすることができる。該係止穴の横方向に配列する数及び形状共に特定のそれに限定されない。例えば、該係止穴は横長の長方形に構成し、該取付面の横方向には2以上の係止穴を所定間隔で配列し、長さ方向には、これらを一定間隔で該取付面の長さに応じて多数配列する構成とすることができる。
【0035】
該係止手段は、上記の係止穴の外、例えば、該取付面からその前方にほぼU字状に突出する係止環に構成することも可能であり、この場合のその配列も、該係止穴に構成した場合と同様のそれとすれば良い。
【0036】
前記係止手段を前記係止穴に構成した場合は、前記タイル受け片の後記結合片を前記取付面の任意の係止穴に係止するフック片に構成することができる。より詳細には、該係止穴を、前記のような長方形に構成した場合は、該フック片はその係止穴の下縁に係止することになる。前記係止手段を前記係止環に構成した場合も、該タイル受け片の結合片はほぼ同様の構成とし、かつ同様に係止することができる。
【0037】
なお前記タイル受け片の結合片は、前記取付基板の取付面に構成される係止手段に対応した構成とすべきものであるから、当然、該係止手段が異なるものに構成されれば、上記のようなフック片には限らず、対応する別の構成となる可能性のあるものである。
【0038】
また前記係止手段を、前記のような係止穴に構成した場合は、該係止穴に、その両側縁から各々背後側に向かって延びる脚部と両脚部の後端間を繋ぐ押出片本体とからなる押出片に構成することができる。この押出片は、その背後側にカバー部材を配するのに利用することができるものであり、このようにカバー部材を配しておくと、タイルと取付基板との間に弾性接着剤を配して該タイルのガタ付きを解消しようとする場合に、その弾性接着剤が該取付基板の背後側に流出しようとするのを防止することができることになる。
【0039】
前記取付脚部は、前記のように、前記取付面の両側に構成され、建物駆体の表面に直接又は間接に取り付ける機能を果たすべきものであり、そのような機能を発揮できる限り特定の構成に限定されない。該取付脚部は、例えば、該取付面の両側部から各々背後側に延びる脚板部と、該両脚板部の後端部から、各々該取付面に平行に、かつ外方に張り出す固定板部と、該両固定板部にその長さ方向に沿って定間隔で開口した取付孔とで構成することができる。
【0040】
該取付脚部を、以上のように構成すると、前記取付面と一体となった取付基板はその端部から見ると、鍔付き帽子の断面形状に類似する形状となる。
【0041】
前記タイル受け片は、概ね板状のタイル受け片本体に、前記取付基板に取り付けるための結合片と、タイルを支持するための係合片とを備えたものである。上記結合片は、より具体的には、該取付基板の取付面に構成した係止手段に係止するための手段であり、前記したように、係止手段の具体的な構成に対応した構成とする。前記のように、該係止手段を係止穴や係止環に構成した場合は、これに係止し得るフック片に構成する等である。
【0042】
前記係合片は、より詳細には、タイルを、その係合部に横方向スライド自在に係合することによって支持するための手段であり、該タイルの鉛直荷重及び風圧等によって生じる面に直交する方向の荷重も受ける手段であり、このような機能を有するものである限り、特定の構成に限定されない。
【0043】
例えば、前記係合片は、前記タイル受け片の下端から若干前方に張り出した張出部の先端に構成することができる。該係合片は、より詳しくは、該張出部の先端から立ち上げた上向き係合片と該張出部の先端から垂下させた下向き係合片とで構成することができる。係合片をこのように構成した場合は、下部に係合溝として構成した係合部を有し、上部に背面側に沿って立ち上がる係合上板として構成した係合部を有するタイルの支持に有効に用いることができる。即ち、前記上向き係合片を、上方に位置するタイルの下部の係合溝に横方向スライド自在に係合させ、かつ前記下向き係合片を、下方に位置するタイル上部の係合上板の前面に横方向スライド自在に係合させ、これらのタイルを、その上下端付近で前記取付基板に配したタイル受け片によって、以上のように、支持することができる。
【0044】
また例えば、前記係合片は、前記タイル受け片の前面から斜め上向きに立ち上げた斜上係合片に構成することもできる。係合片をこのように構成した場合は、背面に横向きあり溝として構成した係合部を備えたタイルの支持に有効に用いることができる。即ち、該横向きあり溝に前記斜上係合片を横方向スライド自在に係合させ、これによって当該のタイルを、その背後で取付基板に配したタイル受け片によって支持することができる。
【0045】
本発明のタイル貼り壁構造の適用対象となるタイルには、当然、以上のタイル受け片の係合片で横方向スライド自在に係合し得る係合部を備える必要がある。このタイルの表面形状や寸法は特定のそれに限定されるものではない。該係合部は、上記の条件を満足するため、前記したように、タイルの下端付近に横方向に延びる係合溝として構成し、上端からその背面側に沿って立ち上がる係合上板として構成する等が適当であり、勿論、これ以外にも前記趣旨を満足し得る種々の構成を採用可能である。
【0046】
本発明のタイル貼り壁構造は、前記取付基板を初めに建物駆体の外表面又は内表面に直接又は間接に取り付けて構成する。これを建物駆体の外表面に適用する場合には、対象の建物が外断熱又は内断熱のいずれの断熱形式を採用するかが問題となるが、いずれを採用する場合であっても適用可能である。外断熱形式を採用する場合は、建物駆体から断熱材を貫通して突出させた棒状の支持手段、例えば、支持ボルトの先端で直接に前記取付基板を固定することができる。これは、前記取付脚部を、例えば、前記のように、脚板部と固定板部と該固定板部に開口した取付孔とで構成した場合には、該取付脚部の取付孔に前記支持ボルトを貫通させ、その内側及び外側に螺合したナットで不陸を調整しつつ締め付け固定することができる。
【0047】
或いは、上記のような支持ボルトで、断熱材の外面に沿って横胴縁を固定し、該横胴縁の前面に該取付基板を固定することもできる。
【0048】
いずれにしても、取付基板は、縦向きに固定するものとし、そのとき、その上端又は下端を、設置するタイルの配列に対応させて正確に設定し、かつ横方向には所定間隔で配するものとする。
【0049】
このように取付基板を建物駆体の表面に直接又は間接に取り付けた後、取付対象のタイルの上下方向の寸法及びその配列に対応させて該取付基板の必要な位置に必要な数のタイル受け片を取り付ける。該タイル受け片は、その結合片で該取付基板の取付面の係止手段に係止する。なお、該係止手段が前記係止穴であり、該結合片が前記フック片である場合には、該フック片を該係止穴の下縁に係止することで容易にタイル受け片を取付基板に取り付けることができるが、この場合は、地震等の際にタイルを支持するこれらのタイル受け片が上下動し、取付基板から離脱する虞もなしとはしない。従ってこのような構成の場合は、該タイル受け片と該取付基板との間に、該タイル受け片の外力による上下動を防止する上下動防止手段を施しておくのが適当である。
【0050】
上記上下動防止手段としては、例えば、タイル受け片の本体及び取付基板の取付面に相互に対応させて各々開口した下穴及びビスで構成することができ、タイル受け片を取付基板に取り付けた際に、該ビスを上記両下穴に同時にねじ込んで両者を結合固定するようにすることができる。
【0051】
この後、前記取付基板に配したタイル受け片にタイルを係止する。タイルは、その係合部をタイル受け片の係合片に横方向スライド自在に係合することで取り付ける。前記取付基板の所定の位置に配してあるタイル受け片に、以上のようにして取り付けてゆくだけで、タイルを所定の配列に配列しながら取り付けることができる。そのため取付作業も熟練を要せず、正確な取り付け及び配列が可能となる。
【0052】
なお、以上のようにタイルを取り付ける際に、該タイルのガタ付きを防止する観点から、前記取付基板の取付面の前面とタイルの背面との間に緩衝材を介在させ、若しくは前記タイルの裏面と前記取付基板の取付面との間にスポット的に弾性接着剤を配して該タイルと該取付基板とを弾力的に結合することとするのが好ましい。
【0053】
前記緩衝材を介在させる場合は、例えば、予め前記取付基板の取付面の前面に緩衝材を仮止めしておいた上で、タイルの取付作業を行えば、自ずとタイルと取付基板の取付面との間に該緩衝材が介在状態となり、該タイルのガタ付きを防止することができることになる。なお上記緩衝材としては、前記のような機能を果たし得る種々の弾力性を持った部材を自由に採用することができる。
【0054】
また前記弾性接着剤をタイルの裏面と前記取付基板の取付面との間にスポット的に配する場合は、例えば、タイルの裏面に弾性接着剤を塗布した上で、該弾性接着剤を該取付基板の取付面に押し付けながら、前記したように、タイル受け片に取り付ければ、該弾性接着剤が該取付面の係止手段に絡むこととなり、該タイルと取付基板とは弾性接着剤を介して弾力的に結合し、前記のようなガタ付き防止機能を確保できることとなる。或いは弾性接着剤は、予め前記取付基板の取付面に塗布しておき、その後、タイルを該弾性接着剤に押し付けながらタイル受け片に取り付けるようにすることもできる。この場合も同様に該タイルと取付基板との間に介在する弾性接着剤によりガタ付防止機能を確保できることになる。
【0055】
なお、前記係止手段が、係止穴のような取付基板の背後に貫通する要素を持っているものである場合には、その背後に弾性接着剤の過剰流出防止用のカバー部材を配するのが適当である。前記したように、係止手段を係止穴に構成した場合は、該係止穴に、その両側縁から各々背後側に向かって延びる脚部と両脚部の後端間を繋ぐ押出片本体とからなる押出片を構成しておくものとすれば、この押出片を利用して、該取付基板の背後側にカバー部材を取り付けることができる。この場合は、該カバー部材は、両面接着剤等で押出片の後面に接着結合することで、該押出片の後面までの間隔で該取付基板の背後に配することができことになる。こうして弾性接着剤のバックアップを行い、背後側への流出を防止することができる。
【0056】
以上のタイル受け片は、タイル取付領域の最上部では、それより上方には取り付けるべきタイルは存在しないので、上部専用のそれを構成し、タイル取付領域の最下部ではそれより下方には、やはり取り付けるべきタイルは存在しないので、下部専用のそれを構成しておくのが適当である。例えば、上部専用のタイル受け片としては、下部のタイルの上部のみを支持する係合片を備えたものに構成し、下部専用のタイル受け片としては、それより上部のタイルの下部のみを支持する係合片を備えたものに構成する等である。
【0057】
従って本発明のタイル貼り壁構造によれば、建物駆体の内外壁の表面に取付基板を正確に位置決めして直接又は間接に取り付ければ、前記のように、その取付面に少なくとも長さ方向に定間隔で配してある係止手段を利用することにより、タイルの寸法に合わせて所定間隔で正確にタイル受け片を配設することが可能である。従って、タイル受け片の位置決めは、予め取付基板の正確な位置決めさえしておけば、正確かつ作業性良好に行えるものである。
【0058】
また以上のように、取付基板の取付面に少なくとも長さ方向に定間隔で配してある係止手段を利用してタイル受け片の取付位置を自由に設定できるため、種々の寸法のタイルの取り付けに容易に対応することが可能となる。タイル受け片をタイル取付領域の各部位毎に取り付けるタイルの高さ方向の寸法に対応する間隔で取り付けておくことにより、各領域毎に寸法の異なる複数種類のタイルを取り付けることも可能である。
【0059】
本発明のタイル貼り壁構造は、前記のように、タイル受け片によってのみタイルの鉛直荷重その他の荷重を支持する完全な乾式の技術であるため、該タイル受け片の強度を必要なレベルに設定しておけば、タイルに掛かる風圧荷重も含めて十分にそれらに対応することができる。
【0060】
またタイルはタイル受け片の係合片で横方向スライド自在に支持されているものであるため、地震等による横方向の揺動又は振動等はこれで吸収することが可能となり、それらの割れその他の破損の虞を低減することができる。
【実施例1】
【0061】
この実施例のタイル貼り壁構造は、外断熱の断熱形式を採用したRC造の建築物に適用した例であり、図1〜図3に示すように、その構成の基本は、建物駆体1から突出させた多数の埋込ボルト2、2…と、断熱材3を貫通した該埋込ボルト2、2…の先端に縦向きに所定横方向間隔で取り付けた取付基板4、4…と、該取付基板4、4…に所定の縦方向間隔で取り付けたタイル受け片5、5…、15、15…、25、25…と、該タイル受け片5、5…、15、15…、25、25…に取り付けたタイル6、6…とで構成したものである。
【0062】
以下にこの実施例のタイル貼り壁構造を施工手順に沿って詳細に説明する。
予め建物駆体1に前記埋込ボルト2、2…を配しておく。該埋込ボルト2、2…は、横方向には、前記取付基板4、4…の横方向の取付間隔に対応させ、かつ縦方向には、該取付基板4、4…の後記取付脚部4a、4aの各固定板部4a1に開口した取付孔4a2、4a2…の縦方向の間隔に対応させて建物駆体1に配する。もっともこれらの埋込ボルト2、2…で支持するタイル6、6…の重量や風圧による荷重その他の荷重を考慮し、それらに十分耐えられるだけの埋込ボルト2、2…を用意しておけば良いので、この実施例では、各固定板部4a1に開口した全ての取付孔4a2、4a2…に対応させて配することはせず、所定数個ごとの間隔で配することとした。また取付基板4、4…の同一高さの部位では、両側の取付脚部4a、4aの各固定板部4a1の取付孔4a2に固定できるように、一対ずつ配することとした。
【0063】
またこれらの埋込ボルト2、2…は、その基部にナットをねじ込んだ状態で埋め込み、抜け止めを図ることとする。またその先端側には内側から順にロックナット2a、固定ナット2b及び取付ナット2cを螺合するものとし、後述するように、これらによって不陸を調整しながら取付基板4を取付固定するものとする。
【0064】
以上のように埋込ボルト2、2…を配した建物駆体1の該当する領域に断熱材3を配する。該断熱材3の該埋込ボルト2、2…に対応する部位は、予め所定径の円形に打ち抜いておくか、或いはそのまま押し当てて該埋込ボルト2、2…を突き抜けさせるようにして設置する。後者の場合も、後から埋込ボルト2、2…の周囲は円形に切り抜き、この部位に後から断熱樹脂を充填することとする。
【0065】
この後、該埋込ボルト2、2…を利用して、建物駆体1の外面に、縦向き、かつ横方向所定間隔で取付基板4、4…を取り付ける。予め埋込ボルト2、2…を、対応する位置関係で埋込設置してあるので、取付基板4、4…は、最上端を設計通りに位置決めして取り付ければ、簡単にかつ正確に取付を行うことができる。
【0066】
該取付基板4は、特に図4(a)、(b)に示すように、中央に位置する取付面4bとその両側の取付脚部4a、4aとで構成したステンレススチール製の長尺部材である。上記取付面4bは、同図に示すように、長尺帯板状の構成要素であり、横方向に配列した4個の係止穴(係止手段)4b1、4b1…を縦方向に一定間隔で連続して配したものである。各係止穴4b1には、同図に示すように、横長長方形の開口部であり、該各係止穴4b1には、更にその両側縁から各々背後側に向かって延びる脚部と両脚部の後端間を繋ぐ押出片本体とからなる押出片4b2を構成しておくものとする。
【0067】
更に該取付基板4の取付面4bには、特に図4(a)に示すように、その両側部に長さ方向に沿ってタイル受け片5、15、25の上下動を防止すべく固定する固定孔(上下動防止手段)4b3、4b3…を連設開口する。このとき各固定孔4b3は、長さ方向に隣り合う前記係止穴4b1、4b1の中間付近でその外側の付近に開口するものとする。
【0068】
また前記取付脚部4a、4aは、特に図4(a)、(b)に示すように、前記取付面4bの両側に構成するものであり、該取付面4bの両側部から各々背後側にほぼ直角に延びる脚板部4a3と、該両脚板部4a3、4a3の後端部から、各々該取付面4bに平行に、かつ外方に張り出す固定板部4a1、4a1と、該両固定板部4a1、4a1にその長さ方向に沿って定間隔で開口した取付孔4a2、4a2…と、長さ方向に各隣接する取付孔4a2、4a2間に開口した取付補助孔4a4、4a4とで構成したものである。
【0069】
なお該取付脚部4a、4aの両固定板部4a1、4a1の外側部には、特に図4(b)に示すように、前記脚板部4a3と平行に、かつ取付面4b側に立ち上がる補強側板4a5を構成してある。
【0070】
このような取付基板4は、前記のように、建物駆体1の外表面に配列固定された埋込ボルト2、2…に、その取付脚部4a、4aを利用して取付固定する。各埋込ボルト2、2…は、図2に示すように、それに螺合してあるロックナット2a及び固定ナット2bの螺合状態を調節して不陸を調整し、かつ固定ナット2bを適正位置に固定し、その状態で、取付基板4を取り付ける。その両取付脚部4a、4aの固定板部4a1、4a1に開口してある取付孔4a2、4a2の内、適正部位のそれに前記埋込ボルト2、2の先端部を挿入状態とし、該固定板部4a1、4a1の裏面側を該固定ナット2bに当接させ、この状態で、該埋込ボルト2、2の先端側に各々前記取付ナット2cを螺合して締め付け、図1及び図2に示すように、該固定板部4a1、4a1を該埋込ボルト2、2を介して建物駆体1に固定する。
【0071】
なおこの実施例では、前記固定板部4a1、4a1に設けた取付孔4a2、4a2…は円形に開口したものとしたが、これらを横長の楕円形に形成しておき、埋込ボルト2cとの結合の際に、取付基板4の横方向の調整をし易くすることもできる。
【0072】
またこの実施例では、該取付基板4の背面側にカバーシート(カバー部材)7を配した状態で、以上のように、埋込ボルト2、2…に取り付けるものとする。該カバーシート7は、図9(a)、(b)に示すように、各係止穴4b1、4b1…の両側縁から背後側に押出状態に構成してある押出片4b2、4b2…を利用し、その押出片本体の背面に両面テープ等で接着することで取り付けておくものとする。
【0073】
取付基板4、4…の取り付けは、こうして、前記したように、予め埋込固定してある埋込ボルト2、2…を利用して必要な全領域に最上部位置を設計通りに設定しつつ所定の横方向間隔で配設すれば完了である。
【0074】
この後は、該取付基板4、4…に、タイル6、6…の配列に対応させて所定の高さ方向間隔でタイル受け片5、5…を取り付ける。最下部では下部用のタイル受け片15、15…を取り付け、最上部では上部用のタイル受け片25、25…を取り付ける。
【0075】
各タイル受け片5、15、25の内、最上部と最下部を除いた各部で使用するタイル受け片5は、図5(a)、(b)、(c)に示すように、概ね長方形板状の受け片本体5aに、前記取付基板4に取り付けるための一対の上部フック片(結合片)5a1、5a1及び一対の下部フック片(結合片)5a2、5a2と、上方のタイル6を支持するための一対の上向き係合片(係合片)5a3、5a3及び下方のタイル6を支持するための一対の下向き係合片(係合片)5a4、5a4とを備えたものである。
【0076】
前記一対の上部フック片5a1、5a1は、前記取付基板4の取付面4bに開口した横方向4個の係止穴4b1、4b1…の内、両側部の二つに係止する位置関係に構成し、前記一対の下部フック片5a2、5a2は、その二段下の4個の係止穴4b1、4b1…の内、内側の二つに係止する位置関係に構成したものである。
【0077】
また前記各一対の上向き係合片5a3、5a3及び下向き係合片5a4、5a4は、前記受け片本体5aの下端から前方に張り出した張出部5a5の先端に構成する。該上向き係合片5a3、5a3は、図8(a)に示すように、取付対象のタイル6の下部に構成した係合溝(係合部)6aにスライド自在に係合し得るように、該張出部5a5の先端から立ち上げる。該張出部5a5の張出寸法は、該タイル6の係合溝6aの後内側面からタイル6の後面までの寸法を若干越える寸法とする。該下向き係合片5a4、5a4は、取付対象のタイル6の上部にその背面側に沿って立ち上げた係合上板(係合部)6bの前面にスライド自在に当接係合し得るように、該張出部5a5の先端から垂下させる。該係合上板6bの厚み寸法は、該係合溝6aの後内側面からこれを構成したタイル6の後面までの寸法とほぼ同一となっている。
【0078】
なおこのタイル受け片5の受け片本体5aには、前記取付基板4に取り付けた際に、その同一高さの一対の固定孔4b3、4b3と相互に一致することとなる位置に一対の固定孔(上下動防止手段)5a6、5a6を開口しておくものとする。これらの固定孔5a6、5a6は、図5(a)に示すように、この実施例では、円形に構成したが、若干縦長の楕円形に構成して、高さ方向の調整をし易くすることもできる。
【0079】
最下部で使用する下部用のタイル受け片15は、図6(a)、(b)に示すように、概ね長方形板状の受け片本体15aに、前記取付基板4に取り付けるための一対の上部フック片(結合片)15a1、15a1及び一対の下部フック片(結合片)15a2、15a2と、上方のタイル6を支持するための一対の上向き係合片(係合片)15a3、15a3とを備えたものである。
【0080】
前記各一対の上部フック片15a1、15a1及び下部フック片15a2、15a2は、最上部と最下部以外で用いるタイル受け片5の上部フック片5a1、5a1及び下部フック片5a2、5a2と全く同様の構成である。また前記上向き係合片15a3、15a3も該タイル受け片5の上向き係合片5a3、5a3と全く同様の構成であり、張出部15a5の先端から立ち上げたものである。
【0081】
なおこのタイル受け片15の受け片本体15aには、前記取付基板4に取り付けた際に、その同一高さの一対の固定孔4b3、4b3と相互に一致することとなる位置に一対の固定孔(上下動防止手段)15a4、15a4を開口しておくものとする。これらの固定孔15a4、15a4は、図6(a)に示すように、この実施例では、円形に構成したが、若干縦長の楕円形に構成して、高さ方向の調整をし易くすることもできる。
【0082】
また最上部で使用するタイル受け片25は、図7(a)、(b)に示すように、概ね長方形板状の受け片本体25aに、前記取付基板4に取り付けるための一対の上部フック片(結合片)25a1、25a1及び一対の下部フック片(結合片)25a2、25a2と、下方のタイル6を支持するための下向き係合片(係合片)25a3とを備えたものである。前記受け片本体25aの高さ方向の寸法は、他の二つのタイル受け片5、15のそれより若干大寸法となっており、それ故及び上部フック片25a1、25a1及び下部フック片25a2、25a2が取付基板4の取付面4bの直上直下の係止穴4b1、4b1…に配されるものであるため、該上部フック片25a1、25a1も受け片本体25aの上端上ではなく、その上下方向の途中に配されることになっている。
【0083】
前記各一対の上部フック片25a1、25a1は、前記受け片本体25aの上部途中に配置し、前記取付基板4の取付面4bに開口した横方向4個の係止穴4b1、4b1…の内の内側の二つに係止する横方向間隔に構成し、前記一対の下部フック片25a2、25a2は、前記受け片本体25aの下部途中に配置し、前記4個の係止穴4b1、4b1…の直下の4個の係止穴4b1、4b1…の内の外側の二つに係止する位置関係に構成したものである。
【0084】
また前記下向き係合片25a3は、前記受け片本体25aの上端から前方に張り出した張出部25a5の先端に構成する。該下向き係合片25a3は、該張出部25a5の先端全体から垂下させた構成とし、取付対象の下方のタイル6の上部にその背面側に沿って立ち上げた係合上板6bの前面にスライド自在に当接係合し得るものとする。該張出部25a5の張出寸法は、他のタイル受け片5、15のそれと同様とする。
【0085】
なおこのタイル受け片25の受け片本体25aには、前記取付基板4に取り付けた際に、その同一高さの一対の固定孔4b3、4b3と相互に一致することとなる位置に一対の固定孔(上下動防止手段)25a4、25a4を開口しておくものとする。これらの固定孔25a4、25a4は若干縦長楕円形として、高さ方向の調整をし易くしてある。
【0086】
前記のように、前記取付基板4、4…を取り付けた後は、該取付基板4、4…に、タイル6、6…の配列に対応させて所定の高さ方向間隔でタイル受け片5、5…を取り付ける。当然、最下部では下部用のタイル受け片15、15…を取り付け、最上部では上部用のタイル受け片25、25…を取り付ける。
【0087】
タイル取付領域の最下部及び最下部以外で用いるタイル受け片5、5…、15、15…は、図1及び図2(a)、(b)に示すように、その一対の上部フック片5a1、5a1、15a1、15a1を、該当する取付基板4の対応する部位で、その取付面4bに開口した横方向4個の係止穴4b1、4b1…の内の両側部の二つに係止させ、一対の下部フック片5a2、5a2、15a2、15a2を、その二段下の4個の係止穴4b1、4b1…の内の内側の二つに係止させ、これによって該取付基板4に取り付ける。
【0088】
またタイル取付領域の最上部で用いるタイル受け片25、25…は、図1及び図2(a)に示すように、その一対の上部フック片25a1、25a1を、該当する取付基板4の対応する部位で、その取付面4bに開口した横方向4個の係止穴4b1、4b1…の内の内側の二つに係止させ、一対の下部フック片25a2、25a2を、その二段下の4個の係止穴4b1、4b1…の内の外側の二つに係止させ、これによって該取付基板4に取り付ける。
【0089】
こうして取付基板4、4…に取り付けたタイル受け片5、5…、15、15…、25、25…は、この状態で、各々の受け片本体5a、15a、25aに開口した固定孔5a6、15a4、25a4がそれぞれ接合している取付基板4、4…の取付面4bの該当する部位の固定孔4b3と表裏一致することとなる。そこで、この時点で、各受け片本体5a、15a、25aの固定孔5a6、15a4、25a4から、取付面4bの固定孔4b3に、ねじ込みながら螺旋を形成することができるビスをねじ込んで両者を固定しておくものとする。
【0090】
この後、前記取付基板4に配したタイル受け片5、5…、15、15…、25、25…にタイル6、6…を係止する。
【0091】
タイル6は、この実施例では、図2(a)及び図8(a)、(b)、(c)に示すように、基本的には四辺形板状のそれであるが、その下辺の背後側を半分ほど切り欠き、更にその中央部付近を該下辺の長さ方向に沿って掘り上げて前記係合溝6aを形成し、他方、その上辺の前部側を下から順に深く二段に切り欠き、上段側を前記係合上板6bに形成することとしたものである。該係合上板6bは、以上のような構成であるから、タイル6の上部にその背面側に沿って立ち上がった状態である。その前面は滑面となるようにする。
【0092】
タイル6は、最上部及び最下部以外では、対応するタイル受け片5に取り付ける。その上辺は、図2(a)、図3及び図8(a)に示すように、その係合上板6bを該当するタイル受け片5の下向き係合片5a4、5a4の背後側に装入してその前面を当接係合させ、該タイル6を若干持ち上げながらその下辺の係合溝6aに該タイル受け片5の上向き係合片5a3、5a3を進入係合させる。この状態で該タイル6は横方向スライド自在となる。
【0093】
タイル取付領域の最上部では、図2(a)及び図8(b)に示すように、該当するタイル6の上辺は、その係合上板6bを該当するタイル受け片25の下向き係合片25a3の背後側に装入してその前面を当接係合させる。このタイル6の下辺は、これを若干持ち上げつつその下辺の係合溝6aに、直下のタイル受け片5の上向き係合片5a3、5a3を進入係合させる。云うまでもなく、この場合も、この状態で該タイル6は横方向スライド自在となる。
【0094】
タイル取付領域の最下部では、図2(a)及び図8(c)に示すように、該当するタイル6の下辺は、上辺の係合上板6bを直上のタイル受け片5の下向き係合片5a4、5a4の背後側に装入して若干持ち上げながら、その係合溝6aに、最下部用のタイル受け片15の上向き係合片15a3、15a3を進入係合させるものである。この場合も、当然、この状態で該タイル6は横方向スライド自在となる。
【0095】
タイル6、6…は、それぞれ該当する部位では、以上のようにして、タイル受け片5、15、25で取り付けることができ、全タイル取付領域での取り付けが完了すれば取付作業は終了である。
【0096】

以上のタイル6の取付作業は、この実施例では、図3に示すように、予め取付基板4の取付面4bの前面に弾性接着剤9をスポット的に塗布した上で行う。こうした上で、タイル6をこれに押し付けつつタイル受け片5、15、25に取り付けると、このとき及び上記塗布時に、該取付基板4の取付面4bに開口した係止穴4b1、4b1…に該弾性接着剤9が絡んで該取付基板4とタイル6とが弾力的に結合し、タイル6のガタ付きを回避することができる。なお前記のように、前記押出片4b2、4b2…の背面にカバーシート7を接着して、該取付基板4の背後をカバーしてあるため、弾性接着剤9のバックアップが行われ、上記作業時に弾性接着剤9が該取付基板4の背後に流出し、係止穴4b1、4b1…に十分に絡むことができないような問題は生じない。
【実施例2】
【0097】
この実施例2は、実施例1とタイル受け片の構成のみが異なる例である。タイル受け片の係合片の構成上、タイル取付領域の最上部、最下部及びそれらの間のいかなる領域でも使用可能であり、それ故、この実施例2は、一種類のタイル受け片で構成されるタイル貼り壁構造に関する。この実施例2は、実施例1とはタイル受け片の係合片の構成が異なるので、当然、タイルの係合部の構成も異なる。従ってこれらの点についてのみ述べる。
【0098】
このタイル受け片35は、図11(a)、(b)に示すように、概ね長方形板状の受け片本体35aに、前記取付基板4に取り付けるための各一対の上部フック片(結合片)35a1、35a1及び下部フック片(結合片)35a2、35a2と、タイル6を支持するための上下各一対の斜上係合片(係合片)35a3、35a3…と、下端から張り出した下部係合突片(係合片)35a4とを備えたものである。
【0099】
前記一対の上部フック片35a1、35a1は、前記取付基板4の取付面4bに開口した横方向4個の係止穴4b1、4b1…の内、両側部の二つに係止する位置関係に構成し、前記一対の下部フック片35a2、35a2は、その二段下の4個の係止穴4b1、4b1…の同様に外側の二つに係止する位置関係に構成したものである。
【0100】
また前記上下各一対の斜上係合片35a3、35a3は、前記受け片本体35aの上部途中及び下部途中から、文字通り、斜め上向きに突出させたものである。前記下部係合突片35a4は、該受け片本体35aの下端から前方に直角に張り出したものである。
【0101】
なおこのタイル受け片35の受け片本体35aには、前記取付基板4に取り付けた際に、その同一高さの一対の固定孔4b3、4b3と相互に一致することとなる位置に一対の固定孔(上下動防止手段)35a5、35a5を開口しておくものとする。
【0102】
このタイル受け片35に適合するタイル16は、図10に示すように、基本的には四辺形板状であるが、背面上部途中及び下部途中には、前記タイル受け片35の斜上係合片35a3、35a3…の位置に対応させて、横向きの係合あり溝16a、16aを形成し、更に下方の係合あり溝16aより下方に、該タイル受け片35の下部係合突片35a4の位置に対応させて、横向きの係合溝16bを形成したものである。
【0103】
従ってこのタイル16は、タイル取付領域のいずれでも、同様にタイル受け片35に取り付ける。図10に示すように、その上下の係合あり溝16a、16aに、該タイル受け片35の上下の斜上係合片35a3、35a3…を挿入し、かつ下方の係合溝16bに該タイル受け片35の下端の下部係合突片35a4を挿入する。この状態で該タイル16は横方向スライド自在となり、確実に取り付けられる。なお、この場合、必要に応じて、該係合溝16bに弾性接着剤を充填してタイル16とタイル受け片35との結合を強化することもできる。
【0104】
なお図10中、35a6は、タイル受け片35の固定孔35a5及び取付基板4の取付面4bの固定孔4b3にねじ込んだビスである。また8aはタイル16、16間の目地に詰めた目地材、8bは、目地材8aの背後をバックアップするバックアップ材である。
【実施例3】
【0105】
この実施例3も、実施例1とタイル受け片の構成のみが異なる例である。ただし、実施例2とは異なり、タイル取付領域の最上部、最下部及びそれ以外の領域で、実施例1と同様にそれぞれ異なる構成のタイル受け片を用いる。即ち、実施例1のタイル受け片5と対応するタイル受け片45、実施例1のタイル受け片15と対応するタイル受け片55及び実施例1のタイル受け片25と対応するタイル受け片65と、これらのタイル受け片45、55、65の係合片の構成に対応するタイル26とに特徴を有し、その他の点は、実施例1と全く同様である。従ってこれらの点についてのみ述べる。
【0106】
これらのタイル受け片45、55、65は、各々受け片本体5a、15a、25a、上部フック片(結合片)5a1、15a1、25a1、下部フック片(結合片)5a2、15a2、25a2、固定孔(上下動防止手段)は、実施例1のそれらと全く同様の構成であり、符号も同じものを用いて示す。
【0107】
その他の点は、タイル取付領域の最上部及び最下部以外で用いられるタイル受け片45から順次説明する。このタイル受け片45は、図12(a)に示すように、その下端から張り出した張出部45a1を備え、その先端から二つの上向き係合片(係合片)45a2、45a2を折り曲げて立ち上げ、同様に先端の別の部位から二つの下向き係合片(係合片)45a3、45a3を折り曲げて垂下させたものである。なお該張出部45a1は、その張出寸法を、対象とするタイル26の厚みを若干越えたものとする。
【0108】
前記タイル受け片55は、タイル取付領域の最下部で用いられるものであるが、これは、図12(c)に示すように、その最下端から張り出した張出部55a1を備え、その先端から二つの上向き係合片(係合片)55a2、55a2を折り曲げて立ち上げ、同様に先端の別の部位から二つの下向き係合片(係合片)55a3、55a3を折り曲げて垂下させたものである。なお該張出部55a1の張出寸法は、タイル受け片45のそれと全く同様に、対象とするタイル26の厚みを若干越えたものとする。
【0109】
前記タイル受け片65は、タイル取付領域の最上部で用いられるものであるが、これは、図12(b)に示すように、その最上端から張り出した張出部65a1を備え、タイル受け片45、55のそれらと全く同様に、その先端から二つの上向き係合片(係合片)65a2、65a2を折り曲げて立ち上げ、同様に先端の別の部位から二つの下向き係合片(係合片)65a3、65a3を折り曲げて垂下させたものである。なお該張出部65a1の張出寸法は、タイル受け片45、55のそれと全く同様に、対象とするタイル26の厚みを若干越えたものとする。
【0110】
またこの実施例3では、実施例1のタイル6のような係合溝6a及び係合上板6b、或いは実施例2のタイル16のような係合あり溝16a及び係合溝16b等を必要とせず、図12(a)〜(c)に示すように、その上辺及び下辺をそのまま係合部として用いることとしたタイル26を取付対象とする。
【0111】
従ってこの実施例3では、タイル取付領域の最下部では、図12(c)に示すように、タイル26を、その下辺を、張出部55a1に載置することで、タイル受け片55に取り付けるものである。この状態で、同図に示すように、二つの上向き係合片55a2、55a2と受け片本体15aとでタイル26の下辺が支持されることになる。
【0112】
タイル取付領域の最上部では、図12(b)に示すように、タイル26を、その上辺を、二つの下向き係合片65a3、65a3と受け片本体25aとの間に挿入することでタイル受け片65で支持する。
【0113】
タイル取付領域の最下部及び最上部以外の領域では、図12(a)に示すように、タイル受け片45の張出部45a1の上方では、上方のタイル26を、その下辺を、該張出部45a1に載置することで、該タイル受け片45に取り付ける。この状態で、同図に示すように、二つの上向き係合片45a2、45a2と受け片本体5aとでタイル26の下辺が支持されることになる。また該タイル受け片45の張出部45a1の下方では、同図に示すように、下方のタイル26を、その上辺を、二つの下向き係合片45a3、45a3と受け片本体5aとの間に挿入することで支持する。
【0114】
このとき、またタイル取付領域の最上部、最下部及びそれ以外の領域のいずれの領域のタイル受け片45、55、65でもそれらの上向き係合片45a2、55a2、65a2及び下向き係合片45a3、55a3、65a3がタイル26、26間の目地から露出するので、図12(a)、(b)、(c)に示すように、この実施例3では、側面から見てC型の化粧材70を、該上向き係合片45a2、55a2、65a2及び下向き係合片45a3、55a3、65a3に横方向からスライドさせつつ被覆して、これらを隠すようにしたものである。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】RC造の建物駆体に配した取付基板にタイル受け片を取り付けた状態を示す一部切欠正面説明図。
【図2】(a)はRC造の建物駆体に適用した実施例1のタイル貼り壁構造の一部切欠断面説明図、(b)は取付基板に最上部及び最下部以外で使用するタイル受け片を取り付けた状態を示す断面説明図。
【図3】タイルを下方から途中まで取り付けた状態を示す実施例1のタイル貼り壁構造の正面説明図。
【図4】(a)は取付基板の一部切欠正面図、(b)は(a)の平面図。
【図5】(a)は最上部及び最下部以外で使用するタイル受け片の正面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は(a)の平面図。
【図6】(a)は最下部で使用するタイル受け片の正面図、(b)は(a)の右側面図。
【図7】(a)は最上部で使用するタイル受け片の正面図、(b)は(a)の右側面図。
【図8】(a)は最上部及び最下部以外で使用するタイル受け片で上方のタイルの下部及び下方のタイルの上部を支持している状態を示す側面説明図、(b)は最上部で使用するタイル受け片で最上部のタイルの上部を支持している状態を示す側面説明図、(c)は最下部で使用するタイル受け片で最下部のタイルの下部を支持している状態を示す側面説明図。
【図9】(a)は背後側にカバーシートを取り付けた状態を示す取付基板の平面図、(b)は背後側にカバーシートを取り付けた状態を示す取付基板の断面説明図。
【図10】実施例2のタイル貼り壁構造の一部を示す縦断面説明図。
【図11】(a)は実施例2のタイル受け片の正面図、(b)は(a)の右側面図。
【図12】(a)は最上部及び最下部以外で使用する実施例3のタイル受け片で上方のタイルの下部及び下方のタイルの上部を支持している状態を示す側面説明図、(b)は最上部で使用する実施例3のタイル受け片で最上部のタイルの上部を支持している状態を示す側面説明図、(c)は最下部で使用する実施例3のタイル受け片で最下部のタイルの下部を支持している状態を示す側面説明図。
【符号の説明】
【0116】
1 建物駆体
2 埋込ボルト
2a ロックナット
2b 固定ナット
2c 取付ナット
3 断熱材
4 取付基板
4a 取付脚部
4a1 固定板部
4a2 取付孔
4a3 脚板部
4a4 取付補助孔
4a5 補強側板
4b 取付面
4b1 係止穴(係止手段)
4b2 押出片
4b3 固定孔(上下動防止手段)
5 最上部及び最下部以外用のタイル受け片
5a 受け片本体
5a1 上部フック片(結合片)
5a2 下部フック片(結合片)
5a3 上向き係合片(係合片)
5a4 下向き係合片(係合片)
5a5 張出部
5a6 固定孔(上下動防止手段)
6 タイル
6a 係合溝(係合部)
6b 係合上板(係合部)
7 カバーシート(カバー部材)
8a 目地材
8b バックアップ材
9 弾性接着剤
15 下部用のタイル受け片
15a 受け片本体
15a1 上部フック片(結合片)
15a2 下部フック片(結合片)
15a3 上向き係合片(係合片)
15a4 固定孔(上下動防止手段)
15a5 張出部
16 タイル
16a 係合あり溝
16b 係合溝
25 上部用のタイル受け片
25a 受け片本体
25a1 上部フック片(結合片)
25a2 下部フック片(結合片)
25a3 下向き係合片(係合片)
25a4 固定孔(上下動防止手段)
25a5 張出部
35 タイル受け片
35a 受け片本体
35a1 上部フック片(結合片)
35a2 下部フック片(結合片)
35a3 斜上係合片(係合片)
35a4 下部係合突片(係合片)
35a5 固定孔(上下動防止手段)
35a6 ビス
45 最上部及び最下部以外用のタイル受け片
45a1 張出部
45a2 上向き係合片(係合片)
45a3 下向き係合片(係合片)
55 最下部用のタイル受け片
55a1 張出部
55a2 上向き係合片(係合片)
55a3 下向き係合片(係合片)
65 最上部用のタイル受け片
65a1 張出部
65a2 上向き係合片(係合片)
65a3 下向き係合片(係合片)
70 化粧材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物駆体の表面に所定間隔で縦向きに取り付ける複数の取付基板であって、多数の係止手段を少なくとも長さ方向には定間隔で配した取付面を備え、かつ該取付面の両側に建物駆体の表面に直接又は間接に取り付けるための取付脚部を備えた取付基板と、
該取付基板に、その取付面の係止手段に結合するための結合片を備えたタイル受け片であって、タイルを支持すべくその係合部に横方向スライド自在に係合するための係合片を備えたタイル受け片と、
該タイル受け片の係合片に横方向スライド自在に係合し得る係合部を備えたタイルとで構成したタイル貼り壁構造。
【請求項2】
前記係止手段を前記取付面に開口した係止穴に構成し、該係止穴を、該取付面に、縦横に、かつ少なくとも長さ方向には定間隔で配列し、前記結合片を、前記取付面の任意の係止穴に係止するフック片に構成した請求項1のタイル貼り壁構造。
【請求項3】
前記係止穴に、その両側縁から各々背後側に向かって延びる脚部と、両脚部の後端間を繋ぐ押出片本体とからなる押出片を構成した請求項2のタイル貼り壁構造。
【請求項4】
前記係合片を、タイルの下部に係合溝として構成した係合部に横方向スライド自在に係合すべく立ち上げた上向き係合片と、タイルの上部に背面側に沿って立ち上げた係合上板として構成した係合部の前面に横方向スライド自在に係合すべく垂下した下向き係合片とで構成した請求項1、2又は3のタイル貼り壁構造。
【請求項5】
前記係合片を、タイルの背面に横向きあり溝として構成した係合部に横方向スライド自在に係合すべく斜め上向きに立ち上げた斜上係合片に構成した請求項1、2又は3のタイル貼り壁構造。
【請求項6】
前記取付基板の取付面の前面とタイルの背面との間に緩衝材を介在させた請求項1、2、3、4又は5のタイル貼り壁構造。
【請求項7】
前記タイルの裏面と前記取付基板の取付面との間にスポット的に弾性接着剤を配して該タイルと該取付基板とを弾力的に結合した請求項1、2、3、4又は5のタイル貼り壁構造。
【請求項8】
前記取付基板の背後に弾性接着剤の過剰流出防止用のカバー部材を配した請求項7のタイル貼り壁構造。
【請求項9】
前記タイル受け片と取付基板との間に、該タイル受け片の外力による上下動を防止する上下動防止手段を施した請求項1、2、3、4、5、6、7又は8のタイル貼り壁構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−328823(P2006−328823A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−154549(P2005−154549)
【出願日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(500332984)株式会社ヒロコーポレーション (15)
【Fターム(参考)】